(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】空調衣服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20240109BHJP
A41D 27/18 20060101ALI20240109BHJP
A41D 1/04 20060101ALI20240109BHJP
A41D 1/02 20060101ALI20240109BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20240109BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20240109BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D27/18 D
A41D1/04 D
A41D1/02 Z
A41D13/005 101
A41D13/005 103
A41D1/00 D
A41D1/00 E
A41D13/005 108
(21)【出願番号】P 2023099428
(22)【出願日】2023-06-16
【審査請求日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2022119924
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509343909
【氏名又は名称】株式会社金星
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 智直
(72)【発明者】
【氏名】丹井 涼太
(72)【発明者】
【氏名】石川 さとみ
(72)【発明者】
【氏名】石井 一史
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-101470(JP,A)
【文献】特開2020-125551(JP,A)
【文献】特開2021-110076(JP,A)
【文献】特開2019-123954(JP,A)
【文献】特開2018-119230(JP,A)
【文献】特開平11-61518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/002
A41D 27/18
A41D 1/04
A41D 1/02
A41D 13/005
A41D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者に着用された状態において前記着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服であって、
前記着用者に着用可能である衣服本体であって、前記着用者に着用された状態で、前記着用者の胸部及び腹部に対向するように前方に位置する前部及び前記着用者の背中に対向するように後方に位置する後部を備えた、衣服本体と、
前記衣服本体の前記後部1に設けられるとともに、前記衣服本体の内側面と外側面との間を貫通する第1空調穴を有する第1取付部であって、前記第1空調穴を介して外気を前記空調衣服の内側に取り込む第1温度調整装置を脱着可能な第1取付部と、
前記衣服本体の前記後部に設けられるとともに、前記衣服本体の内側面と外側面との間を貫通する第2空調穴を有する第2取付部であって、前記第2空調穴を介して外気を前記空調衣服の内側に取り込む第2温度調整装置を脱着可能な第2取付部と、
前記衣服本体の上端に設けられ、前記着用者に着用された状態で前記着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆うとともに上方に延在するカラー部と、を備え、
前記空調衣服の空調時に、前記第1空調穴及び前記第2空調穴を介して前記衣服本体の内部に取り込まれた外気が、前記衣服本体の前記後部と前記着用者の背中との間に存在する後方空調空間を通過して、前記カラー部の内側面と前記着用者の首から上の後頭部の後方との間に向かって、流れる気流通路が形成されるようになっており、
前記カラー部は、前記着用者の後頭部の少なくとも後方を覆う形状を有する
ものであり、
前記カラー部は、
前記カラー部の内側面を構成する第1生地と、
前記カラー部の外側面を構成する第2生地と、
前記第1生地及び前記2生地の少なくとも何れか一方に固定され、前記形状を保持する補強部材を構成する内側芯材と、を備え、
前記第1生地の上端を折り返した第1折り返し部と、前記第2生地の上端を折り返した第2折り返し部とが、貼り合わされた状態で、前記内側芯材の前記上端とともに、前記カラー部の上端に沿った第1縫い目で連続的に、前記カラー部の前記内側面から前記外側面に至るように縫い合わされている、
ことを特徴とする空調衣服。
【請求項2】
前記カラー部は、前記形状を保持するために、前記カラー部の部分的にまたは全体的に、
前記補強部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項3】
前記補強部材は、補強布又は芯地であることを特徴とする請求項2に記載の空調衣服。
【請求項4】
前記カラー部は、前記衣服本体の前記後部の上端から前記衣服本体の前部の上端に至るように連続的に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項5】
前記カラー部は、前記着用者の側頭部分に対向する部分から前方に向けて、前記カラー部の高さが徐々に低くなっている
ことを特徴とする請求項4に記載の空調衣服。
【請求項6】
前記カラー部は、前記衣服本体の前部の上端の上方において、前方に向けて、前記カラー部の高さが徐々に低くなっている
ことを特徴とする請求項5に記載の空調衣服。
【請求項7】
前記カラー部を展開した平面的な形状は、前記カラー部の横方向に左右対称であり、
前記カラー部の横方向における中央の下端から上端までの高さが最も高くなっており、
前記カラー部の横方向における両端の下端から上端までの高さが最も低くなっている
ことを特徴とする請求項6に記載の空調衣服。
【請求項8】
前記カラー部を展開した平面的な形状の上端は、凸型になっており、
前記カラー部を展開した平面的な形状の下端は、凹型になっていることを特徴とする請求項7に記載の空調衣服。
【請求項9】
前記衣服本体の上端が前記第1生地の下端と前記第2生地の下端とにより挟み込まれるようにして固定されることで、前記衣服本体の前記上端と前記カラー部の下端とが接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の空調衣服。
【請求項10】
前記カラー部は、前記カラー部の内側面において、前記第1生地に設けられた収納部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の空調衣服。
【請求項11】
前記内側芯材の上端を挟むようにして前記第1生地の上端を折り返した第1折り返し部と、前記第2生地の上端を折り返した第2折り返し部とが、貼り合わされた状態で、前記内側芯材の前記上端とともに、前記カラー部の上端に沿った第1縫い目で連続的に、前記カラー部の前記内側面から前記外側面に至るように縫い合わされており、
前記内側芯材の下端を挟むようにして前記第1生地の下部を折り返した第3折り返し部と、前記第2生地の下端を折り返した第4折り返し部とが、貼り合わされた状態で、前記内側芯材の前記下端及び前記衣服本体の上端とともに、前記カラー部の下端に沿った第2縫い目で連続的に、前記カラー部の前記内側面から前記外側面に至るように縫い合わされている
ことを特徴とする請求項9に記載の空調衣服。
【請求項12】
前記第1縫い目に沿い且つ前記第1縫い目よりも前記カラー部の上端側に位置する第3縫い目で連続的に、前記第1折り返し部における前記第1生地の端部と、前記第2折り返し部における前記第2生地の端部とが、縫い合わされており、
前記第2縫い目に沿い且つ前記第2縫い目よりも前記カラー部の下端側に位置する第4縫い目で連続的に、前記第3折り返し部における前記第1生地の端部と、前記第4折り返し部における前記第2生地の端部とが、縫い合わされている
ことを特徴とする請求項11に記載の空調衣服。
【請求項13】
前記カラー部は、前記衣服本体の上端に沿うようにして、前記カラー部の上部が前記カラー部の下部の少なくともに一部に重なるように、折れるようになっている
ことを特徴とする請求項9に記載の空調衣服。
【請求項14】
前記カラー部は、前記着用者の首から上の後頭部の後ろ側に対向する前記カラー部の中央を中心として横方向に延在するように、前記第1生地と前記第2生地との間に設けられ、前記第1生地及び前記第2生地よりも硬い補強用芯材をさらに備える
ことを特徴とする
請求項10に記載の空調衣服。
【請求項15】
前記補強用芯材の上端の位置は、前記収納部の上端の位置と同じであることを特徴とする請求項14に記載の空調衣服。
【請求項16】
前記カラー部は、前記補強用芯材の上端の位置を通る線を境として、前記カラー部の前記上部の外側面が前記カラー部の前記下部の外側面に重なるように折れ曲がるようになっている
ことを特徴とする請求項14に記載の空調衣服。
【請求項17】
前記カラー部が接続された前記衣服本体の前記後部の上端と前記第1取付部及び第2取付部が位置する取付領域との間に位置するように、前記衣服本体の前記後部の内側面に設けられた通気空間調整部を備え、
前記通気空間調整部は、前記衣服本体の前記後部の内側面の第1調整部分と第2調整部分との間の距離を調整することで前記衣服本体の前記後部の形状を調整して、前記空調時における前記後方通気空間の形状を調整する
ことを特徴とする請求項14に記載の空調衣服。
【請求項18】
前記第1調整部分は、前記衣服本体の前記後部の中心線よりも右側に位置し、
前記第2調整部分は、前記衣服本体の前記後部の前記中心線よりも左側に位置し、
前記第1調整部分と前記第2調整部分とは、衣服本体の横方向に並んで配置されている
ことを特徴とする請求項17に記載の空調衣服。
【請求項19】
前記通気空間調整部は、前記衣服本体の前記後部の内側面の前記第1調整部分に接続された第1端と、前記衣服本体の前記後部の内側面の前記第2調整部に接続された第2端と、を有する調整紐を含み、
前記通気空間調整部は、前記調整紐の前記第1端と前記第2端との間の長さを調整することで、前記後方通気空間の形状を調整する
ことを特徴とする請求項18に記載の空調衣服。
【請求項20】
前記補強用芯材の幅よりも、調整される前の前記調整紐の長さの方が長い、ことを特徴とする請求項14に記載の空調衣服。
【請求項21】
前記通気空間調整部は、前記取付領域よりも、前記カラー部に近接して配置されていることを特徴とする請求項20に記載の空調衣服。
【請求項22】
前記調整紐は、複数の調整用穴が形成されており、
前記調整紐は、前記複数の調整用穴の何れか1つと係合する係合部を備える
ことを特徴とする請求項19に記載の空調衣服。
【請求項23】
前記後方通気空間は、調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を含み、
前記気流通路は、少なくとも調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも前記補強用芯材と前記着用者の後頭部との間の領域を通過する
ことを特徴とする請求項20に記載の空調衣服。
【請求項24】
前記収納部の前記幅よりも、調整される前の前記調整紐の長さの方が長い、ことを特徴とする
請求項19に記載の空調衣服。
【請求項25】
前記後方通気空間は、調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を含み、
前記気流通路は、少なくとも調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも前記収納部と前記着用者の後頭部との間の領域を通過する
ことを特徴とする請求項24に記載の空調衣服。
【請求項26】
前記空調衣服の上下方向における、前記収納部の下端から上端までの高さは、前記カラー部の中央部における下端から上端までの高さの半分以下である
ことを特徴とする請求項25に記載の空調衣服。
【請求項27】
前記第1取付部に取り付けられた前記第1温度調整装置と、
前記第2取付部に取り付けられた前記第2温度調整装置と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項28】
前記第1取付部は、前記第1温度調整装置が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第1発熱装置が脱着可能になっており、
前記第2取付部は、前記第2温度調整装置が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第2発熱装置が脱着可能になっている
ことを特徴とする請求項1記載の空調衣服。
【請求項29】
前記空調衣服は、ベスト又はブルゾンであることを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項30】
前記第1温度調整装置は、第1ファンであり、前記第2温度調整装置は、第2ファンであることを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者に着用された状態において当該着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度調整装置である電動のファンを備え、このファンの作動により外気を衣服本体の内側に取り込むことによって身体の冷却を図るように構成された、空調衣服と称する作業服が知られている。このような空調衣服は、高温環境の室内外で作業を行う作業者(着用者)の体温上昇を抑制することができ、夏季の熱中症対策としても有効である。
【0003】
ここで、従来技術として、例えば、特許文献1に示すように、空調衣服であって、着用者を覆う衣服本体と、外気を導入するためのファンと、前記ファンを外側から覆うように、当該ファンが取り付けられた前記衣服本体に対して着脱可能に取り付けられる異物侵入防止用のカバー部材と、を含み、前記カバー部材は、金網からなる異物侵入防止用のフィルタと、その周縁部を覆う枠部材とを備え、前記衣服本体は、当該衣服本体の外側面に沿って前記カバー部材が出し入れ可能に収納されるポケット部を備えているものがある。
【0004】
当該従来技術によれば、粉塵等の異物の侵入を抑制することができる、より使い勝手の良い空調衣服が提供される。
【0005】
しかしながら、上記の従来技術における空調衣服は、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流を、着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することを意図するものではないものであり、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導するように当該空調衣服の襟の部分(カラー部)が十分な高さおよび当該気流で変形しないような強度を有することを開示するものではない。
【0006】
以上のように、上記従来技術の空調衣服では、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施形態に従った空調衣服は、
着用者に着用された状態において前記着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服であって、
前記着用者に着用可能である衣服本体であって、前記着用者に着用された状態で、前記着用者の胸部及び腹部に対向するように前方に位置する前部及び前記着用者の背中に対向するように後方に位置する後部を備えた、衣服本体と、
前記衣服本体の前記後部1に設けられるとともに、前記衣服本体の内側面と外側面との間を貫通する第1空調穴を有する第1取付部であって、前記第1空調穴を介して外気を前記空調衣服の内側に取り込む第1温度調整装置を脱着可能な第1取付部と、
前記衣服本体の前記後部に設けられるとともに、前記衣服本体の内側面と外側面との間を貫通する第2空調穴を有する第2取付部であって、前記第2空調穴を介して外気を前記空調衣服の内側に取り込む第2温度調整装置を脱着可能な第2取付部と、
前記衣服本体の上端に設けられ、前記着用者に着用された状態で前記着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆うとともに上方に延在するカラー部と、を備え、
前記空調衣服の空調時に、前記第1空調穴及び前記第2空調穴を介して前記衣服本体の内部に取り込まれた外気が、前記衣服本体の前記後部と前記着用者の背中との間に存在する後方空調空間を通過して、前記カラー部の内側面と前記着用者の首から上の後頭部の後方との間に向かって、流れる気流通路が形成されるようになっており、
前記カラー部は、前記着用者の後頭部の少なくとも後方を覆う形状を有する
ことを特徴とする。
【0009】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記形状を保持するために、前記カラー部の部分的にまたは全体的に、補強部材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記空調衣服において、
前記補強部材は、補強布又は芯地であることを特徴とする。
【0011】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記衣服本体の前記後部の上端から前記衣服本体の前部の上端に至るように連続的に設けられている
ことを特徴とする。
【0012】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記着用者の側頭部分に対向する部分から前方に向けて、前記カラー部の高さが徐々に低くなっている
ことを特徴とする。
【0013】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記衣服本体の前部の上端の上方において、前方に向けて、前記カラー部の高さが徐々に低くなっている
ことを特徴とする。
【0014】
前記空調衣服において、
前記カラー部を展開した平面的な形状は、前記カラー部の横方向に左右対称であり、
前記カラー部の横方向における中央の下端から上端までの高さが最も高くなっており、
前記カラー部の横方向における両端の下端から上端までの高さが最も低くなっている
ことを特徴とする。
【0015】
前記空調衣服において、
前記カラー部を展開した平面的な形状の上端は、凸型になっており、
前記カラー部を展開した平面的な形状の下端は、凹型になっていることを特徴とする。
【0016】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、
前記カラー部の内側面を構成する第1生地と、
前記カラー部の外側面を構成する第2生地と、
前記第1生地及び前記2生地の少なくとも何れか一方に固定され、前記補強部材を構成する内側芯材と、を備え、
前記衣服本体の上端が前記第1生地の下端と前記第2生地の下端とにより挟み込まれるようにして固定されることで、前記衣服本体の前記上端と前記カラー部の下端とが接続されている
ことを特徴とする。
【0017】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記カラー部の内側面において、前記第1生地に設けられた収納部をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
前記空調衣服において、
前記内側芯材の上端を挟むようにして前記第1生地の上端を折り返した第1折り返し部と、前記第2生地の上端を折り返した第2折り返し部とが、貼り合わされた状態で、前記内側芯材の前記上端とともに、前記カラー部の上端に沿った第1縫い目で連続的に、前記カラー部の前記内側面から前記外側面に至るように縫い合わされており、
前記内側芯材の下端を挟むようにして前記第1生地の下部を折り返した第3折り返し部と、前記第2生地の下端を折り返した第4折り返し部とが、貼り合わされた状態で、前記内側芯材の前記下端及び前記衣服本体の上端とともに、前記カラー部の下端に沿った第2縫い目で連続的に、前記カラー部の前記内側面から前記外側面に至るように縫い合わされている
ことを特徴とする。
【0019】
前記空調衣服において、
前記第1縫い目に沿い且つ前記第1縫い目よりも前記カラー部の上端側に位置する第3縫い目で連続的に、前記第1折り返し部における前記第1生地の端部と、前記第2折り返し部における前記第2生地の端部とが、縫い合わされており、
前記第2縫い目に沿い且つ前記第2縫い目よりも前記カラー部の下端側に位置する第4縫い目で連続的に、前記第3折り返し部における前記第1生地の端部と、前記第4折り返し部における前記第2生地の端部とが、縫い合わされている
ことを特徴とする。
【0020】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記衣服本体の上端に沿うようにして、前記カラー部の上部が前記カラー部の下部の少なくともに一部に重なるように、折れるようになっている
ことを特徴とする。
【0021】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記着用者の首から上の後頭部の後ろ側に対向する前記カラー部の中央を中心として横方向に延在するように、前記第1生地と前記第2生地との間に設けられ、前記第1生地及び前記第2生地よりも硬い補強用芯材をさらに備える
ことを特徴とする。
【0022】
前記空調衣服において、
前記補強用芯材の上端の位置は、前記収納部の上端の位置と同じであることを特徴とする。
【0023】
前記空調衣服において、
前記カラー部は、前記補強用芯材の上端の位置を通る線を境として、前記カラー部の前記上部の外側面が前記カラー部の前記下部の外側面に重なるように折れ曲がるようになっている
ことを特徴とする。
【0024】
前記空調衣服において、
前記カラー部が接続された前記衣服本体の前記後部の上端と前記第1取付部及び第2取付部が位置する取付領域との間に位置するように、前記衣服本体の前記後部の内側面に設けられた通気空間調整部を備え、
前記通気空間調整部は、前記衣服本体の前記後部の内側面の第1調整部分と第2調整部分との間の距離を調整することで前記衣服本体の前記後部の形状を調整して、前記空調時における前記後方通気空間の形状を調整する
ことを特徴とする。
【0025】
前記空調衣服において、
前記第1調整部分は、前記衣服本体の前記後部の中心線よりも右側に位置し、
前記第2調整部分は、前記衣服本体の前記後部の前記中心線よりも左側に位置し、
前記第1調整部分と前記第2調整部分とは、衣服本体の横方向に並んで配置されている
ことを特徴とする。
【0026】
前記空調衣服において、
前記通気空間調整部は、前記衣服本体の前記後部の内側面の前記第1調整部分に接続された第1端と、前記衣服本体の前記後部の内側面の前記第2調整部に接続された第2端と、を有する調整紐を含み、
前記通気空間調整部は、前記調整紐の前記第1端と前記第2端との間の長さを調整することで、前記後方通気空間の形状を調整する
ことを特徴とする。
【0027】
前記空調衣服において、
前記補強用芯材の幅よりも、調整される前の前記調整紐の長さの方が長い、ことを特徴とする。
【0028】
前記空調衣服において、
前記通気空間調整部は、前記取付領域よりも、前記カラー部に近接して配置されていることを特徴とする。
【0029】
前記空調衣服において、
前記後方通気空間は、調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を含み、
前記気流通路は、少なくとも調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも前記補強用芯材と前記着用者の後頭部との間の領域を通過する
ことを特徴とする。
【0030】
前記空調衣服において、
前記収納部の前記幅よりも、調整される前の前記調整紐の長さの方が長い、ことを特徴とする。
【0031】
前記空調衣服において、
前記後方通気空間は、調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を含み、
前記気流通路は、少なくとも調整後の前記調整紐と前記空調衣服の前記後部の内側面で囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも前記収納部と前記着用者の後頭部との間の領域を通過する
ことを特徴とする。
【0032】
前記空調衣服において、
前記調整紐は、複数の調整用穴が形成されており、
前記調整紐は、前記複数の調整用穴の何れか1つと係合する係合部を備える
ことを特徴とする。
【0033】
前記空調衣服において、
前記空調衣服の上下方向における、前記収納部の下端から上端までの高さは、前記カラー部の中央部における下端から上端までの高さの半分以下である
ことを特徴とする。
【0034】
前記空調衣服において、
前記第1取付部に取り付けられた前記第1温度調整装置と、
前記第2取付部に取り付けられた前記第2温度調整装置と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【0035】
前記空調衣服において、
前記第1取付部は、前記第1温度調整装置が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第1発熱装置が脱着可能になっており、
前記第2取付部は、前記第2温度調整装置が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第2発熱装置が脱着可能になっている
ことを特徴とする。
【0036】
前記空調衣服において、
前記空調衣服は、ベスト又はブルゾンであることを特徴とする。
【0037】
前記空調衣服において、
前記第1温度調整装置は、第1ファンであり、前記第2温度調整装置は、第2ファンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明の一態様に係る空調衣服によれば、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施例に係る空調衣服100の前方から見た外観の一例を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の実施例に係る空調衣服100の後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、空調衣服100の衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinおよびカラー部20を内側から見た構成の一例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、空調衣服100の衣服本体の後部10Yの上部とカラー部20を含む、
図2の領域Zに注目した断面の一例を示す断面図である。
【
図3B】
図3Bは、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1、第2温度調整装置FC1、FC2を取り付けた状態の空調衣服100を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1、第2温度調整装置FC1、FC2を取り付けた状態の空調衣服100の衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinおよびカラー部20を内側から見た構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の第1変形例を示す図である。
【
図7】
図7は、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の第2変形例を示す図である。
【
図8】
図8は、空調衣服100の衣服本体の後部10Yの上部とカラー部20を含む、
図2の領域Zに注目した断面の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0041】
まず、図を参照して、実施例に係る空調衣服について説明する。ここで、
図1Aは、本発明の実施例に係る空調衣服100の前方から見た外観の一例を示す図である。また、
図1Bは、本発明の実施例に係る空調衣服100の後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図2は、空調衣服100の衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinおよびカラー部20を内側から見た構成の一例を示す図である。また、
図3Aは、空調衣服100の衣服本体の後部10Yの上部とカラー部20を含む、
図2の領域Zに注目した断面の一例を示す断面図である。また、
図3Bは、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の一例を示す図である。また、
図4は、第1、第2温度調整装置FC1、FC2を取り付けた状態の空調衣服100を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図5は、第1、第2温度調整装置FC1、FC2を取り付けた状態の空調衣服100の衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinおよびカラー部20を内側から見た構成の一例を示す図である。
【0042】
なお、
図3Aのカラー部20の断面は、
図3Bのカラー部20のA-A線に沿った断面に対応する。
【0043】
[空調衣服]
図1A及び
図1Bに示す実施例に係る空調衣服100は、例えば、着用者(図示せず)に着用された状態において当該着用者との間に存在する内側の空間を空調するための作業着である。
【0044】
この空調衣服100は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、ベスト(袖が無い作業着)である。しかしながら、この空調衣服100は、ブルゾン等の長袖や半袖等の作業着であってもよい。
【0045】
そして、この空調衣服100は、例えば、
図1Aないし
図5に示すように、衣服本体10と、第1取付部T1と、第2取付部T2と、電源用収納部P2と、収納部P1と、通気空間調整部50と、カラー部20と、を備える。
【0046】
なお、
図2ないし
図5においては、簡単のため、
図1A及び
図1Bに示される空調衣服100の構成の一部が省略されて表示されている場合がある。
【0047】
以下、空調衣服100の各構成要素について詳細に説明する。
【0048】
[衣服本体]
衣服本体10は、当該着用者に着用可能になっている。特に、この衣服本体10は、着用者の上半身に着用可能である。
【0049】
この衣服本体10は、空調衣服100の前方に位置し、着用者に着用された状態で、当該着用者の少なくとも胸部近傍を被覆する(着用者の胸部及び腹部に対向するように前方に位置する)前部10X(
図1A)と、空調衣服100の後方に位置して着用者の少なくとも背中近傍を被覆する(着用者の背中に対向するように後方に位置する)後部10Y(
図1B)と、を備える。
【0050】
また、この衣服本体10は、ファスナーGを閉じることにより、衣服本体10の前部10Xが閉じられるようになっている(
図1A)。
【0051】
また、この衣服本体10は、着用者の肩周り、胴周り、及び首周りにそれぞれ対応する開口部10L、10R、10U、10Dを備える。
【0052】
また、この衣服本体10の前部10Xには、例えばポケットである、収納部(電源用収納部)P2及び収納部P1が設けられている。
【0053】
[第1及び第2取付部]
第1取付部T1は、例えば、
図1B~
図3Bに示すように、衣服本体10の後部10Yに設けられるとともに、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと外側面10Youtとの間を貫通する第1空調穴T1Aを有する。
【0054】
この第1取付部T1は、第1空調穴T1Aを介して外気を空調衣服100の内側に取り込む第1温度調整装置である第1ファンを脱着可能である。なお、当該第1ファンは例えば電源が内蔵された電動ファンである。
【0055】
なお、
図4及び
図5に示すように、空調衣服100は、第1取付部T1に取り付けられた当該第1温度調整装置(第1ファン)FC1をさらに備えるようにしてもよい。
【0056】
一方、例えば、第1取付部T1は、第1温度調整装置FC1が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第1発熱装置(図示せず)が脱着可能になっているようにしてもよい。
【0057】
また、第2取付部T2は、例えば、
図1B~
図3Bに示すように、衣服本体10の後部10Yに設けられるとともに、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと外側面10Youtとの間を貫通する第2空調穴T2Aを有する。
【0058】
この第2取付部T2は、第2空調穴T2Aを介して外気を空調衣服100の内側に取り込む第2温度調整装置である第2ファンを脱着可能である。なお、当該第2ファンは例えば電源が内蔵された電動ファンである。
【0059】
なお、
図4及び
図5に示すように、空調衣服100は、第2取付部T2に取り付けられた当該第2温度調整装置(第2ファン)FC2をさらに備えるようにしてもよい。
【0060】
一方、第2取付部T2は、第2温度調整装置FC2が外れている状態で、電源から供給される電力により発熱する第2発熱装置(図示せず)が脱着可能になっているようにしてもよい。
【0061】
なお、
図1B~
図3Bの例では、第1取付部T1及び第2取付部T2は、空調衣服100が着用者に着用された状態において着用者の胴部の背中側に対面する衣服本体10の後部10Yの胴部領域に配置されている。しかしながら、第1取付部T1及び第2取付部T2は、衣服本体10の他の領域に配置されているようにしてもよい。
【0062】
[通気空間調整部]
また、通気空間調整部50は、例えば、
図2、
図5に示すように、カラー部20が接続された衣服本体10の後部10Yの上端10YEと第1取付部T1及び第2取付部T2が位置する取付領域Tとの間に位置するように、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinに設けられている。
【0063】
特に、通気空間調整部50は、例えば、
図2、
図5に示すように、取付領域Tよりも、カラー部20に近接して配置されている。
【0064】
この通気空間調整部50は、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離を調整することで、衣服本体10の後部10Yの形状を調整して、空調時(
図4、
図5)における後方通気空間(着用者の背中側と前記衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間の空間)の形状を調整するようになっている。
【0065】
例えば、
図2、
図5に示すように、第1調整部分50aは、衣服本体10の後部10Yの中心線よりも右側に位置し、第2調整部分50bは、衣服本体10の後部10Yの中心線よりも左側に位置している。そして、第1調整部分50aと第2調整部分50bとは、衣服本体10の横方向に並んで配置されている。
【0066】
より詳しくは、通気空間調整部50は、例えば、
図2、
図5に示すように、調整紐50Hを含む。
【0067】
そして、調整紐50Hは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aに接続された第1端50aと、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第2調整部50bに接続された第2端50bと、を有する。
【0068】
さらに、調整紐50Hは、複数の調整用穴50c1、50c2、50c3が形成されている。そして、この調整紐50Hは、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合する係合部(係合ボタン)50dを備える。
【0069】
例えば、通気空間調整部50は、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合することにより、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さが調整されるようになっている。
【0070】
このように、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さが調整されることで、第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離が調整されるようになっている。
【0071】
そして、例えば、調整紐50Hの長さが調整されていない状態(すなわち、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合していない状態)では、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離と同じになっている。
【0072】
したがって、この状態(
図2、
図5に示す状態)では、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinに当該調整紐50Hが当接した状態になる。
【0073】
一方、調整紐50Hの長さが調整された状態(すなわち、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合している状態)では、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離よりも、短くなる。
【0074】
したがって、この状態では、内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとが近づくように、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinが撓むため、空調時(
図4、
図5)に衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと当該調整紐50Hとの間に気流が通過する所望の領域が形成されることとなる。
【0075】
すなわち、通気空間調整部50は、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さを調整することで、着用者の背中側と前記衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間の後方通気空間の形状を調整するようになっている。
【0076】
このように、当該後方通気空間は、調整後の調整紐50と空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を含む。そして、例えば、気流通路Qは、少なくとも、調整後の調整紐50と空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を通過することとなる。
【0077】
[カラー部]
カラー部20は、例えば、
図1A、
図1B、
図2、
図3Aに示すように、衣服本体10の上端10XE、10YEに設けられ(接続され)、着用者に着用された状態で当該着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆うとともに上方に延在するようになっている。
【0078】
より詳しくは、このカラー部20は、例えば、
図1A、
図1B、
図2、
図3Aに示すように、衣服本体10の後部10Yの上端10YEから衣服本体10の前部10Xの上端10XEに至るように連続的に設けられている。
【0079】
特に、例えば、
図1Aに示すように、カラー部20は、着用者の側頭部分に対向する部分から前方に向けて、カラー部20の高さが徐々に低くなっている(少なくとも後頭部中央よりも低くする)。言い換えれば、例えば、
図1Aに示すように、カラー部20は、衣服本体10の前部10Xの上端10XEの上方において、前方に向けて、カラー部20高さが徐々に低くなっている。
【0080】
これにより、当該カラー部20が着用者の周囲の音や声を遮らないようにすることができるようになっている。
【0081】
なお、例えば、
図3Bに示すように、カラー部20を展開した平面的な形状は、カラー部20の横方向に左右対称である。
【0082】
そして、カラー部20の横方向における中央の下端から上端までの高さが最も高くなっている。そして、カラー部20の横方向における両端の下端から上端までの高さが最も低くなっている(すなわち、カラー部20の横方向における両端において上端と下端とが交わっている)。
【0083】
より詳しくは、例えば、
図3Bに示すように、カラー部20を展開した平面的な形状の上端は、凸型になっている。さらに、カラー部20を展開した平面的な形状の下端は、凹型になっている。これにより、カラー部20を衣服本体10の上端10XE、10YEに縫い付けた状態において、衣服本体10が外側に向けて広がるようになるため、気流が抜けやすく且つ着用者の頭や耳を塞ぎにくくなるようになっている。
【0084】
なお、この襟であるカラー部20に関しては、
図3Bに示す展開した片側面において1枚の生地(1パーツ)により構成されている。しかしながら、例えば、
図3Bに示す展開した片側面において当該カラー部20の上下方向の中間近辺で分割して2枚の生地(2パーツ)で縫い合わせたり、当該カラー部20の上下左右方向に複数に分割して複数枚の生地(複数パーツ)で縫い合わせる等して構成されているようにしてもよい。
【0085】
一方、例えば、
図4、
図5に示すように、空調衣服100の空調時に、第1空調穴T1A及び第2空調穴T2Aを介して衣服本体10の内部に取り込まれた外気が、衣服本体10の後部10Yと着用者の背中との間に存在する後方空調空間を通過して、カラー部20の内側面20inと着用者の首から上の後頭部の後方との間に向かって、流れる気流通路100が形成されるようになっている。
【0086】
そして、このカラー部20は、例えば、
図3Aに示すように、着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆う形状を有し、形状を保持するために、カラー部20の部分的にまたは全体的に、補強部材20Zが設けられている。この補強部材20Zは、例えば、補強布又は芯地である。
【0087】
これにより、空調衣服100の襟であるカラー部20の保形性を高めて、着用者の後頭部の後ろから上方における気流通路Qが潰れないようにすることができるようになっている。
【0088】
なお、このカラー部20は、例えば、衣服本体10との接続部分(カラー部20の下端)から当該カラー部20の上端までの高さの最大値が例えば13cm以上である。
【0089】
このように、空調衣服100の襟であるカラー部20の高さを高くすることで、着用者の首から上の後頭部の後ろや顔周辺に気流をより確実に送り込むことができる。
【0090】
ここで、既述のように、着用者に着用された状態で着用者の首の周辺および首から上の後頭部を覆うためには、カラー部20は、気流により変形しないで形状を保持するように所望の強度を有する必要がある。
【0091】
そこで、カラー部20は、その形状を保持するために補強部材20Zを含む複数の部材で構成されている。
【0092】
より詳しくは、カラー部20は、例えば、
図3Aに示すように、第1生地20aと、第2生地20bと、内側芯材20Zと、を備える。
【0093】
そして、第1生地20aは、カラー部20の内側面20inを構成している。
【0094】
また、第2生地20bは、カラー部20の外側面20outを構成している。
【0095】
また、内側芯材20Zは、第1生地20a及び第2生地20bの少なくとも何れか一方に固定され、既述の補強部材20Zを構成している。
【0096】
特に、例えば、
図3Aに示すように、衣服本体10の上端10XE、YEが第1生地20aの下端と第2生地20bの下端とにより挟み込まれるようにして固定されることで、衣服本体10の上端10XE、10YEと前カラー部20の下端とが接続されている。
【0097】
これにより、衣服本体10とカラー部20との境界部分は、1枚の生地同士を縫い合わせた場合よりも硬くなるようになっている。すなわち、カラー部20を立たせた状態で保持するために、当該境界部分を硬くしているものである。
【0098】
特に、例えば、
図3Aに示すように、内側芯材20Zの上端を挟むようにして第1生地20aの上端を折り返した第1折り返し部D1と、第2生地20bの上端を折り返した第2折り返し部D2とが、これらが貼り合わされた状態で、内側芯材20Zの上端とともに、カラー部20の上端に沿った第1縫い目N1で連続的に、カラー部20の内側面20inから外側面20outに至るように縫い合わされている。
【0099】
さらに、第1縫い目N1に沿い且つ当該第1縫い目N1よりもカラー部20の上端20E側に位置する第3縫い目N3で連続的に、第1折り返し部D1における第1生地20aの端部と、第2折り返し部D2における第2生地20aの端部とが、縫い合わされている。
【0100】
一方、例えば、
図3Aに示すように、内側芯材20Zの下端を挟むようにして第1生地20aの下部を折り返した第3折り返し部D3と、第2生地20bの下端を折り返した第4折り返し部D4とが、これらが貼り合わされた状態で、内側芯材20Zの下端及び衣服本体10の上端10YE(10XE)とともに、カラー部20の下端に沿った第2縫い目N2で連続的に、カラー部20の内側面20inから外側面20outに至るように縫い合わされている。
【0101】
さらに、第2縫い目N2に沿い且つ当該第2縫い目N2よりもカラー部20の下端側に位置する第4縫い目N4で連続的に、第3折り返し部D3における第1生地20aの端部と、第4折り返し部D4における第2生地20aの端部とが、縫い合わされている。
【0102】
ここで、既述のように、通気空間調整部50は、例えば、
図2、
図5に示すように、取付領域Tよりも、当該カラー部20に近接して配置されている。
【0103】
そして、既述のように、通気空間調整部50の調整紐50Hの長さが調整された状態(すなわち、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合している状態)では、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離よりも、短くなる。
【0104】
これにより、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinが撓むため、空調時(
図4、
図5)に、当該着用者の背中と衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間において、少なくとも衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと当該調整紐50Hとの間に気流が通過する所望の領域が形成されることとなる。
【0105】
なお、カラー部20は、例えば、衣服本体10の上端10XE、10YEに沿うようにして、カラー部20の上部20Eがカラー部20の下部20Gの少なくともに一部に重なるように、折れるようになっている。これにより、例えば、着用者がカラー部20を立たせた状態で使用したくない場合に、対応することができるようになっている。
【0106】
[空調衣服の機能]
ここで、以上のような構成を有する本実施例の空調衣服100の機能の例について説明する。
【0107】
空調衣服100は、既述のように、通気空間調整部50の調整紐50Hの長さが調整された状態(すなわち、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合している状態)では、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離よりも、短くなる。
【0108】
これにより、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinが撓むため、空調時(
図4、
図5)に、当該着用者の背中と衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間において、少なくとも衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと当該調整紐50Hとの間に気流が通過する所望の領域が形成されることとなる。
【0109】
一方、カラー部20は、その形状を保持するために補強部材20Zを含む複数の部材で構成されるとともに、衣服本体10とカラー部20との境界部分は周辺の領域よりも硬くなるように構成されている。
【0110】
すなわち、通気空間調整部50の調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さを調整することで、着用者の背中側と前記衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間の後方通気空間の形状を調整している場合であっても、空調衣服100の襟であるカラー部20の保形性を高めていることから、着用者の後頭部の後ろから上方における気流通路が潰れないようになっている。
【0111】
このようにして、空調衣服100の後方空調空間から着用者の後頭部上に連続的な気流通路Qが形成されることとなり、空調時において、着用者の首から上の後頭部の高さ以上を有するカラー部20の形状を維持して、着用者の背中から当該着用者の後頭部の上に気流をより確実に誘導するものである。
【0112】
以上のように、本実施例の空調衣服によれば、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができる。
【0113】
(変形例)
既述の実施例では、空調衣服100の衣服本体10及びカラー部20の構成の一例について説明した。特に、
図3A及び
図3Bでは、カラー部20のより具体的な構成について説明した。
【0114】
しかしながら、当該カラー部20の構成は、
図3A及び
図3Bに示す構成に限定されるものでなはい。
【0115】
そこで、ここでは、カラー部20の他の構成例となる3つの変形例について説明する。なお、本変形例に係る空調衣服のその他の構成は、既述の実施例の空調衣服100の構成と同様である。
【0116】
ここで、
図6は、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の第1変形例を示す図である。
【0117】
例えば、この
図6に示すように、カラー部20は、着用者の首から上の後頭部の後ろ側に対向するカラー部20の中央200を中心として横方向に延在するように、第1生地20aと第2生地20bとの間に設けられ、第1生地20a及び第2生地20bよりも硬い補強用芯材40をさらに備えるようにしてもよい。
【0118】
そして、例えば、補強用芯材40の幅40Hよりも、調整される前の通気空間調整部50の調整紐50H(
図2)の長さの方が長くなるように設定されている。
【0119】
この
図6に示す例では、カラー部20は、補強用芯材40の上端40Eの位置を通る線Lを境として、カラー部20の上部20Eの外側面がカラー部20の下部20Gの外側面に重なるように折れ曲がるようになっている。
【0120】
そして、この
図6に示す例においても、空調衣服100の当該後方通気空間は、調整後の調整紐50Hと空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を含む。そして、気流通路Qは、少なくとも調整後の調整紐50Hと空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも補強用芯材40と着用者の後頭部との間の領域を通過するものである。
【0121】
そして、通気空間調整部50の調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さを調整することで、着用者の背中側と前記衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間の後方通気空間の形状を調整している場合であっても、空調衣服100の襟であるカラー部20の保形性を当該補強用芯材40の幅40Hの範囲でさらに高めていることから、着用者の後頭部の後ろから上方における気流通路がより確実に潰れないようになっている。
【0122】
このようにして、空調衣服100の後方空調空間から着用者の後頭部上に連続的な気流通路Qが形成されることとなり、空調時において、着用者の首から上の後頭部の高さ以上を有するカラー部20の形状を維持して、着用者の背中から当該着用者の後頭部の上に気流をより確実に誘導するものである。
【0123】
ここで、既述のように、この第1変形例に係る空調衣服のその他の構成は、既述の実施例と同様である。
【0124】
すなわち、この第1変形例の空調衣服によれば、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができる。
【0125】
また、
図7は、空調衣服100のカラー部20を展開した平面的な形状の第2変形例を示す図である。
【0126】
例えば、この
図7に示すように、カラー部20は、当該カラー部20の内側面20inにおいて、第1生地20aに設けられた所定の強度を有する収納部PXをさらに備えるようにしてもよい。なお、空調衣服100は、当該収納部20PXEに挿入された冷却材(図示せず)をさらに備えるようにしてもよい。
【0127】
そして、例えば、収納部PXの幅PXHよりも、調整される前の通気空間調整部50の調整紐50H(
図2)の長さの方が長くなるように設定されている。
【0128】
なお、この
図7に示す例では、カラー部20は、収納部20PXの上端PXEの位置を通る線Kを境として、カラー部20の上部20Eの外側面がカラー部20の下部20Gの外側面に重なるように折れ曲がるようになっている。
【0129】
なお、例えば、空調衣服100の上下方向における、収納部PXの下端から上端までの高さは、カラー部20の中央部200における下端から上端までの高さの半分以下である。
【0130】
そして、この
図7に示す例においても、空調衣服100の当該後方通気空間は、調整後の調整紐50Hと空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を含む。そして、気流通路Qは、少なくとも調整後の調整紐50Hと空調衣服100の後部10Yの内側面10Yinで囲まれる領域を通過するとともに、少なくとも収納部PXと着用者の後頭部との間の領域を通過するものである。
【0131】
そして、通気空間調整部50の調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さを調整することで、着用者の背中側と前記衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間の後方通気空間の形状を調整している場合であっても、空調衣服100の襟であるカラー部20の保形性を当該収納部PXの幅PXHの範囲でさらに高めていることから、着用者の後頭部の後ろから上方における気流通路がより確実に潰れないようになっている。
【0132】
このようにして、空調衣服100の後方空調空間から着用者の後頭部上に連続的な気流通路Qが形成されることとなり、空調時において、着用者の首から上の後頭部の高さ以上を有するカラー部20の形状を維持して、着用者の背中から当該着用者の後頭部の上に気流をより確実に誘導するものである。
【0133】
ここで、既述のように、この第2変形例に係る空調衣服のその他の構成は、既述の実施例と同様である。
【0134】
すなわち、この第2変形例の空調衣服によれば、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができる。
【0135】
なお、
図6に示す第1変形例に係る空調衣服のカラー部20の構成と、
図7に示す第2変形例に係る空調衣服のカラー部20の構成をと組み合わせた場合、すなわち、カラー部20が補強用芯材40及び収納部20Wを備える場合、補強用芯材40の上端40Eの位置は、収納部20Wの上端20WEの位置と同じであるようにしてもよい。
【0136】
次に、
図8は、空調衣服100の衣服本体の後部10Yの上部とカラー部20を含む、
図2の領域Zに注目した断面の第3変形例を示す断面図である。
【0137】
例えば、この
図8に示すように、この第3変形例のカラー部20は、着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆う形状を有し、形状を保持するために、カラー部20の全体的に補強部材20Zが設けられている。この第3変形例においては、特に、このカラー部20の補強部材20Zの展開した大きさは、カラー部20の内側の生地20aの展開した大きさと、ほぼ同じになっている。なお、既述の実施例と同様に、この補強部材20Zは、例えば、補強布又は芯地である。
【0138】
これにより、空調衣服100の襟であるカラー部20の保形性を高めて、着用者の後頭部の後ろから上方における気流通路Qが潰れないようにすることができるようになっている。
【0139】
なお、既述の実施例と同様に、このカラー部20は、例えば、衣服本体10との接続部分(カラー部20の下端)から当該カラー部20の上端までの高さの最大値が例えば13cm以上である。
【0140】
このように、空調衣服100の襟であるカラー部20の高さを高くすることで、着用者の首から上の後頭部の後ろや顔周辺に気流をより確実に送り込むことができる。
【0141】
ここで、既述のように、着用者に着用された状態で着用者の首の周辺および首から上の後頭部を覆うためには、カラー部20は、気流により変形しないで形状を保持するように所望の強度を有する必要がある。
【0142】
そこで、カラー部20は、その形状を保持するために補強部材20Zを含む複数の部材で構成されている。
【0143】
より詳しくは、カラー部20は、例えば、
図8に示すように、第1生地20aと、第2生地20bと、内側芯材20Zと、を備える。
【0144】
そして、第1生地20aは、カラー部20の内側面20inを構成している。
【0145】
また、第2生地20bは、カラー部20の外側面20outを構成している。
【0146】
また、内側芯材20Zは、第1生地20aに固定され、既述の補強部材20Zを構成している。
【0147】
特に、例えば、
図8に示すように、衣服本体10の上端10XE、YEが第1生地20aの下端と第2生地20bの下端とにより挟み込まれるようにして固定されることで、衣服本体10の上端10XE、10YEと前カラー部20の下端とが接続されている。
【0148】
これにより、衣服本体10とカラー部20との境界部分は、1枚の生地同士を縫い合わせた場合よりも硬くなるようになっている。すなわち、カラー部20を立たせた状態で保持するために、当該境界部分を硬くしているものである。
【0149】
特に、例えば、
図8に示すように、内側芯材20Zの折り返した上端を挟むようにして第1生地20aの上端を折り返した第1折り返し部D1と、第2生地20bの上端を折り返した第2折り返し部D2とが、これらが貼り合わされた状態で、内側芯材20Zの上端とともに、カラー部20の上端に沿った第1縫い目N1で連続的に、カラー部20の内側面20inから外側面20outに至るように縫い合わされている。
【0150】
さらに、第1縫い目N1に沿い且つ当該第1縫い目N1よりもカラー部20の上端20E側に位置する第3縫い目N3で連続的に、第1折り返し部D1における第1生地20aの端部と、第2折り返し部D2における第2生地20aの端部とが、縫い合わされている。
【0151】
一方、例えば、
図8に示すように、内側芯材20Zの折り返した下端を挟むようにして第1生地20aの下部を折り返した第3折り返し部D3と、第2生地20bの下端を折り返した第4折り返し部D4とが、これらが貼り合わされた状態で、内側芯材20Zの下端及び衣服本体10の上端10YE(10XE)とともに、カラー部20の下端に沿った第2縫い目N2で連続的に、カラー部20の内側面20inから外側面20outに至るように縫い合わされている。
【0152】
さらに、第2縫い目N2に沿い且つ当該第2縫い目N2よりもカラー部20の下端側に位置する第4縫い目N4で連続的に、第3折り返し部D3における第1生地20aの端部と、第4折り返し部D4における第2生地20aの端部とが、縫い合わされている。
【0153】
そして、既述のように、この第3変形例においては、特に、このカラー部20の補強部材20Zの展開した大きさは、カラー部20の内側の生地20aの展開した大きさと、ほぼ同じになっている。
【0154】
ここで、本第3変形例においても、既述の実施例と同様に、通気空間調整部50は、例えば、
図2、
図5に示すように、取付領域Tよりも、当該カラー部20に近接して配置されている。
【0155】
そして、既述の実施例と同様に、通気空間調整部50の調整紐50Hの長さが調整された状態(すなわち、当該複数の調整用穴50c1、50c2、50c3の何れか1つと係合部50dとが係合している状態)では、調整紐50Hの第1端50aと第2端50bとの間の長さは、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinの第1調整部分50aと第2調整部分50bとの間の距離よりも、短くなる。
【0156】
これにより、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinが撓むため、空調時(
図4、
図5)に、当該着用者の背中と衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinとの間において、少なくとも衣服本体10の後部10Yの内側面10Yinと当該調整紐50Hとの間に気流が通過する所望の領域が形成されることとなる。
【0157】
なお、カラー部20は、例えば、衣服本体10の上端10XE、10YEに沿うようにして、カラー部20の上部20Eがカラー部20の下部20Gの少なくともに一部に重なるように、折れるようになっている。これにより、例えば、着用者がカラー部20を立たせた状態で使用したくない場合に、対応することができるようになっている。
【0158】
ここで、既述のように、この第3変形例に係る空調衣服のその他の構成は、既述の実施例と同様である。
【0159】
すなわち、この第3変形例の空調衣服によれば、当該空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することができる。
【0160】
また、既述のように、各実施例、変形例においては、当該温度調整装置が、ファンである場合について説明しているが、当該温度調整装置は、発熱する発熱装置やその他の温度を調整することが可能な装置であってもよい。
【0161】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を実行することができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0162】
100 空調衣服
10 衣服本体
T1 第1取付部
T2 第2取付部
P2 電源用収納部
P1 収納部
20 カラー部
【要約】
【課題】空調服内において着用者の背中との間に流れる気流の所望の気流通路を確保しつつ、当該気流を着用者の後頭部上にまで効率的に誘導することが可能な空調衣服を提供する。
【解決手段】空調衣服100は、空調衣服100の空調時に、第1空調穴T1A及び第2空調穴T2Aを介して衣服本体10の内部に取り込まれた外気が、衣服本体10の後部10Yと着用者の背中との間に存在する後方空調空間を通過して、カラー部20の内側面20inと着用者の後頭部の後方との間に向かって、流れる気流通路100が形成されるようになっており、カラー部20は、着用者の首から上の後頭部の少なくとも後方を覆う形状を有する。
【選択図】
図2