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特許7414312吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法
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  • 特許-吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
E05D15/06 122
E05D15/06 119
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022106841
(22)【出願日】2022-07-01
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】592048176
【氏名又は名称】ケージーパルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119389
【弁理士】
【氏名又は名称】門脇 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-193944(JP,A)
【文献】特開2000-291322(JP,A)
【文献】特開2002-70404(JP,A)
【文献】特開2002-21417(JP,A)
【文献】特開平10-196204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置であって、
前記装着ベース部は、底側から上向きに突き出て前記吊車本体部の位置を確定する位置決め凸部を備え、
前記吊車本体部は、上端に位置して前記キャップ部と噛み合う鋸歯状溝と、垂直方向中央の下方に位置して前記位置決め凸部を表側から奥側へかけて覆うブロック状凹部と、前記ブロック状凹部の表側で前記キャップ部に向き合う衝立部と、前記ブロック状凹部から奥側へ伸びた腕状部と、前記腕状部を介して前記衝立部を振り子的に回転させる回転軸と、前記腕状部にU字型の一端が固定されU字型の他端を前記箱状体の側へ押し付けるU字型板バネ部と、前記衝立部の上端に枠を有する窓部と、を備え、
前記キャップ部は、前記前端部を覆う表板部と、前記表板部の内側で、上端から前記鋸歯状溝の側へ伸びて前記鋸歯状溝と噛み合う上側枝状突出部と、縦方向中央の下方から前記衝立部の側へ伸びて前記衝立部を下方へ押し付ける下側枝状突出部と、を備え、
前記位置決め凸部と前記ブロック状凹部が位置決めされて前記装着ベース部に前記吊車本体部が結合した後、前記キャップ部は、前記鋸歯状溝に前記上側枝状突出部を噛み合わせ、前記衝立部の頂面に前記下側枝状突出部を噛み合わせて前記前端部を覆い、
前記吊車本体部が前記装着ベース部から分離するとき、前記キャップ部は、前記前端部から離されて前記吊車本体部を前記装着ベース部から分離する分離治具として機能すること、
を特徴とする吊車走行装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吊車走行装置であって、
前記ブロック状凹部は、奥側の端から腕状部にかけて上方に向かう傾斜部を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の吊車走行装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の吊車走行装置であって、
前記上側枝状突出部は、前記キャップ部を前記前端部から離して上下反転し、前記窓部に差し込んだとき、前記衝立部の裏側へ突き出て前記窓部の枠に掛かる長さと先端爪を備えること、
を特徴とする吊車走行装置。
【請求項4】
請求項3に記載の吊車走行装置であって、
前記上側枝状突出部は、前記表板部の根元に強度向上用のリブを備えること、
を特徴とする吊車走行装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の吊車走行装置であって、
前記下側枝状突出部は、前記キャップ部を前記前端部から離して、前記窓部に差し込んだとき、前記衝立部の裏側へ突き出て前記窓部の枠に掛かる長さと先端爪を備えること、
を特徴とする吊車走行装置。
【請求項6】
水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置において、前記建具に嵌め込んだ前記吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法であって、
前記吊車走行装置は、請求項3に記載の吊車走行装置であって、
前記キャップ部を前記吊車本体部から外す工程と、
外した前記キャップ部を上下反転し、前記上側枝状突出部を前記窓部に差し込んで前記窓部の枠に掛ける工程と、
前記上側枝状突出部に引き出し外力を加えて前記吊車本体部を取り外す工程と、を備えること、
を特徴とする吊車本体部取り外し方法。
【請求項7】
水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置において、前記建具に嵌め込んだ前記吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法であって、
前記吊車走行装置は、請求項5に記載の吊車走行装置であって、
前記キャップ部を前記吊車本体部から外す工程と、
外した前記キャップ部の前記下側枝状突出部を前記窓部に差し込んで前記窓部の枠に掛ける工程と、
前記下側枝状突出部に引き出し外力を加えて前記吊車本体部を取り外す工程と、を備えること、
を特徴とする吊車本体部取り外し方法。
【請求項8】
水平に位置するレールに沿って走行する吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結した箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置を走行方向の前端に装着した建具であって、
前記吊車走行装置は、請求項1に記載の吊車走行装置であることを特徴とする建具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具を走行させる吊車を有する吊車走行装置、このような吊車走行装置を装着した建具、および吊車を備える吊車本体部を建具から取り外す吊車本体部取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
戸板の上部両隅に吊り戸用の吊車の支持ブロックを装着する凹部を備えた建具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような建具において、吊車の支持ブロックは戸板の凹部に装着される。吊車の支持ブロックは、薄い戸板に設定されることから、小型化される。つまり、吊車の支持ブロックは、狭小な領域に位置する。
このため、支持ブロックをメンテナンスする場合、支持ブロックを戸板から取り外すとき、支持ブロックの取り外しに特殊治具の利用が必須となり、支持ブロックに傷が付くことがあり、細心の注意を払った細部に渡る作業が必要になり、作業効率が落ちる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-329737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、従来技術を改良した吊車走行装置を開発している。その際、支持ブロックの取扱いに課題が生じることを見出した。
本発明に係る吊車走行装置は、吊車部に連結した吊車本体部を建具に設けた凹部へ配置することから、吊車本体部の取扱い、特には、吊車本体部を後日メンテナンス作業のために取り出すときに困難性が生じるという課題を見出した。
すなわち、吊車走行装置における吊車本体部は、建具の内側へ収納されるので、外部への露出が限られ、指先(爪)の掛かりが少なく建具から取り出すことが難しくなる。このため、従来は、ペンチ等の工具を別途準備して適用する必要が生じた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、吊車走行装置が備えるキャップ部を建具から吊車本体部を分離して取り出すときの分離治具として機能する吊車走行装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明に係る吊車走行装置を備えた建具とすることにより、吊車本体部の取り外しが容易になる建具を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る吊車走行装置を適用して吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る吊車走行装置は、水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置であって、前記装着ベース部は、底側から上向きに突き出て前記吊車本体部の位置を確定する位置決め凸部を備え、前記吊車本体部は、上端に位置して前記キャップ部と噛み合う鋸歯状溝と、垂直方向中央の下方に位置して前記位置決め凸部を表側から奥側へかけて覆うブロック状凹部と、前記ブロック状凹部の表側で前記キャップ部に向き合う衝立部と、前記ブロック状凹部から奥側へ伸びた腕状部と、前記腕状部を介して前記衝立部を振り子的に回転させる回転軸と、前記腕状部にU字型の一端が固定されU字型の他端を前記箱状体の側へ押し付けるU字型板バネ部と、前記衝立部の上端に枠を有する窓部と、を備え、前記キャップ部は、前記前端部を覆う表板部と、前記表板部の内側で、上端から前記鋸歯状溝の側へ伸びて前記鋸歯状溝と噛み合う上側枝状突出部と、縦方向中央の下方から前記衝立部の側へ伸びて前記衝立部を下方へ押し付ける下側枝状突出部と、を備え、前記位置決め凸部と前記ブロック状凹部が位置決めされて前記装着ベース部に前記吊車本体部が結合した後、前記キャップ部は、前記鋸歯状溝に前記上側枝状突出部を噛み合わせ、前記衝立部の頂面に前記下側枝状突出部を噛み合わせて前記前端部を覆い、前記吊車本体部が前記装着ベース部から分離するとき、前記キャップ部は、前記前端部から離されて前記吊車本体部を前記装着ベース部から分離する分離治具として機能すること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る吊車走行装置は、吊車本体部を建具から分離して取り出すとき、キャップ部を分離治具として取り出すので、外部から他の治具を適用する必要が生じない。つまり、吊車本体部の取り出し作業を簡素化しやすい。
【0006】
また、本発明の一実施の形態に係る吊車走行装置では、前記ブロック状凹部は、奥側の端から腕状部にかけて上方に向かう傾斜部を有すること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る吊車走行装置では、前記上側枝状突出部は、前記キャップ部を前記前端部から離して上下反転し、前記窓部に差し込んだとき、前記衝立部の裏側へ突き出て前記窓部の枠に掛かる長さと先端爪を備えること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る吊車走行装置では、前記上側枝状突出部は、前記表板部の根元に強度向上用のリブを備えること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る吊車走行装置では、前記下側枝状突出部は、前記キャップ部を前記前端部から離して、前記窓部に差し込んだとき、前記衝立部の裏側へ突き出て前記窓部の枠に掛かる長さと先端爪を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る吊車本体部取り外し方法は、水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置において、前記建具に嵌め込んだ前記吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法であって、前記吊車走行装置は、本発明に係る吊車走行装置であって、前記キャップ部を前記吊車本体部から外す工程と、外した前記キャップ部を上下反転し、前記上側枝状突出部を前記窓部に差し込んで前記窓部の枠に掛ける工程と、前記上側枝状突出部に引き出し外力を加えて前記吊車本体部を取り外す工程と、を備えること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置が備えるキャップ部を適用して吊車本体部を取り外せるので、建具に設置した後の吊車本体部に対する作業が容易になる。
【0008】
また、本発明に係る吊車本体部取り外し方法は、水平に位置するレールに沿って建具を走行させる吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結して前記建具に固定される箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置において、前記建具に嵌め込んだ前記吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法であって、前記吊車走行装置は、本発明に係る吊車走行装置であって、前記キャップ部を前記吊車本体部から外す工程と、外した前記キャップ部の前記下側枝状突出部を前記窓部に差し込んで前記窓部の枠に掛ける工程と、前記下側枝状突出部に引き出し外力を加えて前記吊車本体部を取り外す工程と、を備えること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置が備えるキャップ部を適用して吊車本体部を取り外せるので、建具に設置した後の吊車本体部に対する作業が容易になる。
【0009】
また、本発明に係る建具は、水平に位置するレールに沿って走行する吊車を有する吊車部と、前記吊車部に連結した箱状体を有する吊車本体部と、前記吊車本体部を位置決めして固定する装着ベース部と、前記吊車本体部の前端部を覆うキャップ部と、を備える吊車走行装置を走行方向の前端に装着した建具であって、前記吊車走行装置は、本発明に係る吊車走行装置であることを特徴とする。
したがって、本発明に係る建具は、吊車走行装置の取り外しが容易かつ効率的に行えるので、メンテナンス性の良い建具となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る吊車走行装置は、吊車本体部を建具から取り出すとき、キャップ部を分離治具として機能させるので、外部から他の治具を適用する必要が生じない。つまり、吊車本体部の取り出し作業を簡素化しやすいという効果を奏する。
また、本発明に係る建具は、装着した吊車走行装置(吊車本体部)の取り外しが容易かつ効率的に行えるので、メンテナンス性の良い建具となるという効果を奏する。
本発明に係る吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置が備えるキャップ部を適用して吊車本体部を取り外せるので、建具に設置した後の吊車本体部に対する作業が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る吊車走行装置における組み立て前の分解状態を斜め上方から見て示す分解斜視図である。
図2図1に示した吊車走行装置がレールに装着された状態を側面から透視して模式的に示す透視模式図である。
図3図2に示した吊車走行装置が建具に装着された状態を透視して模式的に示す吊車走行装置および建具に係る透視模式図である。
図4図3に示した吊車走行装置のキャップ部が分離治具として機能する状態を吊車本体部取り外し方法として透視模式的に示す模式工程図である。
図5図4に示した吊車本体部取り外し方法としての工程における吊車本体部が装着ベース部から引き出された状態を透視模式的に示す模式工程図である。
図6】実施の形態1に係る吊車走行装置が備えるキャップ部の変形例を側面から見た状態で拡大して示す拡大側面図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置がレールに装着された状態を側面から透視して模式的に示す透視模式図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置のキャップ部を側面から見た状態で拡大して示す拡大側面図である。
図9図8に示した吊車走行装置のキャップ部が分離治具として機能する状態を吊車本体部取り外し方法として透視模式的に示す模式工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面(図1ないし図9)を参照して本発明の実施の形態1および実施の形態2について説明する。
[実施の形態1]図1図6
図1図6を参照して、本発明の実施の形態1に係る吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る吊車走行装置1(吊車走行装置1R。吊車走行装置1S。)における組み立て前の分解状態を斜め上方から見て示す分解斜視図である。
図2は、図1に示した吊車走行装置1Rがレール85に装着された状態を側面から透視して模式的にみて示す透視模式図である。
図3は、図2に示した吊車走行装置1Rが建具80に装着された状態を透視して模式的に示す吊車走行装置1Rおよび建具80に係る透視模式図である。なお、衝立部28については、部分断面を示す(図4図5において同様である)。
吊車走行装置1Rは、図1図5に示すとおり、実施の形態1に係る。吊車走行装置1Sは、図1図7図9に示すとおり、実施の形態2に係る。特に区別する必要がない場合は、吊車走行装置1として示すことがある。つまり、図1に示す吊車走行装置1は、吊車走行装置1R、吊車走行装置1Sのいずれにも共通する技術事項を構成要素として示す。
【0013】
本実施の形態に係る吊車走行装置1(吊車走行装置1R)は、水平に位置するレール85に沿って建具80(図3)を走行させる吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結して建具80に固定される箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60(キャップ部60r(図2))と、を備える。
吊車本体部20は、上端に位置してキャップ部60rと噛み合う鋸歯状溝24と、垂直方向中央の下方に位置して位置決め凸部46を表側から奥側へかけて覆うブロック状凹部26と、ブロック状凹部26の表側でキャップ部60rに向き合う衝立部28と、ブロック状凹部26から奥側へ伸びた腕状部30と、腕状部30を介して衝立部28を振り子的に回転させる回転軸32と、腕状部30にU字型の一端が固定されU字型の他端を箱状体22の側へ押し付けるU字型板バネ部34と、衝立部28の上端に枠36f(図3)を有する窓部36と、を備える。
【0014】
装着ベース部40は、底側のベース底部44から上向きに突き出て吊車本体部20の位置を確定する位置決め凸部46を備える。
本実施の形態では、キャップ部60は、キャップ部60rとして示すことがある。キャップ部60rは、実施の形態2におけるキャップ部60s(図7図8)との違いを示す。特に区別する必要がないときは、単にキャップ部60とすることがある。
キャップ部60rは、前端部38を覆う表板部62と、表板部62の内側で、上端から鋸歯状溝24の側へ伸びて鋸歯状溝24と噛み合う上側枝状突出部64と、縦方向中央の下方から衝立部28の側へ伸びて衝立部28を下方へ押し付ける下側枝状突出部66と、を備える。上側枝状突出部64は、先端に鋸歯状溝24と噛み合う先端爪64t(図2)を備える。
【0015】
吊車走行装置1(吊車走行装置1R、吊車走行装置1S)においては、位置決め凸部46とブロック状凹部26が位置決めされて装着ベース部40に吊車本体部20が結合した後、キャップ部60(表板部62)は、鋸歯状溝24に上側枝状突出部64を噛み合わせ、衝立部28の頂面に下側枝状突出部66を噛み合わせて前端部38を覆う。これにより、吊車走行装置1は、外部の影響を排除して安定して建具80を走行させる。
また、吊車本体部20が装着ベース部40から分離するとき、キャップ部60は、前端部38から離されて吊車本体部20を装着ベース部40から分離する分離治具として機能する(吊車走行装置1Rにおいては、図4図5におけるキャップ部60rを参照。吊車走行装置1Sにおいては、図9におけるキャップ部60s参照)。
【0016】
装着ベース部40の位置決め凸部46と吊車本体部20のブロック状凹部26とは、相互に位置決めされ互いに噛み合うので装着ベース部40(ベース底部44)は吊車本体部20を確実に建具80に位置決めして固定しやすい。また、位置決めされた後は、U字型板バネ部34が腕状部30を装着ベース部40(ベース底部44)の側へ押し付けるので安定した固定を維持しやすい。
吊車走行装置1Rは、上側枝状突出部64と下側枝状突出部66を備えるキャップ部60rが吊車本体部20の前端部38を覆って外部から安定して保護するので、安定した吊車12の走行を確保しやすい。
また、吊車本体部20を建具80から取り外すとき、キャップ部60rを適用して取り外すので、外部から他の治具を適用する必要が生じない。つまり、吊車本体部20の取り外し作業を簡素化しやすい。
なお、キャップ部60rは、キャップ部60を上下反転させて、上側枝状突出部64を窓部36(枠36f)に掛けて、吊車本体部20を外部へ取り外す形態の場合(図4図5)に適用される。
【0017】
装着ベース部40は、吊車本体部20が装着される空間の奥側および下側に予め挿入され固定される。装着ベース部40は、奥側に建具奥側部42が位置し、下側にベース底部44が位置して固定される。装着ベース部40が建具80(吊車走行装置1の装着用空間)に配置された後に、吊車本体部20は、矢印F1の方向で装着ベース部40に挿入され位置決めして固定される。
装着ベース部40のベース底部44に位置する位置決め凸部46と吊車本体部20のブロック状凹部26とは、互いに噛み合わせ寸法が整合しているので、高い精度で位置決めし、高い強度で固定できる。
位置決め凸部46は、吊車走行装置1の走行方向(水平方向)に対して交差する垂直方向に立ち上がる断面矩形の凸状とされることが好ましい。この構成によって、より高い精度での位置決めと、より高い強度での固定とがしやすい。
吊車本体部20が装着ベース部40に位置決め固定されたのち、装着ベース部40の前端部38に対してキャップ部60(キャップ部60r)が矢印F2の方向で取付けられる。
吊車部10は、吊車12と吊車12を保持する保持部14とを備える。保持部14は、吊車本体部20に連結されている。吊車本体部20は、吊車部10、装着ベース部40に対する調整部材等が収納されている。
【0018】
吊車走行装置1において、ブロック状凹部26は、奥側の端から腕状部30にかけて上方に向かう傾斜部26sを有する。
ブロック状凹部26は、奥側の端から腕状部30にかけて上方に向かう傾斜部26sを有するので、U字型板バネ部34が作用しやすく、ブロック状凹部26は、凹凸による引っ掛かりを抑制して滑動的に移動するので、位置決め凸部46を容易に覆いやすい。
なお、位置決め前の吊車本体部20を装着ベース部40に差し込むとき、ブロック状凹部26の傾斜部26sは、U字型板バネ部34と協働して腕状部30を上方に回転移動させるので、結果としてブロック状凹部26は、滑動的に位置決め凸部46を覆うように移動する(図4の吊車本体部20の取り外しにおけるブロック状凹部26と位置決め凸部46との相互位置、図9の吊車本体部20の取り外しにおけるブロック状凹部26と位置決め凸部46との相互位置を参照)。
【0019】
本実施の形態に係る建具80は、水平に位置するレール85に沿って走行する吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結した箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60rと、を備える吊車走行装置1Rを走行方向の前端に装着している(図3)。
建具80に装着される吊車走行装置1Rは、本発明のいずれかに係る吊車走行装置1Rである。本発明に係る建具80は、吊車走行装置1の取り外しが容易かつ効率的に行えるので、メンテナンス性の良い建具となる。
【0020】
次に、図4および図5を参照して本実施の形態に係る吊車本体部取り外し方法について説明する。
図4は、図3に示した吊車走行装置1Rのキャップ部60rが分離治具として機能する状態を吊車本体部取り外し方法として透視模式的に示す模式工程図である。
図5は、図4に示した吊車本体部取り外し方法としての工程における吊車本体部20が装着ベース部40から引き出された状態を透視模式的に示す模式工程図である。
吊車走行装置1Rは、建具80に装着された吊車本体部20を建具80から取り外して整備保守できる。その際、外部のツールを用いずに、キャップ部60rを適用して吊車本体部20を建具80から取り外す。
すなわち、本実施の形態に係る吊車本体部取り外し方法は、水平に位置するレール85に沿って建具80を走行させる吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結して建具80に固定される箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60rと、を備える吊車走行装置1Rにおいて、建具80に嵌め込んだ吊車本体部20を取り外す方法に係る。
【0021】
本実施の形態に係る吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置1Rにおいて、キャップ部60rを吊車本体部20から外す工程と、外したキャップ部60rを上下反転し、上側枝状突出部64(先端爪64t)を窓部36に差し込んで先端爪64tを窓部36の枠36fに掛ける工程(図4)と、上側枝状突出部64に引き出し外力を加えて吊車本体部20を取り外す工程(図5)と、を備える。
上側枝状突出部64を窓部36に差し込んで窓部36の枠36fに掛ける工程において、枠36fに掛けたキャップ部60rの上側枝状突出部64(先端爪64t)を上方に移動させることで位置決め凸部46に対するブロック状凹部26の噛み合わせを解消する。キャップ部60rに対する指から加わる外力を模式的に指形状で示す(図5も同様。実施の形態2においては、指形状は省略)。
上側枝状突出部64は、先端爪64tを有するので容易に枠36fに上側枝状突出部64を掛けることができる。上側枝状突出部64は、先端爪64tを掛けた状態で枠36fを引き出せるので安定した引き出しができる。
吊車走行装置1Rに係る車本体部取り外し方法は、吊車走行装置1Rが備えるキャップ部60rを適用して吊車本体部20を取り外せるので、建具80に設置した後の吊車本体部20に対するメンテナンス作業が容易に、かつ効率的になる。
【0022】
吊車走行装置1Rにおいて、上側枝状突出部64(図1図2図4図5)は、キャップ部60r(図2図5)を前端部38から離して上下反転し、窓部36に差し込んだとき、衝立部28の裏側へ突き出て窓部36の枠36fに掛かる長さと先端爪64tを備える。
吊車走行装置1Rにおいて、外したキャップ部60rを上下反転した状態で上側枝状突出部64を窓部36に差し込んだとき、上側枝状突出部64は、衝立部28の裏で窓部36の枠36fに掛かる長さと先端爪64tを備えるので、吊車本体部20を装着ベース部40から取り外すとき、窓部36の枠36fに掛けた上側枝状突出部64(先端爪64t)に引き出す方向での外力を加えることにより、上下反転したキャップ部60rは、そのまま吊車本体部20の引き出し治具として機能する。
したがって、吊車走行装置1Rは、他の外部の治具を適用せずに容易に吊車本体部20を建具80から取り外しやすい。
なお、先端爪64tは、鋸歯状溝24との整合性があるもの、窓部36の枠36fに掛かるものを適用すれば良い。
【0023】
図6は、実施の形態1に係る吊車走行装置1Rが備えるキャップ部60rの変形例(キャップ部60rが有する上側枝状突出部64の変形例としての上側枝状突出部64r)を側面から見た状態で拡大して示す拡大側面図である。
キャップ部60rにおいて、上側枝状突出部64r(図6実施の形態1の変形例)は、上側枝状突出部64(図1図2図4図5の実施の形態1)より長い形状を有する。また、上側枝状突出部64rは、上側枝状突出部64と同様、先端爪64tを備える。また、上側枝状突出部64rは、表板部62の根元に強度向上用のリブ65を備える。
上側枝状突出部64rは、通常の上側枝状突出部64より長さが長いことから、上側枝状突出部64に比べて枠36fへ掛けやすい。また、根元に表板部62との結合を強固にするリブ65を備えるので、更に安定した取り外し治具となりやすい。リブ65は、上側枝状突出部64rの根元に位置して略三角形の補強部材となる。なお、キャップ部60rにおける下側枝状突出部66は、枠36fへ掛ける必要はないので、枠36fへ掛けるための長さは不要である。
【0024】
[実施の形態2]図1図7図9
図1図7ないし図9を参照して、本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法について説明する。
実施の形態2に係る吊車走行装置1Sは、実施の形態1における吊車走行装置1Rが備えるキャップ部60rに対して、キャップ部60sを備える点が異なる。実施の形態1に係る吊車走行装置1Rと同様の部分は同一の符号を付して適宜説明を省略する。また、図1に記載の内容を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置1(吊車走行装置1S)における組み立て前の分解状態を斜め上方から見て示す分解斜視図である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置1Sがレール85に装着された状態を側面から透視して模式的に示す透視模式図である。なお、衝立部28については、部分断面を示す(図9において同様である)。
図8は、本発明の実施の形態2に係る吊車走行装置1Sのキャップ部60sを側面から見た状態で拡大して示す拡大側面図である。
【0025】
吊車走行装置1Sは、水平に位置するレール85に沿って建具80を走行させる吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結して建具80に固定される箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60s(キャップ部60)と、を備える。
装着ベース部40は、底側から上向きに突き出て吊車本体部20の位置を確定する位置決め凸部46を備える。
吊車本体部20は、上端に位置してキャップ部60sと噛み合う鋸歯状溝24(図7では省略)と、垂直方向中央の下方に位置して位置決め凸部46を表側から奥側へかけて覆うブロック状凹部26と、ブロック状凹部26の表側でキャップ部60sに向き合う衝立部28と、ブロック状凹部26から奥側へ伸びた腕状部30と、腕状部30を介して衝立部28を振り子的に回転させる回転軸32と、腕状部30にU字型の一端が固定されU字型の他端を箱状体22の側へ押し付けるU字型板バネ部34と、衝立部28の上端に枠36fを有する窓部36と、を備える。
【0026】
装着ベース部40は、底側のベース底部44から上向きに突き出て吊車本体部20の位置を確定する位置決め凸部46を備える。
本実施の形態では、キャップ部60は、キャップ部60sとして示すことがある。キャップ部60sは、実施の形態1におけるキャップ部60r(図2図5)との違いを示す。特に区別する必要がないときは、単にキャップ部60とすることがある。
キャップ部60sは、前端部38を覆う表板部62と、表板部62の内側で、上端から鋸歯状溝24の側へ伸びて鋸歯状溝24と噛み合う上側枝状突出部64と、縦方向中央の下方から衝立部28の側へ伸びて衝立部28を下方へ押し付ける下側枝状突出部66sと、を備える。
位置決め凸部46とブロック状凹部26が位置決めされて装着ベース部40に吊車本体部20が結合した後、キャップ部60sは、鋸歯状溝24に上側枝状突出部64を噛み合わせ、衝立部28の頂面に下側枝状突出部66sを噛み合わせて前端部38を覆う。これにより、吊車走行装置1は、安定して建具80を走行させる。
また、吊車本体部20が装着ベース部40から分離するとき、キャップ部60sは、前端部38から離されて吊車本体部20を装着ベース部40から分離する分離治具として機能する(図9における吊車走行装置1Sのキャップ部60s参照)。
【0027】
本実施の形態に係る吊車走行装置1Sにおいては、キャップ部60sの下側枝状突出部66sは、キャップ部60sを前端部38から離して、窓部36に差し込んだとき、衝立部28の裏側へ突き出て窓部36の枠36fに掛かる長さと先端爪66tを備える。
吊車走行装置1Sは、吊車本体部20を装着ベース部40から取り出すとき、外したキャップ部60sを適用し、下側枝状突出部66sを衝立部28の裏で窓の枠36fに掛かる長さと先端爪66tを備えるので、キャップ部60sをそのまま吊車本体部20の引き出し治具として利用できる。
したがって、吊車走行装置1Sは、他の外部の治具を適用せずに容易に吊車本体部20を建具80から取り出しやすい。なお、下側枝状突出部66sにおける先端爪66tは、窓部36の枠36fに掛かる状態であれば良い。
下側枝状突出部66s(実施の形態2)は、下側枝状突出部66(実施の形態1)より長い。なお、キャップ部60sにおける上側枝状突出部64はキャップ部60rの上側枝状突出部64と同等であれば良い。
【0028】
次に、図9を参照して本実施の形態に係る吊車本体部取り外し方法について説明する。
図9は、図8に示した吊車走行装置のキャップ部が分離治具として機能する状態を吊車本体部取り外し方法として透視模式的に示す模式工程図である。
吊車走行装置1Sは、建具80に装着された吊車本体部20を建具80から取り外して整備保守できる。その際、外部のツールを用いずに、キャップ部60sを適用して吊車本体部20を建具80から取り外す。
すなわち、本実施の形態に係る吊車本体部取り外し方法は、水平に位置するレール85に沿って建具80を走行させる吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結して建具80に固定される箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60sと、を備える吊車走行装置1Sにおいて、建具80に嵌め込んだ吊車本体部20を取り外す方法に係る。
【0029】
吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置1Sにおいて、キャップ部60sを吊車本体部20から外す工程と、外したキャップ部60sの下側枝状突出部66s(先端爪66t)を窓部36に差し込んで窓部36の枠36fに掛ける工程と、下側枝状突出部66sに引き出し外力を加えて吊車本体部20を取り外す工程と、を備える。
吊車走行装置1Sに係る吊車本体部取り外し方法は、吊車走行装置1Sが備えるキャップ部60sを適用して吊車本体部20を取り外せるので、建具80に設置した後の吊車本体部20に対する作業が容易に、かつ効率的になる。
なお、図9の工程は、外した吊車本体部20の下側枝状突出部66s(先端爪66t)を窓部36に差し込んで窓部36の枠36fに掛ける工程の後、ブロック状凹部26を位置決め凸部46から解放した状態にした工程を示す。
このとき、指から加わる外力が作用することは実施の形態1に記載したとおりである。本実施の形態では図面の見やすさを考慮して指形状は省略する。なお、上側枝状突出部64は、鋸歯状溝24(不図示)に掛けた状態とすれば、外力は更に効果的に作用する。
吊車走行装置1Sにおいては、キャップ部60sの上下関係および前後関係は維持したままで、前端部38に向き合う下側枝状突出部66s(先端爪66t)を窓部36(枠36f)に掛ける。


【0030】
本実施の形態に係る建具80は、水平に位置するレール85に沿って走行する吊車12を有する吊車部10と、吊車部10に連結した箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を位置決めして固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60sと、を備える吊車走行装置1Sを走行方向の前端に装着している(図7)。
建具80に装着される吊車走行装置1Sは、本発明のいずれかに係る吊車走行装置1Sである。本発明に係る建具80は、吊車走行装置1の取り外しが容易かつ効率的に行えるので、メンテナンス性の良い建具となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、吊車走行装置が備えるキャップ部を利用して吊車本体部の取り出しをするので、メンテナンス性に優れた吊車走行装置、建具、および吊車本体部取り外し方法として有効に利用できる。
【符号の説明】
【0032】
1、1R、1S 吊車走行装置
10 吊車部
12 吊車
14 保持部
20 吊車本体部
22 箱状体
24 鋸歯状溝
26 ブロック状凹部
26s 傾斜部
28 衝立部
30 腕状部
32 回転軸
34 U字型板バネ部
36 窓部
36f 枠
38 前端部
40 装着ベース部
42 建具奥側部
44 ベース底部
46 位置決め凸部
60、60r、60s キャップ部
62 表板部
64、64r 上側枝状突出部
64t 先端爪
65 リブ
66、66s 下側枝状突出部
66t 先端爪
80 建具
85 レール
F1、F2 矢印
【要約】
【課題】分離治具として機能する吊車走行装置、吊車本体部の取り外しが容易な建具、吊車走行装置を適用して吊車本体部を取り外す吊車本体部取り外し方法を提供する。
【解決手段】吊車走行装置1は、レールに沿って建具を走行させる吊車部10と、建具に固定される箱状体22を有する吊車本体部20と、吊車本体部20を固定する装着ベース部40と、吊車本体部20の前端部38を覆うキャップ部60と、を備える。吊車本体部20は、上端でキャップ部60と噛み合う鋸歯状溝24と、垂直方向中央の下方で位置決め凸部46を覆うブロック状凹部26と、ブロック状凹部26の表側でキャップ部60に向き合う衝立部28と、ブロック状凹部26から伸びた腕状部30と、衝立部28を振り子的に回転させる回転軸32と、腕状部30に一端が固定され他端を箱状体22の側へ押し付けるU字型板バネ部34と、衝立部28の上端に枠36fを有する窓部36と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9