(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】サーバ、真贋判定システム、及びデータ構造
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023006791
(22)【出願日】2023-01-19
(62)【分割の表示】P 2020093434の分割
【原出願日】2018-11-16
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】518409896
【氏名又は名称】株式会社シティーデジタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉野 寛樹
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特許第6808158(JP,B2)
【文献】特開2016-184389(JP,A)
【文献】特開2006-119763(JP,A)
【文献】特開2003-016308(JP,A)
【文献】特開2018-173692(JP,A)
【文献】特開2003-087839(JP,A)
【文献】特開2007-018461(JP,A)
【文献】国際公開第2009/118800(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0269570(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109087005(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと複数の鑑定ユーザ端末と出品ユーザ端末と購入ユーザ端末とを備える真贋判定システムであって、
前記サーバは、
取引対象の物品を表す物品情報を、複数の前記鑑定ユーザ端末へ送信するサーバ通信部と、
前記物品情報に対応する前記物品の真贋を判定するサーバ制御部と、を備え、
複数の前記鑑定ユーザ端末の各々は、
前記サーバから送信された前記物品情報を受信する鑑定ユーザ通信部と、
前記鑑定ユーザ通信部によって受信された前記物品情報を表示部に表示させるように制御し、前記表示部に表示された前記物品情報に対応する前記物品の鑑定結果を表す鑑定情報を取得する鑑定ユーザ制御部と、を備え、
複数の前記鑑定ユーザ端末の各々の前記鑑定ユーザ通信部は、前記鑑定ユーザ制御部により取得された前記鑑定情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバ通信部は、複数の前記鑑定ユーザ端末の各々から送信された前記鑑定情報を受信し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ通信部によって受信された、複数の前記鑑定情報に基づいて、前記物品の真贋を判定し、
前記物品の取引履歴に関する情報を表す流通情報、前記出品ユーザ端末を操作する出品ユーザに関する情報を表す出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ端末を操作する鑑定ユーザに関する情報を表す鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ端末を操作する購入ユーザに関する情報を表す購入ユーザ情報の少なくとも1つを表す情報が、ブロックチェーンに格納され、
前記サーバ制御部は、前記流通情報、前記出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ情報の少なくとも1つの情報を前記ブロックチェーンから取得し、
複数の前記鑑定情報と、前記ブロックチェーンから取得された前記情報とに基づいて、前記物品の真贋を判定する、
真贋判定システム。
【請求項2】
前記鑑定情報は、前記物品が真正品であるか否かを表す情報であり、
前記サーバ制御部は、前記物品情報から前記鑑定情報を出力するように予め学習された学習済みモデルによって生成された前記鑑定情報を含む、複数の前記鑑定情報の多数決に基づいて、前記物品の真贋を判定する、
請求項1に記載の真贋判定システム。
【請求項3】
前記鑑定情報は、前記物品が真正品であるか否かを表す情報であり、
前記サーバ制御部は、前記物品情報から前記鑑定情報を出力するように予め学習された学習済みモデルによって生成された前記鑑定情報を含む、複数の前記鑑定情報のうちの、前記物品が真正品であることを表す情報が所定割合以上である場合に、前記物品は真正品であると判定する、
請求項1に記載の真贋判定システム。
【請求項4】
前記物品情報は、前記物品が写った画像情報、前記物品が写った動画情報、前記物品の3次元モデルを表す3次元物品情報、前記物品を購入した際に得られる情報を表す購入実績情報の少なくとも1つの情報である、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の真贋判定システム。
【請求項5】
前記サーバ制御部は、前記出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ情報の少なくとも1つから、前記出品ユーザ、前記鑑定ユーザ、及び前記購入ユーザの少なくとも1人のユーザに対するスコアを表すスコア情報を取得し、複数の前記鑑定情報と前記スコア情報とに基づいて、前記物品の真贋を判定する、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の真贋判定システム。
【請求項6】
前記サーバ制御部は、複数の前記鑑定情報と、前記ユーザの前記スコア情報とに基づいて、複数の前記鑑定情報に対して前記スコア情報に応じた重み付けを行い、重み付けがされた複数の前記鑑定情報に基づいて、前記物品の真贋を判定する、
請求項5に記載の真贋判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、真贋判定システム、及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の真贋判定及び価値評価を行う物品判定システムが知られている(例えば、特許文献1)。この物品判定システムは、物品、物品のグループ、物品のブランド、物品のカテゴリの少なくとも1つを含む物品の種類を特定し、その物品の特徴情報を取得する。そして、物品判定システムは、正規品の特徴情報、偽造品の特徴情報、状態ごとの価値情報、相場情報等に基づいて、物品の真贋判定及び価値評価を行う。
【0003】
また、オークション価格を決定するオークション価格決定方法が知られている(例えば、特許文献2)。このオークション価格決定方法は、出品候補物件を登録する一般会員と、出品候補物件の正当な相場価格を評価する専門家会員とを有するインターネットオークションシステムによって実現される。
【0004】
また、通信ネットワークを利用した会員参加型ポイント譲渡システムが知られている(例えば、特許文献3)。この会員参加型ポイント譲渡システムは、作品出品側会員の通信端末及び評価側会員の通信端末から通信ネットワークを介して会員登録し、前記作品出品側会員が自己の作品を出品し、この出品された作品を前記評価側会員が良質なものと評価した場合自己が有するポイントから任意のポイントを前記作品出品側会員へ譲渡する。
【0005】
また、電子商取引における電子チケットの販売方法を適用した電子チケットシステムが知られている(例えば、特許文献4)。この電子チケットシステムは、インターネットを介して提供するコンテンツやサービスの料金を、電子有価証券で支払い、電子有価証券の料金は携帯電話の料金と一緒に徴収する。また、電子チケットサーバは、依頼された電子チケットの正当性を検定し、結果を販売者コンピュータに通知する。電子有価証券の真贋判定に、販売物である有価証券である電子チケットのコードに対応する販売履歴情報を利用して判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特再公表2009-44826号公報
【文献】特開2004-199396号公報
【文献】特開2002-109430号公報
【文献】特開2005-44325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1~4では、何らかの対象が評価される。何らかの対象を評価する際には、複数のユーザによって評価が行われた方が好ましい場合がある。
【0008】
例えば、不特定多数のユーザ間において物品を取引するコミュニティが形成されている場合、特定の管理者のみによって物品の真贋判定に関する鑑定が行われると、その鑑定はどのように行われているのかが不透明なものとなる。
【0009】
また、その管理者による鑑定が適切でない場合には、取引対象の物品の真贋が疑わしくなり、物品の取引を円滑に行うことが出来なくなる、という課題がある。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、物品の真贋判定を適切に行うことができるサーバ、真贋判定システム、及びデータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために本発明に係る真贋判定システムはサーバと複数の鑑定ユーザ端末とを備える真贋判定システムであって、前記サーバは、取引対象の物品を表す物品情報を、複数の前記鑑定ユーザ端末へ送信するサーバ通信部と、前記物品情報に対応する前記物品の真贋を判定するサーバ制御部と、を備え、複数の前記鑑定ユーザ端末の各々は、前記サーバから送信された前記物品情報を受信する鑑定ユーザ通信部と、前記鑑定ユーザ通信部によって受信された前記物品情報を表示部に表示させるように制御し、前記表示部に表示された前記物品情報に対応する前記物品の鑑定結果を表す鑑定情報を取得する鑑定ユーザ制御部と、を備え、複数の前記鑑定ユーザ端末の各々の前記鑑定ユーザ通信部は、前記鑑定ユーザ制御部により取得された前記鑑定情報を前記サーバへ送信し、前記サーバ通信部は、複数の前記鑑定ユーザ端末の各々から送信された前記鑑定情報を受信し、前記サーバ制御部は、前記サーバ通信部によって受信された、複数の前記鑑定情報に基づいて、前記物品の真贋を判定する、真贋判定システムである。
【0012】
前記物品情報は、前記物品が写った画像情報、前記物品が写った動画情報、前記物品の3次元モデルを表す3次元物品情報、前記物品を購入した際に得られる情報を表す購入実績情報の少なくとも1つの情報であるようにすることができる。
【0013】
本発明に係る真贋判定システムは、出品ユーザ端末及び購入ユーザ端末を更に含み、前記物品の取引履歴に関する情報を表す流通情報、前記出品ユーザ端末を操作する出品ユーザに関する情報を表す出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ端末を操作する鑑定ユーザに関する情報を表す鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ端末を操作する購入ユーザに関する情報を表す購入ユーザ情報の少なくとも1つを表す情報が、ブロックチェーンに格納され、前記サーバ制御部は、前記流通情報、前記出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ情報の少なくとも1つの情報を前記ブロックチェーンから取得し、複数の前記鑑定情報と、前記ブロックチェーンから取得された前記情報とに基づいて、前記物品の真贋を判定するようにすることができる。
【0014】
本発明に係る真贋判定システムの前記サーバ制御部は、前記出品ユーザ情報、前記鑑定ユーザ情報、及び前記購入ユーザ情報の少なくとも1つから、前記出品ユーザ、前記鑑定ユーザ、及び前記購入ユーザの少なくとも1人のユーザに対するスコアを表すスコア情報を取得し、複数の前記鑑定情報と前記スコア情報とに基づいて、前記物品の真贋を判定するようにすることができる。
【0015】
本発明に係る真贋判定システムの前記サーバ制御部は、複数の前記鑑定情報と、前記ユーザの前記スコア情報とに基づいて、複数の前記鑑定情報に対して前記スコア情報に応じた重み付けを行い、重み付けがされた複数の前記鑑定情報に基づいて、前記物品の真贋を判定するようにすることができる。
【0016】
また、本発明のデータ構造は、取引対象の物品の取引履歴に関する情報を表す流通情報、出品ユーザ端末を操作する出品ユーザに関する情報を表す出品ユーザ情報、鑑定ユーザ端末を操作する鑑定ユーザに関する情報を表す鑑定ユーザ情報、及び購入ユーザ端末を操作する購入ユーザに関する情報を表す購入ユーザ情報の少なくとも1つを表す情報が格納されたブロックの系列を表すブロックチェーンのデータ構造であって、取引対象の前記物品の真贋の判定を行うサーバによって、複数の前記鑑定ユーザ端末の各々から送信された前記物品の鑑定結果を表す鑑定情報と、前記ブロックチェーンの前記ブロックに格納された情報とに基づき、前記物品の真贋を判定する際の処理に用いられる、データ構造である。
【0017】
本発明に係るサーバは、複数の鑑定ユーザ端末の各々から送信された、取引対象の物品の鑑定結果を表す鑑定情報を受信するサーバ通信部と、前記サーバ通信部によって受信された、複数の前記鑑定情報に基づいて、前記物品の真贋を判定するサーバ制御部と、を備える。
【0018】
前記鑑定情報は、前記物品が真正品であるか否かを表す情報であり、前記サーバ制御部は、複数の前記鑑定情報の多数決に基づいて、前記物品の真贋を判定するようにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、物品の真贋判定を適切に行うことができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態の真贋判定システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の真贋判定システムに参加するユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の真贋判定システムの詳細な構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態のブロックチェーンを説明するための説明図である。
【
図5】真贋判定システムの各装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
【
図6】本実施形態の真贋判定システムによって実行される処理を説明するための説明図である。
【
図7】出品ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】鑑定ユーザによる鑑定を説明するための説明図である。
【
図9】鑑定ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0022】
<真贋判定システムのシステム構成>
【0023】
図1は、本実施形態の真贋判定システム1を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態の真贋判定システム1は、購入ユーザ端末2と、出品ユーザ端末3と、サーバ4と、複数の鑑定ユーザ端末5と、共用サーバ6とを備える。購入ユーザ端末2と、出品ユーザ端末3と、サーバ4と、複数の鑑定ユーザ端末5と、共用サーバ6とは、例えばインターネット等のネットワーク7によって接続されている。
【0024】
本実施形態の真贋判定システム1においては、物品の一例であるスニーカーの取引が行われる。真贋判定システム1は、ユーザ間でスニーカーの取引が行われる際に、取引対象のスニーカーが真正品であるか否かを判定する。
【0025】
具体的には、取引対象のスニーカーに関する情報が、真贋判定システム1に参加する各ユーザ端末(図示省略)へ表示される。各ユーザ端末の表示画面には、例えば、
図2に示されるような画面が表示される。
【0026】
ユーザ端末を操作するユーザが、ユーザ端末の表示画面に表示されたスニーカーを保持しており、そのスニーカーを出品する場合には、「SELL」ボタンを押下する。なお、このときには、スニーカーの「売値」も併せて設定可能なようにしてもよい。「SELL」ボタンが押下されたユーザ端末は、出品ユーザ端末3として設定される。
【0027】
また、ユーザ端末を操作するユーザは、ユーザ端末に表示されたスニーカーを購入する場合には、「BUY」ボタンを押下する。なお、このときには、スニーカーの「買値」も併せて設定可能なようにしてもよい。「BUY」ボタンが押下されたユーザ端末は、購入ユーザ端末2として設定される。
【0028】
出品ユーザ端末3を操作するユーザ(以下「出品ユーザ」と称する。)と、購入ユーザ端末2を操作するユーザ(以下「購入ユーザ」と称する。)との間で、スニーカーの取引が成立したとする。この場合、出品ユーザは、購入ユーザ又は真贋判定システム1を管理する管理者へ、取引対象のスニーカーを発送する。
【0029】
しかし、この場合、取引対象のスニーカーが購入ユーザへ届く前に、当該スニーカーが真正品であるか否かを確認する必要がある。
【0030】
そこで、本実施形態の真贋判定システム1は、出品ユーザによって出品されたスニーカーが購入ユーザへ届く前に、当該スニーカーが真正品であるか否かを確認する。本実施形態では、複数の鑑定ユーザ端末5によって、取引対象のスニーカーが真正品であるか否かが鑑定される。そして、真贋判定システム1のサーバ4は、複数の鑑定ユーザ端末5による鑑定結果を取得し、それらの鑑定結果に基づいて、取引対象のスニーカーの真贋を判定する。
【0031】
以下、本実施形態について具体的に説明する。
図3は、本実施形態の真贋判定システム1の詳細な構成例を示す図である。
【0032】
[購入ユーザ端末]
【0033】
購入ユーザ端末2は、取引対象のスニーカーを購入する予定のユーザである購入ユーザによって操作される。
図3に示されるように、購入ユーザ端末2は、購入ユーザ操作部20と、購入ユーザ処理部22と、購入ユーザ表示部24とを含む。購入ユーザ処理部22は、購入ユーザ制御部26と、購入ユーザ通信部28とを含む。
【0034】
購入ユーザ操作部20は、購入ユーザからの操作情報を受け付ける。購入ユーザ操作部20は、例えば、タッチパネル、マウス、及びキーボード等によって実現される。
【0035】
購入ユーザ制御部26は、購入ユーザ端末2を制御する。例えば、購入ユーザ制御部26は、購入ユーザ操作部20により受け付けた操作情報に基づいて、購入ユーザ端末2を制御する。
【0036】
購入ユーザ通信部28は、購入ユーザ制御部26による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。購入ユーザ表示部24は、購入ユーザ制御部26の制御に応じて画面を表示する。
【0037】
[出品ユーザ端末]
【0038】
出品ユーザ端末3は、取引対象のスニーカーを出品する予定のユーザである出品ユーザによって操作される。
図3に示されるように、出品ユーザ端末3は、出品ユーザ操作部30と、出品ユーザ処理部32と、出品ユーザ表示部34とを含む。出品ユーザ処理部32は、出品ユーザ制御部36と、出品ユーザ通信部38とを含む。
【0039】
出品ユーザ操作部30は、出品ユーザからの操作情報を受け付ける。出品ユーザ操作部30は、例えば、タッチパネル、マウス、及びキーボード等によって実現される。
【0040】
出品ユーザ制御部36は、出品ユーザ端末3を制御する。例えば、出品ユーザ制御部36は、出品ユーザ操作部30により受け付けた操作情報に基づいて、出品ユーザ端末3を制御する。
【0041】
出品ユーザ通信部38は、出品ユーザ制御部36による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。出品ユーザ表示部34は、出品ユーザ制御部36の制御に応じて画面を表示する。
【0042】
[鑑定ユーザ端末]
【0043】
鑑定ユーザ端末5は、取引対象のスニーカーを鑑定するユーザである鑑定ユーザによって操作される。
図3に示されるように、鑑定ユーザ端末5は、鑑定ユーザ操作部50と、鑑定ユーザ処理部52と、鑑定ユーザ表示部54とを含む。鑑定ユーザ処理部52は、鑑定ユーザ制御部56と、鑑定ユーザ通信部58とを含む。
【0044】
鑑定ユーザ操作部50は、鑑定ユーザからの操作情報を受け付ける。鑑定ユーザ操作部50は、例えば、タッチパネル、マウス、及びキーボード等によって実現される。
【0045】
鑑定ユーザ制御部56は、鑑定ユーザ端末5を制御する。例えば、鑑定ユーザ制御部56は、鑑定ユーザ操作部50により受け付けた操作情報に基づいて、鑑定ユーザ端末5を制御する。
【0046】
鑑定ユーザ通信部58は、鑑定ユーザ制御部56による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。鑑定ユーザ表示部54は、鑑定ユーザ制御部56の制御に応じて画面を表示する。
【0047】
[サーバ]
【0048】
図3に示されるように、サーバ4は、サーバ制御部40と、サーバ通信部42と、物品情報記憶部44と、真正物品情報記憶部46とを備えている。
【0049】
サーバ制御部40は、サーバ4を制御する。また、サーバ通信部42は、サーバ制御部40による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。
【0050】
物品情報記憶部44には、取引対象のスニーカーに関する情報である物品情報が格納される。また、真正物品情報記憶部46には、複数の取引対象のスニーカーの各々について、当該スニーカーの真正品に関する情報である真正物品情報が格納される。物品情報と真正物品情報については後述する。
【0051】
[共用サーバ]
【0052】
図3に示されるように、共用サーバ6は、共用サーバ制御部60と、共用サーバ通信部62と、ブロックチェーン情報記憶部64とを備えている。
【0053】
共用サーバ制御部60は、共用サーバ6を制御する。共用サーバ通信部62は、共用サーバ制御部60による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。
【0054】
ブロックチェーン情報記憶部64には、ブロックチェーン(例えば、参考文献(Satoshi Nakamoto,"Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System")を参照)が格納されている。本実施形態のブロックチェーンの各ブロックには、出品ユーザに関する情報を表す出品ユーザ情報、鑑定ユーザに関する情報を表す鑑定ユーザ情報、及び購入ユーザに関する情報を表す購入ユーザ情報、及び取引対象のスニーカーの取引履歴に関する情報を表す流通情報が格納されている。これらの情報が格納されたブロックの系列が、本実施形態のブロックチェーンである。真贋判定システム1を利用する各ユーザは、ブロックチェーンに格納された情報を閲覧することができる。
【0055】
図4に、本実施形態のブロックチェーンを説明するための説明図を示す。
図4に示されるように、ブロックチェーンには、タイムスタンプ、前のブロックのハッシュ値、及びトランザクション情報が格納される。なお、トランザクション情報には、出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、購入ユーザ情報、及び流通情報が格納される。
【0056】
図4に示されるように、出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び購入ユーザ情報には、当該ユーザが操作する端末を識別するための端末ID、当該ユーザのスコア情報、及び当該ユーザの履歴情報が含まれている。
【0057】
ユーザのスコア情報は、ユーザに関するスコアを表す情報であり、真贋判定システム1上でのユーザの行動に応じて算出される。例えば、スコア情報は、ユーザの信用度を表す情報として用いられる。
【0058】
例えば、出品ユーザのスコア情報は、スニーカーの出品の実績に関する情報(例えば、出品した回数等)、真正品であるスニーカーを出品した割合に関する情報、真正品であるスニーカーを出品した回数に関する情報、スニーカーを販売した額の総額に関する情報、及びスニーカーの出荷を遅滞なく行ったか否かに関する情報等に基づき算出される。
【0059】
また、例えば、鑑定ユーザのスコア情報は、スニーカーの鑑定の実績に関する情報、鑑定の正解率に関する情報、他の鑑定ユーザと同様の鑑定結果を下した割合に関する情報、及び鑑定を行った回数に関する情報等に基づき算出される。
【0060】
また、例えば、購入ユーザのスコア情報は、スニーカーを落札して購入した実績に関する情報、落札した回数に関する情報、落札した額の総額に関する情報、落札した額の平均額に関する情報、落札に対して入金を問題なく行ったか否かに関する情報等に基づき算出される。
【0061】
また、例えば、ユーザの履歴情報には、真贋判定システム1が提供するスニーカーの取引サービスにログインした回数に関する情報、スニーカーの取引サービスに滞在した時間に関する情報、及びスニーカーの取引サービスに参加した時期に関する情報等が含まれている。
【0062】
また、
図4に示されるように、流通情報には、スニーカーの商品としての情報を表す商品情報(例えば、スニーカーの種類を表すモデル名及びスニーカーの商品としての金額等)と、スニーカーの真贋に関する過去の鑑定結果を表す鑑定履歴情報とが含まれている。
【0063】
また、
図4に示されるように、流通情報には、スニーカーの取引を行ったユーザを表す取引者情報が含まれている。取引者情報には、取引されたスニーカーが、いつ、どのユーザ(ユーザに関する情報及び当該ユーザの住所情報等)から、どのユーザ(ユーザに関する情報及び当該ユーザの住所情報等)へ取引されたかに関する情報が記録されている。
【0064】
本実施形態では、出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、購入ユーザ情報、及び流通情報と、複数の鑑定ユーザによるスニーカーの鑑定情報とに基づいて、取引対象のスニーカーの真贋を判定する。出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、購入ユーザ情報、及び流通情報の利用方法の詳細については、後述する。
【0065】
真贋判定システム1の購入ユーザ端末2、出品ユーザ端末3、鑑定ユーザ端末5、サーバ4、及び共用サーバ6は、例えば、
図5に示すコンピュータ70で実現することができる。コンピュータ70はCPU71、一時記憶領域としてのメモリ72、及び不揮発性の記憶部73を備える。また、コンピュータ70は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)74、及び記録媒体に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部75を備える。また、コンピュータ70は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F76を備える。CPU71、メモリ72、記憶部73、入出力I/F74、R/W部75、及びネットワークI/F76は、バス77を介して互いに接続される。
【0066】
記憶部73は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部73には、コンピュータ70を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU71は、プログラムを記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0067】
<真贋判定システム1の作用>
【0068】
次に、本実施の形態の真贋判定システム1の作用について説明する。取引対象のスニーカーに関する情報が、真贋判定システム1に参加する各ユーザ端末(図示省略)へ表示され、あるユーザ端末が出品ユーザ端末3となり、あるユーザ端末が購入ユーザ端末2となる。
【0069】
そして、出品ユーザは出品ユーザ端末3を操作して、出品ユーザ端末3が備えるカメラ(図示省略)を動作させ、スニーカーが写った画像情報、スニーカーが写った動画情報、スニーカーの3次元モデルを表す3次元物品情報、スニーカーを購入した際に得られる情報を表す購入実績情報を取得する。なお、画像情報及び動画情報には、スニーカーが梱包されていた箱の画像情報及び動画情報が更に含まれていても良い。
【0070】
なお、スニーカーの3次元モデルを表す3次元物品情報は、周知の技術によって生成される(例えば、"3D Scanner Pro", [平成30年9月25日検索], インターネット<URL:https://shiropen.com/seamless/3d-scanner-pro>を参照)。例えば、スニーカーが写った画像情報に基づき、スニーカーの3次元モデルを表す3次元物品情報が生成される。
【0071】
また、スニーカーを購入した際に得られる情報を表す購入実績情報には、スニーカーを購入した際の証拠書類(例えば、レシート、領収書、及び納品書等)に関する情報、スニーカーを購入した際の金額に関する情報、スニーカーを購入した店舗に関する情報、スニーカーに関する付帯情報(例えば、タグの有無、スニーカーが梱包されていた箱の有無、及びスニーカーの重さ等)等が含まれる。
【0072】
なお、出品ユーザが、Webサービスを介してスニーカーを購入した場合には、スニーカーを購入したWeb又はアプリに関する情報が、スニーカーを購入した店舗に関する情報となる。
【0073】
そして、真贋判定システム1の購入ユーザ端末2、出品ユーザ端末3、鑑定ユーザ端末5、サーバ4、及び共用サーバ6は、
図6に示す処理に対応する各プログラムを実行する。
図6を参照して、複数の鑑定ユーザ端末5による鑑定処理について説明する。
【0074】
ステップS100において、出品ユーザ端末3の出品ユーザ制御部36は、出品ユーザ操作部30により受け付けた操作情報に基づいて、取引対象のスニーカーの物品情報(スニーカーが写った画像情報、スニーカーが写った動画情報、スニーカーの3次元物品情報、及びスニーカーの購入実績情報等)をサーバ4へ送信するように、出品ユーザ通信部38を制御する。ステップS100において、出品ユーザ通信部38は、取引対象のスニーカーの物品情報をサーバ4へ送信する。
【0075】
ステップS102において、サーバ4のサーバ通信部42は、上記ステップS100で出品ユーザ端末3から送信された、取引対象のスニーカーの物品情報を受信する。そして、サーバ4のサーバ制御部40は、サーバ通信部42により取得された物品情報を、物品情報記憶部44に一旦格納する。
【0076】
ステップS104において、サーバ4のサーバ制御部40は、上記ステップS102で物品情報記憶部44に格納された鑑定対象の物品情報に対応する真正物品情報を、真正物品情報記憶部46から読み出す。鑑定対象の物品情報が表すスニーカーと真正物品情報が表すスニーカーとは同一種類のスニーカーである。真正物品情報は、物品情報と同種類の情報によって構成されており、真正品のスニーカーが写った画像情報、真正品のスニーカーが写った動画情報、真正品のスニーカーの3次元モデルを表す3次元物品情報、及び真正品のスニーカーを購入した際の購入実績情報が含まれている。そして、サーバ4のサーバ制御部40は、鑑定対象の物品情報と真正物品情報とを、複数の鑑定ユーザ端末5の各々へ送信する。
【0077】
ステップS106において、サーバ4のサーバ制御部40は、取引対象のスニーカーが鑑定中であることを示す鑑定中情報を、出品ユーザ端末3へ送信するように、サーバ通信部42を制御する。サーバ通信部42は、鑑定中情報を出品ユーザ端末3へ送信する。
【0078】
ステップS108において、出品ユーザ端末3の出品ユーザ通信部38は、上記ステップS106でサーバ4から送信された鑑定中情報を受信する。そして、出品ユーザ端末3の出品ユーザ制御部36は、鑑定中情報を出品ユーザ表示部34に表示するように制御する。
【0079】
ステップS108では、例えば、
図7に示されるような鑑定中情報S1が出品ユーザ表示部34に表示される。
【0080】
次に、複数の鑑定ユーザ端末5の各々において、ステップS110~ステップS114の処理が実行される。
【0081】
ステップS110において、鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ通信部58は、上記ステップS104でサーバ4から送信された、取引対象のスニーカーの物品情報及び真正物品情報を受信する。そして、鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ制御部56は、取引対象のスニーカーの物品情報及び真正物品情報を鑑定ユーザ表示部54に表示するように制御する。
【0082】
本実施形態においては、複数の鑑定ユーザによって取引対象のスニーカーの鑑定が行われる。例えば、
図8に示されるように、鑑定ユーザU1,U2の各々の鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ表示部54には、取引対象のスニーカーの物品情報B及び真正物品情報(図示省略)が表示される。これら複数の鑑定ユーザの鑑定により、取引対象のスニーカーについて誰が鑑定を行ったのかが明らかになるため、鑑定の透明性が確保される。これにより、スニーカーの鑑定が適切に行われる。
【0083】
また、複数の鑑定ユーザの鑑定により、サーバ4を管理する管理者の負担が軽減される。更に、後述するブロックチェーンには、出品ユーザ、鑑定ユーザ、及び購入ユーザのスコア情報が格納されるため、それらのスコア情報に基づき鑑定結果を重み付けすることにより、より適切な鑑定結果を得ることができる。
【0084】
ステップS110では、例えば、
図9に示されるような物品情報Bが出品ユーザ表示部34に表示される。
【0085】
図9に示されるように、複数の鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ表示部54に、取引対象のスニーカーに対する鑑定を行うか否かに関する画面K1が表示される。鑑定ユーザが画面K1の「鑑定する」のボタンを押下すると、取引対象のスニーカーの物品情報Bが出品ユーザ表示部34の画面に表示される。鑑定ユーザは、鑑定ユーザ表示部54に表示された取引対象のスニーカーの物品情報Bと、取引対象のスニーカーの真正物品情報(図示省略)とに基づき、当該スニーカーが真正品であるか否かを鑑定する。なお、物品情報B1,B2はスニーカーの画像情報の一例であり、物品情報B3はスニーカーの購入実績情報の一例である。
【0086】
そして、鑑定ユーザ表示部54に
図9の画面K2が表示されると、鑑定ユーザは、最終的な判断に基づき、
図9の画面K2の「本物」又は「偽物」のボタンを押下する。これにより、鑑定ユーザ表示部54に表示された物品情報に対応するスニーカーの鑑定結果を表す鑑定情報が鑑定ユーザ端末5へ入力される。
【0087】
鑑定ユーザにより、取引対象のスニーカーが「本物」であるのか又は「偽物」であるのかを表す鑑定情報が鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ操作部50へ入力されると、ステップS112において、鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ制御部56は、その鑑定情報を取得する。
【0088】
ステップS114において、鑑定ユーザ端末5の鑑定ユーザ制御部56は、上記ステップS112で取得された鑑定情報をサーバ4へ送信する。
【0089】
ステップS115において、サーバ4のサーバ通信部42は、上記ステップS114で複数の鑑定ユーザ端末5から送信された鑑定情報を受信する。そして、サーバ4のサーバ制御部40は、サーバ通信部42により取得された複数の鑑定情報を取得する。
【0090】
ステップS116において、サーバ4のサーバ制御部40は、取引対象のスニーカーについて最終の審査中であることを表す審査中情報を生成し、当該審査中情報を出品ユーザ端末3へ送信するようにサーバ通信部42を制御する。サーバ通信部42は、サーバ制御部40による制御に応じて、審査中情報を出品ユーザ端末3へ送信する。
【0091】
ステップS118において、出品ユーザ端末3の出品ユーザ通信部38は、上記ステップS116でサーバ4から送信された審査中情報を受信する。そして、出品ユーザ端末3の出品ユーザ制御部36は、審査中情報を出品ユーザ表示部34へ表示するように制御する。ステップS118では、例えば、
図7に示されるような審査中情報S2が出品ユーザ表示部34に表示される。
【0092】
ステップS120において、サーバ4のサーバ制御部40は、サーバ通信部42を制御し、共用サーバ6のブロックチェーン情報記憶部64から、各ブロックに格納された、タイムスタンプ、ハッシュ値、及びトランザクション情報を含むブロックチェーン情報を取得する。
【0093】
上記
図4に示されるように、ブロックチェーン情報のうちのトランザクション情報には、これまでの取引における、出品ユーザ情報、購入ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び流通情報が格納されている。そのため、サーバ4のサーバ制御部40は、これらの出品ユーザ情報、購入ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び流通情報と、上記ステップS115で取得された複数の鑑定情報とに基づいて、取引対象のスニーカーの真贋を判定する。
【0094】
ステップS122において、サーバ4のサーバ制御部40は、上記ステップS115で取得された複数の鑑定情報と、上記ステップS120で取得されたブロックチェーン情報のうちのトランザクション情報とに基づいて、取引対象のスニーカーの真贋を判定する。
【0095】
例えば、サーバ4のサーバ制御部40は、上記ステップS115で取得された複数の鑑定情報と、上記ステップS120で取得された出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び購入ユーザ情報のうちのスコア情報とに基づいて、複数の鑑定情報に対してスコア情報に応じた重み付けを行う。そして、サーバ4のサーバ制御部40は、重み付けがされた複数の鑑定情報に基づいて、スニーカーの真贋を判定する。
【0096】
例えば、サーバ4のサーバ制御部40は、ブロックチェーン情報から、複数の鑑定ユーザのスコア情報を取得する。鑑定ユーザのスコア情報は、例えば、前回までの鑑定の正解率に関する情報等が反映されている。そのため、サーバ4のサーバ制御部40は、複数の鑑定ユーザによる鑑定情報に対して、複数の鑑定ユーザのスコア情報に応じた重み付けを行い、重み付けがされた複数の鑑定情報に基づいて、スニーカーの真贋を判定する。
【0097】
具体的には、サーバ制御部40は、鑑定ユーザの鑑定情報を表す1票に対し、鑑定ユーザのスコア情報に応じて重み付けを行う。例えば、ある鑑定ユーザのスコア情報が「0.5」であれば、その鑑定ユーザの1票に対して「0.5」を乗算し、0.5票としてカウントする。そして、サーバ制御部40は、重み付けがなされた複数の鑑定ユーザの鑑定情報に基づき、スニーカーの真贋を判定する。例えば、サーバ制御部40は、重み付けがなされた投票結果が、本物「55.5」であり、偽物「10.5」である場合には、当該スニーカーは本物であると判定する。
【0098】
また、例えば、サーバ4のサーバ制御部40は、ブロックチェーン情報から、出品ユーザのスコア情報を取得する。出品ユーザのスコア情報は、例えば、真正品であるスニーカーを出品した割合に関する情報及び真正品であるスニーカーを出品した回数に関する情報等が反映されている。そのため、サーバ4のサーバ制御部40は、複数の鑑定情報に対して、出品ユーザのスコアに応じた重み付けを行い、重み付けがされた鑑定情報に基づいて、スニーカーの真贋を判定する。例えば、今回の出品ユーザは、前回までの出品において、真正品であるスニーカーを出品した割合が低くスコアが低い場合には、最終的な鑑定結果が「偽物」となる確率が高くなるように重み付けがなされる。
【0099】
また、例えば、サーバ4のサーバ制御部40は、ブロックチェーン情報から、購入ユーザのスコア情報を取得する。購入ユーザのスコア情報は、例えば、落札に対して入金を問題なく行ったか否かに関する情報等が反映されている。そのため、サーバ4のサーバ制御部40は、複数の鑑定情報に対して、購入ユーザのスコア情報に応じた重み付けを行い、重み付けがされた鑑定情報に基づいて、スニーカーの真贋を判定する。例えば、今回の出品ユーザは、前回までの出品においては購入ユーザであり、落札に対する入金に問題がありスコア情報が低い場合には、最終的な鑑定結果が「偽物」となる確率が高くなるように重み付けがなされる。
【0100】
ステップS124において、サーバ4のサーバ制御部40は、上記ステップS122で得られたスニーカーの真贋の判定結果を出品ユーザ端末3へ送信するように、サーバ通信部42を制御する。サーバ通信部42は、取引対象のスニーカーの真贋の判定結果を出品ユーザ端末3へ送信する。
【0101】
ステップS126において、出品ユーザ端末3の出品ユーザ通信部38は、上記ステップS124でサーバ4から送信された、取引対象のスニーカーの真贋に関する判定結果を受信する。そして、出品ユーザ端末3の出品ユーザ制御部36は、判定結果を出品ユーザ表示部34へ表示するように制御する。
【0102】
例えば、
図7のS3及びS4に示されるように、取引対象のスニーカーの真贋に関する判定結果が出品ユーザ表示部34に表示される。S3は、取引対象のスニーカーが本物であることが確認された場合の表示画面である。また、S4は、取引対象のスニーカーについて本物であることが確認できなかった場合の表示画面である。
【0103】
出品ユーザ表示部34にS3の表示画面が表示された場合には、出品ユーザは「出金手続き」のボタンT1を押下するか又は「ポイントとして保持」のボタンT2を押下する。これにより、出品対象のスニーカーが購入ユーザに届いている場合には、取引対象のスニーカーの代金(又は代金に応じたポイント)が出品ユーザのアカウントに振り込まれる。
【0104】
一方、出品ユーザ表示部34にS4の表示画面が表示された場合には、出品ユーザは「終了する」のボタンT3を押下するか又は「寄付する」のボタンT4を押下する。出品ユーザは、「寄付する」のボタンT4を押下した場合には、取引対象のスニーカーを真贋判定システム1の管理者に寄付することとなる。
【0105】
上記ステップS100~上記ステップS126までの処理が終了すると、1つのトランザクションが完了したことになる。このため、ステップS128において、サーバ4のサーバ制御部40は、サーバ通信部42を介して、共用サーバ6のブロックチェーン情報記憶部64に格納されたブロックチェーンに新たなブロックを追加する。
【0106】
サーバ4のサーバ制御部40は、今回のスニーカーの取引における、出品ユーザ情報、購入ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び流通情報を、新たなブロックのトランザクション情報として、ブロックチェーンに新たなブロックを追加する。また、サーバ4のサーバ制御部40は、前のブロックから生成されるハッシュ値とタイムスタンプとを、新たなブロックへ格納する。
【0107】
ステップS130において、共用サーバ6の共用サーバ通信部62は、サーバ4のサーバ通信部42との通信処理を介して、新たなブロックに関する情報を受信する。そして、共用サーバ6の共用サーバ制御部60は、新たなブロックに関する情報に応じて、ブロックチェーン情報記憶部64に格納されたブロックチェーンに新たなブロックを追加する。
【0108】
このように、スニーカーの取引における、出品ユーザ情報、購入ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び流通情報がブロックチェーンに格納されることにより、これらの情報の改竄が実質的に不可能となる。このため、ブロックチェーンに格納された情報の信頼性が高まり、それらの情報を用いてスニーカーの取引が円滑に行われる。
【0109】
なお、共用サーバ6のブロックチェーン情報記憶部64に格納されたブロックチェーンは、サーバ4とは異なる端末からも閲覧可能となっている。例えば、共用サーバ6のブロックチェーン情報記憶部64に格納されたブロックチェーンは、購入ユーザ端末2、出品ユーザ端末3、及び鑑定ユーザ端末5の何れの端末からも閲覧可能である。このため、スニーカーの取引が行われるコミュニティにおいて、各ユーザのスコア情報の閲覧が可能となり、例えば、各ユーザがどの程度信頼できるかといった情報が可視化されるため、スニーカーの取引が円滑に行われる。
【0110】
また、各ユーザのスコア情報が公開されることにより、スニーカーの取引における各ユーザの行動が適正化される。例えば、出品ユーザが偽物のスニーカーを多く出品すると、当該ユーザのスコアは低下するため、偽物のスニーカーが出回るという事態の発生が抑制される。また、鑑定ユーザが鑑定を間違えると当該鑑定ユーザのスコアは低下するため、適切な鑑定が行われる。また、出品が遅れたり又は入金が遅れたりすることにより、ユーザのスコアは低下するため、ユーザ間のスニーカーの取引が円滑に行われるようになる。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態に係る真贋判定システムのサーバは、取引対象のスニーカーを表す物品情報を、複数の鑑定ユーザ端末へ送信する。そして、複数の鑑定ユーザ端末の各々は、サーバから送信された物品情報を受信し、当該物品情報を鑑定ユーザ表示部に表示させるように制御し、当該物品情報に対応するスニーカーの鑑定結果を表す鑑定情報を取得する。そして、複数の鑑定ユーザ端末の各々は、取得された鑑定情報をサーバへ送信する。そして、サーバは、複数の鑑定ユーザ端末の各々から送信された鑑定情報
に基づいて、スニーカーの真贋を判定する。これにより、出品されたスニーカーの真贋判定を適切に行うことができる。
【0112】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0113】
例えば、本実施形態では、物品の一例としてスニーカーが取引される場合を例に説明したがこれに限定されるものではなく、スニーカーとは異なる他の物品を対象としてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、流通情報、出品ユーザ情報、鑑定ユーザ情報、及び購入ユーザ情報を用いた鑑定情報の重み付けの一例を説明したが、これに限定されるものではなく、これらの情報はどのように用いられても良い。
【0115】
また、本実施形態では、複数の鑑定ユーザによる鑑定情報とブロックチェーン情報とに基づいて、複数の鑑定ユーザによる鑑定情報を重み付けして、最終的な鑑定結果を取得する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の鑑定ユーザによる鑑定情報の多数決によって、取引対象のスニーカーの真贋を判定するようにしてもよい。また、複数の鑑定ユーザによる鑑定情報の各々うちの、スニーカーが真正品であることを表す情報が所定割合以上(例えば、95%以上)である場合に、当該スニーカーには真正品であると判定するようにしてもよい。
【0116】
また、本実施形態で用いられるブロックチェーンには各種情報が含まれているが、これらの情報を利用して、スニーカーの取引が適切に行われるようにしてもよい。
【0117】
例えば、取引対象のスニーカーが偽物である場合(例えば、スニーカーが真正品であることを表す情報が95%未満である場合)には、ブロックチェーンの流通情報にその鑑定結果が書き込まれ、当該スニーカーの流通の禁止を表すラベルがブロックチェーンに格納されてもよい。これにより、偽物のスニーカーが流通しなくなり、スニーカーの取引がより適切に行われる。
【0118】
また、例えば、ブロックチェーンのうちの、各ユーザのスコア情報に基づいて、スコアが高いユーザを優遇し、スコアの低いユーザを冷遇するようにしてもよい。例えば、スコアが予め定められた閾値より低いユーザに関しては、真贋判定システム1が提供する取引サービスを利用できないように制限をかけるようにしてもよい。また、例えば、スコアに応じてユーザに対しポイントを付与するようにしてもよい。または、例えば、スコアが高いユーザに対しては、手数料の割引又は取引サービス上で展開される企画への応募が行えるようにしてもよい。これにより、各ユーザの行動が適正化される。
【0119】
また、例えば、取引対象のスニーカーには、スニーカーを識別するための識別素子であるRFID(Radio frequency identifier)が付与されており、そのRFIDからスニーカーを識別するための物品IDが読み取り可能なようにしてもよい。この場合には、所定の読取装置(図示省略)によって物品IDが読み取られ、取引対象のスニーカーの物品IDが、ブロックチェーンの流通情報に格納される。これにより、スニーカーとブロックチェーンに格納された流通情報とが紐付けられ、流通情報はスニーカーのデジタルアイデンティティとなる。
【0120】
また、これにより、ブロックチェーンの流通情報には、スニーカーの所有権と価値との間の交換に関する情報が格納され、かつ誰から誰へスニーカーが移転されたかに関する情報が格納される。これにより、スニーカーの出所が明確になり、スニーカーの取引が適切に行われる。
【0121】
また、本実施形態では、複数の鑑定ユーザによって鑑定が行われる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、サーバ4を管理する管理者による鑑定も併せて考慮するようにしてもよい。また、取引対象のスニーカーの画像からそのスニーカーが真正品であるか否かを判定するための学習済みモデルを用いて鑑定情報を生成し、学習済みモデルによって生成された鑑定情報を併せて考慮するようにしてもよい。
【0122】
また、本実施形態では、出品ユーザが取引対象のスニーカーを撮像するなどして物品情報を生成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、出品ユーザから、サーバ4を管理する管理者へスニーカーが送り届けられ、サーバ4を管理する管理者によって、取引対象のスニーカーの物品情報が生成されるようにしてもよい。そして、サーバ4は、取引対象のスニーカーを表す物品情報を、複数の鑑定ユーザ端末5へ送信するようにしてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、共用サーバ6のブロックチェーン情報記憶部64に、ブロックチェーンが格納される場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ブロックチェーンはどこに格納されていてもよい。例えば、複数の鑑定ユーザ端末5の記憶部(図示省略)に分散型台帳として格納されていてもよい。また、例えば、共用サーバ6が複数存在し、各々のブロックチェーン情報記憶部64に分散型台帳として記憶されていてもよい。なお、この場合には、ブロックチェーンに新たなブロックが追加される際にはマイニング処理が行われ、それに応じた報酬が共用サーバ又は鑑定ユーザ端末等へ付与されるようにしてもよい。マイニング方法としては、例えば、プルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)及びプルーフ・オブ・ステーク(PoS:Proof of Stake)等のコンセンサスアルゴリズムを採用したマイニング方法を用いることができる。また、マイニングの結果得られる報酬については、本実施形態の真贋判定システム1が提供するスニーカーの取引サービスで利用可能なポイントを報酬とすることができる。
【0124】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 真贋判定システム
2 購入ユーザ端末
3 出品ユーザ端末
4 サーバ
5 鑑定ユーザ端末
6 共用サーバ
7 ネットワーク
20 購入ユーザ操作部
22 購入ユーザ処理部
24 購入ユーザ表示部
26 購入ユーザ制御部
28 購入ユーザ通信部
30 出品ユーザ操作部
32 出品ユーザ処理部
34 出品ユーザ表示部
36 出品ユーザ制御部
38 出品ユーザ通信部
40 サーバ制御部
42 サーバ通信部
44 物品情報記憶部
46 真正物品情報記憶部
50 鑑定ユーザ操作部
52 鑑定ユーザ処理部
54 鑑定ユーザ表示部
56 鑑定ユーザ制御部
58 鑑定ユーザ通信部
60 共用サーバ制御部
62 共用サーバ通信部
64 ブロックチェーン情報記憶部
70 コンピュータ
73 記憶部