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  • 特許-予測値出力装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】予測値出力装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020018756
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021122553
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年7月10日、令和1年7月12日、令和1年7月17日、令和1年7月19日開催の「2019マース新製品発表展示会」にて発表 〔刊行物等〕2019年9月10日発行の雑誌「Amusement Japan 9月号」に掲載 〔刊行物等〕 2019年8月25日発行の雑誌「日本遊技通信 8月号」に掲載 〔刊行物等〕 2019年8月30日発行の雑誌「SEQUENCE 9月号」に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】000137203
【氏名又は名称】株式会社マースエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】知念 良哉
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-305263(JP,A)
【文献】特開2006-192033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店において遊技機での遊技により得られる利益に関する利益予測値を出力する出力部
を備え、
前記利益予測値が、複数日からなる期間における値であって、
前記出力部は、複数の前記期間に関する複数の前記利益予測値を時系列に並べると供に複数の遊技設定毎に並べて出力する
予測値出力装置。
【請求項2】
前記出力部は、更に、前記期間における遊技客の遊技に関する遊技予測値を時系列に並べると供に前記複数の遊技設定毎に並べて出力する、
請求項1に記載の予測値出力装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記利益予測および前記遊技予測をグラフで時系列に並べて出力する、
請求項2に記載の予測値出力装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記遊技機での遊技により前記期間に得られる利益に関する利益目標値を示す情報を、前記利益予測値を示す情報と共に出力する、
請求項1から3のいずれかに記載の予測値出力装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記遊技機での遊技により前記期間に得られる利益に関する利益目標値と前記利益予測値との差分値を示す情報を出力する、
請求項1から3のいずれかに記載の予測値出力装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する利益予測値などの予測値を出力するための予測値出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロット機などの遊技機が設置される遊技場の経営を支援するために、さまざまな技術が提案されている。
【0003】
たとえば、売上目標値と利益目標値とを達成し得る釘調整データ等を求めること(特許文献1参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-57581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来においては、遊技店において遊技機での遊技により得られる利益(たとえば、粗利、粗利率)に関する利益予測値などの予測値と、複数の遊技設定(たとえば、パチンコ、スロットの特賞発生確率に関する設定値、単位アウト当たりの抽選回数を表すスタート値、ホール内での設置場所)との関係を把握することが容易でない。その結果、遊技場の経営に関する判断について的確にサポートすることが困難な場合がある。
【0006】
したがって、本発明は、遊技店において遊技機での遊技と遊技機に対する複数の遊技設定により得られる利益に関する利益予測値等の予測値と、複数の遊技設定との関係を容易に把握することができる予測値出力装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の予測値出力装置は、遊技店において遊技機での遊技により得られる利益に関する利益予測値を出力する出力部を備え、前記利益予測値が、複数日からなる期間における値であって、前記出力部は、複数の前記期間に関する複数の前記利益予測値を時系列に並べると供に複数の遊技設定毎に並べて出力するように構成されている。
【0008】
前記出力部は、前記利益予測値の時間推移と共に、遊技客の遊技に関する遊技予測値の時間推移を前記複数の遊技設定毎に並べて出力する。
【0009】
前記出力部は、前記利益予測値の時間推移および前記遊技予測値の時間推移をグラフで出力する。
【0010】
前記出力部は、前記遊技機での遊技により得られる利益に関する利益目標値を示す情報を、前記利益予測値を示す情報と共に出力する。
【0011】
前記出力部は、前記遊技機での遊技により得られる利益に関する利益目標値と前記利益予測値との差分値を示す情報を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技店において遊技機での遊技により得られる利益に関する利益予測値などの予測値と、複数の遊技設定との関係を容易に把握することができる予測値出力装置の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
図3A図3Aは、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
図3B図3Bは、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
図4図4は、実施形態において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像一例を示す図である。
図5図5は、実施形態の変形例1において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像一例を示す図である。
図6図6は、実施形態の変形例2において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態の変形例3において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態の変形例4において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
[A]遊技システム10
図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
【0016】
図1に示すように、遊技システム10は、複数のパチンコ機2(遊技機)及び複数のスロット機7(遊技機)と、複数の台間機3(遊技用装置)及び複数の台間機8(遊技用装置)と、複数のデータ表示機9と、ネットワーク20と、島コンピュータ25とを備えている。
【0017】
遊技システム10において、複数の台間機3は、複数のパチンコ機2にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置であって、複数のパチンコ機2に各々接続されている。一方、複数の台間機8は、複数のスロット機7にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置である。なお、台間機3および台間機8には、紙幣識別装置(ビルバリ)などが搭載されている。
【0018】
複数のデータ表示機9は、複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。データ表示機9は、例えば、パチンコ機2に関しては、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示する。
【0019】
ネットワーク20は、ハブやWi-Fi(登録商標)アクセスポイントなどの通信用機器を用いて構築されている。
【0020】
島コンピュータ25は、複数のパチンコ機2、複数のスロット機7、複数の台間機3、複数の台間機8、及び、複数のデータ表示機9などの機器と、ネットワーク20との間に介在している。
【0021】
なお、以降の説明では、ともに遊技機であるパチンコ機2とスロット機7とを個別に説明する必要がある場合を除き、パチンコ機2の場合を例にとって説明する。
【0022】
上述した機器以外に、遊技システム10には、様々な周辺機器が設けられている。ここでは、周辺機器として、管理装置5、パーソナルコンピュータ5a、景品払出機11、精算機12、計数機14、発券機15、景品管理機16、データ公開機17、プロトコルコンバータ21、モデム22、カードセンタ23、再プレー受付機24などを遊技システム10が備えている。上記した各機器は、ネットワーク20に接続されている。
【0023】
上記の機器のうち、景品管理機16は、景品交換装置(POS)であって、景品払出機11が併設されている。
【0024】
管理装置5は、例えば、ホールコンピュータ、景品管理装置、会員管理装置などの情報収集装置として構成されている。管理装置5は、管理装置5の情報を参照する機能を含む、パーソナルコンピュータ5aに接続されている。
【0025】
上記の周辺機器は、パチンコ機2及びスロット機7(遊技機)と通信可能である。パチンコ機2、スロット機7、及び、各周辺機器が出力する情報は、ネットワーク20を介して管理装置5に出力された後に、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。なお、モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
【0026】
遊技システム10では、遊技者は、貨幣(紙幣、硬貨)、会員用カード(遊技用記録媒体)27、非会員用カード(遊技用記録媒体)28などを用いて、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行うことができる。
【0027】
詳細には、遊技システム10では、貨幣、会員用カード27、非会員用カード28(携帯通信端末)により特定可能な度数(有価価値)によって、遊技場(遊技ホール)と遊技者(会員の遊技者,非会員の遊技者)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われる。そして、遊技者は、貸借されたパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を遊技機(パチンコ機2、スロット機7)において使用して遊技を行う。
【0028】
ここで、「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したものであって、例えば、1万円を度数化した場合には100度数になる。また、「会員の遊技者」とは、会員用カード27を有する遊技者であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台(好きな種類の遊技機)、連絡先、暗証番号などの属性情報が、当該会員の遊技者を個別に識別可能な会員番号(会員ID)と対応付けされて管理装置5に登録されている遊技者である。一方、「非会員の遊技者」とは、会員の遊技者として情報が登録されていない一般の遊技者である。
【0029】
会員用カード27及び非会員用カード28は、ICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状である。非会員用カード28は、例えば、会員用カード27よりも、縦及び横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されていて会員用カード27と区別される。会員用カード27には、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、カードIDには、会員である遊技者の種々の情報が紐付けされる。この紐付けされる情報は、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数残高、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、利用した金額などの情報である。
【0030】
この他に、貯玉数(スロットの場合は、貯メダル)、ポイント、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貸玉数(スロットの場合は、貸メダル数)、遊技機種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの情報を紐付けてもよい。また、遊技中は、例えば、遊技者が遊技している遊技機の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けることもできる。上記した度数残高や貸玉、貯玉など金銭的に価値のある情報を「価値情報」と呼ぶ。また、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐付けしてもよい。
【0031】
上記の「アウト(発射玉)」は、スロットでは「イン(投入枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「アウト」と称す。同様に、上記の「セーフ」は、スロットでは、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「セーフ」と称す。「ポイント」には、来店ポイント(台間機3および台間機8に、会員用カード27を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。これらの情報は、管理装置5によって管理される。「管理」とは、これらの情報を更新したり、消去したり、保持したりすることである。情報は、上記に限定されず、遊技の管理を行う上で必要な情報であれば、適宜、紐付け(関連付け)られる。
【0032】
非会員用カード28にも、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、非会員の遊技者の種々の情報が紐付けられる。詳細には、遊技ID、度数、貸玉、入金などの情報、これらの情報を所定の期間に限って紐付ける。ただし、この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けされる。これらの紐付けされる情報は、会員用カード27に紐付けされる情報と同様に、管理装置5によって管理される。非会員用カード28には、会員番号、ポイントなどの情報は紐付けされない。ただし、管理装置5は、これらの情報をいつでも紐付け可能なように、保持しておくことが可能である。
【0033】
上記情報のうち遊技IDは、例えば、台間機3または台間機8に貨幣を投入したときに付与されるIDであり、以後の遊技の情報は、この遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード27及び非会員用カード28を所有しない遊技者が貨幣によって遊技を開始する場合、まず遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード28が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード28に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード27を所有している遊技者においては、貨幣を投入せずに会員用カード27を台間機3または台間機8に挿入して遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード27を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
【0034】
この他に、本実施形態の遊技システム10では、モデム22を介して予測部100に通信可能に構成されている。
【0035】
予測部100は、遊技店において遊技機(パチンコ機2、スロット機7)の機種により得られる利益に関する利益予測値(粗利予測値など)の推移を求めるように構成されている。予測部100は、たとえば、公知のニューラルネットワーク機能を有するニューラルネットワーク装置を備え、クラウドサーバーにおいて仮想データベースに記録された情報に基いて予測を行う。ここでは、仮想データベースには、遊技機の稼働実績データ(アウトなど)、営業成績に影響を与える店舗営業条件(遊技時の天気など)、遊技機の機種などの因子の情報が、遊技設定(たとえば、パチンコ、スロットの特賞発生確率に関する設定値、単位アウト当たりの抽選回数を表すスタート値、ホール内での設置場所)に関連付けて記録されている。そして、予測部100は、上記のように仮想データベースに記録された情報を用いて、利益予測値の時間推移を、遊技機の機種および遊技設定ごとに求める。予測部100は、ニューラルネットワークによる予測以外に、重回帰分析などの他の公知な手法で予測を行うように構成されていてもよい。
【0036】
予測部100において、遊技機の機種および遊技設定ごとに求められた利益予測値の時間推移の情報は、たとえば、管理装置5に送信される。
【0037】
[B]管理装置5の詳細
以下より、本実施形態の管理装置5に関して更に詳細に説明する。
【0038】
図2は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。図3Aおよび図3Bは、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
【0039】
管理装置5は、図2に示すように、制御部50と、情報集計部52と、状態監視部53と、データベース部54と、通信部55と、予測値出力部101(出力部)とを有する。管理装置5を構成する各部は、例えば、ICチップなどの電子素子、電気回路、外付けタイプの装置(外部装置)やこれらを動作させる種々のプログラムによって構成されている。
【0040】
[B-1]制御部50
制御部50は、管理装置5を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部50は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0041】
[B-2]情報集計部52
情報集計部52は、各部から送信された情報について集計を行うように構成されている。制御部50に制御されて、島コンピュータ25、台間機3、台間機8、パチンコ機2、スロット機7などの機器から送信された種々の情報に基づいて、データベース部54への遊技データの登録及び集計等を行う。遊技データは、例えば「稼働(遊技中)/非稼働(遊技終了や遊技の一時的中断)」、獲得玉の増加などを表す「玉の増加情報」、会員用/非会員用のカードの挿入状況を表す「カード情報」、遊技者の所持する度数を表す「度数残高」、遊技者が当日に使用した金額を表す「利用金額」、遊技者の所持する貯玉数を表す「貯玉数」などである。
【0042】
この他に、情報集計部52は、例えば、スタート回数や大当たり回数などの情報の集計や管理を行う。さらに、情報集計部52は、大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報も管理することができる。これらの遊技情報の管理は、例えば、パチンコ機2から出力される、大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号や、台間機3から出力される、入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号などに基づいて行われる。
【0043】
これらの遊技情報は、データベース部54にテーブルとして記憶され、このテーブルは、情報集計部52で管理されることに加え、制御部50に制御下で状態監視部53によっても管理される。そして、情報集計部52によって、図3Aに示すような、台実績データとして日毎に集計される。
【0044】
[B-3]状態監視部53
状態監視部53は、制御部50に制御されて、情報集計部52が管理する上記の遊技データ(上記した例えば稼働/非稼働の状況など)に基づいて、各パチンコ機2及び各スロット機7を、当該遊技機を遊技者が占有していない状態を示す「空台状態」、遊技中であることを示す「遊技状態」、空台状態と遊技状態の中間の状態である「監視状態」といった3つの状態に区分する。
【0045】
[B-4]データベース部54
データベース部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど種々の記憶装置を備えている。データベース部54には、前述した情報がテーブルとして記憶される。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。
【0046】
[B-5]送信データ作成部541
送信データ作成部541は、データベース部54に記録された情報の内、予測部100に必要な情報を抽出して、予測部100が取り込みするために構造化されたデータを作成する。
【0047】
[B-6]通信部55
通信部55は、通信インターフェースを備えている。通信部55は、ネットワーク20を介し、例えばパチンコ機2や台間機3などの周辺機器との間で、情報(信号)を送信および受信するために設けられている。またインターネット回線などを通じて外部にある決済機関の管理装置などとも通信を行うことができる。
【0048】
本実施形態では、通信部55は、上記した予測部100(図1参照)が利益予測値(粗利や粗利率などの予測値)の時間推移および遊技予測値(アウトや売上金額、遊技時間などの予測値)の時間推移を求める際に用いる、送信データ作成部541で作成した情報を仮想データベースに送信する。ここでは、仮想データベースには、遊技機の稼働実績データ(アウトなど)、営業成績に影響を与える店舗営業条件(曜日、遊技時の天気、入力された自店や近隣店舗のイベントなど)、遊技機の機種、および、遊技機の単位時間当たりのスタート数などの情報が、遊技設定と共に、通信部55から仮想データベースに送信される。
【0049】
そして、予測部100において利益予測値(粗利などの予測値)の時間推移および遊技予測値(アウトなどの予測値)の時間推移に関する情報が算出された際には、その情報を通信部55が受信する。
【0050】
予測値の時間推移に関する情報は、図3Bに示すような機種毎予測データとして、遊技設定毎に管理される。
【0051】
[B-7]予測値出力部101
本実施形態の管理装置5は、予測値出力装置として機能するように、上記の他に、予測値出力部101を備えている。予測値出力部101は、遊技店においてパチンコ機2(図1参照)などの機種に応じて得られる利益に関する利益予測値(粗利などの予測値)の時間推移に関する情報を通信部55が受信したときには、その利益予測値を出力する。本実施形態においては、予測値出力部101は、利益予測値の時間推移を複数の遊技設定(設定されたスタート値)毎に並べて出力するように構成されている。
【0052】
詳細については後述するが、予測値出力部101は、たとえば、管理装置5に接続されているパーソナルコンピュータ5aに、利益予測値の時間推移に関する情報出力する。そして、利益予測値の時間推移に関する情報は、たとえば、パーソナルコンピュータ5aを構成する表示装置の画面において、複数の遊技設定毎に並べて表示される。
【0053】
図4は、実施形態において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0054】
図4に示すように、予測値出力部101は、たとえば、複数のスタート値(遊技設定)のそれぞれにおいて利益予測値として算出された粗利予想額の時間推移と、累計粗利予測額の時間推移とが並んで表示される表形式の画像を出力する。たとえば、スタート値が「5」である場合に予測される粗利予測額および累計粗利予測額に関して、4周目、8週目、および、12週目の値を横方向に並べて表示する。そして、スタート値が「5」である場合に予測される粗利予測額および累計粗利予測額の時間推移の下方に、スタート値が「5.5」である場合に予測される粗利予測額および累計粗利予測額の時間推移と、スタート値が「6」である場合に予測される粗利予測額および累計粗利予測額の時間推移とが順次並んで表示される。なお、粗利予測額は、4周目、8週目、および、12週目のそれぞれの週において得られると予測される粗利である。また、累計粗利予測額は、4周目、8週目、および、12週目のそれぞれの週までに累計して得られると予測される粗利である。
【0055】
以上のように、本実施形態では、遊技店において遊技機での遊技により得られる利益に関する利益予測値の時間推移が、複数の遊技設定毎に並べて出力される。このため、利益予測値と、複数の遊技設定との関係を容易に把握することができる。たとえば、遊技設定として複数のスタート値を設定した場合に、粗利予測値などの利益予測値が時間に応じてどのように推移するのか、的確に把握することができる。その結果、遊技場の経営に関する判断を的確にサポートすることができる。
【0056】
[C]変形例
上記の実施形態は、一例であって、下記に示す種々の変形例を採用可能である。
【0057】
[C-1]変形例1
図5は、実施形態の変形例1において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0058】
図5に示すように、予測値出力部101は、利益予測値として算出された粗利予測額の時間推移および累計粗利予測額の時間推移と共に、遊技客の遊技に関する遊技予測値としてアウト予測値の時間推移を複数のスタート値(遊技設定)毎に並べて出力するように構成されていてもよい。たとえば、スタート値が「5」である場合に予測される粗利予測額と累計粗利予測額との他に、アウト予測値に関して、4周目後、8週目後、および、12週目後の値を横方向に並べて表示する。そして、スタート値が「5」である場合の時間推移の下方に、スタート値が「5.5」である場合の時間推移と、スタート値が「6」である場合の時間推移とを順次並んで表示させる。
【0059】
なお、アウト予測値などの遊技予測値の時間推移に関する情報は、粗利予測値などの利益予測値の場合と同様に、予測部100において予測された後に、管理装置5に送信され、上記のように予測値出力部101において出力される。
【0060】
[C-2]変形例2
図6は、実施形態の変形例2において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0061】
上記した変形例1においては、表形式の画像が表示される場合について説明したが、これに限らない。図6に示すように、グラフ形式の画像を表示するように構成されていてもよい。
【0062】
図6に示すように、変形例2で表示されるグラフ形式の画像は、たとえば、横軸が台あたりのアウトであって、縦軸が台あたりの粗利である。そして、グラフ形式の画像においては、複数のスタート値(遊技設定)のそれぞれについて算出された粗利予測額とアウト予測値との結果がプロットされ、複数のスタート値ごとに線で結ばれている。累計粗利予測額については、円形の画像で示されており、金額に応じて径が大きくなっている。ここでは、スタート値が「5」である場合が破線で示され、スタート値が「5.5」である場合が一点鎖線で示され、スタート値が「6」である場合が二点鎖線で示されている。4周目の予測結果については「4W」と表示し、8週目の予測結果については「8W」と表示し、12週目の予測結果については「12W」と表示している。
【0063】
本変形例では、粗利予測額などの利益予測値の時間推移、および、アウト予測値などの遊技予測値の時間推移がグラフで表示されているので、遊技設定として複数のスタート値を設定した場合に、利益予測値と遊技予測値とが時間に応じてどのように推移するのか、より的確に把握することができる。その結果、遊技場の経営に関する判断を的確にサポートすることができる。
【0064】
なお、図6においては、予測値以外に、1週目(1W)と2週目(2W)との実績値に関してもプロットされており、実績値の推移を実線で示している。
【0065】
[C-3]変形例3
図7は、実施形態の変形例3において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0066】
図7に示すように、変形例3において表示されるグラフ形式の画像は、上記の変形例2の場合と異なり、累計粗利予測額を示す情報を実線の円で示す他に、遊技機での遊技により得られる利益に関する利益目標値として累計粗利目標額を示す情報を破線の円で示している。ここでは、12週目に関して予測された累計粗利予測額と共に、12週目の累計粗利目標額を併せて表示させている。
【0067】
このため、本変形例では、複数のスタート値(遊技設定)のうち、累計粗利予測額が累計粗利目標額に到達するスタート値(遊技設定)であるか否かを、容易に判断することができる。
【0068】
[C-4]変形例4
図8は、実施形態の変形例4において、予測値出力部101によって出力され、画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0069】
図8に示すように、変形例3において表示されるグラフ形式の画像は、上記の変形例3の場合と異なり、累計粗利目標額から累計粗利予測額を差分した差分値を示す情報を表示している。ここでは、12週目における累計粗利目標額と、各週における累計粗利予測額との差分値を表示している。また、上記の差分値を円形の画像で示されており、差分値の絶対値が大きくなるに伴って円形の画像の径が大きくなっている。また、累計粗利予測額が累計粗利目標額未満であって目標未達である場合については、白色の円形の画像で表示し、累計粗利予測額が累計粗利目標額以上であって目標達成である場合については、黒色の円形の画像で表示している。つまり、累計粗利目標額から累計粗利予測額を差分した差分値が負である場合と、ゼロ以上である場合とにおいて、異なる態様で表示している。
【0070】
このように本変形例では、遊技機での遊技により得られる利益に関する利益目標値と利益予測値との差分値を示す情報を予測値出力部101が出力して表示させるので、複数のスタート値(遊技設定)のうち、累計粗利予測額が累計粗利目標額に到達するスタート値(遊技設定)であるか否かを、更に容易に判断することができる。
【0071】
[C-5]その他
なお、上記の実施形態では、予測部100がクラウドサーバーにおいて予測を行う場合について説明したが、これに限らない。管理装置5などの他の機器が予測部100を備えるように構成されていてもよい。同様に、上記の実施形態では、管理装置5が予測値出力装置として機能するように予測値出力部101を備えている場合について説明したが、管理装置5以外の機器が予測値出力部101を備えるように構成されていてもよい。
【0072】
上記の実施形態では、遊技店において遊技機での遊技により得られる利益に関する利益予測値の時間推移として、粗利および累計粗利の時間推移を表示する場合について説明したが、これに限らない。利益予測値の時間推移として、粗利率など、他の因子の時間推移を表示してもよい。また、上記の実施形態では、遊技客の遊技に関する遊技予測値の時間推移として、アウト予測値の時間推移を表示する場合を説明したが、遊技予測値の時間推移として、遊技客の遊技時間などの他の因子の時間推移を表示してもよい。同様に、上記の実施形態では、遊技設定がスタート値である場合について説明したが、遊技設定がホール内での設置場所などの他の因子であってよい。
【0073】
また、上記の実施形態では、予測値出力部101は、利益予測値の時間推移を複数の遊技設定毎に並べて表示する場合に関して説明したが、これに限らない。予測値出力部101は、上記の時間推移等の情報を、たとえば、ディスプレイでなく、プリンター(図示省略)に出力し、紙などの記録媒体に印刷するように構成されていてもよい。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
2:パチンコ機、3:台間機、5:管理装置、5a:パーソナルコンピュータ、7:スロット機、8:台間機、9:データ表示機、10:遊技システム、11:景品払出機、12:精算機、14:計数機、15:発券機、16:景品管理機、17:データ公開機、20:ネットワーク、21:プロトコルコンバータ、22:モデム、23:カードセンタ、24:再プレー受付機、25:島コンピュータ、27:会員用カード、28:非会員用カード、50:制御部、52:情報集計部、53:状態監視部、54:データベース部、541:送信データ作成部、55:通信部、100:予測部、101:予測値出力部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8