(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240109BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2019230894
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228134(JP,A)
【文献】特開平03-093364(JP,A)
【文献】特開2005-222476(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0080432(US,A1)
【文献】米国特許第9642219(US,B2)
【文献】特開2015-109618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得し、
取得したスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、ユーザによる前記場所の利用が行われない時間帯では、当該場所の全体が前記撮影装置により撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記撮影装置の制御をさらに行い、前記場所の照明がオフされている場合には、当該撮影装置に、当該場所の撮影を、当該照明がオンされているときとは異なるモードで行わせる請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、ユーザによる前記場所の利用が行われない時間帯にて、当該場所に設置されたセンサから予め定められた出力があった場合には、当該センサに対応付けられて登録されている箇所を前記撮影箇所として設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記場所の予約開始時刻に当該場所の入口が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記入口を撮影することにより得られた映像の解析をさらに行い、当該入口を通って前記場所に入る人物の特定を行う請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記場所の予約終了時刻に当該場所の特定の箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記場所に設置された机の上、及び/又は、当該場所のうちの荷物が置かれる箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記特定の箇所を撮影することにより得られた映像の解析をさらに行い、当該特定の箇所が予め定められた状況になっていないかを判断する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記場所の予約終了時刻に当該場所の全体が撮影されるように前記撮影箇所を設定するとともに、当該場所の全体が撮影されることにより得られた映像を解析し、当該場所の一部が破壊された状況になっていないか、及び/又は、当該場所に不審物が設置された状況になっていないかを判断する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記場所の予約時間内には当該場所の特定の一部の箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記予約時間内には、前記場所のうちの、ユーザの視界に入らない箇所、可燃物が置かれている箇所、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所、および、窓が設置された箇所の少なくとも一箇所が撮影されるように、前記撮影箇所を設定する請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記場所の保守が行われる時間帯には保守員が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記撮影装置により得られた映像の解析をさらに行い、前記場所に忘れ物がないか否かを判定するとともに、前記保守員により当該場所に置かれた物については忘れ物と判定しない請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記保守員に対して、前記場所のうちの特定の箇所の撮影を行わせる指示をさらに行う請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記撮影装置による前記場所の撮影が行われる場合において当該場所の照明がオフされている場合には、当該照明のオンを行う請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項17】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得し、
取得したスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する、
情報処理装置。
【請求項18】
予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得する機能と、
取得されたスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空間の画像内に撮影領域アイコンを移動可能に表示し、表示された撮影領域アイコンの移動操作を設置者にさせることによって空間における監視カメラの設置位置を決定させる処理が開示されている。
特許文献2には、所定の範囲内に入ってきた移動体を検知するセンサと、所定の範囲内を含みその範囲を超える画角を有する撮影用のレンズと、センサの検知信号によって撮影動作するシャッタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-201611号公報
【文献】特開2003-125386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮影装置を設置することで、撮影装置が設置された場所の撮影を行える。
ところで、撮影装置が設置された場所にて起きる事象は、この場所の様々な箇所で起きることが想定され、単に撮影装置を設置しただけでは、本来撮影を行いたい事象とは異なる事象が撮影されたり、事象の詳細が不明な状態で事象が撮影されたりするおそれがある。
本発明の目的は、単に撮影装置を設置してこの撮影装置が設置された場所の撮影を行う場合に比べ、撮影装置が設置された場所にて起きる事象をより的確に撮影できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得し、取得したスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、ユーザによる前記場所の利用が行われない時間帯では、当該場所の全体が前記撮影装置により撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記撮影装置の制御をさらに行い、前記場所の照明がオフされている場合には、当該撮影装置に、当該場所の撮影を、当該照明がオンされているときとは異なるモードで行わせる請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、ユーザによる前記場所の利用が行われない時間帯にて、当該場所に設置されたセンサから予め定められた出力があった場合には、当該センサに対応付けられて登録されている箇所を前記撮影箇所として設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所の予約開始時刻に当該場所の入口が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記入口を撮影することにより得られた映像の解析をさらに行い、当該入口を通って前記場所に入る人物の特定を行う請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所の予約終了時刻に当該場所の特定の箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所に設置された机の上、及び/又は、当該場所のうちの荷物が置かれる箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の箇所を撮影することにより得られた映像の解析をさらに行い、当該特定の箇所が予め定められた状況になっていないかを判断する請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所の予約終了時刻に当該場所の全体が撮影されるように前記撮影箇所を設定するとともに、当該場所の全体が撮影されることにより得られた映像を解析し、当該場所の一部が破壊された状況になっていないか、及び/又は、当該場所に不審物が設置された状況になっていないかを判断する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所の予約時間内には当該場所の特定の一部の箇所が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記予約時間内には、前記場所のうちの、ユーザの視界に入らない箇所、可燃物が置かれている箇所、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所、および、窓が設置された箇所の少なくとも一箇所が撮影されるように、前記撮影箇所を設定する請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所の保守が行われる時間帯には保守員が撮影されるように前記撮影箇所を設定する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載の発明は、前記プロセッサは、前記撮影装置により得られた映像の解析をさらに行い、前記場所に忘れ物がないか否かを判定するとともに、前記保守員により当該場所に置かれた物については忘れ物と判定しない請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載の発明は、前記プロセッサは、前記保守員に対して、前記場所のうちの特定の箇所の撮影を行わせる指示をさらに行う請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項16に記載の発明は、前記プロセッサは、前記撮影装置による前記場所の撮影が行われる場合において当該場所の照明がオフされている場合には、当該照明のオンを行う請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項17に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得し、取得したスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する、情報処理装置である。
請求項18に記載の発明は、予約可能な場所であって撮影装置が設置された当該場所のスケジュールについての情報であるスケジュール情報を取得する機能と、取得されたスケジュール情報に基づき、前記撮影装置による撮影箇所を設定する機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、単に撮影装置を設置してこの撮影装置が設置された場所の撮影を行う場合に比べ、撮影装置が設置された場所にて起きる事象をより的確に撮影できるようにすることができる。
請求項2の発明によれば、ユーザによる場所の利用が行われない時間帯におけるこの場所の映像であって、この場所の全体が映る映像を取得できる。
請求項3の発明によれば、場所の照明がオンされている場合に撮影装置が撮影を行う際のモードと、場所の照明がオフされている場合に撮影装置が撮影を行う際のモードとが同じである場合に比べ、場所の照明がオフされている場合の撮影装置のモードを、照明がオフされている状況により適したモードとすることができる。
請求項4の発明によれば、センサが検知対象の検知を行った場合に、このセンサに対応づけられて登録されている箇所の映像を取得することができる。
請求項5の発明によれば、予約開始時間を考慮せずに入口の撮影を行う場合に比べ、入口を通る人物の映像をより確実に取得できるようになる。
請求項6の発明によれば、入口を通る人物の特定を行うことができる。
請求項7の発明によれば、場所の予約終了時間にこの場所の特定の箇所の映像を取得できる。
請求項8の発明によれば、場所の予約終了時間における映像であって、この場所に設置された机の上、及び/又は、この場所のうちの荷物が置かれる箇所の映像を取得できる。
請求項9の発明によれば、場所の特定の箇所が予め定められた状況になっていないかを把握できるようになる。
請求項10の発明によれば、場所の一部が破壊された状況になっていないか、及び/又は、場所に不審物が設置された状況になっていないかを把握することができる。
請求項11の発明によれば、場所の予約時間内にこの場所の特定の一部の箇所の撮影を行える。
請求項12の発明によれば、予約時間内に、場所のうちの、ユーザの視界に入らない箇所、可燃物が置かれている箇所、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所、および、窓が設置された箇所の少なくとも一箇所を撮影できる。
請求項13の発明によれば、場所の保守が行われる時間帯における保守員を撮影できる。
請求項14の発明によれば、保守員により場所に置かれた物であるか否かを考慮しない場合に比べ、保守員により場所に置かれた物が忘れ物と判定されることを抑制できる。
請求項15の発明によれば、場所に設置された撮影装置では撮影を行えない箇所の映像を取得することができる。
請求項16の発明によれば、場所の照明のオンを行わない場合に比べ、より鮮明な場所の映像を取得できる。
請求項17の発明によれば、単に撮影装置を設置してこの撮影装置が設置された場所の撮影を行う場合に比べ、撮影装置が設置された場所にて起きる事象をより的確に撮影できるようにすることができる。
請求項18の発明によれば、単に撮影装置を設置してこの撮影装置が設置された場所の撮影を行う場合に比べ、撮影装置が設置された場所にて起きる事象をより的確に撮影できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図4】空間管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図5】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】予約申込者が空間の予約を行う際に、この予約申込者のユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図7】ユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図8】空間管理サーバのハードディスクドライブに格納されている予約リストを示した図である。
【
図9】空間管理サーバのハードディスクドライブに格納されている利用者リストを示した図である。
【
図10】空間管理サーバに設けられた、プロセッサの一例であるCPUが実行する処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を概略的に示す図である。
本実施形態では、利用者により予約されて使用される場所の一例である複数の空間2が設けられている。
本実施形態では、空間2の各々は、予約可能となっており、利用者は、空間2を予め予約したうえでこの空間2の利用を行えるようになっている。
【0009】
空間2は、ブース、宿泊施設等の客室、会社内等の会議室等を含む。これらは、壁や間仕切り等によって周囲から区切られている空間2の一例である。
また、本実施形態における空間2は、飲食店や理髪店等でサービスの提供を受けるテーブルや座席等を含む。これらは、周囲に開放された空間2の一例である。
【0010】
図1に示す情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の端末で構成されている。
図1では、クラウドネットワーク3に接続される端末の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する空間管理サーバ5が示されている。また、クラウドネットワーク3には、空間2が接続されている。より具体的には、空間2には各種の機器が設けられ、この機器が、クラウドネットワーク3に接続されている。
【0011】
ここで、空間2を管理する事業者は、単独でも複数でもよい。例えば予約の管理、入退室や室内の利用状況などの管理、ユーザに対する利用料金の請求に関する管理、利用者として登録されている会員の管理のそれぞれを、異なる事業者が分担してもよい。
また、前述したように、予約の対象として管理される空間2は、同種である必要もない。例えば空間2の一部はブースであり、空間2の一部は飲食店等の座席やテーブルでもよい。
また、1つの目的又は機能についての管理を、複数の事業者が協働で提供してもよい。
【0012】
本実施形態では、空間2の扉に電子錠が取り付けられており、空間2の各々は、施錠可能となっている。本実施形態では、空間2の解錠権限を有する者が、この空間2の利用を行えるようになっている。
空間2の解錠にあたっては、解錠を行う者が、自身のユーザ端末4を操作して、解錠の指示をする。この指示は、空間管理サーバ5へ送られ、空間管理サーバ5は、この指示を受信する。そして、空間管理サーバ5は、解錠の指示があった空間2の解錠の指示を行う。これにより、この空間2に設置された電子錠が作動し、空間2の解錠が行われる。
【0013】
本実施形態では、ユーザ端末4として、携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、携帯可能なユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0014】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば利用者を特定する情報、予約の対象である空間2を特定する情報、予約の開始日時、予約の終了日時等を管理する。
利用者を特定する情報には、例えば利用者の氏名、性別、年齢、アカウント、ユーザID、パスワード、個人に付された管理用の情報が含まれる。また、利用の対象である空間2を特定する情報には、例えば住所又は所在の場所を特定する情報、管理用の名称や番号が含まれる。
【0015】
なお、空間管理サーバ5は、空間2に関連付けられている物品やサービスの予約を管理してもよい。例えば貸し出しや使用の許諾が可能な物品やサービス、消費される又は消耗する物品やサービスを管理してもよい。
また、空間管理サーバ5は、空間2の利用に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば、空間2の利用状況についての情報、空間2を利用する利用者についての情報を管理する。
【0016】
さらに、空間管理サーバ5は、空間2の解錠および施錠を行う。
また、空間管理サーバ5は、制御装置としても機能し、空間2に設置された各種の機器の制御を行う。なお、制御装置は、空間2の各々に対応させて各空間2に設置し、各空間2に設置された制御装置を用いて、各空間2に設置された各種の機器の制御を行ってもよい。
【0017】
<空間2の外観構成>
図2は、ブース型の空間2の例を説明する図である。
図2に示すブース型の空間2は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
【0018】
図2に示すブース型の空間2の各々は、天井が取り付けられている閉鎖型のブースである。ただし、閉鎖型とは、密閉の意味ではなく、実用的な防音性能を備えていればよい。
図2に示す空間2の躯体は、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとで構成される。
本実施形態では、空間2が、壁面20C、扉22、壁面20D、壁面20E、壁面20Fにより囲まれており、この4つの壁面、扉22によって、この4つの壁面、扉22の内側に、部屋200が設けられた構成となっている。
【0019】
本実施の形態の場合、扉22は、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。
図2の場合、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉22であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉22でも、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉22でもよい。
本実施の形態の場合、扉22には、開閉時にユーザが掴む取手22Aが取り付けられている。また、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする電子錠22Cが取り付けられている。さらに、本実施形態では、扉22の開閉を検知する開閉センサS1が設けられている。
【0020】
空間2の利用人数は、空間2の容積によっておおよそ決まる。本実施の形態における空間2は、基本的に1人が使用する個室型を想定する。
もっとも、空間2は、多人数を収容可能な大部屋でもよい。大部屋は、単独の部屋として構成されていてもよいが、空間2の壁面20D及び20Eの一方又は両方を取り除いた複数の空間2を連結することで形成してもよい。
なお、個室型とは1人しか利用できない意味ではなく、少人数、例えば2~3人の利用が可能な意味で使用する。
空間2を構成する躯体の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。例えば天井20Aを取り除いた構成も可能である。
【0021】
図3は、空間2の内部を説明する図である。なお、この
図3では、空間2を上方から見た場合の状態を示している。
本実施形態では、躯体の内部に、机92と椅子91とが1つずつ配されている。また、躯体の内部には、備え付けの備品及び機器、予約された備品及び機器等が配置される。
また、空間2内には、利用者が自身の荷物を置くための荷物用容器93が設置されている。付言すると、空間2内には、利用者の荷物であって置かれた荷物を収容する荷物用容器93が設けられている。
【0022】
また、躯体の内部には、備え付けの機器として、映像を映す表示装置であるモニタ32が設けられている。
モニタ32は、机92の上に設置されている。モニタ32は、ユーザが持参したPC(Personal Computer)が接続されるモニタ32である。付言すると、モニタ32は、ユーザが持参したPCにて表示される画面の拡大に用いられるモニタ32である。
本実施形態では、不図示のケーブルによって、モニタ32にPCが接続されると、このPCの画面がモニタ32に表示される。
【0023】
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、音を出力する音出力装置であるスピーカ30Aが設けられている。なお、スピーカ30Aを別途設けず、モニタ32に設けられたスピーカから音を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、空間2の内部の撮影を行う撮影装置24が設けられている。撮影装置24には、CCDやCMOSなどの撮像素子が設けられ、撮影装置24は、この撮像素子を用いて、空間2内の撮影を行う。
【0024】
さらに、空間2には、撮影装置24を、
図3の矢印3Aで示す方向に移動させる移動機構が設けられている。付言すると、本実施形態では、壁面20Eが延びる方向に沿って撮影装置24を移動させる移動機構が設けられている。
この移動機構は、例えば、周回移動が可能に設けられ壁面20Eが延びる方向に沿って延びる環状のベルトと、このベルトに取り付けられ撮影装置24を支持する台座と、ベルトを駆動する駆動モータとにより構成される。
なお、移動機構は、この構成に限らず、他の公知の機構により構成してもよい。
【0025】
さらに、本実施形態では、撮影装置24を回転させる第1回転機構が設けられている。この第1回転機構は、上記の台座により支持され、
図2の符号2Aで示す回転軸を中心に撮影装置24を回転させる。付言すると、鉛直方向に沿った回転軸を中心に撮影装置24を回転させる。
【0026】
また、本実施形態では、撮影装置24を回転させる第2回転機構が設けられている。この第2回転機構も、台座により支持され、符号2Bで示す回転軸を中心に撮影装置24を回転させる。付言すると、水平方向に沿った回転軸を中心に撮影装置24を回転させる。
第1回転機構、第2回転機構も公知の機構により構成すればよく、特に限定されるものではない。
【0027】
また、
図2に示すように、空間2には、空間2の内部の利用者を検出する人感センサ25が設けられている。また、本実施形態では、空間2の温度を検出する温度センサ26が設けられている。
また、
図3に示すように、空間2には、空間2の内部を明るくするための照明機器40(光源)が設けられている。また、本実施形態では、
図2に示すように、空間2の内部の温度の調整を行う空調機器49が設けられている。
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、扉22に、窓42が設置され、本実施形態では、この窓42を通じて、空間2の外部から、空間2の内部の視認を行えるようになっている。
【0028】
さらに、
図2に示すように、躯体の外表面には、空間2を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置29が設けられることもある。
この情報取得装置29は、例えば、翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置29は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
【0029】
図4は、空間管理サーバ5のハードウェア構成の一例を説明する図である。
情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5は、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、管理データ等を記憶するハードディスクドライブ102と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0030】
制御ユニット101は、プロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)113とを有している。
CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0031】
ハードディスクドライブ102は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。もっとも、不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、空間管理サーバ5は、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、ハードディスクドライブ102と、ネットワークインターフェース103は、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0032】
ここで、CPU111によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、空間管理サーバ5へ提供しうる。また、CPU111によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、空間管理サーバ5へ提供してもよい。
【0033】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0034】
図5は、ユーザ端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示す構成は、ユーザ端末4がスマートフォンの場合を想定する。
ユーザ端末4は、装置全体の動作を制御する制御ユニット201と、各種のデータを記憶するメモリカード202と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース203と、タッチセンサ等の入力デバイス204と、液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイス205と、GPS(=Global Positioning System)センサ206を有している。
【0035】
制御ユニット201は、CPU211と、ファームウェアやBIOS等が記憶されたROM212と、ワークエリアとして用いられるRAM213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0036】
通信インターフェース203は、例えば移動通信システムとの接続に使用されるインターフェース、無線LANとの接続に使用されるインターフェースである。
GPSセンサ206は、GPS衛生からの電波を受信してユーザ端末4の位置を測定するセンサである。GPSセンサ206から出力される緯度、経度、高度の情報は、ユーザ端末4の現在位置を与える。なお、GPSセンサ206は、屋内用の測位システムに対応してもよい。
【0037】
図6は、予約申込者が空間2の予約を行う際に、この予約申込者のユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図6に示すこの表示画面では、地図の表示が行われるとともに、この地図上に、予約申込者により予約される場所の一例である空間2の設置箇所が複数表示されている。
【0038】
本実施形態では、予約申込者は、空間2の予約を行う際、まず、表示されている複数の設置箇所の中から設置箇所を選択する。
なお、このような表示形態に限らず、例えば、リスト形式で、複数の設置箇所を表示し、予約申込者が、リストの中から設置箇所を選択するようにしてもよい。
【0039】
設置箇所が選択されると、
図7(ユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図)に示すように、選択された設置箇所における空室の状況が、時間毎に表示される。
予約者は、この表示画面に対する操作を行って、空間2の予約時間を指定する。そして、予約者は、確定ボタン(不図示)を押圧する。
【0040】
これにより、空間管理サーバ5が予約の確定処理を行う。
具体的には、空間管理サーバ5は、空間2の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所、予約時間についての情報をハードディスクドライブ102に登録し、予約の確定処理を行う。
そして、予約の確定結果が、ユーザ端末4へ送信され予約申込者に通知される。
【0041】
図8は、空間管理サーバ5のハードディスクドライブ102(
図4)に格納されている予約リストを示した図である。
本実施形態では、予約者による空間2の予約が確定すると、
図8に示すように、予約リストに、この予約者が追加される。より具体的には、予約リストには、予約時間帯毎に、予約を行った者である予約者が登録される。
付言すると、本実施形態では、空間管理サーバ5のハードディスクドライブ102に、空間2のスケジュールについての情報(以下、「スケジュール情報」と称する)が登録される。
【0042】
図8に示す例では、スケジュール情報として、4月5日、予約時間07:00~07:30の時間帯が、予約者Fにより予約されたことを示す情報が登録されている。
また、詳細な説明は省略するが、他の予約帯についても、同様に、予約者により予約されたことを示す情報が登録されている。
また、
図8に示す例では、スケジュール情報として、4月5日、08:00~08:30の時間帯に、保守員による保守が行われることを示す情報が登録されている。
この保守員による保守には、清掃も含まれ、保守が行われる時間帯では、備品の設置、備品の交換、備品の修理などが行われたり、空間2の清掃が行われたりする。
【0043】
図9は、空間管理サーバ5のハードディスクドライブ102に格納されている利用者リストを示した図である。
本実施形態では、空間2を利用する利用者の各々は、予めユーザ登録を行うようになっている。本実施形態では、利用者の各々は、このユーザ登録を行うにあたり、自身の氏名、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号、パスワードなどの情報を、ユーザ端末4等を介して入力する。
そして、本実施形態では、これらの情報が、利用者リストに登録される。
【0044】
利用者リストでは、
図9に示すように、氏名、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号などの情報が、各利用者に対応付けられた状態で登録される。
また、利用者リストでは、利用者が設定したパスワード、および、ユーザの各々に割り振られたユーザIDが、各利用者に対応付けられた状態で登録される。
【0045】
本実施形態では、空間管理サーバ5が、ユーザ端末4から、空間2の解錠の指示を受信すると、この解錠の指示を行った者と、予約リスト(
図8参照)に登録されている者とを照合し、解錠の指示を行った者が、予約リストに登録されている場合、空間2の解錠を行う。
より具体的には、本実施形態では、予約者が解錠を行う際、ユーザ端末4にて、ユーザIDやパスワードの入力を受け付け、ユーザ端末4の操作を行う操作者の認証を行って、ユーザ端末4を操作する操作者を特定する。
そして、本実施形態では、この認証が済んだユーザ端末4から、解錠の指示があると、この解錠の指示を行った操作者が、予約リストに登録されているかを判断する。そして、登録されている場合、空間管理サーバ5が空間2の解錠を行う。
【0046】
図10は、空間管理サーバ5に設けられた、プロセッサの一例であるCPU111が実行する処理の流れの一例を示したフローチャートである。
より具体的には、
図10は、CPU111が、撮影装置24による撮影箇所を設定する際に実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【0047】
本実施形態のCPU111は、例えば、1分おきなど、予め定められた時間が経過する度に、ハードディスクドライブ102から、空間2のスケジュール情報を読み出して取得する(ステップS101)。
なお、これに限らず、CPU111は、ハードディスクドライブ102に格納されているスケジュール情報の内容の変更があった場合に、ハードディスクドライブ102から、空間2のスケジュール情報を読み出して取得してもよい。
【0048】
本実施形態では、
図8に示したように、空間2についてのスケジュール情報がハードディスクドライブ102に登録されるようになっており、CPU111は、このハードディスクドライブ102からスケジュール情報を読み出して取得する。
【0049】
次いで、本実施形態のCPU111は、取得したスケジュール情報に基づき、撮影装置24による撮影箇所を設定する(ステップS102)。
これにより、本実施形態では、スケジュール情報に基づき設定された撮影箇所が、撮影装置24により撮影されるようになる。
【0050】
ここで、本実施形態のように、空間2に撮影装置24を設置すると、この空間2の撮影を行えるが、この空間2にて起きる事象は、この空間2の様々な箇所で起きることが想定される。
この場合に、単に撮影装置24を設置しただけでは、本来撮影を行いたい事象とは異なる事象が撮影されたり、事象の詳細が不明な状態で事象が撮影されたりするおそれがある。
これに対して、本実施形態のように、スケジュール情報に基づき撮影箇所を設定すると、事象の起きやすい箇所が撮影箇所として設定されるようになり、単に撮影装置24を設置する場合に比べ、空間2にて起きる事象がより的確に撮影されるようになる。
【0051】
また、本実施形態のように、スケジュール情報に基づき撮影箇所を設定すると、空間2に設置する撮影装置24の個数を減らせるようになる。
ここで、スケジュール情報を考慮しない場合、空間2の何れの箇所で事象が起きやすいかを把握しにくくなり、この場合、事象をもれなく且つ詳細に撮影しようとすると、多数の撮影装置24を設置して、多数の箇所を撮影する必要が生じる。
【0052】
これに対し、本実施形態のように、スケジュール情報に基づき撮影箇所を設定すると、事象の起きやすい箇所が予め分かるようになる。この場合、より少ない数の撮影装置24で、空間2にて起きる事象の撮影を行えるようになる。
なお、本実施形態では、1台の撮影装置24を設けた場合を説明するが、撮影装置24は複数台設けるようにしてもよい。
【0053】
ここで、ステップS102の、撮影箇所の設定処理について説明する。
CPU111は、取得したスケジュール情報を基に、例えば、空間2の予約開始時刻を把握し、例えば、空間2のこの予約開始時刻にこの空間2の入口が撮影されるように撮影箇所を設定する。
付言すると、CPU111は、空間2の予約開始時刻に撮影装置24が向く方向が空間2の入口となるように、撮影箇所を設定する。
【0054】
より具体的には、本実施形態では、例えば、
図8の符号8Aで示す時刻である「07:00」が予約開始時刻となるが、CPU111は、この予約開始時刻に空間2の入口が撮影されるように撮影箇所を設定する。
より具体的には、本実施形態では、扉22(
図2参照)が設けられている箇所が、入口となり、CPU111は、予約開始時刻にこの扉22が設けられている箇所が撮影されるように撮影箇所を設定する。
【0055】
そして、CPU111は、予約開始時刻となった際に、又は、予約時間よりも前のタイミングのときに、撮影装置24の向きの制御を行い、撮影装置24を入口(扉22)が位置する方向に向ける。
より具体的には、CPU111は、移動機構、第1回転機構、第2回転機構の何れか1つ以上を駆動して、撮影装置24を入口(扉22)が位置する方向に向ける。
【0056】
より具体的には、本実施形態では、ハードディスクドライブ102に、空間2の各々の箇所と、この箇所に撮影装置24を向ける際の制御パラメータとが対応付けられた状態で予め登録されている。
CPU111は、撮影装置24を、空間2の一部の箇所に向ける場合、この一部の箇所に対応した制御パラメータをハードディスクドライブ102から読み出し、この制御パラメータを用いて、移動機構、第1回転機構、第2回転機構の各々を駆動する。
これにより、撮影装置24が、この一部の箇所を向くようになる。
【0057】
その後、本実施形態のCPU111は、入口を撮影することにより得られた映像の解析を行い、この入口を通って空間2に入る人物の特定を行う。付言すると、撮影装置24により得られた映像の解析を行い、入口を通って空間2に入る人物の特定を行う。
より具体的には、CPU111は、例えば、映像を解析することにより得られる人物の画像と、予め登録された人物の画像との照合を行い、入口を通って空間2に入る人物を特定する。なお、この照合は、公知の顔認証の技術により行えばよい。
【0058】
このように、人物を特定する処理を行う場合には、予め、空間2を利用する利用者の各々に、自身の顔の画像を登録するようにしてもらい、利用者の各々の顔の画像を、利用者リスト(
図9参照)に登録するようにする。
そして、CPU111は、撮影装置24により得られた映像を解析することにより得られる人物の顔の画像と、利用者リストに登録された、利用者の顔の画像との照合を行って、入口を通って空間2に入る人物の特定を行う。
【0059】
これにより、本実施形態では、空間2を利用する権限を有する利用者が空間2に入ったか、あるいは、権限を有しない者が空間2に入ったかの把握を行えるようになる。
本実施形態では、入口に向けた撮影装置24により得られた映像の解析を行い、空間2に入った者の特定を行う。
このように、入口に向けた撮影装置24により得られた映像を基に、空間2に入った者の特定を行う場合、この特定をより精度よく行える。
【0060】
また、本実施形態のように、撮影装置24を入口に向ける場合、空間2の予約人数を超える人数の者が空間2に入ったか否かの判定の精度を向上させられる。
付言すると、本実施形態では、入口を通って空間2に入った者の人数と、空間2の利用者の人数(予約リストに登録されている利用者の人数)とを照合することで、空間2の予約人数を超える人数の者が空間2に入ったか否かの判定を行う。
この場合に、撮影装置24を入口に向けて入り口を通る者の撮影を行う場合、この判定の精度を向上させられる。
【0061】
また、その他に、CPU111は、空間2の予約終了時刻にこの空間2の特定の箇所が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
より具体的には、例えば、CPU111は、空間2の予約終了時刻に、机92(
図3参照)の上や利用者の荷物が置かれる箇所(荷物用容器93の設置箇所)が撮影されるように、撮影箇所を設定してもよい。
より具体的には、本実施形態では、例えば、
図8の符号8Bで示す時刻である「07:30」が予約終了時刻となるが、CPU111は、この予約終了時刻に、机92の上や荷物用容器93が撮影されるように、撮影箇所を設定する。
【0062】
机92の上や荷物用容器93が撮影されるように、撮影箇所が設定された場合、CPU111は、予約終了時刻や予約終了時刻よりも前の特定のタイミングとなると、机92の上や荷物用容器93に撮影装置24が向くように、撮影装置24の移動や撮影装置24の回転を行う。
これにより、本実施形態では、机92の上や荷物用容器93の状況であって、空間2の予約終了時刻における状況の把握をより精度よく行える。
【0063】
なお、机92の上や荷物用容器93に撮影装置24を向けるにあたっては、机92の上および荷物用容器93の両者が1回の撮影で撮影されるように撮影装置24の向きを設定してもよい。
また、その他には、机92の上および荷物用容器93のうちの一方のみが撮影されるようにしてもよく、この場合は、この一方のみに撮影装置24が向くようにする。
また、その他に、例えば、机92の上および荷物用容器93うちの一方が先に撮影されるようにし、その後、撮影装置24の向きを変えたり撮影装置24を移動させたりして、他方が後に撮影されるようにしてもよい。
また、撮影装置24による撮影により、動画を取得するようにしてもよいし、静止画を取得するようにしてもよい。
【0064】
このように、机92の上や荷物用容器93が撮影されるようにすると、忘れ物の検知を行えるようになったり、机92の上や荷物用容器93に置かれた物の検知を行えるようになったりする。
なお、この検知は、CPU111が撮影装置24により得られた映像を解析することで行ってもよいし、空間2の管理者が、この映像を見て目視でこの検知を行うようにしてもよい。
【0065】
また、CPU111が、忘れ物の検知を行う場合において、CPU111が、忘れ物があると検知した場合には、忘れ物がある旨を、ユーザ端末4を介して利用者に通知したり、管理者が操作する操作端末に通知したりしてもよい。
また、CPU111が、不審物の検知を行ってもよく、CPU111が、不審物があると検知した場合には、不審物がある旨を、管理者が操作する操作端末に通知してもよい。
これにより、忘れ物があることが利用者や管理者へ通知され、また、不審物があることが、管理者へ通知される。
【0066】
また、CPU111は、予約終了時刻に撮影装置24により取得された映像を解析し、特定の箇所が予め定められた状況になっていないかを判断してもよい。
この処理を行う場合は、まず、CPU111は、予約終了時刻に特定の箇所が撮影されるように、撮影箇所を設定する。
そして、CPU111は、撮影装置24により取得された、この特定の箇所の映像を解析し、この特定の箇所が予め定められた状況になっていないかを判断する。
【0067】
より具体的には、CPU111は、例えば、上記の特定の箇所の状況が、物が破壊された状況になっていないかを判断する。
また、例えば、CPU111は、上記の特定の箇所の状況が、予め設置されていた備品が無くなった状況になっていないかを判断する。
ここで、この特定の箇所としては、例えば、机92の上を一例に挙げることができ、CPU111は、この場合、この机92の上の物が破壊された状況になっていないかや、机92の上に設置された備品が無くなった状況になっていないかを判断する。
【0068】
また、その他に、CPU111は、空間2の予約終了時刻にこの空間2の全体が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
さらに、この場合、CPU111は、空間2の全体が撮影されることにより得られた映像を解析し、空間2の一部が破壊された状況になっていないか、及び/又は、空間2に不審物が設置された状況になっていないかを判断してもよい。
【0069】
ここで、空間2の全体を撮影するにあたっては、例えば、撮影装置24にて、いわゆるズームアウトを行うことで、空間2の全体が撮影されるようになる。
また、その他には、例えば、撮影装置24を、移動させたり、撮影装置24を回転させたりして、空間2の全体が撮影されるようにしてもよい。
【0070】
また、その他に、CPU111は、空間2の予約時間内に特定の一部の箇所が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
より具体的には、例えば、本実施形態では、
図8の符号8Cで示す時間(07:00~07:30)が、空間2の予約時間の一例を示しており、CPU111は、この予約時間内に空間2の特定の一部の箇所が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
付言すると、CPU111は、符号8Aで示す予約開始時刻から符号8Bで示す予約終了時刻までの間に、空間2の特定の一部の箇所が撮影されるように、撮影箇所を設定してもよい。
【0071】
ここで、この特定の一部の箇所としては、例えば、空間2のうちのユーザの視界に入らない箇所、可燃物が置かれている箇所、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所、および、窓42(
図2参照)が設置された箇所が挙げられる。
CPU111は、これらのうちの少なくとも一箇所が撮影されるように、撮影箇所を設定する。
【0072】
ここで、空間2の予約時間内では、利用者はモニタ32(
図3参照)側を向き、この場合、ユーザの視界に入らない箇所が、このユーザの背後に生じるようになる。より具体的には、
図3の符号3Cで示す箇所に、ユーザの視界に入らない箇所が生じる。
そこで、本実施形態のCPU111は、ユーザの背後に位置するこの箇所を、撮影箇所として設定する。この場合、空間2のうちの、ユーザの背後に位置するこの箇所が撮影装置24により撮影される。
【0073】
空間2の利用者が、机92側を向いて作業に集中している場合、例えば、扉22が開けられて、利用者の背後に置かれている物が盗まれるおそれがある。
本実施形態のように、ユーザの背後に位置する箇所を撮影箇所として設定すると、利用者の背後に置かれている物を盗んだ者の映像をより鮮明な状態で得られる。
【0074】
また、上記のように、可燃物が置かれている箇所が撮影されるように撮影箇所を設定すると、仮に、この可燃物が燃え出し火災が発生したとしても、より早い段階でこの火災の検知を行える。
より具体的には、本実施形態では、可燃物が置かれている箇所としては、荷物用容器93の設置箇所を一例に挙げることができ、この場合、撮影装置24によって、荷物用容器93がより詳細に撮影される。
【0075】
また、上記のように、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所が撮影されるように撮影箇所を設定すると、仮に水の漏れ出しが発生したとしても、早い段階でこの水の漏れ出しの発生の検知を行える。
より具体的には、本実施形態では、水の漏れ出しが生じるおそれがある箇所としては、空調機器49(
図2参照)を挙げることができ、空調機器49が冷房機能を有している場合には、この空調機器49にて水の漏れ出しが生じるおそれがある。
空調機器49が撮影装置24により撮影されるように撮影箇所を設定すると、空調機器49の詳細な映像を得られるようになり、空調機器49における水の漏れの検知をより精度よく行える。付言すると、CPU111が、撮影装置24により得られた映像を解析して、水の漏れの検知を行う場合に、空調機器49における水の漏れの検知をより精度よく行える。
【0076】
また、上記のように、窓42が設置された箇所が撮影されるように撮影箇所を設定すると、例えば、この窓42を通して空間2の内部を見る者の撮影を行える。
付言すると、窓42の外に不審な人物が来ることも想定され、この場合に、上記のように、窓42が撮影される構成であると、この不審な人物の詳細な映像を得られるようになる。
【0077】
また、CPU111は、ユーザによる空間2の利用が行われない時間帯では、この空間2の全体が撮影装置24により撮影されるように、撮影箇所を設定してもよい。
より具体的には、
図8の符号8Xで示す時間帯など、ユーザによる空間2の予約がなされていない時間帯では、この空間2の全体が撮影装置24により撮影されるように、撮影箇所を設定してもよい。
【0078】
ユーザによる空間2の利用が行われない時間帯では、事象が起こる箇所を絞り込めない場合も多く、空間2の全体が撮影装置24により撮影されるようにすると、起きた事象が全く撮影されないなどの不具合が生じにくくなる。
付言すると、空間2の特定の一部のみが撮影される場合は、この一部以外の箇所にて起きる事象の撮影を行えない。これに対し、空間2の全体が撮影装置24により撮影されるようにすると、何れの箇所で事象が起きても、この事象の撮影を行える。
【0079】
また、その他に、本実施形態のCPU111は、撮影装置24の制御を行う。
より具体的には、本実施形態のCPU111は、上記の通り、撮影装置24を移動させたり、撮影装置24の向きを変更したりして、撮影箇所として設定された箇所が撮影されるようにする。
【0080】
また、CPU111は、撮影装置24自体の制御も行う。
具体的には、例えば、CPU111は、撮影装置24に、空間2の撮影を行わせるにあたり、空間2に設置された照明(照明機器40(
図3参照))がオフされている場合には、撮影装置24に、照明がオンされているときとは異なるモード(撮影条件)で撮影を行わせる。
より具体的には、CPU111は、例えば、撮影装置24に、いわゆる暗視モードで撮影を行わせる。これにより、空間2の照明がオフされている場合でも、空間2内の映像をより鮮明な状態で得られるようになる。
【0081】
また、その他に、CPU111は、ユーザによる空間2の利用が行われない時間帯にて、空間2に設置されたセンサから予め定められた出力があった場合には、このセンサに対応付けられて予め登録された箇所を、撮影箇所として設定してもよい。
付言すると、この処理を行う場合は、空間2に設置されたセンサの各々に対応付けて、空間2に位置する何れかの箇所を予め登録しておく。
より具体的には、ハードディスクドライブ102等に、各センサと、各センサに対応付けられた箇所とを対応付けた状態で登録しておく。
【0082】
より具体的には、本実施形態では、扉22の開閉を検知する開閉センサS1(
図2参照)が設けられているが、例えば、この開閉センサS1に対応付けて、空間2の入口を登録しておく。
付言すると、開閉センサS1と、空間2の入口とを対応付けた状態で、ハードディスクドライブ102に登録しておく。
【0083】
そして、この場合、CPU111は、利用者による空間2の利用が行われない時間帯にて(空間2の予約が入っていない時間帯にて)、開閉センサS1から出力があった場合、空間2の入口を撮影箇所として設定する。
そして、CPU111は、この撮影箇所を撮影装置24が向くように、撮影装置24を移動させたり撮影装置24を回転させたりする。
これにより、この場合、空間2へ人が入ることが予定されていない時間帯にこの空間2に入る人物の映像をより詳細に得られるようになる。
【0084】
また、CPU111は、撮影装置24による空間2の撮影が行われる場合において、この空間2の照明がオフされている場合には、照明のオンを行ってもよい。
より具体的には、CPU111は、撮影装置24による空間2の撮影が行われる場合において、この空間2に設置された照明機器40(
図3参照)がオフされている場合には、この照明機器40のオンを行ってもよい。
【0085】
付言すると、本実施形態では、CPU111が撮影装置24を制御して空間2の撮影を行うが、この際に、照明機器40がオフされている場合、CPU111は、照明機器40のオンを行ってもよい。
これにより、空間2にて起きる事象がより鮮明に撮影される。
【0086】
また、CPU111は、空間2の保守が行われる時間帯には保守員が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
付言すると、CPU111は、空間2の保守が行われる時間帯には保守員による作業が撮影されるように撮影箇所を設定してもよい。
【0087】
より具体的には、本実施形態では、
図8の符号8Yで示す時間帯が、保守員による保守が行われる時間帯であり、CPU111は、この時間帯には保守員が撮影されるように、撮影箇所を設定する。
保守員が撮影されるようにすることで、空間2の保守が、予め定められた条件を満たした状態で行われているか否かの把握を行えるようになる。
【0088】
CPU111は、保守員が撮影されるように撮影箇所を設定した場合において、実際に保守員を撮影するにあたっては、例えば、まず、撮影装置24により得られた映像を解析して、この映像に含まれる人物を検出する。
なお、人物が検出されない場合には、ズームアウトや、撮影装置24を回転させたり、撮影装置24を移動させたりして、撮影装置24により得られる映像に人物が含まれるようにする。
【0089】
そして、CPU111は、撮影装置24により得られた映像にて人物を検出した場合、以後、この人物に撮影装置24が向くように、撮影装置24を回転させたり移動させたりする。
より具体的には、CPU111は、撮影装置24により得られる映像の中央部にこの人物が位置するように、撮影装置24を回転させたり移動させたりする。
これにより、本実施形態では、保守作業を行う保守員が詳細に撮影される。
【0090】
ここで、保守員には、清掃員を含み、保守には、清掃を含む。
付言すると、保守員による保守には、清掃も含まれ、保守が行われる時間帯では、備品の設置、備品の交換、部品の修理などの保守作業の他、空間2の清掃も行われる。
本実施形態では、備品の設置、備品の交換、部品の修理などの保守作業の他、清掃作業も撮影されるようになる。
【0091】
また、CPU111は、撮影装置24により得られた映像の解析を行い、空間2に忘れ物がないか否かを判定してもよい。
ここで、CPU111は、忘れ物の有無の判定にあたっては、例えば、撮影装置24により得られた映像であって利用者が空間2に入る前に得られた映像と、この利用者が空間2から出た後に得られた映像とを比較することで、忘れ物があるか否かを判定する。
そして、CPU111は、忘れ物があると判定した場合、利用者が有するユーザ端末4や、管理者が有する端末装置(不図示)に、忘れ物がある旨の通知を行う。
【0092】
また、CPU111は、保守員により空間2に置かれた物については忘れ物と判定しないようにしてもよい。
より具体的には、CPU111は、例えば、保守の時間帯の開始時刻における映像(撮影装置24により得られた映像)と、保守の時間帯の終了時刻における映像とを比較した場合において、忘れ物に相当する物の検知を行ったとしても、この場合は、この物を忘れ物としては検知しないようにする。
この場合、保守員により新たに設置された備品等が、忘れ物であると判定されることが抑制される。
【0093】
さらに、CPU111は、保守員に対し、空間2のうちの特定の箇所の撮影を行わせる指示をさらに行ってもよい。
より具体的には、この場合、CPU111は、保守員が有する端末装置などに、撮影箇所を示す情報を送信する。
【0094】
そして、この場合、保守員は、例えば、空間2に予め設置された上記の撮影装置24を取り外しこの撮影装置24を用いて、指示された撮影箇所を撮影したり、自身が有するカメラなどの撮影装置を用いて、この指示された撮影箇所を撮影したりする。
これにより、撮影装置24では写らない箇所や写りにくい箇所の撮影がなされるようになる。
【符号の説明】
【0095】
1…情報処理システム、2…空間、5…空間管理サーバ、24…撮影装置、42…窓、
92…机、111…CPU、S1…開閉センサ