(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】セパレータの造形方法、セパレータ、造形プログラム及び三次元積層造形装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0202 20160101AFI20240109BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240109BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240109BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240109BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240109BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20240109BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20240109BHJP
H01M 8/0206 20160101ALI20240109BHJP
H01M 8/026 20160101ALI20240109BHJP
H01M 8/0247 20160101ALI20240109BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20240109BHJP
【FI】
H01M8/0202
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/02
B33Y80/00
B22F3/16
B22F3/105
H01M8/0206
H01M8/026
H01M8/0247
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
(21)【出願番号】P 2019238847
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】上口 聡
【審査官】川口 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-100086(JP,A)
【文献】特開2018-122521(JP,A)
【文献】特開2018-123413(JP,A)
【文献】特開2018-115364(JP,A)
【文献】特開2006-216294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0202
B33Y 30/00
B33Y 10/00
B33Y 50/02
B22F 3/16
B22F 3/105
H01M 8/0206
H01M 8/026
H01M 8/0247
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に用いられる平板状のセパレータを、当該セパレータの平板面に沿った方向を造形方向として三次元金属積層造形により造形する方法であって、
前記平板面に、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域を形成し、
前記流路領域と前記セパレータの外周端とに挟まれる外周部に
中空部を形成
し、
前記中空部は、当該中空部を含むように前記外周部の一部位に第1単位領域が設定され、前記流路領域の一部位に前記平板面に対して垂直な方向視で前記第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定されたときに、前記第1単位領域の内部の体積が前記第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される、セパレータの造形方法。
【請求項2】
前記平板面に沿いつつ前記造形方向に対して直交する方向での前記流路領域の2箇所の最外端が規定され、
前記造形方向に対して直交する
前記方向
と前記平板面とに沿って、前記流路領域の
前記最外端から
前記外周部を通じて前記外周端に向かって延伸する基準線を規定し、
前記中空部は、少なくとも、前記外周部のうち前記基準線よりも前記造形方向の進行側にある基準領域に形成され、
前記中空部の容積は、前記基準領域の体積の50%以上、80%以下である、請求項1に記載のセパレータの造形方法。
【請求項3】
前記外周部に、前記流路領域と連通する内部流路を形成し、
前記基準領域の体積は、前記内部流路の容積を除く、請求項2に記載のセパレータの造形方法。
【請求項4】
前記流路領域の前記最外端が前記造形方向に延伸する端辺である場合、
前記基準線の始端となる前記最外端は、前記造形方向の進行側に対して最も反対側にある端部が選択される、請求項2又は3に記載のセパレータの造形方法。
【請求項5】
前記中空部は、前記外周部のうち、前記基準領域に加えて、前記造形方向において前記基準領域の反対側にある残存領域にも形成され、
前記残存領域にある前記中空部の容積は、前記基準領域にある前記中空部の容積よりも少ない、請求項2~4のいずれか1項に記載のセパレータの造形方法。
【請求項6】
前記外周部に、一端が前記中空部に連通し、他端が外部に向けて開放される貫通穴を形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載のセパレータの造形方法。
【請求項7】
燃料電池に用いられる平板状かつ金属製のセパレータであって、
平板面に形成され、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域と、
前記流路領域と前記セパレータの外周端とに挟まれる外周部に形成される中空部と、
前記中空部に一端が連通し、他端が外部に向けて開放される貫通穴と、
を備え、
前記外周部の一部位には、前記中空部を含むように第1単位領域が設定され、
前記流路領域の一部位には、前記平板面に対して垂直な方向視で前記第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定され、
前記第1単位領域の内部の体積は、前記第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される、セパレータ。
【請求項8】
燃料電池に用いられる平板状かつ金属製のセパレータを造形する三次元積層造形装置に備えられた制御部に、
前記セパレータの平板面に沿った方向を造形方向として規定する処理と、
前記平板面に、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域を形成させ、かつ、前記流路領域と前記セパレータの外周端とに挟まれる外周部に
中空部を形成させる処理と、
を実行させ
、
前記中空部は、当該中空部を含むように前記外周部の一部位に第1単位領域が設定され、前記流路領域の一部位に前記平板面に対して垂直な方向視で前記第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定されたときに、前記第1単位領域の内部の体積が前記第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される、造形プログラム。
【請求項9】
燃料電池に用いられる平板状のセパレータを造形する三次元積層造形装置であって、
請求項8に記載の造形プログラムを格納する記録媒体と、
前記記録媒体に格納されている前記造形プログラムを実行する制御部と、
を備える、三次元積層造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば燃料電池に用いられるセパレータの造形方法、セパレータ、造形プログラム及び三次元積層造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体酸化物形燃料電池(SOFC)等の燃料電池は、ガスを流通させる流路を有するセパレータを備える。特許文献1は、周知の燃料電池の構造を例示するとともに説明されたセパレータを開示している。
【0003】
一般に、SOFCに採用されるセパレータは、複数の金属薄板を互いに重ね合わせて形成されることが多いが、金属製の一体型、いわゆるシームレスに形成されることもある。このようなシームレス金属セパレータの製造には、例えば三次元金属積層造形技術を採用可能である。特許文献2は、高エネルギービームの照射により凝固される金属粉末を用いて金属部材を造形することが可能な三次元積層造形方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-232997号公報
【文献】特表2009-544501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
平板状の金属部材を三次元金属積層造形技術により造形する場合、一般に、造形方向は金属部材の平面方向と平行となるように設定される。一方、従来の平板状のシームレス金属セパレータには、例えば、厚肉部に相当する外周部と、薄肉部に相当する流路領域とが形成されている。このようなセパレータを三次元金属積層造形技術により造形する場合、セパレータの形状と造形方向との関係によっては、熱応力により、造形中にセパレータの一部が意図せず変形することがある。
【0006】
そこで、本開示は、三次元金属積層造形により造形されるセパレータの平坦度を向上させるのに有利なセパレータの造形方法、セパレータ、造形プログラム及び三次元積層造形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、燃料電池に用いられる平板状のセパレータを、当該セパレータの平板面に沿った方向を造形方向として三次元金属積層造形により造形する方法であって、平板面に、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域を形成し、流路領域とセパレータの外周端とに挟まれる外周部に中空部を形成し、中空部は、中空部を含むように外周部の一部位に第1単位領域が設定され、流路領域の一部位に平板面に対して垂直な方向視で第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定されたときに、第1単位領域の内部の体積が第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される。
【0008】
上記のセパレータの造形方法では、平板面に沿いつつ造形方向に対して直交する方向での流路領域の2箇所の最外端が規定され、造形方向に対して直交する方向と平板面とに沿って、流路領域の最外端から外周部を通じて外周端に向かって延伸する基準線を規定し、中空部は、少なくとも、外周部のうち基準線よりも造形方向の進行側にある基準領域に形成され、中空部の容積は、基準領域の体積の50%以上、80%以下であってもよい。上記のセパレータの造形方法は、外周部に、流路領域と連通する内部流路を形成し、基準領域の体積は、内部流路の容積を除くものとしてもよい。流路領域の最外端が造形方向に延伸する端辺である場合、基準線の始端となる最外端は、造形方向の進行側に対して最も反対側にある端部が選択されてもよい。上記のセパレータの造形方法は、外周部に、一端が中空部に連通し、他端が外部に向けて開放される貫通穴を形成するものとしてもよい。中空部は、外周部のうち、基準領域に加えて、造形方向において基準領域の反対側にある残存領域にも形成され、残存領域にある中空部の容積は、基準領域にある中空部の容積よりも少なくてもよい。
【0009】
また、本開示の一態様は、燃料電池に用いられる平板状かつ金属製のセパレータであって、平板面に形成され、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域と、流路領域とセパレータの外周端とに挟まれる外周部に形成される中空部と、中空部に一端が連通し、他端が外部に向けて開放される貫通穴と、を備え、外周部の一部位には、中空部を含むように第1単位領域が設定され、流路領域の一部位には、平板面に対して垂直な方向視で第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定され、第1単位領域の内部の体積は、第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される。
【0010】
また、本開示の一態様に係る造形プログラムは、燃料電池に用いられる平板状かつ金属製のセパレータを造形する三次元積層造形装置に備えられた制御部に、セパレータの平板面に沿った方向を造形方向として規定する処理と、平板面に、ガスを流通させる流路溝を有する流路領域を形成させ、かつ、流路領域とセパレータの外周端とに挟まれる外周部に中空部を形成させる処理と、を実行させ、中空部は、中空部を含むように外周部の一部位に第1単位領域が設定され、流路領域の一部位に平板面に対して垂直な方向視で第1単位領域と同一の外形となる第2単位領域が設定されたときに、第1単位領域の内部の体積が第2単位領域の内部の体積と同一になるように規定される。
【0011】
さらに、本開示の一態様は、燃料電池に用いられる平板状のセパレータを造形する三次元積層造形装置であって、上記の造形プログラムを格納する記録媒体と、記録媒体に格納されている造形プログラムを実行する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、三次元金属積層造形により造形されるセパレータの平坦度を向上させるのに有利なセパレータの造形方法、セパレータ、造形プログラム及び三次元積層造形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態における造形対象のセパレータを示す図である。
【
図3】三次元金属積層造形装置の構成を示す図である。
【
図4】造形プログラムの流れを示すフローチャートである。
【
図6】中空部の形成割合を規定する基準領域の第1例を説明する図である。
【
図7】中空部の形成割合を規定する基準領域の第2例を説明する図である。
【
図8】円板状のセパレータを造形対象とする場合の基準領域の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ここで、実施形態に示す寸法、材料、その他、具体的な数値等は例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。また、実質的に同一の機能及び構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、本開示に直接関係のない要素については、図示を省略する。
【0015】
(セパレータ)
図1は、本実施形態に係る造形方法において造形対象となるセパレータ100を示す平面図である。
図2は、
図1のII-IIに対応した、セパレータ100をYs-Zs平面に沿って切断した断面図である。セパレータ100は、全体として平板状である。以下の各図では、セパレータ100の形状又は姿勢に関する方向を示すものとして、Xs軸、Ys軸、Zs軸の各軸を規定する。セパレータ100の平板面は、Xs-Ys平面に対して平行な面である。Xs-Ys平面に対して垂直となるZs方向は、セパレータ100の厚み方向に相当する。
【0016】
セパレータ100は、各種の燃料電池の中でも、例えば、複数の平板状の燃料電池本体を互いに重ね合わせた積層形のSOFCに採用され得る。なお、セパレータは、インターコネクタと称されることもある。また、燃料電池本体は、単セルと称されることもある。燃料電池本体は、基本構成として、電解質膜としての固体酸化物膜と、互いに固体酸化物膜を挟み込む空気極及び燃料極と、例えばガス拡散層を介して空気極又は燃料極にそれぞれ張り合わされる2つのセパレータとを備える。燃料極に供給されるガスは、例えば水素である。セパレータ100は、このような燃料電池本体に含まれるセパレータとして用いられ得る。
【0017】
セパレータ100は、厚み方向で互いに対向する2つの平板面を有する。一方の第1平板面102は、不図示の一方の燃料電池本体に含まれる燃料極に対向する燃料極側の平板面である。他方の第2平板面104は、不図示の他方の燃料電池本体に含まれる空気極に対向する空気極側の平板面である。
【0018】
第1平板面102の中央領域には、燃料極に供給される燃料ガスを流通させる第1流路溝110aを有する第1流路領域110が形成されている。本実施形態では、第1流路領域110の平面形状は、一例として、正方形であるものとする。第1流路領域110上には、それぞれ、平面形状が長矩形であり、Zs方向に突出する複数の第1突起部110bが形成されている。複数の第1突起部110bは、Xs方向に沿って複数列に、及び、Ys方向に沿って複数列に、整列している。第1流路溝110aは、これらの第1突起部110bの配列により規定された、互いに隣り合う第1突起部110b同士の間の隙間に相当する。第1流路領域110の外周領域には、第1外周溝111が形成されている。
【0019】
一方、第2平板面104の中央領域には、空気極に供給されるガスとしての空気を流通させる第2流路溝120aを有する第2流路領域120が形成されている。本実施形態では、第2流路領域120の形状は、第1流路領域110の形状と同一、すなわち、Zs方向で第1流路領域110が正反転した形状であるものとする。つまり、第2流路領域120上には、それぞれ、平面形状が長矩形であり、Zs方向に突出する複数の第2突起部120bが形成されている。複数の第2突起部120bは、不図示であるが、複数の第1突起部110bの配列と同様に整列している。第2流路溝120aは、これらの第2突起部120bの配列により規定された、互いに隣り合う第2突起部120b同士の間の隙間に相当する。第2流路領域120の外周領域には、第2外周溝121が形成されている。
【0020】
なお、本実施形態では、第2流路領域120の形状が、第1流路領域110の形状と同一であるものとしているが、空気の流れにより適した、第1流路領域110とは異なる形状であるものとしてもよい。
【0021】
また、セパレータ100において、第1流路領域110又は第2流路領域120と、外周端112とに挟まれる部分が外周部113となる。
【0022】
外周部113は、それぞれ、Zs方向に沿って貫通し、ガスを流通させる4つのガス流通穴を有する。これらのガス流通穴のうち、第1ガス供給穴114及び第1ガス排出穴115を含む一組が、燃料ガスを流通させる。その他の第2ガス供給穴116及び第2ガス排出穴117を含む一組が、空気を流通させる。例えば、第1ガス供給穴114と第2ガス排出穴117とは、第1流路領域110及び第2流路領域120の位置よりもXs方向のマイナス側にある外周部113に形成される。一方、第1ガス排出穴115と第2ガス供給穴116とは、第1流路領域110及び第2流路領域120の位置よりもXs方向のプラス側にある外周部113に形成される。
【0023】
第1ガス供給穴114と第2ガス排出穴117とは、流通させるガスの種類が異なり、また、後述する第1内部流路130と第4内部流路133との干渉を回避させるために、互いにずれた位置に設けられる。同様に、第1ガス排出穴115と第2ガス供給穴116とは、流通させるガスの種類が異なり、また、後述する第2内部流路131と第3内部流路132との干渉を回避させるために、互いにずれた位置に設けられる。例えば、第1ガス供給穴114と第2ガス排出穴117とは、又は、第2ガス供給穴116と第2ガス排出穴117とは、それぞれYs軸に沿って延伸する直線上に並んで離間していてもよい。
【0024】
また、外周部113は、第1流路領域110と連通する第1内部流路130及び第2内部流路131と、第2流路領域120と連通する第3内部流路132及び第4内部流路133とを有する。なお、これらの内部流路は、すべて、外周部113の内部に形成され、
図1では破線で示されている。
【0025】
第1内部流路130は、一端が第1ガス供給穴114と連通し、他端が第1流路領域110の一辺に面する第1外周溝111の一部に連通して、第1ガス供給穴114から導入された燃料ガスを第1流路領域110に供給させる。第1内部流路130は、第1ガス供給穴114から第1流路領域110に向かって徐々に広がっていく形状を有する。
【0026】
第2内部流路131は、一端が第1流路領域110の一辺に面する第1外周溝111の一部に連通し、他端が第1ガス排出穴115と連通して、第1流路領域110から導出された燃料ガスを第1ガス排出穴115に排出させる。第2内部流路131は、第1流路領域110から第1ガス排出穴115に向かって徐々に狭まっていく形状を有する。
【0027】
第3内部流路132は、一端が第2ガス供給穴116と連通し、他端が第2流路領域120の一辺に面する第2外周溝121の一部に連通して、第2ガス供給穴116から導入された空気を第2流路領域120に供給させる。第3内部流路132は、第2ガス供給穴116から第2流路領域120に向かって徐々に広がっていく形状を有する。
【0028】
第4内部流路133は、一端が第2流路領域120の一辺に面する第2外周溝121の一部に連通し、他端が第2ガス排出穴117と連通して、第2流路領域120から導出された空気を第2ガス排出穴117に排出させる。第4内部流路133は、第2流路領域120から第2ガス排出穴117に向かって徐々に狭まっていく形状を有する。
【0029】
なお、第1内部流路130と第4内部流路133とは、及び、第2内部流路131と第3内部流路132とは、それぞれ、Zs方向視では一部重なるが、互いに接触しない。
【0030】
外周部113における4つの内部流路がそれぞれ上記のように配置される場合、第1流路領域110における燃料ガスの全体的な進行方向、又は、第2流路領域120における空気の全体的な進行方向は、それぞれXs方向に沿う。そのため、第1流路領域110に設けられている複数の第1突起部110b、又は、第2流路領域120に設けられている複数の第2突起部120bの平面形状の長手方向が、それぞれ、Xs方向に合うものとしてもよい。
【0031】
また、Xs方向の両側の外周部113には、第1内部流路130及び第4内部流路133、並びに、第2内部流路131及び第3内部流路132が設けられているのに対して、Ys方向の両側の外周部113には、内部流路は設けられていない。そのため、セパレータ100において、内部流路が存在しないYs方向の最長寸法は、内部流路が存在するXs方向の最長寸法よりも短くてもよい。また、セパレータ100の平面形状は、矩形状ではなく、
図1に示すように、各内部流路の形成領域を回避しながら、四方の直角部をなくした、楕円に近似した形状であってもよい。このようなセパレータ100の概略形状によれば、不要な部分を極力排除し、セパレータ100の軽量化を実現することができる。
【0032】
また、外周部113は、燃料電池本体ごとに、又は、複数の燃料電池を互いに積層させたいわゆるセルスタックごとに、セパレータ100を含む複数の構成要素を積層方向に結合するためのボルトを貫通させる複数のボルト穴135を有する。複数のボルト穴135は、それぞれ、Zs方向に沿って貫通し、外周端112に沿っておおよそ一定の間隔で配置される。
【0033】
さらに、外周部113は、ボルト穴135や第1内部流路130等の各内部流路を除いた領域に、中空部140を有する。ここで、中空部140は、内部になんら固形物質を含まない中空空間で構成されるものを示すほか、後述するようにセパレータ100が三次元金属積層造形により造形される場合には、凝固していない金属粉末を残留させた空間で構成されるものも含む。
【0034】
中空部140としては、例えば、以下に示すようなものがあり得る。
【0035】
第1中空部140aは、外周部113のうち、第1流路領域110又は第2流路領域120とは、内部流路が形成されていないYs方向で隣接する領域で、かつ、2つのボルト穴135同士に挟まれる領域に設けられる中空部である。この第1中空部140aが設けられるような領域には、少なくとも、ボルト穴135を設置させるのに必要な分のYs方向の幅がなければならない。そのため、第1中空部140aは、以下の他の中空部と比較して、より大きな中空空間を確保することができる。
【0036】
また、外周部113は、一端が第1中空部140aに連通し、他端が外周端112から外部に向けて開放される単数又は複数の第1貫通穴141を有する。なお、
図1では、1つの第1中空部140aに対して第1貫通穴141が2つある場合を例示している。セパレータ100が三次元金属積層造形により造形されたとき、第1中空部140aには、凝固していない金属粉末が残留する。第1貫通穴141を外周部113に設けることで、造形後、第1貫通穴141を通じて第1中空部140a内に残留している金属粉末を外部に排出させることができる。そして、金属粉末が排出された後の第1中空部140aの内部は、固形物質を含まない中空空間となる。
【0037】
第2中空部140bは、外周部113のうち、第1流路領域110又は第2流路領域120とはYs方向で隣接する領域とXs方向で隣接する領域との双方に一部が含まれる領域に設けられる中空部である。この第2中空部140bが設けられるような領域は、Ys方向又はXs方向のいずれの幅も大きく確保することはできないため、通常、ボルト穴135が設けられない。そのため、第2中空部140bは、このような領域を有効に利用して中空空間を確保することができる。
【0038】
また、外周部113は、一端が第2中空部140bに連通し、他端が外周端112から外部に向けて開放される単数又は複数の第2貫通穴142を有する。なお、
図1では、1つの第1中空部140aごとに第2貫通穴142が1つずつある場合を例示している。第2貫通穴142も第1貫通穴141と同様に、造形後、第2貫通穴142を通じて第2中空部140b内に残留している金属粉末を外部に排出させることができる。
【0039】
さらに、第2中空部140bが設けられる位置によれば、例えば、
図1に示すように、Xs方向の両側にそれぞれ設けられている第2中空部140b同士を、直管状の連通路143を介して連通させることができる。連通路143は、外周部113において、ボルト穴135と第1流路領域110又は第2流路領域120とで挟まれる部分を通過して、Xs方向に延伸する。第2中空部140b及び連通路143により、第1流路領域110又は第2流路領域120の近傍にあり、かつ、第1流路領域110又は第2流路領域120の一辺に沿った内部領域を、中空部とすることができる。また、外周端112からの距離で考えた場合、連通路143が比較的内側に形成されていたとしても、造形後、連通路143に残留している金属粉末は、連通路143の両端のいずれかに接続されている第2中空部140bを通じて外部に排出させることができる。
【0040】
第3中空部140cは、外周部113のうち、第1流路領域110又は第2流路領域120とは、内部流路が形成されていないYs方向で隣接する領域に設けられている点は、第1中空部140a及び連通路143と同様である。これに対して、第3中空部140cは、さらに、第1外周溝111又は第2外周溝121の近傍で、かつ、第1外周溝111又は第2外周溝121に沿った領域に設けられる中空部である。つまり、第3中空部140cは、
図1に示されている各種の中空部140のうち、第1流路領域110又は第2流路領域120に最も近い位置にある。
【0041】
第4中空部140dは、外周部113のうち、ボルト穴135と第1ガス供給穴114等のガス流通穴との間などに存在する空き領域に設けられる中空部である。第4中空部140dは、このような空き領域を有効に利用して中空空間を確保することができる。
【0042】
なお、
図1及び
図2にそれぞれ描画されている中空部140の具体的な形状は、すべて例示である。したがって、中空部140の形状は、第1流路領域110等の平面形状、又は、ボルト穴135等の設置位置などにより、種々変形可能である。
【0043】
そして、セパレータ100に中空部140を設けるに際して、本実施形態では、第1中空部140a等の個々の中空部を含む中空部140の形成割合を規定する。この中空部140の形成割合については、以下、セパレータ100の造形工程と併せて説明する。
【0044】
(三次元積層造形装置)
本実施形態では、セパレータ100は、三次元金属積層造形により造形される。以下、三次元金属積層造形を「三次元造形」と略記する。
【0045】
図3は、本実施形態に係る造形方法に用いられる三次元造形装置1の構成の一例を示す概略断面図である。以下の各図では、三次元造形装置1の構成や動作に関する方向を示すものとして、X軸、Y軸、Z軸の各軸を規定する。セパレータ100を載置するステージ31の平面は、X-Y平面に対して平行な面である。X-Y平面に対して垂直となるZ方向は、セパレータ100の造形方向に相当する。
【0046】
三次元造形装置1は、金属粉末Pに電子ビームEを照射して金属粉末Pを溶融し凝固させ、凝固した金属粉末Pを積層させていくことで、三次元の物体を造形する、いわゆるパウダーベッド方式を採用した装置である。金属粉末Pの材質は、特に限定されるものではく、燃料電池用のセパレータとして機能し、かつ、三次元造形に支障がないものが選択され得る。金属粉末Pは、多数の粉末体により構成される。また、金属粉末Pとしては、電子ビームEの照射により溶融及び凝固できるものであれば、粉末より粒径の大きい粒体を用いてもよい。
【0047】
三次元造形装置1は、ビーム出射部2と、造形部3と、制御部4とを備える。
【0048】
ビーム出射部2は、造形部3の金属粉末Pに対し電子ビームEを出射し、金属粉末Pを溶融させるユニットである。電子ビームEは、荷電粒子である電子の直線的な運動により形成される荷電粒子ビームである。ビーム出射部2は、電子銃部21と、収差コイル22と、フォーカスコイル23と、偏向コイル24と、コラム25とを備える。
【0049】
電子銃部21は、造形部3に向けて電子ビームEを出射する。電子銃部21は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。
【0050】
収差コイル22は、電子銃部21から出射される電子ビームEの周囲に設置され、電子ビームEの収差を補正する。収差コイル22は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。なお、三次元造形装置1の種類によっては、収差コイル22の設置を省略する場合もある。
【0051】
フォーカスコイル23は、電子銃部21から出射される電子ビームEの周囲に設置され、電子ビームEを収束させて、電子ビームEの照射位置におけるフォーカス状態を調整する。フォーカスコイル23は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。
【0052】
偏向コイル24は、電子銃部21から出射される電子ビームEの周囲に設置され、制御信号に応じて電子ビームEの照射位置を調整する。偏向コイル24は、電磁的にビーム偏向を行うため、機械的にビーム偏向を行う場合に比べて、電子ビームEの照射時における走査速度を高速にすることができる。また、偏向コイル24は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。
【0053】
コラム25は、例えば筒状の筐体である。コラム25は、電子銃部21、収差コイル22、フォーカスコイル23及び偏向コイル24を収容する。
【0054】
造形部3は、所望の形状にセパレータ100を造形するユニットである。造形部3は、チャンバ30と、ステージ31と、昇降機32と、造形タンク33と、リコータ34と、ホッパ35とを備える。
【0055】
チャンバ30は、例えば箱状の筐体である。チャンバ30は、ステージ31、昇降機32、リコータ34及びホッパ35を収容する。チャンバ30は、ビーム出射部2のコラム25と連結している。チャンバ30の内部空間は、電子銃部21が配置されるコラム25の内部空間と連通している。また、チャンバ30の内部空間は、真空又はほぼ真空な状態に維持されている。
【0056】
ステージ31は、セパレータ100を支持する。ステージ31は、電子ビームEの出射方向の延長線上に位置し、例えば、主平面を水平面とする円板状の部材である。また、ステージ31は、造形タンク33内に配置され、Z方向に移動可能である。なお、ステージ31の表面上には、底板36が設置されている。金属粉末Pは、底板36上に直接的に供給される。
【0057】
昇降機32は、ステージ31を昇降させる機構である。昇降機32は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。例えば、昇降機32は、セパレータ100の造形の初期においてステージ31を上部へ移動させておき、ステージ31上で金属粉末Pが溶融凝固されて積層されるごとにステージ31を降下させる。なお、昇降機32は、ステージ31を昇降できる機構であれば、いずれの機構のものを用いてもよい。
【0058】
造形タンク33は、ステージ31の外形に合わせた内壁を有する筒状容器である。本実施形態の例では、ステージ31の形状は円板状であるので、造形タンク33の形状は、ステージ31の移動方向に沿った軸に対して断面形状が同心円状となる内壁を有する円筒状である。これにより、造形タンク33に供給される金属粉末Pのステージ31の下方へ漏れ落ちが抑制される。なお、金属粉末Pの漏れ落ちをより抑制するために、ステージ31の外縁部にシール材を設けてもよい。また、造形タンク33の形状は、円筒状に限定されず、断面矩形の角筒状であってもよい。
【0059】
リコータ34は、ステージ31の上方に金属粉末Pを供給し、金属粉末Pの表面を均す粉末塗布機構である。リコータ34は、例えば棒状又は板状の部材である。リコータ34は、
図3中の矢印で示すように、水平方向に移動することにより電子ビームEの照射領域に金属粉末Pを供給し、金属粉末Pの表面を均す。また、リコータ34は、不図示のアクチュエータ等により移動制御される。なお、金属粉末Pを均す機構として、リコータ34以外の機構を用いてもよい。
【0060】
ホッパ35は、塗布前の金属粉末Pを収容する容器である。ホッパ35は、下部に、金属粉末Pを排出する排出口35aを有する。排出口35aから排出された金属粉末Pは、ステージ31上へ直接流入するか、又は、リコータ34によりステージ31上へ供給される。なお、ステージ31上に金属粉末Pを層状に供給する機構としては、リコータ34及びホッパ35以外の機構を用いてもよい。
【0061】
制御部4は、三次元造形装置1の装置全体の動作等を制御するユニットである。制御部4は、例えば、CPU、ROM又はRAMを有するコンピュータを含む。例えば、制御部4に含まれるRAM4aは、本実施形態に係るセパレータ100の造形方法を行わせる造形プログラムを格納する記録媒体である。この場合、制御部4は、RAM4aに格納されている造形プログラムに従って造形工程を実行する。当該造形処理では、制御部4は、例えば、ステージ31の昇降制御、リコータ34の作動制御、電子ビームEの出射制御、偏向コイル24の作動制御などを行う。
【0062】
制御部4は、例えば、セパレータ100の三次元CAD(Computer-Aided Design)データを用いて造形を行わせる。三次元CADデータは、予め制御部4に入力される、セパレータ100の形状データである。制御部4は、三次元CADデータをもとに、二次元のスライスデータを生成する。スライスデータは、例えば、セパレータ100の水平断面のデータであり、積層方向の各位置に応じた多数のデータの集合体である。制御部4は、スライスデータに基づいて、電子ビームEを金属粉末Pに対し照射する領域を決定し、その領域に応じて偏向コイル24に制御信号を出力する。これにより、セパレータ100の形状に応じた領域に対し、電子ビームEが照射される。なお、金属粉末Pの予備加熱を行う場合も、制御部4は、ビーム出射部2の偏向コイル24に制御信号を出力し、ステージ31上の加熱領域に対し、電子ビームEを走査して照射させる。
【0063】
(セパレータの造形方法)
次に、三次元造形装置1を用いた造形工程について説明する。以下、三次元造形装置1を用いてセパレータ100を造形する工程を、単に「三次元造形工程」という。
【0064】
図4は、制御部4が実行する造形プログラムの主な流れを示すフローチャートである。制御部4は、三次元造形工程を開始すると、ステップS101として、RAM4aに予め保存されている、セパレータ100に関する三次元CADデータを読み込む。三次元CADデータには、少なくとも、第1平板面102に第1流路領域110を形成させ、かつ、外周部113に、セパレータ100の各部位での単位領域あたりの体積が互いに近似するように、中空部140を形成する情報が含まれている。ここでいう外周部113とは、第1流路領域110とセパレータ100の外周端112とに挟まれる部分をいう。なお、ここでいう単位領域あたりの体積については、以下で詳説する。次に、制御部4は、ステップS102として、ステップS101にて読み込んだ三次元CADデータに基づいて二次元のスライスデータを生成する。次に、制御部4は、ステップS103として、造形処理前の造形準備処理を行う。ここで、造形準備処理とは、セパレータ100の平板面に沿った方向を造形方向として規定するなど、ステップS102にて生成されたスライスデータに基づいて正確に造形処理を行わせるための処理全般をいう。次に、制御部4は、ステップS104として、造形処理を開始する。造形処理は、実際にセパレータ100の造形を行う処理である。
【0065】
図5は、三次元造形装置1による造形処理の流れを時系列で示す概略断面図である。ここで、
図5では、三次元造形装置1の要部の一部のみが示されている。
図5では、セパレータ100に形成される第1流路領域110等の各流路領域、第1ガス供給穴114等の各種の穴部又は中空部140は、簡略化のために不図示としている。また、
図5に示す例では、セパレータ100は、計17層の粉末層Laが最終的に積層されて造形されるものとして説明する。
【0066】
図5(a)は、粉末層Laの最下層である第1層La1から、次に積層される第2層La2までのセパレータ100の造形状態を示している。
図5(b)は、
図5(a)に引き続き、さらに第7層La7までのセパレータ100の造形状態を示している。そして、
図5(c)は、
図5(b)に引き続き、粉末層Laの最上層である第17層La17までのセパレータ100の造形状態を示している。
【0067】
三次元造形工程では、底板36上の金属粉末Pに電子ビームEを照射してセパレータ100の一部の造形を繰り返して積層していくことで、所望の形状にセパレータ100を造形する。すなわち、造形処理における造形方向は、積層方向と同義である。また、三次元造形装置1では、平板状であるセパレータ100のXs-Ys平面が、三次元造形装置1の造形方向を規定するZ軸と平行となるように、セパレータ100を造形する。
【0068】
三次元造形装置1は、まず、粉末層Laの最下層である第1層La1における粉末供給処理を行う。粉末供給処理は、底板36上に金属粉末Pを供給し、そして、供給された金属粉末Pの表面を均す処理である。具体的には、制御部4は、昇降機32に制御信号を出力してステージ31の上下位置を調節し、不図示のアクチュエータ又は機構に制御信号を出力してリコータ34を作動させる。これにより、リコータ34が例えばY軸に沿って移動し、ステージ31上に金属粉末Pが供給され、金属粉末Pの表面が均される。
【0069】
次に、三次元造形装置1は、第1層La1における造形処理を行う。具体的には、制御部4は、ステップS102で生成されたスライスデータに基づいて、金属粉末Pに対し電子ビームEを照射する領域を決定し、その領域に応じてビーム出射部2から電子ビームEを照射させる。
【0070】
第1層La1に関してセパレータ100の一部が造形された後、第2層La2では、上記のような粉末供給処理から当該層に対する造形処理までの一連の処理を繰り返すことにより、さらにセパレータ100の一部が造形される。そして、三次元造形装置1は、引き続き第17層La17までの各層に対する造形処理を施すことにより、最終的に、所望の形状のセパレータ100が造形される。
【0071】
ここで、中空部140は、造形処理においては、電子ビームEが照射されない領域となり、つまり、造形後に金属粉末Pがそのまま残留する領域となる。そして、上記のとおり、第1貫通穴141等の貫通穴が連設されている第1中空部140aや第2中空部140bであれば、貫通穴を通じて、内部の金属粉末Pが外部に排出される。一方、第3中空部140cや第4中空部140dのように、第1貫通穴141のような貫通穴を連設させることができない、又は、連設させづらい場合には、最終製品としてのセパレータ100において、金属粉末Pを残留させたままとしてもよい(
図2参照)。
【0072】
なお、金属粉末Pを溶融し凝固させる粉末層Laの造形処理ごとに、その造形処理の前に、さらに金属粉末Pに電子ビームEを照射することで、金属粉末Pの予備加熱を行ってもよい。予備加熱は、予熱とも称され、金属粉末Pの融点未満の温度で金属粉末Pを加熱する処理である。この予備加熱により、金属粉末Pが加熱されて仮焼結され、電子ビームEの照射による金属粉末Pへの負電荷の蓄積が抑制されて、電子ビームEの照射時に金属粉末Pが飛散して舞い上がるスモーク現象を抑制することができる。ただし、造形後に内部に残留している金属粉末Pを排出する中空部140が造形される粉末層Laでは、予備加熱を行わなくてもよい。
【0073】
次に、三次元造形工程で形成される中空部140の形成割合について説明する。
【0074】
一般的なSOFCでは、燃料電池本体を構成する平板状の各要素は、互いに積層方向に沿って重ね合わされる。そのため、セパレータには、燃料電池本体の一部として用いられているときのガスリークを抑えるために、歪みが抑えられた高い平坦度が要求される。ここで、セパレータの各部位には、造形時の熱膨張により発生した熱応力により、収縮力が働く。セパレータの各部位での断面積を見たとき、断面積が大きい部位では、断面積が小さい部位に比べて収縮力が大きくなる。そのため、従来の平板状のシームレス金属セパレータに厚肉部と薄肉部とが混在する場合、セパレータの形状と造形方向との関係によっては、このような収縮力の差に起因して、造形中にセパレータの一部が意図せず変形することがある。そして、平板状のセパレータの平面方向と造形方向とが平行となる場合には、このような変形の発生は、終盤の造形処理にて造形される造形方向の進行側の端部において顕著となり得る。
図5(c)に示す例を参照すると、造形方向の進行側の端部とは、最上層である第17層La17側にある最終端に相当する。
【0075】
これに対して、本実施形態では、セパレータ100を三次元造形工程により造形するに際して、セパレータ100の各部位での単位領域あたりの体積を互いに近似させることで、造形後のセパレータ100の変形を抑える。ここで、単位領域とは、セパレータ100における任意の各部位同士の体積を比較するために想定された仮想の範囲をいう。例えば、外周部113において、ある外形で表される一単位領域内の体積が求められたならば、第1流路領域110のような流路領域においても、同じ外形で表される一単位領域内の体積が求められ、それぞれの体積同士が比較されることになる。
【0076】
一般的なセパレータでは、外周部113に相当する部位が厚肉部となり、第1流路領域110のような流路領域に相当する部位などが薄肉部となることが多い。つまり、上記の単位領域の概念を用いると、一般的なセパレータでは、例えば、外周部113に相当する部位の単位領域あたりの体積は、流路領域に相当する部位の単位領域あたりの体積よりも大きくなる。そこで、本実施形態では、外周部113に中空部140を設けることで、外周部113の体積を低減させる。
【0077】
例えば、
図1に示すように、セパレータ100における2箇所の部位に、それぞれ、互いに同一の外形を有する第1単位領域RU1及び第2単位領域RU2を設定することができる。第1単位領域RU1は、外周部113の一部位に設定される単位領域である。第2単位領域RU2は、第1流路領域110の一部位に設定される単位領域である。この場合、第1単位領域RU1内に形成される中空部140は、中空部140が形成された後の第1単位領域RU1内の体積が第2単位領域RU2内の体積に近似するように規定されることになる。なお、単位領域の形状、及び、単位領域を設定するセパレータ100上の位置は任意であり、セパレータ100の全体形状や、セパレータ100に形成されている流路形状等に基づいて適宜設定される。
【0078】
より具体的には、中空部140は、外周部113のうち、第1内部流路130等の内部流路を除き、少なくとも、特定の基準線よりも造形方向の進行側にある基準領域に形成されるものとしてもよい。ここで、基準線とは、造形方向に対して直交する方向に沿って、流路領域の最外端から外周端112に向かって延伸する仮想の直線をいう。基準線の定義で用いる流路領域は、燃料極側の第1流路領域110、又は、空気極側の第2流路領域120のいずれでも適用可能であるが、基本的には、より複雑な形状が採用されやすい第1流路領域110を適用してもよい。
【0079】
図6は、特定の基準線を用いて定義された基準領域の第1例を説明するための概略図である。本実施形態では、造形方向であるZ方向に対して、セパレータ100のXs-Ys平面が平行であれば、造形されるセパレータ100の姿勢は問わない。第1例では、造形直後のセパレータ100が、Ys方向がZ方向に対して角度θで傾いた姿勢となる場合を例示している。なお、
図6では、三次元造形装置1の構成としては、セパレータ100を直接的に載置する底板36のみ示している。
【0080】
まず、造形方向に対して直交する方向がY方向であると想定する。このY方向における第1流路領域110の最外端は、Y方向の最大幅がW1で表される第1流路領域110の四隅の角部のうち、Y方向の最もプラス側にある第1角部C1と、Y方向の最もマイナス側にある第2角部C2となる。この場合、Y方向に沿って第1角部C1から外周端112に向かって延伸する基準線が第1基準線L1aであり、一方、Y方向に沿って第2角部C2から外周端112に向かって延伸する基準線が第2基準線L1bである。つまり、第1例では、造形方向での高さが互いに異なる第1基準線L1aと第2基準線L1bとの2つの基準線が存在する。
【0081】
これにより、第1例における基準領域R1は、外周部113のうち、第1内部流路130等の内部流路を除き、少なくとも、第1基準線L1a及び第2基準線L1bよりも造形方向の進行側にある、
図6において太枠線で囲まれた領域で表される。ここで、造形方向の進行側とは、
図6において白抜きの矢印で示すように、造形方向に沿った上下方向でいう上側に相当する。また、基準領域R1からは内部流路が除かれているが、第1ガス供給穴114等のガス流通穴やボルト穴135が除かれていない。これは、基準領域は、後述するように、中空部140の形成割合を規定するための体積の基準として用いられるものであり、中空空間ではない貫通領域は、そもそも体積には含まれないためである。
【0082】
そして、本実施形態では、中空部140の容積が、基準領域R1の体積の50%以上、80%以下となるように、基準領域R1内に形成される。つまり、この条件を満たすように、中空部140に含まれる第1中空部140a等の形状や大きさを決定すれば、セパレータ100の各部位での単位領域あたりの体積を互いに近似させることができる。決定された第1中空部140a等の形状や大きさは、三次元造形工程に先立って予め制御部4に入力される三次元CADデータに反映される。
【0083】
一方、ここでは、基準領域R1における中空部140の形成割合について説明したが、上記条件を満たしていれば、外周部113のうち、造形方向において基準領域R1の反対側にある残存領域にも、中空部140を形成してもよい。このとき、残存領域にある中空部140は、基準領域R1にある中空部140の形状又は大きさと同様の反転比率で形成されてもよい。又は、残存領域にある中空部140は、その容積が基準領域R1にある中空部140の容積よりも少なくなるように形成されてもよい。
【0084】
図7は、特定の基準線を用いて定義された基準領域の第2例を説明するための概略図である。第2例では、造形直後のセパレータ100が、Xs方向がZ方向と一致した姿勢となる場合を例示している。なお、
図7でも、三次元造形装置1の構成として底板36のみ示している。造形方向に対して直交する方向は、Y方向である。
【0085】
第2例では、Y方向の最大幅がW2で表される第1流路領域110の二辺が、Y方向における最外端となる。この場合、基準線を規定する最外端は、造形方向における進行側とは反対側の端部とする。これらの端部は、
図7においても、Y方向のプラス側にある第1角部C1と、Y方向の最もマイナス側にある第2角部C2と表記する。造形方向での第1角部C1の高さと第2角部C2との高さとは一致する。そのため、Y方向に沿って第1角部C1から外周端112に向かって延伸する基準線と、Y方向に沿って第2角部C2から外周端112に向かって延伸する基準線とは、基準線L2として同一となる。
【0086】
これにより、第2例における基準領域R2は、外周部113のうち、第1内部流路130等の内部流路を除き、少なくとも、基準線L2よりも造形方向の進行側にある、
図7において太枠線で囲まれた領域で表される。ここでも、中空部140の容積が、基準領域R2の体積の50%以上、80%以下となるように、基準領域R2内に形成される。なお、外周部113のうち、造形方向において基準領域R2の反対側にある残存領域に中空部140を形成してもよい点などは、第1例と同様である。
【0087】
次に、本実施形態による効果について説明する。
【0088】
まず、本実施形態に係る造形方法は、燃料電池に用いられる平板状のセパレータ100を、セパレータ100の第1平板面102等に沿った方向を造形方向として三次元金属積層造形により造形する。この造形方法は、例えば、第1平板面102に、燃料ガスを流通させる第1流路溝110aを有する第1流路領域110を形成する。そして、この造形方法は、第1流路領域110とセパレータ100の外周端112とに挟まれる外周部113に、セパレータ100の各部位での単位領域あたりの体積が互いに近似するように、中空部140を形成する。
【0089】
なお、本実施形態に係る造形方法は、第1平板面102に第1流路領域110が形成されることに加えて、第2平板面104に第2流路領域120が形成されている場合にも適用可能である。
【0090】
まず、厚肉部である外周部113に中空部140が設けられることで、外周部113の体積が低減される。例えば、
図1を参照すると、外周部113に含まれる第1単位領域RU1に中空部140が形成される。これにより、第1単位領域RU1内の体積は、第1単位領域RU1内に中空部140が形成されていない場合に比べて、第2単位領域RU2の体積に近づく。結果として、これらの単位領域にある各部位での断面積の均一化が図られるので、熱応力により収縮力が働いたとしても、これらの各部位における収縮力も互いに近いものとなる。特に、平板状の従来のセパレータでは、平面方向と造形方向とが平行となる場合に、各部位での収縮力の差に起因した意図しない変形が、造形方向の進行側の端部において発生するおそれがあった。これに対して、本実施形態によれば、各部位での収縮力の差を小さくすることができるので、このような意図しない変形の発生を抑えることができる。したがって、造形されたセパレータ100は、歪みが抑えられた高い平坦度を有するものとなる。
【0091】
なお、上記例示として、第3中空部140c等のように、凝固していない金属粉末Pが残留しているものであっても、第1中空部140a等のような中空空間で構成されるものと同等の中空部140として考えることができる。
【0092】
また、外周部113に中空部140が設けられることで、セパレータ100の造形直後の外周部113における冷却速度が、外周部113に中空部140が設けられていない場合よりも速くなる。これにより、外周部113における冷却速度が、薄肉部である第1流路領域110における冷却速度に近づき、結果として冷却時の温度差が小さくなるので、より変形を生じにくくさせることができる。
【0093】
したがって、本実施形態によれば、三次元金属積層造形により造形されるセパレータ100の平坦度を向上させるのに有利なセパレータの造形方法を提供することができる。
【0094】
また、外周部113に中空部140が設けられることで、残留していた金属粉末Pを排出させた中空部140の部分だけセパレータ100から金属造形部分が減少する。したがって、セパレータ100の軽量化に有利になるとともに、三次元造形工程にかかる造形時間を短縮させることも可能となる。結果として、本実施形態に係る造形方法によれば、セパレータ100の造形コストも低減させることができる。
【0095】
また、本実施形態に係る造形方法では、造形方向に対して直交する方向に沿って、例えば、第1流路領域110の最外端である第1角部C1から外周端112に向かって延伸する第1基準線L1a等を規定する。この場合、中空部140は、少なくとも、外周部の113うち第1基準線L1a等よりも造形方向の進行側にある基準領域R1に形成され、中空部140の容積は、基準領域R1の体積の50%以上、80%以下であるものとしてもよい。
【0096】
上記のとおり、従来、平板状のセパレータの平面方向と造形方向とが平行となる場合には、特に、終盤の造形処理にて造形される造形方向の進行側の端部において変形が生じやすかった。これに対して、本実施形態に係る造形方法によれば、このような造形方向の進行側の端部において生じ得る変形を、より生じにくくさせることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る造形方法は、外周部113に、例えば、第1流路領域110と連通する第1内部流路130等の内部流路を形成してもよく、この場合、基準領域R1の体積は、内部流路の容積を除いたものとしてもよい。
【0098】
このような造形方法によれば、セパレータ100において、特に基本構成として要求される内部流路が存在する場合でも、造形時の変形を生じにくくさせることができる。
【0099】
また、本実施形態に係る造形方法では、例えば、第1流路領域110の最外端が造形方向に延伸する端辺である場合、基準線L2の始端となる最外端は、造形方向の進行側に対して最も反対側にある第1角部C1等が選択されるものとしてもよい。
【0100】
このような造形方法によれば、セパレータ100の造形時の姿勢によって、一義に第1流路領域110の最外端を特定させることが難しい場合に、造形時の変形を生じにくくさせるのに有効となる基準線L2を規定し得る。
【0101】
また、本実施形態に係る造形方法では、中空部140は、外周部113のうち、基準領域R1等に加えて、造形方向において基準領域R1等の反対側にある残存領域にも形成されてもよい。この場合、残存領域にある中空部140の容積は、基準領域R1にある中空部140の容積よりも少なくてもよい。
【0102】
このような造形方法によれば、造形時の変形を生じにくくさせることに加えて、中空部140の形成場所が増えるので、セパレータ100の軽量化等をより向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態に係る造形方法は、外周部113に、例えば、一端が第1中空部140aに連通し、他端が外部に向けて開放される第1貫通穴141を形成してもよい。
【0104】
このような造形方法によれば、第1貫通穴141等の貫通穴を通じて、造形後に内部に残留している金属粉末Pを外部に排出することができるので、中空部140の内部を中空空間とすることができる。
【0105】
また、本実施形態に係る、燃料電池に用いられる平板状かつ金属製のセパレータ100は、第1平板面102に形成され、ガスを流通させる第1流路溝110aを有する第1流路領域110を備える。また、セパレータ100は、第1流路領域110とセパレータ100の外周端112とに挟まれる外周部113に形成される中空部140と、第1中空部140aに一端が連通し、他端が外部に向けて開放される第1貫通穴141とを備える。セパレータ100の各部位での単位領域あたりの体積は、互いに近似する。
【0106】
このようなセパレータ100によれば、上記説明したセパレータ100の造形方法による効果と同様に、結果として平坦度を向上させることができる。また、残留していた金属粉末Pを排出させた中空部140の部分だけセパレータ100から金属造形部分が減少するので、セパレータ100の軽量化に有利になり、結果として、セパレータ100の造形コストも低減させることができる。
【0107】
ここで、造形されたセパレータ100を見ると、セパレータ100には、第1貫通穴141のような貫通穴が形成されていることがわかる。このような貫通穴は、例えば、複数枚の金属薄板を重ね合わせて製作されたようなセパレータでは不要なものであり、一般的なセパレータでは現れない。これに対して、三次元金属積層造形を採用した本実施形態に係るセパレータ100の造形方法によりセパレータ100を造形すると、造形後に第1中空部140aの内部に残留している金属粉末Pを外部に排出させるものとして、第1貫通穴141が現れる。したがって、セパレータに第1貫通穴141が存在するかどうかを確認することで、このセパレータが、本実施形態に係るセパレータ100である、又は、セパレータ100の造形方法により造形されたものであると推定することができる。
【0108】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、造形対象として、第1流路領域110又は第2流路領域120の平面形状が正方形であり、全体の平面形状がおおよそ楕円であるセパレータ100を例示した。しかし、本開示の造形方法において造形対象とするセパレータの形状は、セパレータ100のような形状のものに限られない。
【0109】
図8は、全体として円板状であり、第1流路領域210の平面形状が円形であるセパレータ200を造形対象とする場合における、特定の基準線を用いて定義された基準領域の他の例を説明するための概略図である。なお、
図8でも、三次元造形装置1の構成として底板36のみ示している。造形方向に対して直交する方向は、Y方向である。
【0110】
セパレータ200において、第1流路領域210の内周側には第1内周溝211aが形成され、外周側には第1外周溝211bが形成されている。第1流路領域210には、平面形状が円形である複数の第1突起部210bが、第1内周溝211aを中心として放射状に多数点在している。これらの第1突起部210b間の領域が、燃料ガスが流通する第1流路溝210aとなる。また、セパレータ200において、第1流路領域210と外周端212とに挟まれる部分が外周部213となる。外周部213には、例えば、外周端212に沿って等間隔に、複数のボルト穴235が形成されている。なお、セパレータ200では、内部流路を特に明示していない。また、第1流路領域210が形成されている平面部の反対側の平面部には、空気が流通する第2流路領域が形成されていてもよい。
【0111】
この例では、Y方向における第1流路領域210の最外端は、直径であるW3で表される第1流路領域210の外周のうち、Y方向の最もプラス側にある第1点部P1と、Y方向の最もマイナス側にある第2点部P2となる。造形方向での第1点部P1の高さと第2点部P2との高さとは一致する。そのため、Y方向に沿って第1点部P1から外周端212に向かって延伸する基準線と、Y方向に沿って第2点部P2から外周端212に向かって延伸する基準線とは、基準線L3として同一となる。
【0112】
この場合、基準領域R3は、外周部213のうち、内部流路を除き、少なくとも、基準線L3よりも造形方向の進行側にある、
図8において太枠線で囲まれた領域で表される。ここでも、中空部の容積が基準領域R3の体積の50%以上、80%以下となるように、基準領域R3内に形成される。なお、外周部113のうち、造形方向において基準領域R3の反対側にある残存領域に中空部を形成してもよい点などは、第1例等と同様である。
【0113】
セパレータ200がこのような形状を有する場合でも、上記説明したセパレータ100に対するものと同様の造形方法により、セパレータ200を造形することができる。
【0114】
また、上記の実施形態では、三次元造形装置1が、パウダーベッド方式のうちエネルギービームとして電子ビームを用いて造形する三次元金属積層造形装置であるものとして説明した。しかし、本開示で用いることができる三次元造形装置は、これに限定されず、パウダーベッド方式のうちエネルギービームとしてレーザを用いて造形する三次元金属積層造形装置であってもよい。レーザを用いる三次元造形装置としては、例えば、選択的レーザ溶融法(SLM:Selective laser melting)、レーザ焼結法(SLS:Selective laser sintering)を採用するものがある。なお、レーザを用いる三次元造形装置では、造形を行うチャンバ内を真空状態としなくてもよく、例えばアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気にすればよい。また、上記の実施形態では、金属粉末Pを溶融し凝固させることで金属粉末Pを固化させる方法を説明したが、かかる方法には限定されず、金属粉末Pを焼結させることで金属粉末Pを固化させるものとしてもよい。また、三次元造形装置1は、選択溶融方式であるパウダーベッド方式に限らず、例えば材料付加方式である、いわゆるパウダーフィード方式を採用するものであってもよい。
【0115】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 三次元造形装置
4 制御部
4a RAM
100 セパレータ
102 第1平板面
110 第1流路領域
110a 第1流路溝
112 外周端
113 外周部
140 中空部
141 第1貫通穴
142 第2貫通穴
200 セパレータ
210 第1流路領域
210a 第1流路溝
212 外周端
213 外周部
C1 第1角部
C2 第2角部
L1a 第1基準線
L1b 第2基準線
L2 基準線
L3 基準線
P1 第1点部
P2 第2点部
R1 基準領域
R2 基準領域
R3 基準領域
RU1 第1単位領域
RU2 第2単位領域