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特許7413835遅延保証を備えたモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】遅延保証を備えたモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービス
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/12 20220101AFI20240109BHJP
   H04L 43/00 20220101ALI20240109BHJP
   H04L 45/302 20220101ALI20240109BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20240109BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20240109BHJP
【FI】
H04L45/12
H04L43/00
H04L45/302
H04W88/08
H04W40/12 110
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020032887
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2020184745
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】16/399237
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】ショ・チンヤ
(72)【発明者】
【氏名】シエ・ウエイション
(72)【発明者】
【氏名】パラチャーラ・パパラオ
(72)【発明者】
【氏名】池内 公
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10110495(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0027427(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0044852(US,A1)
【文献】特開2014-238710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/12
H04L 43/00
H04L 45/302
H04W 88/08
H04W 40/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てる方法であって、
予測されたユーザルート及び保証された遅延制約を示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能なエッジコンピューティングネットワークのための複数の無線アクセスポイントを特定する、前記受け取ることと、
前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントについての、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することであり、前記データセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する、前記構成することと、
前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、
前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記エッジコンピューティングネットワークのためのリソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てることと
を有する前記方法。
【請求項2】
前記補助グラフを構成することは、
前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることと
を有し、
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補助グラフを構成することは、
前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することと
を更に有し、
前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト又は前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコストに依存する、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存する、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、
第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、
前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することと
を有する、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記予測されたユーザルートは、前記所与のユーザに特有である、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することは、
データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、
データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることと
を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である第2部分を含む延長ユーザルートの第1部分を表し、
当該方法は、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記延長ユーザルートの前記第2部分と、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを更新することであり、該更新することは、前記更なる時点の夫々で1以上の追加ノードを加え、更なるデータセンターのシーケンスと、該更なるデータセンターのシーケンス内の各データセンターがアクセスされる前記更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスとを夫々が定義する1以上の追加経路を加えることを含む、前記更新することと、
前記補助グラフにおける前記追加経路から最低コスト経路を決定することと、
前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、該リソースオーケストレータへの前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスに従って、前記延長ユーザルートの前記第2部分上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表し、
当該方法は、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、
前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することであり、該更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含む、前記更新することと、
前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることと
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てるシステムであって、
複数のデータセンターを含むエッジコンピューティングネットワークと、
ユーザに代わって前記複数のデータセンターのサブセットにアクセスするよう夫々構成される複数の無線アクセスポイントと、
リソースオーケストレータと、
第1プロセッサを有するモニタリングサブシステムと
を有し、
前記第1プロセッサは、
保証された遅延制約に関連した予測されたユーザルートを示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能な前記複数の無線アクセスポイントのサブセットを特定する、前記受け取ることと、
前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することであり、各無線アクセスポイントによってアクセス可能な前記データセンターのサブセットの中の前記1以上のデータセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する、前記構成することと、
前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、
前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと
を実行するように、前記第1プロセッサによって実行可能な第1命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有し、
前記リソースオーケストレータは、第2プロセッサを有し、該第2プロセッサは、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てるように、前記第2プロセッサによって実行可能な第2命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有する、
前記システム。
【請求項12】
前記複数のデータセンターは、
エッジコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、
前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザに近い、フォグコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、
前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザから遠い、クラウドコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと
を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記入力データを介して前記予測されたユーザルートのための前記保証された遅延制約を受け取らせるように、更に実行可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義する、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコスト、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト、又は前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存して、前記各々のリンク重みを割り当てさせるように、更に実行可能である、
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、
前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することと
を実行させるように、更に実行可能である、
請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザに関連したデータをモニタすることに依存して前記予測されたユーザルートを決定させるように、更に実行可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、
データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることと
を実行させるように、更に実行可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表し、
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、
前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することであり、該更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含む、前記更新することと、
前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記第2命令は、前記第2プロセッサに、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てさせるように、更に実行可能である、
請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エッジコンピューティングネットワークにおけるリソース割り当てに関係があり、より具体的には、データセンター移行コストを最小限にする遅延保証を備えた、モニタリングに基づくエッジコンピューティングサービスに関係がある。
【背景技術】
【0002】
クラウド及びビッグデータアプリケーションなどの新興のネットワークアプリケーションは、1以上のネットワークドメインで1以上のデータセンター(data centers;DC)内にあるリソースを必要とすることがある。ネットワーク機能仮想化(netwrok function virtualization;NFV)は、ネットワーク機能を仮想化するために、且つ、単一の特定の目的のために構築されているデバイスから多目的の仮想マシンへそれらをマイグレーションするために使用され得る。これは、サービス展開コストを削減し且つサービス柔軟性を改善し得る。より多くのサービス機能が、地理的に分散したデータセンター内の仮想マシンへ移動するにつれて、且つ、より多くの個別に管理されたネットワークス・オン・デマンド(Networks-on-Demand)がソフトウェア・デファインド・ネットワーキング(software defined networking;SDN)によって可能にされるにつれて、ネットワークサービスは、それらのネットワークにわたってリソースを協調させるよう様々なメカニズムを実装し得る。
【0003】
マルチアクセス・エッジ・コンピューティング(multi-access edge computing;MEC)は、セルラーネットワークのエッジで、又はより一般的に、任意のエッジコンピューティングネットワークのエッジで、クラウドコンピューティング機能及びITサービス環境を可能にする新興のエッジコンピューティング技術である。MEC技術によれば、モバイルユーザのアプリケーションの性能は、よりモバイルユーザに近いエッジノードで様々なコンピューティングタスクを実行することによって改善され得る。その上、MEC技術は、典型的には基地局又は他のエッジノードで実装される技術であり、セルラーネットワークオペレータが彼らのラジオ・アクセス・ネットワーク(radio access network;RAN)をアプリケーション開発者及びコンテンツプロバイダのような許可された第三者に公開することを可能にし得る。
【0004】
第5世代(5G)無線ネットワークは、インターネット・オブ・シングス(Internet of Things;IoT)プラットフォーム、自動運転車両、及びサービス指向のスライシングなどのアプリケーションのために、ミッションクリティカルな、遅延に敏感なサービスをサポートしなければならない。それらのネットワークには、基礎をなす物理基盤をサポートするSDN及びNFVが含まれる。特定のアプリケーションの場合に、5Gサービスは、非常に制限された遅延制約を有し、複数のアクセス技術及びアクセスポイントをサポートしなければならず、広範囲のモバイルユーザ及び彼らの各々のモバイルデバイスをサポートしなければならない。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てる方法が開示される。方法は、予測されたユーザルート及び保証された遅延制約を示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能なエッジコンピューティングネットワークのための複数の無線アクセスポイントを特定する、前記受け取ることと、前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントについての、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することとを含む。前記データセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する。方法はまた、前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記エッジコンピューティングネットワークのためのリソースオーケストレータへ供給することと、前記リソースオーケストレータによって、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てることとを含む。
【0006】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフを構成することは、前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることとを含んでよい。前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存してよい。
【0007】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフを構成することは、前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することとを更に含んでもよい。前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義してよい。
【0008】
開示される実施形態のいずれかで、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト又は前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコストに依存してよい。
【0009】
開示される実施形態のいずれかで、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存してよい。
【0010】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することとを含んでよい。
【0011】
開示される実施形態のいずれかで、前記予測されたユーザルートは、前記所与のユーザに特有であってよい。
【0012】
開示される実施形態のいずれかで、前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することは、データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることとを含んでよい。
【0013】
開示される実施形態のいずれかで、前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である第2部分を含む延長ユーザルートの第1部分を表してよい。方法は、夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、前記延長ユーザルートの前記第2部分と、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを更新することとを更に含んでもよい。前記更新することは、前記更なる時点の夫々で1以上の追加ノードを加え、更なるデータセンターのシーケンスと、該更なるデータセンターのシーケンス内の各データセンターがアクセスされる前記更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスとを夫々が定義する1以上の追加経路を加えることを含んでよい。方法は、前記補助グラフにおける前記追加経路から最低コスト経路を決定することと、前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、前記リソースオーケストレータによって、該リソースオーケストレータへの前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスに従って、前記延長ユーザルートの前記第2部分上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることとを更に含んでよい。
【0014】
開示される実施形態のいずれかで、前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表してよい。方法は、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することとを更に含んでもよい。前記更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含んでよい。方法はまた、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、前記リソースオーケストレータによって、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることとを含んでよい。
【0015】
他の態様において、エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てるシステムが開示される。システムは、複数のデータセンターを含むエッジコンピューティングネットワークと、ユーザに代わって前記複数のデータセンターのサブセットにアクセスするよう夫々構成される複数の無線アクセスポイントと、リソースオーケストレータと、モニタリングサブシステムとを含む。前記モニタリングサブシステムは第1プロセッサを含み、該第1プロセッサは、保証された遅延制約に関連した予測されたユーザルートを示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能な前記複数の無線アクセスポイントのサブセットを特定する、前記受け取ることと、前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定することと、前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することとを実行するように、前記第1プロセッサによって実行可能な第1命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有している。各無線アクセスポイントによってアクセス可能な前記データセンターのサブセットの中の前記1以上のデータセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する。前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することとを実行させるように、更に実行可能である。前記リソースオーケストレータは第2プロセッサを含み、該第2プロセッサは、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てるように、前記第2プロセッサによって実行可能な第2命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有している。
【0016】
開示される実施形態のいずれかで、前記複数のデータセンターは、エッジコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザに近い、フォグコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザから遠い、クラウドコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターとを含んでよい。
【0017】
開示される実施形態のいずれかで、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記予測されたユーザルートのための前記保証された遅延制約を決定させるように、更に実行可能であってよい。
【0018】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることとを実行させるように、更に実行可能であってよい。前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存してよい。
【0019】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することとを実行させるように、更に実行可能であってよい。前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義してよい。
【0020】
開示される実施形態のいずれかで、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコスト、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト、又は前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存して、前記各々のリンク重みを割り当てさせるように、更に実行可能であってよい。
【0021】
開示される実施形態のいずれかで、前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することとを実行させるように、更に実行可能であってよい。
【0022】
開示される実施形態のいずれかで、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザに関連したデータをモニタすることに依存して前記予測されたユーザルートを決定させるように、更に実行可能であってよい。
【0023】
開示される実施形態のいずれかで、前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることとを実行させるように、更に実行可能であってよい。
【0024】
開示される実施形態のいずれかで、前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表してよい。前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することを実行させるように、更に実行可能であってよい。前記更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含んでよい。前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給させるように、更に実行可能であってよい。前記第2命令は、前記第2プロセッサに、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てさせるように、更に実行可能であってよい。
【0025】
本発明並びにその特徴及び利点のより完全な理解のために、これより、添付の図面と併せて以下の記載が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】少なくともいくつかの実施形態に従って、リソースオーケストレータフレームワークの選択された要素を表す。
図2A】いくつかの実施形態に従って、遅延保証を備えたモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービスのためのシステムの例を表す。
図2B】一実施形態に従って、ユーザがコンピューティング又はストレージサービスを受けながらサービスエリア間を移動するタイムラインを表す。
図3A】一実施形態に従って、ユーザがコンピューティング又はストレージサービスを受けながら予測ルートに沿ってサービスエリア間を移動するタイムラインを表す。
図3B】一実施形態に従って、図3Aに示される予測されたユーザルート及びシステムについての補助グラフを表す。
図4】一実施形態に従って、予測ルートに沿って移動するモバイルユーザのために、データセンター移行を最小限にし且つ保証された遅延レベルを満たしながらリソースを割り当てる方法の選択された要素を表すフロー図である。
図5】一実施形態に従って、補助グラフを構成する方法の選択された要素を表すフロー図である。
図6】少なくともいくつかの実施形態に従って、例となるネットワーク要素の選択された要素を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の記載では、開示される対象の議論を促すために、一例として詳細が説明されている。なお、当業者には当然ながら、開示される実施形態は例示であって、全ての可能な実施形態を網羅するものではない。
【0028】
本開示にわたって、ハイフンでつながれた形の参照番号は、要素の特定のインスタンスを参照し、ハイフンでつながれていない形の参照番号は、一般的に又は集合的にその要素を参照する。よって、一例として(図示せず。)、ウィジェット“12-1”は、ウィジェットクラスのインスタンスを参照し、ウィジェットクラスは、ウィジェット“12”として集合的に参照されることがあり、そのうちのいずれか1つは、ウィジェット“12”として一般的に参照されることがある。図面及び明細書において、同じ番号は、同じ要素を表すことが意図される。
【0029】
本明細書で記載されるように、エッジコンピューティングリソースがアクセス可能である各々の無線アクセスポイントを夫々含んでいるエッジコンピューティングネットワークの異なるサービスエリアを通ってモバイルユーザが移動するとき、ユーザに関連したデータ及び/又はコンピューティングタスクは、ユーザの移動に従ってエッジコンピューティング(又はストレージ)ノード間でマイグレーションされ得る。いくつかの実施形態で、本明細書で記載される、エッジコンピューティングリソースを割り当てるシステム及び方法は、ユーザとユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクのために割り当てられたエッジコンピューティングリソースとの間の保証された遅延制約がユーザのルート沿いの全ての点で満足されることを保証しながら、モバイルユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクをエッジコンピューティングノード間でマイグレーションすることに関連したコストを最小限にし得る。
【0030】
エッジコンピューティングノードの間でのリソース割り当てのための、本明細書で記載される技術は、ユーザモビリティに基づく仮想マシン(virtual machine;VM)移行(又はマイグレーション)のためにリソース割り当てを決定する場合に、複数の無線アクセスポイントの利用可能性、及びユーザとユーザにストレージ及びコンピューティングサービスを提供するエッジノードとの間の保証された遅延制約を含む、5Gエッジコンピューティングで適用される独自の条件を考慮し得る。予測されたユーザルートと、システムレベルコンポーネントによってモニタされる様々な遅延とに基づき、補助グラフが構成され得る。補助グラフを用いて、エッジコンピューティングノード間のマイグレーションシーケンスと、モバイルユーザがそれらのエッジコンピューティングノードにアクセスすることができる対応する無線アクセスポイントのシーケンスとが、決定され得る。
【0031】
いくつかの実施形態で、本明細書で記載されるシステム及び方法は、いくつかの場合に、トラフィックが複数のドメインにわたってサービス機能インスタンスのシーケンスをトラバースするシステムを含め、データ分析とともにネットワーク機能仮想化、モバイルエッジコンピューティング、及びIoTを含むシステムに適用されてよい。
【0032】
これより図面を参照すると、図1は、少なくともいくつかの実施形態に従って、リソースオーケストレータフレームワークの選択された要素を表す。より具体的には、図1は、個別的なネットワーク要素(network elements;NE)である頂点に基づいているネットワークドメイン100の実施例を表す。図1には、リソースオーケストレータ108及び物理ネットワーク110を含むネットワークドメイン100が示されている。いくつかの実施形態で、物理ネットワーク110は、接続の帯域幅を調整するよう構成された光伝達網(optical transport network;OTN)又はフレキシブル光データプレーン(例えば、フレキシブルトランシーバ)などの基礎的光ネットワークであってよい。いくつかの実施形態で、リソースオーケストレータ108は、マルチドメインネットワーク内のドメイン固有リソースオーケストレータであってよい。
【0033】
図1において、リソースオーケストレータ108は、複数のネットワーク要素112を有して示されているネットワークドメイン100内のリソースの使用を管理し又は協調させてよい。ネットワーク要素112は、スイッチ、ルータなどの様々なタイプのネットワーク機能を表してよく、様々なタイプの物理インターフェイスを相互接続するハードウェアを含んでもよい。ネットワークドメイン100は、ネットワーク要素NE_A112-1、ネットワーク要素NE_B112-2、ネットワーク要素NE_C112-3、ネットワーク要素NE_D112-4、ネットワーク要素NE_E112-5、及びネットワーク要素NE_F112-6とともに、異なる距離を有する場合があるネットワーク要素間の接続を有する。よって、ネットワークドメイン100は、単一ネットワークドメインのためのネットワークトポロジを表してよく、そのリソースの使用はリソースオーケストレータ108によって協調される。いくつかの実施形態で、リソースオーケストレータ108によって提供されるもの以外のネットワークドメイン100のための様々なネットワーク管理機能は、専用(例えば、ドメイン特有)のSDNコントローラ(図示せず。)によって提供されてよい。より大きいネットワークが複数のネットワークドメインを含むとき、夫々の個々のネットワークドメインは、各自のSDNコントローラによって管理されてよい。
【0034】
いくつかの実施形態で、ネットワークドメイン100は、分散処理アプローチを使用するマルチドメインネットワークに含まれてよく、その中で、コントローラメッセージは、リソースオーケストレータ108及び/又はSDNコントローラなどの複数のリソースオーケストレータ及び/又はネットワークコントローラの間で交換される。複数のリソースオーケストレータ及び/又はネットワークコントローラの夫々は、物理ネットワーク110などの複数のネットワークドメインの中の各々の1つと関連付けられる。上述されたように、ネットワーク機能仮想化(NFV)は、ネットワーク機能を仮想化し、且つ、単一の特定の目的のために構築されているデバイスから商用オフザシェルフサーバ上の多目的の仮想マシンへそれらをマイグレーションするために使用され得る。これは、サービス展開コストを削減し且つサービス柔軟性を改善し得る。いくつかの実施形態では、1以上のリソースオーケストレータが集合的に又は個々に、複数のデータセンターの夫々での様々なリソース(サービス機能、仮想マシン、及びネットワークを含む。)、及びデータセンターを相互接続する関連したネットワークリソースの使用を管理し協調させてよい。例えば、ネットワークサービスは、コンシューマブロードキャスト、モバイルバックホール、モバイルパケットコア、及び/又は仮想プライベートネットワーク(例えば、富士通ネットワークコミュニケーションズの1Finityプラットフォームで実装されるネットワークを含む。)などの複数のネットワークに及んでよい。
【0035】
本開示の様々な実施形態で、ネットワークは複数のドメインを含んでよく、これらのドメインは、異なるネットワーク技術、異なるベンダー、異なるアドミニストレーション、異なるタイプのリソース、及び/又は異なる仮想化ネットワークを有してよい。それらのドメインは、インターネット・オブ・シングス(IoT)デバイス、コンピューティングリソース、ストレージリソース、及び/又は異なるタイプのサービス機能(アクセスサービス機能、メトロサービス機能、及び/又はコアサービス機能を含む。)が存在するドメインを含んでよい。少なくともいくつかの実施形態で、それらのマルチドメインネットワークは、ドメイン間の機密性を保ち、サービスプロバイダのスケーラビリティを改善し得る。少なくともいくつかのマルチドメインオーケストレーションアーキテクチャで、各ドメインは、ローカルのオーケストレータによって制御されてよく、オーケストレータ間の頂点主体(vertex-centric)分散コンピューティングは、エンド・ツー・エンドのリソース割り当てを提供し得る。
【0036】
本開示の少なくともいくつかの実施形態で、ネットワーク、又はマルチドメインネットワーク内の各ドメインは、物理ノード及びIP/OTNリンクを含んでよい。少なくともいくつかの実施形態で、各々のリソースオーケストレータは、各ネットワークドメインと関連付けられて、そのドメイン内の全ての物理ノード及びリンクを管理してよい。いくつかの実施形態で、各物理ノードは、サービス機能のカタログから選択されたサービス機能のサブセットを呼び出すこと又はユーザに代わってアプリケーションを実行することができるネットワーク要素(例えば、OTNスイッチ、ルータ)及び/又はコンピュートサーバ及びストレージ要素(例えば、データセンター)を含んでよい。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態で、リソースオーケストレータ(例えば、図1に表されているリソースオーケストレータ108の様々なインスタンス)は、互いと通信してよく、とりわけメッシュ、リング、スター、又はバスなどの、如何なる適切なネットワークトポロジによってもネットワーク接続されてよい。同様に、各々のドメインのSDNコントローラは、互いと通信してよく、とりわけメッシュ、リング、スター、又はバスなどの、如何なる適切なネットワークトポロジによってもネットワーク接続されてよい。いくつかの実施形態で、リソースオーケストレータ108の間及び/又はSDNコントローラの間の通信は、サイドバンドネットワークチャネル、又は管理目的のための他のネットワーク接続を用いてよく、さもなければ、サービスプロバイダによってコンシューマに商用サービスとして提供されるペイロードネットワークを表し得る頂点間のネットワーク接続に干渉しない。いくつかの実施形態で、ネットワークドメインのリソースオーケストレータ108又はSDNコントローラは、その各々のネットワークドメインのネットワークトポロジを追跡してよい。いくつかの実施形態で、各ネットワークドメインは、そのドメイン内の物理ノード及びリンクを管理する(そして、それらの使用を協調させる)各々のリソースオーケストレータを含んでよい(又はそれと関連付けられてよい)。これらのリソースオーケストレータは、制御チャネル(例えば、異なった実施形態において、帯域内制御チャネル又は帯域外制御チャネル)によって相互接続されてよい。少なくともいくつかの実施形態で、各オーケストレータは、各物理ノードに関する情報を頂点(vertex)データ構造として格納してよく、各オーバレイOTNリンクに関する情報をエッジ(edge)データ構造として格納してよい。少なくともいくつかの実施形態で、各頂点データ構造は、現在の値と、入来(incoming)/到来(outgoing)エッジの組とを含んでよい。少なくともいくつかの実施形態で、各エッジデータ構造は、各々のOTNリンクに関する、その帯域幅、遅延情報、リンクを使用するコストに関する情報、及び/又は本明細書で記載される機能を実装するためにシステムで使用される任意の他の情報などの情報を含んでよい。いくつかの実施形態で、各頂点は、メッセージを他の頂点へ送ること及び/又はメッセージを他の頂点から受けることができる。メッセージは、メモリにおいて配信されてよく(例えば、それらが、同じネットワークドメイン内にあるか又は同じオーケストレータによって制御される頂点の間で交換される場合)、一方、異なるネットワークドメインにあるか又は異なるオーケストレータによって制御される頂点の間で交換されるメッセージは、様々な制御チャネルを介して配信されてよい。
【0038】
上述されたように、5Gネットワークは、インターネット・オブ・シングス(IoT)プラットフォーム、自動運転車両、及びサービス指向のスライシングなどのアプリケーションのために、ミッションクリティカルな、遅延に敏感なサービスをサポートするよう設計され得る。そのために、5Gサービスは、従前のプロトコル及び技術でサポートされている遅延制約よりもずっと厳しい遅延制約をサポートするよう求められることがある。例えば、5Gサービスは、特定のアプリケーションのための非常に制限された遅延制約、例えば、数ミリ秒の遅延、又はナノ秒で指定された遅延をサポートするよう設計されることがある。5Gサービスはまた、複数のアクセス技術及び複数のアクセスポイントをサポートするよう設計されることもある。その上、5Gサービスは、広範囲のモバイルユーザのモビリティをサポートするよう設計されることがある。
【0039】
5Gサービスのための標準規格には、モバイルデバイスとエッジクラウド内の分散ユニット(distributed unit;DU)及び/又は中央ユニット(central unit;CU)との間(例えば、超高精細(ultra-high definition;UHD)ビデオ、ゲーム、拡張又は仮想現実、などのため。)、並びにエッジクラウド内のDU/CUとコアクラウド内の様々なコンポーネントとの間のデータレートに対する要件が含まれることがある。5Gサービスのための標準規格には、モバイルデバイスでの、エッジクラウドでの、及びコアクラウドでの信頼性に対する要件も含まれることがある。例えば、コアクラウドで、サービスは、伝送制御プロトコル(transmission control protocol;TCP)最適化、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem;IMS)、アクセス管理、セッション管理、モビリティ管理、及び/又はチャージング機能をサポートしてよい。5Gサービスは、マッシブIoTスライスのためのセキュリティ要件、エッジクラウドでのセキュリティ要件、及びコアクラウドでのセキュリティ要件をサポートしてよい。例えば、コアクラウドは、IoTサーバのための、アクセス管理のための、及び/又はセッション管理のための様々なセキュリティ機能を実装してよい。5Gサービスは、例えば、エッジクラウドでの又はコアクラウドでの車両及び対応する車両間又は車両と基盤との間(V2X)のサーバへ/からのミッションクリティカルなIoTスライスについての、レイテンシに対する要件をサポートしてよい。
【0040】
図2Aは、いくつかの実施形態に従って、遅延保証を備えたモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービスのためのシステム200を例示する。様々な実施形態で、エッジコンピューティング技術は、遅延が重要となるアプリケーションのための及びモバイルエッジコンピューティングのための並びにフォグコンピューティング(fog computing)のためのサポートを可能にし得る。フォグコンピューティングは、エッジコンピューティングネットワークにおけるデータセンターにとって一般的であるよりもユーザの近くに、増大した数及び密度で小規模のデータセンターが存在する、より細かいバージョンのエッジコンピューティングと見なされ得る。
【0041】
表される実施形態では、システム200は、リソースオーケストレータのような1以上のオーケストレーション要素202と、モニタリングサブシステムのような1以上のモニタリング要素204とに関連するエッジコンピューティングネットワーク206を含む。エッジコンピューティングネットワーク206は、コアクラウドコンピューティングレイヤ210、モバイルエッジコンピューティングレイヤ220、及びフォグコンピューティングレイヤ230を含む。各レイヤは、コンピューティング及び/又はストレージサービスをモバイルユーザへ提供するよう構成された1以上のデータセンター(DC)を含む。各データセンターは、WA1(240)乃至WA5(248)として示されている1以上の無線アクセスポイント(WA)を通じてアクセス可能である。表される実施形態では、エッジコンピューティングネットワーク206内の様々なレイヤにあるデータセンターは、メッシュタイプトポロジで相互接続されている。他の実施形態では、エッジコンピューティングネットワーク206内の様々なレイヤにあるデータセンターは、本明細書で記載されているものを含むがそれらに限られない他のタイプのトポロジを用いて相互接続されてもよい。
【0042】
フォグコンピューティングレイヤ230にあるデータセンターは、DC4(232)、DC5(234)、及びDC6(236)を含む。これらのデータセンターは、モバイルエッジコンピューティングレイヤ220及びコアクラウドコンピューティングレイヤ210にあるデータセンターと比べて、サービスが提供されるユーザにより近い。表される例では、モバイルエッジコンピューティングレイヤ220は、データセンターDC2(222)及びDC2(224)を含み、コアクラウドコンピューティングレイヤ210は、データセンターDC1(212)を含む。少なくともいくつかの実施形態で、システムは、リソースオーケストレータなどのオーケストレーション要素202及びモニタリングサブシステムなどのモニタリング要素204とともに、エッジコンピューティングネットワーク206を組み込む。
【0043】
少なくともいくつかの実施形態で、オーケストレーション要素202は、制限なしに、リソース割り当て、経路計算、及びリソース移行を提供するよう構成されてよい。少なくともいくつかの実施形態で、モニタリング要素204は、エッジコンピューティングネットワーク206に含まれるデータセンターの様々な対の間の各々の遅延をモニタするよう構成されてよい。例えば、モニタリング要素204は、フォグコンピューティングレイヤ230、エッジコンピューティングレイヤ220、及びコアクラウドコンピューティングレイヤ210を含むエッジコンピューティングネットワーク206の同じ又は異なるレイヤにあるデータセンターの対の間の各々の遅延をモニタするよう構成されてよい。モニタリング要素204はまた、ユーザと、フォグコンピューティングレイヤ230のデータセンターDC4(232)、DC5(234)及びDC6(236)などの様々なデータセンターとの間の各々の遅延をモニタするよう構成されてもよい。少なくともいくつかの実施形態で、モニタリング要素204はまた、様々な無線アクセスポイント(WA)と、それらを通ってアクセス可能なデータセンター(DC)との間の各々の遅延をモニタするよう構成されてもよい。
【0044】
図2Bは、一実施形態に従って、ユーザが、コンピューティング又はストレージサービスを受けながら、図2Aに表されるシステム200のサービスエリア間を移動するタイムライン260を表す。表される例では、ユーザは、異なる時点で異なるサービスエリアを通って移動する。各サービスエリアは1以上の無線アクセスポイントを含む。5Gの厳しい遅延制約を受けないいくつかの既存のシステムでは、ユーザがサービスエリア間を移動するときに、ユーザに対して、コアクラウドコンピューティングレイヤ210の単一のデータセンターのような、エッジコンピューティングネットワーク206内のデータセンターのうちの単一データセンターがコンピューティング及び/又はストレージサービスを提供することが可能であった。しかし、5Gの厳しい遅延制約を受けるシステムでは、ユーザがサービスエリア間を移動するときに、ユーザに関連した少なくともいくつかのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、ユーザと、彼らに代わって彼らのデータを記憶し及び/又はコンピューティングタスクを実行するデータセンターとの間の保証された遅延制約を保証するために、ユーザの移動に従って、コンピューティング及び/又はストレージサービスをホストするデータセンター間でマイグレーションされなければならないことがある。ユーザの移動に応答したデータセンターのそのような移行は、“フォローミー”(follow me)サービスと呼ばれることがある。一例において、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクが所与の時点でマイグレーションされるデータセンターは、先の時点でそれらがホストされていたデータセンターよりもユーザに近くなる。様々な実施形態で、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクがマイグレーションされるデータセンターは、エッジコンピューティングネットワーク206内のレイヤのいずれかに存在してよい。
【0045】
図2Bに表される実施形態では、データセンターDC4(232)は、無線アクセスポイントWA1(240)又は無線アクセスポイントWA2(242)のいずれか一方を通じてアクセス可能である。WA1(240)及びWA2(242)は両方とも、他の無線アクセスポイントよりもデータセンターDC4(232)に近い。同様に、無線アクセスポイントWA3(244)及びWA4(246)は、他の無線アクセスポイントよりもデータセンターDC5(234)に近く、無線アクセスポイントWA5(248)は、他の無線アクセスポイントよりもデータセンターDC6(236)に近い。
【0046】
表される実施形態では、ユーザが時間t1で第1サービスエリアに入るとき、エッジコンピューティングネットワーク206でホストされているコンピューティング及び/又はストレージサービスにアクセスするために利用可能な、WA1(240)及びWA2(242)として示されている2つの無線アクセスポイントが存在する。この例では、WA1(240)が最良の利用可能なオプションとして選択され、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、適用可能な保証された遅延レベル制約を満足するために、フォグコンピューティングレイヤ230においてユーザに近いデータセンターDC4(232)でホストされる(又はそれへマイグレーションされる)。その後に、ユーザは、無線アクセスポイントWA1(240)を通じてデータセンターDC4(232)にアクセスする。同様に、ユーザが時間t2で第2サービスエリアに入るとき、利用可能な無線アクセスポイントWA3(244)及びWA4(246)から最良の利用可能なオプションとして無線アクセスポイントWA4(246)が選択され、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、適用可能な保証された遅延レベル制約を満足するために、フォグコンピューティングレイヤ230においてユーザに近いデータセンターDC5(234)へマイグレーションされる。その後に、ユーザは、無線アクセスポイントWA4(246)を通じてデータセンターDC5(234)にアクセスする。
【0047】
表される実施形態では、ユーザが時間t3で第3サービスエリアに入るとき、唯一の利用可能なオプションとして無線アクセスポイントWA5(248)が選択される。この例では、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、フォグコンピューティングレイヤ230においてユーザに近いデータセンターDC6(236)へマイグレーションされ得る。その後に、ユーザは、無線アクセスポイントWA5(248)を通じてデータセンターDC6(236)にアクセスする。しかし、保証された遅延レベル制約が、時間t3では時間t1及びt2ほど厳しくない場合、又はデータセンターDC3(224)が、無線アクセスポイントWA5(248)及びデータセンターDC6(236)を通ってユーザからデータセンターDC3(224)の間の保証された遅延レベル制約を満足するほど十分に高い性能を有している場合には、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、エッジコンピューティングレイヤ220においてユーザからより遠いデータセンターDC3(224)へマイグレーションされてもよい。その後に、ユーザは、無線アクセスポイントWA5(248)及びデータセンターDC6(236)を通じてデータセンターDC3(224)にアクセスしてよい。この場合に、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクは、DC4(232)からDC5(234)を経てDC3(224)への255として示された移行経路をたどる。
【0048】
“フォローミー”サービスを提供するエッジコンピューティングシステム内のリソース割り当てのための、本明細書で記載される技術は、様々な実施形態において、次の利点、とりわけ、保証された遅延制約を満足する保証、高いスループット及び/又はデータレート、並びにデータセンター間の伝送によってハンドオフ中のユーザと無線アクセスポイントとの間のデータ伝送を削減して無線帯域幅を節約すること、のうちのいずれか又は全てを提供し得る。少なくともいくつかの実施形態で、データセンター(特に、フォグコンピューティングレイヤにあるもの)は、受け取るストレージ及び/又はコンピューティングサービスにより近いので、ユーザとそれらのサービスを提供するデータセンターとの間の遅延は、より短くなると見込まれ、いくつかの既存のシステムと比べて高いスループット及びデータレートをもたらす。
【0049】
エッジコンピューティングシステムにおけるリソース割り当てのための、本明細書で記載される技術は、様々な実施形態において、次のアプリケーション、とりわけ、モバイルデバイスのためのモニタリング及び/又はプロファイリング、エッジ又はフォグコンピューティングレイヤでの機械学習、モバイルオフローディング、並びにエッジコンピューティングによる拡張又は仮想現実、のうちのいずれか又は全てを提供するシステムにおいて適用されてよい。例えば、モバイルデバイスをプロファイリングするアプリケーションは、ユーザが観測又は予測されたルートに沿って移動するときにユーザ及び彼らの挙動をモニタしてよい。他の例では、携帯電話機などのいくつかのモバイルデバイスは、電力を消費しすぎることがあるか、又はタスクを実行するための十分なコンピューティングリソースを有してないことがある点で、特定のタスクにとって適切でないことがある。この例において、コンピューティングタスクは、フォグコンピューティングレイヤの隣接データセンターへオフロードされてよく、データセンターは、タスクを実行して、モバイルデバイスに迅速な応答を返すことができる。
【0050】
少なくともいくつかの実施形態で、フォローミー”サービスを提供するエッジコンピューティングシステム内のリソース割り当てのための、本明細書で記載される技術は、データセンターとユーザとの間の適用可能な保証された遅延制約が満足されることを保証しながら、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクをデータセンター間でマイグレーションする高コストを最小限にし得る。移行コストは、様々な実施形態において、エッジコンピューティングノード間でデータをマイグレーションするときのデータ伝送のコストと、コンピューティングタスクを新しいエッジコンピューティングノードへマイグレーションするときのその新しいエッジコンピューティングノードでのサービスインスタンス化のコストとを含んでよい。少なくともいくつかの実施形態で、それらの移行コストは、ユーザが観測又は予測されたユーザルートに沿って移動する間のデータセンター間の移行数を最小限にすることによって削減され得る。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態で、特定のユーザの予測されたユーザルート、エッジノード(データセンター)の物理ネットワーク、及びTと表される保証された遅延制約を考えると、本明細書で記載される技術は、保証された遅延制約が全ての時点で満足される一方で移行コストが最小限にされるようにリソースを割り当てるために使用されてよい。予測されたユーザルートは、複数の時点tpの夫々で予測ユーザルート沿いの1以上のデータセンターにアクセスするためにユーザが利用することができる無線アクセスポイントの一群に関して言い表され得る。少なくともいくつかの実施形態で、保証された遅延レベルTで各無線アクセスポイントを通じてユーザにストレージ及び/又はコンピューティングサービスを提供するために利用可能な1以上のデータセンターの組は、例えば、図2A及び図2Bに表されるモニタリング要素204によって、モニタリングを通じて決定されてよい。例えば、モニタリング要素204は、データセンターのどの対が第1の保証された遅延レベル制約を満足するのかと、データセンターのどの対が第2のより長い保証された遅延レベル制約を満足するのかとを、モニタリング中に捕捉されたデータに基づき決定するよう構成されてよい。
【0052】
少なくともいくつかの実施形態で、予測されたユーザルートは、時間にわたって、例えば、図2A及び図2Bに表されるモニタリング要素204によって、ユーザのモバイルデバイスのモニタリングを通じて決定されてよい。例えば、モニタリング要素204は、ユーザが特定の曜日の特定の時間にとる可能性があるルートを予測するために、ユーザのモバイルデバイスに関連した捕捉されたデータにおいてパターンを検出するよう構成されてよい。いくつかの実施形態で、モニタリング要素204は、データセンターの複数の対の夫々のデータセンター間のネットワークホップ数などの、データセンターの対の間の各々の距離を決定するよう構成されてもよい。
【0053】
以下で更に詳細に記載されるように、“フォローミー”サービスをモバイルユーザに提供するときにデータセンター移行を最小限にするために、補助グラフが構成され、そして、補助グラフ内の最低コスト経路によって定義されるデータセンターのシーケンスと、それらのデータセンターが特定の時点でアクセスされる対応する無線アクセスポイントのシーケンスとを決定するように解析されてよい。
【0054】
図3Aは、一実施形態に従って、ユーザが、エッジコンピューティングネットワーク306でホストされるコンピューティング又はストレージサービスを受けながら、予測されたルートに沿って移動するタイムライン308を表す。表される例では、予測されたユーザルート上の3つの予測時点がタイムライン308上で示されている。図2A及び図2Bに表されるエッジコンピューティングネットワーク206と同様に、エッジコンピューティングネットワーク306は、フォグコンピューティングレイヤ、エッジコンピューティングレイヤ、及びコアクラウドコンピューティングレイヤの間で分散された複数のデータセンターを含む。より具体的には、データセンターDC4(332)、DC5(334)、及びDC6(336)はフォグコンピューティングレイヤに存在し、データセンターDC2(322)及びDC3(324)はエッジコンピューティングレイヤに存在し、データセンターDC1(312)はエッジコンピューティングネットワーク306のコアクラウドコンピューティングレイヤに存在する。
【0055】
表される例では、ユーザは、時間t1、時間t2及び時間t3として示されている異なる時点でシステム300の異なるサービスエリアの間を移動する。各サービスエリアは1以上の無線アクセスポイントを含む。表される例では、予測されたルートは、ユーザが時間t1で、WA1(340)及びWA2(342)として示されている2つの利用可能な無線アクセスポイントを含むサービスエリアに入り、時間t2で、WA3(344)及びWA4(346)として示されている2つの利用可能な無線アクセスポイントを含むサービスエリアに入り、時間t3で、WA5(348)として示されている単一の利用可能な無線アクセスポイントを含むサービスエリアに入ることを含む。表される例では、保証された遅延レベルはTと表される。
【0056】
上述されたように、エッジコンピューティングネットワーク306におけるリソース割り当ての目的は、T(なお、jは保証遅延レベルを表す。)と表される適用可能な遅延制約が、ユーザと、全ての時点でユーザにサービスを提供するデータセンターとの間で満足されることを保証することである。無線アクセスポイントiと遅延レベルjとの各組み合わせは、DAAijと表される遅延保証されたアクセスポイントと呼ばれることがある。なお、iは無線アクセスポイントの識別子である。図3Aにおいて、夫々の遅延保証されたアクセスポイントについて目的を満たすデータセンターはグループ化され、対応するDAAij識別子により標識される。
【0057】
表される例では、無線アクセスポイントWA1(340)及び保証遅延レベルTに対応する、DAA12について目的を満たす唯一のデータセンターは、図3AでDAA12(350)と呼ばれる破線円内に示されている。この場合に、DAA12(WA1,T)={DC4}。すなわち、無線アクセスポイントWA1を通じてアクセス可能であって、保証遅延レベルTを満足する最良のデータセンターは、データセンターDC4(332)である。同様に、無線アクセスポイントWA3(344)及び保証遅延レベルTに対応する、DAA32について目的を満たす唯一のデータセンターは、図3AでDAA32(354)と呼ばれる破線円内に示されている。この場合に、DAA32(WA3,T)={DC5}。すなわち、無線アクセスポイントWA3(344)を通じてアクセス可能であって、保証遅延レベルTを満足する最良のデータセンターは、データセンターDC5(334)である。
【0058】
表される例では、無線アクセスポイントWA2及び保証遅延レベルTに対応する、DAA22について目的を満たすデータセンターは、DAA22(353)と呼ばれる破線円内に示されている。この場合に、DAA22(WA2,T)={DC2,DC5}。すなわち、無線アクセスポイントWA2(342)を通じてアクセス可能であって、保証遅延レベルTを満足する最良のデータセンターは、データセンターDC2(322)及びDC5(334)である。同様に、無線アクセスポイントWA4(346)及び保証遅延レベルTに対応する、DAA42について目的を満たすデータセンターは、DAA42(356)と呼ばれる破線円内に示されている。この場合に、DAA42(WA4,T)={DC1,DC3}。すなわち、無線アクセスポイントWA4(346)を通じてアクセス可能であって、保証遅延レベルTを満足する最良のデータセンターは、データセンターDC1(312)及びDC3(324)である。更に、無線アクセスポイントWA5(348)及び保証遅延レベルTに対応する、DAA52について目的を満たすデータセンターは、DAA52(358)と呼ばれる破線円内に示されている。この場合に、DAA52(WA5,T)={DC3,DC6}。すなわち、無線アクセスポイントWA5(348)を通じてアクセス可能であって、保証遅延レベルTを満足する最良のデータセンターは、データセンターDC3(324)及びDC6(336)である。
【0059】
モバイルユーザと、モバイルユーザに対してストレージ及び/又はコンピューティングサービスを提供するデータセンターとの間の適用可能な保証遅延Tが全ての時点で保証されるようにモバイルユーザにリソースを割り当て、移行コストが最小限にされる方法の例が、少なくともいくつかの実施形態に従って、図4に表されており、以下で記載される。方法は、例えば、方法は、ユーザルートに沿いの様々なリソースのシーケンスに関連したコストを含む補助グラフを構成し、グラフ内でソースノードからあて先ノードまでの最短又は最低コスト経路を見つけることを含んでよい。コストは、1以上のモニタリング要素によって取得された情報に基づき決定されてよく、最低コスト経路に関連したリソースのシーケンスは、モバイルユーザがユーザルートに沿って動く場合にモバイルユーザにリソースを割り当てるよう構成されたリソースオーケストレータへ供給されてよい。
【0060】
図3Bは、一実施形態に従って、システム300及び図3Aのタイムライン308で示された予測ユーザルートについての補助グラフ360を表す。補助グラフ360のような補助グラフを構成する方法の例は、少なくともいくつかの実施形態に従って、図5に表されており、以下で記載される。表される例では、予測ユーザルートの予測時点は、x軸上に示されており、エッジコンピューティングネットワーク306の特定のデータセンターがアクセスされる無線アクセスポイントは、y軸上に示されている。上述されたように、各々の時点で無線アクセスポイントの1以上によってアクセスされるときに保証遅延レベルTを満足するデータセンターのみが補助グラフ360に含まれる。例えば、時間t1で、保証された遅延制約を満たす利用可能なデータセンターは、WA1(340)を通じてアクセス可能なDC4(332)と、WA2(342)を通じてアクセス可能なDC2(322)と、同じくWA2(342)を通じてアクセス可能なDC5(334)とである。時間t2で、保証された遅延制約を満たす利用可能なデータセンターは、WA3(344)を通じてアクセス可能なDC5(334)と、WA4(346)を通じてアクセス可能なDC1(312)と、同じくWA4(346)を通じてアクセス可能なDC3(324)とである。時間t3で、保証された遅延制約を満たす利用可能なデータセンターは、WA5(348)を通じてアクセス可能なDC3(324)と、同じくWA5(348)を通じてアクセス可能なDC6(336)とである。補助グラフ360は、予測ユーザルート上の最初の予測時点である時間t1でアクセス可能なデータセンターノードの夫々へ接続されているソースノード(362)と、予測ユーザルート上の最後の予測時点である時間t3でアクセス可能なデータセンターノードの夫々へ接続されているあて先ノード(364)とを更に含む。
【0061】
表される例では、連続した時点でアクセス可能であるデータセンターの対の間の接続に対してリンク重みが割り当てられる。例えば、リンク重みは、時間t1でアクセス可能である各データセンターノードと、時間t2でアクセス可能である各データセンターノードとの間の各々の接続に割り当てられる。リンク重みはまた、時間t2でアクセス可能である各データセンターノードと、時間t3でアクセス可能である各データセンターノードとの間の各々の接続にも割り当てられる。データセンター間でのユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクの移行の数を最小限にすることを目的とする、表される実施形態では、連続した時点での2つの異なるデータセンター間の各接続は、“1”のリンク重みを割り当てられ、連続した時点でのデータセンターからそれ自身への各接続は、“0”のリンク重みを割り当てられる。例えば、時間t1でのデータセンターDC2(322)と時間t2でのDC5(334)との間の接続に割り当てられるリンク重みは“1”と示され、一方、時間t1でのDC5(334)と時間t2でのDC5(334)との間の接続に割り当てられるリンク重みは“0”と示される。
【0062】
いくつかの実施形態で、連続した時点での2つの異なるデータセンター間の各接続は、ユーザのデータを格納のために1のデータセンターから他へ送ることに関連した時間、帯域幅、若しくは他のリソースにおけるコスト、又はコンピューティングタスクが所与のデータセンターへマイグレーションされ得るようにその所与のデータセンターで特定のアプリケーション若しくはサービス機能をインスタンス化するコストなどの他のタイプの移行コストに基づき、リンク重みを割り当てられてもよい。他の実施形態では、各接続に割り当てられるリンク重みは、リソース割り当ての目的がデータセンターにわたって負荷のバランスをとることである場合などに、2つのノードの絶対又は相対負荷に基づいてよい。更なる他の実施形態では、各接続に割り当てられるリンク重みは、データセンター間の距離、2つのデータセンター間のモニタされる遅延量、又は2つのデータセンター間のネットワークホップの数に基づいてもよい。例えば、エッジコンピューティングネットワーク306では、データセンターDC5(334)及びDC3(324)の間には1つのネットワークホップしか存在せず、一方、データセンターDC5(334)及びDC1(312)の間には2つのネットワークホップが存在する。
【0063】
少なくともいくつかの実施形態で、ソースノード362と時間t1でアクセス可能であるデータセンターノードとの間の各接続に割り当てられる各々のリンク重みは、図3Bに示されるように、ゼロ(0)であってよい。同様に、あて先ノード364と時間t3でアクセス可能であるデータセンターノードとの間の各接続に割り当てられる各々のリンク重みは、ゼロ(0)であってよい。ソースノード362からあて先ノード364の間の各経路のコストは、ソースノード362と時間t1でアクセス可能な所与のデータセンターノードとの間の接続に割り当てられるリンク重み(0)と、時間t1でアクセス可能な所与のデータセンターノードと時間t2でアクセス可能な所与のデータセンターノードとの間の接続に割り当てられるリンク重み(0又は1)と、時間t2でアクセス可能な所与のデータセンターノードと時間t3でアクセス可能な所与のデータセンターノードとの間の接続に割り当てられるリンク重み(0又は1)と、あて先ノード364と時間t3でアクセス可能な所与のデータセンターノードとの間の接続に割り当てられるリンク重み(0)との和として計算されてよい。
【0064】
いくつかの実施形態で、補助グラフにおいて最低コスト経路を決定することは、移行コストなどの第1コストパラメータに従って各経路のコストを計算することと、第1コストパラメータに従って2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、第1コストパラメータに従って同じ最低コストを有している2以上の経路について第2のより小さいコストパラメータを計算及び比較し、第2コストパラメータに従って最低コスト経路を決定することとを含んでよい。
【0065】
図3Bに表されるように、同じ最低コストを有している複数の経路が補助グラフにおいて存在する可能性がある。いくつかの実施形態で、同じ最低コストを有している複数の経路のいずれかが、リソース割り当てが基づくべき最低コスト経路として選択され得る。他の実施形態では、単一のコストパラメータに基づき同じ最低コストを有している経路間のつながりは、1以上の更なるコストパラメータを考慮し、それに応じて、つながれた経路に対するリンク重みを調整することによって、切られてもよい。
【0066】
図3Bに表される例では、総移行コストが1である最低コスト経路366は、順にデータセンターDC5(334)、DC3(324)及びDC3(324)を含む。この経路は、DC5(334)からDC3(324)への単一のネットワークホップ及び単一の移行を必要とする。総移行コストが同じく1である第2の最低コスト経路368は、順にデータセンターDC5(334)、DC5(334)及びDC3(324)を含む。この経路も、異なる時点であることを除いて、DC5(334)からDC3(324)への単一のネットワークホップ及び単一の移行を必要とする。この例では、2つの最低コスト経路は同じデータセンター及び同じデータセンター移行を含むので、本明細書で記載されるコストパラメータの他の1つを用いてつながりが遮断され得ることは起こりそうにない。この場合に、最低コスト経路は、2つの最低コスト経路366及び368からランダムに選択され得る。経路366が選択される場合に、リソースオーケストレータは、時間t1、t2及びt3で夫々無線アクセスポイントWA2(342)、WA4(346)及びWA5(348)を通じてアクセスされるデータセンターDC5(334)、DC3(324)及びDC3(324)のシーケンスをその順序で供給されてよい。反対に、経路368が選択される場合に、リソースオーケストレータは、時間t1、t2及びt3で夫々無線アクセスポイントWA2(342)、WA3(344)及びWA5(348)を通じてアクセスされるデータセンターDC5(334)、DC5(334)及びDC3(324)のシーケンスをその順序で供給されてよい。
【0067】
最低コスト経路が同じ順序で同じノードを含まない実施形態では、データセンター移行の総数に基づき決定された2つの最低コスト経路間のつながりは、最低コスト経路の夫々でのノード間のホップ数、最低コスト経路の夫々でのノード間の遅延、最低コスト経路の夫々でのノードの対に対する絶対若しくは相対負荷、最低コスト経路の夫々でのノード間のデータ伝送に関連した時間、帯域幅若しくは他のリソースにおけるコスト、又は最低コスト経路の夫々での特定のノードにおいて特定のアプリケーション若しくはサービス機能をインスタンス化することのコスト、に基づき切られてもよい。例えば、つながりを切るために、より小さいリンク重み(例えば、0.0001×第2コストパラメータ値)が計算され、最低コスト経路上のノード間の接続に割り当てられている各々のリンク重みに加えられてよい。
【0068】
いくつかの実施形態で、単一のデータセンター移行が複数のネットワークホップに関連付けられることがある点に留意されたい。例えば、図3Aに表されるように、データセンターDC5(334)からデータセンターDC1(312)への移行は、データセンターDC5(334)からデータセンターDC3(324)及びデータセンターDC3(324)からデータセンターDC1(312)の2つのホップを必要とする。しかし、ユーザのデータ及びコンピューティングタスクはデータセンターDC3(324)へ送信されず、そこに格納されず、又はそこでインスタンス化されないので、ユーザのデータ及び又はコンピューティングタスクをデータセンターDC5(334)からデータセンターDC1(312)へマイグレーションするときにこの中間ノードを通過することに関連した移行コストは存在し得ない。従って、時間t1でのデータセンターDC5(334)と時間t2でのデータセンターDC1(312)との間の接続に割り当てられるリンクコストは、2ではなく1であってよい。
【0069】
図4は、一実施形態に従って、予測ルートに沿って移動するモバイルユーザのために、データセンター移行を最小限にし、且つ、ユーザとユーザにサービスを提供するデータセンターとの間の適用可能な保証遅延レベルを満たしながら、リソースを割り当てる方法400の選択された要素を表すフロー図である。様々な実施形態において、図4に表される方法400の動作の少なくともいくつかは、図2A及び2Bに表されるシステム200又は図3A及び3Bに表されるシステム300のような、遅延保証を伴ってモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービスを実装するシステムのモニタリング要素又はリソースオーケストレータによって実行されてよい。方法400で記載される特定の動作は、別の実施形態では任意であっても、繰り返されても、又は再配置されてもよいことが知られる。
【0070】
この実施例において、方法は、402で、最初の時点Tから最後の予測時点Tmaxまでの複数の時点で利用可能なエッジコンピューティングネットワークのための無線アクセスポイントを含む予測されたユーザルートと、保証された遅延制約とを示す入力データを受け取ることを含む。
【0071】
404で、方法は、各無線アクセスポイントについて、もしあれば、無線アクセスポイントを通ってアクセスされるときに前記保証された遅延制約を満足するデータセンターを決定することを含む。
【0072】
406で、方法400は、予測されたユーザルートと、保証された遅延制約を満足すると決定されたデータセンターとに基づき、補助グラフを構成することを含む。補助グラフ内の各経路は、ユーザのデータ及び/又はタスクがマイグレーションされるべき各々のデータセンターのシーケンスと、それらのデータセンターがユーザによってアクセスされるときに通る各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する。
【0073】
408で、方法は、補助グラフにおいて最低コスト経路を決定することを含む。本明細書で詳細に記載されるように、最低コスト経路は、各候補経路における隣接したデータセンターを表す各ノード対間の接続に割り当てられている各々のリンク重みに基づき、決定されてよい。いくつかの実施形態で、夫々のそのような接続に対するリンク重みは、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクの移行がその対の2つのノード間で必要とされるか否かに基づいてよい。そのような実施形態で、最低コスト経路は、必要とされる移行の数が最も少ない経路であってよい。他の実施形態では、夫々のそのような接続に対するリンク重みは、ユーザのデータを格納のために1のデータセンターから他へ送ることに関連した時間、帯域幅、若しくは他のリソースにおけるコスト、又はコンピューティングタスクが所与のデータセンターへマイグレーションされ得るようにその所与のデータセンターで特定のアプリケーション若しくはサービス機能をインスタンス化するコストなどの他のタイプの移行コストに基づいてもよい。そのような実施形態で、最低コスト経路は、全てのデータセンター移行の総コストが最低である経路であってよい。更なる他の実施形態では、各接続に対するリンク重みは、ノード対の2つのノード間の距離、2つのノード間のモニタされる遅延量、又は2つのノード間のネットワークホップの数に基づいてもよい。そのような実施形態で、最低コスト経路は、経路上のノード間の最短の総距離、最小の総遅延、又は最少の総ネットワークホップ数として計算され得る最短経路であってよい。いくつかの実施形態で、他のコストパラメータが、本明細書で記載されているものの代わりに、又はそれらに加えて、最低コスト経路を決定するために使用されてもよい。
【0074】
上述されたように、補助グラフにおいて最低コスト経路を決定することは、0又は1の移行コストなどの第1コストパラメータに従って各経路のコストを計算することと、第1コストパラメータに従って2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、第1コストパラメータに従って同じ最低コストを有している2以上の経路の夫々について第2コストパラメータを計算及び比較し、第2コストパラメータに従って最低コスト経路を決定することとを含んでよい。一例において、移行コストのみが考慮される場合に最低コスト経路を有している2つの経路の間のつながりを切るために、(0.0001×第2コストパラメータ値)の追加のより小さいリンク重みが、移行コストのみに従って同じ最低コストを有している経路上の連続したノード間の接続の夫々に割り当てられてよい。第2コストパラメータ値は、例えば、2つのノードの間のネットワークホップの数、又は2つのノードの間のモニタされた遅延量を表してよい。第2コストパラメータに従って最低コストを有している経路が、補助グラフ内の最低コスト経路として選択されてよい。
【0075】
410で、方法400は、補助グラフ内の最低コスト経路によって定義されるデータセンターのシーケンス及び対応する無線アクセスポイントのシーケンスを、リソース割り当て動作への入力として、ネットワークのリソースオーケストレータへ供給することを含む。
【0076】
412で、方法は、リソースオーケストレータが、データセンターのシーケンス及び対応する無線アクセスポイントのシーケンスに従ってユーザのデータ及び/又はタスクのためにリソースを割り当てることを含む。例えば、ユーザが予測ルートに沿って移動する場合に、リソースオーケストレータは、異なる時点で、順にそれらの時点のために最低コスト経路によって定義されている無線アクセスポイント及びデータセンターでリソースを割り当ててよい。
【0077】
図5は、いくつかの実施形態に従って、図3Bに表される補助グラフ360のような補助グラフを構成する方法500の選択された要素を表すフロー図である。様々な実施形態において、図5に表される方法500の動作の少なくともいくつかは、図2A及び2Bに表されるシステム200又は図3A及び3Bに表されるシステム300のような、遅延保証を伴ってモニタリングに基づくエッジコンピューティングサービスを実装するシステムのモニタリング要素又はリソースオーケストレータによって実行されてよい。方法500で記載される特定の動作は、別の実施形態では任意であっても、繰り返されても、又は再配置されてもよいことが知られる。
【0078】
502で、方法500は、2つの時点の間で予測ユーザルートの補助グラフを構築し始めることを含む。いくつかの実施形態で、補助グラフは、エンド・ツー・エンドの予測が利用可能であってもなくてもよいユーザルートの予測された部分を表す予測ユーザルートについて構成されてよい。
【0079】
504で、方法は、所与の時点Tで、時間Tでアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについて補助グラフ内のノードを生成することを含む。いくつかの実施形態で、補助グラフ内のノードを生成することは、そのノードの属性を定義するノードクラスのインスタンスをインスタンス化することを含んでよい。1つのデータセンター/無線アクセスポイント対を表すノードについてのクラス定義の例が、以下で示される:

Class Node{
datacenterNumber:{q}
assuredDelayLevel:{j}
belongsTo:{WAi}
time:{Tp}

【0080】
表される例では、qは、データセンターが補助グラフ内で表される識別子(例えば、番号)であり、jは、データセンター/無線アクセスポイント対によって満足される保証遅延レベルであり、iは、データセンターが時間Tでアクセスされるときに通る無線アクセスポイントの識別子(例えば、番号)である。
【0081】
506で、予測ユーザルート上で更なる予測時点がある場合には、方法500は504に戻り、夫々の更なる予測時点で利用可能なデータセンター/無線アクセスポイント対について、更なるノードが生成される。予測ユーザルート上に更なる予測時点がない場合、又はその時点で、方法500は508に続く。
【0082】
508で、方法は、連続した時点T及びTp+1でアクセス可能なデータセンターを表す所与のノード対について、その所与のノード対の2つのノードの間の接続に対してリンク重みを割り当てることを含む。上述されたように、いくつかの実施形態で、ユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクの移行が所与の対の2つのノードの間で必要とされるか否かに基づいて、1又は0のリンク重みが割り当てられてよい。他の実施形態では、各接続に割り当てられるリンク重みは、物理ネットワーク上のノードによって表される2つのデータセンターの間の距離、2つのノード/データセンターの間のモニタされた遅延量、2つのノードの間のネットワークホップ数、又は2以上のコストパラメータの任意の組み合わせに基づいてもよい。
【0083】
510で、連続した時点T及びTp+1でアクセス可能なデータセンターを表す更なるノード対が補助グラフに存在する場合には、方法500は508に戻り、夫々の更なるノード対に対してリンク重みが割り当てられる。
【0084】
連続した時点T及びTp+1でアクセス可能なデータセンターを表す更なるノード対が補助グラフにない場合、又はその時点で、方法500は512に続く。
【0085】
512で、方法は、予測ユーザルートの最初の予測時点Tでアクセス可能なデータセンターを表す全てのノードへ接続されている時点Tでのソースノードを生成することを含む。ゼロ(0)のリンク重みが、ソースノードと、最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表すノードの夫々との間の各々の接続に割り当てられてよい。
【0086】
514で、方法は、予測ユーザルートの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全てのノードへ接続されるあて先ノードを生成することを含む。ゼロ(0)のリンク重みが、あて先ノードと、最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表すノードの夫々との間の各々の接続に割り当てられてよい。
【0087】
いくつかの実施形態で、割り当てられるべきリソースをユーザに代わって前もって決めるために十分な精度で非常に長いユーザルートを予測することは困難であり得る。そのような実施形態で、本明細書で記載されるようにリソースが割り当てられる予測されたユーザルートは、エッジコンピューティングネットワークの1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である1以上の更なる別々に予測された部分を含む延長ユーザルートの第1部分を表してよい。いくつかのそのような実施形態で、所与のユーザのために、彼らが延長ルートの第1部分に沿って移動するときにリソースを割り当てる、本明細書で記載される方法は、所与のユーザのために、彼らが延長ルートの各追加部分に沿って移動するときにリソースを割り当てるように、繰り返されてよい。例えば、延長されたユーザルートが第1部分及び第2部分を含む実施形態において、図4に表される方法400は、夫々の更なる無線アクセスポイントについて、その更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに保証遅延制約が満足されるエッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、延長されたユーザルートの第2部分と、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、その更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに保証遅延制約が満足されるエッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターの決定とに応じて、補助グラフを更新することとを更に含んでよい。補助グラフを更新することは、更なる時点の夫々で1以上の追加ノードを加え、更なるデータセンターのシーケンスと、その更なるデータセンターのシーケンス内の各データセンターがアクセスされるときに通る更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスとを夫々が定義する1以上の追加経路を加えることを含んでよい。方法はまた、補助グラフにおける追加経路から最低コスト経路を決定することと、追加経路の中の最低コスト経路によって定義される更なるデータセンターのシーケンス及び更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスをリソースオーケストレータへ供給することと、リソースオーケストレータによって、リソースオーケストレータへの追加経路の中の最低コスト経路によって定義される更なるデータセンターのシーケンス及び更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスに従って、延長されたユーザルートの第2部分上で所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることとを含んでよい。
【0088】
本明細書で記載されるようにリソースが割り当てられる予測されたユーザルートにおいて、エッジコンピューティングネットワーク内の1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である未だ知られていない1以上の更なる部分が含まれるところの他の実施形態で、図4に表される方法400の動作の一部又は全ては、延長ルートに沿ったユーザの移動が更なる時点について予測される場合に、繰り返されてよい。例えば、方法400は、所与のユーザが延長ユーザルートに沿って移動する間、夫々の更なる無線アクセスポイントについて、その更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに保証遅延制約が満足されるエッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、その更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに保証遅延制約が満足されるエッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターの決定とに応じて、補助グラフを動的に更新することとを更に含んでよい。この場合に、補助グラフを更新することは、最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンスの延長及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように、最低コスト経路を延長することを含んでよく、方法はまた、延長されたデータセンターのシーケンス及び延長された無線アクセスポイントのシーケンスをリソースオーケストレータへ供給することと、リソースオーケストレータによって、延長されたデータセンターのシーケンス及び延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、延長ユーザルート上で所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることとを含んでよい。
【0089】
これより図6を参照すると、少なくともいくつかの実施形態に従って、例となるネットワーク要素600の選択された要素のブロック図が表されている。図6において、ネットワーク要素600は、エッジコンピューティングネットワーク内のネットワーク要素のいずれかを実装する物理及び論理コンポーネントを含むコンピュータシステムとして表される。様々な実施形態において、ネットワーク要素600と同様のネットワーク要素は、図1に表されるネットワーク要素112、本明細書で記載されるリソースオーケストレータ(例えば、図1に表されるリソースオーケストレータ108、図2A及び2Bに表されるオーケストレーション要素202、又は図3A及び3Bに表されるオーケストレーション要素)のいずれか、本明細書で記載されるモニタリング要素(例えば、図2A及び2Bに表されるモニタリング要素204、又は図3A及び3Bに表されるモニタリング要素304)のいずれか、又は本明細書で記載されるネットワークコントローラ(例えば、ネットワーク又はマルチドメインネットワークにおける特定のドメインのためのSDNコントローラ)、のうちのいずれかを実装してよい。なお、それらのネットワーク要素のうちのいくつかは、いくつかの実施形態では、図6に表されるコンポーネントの全てを含まなくてもよい。他の実施形態では、本明細書で記載されるネットワーク要素のいずれかは、図6に表される実施例に含まれているものと比べて多い、少ない、又は異なったコンポーネントを含んでもよい。
【0090】
この例で表されるように、ネットワーク要素600は、従って、1以上のプロセッサ601、メモリ610、1以上のサービス機能650、及びネットワークインターフェイス620を含んでよい。種々の実施形態において、プロセッサ601は、1以上の個別的な処理ユニットを表してよく、本明細書で記載されるネットワーク要素のいずれかの機能を実装するように、プログラム命令を実行し、データを解釈し、メモリ610又はネットワーク要素600内の他の要素によって記憶されているデータを処理してよい。この実施例で、各サービス機能650は、ネットワークサービス、ストレージ機能、及び/又はコンピューティングタスクを含む画これらに限られない様々な機能のいずれかをユーザに代わって実施する回路構成、ロジック、及び/又はプログラム命令を表してよい。
【0091】
図6において、メモリ610は、プロセッサ601へ通信上結合されてよく、プログラム命令及びデータを一定期間保持するのに適したシステム、デバイス又は装置(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体)を有してよい。メモリ610は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能なプログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、PCMCIAカード、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、コンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクアレイ、ディスクアレイコントローラ、及び/又は揮発性若しくは不揮発性メモリの任意の適切な選択若しくはアレイなどの様々なタイプのコンポーネント及びデバイスを含んでよい。不揮発性メモリは、電源がオフされた後にデータを保持するメモリを指す。メモリ610は、様々な実施形態において、様々な数の物理記憶デバイスを含んでよいことが知られる。
【0092】
図6に示されるように、メモリ610は、リソースオーケストレーション要素630及び/又はモニタリング要素635の機能を実装する命令を含んでよい。リソースオーケストレーション要素630及びモニタリング要素635は、本開示で記載される機能の中でもとりわけ、種々の実施形態において、図4に表される方法400又は図5に表される方法500の動作のいずれか又は全てを個別的に又は集合的に実行してよい。メモリ610はまた、情報ストレージ640を含んでよい。情報ストレージ640は、観測若しくは予測されたユーザルートを表すデータ、モニタされた遅延データ、モニタされたネットワークトポロジデータ、データセンターを表すノードと、ノード間の接続に割り当てられたリンク重みとを含む補助グラフを表すデータ、1以上の保証された遅延レベルを表すデータ、補助グラフ内の複数の経路の夫々に関連した各々のコストを示すデータ、補助グラフ内の最低コスト経路を特定するデータ、データセンターのシーケンスと、モバイルユーザが異なる時点でデータセンターのシーケンス内のシーケンスにアクセスすることができるようにする無線アクセスポイントの対応するシーケンスとを定義するデータ、又は本明細書で記載される機能若しくはネットワーク要素600の何らかの他の機能を実装するために使用される何らかのデフォルトの若しくは設定可能なパラメータの値を含むがこれらに限られない、リソースオーケストレーション要素630及び/又はモニタリング要素635によって使用可能な情報を記憶してよい。
【0093】
少なくともいくつかの実施形態で、本明細書で記載されるシステム及び方法は、ユーザモビリティに基づくVM移行のためにリソース割り当てを決定する場合に、複数の無線アクセスポイントの利用可能性、及びユーザとユーザにストレージ及びコンピューティングサービスを提供するエッジノードとの間の保証された遅延制約を含む、5Gエッジコンピューティングで適用される独自の条件を考慮し得る。少なくともいくつかの実施形態で、本明細書で記載されるシステム及び方法は、予測されたユーザルート及び保証された遅延制約を使用して補助グラフを構成し、補助グラフから、エッジコンピューティングノード間のマイグレーションシーケンスと、モバイルユーザがマイグレーションシーケンス内のエッジコンピューティングノードにアクセスすることができるようにする無線アクセスポイントの対応するシーケンスとが、計算され出力される。いくつかの実施形態で、本明細書で記載される技術は、“フォローミー”サービスを提供するエッジコンピューティングシステム内のエッジコンピューティングノード間でユーザのデータ及び/又はコンピューティングタスクをマイグレーションするコストを削減するために使用されてよい。いくつかの実施形態で、本明細書で記載されるリソース割り当て技術は、更なる技術的利点を提供し得る。例えば、それらは、5Gエッジコンピューティングネットワークが、インターネット・オブ・シングス(IoT)プラットフォーム、自動運転車両、及びサービス指向のスライシングなどのアプリケーションのためのミッションクリティカルな、遅延に敏感なサービスをサポートすることを可能にし得る。
【0094】
様々な実施形態において、本明細書で記載されるシステム及び方法は、いくつかの実施形態では、アクセス、メトロ、コア及びデータセンターネットワークをカバーする富士通ネットワークコミュニケーションズの1Finityプラットフォームで実装されるリソースを割り当て、協調させ、及び/又は制御するために使用されてもよい。一般に、本開示の少なくともいくつかの実施形態で、本明細書で記載される技術は、大規模、マルチドメイン、マルチレイヤネットワーク問題がサービス機能、仮想マシン、データセンター、スイッチングシステム、及びインターネット・オブ・シングスに及ぶシステムに適用されてよい。
【0095】
本明細書の主題が1以上の実施例に関連して記載されてきたが、それは、いずれの請求項も、説明されている特定の形態に制限するものではない。それどころか、本開示を対象とするいずれの請求項も、その趣旨及び適用範囲の中に含まれ得るかような代替、変更、及び均等をカバーするよう意図される。
【0096】
上記の実施形態に加えて、以下の付記を開示する。
(付記1)
エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てる方法であって、
予測されたユーザルート及び保証された遅延制約を示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能なエッジコンピューティングネットワークのための複数の無線アクセスポイントを特定する、前記受け取ることと、
前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントについての、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することであり、前記データセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する、前記構成することと、
前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、
前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記エッジコンピューティングネットワークのためのリソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てることと
を有する前記方法。
(付記2)
前記補助グラフを構成することは、
前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることと
を有し、
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存する、
付記1に記載の方法。
(付記3)
前記補助グラフを構成することは、
前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することと
を更に有し、
前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義する、
付記2に記載の方法。
(付記4)
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト又は前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコストに依存する、
付記2に記載の方法。
(付記5)
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記各々のリンク重みを割り当てることは、前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存する、
付記2に記載の方法。
(付記6)
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、
第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、
前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することと
を有する、
付記2に記載の方法。
(付記7)
前記予測されたユーザルートは、前記所与のユーザに特有である、
付記1に記載の方法。
(付記8)
前記複数の無線アクセスポイントの夫々について、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することは、
データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、
データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることと
を有する、
付記1に記載の方法。
(付記9)
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である第2部分を含む延長ユーザルートの第1部分を表し、
当該方法は、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記延長ユーザルートの前記第2部分と、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを更新することであり、該更新することは、前記更なる時点の夫々で1以上の追加ノードを加え、更なるデータセンターのシーケンスと、該更なるデータセンターのシーケンス内の各データセンターがアクセスされる前記更なる無線アクセスポイントの更なるシーケンスとを夫々が定義する1以上の追加経路を加えることを含む、前記更新することと、
前記補助グラフにおける前記追加経路から最低コスト経路を決定することと、
前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、該リソースオーケストレータへの前記追加経路の中の前記最低コスト経路によって定義される前記更なるデータセンターのシーケンス及び前記更なる無線アクセスポイントの前記更なるシーケンスに従って、前記延長ユーザルートの前記第2部分上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることと
を更に含む、
付記1に記載の方法。
(付記10)
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表し、
当該方法は、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、
前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することであり、該更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含む、前記更新することと、
前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと、
前記リソースオーケストレータによって、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てることと
を更に含む、
付記1に記載の方法。
(付記11)
エッジコンピューティングノードの間でリソースを割り当てるシステムであって、
複数のデータセンターを含むエッジコンピューティングネットワークと、
ユーザに代わって前記複数のデータセンターのサブセットにアクセスするよう夫々構成される複数の無線アクセスポイントと、
リソースオーケストレータと、
第1プロセッサを有するモニタリングサブシステムと
を有し、
前記第1プロセッサは、
保証された遅延制約に関連した予測されたユーザルートを示す入力データを受け取ることであり、該入力データは、複数の時点の夫々で前記予測されたユーザルートに沿って利用可能な前記複数の無線アクセスポイントのサブセットを特定する、前記受け取ることと、
前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定することと、
前記予測されたユーザルートと、各無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して補助グラフを構成することであり、各無線アクセスポイントによってアクセス可能な前記データセンターのサブセットの中の前記1以上のデータセンターの夫々は、前記補助グラフにおいて少なくとも1つのノードによって表され、前記補助グラフにおける複数の経路の夫々は、各々のデータセンターのシーケンスと、該データセンターのシーケンス内のデータセンターの夫々がアクセスされる各々の無線アクセスポイントのシーケンスとを定義する、前記構成することと、
前記補助グラフにおける前記複数の経路から最低コスト経路を決定することと、
前記補助グラフにおける前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと
を実行するように、前記第1プロセッサによって実行可能な第1命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有し、
前記リソースオーケストレータは、第2プロセッサを有し、該第2プロセッサは、前記最低コスト経路によって定義される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記予測されたユーザルート上で所与のユーザのためのリソースを割り当てるように、前記第2プロセッサによって実行可能な第2命令を記憶しているメモリ媒体へのアクセスを有する、
前記システム。
(付記12)
前記複数のデータセンターは、
エッジコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、
前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザに近い、フォグコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと、
前記エッジコンピューティングレイヤにある前記1以上のデータセンターに比べて、前記複数の無線アクセスポイントが前記複数のデータセンターの前記サブセットに代わりにアクセスする前記ユーザから遠い、クラウドコンピューティングレイヤにある1以上のデータセンターと
を含む、
付記11に記載のシステム。
(付記13)
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記予測されたユーザルートのための前記保証された遅延制約を決定させるように、更に実行可能である、
付記11に記載のシステム。
(付記14)
前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
前記複数の時点の夫々について、当該時点でアクセス可能な各無線アクセスポイントに関連した各データセンターについての前記補助グラフ内のノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記補助グラフ内の当該ノード対の2つのノードの間の接続に対して各々のリンク重みを割り当てることと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定することは、前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対の2つのノードの間の前記接続に割り当てられた前記各々のリンク重みに依存する、
付記11に記載のシステム。
(付記15)
前記補助グラフを構成するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
前記複数の時点のうちの最初の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるソースノードを生成することと、
前記複数の時点のうちの最後の予測時点でアクセス可能なデータセンターを表す全ノードへ接続されるあて先ノードを生成することと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記補助グラフ内の前記複数の経路の夫々は、当該経路内のソースノードからあて先ノードの間のノードによって表される各々のデータセンターのシーケンス及び各々の無線アクセスポイントのシーケンスを定義する、
付記14に記載のシステム。
(付記16)
前記複数の時点のうちの連続した時点でアクセス可能なデータセンターを表す前記補助グラフ内の各ノード対について、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記ノード対の2つのノードの間でデータをマイグレーションするコスト、前記ノード対の2つのノードの間で計算タスクをマイグレーションするコスト、又は前記ノード対の2つのノードの間のホップ数に依存して、前記各々のリンク重みを割り当てさせるように、更に実行可能である、
付記14に記載のシステム。
(付記17)
前記補助グラフにおいて前記最低コスト経路を決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
第1コストパラメータに従って、2以上の経路が同じ最低コストを有していると決定することと、
前記2以上の経路の第2コストパラメータを比較して、前記最低コスト経路を決定することと
を実行させるように、更に実行可能である、
付記14に記載のシステム。
(付記18)
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザに関連したデータをモニタすることに依存して前記予測されたユーザルートを決定させるように、更に実行可能である、
付記11に記載のシステム。
(付記19)
前記無線アクセスポイントのサブセット内の各無線アクセスポイントについて、当該無線アクセスポイントによってアクセス可能であって、当該無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記データセンターのサブセット内の1以上のデータセンターを決定するために、前記第1命令は、前記第1プロセッサに、
データセンターの対の間の遅延量をモニタすることと、
データセンターと該データセンターがアクセスされる無線アクセスポイントとの間の遅延量をモニタすることと
を実行させるように、更に実行可能である、
付記11に記載のシステム。
(付記20)
前記予測されたユーザルートは、前記エッジコンピューティングネットワークのための1以上の更なる無線アクセスポイントが1以上の更なる時点で利用可能である延長ユーザルートの部分を表し、
前記第1命令は、前記第1プロセッサに、前記所与のユーザが前記延長ユーザルートに沿って移動する間、
夫々の更なる無線アクセスポイントについて、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の1以上のデータセンターを動的に決定することと、
前記延長ユーザルートと、夫々の更なる無線アクセスポイントについての、当該更なる無線アクセスポイントを通ってデータセンターがアクセスされるときに前記保証された遅延制約が満足される前記エッジコンピューティングネットワーク内の前記1以上のデータセンターの決定とに依存して前記補助グラフを動的に更新することであり、該更新することは、前記最低コスト経路によって定義される前記各々のデータセンターのシーケンスの延長及び前記各々の無線アクセスポイントのシーケンスの延長を含むように前記最低コスト経路を延長することを含む、前記更新することと、
前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスを前記リソースオーケストレータへ供給することと
を実行させるように、更に実行可能であり、
前記第2命令は、前記第2プロセッサに、前記延長されたデータセンターのシーケンス及び前記延長された無線アクセスポイントのシーケンスに従って、前記延長ユーザルート上で前記所与のユーザのための更なるリソースを割り当てさせるように、更に実行可能である、
付記11に記載のシステム。
【符号の説明】
【0097】
100 ネットワークドメイン
108 リソースオーケストレータ
110 物理ネットワーク
112,600 ネットワーク要素
200,300 システム
202,302,630 オーケストレーション要素
204,304,635 モニタリング要素
206,306 エッジコンピューティングネットワーク
210 コアクラウドコンピューティングレイヤ
212,222,224,312,322,324,232~236、332~336 データセンター(DC)
220 モバイルエッジコンピューティングレイヤ
230 フォグコンピューティングレイヤ
240~248,340~348 無線アクセスポイント(WA)
360 補助グラフ
362 ソースノード(SRC)
364 あて先ノード(DST)
366,368 最低コスト経路
601 プロセッサ
610 メモリ
620 ネットワークインターフェイス
650 サービス機能
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6