(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】自動ティーアップ装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
A63B69/36 513B
(21)【出願番号】P 2023034127
(22)【出願日】2023-03-06
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】306014493
【氏名又は名称】日本シー・エー・ディー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193046
【氏名又は名称】金子 正彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 佳雄
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-004971(JP,A)
【文献】実開平06-007774(JP,U)
【文献】特開平09-028853(JP,A)
【文献】特表2004-524128(JP,A)
【文献】特開平07-231966(JP,A)
【文献】特開平09-285584(JP,A)
【文献】米国特許第05052688(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ練習場用の自動ティーアップ装置であって、ゴルフボール搬入機構、ゴルフボール搬送機構、ゴルフボール供給機構、及びティーエリアを備え、前記ゴルフボール搬入機構には左右の側壁の一方近くに揺動板を、他方に隣接してブリッジ崩し用ベルトが設置されており、前記揺動板は揺動板用モータの回転により水平方向前後及び鉛直方向上下に揺動するようにされており、前記ブリッジ崩し用ベルトはベルト駆動モータの回転により接触したゴルフボールを回転させるように作用し、前記揺動板用モータと前記ブリッジ崩し用モータを連動して作動させることにより、前記揺動板上の前記ゴルフボールの揺動と、前記ブリッジ崩し用ベルトに接触した前記ゴルフボールの回転の連携により、前記ゴルフボールのブリッジ状態が解消して、前記ゴルフボールが一個ずつゴルフボール搬入口から前記ゴルフボール搬送機構に搬送され、搬送された前記ゴルフボールは前記ゴルフボール供給機構により前記ティーエリアに運ばれることを特徴とする自動ティーアップ装置。
【請求項2】
前記揺動板は蝶番により連結された前後2つの板からなり、前記揺動板用モータの回転により2つの板は互い違いに鉛直方向に上下に揺動することを特徴とする請求項1に記載の自動ティーアップ装置。
【請求項3】
前記ゴルフボール搬送機構は、準備エリア、ゴルフボール供給エリア、エレベーターエリアを備え、前記準備エリアと前記ゴルフボール供給エリアの境界には後方シャッターが、前記ゴルフボール供給エリアと前記エレベーターエリアの境界には前方シャッターがそれぞれ備えられており、前記エレベータエリア内のゴルフボール受け台上の前記ゴルフボールはエレベーター用ベルトの動きにより上昇し、前記後方シャッター、前記前方シャッター、及び前記エレベーター用ベルトは連動して複数のパルスモータにより駆動され、前記エレベータエリア内の前記ゴルフボールが上昇を開始すると前記前方シャッターは閉となり、前記ゴルフボールが最高位に達したことが検知されると、前記後方シャッターが開となって前記ゴルフボール1個が前記準備エリアから前記ゴルフボール供給エリアに移動され、前記エレベータエリア内の最高位にある前記ゴルフボールは
前記ゴルフボール供給機構により前記ティーエリア内のティー上に移動され、前記ゴルフボールが前記ゴルフボール受け台上にない状態で前記ゴルフボール受け台が下降を始めると、前記後方シャッターが閉となって前記準備エリアから前記ゴルフボール供給エリアへの前記ゴルフボールの移動を防ぎ、次いで前記前方シャッターが開となって前記ゴルフボールが前記ゴルフボール供給エリアから前記エレベーターエリアの前記ゴルフボール受け台上に移動され、次々に前記ゴルフボールが前記ティー上に供給されるように制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動ティーアップ装置。
【請求項4】
前記ゴルフボール供給機構の前記ゴルフボールを押して前記ティーエリアまで移動させるために前記ゴルフボールに接触する箇所は面形状であり、バネの働きにより前記ゴルフボールを押すことを特徴とする
請求項3に記載の自動ティーアップ装置。
【請求項5】
前記ゴルフボール供給エリアの上方にボール押さえ治具を備え、前記ゴルフボールが前記ボール押さえ治具に押されている間は前記ゴルフボールは動かず、前記ボール押さえ治具が前記ゴルフボールを押さえるのを止めた時に前記ゴルフボールが置かれる斜面を転がって前記ゴルフボールが前記ゴルフボール供給エリアから前記エレベーターエリアへ移動することを特徴とする
請求項3に記載の自動ティーアップ装置。
【請求項6】
前記
ゴルフボール搬入口と前記準備エリアの境界に搬入制御シャッターを備え、前記搬入制御シャッターの開閉により、前記準備エリア内に入る前記ゴルフボールの個数が制御されることを特徴とする
請求項3に記載の自動ティーアップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールを自動的にティーに供給する装置に関する。特に、ゴルフボールのブリッジ現象を解消し、ゴルフボールを一個ずつ確実に安定して搬入、搬送する機構を含むティーアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習場において、ゴルフボールを自動的に供給して、ティーの上にゴルフボールを載せた状態で練習者に供給する自動ティーアップ装置が知られている。ゴルフボールを搬入、搬送する際に、練習者がゴルフボールをゴルフクラブで打つ度に、遅滞なく次のゴルフボールを確実に送ることが求められる。
【0003】
ティーアップ装置はゴルフボールを搬入する機構、ゴルフボールを搬送する機構及びティーにゴルフボールを供給する機構から構成される。
【0004】
ゴルフボール搬入機構においては、「ブリッジ」と呼ばれる現象が知られていて、ゴルフボールが重なりあってゴルフボール同士の摩擦のためにほぐれず、搬入の妨げとなっていた。このブリッジ現象はティーにゴルフボールを供給するためのホッパー部にも生ずることがある。これらのブリッジ現象を解消するための方法はいくつか提案されている。
【0005】
特許文献1では、回転テーブルをホッパー底部に設けて、その回転テーブルを回転水平面に対して傾斜した状態で駆動軸に連結している。上下に25mmのストロークで揺動することにより、ブリッジが破壊されるとしている。
【0006】
特許文献2では、ホッパー部にせせり板を設け、せせり板をボール供給口に向けて前後に進退移動することにより、ブリッジを崩すようにしている。
【0007】
特許文献3では、ボール供給装置において、三角柱状の攪拌シャフトを筒軸周りに回転させることで、収容部内のブリッジを崩している。
【0008】
以上の方法によりブリッジを崩す効果は認められるが、ブリッジを確実に解消するには至っていない。ブリッジを完全に解消し、確実にゴルフボールを一個ずつ搬入機構から搬送機構へ搬入する仕組みの開発が期待されていた。
【0009】
搬送機構内でもゴルフボールを一個ずつ転送するためには工夫が必要である。そのための装置はいくつか提案されている。
【0010】
特許文献4では先端ストッパーと上部ストッパーの間にゴルフボール1個が入るようにして、ゴルフボールを1個ずつ送るようにしている。
【0011】
特許文献5では、ゴルフボールを移動させる手段として、ガイドシュートに備えられたストッパー手段の下方から上側にゴルフボールを押し上げ又は突き上げることができるリフタを提供している。
【0012】
特許文献6では、前方シャッターと後方シャッターを備え、両シャッターは前方が開くと、後方は閉まり、前方が閉じると、後方が開くようにされていて、前方のシャッターが開のときに両シャッター板の間で待機していたゴルフボールは転がり出て、ティーの上に載るようにされている。
【0013】
特許文献7ではストッパープレートを設け、ゴルフボール供給通路が押し上げられたときにその上に載っている最先端のゴルフボールに当接してその移動を停止させるようにし、ゴルフボールセットアームの作動と同期してゴルフボール供給通路を揺動制御し、ゴルフボールを一球ずつティーアップしている。
【0014】
しかしながら、上記の従来の方法ではタイミングの取り方が精密ではないなどの理由により、1個ずつゴルフボールを送る細かな調整時のトラブルを完全には排除できない。
【0015】
確実に安定して1個ずつゴルフボールを送って、かつ高速でティーに供給できる装置の開発が待たれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2004-215732
【文献】特開2014-18515
【文献】特開2022-105381
【文献】実用新案登録第3209269号
【文献】特開2000-237365
【文献】特開平9-285584
【文献】特開平9-103529
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、ゴルフボールのブリッジ現象を解消し、ゴルフボールを確実に1個ずつ搬入、搬送して、安定してティーに供給することができる自動ティーアップ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係る自動ティーアップ装置は、ゴルフ練習場用の自動ティーアップ装置であって、ゴルフボール搬入機構、ゴルフボール搬送機構、ゴルフボール供給機構、及びティーエリアを備え、前記ゴルフボール搬入機構には左右の側壁の一方近くに揺動板を、他方に隣接してブリッジ崩し用ベルトが設置されており、前記揺動板は揺動板用モータの回転により水平方向前後及び鉛直方向上下に揺動するようにされており、前記ブリッジ崩し用ベルトはベルト駆動モータの回転により接触したゴルフボールを回転させるように作用し、前記揺動板用モータと前記ブリッジ崩し用モータを連動して作動させることにより、前記揺動板上の前記ゴルフボールの揺動と、前記ブリッジ崩し用ベルトに接触した前記ゴルフボールの回転の連携により、前記ゴルフボールのブリッジ状態が解消して、前記ゴルフボールが一個ずつゴルフボール搬入口から前記ゴルフボール搬送機構に搬送され、搬送された前記ゴルフボールは前記ゴルフボール供給機構により前記ティーエリアに運ばれることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る自動ティーアップ装置は、前記ゴルフボール搬送機構が準備エリア、ゴルフボール供給エリア、エレベーターエリアを備え、前記準備エリアと前記ゴルフボール供給エリアの境界には後方シャッターが、前記ゴルフボール供給エリアと前記エレベーターエリアの境界には前方シャッターがそれぞれ備えられており、前記エレベータエリア内のゴルフボール受け台上の前記ゴルフボールはエレベーター用ベルトの動きにより上昇し、前記後方シャッター、前記前方シャッター、及び前記エレベーター用ベルトは連動して複数のパルスモータにより駆動され、前記エレベータエリア内の前記ゴルフボールが上昇を開始すると前記前方シャッターは閉となり、前記ゴルフボールが最高位に達したことが検知されると、前記後方シャッターが開となって前記ゴルフボール1個が前記準備エリアから前記ゴルフボール供給エリアに移動され、前記エレベータエリア内の最高位にある前記ゴルフボールは前記ティーエリア内のティー上に移動され、前記ゴルフボールが前記ゴルフボール受け台上にない状態で前記ゴルフボール受け台が下降を始めると、前記後方シャッターが閉となって前記準備エリアから前記ゴルフボール供給エリアへの前記ゴルフボールの移動を防ぎ、次いで前記前方シャッターが開となって前記ゴルフボールが前記ゴルフボール供給エリアから前記エレベーターエリアの前記ゴルフボール受け台上に移動され、次々に前記ゴルフボールが前記ティー上に供給されるように制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
揺動板上のゴルフボールの揺動とブリッジ崩し用ベルトに接触するゴルフボールの回転作用の連携により、ゴルフボールのブリッジ現象は確実に解消され、ゴルフボール1個だけがゴルフボール搬入口からゴルフボール搬送機構に送られる。また、前方シャッター、後方シャッター、エレベーター用ベルトは連動してパルスモータにより駆動されているので、誤動作がなくかつ高速にゴルフボールが1個ずつ確実に、安定してティーに供給される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係るゴルフボール搬入機構の内部構造の概略を示す図である。
【
図2】自動ティーアップ装置の構成の概略を示す図である。
【
図3】ゴルフボール供給機構がゴルフボールに接触している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面とともに説明する。
図2に示すように、自動ティーアップ装置1においてゴルフボール2の動きを順に追うと、ゴルフボール搬入機構3からゴルフボール搬送機構4に運ばれて来る。ゴルフボール搬送機構内には準備エリア5、ゴルフボール供給エリア6、エレベーターエリア7が備えられていてゴルフボール2はこの順に搬送され、ゴルフボール供給機構8によりティーエリア9内のティー10にゴルフボール2が供給される。
【0023】
図1はゴルフボール搬入機構3を示す図である。ゴルフボール搬入機構3はゴルフボールの搬入される後方の間口は広く、前方奥のゴルフボール搬送機構につながるボルフボール搬入口11付近は狭い構成となっていて、両サイドを側壁12に囲まれている。一方の側壁12近くには揺動板13が設置され、他方の側壁12近くにはブリッジ崩し用ベルト14が設置されている。
図1では左側壁12近くに揺動板13、右側壁12近くにブリッジ崩し用ベルト14が設置されているが逆の配置でも良い。
【0024】
揺動板13は三つの板からなるが、後方の揺動板13と中央の揺動板13はねじ止めされて一体となっていてひとつの板と見なせる。中央の揺動板13と前方の揺動板13は蝶番15により連結されている。前方の揺動板13は先端ほど幅の狭い、略三角形状をしている。揺動板用モータ16が回転すると、図示しない楕円具が回転するようにされていて、接触している後方の揺動板13が水平方向前後と鉛直方向上下に揺動する。前方の揺動板13の中間地点下には支点が設けられていて、シーソーのように、蝶番15が上へ移動する時、前方揺動板13の先端部は下へ移動する。このようにして前方の揺動板13も前後及び上下に揺動する。
揺動板13は水平方向前後及び鉛直方向上下に揺動することができる構成であれば、他の構成によっても良い。ブリッジ崩し用ベルト14はベルト駆動モータ17により
図1においては反時計回りに回転している。
【0025】
振動板用モータ16とベルト駆動モータ17は連動しており、ゴルフボール2をゴルフボール搬送機構4に送り込む必要なタイミングに応じて同時に作動させる。2つのゴルフボール2がゴルフボール搬入口11近くで互いに接触してブリッジ状態にあるとき、振動板用モータ16及びベルト駆動モータ17が作動すると、
図1の左側のゴルフボール2は揺動板13先端部の前後上下の揺動によりゆさぶられ、右側のゴルフボール2はブリッジ崩し用ベルト14の回転によりブリッジ崩し用ベルト14との接触部が広い開口部のある後方へ引っ張られる力が働く。その結果、右側のゴルフボール2は時計回りに回転するから、左側のゴルフボール2と接触して摩擦により生じていたブリッジが崩されることになる。
【0026】
揺動板13の揺動とブリッジ崩し用ベルト14の回転作用の連携により、ゴルフボールのブリッジ現象は確実に解消され、ゴルフボール1個だけがゴルフボール搬入口11からゴルフボール搬送機構4に送られる。送られるゴルフボール2は揺動板13上のゴルフボール2とブリッジ崩し用ベルト14に接触していたゴルフボール2のどちらかであり、どちらもあり得る。
【0027】
ゴルフボール搬入口11からゴルフボール搬送機構4の準備エリア5に入ったゴルフボール2は、ゴルフボール供給エリアを経てエレベーターエリアに運ばれる。準備エリア5とゴルフボール供給エリア6の境界には後方シャッター18が備えられていて、後方シャッター18が開になるとゴルフボール2は準備エリア5からゴルフボール供給エリア6に移動する。ゴルフボール供給エリア6にはゴルフボール1個が収まるようにされていて、2個以上収まることはできない。ゴルフボール供給エリア6とエレベーターエリア7の境界には前方シャッター19が備えられている。また、ゴルフボール供給エリア6の上方にはボール押さえ治具20が備えられている。前方シャッター19が開になると、ゴルフボール2はゴルフボール供給エリア6からエレベータエリア7に移動する。エレベーターエリア7のゴルフボールは、ゴルフボール受け台21の上に載り、図示しないエレベータ用ベルトの動きにより上下する。ゴルフボール2がエレベーターエリア7の最高位に達すると、ゴルフボール供給機構8によりティーエリア9に移動するようにされている。前方シャッター19、後方シャッター18、及びエレベーター用ベルトの動作は連動していて、図示しない複数のパルスモータにより駆動されている。
【0028】
一連のゴルフボール2の動きを、ゴルフボール供給エリア6にゴルフボール2がなく、エレベータ―エリア7内のゴルフボール受け台21上にゴルフボール2が載っている状態を出発点として、一連のゴルフボールの動きを説明すると以下のようになる。ゴルフボール受け台21は図示しないエレベーター内にあり、エレベーターが上がり始めると、まず前方シャッターが下りて閉となる。ゴルフボール2が最高位に達したことが検知されると、後方シャッター18が上がって、ゴルフボール1個が準備エリア5からゴルフボール供給エリア6に移動する。このとき前方シャッター19は閉、後方シャッター18は開となる。最高位にあるゴルフボール2はゴルフボール供給機構8によりティーエリア9に移動し、ティー10の上にセットされる。ゴルフボール供給機構8はゴルフボール2を押してティーエリア9まで移動させる機構であれば良いが、ゴルフボール2に接触する箇所がバネ付きで面形状になっていると移動を確実に行えて好都合である。
図3はゴルフボール供給機構8がゴルフボール2に接触している状態を示す図である。接触箇所が面形状でバネの働きによりゴルフボールを強くしっかりと押すことになるので、確実にゴルフボール2をティーエリア9に移動することができる。
【0029】
エレベーターが下がると、後方シャッター19が共に下がり始める。後方シャッター18はバネの張力がなくなり、下りて閉となり、ゴルフボール2が準備室5からゴルフボール供給エリア6に移動するのを止める。この時点では前方シャッター19、後方シャッター18共に閉である。
【0030】
エレベータエリア7のゴルフボール受け台21が下方に降りた時点で、前方シャッター19が完全に開となり、ゴルフボール供給エリア6のゴルフボール2がエレベーターエリア7内のゴルフボール受け台21の上に移動する。ゴルフボール供給エリア6内にゴルフボール2が置かれる台は斜面になっているので、ゴルフボール2は転がってエレベータ―エリア7へ移動するが、ゴルフボール供給エリア7の上方にボール押さえ治具20を備えておき、ゴルフボール2がボール押さえ治具20に押されている間はゴルフボールは動かず、ボール押さえ治具20がゴルフボール2を押さえるのを止めた時にゴルフボールが斜面を転がって押さえ治具エレベーターエリア7へ移動するようにすればより確実に移動が行える。このとき前方シャッター19は開、後方シャッター20は閉である。
【0031】
次にエレベーターが上昇して、一連の動作が繰り返される。
【0032】
ゴルフボール搬入口11と準備エリア5の境界に搬入制御シャッター22を設け、準備エリア5内に入るゴルフボールの数を制限するようにしても良い。
【0033】
以上の一連の動作において、前方シャッター18、後方シャッター19、ボール押さえ治具20の動作はエレベーター用ベルトの動きと連動して、全てパルスモータにより駆動されているので、誤動作がなくかつ高速にゴルフボールが1個ずつ確実に、安定してティーに供給される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
ゴルフボールを確実に1個ずつ、搬入、搬送してティーに供給する自動ティーアップ装置を提供できるので、産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0035】
1 自動ティーアップ装置
2 ゴルフボール
3 ゴルフボール搬入機構
4 ゴルフボール搬送機構
5 準備エリア
6 ゴルフボール供給エリア
7 エレベーターエリア
8 ゴルフボール供給機構
9 ティーエリア
10 ティー
11 ゴルフボール搬入口
12 側壁
13 揺動板
14 ブリッジ崩し用ベルト
15 蝶番
16 揺動板用モータ
17 ベルト駆動モータ
18 後方シャッター
19 前方シャッター
20 ボール押さえ治具
21 ゴルフボール受け台
22 搬入制御シャッター
【要約】
【課題】ゴルフボールのブリッジ現象を解消し、ゴルフボールを確実に1個ずつ安定してティーに供給することができる自動ティーアップ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】自動ティーアップ装置のゴルフボール搬入機構内に揺動板とブリッジ崩し用ベルトを配置し、揺動板上のゴルフボールの揺動とブリッジ崩し用ベルトに接触するゴルフボールの回転作用の連携により、ゴルフボールのブリッジ現象は確実に解消され、ゴルフボール1個だけがゴルフボール搬入口からゴルフボール搬送機構に送られる。
【選択図】
図1