(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】電子レシートシステム、情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240109BHJP
【FI】
G06Q20/20 370
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019018581
(22)【出願日】2019-02-05
【審査請求日】2022-01-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/056443(WO,A1)
【文献】特開2019-008833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末とサーバとを備え、
前記端末は、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付ける入力部と、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報を前記サーバに送信する送信部と、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信する受信部と、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示する表示部と、を含み、
前記サーバは、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信するサーバ受信部と、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザを示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定する判定部と、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信するサーバ送信部とを含み、
前記サーバ送信部は、前記ユーザ情報が金額情報を閲覧不可に設定されている場合、金額情報を含まない前記電子レシート情報を
、該電子レシートの転得者であるユーザの前記端末に送信する
電子レシートシステム。
【請求項2】
前記入力部はログイン時に前記ユーザ情報を受け付け、
前記サーバ送信部は、前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、前記電子レシート情報の一部の情報を前記端末に送信し、
前記表示部は、受信した前記電子レシートの一部の情報に基づいて前記電子レシートの一覧を表示する請求項1に記載の電子レシートシステム。
【請求項3】
前記入力部は、前記電子レシートの一覧が前記表示部に表示された後に、前記識別情報を受け付ける請求項2に記載の電子レシートシステム。
【請求項4】
前記入力部は、前記電子レシートの前記識別情報および前記電子レシートを閲覧可能にするユーザのユーザ情報を受け付け、
前記送信部は前記識別情報および前記ユーザ情報を含んだ追加要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記サーバ受信部が前記追加要求を受信すると、前記追加要求に基づき前記共有先情報に前記ユーザ情報を追加する追加部をさらに備える請求項1から3の何れかに記載の電子レシートシステム。
【請求項5】
前記サーバ送信部は、保証の規定に則して実施された保証履歴を示す保証履歴情報をさらに含んだ前記電子レシート情報を前記端末に送信する請求項1から4の何れかに記載の電子レシートシステム。
【請求項6】
前記サーバは、前記電子レシートに含まれる金額情報を閲覧不可にするための金額閲覧不可情報を前記ユーザ情報に設定する設定部をさらに含む請求項1から5の何れかに記載の電子レシートシステム。
【請求項7】
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報を端末から受信するサーバ受信部と、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定する判定部と、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含み、電子レシートを生成するための電子レシート情報を前記端末に送信するサーバ送信部と、を備え、
前記サーバ送信部は、前記ユーザ情報が金額情報を閲覧不可に設定されている場合、金額情報を含まない前記電子レシート情報を前記端末に送信する情報処理装置。
【請求項8】
端末が、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付け、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報をサーバに送信し、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信し、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示し、
サーバが、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信し、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザを示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定し、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信し、
かつ、前記ユーザ情報が金額情報を閲覧不可に設定されている場合、金額情報を含まない前記電子レシート情報を
、該電子レシートの転得者であるユーザの前記端末に送信する、情報処理方法。
【請求項9】
端末が、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報をサーバに送信するステップと、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信するステップと、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示するステップと、
サーバが、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信するステップと、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザを示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が記含まれているか否か判定するステップと、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信し、かつ、前記ユーザ情報が金額情報を閲覧不可に設定されている場合、金額情報を含まない前記電子レシート情報を
、該電子レシートの転得者であるユーザの前記端末に送信する、ステップとを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レシートシステム、情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品を取引する際に、紙媒体のレシートに変えて又は加えて、電子データのレシート(以下、電子レシートという)を出力するシステムが開発されている。
【0003】
特許文献1には、携帯端末の画面上でボタンを押下することによって、あるユーザから別のユーザ(例えば家族や友人)と電子レシートの少なくとも一部を共有できる機能を有する。例えば第1のユーザが別の第2のユーザの代行で商品を購入すると、電子レシートは第1のユーザに対して出力される。この場合に、第1のユーザが携帯端末を用いて電子レシートを共有する操作を行うことによって、本来の購入者である第2のユーザは電子レシートを閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、例えば、第1のユーザ、第2のユーザおよび第3のユーザの3者が同じ電子レシートを閲覧可能にしたい場合がある。このとき、第1のユーザは第2のユーザおよび第3のユーザと電子レシートを共有する操作を実施することで、第2のユーザおよび第3のユーザが電子レシートを閲覧可能にする。しかしながら、引用文献1の発明では、第2のユーザおよび第3のユーザは他の閲覧可能なユーザを確認できないため、既に閲覧可能なユーザに対して、電子レシートを再度共有する操作を実施してしまう可能性がある。
【0006】
したがって、本願発明の目的は電子レシートを閲覧可能なユーザを確認できる電子レシートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子レシートシステムは、端末とサーバとを備え、前記端末は、ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付ける入力部と、受け付けた前記ユーザ情報および記識別情報を前記サーバに送信する送信部と、前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信する受信部と、受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示する表示部と、を含み、前記サーバは前記端末から前記識別情報および前記ユーザ情報を受信するサーバ受信部と、前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定する判定部と、前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信するサーバ送信部とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子レシートを閲覧可能なユーザを確認できる電子レシートシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る電子レシートシステム1の構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】第2の実施形態に係る電子レシートシステム2の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】ユーザ情報テーブル5000の構成を示す図である。
【
図4】電子レシート情報テーブル5001の構成を示す図である。
【
図5】電子レシートシステム2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】電子レシートシステム2における動作の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】第1端末40における共有先情報を入力するための画面例である。
【
図8】第2端末60が表示する電子レシート一覧画面の画面例である。
【
図9】第2端末60が表示する電子レシートの画面例である。
【
図10】サーバ50における追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図11】サーバ50における送信処理の動作の流れ示すフローチャートである。
【
図12】第3の実施形態に係る電子レシートシステム3を示す機能ブロック図である。
【
図13】サーバ70における保証履歴追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】サーバ70における送信処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図15】第2端末60が表示する共有先情報および保証履歴情報が記載された電子レシートの画面例である。
【
図16】第4の実施形態に係る電子レシートシステム4を示す機能ブロック図である。
【
図17】電子レシート情報テーブル5002の構成を示す図である。
【
図18】サーバ80における追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図19】サーバ80における送信処理の動作の流れ示すフローチャートである。
【
図20】第2端末60が表示する金額情報が削除され、共有先情報が記載された電子レシートの画面例である。
【
図21】第2端末60が表示する金額情報を含まず、保証書情報を含む電子レシートの画面例である。
【
図22】第2端末において誰が誰を共有先情報に追加したかが分かるように表示する際の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子レシートシステム1の構成を示す機能ブロック図である。電子レシートシステム1は、端末10およびサーバ20を備える。
【0011】
端末10は、入力部11、送信部12、受信部13および表示部14を含む。入力部11は、ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付ける。送信部12は、入力部11が受け付けたユーザ情報および識別情報をサーバ20に送信する。受信部13は、サーバ20から電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信する。表示部14は、サーバ20から受信した電子レシート情報に基づいて電子レシートを表示する。
【0012】
サーバ20は、サーバ受信部21、判定部22およびサーバ送信部23を含む。サーバ受信部21は、端末10から識別情報およびユーザ情報を受信する。判定部22は、電子レシートを閲覧可能なユーザを示す共有先情報に、受信したユーザ情報が記録されているか否か判定する。サーバ送信部23は、共有先情報にユーザ情報が記録されていると判定部22が判定した場合、受信した識別情報に対応し、共有先情報を含む電子レシート情報を端末10に送信する。
【0013】
以上のように、本実施形態によれば、電子レシートを閲覧可能なユーザを確認できる電子レシートシステムを提供することができる。
【0014】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0015】
図2は、第2の実施形態に係る電子レシートシステム2の構成を示す機能ブロック図である。電子レシートシステム2は電子レシートを管理するシステムであって、インターネットなどのネットワーク90を介して通信可能に接続される第1端末40、サーバ50および第2端末60を備える。ユーザは第1端末40または第2端末60を操作することで電子レシートシステム2にログインする。そして、ユーザは電子レシートの閲覧や自身が閲覧可能な電子レシートを他のユーザから閲覧可能にさせる操作を実施する。
【0016】
電子レシートは、商品売買の取引内容を示し、電子レシート情報に基づいて生成された画面であり、例えば、取引が行われた日付、取引が行われた店舗名、取引対象の商品名、取引でかかった消費税、取引された商品の価格、取引された商品の合計金額および共有先情報などを表示する画面である。共有先情報については後述する。また、電子レシート情報は、電子レシートに記載される情報であり、例えば、取引が行われた日付、取引が行われた店舗名、取引対象の商品名、取引でかかった消費税、取引された商品の価格、取引された商品の合計金額および共有先情報などである。
【0017】
第1端末40は、電子レシートを閲覧および共有先情報を変更するために第1ユーザが操作する端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末などである。第1端末40は、第1入力部41、第1送信部42および第1表示部43を含む。
【0018】
共有先情報の変更操作について説明する。第1入力部41は、第1ユーザから識別情報および第2ユーザ情報の入力を受け付ける。具体的に第1入力部41は、第1ユーザから第1ユーザ情報の入力を受け付けることで電子レシートシステム2にログインする。そして、第1入力部41は、電子レシートの識別情報および電子レシートを閲覧可能にする第2ユーザの第2ユーザ情報の入力操作を第1ユーザから受け付ける。識別情報は、電子レシートを一意に識別可能な情報であり、例えば英数字などの文字列である。また、ユーザ情報は第1ユーザ情報や第2ユーザ情報のことであり、ユーザを一意に識別可能な情報である。ユーザ情報は、例えばユーザID、氏名およびメールアドレスなどである。第1ユーザが入力する第2ユーザ情報が氏名の場合、同姓同名のユーザが存在する可能性があるため、第1ユーザは第2ユーザ情報として少なくともアドレスまたはユーザIDを入力する構成とすることが望ましい。
【0019】
第1送信部42は、第1ユーザからの入力操作により受け付けた識別情報および第2ユーザ情報を含んだ追加要求をサーバ50に送信する。追加要求は、識別情報を有する電子レシートを閲覧できるユーザに第2ユーザ情報を有する第2ユーザを追加することを要求する通知である。
【0020】
第1表示部43は、識別情報および第2ユーザ情報を入力するための入力画面を表示し、例えばタッチパネルディスプレイである。
【0021】
サーバ50は、POS(Point Of Sales)端末(不図示)から電子レシート情報を取得する。サーバ50は、記憶部51、サーバ受信部52、抽出部53、追加部54、判定部55およびサーバ送信部56を含む。
【0022】
記憶部51は、ユーザ情報を管理するユーザ情報テーブル5000およびPOS端末から取得した電子レシート情報を管理する電子レシート情報テーブル5001を記憶する。
図3は、ユーザ情報テーブル5000の構成を示す図である。ユーザ情報テーブル5000は、ユーザID、氏名、メールアドレスなどのユーザ情報を対応付けて記憶している。
図4は、電子レシート情報テーブル5001の構成を示す図である。電子レシート情報テーブル5001は、POS端末から取得した電子レシート情報と識別情報とを対応付けて記憶する。本実施形態における電子レシート情報は、取引が行われた日付、取引が行われた店舗名、取引対象の商品名、取引でかかった消費税、取引された商品の価格、取引された商品の合計金額および共有先情報である。共有先情報は、電子レシート情報テーブル5001で対応付けられた識別情報を有する電子レシートを閲覧できるユーザのユーザ情報である。
図3および
図4では、ユーザ情報としてユーザID、氏名およびメールアドレスが格納されているが、少なくとも氏名とユーザIDまたはメールアドレスとが格納されていればよい。
【0023】
図2の説明に戻り、サーバ受信部52は、第1端末40から追加要求を受信し、第2端末60から一覧表示要求および電子レシート表示要求を受信する。サーバ受信部52は、追加要求を受信すると、追加要求を抽出部53に通知する。一覧表示要求を受信すると、一覧表示要求を判定部55に通知する。また、電子レシート表示要求を受信すると、電子レシート情報を抽出部53に通知する。一覧表示要求および電子レシート表示要求については後述する。
【0024】
抽出部53は、サーバ受信部52から通知された追加要求に基づいて共有先情報を抽出する。具体的に抽出部53は、追加要求を受信すると電子レシート情報テーブル5001を参照し、追加要求に含まれる識別情報と一致する識別情報に対応する共有先情報を抽出する。そして、通知された追加要求および抽出した共有先情報を追加部54に通知する。
【0025】
また、抽出部53は判定部55から識別情報を通知されると、電子レシート情報テーブル5001を参照し、通知された識別情報に対応する電子レシート情報の一部の情報を抽出する。例えば、電子レシート情報の一部の情報は、日付および店舗名をである。そして、抽出部53は、抽出した電子レシートの一部の情報および通知された識別情報を対応付けてサーバ送信部56に通知する。
【0026】
抽出部53は、サーバ受信部52から通知された電子レシート表示要求に基づいて電子レシート情報を抽出する。電子レシート表示要求は、識別情報を含み、識別情報を有する電子レシートの表示を要求する通知である。具体的に抽出部53は、電子レシート表示要求を受信すると電子レシート情報テーブル5001を参照し、電子レシート表示要求に含まれる識別情報と一致する識別情報に対応する共有先情報を含んだ電子レシート情報を抽出し、抽出した電子レシート情報をサーバ送信部56に通知する。
【0027】
追加部54は、追加要求に基づき電子レシート情報テーブル5001の共有先情報に第2ユーザ情報を追加する。具体的に、追加部54は抽出部53から追加要求および共有先情報を通知されると、共有先情報に追加要求に含まれる第2ユーザ情報が記録されているか否か判定する。共有先情報に追加要求に含まれる第2ユーザ情報が記録されていない場合、追加部54は、追加要求に含まれる第2ユーザ情報に氏名が含まれているか否か判定する。
【0028】
追加要求に含まれる第2ユーザ情報に氏名が含まれていない場合、追加部54はユーザ情報テーブル5000を参照して氏名を抽出し、抽出した氏名と追加要求に含まれた第2ユーザ情報を電子レシート情報テーブル5001の共有先情報に追加する。追加要求に含まれる第2ユーザ情報に氏名が含まれている場合、追加部54は追加要求に含まれる第2ユーザ情報を電子レシート情報テーブル5001の共有先情報に追加する。
【0029】
判定部55は、サーバ受信部52から一覧表示要求が通知されると、一覧表示要求に含まれるユーザ情報が電子レシート情報テーブル5001の共有先情報に記憶されているか否か判定する。一覧表示要求はユーザ情報を含み、該ユーザ情報を有するユーザが閲覧可能な電子レシート一覧の表示を要求する通知である。判定部55は、一覧表示要求に含まれるユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報が電子レシート情報テーブル5001に記憶されている場合、ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報を抽出部53に通知する。
【0030】
また、判定部55は、ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報が電子レシート情報テーブル5001に記録されていない場合、エラー情報をサーバ送信部56に通知する。エラー情報は、ユーザ情報が電子レシート情報テーブル5001の共有先に記憶されていないことを示す情報である。
【0031】
サーバ送信部56は、抽出部53および判定部55からの通知に基づき第2端末60に電子レシート情報を送信する。具体的に、抽出部53から識別情報および電子レシート情報の一部の情報が通知されると、サーバ送信部56は、通知された識別情報および電子レシート情報の一部の情報を第2端末60に送信する。また、サーバ送信部56は、判定部55からエラー情報が通知されると、エラー情報を第2端末60に送信する。さらに、抽出部53から共有先情報を含んだ電子レシート情報が通知されると、サーバ送信部55は、通知された電子レシート情報を第2端末60に送信する。
【0032】
第2端末60は、電子レシートを閲覧および共有先情報を変更するために第2ユーザが操作する端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末などである。第2端末60は、第2入力部61、第2送信部62、第2表示部63および第2表示部64を含む。
【0033】
電子レシートの閲覧操作について説明する。第2入力部61は、第2ユーザから第2ユーザ情報および識別情報の入力を受け付ける。具体的に、第2入力部61は、電子レシートシステム2へのログイン時に第2ユーザから第2ユーザ情報の入力を受け付ける。また、第2入力部61はレシート一覧画面において第2ユーザによって閲覧したい電子レシートの識別情報の選択入力を受け付ける。
【0034】
第2送信部62は、表示要求をサーバ50に送信する。具体的に、第2送信部62は第2入力部61が受け付けた第2ユーザ情報を含む一覧表示要求をサーバ50に送信する。また、第2送信部62は第2入力部61が受け付けた識別情報を含む電子レシート表示要求をサーバ50に送信する。
【0035】
第2受信部63は、サーバ50から受信した識別情報および電子レシート情報の一部の情報や電子レシート情報を第2表示部64に通知する。第2表示部64は、第2ユーザの操作に応じてサーバ50から送信された情報に基づいて、画面を生成し表示する。具体的に、第2表示部64はサーバ50から受信した識別情報および電子レシート情報の一部の情報に基づいて、第2ユーザが閲覧可能な電子レシート一覧である電子レシート一覧画面を生成し表示する。また、第2表示部64は、第2受信部63から通知された電子レシート情報に基づいて生成した電子レシートを表示する。
【0036】
図5は、電子レシートシステム2のハードウェア構成例を示す図である。同図に示す電子レシートシステム2は、第1端末40、サーバ50および第2端末60を備える。第1端末は、バス100、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ストレージデバイス103、入出力インタフェース104、および通信インタフェース105を含む。
【0037】
バス100は、CPU101、メモリ102、ストレージデバイス103、および入出力インタフェース104が相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。
【0038】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。ストレージデバイス103は、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、メモリーカードなどで実現される補助記憶装置である。なお、ストレージデバイス103は、RAMなどの主記憶装置の実現に用いられるハードウェアと同様のハードウェアで実現されてもよい。
【0039】
ストレージデバイス103は、第1端末40の各機能を実現するプログラムモジュールを記憶する。CPU101は、これら各プログラムモジュールをメモリ102に読み出して実行することで、
図2に示す機能ブロック図の機能を実現する。
【0040】
入出力インタフェース204は、第1端末40と、入力装置および出力装置と接続するためのインタフェースである。入力装置は、例えばタッチパネルディスプレイやキーボードであり、出力装置は、例えば、ディスプレイである。
【0041】
通信インタフェースは、インターネットなどのネットワーク90に接続するためのインタフェースである。
【0042】
サーバ50は、バス106、CPU107、メモリ108、ストレージデバイス109、および通信インタフェース110を含む。サーバ50のハードウェア構成は、第1端末40のバス100、CPU101、メモリ102、ストレージデバイス103、および通信インタフェース105と略同一であるため説明を省略する。
【0043】
第2端末60は、バス111、CPU112、メモリ113、ストレージデバイス114、入出力インタフェース115、および通信インタフェース116を含む。第2端末60のハードウェア構成は、第1端末40のハードウェア構成と略同一であるため説明を省略する。
【0044】
[電子レシートシステムの動作]
図6は、電子レシートシステム2における動作の流れを示すシーケンス図である。
図7は、第1端末40における共有先情報を入力するための画面例である。
図8は、第2端末60が表示する電子レシート一覧画面の画面例である。
図9は、第2端末60が表示する電子レシートの画面例である。
図22は、第2端末において誰が誰を共有先情報に追加したかが分かるように表示する際の画面例である。以下、
図6、
図7、
図8図9および
図22と、先に説明した
図3に示すユーザ情報テーブル5000および
図4に示す電子レシート情報テーブル5001を参照しながら電子レシートシステム2の動作を説明する。また、第1端末および第2端末はタッチパネルディスプレイを有する端末であり、第1端末を操作する第1ユーザのユーザIDが「12345」であり、第2端末を操作する第2ユーザのユーザIDが「12346」であるとして説明する。
【0045】
図6において、第1端末40は第1ユーザから識別情報および第2ユーザ情報の入力を受け付けると(ステップS200)、第1端末40は受け付けた識別情報および第2ユーザ情報を含む追加要求をサーバ50に送信する(ステップS201)。
【0046】
具体的に、ステップS200において、第1ユーザは
図7に示した共有先情報入力画面の識別情報入力領域44に第2ユーザから閲覧可能にしたい電子レシートの識別情報である「45-12345」を入力し、共有先情報入力領域45に第2ユーザ情報として第2ユーザのアドレス「△@nec.jp」を入力する。そして、第1ユーザが追加要求送信領域46をタッチすると、識別情報「45-12345」と第2ユーザ情報「△@nec.jp」が含まれた追加要求がステップS201でサーバ50に送信される。
【0047】
サーバ50は、追加要求を受信すると、電子レシート情報テーブル5001を参照して追加要求に含まれる識別情報と対応する共有先情報を抽出する(ステップS202)。そして、サーバ50は、抽出した共有先情報に追加要求に含まれる第2ユーザ情報を追加する(ステップS203)。
【0048】
ステップS202、およびステップS203の処理を具体的に説明する。ステップS202で、サーバ50が識別情報として「45-12345」を受信すると、サーバ50は電子レシート情報テーブル5001を参照し、識別情報「45-12345」に対応する共有先情報を抽出する。そして、サーバ50がユーザ情報テーブル5000を参照して受信した第2ユーザ情報「△@nec.jp」に対応する氏名である「山田 二郎」およびユーザID「12346」を抽出すると、サーバ50は、識別情報「45-12345」の共有先情報に「ユーザID:12346、氏名:山田 二郎、アドレス:△@nec.jp」を追加する。
【0049】
第2端末60が第2ユーザから第2ユーザ情報の入力を受け付けると(ステップS204)、第2端末60は、一覧表示要求をサーバ50に送信する(ステップS205)。具体的に、第2端末60はステップS204において、第2ユーザ情報としてユーザID「12346」の入力を受け付ける。そして、ステップS205においてユーザID「12346」を含めた一覧表示要求をサーバ50に送信する。
【0050】
一覧表示要求を受信したサーバ50は、電子レシート情報テーブル5001を参照して識別情報「45-12345」および識別情報「45-12346」の共有先情報に第2ユーザ情報が記録されていると判定する(ステップS206)。そして、サーバ50は、識別情報「45-12345」および識別情報「45-12346」に対応する電子レシート情報の一部の情報を電子レシート情報テーブル5001から抽出する(ステップS207)。具体的に、ステップS207においてサーバ50は、電子レシート情報テーブル5001から識別情報「45-12345」に対応する電子レシート情報の一部として「日付:2018/10/10、○屋」を抽出し、識別情報「45-12346」に対応する電子レシート情報の一部として「日付:2018/11/09、店舗名:×屋」を抽出する。そして、サーバ50は識別情報と電子レシート情報の一部の情報とを対応付けた「識別情報:45-12345、日付:2018/10/10、店舗名:○屋」および「識別情報:45-12347、日付:2018/11/09、店舗名:×屋」を第2端末60に送信する(ステップS208)。
【0051】
第2端末60は、識別情報および電子レシート情報の一部の情報に基づいて電子レシート一覧画面を生成し、表示する(ステップS209)。具体的に、ステップS208において第2端末60は、受信した「識別情報:45-12345、日付:2018/10/10、○屋」および「識別情報:45-12347、日付:2018/11/09、×屋」に基づいて、
図8に示す電子レシートの一覧を画面に表示する。
【0052】
第2端末60は、第2ユーザが閲覧可能な電子レシートの一覧を表示する
図8の画面において、識別情報「45-12345」に対応する表示領域を第2ユーザにタッチされることで識別情報「45-12345」の入力を受け付ける(ステップS210)。そして、第2端末60は識別情報「45-12345」を含む電子レシート表示要求をサーバ50に送信する(ステップS211)。
【0053】
サーバ50は電子レシート表示要求を受信すると、電子レシート共有先情報テーブル5001を参照して電子レシート表示要求に含まれる識別情報「45-12345」と対応する電子レシート情報を抽出する(ステップS212)。ステップS212において抽出する電子レシート情報に含まれる共有先情報はユーザID、氏名およびメールアドレスのうち少なくともいずれか1つでよく、本実施形態では氏名を電子レシート情報に含まれる共有先情報とする。具体的にサーバ50は、ステップS212で電子レシート情報として「識別情報:45-12345、日付:2018/10/10、店舗名:○屋、商品名:商品A、価格:8,000円、共有先情報:山田 一、山田 三郎、山田 二郎」を抽出する。そして、サーバ50は抽出した電子レシート情報を第2端末60に送信する(ステップS213)。
【0054】
第2端末60は受信した共有先情報を含んだ電子レシート情報に基づいて電子レシートを生成し、
図9に示す共有先情報が記載された電子レシートを表示する(ステップS214)。なお、ステップS212において、電子レシート情報に含まれる共有先情報としてユーザIDやアドレスを抽出しても良い。このとき、第2端末60が表示する電子レシートには、ユーザIDやアドレスが共有先情報として表示される。なお、電子レシートは、初期の取得者(第1ユーザ)と共有先情報に追加された転得者(第2ユーザおよび第3ユーザ)とを区別して表示しても良い。また、
図22に示すように、電子レシートは、追加した者から追加された者に向けて矢印を表示することにより、誰が誰を共有先情報に追加したかが分かるように表示されてもよい。この例では、「山田 一」が「山田 二郎」および「山田三郎」を追加し、「山田 二郎」が「山田 四郎」を追加したことを示す。
【0055】
[サーバの動作]
サーバ50が追加要求を受信してから追加要求に含まれる第2ユーザ情報を共有先情報に追加するまでの追加処理と、サーバ50が表示要求を受信してから電子レシート情報を第2端末60に送信するまでの送信処理に分けてサーバ50における動作の流れを説明する。
図10は、サーバ50における追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。また、
図11は、サーバ50における送信処理の動作の流れ示すフローチャートである。
【0056】
図10を参照しながらサーバ50における追加処理の動作の流れを詳細に説明する。サーバ受信部52は、追加要求の受信を待機する(ステップS300においてNo)。サーバ受信部52が追加要求を受信すると(ステップS300においてYes)、抽出部53は、電子レシート情報テーブル5001を参照して追加要求に含まれる識別情報と対応する共有先情報を抽出し、追加要求および抽出した共有先情報を追加部54に通知する(ステップS301)。
【0057】
追加部54は、通知された共有先情報に追加要求に含まれる第2ユーザ情報が記録されているか否か判定し、記録されている場合(ステップS302においてYes)、サーバ50は処理を終了する。一方、追加部54は、通知された共有先情報に追加要求に含まれる第2ユーザ情報が記録されていない場合(ステップS302においてNo)、追加要求に含まれる第2ユーザ情報に氏名が含まれているか否か判定する(ステップS303)。
【0058】
追加部54は氏名が含まれていないと判定すると(ステップS303においてNo)、ユーザ情報テーブル5000を参照して氏名を抽出する(ステップS304)。そして、追加部54は、抽出した氏名と追加要求に含まれた第2ユーザ情報を共有先情報に追加して電子レシート情報テーブル5001を更新する(ステップS305)。一方、追加部54は、追加要求に含まれる第2ユーザ情報に氏名が含まれていると判定すると(ステップS303においてYes)、追加要求に含まれた第2ユーザ情報を共有先情報に追加して電子レシート情報テーブル5001を更新し(ステップS305)、サーバ50は処理を終了する。
【0059】
図11を参照しながらサーバ50における送信処理の動作の流れを詳細に説明する。サーバ受信部52は、一覧表示要求の受信を待機する(ステップS306においてNo)。サーバ受信部52が一覧表示要求を受信すると(ステップS306においてYes)、判定部55は、電子レシート情報テーブル5001を参照し、一覧表示要求に含まれる第2ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報が記録されているか否か判定する(ステップS307)。判定部55は、第2ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報が電子レシート情報テーブル5001に記録されている場合、第2ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報を抽出部53に通知する(ステップS307においてYes)。抽出部53は、電子レシート情報テーブル5001を参照し、通知された識別情報に対応する電子レシート情報の一部の情報を抽出し(ステップS308)、識別情報と電子レシート情報の一部の情報とを対応付けてサーバ送信部56に通知する(ステップS309)。そして、サーバ送信部56は、通知された電子レシート情報の一部の情報および識別情報を第2端末60に送信する(ステップS309)。
【0060】
一方、判定部55は、第2ユーザ情報を共有先情報に持つ識別情報が電子レシート情報テーブル5001に記録されていない場合、エラー情報をサーバ送信部56に通知する(ステップS307においてNo)。エラー情報を通知されたサーバ送信部56は、エラー情報を第2端末60に送信し(ステップS310)、処理を終了する。エラー情報を受信した第2端末60は、閲覧できる電子レシートが無い旨を表示する画面を生成し表示する。
【0061】
サーバ受信部52は、電子レシート表示要求の受信を待機する(ステップS311においてNo)。サーバ受信部52が電子レシート表示要求を受信すると(ステップS311においてYes)、抽出部53は、電子レシート情報テーブル5001を参照して共有先情報を含む電子レシート情報を抽出し、抽出した共有先情報を含む電子レシート情報をサーバ送信部56に通知する(ステップS312)。そして、サーバ送信部56は通知された共有先情報を含む電子レシート情報を第2端末60に送信する(ステップS313)。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、電子レシートを閲覧できるユーザの情報として共有先情報が含まれた電子レシートを表示することができる。これにより、ユーザは電子レシートを閲覧可能なユーザを確認できる。
【0063】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る電子レシートシステムは、保証履歴情報をさらに含んだ電子レシートを第2端末に表示させる点で第2の実施形態と相違する。以下、第2の実施形態と同一の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0064】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る電子レシートシステム3を示す機能ブロック図である。電子レシートシステム3は、第1端末40、第2端末60およびサーバ70を備える。
【0065】
サーバ70は、記憶部71、サーバ受信部72、抽出部53、追加部73、判定部55およびサーバ送信部74を備える。記憶部71は、電子レシート情報として保証履歴情報をさらに含んだ電子レシート情報テーブル5001を記憶する。保証履歴情報は、電子レシート情報に含まれる各商品の保証の規定に則して実施された保証の履歴であり、例えば、修理または交換の日付および購入商品の修理または交換の内容などである。なお、電子レシート情報テーブル5001は、購入商品の保証書に関する保証書情報をさらに含んでいてもよい。ここで、保証書情報は、商品の製造者名、商品の型番、商品の製造番号、商品の購入者氏名、商品の購入年月日、商品の保証期間、保証回数、保証条件および商品を購入した店舗名を少なくとも含む。
【0066】
サーバ受信部72は、POS端末から識別情報、商品識別情報および保証履歴情報を受信し、受信した識別情報、商品識別情報および保証履歴情報を追加部73に通知する。具体的に、店員は保証の規定に則して修理や交換を実施する場合、識別情報、商品識別情報および実施内容をPOS端末に入力する。このとき入力される商品識別情報は、商品の識別番号や商品名である。本実施形態では商品識別情報として商品名がPOS端末で入力されたことを例に説明する。識別情報、商品名および実施内容を入力されたPOS端末は、入力された際の日付を取得し、取得した日付と実施内容を合わせて保証履歴情報を生成する。そして、POS端末は、識別情報、商品名および保証履歴情報をサーバ70に送信する。
【0067】
追加部73は、通知された識別情報、商品識別情報および保証履歴情報に基づいて電子レシート情報テーブル5001を更新する。具体的に追加部73は、通知された識別情報および商品名に基づいて電子レシート情報テーブル5001を参照し、通知された識別情報および商品名と対応する電子レシート情報に保証履歴情報を追加する。
【0068】
サーバ送信部74が第2端末60に送信する電子レシート情報には、共有先情報および保証履歴情報が含まれる。
【0069】
[サーバの動作]
サーバ70が保証履歴情報を受信してから電子レシート情報テーブル5001に保証履歴情報を追加するまでの保証履歴追加処理と、サーバ70が第2端末60から表示要求を受信してから電子レシート情報を第2端末60に送信するまでの送信処理に分けてサーバ70における動作の流れを説明する。
図13は、サーバ70における保証履歴追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。
図14は、サーバ70における送信処理の動作の流れを示すフローチャートである。
図15は、第2端末60が表示する共有先情報および保証履歴情報が記載された電子レシートの画面例である。
【0070】
図13を参照しながらサーバ70における保証履歴追加処理の動作の流れを説明する。サーバ受信部72は、識別情報、商品名および保証履歴情報の受信を待機し(ステップS314においてNo)、受信すると追加部73に受信した識別情報、商品名および保証履歴情報を通知する(ステップS314においてYes)。追加部73は、通知された識別情報および商品名に基づいて電子レシート情報テーブル5001を参照し、通知された識別情報および商品名と対応する電子レシート情報に受信した保証履歴情報を追加すると(ステップS315)、処理を終了する。
【0071】
図14および
図15を参照しながらサーバ70における送信処理の動作の流れを説明する。ステップS306~ステップS311の動作は、第2の実施形態と同様である。
【0072】
ステップS311において、サーバ受信部72が電子レシート表示要求を受信すると(ステップS311においてYes)、抽出部53は、電子レシート情報テーブル5001を参照して電子レシート表示要求に含まれる識別情報に対応する共有先情報および保証履歴情報を含む電子レシート情報を抽出し、抽出した電子レシート情報をサーバ送信部74に通知する(ステップS316)。そして、サーバ送信部74は共有先情報および保証履歴情報を含む電子レシート情報を第2端末60に送信し(ステップS317)、処理を終了する。なお、第2端末60は、受信した共有先情報および保証履歴情報を含んだ電子レシート情報に基づいて電子レシートを生成し、
図15に示す共有先情報および保証履歴情報が記載された電子レシートを表示する。なお、電子レシートは、さらに、保証書情報を同一画面上に表示しても良い。また、電子レシートは、保証書情報に含まれる保証回数と保証履歴情報に含まれる保証済み回数の差分を表示してもよい。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、保証の規定が「1年間に限り2回の修理を無料でできる」など期間と回数が規定されている場合、電子レシートに保証履歴情報が記載されているので、実施修理や交換などが保証の規定に則しているか電子レシートを閲覧することで確認できる。
【0074】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態は、例えば、第1ユーザが第2ユーザに商品を贈与した後に商品に故障や不具合があった場合、第2ユーザが商品の保証書等を使用して修理や交換を実施する必要がある。よって、第2ユーザも電子レシートを閲覧できるよう設定することがあるが、贈与先である第2ユーザに購入金額等を知られたくない場合が考えられる。よって、本発明の第4の実施形態に係る電子レシートシステム4は、電子レシートの表示情報を設定可能な設定部をさらに備える点で第2の実施形態と相違する。以下、第2の実施形態と同一の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0075】
図16は、本発明の第4の実施形態に係る電子レシートシステム4を示す機能ブロック図である。電子レシートシステム4は、第1端末40、第2端末60およびサーバ80を備える。
【0076】
サーバ80は、記憶部81、サーバ受信部52、抽出部82、追加部54、設定部82、判定部84およびサーバ送信部85を含む。記憶部81は、電子レシート情報テーブル5002を記憶する。
図17は、電子レシート情報テーブル5002の構成を示す図である。電子レシート情報テーブル5002は、識別情報、電子レシート情報および金額閲覧不可情報を対応付けて格納する。金額閲覧不可情報は、対応する共有先情報を有するユーザが、電子レシートに含まれる金額情報を閲覧不可にするための情報である。金額情報は、例えば取り引きされた商品の価格、取引でかかった消費税、取引された商品の合計金額などの金額に関する情報である。
【0077】
設定部83は、追加部54が追加した第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報グを設定することで電子レシート情報テーブル5002を更新する。抽出部82は、サーバ受信部52から通知された電子レシート表示要求に基づいて電子レシート情報テーブル5002を参照し、電子レシート情報を抽出する。そして、抽出部82は通知された電子レシート表示要求および抽出した電子レシート情報を判定部84に通知する。
【0078】
判定部84は、抽出部82から通知された電子レシート表示要求に含まれる識別情報およびサーバ受信部52が受信した一覧表示要求に含まれる第2ユーザ情報に基づいて電子レシート情報テーブル5002を参照し、電子レシート表示要求に含まれる識別情報に対応づけられた第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されているか否か判定する。そして、判定部84は抽出部82から通知された電子レシート情報と共に判定結果をサーバ送信部85に通知する。
【0079】
判定部84の判定結果が第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されているという結果の場合、サーバ送信部85は判定部84から通知された電子レシート情報の金額情報を削除した電子レシート情報を第2端末60に送信する。
【0080】
また、判定部84の判定結果が第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されていないという結果の場合、サーバ送信部85は判定部84から通知された電子レシート情報を第2端末60に送信する。
【0081】
[サーバの動作]
追加処理と送信処理に分けてサーバ80における動作の流れを説明する。
図18は、サーバ80における追加処理の動作の流れを示すフローチャートである。また、
図19は、サーバ80における送信処理の動作の流れ示すフローチャートである。
図20は、第2端末60が表示する金額情報が削除され、共有先情報が記載された電子レシートの画面例である。
【0082】
図18を参照しながらサーバ80における追加処理の流れを説明する。ステップS300~ステップS305の動作は
図10と同様であるため説明を省略する。続くステップS316において、設定部82は追加部54が追加した第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報を設定することで電子レシート情報テーブル5002を更新し(ステップS318)、処理を終了する。
【0083】
図19、
図20および
図9を参照しながらサーバ80における送信処理の流れを説明する。ステップS306~ステップS311の動作は
図11と同様であるため説明を省略する。続くステップS319において、抽出部82は、サーバ受信部52から通知された電子レシート表示要求に基づいて電子レシート情報テーブル5002を参照すると電子レシート情報を抽出し、通知された電子レシート表示要求および抽出した電子レシート情報を判定部84に通知する(ステップS319)。判定部84は、通知された電子レシート表示要求およびサーバ受信部52が受信した一覧表示要求に基づいて電子レシート情報テーブル5002を参照し、電子レシート表示要求に含まれる識別情報に対応づけられた第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されているか否か判定し、抽出部82から通知された電子レシート情報と共に判定結果をサーバ送信部85に通知する(ステップS320)。
【0084】
判定結果が第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されていないという結果の場合(ステップS320においてNo)、サーバ送信部85は判定部84から通知された電子レシート情報を第2端末60に送信し(ステップS321)、処理を終了する。第2端末60は、受信した電子レシート情報に基づいて電子レシートを生成し、
図9に示す共有先情報が記載された電子レシートを表示する。
【0085】
一方、判定結果が第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報が設定されているという結果の場合(ステップS320においてYes)、サーバ送信部85は判定部84から通知された電子レシート情報の金額情報を削除した電子レシート情報を第2端末60に送信し(ステップS322)、処理を終了する。第2端末60は、金額情報が削除された電子レシート情報に基づいて
図20に示す電子レシートを生成し、表示する。
【0086】
本実施形態によれば、第2ユーザが閲覧する電子レシートには金額情報が表示されないため、贈与相手である第2ユーザに贈与品の金額を知られることなく電子レシートを共有できる。
【0087】
[変形例1]
電子レシートシステム4において、金額閲覧不可情報が設定されているユーザが電子レシートを閲覧する場合、金額情報を含まず、かつ、保証の規定を示す保証書情報を含む電子レシートを第2端末60が表示してもよい。
図21は、第2端末60が表示する金額情報を含まず、保証書情報を含む電子レシートの画面例である。
【0088】
このとき、サーバ80の記憶部81は識別情報と保証書情報とを対応付けて格納する保証書情報テーブル(不図示)をさらに記録している。そして、サーバ送信部85は
図19のステップS322において、保証書情報テーブルを参照し、電子レシート表示要求に含まれる識別情報に対応する保証書情報を取得する。そして、サーバ送信部85は、通知された電子レシート情報の金額情報を削除し、保証書情報を追加した電子レシート情報を第2端末60に送信する。
【0089】
以上により、本発明は、設定部は追加部が追加した第2ユーザ情報に金額閲覧不可情報を設定することができるため、第2ユーザは、保証書情報を確認しつつ、金額情報等を知られることが無くなる。
【0090】
第1~第4の実施形態は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、適宜組み合わせを実施できる。
[付記1]
端末とサーバとを備え、
前記端末は、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付ける入力部と、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報を前記サーバに送信する送信部と、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信する受信部と、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示する表示部と、を含み、
前記サーバは、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信するサーバ受信部と、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定する判定部と、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信するサーバ送信部とを含む、
電子レシートシステム。
[付記2]
前記入力部はログイン時に前記ユーザ情報を受け付け、
前記サーバ送信部は、前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、前記電子レシート情報の一部の情報を前記端末に送信し、
前記表示部は、受信した前記電子レシートの一部の情報に基づいて前記電子レシートの一覧を表示する付記1に記載の電子レシートシステム。
[付記3]
前記入力部は、前記電子レシートの一覧が前記表示部に表示された後に、前記識別情報を受け付ける付記2に記載の電子レシートシステム。
[付記4]
前記入力部は、前記電子レシートの前記識別情報および前記電子レシートを閲覧可能にするユーザのユーザ情報を受け付け、
前記送信部は前記識別情報および前記ユーザ情報を含んだ追加要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記サーバ受信部が前記追加要求を受信すると、前記追加要求に基づき前記共有先情報に前記ユーザ情報を追加する追加部をさらに備える付記1から3の何れかに記載の情報処理システム。
[付記5]
前記サーバ送信部は、保証の規定に則して実施された保証履歴情報を示す保証履歴情報をさらに含んだ前記電子レシート情報を前記端末に送信する付記1から4の何れかに記載の情報処理システム。
[付記6]
前記サーバは、前記電子レシートに含まれる金額情報を閲覧不可にするための金額閲覧不可情報を前記ユーザ情報に設定する設定部をさらに含む付記1から5の何れかに記載の電子レシートシステム。
[付記7]
前記サーバ送信部は、前記ユーザ情報が金額情報を閲覧不可に設定されている場合、金額情報を含まない前記電子レシート情報を前記端末に送信する付記6に記載の電子レシートシステム。
[付記8]
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報を端末から受信するサーバ受信部と、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定する判定部と、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含み、電子レシートを生成するための電子レシート情報を前記端末に送信するサーバ送信部と、
を備える情報処理装置。
[付記9]
端末が、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付け、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信し、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示し、
サーバが、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信し、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定し、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信する、情報処理方法。
[付記10]
端末が、
ユーザ情報および取引の内容を示す電子レシートの識別情報の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記ユーザ情報および前記識別情報を前記サーバに送信するステップと、
前記サーバから電子レシートを生成するための電子レシート情報を受信するステップと、
受信した前記電子レシート情報に基づいて前記電子レシートを表示するステップと、
サーバが、
前記端末から前記ユーザ情報および前記識別情報を受信するステップと、
前記電子レシートを閲覧可能なユーザの情報を示す共有先情報に、受信した前記ユーザ情報が含まれているか否か判定するステップと、
前記共有先情報に前記ユーザ情報が含まれている場合、受信した前記識別情報に対応し、前記共有先情報を含む前記電子レシート情報を前記端末に送信するステップとを実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0091】
1、2、3、4 電子レシートシステム
10 端末
11 入力部
12 送信部
13 受信部
14 表示部
90 ネットワーク
20、50、70、80 サーバ
21、52、72 サーバ受信部
22、55 判定部
23、56、74、85 サーバ送信部
40 第1端末
41 第1入力部
42 第1送信部
43 第1表示部
60 第2端末
61 第2入力部
62 第2送信部
63 第2受信部
64 第2表示部
51、71、81 記憶部
53、82 抽出部
54、73 追加部
5000 ユーザ情報テーブル
5001 電子レシート情報テーブル
100、106、111 バス
101、107、112 CPU
102、108、113 メモリ
103、109、114 ストレージデバイス
104、115 入出力インタフェース
105、110、116 通信インタフェース
44 識別情報入力領域
45 共有先情報入力領域
46 追加要求送信領域
83 設定部