IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横河電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電源システム及び電源装置 図1
  • 特許-電源システム及び電源装置 図2
  • 特許-電源システム及び電源装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】電源システム及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
H02J1/00 309D
H02J1/00 306F
H02J1/00 309P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021058966
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022155636
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕介
(72)【発明者】
【氏名】福原 啓
(72)【発明者】
【氏名】中西 五輪生
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06301133(US,B1)
【文献】特開2018-074796(JP,A)
【文献】特開平07-281766(JP,A)
【文献】特開平11-289690(JP,A)
【文献】特開平02-193543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に対して電流を供給する少なくとも2台の電源装置を備える電源システムであって、
前記電源装置は、
前記負荷に供給する電流を生成するコンバータと、
前記コンバータと前記負荷との間に直列に接続されているFETと、
前記FETのゲート電圧が、前記FETがオン状態であることを規定する予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路と、
前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じてアラームを生成するアラーム生成回路と、
前記FETから前記コンバータに向かう逆流電流を検出した場合に、前記FETのゲート電圧を制御して前記逆流電流を阻止せずに制限する電流検出部と、
を備える電源システム。
【請求項2】
前記アラーム生成回路は、前記コンバータの出力電圧が予め規定された第2基準電圧を下回った場合にもアラームを生成する、請求項1記載の電源システム。
【請求項3】
前記アラーム生成回路は、前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じたアラームを第1アラームとして生成し、前記コンバータの出力電圧に応じたアラームを第2アラームとして生成する、請求項2記載の電源システム。
【請求項4】
前記電源装置は、前記FETのドレイン電極とソース電極との間の電圧を検出し、該電圧の検出結果に基づいて前記FETをオフ状態に制御して、前記FETから前記コンバータに向かう逆流電流を阻止する電圧監視部を備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項5】
負荷に供給する電流を生成するコンバータと、
前記コンバータと前記負荷との間に直列に接続されているFETと、
前記FETのゲート電圧が、前記FETがオン状態であることを規定する予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路と、
前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じてアラームを生成するアラーム生成回路と、
前記FETから前記コンバータに向かう逆流電流を検出した場合に、前記FETのゲート電圧を制御して前記逆流電流を阻止せずに制限する電流検出部と、
を備える電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システム及び電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高い信頼性が求められる電源は、何らかの障害が発生した場合であっても電源供給が継続されるように、負荷に対して複数台の電源装置が並列接続された冗長化構成とされることが多い。例えば、高信頼性が要求される産業機器用電源は、負荷に対して電源装置が二重化されていることが多い。以下の特許文献1には、負荷に接続される2つの電源装置を、突き合わせFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を介して突き合わせた電源システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-156224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された従来の電源システムでは、例えば、突き合わせFETのゲート制御を行う制御回路の故障等によって、突き合わせFETがオフ状態になったとしても、その状態を検出することができない。このため、本来であればアラームを発報すべき状態であるにも拘わらず、アラームを発報することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、突き合わせFETがオフ状態になった場合に、アラームを発報することができる電源システム及び電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様による電源システムは、負荷(L)に対して電流を供給する少なくとも2台の電源装置(10)を備える電源システム(1)であって、前記電源装置が、前記負荷に供給する電流を生成するコンバータ(11)と、前記コンバータと前記負荷との間に直列に接続されているFET(13)と、前記FETのゲート電圧が予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路(16)と、前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じてアラームを生成するアラーム生成回路(17)と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様による電源システムは、前記アラーム生成回路が、前記コンバータの出力電圧が予め規定された第2基準電圧を下回った場合にもアラームを生成する。
【0008】
また、本発明の一態様による電源システムは、前記アラーム生成回路が、前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じたアラームを第1アラームとして生成し、前記コンバータの出力電圧に応じたアラームを第2アラームとして生成する。
【0009】
また、本発明の一態様による電源システムは、前記電源装置が、前記FETから前記コンバータに向かう逆流電流を検出した場合に、前記FETのゲート電圧を制御して前記逆流電流を制限する電流検出部(12)を備える。
【0010】
また、本発明の一態様による電源システムは、前記電源装置が、前記FETのドレイン電極とソース電極との間の電圧を検出し、該電圧の検出結果に基づいて前記FETをオフ状態に制御して、前記FETから前記コンバータに向かう逆流電流を阻止する電圧監視部(14)を備える。
【0011】
本発明の一態様による電源装置(10)は、負荷(L)に供給する電流を生成するコンバータ(11)と、前記コンバータと前記負荷との間に直列に接続されているFET(13)と、前記FETのゲート電圧が予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路(16)と、前記ゲート電圧監視回路の監視結果に応じてアラームを生成するアラーム生成回路(17)と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、突き合わせFETがオフ状態になった場合に、アラームを発報することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による電源システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による電源装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による電源装置に設けられるゲート電圧監視回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による電源システム及び電源装置について詳細に説明する。以下では、まず本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0015】
〔概要〕
本発明の実施形態は、突き合わせFETがオフ状態になった場合に、アラームを発報することができるようにするものである。具体的には、突き合わせFETのゲート電圧が予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視し、その監視結果に応じてアラームを生成するようにしたものである。
【0016】
高信頼性が要求される電源(例えば、産業機器用電源)は、負荷に対して複数台(例えば、2台)の電源装置が並列接続された冗長化構成とされることが多い。このような電源は、出力電圧の低下が生じた場合に、アラームを発報する機能を備えるものが多い。このようなアラームが発報されることにより、ユーザは電源に異常が生じたことを知ることができる。
【0017】
例えば、突き合わせダイオードを介して2つの電源装置を突き合わせた電源システムにおいては、電源装置の内部電圧が予め規定された基準電圧を下回った場合にアラームを発報するアラーム生成回路が、電源装置の各々に設けられている。尚、上記の電源装置の内部電圧は、具体的には、負荷に供給する電流を生成するコンバータの出力電圧である。
【0018】
上述した特許文献1には、2つの電源装置を、突き合わせダイオードの代わりに突き合わせFETを使用した電源システムが開示されている。このような電源システムでは、逆流電流を制限するために、突き合わせFETのゲート制御が行われる。ここで、突き合わせFETのゲート制御を行う制御回路の故障等によって、突き合わせFETがオフ状態になると、コンバータの出力電圧が正常であっても、電源装置の出力電圧(負荷に印加される電圧)が低下してしまう。その理由は、突き合わせFETがオフ状態になると、そのボディダイオードを介して電流が出力されるため、ボディダイオードの順電圧分だけ電圧が低下するためである。
【0019】
突き合わせFETがオフ状態になった場合には、電源装置の出力電圧は低下するものの電源装置の内部電圧(コンバータの出力電圧)が正常であるため、上述したアラーム生成回路によってアラームは発報されない。ここで、電源装置の出力電圧を直接検出すれば、電源装置の出力電圧の低下を検出することができるとも考えられる。しかしながら、2つの電源装置に設けられた突き合わせFETはドレイン電極が共通化されているため、検出される電圧は、FETがオフ状態になっていない正常な電源装置の出力電圧である。このため、FETがオフ状態になった異常な電源装置の出力電圧を検出することはできない。
【0020】
本発明の実施形態は、電源システムに設けられた少なくとも2台の電源装置の各々を以下の通りにした。つまり、コンバータと負荷との間に直列に接続されている突き合わせFETのゲート電圧が予め規定された第1基準電圧を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路を設け、ゲート電圧監視回路の監視結果に応じてアラームを生成するようにした。これにより、突き合わせFETがオフ状態になった場合に、アラームを発報することができる。
【0021】
〔詳細〕
図1は、本発明の一実施形態による電源システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の電源システム1は、負荷モジュールLMの負荷Lに対して並列接続された電源装置10a,10bを備える。尚、以下では、これら2つの電源装置10a,10bを区別する必要が無い場合には「電源装置10」という。
【0022】
電源装置10aは、出力端子T1a、接地端子T2a、及びアラーム端子T3aを備える。電源装置10bは、出力端子T1b、接地端子T2b、及びアラーム端子T3bを備える。尚、以下では、出力端子T1a,T1bを区別する必要が無い場合には「出力端子T1」といい、接地端子T2a,T2bを区別する必要が無い場合には「接地端子T2」という。また、アラーム端子T3a,T3bを区別する必要が無い場合には「アラーム端子T3」という。
【0023】
電源装置10aの出力端子T1a及び電源装置10bの出力端子T1bは、負荷Lの一端に接続され、電源装置10aの接地端子T2a及び電源装置10bの接地端子T2bは、負荷Lの他端(接地されている端子)に接続されている。また、電源装置10aのアラーム端子T3a及び電源装置10bのアラーム端子T3bは、個別に負荷Lに接続されている。
【0024】
図1に示す通り、電源装置10aから負荷Lに供給される電流(出力端子T1aから出力される電流)をI1とし、電源装置10bから負荷Lに供給される電流(出力端子T1bから出力される電流)をI2とする。電源システム1から負荷Lに供給される電流は、電源装置10aから負荷Lに供給される電流I1と、電源装置10bから負荷Lに供給される電流I2とを合わせた電流(I1+I2)になる。
【0025】
電源システム1は、負荷Lに対して並列接続された2台の電源装置10を備えるため、1台の電源装置10(例えば、電源装置10a)が故障したとしても、他の1台の電源装置(例えば、電源装置10b)から負荷Lに電流が供給される。このため、電源システム1の全体として、負荷Lへの電流供給が継続される。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による電源装置の内部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、電源装置10は、コンバータ11、電流検出部12、突き合わせFET13(FET)、電圧監視部14、スイッチング素子15、ゲート電圧監視回路16、及びアラーム生成回路17を備える。
【0027】
コンバータ11は、コンバータ出力端子T11及びコンバータ接地端子T12を有しており、負荷Lに供給する電流I11を生成する。コンバータ11は、生成した電流I11をコンバータ出力端子T11から出力端子T1に向けて出力する。
【0028】
電流検出部12は、コンバータ出力端子T11に接続されており、コンバータ出力端子T11から出力される電流I11を検出する。また、電流検出部12は、突き合わせFET13からコンバータ11に向かう逆流電流を検出した場合に、突き合わせFET13のゲート電圧を制御して逆流電流を制限する。
【0029】
突き合わせFET13は、電流検出部12と出力端子T1との間に接続されており、コンバータ出力端子T11と出力端子T1との間に流れる電流を制御する。具体的に、突き合わせFETは、ゲート電極が電源(VCC)に接続されており、ソース電極が電流検出部12に接続されており、ドレイン電極が出力端子T1に接続されている。
【0030】
突き合わせFET13は、例えば、nチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)であるが、これに限られない。突き合わせFET13は、ボディダイオードを有する。突き合わせFET13は、ボディダイオードの順方向と、電流I11がコンバータ11から負荷Lに向けて流れる方向とが一致するように接続されている。
【0031】
電圧監視部14は、突き合わせFET13のドレイン電極とソース電極との間の電圧を検出する。電圧監視部14は、電圧の検出結果に基づいて、スイッチング素子15をオン状態又はオフ状態にする。電圧監視部14がこのような制御を行うのは、出力端子T1からコンバータ出力端子T11に向かう逆流電流を阻止するためである。
【0032】
スイッチング素子15は、突き合わせFET13のゲート電極とソース電極との間に接続されており、電圧監視部14の制御の下で、突き合わせFET13のソース電極とゲート電極とを短絡又は開放させる。スイッチング素子15がオン状態になると、突き合わせFET13のソース電極とゲート電極とが短絡状態になり、スイッチング素子15がオフ状態になると、突き合わせFET13のソース電極にVCC電位が印加され、FET13がオン状態になる。
【0033】
尚、本実施形態では、電圧監視部14がスイッチング素子15を制御してFET13を短絡状態又は開放状態としているが、FET13を短絡状態又は開放状態にする方法としては、スイッチング素子15を制御する方法に制限されない。例えば、スイッチング素子15を省略し、電圧監視部14が、FET13のゲート電圧を直接制御して、FET13を短絡状態又は開放状態にしても良い。
【0034】
ゲート電圧監視回路16は、突き合わせFET13のゲート電圧が予め規定された基準電圧(第1基準電圧)を下回ったか否かを監視する。つまり、ゲート電圧監視回路16は、突き合わせFET13がオフ状態になったか否かを監視する。ゲート電圧監視回路16は、突き合わせFET13のゲート電圧が上記の基準電圧を下回った場合には、アラーム生成回路17に対してアラームを生成させる旨を示すアラーム信号A1を出力する。
【0035】
ここで、上記の基準電圧は、突き合わせFET13のVGS(ゲート・ソース間電圧)-ID(ドレイン電流)特性に応じて、例えば、IDが1[mA]以下を保証できる値に設定する。ゲート電圧監視回路16は、ゲート電圧に対して低域フィルタ等の信号処理を行う回路を備えるのが望ましい。このような回路によって信号処理が行われたゲート電圧を監視することで、ノイズによる誤動作を防止することができる。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態による電源装置に設けられるゲート電圧監視回路の一例を示す回路図である。図3に示す通り、ゲート電圧監視回路16は、ダイオード21、抵抗22、トランジスタ23、コンデンサ24、及び抵抗25を備える。ダイオード21は、アノード電極が突き合わせFET13のゲート電極に接続され、カソード電極が抵抗22の一端に接続されている。抵抗22は一端がダイオード21のカソード電極に接続され、他端がトランジスタ23のエミッタ電極に接続されている。
【0037】
トランジスタ23は、例えば、PNP型のバイポーラトランジスタである。トランジスタ23は、エミッタ電極が抵抗22の他端に接続され、ベース電極が突き合わせFET13のソース電極に接続され、コレクタ電極がアラーム生成回路17に接続されている。コンデンサ24及び抵抗25は、トランジスタ23のエミッタ電極とベース電極との間に接続されている。
【0038】
図3に示すゲート電圧監視回路16において、突き合わせFET13のゲート電圧が上記の基準電圧を下回っていない場合には、トランジスタ23がオン状態になる。これにより、ゲート電圧監視回路16からアラーム生成回路17に対し、「H(ハイ)レベル」の信号が出力される。これに対し、突き合わせFET13のゲート電圧が上記の基準電圧を下回った場合には、トランジスタ23がオフ状態になる。これにより、ゲート電圧監視回路16からアラーム生成回路17に対し、「L(ロー)レベル」の信号(アラーム信号A1)が出力される。
【0039】
アラーム生成回路17は、電流検出部12の出力端(突き合わせFET13のソース電極)とコンバータ接地端子T12との間に接続されており、コンバータ出力電圧を監視する。アラーム生成回路17は、コンバータ出力電圧が、予め規定された基準電圧(第2基準電圧)を下回った場合に、アラーム(第2アラーム)を生成する。アラーム生成回路17で生成されたアラームは、アラーム端子T3を介して負荷Lに出力される。尚、アラーム生成回路17は、正確には、コンバータの出力電圧から電流検出部12での電圧降下を差し引いた電圧を監視する。
【0040】
また、アラーム生成回路17は、ゲート電圧監視回路16から上記のアラーム信号A1が出力された場合にも、アラーム(第1アラーム)を生成する。アラーム生成回路17で生成されたアラームは、アラーム端子T3を介して負荷Lに出力される。
【0041】
ここで、アラーム生成回路17は、コンバータ出力電圧に応じたアラーム(第2アラーム)と、アラーム信号A1に応じたアラーム(第1アラーム)とを同じアラームとして出力してもよく、異なるアラームとして出力しても良い。前者のアラームが発報された場合には、ユーザは、電源装置10に何らかの異常が生じたことを知ることができる。これに対し、後者のアラームが発報された場合には、ユーザは、電源装置10に異常が生じたことに加えて、異常の種類(コンバータ出力電圧の異常又は突き合わせFETがオフ状態になった異常)を知ることができる。
【0042】
以上の通り、本実施形態では、負荷Lに接続される2つの電源装置10(電源装置10a,10b)を、突き合わせFET13を介して突き合わせた電源システム1において、2つの電源装置10を以下の通りにした。つまり、突き合わせFET13のゲート電圧が予め規定された基準電圧(第1基準電圧)を下回ったか否かを監視するゲート電圧監視回路16を設け、ゲート電圧監視回路16の監視結果に応じてアラーム生成回路17がアラームを生成するようにした。これにより、突き合わせFET13がオフ状態になった場合に、アラームを発報することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態による電源システム及び電源装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、電源システム1は、負荷モジュールLMの負荷Lに対して並列接続された2つの電源装置10a,10bを備える構成であったが、負荷Lに対して並列接続される電源装置の数は3以上であっても良い。また、上記実施形態において、電源装置10は、電流検出部12と電圧監視部14とを備える構成であったが、電源装置10は、電流検出部12又は電圧監視部14の何れか一方が省略された構成であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 電源システム
10 電源装置
11 コンバータ
12 電流検出部
13 FET
14 電圧監視部
15 スイッチング素子
16 ゲート電圧監視回路
17 アラーム生成回路
L 負荷
図1
図2
図3