(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】屋外用火床装置
(51)【国際特許分類】
F24B 1/195 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
F24B1/195
(21)【出願番号】P 2023087778
(22)【出願日】2023-05-29
【審査請求日】2023-06-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月15日 長野県下伊那郡豊丘村で開催された野外イベント「ハイパーメタボリックキャンピング」に出品(販売はしていない)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515259546
【氏名又は名称】株式会社 BUC
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】淵岡 弘幸
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2022-0002490(KR,U)
【文献】登録実用新案第3236905(JP,U)
【文献】特開平07-327840(JP,A)
【文献】特開2023-049780(JP,A)
【文献】登録実用新案第3036673(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24B 1/00- 1/28
F24B 3/00
F24C 1/16
A47J 37/00-37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に位置するベースと、ベースの周囲に周方向に並ぶように位置し、ベースに回転可能に取り付けられる複数の傾斜板と、複数の傾斜板を傾斜角度を変更可能にして支持する支持手段とを備え
、支持手段として、傾斜板の下方に位置してベースに取り付けられ、傾斜板を外面側から支持する支持体を用いる屋外用火床装置であって、
支持体は、ベースに取り付けられる基部と、基部からベースの中心から延びる方向に沿って伸びる外方延伸部と、外方延伸部の先端部から傾斜板の回転方向に沿って伸び、傾斜板に形成されるスリットに挿入されるガイド部と、傾斜板の回転方向における位置を変更可能にガイド部に取り付けられ、傾斜板の外面に係合する係合部とを備える
屋外用火床装置。
【請求項2】
中央に位置するベースと、ベースの周囲に周方向に並ぶように位置し、ベースに回転可能に取り付けられる複数の傾斜板と、複数の傾斜板を傾斜角度を変更可能にして支持する支持手段とを備え、支持手段として、傾斜板の下方に位置してベースに取り付けられ、傾斜板を外面側から支持する支持体を用いる屋外用火床装置であって、
支持体は、ベースに取り付けられる基部と、基部からベースの中心から延びる方向に沿って伸びる外方延伸部と、基端部にて外方延伸部の先端部に取り付けられ、傾斜板の回転方向における先端部の位置を変更可能に伸縮する伸縮部と、伸縮部の先端部に設けられ、傾斜板の外面に係合する係合部とを備える
屋外用火床装置。
【請求項3】
傾斜板は、平板であり、
支持体は、一部の傾斜板に対して設けられ、一部の傾斜板に対する支持手段として、支持体を用い、
残りの傾斜板に対する支持手段として、残りの傾斜板の側部を一部の傾斜板の上に載せて支持する支持構造を用いる
請求項
1又は請求項2に記載の屋外用火床装置。
【請求項4】
傾斜板は、偶数枚設けられ、
支持体は、一つおきの傾斜板に対して設けられる
請求項3に記載の屋外用火床装置。
【請求項5】
傾斜板は、
食材に刺した串を刺すための孔を基端部から先端部に向かう方向に所定間隔で複
数備える
請求項1
又は請求項2に記載の屋外用火床装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚火台等の屋外用火床装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の屋外用火床装置は、大きく2種類の形態に分けられる。1つは、たとえば特許文献1のような深型の形態であり、もう1つは、たとえば特許文献2のような浅型の形態である。
【0003】
深型の形態は、その名のとおり、燃焼場所が深いのが特徴である。燃焼場所が深く覆われているため、i)薪、炭を多く入れられる、ii)焼き網などを安定して載置できる、iii)風の影響を受けにくい、iv)料理がしやすい、v)火の粉が飛びにくい、といったメリットがある。
【0004】
浅型の形態は、その名のとおり、燃焼場所が浅いのが特徴である。i)薪、炭をくべやすい(組み替えたり、取り出しやすい)、ii)火の調整がしやすい、iii)炎が鑑賞しやすい、iv)シンプルな構造で、設置、手入れが簡単、といったメリットがある。
【0005】
逆に、深型の形態のデメリットは、浅型の形態のデメリットの裏返しとなり、浅型の形態のデメリットは、深型の形態のメリットの裏返しとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2021-176355号公報
【文献】特開2022-20342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、多くのメリットを得ることができる屋外用火床装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る屋外用火床装置は、
中央に位置するベースと、ベースの周囲に周方向に並ぶように位置し、ベースに回転可能に取り付けられる複数の傾斜板と、複数の傾斜板を傾斜角度を変更可能にして支持する支持手段とを備え、支持手段として、傾斜板の下方に位置してベースに取り付けられ、傾斜板を外面側から支持する支持体を用いる屋外用火床装置であって、
支持体は、ベースに取り付けられる基部と、基部からベースの中心から延びる方向に沿って伸びる外方延伸部と、外方延伸部の先端部から傾斜板の回転方向に沿って伸び、傾斜板に形成されるスリットに挿入されるガイド部と、傾斜板の回転方向における位置を変更可能にガイド部に取り付けられ、傾斜板の外面に係合する係合部とを備える
屋外用火床装置である。
【0009】
また、本発明に係る屋外用火床装置は、
中央に位置するベースと、ベースの周囲に周方向に並ぶように位置し、ベースに回転可能に取り付けられる複数の傾斜板と、複数の傾斜板を傾斜角度を変更可能にして支持する支持手段とを備え、支持手段として、傾斜板の下方に位置してベースに取り付けられ、傾斜板を外面側から支持する支持体を用いる屋外用火床装置であって、
支持体は、ベースに取り付けられる基部と、基部からベースの中心から延びる方向に沿って伸びる外方延伸部と、基端部にて外方延伸部の先端部に取り付けられ、傾斜板の回転方向における先端部の位置を変更可能に伸縮する伸縮部と、伸縮部の先端部に設けられ、傾斜板の外面に係合する係合部とを備える
屋外用火床装置である。
【0010】
ここで、本発明に係る屋外用火床装置の一態様として、
傾斜板は、平板であり、
支持体は、一部の傾斜板に対して設けられ、一部の傾斜板に対する支持手段として、支持体を用い、
残りの傾斜板に対する支持手段として、残りの傾斜板の側部を一部の傾斜板の上に載せて支持する支持構造を用いる
との構成を採用することができる。
【0011】
また、この場合
傾斜板は、偶数枚設けられ、
支持体は、一つおきの傾斜板に対して設けられる
との構成を採用することができる。
【0012】
また、本発明に係る屋外用火床装置の他態様として、
傾斜板は、食材に刺した串を刺すための孔を基端部から先端部に向かう方向に所定間隔で複数備える
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一つの使い方として、傾斜板の傾斜角度を大きくすれば、深型の形態として使用することができ、他方、傾斜角度を小さくすれば、浅型の形態として使用することができる。このため、本発明によれば、深型の形態及び浅型の形態の両方のメリットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る屋外用火床装置の深型の形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る屋外用火床装置の深型の形態の縦断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る屋外用火床装置の浅型の形態の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る屋外用火床装置の浅型の形態の縦断面図である。
【
図5】
図5(a)は、実施形態1に係る屋外用火床装置における支持体のベースへの取付部の斜視図である。
図5(b)は、使用によりベースが熱変形した状態の当該部分の一部断面側面図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態1に係る屋外用火床装置の深型の形態の使用状態図である。
図6(b)は、実施形態1に係る屋外用火床装置の浅型の形態の使用状態図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る屋外用火床装置の炉端焼きの形態の部分縦断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る屋外用火床装置の収納形態の斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係る屋外用火床装置の深型の形態の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る屋外用火床装置の浅型の形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る屋外用火床装置について説明する。
図1~
図4に示すように、屋外用火床装置1は、ベース10と、傾斜板20と、支持手段30,45とを備える。
【0016】
ベース10は、屋外用火床装置1の中央に位置する。ベース10は、底面部11と、底面部11の周縁から立ち上がる側面部12とを備える受け皿形である。ベース10は、水平に配置される。ベース10(の底面部11)は、平面視にて多角形を有する。より詳しくは、ベース10(の底面部11)は、平面視にて偶数の辺を有する多角形を有する。さらに詳しくは、ベース10(の底面部11)は、平面視にて六角形を有する。各辺の長さは同一である。ただし、たとえば、実施形態2に係る屋外用火床装置のベース10のように、一つおきの辺(奇数番目の辺)が残りの一つおきの辺(偶数番目の辺)よりも長くなる等、各辺の長さが同一であることは必須ではない。一例として、ベース10は、ステンレス、鉄等の金属製であり、1枚の板の適宜の箇所を曲げ加工することにより形成される。
【0017】
傾斜板20は、ベース10の周囲に周方向に並ぶように位置し、基端部にてベース10の周縁部(本実施形態においては、側面部12(の上縁部)であるが、底面部11の周縁部であってもよい。以下、同様)に取り付けられる。より詳しくは、傾斜板20は、基端部にてベース10の各辺に取り付けられる。ベース10の辺の数は6なので、傾斜板20の枚数は6である。傾斜板20は、ベース10の中心から延びる方向に伸び、ベース10の中心から延びる方向に上り傾斜する。傾斜板20は、平板であり、ベース10の底面部11と同程度の大きさを有する。傾斜板20は、基端部から中間部に向かうにつれて幅が大きくなり、中間部から先端部に向かうにつれて幅が細くなる花弁形状を有する。これにより、屋外用火床装置1は、花を模したデザインを有する。一例として、傾斜板20は、ステンレス、鉄等の金属製であり、打抜き加工やレーザ加工により形成される。
【0018】
傾斜板20は、基端部にてベース10の周縁部に回転可能に取り付けられる。より詳しくは、傾斜板20は、ベース10の中心から延びる方向と交差する水平軸回りに回転可能となるように基端部にてベース10の周縁部に回転可能に取り付けられる。傾斜板20は、ヒンジ21を介してベース10の周縁部に取り付けられる。ヒンジ21は、ベース10の周縁部にビス留めされることにより、着脱自在である。このように、傾斜板20は、ベース10に対し、着脱自在である。
【0019】
偶数枚の傾斜板20,…のうち一つおきの傾斜板20(奇数番目の傾斜板20)は、スリット22を備える。スリット22は、傾斜板20の中央部に設けられ、傾斜板20の基端部から先端部に向かう方向に長いスリットである。
【0020】
また、奇数番目の傾斜板20は、孔23を備える。孔23は、傾斜板20の基端部から先端部に向かう方向に所定間隔で複数設けられる。一例として、孔23は、傾斜板20の基端部から先端部に向かう方向に3つ、そして、これが傾斜板20の幅中心を中心とする左右対称箇所に2組、合計6つ設けられる。
【0021】
なお、孔23の個数や配列は、これに限定されず、各種の形態を採用することができる。また、孔23は、偶数枚の傾斜板20,…のうち残りの一つおきの傾斜板20(偶数番目の傾斜板20)にも、あるいは、奇数番目の傾斜板20ではなく偶数番目の傾斜板20に設けられるようにしてもよい。
【0022】
支持手段30は、奇数番目の傾斜板20(スリット22を備える傾斜板20)を傾斜角度を変更可能にして支持する手段である。支持手段30は、奇数番目の傾斜板20に対して設けられる。支持手段30は、支持体30である。支持体30は、傾斜板20の下方に位置し、基部31にてベース10の周縁部に取り付けられ、傾斜板20を外面側から支持する。支持体30は、ベース10の周方向に適宜の間隔を有して複数設けられる。より詳しくは、支持体30は、ベース10の周囲に周方向の等分箇所に位置する。さらに詳しくは、支持体30は、ベース10の一つおきの辺(奇数番目の辺)に取り付けられる。ベース10の辺の数及び傾斜板20の枚数は6なので、支持体30の数は3である。一例として、支持体30は、ステンレス、鉄等の金属製であり、打抜き加工やレーザ加工により形成される。
【0023】
支持体30は、基部31を備える。基部31は、上述のとおり、ベース10の周縁部に取り付けられる部分である。基部31は、基部31のベース10側の縦縁から先端部が出退するスライドピン32を備える。スライドピン32は、進出する方向に弾性力が付与され、常時は先端部が基部31のベース10側の縦縁から突出する状態となる。
【0024】
図5(a)に示すように、ベース10の周縁部は、スリット13と、孔14とを備える。スリット13は、下方から基部31の縦縁部を受け入れるスリットである。孔14は、スライドピン32の先端部を受け入れる孔である。支持体30は、基部31の縦縁部をスリット13内に下方から挿入した後、スライドピン32の先端部を孔14内に挿入することにより、ベース10に取り付けられ、他方、スライドピン32を弾性力に抗して引いて先端部を孔14から抜いた後、基部31の縦縁部をスリット13から抜くことにより、取り外す。このように、支持体30は、ベース10に対し、着脱自在である。なお、孔14は、上下方向に長い孔である。この理由は後述する。
【0025】
図1~
図4に戻り、支持体30は、接地部33と、外方延伸部34と、ガイド部35と、突端部37とを備える。接地部33は、基部31から下方に突出し、地面に接地する部分である。外方延伸部34は、基部31からベース10の中心から延びる方向に伸びる部分である、ガイド部35は、外方延伸部34の先端部から傾斜板20の回転方向に伸びる部分である。より詳しくは、ガイド部35は、傾斜板20の回転軸を中心とする円弧状の部分である。ガイド部35は、円弧状のガイド溝36を備える。ガイド部35は、傾斜板20のスリット22に挿入される。これにより、支持体30は、スリット22を通って傾斜板20の内面から突出する部分(突出部)を備える。突端部37は、ガイド部35の先端部である。
【0026】
支持体30は、係合部38を備える。係合部38は、ガイド溝36に位置変更可能に取り付けられ、傾斜板20の外面に係合する。係合部38は、たとえば頭付きネジ及びナットで構成される締結具である。係合部38は、ネジの軸部がガイド溝36に通された状態でナットを締めることにより、位置が固定され、ナットを緩めることにより、ガイド溝36をスライド自在となる。係合部38は、ナットを緩めて所望の位置にスライドさせた後、ナットを締めて位置を固定する、というように使用し、これにより、傾斜板20の回転方向における係合部38の位置を変更する。そして、係合部38の位置を変更することにより、傾斜板20の傾斜角度を変更する。
【0027】
支持手段45は、偶数番目の傾斜板20を傾斜角度を変更可能にして支持する手段である。支持手段45は、偶数番目の傾斜板20に対して設けられる。支持手段45は、偶数番目の傾斜板20の側部を奇数番目の傾斜板20の上に載せて支持する支持構造45である。すなわち、支持手段45は、支持手段30により固定された奇数番目の傾斜板20で偶数番目の傾斜板20の荷重を受けて偶数番目の傾斜板20を固定する構造である。
【0028】
実施形態1に係る屋外用火床装置1の構成は、以上のとおりである。次に、この使用方法について説明する。
【0029】
図6(a)に示すように、傾斜板20,…の傾斜角度を大きくして(傾斜板20,…を立てて)この状態に固定すれば、深型の形態として使用することができる。そして、たとえば、ベース10内にロストル51を敷き、この上に薪や炭を置き、焼き網52を傾斜板20,…の内面から突出する支持体30,…の突出部に掛けて置けば、バーベキューなどに使用することができる。また、
図6(b)に示すように、傾斜板20,…の傾斜角度を小さくして(傾斜板20,…を倒して)この状態に固定すれば、浅型の形態として使用することができる。
【0030】
また、深型の形態において、傾斜板20をたとえば1枚取り外すことにより、かまどの形態として使用することができる。
【0031】
また、浅型の形態において、たとえば魚等の食材に刺した串を傾斜板20の孔23に刺して立てると、炉端焼きの形態として使用することができる。しかも、傾斜板20の基端部から先端部に向かう方向に所定間隔で設けられる複数の孔23,…のうち適宜の孔23を選択することで、食材に対する火力を調整することができる。
【0032】
なお、串の径が孔(丸孔)23の径よりもある程度小さいと、串の角度が定まらず、ぐらついて姿勢が安定しない場合がある。そこで、このような場合、
図7に示すように、孔23の径と同じか僅かに小さい程度の外径を有するスリーブ24を孔23に挿入して使用する。スリーブ24は、上端部が膨大しており、孔23から抜け落ちることはない。そして、スリーブ24の内径は外径よりも小さくなっている。このため、食材に刺した串53がぐらつくことはなく、姿勢を安定させることができる。
【0033】
また、
図8に示すように、係止体30,…を取り外し、傾斜板20,…を閉じることで、コンパクトに収納することができる。
【0034】
以上のとおり、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、一つの使い方として、傾斜板20,…の傾斜角度を大きくすれば、深型の形態として使用することができ、他方、傾斜角度を小さくすれば、浅型の形態として使用することができる。このため、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、深型の形態及び浅型の形態の両方のメリットを得ることができる。もちろん、深型、浅型の2つという単純な形態ではなく、傾斜板20,…を任意の傾斜角度に設定して任意の形態を構成することができ、使用の自由度を高めることができる。
【0035】
また、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、深型の形態であれ、浅型の形態であれ、傾斜板20は、隣り合う傾斜板20と側部同士で重なるように大きさ、形状が設定される。このため、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、火種や灰がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【0036】
また、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、花を模したデザインを有する。このため、女性をターゲットとした優しいデザインとすることができる。
【0037】
また、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、炉端焼きの形態として使用するための傾斜板20の孔23は、複数の傾斜板20,…のうち支持体30によって強固に支持される傾斜板20に設けられる。このため、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、食材をしっかりと支持することができる。
【0038】
また、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、支持体30をベース10に取り付ける構造の一部であるベース10の孔14は、上下方向に長い孔である。これにより、支持体30は、上下方向にある程度の遊びを有してベース10に取り付けられる。このため、実施形態1に係る屋外用火床装置1によれば、
図5(b)に示すように、火気の使用に伴ってベース10が熱変形しても、支持体30が供連れされることはなく、支持体30,…の安定姿勢、ひいては、支持体30,…の上に載せられる焼き網52等の安定姿勢を維持することができる。
【0039】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る屋外用火床装置について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1に係る屋外用火床装置と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1に係る屋外用火床装置についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
【0040】
図9及び
図10に示すように、実施形態2に係る屋外用火床装置1は、実施形態1に係る屋外用火床装置1よりも大型サイズである点(ただし、大型サイズであることに限定されない。)、そして、支持体30の構成、特に支持体30の係合部38の位置を変更する構成が異なる点で、実施形態1に係る屋外用火床装置1と異なる。
【0041】
支持体30は、実施形態1のガイド部35の代わりに、伸縮部39を備える。伸縮部39は、基端部にて外方延伸部34の先端部に回転自在に取り付けられるとともに、2つの内外嵌合する部材で構成される。伸縮部39の先端部は、たとえば小型のフック部を有し、これが傾斜板20に形成される小型のスリットに係入することにより、伸縮部39の先端部は、係合部として傾斜板20の外面に係合する。伸縮部39は、固定ネジを締めることにより、長さが固定され、固定ネジを緩めることにより、伸縮自在となる。伸縮部39は、固定ネジを緩めて所望の長さにした後、固定ネジを締めて長さを固定する、というように使用し、これにより、傾斜板20の回転方向における係合部38の位置を変更する。そして、係合部38の位置を変更することにより、傾斜板20の傾斜角度を変更する。
【0042】
このように、実施形態2に係る屋外用火床装置1も、実施形態1に係る屋外用火床装置1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
上記実施形態においては、傾斜板20は、基端部から中間部に向かうにつれて幅が大きくなり、中間部から先端部に向かうにつれて幅が細くなる形状を有する。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。傾斜板において、中間部から先端部に向かうにつれて幅が細くなることは必須ではない。
【0045】
また、上記実施形態においては、複数の傾斜板20,…のうち一つおきの傾斜板20に対して支持体30が設けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、支持体は、一つの傾斜板ごとに設けられるものであってもよい。あるいは、傾斜板の枚数が6である場合、対向する2枚の傾斜板に対して支持体が設けられ、それぞれの傾斜板が両隣りの傾斜板を支持するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態においては、ベース10は六角形であり、傾斜板20の枚数は6である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。傾斜板の枚数は、たとえば屋外用火床装置のサイズによって変更され、6枚よりも少ない場合や、6枚よりも多い場合など、設計に応じて適宜の枚数を選択することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…屋外用火床装置、10…ベース、11…底面部、12…側面部、13…スリット、14…孔、20…傾斜板、21…ヒンジ、22…スリット、23…孔、24…スリーブ、30…支持体(支持手段)、31…基部、32…スライドピン、33…接地部、34…外方延伸部、35…ガイド部、36…ガイド溝、37…突端部、38…係合部、39…伸縮部、45…支持構造(支持手段)、51…ロストル、52…焼き網、53…串
【要約】
【課題】多くのメリットを得ることができる屋外用火床装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る屋外用火床装置1は、中央に位置するベース10と、ベース10の周囲に周方向に並ぶように位置し、ベース10に回転可能に取り付けられる複数の傾斜板20,…と、複数の傾斜板20,…を傾斜角度を変更可能にして支持する支持手段とを備える。傾斜板20,…の傾斜角度を大きくすれば、深型の形態として使用することができ、他方、傾斜角度を小さくすれば、浅型の形態として使用することができる。このため、深型の形態及び浅型の形態の両方のメリットを得ることができる。
【選択図】
図6