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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/519 20210101AFI20240109BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240109BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/209
H01M50/507
H01M50/548 101
H01M50/553
H01M50/284
H05K1/02 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020120517
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2022017771
(43)【公開日】2022-01-26
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 克司
(72)【発明者】
【氏名】森田 光俊
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-226969(JP,A)
【文献】特開2011-210710(JP,A)
【文献】特表2020-509545(JP,A)
【文献】中国実用新案第209912949(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有し第1の方向に長い蓄電素子が前記第1の方向と交差する第2の方向に複数並べられた蓄電素子群に取り付けられて、前記蓄電素子に電気的に接続される配線モジュールであって、
前記電極端子に接続されるバスバーと、
前記バスバーに接続され、前記第1の方向にのびるフレキシブルプリント基板と、
前記バスバーと前記フレキシブルプリント基板を保持するプロテクタと、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の方向にのびる複数の延長部と、前記第2の方向にのびる交差部と、折り曲げ部と、を備え、
前記交差部の前記第2の方向における両端部には、2個の前記延長部が連結され、
2個の前記延長部のうち一方の前記延長部は、前記交差部の近傍に前記折り曲げ部を有し、
前記一方の前記延長部が前記折り曲げ部で折り返されることで、2個の前記延長部は前記交差部に対して前記第1の方向における反対側にのびている、配線モジュール。
【請求項2】
電極端子を有し第1の方向に長い蓄電素子が前記第1の方向と交差する第2の方向に複数並べられた蓄電素子群に取り付けられて、前記蓄電素子に電気的に接続される配線モジュールであって、
前記電極端子に接続されるバスバーと、
前記バスバーに接続され、前記第1の方向にのびる部分を有するフレキシブルプリント基板と、
前記バスバーと前記フレキシブルプリント基板を保持するプロテクタと、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の方向にのびる複数の延長部と、前記第2の方向にのびる交差部と、折り曲げ部と、を備え、
前記交差部の前記第2の方向における両端部には、2個の前記延長部が連結され、
2個の前記延長部のうち一方の前記延長部は、前記交差部の近傍に前記折り曲げ部を有し、
前記一方の前記延長部が前記折り曲げ部で折り返されることで、2個の前記延長部は前記交差部に対して前記第1の方向における反対側にのびており
前記プロテクタは、第1プロテクタと、前記第1プロテクタと前記第1の方向に離間して配される第2プロテクタと、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1プロテクタに固定される第1フレキシブルプリント基板と、前記第2プロテクタに固定される第2フレキシブルプリント基板と、前記第1フレキシブルプリント基板と前記第2フレキシブルプリント基板とを電気的に接続し且つ前記第1の方向に延びる第3フレキシブルプリント基板と、を備え、
前記第1フレキシブルプリント基板は第1コネクタを備え、
前記第2フレキシブルプリント基板は第2コネクタを備え、
前記第3フレキシブルプリント基板の一端には前記第1コネクタに嵌合する第1相手側コネクタが設けられ、
前記第3フレキシブルプリント基板の他端には前記第2コネクタに嵌合する第2相手側コネクタが設けられ、
前記交差部が、前記第1コネクタと前記第2コネクタの前記第2の方向の位置ずれを吸収する配線モジュール。
【請求項3】
前記第2の方向において一対の前記延長部の間に、一対の前記交差部が配されている、請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板は、絶縁性のベースフィルムと、前記ベースフィルムの片面のみに積層される導体層と、前記導体層の少なくとも一部を被覆するカバーフィルムと、を有し、
前記折り曲げ部は、偶数個設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項5】
前記折り曲げ部は、2個設けられている、請求項4に記載の配線モジュール。
【請求項6】
前記折り曲げ部を中心として一方側に配された前記延長部と他方側に配された前記交差部とは、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向において重なり合う配置とされ、この重なり合う部分は固定部によって固定されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項7】
前記折り曲げ部の両端部には、一対の切り欠き部が設けられている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項8】
前記フレキシブルプリント基板は、ランドを有し、
前記ランドは、半田付けによって、前記バスバーの少なくとも1つの側面に接続されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項9】
前記ランドは、半田付けによって、前記バスバーの1つの側面のみに接続されている、請求項8に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等に用いられる高圧のバッテリーパックは、通常、多数のバッテリーセルが積層され、配線モジュールによって直列あるいは並列に電気接続されている。このような配線モジュールとして、従来、特表2019-511810号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1に記載のバッテリーモジュールは、バッテリーモジュールの前後方向に沿って各々電極リードが突出する複数個のバッテリーセルと、複数個のバッテリーセルの電極リードを統合的に連結するバスバーユニットと、を備えて構成されている。このバスバーユニットにおいて、前方へ突出する電極リードに接続された第1バスバーと、後方へ突出する電極リードに接続された第2バスバーとは、センシングバスバーによって電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-511810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成において、センシングバスバーには、フレキシブルプリント基板を用いることが考えられる。しかしながら、フレキシブルプリント基板を用いて上記のセンシングバスバーを形成しようとした場合、センシングバスバーの構成によってはフレキシブルプリント基板のサイズが大きくなる。サイズの大きいフレキシブルプリント基板を製造する場合、設備が大型化する等の懸念があった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、設備を大型化することなく、折り返しにより延長可能なフレキシブルプリント基板を用いた配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線モジュールは、電極端子を有し第1の方向に長い蓄電素子が前記第1の方向と交差する第2の方向に複数並べられた蓄電素子群に取り付けられて、前記蓄電素子に電気的に接続される配線モジュールであって、前記電極端子に接続されるバスバーと、前記バスバーに接続され、前記第1の方向にのびるフレキシブルプリント基板と、前記バスバーと前記フレキシブルプリント基板を保持するプロテクタと、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の方向にのびる複数の延長部と、前記第2の方向にのびる交差部と、折り曲げ部と、を備え、前記交差部の前記第2の方向における両端部には、2個の前記延長部が連結され、2個の前記延長部のうち一方の前記延長部は、前記交差部の近傍に前記折り曲げ部を有し、前記一方の前記延長部が前記折り曲げ部で折り返されることで、2個の前記延長部は前記交差部に対して前記第1の方向における反対側にのびている、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、設備を大型化することなく、折り返しにより延長可能なフレキシブルプリント基板を用いた配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1にかかる配線モジュールとバッテリーセル積層体を示す分解斜視図である。
図2図2は、折り返されていないフレキシブルプリント基板の平面図である。
図3図3は、折り返されたフレキシブルプリント基板の平面図である。
図4図4は、コネクタに接続されたフレキシブルプリント基板の導電路を含む断面図である。
図5図5は、フレキシブルプリント基板の固定部周辺を示す斜視図である。
図6図6は、フレキシブルプリント基板の切り欠き部周辺を示す平面図である。
図7図7は、バスバーの接続部の1つの側面とランドとの半田付けを示す拡大斜視図である。
図8図8は、バスバーの接続部の4つの側面とランドとの半田付けを示す拡大斜視図である。
図9図9は、実施形態2にかかる折り返されていないフレキシブルプリント基板の平面図である。
図10図10は、折り返されたフレキシブルプリント基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0010】
(1)本開示の配線モジュールは、電極端子を有し第1の方向に長い蓄電素子が前記第1の方向と交差する第2の方向に複数並べられた蓄電素子群に取り付けられて、前記蓄電素子に電気的に接続される配線モジュールであって、前記電極端子に接続されるバスバーと、前記バスバーに接続され、前記第1の方向にのびるフレキシブルプリント基板と、前記バスバーと前記フレキシブルプリント基板を保持するプロテクタと、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の方向にのびる複数の延長部と、前記第2の方向にのびる交差部と、折り曲げ部と、を備え、前記交差部の前記第2の方向における両端部には、2個の前記延長部が連結され、2個の前記延長部のうち一方の前記延長部は、前記交差部の近傍に前記折り曲げ部を有し、前記一方の前記延長部が前記折り曲げ部で折り返されることで、2個の前記延長部は前記交差部に対して前記第1の方向における反対側にのびている、配線モジュールである。ここで、折り曲げ部が位置している交差部の近傍とは、フレキシブルプリント基板を折り曲げた際、第1の方向の全長がフレキシブルプリント基板が折り返されていない状態に比べて長くなるような範囲である。
【0011】
このような構成によると、設備を大型化することなく、折り返しにより、第1の方向にのびるフレキシブルプリント基板を用いた配線モジュールを提供することができる。
【0012】
(2)前記フレキシブルプリント基板は、少なくとも1個のコネクタと、少なくとも1個の前記コネクタに嵌合する相手側コネクタと、前記コネクタと前記相手側コネクタとの嵌合により電気的に接続される2個以上の分割したフレキシブルプリント基板と、を備え、前記交差部が、前記コネクタと前記相手側コネクタの前記第2の方向の位置ずれを吸収する。
【0013】
このような構成によると、2個以上の分割したフレキシブルプリント基板で構成されている配線モジュールを蓄電素子群に取り付ける作業が容易になる。
【0014】
(3)前記第2の方向において一対の前記延長部の間に、一対の前記交差部が配されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、フレキシブルプリント基板の歩留まりを向上できる。
【0016】
(4)前記フレキシブルプリント基板は、絶縁性のベースフィルムと、前記ベースフィルムの片面のみに積層される導体層と、前記導体層の少なくとも一部を被覆するカバーフィルムと、を有し、前記折り曲げ部は、偶数個設けられていることが好ましい。
【0017】
このような構成によると、フレキシブルプリント基板を偶数回折り曲げることにより、フレキシブルプリント基板の第1の方向における両端部で、同じ面に導体層を露出させることができる。
【0018】
(5)前記折り曲げ部は、2個設けられていることが好ましい。
【0019】
このような構成によると、フレキシブルプリント基板の折り曲げ回数を最小にして、フレキシブルプリント基板の第1の方向における両端部で、同じ面に導体層を露出させることができる。折り曲げ回数が最小となっているため、構成を簡素化できる。
【0020】
(6)前記折り曲げ部を中心として一方側に配された前記延長部と他方側に配された前記交差部とは、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向において重なり合う配置とされ、この重なり合う部分は固定部によって固定されていることが好ましい。
【0021】
このような構成によると、折り曲げ部が外力等によりずれることを抑制することができる。
【0022】
(7)前記折り曲げ部の両端部には、一対の切り欠き部が設けられていることが好ましい。
【0023】
このような構成によると、折り曲げ部の位置がわかりやすくなる。また、フレキシブルプリント基板を折り曲げるときの反力が小さくなり、折り曲げやすくなる。
【0024】
(8)前記フレキシブルプリント基板は、ランドを有し、前記ランドは、半田付けによって、前記バスバーの少なくとも1つの側面に接続されている。
【0025】
(9)前記ランドは、半田付けによって、前記バスバーの1つの側面のみに接続されていることが好ましい。
【0026】
このような構成によると、ランドとバスバーとの半田付けの作業効率が向上する。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0028】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図6を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール10を備えたバッテリーモジュール1は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車などの車両を駆動するための電源として車両に搭載されるものである。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。ここで、前後方向は第1の方向の一例、左右方向は第2の方向の一例、上下方向は第3の方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0029】
[バッテリーモジュール]
実施形態1のバッテリーモジュール1は、図1に示すように、バッテリーセル積層体20L(蓄電素子群の一例)と、バッテリーセル積層体20Lに取り付けられる配線モジュール10と、を備えている。
【0030】
[バッテリーセル、電極リード]
バッテリーセル積層体20Lは、複数のバッテリーセル20(蓄電素子の一例)を左右方向に並べて構成されている。バッテリーセル20は、図1に示すように、前後方向に長く、左右方向に扁平な形状をなしている。バッテリーセル20の内部には、蓄電要素(図示せず)が収容されている。バッテリーセル20は、一対の電極リード21(電極端子の一例)を備えている。一対の電極リード21はバッテリーセル20の前後方向の両側にそれぞれ配置され、互いに反対方向を向くようにして突出している。一対の電極リード21は、板状をなし、互いに反対の極性を有している。すなわち、バッテリーセルの前後方向の一方の側の電極リード21は負極であり、他方の側の電極リード21は正極となっている。
【0031】
本実施形態において、バッテリーセル20は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。
【0032】
図1に示すように、バッテリーセル積層体20Lは、各バッテリーセル20の前方に突出する電極リード21と、各バッテリーセル20の後方に突出する電極リード21と、を備えている。本実施形態の配線モジュール10は、後述するように、バッテリーセル積層体20Lの前側と後側に一つずつ取り付けられ、各側において各バッテリーセル20の電極リード21を電気的に接続する。バッテリーセル積層体20Lの電極リード21は、配線モジュール10との接続のために、適宜折り曲げられ、必要な長さに切断される。
【0033】
[配線モジュール、フレキシブルプリント基板]
配線モジュール10は、電極リード21に接続されるバスバー30と、バスバー30に接続されるフレキシブルプリント基板(以下、FPCと略記する)60と、バスバー30とFPC60とを保持するプロテクタ70と、を備えている。FPC60は、後述するように、プロテクタ側FPC40(分割したフレキシブルプリント基板の一例)と、プロテクタ側FPC40の上端部に設けられるコネクタ41と、中継FPC50(分割したフレキシブルプリント基板の一例)と、中継FPC50の前端部及び後端部に設けられ、コネクタ41と嵌合する相手側コネクタ51と、を備えている。コネクタ41と相手側コネクタ51とは互いに嵌合、離脱可能とされ、これによってFPC60が別体に分割可能に設けられている。
【0034】
図1に示すように、配線モジュール10のうち、バッテリーセル積層体20Lの前側に取り付けられる部材は、第1バスバーモジュール11とされ、バッテリーセル積層体20Lの後側に取り付けられる部材は、第2バスバーモジュール12とされている。第1バスバーモジュール11と第2バスバーモジュール12とは、中継FPC50により電気的に接続される。
【0035】
第1バスバーモジュール11は、前方に突出する電極リード21に接続されるバスバー30と、バスバー30に接続されるプロテクタ側FPC40と、バスバー30とプロテクタ側FPC40とを保持するプロテクタ70と、を備えている。プロテクタ側FPC40の上端部には、コネクタ41が設けられている。コネクタ41は、プロテクタ側FPC40を介してバスバー30に接続されている。コネクタ41は、中継FPC50に接続された相手側コネクタ51と嵌合するようになっている。第2バスバーモジュール12も第1バスバーモジュール11と同様に設けられ、後方に突出する電極リード21に接続されるようになっている。したがって、コネクタ41と相手側コネクタ51とが互いに嵌合することより、プロテクタ側FPC40と中継FPC50とが電気的に接続され、第1バスバーモジュール11と第2バスバーモジュール12とが電気的に接続される。
【0036】
[プロテクタ]
プロテクタ70は、絶縁性の合成樹脂からなり、図1に示すように、板状をなしている。プロテクタ70の上下方向の中央部には、左右方向に並列して、複数の電極受け部71が設けられている。複数の電極受け部71は、前後方向に貫通形成され、上下に長い矩形状をなしている。プロテクタ70の上側には、バスバー30を保持する溝部72が設けられている。
【0037】
[バスバー]
バスバー30は、板状の形状をなし、導電性の金属板を加工することにより形成されている。図1に示すように、バスバー30は、板厚方向が左右方向となるように、プロテクタ70の上側に設けられた溝部72に保持される。バスバー30の下部には接続部32が設けられている。接続部32は、プロテクタ側FPC40に半田付けにより接続される。バスバー30の中央部分は、電極リード21が接続される本体部31となっている。第1バスバーモジュール11をバッテリーセル積層体20Lの前側に取り付ける際、前方に突出する電極リード21はプロテクタ70の電極受け部71に挿通され、本体部31は電極受け部71に挿通された電極リード21にレーザー溶接により接続される。
【0038】
[プロテクタ側FPC、ベースフィルム、導電路、カバーレイフィルム]
プロテクタ側FPC40は、図4に示すように、ベースフィルム42Aと、ベースフィルム42Aの片面のみに積層される複数の導電路43(導体層の一例)と、複数の導電路43を被覆するカバーレイフィルム42B(カバーフィルムの一例)と、を備えている(図4においては、説明のためにベースフィルム42A等の厚さは実際よりも大きく図示している。)。すなわち、プロテクタ側FPC40は、いわゆる片面FPCにより構成されている。ベースフィルム42A及びカバーレイフィルム42Bは、絶縁性と柔軟性を有するポリイミド等の合成樹脂からなる。導電路43は、ベースフィルム42Aにより後方から保持され、カバーレイフィルム42Bにより前方から被覆されている。導電路43は、銅や銅合金等の金属箔により形成されている。以下では、図示及び説明を省略するが、導電路43には、抵抗、コンデンサ、トランジスタ等、任意の電子部品が接続されうる。
【0039】
[コネクタ]
プロテクタ側FPC40は、図1に示すように、上下反転したT字状をなしている。プロテクタ側FPC40は、接着剤等によりプロテクタ70に固定されている。プロテクタ側FPC40の下部には、図7に示すように、導電路43に接続されたランド43Lが形成されている。ランド43Lは、導電路43と同様の金属箔からなり、長方形状をなしている。図示を省略するが、ランド43Lの前方のカバーレイフィルム42Bは除去され、ランド43Lは前方に向かって露出している。ランド43Lは、バスバー30の接続部32の右側に配されるように形成され、バスバー30の接続部32の右側面と半田Sによって電気的に接続されている。このように、ランド43Lとバスバー30の接続部32の1つの側面が半田付けされる構成を採用することで、一般的な半田ごてを用いて効率的に半田付けの作業を行うことができる。
【0040】
また、ランド43Lは、バスバー30の接続部32の左右両側や周縁部に配されるように形成され、バスバー30の接続部32の複数の側面と半田付けされる形態としてもよい。例えば、図8に示すように、ランド43Lはバスバー30の接続部32の周縁部に配され、バスバー30の接続部32の4つの側面と半田Sによって接続されるようにしてもよい。この場合、半田Sにより接続される部分を大きくとることで、プロテクタ側FPC40に対してバスバー30が安定する効果がある。半田付けするバスバー30の接続部32の側面が増えるため作業効率が問題となり得るが、例えば、バスバー30の接続部32の形状に合わせた特殊な半田ごてを用いれば、作業効率を向上させることができる。
【0041】
プロテクタ側FPC40の上端には、上方に開口してコネクタ41が設けられている。図4に示すように、プロテクタ側FPC40の上端部のカバーレイフィルム42Bに予め開口を設けておくことで露出した導電路43は、半田Sによりコネクタ41の接続部41Aと半田付けされ、電気的に接続されている。なお、導電路43は、図4図7、及び図8においてのみ図示され、他の図では省略されている。
【0042】
上記のほか、各導電路43は、図示しない外部のECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続される。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、バッテリーセル20の電圧、電流、温度等の検知、各バッテリーセル20の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0043】
[中継FPC、ベースフィルム、導電路、カバーレイフィルム]
中継FPC50は、プロテクタ側FPC40と同様に、ベースフィルム52Aと、複数の導電路53(導体層の一例)と、カバーレイフィルム52B(カバーフィルムの一例)と、を備え、片面FPCにより構成されている。中継FPC50は、図2及び図3に示すように、前後方向に長い形状をなしている。図3に示す中継FPC50は後述するように折り返されており、中継FPC50の前後方向の全長L2は、中継FPC50が折り返されていない状態(図2)に比べて長くなっている。本実施形態によれば、例えば、折り返されていない中継FPC50の前後方向の全長L1(図2参照)を300mm程度、折り返された中継FPC50の前後方向の全長L2(図3参照)を600mm程度に設定することが可能である。
【0044】
[相手側コネクタ]
図2に示すように、中継FPC50の前端部及び後端部にはそれぞれ相手側コネクタ51が設けられている。前端部の相手側コネクタ51は、第1バスバーモジュール11のコネクタ41に嵌合する第1相手側コネクタ51A(相手側コネクタの一例)とされている。後端部の相手側コネクタ51は、第2バスバーモジュール12のコネクタ41に嵌合する第2相手側コネクタ51B(相手側コネクタの一例)とされている。第1相手側コネクタ51A及び第2相手側コネクタ51Bは、図4に示される半田付けと同様にして、それぞれ中継FPC50の導電路53に半田付けにより接続され、導電路53を介して互いに電気的に接続されている。
【0045】
[延長部、交差部]
折り返されていない状態の中継FPC50について図2を用いて説明する。中継FPC50は、前後方向にのびる4個の延長部54A,54B,54C,54Dと、左右方向にのびる2個の交差部55A,55Bと、2個の折り曲げ部56A,56Bと、1個の段差部59と、を有している。段差部59は、左右方向と前後方向にのびることで斜め前方にのびる形態とされている。延長部54Aの前端部は、第1相手側コネクタ51Aに接続されている。延長部54Aの後端部は、交差部55Aの左端部に連結されている。交差部55Aの右端部は、延長部54Bの後端部に連結されている。延長部54Bの前端部は、交差部55Bの左端部に連結されている。交差部55Bの右端部は、延長部54Cの前端部に連結されている。延長部54Cの後端部は、段差部59の前端部に連結されている。段差部59の後端部は、延長部54Dの前端部に連結されている。延長部54Dの後端部は、第2相手側コネクタ51Bに接続されている。
【0046】
[折り曲げ部]
図2に示すように、延長部54Aにおける交差部55Aの近傍には、折り曲げ部56Aが設けられている。ここで、折り曲げ部56Aが位置している交差部55Aの近傍とは、中継FPC50を折り曲げ部56Aで折り曲げた際、中継FPC50の前後方向の全長L2が、中継FPC50が折り返されていない状態に比べて長くなるような範囲である。延長部54Aが折り曲げ部56Aで折り返されることで、図3に示すように、交差部55Aに対して延長部54A及び延長部54Bは前後方向における反対側にのびている。ここで、折り曲げ部56Aは、できるだけ延長部54Aの交差部55A寄り(すなわち後端部寄り)に配置することが好ましく、このような配置で延長部54Aを折り返した方が、中継FPC50の前後方向の全長L2をさらに延長できる。一方、折り曲げ部56Aが、延長部54Aにおける交差部55Aと反対側の端部(すなわち前端部)に近い位置に設けられた場合には、延長部54Aが折り返されても、延長部54A,54Bは、交差部55Aに対して前側にのびる形態をなし、中継FPC50の前後方向の全長L2は延長されない。したがって、折り曲げ部56Aは、少なくとも延長部54Aの前後方向における中央位置よりも交差部55A側(後側)に設けられる必要がある。同様に、図2に示すように、延長部54Bにおける交差部55Bの近傍には、折り曲げ部56Bが設けられている。
【0047】
図2に示すように、折り返されていない中継FPC50の前後方向における最長の部分は、延長部54Bを含む中央部分であり、前後方向の全長はL1となっている。このため、L1より大きい寸法のFPCを形成可能な設備であれば、中継FPC50を形成することができる。
【0048】
[切り欠き部]
折り曲げ部56Aの左右方向の両端部には、図6に示すように、一対の切り欠き部57が設けられている。切り欠き部57は、導電路53を断線させないように、中継FPC50の右側の外縁及び左側の外縁を切り欠いて形成される。切り欠き部57の導電路53側の先端部は、円形状とされ、外力等によって切り欠き部57が導電路53側に広がりにくく構成されている。切り欠き部57は、中継FPC50を折り返す際、折り曲げ部56Aの目印となる。また、切り欠き部57によって、折り曲げ部56Aを折り曲げる際の反力が小さくなり、折り曲げ部56Aを折り曲げやすくなる。図示と説明を省略するが、切り欠き部57は、折り曲げ部56Bにも同様に設けられている。なお、切り欠き部57及び導電路53は、図6においてのみ図示され、他の図では省略されている。
【0049】
中継FPC50は、図3に示すように、折り曲げ部56A,56Bにおいて折り返された状態で配線モジュール10に用いられる。折り返された中継FPC50の前後方向の全長はL2であり、折り返されていない中継FPC50の前後方向の全長L1よりも大きくなっている。また、中継FPC50の左右方向の長さは、交差部55A,55Bの左右方向の長さを変更することで調節可能である。すなわち、プロテクタ側FPC40に接続されたコネクタ41と中継FPC50に接続された相手側コネクタ51の配置に応じて、交差部55A,55Bの左右方向の長さが設定されている。
【0050】
[固定部]
図5に示すように、中継FPC50において、折り曲げ部56Aを中心として一方側に配された延長部54Aと他方側に配された交差部55Aとは、中継FPC50が折り返されたとき、上下方向において重なり合う配置となっている。延長部54Aと交差部55Aの重なり合う部分は、固定部58によって固定されている。固定部58は、例えば、接着剤や両面粘着テープ等で構成されうる。図3に示すように、固定部58は、折り曲げ部56Bにおいて折り返された延長部54Bと交差部55Bの重なり合う部分にも、設けられている。
【0051】
中継FPC50には2個の折り曲げ部56A,56Bが設けられているので、中継FPC50は全体として2回折り返される。中継FPC50は片面FPCであるため、2回折り返された場合、中継FPC50の端部にあたる延長部54Aと延長部54Dは同じ表裏の関係を有する。例えば、延長部54Aと延長部54Dの最下層は、ベースフィルム52Aとなっている。また、延長部54Aに接続された第1相手側コネクタ51Aと延長部54Dに接続された第2相手側コネクタ51Bは、ともに中継FPC50に対して同じ側(図3では上側)に配される。したがって、特に、中継FPC50の両端部においてのみ部品が半田付けされる場合、2回折り返された中継FPC50は、全長がL2である片面FPCと同じように扱うことができる。
【0052】
以上のように、本実施形態では、L2の寸法のFPCを形成できなくても、L1より大きい寸法のFPCを形成できる設備があれば、折り返し状の構造を採用することで、前後方向の全長がL2である中継FPC50を形成することができる。
【0053】
[配線モジュールのバッテリーセル積層体への組み付け]
第1バスバーモジュール11は、バッテリーセル積層体20Lの前側に取り付けられる。前方に突出する電極リード21は電極受け部71に挿通され、電極リード21とバスバー30とはレーザー溶接により接合される。第2バスバーモジュール12も同様にしてバッテリーセル積層体20Lの後側に取り付けられる。
【0054】
次に、予め折り返された中継FPC50がバッテリーセル積層体20Lの上側に取り付けられる。中継FPC50の第1相手側コネクタ51Aと第1バスバーモジュール11のコネクタ41とが嵌合され、中継FPC50の第2相手側コネクタ51Bと第2バスバーモジュール12のコネクタ41とが嵌合されることにより、第1バスバーモジュール11と第2バスバーモジュール12とが電気的に接続される。以上により、配線モジュール10のバッテリーセル積層体20Lへの組み付けが完了する。
【0055】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる配線モジュール10は、電極リード21を有し前後方向に長いバッテリーセル20が左右方向に複数並べられたバッテリーセル積層体20Lに取り付けられて、バッテリーセル20に電気的に接続される配線モジュール10であって、電極リード21に接続されるバスバー30と、バスバー30に接続され、前後方向にのびるFPC60と、バスバー30とFPC60を保持するプロテクタ70と、を備え、FPC60は、前後方向にのびる複数の延長部54A,54B,54C,54Dと、左右方向にのびる交差部55A,55Bと、折り曲げ部56A,56Bと、を備え、交差部55Aの左右方向の両端部には、延長部54A,54Bが連結され、延長部54Aは、交差部55Aの近傍に折り曲げ部56Aを有し、延長部54Aが折り曲げ部56Aで折り返されることで、延長部54A,54Bは交差部55Aに対して前後方向における反対側にのびており、交差部55Bの左右方向の両端部には、延長部54B,54Cが連結され、延長部54Bは、交差部55Bの近傍に折り曲げ部56Bを有し、延長部54Bが折り曲げ部56Bで折り返されることで、延長部54B,54Cは交差部55Bに対して前後方向における反対側にのびている。
【0056】
上記の構成によれば、設備を大型化することなく、折り返しにより、前後方向にのびるFPC60を用いた配線モジュール10を提供することができる。具体的には、L2より大きい寸法のFPCを形成できないFPC製造装置を用いても、折り返しにより前後方向の全長をL2に延長可能なFPC60を形成することができ、配線モジュール10に用いることができる。
【0057】
実施形態1では、FPC60は、2個のコネクタ41と、2個のコネクタ41に嵌合する2個の相手側コネクタ51と、コネクタ41と相手側コネクタ51との嵌合により電気的に接続されるプロテクタ側FPC40及び中継FPC50と、を備え、交差部55A,55Bが、コネクタ41と相手側コネクタ51の左右方向の位置ずれを吸収する。
【0058】
上記の構成によれば、配線モジュール10をバッテリーセル積層体20Lに取り付ける作業が容易になる。例えば、電極リード21とバスバー30との接続を終えてから、コネクタ41と相手側コネクタ51とを嵌合し、プロテクタ側FPC40と中継FPC50との接続を行うことができる。
【0059】
実施形態1では、FPC60は、絶縁性のベースフィルム42A,52Aと、ベースフィルム42A,52Aの片面のみに積層される複数の導電路43,53と、複数の導電路43,53の少なくとも一部を被覆するカバーレイフィルム42B,52Bと、を有し、2個の折り曲げ部56A,56Bが設けられている。
【0060】
上記の構成によれば、FPC60を2回折り曲げることにより、FPC60の折り曲げ回数を最小にして、FPC60の前後方向における両端部で、同じ面に複数の導電路43,53を露出させることができる。なお、4以上の偶数個の折り曲げ部が設けられる構成によっても、同様の作用、効果を奏する。しかし、実施形態1では、2個の折り曲げ部56A,56Bが設けられ、折り曲げ回数が最小となっているため、構成を簡素化することができる。
【0061】
実施形態1では、折り曲げ部56A,56Bを中心として一方側に配された延長部54A,54Bと他方側に配された交差部55A,55Bとは、上下方向において重なり合う配置とされ、この重なり合う部分は固定部58によって固定されている。
【0062】
上記の構成によれば、折り曲げ部56A,56Bが外力等によりずれることを抑制することができる。
【0063】
実施形態1では、折り曲げ部56A,56Bの両端部には、一対の切り欠き部57が設けられている。
【0064】
上記の構成によれば、折り曲げ部56A,56Bの位置がわかりやすくなる。また、FPC60を折り曲げるときの反力が小さくなり、折り曲げやすくなる。
【0065】
実施形態1では、FPC60は、ランド43Lを有し、ランド43Lは、半田付けによって、バスバー30の1つの側面のみに接続されている。
【0066】
上記の構成によれば、ランド43Lとバスバー30との半田付けの作業効率が向上する。
【0067】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図9及び図10を参照しつつ説明する。以下の説明においては、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。また、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。ここで、前後方向は第1の方向の一例、左右方向は第2の方向の一例、上下方向は第3の方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0068】
実施形態2の配線モジュールにおいて、FPC160は、実施形態1の中継FPC50の代わりに、中継FPC150を備えている。以下では、中継FPC150について説明する。
【0069】
実施形態2の中継FPC150では、交差部155Aを除いて、中継FPC50と同一の構成を備えている。すなわち、中継FPC150は、延長部54A,54B,54C,54Dと、交差部55B,155Aと、折り曲げ部56A,56Bと、段差部59と、を備えている。図9及び図10に示すように、折り返された中継FPC150の前後方向の全長(L2)及び折り返されていない中継FPC150の前後方向の全長(L1)は、中継FPC50のものと等しく形成されている。
【0070】
図9に示すように、延長部54Aの後端部は、交差部155Aの右端部に連結されている。延長部54Aにおける交差部155Aの近傍には、折り曲げ部56Aが設けられている。交差部155Aの左端部は、延長部54Bの後端部に連結されている。実施形態1の交差部55Aが延長部54Aの後端部から右方に延びて形成されているのに対し、交差部155Aは延長部54Aの後端部から左方にのびて形成されている。このため、中継FPC150は、左右方向において一対の延長部54B,54Cの間に、一対の交差部55B,155Aが配置された構成を有する。
【0071】
これにより、中継FPC150の左右方向の長さは、実施形態1の中継FPC50の左右方向の長さよりも小さくなっており、歩留まりが向上している。また、第1相手側コネクタ51Aと第2相手側コネクタ51Bの左右方向の間隔を短く設定できる。これに伴い、第1バスバーモジュール11のコネクタ41と第2バスバーモジュールのコネクタ41の左右方向の間隔も短く設定できる。
【0072】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
左右方向において一対の延長部54B,54Cの間に、一対の交差部155A,55Bが配されている。
【0073】
上記の構成によれば、FPC160の歩留まりを向上できる。
【0074】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、蓄電素子としてラミネート型のバッテリーセル20を用いたが、これに限られることはなく、ラミネート型のバッテリーセル以外の蓄電素子を用いてもよい。
(2)上記実施形態では、FPC60,160が分割された構成としたが、これに限られることはなく、FPCは一体に設けられる構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、FPC60,160は片面FPCであり、2個の折り曲げ部56A,56Bを備えた構成としたが、これに限られることはなく、FPCは電気的に接続された導体層がベースフィルムの両面に積層され、導体層がカバーフィルムに被覆されている両面FPCであり、1個以上の折り曲げ部を備えた構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、片面FPCであるFPC60,160を2回折り返すことで、FPC60,160の前後方向における両端部で、同じ面に複数の導電路43,53を露出させる構成としたが、これに限られることはない。例えば、FPCは片面FPCであり、奇数個の折り曲げ部を備えることで、FPCの前後方向における両端部で、反対の面に複数の導電路を露出させる構成としてもよい。コネクタ等の配置によっては、FPCの前後方向における両端部で、反対の面に複数の導電路を露出させる構成の方が好ましい場合もありうる。
【符号の説明】
【0075】
1: バッテリーモジュール
10: 配線モジュール
11: 第1バスバーモジュール
12: 第2バスバーモジュール
20: バッテリーセル
20L: バッテリーセル積層体
21: 電極リード
30: バスバー
31: 本体部
32,41A: 接続部
40: プロテクタ側FPC
41: コネクタ
42A,52A: ベースフィルム
42B,52B: カバーレイフィルム
43,53: 導電路
43L: ランド
50,150: 中継FPC
51: 相手側コネクタ
51A: 第1相手側コネクタ
51B: 第2相手側コネクタ
54A,54B,54C,54D: 延長部
55A,55B,155A: 交差部
56A,56B: 折り曲げ部
57: 切り欠き部
58: 固定部
59: 段差部
60,160: フレキシブルプリント基板
70: プロテクタ
71: 電極受け部
72: 溝部
L1: 折り返されていない中継FPCの前後方向の全長
L2: 折り返された中継FPCの前後方向の全長
S: 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10