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特許7414435交通機関情報提供システム、交通機関情報提供装置及び交通機関情報提供方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】交通機関情報提供システム、交通機関情報提供装置及び交通機関情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240109BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019165464
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2020173770
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2019073052
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】野上 和男
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-111330(JP,A)
【文献】特開2010-152574(JP,A)
【文献】特開2004-220100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関利用者に対して情報提供を行う情報提供システムにおいて、
モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報をモビリティ管理装置に送信する利用通知通信部を備える利用通知装置と、
前記モビリティを特定するモビリティ特定情報及び前記通知情報を受信するモビリティ管理通信部と、
前記モビリティ特定情報と、前記モビリティ利用者を特定する利用者特定情報とを関連付ける関連付け部を、利用開始を示す前記通知情報が受信されたことに応じて、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにし、
前記モビリティ管理通信部によって受信された前記モビリティ特定情報と同一の前記モビリティ特定情報に前記関連付け部によって関連付けられた利用者特定情報のうち、前記利用者特定情報で特定される前記モビリティ利用者が前記モビリティ特定情報で特定される前記モビリティを利用中であることを示す利用者特定情報を取得する
モビリティ管理処理部と、
前記モビリティから前記モビリティ特定情報を取得したモビリティ識別装置の位置を示す位置情報を含む支援通知を取得し、前記モビリティ管理処理部が取得した前記利用者特定情報の示す送信先に、前記位置情報に応じて定まる情報を送信する位置情報処理部と、
を備えるモビリティ管理装置と、
前記支援通知を前記モビリティ管理装置に送信するサービス提供支援通信部を備えるサービス提供支援装置と

備える交通機関情報提供システム。
【請求項2】
交通機関利用者に対して情報提供を行う情報提供システムにおいて、
モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報をモビリティ管理装置に送信する利用通知通信部を備える利用通知装置と、
前記モビリティを特定するモビリティ特定情報及び前記通知情報を受信するモビリティ管理通信部と、
前記モビリティ特定情報と、前記モビリティ利用者を特定する利用者特定情報とを関連付ける関連付け部を、利用開始を示す前記通知情報が受信されたことに応じて、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにし、
前記モビリティ管理通信部によって受信された前記モビリティ特定情報と同一の前記モビリティ特定情報に前記関連付け部によって関連付けられた利用者特定情報のうち、前記利用者特定情報で特定される前記モビリティ利用者が前記モビリティ特定情報で特定される前記モビリティを利用中であることを示す利用者特定情報を取得し、前記利用者特定情報をサービス提供支援装置に送信する
モビリティ管理処理部と、を備えるモビリティ管理装置と、
前記モビリティから前記モビリティ特定情報を取得したモビリティ識別装置の位置を示す位置情報と、前記モビリティ管理処理部が取得した前記利用者特定情報とを含む支援通知を情報提供装置に送信するサービス提供支援通信部を備える前記サービス提供支援装置と、
前記モビリティ管理処理部が取得した前記利用者特定情報の示す送信先に、前記位置情報に応じて定まる情報を送信する位置情報処理部を備える前記情報提供装置と、
を備える交通機関情報提供システム。
【請求項3】
前記利用者特定情報は、
前記モビリティ利用者への情報の送信先を示す情報である、請求項1又は2に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項4】
前記位置情報処理部は、モビリティ利用者が前記モビリティから降車する場所に前記モビリティが到着する場合、前記送信先に、前記モビリティが当該場所に到着することを示す情報を送信する、請求項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項5】
前記位置情報処理部は、前記位置の周辺施設の情報を、前記送信先に送信する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項6】
前記位置情報処理部は、前記利用者特定情報に関連付けられた連絡先に、前記モビリティ利用者の位置を示す情報を送信する、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項7】
前記モビリティ管理通信部は、
前記モビリティ利用者による前記モビリティの利用の予約についての情報を含む予約情報を受信し、
前記モビリティ管理処理部は、
前記予約情報に基づいて前記モビリティ利用者の前記利用者特定情報と前記モビリティの前記モビリティ特定情報とを関連付ける、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項8】
前記モビリティ特定情報は、
前記モビリティに設置された車載器の識別情報、又は前記モビリティの識別情報である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項9】
前記モビリティ管理処理部は、
前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることを示す情報を関連付けることで、前記関連付け部を、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項10】
前記モビリティ管理処理部は、
前記モビリティ利用者が前記モビリティの利用を開始した時間を関連付けることで、前記関連付け部を、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の交通機関情報提供システム。
【請求項11】
モビリティ管理通信部と、モビリティ管理処理部と、位置情報処理部とを備える情報提供装置であって、
前記モビリティ管理通信部が、モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報、及び前記モビリティから取得されたモビリティ特定情報を受信し、
前記モビリティ管理処理部が、
記モビリティ特定情報と、前記モビリティ利用者を特定する利用者特定情報とを関連付ける関連付け部を、利用開始を示す前記通知情報が受信されたことに応じて、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにし、
前記モビリティ管理通信部によって受信された前記モビリティ特定情報と同一の前記モビリティ特定情報に前記関連付け部によって関連付けられた利用者特定情報のうち、前記利用者特定情報で特定される前記モビリティ利用者が前記モビリティ特定情報で特定される前記モビリティを利用中であることを示す利用者特定情報を取得し、
前記位置情報処理部が、前記モビリティから前記モビリティ特定情報を取得したモビリティ識別装置の位置を示す位置情報を含む支援通知を取得し、前記モビリティ管理処理部が取得した前記利用者特定情報の示す送信先に、前記位置情報に応じて定まる情報を送信する、
交通機関情報提供装置。
【請求項12】
モビリティ管理通信部と、モビリティ管理処理部と、位置情報処理部とを備える情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
前記モビリティ管理通信部が、モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報、及び前記モビリティから取得されたモビリティ特定情報を受信し、
前記モビリティ管理処理部が、
前記モビリティ特定情報と、前記モビリティ利用者を特定する利用者特定情報とを関連付ける関連付け部を、利用開始を示す前記通知情報が受信されたことに応じて、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにし、
前記モビリティ管理通信部によって受信された前記モビリティ特定情報と同一の前記モビリティ特定情報に前記関連付け部によって関連付けられた利用者特定情報のうち、前記利用者特定情報で特定される前記モビリティ利用者が前記モビリティ特定情報で特定される前記モビリティを利用中であることを示す利用者特定情報を取得し、
前記位置情報処理部が、前記モビリティから前記モビリティ特定情報を取得したモビリティ識別装置の位置を示す位置情報を含む支援通知を取得し、前記モビリティ管理処理部が取得した前記利用者特定情報の示す送信先に、前記位置情報に応じて定まる情報を送信する、
交通機関情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供システム、情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公共交通機関のモビリティには、長距離バス又はオンデマンド型の路線バス(以下「デマンドバス」という。)など、利用するために予約が必要になるモビリティがある。この予約を行うために、MaaS(mobility as a service)の利用が検討されようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-157241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モビリティ及びモビリティの利用者を管理するシステムは、モビリティとモビリティ利用者との紐づけ(関連付け)が可能であるため、公共交通機関の利用者などに対するサービスの提供も考えられる。しかしながら、具体的にどのようなサービスを行えるか、及びどのようにしてサービスを行うかの検討は、進んでいない。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、公共交通機関の利用者に対して、サービスの提供をすることができる情報提供システム、情報提供装置及び情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報提供システムは、交通機関利用者に対して情報提供を行う。実施形態の情報提供システムは、利用通知装置、モビリティ管理装置、サービス提供支援装置及び位置情報処理部を備える。利用通知装置は、モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報を情報提供装置に送信する利用通知通信部を備える。モビリティ管理装置は、管理通信部及びモビリティ管理処理部を備える。管理通信部は、前記モビリティを特定するモビリティ特定情報及び前記通知情報を受信する。モビリティ管理処理部は、前記モビリティ特定情報と、前記モビリティ利用者を特定する利用者特定情報とを関連付ける関連付け部を、利用開始を示す前記通知情報が受信されたことに応じて、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用中であることが分かるようにする。モビリティ管理処理部は、前記モビリティ管理通信部によって受信されたモビリティ特定情報と同一の前記モビリティ特定情報に前記関連付け部によって関連付けられた利用者特定情報のうち、前記利用者特定情報で特定される前記モビリティ利用者が前記モビリティ特定情報で特定される前記モビリティを利用中であることを示す利用者特定情報を取得する。サービス提供支援装置は、前記モビリティから取得された前記モビリティ特定情報を前記情報提供装置に送信するサービス提供支援通信部を備える。位置情報処理部は、前記モビリティからモビリティ特定情報が取得された位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に応じて定まる処理をする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るモビリティ管理システムの構成の一例を示すブロック図。
図2図1中のモビリティ管理装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図3図2中の利用DBに含まれる関連付けテーブルの一例を示す図。
図4図2中の利用DBに含まれる関連付けテーブルの一例を示す図。
図5図2中の利用DBに含まれる関連付けテーブルの一例を示す図。
図6図1中のモビリティ識別装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図7図1中のサービス提供支援装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図8図1中のバスモビリティの構成要素の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図9図1中の利用者端末装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図10】第1実施形態に係るモビリティ管理システムにおける情報の流れの一例を示すシーケンス図。
図11】第1実施形態に係るバスモビリティの予約処理の一例を示すフローチャート。
図12】第1実施形態に係るバスモビリティの利用通知の処理に係る一例に関するフローチャート。
図13】第1実施形態に係るモビリティ管理システムによるバス位置処理の例における情報の流れの一例を示すシーケンス図。
図14】第1実施形態に係るモビリティ管理システムによるバス位置処理の動作の一例を示すフローチャート。
図15】第1実施形態に係るモビリティ管理システムの利用終了の処理の流れの一例を示すシーケンス図。
図16】第2実施形態に係るモビリティ管理システムの構成の一例を示すブロック図。
図17図16中のサービス提供装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図18】第2実施形態に係るモビリティ管理システムにおける情報の流れの一例を示すシーケンス図。
図19】第2実施形態に係る会員登録処理の一例を示すフローチャート。
図20】第2実施形態に係るバスモビリティの予約処理の一例を示すフローチャート。
図21】第2実施形態に係るバスモビリティの利用通知に係る処理の一例に関するフローチャート。
図22】第2実施形態に係るモビリティ管理システムによるバス位置処理の例における情報の流れの一例を示すシーケンス図。
図23】第2実施形態に係るモビリティ管理システムによるバス位置処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、いくつかの実施形態に係るモビリティ管理システムについて図面を用いて説明する。なお、実施形態のモビリティ管理システムは、利用予約を必要とする公共交通機関を管理するものである。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。そして、各図面及び以下の説明において、同一の符号は同様の要素を示す
〔第1実施形態〕
<システム構成>
第1実施形態は、長距離バスの予約利用者に対して、長距離バスの位置に応じたサービスを行うためのモビリティ管理システムである。なお、第1実施形態において単にバス利用者という場合、長距離バス利用者などを示すものとする。
図1は、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。モビリティ管理システム1は、長距離バスの公共交通機関を管理する。モビリティ管理システム1は、情報提供システムの一例である。
モビリティ管理システム1は、モビリティ管理装置10、バスモビリティ20、モビリティ識別装置40、利用者端末装置50及びサービス提供支援装置60を含む。なお、図1では、バスモビリティ20、モビリティ識別装置40及び利用者端末装置50をそれぞれ1台ずつ示している。しかしながら、典型的には、それぞれ複数存在する。
【0008】
モビリティ管理装置10とバスモビリティ20の利用通知装置21とは、ネットワークNWを介して接続する。モビリティ管理装置10とサービス提供支援装置60とはネットワークNWを介して接続する。モビリティ管理装置10と利用者端末装置50とはネットワークNWを介して接続する。
ここで、ネットワークNWは、典型的にはインターネットを含む通信網であり、WAN(wide area network)であり、専用線又は公衆携帯電話網などを含む通信網であっても良い。
【0009】
また、バスモビリティ20の車載器22とモビリティ識別装置40とは、無線通信により接続する。モビリティ識別装置40とサービス提供支援装置60とは例えばLAN(local area network)などを介して接続する。
【0010】
なお、上記の接続の形態は一例であり、各装置と装置との接続は、上記以外の方法を用いたものであっても良い。
【0011】
<システム側の各構成要素の構成>
図2は、モビリティ管理装置10の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
モビリティ管理装置10は、例えば、バスモビリティ20及びバス利用者についてのデータなどの管理などを行うサーバー装置である。モビリティ管理装置10は、一例として、プロセッサー11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、補助記憶デバイス14及び通信インターフェース15を含み、バス16などが、これら各部を接続する。なお、モビリティ管理装置10は、情報提供装置の一例である。
【0012】
プロセッサー11は、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたソフトウェアなどのプログラムに基づいて、モビリティ管理処理部11a及び位置情報処理部11bなどとして機能する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー11の回路内に組み込まれていても良い。
【0013】
ROM12は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM12は、上記のプログラムのうちのファームウェア、及びプロセッサー11が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0014】
RAM13は、データの読み書きに用いられる揮発性メモリであり、ワークエリアなどとして利用される。
【0015】
補助記憶デバイス14は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス14は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、又はフラッシュメモリなどである。また、補助記憶デバイス14は、利用DB(database)141を記憶する。利用DB141については後で詳細に説明する。
【0016】
通信インターフェース15は、モビリティ管理装置10がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。通信インターフェース15は、モビリティ管理通信部の一例である。
【0017】
バス16は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、モビリティ管理装置10の各部で授受される信号を伝送する。
【0018】
<利用DB141及び利用DB141に含まれる関連付けテーブルT1の説明>
補助記憶デバイス14に記憶される利用DB141は、バスに関する情報を記憶する。利用DB141は、一例として、関連付けテーブルT1を含む。
【0019】
関連付けテーブルT1は、バスモビリティ20とバス利用者とを関連付ける。また、関連付けテーブルT1は、バスモビリティ20が利用中である場合にそのことを示す。
関連付けテーブルT1の例として関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3の3例を、図を用いて説明する。なお、関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3は、それぞれ関連付け部の一例である。
【0020】
図3は、関連付けテーブルT1の第1の例である関連付けテーブルT1-1の一例を示す図である。関連付けテーブルT1-1は、車載器識別子及び車両番号等に、顧客情報、及び有効フラグを関連付けたテーブルである。
車載器識別子は、例えばWCN(wireless call number)又は車載器管理番号(ASL(application sub layer)-ID)などである。車両番号等は、車のナンバープレートが表示する車両番号又は自動車登録番号などの識別情報である。
顧客情報は、バス利用者についての情報である。顧客情報は、利用者情報を含む。利用者情報は、バス利用者を特定する情報(以下「第1の利用者特定情報」という。)を含む。第1の利用者特定情報は、例えば、利用者端末装置50において用いられている電子メールアドレスである。なお、利用者情報は、バス利用者についての個人情報などを含む各種情報である。また、利用者情報は、連絡先情報として、0、1又は複数の電子メールアドレスを含む。当該電子メールアドレスは、第1の利用者特定情報以外に連絡を希望する連絡先の電子メールアドレスなどである。
有効フラグは、有効又は無効を示すフラグ情報である。有効フラグは、顧客情報で特定されるバス利用者が、車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20に乗車すると無効から有効に切り替わり、下車すると無効に切り替わる。
【0021】
図4は、関連付けテーブルT1の第2の例である関連付けテーブルT1-2の一例を示す図である。関連付けテーブルT1-2は、車載器識別子及び車両番号等に、顧客情報、利用開始時刻及び利用終了時刻を関連付けたテーブルである。すなわち、関連付けテーブルT1-2は、関連付けテーブルと比べると、有効フラグが無い代わりに利用開始時刻及び利用終了時刻を含む。
利用開始時刻は、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用を開始した時刻を示す。利用終了時刻は、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用を終了した時刻を示す。関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻及び利用終了時刻が空、Null又は0などの予め定められた特定の値である場合、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用をまだ開始していないことを示す。また、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻に時刻情報が入力され、且つ利用終了時刻が空、Null又は0などの予め定められた特定の値である場合、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用中であることを示す。そして、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻及び利用終了時刻の両方に時刻情報が入力されている場合、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用を終了していることを示す。
【0022】
図5は、関連付けテーブルT1の第3の例である関連付けテーブルT1-3を示す図である。関連付けテーブルT1-3は、車載器識別子及び車両番号等に顧客情報を関連付けたテーブルである。すなわち、関連付けテーブルT1-3は、関連付けテーブルT1-2と比べると、有効フラグが無い。また、関連付けテーブルT1-3は、関連付けテーブルT1-1と比べると、利用開始時刻及び利用終了時刻が無い。
関連付けテーブルT1-3は、関連付けテーブルT1-3に含まれるレコードそれぞれについて、顧客情報で特定されるバス利用者が車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20を利用中であることを示す。
【0023】
上記のように、関連付けテーブルT1-3は、レコードの有無によってバスモビリティ20が利用中であるか否かを示す。対して、関連付けテーブルT1-1は、有効フラグが有効である場合にバスモビリティ20が利用中であることを示す。したがって、関連付けテーブルT1-1は、有効フラグを無効にすることで、利用中でないバスモビリティ20についてのレコードを記憶することができる。また、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻に時刻情報が入力され、且つ利用終了時刻が空、Null又は0などの予め定められた特定の値である場合にバスモビリティ20が利用中であることを示す。したがって、関連付けテーブルT1-2は、関連付けテーブルT1-1と同様に、利用中でないバスモビリティ20についてのレコードを記憶することができる。さらに、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻及び利用終了時刻が空、Null又は0などの予め定められた特定の値である場合、バスモビリティ20が利用開始前であることを示す。そして、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻及び利用終了時刻の両方に時刻情報が入力されている場合、バスモビリティ20が利用を終了していることを示す。このように、関連付けテーブルT1-2は、利用中でないバスモビリティ20について、利用開始前なのか利用終了後なのかを記憶することができる。加えて、関連付けテーブルT1-2は、利用開始時刻及び利用終了時刻も記憶することができる。
【0024】
なお、関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3は、車載器識別子及び車両番号等が同一であるレコードが複数あっても良い。また、関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3は、顧客情報が同一であるレコードが複数あっても良い。
【0025】
図6は、モビリティ識別装置40の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
モビリティ識別装置40は、バスモビリティ20を識別する識別情報を読み取る装置である。モビリティ識別装置40は、道路又は駐車場などに設置される。
モビリティ識別装置40は、例えば、バスモビリティ20に設置された車載器22から車載器識別子を読み取る。あるいは、モビリティ識別装置40は、バスモビリティ20に設置されたナンバープレート23から車両番号等を読み取る。モビリティ識別装置40は、車載器22から車載器識別子などを読み取る、DSRC(dedicated short-range communications)機能を搭載したETC用の路側機などであっても良い。モビリティ識別装置40は、一例として、プロセッサー41、ROM42、RAM43、センサー44及び通信インターフェース45を含み、バス46などが、これら各部を接続する。
【0026】
プロセッサー41は、ROM42などに記憶されたソフトウェアなどのプログラムに基づいて、モビリティ識別装置40の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー41の回路内に組み込まれていても良い。
【0027】
ROM42は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM42は、上記のプログラム、プロセッサー41が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0028】
RAM43は、データの読み書きに用いられる揮発性メモリで、ワークエリアなどとして利用される。
【0029】
センサー44は、バスモビリティ20の識別情報を読み取る。センサー44は、例えば、車載器22から車載器識別子を読み取るアンテナである。あるいは、センサー44は、ナンバープレート23から車両番号等などを読み取るカメラである。なお、モビリティ識別装置40は、アンテナ及びカメラの両方を備えていても良い。
【0030】
通信インターフェース45は、モビリティ識別装置40が他の装置などと通信するためのインターフェースである。モビリティ識別装置40は、通信インターフェース45を用いてサービス提供支援装置60などと通信する。
【0031】
バス46は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、モビリティ識別装置40の各部で授受される信号を伝送する。
【0032】
図7は、サービス提供支援装置60の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
サービス提供支援装置60は、サービス提供の支援などに用いられるサーバー装置などである。サービス提供支援装置60は、一例として、プロセッサー61、ROM62、RAM63、補助記憶デバイス64、第1の通信インターフェース65及び第2の通信インターフェース66を含み、バス67などが、これら各部を接続する。
【0033】
プロセッサー61は、ROM62又は補助記憶デバイス64などに記憶されたソフトウェア等のプログラムに基づいて、サービス提供支援装置60の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー61の回路内に組み込まれていても良い。
【0034】
ROM62は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM62は、上記のプログラムのうちのファームウェア、プロセッサー61が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0035】
RAM63は、データの読み書きに用いられる揮発性メモリであり、ワークエリアなどとして利用される。
【0036】
補助記憶デバイス64は、プロセッサー61を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス64は、例えばEEPROM、HDD、又はフラッシュメモリなどである。補助記憶デバイス64は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。
【0037】
第1の通信インターフェース65は、サービス提供支援装置60がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。サービス提供支援装置60は、第1の通信インターフェース65を用いてモビリティ管理装置10などと通信する。第1の通信インターフェース65は、サービス提供支援通信部の一例である。
【0038】
第2の通信インターフェース66は、サービス提供支援装置60が他の装置と通信するためのインターフェースである。サービス提供支援装置60は、第2の通信インターフェース66を用いてモビリティ識別装置40などと通信する。
なお、第1の通信インターフェース65及び第2の通信インターフェース66は、共通のインターフェースであっても良い。
【0039】
バス67は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、サービス提供支援装置60の各部で授受される信号を伝送する。
【0040】
<利用者側の構成の説明>
次に、この様な構成のシステムを利用する利用者側の構成を説明する。
図8は、バスモビリティ20の構成要素の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
バスモビリティ20は、バスなどのモビリティである。バスモビリティ20は、利用通知装置21、車載器22及びナンバープレート23が設置される。
【0041】
利用通知装置21は、バスモビリティ20の利用開始などの通知をモビリティ管理装置10に送信するなどの処理を行う装置である。利用通知装置21は、一例として、プロセッサー211、ROM212、RAM213、カードリーダー214及び通信インターフェース215が、バス216などを介して接続されている。
【0042】
プロセッサー211は、ROM212などに記憶されたソフトウェアなどのプログラムに基づいて、利用通知装置21の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー211の回路内に組み込まれていても良い。
【0043】
ROM212は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM212は、上記のプログラムのうちのファームウェア、プロセッサー211が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0044】
RAM213は、データの読み書きに用いられる揮発性メモリであり、ワークエリアなどとして利用される。
【0045】
カードリーダー214は、IC(integrated circuit)カード又はICチップを搭載した電子機器などに記憶されたデータを読み取る。ICカード及びICチップは、典型的には非接触式である。
【0046】
通信インターフェース215は、利用通知装置21がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。通信インターフェース215は、無線通信用のインターフェースである。利用通知装置21は、通信インターフェース215を用いてモビリティ管理装置10などと通信する。通信インターフェース215は、利用通知通信部の一例である。
【0047】
バス216は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、利用通知装置21の各部で授受される信号を伝送する。
【0048】
車載器22は、ETC(electronic toll collection)などの交通システムの利用のために自動車などに設置されるDSRC車載器などの機器である。車載器22は、車載器22ごとにユニークな識別情報である車載器識別子が割り当てられる。車載器識別子は、バスモビリティ20を特定するモビリティ特定情報の一例である。
【0049】
ナンバープレート23は、バスモビリティ20ごとにユニークに付与される識別情報を表示する。ナンバープレート23が表示する識別情報は、例えば、車両番号等である。したがって、車両番号等は、バスモビリティ20を特定するモビリティ特定情報の一例である。
なお、利用通知装置21は、車載器22の車載器識別子及びバスモビリティ20の車両番号等の少なくともいずれかを記憶する。
【0050】
図9は、利用者端末装置50の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
利用者端末装置50は、バス利用者などが操作するPC(personal computer)又はスマートホンなどの情報機器である。利用者端末装置50は、一例として、プロセッサー51、ROM52、RAM53、補助記憶デバイス54、通信インターフェース55、表示デバイス56及び入力デバイス57が、バス58などを介して接続されている。利用者端末装置50の構成は、PCやスマートホンの一般的な構成であるため、詳細の説明は省略する。
【0051】
<動作説明:第1実施形態>
以下、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1の動作を説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図10は、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1における情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0052】
<長距離バスの予約動作>
バス利用者は、バスを利用する場合、利用者端末装置50を用いてモビリティ管理装置10にアクセスすることで長距離バスの利用予約を行う。ここで、バス利用者は、長距離バスの利用予約の際に、利用者情報又は利用者ID(以下「利用者情報等」という。)を利用者端末装置50に入力する。利用者IDは、バス利用者ごとにユニークに付与される識別情報である。利用者端末装置50に入力された情報は、モビリティ管理装置10に送信される。
【0053】
図11は、第1実施形態に係るバスモビリティの予約処理の一例を示すフローチャートである。図11において、フローチャートFL1は、利用者端末装置50のプロセッサー51が実行する処理である。また、フローチャートFL2は、モビリティ管理装置10のプロセッサー11が実行する処理である。
【0054】
図11のフローチャートFL1のステップS11において、利用者端末装置50のプロセッサー51は、操作者による、バスの予約を行うことができるアプリ内での予約開始操作又は、バスの予約を行うためのwebページの表示などの、バスの利用予約の開始を検出する。プロセッサー51は、バスの利用予約の開始を検出するとステップS11においてYesと判定してステップS12へと進む。
【0055】
利用者は、バスの利用予約に必要な情報として、乗車場所、乗車時間、降車場所及び乗車するバスの種類など入力する。そして、利用者は、送信ボタンなどを操作する。
ステップS12において、プロセッサー51は、上記のように送信ボタンが操作されたことに応じて、バス予約要求を送信すると判定する。プロセッサー51は、バス予約要求を送信すると判定するならば、ステップS12においてYesと判定してステップS13へと進む。
【0056】
ステップS13においてプロセッサー51は、バスの利用予約を受信すると、入力された利用者情報等、並びに利用開始予定日時、利用終了予定日時、乗車位置及び車種などの条件情報を含むバス予約要求を生成する。プロセッサー51は、バス予約要求を生成すると、通信インターフェース55を介して、当該バス予約要求をモビリティ管理装置10に送信する。
送信された当該バス予約要求は、モビリティ管理装置10の通信インターフェース15によって受信される。当該バス予約要求は、図10ではステップST11として示す。
なお、バス予約要求は、バス利用者によるバスモビリティ20の利用の予約についての情報を含む予約情報の一例である。
【0057】
一方、図11のフローチャートFL2のステップS21においてモビリティ管理装置10のプロセッサー11は、通信インターフェース15によってバス予約要求が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー11は、バス予約要求が受信されたならば、ステップS21においてYesと判定してステップS22へと進む。
【0058】
ステップS22においてプロセッサー11は、利用DB141を参照して、バス予約要求に含まれる条件情報に合致するバスモビリティ20を特定する。そして、プロセッサー11は、当該バスモビリティ20の車載器識別子及び車両番号等を取得する。
【0059】
ステップS23においてプロセッサー11は、ステップS22で取得した車載器識別子及び車両番号等とステップS21において受信されたバス予約要求に含まれる利用者情報等とを関連付ける。プロセッサー11は、利用DB141に含まれる関連付けテーブルT1を用いて車載器識別子及び車両番号等と利用者情報等とを関連付ける。
前述したように、予約要求は、予約情報の一例である。したがって、プロセッサー11は、ステップS23の処理を行うことで、通信インターフェース15によって受信された予約情報に基づいてバス利用者の利用者特定情報とモビリティのモビリティ特定情報とを関連付けるべく機能する。
【0060】
ステップS23において、プロセッサー11は、関連付けテーブルT1が関連付けテーブルT1-1である場合、関連付けテーブルT1-1に新規にレコードを追加して、当該レコードの車載器識別子フィールド及び車両番号等フィールドに、ステップS22で取得した車載器識別子及び車両番号等を書き込む。さらに、プロセッサー11は、当該レコードの顧客情報フィールドにステップS21で受信されたバス予約要求に含まれる利用者情報を書き込む。なお、プロセッサー11は、バス予約要求に利用者IDが含まれる場合、利用DB141を参照して、当該利用者IDに関連付けられている利用者情報を取得する。なお、利用DB141は、利用者IDと、当該利用者IDで特定される利用者の利用者情報とを関連付けて記憶している。そして、プロセッサー11は、取得した利用者情報を顧客情報フィールドに書き込む。また、プロセッサー11は、当該レコードの有効フラグフィールドの値を無効にする。
【0061】
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1が関連付けテーブルT1-2である場合、関連付けテーブルT1-2に新規にレコードを追加して、当該レコードの車載器識別子フィールド及び車両番号等フィールドに、ステップS22で取得した車載器識別子及び車両番号等を書き込む。さらに、プロセッサー11は、当該レコードの顧客情報フィールドにステップS21で受信されたバス予約要求に含まれる利用者情報を書き込む。なお、プロセッサー11は、バス予約要求に利用者IDが含まれる場合、利用DB141を参照して、当該利用者IDに関連付けられた利用者情報を取得する。そして、プロセッサー11は、取得した利用者情報を顧客情報フィールドに書き込む。また、プロセッサー11は、当該レコードの利用開始時刻フィールド及び利用終了時刻フィールドの値を、空、Null又は0などの予め定められた特定の値にする。
【0062】
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1が関連付けテーブルT1-3である場合、例えば、関連付けテーブルT1-3とは別のテーブルなどを用いてステップS22で取得した車載器識別子及び車両番号等とステップS21において受信されたバス予約要求に含まれる情報とを関連付けて記憶する。
【0063】
ステップS24においてプロセッサー11は、バスの予約を完了した旨を示す情報、及びバスの予約内容を示す情報などを含むバス予約通知を生成する。プロセッサー11は、バス予約通知を生成した後、当該バス予約通知を、バス予約要求の送信元である利用者端末装置50に対して、通信インターフェース15を介して送信する。送信された当該バス予約通知は、利用者端末装置50の通信インターフェース55によって受信される。当該バス予約通知は、図10ではステップST12として示す。
プロセッサー11は、図11のフローチャートFL2のステップS24の処理の後、ステップS21へと戻る。
【0064】
一方、フローチャートFL1のステップS14において利用者端末装置50のプロセッサー51は、通信インターフェース55によってバス予約通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー11は、バス予約通知が受信されたならば、ステップS14においてYesと判定してステップS15へと進む。
【0065】
ステップS15においてプロセッサー51は、ステップS14で受信されたバス予約通知に含まれる予約内容を表示デバイス56に表示させる。プロセッサー51は、ステップS15の処理の後、ステップS11へと戻る。
【0066】
<長距離バス乗車時の動作>
バス利用者は、予約したバスモビリティ20への乗車時、当該バスモビリティ20が備えるカードリーダー214にICカード(ICカードと同様の機能を有するスマートホンなどの電子機器を含む。)を読み込ませる。当該ICカードには、例えば利用者IDが記憶されている。当該ICカードと同様の機能を有する電子機器は、例えば利用者端末装置50である。なお、ICカードは、例えば、会員カードなどである。また、ICカードは、交通系ICカードなどであっても良い。
【0067】
図12は、第1実施形態に係る利用通知に係る処理の一例に関するフローチャートである。ここで、フローチャートFL3は、利用通知装置21のプロセッサー211が実行する処理である。また、フローチャートFL4は、モビリティ管理装置10のプロセッサー11が実行する処理である。
【0068】
図12のフローチャートFL3のステップS31において、利用通知装置21のプロセッサー211は、カードリーダー214によって利用者IDが読み取られたならば、ステップS31においてYesと判定してステップS32へと進む。ここで利用通知装置21が利用者端末装置50から利用者IDを読み取ることを図10ではステップST13として示す。なお、ステップST13~ステップST16は、バスモビリティ20の利用が開始される場合の情報の流れを示す。
【0069】
図12のフローチャートFL3のステップS32においてプロセッサー211は、ステップS31において読み取られた利用者IDと、利用通知装置21が記憶している車載器識別子及び車両番号等の少なくともいずれかとを含む利用通知を生成する。なお、当該利用通知に含まれる車載器識別子は、利用通知装置21と同じバスモビリティ20に設置された車載器22の車載器識別子である。また、当該利用通知に含まれる車両番号等は、利用通知装置21が設置されたバスモビリティ20の車両番号等である。プロセッサー211は、生成した利用通知を、通信インターフェース215を介して、当該利用通知をモビリティ管理装置10に送信する。
送信された当該利用通知は、モビリティ管理装置10の通信インターフェース15によって受信される。当該利用通知は、図10ではステップST14として示す。利用通知は、モビリティ利用者によるモビリティの利用開始又は利用終了を示す通知情報の一例である。
【0070】
一方、図12のフローチャートFL4のステップS41においてモビリティ管理装置10のプロセッサー11は、通信インターフェース15によって利用通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー11は、利用通知が受信されたならば、ステップS41においてYesと判定してステップS42へと進む。
【0071】
ステップS42においてプロセッサー11は、利用DB141を参照して、ステップS41において受信された利用通知に含まれる利用者IDで特定されるバス利用者によって、当該利用通知に含まれる車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20の利用の予約がされているか否かを判定する。なお、当該利用者IDによって特定されるバス利用者による当該バスモビリティ20の予約を、以下「対象予約」という。プロセッサー11は、対象予約がされていないならば、ステップS42においてNoと判定してステップS43へと進む。
【0072】
ステップS43においてプロセッサー11は、エラー通知を利用通知装置21に送信するように通信インターフェース15に対して指示する。エラー通知は、バスモビリティ20の利用予約がされていないことを利用通知装置21に通知する。送信の指示を受けて通信インターフェース15は、当該エラー通知を利用通知装置21に送信する。
送信された当該エラー通知は、利用通知装置21の通信インターフェース215によって受信される。プロセッサー11は、ステップS43の処理の後、ステップS41へ戻る。
【0073】
一方、フローチャートFL3のステップS33において利用通知装置21のプロセッサー211は、エラー通知、開始通知又は終了通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー211は、エラー通知、開始通知又は終了通知が受信されたならば、ステップS33においてYesと判定してステップS34へと進む。なお、開始通知及び終了通知については後述する。
【0074】
ステップS34においてプロセッサー211は、ステップS33において受信されたデータがエラー通知であるか否かを判定する。プロセッサー211は、受信されたデータがエラー通知であるならば、ステップS34においてYesと判定してステップS35へと進む。
【0075】
ステップS35においてプロセッサー211は、例えば、バスモビリティ20の利用予約がされていないため、バスへの乗車を許可できない旨を、バス利用者に報知する。当該バス利用者は、ステップS31においてカードリーダー214にICカードを読み込ませたバス利用者である。例えば、プロセッサー211は、当該旨を示す音声をスピーカーから出力することで報知する。例えば、プロセッサー211は、利用通知装置21などが備えるディスプレイに、当該旨を示す画像を表示させることで報知する。プロセッサー211は、ステップS35の処理の後、ステップS31へと戻る。
【0076】
一方、モビリティ管理装置10のプロセッサー11は、対象予約がされているならば、フローチャートFL4のステップS42においてYesと判定してステップS44へと進む。
ステップS44においてプロセッサー11は、対象予約が利用開始前の予約であるか否かを判定する。プロセッサー11は、対象予約が利用開始前の予約であるならば、ステップS44においてYesと判定してステップS45へと進む。
【0077】
ステップS45においてプロセッサー11は、関連付けテーブルT1を更新して、対象予約の利用が開始されたことが分かるようにする。以下、関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3のそれぞれの場合についての処理を説明する。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-1の対象予約についてのレコードの有効フラグフィールドの値を有効にする。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-2の対象予約についてのレコードの利用開始時刻フィールドに現在日時を書き込む。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-3に、対象予約に対応するレコードを新規に追加する。
ここでの関連付けテーブルT1の更新については、図10ではステップST15として示す。
【0078】
以上より、図12のフローチャートFL4のステップS42でYes、ステップS44でYesと判定されるような利用通知は、利用開始を示す通知情報の一例である。
したがって、プロセッサー11は、ステップS45の処理を行うことで、関連付けテーブルT1を、利用開始を示す通知情報が受信されたことに応じて、バス利用者がモビリティを利用中であることが分かるようにするモビリティ管理処理部11aとして機能する。
【0079】
ステップS46においてプロセッサー11は、通信インターフェース15を介して開始通知を利用通知装置21に送信する。開始通知は、バスモビリティ20の利用開始に係る処理をするように利用通知装置21に通知する。
送信された当該開始通知は、利用通知装置21の通信インターフェース215によって受信される。当該開始通知は、図10ではステップST16として示す。プロセッサー11は、図12のフローチャートFL4のステップS46の処理の後、ステップS41へと戻る。
【0080】
一方、利用通知装置21のプロセッサー211は、フローチャートFL3のステップS33において開始通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー211は、開始通知が受信されたならば、ステップS33においてYesと判定してステップS34へと進む。そして、プロセッサー211は、受信されたデータがエラー通知でないならば、すなわち受信されたデータが開始通知又は終了通知であるならば、ステップS34においてNoと判定してステップS36へと進む。
ステップS36においてプロセッサー211は、バスモビリティ20への乗車を許可する旨を報知する。例えば、プロセッサー211は、当該旨を示す音声をスピーカーから出力する。例えば、プロセッサー211は、ディスプレイに、当該旨を示す画像を表示させる。プロセッサー211は、ステップS36の処理の後、ステップS31へと戻る。
【0081】
<バス乗車後の動作>
バス利用者は、バスモビリティ20に乗車した状態で、バスモビリティ20とともに移動する。そして、モビリティ識別装置40のセンサー範囲内をバスモビリティ20が通過又は停車した場合、モビリティ識別装置40は、バスモビリティ20から車載器識別子又は車両番号等を読み取る。
このとき、モビリティ管理システム1は、図10のステップST17に示すバス位置処理を行う。ステップST17のバス位置処理の例を図13に示す。図13は、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1によるバス位置処理の例における情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0082】
図14は、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1によるバス位置処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、フローチャートFL5は、モビリティ識別装置40のプロセッサー41が実行する処理である。また、フローチャートFL6は、サービス提供支援装置60のプロセッサー61が実行する処理である。また、フローチャートFL7及びフローチャートFL8は、モビリティ管理装置10のプロセッサー11が実行する処理である。
【0083】
図14のフローチャートFL5のステップS51において、モビリティ識別装置40のプロセッサー41は、センサー44によってバスモビリティ20から車載器識別子又は車両番号等が読み取られたならば、ステップS51においてYesと判定してステップS52へと進む。モビリティ識別装置40による車載器識別子の読み取りを、図13ではステップST31として示す。
【0084】
図14のフローチャートFL5のステップS52において、プロセッサー41は、読取通知を生成する。読取通知は、車載器識別子又は車両番号等を読み取ったことをサービス提供支援装置60に通知する。読取通知は、ステップS51で読み取られた車載器識別子又は車両番号等を含む。また、読取通知は、当該読取通知を送信するモビリティ識別装置40にユニークに付与された識別装置IDを含む。プロセッサー41は、生成した読取通知を、通信インターフェース45を介して、当該読取通知をサービス提供支援装置60に送信する。
送信された当該読取通知は、サービス提供支援装置60の第2の通信インターフェース66によって受信される。当該読取通知は、図13ではステップST32として示す。プロセッサー41は、図14のフローチャートFL5のステップS52の処理の後、ステップS51へと戻る。
【0085】
一方、フローチャートFL6のステップS61において、サービス提供支援装置60のプロセッサー61は、第2の通信インターフェース66によって読取通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー61は、読取通知が受信されたならば、ステップS61においてYesと判定してステップS62へと進む。
【0086】
ステップS62においてプロセッサー61は、ステップS61で受信された読取通知に含まれる車載器識別子又は車両番号等を、第1の通信インターフェース65を介して、当該車載器識別子又は車両番号等をモビリティ管理装置10に送信する。
送信された当該車載器識別子又は車両番号等は、モビリティ管理装置10の通信インターフェース15によって受信される。当該車載器識別子は、図13ではステップST33として示す。
【0087】
一方、図14のフローチャートFL7のステップS71において、プロセッサー11は、車載識別子又は車両番号等が受信されたならば、ステップS71においてYesと判定してステップS72へと進む。
【0088】
ステップS72においてプロセッサー11は、関連付けテーブルT1を参照して、ステップS71で受信された車載器識別子又は車両番号等を含むレコードのうち、利用中を示すレコードを特定する。そして、プロセッサー11は、当該レコードから、車載器識別子又は車両番号等に関連付けられた顧客情報に含まれる第1の利用者特定情報及び連絡先情報を取得する。なお、プロセッサー11は、このようなレコードが複数ある場合には、その全てから第1の利用者特定情報及び連絡先情報を取得する。当該第1の利用者特定情報の取得を、図13ではステップST34として示す。なお、以下の説明では、ここで取得されるうちの1つの第1の利用者特定情報に着目して説明を行う。実際には、モビリティ管理システム1は、ここで取得される複数の第1の利用者特定情報それぞれについて同様の処理を行う。
以上より、プロセッサー11は、図14のフローチャートFL7のステップS72の処理を行うことで、第1の利用者特定情報を取得するモビリティ管理処理部11aとして機能する。なお、前述のように、車載器識別子又は車両番号等は、モビリティ特定情報の一例である。したがって、第1の利用者特定情報は、通信インターフェース15によって受信されたモビリティ特定情報と同一のモビリティ特定情報に関連付けテーブルT1によって関連付けられた利用者特定情報である。また、以上より、第1の利用者特定情報は、第1の利用者特定情報で特定されるバス利用者がモビリティ特定情報で特定されるバスモビリティ20を利用中であることを示す。
【0089】
図14のフローチャートFL7のステップS73においてプロセッサー11は、ステップS72で取得した第1の利用者特定情報及び連絡先情報を、通信インターフェース15を介して、当該第1の利用者特定情報及び連絡先情報をサービス提供支援装置60に送信する。
送信された当該第1の利用者特定情報及び連絡先情報は、サービス提供支援装置60の第1の通信インターフェース65によって受信される。当該第1の利用者特定情報は、図13ではステップST35として示す。プロセッサー11は、図14のフローチャートFL7のステップS73の処理の後、ステップS71へと戻る。
【0090】
一方、フローチャートFL6のステップS63において、プロセッサー61は、第1の利用者特定情報及び連絡先情報が受信されたならば、ステップS63においてYesと判定してステップS64へと進む。
【0091】
ステップS64においてプロセッサー61は、識別装置の識別装置情報を取得する。当該識別装置は、ステップS61で受信された読取通知に含まれる識別装置IDで特定される識別装置である。識別装置情報は、例えば、モビリティ識別装置40が設置されている位置を示す位置情報を含む。プロセッサー61は、例えば、モビリティ識別装置40についての情報を提供するサーバーなどから識別装置情報を取得する。なお、当該サーバーは、モビリティ管理装置10であっても良い。
なお、当該位置情報は、前述から分かるように、モビリティからモビリティ特定情報が取得された位置を示す。
【0092】
ステップS65においてプロセッサー61は、ステップS61で受信された読取通知に含まれる識別装置ID、ステップS63で受信された第1の利用者特定情報及び連絡先情報、並びにステップS64で取得した識別装置情報を含む支援通知を生成する。プロセッサー61は、当該支援通知を、第1の通信インターフェース65を介して、当該支援通知をモビリティ管理装置10に送信する。
送信された当該支援通知は、モビリティ管理装置10の通信インターフェース15によって受信される。当該支援通知は、図13ではステップST36として示す。プロセッサー61は、図14のフローチャートFL6のステップS65の処理の後、ステップS61へと戻る。
【0093】
一方、フローチャートFL8のステップS81においてモビリティ管理装置10のプロセッサー11は、通信インターフェース15によって支援通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー11は、支援通知が受信されたならば、ステップS81においてYesと判定してステップS82へと進む。
【0094】
ステップS82においてプロセッサー11は、第1の利用者特定情報で特定される利用者の降車する場所(以下「降車場所」という。)にバスが到着しそうであるか否かを判定する。プロセッサー11は、例えば、ステップS81で受信された支援通知に含まれる位置情報を取得する。そして、プロセッサー11は、当該位置情報の示す位置が降車場所から所定の距離以内であるならば、降車場所にバスが到着しそうであると判定する。あるいは、プロセッサー11は、当該位置から降車場所までにかかる時間を求めて、当該時間が所定の時間以下であるならば、降車場所にバスが到着しそうであると判定する。なお、プロセッサー11は、当該支援通知に位置情報が含まれない場合、当該支援通知に含まれる識別装置IDから、当該識別装置IDで特定されるモビリティ識別装置40の設置位置を示す位置情報を取得しても良い。プロセッサー11は、降車場所にバスが到着しそうであると判定するならば、ステップS82においてYesと判定してステップS83へと進む。
【0095】
ステップS83においてプロセッサー11は、利用DB141を参照して、第1の利用者特定情報で特定される利用者が、乗車中のバスから別のバスに乗り換えをする予約をしているか否かを判定する。プロセッサー11は、乗り換えをする予約をしていると判定ならば、ステップS83においてYesと判定してステップS84へと進む。
【0096】
ステップS84においてプロセッサー11は、第1の利用者特定情報で特定される電子メールアドレスを宛先として、バスの乗り換え場所の地図並びに乗り換え先のバスの到着時刻及び発車時刻などを含む、バスの乗り換えについての案内を、電子メールで送信する。なお、本明細書中における電子メールは、電子メールに代えて、SMS(short message service)などの電子メールに類似するサービスでも良い。したがって、本明細書中における電子メールアドレスは、電子メールアドレスに代えてSMSの送信先を示す電話番号などでもよい。なお、上記の電子メールの内容は、電子メールの本文などに記載されているものでも、当該本文中のURL(uniform resource locator)などのリンクなどによって開かれるWebページ内に記載されているものでも良い。また、以降の説明における電子メールの内容についても同様とする。なお、ここで送信される電子メールを、図13ではステップST37として示す。
【0097】
また、図14のフローチャートFL8のステップS84において、プロセッサー11は、ステップS81で受信された支援通知に含まれる連絡先情報に含まれる電子メールアドレスを宛先とする電子メールを送信する。当該電子メールの内容は、例えば、第1の利用者特定情報、支援通知に含まれる位置情報が示す位置、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が当該位置にいることを示す旨、及び当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が乗り換え場所に着くことを示す旨を含む。プロセッサー11は、ステップS84の処理の後、ステップS81へと戻る。
【0098】
プロセッサー11は、乗り換えをする予約をしていないと判定するならば、ステップS83においてNoと判定してステップS85へと進む。
ステップS85においてプロセッサー11は、第1の利用者特定情報で特定される電子メールアドレスを宛先として、バスの到着場所の周辺施設の案内、及び当該周辺施設の広告などを含む電子メールを送信する。なお、ここで送信される電子メールを、図13ではステップST37として示す。
【0099】
また、図14のフローチャートFL8のステップS85において、プロセッサー11は、ステップS81で受信された支援通知に含まれる連絡先情報に含まれる電子メールアドレスを宛先に電子メールを送信する。当該電子メールの内容は、例えば、第1の利用者特定情報、支援通知に含まれる位置情報が示す位置、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が当該位置にいること、及び当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が降車場所に着くことを示す旨を含む。プロセッサー11は、ステップS84の処理の後、ステップS81へと戻る。プロセッサー11は、ステップS85の処理の後、ステップS81へと戻る。
【0100】
また、プロセッサー11は、降車場所にバスが到着しそうでないと判定するならば、ステップS82においてNoと判定してステップS86へと進む。
ステップS86においてプロセッサー11は、ステップS81で受信された支援通知に含まれる連絡先情報に含まれる電子メールアドレスを宛先に電子メールを送信する。当該電子メールの内容は、例えば、第1の利用者特定情報、支援通知に含まれる位置情報が示す位置、及び当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が当該位置にいることを示す旨を含む。プロセッサー11は、ステップS86の処理の後、ステップS81へと戻る。
【0101】
以上より、プロセッサー11は、フローチャートFL8の処理を行うことで、モビリティからモビリティ特定情報が取得された位置を示す位置情報を取得し、位置情報に応じて定まる処理をする位置情報処理部11bとして機能する。
【0102】
<バス降車時の動作>
次に、バス利用者がバスモビリティ20の利用を終えて降車する場合の処理について説明する。
図15は、第1実施形態に係るモビリティ管理システム1における情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
バス利用者は、バスモビリティ20の利用を終える場合、例えば、バスモビリティ20が備えるカードリーダー214にICカードを読み込ませる。これに応じて、利用通知装置21は、利用通知をモビリティ管理装置10に送信する。なお、ここで利用通知装置21が利用者端末装置50から利用者IDを読み取ることを図15ではステップST41として示す。また、ここで利用通知装置21が送信する利用通知は、図15ではステップST42として示す。
【0103】
ここで利用通知を受信したモビリティ管理装置10のプロセッサー11は、前述した説明から分かるように図12のフローチャートFL4のステップS44へと進む。そして、モビリティ管理装置10のプロセッサー11は、対象予約が利用開始前の予約でないならば、ステップS44においてNoと判定してステップS47へと進む。
ステップS47においてプロセッサー11は、関連付けテーブルT1を更新して、対象予約の利用が終了されたことが分かるようにする。以下、関連付けテーブルT1-1~関連付けテーブルT1-3のそれぞれの場合についての処理を説明する。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-1の対象予約についてのレコードの有効フラグフィールドの値を無効にする。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-2の対象予約についてのレコードの利用終了時刻フィールドに現在日時を書き込む。
プロセッサー11は、関連付けテーブルT1-3に、対象予約に対応するレコードを削除する。なお、ここで削除されるレコードは、ステップS45で追加されたものである。
ここでの関連付けテーブルT1の更新については、図15ではステップST43として示す。
【0104】
図13のフローチャートFL4のステップS48においてプロセッサー11は、通信インターフェース15を介して終了通知を利用通知装置21に送信する。終了通知は、バスモビリティ20の利用終了に係る処理をするように利用通知装置21に通知する。
送信された当該終了通知は、利用通知装置21の通信インターフェース215によって受信される。終了通知は、図15ではステップST44として示す。プロセッサー11は、図13のフローチャートFL4のステップS48の処理の後、図12のフローチャートFL4のステップS41へ戻る。
【0105】
一方、利用通知装置21のプロセッサー211は、受信されたデータが終了通知であるならば、フローチャートFL3のステップS34においてNoと判定してステップS36へと進む。
【0106】
以上のように、第1実施形態のモビリティ管理システム1は、長距離バスの利用者に対して、長距離バスの位置に応じたサービスを行うことができる。
【0107】
第1実施形態のモビリティ管理システム1は、関連付けテーブルT1を用いて、車載器識別子又は車両番号等と第1の利用者特定情報とを関連付けることで、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が、当該車載器識別子又は車両番号等を利用中であることが分かるようになっている。このため、モビリティ管理システム1を用いることで、特定のバスモビリティ20を利用中の利用者に対するサービスなどを行うことができるようになる。
【0108】
また、第1実施形態のモビリティ管理システム1は、車載器識別子又は車両番号等から第1の利用者特定情報を特定できる。そして、モビリティ管理システム1は、当該第1の利用者特定情報を宛先として電子メールを送信する。これにより、モビリティ利用者は、乗車しているバスモビリティ20に応じた内容の電子メールを受け取ることができる。
【0109】
第1実施形態のモビリティ管理システム1は、バスモビリティ20から車載器識別子又は車両番号等を読み取った識別装置の位置を取得する。これにより、モビリティ管理システム1は、バスモビリティ20の位置に応じて異なる処理をすることができる。これにより、モビリティ利用者は、乗車しているバスモビリティ20の位置に応じた内容の電子メールを受け取ることができる。例えば、モビリティ利用者は、乗車しているバスモビリティ20が降車場所に近付いたことに応じて送信された電子メールを受け取ることができる。
【0110】
また、第1実施形態のモビリティ管理システム1は、第1の利用者特定情報に関連付けられた連絡先情報が示す電子メールアドレスを宛先として、バスモビリティ20の位置を送信する。例えば、当該電子メールアドレスが第1の利用者特定情報で特定される利用者の家族又は知り合いなどであるならば、当該家族又は知り合いは、バスモビリティ20に乗車している当該利用者の位置を知ることができる。したがって、当該家族又は知り合いは、モビリティ管理システム1を当該利用者の見守りなどに用いることができる。
【0111】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、第1実施形態とは異なり、乗車する際に呼び出しを必要とするデマンドバスなどのバスに対して用いられる実施形態である。なお、第2実施形態において単にバス利用者という場合、デマンドバス利用者を示すものとする。
【0112】
<システム構成>
図16は、第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bの構成の一例を示すブロック図である。モビリティ管理システム1bは、情報提供システムの一例である。
第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bは、第1実施形態のモビリティ管理システムに加えてサービス提供装置30を備える。すなわち、モビリティ管理システム1bは、モビリティ管理装置10、バスモビリティ20、サービス提供装置30、モビリティ識別装置40、利用者端末装置50及びサービス提供支援装置60を含む。
【0113】
モビリティ管理装置10とサービス提供装置30とはネットワークNWを介して接続する。サービス提供装置30と利用者端末装置50とはネットワークNWを介して接続する。
また、サービス提供装置30とサービス提供支援装置60とは、例えばLANなどを介して接続する。サービス提供支援装置60は、例えば、第2の通信インターフェース66を用いてサービス提供装置30と通信する。
【0114】
なお、第2実施形態では、利用DB141は、関連付けテーブルT1として関連付けテーブルT1-3を記憶するものとして説明する。ただし、第2実施形態のモビリティ管理システム1bを、関連付けテーブルT1-1又は関連付けテーブルT1-2を用いるようなシステムとすることも可能である。
【0115】
図17は、サービス提供装置30の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
サービス提供装置30は、バス利用者に対するサービスの提供などに用いられるサーバー装置などである。サービス提供装置30は、一例として、プロセッサー31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、第1の通信インターフェース35、第2の通信インターフェース36、表示デバイス37及び入力デバイス38を含み、バス39などが、これら各部を接続する。
【0116】
プロセッサー31は、ROM32又は補助記憶デバイス34などに記憶されたソフトウェアなどのプログラムに基づいて、位置情報処理部31aなどとして機能する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー31の回路内に組み込まれていても良い。
【0117】
ROM32は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM32は、上記のプログラムのうちのファームウェア、プロセッサー31が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0118】
RAM33は、データの読み書きに用いられる揮発性メモリであり、ワークエリアなどとして利用される。
【0119】
補助記憶デバイス34は、プロセッサー31を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス34は、例えばEEPROM、HDD、又はフラッシュメモリなどである。補助記憶デバイス34は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶デバイス34は、プロセッサー31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー31での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
また、補助記憶デバイス34は、提供DB341を記憶する。提供DB341は、サービス提供装置30が提供するサービスに関する情報を記憶する。
【0120】
第1の通信インターフェース35は、サービス提供装置30がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。サービス提供装置30は、第1の通信インターフェース35を用いてモビリティ管理装置10及び利用者端末装置50などと通信する。第1の通信インターフェース35は、サービス提供通信部の一例である。
【0121】
第2の通信インターフェース36は、サービス提供装置30が他の装置と通信するためのインターフェースである。サービス提供装置30は、第2の通信インターフェース36を用いてサービス提供支援装置60などと通信する。
なお、第1の通信インターフェース35及び第2の通信インターフェース36は、共通のインターフェースであっても良い。
【0122】
表示デバイス37は、サービス提供装置30の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス37は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。
【0123】
入力デバイス38は、サービス提供装置30の操作者による操作を受け付けるデバイスで、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド又はマウスなどである。
また、表示デバイス37及び入力デバイス38を一体化したタッチパネルとして構成しても良い。この場合、タッチパネルが備える表示パネルが表示デバイス37に対応し、タッチ入力によるポインティングデバイスが入力デバイス38に対応する。
【0124】
バス39は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、サービス提供装置30の各部で授受される信号を伝送する。
【0125】
<動作説明>
以下、第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bの動作を説明する。
図18は、第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bにおける情報の流れの一例を示すシーケンス図である。情報の流れについてはこの図面を含む各シーケンス図を用いて説明し、各装置の処理については、後出の各フローチャートを用いて説明する。
【0126】
<会員登録動作>
バス利用者は、バスの利用の前に予め、利用者端末装置50を用いてサービス提供装置30にアクセスすることで会員登録をする。バス利用者は、会員登録において、電子メールアドレス、及びバス利用者がデマンドバスに乗る際に用いる交通系ICカードのカードIDなどの必要な情報などを登録する。
【0127】
図19は、第2実施形態に係る会員登録処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、フローチャートFL21は、利用者端末装置50のプロセッサー51が実行する処理である。また、フローチャートFL22は、サービス提供装置30のプロセッサー31が実行する処理である。
図19のフローチャートFL21のステップS201において、利用者端末装置50のプロセッサー51は、会員登録を開始するか否かを判定する。プロセッサー51は、操作者による操作に基づき、会員登録を行うためのwebページを表示したことに応じて会員登録を開始すると判定する。プロセッサー51は、会員登録を開始すると判定するならば、ステップS201においてYesと判定してステップS202へと進む。
【0128】
ステップS202においてプロセッサー51は、登録要求を送信するか否かを判定する。プロセッサー51は、会員登録に必要な情報が入力された状態で、送信ボタンなどが操作されたことに応じて、登録要求を送信すると判定する。プロセッサー51は、登録要求を送信すると判定するならば、ステップS202においてYesと判定してステップS203へと進む。
【0129】
ステップS203においてプロセッサー51は、会員登録に必要な情報である、電子メールアドレス及びカードIDなどを含む登録要求を生成する。プロセッサー51は、登録要求を生成すると、通信インターフェース55を介して、当該登録要求をサービス提供装置30に送信する。
送信された当該登録要求は、サービス提供装置30の第1の通信インターフェース35によって受信される。当該登録要求は、図18ではステップST201として示す。プロセッサー51は、図19のフローチャートFL21のステップS203の処理の後、ステップS201へと戻る。
【0130】
一方、フローチャートFL22のステップS211において、サービス提供装置30のプロセッサー31は、第1の通信インターフェース35によって登録要求が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー31は、登録要求が受信されたならば、ステップS211においてYesと判定してステップS212へと進む。
【0131】
ステップS212においてプロセッサー31は、ステップS211で受信された登録要求に含まれる電子メールアドレスとカードIDとを関連付けて提供DB341などに記憶する。プロセッサー31は、ステップS212の処理の後、ステップS211へと戻る。
以上の処理により、会員登録が完了する。
【0132】
<予約動作>
バス利用者は、デマンドバスの利用前に利用予約を行う。予約の際に入力する内容は、乗車予定のバス停留所及び降車予定のバス停留所を示す乗降情報と、電子メールアドレス又はカードIDとを含む。ただし、デマンドバスによって停留所以外の場所から乗降可能なものもある。そのような場合には、停留所に限らない。なお、乗降情報が示す降車予定のバス停留所を、以下「降車停留所」という。
【0133】
図20は、第2実施形態に係るバスモビリティの予約処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、フローチャートFL23は、サービス提供装置30のプロセッサー31が実行する処理である。また、フローチャートFL24は、サービス提供装置30のプロセッサー31が実行する処理である。
【0134】
第2実施形態では、利用者端末装置50のプロセッサー51は、図20のフローチャートFL23のステップS12の処理においてYesと判定したならば、ステップS221へと進む。
ステップS221においてプロセッサー51は、乗降情報と、電子メールアドレス又はカードIDとを含むバス予約要求を生成する。プロセッサー51は、バス予約要求を生成すると、通信インターフェース55を介して、当該バス予約要求をサービス提供装置30に送信する。
送信された当該バス予約要求は、サービス提供装置30の第1の通信インターフェース35によって受信される。当該バス予約要求は、図18ではステップST202として示す。プロセッサー51は、図20のフローチャートFL23のステップS221の処理の後、ステップS14へと進む。
【0135】
一方、フローチャートFL24のステップS231において、サービス提供装置30のプロセッサー31は、第1の通信インターフェース35によってバス予約要求が受信されたならば、ステップS231においてYesと判定してステップS232へと進む。
【0136】
ステップS232においてプロセッサー31は、ステップS231において受信されたバス予約要求に含まれる電子メールアドレス又はカードIDと、乗降情報とを関連付けて提供DB341などに記憶する。
【0137】
ステップS233においてプロセッサー31は、デマンドバスの予約を完了した旨を示す情報、及び予約内容を示す情報などを含むバス予約通知を生成する。プロセッサー31は、バス予約通知を生成すると、当該バス予約通知を、第1の通信インターフェース35を介して、バス予約要求の送信元である利用者端末装置50に送信する。
送信された当該バス予約通知は、利用者端末装置50の通信インターフェース55によって受信される。プロセッサー31は、ステップS233の処理の後、ステップS231へと戻る。
【0138】
<デマンドバス乗車時の動作>
バス利用者は、バスへの乗車時と降車時にカードリーダー214に交通系ICカード(交通系ICカードと同様の機能を有する電子機器を含む。)を読み込ませる。このとき、カードリーダー214は、ICカードからカードIDを読み込む。また、モビリティ管理システム1は、カードリーダー214が交通系ICカードから情報を読み込む際に当該交通系ICカードを用いて運賃の決済も行う。運賃の決済は、乗車時であっても降車時であっても良い。交通系ICカードを用いた運賃の決済は、公知の方法を用いることができるので詳細な説明は省略する。
【0139】
図21は、第2実施形態に係る利用通知に係る処理の一例に関するフローチャートである。
ここで、フローチャートFL25は、利用通知装置21のプロセッサー211が実行する処理である。また、フローチャートFL26は、モビリティ管理装置10のプロセッサー11が、実行する処理である。
【0140】
第2実施形態では、利用通知装置21のプロセッサー211は、図21のフローチャートFL25のステップS33においてYesと判定したならば、ステップS36へと進む。
【0141】
第2実施形態では、モビリティ管理装置10のプロセッサー11は、フローチャートFL26のステップS41において、Yesと判定したならば、ステップS241へと進む。
ステップS241において、プロセッサー51は、ステップS41で受信された利用通知が、バス利用者の乗車時に送信されたものであるか否かを判定する。プロセッサー51は、関連付けテーブルT1-3を参照して、当該利用通知に含まれる車載器識別子又は車両番号等と、当該利用通知に含まれるカードIDとを含むレコード(以下「乗車中レコード」という。)があるか否かを確認する。そして、プロセッサー51は、乗車中レコードが無いならば、当該利用通知が乗車時に送信されたものであると判定する。プロセッサー51は、乗車中レコードがあるならば、当該利用中が降車時に送信されたものであると判定する。プロセッサー51は、当該利用通知が乗車時に送信されたものであると判定するならば、ステップS241において、Yesと判定してステップS242へと進む。
【0142】
ステップS242においてプロセッサー51は、利用通知に含まれるカードIDで特定されるバス利用者が、当該利用通知に含まれる車載器識別子又は車両番号等で特定されるバスモビリティ20を利用中であることが分かるようにする。このために、プロセッサー51は、例えば、関連付けテーブルT1-3に新規レコードとして乗車中レコードを追加する。プロセッサー51は、ステップS242の処理の後、ステップS46へと進む。
【0143】
以上より、第2実施形態では、ステップS241でYesと判定されるような利用通知は、利用開始を示す通知情報の一例である。
したがって、プロセッサー11は、ステップS242の処理を行うことで、関連付けテーブルT1を、利用開始を示す通知情報が受信されたことに応じて、モビリティ利用者がモビリティを利用中であることが分かるようにするモビリティ管理処理部11aとして機能する。
【0144】
<バス乗車後の動作>
バス利用者は、バスモビリティ20に乗車した状態で、バスモビリティ20とともに移動する。
そして、モビリティ識別装置40のセンサー範囲内をバスモビリティ20が通過又は停車した場合、モビリティ識別装置40は、バスモビリティ20から車載器識別子又は車両番号等を読み取る。
このとき、モビリティ管理システム1は、図18のステップST204に示すバス位置処理を行う。ステップST204のバス位置処理の例を図22に示す。
図22は、第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bによるバス位置処理の例における情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0145】
図23は、第2実施形態に係るモビリティ管理システム1bによるバス位置処理の動作の一例を示すフローチャートである。
ここで、フローチャートFL27は、サービス提供支援装置60のプロセッサー61が実行する処理である。また、フローチャートFL28は、サービス提供装置30のプロセッサー31が実行する処理である。
また、モビリティ識別装置40及びモビリティ管理装置10は、第1実施形態と同様にフローチャートFL5及びフローチャートFL7に示す処理を実行する。
【0146】
第2実施形態では、サービス提供支援装置60のプロセッサー61は、図23のフローチャートFL27のステップS64の処理の後、ステップS251へと進む。
ステップS251においてプロセッサー61は、第1実施形態と同様に支援通知を生成し、第2の通信インターフェース66を介して、サービス提供装置30に送信する。
送信された当該支援通知は、サービス提供装置30の第2の通信インターフェース36によって受信される。当該支援通知は、図22ではステップST211として示す。プロセッサー61は、図23のフローチャートFL27のステップS251の処理の後、ステップS61へと戻る。
【0147】
一方、フローチャートFL28のステップS261において、サービス提供装置30のプロセッサー31は、第2の通信インターフェース36によって支援通知が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー31は、支援通知が受信されたならば、ステップS261においてYesと判定してステップS262へと進む。
【0148】
ステップS262においてプロセッサー31は、提供DB341を参照して、ステップS261で受信された支援通知に含まれるカードIDに関連付けられた電子メールアドレスを取得する。
【0149】
ステップS263においてプロセッサー31は、提供DB341を参照して、ステップS261で受信された支援通知に含まれるカードID又はステップS262で取得した電子メールアドレスに関連付けられた乗降情報を取得する。
【0150】
ステップS264においてプロセッサー31は、バスモビリティ20が、バス利用者が降車する予定のバス停留所に到着しそうであるか否かを判定する。ここで、バス利用者が降車する予定のバス停留所は、ステップS263で取得された乗降情報が示す降車停留所である。あるいは、ここで、バス利用者が降車する予定のバス停留所は、バス利用者が、ステップS263で取得された乗降情報が示す降車停留所に行くための乗り換えのために降車するべきバス停留所(以下「乗り換え停留所」という。)である。乗り換え停留所がどのバス停留所であるかを決定する方法については経路検索などの公知の方法を用いることができる。
プロセッサー31は、バスモビリティ20が、バス利用者が降車する予定のバス停留所に到着しそうであるか否かを判定するために、例えば、支援通知に含まれる位置情報を取得する。そして、プロセッサー31は、当該位置情報の示す位置が、降車停留所又は乗り換え停留所から所定の範囲内であるならば、バス利用者が降車する予定のバス停留所に到着しそうであると判定する。当該所定の範囲は、一例として、降車停留所又は乗り換え停留所の1つ前のバス停留所から降車停留所又は乗り換え停留所までの間である。プロセッサー31は、バス利用者が降車する予定のバス停留所に到着しそうであると判定するならば、ステップS264においてYesと判定してステップS265へと進む。
【0151】
ステップS265においてプロセッサー31は、ステップS262で取得した電子メールアドレス宛に、もうすぐ降車予定のバス停留所に到着することを知らせる旨の電子メールを送信する。なお、バスモビリティ20が乗り換え停留所に到着しそうである場合には、当該電子メールの内容は、もうすぐ乗り換え停留所に到着することを知らせる旨を含む。また、当該電子メールの内容は、降車予定のバス停留所の近隣の施設の情報などを含んでも良い。なお、ここで送信される電子メールを、図22ではステップST212として示す。
【0152】
また、図23のフローチャートFL28のステップS265において、プロセッサー31は、ステップS261で受信された支援通知に含まれる連絡先情報に含まれる電子メールアドレスを宛先として電子メールを送信する。当該電子メールの内容は、例えば、第1の利用者特定情報、支援通知に含まれる位置情報が示す位置、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が当該位置にいることを示す旨、及び当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が降車予定のバス停留所に着くことを示す旨を含む。
なお、バスモビリティ20が乗り換え停留所に到着しそうである場合には、当該電子メールの内容は、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が乗り換え停留所に到着することを知らせる旨を含む。プロセッサー31は、ステップS265の処理の後、ステップS261へと戻る。
【0153】
対して、プロセッサー31は、降車予定のバス停留所に到着しそうでないと判定するならば、ステップS264においてNoと判定してステップS266へと進む。
ステップS266においてプロセッサー31は、ステップS261で受信された支援通知に含まれる連絡先情報に含まれる電子メールアドレスを宛先として、第1の利用者特定情報、支援通知に含まれる位置情報が示す位置、当該第1の利用者特定情報で特定される利用者が当該位置にいることを示す旨を含む電子メールを送信する。プロセッサー31は、ステップS266の処理の後、ステップS261へと戻る。
【0154】
以上より、プロセッサー31は、フローチャートFL28の処理を行うことで、モビリティからモビリティ特定情報が取得された位置を示す位置情報を取得し、位置情報に応じて定まる処理をする位置情報処理部として機能する。
【0155】
<バス降車時及び乗り換え時の動作>
バス利用者は、前述したように、バスからの降車時、カードリーダー214に交通系ICカードを読み込ませる。また、バス利用者は、乗り換えのための降車時にも、カードリーダー214に交通系ICカードを読み込ませる。
図21の説明に戻る。
プロセッサー51は、当該利用通知が降車時に送信されたものであると判定するならば、フローチャートFL26のステップS241においてNoと判定してステップS243へと進む。
ステップS243においてプロセッサー51は、関連付けテーブルT1-3から乗車中レコードを削除する。プロセッサー51は、ステップS243の処理の後、ステップS48へと進む。
【0156】
バス利用者は、乗り換えのためにバスモビリティ20から降車した後、乗り換え対象の別のバスモビリティ20に乗車する。そして、バス利用者は、乗り換え対象のバスモビリティ20への乗車時にカードリーダー214に交通系ICカードを読み込ませる。これに応じて、モビリティ管理システム1bは、上記で説明したバス乗車時の動作を実行する。
【0157】
あるいは、バス利用者は、乗り換え時には、カードリーダー214に交通系ICカードを読み込ませなくても良い。この場合、モビリティ管理システム1bは、バス乗車後の動作を継続する。
【0158】
以上のように、第2実施形態のモビリティ管理システム1bは、デマンドバスの利用者に対して、デマンドバスの位置に応じたサービスを行うことができる。デマンドバスの位置に応じたサービスは、例えば、デマンドバスが走っている位置の近隣の施設についての情報である。
また、モビリティ管理システム1bは、デマンドバスの位置に応じたサービスとして、降車予定のバス停留所に到着しそうであることをバスに乗車中の利用者に報知する。これにより、第2実施形態のモビリティ管理システム1bは、当該利用者が降車予定のバス停留所を乗り過ごすことを防ぐことができる。
【0159】
また、第2実施形態のモビリティ管理システム1bは、第1実施形態のモビリティ管理システム1と同様に見守りなどに用いることができる。
【0160】
[変形例]
上記の第1実施形態及び第2実施形態は以下のような変形も可能である。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、長距離バス及びデマンドバスの場合について説明した。しかしながら、実施形態のモビリティ管理システムは、その他のモビリティに対しても用いることができる。
【0161】
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、バスモビリティ20に人を乗せる場合について説明した。しかしながら、実施形態のモビリティ管理システム1は、モビリティに物を載せる場合に用いることもできる。この場合、関連付けテーブルT1は、利用者情報に代えて利用物情報を記憶する。利用物情報は、モビリティに載せられる物についての情報である。利用物情報は、利用者情報に含まれる第1の利用者特定情報に代えて利用物特定情報を含む。利用物特定情報は、利用物を特定することができる情報である。利用物特定情報は、例えば、利用物ごとにユニークに付与される利用物IDである。また、提供DB341は、第2の利用者特定情報に代えて利用物特定情報を記憶する。
【0162】
第1実施形態及び第2実施形態のモビリティ管理システムは、モビリティ識別装置40及びサービス提供支援装置60に代えて、モビリティ識別装置40及びサービス提供支援装置60を兼ねる装置を備えていても良い。
【0163】
実施形態のモビリティ管理システムは、電子メールアドレスに代えて、SNS(social networking service)などのIDなどを用いても良い。この場合、実施形態のモビリティ管理システムは、電子メールに代えて当該SNSなどを用いたメッセージなどを送信しても良い。電子メールアドレス又は当該IDは、モビリティ利用者への情報の送信先を示す情報の例である。
【0164】
プロセッサー11、プロセッサー211、プロセッサー31、プロセッサー41、プロセッサー51、プロセッサー61、又はプロセッサー211は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0165】
上記実施形態における各装置は、例えば、各処理を実行するためのプログラムが記憶された状態で各装置の管理者などへと譲渡される。しかしながら、当該各装置は、当該プログラムが記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、当該各装置は、当該プログラムとは別のプログラムが記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作に基づいて当該各装置に記憶されても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、ディスクメディア又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体を用いて、あるいはインターネット又はLANなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0166】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
1,1b……モビリティ管理システム、10……モビリティ管理装置、11,31,41,51,61,211……プロセッサー、11a……モビリティ管理処理部、11b,31a……位置情報処理部、12,32,42,52,62,212……ROM、13,33,43,53,63,213……RAM、14,34,54,64……補助記憶デバイス、15,45,55,215……通信インターフェース、16,39,46,58,67,216……バス、20……バスモビリティ、21……利用通知装置、22……車載器、23……ナンバープレート、30……サービス提供装置、35,65……第1の通信インターフェース、36,66……第2の通信インターフェース、37,56……表示デバイス、38,57……入力デバイス、40……モビリティ識別装置、44……センサー、50……利用者端末装置、60……サービス提供支援装置、141……利用DB、214……カードリーダー、341……提供DB、T1,T1-1,T1-2,T1-3……関連付けテーブル
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