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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20240109BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G06F3/0482
H04N1/00 350
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019183870
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021060728
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】顧 嘉立
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-146680(JP,A)
【文献】特開2014-115711(JP,A)
【文献】特開2014-229933(JP,A)
【文献】特開2020-188356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置及び第2装置を含み、前記第1装置及び前記第2装置それぞれで実行される各処理の実行をもって完了する、複数種類の作業を実行可能な情報処理システムであって、
前記第1装置は、ユーザからの指示に応じて、前記複数種類の作業から選択作業を選択した上で、前記ユーザを識別するユーザID及び前記選択作業を識別する作業IDを関連付けて選択履歴情報に記憶させる第1プロセッサを備え、
前記第2装置は、前記ユーザを認証した場合に、前記選択履歴情報に基づいて、前記ユーザによって前記第1装置にて選択された前記選択作業に対応する選択肢を、他の作業に対応する選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる第2プロセッサを備える
ことを特徴とする情報処理システム
【請求項2】
前記選択作業とは、前記第1装置の表示部に表示されている処理画面に対応する作業である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項3】
前記第1装置の表示部には、前記複数種類の作業に対応する選択肢が表示され、
前記選択作業とは、前記第1装置の表示部にて前記ユーザによってポインタで指し示されている選択肢に対応する作業である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項4】
前記第2プロセッサは、前記第1装置にて前記ユーザによって数の前記選択作業が選択された場合、前記複数の選択作業に対応する複数の選択肢を、順次、他の選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項5】
前記第1プロセッサは、前記ユーザによる前記複数の選択作業の選択順序を示す情報を前記選択履歴情報に記憶させ、
前記第2プロセッサは、前記第1装置における前記ユーザによる前記数の選択作業の選択順序に応じた順序で前記複数の選択作業に対応する選択肢を前記第2装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム
【請求項6】
前記第2プロセッサは、前記第1装置にて前記ユーザによって数の前記選択作業が選択された場合、前記数の選択作業に対応する選択肢を、同時に、他の選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項7】
前記第1プロセッサは、前記ユーザによる前記複数の選択作業の選択順序を示す情報を前記選択履歴情報に記憶させ、
前記第2プロセッサは、前記第1装置における前記ユーザによる前記数の選択作業の選択順序に応じて、前記選択順序を識別可能な態様で前記数の選択作業に対応する選択肢を前記第2装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の処理が可能な情報処理装置であって、操作者が所望のボタンを操作することで、所望の処理を実行可能な情報処理装置において、操作者のボタン操作を簡略化するための技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、予めワークフローで定義されている処理を開始するためのボタンを表示部に表示させ、当該処理が完了すると当該ボタンを削除する情報処理装置が開示されている。また、特許文献2には、処理を開始させるためのボタン上に当該処理に関連するテキスト情報を表示する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-126857号公報
【文献】特開2017-126155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の装置それぞれにおいて処理を実行し、各装置における処理の実行をもって一つの作業を完了させることがある。各装置が複数種類の作業を実行可能である場合、各装置において実行される作業が選択され、各装置において選択された作業の処理が実行される。この場合、複数の装置で各処理を実行して一つの作業を完了させるには、複数の装置のうちの一の装置において作業を選択するときに、他の装置で選択された作業を選択する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、複数の装置それぞれにおいて、作業を選択した上で選択した作業の処理を実行し、各装置における処理の実行をもって一つの作業を完了させる場合、複数の装置のうちの一の装置において、他の装置で選択された作業に対応する選択肢を他の作業に対応する他の選択肢に対して識別可能な状態で表示させない場合に比して、他の装置で選択された作業を選択し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、第1装置及び第2装置を含み、前記第1装置及び前記第2装置それぞれで実行される各処理の実行をもって完了する、複数種類の作業を実行可能な情報処理システムであって、前記第1装置は、ユーザからの指示に応じて、前記複数種類の作業から選択作業を選択した上で、前記ユーザを識別するユーザID及び前記選択作業を識別する作業IDを関連付けて選択履歴情報に記憶させる第1プロセッサを備え、前記第2装置は、前記ユーザを認証した場合に、前記選択履歴情報に基づいて、前記ユーザによって前記第1装置にて選択された前記選択作業に対応する選択肢を、他の作業に対応する選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる第2プロセッサを備える、ことを特徴とする情報処理システムである。
請求項2に係る発明は、前記選択作業とは、前記第1装置の表示部に表示されている処理画面に対応する作業である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に係る発明は、前記第1装置の表示部には、前記複数種類の作業に対応する選択肢が表示され、前記選択作業とは、前記第1装置の表示部にて前記ユーザによってポインタで指し示されている選択肢に対応する作業である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項4に係る発明は、前記第2プロセッサは、前記第1装置にて前記ユーザによって数の前記選択作業が選択された場合、前記複数の選択作業に対応する複数の選択肢を、順次、他の選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に係る発明は、前記第1プロセッサは、前記ユーザによる前記複数の選択作業の選択順序を示す情報を前記選択履歴情報に記憶させ、前記第2プロセッサは、前記第1装置における前記ユーザによる前記数の選択作業の選択順序に応じた順序で前記複数の選択作業に対応する選択肢を前記第2装置の表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に係る発明は、前記第2プロセッサは、前記第1装置にて前記ユーザによって数の前記選択作業が選択された場合、前記数の選択作業に対応する選択肢を、同時に、他の選択肢と識別可能な態様で前記第2装置の表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に係る発明は、前記第1プロセッサは、前記ユーザによる前記複数の選択作業の選択順序を示す情報を前記選択履歴情報に記憶させ、前記第2プロセッサは、前記第1装置における前記ユーザによる前記数の選択作業の選択順序に応じて、前記選択順序を識別可能な態様で前記数の選択作業に対応する選択肢を前記第2装置の表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システムである
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、複数の装置それぞれにおいて、作業を選択した上で選択した作業の処理を実行し、各装置における処理の実行をもって一つの作業を完了させる場合、複数の装置のうちの一の装置において、他の装置で選択された作業に対応する選択肢を他の作業に対応する他の選択肢に対して識別可能な状態で表示させない場合に比して、他の装置で選択された作業を選択し易くすることができる。
請求項2に係る発明によれば、他の装置の表示部に表示されている処理画面に対応する作業を他の装置で選択された作業とすることができる。
請求項3に係る発明によれば、他の装置の表示部にてポインタで指し示されている選択肢に対応する作業を他の装置で選択された作業とすることができる。
請求項4に係る発明によれば、他の装置で選択された複数種類の作業に対応する複数の選択肢を順次識別可能に表示することができる。
請求項5に係る発明によれば、他の装置で選択された複数種類の作業に対応する複数の選択肢が順次識別可能に表示される場合に、操作者は、他の装置で選択された複数種類の作業の選択順序を把握することができる。
請求項6に係る発明によれば、他の装置で選択された複数種類の作業に対応する複数の選択肢を同時に識別可能に表示することができる。
請求項7に係る発明によれば、他の装置で選択された複数種類の作業に対応する複数の選択肢が同時に識別可能に表示される場合に、操作者は、他の装置で選択された複数種類の作業の選択順序を把握することができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成概略図である。
図2】本実施形態に係る第1装置の構成概略図である。
図3】本実施形態に係る第2装置の構成概略図である。
図4】本実施形態に係るサーバの構成概略図である。
図5】選択履歴DBの内容の例を示す図である。
図6】第1装置の表示部に表示される第1作業選択画面を示す第1の図である。
図7】作業内容設定画面を示す図である。
図8】第1作業選択画面を示す第2の図である。
図9】第2装置の表示部に表示される第2作業選択画面を示す第1の図である。
図10】第2作業選択画面を示す第2の図である。
図11】第2作業選択画面を示す第3の図である。
図12】原稿判別方法提供画面を示す図である。
図13】第2装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成概略図である。情報処理システム10は、複数の情報処理装置12及びサーバ14を含んで構成されている。複数の情報処理装置12とサーバ14は、LAN(Local Area Network)あるいはインターネットなどの通信回線16を介して互いに通信可能に接続されている。図1には、複数の情報処理装置12として、第1装置12a及び第2装置12bが示されているが、複数の情報処理装置12は3以上の情報処理装置12からなるものであってもよい。
【0011】
情報処理システム10においては、操作者(すなわちユーザ)は、複数の情報処理装置12それぞれにおいて処理を実行させ、各情報処理装置12における処理の実行をもって1つの作業を完了させる。このように、本明細書においては、「処理」は各情報処理装置12で実行されるものであり、「作業」とは、複数の処理の実行により達成される仕事を意味する。
【0012】
作業としては、例えば、紙文書をスキャナでスキャンし、得られた画像データを所定のフォルダに格納し、得られた画像データを所定の宛先に送信し、得られた画像データを所定のプリンタで所定枚数印刷する、という一連の処理から構成される文書管理作業がある。当該文書管理作業は、上述の所定のフォルダ、所定の宛先、所定のプリンタ、及び所定枚数を設定するための設定処理、スキャン処理、格納処理、送信処理、及び印刷処理の実行により完了するものとなる。
【0013】
作業を構成する各処理が各情報処理装置12で実行されることから、複数の情報処理装置12は、実行可能な処理が互いに異なっていてよい。例えば、上述の文書管理作業の場合、第1装置12aはパーソナルコンピュータであって上述の設定処理を実行し、第2装置12bは複合機であり、上述のスキャン処理、格納処理、送信処理、及び印刷処理を実行する。各作業の各処理をどの情報処理装置12が実行するかは、予め定めされていてよい。
【0014】
複数の情報処理装置12は、それぞれ複数種類の作業の処理を実行可能となっている。具体的には、各情報処理装置12において、予め実行可能な複数種類の作業が登録されている。例えば、文書管理作業のみに着目してみても、それを構成する処理に応じて、複数種類の文書管理作業が定義され得る。したがって、ユーザは、各情報処理装置12において処理を実行させるに当たり、各情報処理装置12が実行可能な(すなわち登録済みの)複数種類の作業の中から所望の作業を選択した上で、各情報処理装置12に選択した作業の処理を実行させる。上述のように、1つの作業は各情報処理装置12における各処理の実行をもって完了する、換言すれば、1つの作業が複数の情報処理装置12に跨って実行されることから、操作者は、第1装置12aにおいて、ある作業を選択して第1装置12aで当該作業の処理を実行させたのならば、第2装置12bにおいても、当該作業を選択して第2装置12bにおいても当該作業の処理を実行させる必要がある。
【0015】
図2は、第1装置12aの構成概略図である。本実施形態では、第1装置12aはパーソナルコンピュータであるが、第1装置12aとしては、複数種類の作業を選択可能であり、選択された作業に関する処理を実行可能である限りどのような装置であってもよい。例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、あるいは、複合機などであってもよい。
【0016】
通信インターフェース20aは、例えば有線又は無線のLANアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース20aは、通信回線16を介して、サーバ14あるいは他の情報処理装置12と通信する機能を発揮する。
【0017】
表示部22aは、例えば液晶表示部などを含んで構成される。表示部22aには、種々の画面が表示される。特に、表示部22aには、作業を選択するための作業選択画面(詳細後述)が表示される。
【0018】
入力インターフェース24aは、例えば、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルなどを含んで構成される。入力インターフェース24aは、第1装置12aに対するユーザの指示を入力するために用いられる。
【0019】
メモリ26aは、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM、あるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ26aは、後述のプロセッサ28aとは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ28aの内部に設けられていてもよい。メモリ26aには、第1装置12aの各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶される。また、メモリ26aには、第1装置12aを識別するための装置IDが記憶される。
【0020】
プロセッサ28aは、広義的な処理装置を指し、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ28aとしては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
【0021】
プロセッサ28aは、ユーザによって操作されるに先立ってユーザの認証処理を行う。認証処理としては、例えば、ユーザを識別するユーザIDが記憶されたカードを読み取り、認証サーバ(不図示)などに記憶されるユーザ情報と照合することによって行う。あるいは、ユーザにユーザIDとパスワードを入力させることで認証処理を行ってもよい。
【0022】
また、プロセッサ28aは、内臓あるいはプロセッサ28aの外部に設けられた計時手段(例えばタイマIC、水晶振動子、クロックモジュールなど)により計時された現在時刻を取得する。
【0023】
さらに、プロセッサ28aは、メモリ26aに記憶された情報処理プログラムとの協働により、図2に示すように、表示制御部30a及び処理実行部32aの機能を発揮する。
【0024】
表示制御部30aは、表示部22aに表示される種々の画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御部30aは、上述の作業選択画面などの表示制御を行う。作業選択画面の詳細については後述する。
【0025】
処理実行部32aは、ユーザの指示に応じて、第1装置12aが実行可能な複数種類の作業から選択した作業の処理を実行する。例えば、ユーザにより、上述の文書管理作業が選択された場合、処理実行部32aは、当該文書管理作業に含まれる処理の一部、例えば設定処理を実行する。
【0026】
図3は、第2装置12bの構成概略図である。本実施形態では、第2装置12bは複合機であるが、第2装置12bとしては、第1装置12a同様、複数種類の作業を選択可能であり、選択された作業の処理を実行可能である限りどのような装置であってもよい。例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、あるいは、複合機などであってもよい。
【0027】
第2装置12bが有する通信インターフェース20b、表示部22b、入力インターフェース24b、メモリ26b、プロセッサ28b、表示制御部30b、及び処理実行部32bについては、上述した第1装置12aの、通信インターフェース20a、表示部22a、入力インターフェース24a、メモリ26a、プロセッサ28a、表示制御部30a、及び処理実行部32aとそれぞれ同等の機能を発揮するため、それらの説明は省略する。
【0028】
本実施形態では、第2装置12bは複合機であるから、第2装置12bは、さらに、プリンタ34b及びスキャナ36bを含んでいる。プリンタ34bは、例えば、紙送り機構、感光体ドラム、あるいはカートリッジなどから構成され、画像データを記録媒体に印刷するものである。また、スキャナ36bは、例えば、原稿台、光源、及びイメージセンサなどを含んで構成され、ユーザが原稿台にセットした紙原稿を光学的に読み取って、紙原稿に対応する画像データを生成するものである。
【0029】
図4は、サーバ14の構成概略図である。本実施形態では、サーバ14はコンピュータであるが、サーバ14としては、以下に説明する選択履歴DB(データベース)44を格納可能であり、複数の情報処理装置12からアクセス可能な限りにおいてどのような装置であってもよい。
【0030】
通信インターフェース40は、例えば有線又は無線のLANアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース40は、通信回線16を介して、各情報処理装置12と通信する機能を発揮する。
【0031】
メモリ42は、例えばハードディスク、SSD、eMMC、ROM、あるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ42は、サーバ14の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。また、図4に示す通り、メモリ42には選択履歴DB44が記憶される。
【0032】
選択履歴DB44は、複数の情報処理装置12におけるユーザの作業の選択履歴を示す選択履歴情報が格納される。図5は、選択履歴DB44の内容の例を示す図である。図5の例では、選択履歴DB44はテーブル形式で表現されているが、実際のデータ構造はテーブル形式には限られない。図5に示される通り、選択履歴DB44の1つのレコードは、選択データID、ユーザID、作業ID、装置ID、選択開始時刻、及び、選択終了時刻が互いに関連付けられたものとなっている。図5のテーブルの1つのレコードを選択データ48と呼ぶ。選択データ48は、作業IDが示す作業が、ユーザIDが示すユーザによって選択されたことを示すデータである。
【0033】
選択データIDは、選択データ48を識別するものであり、ユーザによって作業の選択が行われた情報処理装置12において採番される。ユーザIDは、情報処理装置12において作業を選択したユーザを識別するものである。作業IDは、ユーザが選択した作業を識別するものである。装置IDは、作業を選択した情報処理装置12を識別するものである。選択開始時刻は、ユーザが作業の選択状態を開始した時刻である。選択終了時刻は、ユーザが作業の選択状態を終了した時刻である。作業の選択状態の詳細については後述する。
【0034】
各情報処理装置12においてユーザが作業の選択状態を開始する度に、当該情報処理装置12は、選択データID、当該ユーザのユーザID、当該作業の作業ID、自装置の装置ID、及び、選択開始時刻、すなわち選択データ48をサーバ14に送信する。このとき、当該選択データ48には、選択終了時刻はまだ含まれていない。サーバ14のプロセッサ46は、各情報処理装置12から選択データ48を受信する度に、受信した選択データ48を選択履歴DB44に蓄積記憶させる。また、各情報処理装置12においてユーザが作業の選択状態を終了する度に、当該情報処理装置12は、対応する選択データID及び選択終了時刻をサーバ14に送信する。プロセッサ46は、受信した選択データIDに基づいて、選択履歴DB44の中から当該選択データIDを有する選択データ48を特定し、特定した選択データ48に受信した選択終了時刻を含める。なお、図5において、選択終了時刻が「-」となっている選択データ48は、選択データID、ユーザID、作業ID、装置ID、及び選択開始時刻が情報処理装置12から送信されたが、未だ当該情報処理装置12から選択終了時刻がまだ送信されておらず、選択データ48に選択終了時刻が含められていない状態を示す。
【0035】
プロセッサ46は、メモリ42に記憶されたプログラムに従って、サーバ14の各部の制御を行う。
【0036】
本実施形態に係る情報処理システム10の構成概要としては以上の通りである。以下、第1装置12a及び第2装置12bにおいて表示される、作業を選択するための作業選択画面の詳細について説明する。以下においては、第1装置12a及び第2装置12bによって上述の文書管理作業が実行され、第1装置12aにおいて設定処理が実行され、第2装置12bにおいて、スキャン処理、格納処理、送信処理、及び印刷処理が実行される場合を例に説明を行う。
【0037】
まず、他の装置としての第1装置12aの表示部22aに表示される第1作業選択画面、及び、第1装置12aにおける作業の選択の詳細について説明する。
【0038】
第1装置12aにおいてユーザがユーザ認証を行うと、プロセッサ28aは当該ユーザのユーザIDを取得する。次いで、ユーザが入力インターフェース24aを用いて第1装置12aに対して作業の選択要求を入力すると、表示制御部30aは、第1作業選択画面を表示部22aに表示する。
【0039】
図6に第1作業選択画面50の例が示されている。第1作業選択画面50には、第1装置12aで実行可能な、すなわち第1装置12aに予め登録されている1又は複数種類の作業それぞれに対応する選択肢としてのボタン52を含んでいる。図6の例では、第1装置12aに作業1~作業6の6つの作業が登録されていることから、第1作業選択画面50には、作業1~作業6にそれぞれ対応する6つのボタン52が含まれている。
【0040】
本実施形態では、ユーザによりポインタPoがいずれかのボタン52上に移動され、ダブルクリック操作などの特定の操作を受け付けた場合、すなわち、いずれかのボタン52が操作されると、処理実行部32aは、操作されたボタン52に対応する作業の選択状態を開始した、と判定する。したがって、処理実行部32aは、新たに採番した選択データID、当該ユーザのユーザID、選択された作業の作業ID、第1装置12aの装置ID、及び、作業の選択状態を開始した選択開始時刻、すなわち選択データ48をサーバ14へ送信する。上述のように、当該選択データ48はサーバ14の選択履歴DB44に記憶される。
【0041】
また、ユーザによりボタン52が操作されると、処理実行部32aは、選択されたボタン52に対応する作業に関する種々の設定を行う設定処理を開始する。設定処理が開始すると、表示制御部30aは、図7に示すような、選択された作業の設定処理を行うための処理画面としての作業内容設定画面54を表示部22aに表示させる。ユーザが作業内容設定画面54に対して種々の入力を行うことで、選択された作業に関する種々の設定が行われる。
【0042】
ユーザが作業内容設定画面54を閉じると、処理実行部32aは、作業内容設定画面54に対応する作業の選択状態を終了した、と判定する。したがって、処理実行部32aは、当該作業の選択状態を開始した際にサーバ14へ送信した選択データID、及び、当該作業の選択を終了した選択開始時刻をサーバ14へ送信する。上述のように、当該選択開始時刻は、選択履歴DB44の当該選択データIDを含む選択データ48に含められる。
【0043】
本実施形態では、ボタン52が操作されたときに、すなわち作業内容設定画面54が表示されたときに、当該作業内容設定画面54に対応する作業の選択状態が開始し、作業内容設定画面54が閉じたときに、当該作業の選択状態が終了するから、作業の設定処理を行うための作業内容設定画面54が開かれている間が、第1装置12aにおいて、作業内容設定画面54に対応する作業が選択状態となると言える。すなわち、ある作業が選択状態である場合とは、作業の選択を指し示す特定の操作が開始されてから、該作業の選択の解除を指し示す特定の操作が実行される前の状態である。なお、作業の選択を指し示す特定の操作と及び、作業の選択解除を指し示す操作は、上記に限らず、その他の操作であってもよい。
【0044】
ある作業が選択状態である場合、選択履歴DB44においては、当該選択状態である作業に対応する選択データ48は、選択終了時刻を含まないもの(図5の例では「-」)となる。
【0045】
例えば、図6に示す第1作業選択画面50において、ユーザがいずれかのボタン52をポインタPoで指し示している間が、当該ボタン52に対応する作業が選択状態となるようにしてもよい。具体的には、処理実行部32aは、ユーザによりポインタPoがいずれかのボタン52上に移動された場合に、当該ボタン52に対応する作業の選択状態が開始した、と判定し、ポインタPoが当該ボタン52の上から他の領域に移動された場合に、当該作業の選択状態が終了した、と判定してもよい。
【0046】
また、例えば、第1作業選択画面50において、ユーザがいずれかのボタン52を左クリックなどの操作を行うことで、ボタン52をフォーカス状態(換言すれば選択状態)とすることができる場合には、ボタン52がフォーカス状態となっている間が、当該ボタン52に対応する作業が選択状態となるようにしてもよい。具体的には、処理実行部32aは、ユーザ操作によりボタン52がフォーカス状態となった場合に、当該ボタン52に対応する作業の選択状態が開始した、と判定し、ユーザ操作(例えば当該ボタン52以外の位置で左クリックなど)により当該ボタン52のフォーカス状態が解除された場合に、当該作業の選択状態が終了した、と判定してもよい。
【0047】
また、第1装置12aにおいて、複数種類の作業を選択状態とすることも可能である。例えば、第1作業選択画面50において、ユーザが作業1に対応するボタン52を操作して作業1を選択状態としたまま、作業2に対応するボタン52を操作して作業2を選択状態とすることができる。例えば、図8に示すように、複数種類の作業(図8の例では、作業1と作業2)に対応する複数種類の作業内容設定画面54が表示部22aに表示されている場合、第1装置12aにおいて複数種類の作業が選択状態となる。もちろん、3つ以上の作業を同時に選択状態とすることも可能であってよい。この場合、複数種類の作業に対応する複数の選択データ48(当該複数の選択データ48はまだ選択終了時刻を含んでいない)がサーバ14に送信され、複数の選択データ48が選択履歴DB44に記憶される。
【0048】
次に、本発明に係る情報処理装置としての第2装置12bの表示部22bに表示される第2作業選択画面について説明する。
【0049】
第2装置12bにおいてユーザがユーザ認証を行うと、プロセッサ28bは当該ユーザのユーザIDを取得する。次いで、表示制御部30bは、サーバ14にアクセスし、選択履歴DB44に基づいて、複数の情報処理装置12のうちの他の情報処理装置12のいずれかにて、第2装置12bで実行可能な(すなわち第2装置12bに登録されている)複数種類の作業のいずれかが当該ユーザによって選択されたか否かを判定する。
【0050】
なお、本明細書においては、他の情報処理装置12にて「選択された」作業とは、他の情報処理装置12にて現在選択状態とされている作業、及び、他の情報処理装置12にて過去に選択状態とされ既に選択状態が終了している作業の少なくとも一方である。
【0051】
本実施形態では、表示制御部30bは、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって現在選択状態とされている作業があるか否かを判定する。具体的には、表示制御部30bは、選択履歴DB44から、第2装置12bにユーザ認証を行ったユーザのユーザIDを含む選択データ48を抽出し、抽出した選択データ48のうち、選択終了時刻を含まないものがあるか否かを判定する。表示制御部30bは、抽出した選択データ48のうち、選択終了時刻を含まない選択データ48があれば、当該選択データ48の作業IDが示す作業が、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択状態とされている作業であると判定する。一方、選択履歴DB44に当該ユーザのユーザIDを含む選択データ48が記憶されておらず抽出できなかった場合、又は、抽出した選択データ48の全てが選択終了時刻を含むものであった場合は、表示制御部30bは、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択状態とされている作業はないと判定する。
【0052】
例えば、選択履歴DB44の内容が図5に示す内容であり、第2装置12bにユーザ認証を行ったユーザのユーザIDが「U0001」である場合、表示制御部30bは、選択履歴DB44から選択データ48aを抽出する。抽出した選択データ48aは、選択終了時刻を含んでいない。したがって、表示制御部30bは、選択データ48aの作業IDが示す作業1が、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択状態とされている作業であると判定する。
【0053】
表示制御部30bは、上述の判定結果に基づいて、第2作業選択画面を表示部22bに表示する。具体的には、表示制御部30bは、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択状態とされている作業に対応する選択肢が、他の作業に対応する他の選択に対して識別可能な状態で表示された第2作業選択画面を表示部22bに表示する。
【0054】
図9に第2作業選択画面60の例が示されている。第2作業選択画面60には、第2装置12bで実行可能な、すなわち第2装置12bに予め登録されている1又は複数種類の作業それぞれに対応する選択肢としてのボタン62を含んでいる。図9の例では、第2装置12bにおいても、作業1~作業6の6つの作業が登録されていることから、第2作業選択画面60には、作業1~作業6にそれぞれ対応する6つのボタン62が含まれている。
【0055】
本例では、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって作業1が選択状態とされているから、図9に示す通り、第2作業選択画面60においては、作業1に対応するボタン62aが、その他の作業2~6に対応するボタン62と識別可能な態様で表示されている。図9の例では、ボタン62aがその他のボタン62とは異なる色で表示されているが、ボタン62aを他のボタン62と識別可能に表示する態様は、その他の態様であってもよい。例えば、特定のアイコンをボタン62aの近傍に表示させる、などであってもよい。
【0056】
このように、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12においてユーザによって選択された作業に対応するボタン62aが他の作業に対応するボタン62と識別可能な態様で表示されるから、ユーザは、第2装置12bで選択すべき作業(すなわち他の情報処理装置12当該ユーザによって選択された作業)を容易に把握することができる。
【0057】
本実施形態では、表示制御部30aは、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12にて現在選択状態とされている作業に対応するボタン62aを他のボタン62と識別可能に表示していたが、表示制御部30aは、第2作業選択画面60において、過去に選択状態とされ既に選択状態が終了している作業に対応するボタン62aを他のボタン62と識別可能に表示するようにしてもよい。
【0058】
この場合、ユーザが第2装置12bにユーザ認証を行うと、表示制御部30bは、選択履歴DB44から、第2装置12bにユーザ認証を行ったユーザのユーザIDを含む選択データ48を抽出する。表示制御部30bは、抽出した選択データ48の作業IDが示す作業が、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択された作業であると判定する。一方、選択履歴DB44に当該ユーザのユーザIDを含む選択データ48が記憶されておらず抽出できなかった場合は、表示制御部30bは、他の情報処理装置12にて当該ユーザによって選択された作業はないと判定する。
【0059】
ここで、表示制御部30bは、選択終了時刻を含む選択データ48のみを抽出するようにしてもよいし、選択終了時刻を含む選択データ48のみならず選択終了時刻を含まない選択データ48も抽出するようにしてもよい。選択終了時刻を含む選択データ48のみを抽出するようにすれば、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12にて既に選択状態が終了した作業に対応するボタン62aが他のボタン62と識別可能に表示される。選択終了時刻を含む選択データ48のみならず選択終了時刻を含まない選択データ48も抽出するようにすれば、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12にて現在選択状態とされている作業、及び、既に選択状態が終了した作業に対応するボタン62aが他のボタン62と識別可能に表示される。
【0060】
なお、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12にて現在時刻からあまりに遠い過去にユーザが選択状態を終了した作業に対応するボタン62を他のボタン62と識別可能に表示してもあまり意味がないことから、表示制御部30bは、選択履歴DB44から、第2装置12bにユーザ認証を行ったユーザのユーザIDを含む選択データ48であって、選択終了時刻が現在時刻から所定時間内である選択データ48のみを抽出するようにしてもよい。
【0061】
第2作業選択画面60においては、他の情報処理装置12にて選択された作業に対応するボタン62aが他のボタン62と識別可能に表示されると共に、ボタン62aが選択状態とされてもよい。
【0062】
第2作業選択画面60にて、いずれかのボタン62が選択状態とされた上でユーザがOKボタンを操作すると、処理実行部32bは、選択されたボタン62に対応する作業の処理を実行する。なお、第2作業選択画面60にてユーザがOKボタンを操作したときに、処理実行部32bは、ユーザによって選択されたボタン62に対応する作業の選択状態を開始した、と判定し、サーバ14に対して選択データ48を送信する。その後、当該処理が完了したときに、当該作業の選択状態を終了した、判定し、処理実行部32bは、対応する選択データID及び選択開始時刻をサーバ14へ送信する。
【0063】
ユーザは、第2装置12bでの処理が完了した後、再度第1装置12aに戻って、当該作業の処理を継続してもよい。その場合、ユーザが再度第1装置12aにてユーザ認証を行った際に、表示制御部30aは、選択履歴DB44を参照し、他の情報処理装置12(例えば第2装置12b)で当該ユーザに選択された作業に対応するボタン52が他のボタン52と識別可能に表示された第1作業選択画面50を表示部22aに表示する。また、処理実行部32aは、他の情報処理装置12で当該ユーザに選択された作業の設定処理をユーザの指示に依らずに実行してもよく、表示制御部30aは、当該作業に対応する作業内容設定画面54(図7参照)をユーザの指示に依らずに表示するようにしてもよい。
【0064】
図8に示すように、第2装置12b以外の他の情報処理装置12において、複数種類の作業が選択された場合、表示制御部30bは、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12において選択された複数種類の作業に対応する複数の選択肢を、順次、他の選択肢と識別可能な態様で表示する。
【0065】
例えば、第1装置12aにおいて、ユーザIDが「U0002」であるユーザが、作業1及び作業2を選択状態としたとする。この場合、選択履歴DB44には、図5に示すような選択データ48b及び48cが記憶される。第2装置12bの表示制御部30bは、第2装置12bにユーザ認証を行ったユーザのユーザIDが「U0002」である場合、選択履歴DB44から、いずれも選択終了時刻を含まない選択データ48b及び48cを抽出する。そして、第2作業選択画面60において、抽出した選択データ48b及び48cの作業IDが示す作業(本例では作業1及び作業2)に対応する複数のボタン62を、順次、他のボタン62に対して識別可能な態様で表示させる。
【0066】
順次、複数のボタン62を他のボタン62とは識別可能な態様で表示させる方法は種々の方法であってよい。例えば、図10に示すように、まず、他の情報処理装置12で選択された複数種類の作業のうちの一の作業(ここでは作業1)に対応するボタン62aが他のボタン62に対して識別可能な態様で表示された第2作業選択画面60aを表示した後、ユーザの操作(例えばフリック操作)に応じて、当該複数種類の作業のうちの他の作業(ここでは作業2)に対応するボタン62bが他のボタン62に対して識別可能な態様で表示された第2作業選択画面60bに切り替えて表示するようにしてもよい。
【0067】
また、表示制御部30bは、ユーザの操作に代えてあるいは加えて、所定時間毎に第2作業選択画面60aと60bとを切り替えて表示するようにしてもよい。
【0068】
また、表示制御部30bは、第2作業選択画面60aにおいて、ユーザがボタン62aを選択状態とした上でOKボタンを操作し、処理実行部32bによって作業1の処理が完了された後、第2作業選択画面60bを表示するようにしてもよい。
【0069】
また、表示制御部30bは、他の情報処理装置12で複数種類の作業が選択された場合、第2作業選択画面60において、他の情報処理装置12における当該複数種類の作業の選択順序に応じた順序で、当該複数種類の作業に対応する複数の選択肢を、順次、他の選択肢と識別可能な態様で表示するようにしてもよい。
【0070】
ここでも、第1装置12aにおいて、ユーザIDが「U0002」であるユーザが、作業1及び作業2を選択状態としたとする。この場合、表示制御部30bは、選択履歴DB44から抽出した選択データ48b及び48cの選択開始時刻を参照することで、他の情報処理装置12(ここでは第1装置12a)における複数種類の作業の選択順序を把握することができる。図5の例では、作業1に対応する選択データ48bの選択開始時刻が2019年8月30日の13時3分であり、作業2に対応する選択データ48cの選択開始時刻が同日の13時6分であるから、第1装置12aにおける当該複数種類の作業の選択順序は、作業1→作業2であることが把握できる。
【0071】
この場合、表示制御部30bは、先に作業1に対応するボタン62aが他のボタン62に対して識別可能な態様で表示された第2作業選択画面60aを表示し、その後、ユーザ操作などに応じて、作業2に対応するボタン62bが他のボタン62に対して識別可能な態様で表示された第2作業選択画面60bを表示する。
【0072】
また、表示制御部30bは、他の情報処理装置12で複数種類の作業が選択された場合、第2作業選択画面60において、当該複数種類の作業に対応する複数の選択肢を、同時に、他の選択肢と識別可能な態様で表示するようにしてもよい。さらに、このとき、他の情報処理装置12における当該複数種類の作業の選択順序に応じて、当該選択順序を識別可能な態様で当該複数種類の作業に対応する複数の選択肢を表示するとよい。
【0073】
例えば、他の情報処理装置12において、作業1及び作業2が選択状態とされている場合、図11に示すように、表示制御部30bは、第2作業選択画面60において、作業1に対応するボタン62aと、作業2に対応するボタン62bとを、その他のボタン62と識別可能な態様で表示する。他の情報処理装置12における作業1と作業2の選択順序が識別可能なように、ボタン62a及びボタン62bには、当該選択順序を示す選択順序アイコン64が付されている。選択順序アイコン64により、ユーザは、他の情報処理装置12において、作業1がまず選択され、その後作業2が選択されたことを把握できる。
【0074】
なお、第2作業選択画面60において、ユーザは、複数種類の作業を選択することができる。具体的には、ユーザは、複数のボタン62を選択状態とした上でOKボタンを操作すると、複数種類の作業を選択することができる。この場合、処理実行部32bは、選択された複数種類の作業についての処理を順次あるいは同時に実行する。
【0075】
例えば、処理実行部32bが実行する処理がスキャン処理であり、第2作業選択画面60において作業1及び作業2が選択された場合、処理実行部32bは、原稿台にセットされた作業1用の紙原稿と作業2用の紙原稿とをまとめてスキャナ36bに処理させることができる。処理実行部32bは、原稿台にセットされた紙原稿のうちの一部分をスキャナ36bで読み取る処理を作業1のスキャナ処理とし、当該一部分を読み取って得た第1の画像データを作業1用の画像データとする。また、処理実行部32aは、原稿台にセットされた紙原稿のうちの他の部分をスキャナ36bで読み取る処理を作業2のスキャナ処理とし、当該一部分を読み取って得た第2の画像データを作業2用の画像データとする。この場合、作業1のスキャン処理と作業2のスキャン処理とが順次実行されることとなる。
【0076】
この場合、表示制御部30bは、図12に示すような、原稿台にセットされた紙原稿のうちの作業1用の部分と作業2用の部分とを処理実行部32bに判別させるための1又は複数の方法をユーザに提供するための原稿判別方法提供画面を表示部22bに表示するようにしてもよい。
【0077】
また、処理実行部32bは、原稿台にセットされた紙原稿の全てをスキャナ36bで読み取る処理を作業1及び作業2のスキャナ処理とし、紙原稿の全てを読み取って得た画像データを作業1用及び作業2用の画像データとしてよい。この場合、作業1のスキャン処理と作業2のスキャン処理とが同時に実行されることとなる。
【0078】
本実施形態においては、選択履歴DB44に基づいて、表示制御部30bが第2作業選択画面60を表示部22bに表示していたが、表示制御部30bが第2作業選択画面60を表示部22bに表示させることなく、処理実行部32bが、選択履歴DB44に基づいて、他の情報処理装置12にて選択された作業をユーザの指示に依らずに自動選択して、選択した作業の処理を実行するようにしてもよい。
【0079】
具体的には、第2装置12bにおいてユーザがユーザ認証を行うと、プロセッサ28bは、認証情報に基づいて当該ユーザのユーザIDを取得する。次いで、処理実行部32bは、上述した通りの処理によって、サーバ14の選択履歴DB44に基づいて、他の情報処理装置12にて当該ユーザにより選択された作業を特定する。そして、処理実行部32bは、特定した作業を自動選択して当該作業の処理を実行する。
【0080】
以下、図13に示すフローチャートに従って、第2装置12bの処理の流れを説明する。
【0081】
ステップS10において、ユーザは第2装置12bにてユーザ認証を行う。これにより、プロセッサ28bは当該ユーザのユーザIDを取得する。
【0082】
ステップS12において、表示制御部30bは、サーバ14にアクセスし、選択履歴DB44を参照する。
【0083】
ステップS14において、表示制御部30bは、他の情報処理装置12において当該ユーザによって選択状態とされている作業があるか否かを判定する。具体的には、上述のように、選択履歴DB44の中からステップS10で取得したユーザIDを含む選択データ48を抽出し、抽出した選択データ48の中に選択終了時刻を含まないものがあるか否かを判定する。他の情報処理装置12において当該ユーザによって選択状態とされた作業がある場合はステップS16に進む。
【0084】
ステップS16において、表示制御部30bは、他の情報処理装置12において当該ユーザによって選択状態とされている作業に対応するボタン62aが他のボタン62と識別可能な態様で表示された第2作業選択画面60を表示部22bに表示する。
【0085】
ステップS14で、他の情報処理装置12において当該ユーザによって選択状態とされた作業がないと判定された場合はステップS18に進み、ステップS18において、表示制御部30bは、通常の第2作業選択画面60、すなわち、いずれのボタン62も他のボタン62と識別可能な態様ではない第2作業選択画面60を表示部22bに表示する。
【0086】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 情報処理システム、12 情報処理装置、12a 第1装置、12b 第2装置、14 サーバ、16 通信回線、20a,20b 通信インターフェース、22a,22b 表示部、24a,24b 入力インターフェース、26a,26b メモリ、28a,28b プロセッサ、30a,30b 表示制御部、32a,32b 処理実行部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13