特許 7413869 住宅用外壁パネルの塗装装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-01-05

(45)【発行日】2024-01-16

(54)【発明の名称】住宅用外壁パネルの塗装装置

(51)【国際特許分類】

   E04F 21/08 20060101AFI20240109BHJP

   E04F 13/02 20060101ALI20240109BHJP

   B05B 13/04 20060101ALI20240109BHJP

   B05B 12/00 20180101ALI20240109BHJP

【ＦＩ】

E04F21/08 A

E04F13/02 J

B05B13/04

B05B12/00 A

【請求項の数】 1

(21)【出願番号】P 2020050017

(22)【出願日】2020-03-19

(65)【公開番号】P2021147908

(43)【公開日】2021-09-27

【審査請求日】2022-12-26

(73)【特許権者】

【識別番号】000198787

【氏名又は名称】積水ハウス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100080182

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 三彦

(72)【発明者】

【氏名】大西 誠

(72)【発明者】

【氏名】藤永 佳則

(72)【発明者】

【氏名】菅原 史曜

【審査官】菅原 奈津子

(56)【参考文献】

【文献】特開２０００－０２４５６２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００９－２５４９２８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１０－００２０５９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０５－３１７７６３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００７－１５２１５８（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１５／０２８３５６９（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｆ ２１／０８

Ｂ０５Ｂ １２／００

Ｂ０５Ｂ １２／０８－１２／１２

Ｂ０５Ｂ １３／００－１３／０４

Ｂ０５Ｂ １５／００－１５／８０

Ｂ０５Ｄ １／００－ ７／２６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

開口部を形成した住宅用外壁パネルの塗装面を上向きに載置した状態でそのまま移送終端方向へ所定速度で搬送するパネル搬送部と、
該パネル搬送部に載置されて搬送される住宅用外壁パネルの上向きの上面を塗布する上面塗装装置と、
該パネル搬送部の上方位置から搬送中の前記住宅用外壁パネルの開口部の前記上面と略直角方向の内側塗装面を含む外形状を認識するパネル形状認識入力部と、
前記パネル搬送部の所定位置で前記住宅用外壁パネルの通過時刻を認識するための入力部を具備するパネル通過時刻認識入力部と、
前記パネル形状認識入力部及び前記パネル通過時刻認識入力部の設置位置より移送終端方向の前記パネル搬送部の両側に固定された２台の塗装ロボット本体と、
前記塗装ロボット本体のそれぞれのアームの先端部に設けられて、前記住宅用外壁パネルの開口部の内側塗装面を塗装するスプレーと、
前記パネル形状認識入力部から伝達される３次元形状データ及び前記パネル通過時刻認識入力部からの所定位置の通過時刻データに基づいて、前記スプレーの噴射口が、前記パネル搬送部の両側方の所定位置で塗装ロボット本体のアーム及び該アームの先端部に設けられている回動部によって、パネル搬送部によって所定速度で搬送されている前記住宅用外壁パネルの前記内側塗装面と略直角度を維持し且つ所定の塗装距離を維持するように制御する制御部、を具備することを特徴とする住宅用外壁パネルの塗装装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は住宅用外壁パネルの塗装装置、とくに組立住宅に使用される住宅用外壁パネルの開口部を塗装する塗装装置に関する。

【背景技術】

【0002】

住宅の外表面である住宅用外壁パネルは、表面に必要に応じて装飾用の凹凸模様などが形成され裏面には住宅の構造部材との連結部が設けられている、全体としては硬質の材料からなる平板状の重量のある部材である。そしてその表面は塗装されて、住宅の外面の美化が図られるようにしている。

【0003】

このような住宅用外壁パネルの形状は住宅の使用箇所や使用目的などによって、種々の形状を有しているが、主として用いられている住宅用外壁パネルの外形状は、矩形状のパネルであり、これによって住宅の大部分の外壁を構成している。そして、窓、換気口などの小口の開口部や、雨戸、玄関口のドア設置部位などの門型の開口部を形成した住宅用外壁パネルにおいては、予め製造工場でそれら開口部をくりぬいた形状として製造し、そのくりぬいた住宅用外壁パネルを別工程の塗装現場に運び込んで自動化したスプレー又は手作業で外表面や開口部の内側塗装面を塗装して乾燥させたパネルを住宅の施工現場へ搬送している。

【0004】

このような住宅用外壁パネル表面の塗装を自動化した塗装装置、方法としては、特許文献１に開示されるものがある。この装置は、コンベアで搬送される建築材の送り方向と交差する方向にも塗料を噴射する塗装ノズルを走行させて、予め設定されたデザインパターンに基づき走行に同期させて各ノズルからの塗料の吐出量を制御して建築材の表面に塗装する装置、方法である。また、特許文献２に開示されるものは、外壁材等の被塗装材の形状に応じた塗装ガンの切替え動作を正確かつ容易に行うことができる塗装装置に関するもので、塗装ガンの鉛直方向に対する横方向への傾きが切り替わるように塗装ガンを移動させるためのシリンダとこのシリンダの伸縮状態を切り替えるための操作部を有する発明である。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】特開平１０－２３５２４７号公報

【文献】特開２００６－１７５３９５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、特許文献１の発明は、建築材の表面を塗装する方法と表面塗装装置に関するもので、とくに、ペイントヘッドを建築材のコンベアによる搬送方向と交差させて走行させる、三原色や黒色の塗料を噴射制御する、ノズルの向きや吐出量を制御する、測定形状の誤差を調整する、など専ら建築材の外表面を塗装する方法、装置に関するものであるために、建築材が前記した住宅用外壁パネルのように、窓や換気口のような小口の開口部、或いは雨戸、玄関口のドア設置部位などの門型の開口部を形成している場合は、パネルの外表面と垂直方向の側面で施工後に可視出来る開口部の内側塗装面を塗装することは対象外であった。又、引用文献２の発明は、外壁材の被塗装材の形状に応じた塗装ガンを備えその切替え動作をように行うことができる構成を具備しているものの特許文献１の発明と同様に開口部のパネル表面に対して垂直方向の内側面である内側塗装面を塗装することはできなかった。そのために、開口部の内側面を塗装する際には、建築材を搬送するコンベアを一旦停止させて手作業でスプレーで塗装しなければならなかったので、開口部の四又は三側面全体を塗装する場合などは、重量のある建築材をコンベア上で回転移動させて塗装者の作業しやすい位置に方向転換させるか又は塗装者自身が回り込まなければならないという問題点があった。

【課題を解決するための手段】

【0007】

この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、コンベアで搬送している住宅用外壁パネルの表面を塗装すると共に同じコンベア上において開口部の側面をも塗装することにより、作業能率の向上と作業者の作業労力の省力化を改善することを目的としたものである。

【0008】

この発明の手段とするところは、開口部を形成した住宅用外壁パネルの塗装面を上向きに載置した状態でそのまま移送終端方向へ所定速度で搬送するパネル搬送部と、該パネル搬送部に載置されて搬送される住宅用外壁パネルの上向きの上面を塗布する上面塗装装置と、該パネル搬送部の上方位置から搬送中の前記住宅用外壁パネルの開口部の前記上面と略直角方向の内側塗装面を含む外形状を認識するパネル形状認識入力部と、前記パネル搬送部の所定位置で前記住宅用外壁パネルの通過時刻を認識するための入力部を具備するパネル通過時刻認識入力部と、前記パネル形状認識入力部及び前記パネル通過時刻認識入力部の設置位置より移送終端方向の前記パネル搬送部の両側に固定された２台の塗装ロボット本体と、前記塗装ロボット本体のそれぞれのアームの先端部に設けられて、前記住宅用外壁パネルの開口部の内側塗装面を塗装するスプレーと、前記パネル形状認識入力部から伝達される３次元形状データ及び前記パネル通過時刻認識入力部からの所定位置の通過時刻データに基づいて、前記スプレーの噴射口が、前記パネル搬送部の両側方の所定位置で塗装ロボット本体のアーム及び該アームの先端部に設けられている回動部によって、パネル搬送部によって所定速度で搬送されている前記住宅用外壁パネルの前記内側塗装面と略直角度を維持し且つ所定の塗装距離を維持するように制御する制御部、を具備することにある。

【発明の効果】

【0009】

上記したこの発明によると、開口部を形成した住宅用外壁パネルの上面である塗装面が上向きの状態でパネル搬送部によって搬送される状態で、上向きの上面がパネル搬送部の上方位置に設置されている上面塗装装置によって塗装される。この上面塗装装置の設置位置よりパネル搬送部の搬送始端側である上流側若しくは搬送終端側の下流側に設置されているパネル形状認識入力装置によって、この搬送される住宅用外壁パネルの開口部の外形状を含む全形状が画像読み取り装置などによって認識され記憶される。同時に所定位置を通過した時刻がパネル通過時刻認識入力部から入力されて記憶される。そして、パネル搬送部の両側に設けられた２台の塗装ロボット本体により、住宅用外壁パネルの開口部が、塗装ロボット本体に設けられているアームの先端部のスプレーによって塗装される。このスプレ―は、前記パネル形状認識入力装置、前記パネル通過時刻認識入力部からの入力情報によって、パネル搬送部によって搬送されている住宅用外壁パネルのパネル搬送部に対する傾きなど姿勢位置情報、開口部の形状情報、パネル通過時刻認識入力部よってパネル搬送部で搬送される住宅用外壁パネルが塗装ロボット本体の傍を通過する時刻情報が判っているので、これらの情報に基づきアームの移動角度・速度と、このアームの先端部に設けてある回動部の回転移動によって逐次自動的に３次元動作するスプレーの前記開口部の内側塗装面に対する角度と間隔距離が計算されて最適条件で塗装される。従って、この発明では、一旦住宅用外壁パネルを上向けにパネル搬送部に載置するとパネル自身の重量によってそのパネル搬送部における載置位置を維持し続けられ、上面塗装、開口部の内側面の塗装を同じパネル搬送部を搬送しながら且つパネルの姿勢を変えることなく行うことが一連連続して出来るので、作業能率が向上するのに加えて、塗装作業者がパネルの周りを動き回って塗装する必要がなくなるので、少労力化を図ることが出来る。加えて、開口部を有する住宅用外壁パネルの生産性を向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】本発明の塗装工程の全体工程斜視説明図

【図2】図１のＡ－Ａ線断面説明図

【図3】図１のＢ－Ｂ線位置における塗装ロボット本体のスプレーによる開口部の塗装断説明図

【図4】小口（イ）、門型開口部（ロ）などのくりぬきの開口部が形成されている住宅用外壁パネルの外側面（パネル搬送部上の上面）

【図5】開口部に窓枠サッシ（イ）、開扉枠サッシ（ロ）が嵌め込まれた住宅用外壁パネル外側面

【発明を実施するための形態】

【0011】

この発明の住宅用外壁パネルの塗装装置（以下、「塗装装置」という。）の最良の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図１によく現れているように、塗装装置1は、住宅用外壁パネル２の塗装面である上面２ａを上向きにして載置し搬送するパネル搬送部３と、前記住宅用外壁パネル２の上面２ａを塗布する上面塗装装置４と、前記パネル搬送部３の上方位置で前記住宅用外壁パネル２の外形状を認識するカメラなどからなるパネル形状認識入力部５と、前記パネル搬送部３の所定位置で前記住宅用外壁パネルの通過時刻を認識するためのパネル通過時刻認識入力部６と、前記パネル形状認識入力部５と前記パネル通過時刻認識入力部６よりも移送終端側方向の前記パネル搬送部３の両側に固定された２台の塗装ロボット本体７と、該塗装ロボット本体７のそれぞれのアーム８の先端部に設けられて前記住宅用外壁パネル２の開口部２ｂの内側塗装面２ｃを塗装するスプレー９と、前記スプレー９の噴射口９ａが前記アーム８の先端に設けられている回動部１０によって前記内側塗装面２ｃに最適条件で塗布できるように制御する制御部１１を具備する。

【0012】

前記住宅用外壁パネル３は、スチール製の補強材とその周囲をコンクリートで固めた矩形状の平板である。そして、図４、図５に示すように、使用時において屋外に面する前記上面２ａにはレンガ模様や幾何学的模様などの凹凸模様が形成されていると共にアルミサッシなどの金属枠にガラスなどの透過性の部材を嵌め込んでなる窓２ｄや雨戸２ｅを取り付けるために必要な開口部２ｂが形成されている。この開口部２ｂは、窓２ｄの取付けの場合のように閉じたものであっても、雨戸２ｅの取付けの場合のように下方が空いていても良い。また、開口部２ｂの形状が矩形以外の形状であっても良い。
このような住宅用外壁パネル２は、重量があるので最初に重機などを用いて一旦パネル搬送部４上に載置されるとその重量故にそのままの姿勢を維持しつつ最終塗装工程まで搬送される。このパネル搬送部４としては、ローラコンベアやベルトコンベアが好適に使用され、駆動源としては回転速度がデジタル的に調整可能なサーボモータが好適に使用されるが、これに限定されるものではない。

【0013】

上面塗装装置４は、パネル搬送部３の上方位置で搬送されてくる住宅用外壁パネル２の上面２ａを塗装する装置であり、塗料噴射ガンなどのよる吹き付け塗装によって行われるが、塗装の方法については限定されるものではない。この上面塗装装置４の設置位置は、パネル形状認識入力部５とパネル通過時刻認識入力部６の設置位置より終端側であれば、パネル搬送装置３の搬送工程の塗装ロボット本体７の設置位置を境として始端側あるいは終端側を問わず設置で出来る。このように配置することによって、それら入力部５，６からの入力情報に基づいてスプレー９とその噴射口９ａの動作を制御できればより正確な塗装がで塗料の節減と塗装の正確性を向上できる。

【0014】

パネル形状認識入力部５とパネル通過時刻認識入力部６は、パネル搬送部３の上方位置で塗装ロボット本体７より始端側に設置される。パネル形状認識入力部５はカメラで搬送されてくる住宅用外壁パネル２の全体画像と共に住宅用外壁パネル２における開口部２ｂの形成位置とその形状、開口部２ｂの内側塗装面２ｃの深さ、凹凸の形状などの情報がカメラからの画像入力から解析されて塗装ロボット本体７にある制御部１１に送られて、スプレー９のＸ－Ｙ方向と上下の位置や移動方向、移動速度や移動方向が制御される。

【0015】

２台のそれぞれの塗装ロボット本体７は、地面に固定された台座１２に取付台１３が設けられ、この取付台１３には、水平方向回動部１４が設けられると共に、この水平方向回動部１４には上向きに固定柱１５の下端部が固定されると共に、その上端部には垂直方向に回動自在にアーム８が固定されている。このアーム８の先端にはアーム８の軸心に対して直角方向に回動自在に取り付けられている回動部１０が設けられ、更にこの回動部１０には、図外の塗料タンクとパイプで連結されている塗料を噴射する噴射口９ａを具備したスプレー９が噴射口９ａの噴射方向に自在に可変なように取付けられている。又、各塗装ロボット本体７の先端となるスプレー９は、搬送される住宅用外壁パネル２の開口部２ｂの上面２ａから略直角方向にくりぬかれている４面又は３面の内側塗装面２ｃのなかで、パネル搬送部３の進行方向と略平行な方向を向いている内側塗装面２ｃの近い方の内側塗装面２ｃをそれぞれ塗装するようにして、相互にアーム８及びスプレー９、噴射口９ａがスプレー作業中に接触することのならないように且つそれら部座愛の移動距離を最小にしてスプレー作業能率の向上を図るようにしている。更に又、内側塗装面２ｃの内、パネル搬送部３の進行方向と直交方向の２面又は１面の内側塗装面２ｃについては、パネル搬送部３の始端側と終端側の塗装をいずれかに割り当てて塗装するようにしている。

【0016】

前記スプレー９の噴射口９ａの先端は、前記住宅用外壁パネル２の開口部２ｂの内側塗装面２ｃに対して略直交する位置で所定の距離を保持しつつ塗料を噴射するように前記制御部１１の制御によって制御されている。この制御は、前記のように前記パネル形状認識入力部５とパネル通過時刻認識入力部６からの住宅用外壁パネル２の全体形状、位置情報と開口部２ｂ、内側塗装面２ｃの形状情報、定点の通過時刻等が入力されているので、パネル搬送部３の移送速度に基づく塗装ロボット本体７前方の塗装位置通過時刻、当該時刻におけるスプレー７の噴射口７ａが時々刻々住宅用外壁パネル２の搬送方向に移動し且つパネル搬送部３の進行方向に対する姿勢を変化させる内側塗装面２ｃに対峙するように、前記水平方向回動部１４、当該水平方向回動部１４と同時に回転する固定柱１５、当該固定柱１５に対するアーム８の垂直方向移動、当該アーム８の先端に設けた回動部１０のアーム８の軸心に対する回転角度がそれぞれの図外の駆動部によって移動し又は回転する。そして、前記スプレー７の噴射ノズルの内側塗装面２ｃへの対峙は、距離が一定でかつ内側塗装面２ｃに対して直角方向に向くように制御されている。

【0017】

上記のようにして一枚の住宅用外壁パネル２の開口部２ｂの塗装が終了し、上面２ａの塗装も終了すると、当該住宅用外壁パネル２は図外の乾燥工程を経て全体の塗装が完了する。そして、次に搬送されてくる住宅用外壁パネル２が塗装ロボット本体７の位置に搬送されてくると、その搬送されてきた住宅用外壁パネル２の形状、通過時刻の情報が制御部１１によって処理されて前記と同様に各駆動部を駆動させて、同様の作業を繰り返し行うことによって、自動的に開口部２ｂの塗装を上面２ａの塗装と共に同一パネル搬送部３上において連続的に行うことができる。

【0018】

以上の説明は、開口部２ｂの内側塗装面２ｃの塗装について説明したが、住宅用外壁パネル２の設置場所によっては、外周囲の４側面の全て或いはその一部の側面が露出して視覚される場合もあり、このような場合にはその露出する側面についても塗装する必要がある。又、更に、住宅のコーナー部に用いる外壁パネルの場合には、直角に折れ曲がった役物と言われるコーナーパネルを使用しなければならない場合がある。このような場合にも、この発明の塗装装置1によると、予めプログラムを記憶させておけば前記したパネル形状認識入力部５とパネル通過時刻認識入力部６から入力される住宅用外壁パネル２のデータに基づき、必要部位に塗装が可能である。このような特殊な形状の役物の塗装については、スプレー９の噴射口９ａから噴射される霧状の塗料が付き易いように、塗装面が露出するような専用台に載せて、当該専用台をパネル搬送部３で搬送するようにすることにより、可能である。

【0019】

又、この発明の住宅用外壁パネルの塗装装置によれば、２台の塗装ロボット本体を外壁パネルを載せて搬送するパネル搬送部の相対向する両側に対峙して設置し、両側からアームの先端に設けたスプレーの噴射口から塗料を噴射して塗装するので、くりぬいた開口部が横方向に奥深い隙間を形成している形状であっても、その開口している方向にある塗装ロボット本体のアームとスプレーを使用すれば可能となるので、利用用途は広い。

【産業上の利用可能性】

【0020】

この発明は、住宅用外壁パネルの開口部のような板材をくりぬいた形状のその開口部に表れる側面の塗装を有効に行うことが出来るだけでなく、外形状が曲面や角ばった部材であっても美的な塗装が自動的に可能であるから、種々の形状の建材の塗装に利用でき、省力化を図れるので、建築・建設業界において広く用いられるものと期待できる。

【符号の説明】

【0021】

１ 住宅用外壁パネルの塗装装置
２ 住宅用外壁パネル
２a 上面
２ｂ 開口部
２ｃ 内側塗装面
３ パネル搬送部
４ 上面塗装装置
５ パネル形状認識入力部
６ パネル通過時刻認識入力部
７ 塗装ロボット本体
８ アーム
９ スプレー
９ａ 噴射口
１０ 回動部
１２ 台座
１３ 取付台
１４ 水平方向回動部
１５ 固定柱

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】