(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】管理システム、判断方法、判断プログラム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20240109BHJP
G05D 1/00 20240101ALI20240109BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20240109BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240109BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240109BHJP
G01S 19/14 20100101ALI20240109BHJP
【FI】
G06F21/60
G05D1/00 Z
G08G5/00 A
G08G1/09 H
G08G1/00 D
G01S19/14
(21)【出願番号】P 2019238255
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 典彦
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220515(JP,A)
【文献】特開2011-048493(JP,A)
【文献】特開2019-075730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
G05D 1/00
G08G 5/00
G08G 1/09
G08G 1/00
G01S 19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記測位時刻情報を受信し、前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、受信した前記測位時刻情報を送信する
複数の第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否かを判断する管理装置とを含み、
前記管理装置は、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れる
と判断した場合
に、前記測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部を備え
、
前記不正検出部は、前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加する、
管理システム。
【請求項2】
自機の位置を示す第1の位置情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報を受信し、自機の位置を示す第2の位置情報を送信する
複数の第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した第1の位置情報が不正であるか否か判断する管理装置とを含み、
前記管理装置は、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった
と判断した場合
に、前記第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部を備え
、
前記不正検出部は、前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加する、
管理システム。
【請求項3】
前記第1の移動装置はさらに、自機の位置を示す第1の位置情報を送信し、
前記第2の移動装置はさらに、前記第1の位置情報を受信し、前記第1の位置情報と、自機の位置を示す第2の位置情報を送信し、
前記管理装置はさらに、前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報を受信し、
前記不正検出部はさらに、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった
と判断した場合
に、前記第1の位置情報は不正であると判断する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記測位時刻情報を受信し、前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、受信した前記測位時刻情報を送信する第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否かを判断する管理装置とを含み、
前記管理装置は、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合に、前記測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部を備え、
前記不正検出部はさらに、
前記管理装置が前記第1の移動装置から前記測位時刻情報を受信した時刻
と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、
前記管理装置が前記測位時刻情報を受信した時刻と前記測位時刻情報が示す時刻との差が前記既定の時間範囲を外れる
と判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断する、
管理システム。
【請求項5】
自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記測位時刻情報を受信し、前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、受信した前記測位時刻情報を送信する第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否かを判断する管理装置と、
前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置が送信した情報を前記管理装置へ中継する中継装置
とを含み、
前記管理装置は、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合に、前記測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部を備え、
前記中継装置は、前記第1の移動装置が送信した情報を中継する際に、当該情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を、前記第1の移動装置が送信した情報に付加して前記管理装置に提供し、
前記不正検出部はさらに、
前記中継装置が付加した前記受信時刻情報が示す時刻と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が既定の時間内であるか否か判断し、
前記中継装置が付加した前記受信時刻情報が示す時刻と前記測位時刻情報が示す時刻との差が前記既定の時間範囲を外れる
と判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断する、
管理システム。
【請求項6】
自機の位置を示す第1の位置情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報を受信し、自機の位置を示す第2の位置情報を送信する第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した第1の位置情報が不正であるか否か判断する管理装置と、
前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置が送信した情報を前記管理装置へ中継する中継装置
とを含み、
前記管理装置は、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部を備え、
前記中継装置は、前記第1の移動装置が送信した情報を中継する際に、前記中継装置の位置を特定するための情報を、前記第1の移動装置が送信した情報に付加して前記管理装置に提供し、
前記不正検出部はさらに、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報と、前記中継装置が送信した前記中継装置の位置を特定するための情報に基づき、前記第1の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波が前記中継装置に到達可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置が前記位置に存在しなかった
と判断した場合
に、前記第1の位置情報は不正であると判断する、
管理システム。
【請求項7】
コンピュータが実行する判断方法であって、前記コンピュータが、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、
第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れる
と判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと
、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加するステップと
を含む、判断方法。
【請求項8】
コンピュータが実行する判断方法であって、前記コンピュータが、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報を受信するステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった
と判断した場合、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと
、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加するステップと
を含む、判断方法。
【請求項9】
コンピュータが実行する判断方法であって、前記コンピュータが、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、
第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと、
前記コンピュータ又は中継装置が前記第1の移動装置から前記測位時刻情報を受信した時刻と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記コンピュータ又は前記中継装置が前記測位時刻情報を受信した時刻と前記測位時刻情報が示す時刻との差が前記既定の時間範囲を外れると判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと
を含む、判断方法。
【請求項10】
コンピュータが実行する判断方法であって、前記コンピュータが、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報と、前記第1の位置情報を中継した中継装置が前記第1の位置情報を中継した時の前記中継装置の位置を特定するための情報とを受信するステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報と、前記中継装置の位置を特定するための情報に基づき、前記第1の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波が前記中継装置に到達可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと
を含む、判断方法。
【請求項11】
コンピュータが実行する判断プログラムであって、前記コンピュータに対し、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、
第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加するステップと
を実行させる、判断プログラム。
【請求項12】
コンピュータが実行する判断プログラムであって、前記コンピュータに対し、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報を受信するステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加するステップと
を実行させる、判断プログラム。
【請求項13】
コンピュータが実行する判断プログラムであって、前記コンピュータに対し、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、
第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと、
前記コンピュータ又は中継装置が前記第1の移動装置から前記測位時刻情報を受信した時刻と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記コンピュータ又は前記中継装置が前記測位時刻情報を受信した時刻と前記測位時刻情報が示す時刻との差が前記既定の時間範囲を外れると判断した場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと
を実行させる、判断プログラム。
【請求項14】
コンピュータが実行する判断プログラムであって、前記コンピュータに対し、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報と、前記第1の位置情報を中継した中継装置が前記第1の位置情報を中継した時の前記中継装置の位置を特定するための情報とを受信するステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報と、前記中継装置の位置を特定するための情報に基づき、前記第1の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波が前記中継装置に到達可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと
を実行させる、判断プログラム。
【請求項15】
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報と、第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信する受信部と、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合に、前記測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部とを備え、
前記不正検出部は、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加する、
管理装置。
【請求項16】
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報と、第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信する受信部と、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部とを備え、
前記不正検出部は、
前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加する、
管理装置。
【請求項17】
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報と、第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信する受信部と、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れると判断した場合に、前記測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部とを備え、
前記不正検出部は、
自装置又は中継装置が前記第1の移動装置から前記測位時刻情報を受信した時刻と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記自装置又は前記中継装置が前記測位時刻情報を受信した時刻と前記測位時刻情報が示す時刻との差が前記既定の時間範囲を外れると判断した場合に、前記測位時刻情報は不正であると判断する、
管理装置。
【請求項18】
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報と、前記第1の位置情報を中継した中継装置が前記第1の位置情報を中継した時の前記中継装置の位置を特定するための情報と、第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信する受信部と、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部とを備え、
前記不正検出部は、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報と、前記中継装置の位置を特定するための情報に基づき、前記第1の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波が前記中継装置に到達可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置が前記位置に存在しなかったと判断した場合に、前記第1の位置情報は不正であると判断する、
管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動装置を管理する技術に関し、特に、検証対象の移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する管理システム及び判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転機能を有する自動車や自動操縦機能を有するドローン等の自律的に運転や飛行が可能な移動装置が普及し始めている。このような移動装置に関する情報を取得して移動装置を管理する種々の技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1が開示する制御装置は、対応する無人機が取るべき複数種類の行動について比較値を算出し、これらの比較値に基づいて無人機が取るべき行動を選択し、選択した行動に基づいて無人機を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示する制御装置では、移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する構成が採用されていない。そのため、移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断できないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断可能な管理システム及び判断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る管理システムは、自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する第1の移動装置と、第1の移動装置が送信した測位時刻情報を受信し、測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、受信した測位時刻情報を送信する第2の移動装置と、第1の移動装置が送信した情報と、第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する管理装置とを含む。管理装置は、測位時刻情報が示す時刻と、受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、測位時刻情報が示す時刻と、受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間範囲を外れる場合、測位時刻情報は不正であると判断する不正検出部を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る管理システムは、自機の位置を示す第1の位置情報を送信する第1の移動装置と、第1の移動装置が送信した第1の位置情報を受信し、自機の位置を示す第2の位置情報を送信する第2の移動装置と、第1の移動装置が送信した情報と、第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、第1の移動装置が送信した第1の位置情報が不正であるか否か判断する管理装置とを含む。管理装置は、第1の位置情報及び第2の位置情報に基づき、第1の移動装置又は第2の移動装置が、第1の移動装置の発した電波を第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、第1の移動装置又は第2の移動装置が位置に存在しなかった場合、第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部を備える。
【0009】
さらに、本発明の一態様に係る判断方法は、第1の移動装置が送信した第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、第2の移動装置が測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、測位時刻情報が示す時刻と、受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、測位時刻情報が示す時刻と、受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間範囲を外れる場合、測位時刻情報は不正であると判断するステップとを含む。
【0010】
さらに、本発明の一態様に係る判断方法は、第1の移動装置が送信した第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報を受信するステップと、第2の移動装置が送信した第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、第1の位置情報及び第2の位置情報に基づき、第1の移動装置が、第1の移動装置の発した電波が第2の移動装置に到達可能な位置に存在したか否か判断するステップと、第1の移動装置が位置に存在しなかった場合、第1の位置情報は不正であると判断するステップとを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断可能な管理システム及び判断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る管理システムを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る移動装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る管理装置及び移動装置の主要な構成要素を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る管理システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る管理装置が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る管理装置の記憶装置に保存される移動装置の情報の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る管理装置の記憶装置に保存される移動装置の情報の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る管理装置が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1を示す概略図である。管理システム1は、複数の移動装置20a~20cを管理するためのシステムであり、測位信号提供装置10と、移動装置20a~20cと、中継装置30と、管理装置40とを含む。なお、
図1には、例示として3つの移動装置20a~20cが示されているが、管理システム1には、任意の数の移動装置が含まれ得る。
【0014】
測位信号提供装置10は、移動装置20a~20cが現在位置を算出するための測位信号を送信する装置である。
図1に示す例では、測位信号提供装置10として、例えば、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)や準天頂衛星システム(QZSS:Quasi Zenith Satellite System)の測位衛星が採用される。各測位信号提供装置10は、無線通信により、定期的に測位信号を移動装置20a~20cに送信する。なお、測位信号提供装置10として、電波ビーコンを送信する装置や無線標識等の地上に設置された装置を採用してもよい。
【0015】
移動装置20a~20cは、自律的に移動が可能な装置である。移動装置20a~20cの具体例としては、自動運転機能を有する車両、自動操縦機能を有する飛行体及び船舶、ロボット、工場内で用いられる自動搬送車等の装置が挙げられる。移動装置20a~20cは、自機の識別情報、自機の現在位置を示す位置情報、及び当該現在位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を無線送信する。この位置情報は、移動装置20a~20cの緯度、経度及び高度のように空間内の装置の位置を示す情報である。移動装置20a~20cが移動する空間には、屋外及び屋内が含まれる。
【0016】
移動装置20a~20cが送信した情報は、中継装置30及びネットワーク50を介して、管理装置40に提供される。また、移動装置20a~20cが送信した情報は、当該移動装置が発する電波を検出可能な位置に存在する他の移動装置(以下、「近傍の移動装置」とする。)によって受信される。
【0017】
移動装置20a~20cは、他の移動装置から識別情報、位置情報、及び測位時刻情報を受信すると、これらの情報の受信時刻を示す受信時刻情報を生成し、受信した他の移動装置の識別情報、位置情報、及び測位時刻情報と、受信時刻情報と、自機の識別情報を無線送信する。移動装置20a~20cが送信した情報は、中継装置30及びネットワーク50を介して、管理装置40に提供される。移動装置20a~20cの機能の詳細については後述する。
【0018】
中継装置30は、移動装置20a~20cから受信した情報を管理装置40に送信する装置である。中継装置30は、移動装置20a~20cから情報を受信すると、当該情報を、ネットワーク50を介して管理装置40に提供する。
【0019】
管理装置40は、検証対象である移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する装置である。管理装置40は、検証対象の移動装置が提供した情報を受信すると、検証対象の移動装置及び当該移動装置の近傍の移動装置が提供した情報を用いて、検証対象の移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する。管理装置40の機能の詳細については後述する。
【0020】
図2は、移動装置20aの構成を示すブロック図である。移動装置20b,20cは、移動装置20aと同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0021】
移動装置20aは、受信部21と、位置算出部22と、検出部23と、記憶装置24と、識別情報付加部25と、送信部26とを備える。移動装置20aは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算装置(図示せず)を備えており、演算装置が、記憶装置24に保存されたプログラムを実行する。当該プログラムには、プログラムモジュールである位置算出部22、検出部23及び識別情報付加部25が含まれる。なお、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路によって、これらのプログラムモジュールの機能を実現してもよい。
【0022】
受信部21は、他の装置が送信した信号を受信するインタフェースである。受信部21は、複数の測位信号提供装置10が送信した測位信号を受信する。また、受信部21は、他の移動装置20b,20cが送信した当該移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報を受信する。
【0023】
位置算出部22は、受信部21が受信した複数の測位信号を用いて、移動装置20aの現在位置を算出するプログラムモジュールである。位置算出部22は、受信部21が測位信号を受信すると、移動装置20aの現在位置を算出し、当該現在位置を示す位置情報と、当該現在位置の測位時刻情報を関連付けて、記憶装置24に保存する。
【0024】
検出部23は、他の移動装置が送信した当該移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報を受信したか否か検出するプログラムモジュールである。検出部23は、他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報を受信したと判断すると、これらの情報の受信時刻を示す受信時刻情報を生成し、当該受信時刻情報を、当該他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報と関連付けて、記憶装置24に保存する。
【0025】
記憶装置24は、移動装置20aの演算装置が処理する情報が保存される記憶装置である。記憶装置24には、移動装置20aが実行するプログラム及び移動装置20aの識別情報が予め保存される。また、記憶装置24には、移動装置20aの位置情報及び測位時刻情報が保存される。さらに、記憶装置24には、検出された他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、これらの情報に関する受信時刻情報が保存される。
【0026】
識別情報付加部25は、移動装置20aの識別情報を、送信対象の情報に付加するプログラムモジュールである。識別情報付加部25は、位置算出部22が位置情報及び測位時刻情報を記憶装置24に保存すると、記憶装置24から移動装置20aの識別情報と、位置情報及び測位時刻情報を取得し、移動装置20aの識別情報を、位置情報及び測位時刻情報に付加する。
【0027】
また、識別情報付加部25は、検出部23が受信時刻情報を記憶装置24に保存すると、記憶装置24から、移動装置20aの識別情報と、当該受信時刻情報と、当該受信時刻情報に関連する他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報を取得し、移動装置20aの識別情報を、当該受信時刻情報、他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報に付加する。
【0028】
送信部26は、送信対象の情報を送信するインタフェースである。具体的には、送信部26は、移動装置20aの識別情報、位置情報及び測位時刻情報を送信する。また、送信部26は、移動装置20aの識別情報と、検出された他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、受信時刻情報を送信する。
【0029】
図3は、管理装置40の構成を示すブロック図である。管理装置40は、受信部41と、認証部42と、記憶装置43と、検証部44とを備える。管理装置40は、CPUやMPU等の演算装置(図示せず)を備えており、演算装置が、記憶装置43に保存された本発明の一実施形態に係る判断プログラムを実行することにより、本発明の一実施形態に係る判断方法を実行する。判断プログラムには、プログラムモジュールである認証部42及び検証部44が含まれる。なお、FPGAやASIC等の集積回路によって、これらのプログラムモジュールの機能を実現してもよい。
【0030】
受信部41は、移動装置20a~20cが送信した情報を、中継装置30及びネットワーク50を介して受信するインタフェースである。具体的には、受信部41は、移動装置20a~20cの識別情報、位置情報及び測位時刻情報を受信する。また、受信部41は、移動装置20a~20cの識別情報と、他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、受信時刻情報を受信する。例えば、移動装置20bが、移動装置20aの発した電波を検出可能な位置に存在する場合、受信部41は、移動装置20bが送信した移動装置20bの識別情報と、移動装置20aの識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、受信時刻情報を受信する。
【0031】
認証部42は、管理対象の移動装置20a~20cを認証するプログラムモジュールである。具体的には、認証部42は、移動装置20a~20cが送信した当該移動装置の識別情報と、記憶装置43に保存されている管理対象の移動装置の識別情報を照合することにより、移動装置20a~20cを認証する。受信した移動装置20a~20cの識別情報が記憶装置43に保存されている場合、当該移動装置は管理対象の移動装置として認証される。
【0032】
認証部42は、移動装置20a~20cが管理対象の移動装置として認証された場合、当該移動装置が送信した情報を記憶装置43に保存する。具体的には、受信部41が、各移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報を受信した場合、認証部42は、
図8に示すように、これらの情報を関連付けて記憶装置43に保存する。また、受信部41が、各移動装置の識別情報と、他の移動装置の識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、受信時刻情報を受信した場合、
図9に示すように、これらの情報を関連付けて記憶装置43に保存する。
【0033】
一方、移動装置20a~20cが管理対象の移動装置として認証されなかった場合、認証部42は、認証されなかった移動装置が送信した情報を受信した旨を通知する。例えば、認証部42は、管理システム1の管理者が使用する情報処理装置に対し、認証されなかった移動装置から情報を受信した旨の通知を送信することができる。これにより、管理者は、運行許可の無い移動装置が存在することを把握することができる。
【0034】
記憶装置43は、管理装置40の演算装置が処理する情報が保存される記憶装置である。記憶装置43には、本発明の一実施形態に係る判断プログラムの他、管理対象の移動装置の識別情報が予め保存される。また、記憶装置43には、
図8及び
図9に示すような、管理対象の移動装置として認証された移動装置が送信した情報が保存される。
【0035】
検証部44は、検証対象の移動装置が送信した情報を検証し、当該情報が不正であるか否か判断するプログラムモジュールである。検証部44は、位置特定部45と、不正検出部46とを備える。
【0036】
位置特定部45は、検証対象の移動装置の位置情報と、当該移動装置の近傍の移動装置の位置情報に基づき、これらの移動装置の位置を特定するプログラムモジュールである。位置特定部45は、
図9に示すような保存データの中から、検証対象の移動装置の識別情報に関連付けられている検証対象の移動装置の位置情報を特定する。次いで、位置特定部45は、
図9に示すような保存データの中から、検証対象の移動装置の識別情報に関連付けられている近傍の移動装置の識別情報を特定する。そして、位置特定部45は、
図8に示すような保存データの中から、近傍の移動装置の識別情報に関連付けられている近傍の移動装置の位置情報を取得する。このとき、位置特定部45は、検証対象の移動装置の位置情報に関連付けられている測定時刻情報が示す時刻と最も近似する時刻を示す近傍の移動装置の測定時刻情報を特定する。そして、位置特定部45は、特定した測定時刻情報に関連付けられている近傍の移動装置の位置情報を取得する。
【0037】
位置特定部45は、このようにして取得した検証対象の移動装置の位置情報と、当該移動装置の近傍の移動装置の位置情報に基づいて、検証対象の移動装置の位置と、近傍の移動装置の位置を特定することができる。
【0038】
不正検出部46は、検証対象の移動装置が送信した測位時刻情報及び位置情報が不正であるか否か判断するプログラムモジュールである。不正検出部46は、測位時刻情報が不正であるか否か判断する場合、検証対象の移動装置が送信した測位時刻情報が示す時刻と、当該移動装置の近傍の移動装置が送信した受信時刻情報が示す時刻との差を算出する。具体的には、不正検出部46は、
図9に示すような保存データの中から検証対象の移動装置の測位時刻情報及び近傍の移動装置の受信時刻情報を取得する。位置特定部45は、受信時刻情報及び検証対象の移動装置の測位時刻情報に基づき、これらの情報が示す時刻の差を算出する。
【0039】
次いで、不正検出部46は、算出した時刻の差が、既定の時間内であるか否か判断する。既定の時間は、検証対象の移動装置の測位時刻情報に関連する位置情報が示す位置に存在する検証対象の移動装置から、近傍の移動装置の位置情報が示す位置に存在する近傍の移動装置に、送信対象の情報が伝わる時間の最大値又は代表値とすることができる。この時間は、検証対象の移動装置の処理時間、検証対象の移動装置による情報の送信間隔、電波の伝搬速度、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と近傍の移動装置の位置情報が示す位置との間の電波障害物(例えば、建造物や山、他の移動装置等)の存在の有無、近傍の移動装置の処理時間、及び近傍の移動装置に搭載された時計の精度の少なくとも1つに基づいて決定できる。すなわち、既定の時間とは、これらの要素の少なくとも1つに基づいて定まる、送信対象の情報が検証対象の移動装置から近傍の移動装置に伝わる時間である。
【0040】
算出した時刻の差が既定の時間内である場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正でないと判断する。一方、算出した時刻の差が既定の時間範囲を外れる場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正であると判断する。この場合、不正検出部46は、管理システム1の管理者に対し、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報が不正である旨の通知することができる。例えば、不正検出部46は、管理システム1の管理者が使用する情報処理装置に対し、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報が不正である旨の情報を送信することができる。
【0041】
位置情報が不正であるか否か判断する場合、不正検出部46は、位置特定部45が特定した検証対象の移動装置及び近傍の移動装置の位置に基づき、検証対象の移動装置が、検証対象の移動装置の発した電波を近傍の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断する。近傍の移動装置が検証対象の移動装置の発した電波を検出できるか否かは、検証対象の移動装置の電波送信能力、近傍の移動装置の電波検出能力、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と近傍の移動装置の位置情報が示す位置との間の電波障害物の存在の有無の少なくとも1つに基づいて決定できる。
【0042】
検証対象の移動装置が当該位置に存在した場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置が送信した位置情報は不正でないと判断する。一方、検証対象の移動装置が当該位置に存在しなかった場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置が送信した位置情報は不正であると判断する。この場合、不正検出部46は、管理システム1の管理者に対し、検証対象の移動装置20aが送信した位置情報が不正である旨の通知することができる。例えば、不正検出部46は、管理システム1の管理者が使用する情報処理装置に対し、検証対象の移動装置20aが送信した位置情報が不正である旨の情報を送信することができる。
【0043】
代替的に、不正検出部46は、位置特定部45が特定した検証対象の移動装置及び近傍の移動装置の位置に基づき、近傍の移動装置が、検証対象の移動装置の発した電波を検出可能な位置に存在したか否か判断することができる。近傍の移動装置が検証対象の移動装置の発した電波を検出できるか否かは、検証対象の移動装置の電波送信能力、近傍の移動装置の電波検出能力、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と近傍の移動装置の位置情報が示す位置との間の電波障害物の存在の有無の少なくとも1つに基づいて決定できる。
【0044】
近傍の移動装置が当該位置に存在した場合、検証対象の移動装置が送信した位置情報は不正でないと判断する。一方、近傍の移動装置が当該位置に存在しなかった場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置が送信した位置情報は不正であると判断する。
【0045】
図4は、一実施形態に係る移動装置20a及び管理装置40の主要な構成要素を示す図である。移動装置20aは、上述した受信部21と、位置算出部22と、検出部23と、送信部26とを備える。管理装置40は、上述した受信部41と、不正検出部46とを備える。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態に係る管理システム1において実行される処理を示すシーケンス図である。以下の説明では、移動装置20aを検証対象の移動装置とし、移動装置20bを、移動装置20aの近傍の移動装置とする。移動装置20a及び移動装置20bが実行する各処理は、移動装置20a及び移動装置20bのそれぞれの位置が変化した場合や既定の時間間隔で実行することができる。
【0047】
ステップS11では、複数の測位信号提供装置10が、それぞれ測位信号を送信する。移動装置20aの受信部21が、複数の測位信号提供装置10から測位信号を受信すると、ステップS12で移動装置20aの位置算出部22が、これらの測位信号を用いて、移動装置20aの現在位置を算出し、当該現在位置を示す位置情報と、当該現在位置を算出した時刻を示す測位時刻情報を記憶装置24に保存する。
【0048】
ステップS13では、移動装置20aの識別情報付加部25が、記憶装置24から移動装置20aの識別情報(装置ID)、位置情報、及び測位時刻情報を取得し、当該識別情報を位置情報及び測位時刻情報に付加する。ステップS14では、移動装置20aの送信部26が、移動装置20aの識別情報、測位時刻情報及び位置情報を、中継装置30を介して管理装置40に送信する。移動装置20aが送信した情報が組み込まれた電波は、近傍の移動装置20bにも到達する。
【0049】
一方、移動装置20bの受信部21が、複数の測位信号提供装置10から測位信号を受信すると、ステップS15で移動装置20bの位置算出部22が、これらの測位信号を用いて、移動装置20bの現在位置を算出し、当該現在位置を示す位置情報と、当該現在位置を算出した時刻を示す測位時刻情報を記憶装置24に保存する。
【0050】
ステップS16では、移動装置20bの識別情報付加部25が、記憶装置24から移動装置20bの識別情報、位置情報及び測位時刻情報を取得し、当該識別情報を位置情報及び測位時刻情報に付加する。ステップS17では、移動装置20bの送信部26が、移動装置20bの識別情報、測位時刻情報及び位置情報を、中継装置30を介して管理装置40に送信する。なお、移動装置20aが実行するステップS12~S14の処理と、移動装置20bが実行するステップS15~S17の処理は、非同期に実行される。また、移動装置20aが実行する処理と移動装置20bが実行する処理の先行は、
図5に示すものに限定されない。
【0051】
管理装置40の受信部41が、移動装置20a,20bが提供した情報を、中継装置30を介して受信すると、ステップS18で認証部42が、移動装置20a,20bそれぞれについて認証処理を実行する。移動装置20a,20bが管理対象の装置として認証された場合、認証部42は、移動装置20a,20bが提供した情報を、それぞれ記憶装置43に保存する。記憶装置43には、
図8に示すような情報が保存される。
【0052】
ステップS19では、移動装置20bの検出部23が、移動装置20aが送信した移動装置20aの識別情報、測位時刻情報及び位置情報を検出すると、これらの情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、移動装置20aの識別情報、測位時刻情報及び位置情報を記憶装置24に保存する。
【0053】
ステップS20では、移動装置20bの識別情報付加部25が、記憶装置24から移動装置20aの識別情報、位置情報、測位時刻情報、及び受信時刻情報を取得し、これらの情報に移動装置20bの識別情報を付加する。ステップS21では、移動装置20bの送信部26が、移動装置20bの識別情報と、移動装置20aの識別情報、測位時刻情報、位置情報と、受信時刻情報を、中継装置30を介して管理装置40に送信する。
【0054】
管理装置40の受信部41が、移動装置20bが提供した情報を、中継装置30を介して受信すると、ステップS22で認証部42が、移動装置20bについて認証処理を実行する。移動装置20bが管理対象の装置として認証された場合、認証部42は、移動装置20bが提供した情報、すなわち、移動装置20bの識別情報と、移動装置20aの識別情報、測位時刻情報、位置情報と、受信時刻情報を記憶装置43に保存する。記憶装置43には、
図9に示すような情報が保存される。
【0055】
ステップS23では、検証部44が、移動装置20a,20bが提供した情報を用いて、移動装置20aが提供した情報を検証する。なお、本実施形態では、管理装置40は、ステップS21で移動装置20bが送信した情報を受信した場合に、移動装置20aが提供した情報を検証するが、検証部44は、管理者の指示に基づいて、事後的にステップS23に示す処理を実行してもよい。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態に係る管理装置40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報が不正であるか否か判断するための処理である。
【0057】
ステップS101では、検証部44の不正検出部46が、移動装置20aが送信した測位時刻情報が示す測定時刻と移動装置20aの識別情報に基づいて、当該測定時刻と同じ時刻を示す、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が、記憶装置43に保存されているか否か判断する。移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されていない場合(NO)、ステップS102で不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報が不正でないと判断し、
図6の処理が終了する。この場合、移動装置20aの近傍には他の移動装置が存在しないことになる。不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報の検証結果が不確定である旨の情報を判定結果に付加することができる。
【0058】
一方、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されている場合(YES)、ステップS103で不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報が示す測定時刻と、移動装置20bが送信した受信時刻情報が示す受信時刻の差が、既定の時間内であるか否か判断する。測定時刻と受信時刻の差が既定の時間内である場合(YES)、ステップS104で不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正でないと判断し、
図6の処理が終了する。
【0059】
一方、測定時刻と受信時刻の差が既定の時間範囲を外れる場合(NO)、ステップS105で不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正であると判断し、
図6の処理が終了する。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態に係る管理装置40が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、検証対象の移動装置20aが送信した位置情報が不正であるか否か判断するための処理である。
【0061】
ステップS201では、検証部44の不正検出部46が、移動装置20aが送信した測位時刻情報が示す測定時刻と移動装置20aの識別情報に基づいて、当該測定時刻と同じ時刻を示す、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が、記憶装置43に保存されているか否か判断する。移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されていない場合(NO)、ステップS202で不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報は不正でないと判断し、
図7の処理が終了する。この場合、移動装置20aの近傍には他の移動装置が存在しないことになる。不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報の検証結果が不確定である旨の情報を判定結果に付加することができる。
【0062】
一方、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されている場合(YES)、ステップS203に処理が分岐する。ステップS203では、検証部44の位置特定部45が、移動装置20aが送信した位置情報が示す位置と、移動装置20bが送信した移動装置20bの位置情報が示す位置とを特定する。ステップS204では、不正検出部46が、移動装置20aの発した電波を移動装置20bが検出可能な位置に、移動装置20aが存在したか否か判断する。
【0063】
移動装置20aが当該位置に存在した場合(YES)、ステップS205で不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報は不正でないと判断し、
図7の処理が終了する。一方、移動装置20aが当該位置に存在しなかった場合(NO)、ステップS206で不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報は不正であると判断し、
図7の処理が終了する。
【0064】
上述した実施形態では、検証対象の移動装置が、自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する。また、近傍の移動装置が、検証対象の移動装置が送信した測位時刻情報を受信し、測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、検証対象の移動装置から受信した測位時刻情報を送信する。
【0065】
管理装置40は、この測位時刻情報及び受信時刻情報を受信する。そして、管理装置40は、測位時刻情報が示す時刻と、受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断する。これらの時刻の差が、既定の時間範囲を外れる場合、管理装置40は、検証対象の移動装置が送信した測位時刻情報が不正であると判断する。これにより、検証対象の移動装置が不正な測位時刻情報を送信した場合、当該不正な位置情報を検出することができる。
【0066】
また、管理装置40は、不正な測位時刻情報を検出した場合、その旨を管理装置40の管理者に通知することができる。これにより、管理装置40の管理者は、検証対象の移動装置が不正な測位時刻情報を送信したことを把握することができる。
【0067】
さらに、上述した実施形態では、検証対象の移動装置が、自機の位置を示す位置情報を送信する。また、近傍の移動装置が、検証対象の移動装置が送信した位置情報を受信し、自機の位置を示す位置情報を送信する。
【0068】
管理装置40は、検証対象の移動装置の位置情報と、近傍の移動装置の位置情報を受信する。そして、管理装置40は、これらの位置情報に基づき、検証対象の移動装置又は近傍の移動装置が、検証対象の移動装置の発した電波が近傍の移動装置に到達可能な位置に存在したか否か判断する。検証対象の移動装置又は近傍の移動装置が当該位置に存在しなかった場合、検証対象が送信した位置情報が不正であると判断する。これにより、検証対象の移動装置が不正な位置情報を送信した場合、当該不正な位置情報を検出することができる。
【0069】
さらに、管理装置40は、不正な位置情報を検出した場合、その旨を管理装置40の管理者に通知することができる。これにより、管理装置40の管理者は、検証対象の移動装置が不正な位置情報を送信したことを把握することができる。
【0070】
さらに、このように検証対象の測位時刻情報及び位置情報が不正であるか否か判断できることにより、不正でないと判断された測位時刻情報及び位置情報に基づいて、検証対象の移動装置の位置と、当該位置に関する時刻を正確に把握することができる。また、これらの測位時刻情報及び位置情報に基づいて、検証対象の移動装置の速度も正確に把握することができる。
【0071】
さらに、管理システム1に含まれる全ての移動装置を検証対象とすることにより、これらの全ての移動装置が送信した測位時刻情報及び位置情報が不正であるか否か判断することができる。このため、一部の移動装置の測位時刻情報及び位置情報が改竄された場合でも、管理装置40は、当該一部の移動装置の測位時刻情報及び位置情報が不正であると判断し、その他の移動装置の測位時刻情報及び位置情報は不正でないと判断できる。その結果、不正でないと判断された移動装置の測位時刻情報及び位置情報に基づいて、管理対象の移動装置の位置を把握することができる。これにより、管理対象の移動装置の現実の運行状況を、より正確に把握できるため、移動装置による事故を抑制できると共に、移動装置による空間の利用効率の低下を抑制することができる。
【0072】
さらに、不正検出部46は、移動装置20aの近傍に他の移動装置が存在しない場合、移動装置20aが送信した測位時刻情報及び位置情報の検証結果が不確定である旨の情報を判定結果に付加することができる。これにより、管理システム1の管理者は、判定結果を参照することにより、測位時刻情報及び位置情報の検証結果が不確定であることを把握できる。
【0073】
<その他の実施形態>
図10は、管理装置40が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報及び位置情報が不正であるか否か判断するための処理である。
【0074】
ステップS301では、検証部44の位置特定部45が、移動装置20aが送信した位置情報が示す位置と、移動装置20bが送信した移動装置20bの位置情報が示す位置とを特定する。ステップS302では、不正検出部46が、移動装置20aの発した電波を移動装置20bが検出可能な位置に、移動装置20aが存在したか否か判断する。移動装置20aが当該位置に存在しなかった場合(NO)、ステップS303で不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報及び測定時刻情報は不正でないと判断し、
図10の処理が終了する。この場合、移動装置20aの近傍には他の移動装置が存在しないことになる。不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報及び測位時刻情報の検証結果が不確定である旨の情報を判定結果に付加することができる。
【0075】
一方、移動装置20aが上記位置に存在した場合(YES)、ステップS304で不正検出部46が、移動装置20aが送信した測位時刻情報が示す測定時刻と移動装置20aの識別情報に基づいて、当該測定時刻と同じ時刻を示す、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が、記憶装置43に保存されているか判断する。移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されていない場合(NO)、ステップS305に処理が分岐する。
【0076】
ステップS305では、不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報が不正であると判断する。この場合、移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係であるにも関わらず、管理装置40が、移動装置20bを介して、移動装置20aの測位時刻情報を受信していないことになる。移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係である場合、管理装置40は、通常、移動装置20bを介して、移動装置20aの測位時刻情報を受信することができる。すなわち、移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係であるにも関わらず、管理装置40が、移動装置20bを介して、移動装置20aの測位時刻情報を受信していないことは、上記位置関係を規定する移動装置20aの位置情報が不正であることを意味する。そのため、不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報が不正であると判断する。ステップS306では、不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置時刻情報が不正である旨を通知し、
図10の処理が終了する。
【0077】
一方、移動装置20bが送信した移動装置20aの測位時刻情報が保存されている場合(YES)、ステップS307で不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報が示す測定時刻と、移動装置20bが送信した受信時刻情報が示す受信時刻の差が、既定の時間内であるか否か判断する。測定時刻と受信時刻の差が既定の時間内である場合(YES)、ステップS308で不正検出部46は、移動装置20aが送信した位置情報及び測位時刻情報は不正でないと判断し、
図10の処理が終了する。
【0078】
一方、測定時刻と受信時刻の差が既定の時間範囲を外れる場合(NO)、ステップS308に処理が分岐する。ステップS309では、不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正であると判断する。この場合、移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係であるにも関わらず、移動装置20bが、移動装置20aの送信した情報を、既定の時間範囲内に受信していないことになる。移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係である場合、移動装置20bは、通常、移動装置20aの送信した情報を、既定の時間範囲内に受信することができる。すなわち、移動装置20aと移動装置20bの位置関係が、移動装置20bが移動装置20aの送信した情報を受信可能な位置関係であるにも関わらず、移動装置20bが、移動装置20aの送信した情報を、既定の時間範囲内に受信していないことは、移動装置20aが送信した測定時刻情報が不正であることを意味する。そのため、不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正であると判断する。ステップS310では、不正検出部46は、移動装置20aが送信した測位時刻情報が不正である旨を通知し、
図10の処理が終了する。
【0079】
上述したように、
図10に示す実施形態では、測定時刻情報及び位置時刻情報の少なくとも一方が不正である場合、不正検出部46は、当該不正を検出し、その旨を管理システム1の管理者に通知することができる。
【0080】
また、他の実施形態では、複数の近傍の移動装置が提供した情報を用いて、検証対象の移動装置が提供した情報が不正であるか否か判断してもよい。この場合、管理装置40は、検証に使用した近傍の移動装置の数に応じて、判定結果を重み付けすることができる。
【0081】
具体的には、検証に使用した近傍の移動装置の数が多い程、不正検出部46は、判定結果の信頼性が高いことを示す重みを判定結果に付加する。一方、検証に使用した近傍の移動装置の数が少ない程、不正検出部46は、判定結果の信頼性が低いことを示す重みを判定結果に付加する。これにより、管理装置40の管理者は、判定結果に付加された重みに基づいて、判定結果の信頼性の程度を把握することができる。
【0082】
また、他の実施形態では、複数の近傍の移動装置が提供した情報を用いて、検証対象の移動装置が提供した情報が不正であるか否か判断する場合において、既定数以上の近傍の移動装置が提供した情報を用いて、検証対象の移動装置が提供した情報が不正であるか否か判断してもよい。既定数の値は、管理装置40が管理可能な移動装置の最大数を上限とする、3以上の値である。判断に使用する近傍の移動装置の数が多い程、判定結果の信頼性が高まるため、既定数の値は大きい方が好ましい。
【0083】
これにより、既定数の過半数に満たない数の近傍の移動装置が、不正な情報を送信した場合でも、真実の情報に基づく判定結果と不正な情報に基づく判定結果を含む判定結果全体に対する、不正な情報に基づく判定結果の割合が、2分の1未満となる。そのため、既定数の過半数未満の近傍の移動装置が提供した情報が改竄されている場合でも、管理装置40の管理者は、既定数の過半数を超える判定結果を参酌することにより、信頼性のある判定結果を得ることができる。
【0084】
さらに、他の実施形態では、中継装置30及び管理装置40の少なくとも一方が、移動装置20a~20cが送信した情報を受信した受信時刻情報を生成し、管理装置40が、当該受信時刻情報を用いて、検証対象の移動装置が送信した時刻情報が不正であるか否か判断してもよい。
【0085】
具体的には、中継装置30は、移動装置20a~20cが送信した情報を中継する際に、当該情報に受信時刻情報を付加して管理装置40に提供することができる。また、管理装置40は、移動装置20a~20cが送信した情報を受信した際に、当該情報に受信時刻情報を付加することができる。次いで、管理装置40の検証部44は、検証対象の移動装置の測位時刻情報が示す時刻と、中継装置30の受信時刻情報が示す時刻及び管理装置40の受信時刻情報が示す時刻の少なくとも一方の時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断する。
【0086】
既定の時間は、検証対象の移動装置の測位時刻情報に関連する位置情報が示す位置に存在する検証対象の移動装置から中継装置30に、送信対象の情報が伝わる時間の最大値又は代表値とすることができる。この時間は、検証対象の移動装置の処理時間、検証対象の移動装置による情報の送信間隔、電波の伝搬速度、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と中継装置30の位置との間の電波障害物の存在の有無、中継装置30の処理時間の少なくとも1つに基づいて決定できる。すなわち、既定の時間とは、これらの要素の少なくとも1つに基づいて定まる、送信対象の情報が検証対象の移動装置から中継装置30に伝わる時間である。
【0087】
また、既定の時間は、検証対象の移動装置の測位時刻情報に関連する位置情報が示す位置に存在する検証対象の移動装置から管理装置40に、送信対象の情報が伝わる時間の最大値又は代表値とすることができる。この時間は、検証対象の移動装置の処理時間、検証対象の移動装置による情報の送信間隔、電波の伝搬速度、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と中継装置30の位置との間の電波障害物の存在の有無、中継装置30の処理時間、ネットワーク50の通信速度、管理装置40の処理時間の少なくとも1つに基づいて決定できる。すなわち、既定の時間とは、これらの要素の少なくとも1つに基づいて定まる、送信対象の情報が検証対象の移動装置から管理装置40に伝わる時間である。
【0088】
管理装置40の不正検出部46は、このようにして算出した時刻の差が既定の時間内である場合、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正でないと判断する。一方、算出した時刻の差が既定の時間範囲を外れる場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置20aが送信した測位時刻情報は不正であると判断する。
【0089】
これにより、近傍の移動装置の受信時刻情報に加えて、中継装置30及び管理装置40の少なくとも一方の受信時刻情報に基づいて、検証対象の移動装置の測位時刻情報が不正であるか否か判断できるため、判定結果の信頼性を高めることができる。
【0090】
さらに、他の実施形態では、検証対象の移動装置と中継装置30の相対的な位置関係に基づいて、検証対象の移動装置が送信した位置情報が不正であるか否か判断してもよい。具体的には、中継装置30は、移動装置20a~20cから受信した情報を中継する際に、当該情報に中継装置30の位置情報を付加して管理装置40に提供する。
【0091】
次いで、管理装置40の位置特定部45が、検証対象の移動装置の位置情報と中継装置30の位置情報に基づいて、検証対象の移動装置の位置と中継装置30の位置を特定する。次いで、不正検出部46が、検証対象の移動装置の位置と中継装置30の位置に基づいて、中継装置30が検証対象の移動装置の発した電波を検出可能な位置に検証対象の移動装置が存在したか否か判断する。中継装置30が検証対象の移動装置の発した電波を検出できるか否かは、検証対象の移動装置の電波送信能力、中継装置30の電波検出能力、検証対象の移動装置の位置情報が示す位置と中継装置30との間の電波障害物の存在の有無の少なくとも1つに基づいて決定できる。
【0092】
検証対象の移動装置が当該位置に存在した場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置が提供した位置情報は不正でないと判断する。一方、検証対象の移動装置が当該位置に存在しなかった場合、不正検出部46は、検証対象の移動装置が提供した位置情報は不正であると判断する。
【0093】
これにより、近傍の移動装置の位置情報に加えて、中継装置30の位置情報に基づいて、検証対象の移動装置の位置情報が不正であるか否か判断できるため、判定結果の信頼性を高めることができる。
【0094】
なお、中継装置30は、移動装置20a~20cから受信した情報を中継する際に、当該情報に中継装置30の識別情報を付加して管理装置40に提供してもよい。この場合、管理装置40は、各中継装置30の識別情報と、各中継装置30の位置情報とが関連付けて登録された位置情報データベースを備える。管理装置40は、中継装置30から検証対象の移動装置の位置情報と中継装置30の識別情報を受信した場合、管理装置40の位置特定部45が、位置情報データベースを参照し、中継装置30の識別情報に関連付けられている中継装置30の位置情報を特定することができる。中継装置30の識別情報は、中継装置30の位置を特定するための情報に相当する。
【0095】
さらに、他の実施形態では、近傍の移動装置が、光学センサや音響センサ等の検出装置を用いて検証対象の移動装置を検出してもよい。検出装置として光学センサを使用する場合、近傍の移動装置は、検証対象の移動装置の外部の形状及び色、移動装置の外部に付された模様及び識別番号に基づいて、検証対象の移動装置を特定することができる。検出装置として音響センサを使用する場合、近傍の移動装置は、検証対象の移動装置が発する音に基づいて、検証対象の移動装置を特定することができる。近傍の移動装置は、このようにして特定した検証対象の移動装置の識別情報を、検証対象の移動装置が提供した情報に付加することができる。なお、近傍の移動装置は、検出装置を用いて検証対象の移動装置を検出した場合、その存在を管理装置40に通知してもよい。
【0096】
さらに、他の実施形態では、
図5に示すステップS21において、移動装置20bが、移動装置20bの識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、移動装置20aの識別情報、位置情報及び測位時刻情報と、受信時刻情報を送信してもよい。この場合、
図5に示すステップS17の処理を省略することができる。また、管理装置40は、ステップS18において、移動装置20bが提供した情報を記憶装置43に保存する必要がない。
【0097】
さらに、他の実施形態では、移動装置20a~20cが送信対象の情報を送信する場合、電波障害物の存在によって中継装置30との通信が確立できないとき、移動装置20a~20cは、送信対象の情報を記憶装置24に保存してもよい。そして、移動装置20a~20cは、中継装置30との通信が確立されたときに、記憶装置24に保存されている送信対象の情報を送信することができる。この場合、管理装置40は、中継装置30との通信が確立できなかったときの移動装置20a~20cの位置情報に基づき、当該移動装置の移動ルートの正当性を検証してもよい。
【0098】
さらに、他の実施形態では、移動装置20a~20cが、他の移動装置から位置情報や測定時刻情報を受信した場合、自機と当該他の移動装置との距離に応じて変化する情報を、送信対象の情報に付加することができる。例えば、当該距離に応じて変化する情報は、当該他の移動装置が送信した信号の受信信号強度を採用することができる。また、移動装置20a~20cが、当該他の移動装置を撮影可能な場合、当該撮影画像中における当該他の移動装置の大きさを示す情報を、当該距離に応じて変化する情報としてもよい。
【0099】
管理装置40は、この距離に応じて変化する情報に基づいて、判定結果を重み付けすることができる。具体的には、不正検出部46は、検証対象の移動装置と近傍の移動装置との距離が短い場合、判定結果の信頼性が高いことを示す重みを判定結果に付加する。一方、検証対象の移動装置と近傍の移動装置との距離が長い場合、不正検出部46は、判定結果の信頼性が低いことを示す重みを判定結果に付加する。
【0100】
無線によって情報を送信する場合、電波状態が悪化することによって、送信中の情報の一部が欠損し、又は他の情報に変更されることが起こり得る。誤り訂正の機能を採用していない無線通信方式では、このような情報の欠損や変更を補完することができない。そのため、検証対象の移動装置と近傍の移動装置との距離に応じた重みを判定結果に付加することにより、管理装置40の管理者は、判定結果の信頼性の程度を把握することができる。
【0101】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0102】
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下の付記に限定されない。
【0103】
(付記1)
自機の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記測位時刻情報を受信し、前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、受信した前記測位時刻情報を送信する第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する管理装置とを含み、
前記管理装置は、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間内である場合、前記測位時刻情報は不正でないと判断する不正検出部を備える、
管理システム。
【0104】
(付記2)
自機の位置を示す第1の位置情報を送信する第1の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報を受信し、自機の位置を示す第2の位置情報を送信する第2の移動装置と、
前記第1の移動装置が送信した情報と、前記第2の移動装置が送信した情報を受信し、これらの情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した第1の位置情報が不正であるか否か判断する管理装置とを含み、
前記管理装置は、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった場合、前記第1の位置情報は不正であると判断する不正検出部を備える、
管理システム。
【0105】
(付記3)
前記第1の移動装置はさらに、自機の位置を示す第1の位置情報を送信し、
前記第2の移動装置はさらに、前記第1の位置情報を受信し、前記第1の位置情報と、自機の位置を示す第2の位置情報を送信し、
前記管理装置はさらに、前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報を受信し、
前記不正検出部はさらに、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった場合、前記第1の位置情報は不正であると判断する、付記1に記載の管理システム。
【0106】
(付記4)
前記管理システムは、複数の前記第2の移動装置を含み、
前記不正検出部は、前記第2の移動装置の数の大小に応じた重み、又は前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置との距離に応じた重みを、前記第1の移動装置が送信した情報の判定結果に付加する、付記1~3のいずれか1つに記載の管理システム。
【0107】
(付記5)
前記管理システムは、既定数以上の前記第2の移動装置を含み、
前記不正検出部は、前記既定数以上の前記第2の移動装置が提供した情報を用いて、前記第1の移動装置が送信した情報が不正であるか否か判断する、付記1~3のいずれか1つに記載の管理システム。
【0108】
(付記6)
前記不正検出部はさらに、
前記管理装置が前記第1の移動装置から前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断し、これらの時刻の差が前記既定の時間範囲を外れるとき、前記測位時刻情報は不正であると判断する、付記1又は3に記載の管理システム。
【0109】
(付記7)
前記管理システムさらに、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置が送信した情報を前記管理装置へ中継する中継装置を含み、
前記中継装置は、前記第1の移動装置が送信した情報を中継する際に、当該情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を、前記第1の移動装置が送信した情報に付加して前記管理装置に提供し、
前記不正検出部はさらに、
前記中継装置が付加した前記受信時刻情報が示す時刻と、前記測位時刻情報が示す時刻との差が既定の時間内であるか否か判断し、これらの時刻の差が前記既定の時間範囲を外れるとき、前記測位時刻情報は不正であると判断する、付記1又は3に記載の管理システム。
【0110】
(付記8)
前記管理システムさらに、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置が送信した情報を前記管理装置へ中継する中継装置を含み、
前記中継装置は、前記第1の移動装置が送信した情報を中継する際に、前記中継装置の位置を特定するための情報を、前記第1の移動装置が送信した情報に付加して前記管理装置に提供し、
前記不正検出部はさらに、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の位置情報と、前記中継装置が送信した前記中継装置の位置を特定するための情報に基づき、前記第1の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波が前記中継装置に到達可能な位置に存在したか否か判断し、前記第1の移動装置が前記位置に存在しなかった場合、前記第1の位置情報は不正であると判断する、付記2又は3に記載の管理システム。
【0111】
(付記9)
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信するステップと、
第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断するステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れる場合、前記測位時刻情報は不正であると判断するステップと
を含む、判断方法。
【0112】
(付記10)
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報を受信するステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断するステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった場合、前記第1の位置情報は不正であると判断するステップと
を含む、判断方法。
【0113】
(付記11)
第1の移動装置及び第2の移動装置を管理する管理装置が備える演算装置が実行する判断プログラムであって、前記演算装置に対し、
前記第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を測定した時刻を示す測位時刻情報を受信させるステップと、
前記第2の移動装置が前記測位時刻情報を受信した時刻を示す受信時刻情報を受信させるステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、既定の時間内であるか否か判断させるステップと、
前記測位時刻情報が示す時刻と、前記受信時刻情報が示す時刻との差が、前記既定の時間範囲を外れる場合、前記測位時刻情報は不正であると判断させるステップと
を実行させる、判断プログラム。
【0114】
(付記12)
第1の移動装置及び第2の移動装置を管理する管理装置が備える演算装置が実行する判断プログラムであって、前記演算装置に対し、
第1の移動装置が送信した前記第1の移動装置の位置を示す第1の位置情報を受信させるステップと、
第2の移動装置が送信した前記第2の移動装置の位置を示す第2の位置情報を受信させるステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報に基づき、前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が、前記第1の移動装置の発した電波を前記第2の移動装置が検出可能な位置に存在したか否か判断させるステップと、
前記第1の移動装置又は前記第2の移動装置が前記位置に存在しなかった場合、前記第1の位置情報は不正であると判断させるステップと
を実行させる、判断プログラム。
【符号の説明】
【0115】
1 管理システム
20a~20c 移動装置
21 受信部
22 位置算出部
23 検出部
26 送信部
30 中継装置
40 管理装置
41 受信部
46 不正検出部