(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】洗浄容易保護フィルム及び基材アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B32B 27/30 20060101AFI20240109BHJP
B32B 27/14 20060101ALI20240109BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20240109BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240109BHJP
【FI】
B32B27/30 101
B32B27/14
B32B9/00 A
C09J7/38
(21)【出願番号】P 2020538038
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 IB2019050200
(87)【国際公開番号】W WO2019138357
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】201820041055.0
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ペイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, シュエーホア
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-533131(JP,A)
【文献】特開2004-292753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09J 7/00-7/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ塩化ビニル底部フィルムと、前記ポリ塩化ビニル底部フィルムの一方の側にある二酸化ケイ素粒子からなる洗浄容易層と、を備え
る洗浄容易保護フィルムであって、
前記洗浄容易層の表面の初期水接触角は39度以下であり、
前記ポリ塩化ビニル底部フィルムと前記洗浄容易層との間に結合層が配置されている、洗浄容易保護フィルム。
【請求項2】
前記洗浄容易層が、150nm~1μmの厚さを有する、請求項1に記載の洗浄容易保護フィルム。
【請求項3】
前記二酸化ケイ素粒子が、2nm~10nmの粒径を有する、請求項1に記載の洗浄容易保護フィルム。
【請求項4】
前記ポリ塩化ビニル底部フィルムと前記洗浄容易層とが前記結合層を介して互いに接着されて
おり、前記結合層はポリウレタンを含む、請求項1に記載の洗浄容易保護フィルム。
【請求項5】
感圧接着剤層が、前記ポリ塩化ビニル底部フィルムの前記洗浄容易層から遠い側に配置されている、請求項1に記載の易清浄性保護フィルム。
【請求項6】
コーティングにより形成されたコーティング層が配置された基材を備え、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄容易保護フィルムが前記コーティング層に取り付けられている、基材アセンブリ。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄容易保護フィルムが取り付けられた基材を備える、基材アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実用新案は、車両用保護フィルムの技術分野に属し、詳細には、洗浄容易保護フィルム及び基材アセンブリに属する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両用のコーティングは、車体の金属の腐食を防ぐだけでなく、車両の見栄えをより良くする。車両コーティングのほとんどが、揮発性有機化合物(volatile organic compounds、VOC)を含有している。環境保護のために、VOC排出を抑制する関連規制を導入している国もある。しかしながら、外観の光沢及び清潔さを維持するために、車両を定期的に清浄しメンテナンスを行う必要がある。
【0003】
したがって、車両コーティングに取って代わる保護フィルムを有する必要がある。そのような保護形態は、VOC排出抑制の国内要件を満たすことができなければならないと同時に、車両の車体腐食を防がなければならない。現在、自動車用の保護フィルムなどの車両用保護フィルムは、主に、ガラス基材に適用される。自動車の車体コーティング用の洗浄容易保護フィルムについての研究は、わずかしか見られない。
【発明の概要】
【0004】
本発明者は、従来技術に少なくとも以下にある問題である、塵、油汚れ又は他のひどい汚れを清浄し難い一方で、汚れを物理的に擦って清浄すると、車両の清浄回数が上がるにつれて、異物が車体に消えない傷を残すことになり、強力な化学洗浄剤を用いて車体を洗浄すると、洗浄過程で使用される化学洗浄剤により車両の外観の光沢が徐々になくなってしまう、という問題があることを見出した。
【0005】
本実用新案は、現在の車両コーティングが、消えない傷が付きやすく清浄が難しい、という問題を解決するために、洗浄容易保護フィルム及び基材アセンブリを提供する。
【0006】
本実用新案は、技術的問題を解決するために、以下の技術的解決策を採用する。
【0007】
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)底部フィルムと、PVC底部フィルムの一方の側にある二酸化ケイ素粒子からなる洗浄容易層と、備える、洗浄容易保護フィルム。ポリ塩化ビニル底部フィルムは、50μm~100μmの厚さを有することが好ましい。洗浄容易層は、150nm~1μmの厚さを有することが好ましい。二酸化ケイ素粒子は、2nm~100nmの粒径を有することが好ましい。二酸化ケイ素粒子は、2nm~10nmの粒径を有することが好ましい。結合層がポリ塩化ビニル底部フィルムと洗浄容易層との間に配置されており、ポリ塩化ビニル底部フィルムと洗浄容易層とが結合層を介して互いに接着されていることが好ましい。結合層は、ポリウレタン(polyurethane、PU)からなることが好ましい。結合層は、5μm~75μmの厚さを有することが好ましい。感圧接着剤層は、PVC底部フィルムの洗浄容易層から遠い側に配置されていることが好ましい。更に剥離層が感圧接着剤層のPVC底部フィルムから遠い側に配置されていることが好ましい。
【0008】
本実用新案は、更に、コーティングにより形成されたコーティング層が配置された基材を備え、上記の洗浄容易保護フィルムがコーティング層に取り付けられている、基材アセンブリを提供する。
【0009】
本実用新案は、更に、上記の洗浄容易保護フィルムが取り付けられた基材を備える基材アセンブリを提供する。
【0010】
本実用新案によって提供される洗浄容易保護フィルムは、金属コーティングを保護するためのPVC底部フィルムと、二酸化ケイ素粒子からなる洗浄容易層とを備える。洗浄容易層の水接触角は小さいので、塵及び油汚れの付着力を低減することができる。洗浄容易層の表面が塵及び油汚れで汚染された後、簡単な清浄でその塵及び油汚れを容易に清浄することができる。本実用新案によって提供される洗浄容易保護フィルムは、金属基材、非金属基材及び金属コーティング層(すなわち、金属基材へのコーティングにより形成されたコーティング層)を提案(project)するのに好適である。本実用新案によって提供される洗浄容易保護フィルムは、自動車、オートバイ、高速鉄道車両、及び地下鉄車両などの車両の車体表面への取り付けに特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実用新案の実施形態1に係る洗浄容易保護フィルムの構造の概略図を示す。
【
図2】本実用新案の実施形態2に係る洗浄容易保護フィルムの構造の概略図を示す。
【
図3】本実用新案の実施形態2に係る洗浄容易保護フィルムの構造の概略図を示す。
【0012】
図面において、参照番号は、次にある、1.PVC底部フィルム、2.洗浄容易層、3.結合層、4.感圧接着剤層、及び5.剥離層を含む。
【発明の詳細な説明】
【0013】
本実用新案の技術的な解決策を当業者がより良く理解できるようにするために、本実用新案を、図面を参照して特定の実施形態と合わせて以下に詳細に更に説明する。
【0014】
以下の実施形態における原材料及び装置の情報の詳細については、表1を参照されたい。以下の実施形態における原材料は市販されていることに留意されたい。他の供給元の市販の類似の原材料、又は他の商品名のものを採用しても、実験結果は、本実用新案のものと同様となる。
【0015】
【0016】
実施形態1
この実施形態は、洗浄容易保護フィルムを提供する。
図1に示すように、洗浄容易保護フィルムは、金属基材、非金属基材又は金属コーティング層を保護するためのPVC底部フィルム1と、二酸化ケイ素粒子からなる(二酸化ケイ素層とも呼ばれる)洗浄容易層2とを含む。ここで、金属コーティング層自体の色及び輝きに影響を及ぼさないように、PVC底部フィルム1として透明なPVCキャストフィルムを使用することができる。
【0017】
洗浄容易保護フィルムが使用されるとき、PVC底部フィルム1は金属コーティング層に取り付けられ、洗浄容易層2は環境面に露出する。洗浄容易層2は、水接触角が小さい二酸化ケイ素粒子からなるため、塵及び油汚れの付着力を低減することができる。洗浄容易層2の表面が塵及び油汚れで汚染された場合、簡単な清浄でその塵及び油汚れを清浄することができる。
【0018】
実施形態2
この実施形態は、洗浄容易保護フィルムを提供する。
図2に示すように、洗浄容易保護フィルムは、金属基材、非金属基材又は金属コーティング層を保護するために使用されるPVC底部フィルム1と、二酸化ケイ素粒子からなる洗浄容易層2とを含む。PVC底部フィルム1と洗浄容易層2との間には、それらの間の結合力を高めるように、ポリウレタン(PU)からなる(ポリウレタン層とも呼ばれる)結合層3が配置される。ここで、この実施形態のPVC底部フィルム1、二酸化ケイ素層、及びポリウレタン層の原材料は、全て市販されている。
【0019】
実施形態1によって提供される洗浄容易保護フィルムの長期使用中、特に繰り返しのすすぎ、摺擦及び清浄後に、洗浄容易層2の二酸化ケイ素粒子が取れる危険性がある。この危険を低減し、洗浄容易保護フィルムの耐用年数を延ばすために、実施形態2では、PVC底部フィルム1と洗浄容易層2との間にポリウレタンからなる結合層3が追加される。結合層3は、PVC底部フィルム1との良好な結合能力を有するだけでなく、二酸化ケイ素粒子を確実に係止することができる。
【0020】
PVC底部フィルム1は、約50μm~100μmの厚さを有することが好ましい。
【0021】
ここで、PVC底部フィルム1の厚さが50μm未満の場合、金属コーティング層を保護するには薄すぎる。一方、PVC底部フィルム1の厚さが100μmを超える場合、金属コーティング層への付着には厚すぎる。
【0022】
結合層3は、5μm~75μmの厚さを有することが好ましい。
【0023】
ここで、結合層3の厚さが5μm未満の場合、PVC底部フィルム1自体の厚さ均一性の偏りによりコーティングが難しくなり、一方、結合層3の厚さが75μmを超えると、製品の全体的な厚さが増加し、金属基材、非金属基材又は金属コーティング層との付着に悪影響を及ぼすことになる。更に、厚さの増加は、製品コストも増加させる。
【0024】
洗浄容易層2は、150nm~1μmの厚さを有することが好ましい。
【0025】
ここで、洗浄容易層2の厚さが150nm未満の場合、易清浄性効果が低くなり、1μmを超えると、製品の外観に影響を及ぼすことになり、その結果、洗浄容易保護フィルムが割れ、更には欠陥が生じることになる。
【0026】
二酸化ケイ素粒子の粒径は、2nm~100nmが好ましい。
【0027】
ここで、洗浄容易層2の厚さは、製品の清浄の難しさ及び清浄性効果に直接影響を及ぼす。二酸化ケイ素粒子の粒径は、2nm~10nmが好ましい。二酸化ケイ素粒子の粒径が2nmの場合、洗浄容易層2の表面の水接触角は、より高い粗さにより小さくなり、したがって表面への塵及び油汚れの付着力がより小さくなり、これは清浄に有益となる。
【0028】
あるいは、感圧接着剤層4が、PVC底部フィルム1の洗浄容易層2から遠い側に配置され、金属コーティング層の表面への洗浄容易保護フィルムの接着に使用される。更に剥離層5が感圧接着剤層4のPVC底部フィルム1から遠い側に配置されることが好ましい。
【0029】
要するに、
図3に示すように、洗浄容易保護フィルム製品の量産では、感圧接着剤層4をPVC底部フィルム1の洗浄容易層2から遠い側に直接接着することができる。使用前は、剥離層5が感圧接着剤層4に付いている。使用のとき、剥離層5を引き剥がし、感圧接着剤層4を金属コーティング層の表面に接着することができる。
【0030】
実施形態3
この実施形態は、以下の工程を含む、洗浄容易保護フィルムを準備する方法を提供する。
(1)透明PVCキャストフィルムの表面をSn触媒含有ポリウレタン溶液でコーティングし、110~120℃で3.5分~5分間硬化させて、ポリウレタン層、すなわち結合層を形成した。次いで、コロナ処理を200mj/cm2の条件で行った。
(2)ポリウレタン層を二酸化ケイ素分散液でコーティングし、110~120℃で3.5分~5分間硬化させて、二酸化ケイ素層、すなわち洗浄容易層を形成した。
【0031】
清浄性能試験
この試験方法(1)は、塵汚れによる汚染前後の試料の光沢を調べることによって、試料の耐塵性能を評価し、(2)油汚れにより汚染される前及び清浄後の試料の光沢及び色差を調べることによって、試料の油汚れ清浄性効果を評価した。
【0032】
試験A:耐塵性能
汚染される前の試料の光沢G1を光沢試験装置を用いて測定し、次いで、乾燥塵汚れで試料を覆い、光沢試験装置を用いて汚染後の試料の光沢G2を測定した。
【0033】
光沢変化率G=(G1-G2)/G1×100%を計算した。より小さいG値は、汚染後の光沢変化がより小さいことを示し、更には、耐灰性能がより良好であることを示す。
【0034】
試験B:油汚れ清浄性効果
汚染前の試料の光沢H1を光沢試験装置を用いて測定し、次いで、油汚れで試料を覆った。洗浄機で水溶液の洗浄剤を用いて試料を洗浄し、光沢試験装置を用いて洗浄後の試料の光沢H2を測定した。
【0035】
光沢変化率H=(H1-H2)/H1×100%を計算した。より小さいH値は、光沢変化がより小さいことを示し、更には、清浄性効果がより良好であることを示す。
【0036】
汚染前の試料の色差(L,a,b)、及び汚染後に上記方法を採用して洗浄した後の色差(L’,a’,b’)を比色計を用いて測定し、次のように計算を行った。
デルタE=((L-L’)2+(a-a’)2+(b-b’)2)1/2
【0037】
デルタE値が小さいほど、清浄がより容易であることを意味する。
【0038】
試料1:実施形態2に記載されるような構造の洗浄容易保護フィルムを、実施形態3によって提供される準備方法に従って準備した。具体的には、PVCキャストフィルムの厚さは50μmであり、ポリウレタン層の厚さは30μmであり、二酸化ケイ素層の厚さは260nmであり、二酸化ケイ素粒子の粒径は2nmであった。
【0039】
試料2:実施形態2に記載されるような構造の洗浄容易保護フィルムを、実施形態3によって提供される準備方法に従って準備した。具体的には、PVCキャストフィルムの厚さは100μmであり、ポリウレタン層の厚さは5μmであり、洗浄容易層の厚さは150nmであり、二酸化ケイ素粒子の粒径は2nmであった。
【0040】
試料3:実施形態2に記載されるような構造の洗浄容易保護フィルムを、実施形態3によって提供される準備方法に従って準備した。具体的には、PVCキャストフィルムの厚さは80μmであり、ポリウレタン層の厚さは75μmであり、洗浄容易層の厚さは100nmであり、二酸化ケイ素粒子の粒径は2nmであった。
【0041】
試料4:塗料とPUの市販の複合保護フィルム(商品名:Xpel Lux)。
【0042】
試料5:透明PVCフィルムとフッ素ゴム(KelF)/アクリル樹脂塗料の複合保護フィルム(商品名:8528)。
【0043】
試料6:透明PVCフィルム(商品名:8519)。
【0044】
試料7:アルミニウム板上にコーティングされた高光沢溶剤系コーティング。
【0045】
試料1~7を、本実用新案によって開示される清浄性能試験方法に従ってそれぞれ試験した。耐塵性能の試験結果を表2に示す。油汚れ洗浄試験の結果を表3に示す。
【0046】
【0047】
【0048】
上記の清浄性能試験データは、本実用新案によって開示される洗浄容易保護フィルムがより良好な耐塵性能を有し、油汚れによる汚染後に、簡単な清浄により洗浄容易保護フィルムの表面を以前のように戻すことができることを示している。洗浄容易層の厚さは、清浄性効果に一定の影響を及ぼす。
【0049】
二酸化ケイ素層の結合能力試験
試料8:透明PVCキャストフィルムを、200mj/cm2の条件下でコロナ処理し、次いで、その透明PVCキャストフィルムの表面に二酸化ケイ素層を形成した。ここで、PVCキャストフィルムの厚さは50μmであり、二酸化ケイ素層の厚さは200nmであり、二酸化ケイ素の粒径は2nmであった。
【0050】
試料9:透明PVCキャストフィルム上にポリウレタン層を形成し、次いで、二酸化ケイ素層を形成した。ここで、PVCキャストフィルムの厚さは50μmであり、ポリウレタン層の厚さは30μmであり、二酸化ケイ素層の厚さは260nmであり、二酸化ケイ素の粒径は2nmであった。
【0051】
試料10:実施形態2に記載されるような構造の洗浄容易保護フィルムを、実施形態3によって提供される準備方法に従って準備した。ここで、PVCキャストフィルムの厚さは50μmであり、ポリウレタン層の厚さは30μmであり、二酸化ケイ素層の厚さは360nmであり、二酸化ケイ素の粒径は2nmであった。
【0052】
接触角測定装置を用いて、最初に試料8~10の初期接触角をそれぞれ測定し、次いで、綿布を用いて試料8~10を100回、200回、300回、及び1000回それぞれ擦った。1000回後に接触角を測定し、その実験結果を表4に示す。
【0053】
【0054】
表4の試料8の記号「---」は、試料を100回擦った後、接触角が著しく増加し、製品のコーティング効果が弱まったことを意味する。更なる摺擦試験は必要なかった。試料9について、記号「---」は同様の意味である。
【0055】
上記試験データは、試料10の二酸化ケイ素層の結合能力が最良であることを示している。PVCフィルムと二酸化ケイ素層との間にポリウレタンからなる結合層を配置することにより、洗浄容易保護フィルムの繰り返しのすすぎ、摺擦及び清浄後に二酸化ケイ素粒子が取れることを防止することができ、それによって、洗浄容易保護フィルムの耐用年数が延びる。
【0056】
実施形態4
この実施形態は、コーティングによって形成されたコーティング層が配置された基材を備える基材アセンブリを提供する。上記の実施形態による洗浄容易保護フィルムは、コーティング層に取り付けられる。
【0057】
実施形態5
この実施形態は、上記の実施形態による洗浄容易保護フィルムが取り付けられた基材を備える基材アセンブリを提供する。
【0058】
具体的には、実施形態4及び5の基材は、金属材料又は他の非金属材料で作製してもよく、より具体的には、基材は、自動車、オートバイ、高速鉄道車両及び地下鉄車両などの車両の車体であってもよい。基材はまた、清潔でない環境に曝されて使用される他の基材であってもよい。
【0059】
ここで、実施形態4及び5の基材アセンブリの表面が塵及び油汚れで汚染された後、簡単な清浄でその塵及び油汚れを清浄することができる。
【0060】
当然のことながら、上記の実施形態の特定の実施態様は修正されてもよい。例えば、洗浄容易層及び結合層の厚さは、必要に応じて調節することができ、結合層の特定の材料は、実際の製品に従って選択することができる。
【0061】
上記の実施形態は、本実用新案の原理を説明するための例示的な実施形態に過ぎないことを理解されたい。しかしながら、本実用新案は、これに限定されない。当業者は、本実用新案の趣旨及び本質から逸脱することなく、様々な修正及び改良を行うことができる。それらの修正及び改良はまた、本実用新案の保護範囲内にあるものと見なされる。