(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】UE、RANノード、及びそれらによって実行される方法
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20240101AFI20240109BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240109BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240109BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240109BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240109BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/0457 110
H04W48/16
H04W72/232
H04W16/32
(21)【出願番号】P 2022191316
(22)【出願日】2022-11-30
(62)【分割の表示】P 2021116844の分割
【原出願日】2018-06-13
【審査請求日】2022-11-30
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リャン キャロライン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】CMCC,Way forward on the support of Supplementary Uplink in NR,3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1709587,フランス,3GPP,2017年05月18日
【文献】ZTE,Consideration for PRACH on multi-carrier in NB-IoT,3GPP TSG-RAN WG2#95 R2-164859,フランス,3GPP,2016年08月13日
【文献】Ericsson,Random access on non-anchor carrier,3GPP TSG RAN WG2 #96 R2-167621,フランス,3GPP,2016年11月04日
【文献】Research In Motion UK Limited,Aperiodic SRS with Configurable Duration,3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103071,フランス,3GPP,2010年05月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)から、非補助アップリンク(non-SUL:non Supplementary Uplink)キャリア又は補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリアのいずれかのアップリンクキャリアを示すインジケータを受信することと、
前記インジケータによって示される前記いずれかのアップリンクキャリアを使用して、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access CHannel)における第1のメッセージ(Msg1)を無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ノードに送信することと、
を含み、
前記非補助アップリンクキャリアは、第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれ、
前記補助アップリンクキャリアは、前記第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域及び第2の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれる、
方法。
【請求項2】
無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ノードによって実行される方法であって、
非補助アップリンク(non-SUL:non Supplementary Uplink)キャリア又は補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリアのいずれかのアップリンクキャリアを示すインジケータをユーザ機器(UE:User Equipment)に送信することと、
前記インジケータによって示される前記いずれかのアップリンクキャリアを使用するランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access CHannel)における少なくとも1つの第1のメッセージ(Msg1)を受信することと、
を含み、
前記非補助アップリンクキャリアは、第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれ、
前記補助アップリンクキャリアは、前記第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域及び第2の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれる、
方法。
【請求項3】
ユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ノードから、非補助アップリンク(non-SUL:non Supplementary Uplink)キャリア又は補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリアのいずれかのアップリンクキャリアを示すインジケータを受信する手段と、
前記インジケータによって示される前記いずれかのアップリンクキャリアを使用して、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access CHannel)における第1のメッセージ(Msg1)を送信する手段と、
を備え、
前記非補助アップリンクキャリアは、第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれ、
前記補助アップリンクキャリアは、前記第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域及び第2の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれる、
UE。
【請求項4】
無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ノードであって、
非補助アップリンク(non-SUL:non Supplementary Uplink)キャリア又は補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリアのいずれかのアップリンクキャリアを示すインジケータをユーザ機器(UE:User Equipment)に送信する手段と、
前記インジケータによって示される前記いずれかのアップリンクキャリアを使用するランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access CHannel)における第1のメッセージ(Msg1)を受信する手段と、
を備え、
前記非補助アップリンクキャリアは、第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれ、
前記補助アップリンクキャリアは、前記第1の無線アクセス技術の動作周波数帯域及び第2の無線アクセス技術の動作周波数帯域に含まれる、
RANノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関する。本発明は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)標準またはその同等物または派生物に従って動作する無線通信システムおよびそのデバイスに特に関連するが、それには限定されない。本発明は、特に、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)タイプの通信機器を備えたいわゆる新無線(NR:New Radio)/次世代(NG:Next Generation)/5Gタイプの通信機器間のアップリンク(UL:Uplink)共有に関連するが、補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリア周波数、特に、ULキャリアの効率的な選択に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP標準の最新の開発は、EPC(Evolved Packet Core)ネットワークおよびE-UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)のLTE(Long Term Evolution)と呼ばれ、一般に「4G」とも呼ばれる。さらに、「5G」および「新無線」(NR:New Radio)という用語は、さまざまなアプリケーションやサービスをサポートすることが期待される進化する通信技術を指す。5Gネットワークのさまざまな詳細は、たとえば、次世代モバイルネットワーク(NGMN:Next Generation Mobile Networks)アライアンスによる「NGMN 5Gホワイトペーパー」V1.0で説明されており、このドキュメントは、https://www.ngmn.org/5g- white-paper.htmlから入手できる。3GPPは、いわゆる3GPP次世代(NextGen:Next Generation)無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)および3GPP次世代コア(NGC:NextGen Core)ネットワークを介して5Gをサポートする予定である。
【0003】
3GPP標準では、NodeB(またはLTEの「eNB」、5Gの「gNB」)は、通信デバイス(ユーザ機器または「UE」)がコアネットワークに接続し、他の通信デバイスまたはリモートサーバと通信する基地局である。通信デバイスは、例えば、携帯電話、スマートフォン、ユーザ機器、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、ウェブブラウザ、電子書籍リーダなどのモバイル通信デバイスである。このようなモバイル(または一般に静止した)デバイスは通常、ユーザによって操作される(いわゆる「物のインターネット」デバイスおよび同様のマシンタイプの通信デバイスをネットワークに接続することも可能である)。簡単にするために、本願は、基地局という用語を使用してそのような基地局を指し、モバイルデバイスまたはUEという用語を使用してそのような通信デバイスを指す。コアネットワーク(たとえば、LTEの場合はEPC、NR/5Gの場合はNGC)は、加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、および通話/セッション管理(その他)の機能をホストし、通信デバイスがインターネットなどの外部ネットワークへ接続することを提供する。
【0004】
UEは、第1の周波数の少なくとも1つのLTEキャリアと第2の異なるキャリア周波数の少なくとも1つのNRキャリアとがある異なる周波数上の複数のアップリンク(UL:Uplink)キャリアで構成されることが提案されている。サポートされている一例では、UEは、LTEキャリアとNRキャリアを含むキャリアの所与のペアの単一のULキャリアでのみ動作するように制限される。それでも、2つ(またはそれ以上のULキャリア)でのUEの同時動作もサポートされている。
【0005】
さらに、NRの観点から、キャリアのアップリンクリソースのみが存在する場合をサポートするために、補助アップリンク(SUL: Supplementary Uplink)周波数を提供する必要があることが提案されている。SUL周波数は、(ランダムアクセスの観点からを含む)相補的なアクセスリンクを、UEがNR TDD/FDDアップリンク周波数またはSUL周波数のいずれかで物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access CHannel)リソースを選択することができる別のNR個別アップリンク周波数(時分割複信(TDD:Time Division Duplex)および/または周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)用)にサポートするために使用できる。
【0006】
SUL周波数は、(少なくともNRスペクトルが6GHz(ギガヘルツ)未満の場合、LTE ULと共有される周波数にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の提案/合意の1つ以上を効率的かつ効果的な方法でサポートまたは改善する方法および関連する装置を提供しようとするものである。
【0008】
上記の提案/合意を検討する中で、発明者は、複数の異なるULキャリア(例えば、SULキャリアとNR個別キャリア)を使用する可能性が、特に、初期アクセスのULキャリアの選択に関して多くの問題を提示することを認識し、それは、まだ効率的な方法で解決されていない。具体的には、発明者は、電力消費のオーバーヘッドの増加、PRACHリソース上の干渉、たとえば失敗したアクセス試行の繰り返しに関連する望ましくないアクセス時間、および/または、相対的なULキャリアの品質を正確に反映していない可能性のある測定結果の使用から生じる準最適なULキャリアの選択の時々対立するリスクのバランスを取る必要性を特定した。
【0009】
たとえば、SULキャリアは、NRの観点からキャリアのためのULリソースのみがある場合のシナリオで動作する。これは、UEがDL信号とパス損失オフセットに基づいてULパス損失を推定できる一方で、ULとDLの間に非常に大きな周波数オフセットが存在する可能性があるため、効率的かつ効果的なULキャリア選択の課題を提示し(特に、SULがLTE互換範囲で動作する場合)、それは、パス損失の推定が不正確になる可能性がある(たとえば、サブキャリア間隔、アンテナ寸法によるUL-DLパス損失の違いもある)。したがって、UEは、SULキャリアに対応するペアのDL(または同じ周波数)キャリアに基づいて、SULキャリアの正確な時間/周波数追跡またはパス損失推定をサポートできない場合がある。したがって、ULキャリア選択を通知するためのDL測定に基づく推定値に依存すると、サブ最適キャリア選択の発生率が高くなる可能性がある。さらに、UEがDL測定に基づいてカバレッジレベルのみを推定できる場合、選択されたULキャリア上のリソースが不十分で、PRACHブロッキングレートが増加し、関連するユーザデータレートが低下する可能性がある。これにより、初期キャリア周波数選択を再構成するgNBが必要になり、UEの無線周波数が再調整される可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、セルラー通信システムのユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法が提供され、前記方法は、
ランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することによって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始することを備え、前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数のULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して送信され、
前記RANの前記装置から、前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を受信することと、
を備える。
【0011】
本発明の一態様では、セルラー通信システム内の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置によって実行される方法が提供され、前記方法は、
ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始するためのランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージをユーザ機器(UE:User Equipment)から受信すること、を備え、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数ULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して受信され、
前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記UEによるその後の使用のためのULキャリアを選択することと、
前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択された前記ULキャリアの指示を前記UEに送信すること、
を備える。
【0012】
本発明の一態様では、セルラー通信システムのユーザ機器(UE:User Equipment)が提供され、前記UEは、
トランシーバとコントローラとを備え、
前記コントローラは、
ランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することによって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始し、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数のULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して送信され、
前記RANの前記装置から、前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を受信する、
ように前記トランシーバを制御する、
ユーザ機器。
【0013】
本発明の一態様では、セルラー通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置が提供され、前記装置は、
トランシーバとコントローラとを備え、
前記コントローラは、
ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始するためのランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージをユーザ機器(UE:User Equipment)から受信し、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数ULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して受信され、
前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記UEによってその後の使用のためのULキャリアを選択し、
前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択された前記ULキャリアの指示を前記UEに送信する、
ように前記トランシーバを制御する、
RANの装置。
【0014】
本発明の一態様では、セルラー通信システムのユーザ機器(UE:User Equipment)が提供され、前記UEは、
ランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することによって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始する手段と、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数のULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して送信され、
前記RANの前記装置から、前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を受信する手段と、
を備えるユーザ機器。
【0015】
本発明の一態様では、セルラー通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置が提供され、前記装置は、
ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始するためのランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージをユーザ機器(UE:User Equipment)から受信する手段と、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数ULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して受信され、
前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記UEによってその後の使用のためのULキャリアを選択する手段と、
前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択された前記ULキャリアの指示を前記UEに送信する手段と、
を備えるRANの装置。
【0016】
本発明の態様は、上に記載または請求項に列挙され、および/または請求項のいずれかに記載の装置を提供するように適切に適合されたコンピュータをプログラムする態様および可能性に記載された方法を実行するためにプログラム可能なプロセッサをプログラムするように動作可能な命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に及ぶ。
【0017】
本明細書で開示されるおよび/または図面に示される各特徴(この用語にはクレームが含まれる)は、他の開示および/または図示される特徴とは独立して(または組み合わせて)本発明に組み込むことができる。特に、ただし、限定されないが、特定の独立請求項に従属する請求項のいずれかの特徴は、任意の組み合わせでまたは個別にその独立請求項に導入することができる。
【0018】
次に、本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、セルラー通信システムを概略的に示す。
【
図2】
図2は、
図1に示されるシステムの一部を形成することができるユーザ機器のブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示されるシステムの一部を形成する無線アクセスネットワーク装置のブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1のシステムにおいて初期アクセス手順が実施され得る例示的な方法を示す簡略化されたメッセージシーケンス図である。
【
図5】
図5は、
図1のシステムにおいて初期アクセス手順が実施され得る別の例示的な方法を示す簡略化されたメッセージシーケンス図である。
【
図6】
図6は、
図1のシステムにおいて初期アクセス手順が実施され得る別の例示的な方法を示す簡略化されたメッセージシーケンス図(a)および(b)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概要
図1は、ユーザ機器(UE:User Equipment)3(携帯電話および/または他の通信デバイス)が、適切な無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を使用し、図示の例では、LTE基地局または「eNB」5-1、およびNR/5G基地局または「gNB」5-2を備える無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)装置5を介して互いに通信できる通信ネットワーク1を概略的に示す。この例では、UE3は、RAN5のeNB5-1部分を介して、少なくともLTE無線アクセス技術をサポートするLTE UE3-1として通信可能である。UE3は、RAN装置5のgNB5-2部分を介して、1つ以上の5G無線アクセス技術をサポートするNR/5G UE3-2として通信することも可能である。しかしながら、UE3はLTE能力を有する必要はなく、5G能力のみをサポートしてもよいことが理解される。
【0021】
当業者が理解するように、1つのモバイルデバイス3(3つの可能なUE構成を有する)および1つの基地局5が例示目的のために
図1に示されているが、実装される場合、システムは通常、他の基地局およびモバイルデバイスを含む。
【0022】
この例では、RAN装置のeNB5-1およびgNB5-2は、1つまたは複数の関連セルを動作させる各基地局と同じ場所に配置される。UE3は、セルを操作する基地局5-1、5-2と無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を確立することにより、(それらの場所および場合により他の要因、例えば信号条件、加入データ、能力などに応じて)適切なセルに接続する。
【0023】
RAN装置5は、適切なインタフェースを介してコアネットワーク(Core Network)7に接続される。コアネットワーク7は、gNB5-2を介したUE3の通信をサポートするために必要なNR/5G機能を備える。コアネットワーク7は、例えば、コントロールプレーン管理、ユーザプレーン管理、モビリティ管理などを提供する機能を含む。コアネットワーク7は、eNB5-1を介したUE3の通信をサポートするための部分的または完全なEPC機能も備える。
【0024】
UE3およびRAN装置5は、UE3からRAN装置5へのアップリンク(UL:Uplink)通信およびRAN装置5からUE3へのダウンリンク(DL:Downlink)通信のための複数のキャリア(または「コンポーネントキャリア」)を使用するように構成される。これらのULおよびDLキャリアは、多くの異なるキャリア周波数で動作する。この例では、ULキャリアは、SUL周波数(図の例ではF1)上の補助アップリンク(SUL:Supplementary Uplink)キャリアと、SULキャリアのそれとは異なり、対応するUL周波数(F2)上の少なくとも1つの個別NR個別ULキャリアを含む。この例では、SULキャリアはLTEで使用される範囲内の周波数上にあるため、LTEとNRとの間で共有できる(つまり、LTE ULとNR ULはLTE周波数のULサブフレームを共有する)。ただし、SULキャリアは個別のNR ULキャリアであり、LTEに通常は使用されない周波数範囲で動作する可能性があることが理解される。ULキャリアは、他のULキャリア(例えば、別の周波数のLTE個別ULキャリア)も含んでもよい。この例では、DLキャリアは、アップリンク(UL:Uplink)周波数とは異なる周波数(F3)上のNR DL送信用の少なくとも1つのキャリアと、NR DL周波数とは異なる周波数(Fn)上のLTE DL送信用の少なくとも1つのキャリアとを含む。
【0025】
有益なことに、gNB5-2は、初期ULアクセスのためにUE3によって使用されるULキャリアを選択できるように構成される(例えば、補助UL周波数F1またはNR個別UL周波数F2のいずれかになるように)。したがって、gNB5-2にNR UEの初期ULキャリア選択を設定させることにより、gNB5-2は、有利に、データをスケジュールし、カバレッジレベルとリソースの可用性(gNB5-2がUE3よりも正確に推定できる)を考慮したチャネルを制御することができる。
【0026】
初期UE ULキャリア選択を設定するgNB5-2をサポートするために、UE3およびgNB5-2は、不要な手順(たとえば、RRC接続再構成手順)を避けることによって遅延を減少させる可能性を有する修正されたUL初期アクセス手順を使用するように有利に構成される。
【0027】
具体的には、gNB5-2は、初期アクセス手順中のUE3とgNB5-2との間の接続(例えば、RRC接続)のセットアップの完了する前(たとえば、RRC接続完了メッセージがUE3からgNB5-2に送信される前)に、初期アクセス用に選択されたULキャリアの指示を提供するように有利に構成される。以下に説明する例では、ランダムアクセスチャネル手順のMsg4(例えば、接続レゾルーション/RRC接続セットアップメッセージ)で指示が有利に提供されるが、指示がgNB5-2からUE3への任意の適切なメッセージで提供されてもよいことが理解される。
【0028】
初期アクセス用に選択されたULキャリアの表示を提供するために使用できる修正されたUL初期アクセス手順の多くのバリエーションについては、後で詳しく説明する。開示されているすべての手順には、互いに比較して異なる利点とトレードオフがありますが、それらはそれぞれ、初期アクセスに使用され、そのような選択の結果を示すために、gNB5-2によるULキャリアの選択を実行する効率的かつ効果的な方法をUE3に表す。
【0029】
ユーザ機器
図2は、
図1に示されるUE3の主要なコンポーネント(例えば、携帯電話または他のユーザ機器)を示すブロック図である。示されるように、UE3は、1つ以上のアンテナ33を介してRAN装置5の基地局5-1、5-2機能に信号を送信し、そこから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路31を有する。モバイルデバイス3は、モバイルデバイス3の動作を制御するコントローラ37を有する。コントローラ37はメモリ39に関連付けられ、トランシーバ回路31に結合される。その動作に必ずしも必要ではないが、モバイルデバイス3は、もちろん、従来の携帯電話3のすべての通常の機能(ユーザインターフェイス35など)を有し、これは、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの1つまたは任意の組み合わせによって提供されてもよい。ソフトウェアは、メモリ39に事前にインストールされてもよく、および/または、例えば、通信ネットワークを介して、または、例えば、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD:Removable data storage Device)からダウンロードされてもよい。
【0030】
コントローラ37は、この例では、メモリ39内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって、UE3の全体的な動作を制御するように構成される。示されるように、これらのソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム41、互換性のある無線アクセスネットワークにアクセスするための(LTEモジュール44およびNR/5Gモジュール45などの)いくつかの無線アクセス技術モジュールを含む通信制御モジュール43、初期アクセスモジュール46、およびULキャリア管理モジュール47を備える。
【0031】
通信制御モジュール43は、UE3と基地局5-1、5-2(およびさらなるモバイルデバイス/またはネットワークノードなどの基地局5-1、5-2に接続された他の通信デバイス)との間の通信を制御するように動作可能である。LTEモジュール44は、UEをLTE UE3-1として動作させ、特に、現在のLTE標準(例えば、3G/4G基地局)、および、そのような基地局と接続する他のノード/デバイスに従って動作するeNB5-1との通信を管理する役割を負う。NR/5Gモジュール45は、UEをNR/5G UE3-2として動作させ、特に、NextGen(5G)標準、および、そのようなNextGen基地局と接続する他のノード/デバイスに従って動作するgNB5-2との通信を管理する役割を負う。
【0032】
初期アクセスモジュール46は、eNB5-1および/またはgNB5-2との、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)手順中にメッセージの生成、送信および受信を含む初期アクセス手順中にUE3を制御するように動作可能である。初期アクセスモジュール46は、例えば、適切なランダムアクセスプリアンブルと一時的識別子(例えば、ランダムアクセス無線ネットワーク一時的識別子、RA-RNTI)およびMsg3(例えば、接続リクエスト)を運ぶMsg1の生成および送信と、プリアンブルを割り当てるMsg0(たとえば、競合のないアクセスに必要な場合)、およびランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)メッセージを運ぶMsg2、および任意のMsg4(たとえば、競合レゾルーション/接続セットアップのリクエスト)の受信および処理と、を管理する。初期アクセスモジュール46はまた、(例えば、Msg1送信のために)PRACH手順で使用されるアップリンクキャリアを識別するように動作可能である。後で詳しく説明するように、UE3は、アップリンクキャリア自体を選択することで、PRACH手順に使用するアップリンクキャリアを識別してもよく、および/または、gNB5-2によって作成された選択に基づいてPRACH手順に使用するアップリンクキャリアを識別してもよい。
【0033】
ULキャリア管理モジュール47は、例えば、gNB5-2によって選択され、初期アクセス手順でUE3に示される(たとえばMsg4)アップリンクキャリア上の初期アクセスのためのUL通信の構成を含むULキャリア通信の処理を管理する
【0034】
RAN装置
図3は、
図1に示されたRAN装置5の主要な構成要素を示すブロック図である。示されるように、RAN装置5は、1つ以上のアンテナ53を介して通信デバイス(UE3など)に信号を送信し、そこから信号を受信するためのトランシーバ回路51と、コアネットワーク7に信号を送信し、そこから信号を受信するための少なくとも1つのコアネットワークインターフェース55と、を有する。
【0035】
RAN装置5は、RAN装置5の動作を制御するコントローラ57を有する。コントローラ57は、メモリ59に関連付けられている。必ずしも
図3に示されていないが、RAN装置5はセルラー電話ネットワーク基地局の通常の機能をすべて備えており、これは、1つまたは任意のハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の組み合わせによって提供される。ソフトウェアは、メモリ59に事前にインストールされてもよく、および/または、例えば通信ネットワーク1を介して、またはリムーバブルデータストレージデバイス(RMD:Removable data storage Device)からダウンロードされてもよい。コントローラ57は、この例では、メモリ59内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって、RAN装置5の全体的な動作を制御するように構成される。示されるように、これらのソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム61、対応する基地局の機能を提供するための多数の基地局モジュール(eNBモジュール65およびgNBモジュール67のような)を備える通信制御モジュール63、初期アクセス管理モジュール68、およびULキャリア管理モジュール69を含む。
【0036】
通信制御モジュール63は、RAN装置5とUE3(とRAN装置5に接続されている他のネットワーク要素)との間の通信を制御するように動作可能である。eNBモジュール65は、RAN装置5をeNB5-1として動作させ、特に、現在のLTE標準(および/または1つ以上のLTE個別UE)に従って動作する場合に、UE3との通信を管理する役割を負う。gNBモジュール67は、RAN装置5をgNB5-2として動作させ、特に、NextGen(5G)標準(および/または1つ以上のNR個別UE)に従ってNR UEとして動作する場合に、UE3との通信を管理する役割を負う。
【0037】
初期アクセス管理モジュール68は、UE3との、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)手順中のメッセージの生成、送信および受信を含む初期アクセス手順中にRAN装置5を制御するように動作可能である。初期アクセス管理モジュール68は、例えば、適切なランダムアクセスプリアンブルと一時的識別子(例えば、ランダムアクセス無線ネットワーク一時的識別子、RA-RNTI)およびMsg3(例えば、接続リクエスト)を運ぶMsg1の受信および処理と、プリアンブルを割り当てるMsg0(たとえば、競合のないアクセスに必要な場合)、およびランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)メッセージを運ぶMsg2、および任意のMsg4(たとえば、解決/接続セットアップのリクエスト)の受信および処理と、を管理する。特に、初期アクセス管理モジュール68は、特にPRACH手順で使用されるアップリンクキャリアの識別に関して(例えば、Msg1送信のために)、gNB5-2として動作するときに初期アクセス手順を管理するように動作可能である。後で詳細に説明するように、gNB5-2は、PRACH手順に使用するアップリンクキャリアを選択し、適切なシグナリングを使用して(たとえば、同期信号を使用して、システム情報(たとえば、マスター情報ブロック(MIB:Master Information Block)を介して)、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)でブロードキャストされる他の信号を介して、および/または、適切に構成されたRRC信号を使用して)、これをUE3にシグナリングする。
【0038】
ULキャリア管理モジュール69は、例えば、gNB5-2によって選択され、初期アクセス手順でUE3に示される(例えば、Msg4内)アップリンクキャリア上の初期アクセスのためのUL通信の構成を含むULキャリア通信の処理を管理する。
【0039】
方法1-gNBによって示されるPRACHプリアンブルのアップリンクキャリア
図4は、gNB5-2(またはRAN装置5のgNB部分)から選択されたULキャリアの効率的かつ効果的な指示をUE3に提供するために、
図1のシステム内に実装された初期アクセス手順の例示的な方法を示す簡略されたメッセージシーケンス図である。
【0040】
S400に見られるように、この例では、NR gNB5-2は、適切なシグナリング(たとえば、同期信号を使用し、システム情報(たとえば、マスター情報ブロック(MIB:Master Information Block)を介して、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)でブロードキャストされる他の信号を介して、および/または、適切に構成されたRRC信号を使用して)を使用して、NR DL上のUE3にPRACH手順に使用されるキャリアを示す。
【0041】
次に、S402において、UE3はgNB5-2に、ランダムアクセス手順を開始するために、PRACH手順の第1のメッセージ(当技術分野では「Msg1」として知られている)をgNB5-2に送信する。PRACH Msg1は通常、対応する無線アクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI:Radio Access Radio Network Temporary Identifier)および選択されたプリアンブルインデックスを伴うPRACHプリアンブルシーケンスを含む。この時点で、図示されていないが、UE3は、RA-RNTIに関連付けられた物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)の監視を開始する。レスポンスがない場合、この監視は通常、予め定義されたランダムアクセスレスポンスウィンドウサイズで指定されたサブフレームの数だけ継続する。
【0042】
S403で、gNB5-2は、UE3に、UE3からの次のメッセージに対するアップリンク許可を、一時セル無線ネットワーク一時識別子(「一時C-RNTI」または「T_CRNTI」)および場合によっては、バックオフインジケータおよび/またはタイミングアドバンスコマンドとともに運ぶランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)メッセージ(当技術分野では一般に「Msg2」として知られる)を送信する。UE3は、RA-RNTIに関連付けられたPDCCHを検出し、PDCCHによって運ばれ、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)のデコードに必要なダウンリンク制御インジケータ/情報(DCI:Downlink Control Indicator/Information)を識別する。UE3は、DCIを使用してPDSCHをデコードし、したがって、RARメッセージによって運ばれた情報を抽出する。
【0043】
UE3は通常、この段階で、RARメッセージがバックオフインジケータ(BI:Backoff Indicator)を含むかどうかを確認する。BIが見つかった場合、UE3は通常、BIによって指定された対応するバックオフパラメータを設定する。BIが見つからない場合、UE3は通常、バックオフパラメータをゼロ(0)に設定する。UE3はまた、RARメッセージが、UE3がMsg1で使用したものと一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むかどうかを確認する。一致する場合、UE3は正しいRARメッセージが受信されたと見なし、RARメッセージ内の関連するタイミングアドバンスコマンドを処理し、受信したUL許可値を処理する。
【0044】
S404で、UE3は、gNB5-2に、PRACH手順の第3のメッセージ(当技術分野では「Msg3」として一般に知られている)をgNB5-2に送信する。UE3は、RARメッセージで指定されたUL Grantによって割り当てられた無線リソースを使用して、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を使用してこのメッセージを送信する。PUSCH送信の正確なタイミングは、RARメッセージに含まれるタイミングアドバンス値によって調整されてもよい。
【0045】
S406で、gNB5-2は、初期アクセスに使用されるアップリンクキャリアを選択する。このステップは、Msg3の受信後に発生するように示されているが、Msg3の前を含む任意の適切な時点で(またはPRACH手順の他の部分と並行して)発生する可能性があることが理解される。この例では、gNB5-2は単一のアップリンクキャリアでPRACHリクエスト(Msg1)のみを受信しているため、gNB5-2は両方のアップリンクキャリアのアップリンクでの測定結果を取得できない。したがって、選択は、UE3から受信された情報がアップリンクで経験でのパス損失条件を正確に反映しない可能性があるにもかかわらず、この情報(たとえば、DLの参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、電力ヘッドルーム報告など)を考慮してもよい。選択は、PRACHが受信されるアップリンクキャリアのアップリンク測定を考慮してもよいことが理解される。
【0046】
S408で、gNB5-2は、この例では、競合レゾルーションID(CRID:Contention Resolution ID)とともに、競合レゾルーションメッセージ(当技術分野では「Msg4」として一般に知られている)にULキャリア選択の表示を含めることにより、選択されたULキャリアをUE3に通知する。
【0047】
必要に応じて、gNB5-2は、S410に示されるように、UE3からさらなる情報(たとえば、RSRP測定、送信電力、電力ヘッドルーム報告など)をリクエストしてもよい。S412に示されるように、リクエストされた情報を受信すると、gNB5-2は、UE3から受信したそのようなさらなる情報(DL測定の結果)に基づいてそのアップリンクキャリア選択(または、他のキャリアに対してPRACH手順を再開始するようUEにリクエストする決定)をしてもよい。
【0048】
図示されていないが、gNB5-2は、別のキャリアを使用してPRACH手順を開始するようにUE3にリクエストし、それに応じてPRACHリソースに通知してもよい。通常、これは、たとえば、さらなる情報のリクエスト/レスポンスの後であってMsg4の送信の前に発生してもよい。
【0049】
方法2-UEによって選択されたPRACHプリアンブルのアップリンクキャリア
図5は、gNB5-2(またはRAN装置5のgNB部分)からUE3に選択されたULキャリアの効率的かつ効果的な指示を提供する
図1のシステムに実装された初期アクセス手順の別の例示的な方法を示す簡略メッセージシーケンス図である。
【0050】
手順は
図4の手順と同様であるため、
図4の対応するステップの説明は、
図5の手順に適用される(簡潔にするために繰り返されていなくても)。しかしながら、
図4の手順とは異なり、この例では、S500で見られるように、UE3(NR gNB5-2ではなく)は、PRACH手順に使用するキャリアを選択する(たとえば、パス損失の推定値、および/または、どのキャリアが最初に選択されるかを優先するために各キャリアに割り当てられたキャリア優先度)。
【0051】
次に、S502で、UE3は、
図4を参照して説明したように、対応するRA-RNTIと選択されたプリアンブルインデックスともにPRACHプリアンブルシーケンスを含むランダムアクセス手順を開始するために、gRAN5-2に、PRACH手順の第1のメッセージをgNB5-2に送信する。
【0052】
図4を参照して説明したように、S503で、gNB5-2は、一時的なC-RNTIおよび場合によってはバックオフインジケータおよび/またはタイミングアドバンスコマンドとともにUE3からのMsg3のアップリンク許可を運ぶRARメッセージ(Msg2)をUE3に送信する
【0053】
図4を参照して説明したように、S504で、UE3は、RARメッセージによって指定されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを使用して、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)でgNB5-2にMsg3を送信する。PUSCH送信の正確なタイミングは、RARメッセージに含まれるタイミングアドバンス値によって調整されてもよい。
【0054】
S506で、gNB5-2は、初期アクセスに使用されるアップリンクキャリアを選択する。
図4を参照して説明したように、このステップはMsg3の受信後に発生するように示されているが、Msg3の前を含む任意の適切な接合点で(またはPRACH手順の他の部分と並行して)発生してもよい。この例では、gNB5-2は単一のアップリンクキャリアでPRACHリクエスト(Msg1)のみを受信しているため、gNB5-2は両方のアップリンクキャリアのアップリンクでの測定結果を取得できない。したがって、選択は、この情報がアップリンクで経験したパス損失条件を正確に反映しない可能性があるにもかかわらず、UE3から受信した情報(たとえば、DLの参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、電力ヘッドルーム報告など)を考慮することができる。選択は、PRACHが受信されるアップリンクキャリアのアップリンク測定値を考慮してもよいことが理解される。
【0055】
S508で、
図4を参照して説明したように、gNB 5-2は、この例では、競合レゾルーションID(CRID:Contention Resolution ID)とともに、競合レゾルーションメッセージ(Msg4)にULキャリア選択の指示を含めることにより、選択されたULキャリアをUE3に通知する。
【0056】
図示されていないが、gNB5-2は、別のキャリアを使用してPRACH手順を開始するようにUE3にリクエストし、それに応じてPRACHリソースに通知することもできる。
【0057】
必要に応じて、gNB5-2は、S510に示されるように、UE3からのさらなる情報(たとえば、RSRP測定、電力ヘッドルーム報告など)をリクエストしてもよい。S512に示されるように、リクエストされた情報を受信すると、gNB5-2は、そのアップリンクキャリア選択を、UE3から受信したそのようなさらなる情報(または、UEに別のキャリアに向けてPRACH手順を再開始するようリクエストする決定)に基づいてもよい。
【0058】
方法1および2の分析
方法1および2では、選択された数のUEのみが両方のアップリンク周波数でPRACHプリアンブルを送信する必要があるため、UE電力消費の観点から潜在的な利点が得られることがわかる。これは、PRACHの各ULキャリアを使用するUEの数も最小限に抑えられるため、PRACHリソースへの干渉のリスクが最小限に抑えられることも意味する。
【0059】
したがって、所定のUEの選択されたULキャリアでのPRACHブロッキングは、初期アクセスを取得するための試行を繰り返す可能性があるが、gNB5-2による別のキャリアに向けてPRACHを送信する必要性の判断は、UEのRSRPに基づく測定(不正確な場合がある)であるにもかかわらず、UEは最適化されたキャリアを使用して、遅延を減らしてUL初期アクセスを取得できる。
【0060】
方法3-PRACHプリアンブルに使用される複数のアップリンクキャリア
図6(a)および(b)は、gNB5-2(またはRAN装置5のgNB部分)からUE3へ選択されたULキャリアの効率的かつ効果的な指示を提供するために
図1のシステムに初期アクセス手順を実装できる別の例示的な方法を示す簡略メッセージシーケンス図である。
【0061】
手順は
図4と5の手順と似ているため、
図4と5の対応するステップの説明は、
図6の手順に適用される(簡潔にするために繰り返さない場合でも)。
【0062】
図4および5の手順とは異なり、この例では、PRACHプリアンブル送信用のULキャリアの事前の選択はない。代わりに、UE3は両方のULキャリアでPRACHプリアンブルを送信する。具体的には、S600-1からS600-2に見られるように、UE3は、それぞれの各キャリアで、複数のMsg1タイプのメッセージを連続的に送信する(各Msg1は、
図4および5を参照して説明される)。ただし、特定のキャリアのMsg1の送信は、DL測定に基づいて、そのキャリアの推定パスロスが所定のしきい値を下回ることを条件とする場合がある。
【0063】
図6(a)は、gNB5-2が同じUE3から両方のキャリアでプリアンブルを受信するときの手順を示す。
図6(b)は、gNB5-2がUE3から単一キャリアのみでプリアンブルを受信するときの手順を示す。
【0064】
S603で、gNB5-2は、UE3に、UE3からの次のメッセージのアップリンク許可を一時セル無線ネットワーク一時識別子(「一時的なC-RNTI」または「T_CRNTI」)、および場合によってはバックオフインジケータおよび/またはタイミングアドバンスコマンド(
図4および5を参照して説明したように)とともに運ぶランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)メッセージ(「Msg2」)を送信する。
【0065】
S604で、UE3は、RARメッセージ(
図4および5を参照して広く説明したように)によって指定されたUL許可によって割り当てられた無線リソースを使用して、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)でgNB5-2にMsg3を送信する。
【0066】
gNB5-2が同じUE3から両方のキャリアでプリアンブルを受信した場合(
図6(a)に示すように)、gNB5-2は、S606で、受信したアップリンク信号のUL測定に基づいてULキャリアの選択を行う。
【0067】
図6(b)に示すように、gNB5-2がキャリアのサブセット(たとえば、シングルキャリア)でのみプリアンブルを検出すると、S610で示されるように、UE3(たとえば、RSRP測定、電力ヘッドルーム報告など)よりも。S612に示されるように、リクエストされた情報を受信すると、gNB 5-2は、UE3から受信したそのようなさらなる情報(DL測定)に基づいてそのアップリンクキャリア選択を行うことができる。
【0068】
図4および5を参照して説明したように、S608で、gNB5-2は、この例では、競合レゾルーションID(CRID)とともに競合レゾルーションメッセージ(Msg4)にULキャリア選択の指示を含めることにより、選択されたULキャリアをUE3に通知する。
【0069】
gNB ULキャリア選択の通知を受信すると、UE3はMsg1の送信の試みを停止する。
【0070】
方法3の分析
方法3では、UE3は、比較的短い(したがって有利な)タイムスケールで最適なキャリア上でUL初期アクセスを得ることができることがわかる。さらに、gNB5-2は、正確なUL測定に基づいてULキャリアを選択できる(両方のキャリアでプリアンブルを受信する場合)。
【0071】
したがって、(UEの電力消費の観点から)両方のアップリンクキャリアでのPRACHプリアンブルの送信に関連する小さなオーバーヘッドがある場合がありますが、方法3は、方法1および2と比較して、PRACHリソースにより多くの干渉を引き起こす可能性がある(ただし、比較的短いPRACH送信時間によって緩和されるが)、それにもかかわらず、UEは最適なキャリアを使用して、遅延を減らしてUL初期アクセスを取得できる。
【0072】
したがって、初期アクセス試行(Msg1)で使用可能なULキャリア(F1およびF2)での方法3のPRACHプリアンブルシーケンス送信の切り替えは、単独で、または少なくとも1つの選択されたキャリアで数回失敗した後に、特に効果的なオプションである。NRは、コンテンションフリーおよびコンテンションベースのランダムアクセスの両方で、監視RARウィンドウの開始時に異なるULキャリアの複数のMsg1送信を連続して、または、監視RARウィンドウの終了後のコンテンションフリーランダムアクセス内の異なるULキャリアのMsg1の連続送信をサポートできる。NRは、Msg2およびMsg3の送信タイミングをスロットまたは(現在の時間領域で可能な最小のスケジューリング単位、つまりスロットより小さい)「ミニスロット」単位でサポートする。
【0073】
したがって、上記のメカニズムは、特に、特定のキャリアのリソースが限られているために高いPRACHブロッキングレートが存在するシナリオと比較して、ユーザデータレートを改善し、UEがアクセスを取得する試行の総数を減らす可能性がある。
【0074】
変更と代替
詳細な例示的な実施形態が上記で説明された。当業者が理解するように、多くの修正および代替を上記の実施形態に加えることができ、その中で実施される本発明から依然として恩恵を受ける。例証として、これらの代替案および修正のいくつかのみを説明する。
【0075】
例えば、例示的なシステムは、eNBおよびgNBが同じ場所に配置され、いくつかのハードウェアおよびソフトウェアモジュールを共有するRAN装置を説明しているが、eNBおよびgNBは、独自の個別ハードウェアおよびソフトウェアを有して別個であってもよいことが理解されるであろう。RAN装置は、既知の5G開発に従って、UEと通信する少なくとも1つの分散(または「リモート」)ユニット(DU:Distributed Unit)と、DUとコアネットワークとの間の中央ユニット(CU:Central Unit)とに機能を分割することができる。たとえば、上位層の機能はCUによって提供され、下位層の機能はDUによって提供される。
【0076】
ULキャリアおよびDLキャリアを指すために参照して、説明で使用される「コンポーネントキャリア」または「キャリア」という用語は、スケジュールされることができる個別の時間/周波数リソース(例えば、物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block))内の明確な通信(または「送信」)帯域幅を表す。このコンテキストでの「キャリア」という用語は、「サブキャリア」という用語と混同すべきではない。「サブキャリア」は、説明したようなセルラー通信システムで使用される周波数の最小単位を表し、所定の通信時間インターバル(例えば、送信時間インターバル(TTI:Transmission Time Interval)、ミニスロット、スロット、サブフレームなど)内で、典型的にグループ内に割り当てられる(通常PRBと呼ばれる)。したがって、コンポーネントキャリアは、複数(通常は数十)のPRBを含む送信(UL、DL、または両方)帯域幅を表し、各PRBは複数(通常は多く、たとえば12)のサブキャリアを含む。言い換えれば、各キャリアに関連付けられた送信帯域幅は、通常、数百のサブキャリアを含む。
【0077】
異なるULキャリアを使用してRACH手順を再開始すべきというリクエストは、gNBによって選択されたULキャリアの指示を暗黙的または明示的に提供し得ることが理解される。
【0078】
適切に適合されたMsg2は、gNBによるさらなる情報のリクエストに使用され、適切に適合されたMsg2は、UEからのレスポンスに使用されてもよいことが理解される。メッセージは、たとえば、リクエスト/レスポンスの情報要素に追加のフィールドを追加することで適合させてもよい。
【0079】
別のキャリアを使用してPRACH手順を開始するリクエスト(および/または追加情報のリクエスト)は、DL測定に基づいてキャリアの推定されたパスロスが何らかのしきい値を下回ったときにトリガーされる。別のキャリアを使用してPRACH手順を開始するリクエストは、PRACHが送信された元のキャリアだけでなく新しいキャリアに対してもUL測定を行うために使用されるので、「さらなる測定のリクエスト」とみなされてもよい。gNBは、例えば、新しいキャリアのプリアンブルを送信することにより、そのようなリクエストを行ってもよい。さらに、代替的または追加的に、gNBはアップリンクの測定を可能にするために、何らかの構成されたUL参照信号サブキャリアでUL送信を、(別のキャリアを使用して、または別のリクエストとしてPRACH手順を開始するリクエストの一部として)リクエストしてもよい(たとえば、対応するアップリンクキャリアのより正確なパス損失推定の基礎を提供するために)。UE3は、Msg1の送信のための時間領域(または周波数領域)に存在するギャップを使用してそのようなUL参照信号を送信してもよい。そのようなリクエストにおいて、UE識別子(UE-ID:UE Identifier)をPRACHプリアンブルとともに送信して、正しいUEがリクエストの宛先であることを識別できるようにすることが有利であることが理解される。
【0080】
図4から
図6を参照して図示し説明したものと同様のRACH手順がgNBをサポートし、RACH手順中にUE ULキャリア選択を更新するために使用されることが理解できる。具体的には、例えば、初期アクセスのためにgNBによって選択されたULキャリアがUEに通知された場合、gNBは、さらなるRACH手順の間に、後で選択されたULキャリアを更新し、それに従ってUEに通知する(例えば、
図4から
図6を参照して説明したように)。
【0081】
上記の例示的な実施形態では、いくつかのソフトウェアモジュールが説明された。当業者が理解するように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形態またはコンパイルされていない形態で提供されてもよく、コンピュータネットワーク上の、または記録媒体上の信号として、課題の装置(UE、RAN、NB、gNBなど)に供給されてもよい。さらに、このソフトウェアの一部またはすべてによって実行される機能は、1つまたは複数の個別ハードウェア回路を使用して実行できる。しかしながら、ソフトウェアの使用は、機能を更新するために基地局またはモバイルデバイスの更新を容易にするため、推奨される。
【0082】
本明細書で説明する装置の一部を形成する各コントローラは、以下に限定されないが、例えば、コンピュータプロセッサに実装された1つまたはそれ以上のハードウェア、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)、算術論理ユニット(ALU:Arithmetic Logic Unit)、入出力(IO:Input/Output)回路、内部メモリ/キャッシュ(プログラムおよび/またはデータ)、処理レジスタ、通信バス(例えば、制御、データ、および/またはアドレスバス)、ダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)機能、実装されたハードウェアまたはソフトウェアのカウンタ、ポインタ、および/またはタイマ、および/またはそのようなもの、を含む、任意の適切な形態の処理回路を備えてもよい。
【0083】
様々な他の修正が当業者には明らかであり、ここではさらに詳細には説明しない。
【0084】
上述の例示的な実施形態の全体または一部は、以下の付記として説明されるが、それに限定されない。
【0085】
(付記1)
セルラー通信システムのユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することによって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始することを備え、前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数のULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して送信され、
前記RANの前記装置から、前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を受信することと、
を備える方法。
【0086】
(付記2)
ランダムアクセスプリアンブルを含む前記メッセージを送信するために使用される前記少なくとも1つのULキャリアは、前記RANの前記装置によって以前に示されたULキャリアを含む、
付記1に記載の方法。
【0087】
(付記3)
ランダムアクセスプリアンブルを含む前記メッセージを送信するために使用される前記少なくとも1つのULキャリアは、前記UEによって選択されたULキャリアを含む、
付記1に記載の方法。
【0088】
(付記4)
前記複数のULキャリアのうちの異なるキャリアを使用して、前記RACH手順を再開始すべきであるというリクエストを受信することを含む、
付記1から3のいずれかに記載の方法。
【0089】
(付記5)
前記複数のULキャリアの異なるキャリアを使用して前記RACH手順を再開始すべきという前記リクエストは、前記複数のULキャリアの前記異なるキャリアのPRACHプリアンブルおよび前記UEの識別子のうちの少なくとも1つを含む、
付記4に記載の方法。
【0090】
(付記6)
異なる複数のULキャリアを使用して、前記RACH手順を再開始すべきであるという前記リクエストは、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を提供する、
付記4または5に記載の方法。
【0091】
(付記7)
前記RANの前記装置によるULキャリアの選択を通知するためのさらなる情報(例えば、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)測定および電力ヘッドルーム報告のうちの少なくとも1つ)のリクエストを受信することをさらに含む、
付記1から6のいずれかに記載の方法。
【0092】
(付記8)
前記リクエストされたさらなる情報を提供することをさらに含む、
付記7に記載の方法。
【0093】
(付記9)
UL参照信号サブキャリア上でUL送信のリクエストを受信することと、
前記UL参照信号サブキャリア上で参照信号を送信することと、
をさらに含む、付記1から7のいずれかに記載の方法。
【0094】
(付記10)
前記RANの前記装置によるULキャリアの選択は、ランダムアクセスプリアンブルを含む前記少なくとも1つのメッセージが送信された上の前記複数のULキャリアの前記少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアに関する少なくとも1つのUL測定に基づく、
付記1から9のいずれかに記載の方法。
【0095】
(付記11)
前記開始することは、それぞれがランダムアクセスプリアンブルを含む複数のメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することを含み、
前記複数のメッセージのそれぞれは、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアの異なる1つを使用して送信される、
付記1に記載の方法。
【0096】
(付記12)
前記RANの前記装置が前記複数のキャリアのそれぞれでそれぞれのプリアンブルを受信する場合、前記RANの前記装置によるULキャリアの選択はUL測定に基づく、
付記11に記載の方法。
【0097】
(付記13)
前記RANの前記装置が前記複数のキャリアのすべてでそれぞれのプリアンブルを受信しない場合、前記RANの前記装置は、前記RANの前記装置によるULキャリアの選択を通知するためのさらなる情報(例えば、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)測定および電力ヘッドルーム報告の少なくとも1つ)のリクエストを送信し、
前記方法は、さらなる情報の前記リクエストを受信することをさらに含む、
付記11または12に記載の方法。
【0098】
(付記14)
前記リクエストされたさらなる情報を提供することをさらに含む、
付記13に記載の方法。
【0099】
(付記15)
前記複数のULキャリアのうちの少なくとも1つのキャリアは、新無線(NR:New Radio)または5G個別ULキャリア(たとえば、LTEと共有されない関連する通信帯域幅を有する)である、
付記1から14のいずれかに記載の方法。
【0100】
(付記16)
前記複数のULキャリアのうちの少なくとも1つのキャリアは、補助UL(SUL:Supplementary Uplink)キャリアである、
付記1から15のいずれかに記載の方法。
【0101】
(付記17)
前記SULキャリアは、新無線(NR:New Radio)または5Gタイプの通信システムと、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)タイプの通信システムとの間で共有されるULキャリア(例えば、両方のシステムにより使用され関連する通信帯域幅を有する)である、
付記16に記載の方法。
【0102】
(付記18)
前記RANの前記装置への接続が完了する前に(例えば、前記UEによって接続完了メッセージが送信される前に)、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの前記指示が受信される、
付記1から17のいずれかに記載の方法。
【0103】
(付記19)
前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの前記指示は、前記RACH手順のメッセージ4(Msg4-たとえば競合レゾルーションメッセージ)で受信される、
付記1から18のいずれかに記載の方法。
【0104】
(付記20)
前記RANの前記装置は、新無線(NR:New Radio)または5G基地局(gNB)を含む、
付記1から19のいずれかに記載の方法。
【0105】
(付記21)
前記RANの前記装置は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)基地局(eNB)を含む、
付記1から20のいずれかに記載の方法。
【0106】
(付記22)
後続のRACH手順の間に前記UEが使用する前記ULキャリアを更新するため、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアのさらなる指示をさらに含む、
付記1から21のいずれかに記載の方法。
【0107】
(付記23)
セルラー通信システム内の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置によって実行される方法であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始するためのランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージをユーザ機器(UE:User Equipment)から受信すること、を備え、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数ULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して受信され、
前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記UEによるその後の使用のためのULキャリアを選択することと、
前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択された前記ULキャリアの指示を前記UEに送信すること、
を備える方法。
【0108】
(付記24)
セルラー通信システムのユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
トランシーバとコントローラとを備え、
前記コントローラは、
ランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージを無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置に送信することによって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始し、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数のULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して送信され、
前記RANの前記装置から、前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択されたULキャリアの指示を受信する、
ように前記トランシーバを制御する、
ユーザ機器。
【0109】
(付記25)
セルラー通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の装置であって、
トランシーバとコントローラとを備え、
前記コントローラは、
ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順を開始するためのランダムアクセスプリアンブルを含む少なくとも1つのメッセージをユーザ機器(UE:User Equipment)から受信し、
前記少なくとも1つのメッセージは、前記UEによって使用可能な複数ULキャリアの少なくとも1つのアップリンク(UL:Uplink)キャリアを使用して受信され、
前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記UEによってその後の使用のためのULキャリアを選択し、
前記RACH手順の一部として、前記UEによって使用可能な前記複数のULキャリアから、前記RANの前記装置によって選択された前記ULキャリアの指示を前記UEに送信する、
ように前記トランシーバを制御する、
RANの装置。
【0110】
(付記26)
請求項25に記載の少なくとも1つの装置と、請求項24に記載の少なくとも1つのユーザ機器と、を備えるセルラー通信システム。
【0111】
(付記27)
プログラム可能なデバイスを、付記25の装置として、または付記24のユーザ機器として構成させるためのコンピュータ実装可能命令を含むコンピュータ実装可能命令製品。
【0112】
この出願は、2017年6月16日に提出された英国特許出願第1709678.5号の優先権に基づいており、その優先権の利益を主張する。