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特許7414403ケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置、ケーブルのケーブル端部を位置決めする方法、およびケーブルを組み立てるためのケーブル組立機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】ケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置、ケーブルのケーブル端部を位置決めする方法、およびケーブルを組み立てるためのケーブル組立機
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/052 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
H01R43/052
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019083735
(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2019192641
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】18169531.3
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ビビロリ
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0245601(US,A1)
【文献】特開2015-211039(JP,A)
【文献】特開2009-259547(JP,A)
【文献】特表2010-534912(JP,A)
【文献】特開2000-123950(JP,A)
【文献】特表2016-517152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R43/027-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧着工程のためのケーブルのケーブル端部(25)を保持するためのケーブル端部保持装置(1)であって、ケーブル端部保持装置(1)が、
ケーブル端部(25)を保持するためのケーブル保持要素(15)と、
圧着工程中にスタンプの移動から切り離される様式でケーブル保持要素(15)の垂直位置を変更するための2つのレバー要素(10a、10b)を有する垂直位置変更装置と
を備え、
レバー要素(10a、10b)が、レバー要素(10a、10b)の長手方向に沿って互いに平行に延びて配列され、
レバー要素(10a、10b)が、高さにおいて、および垂直方向に対して直角で長手方向に対して直角な幅方向において、互いにオフセットして配列され、
レバー要素(10a、10b)がそれぞれ、幅方向に沿って延びる第1の回転軸(30、31)を中心として回転可能に取り付けられ、2つの第1の回転軸(30、31)が互いに平行に延びる、
ケーブル端部保持装置(1)。
【請求項2】
ケーブル端部保持装置(1)が、長手方向に沿ってケーブル保持要素(15)の位置を変化させるための長手方向位置変更装置(11)をさらに備える、
請求項1に記載のケーブル保持装置(1)。
【請求項3】
垂直方向に沿って延びる回転軸を中心としてケーブル保持要素(15)およびレバー要素(10a、10b)を回転させるための回転装置(14)をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のケーブル端部保持装置(1)。
【請求項4】
垂直位置変更装置が、ケーブル保持要素(15)の垂直位置を変化させるための、湾曲ディスク、特に算術螺旋(19)、および/または偏心タペットを有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル端部保持装置(1)。
【請求項5】
ケーブル保持要素(15)が、ケーブル端部(25)の垂直位置を変更するための垂直位置設定装置(13)を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル端部保持装置(1)。
【請求項6】
ケーブルを組み立てるためのケーブル組立機であって、
ケーブルを切断するためのブレードと、
請求項1から5のいずれか一項に記載のケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置と
を備える、
ケーブル組立機。
【請求項7】
圧着工程のためのケーブル端部保持装置(1)を用いてケーブルのケーブル端部(25)を位置決めする方法であって、
ケーブル端部保持装置(1)が、ケーブル保持要素(15)の垂直位置を変更するための垂直位置変更装置を有し、垂直位置変更装置が、2つのレバー要素(10a、10b)を有し、2つのレバー要素(10a、10b)が、その長手方向に沿って互いに平行に延び、それぞれ幅方向に沿って延びる第1の回転軸(30、31)を中心として回転可能に取り付けられ、幅方向が、垂直方向に対して直角であり、かつ長手方向に対して直角であり、
方法が、
-ケーブル保持要素(15)を用いてケーブル端部(25)を保持するステップと、
-レバー要素(10a、10b)が、その第1の回転軸(30、31)を中心としてそれぞれ回転されるという点で、圧着工程中にスタンプの移動から切り離される様式で、ケーブル端部(25)の垂直位置を変更するステップと
を含む方法。
【請求項8】
ケーブル端部(25)の垂直位置の変化の結果としての長手方向のケーブル端部(25)の位置の変化は、長手方向のケーブル端部(25)の位置が実質的に変化しないように長手方向位置変更装置(11)によって補償され得る、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
プレス(5)のアンビル(27)上に配置されるコンタクト要素(26)からのケーブル端部(25)の距離が、コンタクト要素(26)からのプレス(5)のスタンプ(24)の距離と同期して、所与の期間の間、垂直位置変更装置によって縮小される、
請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ケーブル端部(25)が低減された速度でコンタクト要素(26)にコンタクトするように、ケーブル端部(25)がコンタクト要素(26)に突き当たる前に、コンタクト要素(26)対するケーブル端部(25)の移動速度が低減される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ケーブル端部(25)が切断装置の方を向くように、垂直方向に沿って延びる回転軸を中心としてケーブル端部(25)を回転させるステップと、
切断装置を用いて、ケーブル端部(25)の除去されるべき部分、特にケーブル端部(25)の絶縁物を所定の場所に保持するステップと、
除去されるべき部分が切断装置によって所定の場所に保持され、ケーブル端部(25)から切り離されるように、長手方向に沿ってケーブル端部(25)を引き離すステップと
をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ケーブル保持要素(15)の垂直位置設定装置(13)を用いてケーブル端部(25)の垂直位置を変更するステップ
をさらに含む、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置、ケーブルのケーブル端部を位置決めする方法、およびケーブルを組み立てるためのケーブル組立機に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のケーブル組立機またはケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置が知られている。図10は、知られているケーブル組立機の平面図であり、図11は、その側面図であり、知られているケーブル組立機は、コンタクト要素26’をケーブル端部に接続するためのアンビル27’およびスタンプ24’を備える、あるいは、従来技術によるケーブル端部保持装置を備えるプレス5’または圧着プレスを有する。ケーブル組立機は、2つの追加のステーション6’、6’’を備え、そこでケーブルまたはケーブル端部がさらに修正され得る。
【0003】
例えば欧州特許第2937953号明細書から知られているようなピボットアームを有するケーブル組立機は、ケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置1’を備える。これに関連して、ケーブル端部は、ケーブル端部をプレス工具に対して正しい垂直位置に位置決めするように、垂直方向に移動可能なグリッピングヘッドまたは保持要素によって保持される。これらのグリッピングヘッドまたは保持要素は、弾性的に取り付けられており、圧着プレスのプランジャ7’を介してプレスと同期して低下される。ケーブルは、ケーブルガイド3’によって供給される。処理シーケンスは、ブレードブロック4’でケーブルを切断することから始まる。
【0004】
また、ケーブル端部、ケーブル先端部は、ブレードブロック4’内にある間に所定の長さにわたって剥離される。これに関連して、剥離ブレードは、絶縁物が十分に切断されるように十分に閉じられるが、ケーブルまたはケーブル端部の金属導体は損傷されない。ケーブル軸の方向に作用する巻き上げ駆動装置によって、グリッパを有するピボットアーム2’が、剥離ブレードから引き離される。発生する力は時々400Nになる場合もあり、従来技術においては、これは、グリッパ受けにおけるまたは保持要素における補強材によって吸収されたが、これは、ピボットアーム2’のまたはケーブル端部保持装置の高い質量慣性を招く。
【0005】
剥離後、ケーブル端部は、プレス5’の方へ枢動される。ピボットアーム2’は、このためにピボット駆動装置を有する。ケーブル端部またはケーブル先端部およびグリッパまたは保持要素は、Z方向(垂直方向)への移動のためには、それら自身のいかなる駆動装置も有さないので、明確な通路が生成されて、それによってケーブル端部またはケーブル先端部が操作位置に回転されまたは枢動され得る。この移動は、スタンプとアンビル上のコンタクト部の突出部との間で水平方向に延びる。通常、ケーブル端部がスタンプよりもコンタクト部の突出部により接近しているように、キャリブレーションが行われる。
【0006】
多数の異なるプレス工具が知られており、それらは、とりわけ、アンビルの高さが異なる。同様に、コンタクト部の突出部の長さは、製品ごとに異なる場合がある。どのプレス工具およびどのコンタクト部が使用されるかに応じて、製品が変化する場合には、処理ステーションの高さは、明確な通路を確保するように、高さ調整システム8’によってリセットされる必要がある。製品がセットアップされる時に、プランジャ7’は、スタンプがケーブル端部から所望の距離に達するとすぐ、ケーブル端部を保持するグリッパまたは保持要素とコンタクトするように設定される。これは各製品に対して新たに手で行われるので、この設定は、知られている誤差の原因になる。
【0007】
圧着工程の開始時には、ケーブル端部またはケーブル先端部は、スタンプとコンタクト部の突出部との間に配置される。次に、プレス5’は、ケーブル端部またはケーブル先端部に向かって負のZ方向に(言い換えれば、垂直方向に下方に)スタンプおよびプランジャを移動させる。スタンプの側面は、ケーブル端部またはケーブル先端部を囲む。いったんスタンプとケーブル端部との間の設定距離に達すると、プレス5’は、スタンプを移動させ、プランジャ7’を介して、グリッパまたは保持要素は、ケーブル端部をアンビルに向かわせ、およびコンタクト部を負のZ方向にする。その連続的な進行の際に、ケーブル端部はコンタクト部のくぼみに位置決めされるようになり、その間にコンタクト部の突出部は、スタンプによって変形される。プランジャ7’はスタンプとケーブル端部との間の相対距離に対してのみ設定され得るので、ケーブルは、その端部位置にスタンプが到達するとコンタクト部の位置より下に配置される。したがって、ケーブルは、過度に圧縮されるかまたは曲げられる。ケーブル、特に比較的小さな横断面のケーブルにおいては、この過圧縮は、ケーブル端部が接続部から抜け出す危険を伴う。押圧が完了した後、プレス工具が開かれ、ケーブル端部はへ枢動されて戻る。いったんケーブルの所望の長さが供給されたならば、ブレードブロック4’のブレードが、ケーブルを切断する。望みの大きさに切断されているケーブルの後端部が同様に上記のように処理され、第2のピボットアーム手段またはケーブル端部保持装置および第2のプレスが、ブレードブロック4’と反対の側に存在する。
【0008】
したがって、その都度、アンビルは、ケーブル端部またはケーブル先端部が配置される垂直位置に適合されなければならない。さらに、従来技術においては、工具は、その都度、グリッパまたはケーブル保持要素が回転する場合に明確な通路が同じ高さに生じるような高さに設定されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第2937953号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
とりわけ、ケーブル端部またはケーブル先端部が技術的に簡単な様式で異なる高さに位置決めされ得る、ケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置、あるいはケーブルのケーブル端部を位置決めする方法に対する要求があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この要求は、独立請求項1に記載のケーブル端部保持装置によって、または請求項6に記載のケーブルを組み立てるためのケーブル組立機によって、または独立請求項7に記載のケーブルのケーブル端部を位置決めする方法によって満たされ得る。有利な実施形態が、従属請求項に規定されている。
【0012】
本発明の第1の態様は、圧着工程のためのケーブルのケーブル端部を保持するためのケーブル端部保持装置であって、ケーブル端部保持装置が、ケーブル端部を保持するためのケーブル保持要素と、圧着工程中にスタンプの移動から切り離される様式でケーブル保持要素の垂直位置を変更するための2つのレバー要素を有する垂直位置変更装置と、を備え、レバー要素が、レバー要素の長手方向に沿って互いに平行に延びて配列され、レバー要素が、高さにおいて、および垂直方向に対して直角で長手方向に対して直角な幅方向において、互いにオフセットして配列され、レバー要素がそれぞれ、幅方向に沿って延びる第1の回転軸を中心として回転可能に取り付けられ、2つの第1の回転軸が互いに平行に延びる、ケーブル端部保持装置を提案する。
【0013】
これの利点は、ケーブル保持要素が、通常、技術的に簡単な様式で異なる垂直位置に保持されまたは位置決めされ得ることである。したがって、ケーブル保持要素の、したがってケーブル端部の垂直位置は、一般に、技術的に簡単な様式で問題の機器に適合され得る。したがって、工具の垂直方向の変更は、一般に必要でない。これは、通常、セットアップ作業の時間をかなり短縮する。さらに、ケーブル保持要素、したがってケーブル端部は、一般に、問題の垂直位置に堅固にしっかりと保持される。互いにオフセットして互いに平行に延びるレバー要素によって、ケーブル保持要素またはケーブル端部の垂直位置は、一般に、技術的に特に簡単な様式で変更されることができ、変更された垂直位置は、特にしっかりと強固な様式で維持され得る。工具としてのプレスの場合は、通常、特にプレスとケーブル端部保持装置との間のプランジャまたは剛性接続部をなしで済ますことができる。さらに、押圧中のケーブル端部の過圧縮は、一般に、確実に防止され得る。
【0014】
本発明の第2の態様は、圧着工程のためのケーブル端部保持装置を用いてケーブルのケーブル端部を位置決めする方法であって、ケーブル端部保持装置が、ケーブル保持要素の垂直位置を変更するための垂直位置変更装置を有し、垂直位置変更装置が、2つのレバー要素を有し、2つのレバー要素が、その長手方向に沿って互いに平行に延び、それぞれ幅方向に沿って延びる第1の回転軸を中心として回転可能に取り付けられ、幅方向が、垂直方向に対して直角であり、かつ長手方向に対して直角であり、ケーブル保持要素を用いてケーブル端部を保持するステップと、レバー要素が、その第1の回転軸を中心としてそれぞれ回転されるという点で、圧着工程中にスタンプの移動から切り離される様式で、ケーブル端部の垂直位置を変更するステップと、を含む方法、を提案する。
【0015】
これは、ケーブル端部が通常は技術的に簡単な様式で異なる垂直位置に保持されまたは位置決めされ得るという点で有利である。したがって、ケーブル端部またはケーブル先端部の垂直位置は、一般に、技術的に簡単な様式で問題の機器または工具に適合され得る。したがって、工具の垂直変更は、一般に必要でない。これは、通常はケーブル端部またはケーブル先端部を処理するための時間を大幅に短縮する。さらに、ケーブル端部は、一般に、問題の垂直位置に堅固にしっかりと保持される。互いにオフセットして互いに平行に延びるレバー要素によって、ケーブル端部の垂直位置は、一般に、技術的に特に簡単な様式で変更されることができ、変更された垂直位置は、特にしっかりと強固な様式で維持され得る。この方法によって、工具としてのプレスの場合は、通常、特にプレスとケーブル端部保持装置との間のプランジャまたは剛性接続部をなしで済ますことができる。さらに、押圧中のケーブル端部の過圧縮は、一般に、この方法で確実に防止され得る。
【0016】
レバー要素の2つの第1の回転軸は、高さにおいて、および長手方向において互いにオフセットして延びている。
【0017】
本発明の実施形態の可能な特徴および利点は、とりわけ、また本発明を限定することなく、以下に説明される考えおよび発見に基づくと考えられ得る。
【0018】
ケーブル端部保持装置の1つの実施形態においては、ケーブル端部保持装置は、長手方向に沿ってケーブル保持要素の位置を変更するための長手方向位置変更装置をさらに備える。結果として、一般に、ケーブル保持要素の垂直位置は、長手方向のケーブル保持要素の位置を変えることなく、設定されまたは変更され得る。これは、ケーブル保持要素またはケーブル保持要素によって保持されるケーブル端部が、一般に起きるZ方向に直角に延びる長手方向の方へのケーブル保持要素の移動なしに、負のZ方向に、言い換えれば、垂直に下方に移動され得ることを意味する。したがって、ケーブル端部またはケーブル先端部は、通常、さらにより正確に位置決めされ得る。さらに、工具としてのプレスの場合は、ケーブル端部が下方に移動されている間に、ケーブル端部はスタンプに対して長手方向に移動しないことが、一般に確保され得る。
【0019】
ケーブル端部保持装置の1つの実施形態においては、ケーブル端部保持装置は、垂直方向に沿って延びる回転軸を中心としてケーブル保持要素およびレバー要素を回転させるための回転装置をさらに備える。結果として、ケーブルまたはケーブル端部が処理されるさまざまな処理ステーションまたは工具は、通常、技術的に簡単な様式で迅速に接近され得る。特に、一般に、ケーブル端部が異なる垂直位置になければならない処理ステーションまたは工具にさえも接近され得る。また、回転中に障害物または処理ステーションの一部を回避するように、通常は、回転運動中に垂直方向に沿ってケーブル端部またはケーブル先端部の位置を下げかつ/または上げることができる。したがって、一般に、明確な通路は、グリッパまたはケーブル保持要素の回転中に同じ高さに設定される必要はない。ケーブル保持要素のある種類の上昇および下降が、工具の一部とのケーブル保持要素の衝突を防止するように回転中に引き起こされる場合もある。
【0020】
ケーブル端部保持装置の1つの実施形態においては、垂直位置変更装置は、ケーブル保持要素の垂直位置を変化させるための、湾曲ディスク、特に算術螺旋、および/または偏心タペットを有する。結果として、保持要素の垂直位置は、一般に、技術的に特に簡単な様式で変更され得る。さらに、垂直位置変更装置は、通常、特に低摩耗である。さらに、保持要素の垂直位置は、一般に、特に正確に設定され得る。
【0021】
ケーブル端部保持装置の1つの実施形態においては、
ケーブル保持要素は、ケーブル端部の垂直位置を変更するための垂直位置設定装置を有する。これの利点は、レバー要素が水平に向けられるかまたは向けられたままであるが、ケーブル端部の垂直位置は、依然として変更可能であることである。このようにして、例えばケーブル端部が剥離される場合に水平に作用する力は、ケーブル端部の異なる垂直位置にもかかわらずレバー要素が常に水平方向に向けられ得るので、通常はレバー要素によって特に十分に吸収され得る。
【0022】
本方法の1つの実施形態においては、ケーブル端部の垂直位置の変化の結果としての長手方向のケーブル端部の位置の変化は、長手方向のケーブル端部の位置が実質的に変化しないように長手方向位置変更装置によって補償され得る。この方法によって、ケーブル端部の垂直位置は、ケーブル端部の位置を一般に長手方向に変更することなく設定されまたは変更され得る。これは、ケーブル端部がZ方向に垂直に延びる長手方向に移動することなく、ケーブル端部またはケーブル先端部が、負のZ方向に、言い換えれば、垂直に移動され得ることを意味する。したがって、ケーブル端部またはケーブル先端部は、通常は、さらにより正確に位置決めされ得る。さらに、工具としてのプレスの場合は、ケーブル端部は、ケーブル端部が下方に移動されている間にスタンプに対して長手方向に移動しないことが一般に保証され得る。
【0023】
本方法の1つの実施形態においては、プレスのアンビル上に配置されるコンタクト要素からのケーブル端部の距離が、コンタクト要素からのプレスのスタンプの距離と同期して、所与の期間の間、垂直位置変更装置によって縮小される。結果として、ケーブル端部は、通常は、技術的に簡単な様式でスタンプと共にまたは同時にコンタクト要素の方へ移動される。
【0024】
本方法の1つの実施形態においては、ケーブル端部が低減された速度でコンタクト要素にコンタクトするように、ケーブル端部がコンタクト要素に突き当たる前に、コンタクト要素に対するケーブル端部の移動速度が低減される。コンタクト要素に到達しまたはコンタクトする前にケーブル端部を制動すると、一般に、ケーブル端部がコンタクト要素に付き当たる場合に、大きな力がケーブル端部の移動方向に沿って、言い換えれば、Z方向に生じることが防がれる。結果として、ケーブル端部またはケーブルの意図しない曲げまたは過圧縮が、一般に確実に防止される。
【0025】
本方法の1つの実施形態においては、本方法は、ケーブル端部が切断装置の方を向くように、垂直方向に沿って延びる回転軸を中心としてケーブル端部を回転させるステップと、切断装置を用いて、ケーブル端部の除去されるべき部分、特にケーブル端部の絶縁を所定の場所に保持するステップと、除去されるべき部分が切断装置によって所定の場所に保持され、ケーブル端部から切り離されるように、長手方向に沿ってケーブル端部を引き離すステップと、をさらに含む。結果として、ケーブル端部またはケーブルの一部は、通常は、技術的に特に簡単な様式で剥離される。
【0026】
本方法の1つの実施形態においては、本方法は、ケーブル保持要素の垂直位置設定装置を用いてケーブル端部の垂直位置を変更するステップをさらに含む。この方法の利点は、レバー要素が水平方向に向けられるかまたは水平方向に向けられたままであるが、ケーブル端部の垂直位置は、依然として変更されることである。このようにして、例えばケーブル端部が剥離される場合に水平に作用する力は、ケーブル端部の異なる垂直位置にもかかわらずレバー要素が常に水平方向に向けられ得るので、通常はレバー要素によって特に十分に吸収され得る。
【0027】
ケーブル端部またはケーブル保持要素の移動は、圧着プレスのスタンプの動きから切り離されるかまたはそれから独立しているか、あるいは圧着工程中に切り離されるかまたは独立している。ケーブル端部またはケーブル保持端部の動きのために、ケーブル端部保持装置は、(スタンプ、アンビルなどのような)圧着プレスの一部の動きから独立しているかまたは切り離されるように構成される。圧着プレスとケーブル保持要素またはケーブル端部保持装置との間にいかなる機械的接続または機械的コンタクトも存在する必要はなく、言い換えれば、いかなる機械的接続も存在しないことが可能であらう。スタンプおよびアンビルまたは圧着プレスに対するケーブル端部またはケーブル保持要素の高さ(言い換えれば、通常、スタンプの移動方向に対応する垂直方向の距離)は、(特に、圧着プレスのスタンプおよび/またはプランジャへの機械的接続部なしに)圧着プレスの一部の移動から独立したまたはそれから切り離された様式で変更され得る。モータは、圧着プレスの一部を動かすことなく、圧着プレスに対してケーブル保持要素の高さを変更できる。ケーブル端部保持装置は、それ自身の駆動装置を有することができる。
【0028】
ケーブル端部保持装置および圧着プレスは、2つの互いに機械的に分離された要素であり得る。結果として、ケーブル端部またはケーブル保持要素は、圧着プレスの一部を、特にスタンプまたはプランジャを移動させることなく、アンビルおよび/またはスタンプに向かって、あるいはアンビルおよび/またはスタンプから離れるように移動され得る。ケーブル保持要素またはケーブル端部の移動速度は、圧着工程中のスタンプおよび/またはプランジャの、あるいは圧着プレスの移動速度と完全に無関係であり得る。
【0029】
さらに、ケーブル端部保持装置は、垂直方向に対して直角にまたは垂直方向に対して直角に延在する長手方向に沿ってケーブル保持要素またはケーブル端部の長手方向位置を変更するように設計され得る。ケーブル保持要素またはケーブル端部のこの移動は、圧着プレスの一部の移動から切り離されまたはそれとは無関係であり、特に圧着プレスのスタンプまたはプランジャの移動とは無関係であり得る。したがって、ケーブル端部またはケーブル保持要素は、長手方向への圧着プレスの一部の移動とは無関係に、圧着プレス、あるいは圧着プレスのアンビルまたはスタンプに向かっておよびそれから離れるように移動され得る。
【0030】
結果として、スタンプ、アンビル、および上記のケーブル端部保持装置を有する圧着プレスがまた、開示される。圧着プレスは、1つまたは複数の処理ステーションを有し得る。
【0031】
本発明の可能な特徴および利点のいくつかは、異なる実施形態を参照して本明細書において説明されることが留意される。当業者は、本発明のさらなる実施形態に到達するように適切な様式で特徴が組み合わされ、適合され、または交換され得ることを理解するであろう。
【0032】
下文に、本発明の実施形態が添付の図面を参照して説明されるが、図面も説明も本発明を限定するものと解釈されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明によるケーブル端部保持装置の一実施形態の斜視図である。
図2図1のケーブル端部保持装置の側面図である。
図3図1および図2のケーブル端部保持装置の平面図である。
図4a】コンタクト要素への接続工程中のケーブル端部の詳細図である。
図4b】コンタクト要素への接続工程中のケーブル端部の詳細図である。
図4c】コンタクト要素への接続工程中のケーブル端部の詳細図である。
図4d】コンタクト要素への接続工程中のケーブル端部の詳細図である。
図5図1から図3のケーブル端部保持装置の一部の平面図である。
図6】線VI-VIに沿った図5のケーブル端部保持装置の部分の断面図である。
図7a】線VIIa-VIIaに沿った図5のケーブル端部保持装置の部分の断面図である。
図7b】線VIIa-VIIaに沿った図5のケーブル端部保持装置の部分の断面図であり、レバー要素が実質的に水平に向けられている図である。
図8】レバー要素の2つの異なる向きにおける垂直位置の変更の概略図である。
図9図1から図3のケーブル端部保持装置の算術螺旋の斜視詳細図である。
図10】知られているケーブル組立機の平面図である。
図11】知られているケーブル組立機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面は、単に概略図に過ぎず、原寸に比例していない。さまざまな図面において、同じ符号は、同じまたは機能的に同等の特徴を示している。
【0035】
図1は、本発明によるケーブル端部保持装置1の一実施形態の斜視図である。
【0036】
図2は、図1のケーブル端部保持装置1の側面図である。
【0037】
図3は、図1および図2のケーブル端部保持装置1の平面図である。
【0038】
ケーブル端部保持装置1は、ピボットアーム2と、ケーブル端部25またはケーブルのケーブル先端部を保持するためのケーブル保持要素15とを有する。ピボットアーム2は、垂直軸を中心としてケーブル保持要素15を回転させることができ、これを長手方向に(図2の左から右へ延びる)および垂直方向に(図2の下から上へ延びる)に変更することができる。
【0039】
ケーブル保持要素15は、ケーブル端部25またはケーブル先端部、言い換えればケーブルの端部を保持する。ケーブルの最も外側の先端部または最も外側の端部は、ピボットアーム2から遠いケーブル保持要素15の側部にケーブル保持要素15から突き出ている。
【0040】
ケーブル端部25またはケーブル先端部は、通常、ケーブルの最も外側の端部ではない。ケーブル端部25またはケーブル先端部は、ケーブルの最も外側の端部の近くに配置されるケーブルの一部である。ケーブルの最も外側の端部は、例えば、ケーブル保持要素15によって全部または一部がつかまれまたは収容されまたは囲まれるケーブルの一部分から、例えば約0.5cmから約5cm、特に約1cmから約3cm、好ましくは約1cmから約2cmだけ離間され得る。
【0041】
ケーブル端部保持装置1は、ケーブル保持要素15の垂直位置を変更するための、したがってケーブル保持要素15によって保持されるケーブル端部25の垂直位置を変更するための、垂直位置変更装置をさらに備える。ケーブル保持要素15の垂直位置の減少は、ケーブル保持要素15が地面に近づくかまたは下げられることを意味する。ケーブル保持要素15の垂直位置の増加は、ケーブル保持要素15が地面からさらに離れる(正のZ方向に移動される)ことを意味する。
【0042】
ケーブルは、ケーブル送り装置(cable feed)3によってケーブル端部保持装置1に供給される。ケーブルは、少なくとも一部がガイドチューブ16内に配置される。ケーブル端部は、通常は、ガイドチューブ16内に配置されない。ガイドチューブ16は、ケーブル端部保持装置1のプレート状ディスクまたはプレート17上に一部が位置決めされるか、またはディスクによって上部レバー要素10a上に支持される。ガイドチューブ16は、通常、一直線上にディスクまたはプレート17上に延在しない。
【0043】
ケーブル保持要素15は、ケーブル送り装置3から遠いケーブル端部保持装置1の側部に配置される。ケーブル保持要素15は、ピボットアーム2に取り付けられる。ケーブル保持要素15は、グリッパを備え、これは、ケーブル端部25またはケーブルをグリップし保持する。ケーブル保持要素15は、ピボットアーム2のレバー要素10a、10bに固定される。
【0044】
グリッパまたはケーブル保持要素15は、ケーブル端部25が常に水平に延びるように、水平に延びる軸を中心として回転可能に取り付けられる。ディスクまたはプレート17は、レバー要素10a、10bのうちの1つの上に置かれ、ケーブル保持要素15の垂直位置が変化されると、構造に応じてケーブル保持要素15に対してそれらの角度位置を変化させる。
【0045】
ケーブル端部25を剥離するためのおよび/またはケーブルを切断するためのブレード23またはダブルブレードが、図1の左側に示されている。レバー要素10a、10bは、それらが水平に延びるように向けられる。高さ設定装置によって、レバー要素10a、10b、したがってケーブル保持要素15は、所望のまたは必要とされる高さに設定される。ケーブル端部25またはケーブル先端部は、ブレード23の2つの要素の間の中央に案内される。
【0046】
その結果、ブレード23は、ケーブル自体の金属コア/導体は除いて、ブレード23の絶縁物が切り離されるように十分に閉じられる。その後、ケーブル端部25は、絶縁物がブレード23に残り、残りのケーブルからまたはケーブル端部25から分離されるように、長手方向にブレード23または複数のブレードから再び引き離される。
【0047】
ケーブル端部保持装置1は、平行四辺形レバー要素としても知られている2つのレバー要素10a、10bを備える。2つのレバー要素10a、10bはそれぞれ、水平に延びる第1の回転軸30、31を中心として回転可能に取り付けられる。2つの第1の回転軸30、31は、図1の右側に配置されている。2つの第1の回転軸30、31は、互いに平行に延び、互いに垂直にオフセットしている。さらに、2つのレバー要素10a、10bはそれぞれ、水平に延びる第2の回転軸40、41を中心として回転可能に取り付けられる。2つの第2の回転軸40、41は、図1の左側に配置されている。
【0048】
2つのレバー要素10a、10bは互いに平行に延びている。レバー要素10a、10bは、高さ(Z方向)に関して、ならびに垂直方向に直角におよび2つのレバー要素10a、10bの長手方向(図2および図3の左から右に延びる長手方向)に直角に延びる方向に、互いにオフセットして配列される。この方向は、図2の図面の平面に対して直角に延びている。一方のレバー要素10aは、他方のレバー要素10bよりも図1のさらに前方に配置される。
【0049】
一方のレバー要素10b(図1の前部レバー要素)は、他方のレバー要素10a(図1の後部レバー要素)の垂直位置よりも低い高さを有する垂直位置に配置される。2つのレバー要素10a、10bは、平行四辺形の一部または長手方向の辺を形成する。
【0050】
レバー要素10a、10bおよびケーブル保持要素15を備えるケーブル端部保持装置1の図1の上部は、垂直に延びる軸を中心として回転可能である。このために、ケーブル端部保持装置1は、レバー要素10a、10bまたはケーブル保持要素15を回転させるための回転装置14を有する。結果として、ケーブル端部25またはケーブル先端部を処理するためのさまざまな処理ステーションまたは工具に近づくことができる。回転装置14は、回転運動を行うためのモータ21を備える。回転装置14は、垂直に延びる回転軸を中心としてレバー要素10a、10bを回転させることができる。回転軸は、特に、ディスクまたはプレート17の中心を通って延びる。
【0051】
ケーブル軸20は、ケーブル端部25の主延在方向に沿って、および図1においてはレバー要素10a、10bまたはレバーの長手方向に平行して延びている。
【0052】
図4aから図4dは、プレス5を用いてケーブル端部25をコンタクト要素26に接続する工程中のケーブル端部25の詳細図である。コンタクト要素26は、例えば圧着要素であり得る。最初は、ケーブル端部25は、ケーブル端部25の不必要な移動を防ぐように、スタンプ24よりもコンタクト要素26の近くに配置される(図4aを参照されたい)。その結果、例えばスタンプ24が垂直方向(Z方向)に沿ってスタンプ24とケーブル端部25との間に所定の距離を有するまで、スタンプ24は、アンビル27またはケーブル端部25に向かって移動される。
【0053】
次に、スタンプ24およびケーブル端部25は、同期して、言い換えれば同じ速度で、アンビル27に向かって一緒に移動される(図4bを参照されたい)。これに関連して、ケーブル端部25の垂直位置(Z方向に沿った位置)は、レバー要素10a、10bがその第1の回転軸30、31を中心として回転されるので水平面に対してレバー要素10a、10bの角度を変更することによって変更される。
【0054】
図4bと図4cとの間で、ケーブル端部25は、アンビル27の方向にスタンプ24と同期して移動される。図4bにおいては、ケーブル端部25は、スタンプ24の速度まで加速される。図4cに示される状況の直前に、ケーブル端部25がコンタクト要素26と衝突しないように、ケーブル端部25は制動される。ケーブル端部25がスタンプ24と同期して移動する所定の期間後に、ケーブル端部25の移動は、ケーブル端部25の移動が所定の期間後に低減されるのでスタンプ24の移動から切り離される。
【0055】
レバー要素10a、10bの長手方向に沿った、または第1の回転軸30、31を中心とするレバー要素10a、10bの回転の結果として、水平面と平行した、ケーブル端部25の位置の変更は、長手方向位置変更装置11によって補償される。したがって、レバー要素10a、10bは、レバー要素10a、10bがその第1の回転軸30、31を中心として回転している間に長手方向に沿って移動される。
【0056】
これに関連して、レバー要素10a、10bがその水平位置を通過すると、ケーブル端部25が垂直方向(Z方向)に沿ってのみ移動するように、前方移動およびその次に後方移動が長手方向に生じ、あるいは逆もまた同様である。
【0057】
最後に、ケーブル端部25またはケーブル先端部は、コンタクト要素26に触れる(図4cを参照されたい)。直前に、言い換えれば、ケーブル端部25がコンタクト要素26のくぼみに入る前に、コンタクト要素26の方へのケーブル端部25の移動の速度が低減され、言い換えれば、ケーブル端部25が制動される。結果として、ケーブル端部25がコンタクト要素26に突き当たる場合に生じる力は低減される。ケーブル端部25は、ケーブルのねじれまたは曲げを防止するように、ケーブルの一部と共に移動される。
【0058】
スタンプ24は、ケーブル端部25またはケーブル先端部およびコンタクト要素26をアンビル27に対して押し、したがってケーブル端部25をコンタクト要素26に対して押す(図4dを参照されたい)。コンタクト要素26の突出部は、スタンプ24によって変形され、したがって接続部が、ケーブル端部25またはケーブルとコンタクト要素26との間に形成される。その後、スタンプ24は、アンビル27から再び取り除かれ、ケーブル端部25に接続されるコンタクト要素26を備えるケーブル端部25を解放する。
【0059】
図5は、図1から図3のケーブル端部保持装置1の一部の平面図である。図6は、線VI-VIに沿った図5のケーブル端部保持装置1の一部分の断面図である。図7aは、VIIa-VIIa線に沿った図5のケーブル端部保持装置1の一部分の断面図である。図7bは、線VIIa-VIIaに沿った図5のケーブル端部保持装置1の一部分の断面図であり、レバー要素10a、10bは、実質的に水平に向けられている。
【0060】
ケーブル端部保持装置1は、長手方向位置変更装置11を備える。長手方向位置変更装置11は、レバー要素10a、10bが水平に向けられる場合に(これは、レバー要素10a、10bが水平に向けられる場合にのみこのタイプの移動が可能であることを意味するわけではないが)レバー要素10a、10bおよびケーブル保持要素15またはピボットアーム2を備えるケーブル端部保持装置1の図7bの上部を左右に、言い換えれば、レバー要素10a、10bの長手方向に沿って、移動させる。
【0061】
グリッパまたはケーブル保持要素15の垂直位置が変更されると、グリッパまたはケーブル保持要素15の、したがってケーブル端部25の長手方向位置が(対応する補償なしに)変化するので、ケーブル端部保持装置1の上部は、長手方向位置のこの変化を補償するように長手方向に沿って(図7bの左右に)それに応じて移動される。結果として、ケーブル端部25は、ケーブル端部25の長手方向位置が実質的に変更されず、むしろケーブル端部25の垂直位置のみが変更されるように移動され得る。これは、ケーブル端部25の移動は、その第1の回転軸30、31を中心とするレバー要素10a、10bの回転の結果として円弧を描くのだが、純粋な上方または下方への移動(Z方向)が達成されるように、長手方向位置変更装置11によって補償されることを意味する。ケーブル端部25またはケーブル先端部の長手方向位置は、例えばアルミニウムケーブルを処理する際に必要とされるように、百分の数ミリメートルに設定され得る。
【0062】
ケーブル保持要素15は、垂直位置設定装置13を備える。垂直位置設定装置13は、Z方向についてケーブル端部25の垂直位置の微調整を可能にする。結果として、レバー要素10a、10b、言い換えれば平行四辺形の長手方向の辺は、発生する力がレバー要素10a、10bに沿って作用するので、剥離中に発生する力が平行四辺形またはレバー要素10a、10bによって特に十分に吸収され得るように、剥離のために常に水平に向けられ得る。
【0063】
微調整装置として役立つ垂直位置設定装置13によって、ケーブル端部25の高さは、特に細かく設定されまたは変更され得る。
【0064】
ケーブル端部25が異なる処理ステーションまたは工具のために配置されなければならない個々の位置は、(例えばEEPROMに、ハードディスクに、および/またはクラウドに)記憶され、再び検索され得る。したがって、工具が変化すると、ユーザは、対応する位置(垂直方向および/または長手方向および/または幅方向)および/または対応する回転角度をロードし、または入力することができる。したがって、処理ステーションまたは工具は、ケーブル端部保持装置1がケーブル端部25の位置をそれに応じて変更しまたは適合させるので、高さに関して設定される必要はない。
【0065】
長手方向位置変更装置11は、ケーブル保持要素15の長手方向位置を変化させるためのモータ22を有する。
【0066】
図7bは、図7aと同じ切断平面に沿った図である。図7aにおいては、レバー要素10a、10b、またはより正確にはレバー要素10a、10bの長手方向は、水平面に対して非ゼロの角度にあり、図7aにおいて、レバー要素10a、10bの左端は、レバー要素10a、10bの右端よりも低く、位置決めされている。言い換えれば、低い方の第2の回転軸41は、低い方の第1の回転軸31よりも低い方に配置され、上方の第2の回転軸40は、上方の第1の回転軸30よりも低い方に配置される。図7bにおいては、レバー要素10a、10bの長手方向は、水平に延びている。図7bにおいては、上方の第1の回転軸30は、上方の第2の回転軸40と同じ高さに配置され、図7bにおいては、低い方の第1の回転軸31は、低い方の第2の回転軸41と同じ高さに配置される。ケーブル端部は、図7aにおいても図7bにおいても水平に延びている。
【0067】
図8は、レバー要素10a、10bの2つの異なる向きにおける垂直位置の変更の概略図である。図9は、図1から図3のケーブル端部保持装置1の算術螺旋19の詳細斜視図である。
【0068】
図8は、平行四辺形ガイド9を示している。図8においては、レバー要素10a、10bの、その第1の回転軸30、31を中心とする回転は、ΔPvのケーブル保持要素15の高さの変化をもたらし、ΔPhの長さだけケーブル保持要素15の位置の変更をもたらすということが理解できる。ケーブル保持要素15の長手方向位置のこの変更は、ケーブル保持要素15の位置の高さの変化のみが生じるように、長手方向位置変更装置11によって補償され得る。
【0069】
水平面に対するレバー要素10a、10bの角度は(図7aおよび図7bにおいて左から右へ延びるが)、カムディスク、特に算術螺旋またはアルキメデススパイラル19を用いて変更され得る。結果として、レバー要素10a、10bは、技術的に簡単な様式でその第1の回転軸30、31を中心として回転され得る。
【0070】
カムディスクは、ステッピングモータ12を用いて駆動され得る。あるいは、偏心タペットがまた考えられる。このレバー要素10aとカムディスクとの間のコンタクトが常に保たれたままであるように、ばね要素18が、レバー要素10a、10bのうちの1つ、具体的には上部レバー要素10aを、カムディスクに対して押す。
【0071】
代替的にあるいはこれに加えて、モータ駆動されるスピンドル、リニアモータおよび/または制御可能な空気圧シリンダを用いて、水平面に対するレバー要素10a、10bの角度の、あるいはレバー要素10a、10bの、その第1の回転軸30、31を中心とした回転の変更が考えられる。
【0072】
したがって、例えば、モータ駆動されるスピンドルは、レバー要素10a、10bのうちの1つを上方および下方に押し引きすることができる。結果として、レバー要素10a、10bはそれぞれ、その第1の回転軸30、31を中心として回転し、水平面に対するその角度を変更する。結果として、第2の回転軸40、41の垂直位置は、モータ駆動されるスピンドルによって調整され得る。
【0073】
レバー要素10a、10bがその第1の回転軸30、31を中心として回転し、水平面に対してその角度を変えるように、リニアモータが上方および下方にレバー要素10a、10bを押す/引くように配置され得る。
【0074】
レバー要素10a、10bはまた、制御可能な空気圧シリンダを用いて、その第1の回転軸30、31を中心として回転されることができ、水平面に対するレバー要素10a、10bの角度が変更され得る。
【0075】
ケーブル端部25がコンタクト要素26に接続された後に、ケーブルの長さは、ブレード23を用いて所望の長さに短くされる。その後、工程は、前述の工程と同様に、ブレード23の他の側で続けられ得る。これは、コンタクト要素26がブレード23またはブレード23内の開口部によって案内され、ケーブルがさらなるグリッパまたはケーブル保持要素15によって他の側でつかまれることを意味する。次に、ケーブルが切断される。その後、その1つのケーブル端部25が既にコンタクト要素26に接続されている、ケーブルの自由ケーブル端部が、特に上記の様式でコンタクト要素26に同様に接続され得る。
【0076】
レバー要素10a、10bは、レバー要素10a、10bが常に互いに平行に向けられるように、そのそれぞれの第1の回転軸30、31を中心として常に同じ角度によって回転される。
【0077】
結果として、ケーブル組立機がまた説明され、これは、1つのまたは該ケーブル端部保持装置ならびに1つのまたは該ブレードを備える。
【0078】
レバー要素は、同じ長さから成ることができる。
【0079】
2つのレバー要素の第1の回転軸は、図8の左から右へ延びる長手方向に同じ位置に配置される。
【0080】
また、ケーブル送り装置3はピボットアーム2に取り付けられることが考えられる。
【0081】
最後に、「有する(having)」、「備える(comprising)」などの用語は他の要素またはステップの可能性を排除するものではなく、「1つの(a)」または「1つの(one)」などの用語は、複数を排除するものではないことに留意されたい。さらに、上記の実施形態のうちの1つを参照して説明された特徴またはステップはまた、他の上記の実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用され得ることに留意されたい。特許請求の範囲における符号は、限定であると見なされるべきではない。
【符号の説明】
【0082】
1,1’ ケーブル端保持装置
2,2’ ピボットアーム
3,3’ ケーブル送り装置
4’ ブレードブロック
5,5’ プレス
6’,6’’ 追加のステーション
7’ プランジャ
8’ 高さ調整システム
9 平行四辺形ガイド
10a、10b レバー要素
11 長手方向位置変更装置
12 Z方向用ステッピングモータ
13 垂直位置設定装置
14 回転装置
15 ケーブル保持要素
16 ガイドチューブ
17 上部レバーのプレート
18 ばね要素
19 算術螺旋
20 ケーブル軸
21 回転運動用モータ
22 水平方向移動用モータ
23 ブレード
24,24’ スタンプ
25 ケーブル端部
26,26’ コンタクト要素
27,27’ アンビル
30,31 第1の回転軸
40,41 第2の回転軸
ΔPh 位置の水平変化
ΔPv 位置の垂直変化
Z Z方向
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11