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特許7414559配置計画システム、配置計画方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】配置計画システム、配置計画方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q10/087
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020013673
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120784
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡部 洋介
(72)【発明者】
【氏名】坂口 祐介
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳
(72)【発明者】
【氏名】北川 朋亮
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-335122(JP,A)
【文献】特開平10-324404(JP,A)
【文献】特開平11-031182(JP,A)
【文献】特開2002-318840(JP,A)
【文献】特開平06-239422(JP,A)
【文献】特開2016-052924(JP,A)
【文献】特開2019-075016(JP,A)
【文献】特開2005-089069(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187539(WO,A1)
【文献】特開2007-182272(JP,A)
【文献】特開平9-136704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と、前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、を記憶する記憶部と、
記商品の配置および該配置に係る前記商品の搬送作業を計画する配置計画部と、
を備え
前記配置計画部は、
前記入庫予定情報と、前記出庫予定情報と、前記在庫情報とに基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当てる引き当て部と、
前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する配置決定部と、
を備える配置計画システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記出庫予定情報に含まれない情報であって、前記商品の出庫の予測を示す出庫予測情報を記憶し、
前記引き当て部は、前記入庫予定情報に含まれる商品のうち、前記出庫予定情報について未引き当てとなる前記商品を、前記出庫予測情報に引き当て、
前記配置決定部は、前記出庫予測情報に引き当てられた前記商品を、前記第1エリアよりも前記出口から離れた所定の第2エリアに配置する計画を算出する、
請求項に記載の配置計画システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記入庫予定情報に含まれない情報であって、前記商品の入庫の予測を示す入庫予測情報を記憶し、
前記引き当て部は、さらに入庫予測情報を前記出庫予測情報に引き当て、
前記配置決定部は、前記出庫予測情報に引き当てられた前記商品を、前記第2エリアよりも前記出口から離れた所定の第3エリアに配置する計画を算出する、
請求項に記載の配置計画システム。
【請求項4】
前記配置決定部は、前記入庫予定情報に基づいて搬送装置が前記入庫予定情報に含まれる前記商品を搬送する第1時間と、前記出庫予定情報に基づいて前記搬送装置が前記出庫予定情報に含まれる前記商品を搬送する第2時間と、に基づいて、前記搬送装置の空き時間を算出し、前記空き時間に、前記倉庫内の商品の配置替えを計画する、
請求項から請求項の何れか1項に記載の配置計画システム。
【請求項5】
前記配置決定部は、前記配置替えにおいて、前記出庫予定情報に基づいて、出庫予定期限が早いものから順に前記商品を前記出口に近いエリアに配置する計画を算出する、
請求項に記載の配置計画システム。
【請求項6】
前記倉庫において前記商品を載置するエリアをマス状に区画し、区画された前記エリアにおいて前記商品の搬入、取り出しを行わない方向を列とするとき、
前記配置決定部は、前記配置替えにおいて、前記商品が配置される列の占有率が高くなるように前記商品を配置する計画を算出する、
請求項または請求項に記載の配置計画システム。
【請求項7】
前記配置決定部は、前記商品の入庫、出庫、配置替えにおいて、前記商品の入出庫作業に対して設定された目標期限に対する超過が少なく、前記商品の入出庫作業又は配置替え作業に要する時間が少なく、前記倉庫において前記商品を配置するエリアをマス状に区画し、区画された前記エリアにおいて前記商品の搬入、取り出しを行わない方向を列とするとき、入出庫作業後又は配置替え作業後に前記商品が配置される列の占有率が高くなるように前記商品を配置する計画を算出する、
請求項から請求項の何れか1項に記載の配置計画システム。
【請求項8】
所定の前記在庫情報と、前記入庫予定情報と、前記出庫予定情報と、に基づいて、前記配置の計画を算出し、前記商品の出庫作業に対して設定された目標期限に対する超過が所定の閾値未満となるときの前記商品を搬送する搬送装置の台数を算出する配置計画部、
をさらに備える請求項から請求項の何れか1項に記載の配置計画システム。
【請求項9】
配置計画システムが、
商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、に基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当て、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する、
配置計画方法。
【請求項10】
コンピュータに、
商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、に基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当て、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配置計画システム、配置計画方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の配置計画システムでは、例えば倉庫内に区画されたエリアの列番号が小さい方から順に優先的に荷物を配置していくというような単純なルールで荷物の配置を決定することが多い。また、特許文献1には、移動や出荷の対象となる商品をコンテナ等に効率良く格納できるよう商品を分類し、過去の出荷実績に基づく出荷予測に基づいて、分類された商品群毎の配置場所を決定する商品配置システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6457705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の配置方法や特許文献1に記載の方法では、将来の入出庫予定を考慮した商品の配置にならないため、効率的に入出庫作業を行うことができない可能性がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決することができる配置計画システム、配置計画方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配置計画システムは、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と、前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、を記憶する記憶部と、前記商品の配置および該配置に係る前記商品の搬送作業を計画する配置計画部と、を備え、前記配置計画部は、前記入庫予定情報と、前記出庫予定情報と、前記在庫情報とに基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当てる引き当て部と、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する配置決定部と、を備える。
【0007】
また、本開示の配置計画方法は、配置計画システムが、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、に基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当て、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する
【0008】
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報と、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報と、に基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当て、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、前記倉庫の出口の付近に設けられた所定の第1エリアに配置する計画を算出する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上述の配置計画システム、配置計画方法およびプログラムによれば、効率的な入出庫作業が可能な商品の配置を計画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態に係る配置計画システムの一例を示す図である。
図2A】第一実施形態に係る倉庫のレイアウトを説明する第1図である。
図2B】第一実施形態に係る倉庫のレイアウトを説明する第2図である。
図3】第一実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図4】第一実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図5】第一実施形態に係るロケ選択順算出処理の一例を示すフローチャートである。
図6】第一実施形態に係る引き当て処理の一例を示す図である。
図7】第一実施形態に係るロケ順の一例を示す図である。
図8】第一実施形態に係る配置決定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第一実施形態に係る入庫予定情報の一例を示す図である。
図10】第一実施形態に係る出庫予定情報の一例を示す図である。
図11】第一実施形態に係る配置替えの一例を説明する図である。
図12】第二実施形態に係る配置計画システムの一例を示す図である。
図13】第二実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第二実施形態に係るグラフの一例を示す第1図である。
図15】第二実施形態に係るグラフの一例を示す第2図である。
図16】第二実施形態に係るグラフの一例を示す第3図である。
図17】各実施形態に係る配置計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各実施形態に係る配置計画システムについて、図1図17を参照しながら詳しく説明する。
【0012】
<第一実施形態>
(構成)
図1は、第一実施形態に係る配置計画システムの一例を示す図である。
配置計画システム10は、入庫予定情報、出庫予定情報、入庫予測情報、出庫予測情報に基づいて、入庫から出庫までの商品の移動を効率化できるような商品の配置を計画するシステムである。配置計画システム10は、倉庫のレイアウト情報、入出庫予定情報など計算に必要なデータを取得して商品の入庫から出庫までをシミュレーションし、最適な商品の配置(例えば、入出庫の作業効率が高くなる商品の配置)を算出し、そのような配置を実現する商品の搬送計画を作成する。
【0013】
図1に示すように配置計画システム10は、データ取得部101と、配置計画部102と、出力部105と、記憶部106と、を備える。
データ取得部101は、倉庫のレイアウトを定めた倉庫レイアウト情報と、倉庫に保存する商品についてID,名称などを定めた商品情報と、商品を搬送する搬送装置のIDや性能などを定めた搬送装置情報と、倉庫内に既に保管されている商品に関する情報を示す初期在庫情報と、倉庫への入庫が予定されている商品の情報を含む入庫予定情報と、倉庫からの出庫が予定されている商品の情報を含む出庫予定情報と、倉庫への入庫が予測される商品の情報を含む入庫予測情報と、倉庫からの出庫が予測されている商品の情報を含む出庫予測情報と、を取得する。
配置計画部102は、倉庫へ保管する商品の配置を決定する。配置計画部102は、引き当て部103と、配置決定部104と、を備える。
引き当て部103は、出庫の予定が確定した商品について、在庫だけでは間に合わない場合、入庫の予定が確定した商品の引き当てを行う。また、引き当て部103は、入庫の予定が確定した商品について、出庫が予測される商品の引き当てを行う。また、引き当て部103は、入庫が予測される商品について、出庫が予測される商品の引き当てを行う。
配置決定部104は、商品の入出庫が効率的に行うことができるような商品の倉庫内における配置位置を決定する。例えば、配置決定部104は、入庫後すぐに出庫する商品については、出庫しやすい位置に配置することを決定する。また、配置決定部104は、搬送装置による商品の搬送作業の手順を決定する。例えば、配置決定部104は、出庫予定情報に対し、どこに配置された商品を搬送装置に積んで運び出すかを決定する。
出力部105は、どの位置(後述するロケ4)の商品をどの位置まで搬送するかを定めた作業計画情報を出力する。
記憶部106は、データ取得部101が取得した情報などを記憶する。
【0014】
(入力情報)
(倉庫レイアウト)
図2A図2Bは、第一実施形態に係る倉庫のレイアウトを説明する第1図、第2図である。
図2Aに商品を保管しておく倉庫をモデル化した図を示す。図2A示すように倉庫1には、入出庫口2と、配置可能エリア3と、通路6とで構成されている。入出庫口2は、商品5の入出庫を行う出入口である。入庫口と出庫口が別々の場所に定義されていてもよい。さらに配置可能エリア3は、マス状に区画され、各マスをロケーション4(以下、ロケ4と記載する。)と呼ぶ。各ロケ4には商品5(正確には、商品5を積載したパレット)が配置され得る。各ロケ4において、パレットは段積みされる場合がある。各ロケ4は奥行き方向と、列方向の番号で表すことができる。奥行き方向とは、商品5の収納、取り出しが可能な方向で、搬送装置7は、配置可能エリア3において、奥行き方向を往復して商品5の収納、取り出しを行う。列方向とは、奥行き方向と直交する方向であって、商品5の収納、取り出しが不可能な方向である。各ロケ4は、(奥行番号、列番号)で表すことができる。例えば、図2Aで丸印を付したロケ4のことを(2、11)のロケ4と表記する。また、通路6には搬送装置7が配置される。各ロケ4と入出庫口2の間に仮想の接続関係8を設定し、接続関係8ごとに入出庫口2からの距離を定義する。接続関係8の距離が短ければ、そのロケ4は入出庫口2に近く、距離が長いと、そのロケ4は入出庫口2から遠いことを示す。後述するように配置計画システム10を用いると、出庫が近い商品Aは入出庫口2に近い(接続関係8の距離が短い)ロケ4に配置し、商品Aの出庫後は、その次に出庫が近い商品Bを入出庫口2に近いロケ4に配置替えするような計画を立てることができる。
【0015】
ロケ4の数が多く、ロケ4と接続関係8とその距離の管理が煩雑になる場合は、ロケ4の集合(ノード9)を定義し、入出庫口2や通路6についても所定の範囲をノード9として定義し、入出庫口2とノード9の間、隣り合うノード9の間に対して接続関係8とその距離を定義してもよい。入出庫口2から対象とするノード9までのノード9間の接続関係8を辿ることで、ロケ4と入出庫口2の間の搬送距離を計算することができる。この様子を図2Bに示す。
【0016】
図2A、2Bに例示した情報は、例えば、ノードIDを定義した電子ファイル、接続先と接続元の2つのノードIDおよびその間の距離を定義した電子ファイル、ノードIDに所属するロケID、ロケIDの列番号および奥行番号、ロケ4ごとのランク(接続関係8の距離に基づく、出し入れし易さを示す値)等を定義した電子ファイルの形式で、倉庫レイアウト情報としてデータ取得部101によって取得される。
【0017】
(他の入力情報)
商品情報には、商品ごとに商品ID、商品ランクなどが設定されている。商品ランクは、過去の出庫頻度の実績などを基に設定される出庫頻度を示す値である。
【0018】
搬送装置情報には、AGF(Automated guided Forklift)等の搬送設備のID、同時に搬送できるパレット数、移動速度、搬送装置7へのパレットの荷積に要する時間、荷降ろしに要する時間などが設定されている。パレットとは、商品5を積載する部材で、本実施形態では、パレット単位で入出庫、配置替えを行うとする。なお、以下では、ロケ4に配置するパレット、搬送装置7で搬送するパレットについて、ロケ4に配置する商品、搬送装置7で搬送する商品と記載する場合がある。
【0019】
初期在庫情報には、計算開始前の初期状態において既に倉庫1に配置されている商品について、その位置情報などが定義されている。具体的には、初期在庫情報には、既に倉庫1に保管されている商品について、パレットごとにパレットIDと、そのパレットに積載されている商品ID、そのパレットに積載されている商品の出庫期限の年月日時分秒、そのパレットが配置されているロケ4のID等が設定されている。
【0020】
入庫予定情報には、入庫の予定が確定している商品に関する情報が含まれている。例えば、入庫予定情報には、入庫予定のパレットID、そのパレットに積載されている商品ID、パレットに積載されている商品の出庫期限の年月日時分秒、パレットに積載されている商品の入庫可能日時(年月日時分秒)、入庫完了目標日時(年月日時分秒)が設定されている。商品の出庫期限とは、例えば、商品が食品の場合、賞味期限に基づいて設定される期日のことである。なお、本実施形態では、1つのパレットIDに紐づけられる商品は同じ種類の商品であるとする。
【0021】
出庫予定情報には、出庫の予定が確定している商品に関する情報が含まれている。例えば、出庫予定情報には、出庫予定の商品ID、出庫するパレット数、出庫可能日時(年月日時分秒)、出庫完了目標日時(年月日時分秒)が設定されている。
【0022】
入庫予測情報には、商品ID、予測入庫時期、予測入庫パレット数などが設定されている。入庫予測情報は、例えば、1年前の入庫実績などに基づいて作成される。入庫予測情報は、例えば、「12月の第1週(予測入庫時期)に商品ID=001を積載したパレットが3つ入庫される」といった情報である。
【0023】
出庫予測情報には、商品ID、出庫入庫時期、予測出庫パレット数などが設定されている。出庫予測情報は、例えば、1年前の出庫実績などに基づいて作成される。出庫予測情報は、例えば、「12月の第1週(予測入庫時期)に商品ID=001を積載したパレットが3つ出庫される」といった情報である。
これらの入力情報は、データ取得部101によって取得される。
【0024】
また、データ取得部101は、最適な商品配置の計算に必要な各種パラメータ、閾値を取得する。
【0025】
(出力情報)
次に出力部105が出力する出力情報について説明する。
出力情報には、作業計画情報と、評価値が含まれる。
【0026】
作業計画情報には、搬送装置7ごとに、作業種類(入庫、出庫、配置替え)、搬送作業の作業ID、パレットID、搬送元のロケ4のロケID、搬送先のロケ4のロケID、搬送作業の開始予定時刻、完了予定時刻、搬送作業の累積時間、入庫完了目標日時に対する超過時間、出庫完了目標日時に対する超過時間、在庫(パレット)が存在する列の占有率などが設定される。
【0027】
評価値には、搬送作業の累積時間、入庫完了目標日時に対する超過時間、出庫完了目標日時に対する超過時間、在庫が存在する列の占有率、によって算出される評価値が設定される。この評価値は、例えば、搬送作業の累積時間や入庫・出庫の完了目標日時に対する超過時間が長い程、低い評価を示す値が設定され、占有率が小さい程、低い評価を示す値が設定される。配置計画部102は、入庫予定情報、出庫予定情報などに基づいて、様々な商品の配置パターンを計算し、その計算ごとに作業計画情報、評価値を算出する。そして、配置計画部102は、評価値が最良となるような商品の配置を決定する。出力部105は、評価値が最良となるときの作業計画情報と、評価値とを出力する。
【0028】
(配置計画処理)
次に配置計画処理について説明する。
図3図4は、それぞれ、第一実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示す第1、第2のフローチャートである。
まず、データ取得部101が、計算に必要な情報を取得する(ステップS11)。例えば、データ取得部101は、倉庫レイアウト情報、商品情報、搬送装置情報、初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報、入庫予測情報、出庫予測情報、配置替えを行うか否かのフラグ情報、最適化計算を実行するか否かのフラグ情報、入庫・出庫などの作業開始時刻を取得する。データ取得部101は、取得した情報を記憶部106に記録する。
【0029】
次に、配置計画部102がロケランクを設定する(ステップS12)。ロケランクとは、接続関係8の距離に基づく値で、例えば、所定の範囲のロケ4に対し、入出庫口2に近い方から順に高いランクを付す。例えば、最も入出庫口2に近い範囲のロケ4(接続関係8の距離が所定の第一閾値以下)に対し1番高いロケランクを設定し、次に近い範囲のロケ4(接続関係8の距離が第一閾値より大きな所定の第二閾値以下)に対し2番目に高いロケランクを設定するというように設定を行う。
【0030】
次に配置計画部102がロケ選択順を算出する(ステップS13)。ここで図5を参照してロケ選択順算出処理について説明する。図5は、第一実施形態に係るロケ選択順算出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、引き当て部103が、確定分の出庫予定に対して、出庫期限が早いものを優先して在庫、入庫予定の引き当て処理を行う(ステップS31)。引き当て部103は、データ取得部が取得した、初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報を記憶部106から読み出す。引き当て部103は、出庫予定情報の出庫完了目標日時が早い商品IDから順に、まず、初期在庫情報に含まれる商品IDを対象として引き当てを行う。初期在庫情報の商品だけでは出庫数分が賄えない商品IDが存在する場合、引き当て部103は、その商品IDについて、出庫予定情報の出庫完了目標日時が早い商品IDから順に、入庫予定情報に含まれる商品IDを対象として引き当てを行う。引き当ての様子を図6に示す。
【0031】
図6は、第一実施形態に係る引き当て処理の一例を示す図である。
図6(a)に初期在庫情報の一例を示す。初期在庫情報には、商品名と出庫期限の各項目を有する。図6(b)に入庫予定情報の一例を示す。入庫予定情報には、識別情報であるNo(入庫予定No)、入庫予定の商品の商品名、出庫期限、入庫可能時刻、入庫完了目標時刻の各項目を有する。図6(c)に出庫予定情報の一例を示す。出庫予定情報には、識別情報であるNo(出庫予定No)、出庫予定の商品の商品名、出庫予定の商品の個数、出荷可能時刻、出庫完了目標時刻の各項目を有する。
出庫予定No1~5について、引き当て部103は、まず初期在庫情報を対象に引き当てを行う。図6の例では、出庫予定No1~5の全てについて引き当てが可能である。しかし、出庫予定No3の商品X1について、出庫予定は4個であるにもかかわらず、在庫には3個しかない。同様に出庫予定No4の商品X2について、出庫予定は5個であるにもかかわらず、在庫には2個しかない。出庫予定No5の商品X3について、出庫予定は2個であるにもかかわらず、在庫には1個しかない。引き当て部103は、初期在庫情報を対象とする引き当て後の商品の不足を商品ごとに計算し、入庫予定情報を参照して引き当てを行う。このとき引き当て部103は、例えば、入庫予定情報の入庫完了目標日時を参照して、この値が出庫予定情報の出庫対象商品の出庫完了目標日時よりも所定時間より前に設定されたデータを抽出して、抽出した入庫予定情報の中から引き当てを行う。図6の例では、引き当て部103は、商品X1の不足分1個を入庫予定No6と引き当てる。同様に引き当て部103は、商品X2の不足分3個を入庫予定No1,2,3と引き当て、商品X3の不足分1個を入庫予定No5と引き当てる。この処理により、出庫予定の商品について、搬送元のロケIDを決定することができる。また、入庫予定の商品のうち出庫予定の商品と引き当たったものについては、ロケ選択順の優先度を決定することができる。
【0032】
次に、引き当て部103は、予測情報が使用可能かどうかを判定する(ステップS32)。データ取得部が出庫予測情報、入庫予測情報を取得した場合、引き当て部103は、予測情報が使用可能と判定する。使用可能と判定した場合(ステップS32;Yes)、引き当て部103は、出庫予測情報を参照して、先に引き当てた出庫予定情報の出庫完了目標日時を含む期間における出庫の予測値について、ステップS31にて出庫予定に引き当たった在庫および入庫予定の商品を出庫予測の商品に引き当てる(ステップS33)。次に引き当て部103は、ステップS33で引き当たった商品について、パレット数分を出庫予測値から減算する(ステップS34)。これらの処理により、既に引き当て済みの商品を出庫予測情報から除外することができる。
【0033】
次に引き当て部103は、ステップS31で引き当たらなかった入庫予定の商品と入庫予測の商品を出庫予測に引き当てる(ステップS35)。まず、引き当て部103は、入庫予定情報と出庫予測情報とを用いて、図6で説明した処理と同様の処理により、ステップS31で引き当たらなかった入庫予定の商品を出庫予測に引き当てる。次に引き当て部103は、入庫予測情報に含まれる商品を、出庫予測情報に対して引き当てる。この処理により、入庫予定の商品のうち出庫予測に引き当たったものについて、搬送元のロケIDを決定することができる。また、入庫予定の残りの商品と入庫が予測される商品について、次に説明するロケ選択順の優先度を決定することができる。
【0034】
また、ステップS32にて、予測情報を使用不可能(出庫予測情報、入庫予測情報を未取得)と判定した場合(ステップS32;No)、ステップS33~S35の処理を行わない。
【0035】
次に配置計画部102は、全ての入庫予定、入庫予測の商品に対してロケ選択順を決定する(ステップS36)。ここで、図7を参照する。図7は、第一実施形態に係るロケ選択順の一例を示す図である。
図7に例示する倉庫では、配置可能エリア3をA~Eの5つのエリアに分類している。この分類は、ステップS12で設定されたロケランクに基づいて行われたものである。例えば、Aのエリアは、1番高いロケランクが設定されたエリア4の集合である。また、このA~Dは、ロケ選択順(出庫の時期に応じて選択する対象商品の配置の順番)を示している。例えば、ロケ選択順Aは、在庫または入庫予定と出庫予定が引き当たった商品(つまり、出庫が予定されている商品)を配置するエリアである。ロケ選択順Bは、入庫予定と出庫予測が引き当たった商品(つまり、入庫後、未確定ながら出庫しそうな商品)を配置するエリアである。ロケ選択順Cは、入庫予測と出庫予定が引き当たった商品(つまり、未確定ながら入庫が予測され、その後、未確定ながら出庫しそうな商品)を配置するエリアである。ロケ選択順Dは、入庫予定のみの商品(つまり、入庫後、出庫予定や出庫予測が無い商品)を配置するエリアである。ロケ選択順Eは、入庫予測のみの商品(入庫予測はあるが、具体的に入庫の予定が無い商品)を配置するエリアである。例えば、ロケ選択順Aは入出庫口2に最も近いエリア、ロケ選択順Bは入出庫口2に次に近いエリア、ロケ選択順Cは入出庫口2にその次に近いエリアとして設定してもよい。また、出庫の予定、予測の無い商品を配置するロケ選択順D,Eについては、入出庫口2から遠いエリアを割り当てる。
【0036】
配置計画部102は、全ての入庫予定、入庫予測の商品(正確にはパレットID)に対してロケ選択順を決定する。例えば、入庫予定情報に含まれる商品のうち出庫予定情報に引き当たった商品について、配置計画部102は、図7のロケ選択順Aを決定する。また、配置計画部102は、入庫予定情報に含まれる商品のうち出庫予測情報に引き当たった商品に対して、図7のロケ選択順Bを決定する。また、配置計画部102は、入庫予測情報に含まれる商品のうち出庫予定情報に引き当たった商品についてロケ選択順Cを決定する。また、配置計画部102は、入庫予定情報に含まれる商品のうち出庫予定情報および出庫予測情報の何れにも引き当たらなかった商品についてロケ選択順Dを決定する。
これにより、入庫が予定または予測される商品について、どのエリアに配置すれば良いかが確定する。
【0037】
さらに、配置計画部102は、入庫予定情報に含まれる商品のうち出荷予定情報に引き当たった商品については、個々の商品の出荷目標完了日時を参照し、出荷目標完了日時の早いものから順に、エリアAの中でもより入出庫口2に近いロケ4に配置するように計画してもよい。
【0038】
図3に戻る。次に配置計画部102は、入庫予定情報に含まれる商品について、配置替え無しを設定してパレット配置決定処理を行う(ステップS14)。図8図10を参照してパレット配置決定処理について説明する。
図8は、第一実施形態に係る配置決定処理の一例を示すフローチャートである。図9は、第一実施形態に係る入庫予定情報の一例を示す図である。図10は、第一実施形態に係る出庫予定情報の一例を示す図である。
まず、配置決定部104は、最適化パラメータの設定を行う(ステップS41)。最適化パラメータには、例えば、(1)配置替えイベント生成数、(2)作業順、(3)ロケ選択順、(4)搬送装置の割付猶予期間、(5)段積み上限数などがある。(1)配置替えイベント生成数は配置替えに使うパラメータの為ここでは説明しない。(2)作業順とは、入庫や出庫の順番である。例えば、図9に示す入庫予定情報について配置決定処理を行う場合、入庫可能時刻が早い順で入庫作業を行うよう作業順を設定する。図10の出庫予定情報については、例えば、出庫完了目標時刻が早い順に作業順を設定する。(3)ロケ選択順は、例えば、図7に例示するように設定する。(4)搬送装置の割付猶予期間とは、搬送装置7を待ち状態にできる最大の時間である。例えば、2台の搬送装置7が存在し、ある商品を搬送できる場面で2台のうちの1台が非稼働だとしても、その非稼働の1台を即座に使うのではなく、しばらく待機状態とし、現在稼働中のAGFを当該商品の搬送に割り当てた方が全体として効率的な場合がある。そのような割り付けを可能にするために搬送装置7の割付猶予期間を設定する。(5)段積み上限数は、パレットの段積み上限数である。例えば、倉庫の使用率が低い場合、段済み上限数を減らすことで、パレットの積み下ろしに要する時間を短縮できる可能性がある。配置決定部104は、これらのパラメータの設定を行う。次に配置替えの場合列ごとに配置替え優先度を算出する(ステップS42)。現在の処理は配置替えではなく入出庫時のパレットの搬送、配置に関する処理の為、この処理は行わない。
【0039】
次に配置決定部104は、作業計画情報を作成する(ステップS43)。入庫の場合、配置決定部104は、入庫予定情報に含まれるパレットIDごとにステップS13で決定したロケ選択順のエリアの何れかへ搬送することを示す作業計画情報を作成する。例えば、作業計画情報の各項目について、搬送装置には搬送装置7のIDを設定し、作業種類には“入庫”を設定し、搬送作業の作業IDには例えば連番で採番した値を設定し、パレットIDには入庫予定情報の入庫対象のパレットIDを設定し、搬送元のロケIDには、例えば、入庫の際の搬送元のトラックを示す所定の値を設定し、搬送先のロケIDには、ロケ選択順のエリアの何れかのロケIDを設定する。例えば、図7の例ではそれぞれのロケ選択順のエリア毎にパレットを配置する順番が定められており(例えば、列番号が小さい順、奥行番号が大きい順に配置など)、そのルールに従ったロケIDが設定される。また、配置決定部104は、図3のステップS11で設定した作業開始時刻からステップS41で設定した作業順にパレットの入庫作業を開始した場合の各パレットの入庫作業の開始時刻および完了予定時刻を、接続関係8の距離、搬送装置7の速度、パレットの積み下ろしに要する時間などから算出し、算出した値を搬送作業の開始予定時刻、完了予定時刻に設定する。また、配置決定部104は、今回の入庫予定情報に関し、パレットの入庫を開始してから現在までの累積時間を算出し、この値を搬送作業の累積時間に設定し、各パレットの配置完了時刻を算出し、この時刻が、入庫予定情報の入庫完了目標日時を超過する場合、配置完了時刻から入庫完了目標日時を減算して求めた値を、入庫完了目標日時に対する超過時間に設定する。入庫の場合、出庫完了目標日時に対する超過時間には、何も設定しない。また、在庫が存在する列の占有率には、パレットが1つでも配置されている列について、パレットが配置されているロケ数を全ロケ数で除算した値を設定する。
【0040】
また出庫の場合、配置決定部104は、出庫予定情報に含まれるパレットIDごとにステップS31で引き当てた商品が配置されたロケIDから入出庫口2を通じて出庫用のトラックまで搬送する作業を示す作業計画情報を作成する。
例えば、作業計画情報の各項目について、搬送装置には搬送装置7のIDを設定し、作業種類には“出庫”を設定し、搬送作業の作業IDには例えば連番で採番した値を設定し、パレットIDにはステップS31で引き当てた商品のパレットIDを設定し、搬送元のロケIDにはステップS31で引き当てた商品が配置されたロケIDを設定し、搬送先のロケIDには例えば、出庫の際の搬送先のトラックを示す所定の値を設定する。また、配置決定部104は、図3のステップS11で設定した作業開始時刻からステップS41で設定した作業順にパレットの出庫作業を開始した場合の各パレットの出庫作業の開始時刻および完了予定時刻を、搬送元のロケID、そのロケIDに紐づく接続関係8の距離、搬送装置7の速度、パレットの積み下ろしに要する時間などから算出し、算出した値を搬送作業の開始予定時刻、完了予定時刻に設定する。また、配置決定部104は、今回の出庫予定情報に関し、パレットの出庫を開始してから現在までの累積時間を算出し、この値を搬送作業の累積時間に設定し、各パレットの出庫完了時刻を算出し、この時刻が、出庫予定情報の出庫完了目標日時を超過する場合、出庫完了時刻から出庫完了目標日時を減算して求めた値を、出庫完了目標日時に対する超過時間に設定する。出庫の場合、入庫完了目標日時に対する超過時間には、何も設定しない。在庫が存在する列の占有率については、入庫の場合と同様である。
また、配置替えの場合の作業計画情報については後述する。
【0041】
作業計画情報を作成すると、以下に説明するステップS45、S50について、作成した搬送作業の分だけループ処理を行う(ステップS44)。
まず、配置決定部104は、配置替え処理があるか否かを判定する(ステップS45)。今回の場合、配置替え無しを設定しているのでこの判定はNoになる。次に配置決定部104は、作業種類に応じた搬送を1つ実行する(ステップS50)。例えば、図9に例示する入庫予定情報に基づく入庫作業であって、作業順がNoの順に設定されている場合、まず、配置決定部104は、No=1の商品ID=X1のパレットに対する入庫作業をステップS43で作成した作業計画情報に従って実行(シミュレーション)し、倉庫1内のパレットの配置を当該パレット入庫後の配置に更新する。次のステップS51は、配置替えのときに行う処理の為、ここでは実行しない。配置決定部104は、次のループ処理にて、No=2の商品ID=X2のパレットに対する入庫作業を作業計画情報に従ってシミュレーションする。配置決定部104は、No=7の入庫作業まで順次シミュレーションを行う。出庫の場合も同様である。配置決定部104は、出庫予定情報に基づいてステップS43で作成した作業計画情報に基づいて、パレットの搬送をシミュレーションする。
【0042】
全商品についてシミュレーションが完了すると、図3のステップS15の判定を行う。つまり、配置計画部102は、ステップS11で設定された配置替えを行うか否かのフラグ情報に基づいて、配置替え有りか否かの判定を行う(ステップS15)。例えば、ユーザによっては、一旦入庫を行うと商品の配置替えを行わない場合が存在する。そのような場合には、配置替えのフラグ情報には配置替えを行わないことを示す値が設定される。配置替え無しの場合(テップS15;No)、次に配置計画部102は、ステップS11で設定された最適化計算を実行するか否かのフラグ情報に基づいて、最適化するかどうかの判定を行う(ステップS18)。最適化計算とは、繰り返しの計算を行うことによって、より効率的な商品の配置を算出することであるが、例えば、ユーザによっては、最適化計算を望まない場合が存在する。そのような場合には、最適化計算を実行するか否かのフラグ情報には最適化計算を行わないことを示す値が設定される。最適化計算無しの場合(テップS18;No)、出力部105がステップS31で作成された作業計画情報を出力(ステップS19)してパレット配置計画処理を終了する。
【0043】
配置替え有りの場合(テップS15;Yes)、配置計画部102は、ステップS31で作成された作業計画情報の開始時刻および完了予定時刻に基づいて、搬送装置の空き時間を算出する(テップS16)。例えば、10:00~13:00まで入庫作業が計画され、16:00~18:00まで出庫作業が計画されている場合、配置計画部102は、13:00~16:00を搬送装置7の空き時間として算出する。そして、配置計画部102は、この空き時間を利用して倉庫1の配置替え作業を計画する。具体的には配置計画部102は、配置替え有りを設定してパレット配置決定処理を行う(ステップS17)。
【0044】
ここで再び図8を参照する。まず、配置決定部104は、最適化パラメータの設定を行う(ステップS41)。例えば、配置決定部104は、(1)配置替えイベント生成数、(2)作業順、(3)ロケ選択順、(4)搬送装置の割付猶予期間、(5)段積み上限数について任意の値を設定する。(1)配置替えイベント生成数には、今回の配置替えにおける搬送の回数を設定する。たとえば、配置替えイベント生成数=1が設定された場合、最も優先度の高い配置替えのみを行う。
【0045】
次に配置決定部104は、列ごとに配置替え優先度を算出する(ステップS42)。(A)例えば、近々入庫が予測されるパレットを配置したいロケ4に既に別のパレットが配置されている場合、そのパレットを別の列へ移動させることを検討する。(B)例えば、近々出庫が予測されるパレットが入出庫口から離れたロケ4に配置されている場合、出庫完了目標日時が早いものから順に入出庫口により近いロケ4へ移動させることを検討する。(C)また、ある列にて1つのロケ4にパレットが配置されている場合、このパレットを他の列へ移動させて移動元の列を空にし、移動先の列の占有率を高めることを検討する。このような観点から配置決定部104は、各列について、配置替え優先度を設定する。例えば、配置決定部104は、(A)~(B)に関し、各ロケ4に配置されたパレットの適切さ、つまり、その時点のロケ位置とパレットの優先順が合致している程度(例えば、出庫予定が無い商品が入出庫口の近くに配置されていれば不適切)を数値化(適切であれば大きな値を設定)し、(C)に関し、各列の占有率(その列にてパレットが配置されているロケ数を全ロケ数で除算した値)を算出し、これらの値の重み付き和を算出して、この値が低い列ほど、配置替え優先度が高い列として優先度を設定する。
【0046】
次のステップS43は入庫と出庫の場合の処理の為、実行しない。
次に配置決定部104は、空き時間の終了時刻が到来するか、又は、パレットの搬送回数が配置替えイベント数に到達するまでループ処理を行う(ステップS44)。
まず、配置決定部104は、配置替え有りか否かを判定する(ステップS45)。ステップS17にて配置替え有りを設定したため、この判定はYesとなる。次に配置決定部104は、現在が空き時間内の時間帯か否かを判定する(ステップS46)。空き時間内でなければ(ステップS46;No)、ループ処理を終了する。空き時間内の場合(ステップS46;Yes)、配置決定部104は、配置替えイベント数に未到達か否かを判定する(ステップS47)、配置替えにおけるパレットの搬送回数が配置替えイベント数に達した場合(ステップS47;No)、ループ処理を終了する。配置替えイベント数に未到達の場合(ステップS47;Yes)、配置決定部104は、優先度の高い列を選択する(ステップS48)。次に配置決定部104は、選択した列の一番手前のパレットについて作業計画情報を生成、追加する(ステップS49)。
【0047】
配置決定部104は、例えば、ステップS42で設定した優先度の中から、優先度が高い順に列を選択し、当該列に関するパレットの搬送作業を計画する。ここで図11を参照する。図11は、第一実施形態に係る配置替えの一例を説明する図である。図11の例では、一般的な倉庫の格納方法に従って、奥行き方向の奥側から荷物が配置されている。例えば、列10について占有率が低いために高い優先度が設定された場合、配置決定部104は、列10のロケ4のうち、当該列の優先度を上昇させているロケの中から一番手前のロケ4(ロケ(5、10))を選択する。次に配置決定部104は、ロケ(5、10)のパレットをロケ(1、8)へ搬送する作業計画情報を作成する。搬送先の列の選択については、例えば、配置決定部104が、搬送後の当該列の占有率や当該列の各ロケ4に配置されるパレットが、図5で説明したロケ選択順にどの程度沿っているか等を所定の計算式により評価し、この評価値の高い列を選択する。
【0048】
また、例えば、列7についてロケ(5、7)のパレットが出庫予定情報に存在するにもかかわらず、入出庫口2から離れたロケ4に配置されているために高い優先度が設定された場合、配置決定部104は、ロケ(5、7)のパレットをロケ(5、2)へ搬送する作業計画情報を作成する。搬送先のロケ4の選択については、例えば、配置決定部104が、搬送後の当該列の占有率や当該列の各ロケ4に配置されるパレットの優先度が、どの程度ロケ位置に合致しているかを所定の計算式により評価し、この評価値が高いロケ4を選択する。なお、パレットの優先度とロケ位置が不一致なものが複数ある場合、出庫完了目標日時が最も早いパレットをなるべく入出庫口2に近いロケ4へ移動させる。
【0049】
例えば、作業計画情報の各項目について、配置決定部104は、搬送装置には搬送装置7のIDを設定し、作業種類には“配置替え”を設定し、搬送作業の作業IDには例えば連番で採番した値を設定し、パレットIDには選択された列においてその列の優先度を高める原因となっているロケ4に配置されたパレットIDを設定し、搬送元のロケIDには当該パレットIDが付されたパレットが配置されたロケIDを設定し、搬送先のロケIDには上記の評価式によって選択されたロケ4のロケIDを設定する。また、配置決定部104は、図3のステップS16で空き時間を算出した際の空き時間の開始時刻からステップS42で設定した列の優先度順にパレットの配置替えを開始した場合の各パレットの搬送作業の開始時刻および完了予定時刻を、搬送元のロケIDと搬送先のロケIDの間の距離、搬送装置7の速度、パレットの積み下ろしに要する時間などから算出し、算出した値を搬送作業の開始予定時刻、完了予定時刻に設定する。また、配置決定部104は、今回の配置替えに関し、パレットの配置替えを開始してから現在までの累積時間を算出し、この値を搬送作業の累積時間に設定する。入庫完了目標日時に対する超過時間と出庫完了時刻に対する超過時間には、何も設定しない。また、在庫が存在する列の占有率については、入庫の場合と同様である。
【0050】
次に配置決定部104は、最後に追加した作業計画情報のシミュレーションを実行する(ステップS50)。例えば、図11に例示するロケ(5、10)に係る搬送を実行する場合、ロケ(5、10)のパレットをロケ(1、8)へ搬送し、搬送後の倉庫1のパレットの配置を更新する。次のステップS51では、配置決定部104は、ステップS42と同様の処理を行って列ごとの優先度を設定する(ステップS51)。例えば、ロケ(5、10)からロケ(1、8)への搬送を行ったので、今回の評価では、列10に高い優先度が設定されることは無い。
配置決定部104は、ステップS46、S47の判定の何れかがNoとなるまで、ステップS45からの処理を繰り返し行う。
【0051】
配置替え処理が終わると、図3に戻り、配置計画部102は、ステップS18の判定を行う。最適化計算を行わない場合(ステップS18;No)、出力部105がステップS31とステップS17で作成された作業計画情報を出力(ステップS19)してパレット配置計画処理を終了する。
【0052】
最適化計算を行う場合(ステップS18;Yes)、配置計画部102は図4に示す処理を行う。図4は、第一実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示す第2のフローチャートである。
配置計画部102は、所定の終了条件が成立するまでステップS22~S24の処理を繰り返し行う(ステップS21)。所定の終了条件とは、例えば、ステップS21の処理開始から所定の時間が経過すること、又は、ループの回数が所定の回数に達することである。
【0053】
配置決定部104は、パレット配置決定処理を行う(ステップS22)。この処理は、入庫出庫に関してはステップS14と同様である。また配置替えについては、ステップS17で説明したものと同様である。但し、ステップS41にて、(1)配置替えイベント生成数、(2)作業順、(3)ロケ選択順、(4)搬送装置の割付猶予期間、(5)段積み上限数などのパラメータのうち、少なくとも1つを変動させる。例えば、作業順を変動させる場合、図9の入庫予定情報について、No=3、2、1、5、4、7、6の順で作業するように変更する。あるいは、図10の出庫予定情報について、No=2、1の順で作業するように変更する。また、(3)ロケ選択順を変更する場合、例えば、図7のBとCのエリアを入れ替える。また、配置決定部104は、図8の処理を1回実行する度に評価値を算出する。例えば、配置決定部104は、(1)作業計画情報の搬送作業の累積時間に設定された値、つまり、入庫作業の開始から終了までの時間、又は、出庫作業の開始から終了までの時間、又は、入出庫を同じ時間帯に行う場合、入出庫作業の開始から終了までの時間、配置替え作業の開始から終了までの時間と、(2)入庫完了目標日時に対して、シミュレーション上の入庫完了時刻が超過する時間、(3)出庫完了目標日時に対して、シミュレーション上の出庫完了時刻が超過する時間、(4)入庫後、出庫後、配置替え後におけるパレットが存在する列の占有率の例えば平均値、を算出し、これら(1)~(4)のそれぞれに対する評価値の重み付け和を算出する。例えば、(1)~(3)については時間が短い程、良い評価値が与えられ、(4)については占有率が高い程、良い評価値が与えられる。配置計画部102は、評価値の重み付け和を解に設定する。
【0054】
次に配置計画部102は、今回の解を暫定解と比較してどちらが良い値かを評価する(ステップS23)。今回の解が暫定解よりも良い場合(ステップS23;Yes)、配置計画部102は、今回算出された解で暫定解を更新する(ステップS24)。また、配置計画部102は、今回算出された解に紐づく作業計画情報を、更新後の暫定解と紐づけて記憶部106に記録する。暫定解が今回の解よりも良い場合(ステップS23;No)、配置計画部102は、暫定解の更新を行わない。
終了条件を満たすまでステップS23、S24の処理を行うと、出力部105は、記憶部106に記録された暫定解(評価値)と、暫定解に紐づく作業計画情報とを電子ファイル等で出力する(ステップS25)。
以上、図3図5図8を用いて説明した処理は、例えば、新たな入庫予定情報、出庫予定情報、入庫予測情報、出庫予測情報を取得した時点で実行してもよい。
【0055】
上記説明したように、本実施形態によれば、将来の入出庫見込を考慮したパレット配置計画の作成が可能となり、入出庫作業を効率化できる配置計画の算出が可能となる。また、搬送設備7の空き時間を利用した配置替え計画を自動算出することにより、さらに入出庫作業を効率化できる配置計画を算出することができる。また、最適化計算を実行することにより、入出庫作業をさらに効率化する配置計画を算出することができる。
【0056】
<第二実施形態>
(構成)
第二実施形態では、倉庫に導入する搬送装置7の適正台数を算出する機能を提供する。
以下、本発明の第二実施形態による配置計画システム10Aについて図12図15を参照して説明する。
【0057】
図12は、第二実施形態に係る配置計画システムの一例を示す図である。
図12に示すように、配置計画システム10Aは、データ取得部101と、配置計画部102Aと、出力部105と、記憶部106とを備える、配置計画部102A以外の構成については、第一実施形態と同様の為、説明を省略する。
配置計画部102Aは、引き当て部103と、配置決定部104と、判定部107と、グラフ生成部108と、を備える。引き当て部103、配置決定部104に関しては、第一実施形態と同様の為、説明を省略する。
【0058】
配置計画部102Aは、所定の初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報について、搬送装置7が1台の状態から始めて、1台ずつ搬送装置7の台数を増台させながら、図3図4図5図8を用いて説明した処理を繰り返し行う機能を有している。
判定部107は、搬送装置7の台数を変化させる毎に、その台数で、入庫完了目標日時を超過しない入庫作業が可能か、出庫完了目標日時を超過しない出庫作業が可能か、を判定する。
グラフ生成部108は、各台数で算出された作業計画情報に基づいて、各種グラフを生成する。
【0059】
(動作)
次に図13図16を用いて配置計画システム10Aの動作について説明する。
図13は、第二実施形態に係る配置計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
図14図16は、それぞれ第二実施形態に係るグラフの一例を示す第1図~第3図である。
まず、データ取得部101が、計算に必要な情報を取得する(ステップS61)。例えば、データ取得部101は、倉庫レイアウト情報、商品情報、搬送装置情報、初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報、配置替えを行うか否かのフラグ情報、最適化計算を実行するか否かのフラグ情報、入庫・出庫などの作業開始時刻を取得する。データ取得部101は、取得した情報を記憶部106に記録する。例えば、搬送装置情報には、1台分の情報が設定されている。
【0060】
次に配置計画部102Aは、搬送装置7を1台に設定する(ステップS62)。次に配置計画部102Aは、配置計画を作成する(ステップS63)。具体的には、配置計画部102Aは、入庫と出庫について、第一実施形態の図3図5図8を参照して説明した処理を行う。また、配置計画部102Aは、必要に応じて配置替え処理を行ってもよい。配置計画部102Aは、搬送装置1台で入庫、出庫などを行ったときの作業計画情報と評価値を、搬送装置の台数と紐づけて記憶部106に記録する。
【0061】
次に判定部107が、今回の台数で入庫完了目標日時、出庫完了目標日時に対する遅延が無く、入出庫が完了できたかどうかを判定する(ステップS64)。判定部107は、記憶部106の作業計画情報を参照して、入庫完了目標日時に対する超過時間、出庫完了目標日時に対する超過時間の項目に正の値が設定されていれば、遅延が発生したと判定する。
【0062】
遅延が発生した場合(ステップS64;Yes)、配置計画部102Aは、搬送装置を1台増台して(ステップS65)、ステップS63からの処理を繰り返し行う。例えば、配置計画部102Aは、搬送装置情報にもう1台分の情報を追加して、配置計画の作成処理を行う。遅延が発生しなかった場合(ステップS64;No)、配置計画部102Aは、配置計画の作成を終了する。そして、グラフ生成部108が、作業計画情報に基づいて、図14図16に例示するグラフを生成してディスプレイ等に出力する(ステップS66)。
図14に搬送装置7の台数ごとの納期遅れを表したグラフを示す。グラフ生成部108は、例えば、記憶部106に記録された台数ごとの作業計画情報の“出庫完了目標日時に対する超過時間”をプロットして図14のグラフを生成する。
【0063】
図15に搬送装置7の台数ごとの列の占有率を表したグラフを示す。グラフ生成部108は、例えば、記憶部106に記録された台数ごとの作業計画情報の“在庫が存在する列の占有率”をプロットして図15のグラフを生成する。
【0064】
図16に搬送装置7が3台の場合の稼働率の推移数ごとの列の占有率を表したグラフを示す。グラフ生成部108は、例えば、記憶部106に記録された搬送装置7が3台のときの作業計画情報における各搬送装置の“搬送作業の開始予定時刻”と“搬送作業の完了予定時刻”に基づいて、時間ごとの搬送作業時間を算出し、算出した搬送作業時間が1時間あたりに占める割合を算出し、図16のグラフを生成する。
【0065】
本実施形態によれば、まず、通常時を想定した検証用データで計算する際に、搬送設備台数が1台の設定値から計算を開始し、搬送設備台数を増加させながら、納期遅れが発生しない(もしくは予め設定した閾値以下になる)最小台数を算出する。この時、搬送設備の台数に対する納期遅れの推移、配置に関する評価値の推移、搬送設備の稼働率の推移に関するグラフを作成する。これにより、ユーザが倉庫に導入する搬送設備の台数の判断の支援とその客観的な根拠の作成が可能になる。
【0066】
また、過去実績(もしくは現状を基にした想定値や将来的な目標値)から最悪時(最も入出庫が多い状況)のシナリオの検証用データ(初期在庫情報、入庫予定情報、出庫予定情報)を用意し、上記の方法で最小台数を算出してもよい。これにより、入出庫されるパレットが増大した時でも遅延なく入出庫作業を行うことができる搬送装置7の台数を把握することができる。
【0067】
また、例えば、既に運用中の倉庫で、定期的に直近の入出庫の実績データを用いて上記処理を行い、搬送設備の台数の過不足を確認し、台数が不足している場合には、搬送設備の新規導入もしくは別倉庫からで余剰となっている搬送設備を一時的に融通するようなことを計画してもよい。また、上記処理により、搬送設備が余っていることが判明した場合は、余分な台数を別倉庫に回すことを計画してもよい。このように、倉庫の全体最適に向けた意思決定を支援するために活用することができる。
【0068】
図17は、各実施形態に係る配置計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の配置計画システム10,10Aは、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0069】
なお、配置計画システム10,10Aの全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0070】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0071】
<付記>
各実施形態に記載の配置計画システム10、10A、配置計画方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0072】
(1)第1の態様に係る配置計画システム10、10Aは、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と、前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報とを記憶する記憶部と、前記入庫予定情報と前記出庫予定情報とに基づいて、前記商品の入庫と出庫の搬送作業および配置に対する評価を示す評価値を算出し、該評価値に基づいて、前記商品の配置および該配置に係る前記商品の搬送作業を計画する配置計画部と、を備える。
【0073】
(2)第2の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(1)の配置計画システム10、10Aであって、前記記憶部は、前記商品の倉庫における保管の状況を示す在庫情報を記憶し、前記配置計画部は、前記入庫予定情報と、前記出庫予定情報と、前記在庫情報(初期在庫情報)と、に基づいて、前記出庫予定情報に含まれる商品を前記在庫情報に引き当て、前記出庫予定情報に含まれる未引き当てとなる商品を前記入庫予定情報に引き当てる引き当て部103と、前記入庫予定情報に引き当てられた前記商品を、倉庫の付近の所定の第1エリアに配置する計画を算出する配置決定部104と、を備える。
【0074】
(3)第3の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(2)の配置計画システム10、10Aであって、前記記憶部は、前記出庫予定情報に含まれない情報であって、前記商品の出庫の予測を示す出庫予測情報を記憶し、前記引き当て部103は、前記入庫予定情報に含まれる商品のうち、前記出庫予定情報について未引き当てとなる前記商品を、前記出庫予測情報に引き当て、前記配置決定部104は、前記出庫予測情報に引き当てられた前記商品を、前記第1エリアより前記出口から離れた所定の第2エリアに配置する計画を算出する。
【0075】
(4)第4の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(3)の配置計画システム10、10Aであって、前記記憶部は、前記入庫予定情報に含まれない情報であって、前記商品の入庫の予測を示す入庫予測情報を記憶し、前記引き当て部103は、さらに入庫予測情報を前記出庫予測情報に引き当て、前記配置決定部104は、前記出庫予測情報に引き当てられた前記商品を、前記第2エリアよりも前記出口から離れた所定の第3エリアに配置する計画を算出する。
第1~第4の態様により、将来の入出庫見込を考慮したパレット配置計画の作成が可能となり、入出庫作業を効率化できる配置計画の実現が可能となる。
【0076】
(5)第5の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(2)~(4)の配置計画システム10、10Aであって、前記配置決定部104は、前記入庫予定情報に基づいて搬送装置7が前記入庫予定情報に含まれる前記商品を搬送する第1時間と、前記出庫予定情報に基づいて前記搬送装置が前記出庫予定情報に含まれる前記商品を搬送する第2時間と、に基づいて、前記搬送装置の空き時間を算出し、前記空き時間に、前記倉庫内の商品の配置替えを計画する。
搬送装置7の空き時間を利用して、配置替えを行うことにより、倉庫内の商品の配置を、より効率的に配置替えすることができる。
【0077】
(6)第6の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(5)の配置計画システム10、10Aであって、前記配置決定部104は、前記配置替えにおいて、前記出庫予定情報に基づいて、出庫予定期限が早いものから順に前記商品を前記出口に近いエリアに配置する計画を算出する。
これにより、将来の入出庫見込を考慮したパレット配置計画の作成が可能となり、入出庫作業を効率化できる配置計画の実現が可能となる。
【0078】
(7)第7の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(5)~(6)の配置計画システム10、10Aであって、前記倉庫において前記商品を載置するエリアをマス状に区画し、区画された前記エリアにおいて前記商品の搬入、取り出しを行わない方向を列とするとき、前記配置決定部104は、前記配置替えにおいて、前記商品が配置される列の占有率が高くなるように前記商品を配置する計画を算出する。
これにより、列の占有率が高い配置計画の算出が可能になる。列の占有率が高くなると、空の列ができ、例えば、空の列を利用しての搬送作業が行いやすくなる。
【0079】
(8)第8の態様に係る配置計画システム10、10Aは、(2)~(6)の配置計画システム10、10Aであって、前記配置決定部104は、前記商品の入庫、出庫、配置替えにおいて、前記商品の入出庫作業に対して設定された目標期限に対する超過が少なく、前記商品の入出庫作業又は配置替え作業に要する時間が少なく、前記倉庫において前記商品を配置するエリアをマス状に区画し、区画された前記エリアにおいて前記商品の搬入、取り出しを行わない方向を列とするとき、入出庫作業後又は配置替え作業後に前記商品が配置される列の占有率が高くなるように前記商品を配置する計画を算出する。
これにより、入出庫の作業時間が少なく、納期遅れが無く、商品配置後の列の占有率が高い配置計画の算出が可能になる。
【0080】
(9)第9の態様に係る配置計画システム10Aは、(2)~(8)の配置計画システム10Aであって、所定の前記在庫情報と、前記入庫予定情報と、前記出庫予定情報と、に基づいて、前記配置の計画を算出し、前記商品の出庫作業に対して設定された目標期限に対する超過が所定の閾値未満となるときの前記商品を搬送する搬送装置7の台数を算出する配置計画部102A、をさらに備える。
これにより、倉庫に導入する搬送設備の台数の判断の支援とその客観的な根拠の作成が可能になる。
【0081】
(10)第10の態様に係る配置計画方法は、配置計画システムが、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報とに基づいて、前記商品の入庫と出庫の搬送作業および配置に対する評価を示す評価値を算出し、該評価値に基づいて、前記商品の配置および該配置に係る前記商品の搬送作業を計画する。
【0082】
(11)第11の態様に係るプログラムは、コンピュータ900に、商品の入庫の予定を示す入庫予定情報と前記商品の出庫の予定を示す出庫予定情報とに基づいて、前記商品の入庫と出庫の搬送作業および配置に対する評価を示す評価値を算出し、該評価値に基づいて、前記商品の配置および該配置に係る前記商品の搬送作業を計画する処理、を実行させる。
【符号の説明】
【0083】
10、10A・・・配置計画システム
101・・・データ取得部
102、102A・・・配置計画部
103・・・引き当て部
104・・・配置決定部
105・・・出力部
106・・・記憶部
107・・・判定部
108・・・グラフ生成部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17