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特許7413852門型昇降装置及び門型昇降装置の方向転換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】門型昇降装置及び門型昇降装置の方向転換方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 7/12 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B66C7/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020041246
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021143027
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】光永 有
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 剛
(72)【発明者】
【氏名】荒川 真
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-081093(JP,U)
【文献】特開2007-008688(JP,A)
【文献】実開昭57-011191(JP,U)
【文献】実開昭48-025466(JP,U)
【文献】実開昭59-058679(JP,U)
【文献】実開昭60-003165(JP,U)
【文献】特開2014-015175(JP,A)
【文献】実開昭60-143076(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 5/00- 7/16
B66C 19/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降対象物を吊り下げる水平部と、前記水平部を支持する一対の支持部と、前記支持部のそれぞれの下端部に固定されたベース部と、前記ベース部に離間して取り付けられた複数のキャスタとを備えた門型昇降装置であって、
前記複数のキャスタの間で前記ベース部に取り付けられて、前記キャスタを着地面から浮かすために垂直方向に伸長可能な昇降部材と、
前記昇降部材の下部に設けられ、前記着地面に対して回動可能な旋回部材とを備えたことを特徴とする門型昇降装置。
【請求項2】
前記キャスタは、前記ベース部の延在方向に直進する固定車の車輪を備えることを特徴とする請求項1に記載の門型昇降装置。
【請求項3】
前記昇降部材は、前記水平部の直下又は重心位置の直下に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の門型昇降装置。
【請求項4】
昇降対象物を吊り下げる水平部と、前記水平部を支持する一対の支持部と、前記支持部のそれぞれの下端部に固定されたベース部と、前記ベース部に取り付けられた複数のキャスタとを備えた門型昇降装置の方向転換方法であって、
前記複数のキャスタの間で前記ベース部に取り付けられた昇降部材を、垂直方向に伸長させることにより、前記キャスタを着地面から浮かせた状態で旋回させることを特徴とする門型昇降装置の方向転換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、門型クレーンや門型リフター等の門型昇降装置及び門型昇降装置の方向転換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場において、重量物の昇降や移動を行なうために、車輪を備えた門型クレーンが用いられている。門型クレーンでは重量が大きいので、支持部に対して水平面で自由に旋回可能なキャスタを用いると、各キャスタの車輪の向きによっては、円滑な走行が困難になる。このため、旋回を制限した固定車のキャスタが用いられることが多い(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の門型クレーンでは、異なる第1の走行方向及び第2の走行方向でそれぞれ走行させるための第1の車輪及び第2の車輪を備え、片方を浮かせてもう片方の車輪で走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-142646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベース部に固定されたキャスタを備えた門型クレーンにおいて、方向転換を行なうためには、左右のキャスタの走行距離を変える必要がある。この場合、門型クレーンの重量が重いため、所望の方向に方向転換を行なうことが難しい。
【0005】
また、図9に示すように、ベース部86,87に固定されたキャスタの取付角度を所定の角度(例えば45度等)に変更させて、その場で旋回させる門型クレーン80もある。この門型クレーン80は、巻上機85を移動可能にガーダ84を取り付け、このガーダ84を支持する支持部81,82の下端部にベース部86,87が設けられている。この場合、門型クレーン80の重量が重いため、ベース部86,87のキャスタW5,W6の車輪を油圧ジャッキ等で持ち上げて、車輪の取り付け向きを変更する。従って、方向転換を行なうために、複数の車輪を持ち上げる場合には、持ち上げるための機構が大掛かりとなり、また、1つずつ車輪を持ち上げる場合には、手間及び時間が掛かっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための門型昇降装置は、昇降対象物を吊り下げる水平部と、前記水平部を支持する一対の支持部と、前記支持部のそれぞれの下端部に固定されたベース部と、前記ベース部に離間して取り付けられた複数のキャスタとを備えた門型昇降装置であって、前記複数のキャスタの間で前記ベース部に取り付けられて、前記キャスタを着地面から浮かすために垂直方向に伸長可能な昇降部材と、前記昇降部材の下部に設けられ、前記着地面に対して回動可能な旋回部材とを備える。
【0007】
また、上記課題を解決するための門型昇降装置の方向転換方法は、昇降対象物を吊り下げる水平部と、前記水平部を支持する一対の支持部と、前記支持部のそれぞれの下端部に固定されたベース部と、前記ベース部に取り付けられた複数のキャスタとを備えた門型昇降装置の方向転換方法であって、前記複数のキャスタの間で前記ベース部に取り付けられた昇降部材を、垂直方向に伸長させることにより、前記キャスタを着地面から浮かせた状態で旋回させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構成で、方向転換を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における門型クレーンの斜視図。
図2】実施形態における門型クレーンの左側面図。
図3】実施形態における旋回部材の構成を説明する分解斜視図であって、(a)はボールを用いた旋回部材、(b)は円筒コロを用いた旋回部材。
図4】実施形態における門型クレーンの旋回時の正面図。
図5】実施形態における門型クレーンの旋回時の上面図。
図6】第1変更例における門型リフターの斜視図。
図7】第2変更例における門型クレーンの旋回時の上面図。
図8】第3変更例における門型クレーンの旋回時の正面図。
図9】従来技術におけるキャスタの取付方向を変更した門型クレーンの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図5を用いて、門型昇降装置及び門型昇降装置の方向転換方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、門型昇降装置としての門型クレーンについて説明する。
【0011】
図1に示すように、門型クレーン10は、正面から見ると門型形状を有し、1対の支持部11,12と、支持部11,12の上端部に固定されたガーダ14とを備える。ガーダ14は、水平部として機能し、I字型鋼によって構成されている。ガーダ14には、巻上機15が、ガーダ14の延在方向に移動可能に設けられている。巻上機15は、チェーンブロック等であって、昇降対象物を吊り上げる。
【0012】
本実施形態の支持部11,12は、同じ形状を有し、2本の傾斜部と、これらを水平方向に連結する複数の連結部材とを有する。
図2に示すように、支持部11(12)は、中心線C1に対して左右対称の形状を有している。そして、支持部11(12)の下端部には、板形状のベース部16(17)がそれぞれ固定されている。ベース部16(17)の下面には、複数(2つ)のキャスタW1(W2)が取り付けられる。各キャスタW1(W2)は、中心線C1から等距離の位置に固定されている。本実施形態のキャスタW1(W2)は、固定車であって、取付座と、これに固定された車軸に回転可能に取り付けられた車輪とを備える。各キャスタW1,W2の車輪は、ベース部16(17)の長手方向を走行方向D1に回転する。
【0013】
更に、各ベース部16(17)の中央部には、方向転換用部材としての昇降機構20が固定されている。本実施形態では、昇降機構20は、ガーダ14の真下であって、各ベース部16,17の中心線C1上に取り付けられている。この昇降機構20は、昇降部材としてのジャッキ21と、ジャッキ21の下面に設けた旋回部材22とを備える。
【0014】
ジャッキ21として、例えば、ラムを下方(垂直方向)に伸長可能な油圧ジャッキを用いることができる。ジャッキ21のラムの下端部には、旋回部材22が固定されている。ジャッキ21のラムを伸長させることにより、旋回部材22を着地させ、更に伸長させることにより、昇降機構20が固定されているベース部16(17)のキャスタW1(W2)の車輪を着地面から浮かせることができる。
【0015】
旋回部材22は、門型クレーン10を支持し、着地面に対して門型クレーン10を円滑に回動させる滑り機構を有する。
図3(a),(b)には、それぞれ旋回部材22の一例を、内部構造を明示するために分解斜視図で示す。
【0016】
図3(a)に示す旋回部材22は、スラストボールベアリング機構を備えており、固定軌道盤25aと、回転軌道盤27aと、これら軌道盤(25a,27a)の間に配置された保持器26aと、保持器26aの間に、回動可能に複数設けられた転動体28aとを備える。この旋回部材22は、転動体28aとして、ボールを用いる。固定軌道盤25aは、ジャッキ21のラムに固定され、回転軌道盤27aは、ジャッキ21のラムが伸長した場合に地面に着地される。そして、回転軌道盤27aは、固定軌道盤25aに対して相対的に回動する。
【0017】
また、図3(b)に示す旋回部材22は、スラストローラーベアリング機構を備えており、固定軌道盤25bと、回転軌道盤27bと、これら軌道盤(25b,27b)の間に配置された保持器26bと、保持器26bの間に、回動可能に複数設けられた転動体28bとを備える。この旋回部材22は、転動体28bとして、円筒形状のローラを用いる。固定軌道盤25bは、ジャッキ21のラムに固定され、回転軌道盤27bは、ジャッキ21のラムが伸長した場合に地面に着地される。そして、回転軌道盤27bは、固定軌道盤25bに対して相対的に回動する。
【0018】
(門型クレーン10の方向転換方法)
次に、図4及び図5を用いて、上述した門型クレーン10の方向転換方法について説明する。ここでは、支持部11のキャスタW1の車輪を浮かして方向転換を行なう場合について説明する。
【0019】
方向転換を行なう前には、門型クレーン10において、キャスタW1,W2の車輪が着地しており、昇降機構20は着地していない。
そして、方向転換を行なう場合には、門型クレーン10のベース部16に固定されている昇降機構20のジャッキ21のラムを伸長させる。
これにより、図4に示すように、昇降機構20の旋回部材22が着地し、ベース部16のキャスタW1の車輪を浮かせる。
【0020】
この場合、反対側のベース部17のキャスタW2の車輪は着地している。
そして、図5に示すように、ベース部17を移動させると、ベース部16の昇降機構20を中心点S1とする円弧方向R1に、門型クレーン10を旋回させて、門型クレーン10を方向転換させる。なお、この場合、ガーダ14が長いため、キャスタW1の車輪において本来の走行方向D1と円弧方向R1との間の角度ズレは、車輪の半径方向の滑りで対応できる。
【0021】
(作用)
門型クレーン10の昇降機構20によって、一方のベース部16のキャスタW1の車輪を浮かせる。そして、昇降機構20を支点として、他方のベース部17のキャスタW2の車輪を着地させた状態にして、門型クレーン10を旋回させることができる。
【0022】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、門型クレーン10のベース部16,17の下面に固定したキャスタW1,W2の間に昇降機構20を取り付ける。一方のベース部16(17)の昇降機構20のジャッキ21のラムを垂直方向に伸長させて、このベース部16(17)のキャスタW1,W2の車輪を浮かせて門型クレーン10を旋回させる。これにより、重量のある門型クレーン10の方向転換を効率的に行なうことができる。
【0023】
(2)本実施形態では、昇降機構20は、ガーダ14の直下であって、支持部11,12の中心線C1上の位置に設けられる。これにより、ベース部16(17)側のキャスタW1(W2)の車輪を安定して浮かせることができる。
【0024】
(3)本実施形態では、昇降機構20は、ジャッキ21の下面に旋回部材22を備える。これにより、門型クレーン10の旋回を円滑に行なうことができる。
(4)本実施形態では、門型クレーン10のベース部16,17には、ベース部16,17の長手方向を走行方向D1とするように、キャスタW1,W2が固定されている。これにより、キャスタW1,W2の車輪がベース部16,17に対して自由に旋回しない構成であっても、門型クレーン10の方向転換を円滑に行なうことができる。
【0025】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、巻上機15が設けられたガーダ14を備える門型クレーン10に適用した。門型の昇降装置であれば、門型クレーンに限定されず、例えば、門型リフターであってもよい。
【0026】
例えば、図6に示すように、門型リフター30は、正面から見ると門型形状を有し、1対の支持部31,32と、支持部31,32の上端部に固定された水平部としてのビーム34とを備える。ビーム34は、離間した2つのハンガ35を備える。ハンガ35には、チェーン等を用いて昇降対象物が吊り下げられる。
【0027】
支持部31,32は、油圧により上方に伸縮するジャッキであり、伸長することにより昇降対象物を上昇させ、縮小することにより昇降対象物を降下させる。支持部31,32の下端部には、板形状のベース部36,37の中央部が固定されている。ベース部36,37には、長手方向を走行方向D1とするキャスタW1,W2が固定されている。そして、ベース部36,37には、キャスタW1,W2の間で、支持部31,32の直下に、昇降機構20が設けられている。
【0028】
このような構成の門型リフター30においても、上述した門型クレーン10と同様に、ベース部36,37の一方の昇降機構20を駆動して、キャスタW1,W2の車輪の一方を浮かし、他方のキャスタW1,W2の車輪を着地した状態で、門型リフター30を動かす。これにより、門型リフター30の方向転換を効率的に行なうことができる。
【0029】
・上記実施形態では、昇降機構20を、門型クレーン10のガーダ14の直下に配置した。昇降機構20の位置は、水平部の直下に限られず、安定して旋回可能な位置であればよい。例えば、門型クレーン10全体の重心位置に対応するベース部16,17の位置や支持部11,12の重心位置に配置してもよい。
【0030】
・上記実施形態における門型クレーン10では、ベース部16,17の長手方向を走行方向D1とするように、キャスタW1,W2をベース部16,17に固定した。キャスタW1,W2の車輪の走行方向は、これに限定されない。
【0031】
例えば、図7に示すように、固定車のキャスタW3,W4の車輪の角度を、移動方向(円弧R2の接線方向)に沿うように向けてから、門型クレーン40の方向転換を行なってもよい。また、キャスタW3,W4の車輪の向きを、直線走行時の最適な角度と、旋回時の最適な角度との中間に設定してもよい。この場合には、直線走行方向と旋回方向(円弧R2の接線方向)との間に生じるズレの影響を少なくすることができる。
【0032】
・上記実施形態では、キャスタW1,W2の車輪は、ベース部16,17に離間してそれぞれ1つずつ設けた。ベース部16,17に設けるキャスタW1,W2の数や位置は、これらに限定されない。更に、キャスタW3,W4の車輪を駆動するモータを備えた門型昇降機構としてもよい。
【0033】
・上記実施形態では、門型クレーン10のベース部16,17のそれぞれに昇降機構20を設けた。昇降機構20は、各ベース部16,17に設ける必要はなく、どちらか片方であってもよい。
【0034】
・上記実施形態では、門型クレーン10のベース部16,17に、昇降機構20を固定した。各ベース部の車輪を浮かせるための昇降機構は、門型昇降装置に予め固定せずに、着脱可能に設けてもよい。この場合に用いる門型昇降装置の方向転換用アタッチメントは、垂直方向に伸縮するラムを有するジャッキと、ジャッキの上端部又は下端部に設けた旋回部材と、ベース部に取り付ける取付部とを備える。これにより、既存の門型昇降装置を方向転換させる場合に、アタッチメントを取り付けて、ジャッキを伸長させて片側の車輪を浮かせることにより、既存の門型昇降装置を効率的に方向転換させることができる。
【0035】
更に、門型昇降装置を移動させる場合に、1対の支持部を下部で繋ぐ連結バーに昇降機構を設けてもよい。
例えば、図8に示すように、門型クレーン50は、ガーダ14を支持する1対の支持部11,12の下端部のベース部56,57の下面に、昇降機構は設けずに、キャスタW1,W2を固定する。そして、移動時には、ベース部56,57に、着脱可能な連結バー60を固定する。
【0036】
この連結バー60は、支持部11,12を繋ぐ棒部材61と、棒部材61の両端部に設けた昇降機構70を備える。昇降機構70は、昇降機構20と同様に、ジャッキ71と、旋回部材22と同様な構成を有する旋回部材72とを備える。ジャッキ71は、ジャッキ21と同様に、ラムが下方(垂直方向)に伸長可能となる油圧ジャッキである。
【0037】
門型クレーン50を移動させる場合、支持部11,12に連結バー60を取り付ける。
そして、図8の二点鎖線で示すように、ベース部56側の昇降機構70のジャッキ71のラムを伸長させて、ベース部56のキャスタW1を浮かせ、残りのベース部57のキャスタW2を着地した状態にして、門型クレーン50の方向転換を行なうことができる。
【0038】
・上記実施形態では、昇降機構20の旋回部材として、スラストボールベアリング機構、又はスラストローラーベアリング機構の旋回部材22を備える。旋回部材は、上述した構成の旋回部材に限られず、昇降機構20を中心として円弧R2の接線方向に抵抗が少なく旋回できる部材であればよい。例えば、旋回部材としては、転がり支承、着地面に対して滑る材料を塗布又は貼付等した部材、ジャッキ21の下面を半球体にした部分、下端が尖ったピンのようにジャッキ21の接地面積を狭くした形状の部分等を用いてもよい。
【0039】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)昇降対象物を吊り下げる水平部と、前記水平部を支持する一対の支持部と、前記支持部のそれぞれの下端部に固定されたベース部と、前記ベース部に取り付けられた複数のキャスタとを備えた門型昇降装置を旋回させるために用いるアタッチメントであって、
垂直方向に伸長させて、隣接する前記複数のキャスタを着地面から浮かす昇降部材と、
前記昇降部材の下部に設けられ、前記着地面に対して回動可能な旋回部材と、
前記昇降部材を前記ベース部に取り付ける取付部とを備えることを特徴とするアタッチメント。
【符号の説明】
【0040】
C1…中心線、D1…走行方向、R1…円弧方向、R2…円弧、S1…支点、W1,W2,W3,W4…キャスタ、10,40,50…門型昇降装置としての門型クレーン、11,12,31,32…支持部、14…水平部としてのガーダ、15…巻上機、16,17,36,37,56,57…ベース部、20,70…昇降機構、21,71…昇降部材としてのジャッキ、22,72…旋回部材、25a,25b…固定軌道盤、26a,26b…保持器、27a,27b…回転軌道盤、28a,28b…転動体、30…門型昇降装置としての門型リフター、34…水平部としてのビーム、35…ハンガ、60…連結バー、61…棒部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9