(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】プラグキャップ及びこれを備えた点火コイル
(51)【国際特許分類】
F02P 13/00 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
F02P13/00 303D
(21)【出願番号】P 2020056936
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美孝
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-230763(JP,A)
【文献】特開2007-321666(JP,A)
【文献】特開2016-201213(JP,A)
【文献】特開平11-214118(JP,A)
【文献】特開2005-54722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02P 13/00
H01T 13/04
H01F 38/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に開放部(111)を有し、前記開放部からスパークプラグ(3)が挿入されるプラグキャップ(1)であって、
前記プラグキャップの先端部の内周面には、前記プラグキャップの軸方向(Z)に直交する断面の形状が非円形となる非円形面部(10)が前記軸方向に延在するよう形成されて
おり、
前記非円形面部の、前記軸方向に直交する断面の形状は、オーバル形状であり、
前記プラグキャップに前記スパークプラグが取り付けられたとき、前記非円形面部は、前記スパークプラグの絶縁碍子(31)に密着し、
前記軸方向に直交する前記非円形面部の断面形状に囲まれる仮想図形の重心(C)を通り、前記非円形面部の部位同士を前記軸方向に直交する方向に連結する仮想線分のうち最長のものを最長線分(S
L
)と定義したとき、
前記非円形面部の前記軸方向の長さは、前記最長線分の長さD
L
よりも長い、プラグキャップ。
【請求項2】
前記非円形面部の先端は、前記開放部に形成されている、請求項
1に記載のプラグキャップ。
【請求項3】
前記最長線分の長さD
Lと、前記スパークプラグの
前記絶縁碍
子における前記プラグキャップが取り付けられる部位(311a)の最大径D
Iとは、
{(D
I-D
L
)/D
I
}×100≦8、を満たす、請求項
1又は2に記載のプラグキャップ。
【請求項4】
請求項
1~3のいずれか一項に記載のプラグキャップを備える点火コイル(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグキャップ及びこれを備えた点火コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スパークプラグとプラグキャップとを組み付ける際の組付荷重を小さくすべく、内周面に多数の凹部を形成したプラグキャップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のプラグキャップにおいては、微小な凹部が多数点在するよう構成されており、スパークプラグとプラグキャップの凹部との間に空隙が形成されやすい。そのため、特許文献1に記載のプラグキャップにおいては、耐電圧を向上させる観点から改善の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スパークプラグを挿入しやすく、耐電圧の向上を図りやすいプラグキャップ及びこれを備えた点火コイルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、先端側に開放部(111)を有し、前記開放部からスパークプラグ(3)が挿入されるプラグキャップ(1)であって、
前記プラグキャップの先端部の内周面には、前記プラグキャップの軸方向(Z)に直交する断面の形状が非円形となる非円形面部(10)が前記軸方向に延在するよう形成されており、
前記非円形面部の、前記軸方向に直交する断面の形状は、オーバル形状であり、
前記プラグキャップに前記スパークプラグが取り付けられたとき、前記非円形面部は、前記スパークプラグの絶縁碍子(31)に密着し、
前記軸方向に直交する前記非円形面部の断面形状に囲まれる仮想図形の重心(C)を通り、前記非円形面部の部位同士を前記軸方向に直交する方向に連結する仮想線分のうち最長のものを最長線分(S
L
)と定義したとき、
前記非円形面部の前記軸方向の長さは、前記最長線分の長さD
L
よりも長い、プラグキャップにある。
【発明の効果】
【0007】
前記態様のプラグキャップにおいて、プラグキャップの先端部の内周面には、プラグキャップの軸方向に直交する断面の形状が非円形となる非円形面部が軸方向に延在するよう形成されている。このように、非円形面部が軸方向に延在していることにより、プラグキャップへスパークプラグを挿入しやすい。また、非円形面部が軸方向に延在していることにより、プラグキャップの内周面に凹部が多数点在している場合に比べ、プラグキャップとこれに挿入されるスパークプラグの絶縁碍子との間に空隙が形成されることを防止しやすく、プラグキャップの耐電圧を向上させやすい。
【0008】
以上のごとく、前記態様によれば、スパークプラグを挿入しやすく、耐電圧の向上を図りやすいプラグキャップ及びこれを備えた点火コイルを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1における、プラグキャップの正面図。
【
図2】実施形態1における、プラグキャップの底面図
【
図3】実施形態1における、プラグキャップの一部断面正面図。
【
図5】実施形態1における、点火コイルにスパークプラグを取り付けた様子を示す一部断面正面図。
【
図6】実施形態1における、プラグキャップの開放部にスパークプラグの碍子頭部が当接したときの様子を示すプラグキャップ及びスパークプラグの一部断面正面図。
【
図7】実施形態1における、プラグキャップの開放部にスパークプラグの碍子頭部が当接したときの様子を示すプラグキャップ及びスパークプラグの一部断面側面図。
【
図9】実施形態1における、プラグキャップにスパークプラグが組み付いた状態における一部断面平面図。
【
図10】実施形態1の変形形態における、点火コイルにスパークプラグを取り付けた様子を示す一部断面正面図。
【
図11】実験例1における、碍子径9mmであり、コルゲーションを有さないスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、長軸締め代率と最大荷重との関係を示すグラフ。
【
図12】実験例1における、碍子径9mmであり、コルゲーションを有するスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、長軸締め代率と最大荷重との関係を示すグラフ。
【
図13】実験例2における、碍子径10.5mmであり、コルゲーションを有さないスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、長軸締め代率と最大荷重との関係を示すグラフ。
【
図14】実験例2における、碍子径10.5mmであり、コルゲーションを有するスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、長軸締め代率と最大荷重との関係を示すグラフ。
【
図15】実験例3における、コルゲーションを有さないスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、挿入深さと挿入荷重との関係を示すグラフ。
【
図16】実験例3における、コルゲーションを有するスパークプラグを用いた実験結果を示すグラフであり、挿入深さと挿入荷重との関係を示すグラフ。
【
図19】実施形態2の第一変形形態における、
図8に対応する図。
【
図20】実施形態2の第二変形形態における、
図8に対応する図。
【
図21】実施形態3における、非円形面部を通るプラグキャップの断面図。
【
図22】実施形態3の第一変形形態における、非円形面部を通るプラグキャップの断面図。
【
図23】実施形態3の第二変形形態における、非円形面部を通るプラグキャップの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
プラグキャップ1及びプラグキャップ1を備えた点火コイル2の実施形態につき、
図1~
図9を用いて説明する。
【0011】
<プラグキャップ1>
まず、本形態のプラグキャップ1について説明する。
図2、
図3に示すごとく、プラグキャップ1は、先端側に開放部111を有する。
図5に示すごとく、プラグキャップ1は、開放部111からスパークプラグ3が挿入される。
図4に示すごとく、プラグキャップ1の先端部の内周面には、プラグキャップ1の軸方向Zに直交する断面の形状が非円形となる非円形面部10が軸方向Zに延在するよう形成されている。
以後、本形態のプラグキャップ1につき詳説する。
【0012】
プラグキャップ1は、弾性変形可能、かつ電気的絶縁性を有する材料(例えばシリコーンラバー等のゴム)からなり、
図1、
図3に示すごとく、一方向に長尺な筒状に形成されている。以後、プラグキャップ1の長手方向(すなわち軸方向Z)をZ方向という。また、プラグキャップ1における、Z方向のスパークプラグ3が嵌合される側(
図1、
図3の紙面下側)先端側といい、その反対側(
図1、
図3の紙面上側)を基端側という。また、以後、単に断面といったときは、特に断らない限り、Z方向に直交する断面を意味するものとする。
【0013】
プラグキャップ1は、先端側から順に、第一部位11、第二部位12、第三部位13、及び第四部位14を備える。第一部位11は、外径がZ方向において略不変の部位である。第二部位12は、基端側に向かうほど外径が拡径するテーパ状の部位である。第三部位13は、第二部位12よりもZ方向に長尺であり、かつ、第二部位12に比べて、基端側に向かうほど緩やかに拡径する部位である。第四部位14は、外周側に突出した部位であり、プラグキャップ1の基端部に形成されている。
【0014】
図4に示すごとく、非円形面部10の断面形状は、オーバル形状である。オーバル形状は、例えば、楕円形、長円形、卵形等を含む。本形態において、非円形面部10の断面形状は、楕円形である。非円形面部10は、Z方向の各位置における断面形状が互いに略同形状となるよう、Z方向に略まっすぐ形成されている。非円形面部10は、凹凸を備えない円筒平面状に形成されている。
【0015】
前述のごとく、非円形面部10は、Z方向に延在している。非円形面部10がZ方向に延在しているとは、例えば、非円形面部10のZ方向の長さが、非円形面部10の最小肉厚よりも大きいことを意味する。本形態において、非円形面部10のZ方向の長さは、非円形面部10の断面形状における短軸の長さ(後述の長さDS)よりも長い。さらに、本形態においては、Z方向において、非円形面部10は、非円形面部10の断面形状における長軸の長さよりも長い領域に形成されている。本形態において、非円形面部10は、プラグキャップ1の内周面における、第二部位12と第三部位13との境界部周辺から、プラグキャップ1の内側空間の先端の開放部111まで形成されている。なお、非円形面部10は、プラグキャップ1の先端部(例えばZ方向の中央位置から先端側の部位)のいずれかの領域に形成されていればよく、必ずしもプラグキャップ1の先端縁(開放部111)まで形成されていなくてもよい。以後、非円形面部10の断面形状における、非円形面部10の短軸方向をX方向といい、長軸方向をY方向という。X方向とY方向とZ方向とは、互いに直交している。
【0016】
プラグキャップ1の内周面における非円形面部10の基端側に隣接する部位は、その断面形状が略真円状の円形面部17である。Z方向における非円形面部10と円形面部17との境界部の位置は、Z方向におけるプラグキャップ1の第二部位12と第三部位13との境界部付近である。非円形面部10の基端部は、基端側に向かうほど断面形状が円形に近付く変形部15である。変形部15も、非円形面部10を構成している。
【0017】
また、
図4に示すごとく、プラグキャップ1におけるZ方向の非円形面部10が形成された領域は、外周面16が、非円形面部10と略平行な楕円形に形成されている。非円形面部10が存在する領域のプラグキャップ1の断面形状は、内周面の短軸方向と外周面16の短軸方向とが互いに一致しているとともに、第一部位11の内周面の長軸方向と外周面16の長軸方向とが互いに一致している。そして、プラグキャップ1における非円形面部10の基端側の部位は、外周面16の断面形状が略真円形に形成されている。
【0018】
<点火コイル2>
次に、プラグキャップ1を備える点火コイル2につき説明する。
図5に示すごとく、点火コイル2は、高電圧を発生させるコイル部21と、コイル部21の先端部に嵌合されたプラグキャップ1とを備える。
【0019】
コイル部21は、ケース22内に、互いに磁気的に結合された図示しない一次コイル及び二次コイルを収容している。また、コイル部21は、ケース22からケース22の外部に向かって突出するコネクタ部23を有する。コネクタ部23は、一次コイルと外部電源とを電気的に接続するためのコネクタである。
【0020】
そして、コイル部21の先端部にプラグキャップ1の基端部が嵌合されている。図示は省略するが、プラグキャップ1の内側には、コイル部21の二次コイルの出力電圧をスパークプラグ3に伝えるための導電部材(例えばZ方向に弾性変形可能なコイルバネ)が配置されている。そして、例えば点火コイル2を内燃機関等に取り付けた状態においては、プラグキャップ1の先端部にスパークプラグ3が挿入される。プラグキャップ1にスパークプラグ3が挿入された状態において、プラグキャップ1内の導電部材は、スパークプラグ3の端子金具33に接続し、これにより、コイル部21の二次コイルとスパークプラグ3とが電気的に接続される。
【0021】
スパークプラグ3は、絶縁碍子31、ハウジング32、端子金具33、中心電極34、及び接地電極35を有する。絶縁碍子31は、アルミナ等からなり、全体として筒状に形成されている。ハウジング32は、その内側に絶縁碍子31を保持している。端子金具33は、一部が絶縁碍子31内に挿入されているとともに、基端部(すなわち後述の碍子頭部311)が絶縁碍子31から突出している。中心電極34は、一部が絶縁碍子31の内側に挿入されているとともに他の一部が絶縁碍子31から先端側に突出している。中心電極34は、絶縁碍子31内の導電経路を介して端子金具33と導通している。接地電極35は、ハウジング32の先端に取り付けられて中心電極34との間に火花放電を発生させる。
【0022】
絶縁碍子31は、ハウジング32から基端側に突出する碍子頭部311を有する。本形態において、碍子頭部311は、外形がZ方向にまっすぐ形成された円筒状を呈している。
図5~
図7に示すごとく、碍子頭部311の基端部の外周端部には、基端側に向かうほど縮径するよう面取りされてなる面取部312が形成されている。面取部312は、スパークプラグ3の碍子頭部311をプラグキャップ1に挿入しやすくするためのものである。スパークプラグ3は、碍子頭部311がプラグキャップ1内に挿入されるとともに密着する。なお、プラグキャップ1の内周面に、スパークプラグ3を挿入しやすくするための液体潤滑油(すなわちグリース)やタルク等の固体潤滑剤を塗布してもいい。
【0023】
図5に示すごとく、碍子頭部311は、その基端面の位置が、Z方向におけるプラグキャップ1の第二部位12の略中央部の位置となるまでプラグキャップ1の内側に挿入される。スパークプラグ3と点火コイル2とが組み付いた状態において、碍子頭部311の基端面の位置は、非円形面部10の変形部15よりも先端側に位置している。すなわち、スパークプラグ3と点火コイル2とが組み付いた状態において、プラグキャップ1における碍子頭部311との接触面の全体は、非円形面部10における変形部15以外の部位によって構成される。
【0024】
ここで、
図8に示すごとく、非円形面部10の断面形状に囲まれる仮想図形の重心Cを通り、非円形面部10の部位同士をZ方向に直交する方向に連結する無数の仮想線分のうち最長のものを最長線分S
Lと定義する。前記仮想図形は、非円形面部10に囲まれる楕円形の二次元領域であり、前記仮想図形の重心Cとは、当該仮想図形の単位面積当たりの質量が一定と想定した場合の当該仮想図形の重心Cである。本形態において、仮想図形の重心Cは、断面楕円形状の非円形面部10の長軸と短軸との交点である。最長線分S
Lは、非円形面部10の断面形状における長軸である。
【0025】
図6、
図8に示すごとく、最長線分S
Lの長さD
Lと、スパークプラグ3の絶縁碍子31におけるプラグキャップ1が取り付けられる部位(以後、「被装着碍子部311a」という。)の最大径D
Iとは、
{(D
I-D
L
)/D
I
}×100≦8、を満たす。
図5に示すごとく、被装着碍子部311aは、碍子頭部311の面取部312以外の部位の略全体である。
図6、
図8に示すごとく、式
{(D
I-D
L
)/D
I
}×100は、被装着碍子部311aの最大径D
Iに対する、被装着碍子部311aの最大径D
Iと最長線分S
Lの長さD
Lとの差の割合(以後、「長軸締め代率」ということもある)を示している。本形態において、長軸締め代率(すなわち式
{(D
I-D
L
)/D
I
}×100)は、被装着碍子部311aの最大径D
Iに対する、Y方向のプラグキャップ1の非円形面部10と被装着碍子部311aとの締め代との割合である。なお、長軸締め代率は、8%以下であれば良いため、例えば長軸締め代率がマイナス(つまり、最長線分S
Lの長さD
Lが被装着碍子部311aの最大径D
Iよりも大きい)となっていてもよい。長軸締め代率は、プラグキャップ1の製造しやすさの観点から、マイナス3%以上が好ましい。
【0026】
また、
図8に示すごとく、仮想図形の重心Cを通り、非円形面部10の部位同士をZ方向に直交する方向に連結する無数の仮想線分のうち最短のものを最短線分S
Sと定義する。本形態においては、最短線分S
Sは、非円形面部10の断面形状における短軸である。また、最短線分S
Sの長さをD
Sとする。この場合、最短線分S
Sの長
さD
Sと被装着碍子部311aの最大径D
Iとは、10≦
{(D
I-D
S
)/D
I
}×100≦25、を満たす。
図7、
図8に示すごとく、式
{(D
I-D
S
)/D
I
}×100は、被装着碍子部311aの最大径D
Iに対する、被装着碍子部311aの最大径D
Iと最短線分S
Sの長
さD
Sとの差の割合(以後、「短軸締め代率」ということもある)を示している。本形態において、短軸締め代率(すなわち式
{(D
I-D
S
)/D
I
}×100)は、被装着碍子部311aの最大径D
Iに対する、X方向のプラグキャップ1の非円形面部10と被装着碍子部311aとの締め代との割合である。なお、短軸締め代率を10%以上とすることで、プラグキャップ1の耐電圧を十分に確保することができる。更に、短軸締め代率を25%以下とすることで、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入荷重が過度に大きくなることを防止することができる。
【0027】
また、
図6~
図8に示すごとく、碍子頭部311の基端面の外径をD
Bとする。碍子頭部311の基端部には面取部312が存在するため、碍子頭部311の基端面の外径D
Bは、被装着碍子部311aの最大径D
Iよりも小さい。このとき、碍子頭部311の基端面の外径D
B、非円形面部10の断面形状の短軸の長さD
S、最長線分S
Lの長さD
L、及び被装着碍子部311aの最大径D
Iは、D
B<D
S<D
L<D
Iの関係を満たす。
【0028】
すなわち、碍子頭部311の基端面の外径DBは、非円形面部10の断面形状における短軸の長さDS及び最長線分SLの長さDLのいずれよりも小さい。それゆえ、碍子頭部311をプラグキャップ1内に挿入するとき、碍子頭部311の基端面を非円形面部10内に容易に挿入させやすい。さらに、被装着碍子部311aの最大径DIは、非円形面部10の断面形状における短軸の長さDS及び最長線分SLの長さDLのいずれよりも大きい。それゆえ、碍子頭部311をプラグキャップ1内に挿入する際においては、碍子頭部311が、プラグキャップ1を径方向に押し広げるよう弾性変形させつつ挿入され、碍子頭部311がプラグキャップ1内に挿入された状態においては、プラグキャップ1の非円形面部10が碍子頭部311の外周面の全周に密着する。本形態において、碍子頭部311の最大径を構成する部位の周長(すなわちDI×π)に対する非円形面部10の断面形状における周長の割合は、0.75以上、0.90以下である。非円形面部10の断面形状における周長は、汎用の、断面円形の内周面を備えるプラグキャップの周長と同等である。
【0029】
次に、本形態の作用効果につき説明する。
本形態のプラグキャップ1において、プラグキャップ1の先端部の内周面には、プラグキャップ1のZ方向に直交する断面の形状が非円形となる非円形面部10がZ方向に延在するよう形成されている。このように、非円形面部10がZ方向に延在していることにより、プラグキャップ1へスパークプラグ3を挿入しやすい。また、非円形面部10がZ方向に延在していることにより、プラグキャップ1の内周面に凹部が多数点在している場合に比べ、プラグキャップ1とこれに挿入されるスパークプラグ3の絶縁碍子31との間に空隙が形成されることを防止しやすく、プラグキャップ1の耐電圧を向上させやすい。
【0030】
すなわち、本形態において、プラグキャップ1内にスパークプラグ3の碍子頭部311を挿入する際、
図7に示すごとく、碍子頭部311のハウジング32から遠い側の端部が、プラグキャップ1の非円形面部10に当たる。ここで、前述のごとく、非円形面部10の寸法は、X方向の短軸よりもY方向の長軸の方が長い。そのため、碍子頭部311とプラグキャップ1の内壁との間の面圧は、非円形面部10におけるX方向の両側部分(以後「短軸部」という。)よりも、プラグキャップ1におけるY方向の両側部分(以後「長軸部」という。)の方が小さくなる。したがって、本形態のプラグキャップ1に絶縁碍子31を挿入する際、短軸部よりも、長軸部の方が絶縁碍子31との間の動摩擦係数が小さくなり、断面円形のプラグキャップに碍子頭部311を挿入する場合より挿入荷重が低くなる。つまり、円形断面のプラグキャップに円形の碍子頭部311を挿入する場合、プラグキャップと碍子頭部311との間の動摩擦係数は、周方向において略均等となるが、本形態においては、プラグキャップ1の非円形面部10と碍子頭部311との間の動摩擦係数は、周方向において不均一となるものと考えられる。この動摩擦抵抗の不均一が、本形態のプラグキャップ1が、スパークプラグ3を挿入する際の挿入荷重を低くできる理由の一つであると考えられる。
【0031】
また、碍子頭部311のハウジング32から遠い側の端部がプラグキャップ1の非円形面部10に当たった状態から、碍子頭部311をプラグキャップ1内にさらに挿入していくと、プラグキャップ1と碍子頭部311との接触面積は増加していき、これに伴い、挿入荷重が増加していく。このとき、
図9に示すごとく、プラグキャップ1はゴム等の弾性部材で形成されているため、その弾性により、プラグキャップ1の非円形面部10は、碍子頭部311における断面円形の外周面に倣うように円形に変化していく。ここで、プラグキャップ1に対する碍子頭部311の挿入は、所定の速度をもって実施されるため、その速度に応じた変形抵抗がプラグキャップ1に発生し、非円形面部10は、ある時間その形状を保とうとする。そのため、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入の初期の状態、すなわち前述のように非円形面部10と碍子頭部311との動摩擦係数が周方向において不均一な状態、がある時間続いた後、最終的に非円形面部10と碍子頭部311とが全周において密着する。このように、プラグキャップ1の変形抵抗によって、非円形面部10と碍子頭部311との動摩擦係数が周方向において不均一な状態がある時間続くことも、挿入荷重が低くなる理由であると考えられる。
【0032】
また、非円形面部10の断面形状は、オーバル状である。それゆえ、非円形面部10の形状を簡素にしやすい。
【0033】
また、非円形面部10の先端は、開放部111に形成されている。つまり、非円形面部10は、プラグキャップ1に形成された貫通穴の先端まで形成されている。それゆえ、プラグキャップ1へスパークプラグ3の挿入した挿入開始時から挿入完了時までの間における少なくとも挿入開始時付近の挿入荷重を低減しやすい。
【0034】
また、最長線分SLの長さDLと、被装着碍子部311aの最大径DIとは、{(DI-DL
)/DI
}×100≦8、を満たす。それゆえ、プラグキャップ1へのスパークプラグ3の挿入荷重を低減しやすい。なお、この数値については後述の実験例において裏付けられる。
【0035】
以上のごとく、本形態によれば、スパークプラグを挿入しやすく、耐電圧の向上を図りやすいプラグキャップ及びこれを備えた点火コイルを提供することができる。
【0036】
なお、本形態においては、碍子頭部311がまっすぐ円筒状に形成されており、いわゆるコルゲーションを備えない例を示したが、
図10に示すごとく、碍子頭部311がコルゲーション311bを備えていてもよい。コルゲーション311bは、端子金具33とハウジング32との間の沿面距離を稼ぎ、端子金具33とハウジング32との間のフラッシュオーバーの発生を抑制する(すなわち耐電圧を向上させる)ためのものであり、Z方向において外形が変動する凹凸状に形成される。
【0037】
(実験例1)
本例は、プラグキャップ1の長軸締め代率と、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入性との関係を実験により評価した例である。なお、本例以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0038】
本例においては、プラグキャップ1の内周面における碍子頭部311と密着する面部(以後、密着面部という)の断面形状が円形である試料A1、A2と、当該断面形状が楕円形状である試料A3~A8の合計8つの試料を準備した。当該8つの試料は、互いに密着面部の断面形状における周長を同等としつつ、密着面部の断面形状における縦横比を種々変更したものである。各試料のプラグキャップ1の各種寸法を、下記表1に示す。
【0039】
【0040】
表1に記載の「長軸長さ」は、密着面部の断面形状に囲まれる仮想図形の重心Cを通り、かつ、密着面部の部位同士をZ方向に直交する方向に連結する無数の仮想線分のうち、最長の線分の長さである。また、表1に記載の「短軸長さ」は、密着面部の断面形状に囲まれる仮想図形の重心Cを通り、かつ、密着面部の部位同士をZ方向に直交する無数の仮想線分のうち、最長の線分の長さである。密着面部の断面形状が楕円形である試料A3~A8においては、長軸長さは実施形態1において説明した長さDLであり、短軸長さは実施形態1において説明した長さDSである。また、密着面部の断面形状が円形である試料A1、A2においては、公差により、長軸長さ、短軸長さに0.1mm以下の差が生じているが、長軸長さと短軸長さの差が0.1mm以下程度のように小さいものは、楕円形ではなく円形として扱う。また、表1に記載の「延在長さ」は、試料A3~試料A8のそれぞれにおいて、プラグキャップ1の先端からの非円形面部10のZ方向の延在長さである。
【0041】
そして、これらの試料A1~A8のプラグキャップ1のそれぞれに対して、碍子頭部311の被装着碍子部311aの最大径D
I(なお、表1においては「碍子径」と表記している。)が9mmのスパークプラグ3を挿入したときの最大荷重を測定した。本例においては、各試料に対して、スパークプラグ3を200mm/min、100mm/min、10mm/minのそれぞれの速度で挿入した場合の最大荷重を測定した。結果を
図11、
図12に示す。
図11は、用いたスパークプラグ3の碍子頭部311にコルゲーション311bが形成されていない場合の結果であり、
図12は、用いたスパークプラグ3の碍子頭部311にコルゲーション311bが形成されている場合の結果である。なお、コルゲーション311bが形成されていない碍子頭部311を備えたスパークプラグ3を、各試料のプラグキャップ1に挿入する場合の挿入深さは30mmとし、コルゲーション311bが形成されている碍子頭部311を備えたスパークプラグ3を、各試料のプラグキャップ1に挿入する場合の挿入深さは25mmとした。挿入深さとは、各試料のプラグキャップ1にスパークプラグ3を挿入した後の、プラグキャップ1と碍子頭部311との密着部のZ方向長さである。また、
図11、
図12の各直線は、各挿入速度における結果に関する線形近似曲線である。
【0042】
図11及び
図12から、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入速度が200mm/min、100mm/min、及び10mm/minのいずれの場合であっても、試料A1、A2よりも、試料A3~A8の方が最大荷重が小さくなることが分かる。すなわち、プラグキャップ1の密着面部の断面形状を、試料A3~A8のように楕円形状とすることにより、試料A1、A2のような円形状の場合よりも最大荷重を抑制でき、挿入性が良くなることが分かる。
【0043】
さらに、
図11及び
図12から、長軸締め代率が小さくなるほど最大荷重が小さくなることが分かる。特に、長軸締め代率を8%以下の試料A5~A8は、最大荷重が196N以下となり、一層挿入性が良くなることが分かる。ここで、人がプラグキャップ1に対してスパークプラグ3を挿入する際に発生させることができる力は、様々な性別、年齢を考慮すると196N(すなわち20kgf)以下であることが多いため、最大荷重を196N以下とすることが挿入性確保の観点から好ましい。また、長軸締め代率が5%以下の試料A7、試料A8については、一層最大荷重を低減できていることが分かる。
【0044】
また、
図11及び
図12から、挿入速度が高いほど、長軸締め代率を低下させたときの最大荷重の低減度合い(すなわち、
図11や
図12のグラフの傾き)が大きくなることが分かる。これは、次のような理由によるものと考えられる。すなわち、挿入速度が高い程、プラグキャップ1の変形抵抗が大きくなり、プラグキャップ1の形状が楕円形から碍子頭部311の外周面に沿った円形に変わるタイミングが遅くなる。これにより、挿入速度が高い程、碍子頭部311が全周においてプラグキャップ1に密着するタイミングが遅れる結果、挿入速度が高い程、プラグキャップ1全体としての動摩擦係数が低減するためであると考えられる。ここで、プラグキャップ1に対してスパークプラグ3を組み付ける際の挿入速度は、100mm/min以上であることが、生産性向上の観点から現実的である。
【0045】
さらに、同様の実験を、プラグキャップ1の延在長さを10mmとし、かつ、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入速度を、挿入荷重の観点で一番条件の厳しい200mm/minとした場合についても行った。本実験においては、下記表2に示すごとく、前記試料A4に対して延在長さを10mmとした試料A4aと、前記試料A5に対して延在長さを10mmとした試料A5aとを用意し、前述と同様の実験を行った。結果を
図11、
図12において、ひし形のプロット及び一点鎖線で表した線形近似曲線で示している。
【0046】
【0047】
図11、
図12における、試料A4の丸プロットと試料A4aのプロットとの比較、及び試料A5の丸プロットと試料A5aのプロットとの比較から、延在長さを長くすることにより、最大荷重を小さくできることが分かる。そして、全ての試料において、長尺締め代率を8%以下にすることにより、最大荷重を196N以下にすることができることが分かる。また、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入荷重低減の観点から、長尺締め代率を8%以下としつつ、延在長さを4mm以上とすることが好ましく、延在長さを10mm以上とすることがさらに好ましいといえる。
【0048】
(実験例2)
本例は、プラグキャップ1に挿入するスパークプラグ3の碍子径を10.5mmとして、実験例1と同様の実験を行った。本例においては、密着面部の断面形状が円形である試料B1、B2と、当該断面形状が楕円形状である試料B3~B8の合計8つの試料を準備した。当該8つの試料は、互いに密着面部の断面形状における周長を同等としつつ、密着面部の断面形状における縦横比を種々変更したものである。各試料のプラグキャップ1の各種寸法を、下記表3に示す。
【0049】
【0050】
本例においては、実験例1と同様の条件で最大荷重を測定した。結果を
図13、
図14に示す。
図13は、用いたスパークプラグ3の碍子頭部311にコルゲーションが形成されていない場合の結果であり、
図14は、用いたスパークプラグ3の碍子頭部311にコルゲーションが形成されている場合の結果である。また、
図13の曲線は、各プロットに関する指数近似曲線であり、
図14の直線は、各プロットに関する線形近似曲線である。
【0051】
図13及び
図14から、碍子径を実験例1のものに対して変更した場合であっても、長軸締め代率と最大荷重との関係については実験例1の結果と同様の傾向が生じていることが分かる。
【0052】
さらに、同様の実験を、プラグキャップ1の延在長さを10mmとした場合についても行った。本実験においては、下記表4に示すごとく、前記試料B4に対して延在長さを10mmとした試料B4aと、前記試料B5に対して延在長さを10mmとした試料B5aとを用意し、前述と同様の実験を行った。結果を
図13、
図14において、ひし形のプロット及び一点鎖線で表した線形近似曲線で示している。
【0053】
【0054】
図13、
図14における、試料B4のプロットと試料B4aのプロットとの比較、及び試料B5のプロットと試料B5aのプロットとの比較から、延在長さを長くすることにより、最大荷重を小さくできることが分かる。そして、全ての試料において、長尺締め代率を8%以下にすることにより、最大荷重を196N以下にすることができることが分かる。また、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入荷重低減の観点から、長尺締め代率を8%以下としつつ、延在長さを4mm以上とすることが好ましく、延在長さを10mm以上とすることがさらに好ましいといえる。
【0055】
(実験例3)
本例は、プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入度合いと挿入荷重との関係を実験により評価した例である。
【0056】
本例においては、実験例1におけるプラグキャップ1の密着面部の断面形状が円形の試料A2と、密着面部の断面形状が楕円形の試料A4、A8に対して、スパークプラグ3を挿入し、挿入度合いごとの挿入荷重を調査した。プラグキャップ1に対するスパークプラグ3の挿入速度は、200mm/minとした。そして、この実験を、コルゲーションがないタイプのスパークプラグ3と、コルゲーションがあるタイプのスパークプラグ3とで行った。
図15に、コルゲーションがないタイプのスパークプラグ3を用いた実験結果を示し、
図16に、コルゲーションがあるタイプのスパークプラグ3を用いた実験結果を示している。
【0057】
図15及び
図16から分かるように、試料A2の結果に比べ、試料A4、A8は、あらゆる挿入深さにおいて、挿入荷重が低くなっている。つまり、プラグキャップ1の密着面部の断面形状を、楕円形とすることにより、当該断面が円形の場合と比べ、挿入の途中においても挿入荷重を低減できていることが分かる。
【0058】
また、挿入深さが20mm以上であると、試料A2の挿入荷重と、試料A4、A8のそれぞれの挿入荷重との差が大きくなっていることが分かる。それゆえ、挿入深さが20mm以上で、プラグキャップの密着面部の断面形状を楕円形状とすることによる挿入荷重の低減効果を得られやすい。
【0059】
(実施形態2)
本形態は、
図17に示すごとく、実施形態1に対して、非円形面部10の形状を変更した実施形態である。
【0060】
本形態において、非円形面部10の断面形状は、角丸三角形状である。本形態においても、非円形面部10の断面形状に囲まれる仮想図形の重心Cを通り、非円形面部10の部位同士をZ方向に直交する方向に連結する無数の仮想線分のうち最長のものを最長線分SLと定義する。最長線分SLの長さDLと、スパークプラグ3の絶縁碍子31における被装着碍子部311aの最大径DIとは、{(DI-DL
)/DI
}×100≦8、を満たす。
【0061】
また、非円形面部10の断面形状の仮想的な内接円の直径は、碍子頭部311の基端面の外径をD
Bよりも大きい。それゆえ、碍子頭部311をプラグキャップ1内に挿入するとき、碍子頭部311の基端面を非円形面部10内に容易に挿入させやすい。また、本形態においても、碍子頭部311の最大径を構成する部位の周長(すなわちD
I×π)に対する非円形面部10の断面形状における周長の割合は、0.75以上、0.90以下である。それゆえ、碍子頭部311をプラグキャップ1内に挿入する際においては、碍子頭部311が、プラグキャップ1を径方向に押し広げるよう弾性変形させつつ挿入され、
図18に示すごとく、碍子頭部311がプラグキャップ1内に挿入された状態においては、プラグキャップ1の非円形面部10が碍子頭部311の外周面の全周に密着する。
【0062】
また、
図17に示すごとく、プラグキャップ1におけるZ方向の非円形面部10が形成された領域は、外周面16が、非円形面部10と略平行な三角形状となっている。
【0063】
その他は、実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0064】
なお、その他、非円形面部10及びこれに対向するプラグキャップ1の外周面16を、
図19に示すような、角が丸まった正方形や、
図20に示すような、正六角形等の多角形とすることも可能である。
【0065】
(実施形態3)
本形態は、
図21に示すごとく、実施形態2に対して、プラグキャップ1における非円形面部10に対向する外周面16の形状を円形としたものである。その他は、実施形態2と同様であり、本形態においても実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0066】
なお、
図22、
図23に示すごとく、非円形面部10の断面形状が、角が丸まった正方形や正六角形である場合であっても、非円形面部10に対向するプラグキャップ1の外周面16の断面形状を円形にすることも可能である。
【0067】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 プラグキャップ
10 非円形面部
111 開放部
2 点火コイル
3 スパークプラグ
Z 軸方向