IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7414342ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム
<>
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図1
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図2
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図3
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図4
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図5
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図6
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図7
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図8
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図9
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図10
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図11
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図12
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図13
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図14
  • 特許-ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/023 20190101AFI20240109BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20240109BHJP
   G01M 13/045 20190101ALI20240109BHJP
   B65G 43/02 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G01M13/023
G01H17/00 Z
G01M13/045
B65G43/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023068371
(22)【出願日】2023-04-19
(62)【分割の表示】P 2019055038の分割
【原出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2023090765
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】五味 薫
(72)【発明者】
【氏名】小森 敏樹
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-208850(JP,A)
【文献】特開2009-110546(JP,A)
【文献】国際公開第2016/019431(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3059298(JP,U)
【文献】特開2015-184266(JP,A)
【文献】特開平5-238529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/00-13/045,99/00
G01H 1/00-17/00
B65G 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する収集部と、
前記収集部により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する演算部と、
前記演算部により演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する通信部と、
を備え、
前記ベルトコンベア監視装置は、前記ベルトコンベアを構成する駆動プーリを回転駆動するモータに設置され、前記モータに供給される駆動電流を検出する電流センサにさらに接続され、
前記収集部は、前記電流センサにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、
前記演算部は、前記収集部により収集された前記一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、
前記通信部は、前記演算部により演算された前記駆動電流特徴値を前記上位装置にさらに無線送信する、
ベルトコンベア監視装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベア監視装置に接続された前記振動加速度センサの識別子を、当該振動加速度センサが設置されたプーリの識別子及び当該プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶する振動加速度センサテーブルをさらに備え、
前記通信部は、前記振動加速度特徴値を無線送信する場合、当該振動加速度特徴値の元になる振動加速度を検出した前記振動加速度センサの識別子に対応付けられた、プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該振動加速度特徴値と共に無線送信する、
請求項1に記載のベルトコンベア監視装置。
【請求項3】
前記ベルトコンベア監視装置に接続された前記電流センサの識別子を、当該電流センサが設置されたモータを回転駆動する駆動プーリの識別子及び当該駆動プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶する電流センサテーブルをさらに備え、
前記通信部は、前記駆動電流特徴値を無線送信する場合、当該駆動電流特徴値の元になる駆動電流を検出した前記電流センサの識別子に対応付けられた、駆動プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該駆動電流特徴値と共に無線送信する、
請求項1又は2に記載のベルトコンベア監視装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記一定期間内の振動加速度のデータの平均値又は実効値を、前記振動加速度特徴値として演算する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のベルトコンベア監視装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記一定期間内の駆動電流のデータの平均値又は実効値を、前記駆動電流特徴値として演算する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のベルトコンベア監視装置。
【請求項6】
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置によるベルトコンベア監視方法であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する収集ステップと、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する演算ステップと、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する通信ステップと、
を含み、
前記ベルトコンベア監視装置は、前記ベルトコンベアを構成する駆動プーリを回転駆動するモータに設置され、前記モータに供給される駆動電流を検出する電流センサにさらに接続され、
前記収集ステップでは、前記電流センサにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、
前記演算ステップでは、前記収集ステップにより収集された前記一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、
前記通信ステップでは、前記演算ステップにより演算された前記駆動電流特徴値を前記上位装置にさらに無線送信する、
ベルトコンベア監視方法。
【請求項7】
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置に、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する収集手順と、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する演算手順と、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する通信手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記ベルトコンベア監視装置は、前記ベルトコンベアを構成する駆動プーリを回転駆動するモータに設置され、前記モータに供給される駆動電流を検出する電流センサにさらに接続され、
前記収集手順では、前記電流センサにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、
前記演算手順では、前記収集手順により収集された前記一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、
前記通信手順では、前記演算手順により演算された前記駆動電流特徴値を前記上位装置にさらに無線送信する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベルトコンベア監視システム、ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所において、鉄鋼石、焼結鉱、石灰石、コークス等の原料は、多くの場合、船舶で輸送されてくる。そのため、船舶に積まれた原料を、原料工場や高炉などに搬送する必要がある。原料の搬送には、ベルトコンベアが用いられる。
【0003】
ただし、製鉄所の原料搬送エリアは、数km規模の広範囲にわたっている。また、一般的なベルトコンベアは、搬送方向が直線方向に限られる。そのため、原料搬送エリアでは、複数のベルトコンベアが組み合わされて使用される。
【0004】
ここで、図1を参照して、製鉄所の原料搬送エリアにおけるベルトコンベアBCの配置例について説明する。図1は、原料搬送エリアを上方から見た図に相当する。図1に示される例では、複数のベルトコンベアBCが、同じ搬送方向に又は互いに略直交する搬送方向に、連設されている。また、図1に示される例では、並列に配置された2列のベルトコンベアBCを1組にして、ベルトコンベアBCが連接されている。なお、3列以上のベルトコンベアBCを1組にして、ベルトコンベアBCが連接される場合もあるし、単独のベルトコンベアBCが連接される場合もある。
【0005】
続いて、図2及び図3を参照して、ベルトコンベアBCの構成例について説明する。図2及び図3に示されるように、ベルトコンベアBCは、駆動プーリPxと、従動プーリPyと、駆動プーリPx及び従動プーリPyに巻回される無端状の搬送ベルトBと、を備えた構成になっている。
【0006】
駆動プーリPxは、モータ(不図示)により回転駆動されるプーリである。従動プーリPyは、従動回転するプーリである。また、従動プーリPyは、駆動プーリPxに搬送ベルトBを巻き付ける角度を調整するスナッププーリ、搬送ベルトBを緊張させるテンションプーリ、搬送ベルトBを変角させるベンドプーリ等の種類があるが、ここでは詳述しない。以下では、駆動プーリPx及び従動プーリPyを総称して、プーリPと呼称する。
【0007】
続いて、図4を参照して、駆動プーリPx及びその周辺の構成例について説明する。図4に示されるように、駆動プーリPxは、シャフトSHと、シャフトSHに外嵌される筒部Tと、を備えており、筒部Tの外周に搬送ベルトBが巻回される。駆動プーリPxのシャフトSHは、その両端で軸受BEに回転自在に支持されている。また、駆動プーリPxのシャフトSHの一端には、カップリング部材Cを介して、増速機SP及びモータMが接続される。モータMは、シャフトSHを介して駆動プーリPxを回転駆動する。このとき、モータMの回転は、増速機SPにより増速される。モータM及び増速機SPは、発電機Gから電源供給を受けて、上記の動作を行う。
なお、従動プーリPy及びその周辺の構成は、例えば、図4の構成から、発電機G、モータM、増速機SP、及びカップリング部材Cを除いた構成となる。
【0008】
ここで、プーリPは、径方向に搬送ベルトBの張力を常に受けるため、プーリPのシャフトSHを支持する軸受BEは、常に強い荷重が掛かった状態となる。そのため、軸受BEは、他部品と比較して、損傷し易く、故障が発生し易い部品となっている。例えば、図5に示されるように、軸受BEが、内輪IR、外輪OR、及び転動体Rを備える転がり軸受であるとする。この場合、内輪IRに発生するインナー疵、外輪ORに発生するアウター疵等が、軸受BEの故障の原因となる。また、軸受BEは、グリスの注入量が不足していることも、故障の原因となる。
【0009】
そのため、ベルトコンベアの監視としては、特に軸受の監視を重点的に行うことが多い。また、従来、軸受については、訓練を受けた保守員が監視を行うことが多い。具体的には、保守員は、正常な状態の軸受の稼働音と、故障している状態(例えば、インナー疵が発生している状態、アウター疵が発生している状態、グリスの注入量が不足している状態等)の稼働音とを、聴音棒を用いて聞き分ける訓練を受ける。そして、保守員は、ベルトコンベアの監視を行う際、ベルトコンベアを巡回して回り、聴音棒を用いて軸受の稼働音を聞いて、軸受の状態を判断する。軸受が故障したと判断した場合は、軸受の交換を行うか、又は、軸受を含むプーリ及びその周辺の構成ごと交換を行う。
【0010】
しかし、保守員によるベルトコンベアの監視は、保守員の連度によって状態の判断にばらつきが生じやすい。そのため、連度の低い保守員が、交換の必要のない軸受を故障と判断したり、交換の必要がある軸受を正常と判断したりすることがあった。
【0011】
また、保守員によるベルトコンベアの監視は、定期的に行われるが、特に重要箇所に設置されたベルトコンベアについては、監視の頻度を上げたいという要求がある。しかし、保守員による監視の頻度を上げると、保守費用の増大も懸念される。
【0012】
そのため、最近は、ベルトコンベアの監視をオンラインで行う技術も提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、1つ又は複数のベルトコンベア毎にデータ収集装置を設けると共に、ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサを設ける。データ収集装置は、振動加速度センサにより検出された振動加速度のデータを収集し、診断サーバに無線送信する。診断サーバは、振動加速度のデータに基づいて、ベルトコンベアの異常や劣化を診断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2010-208850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、製鉄所の原料搬送エリアは、上述のように、数km規模の広範囲にわたっている。そのため、原料搬送エリアには、多くのベルトコンベアが設置され、それに伴って、監視対象のプーリの数も膨大な数となる。
【0015】
しかし、特許文献1に記載の技術において、データ収集装置が診断サーバに無線送信する、プーリの振動加速度のデータは、時系列のアナログの振動加速度信号となっており、データ量が非常に大きいと考えられる。
【0016】
そのため、膨大な数となるプーリの振動加速度のデータを診断サーバに無線送信する場合において、振動加速度のデータとして、特許文献1に記載の技術のように、時系列のアナログの振動加速度信号といったデータ量が大きなデータを送信すると、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されてしまうおそれがある。また、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されると、通信遅延や通信不能が生じるおそれがある。
【0017】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、プーリの振動加速度のデータを無線送信するに際して、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されることを抑制することができるベルトコンベア監視システム、ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一態様によるベルトコンベア監視システムは、
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサと、
前記振動加速度センサが接続され、前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集し、収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算し、演算された振動加速度特徴値を無線送信する監視装置と、
前記監視装置から無線送信された前記振動加速度特徴値を無線受信し、前記振動加速度特徴値を用いて、前記プーリの状態を判断する上位装置と、
を備える。
【0019】
一態様によるベルトコンベア監視装置は、
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する収集部と、
前記収集部により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する演算部と、
前記演算部により演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する通信部と、
を備える。
【0020】
一態様によるベルトコンベア監視方法は、
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置によるベルトコンベア監視方法であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集するステップと、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算するステップと、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信するステップと、
を含む。
【0021】
一態様によるプログラムは、
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置に、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する手順と、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する手順と、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する手順と、
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
上述の態様によれば、プーリの振動加速度のデータを無線送信するに際して、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されることを抑制できるベルトコンベア監視システム、ベルトコンベア監視装置、ベルトコンベア監視方法、及びプログラムを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】製鉄所の原料搬送エリアにおけるベルトコンベアの配置例を示す図である。
図2】ベルトコンベアの構成例を示す図である。
図3】ベルトコンベアの他の構成例を示す図である。
図4】駆動プーリ及びその周辺の構成例を示す図である。
図5】転がり軸受に発生するインナー疵及びアウター疵の例を示す図である。
図6】実施の形態1に係るベルトコンベア監視システムの構成例を示す図である。
図7】2つのベルトコンベアの連接部分の構成例を示す図である。
図8】実施の形態1に係るベルトコンベア監視装置の構成例を示すブロック図である。
図9】実施の形態1に係るベルトコンベア監視装置が保持する振動加速度センサ管理テーブルの例を示す図である。
図10】実施の形態1,2に係る上位装置の構成例を示すブロック図である。
図11】実施の形態1に係るベルトコンベア監視システムの動作例を示すシーケンス図である。
図12】実施の形態2に係るベルトコンベア監視システムの構成例を示す図である。
図13】実施の形態2に係るベルトコンベア監視装置の構成例を示すブロック図である。
図14】実施の形態2に係るベルトコンベア監視装置が保持する電流センサ管理テーブルの例を示す図である。
図15】実施の形態2に係るベルトコンベア監視システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下で説明する実施の形態では、監視対象とするベルトコンベアが図1図5を用いて説明した構成であるものとして説明するが、ベルトコンベアの構成はこれに限定されない。また、監視対象とするベルトコンベアが、原料を搬送するものとして説明するが、これに限定されず、ベルトコンベアは任意の搬送物を搬送するものであれば良い。
【0025】
<実施の形態1>
まず、図6を参照して、本実施の形態1に係るベルトコンベア監視システム1の構成例について説明する。
図6に示されるように、本実施の形態1に係るベルトコンベア監視システム1は、振動加速度センサSA-1~SA-N(Nは2以上の整数)、ベルトコンベア監視装置10、及び、上位装置20を備えている。
【0026】
なお、図6においては、説明の簡素化のため、ベルトコンベア監視装置10を1つだけ設けているが、ベルトコンベア監視装置10は、通常は、複数設けられる。また、以下、どの振動加速度センサSA-1~SA-Nであるかを特定しない場合は、振動加速度センサSAと呼称する。
【0027】
振動加速度センサSAは、ベルトコンベアBC(図1等を参照)を構成するプーリP(図2及び図3等を参照。プーリPは駆動プーリPx及び従動プーリPyを含む)の軸受BE(図4及び図5等を参照)に設置され、設置されたプーリPの軸受BEに生じる振動加速度を検出するセンサである。振動加速度センサSAは、プーリPの両端の軸受BEにそれぞれ設置される。そのため、1つのプーリPに対しては、2つの振動加速度センサSAが設置される。
【0028】
なお、ベルトコンベアBC、ベルトコンベア監視装置10、及び、振動加速度センサSA-1~SA-Nの対応関係は、例えば、次の関係とすることが考えられる。すなわち、1つのベルトコンベアBCに対して、1つのベルトコンベア監視装置10を設ける。そして、このベルトコンベアBCを構成するプーリPの軸受BEにそれぞれ設置された振動加速度センサSAが振動加速度センサSA-1~SA-Nとなる。
【0029】
ただし、ベルトコンベアBC、ベルトコンベア監視装置10、及び、振動加速度センサSA-1~SA-Nの対応関係は、上記の関係に限定されない。
例えば、振動加速度センサSA-1~SA-Nは、同じベルトコンベアBCのプーリPに設置された振動加速度センサSAだけでなく、別々のベルトコンベアBCのプーリPに設置された振動加速度センサSAを含んでも良い。例えば、複数のベルトコンベアBCを設ける場合に、図7に示されるように、ベルトコンベアBC1,BC2が連設されたとする。この場合、ベルトコンベアBC1の駆動プーリPx1に設置された振動加速度センサSAと、ベルトコンベアBC2の駆動プーリPx2に設置された振動加速度センサSAと、が振動加速度センサSA-1~SA-Nに含まれていても良い。
【0030】
ベルトコンベア監視装置10は、振動加速度センサSA-1~SA-Nが接続され、接続された振動加速度センサSA-1~SA-Nにより検出された振動加速度を監視する。
上位装置20は、ベルトコンベア監視装置10により監視された振動加速度の監視結果を用いて、プーリPの状態を判断する。
【0031】
ただし、ベルトコンベア監視装置10と上位装置20とは、互いに離れた位置に設置されている。そのため、ベルトコンベア監視装置10は、振動加速度の監視結果を上位装置20に無線送信する。
【0032】
しかし、振動加速度センサSAは、プーリPの軸受BEに生じる振動加速度を時系列に検出するため、振動加速度センサSAから得られる振動加速度のデータは、時系列の振動加速度のアナログデータとなっており、データ量が非常に大きい。また、原料搬送エリアには、多くのベルトコンベアBCが設置されるため、ベルトコンベアBCを構成するプーリPの数も膨大な数となる。また、ベルトコンベア監視装置10の数も多くなる。
【0033】
そのため、ベルトコンベア監視装置10において、振動加速度センサSAから得られる振動加速度のデータを、加工せずにそのまま上位装置20に無線送信すると、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されてしまうおそれがある。また、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されると、通信遅延や通信不能が生じるおそれがある。
【0034】
そこで、本実施の形態1においては、ベルトコンベア監視装置10は、振動加速度センサSAにより検出された一定期間の振動加速度のデータから、その一定期間の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算し、演算された振動加速度特徴値を上位装置20に無線送信する。これにより、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されてしまうことを抑制する。
【0035】
ここで、図8を参照して、本実施の形態1に係るベルトコンベア監視装置10の構成例について詳細に説明する。
図8に示されるように、本実施の形態1に係るベルトコンベア監視装置10は、プロセッサ11、通信モジュール12、メモリ13、DC(Direct Current)電源モジュール14、入出力I/F(Interface)モジュール15、及び、振動加速度センサI/Fモジュール16を備えている。
【0036】
振動加速度センサI/Fモジュール16は、振動加速度センサSA-1~SA-Nが接続されるインタフェースとなるモジュールである。
入出力I/Fモジュール15は、例えば、タッチパネル、スイッチ、マイク等である入力装置に接続可能であると共に、表示装置、スピーカ等である出力装置と接続可能であるモジュールである。
【0037】
DC電源モジュール14は、外部からDC電源が供給され、ベルトコンベア監視装置10内の各構成要素に対し、DC電源電圧を供給するモジュールである。なお、DC電源モジュール14は、振動加速度センサSA-1~SA-Nに対しても、振動加速度センサI/Fモジュール16を介して、DC電源電圧を供給する。
【0038】
本実施の形態1においては、DC電源モジュール14は、駆動プーリPxを回転駆動するモータM(図4等参照)にDC電源を供給する発電機Gから、DC電源の供給を受けるものとする。そのため、ベルトコンベアBCが発電機GからDC電源の供給を受けて稼働中である場合にのみ、ベルトコンベア監視装置10及び振動加速度センサSA-1~SA-Nも、発電機GからDC電源の供給を受けて稼働中になる。
【0039】
通信モジュール12は、上位装置20と無線通信を行うモジュールであり、通信部の一例である。例えば、通信モジュール12は、振動加速度センサSAにより検出された一定期間の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を上位装置20に無線送信する。なお、通信モジュール12は、無線LAN(Local Area Network)を用いて、2.4GHz帯や5.5GHz帯で無線通信をしても良いし、920MHz帯で無線通信をしても良い。また、通信モジュール12は、上位装置20と直接無線通信を行っても良いし、他のベルトコンベア監視装置10を介したマルチホップ通信により上位装置20と無線通信を行っても良い。
【0040】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサである。また、メモリ13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。
【0041】
例えば、メモリ13は、プロセッサ11で実行するプログラムを記憶する。プロセッサ11は、メモリ13に記憶されたプログラムを実行することで、後述する収集部111及び演算部112の機能を実現すると共に、通信モジュール12を制御する。
【0042】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0043】
また、メモリ13は、上述したプログラムを記憶する以外に、各種のデータや情報を記憶する。例えば、メモリ13は、振動加速度センサI/Fモジュール16に接続された振動加速度センサSA-1~SA-Nを管理する振動加速度センサ管理テーブルを記憶する。図9に示されるように、振動加速度センサ管理テーブルは、振動加速度センサI/Fモジュール16に接続された振動加速度センサSA-1~SA-Nの各々の識別子を、その振動加速度センサSAが設置されたプーリPの識別子及びそのプーリPで構成されるベルトコンベアBCの識別子と対応付けて記憶したテーブルである。
【0044】
収集部111は、振動加速度センサI/Fモジュール16に接続された振動加速度センサSA-1~SA-Nのそれぞれにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する。
【0045】
演算部112は、収集部111により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する。ここで、一定期間とは、ベルトコンベアBCが原料を搬送していないと考えられる、ベルトコンベアBCが稼働を開始した直後の一定期間であるとする。また、振動加速度特徴値は、一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す値であれば、任意の値で良い。例えば、振動加速度特徴値は、一定期間内の振動加速度のデータの平均値、実効値等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
通信モジュール12は、演算部112により演算された振動加速度特徴値を上位装置20に無線送信する。このとき、通信モジュール12は、メモリ13に記憶された振動加速度センサ管理テーブルを参照し、振動加速度特徴値の元になる振動加速度を検出した振動加速度センサSAに対応付けられたプーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を、振動加速度特徴値と共に、上位装置20に無線送信する。これにより、上位装置20は、振動加速度特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どのプーリPに生じた振動加速度の特徴値であるかを特定できるようになる。
【0047】
続いて、図10を参照して、本実施の形態1に係る上位装置20の構成例について詳細に説明する。
図10に示されるように、本実施の形態1に係る上位装置20は、プロセッサ21、通信モジュール22、メモリ23、DC電源モジュール24、及び、入出力I/Fモジュール25を備えている。
【0048】
入出力I/Fモジュール25は、例えば、タッチパネル、スイッチ、マイク等である入力装置と接続可能であると共に、表示装置、スピーカ等である出力装置と接続可能であるモジュールである。
DC電源モジュール24は、外部からDC電源が供給され、上位装置20内の各構成要素に対し、DC電源電圧を供給するモジュールである。
【0049】
通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10と無線通信を行うモジュールである。例えば、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10から無線送信された振動加速度特徴値を無線受信する。このとき、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10から、振動加速度特徴値と共に無線送信された、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子も無線受信する。なお、通信モジュール22の無線方式等は、ベルトコンベア監視装置10内の通信モジュール12と同様で良い。
【0050】
プロセッサ21は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサである。また、メモリ23は、例えば、RAMやROM等のメモリである。
例えば、メモリ23は、プロセッサ21で実行するプログラムを記憶する。プロセッサ21は、メモリ23に記憶されたプログラムを実行することで、後述する判断部211の機能を実現すると共に、通信モジュール22を制御する。なお、上述したプログラムは、ベルトコンベア監視装置10のプログラムと同様に、非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給されても良いし、一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されても良い。
【0051】
判断部211は、通信モジュール22により無線受信された振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する。このとき、判断部211は、通信モジュール22により振動加速度特徴値と共に無線受信された、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を用いて、振動加速度特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どのプーリPに生じた振動加速度の特徴値であるかを特定する。
【0052】
なお、判断部211は、振動加速度特徴値を用いて、任意の方法でプーリPの状態を判断することが可能である。例えば、判断部211は、振動加速度特徴値とプーリPの状態とを対応付けたテーブルをメモリ23に保持させておき、無線受信された振動加速度特徴値を、このテーブルと照合することによって、プーリPの状態を判断する、という方法が考えられる。ただし、この方法は、プーリPの状態の判断方法の一例であって、これに限定されない。
【0053】
また、判断部211は、プーリPが故障している状態又は故障するおそれがある状態と判断した場合、そのプーリPの監視に保守員が向かうよう監視指示を出力しても良い。この監視指示は、例えば、そのプーリPの識別子と共に、入出力I/Fモジュール25に接続された表示装置を介して表示出力するか、又は、入出力I/Fモジュール25に接続されたスピーカを介して音声出力することが考えられる。
【0054】
続いて、図11を参照して、本実施の形態1に係るベルトコンベア監視システム1の動作シーケンスについて説明する。
図11に示されるように、ベルトコンベア監視装置10においては、まず、収集部111は、振動加速度センサI/Fモジュール16に接続された、プーリPの軸受に設置された振動加速度センサSAにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する(ステップS101)。
続いて、演算部112は、収集部111により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する(ステップS102)。
【0055】
続いて、通信モジュール12は、演算部112により演算された振動加速度特徴値を上位装置20に無線送信する(ステップS103)。このとき、通信モジュール12は、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を、振動加速度特徴値と共に、上位装置20に無線送信する。
【0056】
上位装置20においては、まず、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10から無線送信された振動加速度特徴値を無線受信する(ステップS104)。このとき、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10から、振動加速度特徴値と共に、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を無線受信する。
【0057】
その後、判断部211は、通信モジュール22により無線受信された振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する(ステップS105)。このとき、判断部211は、通信モジュール22により振動加速度特徴値と共に無線受信された、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を用いて、振動加速度特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どのプーリPに生じた振動加速度の特徴値であるかを特定する。
【0058】
上述したように本実施の形態1によれば、ベルトコンベア監視装置10は、プーリPの軸受に設置された振動加速度センサSAにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集し、収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算し、演算された振動加速度特徴値を上位装置20に無線送信する。上位装置20は、ベルトコンベア監視装置10から無線送信された振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する。
【0059】
すなわち、本実施の形態1によれば、ベルトコンベア監視装置10は、振動加速度センサSAから得られる振動加速度のデータを、加工せずにそのまま無線送信するのではなく、一定期間の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を無線送信する。これにより、ベルトコンベア監視装置10から上位装置20に対しては、データ量が大きく削減された振動加速度特徴値が送信されることになる。そのため、膨大な数となるプーリPの振動加速度特徴値を上位装置20に送信したとしても、振動加速度特徴値の個々のデータ量が小さいため、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されることが抑制される。その結果、通信帯域の圧迫に起因した、通信遅延や通信不能の発生も抑制される。
【0060】
また、本実施の形態1によれば、上位装置20は、ベルトコンベア監視装置10から無線送信された振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する。そのため、ベルトコンベアBCの監視をオンラインで行うことができる。
【0061】
また、本実施の形態1によれば、上位装置20は、プーリPが故障している状態又は故障するおそれがある状態と判断した場合、そのプーリPの監視に保守員が向かうよう監視指示を出力しても良い。これにより、オンラインによる監視と保守員による監視とを組み合わせることが可能となり、プーリPの状態の判定精度の向上を図ることができる。また、上位装置20がプーリPの故障又は故障のおそれがある状態と判断した場合にのみ、保守員は監視を行えば良いため、保守員による監視の頻度が下がり、保守費用も低減される。
【0062】
<実施の形態2>
まず、図12を参照して、本実施の形態2に係るベルトコンベア監視システム1Aの構成例について説明する。
図12に示されるように、本実施の形態2に係るベルトコンベア監視システム1Aは、図1に示された実施の形態1に係るベルトコンベア監視システム1と比較して、電流センサSB-1~SB-M(Mは1以上の整数)が追加された点と、ベルトコンベア監視装置10がベルトコンベア監視装置10Aに変更された点と、が異なる。
なお、以下、どの電流センサSB-1~SB-Mであるかを特定しない場合は、電流センサSBと呼称する。
【0063】
電流センサSBは、ベルトコンベアBC(図1等を参照)を構成するプーリP(図2及び図3等を参照。プーリPは駆動プーリPx及び従動プーリPyを含む)のうち駆動プーリPxを回転駆動するモータM(図4等を参照)に設置され、設置されたモータMに供給された駆動電流を検出するセンサである。駆動プーリPxに対しては、1つの電流センサSBが設置される。
【0064】
なお、ベルトコンベアBC、ベルトコンベア監視装置10A、振動加速度センサSA-1~SA-N、及び、電流センサSB-1~SB-Mの対応関係は、例えば、次の関係とすることが考えられる。すなわち、1つのベルトコンベアBCに対して、1つのベルトコンベア監視装置10Aを設ける。そして、このベルトコンベアBCを構成するプーリPの軸受BEにそれぞれ設置された振動加速度センサSAが振動加速度センサSA-1~SA-Nとなる。また、このベルトコンベアBCを構成する駆動プーリPxを回転駆動するモータMに設置された電流センサSBが電流センサSB-1~SB-Mとなる。
【0065】
ただし、ベルトコンベアBC、ベルトコンベア監視装置10A、振動加速度センサSA-1~SA-N、及び、電流センサSB-1~SB-Mの対応関係は、上記の関係に限定されない。
例えば、複数のベルトコンベアBCを設ける場合に、図7に示されるように、ベルトコンベアBC1,BC2が連設されたとする。この場合、ベルトコンベアBC1の駆動プーリPx1を回転駆動するモータMに設置された電流センサSBと、ベルトコンベアBC2の駆動プーリPx2を回転駆動するモータMに設置された電流センサSBと、が電流センサSB-1~SB-Mに含まれていても良い。
【0066】
ここで、電流センサSBで検出された駆動電流のデータは、ベルトコンベアBCの状態に応じて異なる。例えば、駆動電流のデータは、ベルトコンベアBCが原料を搬送中であるか否かで異なる。また、駆動電流のデータは、ベルトコンベアBCにスリップが発生しているか否かで異なる。
【0067】
そのため、上位装置20は、駆動電流のデータを用いれば、ベルトコンベアBCが原料を搬送中であるか否か、また、ベルトコンベアBCにスリップが発生しているか否か等を判断できる。そのため、上位装置20は、ベルトコンベアBCが原料を搬送中である、ベルトコンベアBCにスリップが発生している等の特定の状態であるときは、そのときの振動加速度特徴値は、原料の搬送やスリップの影響を受けていると判断して、プーリPの状態判断を実行しないといった選択が可能となる。したがって、上位装置20に対しては、ベルトコンベアBCが稼働を開始した直後の一定期間の振動加速度特徴値を無線送信することとしているものの、駆動電流のデータも無線送信することが好適である。
【0068】
しかし、電流センサSBは、駆動プーリPxを回転駆動するモータMに供給された駆動電流を時系列に検出するため、電流センサSBから得られる駆動電流のデータは、時系列の駆動電流のアナログデータとなっており、データ量が非常に大きい。また、原料搬送エリアには、多くのベルトコンベアBCが設置されるため、ベルトコンベアBCを構成する駆動プーリPxの数も膨大な数となる。また、ベルトコンベア監視装置10Aの数も多くなる。
【0069】
そのため、ベルトコンベア監視装置10Aにおいて、電流センサSBから得られる駆動電流のデータを、加工せずにそのまま上位装置20に無線送信すると、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されてしまうおそれがある。また、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されると、通信遅延や通信不能が生じるおそれがある。
【0070】
そこで、本実施の形態2においては、ベルトコンベア監視装置10Aは、電流センサSBにより検出された一定期間の駆動電流のデータから、その一定期間の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値を演算し、演算された駆動電流特徴値を上位装置20に無線送信する。これにより、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されてしまうことを抑制する。
【0071】
ここで、図13を参照して、本実施の形態2に係るベルトコンベア監視装置10Aの構成例について詳細に説明する。
図13に示されるように、本実施の形態2に係るベルトコンベア監視装置10Aは、図8に示された実施の形態1に係るベルトコンベア監視装置10と比較して、電流センサI/Fモジュール17が追加されている点が異なる。
電流センサI/Fモジュール17は、電流センサSB-1~SB-Mが接続されるインタフェースとなるモジュールである。
【0072】
上記以外の構成は、実施の形態1と同様である。ただし、ベルトコンベア監視装置10Aの構成要素のうち、メモリ13、収集部111、演算部112、及び通信モジュール12は、実施の形態1とは異なる動作を行う。そこで、以下では、メモリ13、収集部111、演算部112、及び通信モジュール12の動作について説明する。
【0073】
メモリ13は、電流センサI/Fモジュール17に接続された電流センサSB-1~SB-Mを管理する電流センサ管理テーブルをさらに記憶する。図14に示されるように、電流センサ管理テーブルは、電流センサI/Fモジュール17に接続された電流センサSB-1~SB-Mの各々の識別子を、その電流センサSBが設置されたモータMが回転駆動する駆動プーリPxの識別子及びその駆動プーリPxで構成されるベルトコンベアBCの識別子と対応付けて記憶したテーブルである。
【0074】
収集部111は、電流センサI/Fモジュール17に接続された電流センサSB-1~SB-Mのそれぞれにより時系列に検出された駆動電流のデータさらに収集する。
【0075】
演算部112は、収集部111により収集された一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算する。ここで、駆動電流特徴値は、一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す値であれば、任意の値で良い。例えば、駆動電流特徴値は、一定期間内の駆動電流のデータの平均値、実効値等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
通信モジュール12は、演算部112により演算された駆動電流特徴値を上位装置20にさらに無線送信する。このとき、通信モジュール12は、メモリ13に記憶された電流センサ管理テーブルを参照し、駆動電流特徴値の元になる駆動電流を検出した電流センサSBに対応付けられた駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を、駆動電流特徴値と共に、上位装置20に無線送信する。これにより、上位装置20は、駆動電流特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どの駆動プーリPxを回転駆動するモータMの駆動電流の特徴値であるかを特定できるようになる。なお、駆動電流特徴値は、振動加速度特徴値と同時に無線送信しても良いし、振動加速度特徴値とは別々に無線送信しても良い。
【0077】
また、本実施の形態2に係る上位装置20は、構成自体は、図10に示された実施の形態1に係る上位装置20と同様である。ただし、上位装置20の構成要素のうち、通信モジュール22及び判断部211は、実施の形態1とは異なる動作を行う。そこで、以下では、通信モジュール22及び判断部211の動作について説明する。
【0078】
通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10Aから無線送信された駆動電流特徴値をさらに無線受信する。このとき、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10Aから、駆動電流特徴値と共に無線送信された、駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子も無線受信する。
【0079】
判断部211は、通信モジュール22により無線受信された駆動電流特徴値を用いて、ベルトコンベアBCが特定の状態であるか否かを判断する。ベルトコンベアBCの特定の状態とは、ベルトコンベアBCが原料を搬送中である状態、ベルトコンベアBCにスリップが発生している状態等を含む。このとき、判断部211は、通信モジュール22により駆動電流特徴値と共に無線受信された、駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を用いて、駆動電流特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どの駆動プーリPxを回転駆動するモータMの駆動電流の特徴値であるかを特定する。
【0080】
なお、判断部211は、駆動電流特徴値を用いて、任意の方法でベルトコンベアBCが特定の状態であるか否かを判断することが可能である。例えば、判断部211は、駆動電流特徴値とベルトコンベアBCの特定の状態とを対応付けたテーブルをメモリ23に保持させておき、無線受信された駆動電流特徴値を、このテーブルと照合することによって、ベルトコンベアBCが特定の状態であるか否かを判断する、という方法が考えられる。ただし、この方法は、ベルトコンベアBCの特定の状態の判断方法の一例であって、これに限定されない。
【0081】
判断部211は、ベルトコンベアBCが特定の状態である場合、以降、振動加速度特徴値を用いた、プーリPの状態判断を実行しない。
一方、判断部211は、ベルトコンベアBCが特定の状態でない場合、そのときの振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する。なお、このときのプーリPの状態の判断方法は、実施の形態1と同様で良い。また、プーリPが故障している状態又は故障するおそれがある状態と判断した場合の対処方法も、実施の形態1と同様で良い。
【0082】
続いて、図15を参照して、本実施の形態2に係るベルトコンベア監視システム1Aの動作シーケンスについて説明する。
図15に示されるように、ベルトコンベア監視装置10Aにおいては、まず、収集部111は、振動加速度センサI/Fモジュール16に接続された、プーリPの軸受に設置された振動加速度センサSAにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する(ステップS201)。
続いて、演算部112は、収集部111により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する(ステップS202)。
【0083】
続いて、収集部111は、電流センサI/Fモジュール17に接続された、駆動プーリPxを回転駆動するモータMに設置された電流センサSBにより時系列に検出された駆動電流のデータを収集する(ステップS203)。
続いて、演算部112は、収集部111により収集された一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値を演算する(ステップS204)。
【0084】
なお、ステップS201,S202とステップS203,S204とは、順番を逆にして実行しても良いし、並行して実行しても良い。
【0085】
続いて、通信モジュール12は、演算部112により演算された振動加速度特徴値及び駆動電流特徴値を上位装置20に無線送信する(ステップS205)。このとき、通信モジュール12は、振動加速度特徴値と共に、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を上位装置20に無線送信する。また、通信モジュール12は、駆動電流特徴値と共に、駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を上位装置20に無線送信する。なお、振動加速度特徴値及び駆動電流特徴値は、別々に無線送信しても良い。
【0086】
上位装置20においては、まず、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10Aから無線送信された振動加速度特徴値及び駆動電流特徴値を無線受信する(ステップS206)。このとき、通信モジュール22は、ベルトコンベア監視装置10Aから、振動加速度特徴値と共に、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を無線受信し、また、駆動電流特徴値と共に、駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を無線受信する。
【0087】
続いて、判断部211は、通信モジュール22により無線受信された駆動電流特徴値を用いて、ベルトコンベアBCが特定の状態であるか否かを判断する(ステップS207)。このとき、判断部211は、通信モジュール22により駆動電流特徴値と共に無線受信された、駆動プーリPxの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を用いて、駆動電流特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どの駆動プーリPxを回転駆動するモータMの駆動電流の特徴値であるかを特定する。
【0088】
判断部211は、ベルトコンベアBCが特定の状態でない場合、通信モジュール22により無線受信された振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する(ステップS208)。このとき、判断部211は、通信モジュール22により振動加速度特徴値と共に無線受信された、プーリPの識別子及びベルトコンベアBCの識別子を用いて、振動加速度特徴値が、どのベルトコンベアBCを構成する、どのプーリPに生じた振動加速度の特徴値であるかを特定する。
なお、判断部211は、ベルトコンベアBCが特定の状態である場合、振動加速度特徴値を用いた、プーリPの状態判断は実行しない。
【0089】
上述したように本実施の形態2によれば、ベルトコンベア監視装置10Aは、駆動プーリPxを回転駆動するモータMに設置された電流センサSBにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、収集された一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、演算された駆動電流特徴値を上位装置20にさらに無線送信する。上位装置20は、ベルトコンベア監視装置10Aから無線送信された駆動電流特徴値を用いて、ベルトコンベアBCが特定の状態であるか否かを判断する。ベルトコンベアBCが特定の状態でない場合、上位装置20は、そのときの振動加速度特徴値を用いて、実施の形態1と同様に、プーリPの状態を判断する。
【0090】
すなわち、本実施の形態2によれば、上位装置20は、ベルトコンベアBCが、ベルトコンベアBCが原料を搬送中である状態、ベルトコンベアBCにスリップが発生している状態等の特定の状態でない場合に、そのときの振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断する。したがって、上位装置20は、ベルトコンベアBCが、原料の搬送やスリップの影響を受けていていない状態(すなわち、特定の状態ではない状態)のときの振動加速度特徴値を用いて、プーリPの状態を判断するため、プーリPの状態の判断精度のさらなる向上を図ることができる。
【0091】
また、本実施の形態2によれば、ベルトコンベア監視装置10Aは、電流センサSBから得られる駆動電流のデータを、加工せずにそのまま無線送信するのではなく、一定期間の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値を無線送信する。これにより、ベルトコンベア監視装置10Aから上位装置20に対しては、データ量が大きく削減された駆動電流特徴値が送信されることになる。そのため、膨大な数となる駆動プーリPxを回転駆動するモータMの駆動電流特徴値を上位装置20に送信したとしても、駆動電流特徴値の個々のデータ量が小さいため、無線ネットワークの通信帯域が圧迫されることが抑制される。その結果、通信帯域の圧迫に起因した、通信遅延や通信不能の発生も抑制される。
【0092】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0093】
また、上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサと、
前記振動加速度センサが接続され、前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集し、収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算し、演算された振動加速度特徴値を無線送信する監視装置と、
前記監視装置から無線送信された前記振動加速度特徴値を無線受信し、前記振動加速度特徴値を用いて、前記プーリの状態を判断する上位装置と、
を備える、ベルトコンベア監視システム。
(付記2)
前記監視装置は、
前記監視装置に接続された前記振動加速度センサの識別子を、当該振動加速度センサが設置されたプーリの識別子及び当該プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶しており、
前記振動加速度特徴値を無線送信する場合、当該振動加速度特徴値の元になる振動加速度を検出した前記振動加速度センサの識別子に対応付けられた、プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該振動加速度特徴値と共に無線送信する、
付記1に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記3)
前記ベルトコンベアを構成する駆動プーリを回転駆動するモータに設置され、前記モータに供給される駆動電流を検出する電流センサをさらに備え、
前記監視装置は、
前記電流センサにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、
前記収集された前記一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、
前記演算された前記駆動電流特徴値をさらに無線送信し、
前記上位装置は、
前記監視装置から無線送信された前記駆動電流特徴値をさらに無線受信し、
前記駆動電流特徴値を用いて、前記ベルトコンベアが特定の状態であるか否かを判断し、
前記ベルトコンベアが特定の状態でないときの振動加速度特徴値を用いて、前記プーリの状態を判断する、
付記1又は2に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記4)
前記監視装置は、
前記監視装置に接続された前記電流センサの識別子を、当該電流センサが設置されたモータを回転駆動する駆動プーリの識別子及び当該駆動プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶しており、
前記駆動電流特徴値を無線送信する場合、当該駆動電流特徴値の元になる駆動電流を検出した前記電流センサの識別子に対応付けられた、駆動プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該駆動電流特徴値と共に無線送信する、
付記3に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記5)
前記監視装置は、前記一定期間内の振動加速度のデータの平均値又は実効値を、前記振動加速度特徴値として演算する、
付記1から4のいずれか1項に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記6)
前記監視装置は、前記一定期間内の駆動電流のデータの平均値又は実効値を、前記駆動電流特徴値として演算する、
付記3又は4に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記7)
前記上位装置は、前記プーリが故障している状態又は故障するおそれがある状態と判断した場合、前記プーリの監視に保守員が向かうよう監視指示を出力する、
付記1から6のいずれか1項に記載のベルトコンベア監視システム。
(付記8)
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する収集部と、
前記収集部により収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する演算部と、
前記演算部により演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する通信部と、
を備える、ベルトコンベア監視装置。
(付記9)
前記ベルトコンベア監視装置に接続された前記振動加速度センサの識別子を、当該振動加速度センサが設置されたプーリの識別子及び当該プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶する振動加速度センサテーブルをさらに備え、
前記通信部は、前記振動加速度特徴値を無線送信する場合、当該振動加速度特徴値の元になる振動加速度を検出した前記振動加速度センサの識別子に対応付けられた、プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該振動加速度特徴値と共に無線送信する、
付記8に記載のベルトコンベア監視装置。
(付記10)
前記ベルトコンベア監視装置は、
前記ベルトコンベアを構成する駆動プーリを回転駆動するモータに設置され、前記モータに供給される駆動電流を検出する電流センサにさらに接続され、
前記収集部は、前記電流センサにより時系列に検出された駆動電流のデータをさらに収集し、
前記演算部は、前記収集部により収集された前記一定期間内の駆動電流のデータの特徴を表す駆動電流特徴値をさらに演算し、
前記通信部は、前記演算部により演算された前記駆動電流特徴値を前記上位装置にさらに無線送信する、
付記8又は9に記載のベルトコンベア監視装置。
(付記11)
前記ベルトコンベア監視装置に接続された前記電流センサの識別子を、当該電流センサが設置されたモータを回転駆動する駆動プーリの識別子及び当該駆動プーリで構成されるベルトコンベアの識別子と対応付けて記憶する電流センサテーブルをさらに備え、
前記通信部は、前記駆動電流特徴値を無線送信する場合、当該駆動電流特徴値の元になる駆動電流を検出した前記電流センサの識別子に対応付けられた、駆動プーリの識別子及びベルトコンベアの識別子を、当該駆動電流特徴値と共に無線送信する、
付記10に記載のベルトコンベア監視装置。
(付記12)
前記演算部は、前記一定期間内の振動加速度のデータの平均値又は実効値を、前記振動加速度特徴値として演算する、
付記8から11のいずれか1項に記載のベルトコンベア監視装置。
(付記13)
前記演算部は、前記一定期間内の駆動電流のデータの平均値又は実効値を、前記駆動電流特徴値として演算する、
付記10又は11に記載のベルトコンベア監視装置。
(付記14)
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置によるベルトコンベア監視方法であって、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集するステップと、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算するステップと、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信するステップと、
を含む、ベルトコンベア監視方法。
(付記15)
ベルトコンベアを構成するプーリの軸受に設置され、前記プーリの軸受に生じる振動加速度を検出する振動加速度センサに接続されたベルトコンベア監視装置に、
前記振動加速度センサにより時系列に検出された振動加速度のデータを収集する手順と、
前記収集された一定期間内の振動加速度のデータの特徴を表す振動加速度特徴値を演算する手順と、
前記演算された振動加速度特徴値を上位装置に無線送信する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0094】
1,1A ベルトコンベア監視システム
10,10A ベルトコンベア監視装置
11 プロセッサ
111 収集部
112 演算部
12 通信モジュール
13 メモリ
14 DC電源モジュール
15 入出力I/Fモジュール
16 振動加速度センサI/Fモジュール
17 電流センサI/Fモジュール
20 上位装置
21 プロセッサ
211 判断部
22 通信モジュール
23 メモリ
24 DC電源モジュール
25 入出力I/Fモジュール
BC ベルトコンベア
Px 駆動プーリ
Py 従動プーリ
BE 軸受
M モータ
G 発電機
SA-1~SA-N 振動加速度センサ
SB-1~SB-M 電流センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15