(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】監視方法および監視装置
(51)【国際特許分類】
G01V 11/00 20060101AFI20240109BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20240109BHJP
G01V 8/10 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G01V11/00
G01V3/12 A
G01V8/10 S
(21)【出願番号】P 2020034127
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-09-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度 総務省「電波資源拡大のための研究開発」のうち「セキュリティ強化に向けた移動物体高度認識レーダー基盤技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土橋 浩慶
(72)【発明者】
【氏名】村上 康
(72)【発明者】
【氏名】小山 郁郎
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/085755(WO,A1)
【文献】特開2010-156697(JP,A)
【文献】特開2019-041261(JP,A)
【文献】特開2010-237132(JP,A)
【文献】特表2007-532907(JP,A)
【文献】特開2006-329912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 - 99/00
G01S 13/86
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視領域の監視方法であって、
複数の前記監視領域のそれぞれに対して撮影部が設けられており、複数の前記監視領域のうち少なくとも1つ以上にミリ波を照射して反射波を受信するレーダー装置が設けられており、
前記撮影部と前記レーダー装置とが設けられた所定の監視領域に関して前記レーダー装置から反射波の検出結果を取得する第1の取得ステップと、
前記所定の監視領域を撮影する撮影部から撮影画像を取得する第2の取得ステップと、
前記反射波の検出結果に基づいて危険物の存在可能性を判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって危険物の存在可能性があると判定された場合に、前記撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する特定ステップと、
前記撮影画像における前記人物画像で表されている第1の人物の特徴量を算出し、監視関連情報に、人物ID(Identifier)に対応付けて前記特徴量を登録する登録ステップと、
前記監視関連情報を参照することで、複数の前記監視領域にまたがって、前記撮影部から取得された撮影画像における人物画像で表されている人物の特徴量
、および、前記レーダー装置が設置されている前記監視領域では前記レーダー装置から得られる人物の位置、移動方向に基づいて、前記第1の人物を示す人物画像を追跡する追跡ステップと、
前記人物画像の位置、移動方向、および、前記反射波の検出結果に基づいて当該第1の人物の不審度を算出する不審度算出ステップと、
当該第1の人物について、現在位置、前記危険物の存在可能性、前記不審度を含む情報を、所定の情報端末に通知する通知ステップと、を含む監視方法。
【請求項2】
複数の監視領域を監視する監視装置であって、
複数の前記監視領域のそれぞれに対して撮影部が設けられており、複数の前記監視領域のうち少なくとも1つ以上にミリ波を照射して反射波を受信するレーダー装置が設けられており、
前記撮影部と前記レーダー装置とが設けられた所定の監視領域に関して前記レーダー装置から反射波の検出結果を取得する第1の取得部と、
前記所定の監視領域を撮影する撮影部から撮影画像を取得する第2の取得部と、
前記反射波の検出結果に基づいて危険物の存在可能性を判定する判定部と、
前記判定部によって危険物の存在可能性があると判定された場合に、前記撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する特定部と、
前記撮影画像における前記人物画像で表されている第1の人物の特徴量を算出し、監視関連情報に、人物IDに対応付けて前記特徴量を登録するとともに、
前記監視関連情報を参照することで、複数の前記監視領域にまたがって、前記撮影部から取得された撮影画像における人物画像で表されている人物の特徴量
、および、前記レーダー装置が設置されている前記監視領域では前記レーダー装置から得られる人物の位置、移動方向に基づいて、前記第1の人物を示す人物画像を追跡する追跡部と、
前記人物画像の位置、移動方向、および、前記反射波の検出結果に基づいて当該第1の人物の不審度を算出する不審度算出部と、
当該第1の人物について、現在位置、前記危険物の存在可能性、前記不審度を含む情報を、所定の情報端末に通知する通知部と、を備える監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視方法および監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、空港の保安検査場では、金属探知機やミリ波を用いたボディスキャナ等による検査によって危険物(銃器、刃物、爆弾等)を高精度で検知することができる。
【0003】
一方、空港の航空券無しで入れる一般エリアや鉄道駅などの不特定多数の人が通行する場所では、そのような検査を行うことができないため、防犯のために、例えば、監視カメラによる監視が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6276736号公報
【文献】特開2004-361365号公報
【文献】特開2018-156586号公報
【文献】特開2018-146257号公報
【文献】特開2018-146250号公報
【文献】特開2018-146249号公報
【文献】特許第5560397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、監視カメラによる監視によれば、一定の防犯効果は得られるが、例えば、服の内側やカバン内などに危険物を所持している人物を発見するのは容易ではなく、改善が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、不特定多数の人が通行する場所において、危険物を所持している人物への対策を強化することができる監視方法および監視装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の監視方法は、所定の監視領域にミリ波(W帯)を照射して反射波を受信するレーダー装置から反射波の検出結果を取得する第1の取得ステップと、前記所定の監視領域を撮影する撮影部から撮影画像を取得する第2の取得ステップと、前記反射波の検出結果に基づいて危険物の存在可能性を判定する判定ステップと、前記判定ステップによって危険物の存在可能性があると判定された場合に、前記撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する特定ステップと、前記撮影部から取得された第1の撮影画像における前記人物画像で表されている第1の人物の特徴量に基づいて、前記第1の撮影画像より後に取得された撮像画像で表されている前記第1の人物を示す人物画像を追跡する追跡ステップと、を含む。なお、追跡ステップは、例えば、レーダー装置から得られる、人物の位置、移動方向、移動速度を用いる補助追跡ステップを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の監視システムの全体構成の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の情報処理装置の構成の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の情報処理装置が記憶する監視関連情報の例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態の監視方法および監視装置について説明する。なお、本実施形態では、危険物として、銃器、刃物、爆弾等の、金属成分を多く含む物体を想定する。
【0010】
まず、
図1を参照して、実施形態の監視システムSの全体構成の概要について説明する。
図1は、実施形態の監視システムSの全体構成の概要を示す図である。監視システムSは、例えば、空港の航空券無しで入れる一般エリアや鉄道駅などの不特定多数の人が通行する場所に適用される。監視システムSによって監視される全監視領域は、4つの監視領域Ra、Rb、Rc、Rdから構成されている。なお、監視領域Raは、全監視領域における入口を含む。また、監視領域Ra、Rb、Rc、Rdを特に区別しない場合は監視領域Rと称する。
【0011】
監視システムSは、情報処理装置1と、レーダー装置2a、2cと、監視カメラ3a、3b、3c、3d(撮影部)と、を備えている。以下、レーダー装置2a、2cを特に区別しない場合はレーダー装置2と称する。また、監視カメラ3a、3b、3c、3dを特に区別しない場合は監視カメラ3と称する。
【0012】
レーダー装置2は、対象の監視領域Rにミリ波(W帯)を照射して反射波を受信し、反射波の強度(反射強度)を、細分化された領域ごとに検出する。照射するミリ波は、例えば、78GHz帯、94GHz帯等であればよいが、これらに限定されない。
【0013】
照射されたミリ波は、監視領域R内の地面や構造物や人などによって反射するが、反射率は物体の種類(組成)によって大きく異なる。そして、危険物の反射率は特に大きく、また、ミリ波は通常の服やカバンをある程度透過する。したがって、服の内側やカバン内などに危険物が存在する場合、外部からは見えなくても、レーダー装置2によってその部分に関して大きな反射強度が検出される。
【0014】
監視カメラ3は、例えば、デジタルカメラ等であり、対象の監視領域Rを撮影する。監視カメラ3は、同じ監視領域Rに対してレーダー装置2が設置される場合は、そのレーダー装置2の検出範囲と同じ範囲(ほぼ同じ範囲も含む。)を撮影する。例えば、監視領域Raについて、レーダー装置2aによる検出範囲と監視カメラ3aによる撮影範囲が同じになるように設定される。
【0015】
一方、監視領域Rbには、監視カメラ3bだけが備えられる。また、監視領域Rcには、レーダー装置2cと監視カメラ3cが備えられる。また、監視領域Rdには、監視カメラ3bだけが備えられる。
【0016】
なお、すべての監視領域Rに監視カメラ3が1つ以上設置されることと、入口を含む監視領域Raにレーダー装置2aが設置されることは必須であるが、その他は任意である。例えば、1つの監視領域Rに対して、複数の監視カメラ3が備えられていてもよいし、複数のレーダー装置2が備えられていてもよい。例えば、入口を含む監視領域Raは特に重要であるので、レーダー装置2を複数設置してもよい。また、監視領域Rbにレーダー装置2が備えられていてもよいし、監視領域Rcのレーダー装置2が省略されていてもよいし、監視領域Rdにレーダー装置2が備えられていてもよい。
【0017】
次に、
図2を参照して、実施形態の情報処理装置1の構成について説明する。
図2は、実施形態の情報処理装置1の構成の概要を示す図である。情報処理装置1は、サーバ装置等のコンピュータ装置であり、処理部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を備える。なお、ここでは、説明を簡潔にするために、情報処理装置1を単一のものとして説明するが、これに限定されない。例えば、所定数の監視領域Rに対応する下位サーバが複数あって、さらに、それらの複数の下位サーバを統括する上位サーバがある、という構成であってもよい。なお、以下では、主に対象が監視領域Raであるものとして説明する。
【0018】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などによって構成され、各種情報を記憶する。記憶部12は、例えば、レーダー装置2による反射波の検出結果や、監視カメラ3による撮影画像や、各種設定値や、所定の監視関連情報などを記憶する。
【0019】
処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成され、記憶部12に記憶されるプログラムを実行することによって実現される機能部として、取得部111と、判定部112と、特定部113と、追跡部114と、算出部115と、通知部116と、制御部117と、を備える。
【0020】
取得部111は、例えば、レーダー装置2から反射波の検出結果を取得する第1の取得部として機能する。また、取得部111は、例えば、複数の監視領域Rのそれぞれを撮影する監視カメラ3から撮影画像を取得する第2の取得部として機能する。
【0021】
判定部112は、反射波の検出結果に基づいて危険物の存在可能性を判定する。例えば、判定部112は、対象の監視領域Rのうち、反射強度が所定の反射強度閾値以上の部分があると、危険物の存在可能性があると判定する。その場合、例えば、反射強度閾値を複数設定しておいて、危険物の存在可能性を、0~100%の101段階で判定してもよい。
【0022】
特定部113は、判定部112によって危険物の存在可能性が所定の危険物閾値(例えば30%)以上あると判定された場合に、撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する。具体的には、以下の通りである。上述のように、監視領域Raについて、レーダー装置2aによる検出範囲と監視カメラ3aによる撮影範囲は同じになるように設定されている。また、特定部113は、公知のアルゴリズムに基づいて、撮影画像から人物を抽出する。
【0023】
そして、特定部113は、レーダー装置2aによる検出結果データと撮影画像データをそれぞれの二次元座標等を用いて照合することで、撮影画像において当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する。
【0024】
追跡部114は、特定部113によって特定された人物画像を追跡する。例えば、追跡部114は、監視カメラ3aから取得された第1の撮影画像における人物画像で表されている第1の人物の特徴量(例えば、服の色、大きさ、付帯物(カバン等))に基づいて、第1の撮影画像より後に取得された撮像画像で表されている第1の人物を示す人物画像を追跡する。また、追跡部114は、レーダー装置2から得られる、人物の位置、移動方向、移動速度を用いて人物を追跡することも可能である。
【0025】
具体的には、追跡部114は、まず、監視領域Ra内で人物画像を追跡する。そして、人物画像が監視領域Raから出る場合、追跡部114は、例えば、レーダー装置2aから得られる、人物の位置、移動方向、移動速度を用いて、移動先の監視領域R(例えば監視領域Rb)を特定する。
【0026】
また、例えば、
図1に示すように、監視領域Rb内の人物画像(符号M)が紙面右方向に移動する場合、移動先の可能性は監視領域Rcと監視領域Rdの2通りあるが、追跡部114は、撮影画像に基づいて、人物画像の位置、移動方向、移動速度を算出して用いることで、移動先の監視領域R(例えば監視領域Rc)を特定する。
【0027】
算出部115(不審度算出部)は、人物画像の位置、移動方向、移動速度、および、反射波の検出結果に基づいて当該人物の不審度を算出する。例えば、同じ場所を行ったり来たりしている人物や、反射強度の高い人物ほど、不審度を高く算出する。
【0028】
通知部116は、当該人物について、現在位置、危険物の存在可能性、不審度を含む情報を、所定の情報端末(不図示)に通知する。ここで、所定の情報端末とは、例えば、警備員等が携帯するスマートフォン等である。
【0029】
制御部117は、各部111~116が行う処理以外の処理を行う。
【0030】
入力部13は、キーボード、マウス、タッチパネル、スイッチ、マイク等であり、ユーザによって各種操作指示の入力を可能にする手段である。
【0031】
表示部14は、各種情報を表示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0032】
通信部15は、有線または無線で接続される外部装置と各種情報を送受信するためのインタフェースである。
【0033】
図3は、実施形態の情報処理装置1が記憶する監視関連情報の例を示す図である。監視関連情報は、一例として、人物ID(Identifier)、特徴量、不審度、移動エリア、現在位置の各情報を格納する。人物IDは、撮影画像において危険物を所持していると特定部113によって推定された人物の識別番号である。特徴量は、当該人物について追跡部114によって算出された特徴量データである。
【0034】
不審度は、算出部115によって算出された、当該人物の不審度である。移動エリアは、追跡部114によって得られた、当該人物の移動した監視領域Rのデータである。現在位置は、追跡部114によって得られた、当該人物の現在の位置である。なお、監視関連情報は、これらに限定されず、ほかに、当該人物の現在の移動方向、現在の移動速度などの別の情報を格納してもよい。
【0035】
次に、
図4を参照して、実施形態の情報処理装置1による処理について説明する。
図4は、実施形態の情報処理装置1による処理を示すフローチャートである。
【0036】
まず、ステップS1において、取得部111は、レーダー装置2から反射波の検出結果を取得する。
【0037】
次に、判定部112は、ステップS2において反射特性解析を行い、ステップS3において危険物があるか(危険物の存在可能性が所定の危険物閾値以上であるか)否かを判定し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS1に戻る。
【0038】
ステップS4において、特定部113は、撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物の画像部分である人物画像を特定する。
【0039】
次に、ステップS5において、追跡部114は、ステップS4で特定された人物画像を追跡する。
【0040】
次に、通知部116は、通知タイミングか否かを判定し、Yesの場合はステップS7に進み、Noの場合はステップS8に進む。
【0041】
ステップS7において、算出部115は当該人物の不審度を算出し、通知部116は当該人物について、現在位置、危険物の存在可能性、不審度を含む情報を、警備員等が携帯する情報端末に通知する。
【0042】
ステップS8において、追跡部114は、追跡が終了したか否かを判定し、Yesの場合は処理を終了し、Noの場合はステップS5に戻る。
【0043】
このように、本実施形態の監視システムSによれば、レーダー装置2による反射波の検出結果に基づいて危険物の存在可能性があると判定された場合に、撮影画像に基づいて当該危険物を所持していると推定される人物を特定することで、不特定多数の人が通行する場所において、危険物を所持している人物への対策を強化することができる。
【0044】
例えば、レーダー反射強度を用いることで、服の内側やカバン内などに危険物を所持している人物を高精度に発見できる。また、撮影画像に多数の人物が映っている場合でも、レーダー反射強度によって怪しい人物を絞ることができるので、情報処理装置1の処理効率が向上し、処理速度が速くなる。
【0045】
また、入口を含む監視領域Ra以外の監視領域Rでは、レーダー装置2が設置されていなくても監視カメラ3による撮影画像のみに基づいて追跡を継続できるので、コストが安くすむ。また、レーダー装置2が設置されている監視領域Rでは、追跡のために、レーダー装置2から得られる、人物の位置、移動方向、移動速度を用いてもよい。
【0046】
また、追跡部114によって人物画像の位置、移動方向、移動速度に基づいて複数の監視領域Rにまたがって人物を追跡することができるので、個別の監視領域Rを超えてその人物をより確実に追跡することができる。それに加えて警備員等に通知を行うことで、警備員等による当該人物への声掛けなどの対応をより確実に実現できる。また、当該人物について、現在位置や危険物の存在可能性だけでなく不審度も通知することで、警備員等はより適切な対応をすることができる。
【0047】
なお、本実施形態の情報処理装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0048】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、当該プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0049】
当該プログラムは、上述した各部111~117を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはプロセッサが上記記憶媒体から~プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0050】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0051】
また、レーダー装置2は、固定式のものに限定されず、走査式のものであってもよい。
【0052】
また、監視カメラ3は、可視光カメラに限定されず、赤外線カメラであってもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、説明を簡潔にするために監視領域Rを4つとしたが、これに限定されず、監視領域Rは、複数であればいくつでもよく、例えば、数十や数百等の多くであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…情報処理装置、2…レーダー装置、3…監視カメラ、11…処理部、12…記憶部、13…入力部、14…表示部、15…通信部、111…取得部、112…判定部、113…特定部、114…追跡部、115…算出部、116…通知部、117…制御部、S…監視システム