(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】献立作成システム、献立作成装置、献立作成方法、献立作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020074538
(22)【出願日】2020-04-20
(62)【分割の表示】P 2019169801の分割
【原出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】507246291
【氏名又は名称】株式会社ミールケア
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】丸山 寛典
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-279288(JP,A)
【文献】特開2009-245276(JP,A)
【文献】特開2004-110379(JP,A)
【文献】特開2003-085293(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199389(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
献立を作成する献立作成システムであって、
前記献立に沿って提供された料理の画像情報を配信する画像配信部と、
前記配信された料理の画像情報から前記料理の画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記料理の画像に対する反応情報を入力する反応入力部と、
前記反応入力部にて入力された反応情報を収集する反応収集部と、
前記反応収集部にて収集された反応情報を記憶する反応記憶部と、
料理情報が記憶されている料理記憶部と、
前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて、前記料理記憶部に記憶されている料理情報を選定して献立を作成する献立作成部と、
を備える献立作成システム。
【請求項2】
前記反応入力部は、前記反応情報として喫食者の嗜好に関係する嗜好情報を入力可能である請求項1に記載の献立作成システム。
【請求項3】
前記反応入力部は、前記反応情報として喫食者のアレルギ反応に関するアレルギ情報を入力可能である請求項1又は2に記載の献立作成システム。
【請求項4】
前記反応入力部はタッチパネルであり、前記配信された前記料理の画像上でのジェスチャに応じた前記反応情報の入力が可能である請求項1から3のいずれか一項に記載の献立作成システム。
【請求項5】
前記反応入力部はマイクを有し、前記
料理の喫食者に関係する喫食関係者の音声に応じた前記反応情報の入力が可能である請求項1から4のいずれか一項に記載の献立作成システム。
【請求項6】
前記画像配信部は、前記料理の画像から、1又は複数の料理を識別して、識別された料理情報を付加した前記料理の画像情報を配信し、
前記反応入力部は、前記識別された料理ごとに反応を入力可能である請求項1から5のいずれか一項に記載の献立作成システム。
【請求項7】
献立を作成する献立作成装置であって、
前記献立に沿って提供された料理の画像情報を配信する画像配信部と、
前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集部と、
前記反応収集部にて収集された反応情報を記憶する反応記憶部と、
料理情報が記憶されている料理記憶部と、
前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて、前記料理記憶部に記憶されている料理情報を選定して献立を作成する献立作成部と、
を備える献立作成装置。
【請求項8】
献立を作成する献立作成方法であって、
前記献立に沿って提供された料理の画像情報を配信する画像配信工程と、
前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集工程と、
前記反応収集工程にて収集された反応情報を反応記憶部に記憶する反応記憶工程と、
前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて、料理情報が記憶されている料理記憶部に記憶されている料理情報を選定して献立を作成する献立作成工程と、
をコンピュータにより実行する献立作成方法。
【請求項9】
献立を作成する献立作成プログラムであって、
前記献立に沿って提供された料理の画像情報を配信する画像配信工程と、
前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集工程と、
前記反応収集工程にて収集された反応情報を反応記憶部に記憶する反応記憶工程と、
前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて、料理情報が記憶されている料理記憶部に記憶されている料理情報を選定して献立を作成する献立作成工程と、
をコンピュータにより実行させる献立作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、献立を作成する献立作成システム、献立作成装置、献立作成方法、献立作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、予め用意された料理リストなどの中から、いくつかの料理を選択し、栄養バランスの良い献立を作成する献立作成システムが種々提案されている。例えば、主食、主菜、副菜等のカテゴリーごとに利用者が食材や調理法を選択すると、それに対応するメニューの候補を提示され、利用者がその候補の中からメニューを選択すると、そのメニューについての栄養情報が所定の基準を満たしているか否かを判定し、所定の基準を満たしていない場合には、利用者に料理を選び直すように指示する献立提案システムがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術のように栄養バランス等を考慮して一方的に献立を提案するシステムはあるが、実際にその提案された献立の料理を食してみたときに、利用者が想像していた味と異なっていたり、アレルギ反応が出たり等、提案された料理を必ずしも利用者が満足するとは限らない。
【0005】
特に保育園や学校等の給食のように、多人数に提供する料理に関しては個人の嗜好やアレルギ反応を収集するのは容易ではない。
【0006】
本開示はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、献立に沿った料理に対する利用者の反応を容易に収集し、献立作成に反映することで、より利用者に適した献立を作成することができる献立作成システム、献立作成装置、献立作成方法、献立作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る献立作成システムでは、献立を作成する献立作成システムであって、前記献立に沿って提供された料理の画像を撮影する画像撮影部と、前記画像撮影部にて撮影された料理の画像情報を、前記料理の喫食者に関係する喫食関係者が使用する喫食関係者端末に配信する画像配信部と、前記配信された料理の画像情報から前記料理の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記料理の画像に対する反応情報を入力する反応入力部と、前記反応入力部にて入力された反応情報を収集する反応収集部と、前記反応収集部にて収集された反応情報を記憶する反応記憶部と、前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて献立を作成する献立作成部と、を備える。
【0008】
また、上記献立作成システムにおいて、前記反応入力部は、前記反応情報として喫食者の嗜好に関係する嗜好情報を入力可能であってもよい。
【0009】
また、上記献立作成システムにおいて、前記反応入力部は、前記反応情報として喫食者のアレルギ反応に関するアレルギ情報を入力可能であってもよい。
【0010】
また、上記献立作成システムにおいて、前記反応入力部はタッチパネルであり、前記配信された前記料理の画像上でのジェスチャに応じた前記反応情報の入力が可能であってもよい。
【0011】
また、上記献立作成システムにおいて、前記反応入力部はマイクを有し、前記喫食関係者の音声に応じた前記反応情報の入力が可能であってもよい。
【0012】
また、上記献立作成システムにおいて、前記画像配信部は、前記画像撮影部にて撮影された前記料理の画像から、1又は複数の料理を識別して、識別された料理情報を付加した前記料理の画像情報を前記喫食関係者端末に配信し、前記反応入力部は、前記識別された料理ごとに反応を入力可能であってもよい。
【0013】
また、上記した目的を達成するために、献立を作成する献立作成装置であって、前記献立に沿って提供された料理の画像情報を取得する画像取得部と、前記画像取得部にて取得した前記料理の画像情報を、前記料理の喫食者に関係する喫食関係者が使用する喫食関係者端末に配信する画像配信部と、前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集部と、前記反応収集部にて収集された反応情報を記憶する反応記憶部と、前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて献立を作成する献立作成部と、を備える。
【0014】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る献立作成方法では、献立を作成する献立作成方法であって、前記献立に沿って提供された料理の画像情報を取得する画像取得工程と、前記画像取得工程にて取得した前記料理の画像情報を、前記料理の喫食者に関係する喫食関係者が使用する喫食関係者端末に配信する画像配信工程と、前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集工程と、前記反応収集工程にて収集された反応情報を反応記憶部に記憶する反応記憶工程と、前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて献立を作成する献立作成工程と、をコンピュータにより実行する。
【0015】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る献立作成プログラムでは、献立を作成する献立作成プログラムであって、前記献立に沿って提供された料理の画像情報を取得する画像取得工程と、前記画像取得工程にて取得した前記料理の画像情報を、前記料理の喫食者に関係する喫食関係者が使用する喫食関係者端末に配信する画像配信工程と、前記配信された料理の画像に対する反応情報を収集する反応収集工程と、前記反応収集工程にて収集された反応情報を反応記憶部に記憶する反応記憶工程と、前記反応記憶部に記憶された反応情報を用いて献立を作成する献立作成工程と、をコンピュータにより実行させる。
【発明の効果】
【0016】
上記手段を用いる本発明によれば、献立に沿った料理に対する利用者の反応を容易に収集し、献立作成に反映することで、より利用者に適した献立を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る献立作成システムを示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態における献立作成ルーチンを示すフローチャートである。
【
図3】第2情報端末の表示部に表示される料理の画像の第1表示例である。
【
図4】第2情報端末の表示部に表示される料理の画像の第2表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る献立作成システムを示すシステム構成図であり、以下、同図に沿って説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の献立作成システム1は、利用者(教職員、園児、保護者、等)が所属する保育園Aに対して、給食提供事業者Bが給食の献立を作成するシステムを例に説明する。献立作成システム1は、インターネット等の通信網NWを介して、保育園Aの教職員T等の保育園関係者が使用する第1情報端末10と、給食を喫食する園児の保護者P等の喫食関係者が使用する第2情報端末20と、給食提供事業者Bが管理する管理サーバ30(献立作成装置)と、が接続されている。なお、説明の簡略化のため図では保育園A側において教職員1名、保護者1名を例に説明するが、保育園や教職員、保護者の数はこれに限られず、管理サーバ30は通信網NWを介してさらに多くの利用者と接続可能である。特に管理サーバ30は、実際には複数の第2情報端末20と接続されている。なお、教職員には、保育園内のクラスを担任する教諭の他にも事務員等の関係者も含まれる。
【0021】
第1情報端末10は、例えばスマートフォン、タブレット、携帯電話、PC(パーソナルコンピュータ)のような通信機能を有する情報端末であり、少なくとも画像撮影部11を有している。
【0022】
画像撮影部11は、例えばカメラ等の光学機器であり、献立に沿って提供された料理の画像を撮影可能である。なお、当該画像は静止画像だけでなく、動画像であってもよい。また、第1情報端末10は撮影した画像情報を管理サーバ30に送信可能である。
【0023】
第2情報端末20は、第1情報端末10と同様にスマートフォン、タブレット、携帯電話、PCのような通信機能を有する情報端末であり、少なくとも、表示部21、操作部22(反応入力部)を有している。
【0024】
表示部21は、管理サーバ30から配信される料理の画像情報を表示可能な部分であり、操作部22は配信された画像情報に対する反応(反応情報)を入力可能な部分である。当該表示部21と操作部22は、例えばスマートフォン、タブレットのようなタッチパネルを備えた情報端末では表示部21と操作部22を一体に構成される。また、携帯電話やPCの場合は、表示部21としてのディスプレイと、操作部22としてのテンキー、キーボード、マウス、をそれぞれ別体に構成されていてもよい。
【0025】
操作部22により入力可能な反応情報としては、例えば画像に写された料理に対する喫食の有無の反応、好き嫌い等の嗜好反応、画像に写された料理を喫食後のアレルギ反応(湿疹、発疹、かゆみ、喘息、息切れ、鼻水、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、等)の有無等がある。具体的な入力方法としては、例えば表示部21に料理の画像とともに「食べていない」、「好き」、「嫌い」、「アレルギ反応有り」等の選択項目が表示され、当該選択項目を選択する方法や、料理の画像に対するジェスチャ操作に応じて、その料理の好き嫌いを判定する方法がある。当該ジェスチャ操作としては、例えば円を描くジェスチャは「好き」と判定し、十字を描くジェスチャは「嫌い」、三角を描くジェスチャは「普通」と判定する。さらに、操作部22としてマイクを有し、音声認識機能により園児又は保護者Pの「好き」「嫌い」に関係する言葉を識別して、料理の好き嫌いを判定してもよい。また、アレルギ反応の有無を示す情報として、第2情報端末20が有する図示しない画像撮影部により、アレルギ症状が現れている患部を撮影した画像を反応情報に含めてもよい。
【0026】
管理サーバ30は、プログラムに基づき献立作成処理を実行する1又は複数のサーバ(コンピュータ)から構成されている。具体的には、画像取得部31、画像配信部32、利用者データベース33(反応情報記憶部)、反応収集部34、献立作成部35、料理データベース36(以下、データベースは「DB」と表記する)を有している。
【0027】
画像取得部31は、画像撮影部11にて撮影した料理の画像情報を、第1情報端末10から取得する機能を有している。
【0028】
画像配信部32は、画像取得部31にて取得した料理の画像情報を第2情報端末20に配信する機能を有している。詳しくは、画像配信部32は利用者DB33と接続されており、画像配信部32は、取得した画像に写る料理を喫食した園児の保護者P1に当該画像情報を配信すべく、利用者DB33から配信対象者を特定して、特定された配信対象者に画像情報を配信する。
【0029】
利用者DB33には、保育園Aに所属する教職員ごとに教職員に関する教職員情報が記憶されている。教職員情報としては、例えば、教職員の氏名やID、当該教職員が使用する第1情報端末10に対応したIDやメールアドレス等の端末情報、所属保育園、担任クラス、担任クラスに所属する園児の園児情報、等が含まれる。
【0030】
また、利用者DB33には、園児ごとに園児に関係する園児情報も記憶されている。園児情報としては、例えば、園児の氏名、住所やID、保護者の氏名、当該保護者が使用する第2情報端末20に対応したIDやメールアドレス等の端末情報、所属保育園、所属クラス、担任の教職員情報、献立情報、喫食の有無等の喫食情報、園児の好きな料理又は食材、嫌いな料理又は食材等の嗜好情報、園児が保有するアレルギ情報、その日の気温、湿度、天気等の環境情報、等が含まれる。なお、献立情報には、提供する料理名、食材、各食材の産地や栄養素等の料理情報と、料理を提供する日付情報等が含まれている。
【0031】
画像配信部32は、画像取得部31にて取得した料理の画像情報の送信元である第1情報端末10を利用者DB33の教職員情報から特定し、当該教職員が担任を務めているクラスの園児情報から各園児の保護者Pの第2情報端末20を特定する。これにより、画像配信部32は、園児が喫食した料理の画像情報を保護者Pの第2情報端末20に配信する。
【0032】
また、画像配信部32は、園児情報に含まれる献立情報に基づいて、又は画像解析により、画像に写されている料理を自動的に識別して、画像に写されている料理の料理情報(料理名、食材、各食材の産地や栄養素、等)を画像情報に付加して配信する。さらに、料理の画像情報とともに、「今日の給食はどうでしたか?」等、当該料理に対する反応を促すメッセージ情報を付加してもよい。
【0033】
また、画像配信部32は、料理の画像情報を第2情報端末20に配信する時間を任意の時間に設定することが可能である。例えば、園児が帰宅する時間に合わせて配信を行ったり、夕食時に合わせて配信を行ったりしてもよい。
【0034】
反応収集部34は、第2情報端末20の操作部22にて入力された料理に対する反応情報を収集する機能を有している。また、反応収集部34は、収集した反応情報を利用者DB33の各園児情報の喫食情報、嗜好情報、アレルギ情報等に反映する機能を有している。
【0035】
献立作成部35は、反応情報が反映された利用者DB33に記憶されている喫食情報、嗜好情報、アレルギ情報等と、料理DB36に記憶されている料理情報を用いて献立を作成する機能を有している。例えば献立作成部35は、月毎の献立を作成する場合、料理DB36の情報に基づいてベースとなる献立を作成した後、利用者DB33に記憶されている喫食情報、嗜好情報、アレルギ情報等に基づいて、クラス内の園児が嫌いな料理又は食材やアレルギのある食材を少なくするように、献立の料理を組み替えることで、最終的な月の献立を作成する。作成した献立は保育園Aに提供される。なお、具体的な献立の作成手順はこれに限られるものではなく、園児が嫌いな食材を克服すべく、園児が嫌いな食材を使った料理を敢えて献立に組み入れたりしてもよい。
【0036】
料理DB36には、献立に組み込むことが可能な料理情報が記憶されている。料理情報には、料理名、食材、各食材の産地や栄養素、等に関する情報が含まれる。また、料理DB36には、各料理に対応して、画像取得部31において取得した料理の画像や、予め準備された料理の画像等も記憶されている。なお、本実施形態では利用者DB33と料理DB36を別体として記載しているが、それぞれの情報を一体とし記憶したDBであってもよい。
【0037】
このように構成された本実施形態の献立作成システム1では、園児が喫食した料理の画像を保護者Pの第2情報端末20に配信して、その料理の反応情報を収集して、当該反応情報に基づいた献立を作成可能である。
【0038】
ここで
図2から
図4を参照すると、
図2には本発明の一実施形態における献立作成ルーチンを示すフローチャートが示されており、
図3には第2情報端末の表示部に表示される料理の画像の第1表示例が、
図4には第2表示例が、それぞれ示されている。以下、
図2のフローチャートに沿い、途中
図3、4を参照しつつ、本実施形態の献立作成の流れを説明する。
【0039】
まず献立作成ルーチンのステップS1では、保育園Aの教職員Tが、給食配膳時に第1情報端末10の画像撮影部11により、配膳された料理の画像を撮影し、当該画像情報を管理サーバ30に送信する。
【0040】
次にステップS2では、ステップS1にて第1情報端末10から送信された料理の画像情報を、管理サーバ30の画像取得部31が取得する(画像取得工程)。
【0041】
そして、ステップS3において、画像配信部32は、取得した料理の画像情報と利用者DB33に記憶された情報とから、当該料理を喫食した園児の保護者Pの第2情報端末20を特定して、当該料理の画像情報を配信する(画像配信工程)。
【0042】
ステップS4では、料理の画像情報を受信した第2情報端末20において、表示部21により料理の画像を表示し、園児又は保護者Pが操作部22を介して反応情報を入力する。
【0043】
具体的には、まず
図3の第1表示例に示すように、タッチパネル式のタブレットである第2情報端末20の表示部21に、料理の画像が表示される。この日の献立に沿った料理は、ご飯、みそ汁、コロッケ、千切りキャベツ、野菜(ほうれん草)のおひたしであり、画像下にて各料理名も表示されている。なお、低年齢の園児でも認識可能に料理名やメッセージの文字は平易に表記(ひらがな表記)されている。また、料理名の横には詳細ボタンdも表示され、当該詳細ボタンdをタップすると、例えば各料理で使用されている食材や栄養素等の詳細情報が表示可能である。
【0044】
さらに、例えば料理の画像に写し出されている料理の内の一部をタップすることにより、
図4の第2表示例に示すように、その料理(
図4ではコロッケ)の画像が拡大し、当該料理の嗜好を問い合わせるメッセージ(
図4では「今日のコロッケはどうでしたか?」)と選択肢(
図4では「好き」「普通」「嫌い」「食べていない」)が表示される。園児又は保護者Pは、この選択肢をタップ等して選ぶことで反応情報を入力する。また、例えばこの料理の画像部分に対するジェスチャ操作や音声により反応情報を入力してもよい。
【0045】
また、
図4には、
図3と同様に詳細ボタンdが表示されているとともに、その下にアレルギ反応ボタンaが表示されている。例えば、帰宅した園児にアレルギ反応と思われる症状があった場合、保護者Pはこのアレルギ反応ボタンaを選択する。アレルギ反応ボタンaが選択されたときは、さらにその症状(湿疹、発疹、かゆみ、喘息、息切れ、鼻水、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、等)を選択可能としてもよいし、単にアレルギ反応の有無のみを反応情報としてもよい。
【0046】
このようにして画像に写し出されている各料理又は一部の料理についての反応情報を入力し終わると自動的に、又は図示しない送信ボタン等を操作することで、入力された反応情報が管理サーバ30に送信される。
【0047】
そうすると、
図2のステップS5として、管理サーバ30の反応収集部34は、各保護者Pが使用している第2情報端末20からの反応情報を収集する(反応収集工程)。
【0048】
そして、ステップS6として、反応収集部34は、収集した反応情報を利用者DB33に反映させる(反応記憶工程)。
【0049】
次のステップS7では、献立作成部35において、献立を作成するタイミングであるか否かを判定する。当該判定は、所定の時期(例えば毎月20日の正午等)に達したときに真(Yes)と判定し、所定の時期に達していない場合は偽(No)と判定する。
【0050】
ステップS7の判定結果が偽(No)である場合は、ステップS1に戻り、ステップS7の判定結果が真(Yes)となるまで、ステップS1からステップS6の処理を繰り返す。そして、ステップS7の判定結果が真(Yes)となると、ステップS8に進む。
【0051】
ステップS8では、献立作成部35が、反応情報が反映された利用者DB33に記憶されている園児の嗜好情報やアレルギ情報と、料理DB36に記憶されている料理情報を用いて献立を作成し(献立作成工程)、当該ルーチンをリターンする。
【0052】
このように本実施形態の献立作成システム1では、園児が喫食する料理の画像情報を園児の保護者Pの第2情報端末20に配信して、園児又は保護者Pに当該料理の反応情報を入力させる。そして、管理サーバ30は、この反応情報を収集して利用者DB33を更新し献立作成に反映させる。これにより、利用者の反応を容易に収集し、献立作成に反映することで、より利用者に適した献立を作成することができる。
【0053】
特に、第2情報端末20の操作部22により、反応情報として喫食者である園児の嗜好に関する嗜好情報を入力可能であることで、園児の好みに応じた献立を作成することができる。また、反応情報としてアレルギ反応に関するアレルギ情報を入力可能であることで、園児のアレルギを避けた献立を作成することができる。
【0054】
また、第2情報端末20の操作部22が、タッチパネルであり、配信された料理の画像上でのジェスチャに応じた反応情報の入力が可能であることで、直感的に反応情報を入力することができ、園児等が簡単に反応情報を入力することができる。
【0055】
さらに、第2情報端末20の操作部22としてマイクを有し、園児又は保護者Pの音声に応じた反応情報の入力が可能であることで、より簡単に反応情報を入力することができる。
【0056】
また、管理サーバ30の画像配信部32は、画像撮影部11にて撮影された料理の画像から複数の料理を識別して第2情報端末20に配信し、第2情報端末20の操作部22は、識別された料理ごとに反応を入力可能であることで、料理ごとに喫食者の嗜好情報やアレルギ情報に応じた献立を作成することができる。
【0057】
以上で本発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0058】
上記実施形態では、保育園に対する給食の提供を例に説明したが、本発明に係る献立作成システム、献立作成装置、献立作成方法、献立作成プログラム(以下、本発明に係る献立作成システム等という)の適用は、保育園の給食に限られるものではない。例えば、給食の提供先は保育園だけでなく、幼稚園、学校、会社、病院、等の他の組織であってもよく、第1情報端末はその組織の管理者等の組織関係者が使用する端末であり、第2情報端末は喫食者に関係する喫食関係者(喫食者自身も含む)が使用する端末(喫食関係者端末)である。
【0059】
また献立作成部が作成する献立は給食に限られるものではない。例えば、献立作成部は家庭における日々の献立作成も可能である。例えば、
図1の一点鎖線で示すように、献立作成部36は、給食の献立の他に家庭での食事の献立も作成し、それに応じた料理情報及びその料理の画像情報を画像取得部31に送ってもよい。それにより、画像配信部32から第2情報端末20に、夕食や朝食等の献立の料理情報及び画像が配信され、園児が当該献立に沿った料理を喫食した後に、配信された画像に対して反応情報を入力することで、反応収集部34にて当該反応情報も利用者DBに反映されることとなる。これにより、より利用者に適した献立を作成することができるようになる。
【0060】
また、上記実施形態では、第1情報端末10の画像撮影部11により撮影した料理の画像情報を、一旦管理サーバ30で取得して、管理サーバ30から画像情報を第2情報端末へ配信しているが、画像情報の配信はこれに限られるものではない。例えば、第1情報端末から直接第2情報端末に画像情報の配信を行ってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 献立作成システム
10 第1情報端末
11 画像撮影部
20 第2情報端末
21 表示部
22 操作部(反応入力部)
30 管理サーバ
31 画像取得部
32 画像配信部
33 利用者データベース
34 反応収集部
35 献立作成部
36 料理データベース