(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】実機診断システム、実機診断複合システムおよび実機診断方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2021115702
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】五頭 直紀
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 允紀
(72)【発明者】
【氏名】井地 平
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-158940(JP,A)
【文献】特開2015-138465(JP,A)
【文献】特開2020-056180(JP,A)
【文献】特開2005-308436(JP,A)
【文献】特開2006-201851(JP,A)
【文献】国際公開第2014/122869(WO,A1)
【文献】特開平06-011419(JP,A)
【文献】国際公開第2021/085608(WO,A1)
【文献】特開2016-070004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1機能要素と、第2機能要素と、を備え、
前記第2機能要素が、端末装置の入力インターフェースを通じて指定された指定作業機械に関する指定属性と、前記端末装置に搭載されている非接触式センサにより前記指定作業機械に搭載されている指定構成要素から非接触で読み取られた固有識別子と、に基づく外部要求信号を当該指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して前記端末装置に送信させ、前記外部要求信号に応じた前記指定構成要素に関する制御特性の適用結果を表わす外部回答信号を前記実機通信局から前記端末装置に受信させ、
前記第1機能要素が、前記端末装置により受信された前記外部回答信号により表わされる前記指定構成要素の制御特性の適用結果を前記端末装置の出力インターフェースに出力させ
、
前記外部要求信号が前記実機通信局により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了し、
前記外部回答信号が端末装置により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了する
実機診断システム。
【請求項2】
請求項1に記載の実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記指定属性に応じて、前記非接触
式センサによる前記固有識別子の読み取り方式を調節する
実機診断システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記固有
識別子を1次文字列に変換し、前記指定属性に応じた抽出方式で前記1次文字列からその一部を2次文字列として抽出し、前記2次文字列に応じた前記外部要求信号を前記指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して送信する
実機診断システム。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記指定属性としての、前記作業機械の内部の状況に関する内因属性項目および前記作業機械の外部の状況に関する外因属性項目を含む前記複数の属性項目の組み合わせと、前記固有識別子と、に基づく外部要求信号を当該指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して送信する
実機診断システム。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、少なくとも1つの前記指定属性項目に関して、複数の選択肢としての属性群の中から前記端末装置の入力インターフェースを通じて一の選択肢を前記指定属性として選択させるための選択メニューを前記端末装置の出力インターフェースに出力させる
実機診断システム。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項に記載の実機診断システムと、前記実機通信局と、により構成されている実機診断複合システムであって、
前記実機通信局が、
前記実機診断システムから前記外部要求信号を受信し、
前記外部要求信号のフォーマットを変換することで内部要求信号を生成し、
前記指定構成要素の動作を制御するために前記指定作業機械に搭載されている指定制御ユニットに対して、前記指定作業機械に搭載されている実機通信ネットワークを通じて前記内部要求信号を送信し、
前記指定制御ユニットから前記実機通信ネットワークを通じて前記内部要求信号に応じた内部回答信号を受信し、
前記内部回答信号のフォーマットを変換することで外部回答信号を生成し、
前記実機診断システムに対し
て指定通信フォーマットにしたがって前記外部回答信号を送信する
実機診断複合システム。
【請求項7】
端末装置にインストールされているアプリケーションソフトウェアにより実行される実機診断方法であって、
前記端末装置の入力インターフェースを通じて指定された指定作業機械に関する指定属性と、前記端末装置に搭載されている非接触式センサにより前記指定作業機械に搭載されている指定構成要素から非接触で読み取られた固有識別子と、に基づく外部要求信号を当該指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して前記端末装置に送信させる工程と、
前記外部要求信号に応じた前記指定構成要素に関する制御特性の適用結果を表わす外部回答信号を前記実機通信局から前記端末装置に受信させる工程と
、
前記端末装置により受信された前記外部回答信号により表わされる前記指定構成要素の制御特性の適用結果を前記端末装置の出力インターフェースに出力させる工程と、を含
み、
前記外部要求信号が前記実機通信局により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了し、
前記外部回答信号が端末装置により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了する
実機診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に搭載されている機器と、他の機器との無線通信を通じて、当該作業機械の作業機械の動力源等の構成部品の状況を診断するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械の状態を無線通信によって診断する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-198158号公報
【文献】特開2010-198159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、端末装置と実機通信局との通信が確立されたため、ユーザが診断対象として意図していない作業機械に当該実機通信局が搭載されているにもかかわらず、当該作業機械の診断結果が当該ユーザに提供されたとしてもその有用性は低く、煩雑さをユーザに覚えさせる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、無線通信機能を有する端末装置を用いてユーザが意図する形態で作業機械を診断する際の利便性の向上を図ることができるシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実機診断システムは、
第1機能要素と、第2機能要素と、を備え、
前記第2機能要素が、端末装置の入力インターフェースを通じて指定された指定作業機械に関する指定属性と、前記端末装置に搭載されている非接触式センサにより前記指定作業機械に搭載されている指定構成要素から非接触で読み取られた固有識別子と、に基づく外部要求信号を当該指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して前記端末装置に送信させ、前記外部要求信号に応じた前記指定構成要素に関する制御特性の適用結果を表わす外部回答信号を前記実機通信局から前記端末装置に受信させ、
前記第1機能要素が、前記端末装置により受信された前記外部回答信号により表わされる前記指定構成要素の制御特性の適用結果を前記端末装置の出力インターフェースに出力させる、
前記外部要求信号が前記実機通信局により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了し、
前記外部回答信号が端末装置により受信されなかったと判定される場合、一連の処理が終了する。
【0007】
当該構成の実機診断システムによれば、端末装置の入力インターフェースを通じて指定された指定作業機械に関する指定属性と、端末装置に搭載されている非接触式センサにより指定構成要素から非接触で読み取られた固有識別子と、に基づく外部要求信号が、指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して送信される。そして、外部要求信号に応じた指定構成要素に関する制御特性の適用結果を表わす外部回答信号が実機通信局から受信され、指定構成要素の診断結果としての当該指定構成要素の制御特性の適用結果が端末装置の出力インターフェースに出力される。
【0008】
これにより、指定属性を有する指定作業機械の診断結果として、当該指定作業機械に搭載されている指定構成要素に関する情報としての指定構成要素の制御特性の適用結果を、ユーザが意図する形態で取得する際の利便性の向上が図られる。
【0009】
前記実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記指定属性に応じて、前記非接触式センサによる前記固有識別子の読み取り方式を調節する
ことが好ましい。
【0010】
当該構成の実機診断システムによれば、指定属性に鑑みて適当な指定構成要素からのみ固有識別子が端末装置の非接触式センサによって非接触で読み取られうる。すなわち、指定属性に鑑みて不適当な指定構成要素から固有識別子が端末装置の非接触式センサによって非接触で読み取られる事態が回避される。このため、ユーザが意図する形態で作業機械の指定構成要素に関する情報を取得する際の利便性および効率の向上が図られる。
【0011】
前記実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記固有識別子を1次文字列に変換し、前記指定属性に応じた抽出方式で前記1次文字列からその一部を2次文字列として抽出し、前記2次文字列に応じた前記外部要求信号を前記指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して送信することが好ましい。
【0012】
当該構成の実機診断システムによれば、端末装置に搭載されている非接触式センサにより、指定作業機械の指定構成要素から非接触で読み取られた固有識別子が1次文字列に変換される。さらに、1次文字列の一部が、端末装置の入力インターフェースを通じて指定された指定作業機械の指定属性に応じた抽出方式にしたがって2次文字列として抽出される。また、当該2次文字列を表わす外部要求信号が作業機械に搭載されている実機通信局により受信され、当該実機通信局により外部要求信号に対応する指定構成要素の診断結果が取得される。そして、指定構成要素の診断結果を表わす外部回答信号が実機通信局から送信され、指定構成要素の診断結果が端末装置の出力インターフェースに出力される。
【0013】
前記記載の実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、前記指定属性としての、前記作業機械の内部の状況に関する内因属性項目および前記作業機械の外部の状況に関する外因属性項目を含む前記複数の属性項目の組み合わせと、前記固有識別子と、に基づく外部要求信号を当該指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して送信する
ことが好ましい。
【0014】
当該構成の実機診断システムによれば、端末装置の入力インターフェースを通じて指定された内因属性項目および外因属性項目に関する指定属性と、指定構成要素から非接触で読み出された固有識別子とに応じて、当該指定構成要素に関する情報を端末装置の出力インターフェースに出力させることができる。
【0015】
前記実機診断システムにおいて、
前記第2機能要素が、少なくとも一の属性項目に関して、複数の選択肢としての複数の属性の中から前記端末装置の入力インターフェースを通じて選択させるための複数の選択メニューのそれぞれを同時にまたは逐次的に前記端末装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0016】
当該構成の実機診断システムによれば、作業機械に関する複数の属性を、入力インターフェースを通じて端末装置に入力するためのユーザの手間を軽減することができ、当該作業機械の指定診断項目の診断に際して利便性の向上が図られる。
【0017】
本発明の実機診断複合システムは、前記実機診断システムと、前記実機通信局と、により構成され、
前記実機通信局が、
前記実機診断システムから前記外部要求信号を受信し、
前記外部要求信号のフォーマットを変換することで内部要求信号を生成し、
前記指定構成要素の動作を制御するために前記指定作業機械に搭載されている指定制御ユニットに対して、前記指定作業機械に搭載されている実機通信ネットワークを通じて前記内部要求信号を送信し、
前記指定制御ユニットから前記実機通信ネットワークを通じて前記内部要求信号に応じた内部回答信号を受信し、
前記内部回答信号のフォーマットを変換することで外部回答信号を生成し、
前記実機診断システムに対して指定通信フォーマットにしたがって前記外部回答信号を送信する。
【0018】
当該構成の実機診断複合システムによれば、指定作業機械に搭載されている実機通信局に対して外部要求信号が送信される。外部要求信号は、当該指定作業機械の指定属性および当該指定作業機械の指定構成要素から読み出された固有識別子に基づいている。
【0019】
これに応じて、当該実機通信局および指定制御ユニットの間の実機通信ネットワークにおける通信により、当該指定作業機械の指定構成要素に関する情報が取得される。そして、当該内部回答信号がフォーマット変換された結果としての外部回答信号に基づき、指定作業機械の指定構成要素に関する情報を端末装置の出力インターフェースに出力される。これにより、ユーザが無線通信機能を有する端末装置を用いて、意図する形態で指定作業機械の診断結果として、指定構成要素に関する情報を取得する際の利便性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態としての実機診断システムの構成に関する説明図。
【
図2】実機診断システムの第1診断処理機能に関する説明図。
【
図3A】一の属性選択メニュー画面に関する説明図。
【
図3B】他の属性選択メニュー画面に関する説明図。
【
図4】実機診断システムの第2診断処理機能に関する説明図。
【
図5A】一の診断項目選択メニュー画面に関する説明図。
【
図5B】他の診断項目選択メニュー画面に関する説明図。
【
図6】第2診断処理機能の他の実施形態に関する説明図。
【
図7C】固有識別子の読み取り用画面に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示されている実機診断システム120は、端末装置100に搭載されている。実機診断システム120は、作業機械200に搭載されている実機通信局210との通信に基づき、当該作業機械200に搭載されているエンジン、インジェクタなどの構成要素222の診断結果を認識する。
【0022】
(端末装置の構成)
端末装置100は、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータおよびビーコンなどにより構成されている。
図1に示されているように、端末装置100は、端末入力インターフェース101および端末出力インターフェース102を備えている。端末入力インターフェース101は、タッチパネルを構成する静電容量型のタッチボタンなどにより構成されている。端末出力インターフェース102は、タッチパネルを構成する画像表示装置のほか、音響出力装置により構成されている。
【0023】
(実機診断システムの構成)
実機診断システム120は、演算処理装置(シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)、記憶装置(ROM、RAMなどのメモリ)および無線通信機器により構成されている。実機診断システム120は、第1機能要素121(外部機能要素)と、第2機能要素122(外部機能要素)と、を備えている。演算処理装置により、記憶装置からソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)およびデータが読み出され、当該データに対してソフトウェアにしたがった演算処理が実行されることにより、第1機能要素121および第2機能要素122のそれぞれの機能が発揮される。
【0024】
(作業機械の構成)
作業機械200は、例えばクローラショベル(建設機械)であり、クローラ式の下部走行体、上部旋回体、上部旋回体を下部走行体に対して旋回させるための旋回機構、および、上部旋回体の前方中央部に設けられている作業機構(作業アタッチメント)を備えている。作業機械200は、実機入力インターフェース201と、実機出力インターフェース202と、第1制御ユニット210と、一または複数の第2制御ユニット220と、動力源としてのエンジンなどの構成要素222と、を備えている。
【0025】
実機入力インターフェース201は、上部旋回体に設けられたキャブ(操作室)の内部に配置されたシートの周囲に配置された複数の操作レバーにより構成されている実機操作機構を備えている。実機出力インターフェース202は、上部旋回体に配置され、上部旋回体後方を撮影する撮像装置を通じて取得された画像、機械の稼働状態および/または機器の状態に応じた警報を出力するための同じくキャブの内部に配置された音声画像出装置を備えている。
【0026】
第1制御ユニット210は、「実機通信局」を構成し、演算処理装置、記憶装置および無線通信機器により構成されている。第2制御ユニット220は、構成要素222の動作を制御するための制御ユニットであり、演算処理装置および記憶装置により構成されている。演算処理装置により、記憶装置からソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)およびデータが読み出され、当該データに対してソフトウェアにしたがった演算処理が実行されることにより、第1制御ユニット210および第2制御ユニット220のそれぞれの機能が発揮される。第1制御ユニット210および第2制御ユニット220は実機通信ネットワーク(例えば、CAN)を通じて相互通信可能に接続されている。
【0027】
(実機診断システムの機能)
図1に示されている前記構成の実機診断システム120の機能について説明する。
【0028】
(通信確立機能)
まず、端末装置100と第1制御ユニット210(実機通信局)との無線通信(例えば、WiFi(「WiFi」は登録商標)またはBluetooth(「Bluetooth」は登録商標))を確立するための処理が実行される。具体的には、第1機能要素121により、端末入力インターフェース101を通じて通信局識別子が入力されたか否かが判定される。通信局識別子はSSIDのように無線LANのアクセスポイントなどの実機通信局を識別するための識別子である。通信局識別子は、例えば、作業機械200に実機通信局とともに搭載されているエンジンおよび/またはバッテリなどの構成要素222のシリアルナンバーを表わす複数の文字、数字および/または記号により構成されていてもよい。
【0029】
通信識別子が入力されない場合、一連の処理が終了する。その一方、通信識別子が入力された場合、通信局識別子により識別される実機通信局、との通信を図る。
【0030】
通信にあたっては、第1機能要素121により、通信局識別子に基づき、指定方式にしたがって認証子が生成される。通信局識別子の指定箇所を構成するデータまたは文字・数字・記号の相違に応じて、異なる指定方式にしたがって認証子が生成されてもよい。
【0031】
第1機能要素121は、通信識別子により識別される実機通信局に対し、生成した認証子を使い無線通信を確立させる。
【0032】
(第1診断処理機能)
具体的には、第1機能要素121により、作業機械200の指定属性項目に関する指定属性を選択または指定するための属性選択メニューが端末出力インターフェース102に出力される(
図2/STEP110)。本実施形態では、複数の指定属性項目のそれぞれに関する指定属性を間接的にまたは直接的に指定するための複数の属性選択メニューのそれぞれが同時にまたは逐次的に端末出力インターフェース102に出力される。複数ではなく単一の指定属性項目に関する指定属性が指定されてもよい。複数の指定属性項目のうち全部ではなく一部の指定属性項目について属性選択メニューが端末出力インターフェース102に出力されてもよい。
【0033】
これにより、例えば、
図3Aに示されているように、一の属性項目X=「エンジンの型式または作業機械200の機種」に関する属性群(X1、X2、‥Xn)を選択肢として含む一の属性選択メニューを示す画面が端末出力インターフェース102に出力される。また、
図3Bに示されているように、他の属性項目Y=「作業機械200が存在する地域・国または当該国・地域で適用される環境規制」に関する属性群(Y1、Y2、‥Ym)を選択肢として含む他の属性選択メニューを示す画面が端末出力インターフェース102に出力される。
【0034】
一の指定属性項目X=「エンジンの型式または作業機械200の機種」は、作業機械200の内部の状況に関する「内因属性項目」に相当する。作業機械200の製造元・製造国、作業機械200またはその構成要素222の機種、型式および/または諸元、作業機械200の使用履歴、構成要素222の交換履歴などが内因属性項目に該当する。他の指定属性項目Y=「作業機械200が存在する地域・国または当該国・地域で適用される環境規制」は、作業機械200の外部の状況に関する「外因属性項目」に相当する。作業機械200が所在している地域・国および/または当該地域・国に特有の気候、法律、文化、社会、経済状況などが外因属性項目に該当する。
【0035】
外因属性項目および内因属性項目の両方ではなくいずれか一方のみが指定属性項目に含まれていてもよい。
【0036】
指定属性項目が、作業機械200の構成要素222のうち端末入力インターフェース101を通じて指定された第1指定構成要素に応じて定められてもよい。
【0037】
第1機能要素121により、属性選択メニューの出力から指定時間以内に属性選択メニューにしたがって端末入力インターフェース101を通じて指定属性が選択または指定されたか否かが判定される(
図2/STEP111)。属性選択メニューの出力が省略され、端末入力インターフェース101を構成するキーパッドにより一部または全部の指定属性が文字・数字・記号を用いて、端末出力インターフェース102に出力されている指定ウィンドウに直接的に入力されてもよい。
【0038】
当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP111‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP111‥YES)、第2機能要素122により、指定属性(Xi,Yj)に応じた指定通信フォーマットが認識される(
図2/STEP112)。第2機能要素122により、指定通信フォーマットにしたがって、無線通信が確立された実機通信局としての第1制御ユニット210に対して、第1外部要求信号が端末装置100から送信される(
図2/STEP114)。第1外部要求信号には、実機通信ネットワークの通信状態の確認に関する「第1指定要求」が含まれている。これは、指定属性(Xi,Yj)に応じた作業機械200の第1指定構成要素に関する情報の取得可否を確認するための要求である。
【0039】
第1制御ユニット210(実機通信局)により第1外部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図2/STEP212)。当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP212‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP212‥YES)、第1制御ユニット210により、第1外部要求信号のフォーマットが実機通信ネットワーク通信用のフォーマットに変換されることにより第1内部要求信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第1内部要求信号が実機通信ネットワークを通じて第2制御ユニット220に対して送信される(
図2/STEP214)。第1外部要求信号に含まれている一部のデータ(例えば、第2制御ユニット220の識別データおよび/または第2制御ユニット220に対する指示データ等)を除く他のデータが変更された形で、当該一部のデータが含まれるように第1内部要求信号が生成される。
【0040】
第2制御ユニット220により第1内部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図2/STEP410)。当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP410‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP410‥YES)、第2制御ユニット220により、第1内部要求信号に第1指定要求が含まれているか否かがさらに判定される(
図2/STEP412)。例えば、第2制御ユニット220により動作が制御される構成要素222に関する情報(シリアルナンバー、型式など)を読み取ることの要求が「第1指定要求」に含まれている。
【0041】
当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP412‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP412‥YES)、第2制御ユニット220により、第1内部要求信号に含まれている第1指定要求に応じた第1指定回答が含まれている第1内部回答信号が、実機通信ネットワークを通じて第1制御ユニット210に対して送信される(
図2/STEP414)。例えば、第2制御ユニット220により読み取られた構成要素222に関する情報(シリアルナンバー、型式など)が「第1指定回答」に含まれている。
【0042】
第1制御ユニット210により第1内部回答信号が受信されたか否かが判定される(
図2/STEP216)。当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP216‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP216‥YES)、第1制御ユニット210により、第1内部回答信号のフォーマットが端末装置100との無線通信用のフォーマットに変換されることにより第1外部回答信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第1外部回答信号が実機通信ネットワークを通じて端末装置100に対して送信される(
図2/STEP218)。
【0043】
第2機能要素122により、第1指定回答が含まれている第1外部回答信号が端末装置100によって受信されたか否か(あるいは、端末装置100が受信した第1外部回答信号に第1指定回答が含まれているか否か)が判定される(
図2/STEP116)。当該判定結果が否定的である場合(
図2/STEP116‥NO)、第2機能要素122により、作業機械200の実機通信ネットワークを通じた第1制御ユニット210および第2制御ユニット220の相互通信が不首尾に終わった旨の第1エラー通知が端末出力インターフェース102に出力され(
図2/STEP118)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図2/STEP116‥YES)、
図4に示されているフローチャートにしたがって 第2診断処理が実施される。
【0044】
(第2診断処理機能)
具体的には、第1機能要素121により、作業機械200の診断項目を選択するための診断項目選択メニューが端末出力インターフェース102に出力される(
図4/STEP120)。これにより、例えば、
図5Aに示されているように、診断のための大項目CK1、CK2、‥(診断対象となる構成要素222が各大項目により指定されていてもよい。)の1次の診断項目選択メニューが端末出力インターフェース102に出力される。
【0045】
第1機能要素121により、属性選択メニューの出力から指定時間以内に診断項目選択メニューにしたがって端末入力インターフェース101を通じて指定診断項目が選択または指定されたか否かが判定される(
図4/STEP121)。例えば、端末入力インターフェース101を通じて1次の診断項目選択メニューのうち大項目CK3がタッチ操作により選択された場合、
図5Bに示されているように、大項目CK3に関する診断のための小項目CK31、CK32、‥の2次の診断項目選択メニューが端末出力インターフェース102に出力される。そして、例えば、端末入力インターフェース101を通じて2次の診断項目選択メニューのうち小項目CK32がタッチ操作により指定診断項目として選択される。診断項目選択メニューの出力が省略され、端末入力インターフェース101を構成するキーパッドにより指定診断項目が直接的に入力されてもよい。
【0046】
当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP121‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP121‥YES)、第2機能要素122により、指定属性(Xi,Yj)および指定診断項目に応じた注意事項が端末出力インターフェース102に出力される(
図4/STEP122)。これにより、例えば、
図5Cに示されているように、2次の診断項目選択メニューが出力されている画面に表示されたウィンドウに当該注意事項が示される。例えば、指定診断項目について診断結果を得るためには、実機入力インターフェース201を構成するスイッチおよび/または実機操作レバーが指定状態である必要があること、実機出力インターフェース202を構成するメータの値が指定範囲にあること、などの説明が「注意事項」に含まれている。
【0047】
続いて、第2機能要素122により、診断項目選択メニューまたは注意事項の出力から指定時間以内に端末入力インターフェース101を通じて診断指示があったか否かが判定される(
図4/STEP124)。例えば、
図5Cに示されているOKボタンがタッチ操作されることにより、当該ウィンドウが閉じられた後、ただちにあるいは指定操作を経たうえで
図5Dに示されているように、STARTボタンを含む画面が端末出力インターフェース102に出力される。この画面には、指定診断項目CK32に含まれる診断指標値を示すウィンドウCK321、CK322が含まれている。このSTARTボタンがタップ操作の有無に応じて当該判定処理が実行される。
【0048】
当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP124‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP124‥YES)、第2機能要素122により、指定属性(Xi,Yj)に応じた指定通信フォーマットにしたがって、無線通信が確立された実機通信局としての第1制御ユニット210に対して、第2外部要求信号が端末装置100から送信される(
図4/STEP126)。第2外部要求信号には、作業機械200の第2構成要素に関する指定診断項目に関する情報提供に関する第2指定要求が含まれている。
【0049】
第1制御ユニット210(実機通信局)により第2外部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図4/STEP222)。当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP222‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP222‥YES)、第1制御ユニット210により、第2外部要求信号のフォーマットが実機通信ネットワーク通信用のフォーマットに変換されることにより第2内部要求信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第2内部要求信号が実機通信ネットワークを通じて第2制御ユニット220に対して送信される(
図4/STEP224)。
【0050】
第2制御ユニット220により第2内部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図4/STEP422)。当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP422‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP422‥YES)、第2制御ユニット220により、第2内部要求信号に第2指定要求が含まれているか否かがさらに判定される(
図4/STEP424)。例えば、第2制御ユニット220により動作が制御される構成要素222の診断結果の要求が「第2指定要求」に含まれている。
【0051】
当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP424‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP424‥YES)、第2制御ユニット220により、第2内部要求信号に含まれている第2指定要求に応じた第2指定回答が含まれている第2内部回答信号が、実機通信ネットワークを通じて第1制御ユニット210に対して送信される(
図4/STEP426)。例えば、第2制御ユニット220により、指定のセンサを通じて検知された構成要素222の状態を表わす診断結果が「第2指定回答」に含まれている。
【0052】
第1制御ユニット210により第2内部回答信号が受信されたか否かが判定される(
図4/STEP226)。当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP226‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP226‥YES)、第1制御ユニット210により、第2内部回答信号のフォーマットが端末装置100との無線通信用のフォーマットに変換されることにより第2外部回答信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第2外部回答信号が実機通信ネットワークを通じて端末装置100に対して送信される(
図4/STEP228)。
【0053】
第2機能要素122により第2指定回答が含まれている第2外部回答信号が端末装置100によって受信されたか否か(あるいは、端末装置100が受信した第2外部回答信号に第2指定回答が含まれているか否か)が判定される(
図4/STEP127)。当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP127‥NO)、第2機能要素122により、構成要素222(指定構成要素)の診断または診断結果の取得が不首尾に終わった旨の第2エラー通知が端末出力インターフェース102に出力され(
図4/STEP128)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP127‥YES)、構成要素222のうち指定構成要素の診断結果が端末出力インターフェース102に出力され(
図4/STEP129)、一連の処理が終了する。
【0054】
(作用効果) 前記機能を発揮する本発明の一実施形態としての実機診断システム120によれば、端末装置100との無線通信が確立されている実機通信局210に対して、当該端末装置100から指定通信フォーマットにしたがって第1外部要求信号が送信される(
図2/STEP114参照)。
【0055】
「指定通信フォーマット」は、作業機械200に関する指定属性項目に関して、端末入力インターフェース101を通じて指定された指定属性に応じて定まる(
図2/STEP111→STEP112参照)。さらに、「指定通信フォーマット」は、実機通信局210により実機通信ネットワークにおける通信を利用して指定作業機械200の指定構成要素222(第1指定構成要素)に関する情報を取得するための実機通信フォーマットに変換される。
【0056】
そして、当該実機通信局210が搭載されている指定作業機械200における実機通信ネットワークの通信状態に関する第1外部回答信号が当該実機通信局210から端末装置100に対して送信される(
図2/STEP212→STEP214→STEP410→STEP412→STEP414→STEP216→STEP218参照)。
【0057】
端末装置100により受信された外部回答信号または外部回答信号の受信状況に基づき、指定作業機械200に搭載されている実機通信ネットワークにおける通信状態に異常がある状況、ひいては、当該実機通信ネットワークを経由した通信により指定作業機械200の指定構成要素に関する情報を取得することが困難または不可能な状況にあることが確認されうる。このため、このような状況であるにもかかわらず、端末装置100を用いて指定作業機械200の診断結果として、その指定構成要素222(第1指定構成要素)に関する情報の取得が試みられる事態が回避されうるので、当該診断処理の効率の向上が図られる。
【0058】
また、端末入力インターフェース101を通じて指定された指定診断項目に関する注意事項が端末出力インターフェース102に出力される(
図4/STEP121→STEP122および
図5A~
図5C参照)。そして、端末入力インターフェース101を通じて指定作業機械200の診断の前に注意事項が確認されたことに応じて、指定診断項目に関する診断結果、すなわち、指定作業機械100の指定構成要素222(第2指定構成要素)に関する情報が端末出力インターフェース102に出力される(
図4/STEP222→STEP224→STEP422→STEP424→STEP426→STEP226→STEP228→STEP127→STEP129参照)。
【0059】
これにより、端末出力インターフェース102を通じて注意事項に接したユーザに、指定作業機械200の指定診断項目に鑑みて適当な予備的措置を事前にとらせることができる。その結果、適切な予備的措置がとられない状態で指定作業機械200の指定診断項目の診断が試行される事態、ひいては当該試行が徒労に終わるが回避され、指定作業機械200の診断効率の向上が図られる。
【0060】
(本発明の他の実施形態)
図4に示されているフローチャートに代えてまたは加えて、
図6に示されているフローチャートにしたがった処理が実行されていてもよい。
図6に示されているフローチャートのSTEP130~STEP136の処理は、
図4に示されているフローチャートのSTEP120~STEP126の処理と相違している。
図6に示されているフローチャートのその他の処理は、
図4に示されているフローチャートのその他の処理とほぼ同様である。
【0061】
具体的には、第2機能要素122により、構成要素222のうち第2指定構成要素に付されている指定媒体から固有識別子の読み取り指示の有無が判定される(
図6/STEP130)。
【0062】
例えば、
図7Aに示されているように、作業機械200の構成要素222の選択肢P1、P2、‥が含まれている選択メニューを示す画面が端末出力インターフェース102に出力される。この選択メニューの中から一の選択肢P2が選択されることで、当該選択肢P2に対応する構成要素222(例えば、インジェクタまたはエンジンに付属するDPF(ディーゼルパーティキュレートフィルタ))が第2指定構成要素として選択される。
【0063】
これに応じて、例えば、
図7Bに示されているように、第2指定構成要素の構成要素P21、P22、‥を表わすボタンおよび各構成要素P21、P22、‥を特定するための識別子またはコードを入力するためのウィンドウを示す画面が端末出力インターフェース102に出力される。この画面における 構成要素P21、P22、‥を表わすボタンのタッチ操作の有無に応じて、指定媒体から固有識別子の読み取り指示の有無が判定される。
【0064】
当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP130‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP130‥YES)、第2機能要素122により、作業機械200の指定属性に応じた固有識別子の読み取り方式が認識される(
図6/STEP131)。
【0065】
さらに、第2機能要素122により、端末装置100に搭載されている非接触
式センサによる固有識別子の読み取りの有無が判定される(
図6/STEP132)。
【0066】
例えば、
図7Bに示されている画面において、構成要素P21(例えば、エンジンの一部品であるインジェクタに相当するボタンがタッチ操作された場合、
図7Cに示されているように、非接触
式センサとしてのカメラによりインジェクタに付されている2次元コードを前記読み取り方式にしたがって読み取るまたはスキャンするための画面が端末出力インターフェース102に出力される。2次元コードとしてはQRコード(「QRコード」は登録商標)のほか、バーコードおよび/または文字記号列が該当し、RFIDタグが指定媒体に相当する。作業機械200のそばにいる作業員が、端末装置100を用いてこの画面にしたがった当該作業機械200の構成要素に付されている2次元コードをスキャンしたか否かに応じて、固有識別子の読み取りの有無が判定される。
【0067】
当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP132‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP132‥YES)、第2機能要素122により、固有識別子としての2次元コードが1次文字列に変換される(
図6/STEP134)。
【0068】
さらに、第2機能要素122により、指定属性(Xi,Yj)に応じた変換方式にしたがって1次文字列が2次文字列に変換される(
図6/STEP135)。例えば、1次文字列の一部が当該変換方式にしたがって抽出された結果が2次文字列として生成される。
【0069】
そして、第2機能要素122により、指定通信フォーマットにしたがって、無線通信が確立された実機通信局としての第1制御ユニット210に対して、第2外部要求信号が端末装置100によって送信される(
図6/STEP136)。第2外部要求信号には、第2文字列に応じた構成要素222の制御特性および/または補正情報に関する第2指定要求が含まれている。
【0070】
第1制御ユニット210(実機通信局)により第2外部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図6/STEP232)。当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP230‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP232‥YES)、第1制御ユニット210により、第2外部要求信号のフォーマットが実機通信ネットワーク通信用のフォーマットに変換されることにより第2内部要求信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第2内部要求信号が実機通信ネットワークを通じて第2制御ユニット220に対して送信される(
図6/STEP234)。
【0071】
第2制御ユニット220により第2内部要求信号が受信されたか否かが判定される(
図6/STEP432)。当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP432‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP432‥YES)、第2制御ユニット220により、第2内部要求信号に第2指定要求が含まれているか否かがさらに判定される(
図6/STEP434)。例えば、第2制御ユニット220により動作が制御される構成要素222の診断結果の要求が「第2指定要求」に含まれている。
【0072】
当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP434‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP434‥YES)、第2制御ユニット220により、第2内部要求信号に含まれている第2指定要求に応じた第2指定回答が含まれている第2内部回答信号が、実機通信ネットワークを通じて第1制御ユニット210に対して送信される(
図6/STEP436)。例えば、第2制御ユニット220が構成要素222の制御に適用されるパラメータを正しく受信できたかどうかの結果が「第2指定回答」に含まれている。
【0073】
第1制御ユニット210により第2内部回答信号が受信されたか否かが判定される(
図6/STEP236)。当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP236‥NO)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP236‥YES)、第1制御ユニット210により、第2内部回答信号のフォーマットが端末装置100との無線通信用のフォーマットに変換されることにより第2外部回答信号が生成される。そのうえで、第1制御ユニット210により、第2外部回答信号が実機通信ネットワークを通じて端末装置100に対して送信される(
図6/STEP238)。
【0074】
第2機能要素122により、第2指定回答が含まれている第2外部回答信号が端末装置100によって受信されたか否か(あるいは、端末装置100が受信した第2外部回答信号に第2指定回答が含まれているか否か)が判定される(
図6/STEP137)。当該判定結果が否定的である場合(
図6/STEP137‥NO)、第2機能要素122により、構成要素222(指定構成要素)の診断または診断結果の取得が不首尾に終わった旨の第2エラー通知が端末出力インターフェース102に出力され(
図6/STEP138)、一連の処理が終了する。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図6/STEP137‥YES)、構成要素222または第2指定構成要素の診断結果が端末出力インターフェース102に出力され(
図6/STEP139)、一連の処理が終了する。
【0075】
(作用効果)
前記機能を発揮する本発明の他の実施形態としての実機診断システム120によれば、端末入力インターフェース101を通じて指定された指定作業機械200に関する指定属性と、端末装置100に搭載されている非接触式センサにより指定構成要素222から非接触で読み取られた固有識別子と、に基づく第2外部要求信号が、指定作業機械200に搭載されている実機通信局210に対して送信される(
図6/STEP130→‥STEP136参照)。そして、第2外部要求信号に応じた指定構成要素222に関する情報を表わす第2外部回答信号が実機通信局210から端末装置100に対して送信され、指定構成要素の診断結果としての当該情報が端末出力インターフェース102に出力される(
図6/STEP232→STEP234→STEP432→STEP434→STEP436→STEP236→STEP238→STEP137→STEP139参照)。
【0076】
これにより、指定属性を有する指定作業機械200の制御パラメータ変更作業として、当該指定作業機械200に搭載されている指定構成要素222(第2指定構成要素)に関する情報を、ユーザが意図する形態で入力する際の利便性の向上が図られる。
【符号の説明】
【0077】
100‥端末装置、101‥端末入力インターフェース、102‥端末出力インターフェース、120‥実機診断システム、121‥第1機能要素(内部機能要素)、122‥第2機能要素(外部機能要素)、200‥作業機械、210‥第1制御ユニット(実機通信局)、220‥第2制御ユニット。