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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
G03G15/08 343
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020043050
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144153
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長濱 卓也
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 洋平
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-132959(JP,A)
【文献】特開2001-072100(JP,A)
【文献】特開2012-194346(JP,A)
【文献】特開2012-108457(JP,A)
【文献】特開2009-128380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
現像剤を収容し、現像剤を排出可能な収容容器と、
前記画像形成装置に装着された前記収容容器から排出される現像剤を受け入れ、現像剤を排出可能な受け入れ装置と、
前記受け入れ装置に対し相対的にスライド移動可能に設けられ、前記受け入れ装置に取り付けられて前記収容容器から排出される現像剤の搬送路を形成する接続パイプと、
前記接続パイプの取り付け前に前記受け入れ装置と前記接続パイプのいずれか一方に予め設けられ、前記接続パイプが取り付けられた状態で、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの間に弾性的に圧縮された状態で配置されて、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの隙間をシールするシール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記受け入れ装置から排出される現像剤を通過させる貫通孔と、前記受け入れ装置と前記接続パイプのうち当該シール部材が設けられていない一方の、当該シール部材が設けられている他方に対する相対的な取り付け方向に関し、前記貫通孔の下流側に形成され、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの相対的な移動に応じて変形される前記貫通孔を、前記接続パイプの取り付け完了に伴い変形前の状態に復元するスリットを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記スリットは、前記貫通孔が前記接続パイプの取り付け完了に伴い復元された状態で、前記貫通孔と共に前記接続パイプの内側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、円状に形成され、
前記スリットは、前記貫通孔の円周の一部に沿って円弧状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記スリットは、前記接続パイプの取り付け方向から見て、前記貫通孔と重なり合うように形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記スリットは、中心角が70°より大きく160°より小さくなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記シール部材は、前記受け入れ装置に予め設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記シール部材は、前記接続パイプに予め設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接続パイプは、前記受け入れ装置に対し前記収容容器の装着方向に交差する方向へ移動される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの、電子写真技術を利用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機などの電子写真方式の画像形成装置では微粉末の現像剤が使用されており、画像形成に伴い消費される分の現像剤を現像剤収容容器から現像器に補給する構成となっている。この構成では、空になった現像剤収容容器(トナーカートリッジなどと呼ばれる)を交換可能とするために、現像剤収容容器が現像剤を受け入れる現像剤受け入れ装置に着脱自在に設けられている(特許文献1)。現像剤受け入れ装置と現像器(詳しくは現像剤を収容する現像容器)とは接続パイプにより連結され、現像剤収容容器から排出された現像剤は接続パイプを通じて現像器へと補給される。この現像剤受け入れ装置と接続パイプとの接続部には、接続部からの現像剤漏れを防ぐために、可撓性を有するシール部材が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-096914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、現像剤受け入れ装置と接続パイプとの接続部にはシール部材を配設する必要があることから、現像剤受け入れ装置の排出面には現像剤排出口を囲むリング状のシール部材が予め貼り付けられている。そして、接続パイプは、その一端側が現像剤受け入れ装置の現像剤排出口を有する排出面に摺動されながら、現像剤受け入れ装置に対してスライド移動されることで、現像剤受け入れ装置に取り付けられる。それ故、接続パイプを取り付ける際に、シール部材は接続パイプに干渉されて変形し得る。従来では、シール部材が変形した状態で配設されやすく、その結果、変形したシール部材により現像剤排出口の一部が塞がれて現像剤が排出され難くなったり、あるいは接続部に隙間が生じて現像剤が漏れたりする虞があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされ、収容容器から現像剤を受け入れて排出可能に保持する受け入れ装置に接続パイプを取り付ける際に、受け入れ装置と接続パイプとの間にシール部材を適切に配設可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置であって、現像剤を収容し、現像剤を排出可能な収容容器と、前記画像形成装置に装着された前記収容容器から排出される現像剤を受け入れ、現像剤を排出可能な受け入れ装置と、前記受け入れ装置に対し相対的にスライド移動可能に設けられ、前記受け入れ装置に取り付けられて前記収容容器から排出される現像剤の搬送路を形成する接続パイプと、前記接続パイプの取り付け前に前記受け入れ装置と前記接続パイプのいずれか一方に予め設けられ、前記接続パイプが取り付けられた状態で、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの間に弾性的に圧縮された状態で配置されて、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの隙間をシールするシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記受け入れ装置から排出される現像剤を通過させる貫通孔と、前記受け入れ装置と前記接続パイプのうち当該シール部材が設けられていない一方の、当該シール部材が設けられている他方に対する相対的な取り付け方向に関し、前記貫通孔の下流側に形成され、前記受け入れ装置と前記接続パイプとの相対的な移動に応じて変形される前記貫通孔を、前記接続パイプの取り付け完了に伴い変形前の状態に復元するスリットを有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収容容器から現像剤を受け入れて排出可能に保持する受け入れ装置に接続パイプを取り付ける際に、受け入れ装置と接続パイプとの間にシール部材を適切に配設することが容易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の画像形成装置の構成を示す概略図。
図2】画像形成装置の斜視図。
図3】第一実施形態の現像剤受け入れ装置を示す、(a)斜視図、(b)一部拡大図。
図4】現像剤収容容器を示す斜視図。
図5】現像剤収容容器を示す断面斜視図。
図6】現像剤受け入れ部と接続パイプとを示す断面図。
図7】本実施形態のシール部材を第一実施形態の現像剤受け入れ装置に適用した場合について説明するための図であり、(a)接続パイプの取り付け開始前、(b)接続パイプの取り付け途中、(c)接続パイプの取り付け完了後。
図8】(a)第二実施形態の現像剤受け入れ装置を示す斜視図、(b)可動式の現像剤受け入れ部を示す斜視図。
図9】被係合部と係合部の関係を示す図であり、(a)係合開始前、(b)係合開始時、(c)係合途中。
図10】受け入れ口がシャッタ開口と連通した時の被係合部と係合部の関係を示す、(a)側面図、(b)断面図。
図11】スリットが設けられていない従来のシール部材を用いた場合について説明するための図であり、(a)接続パイプの取り付け前、(b)接続パイプの取り付け途中、(c)接続パイプの取り付け完了後。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
[画像形成装置]
まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1において、画像形成装置100は、装置本体100aの上部に原稿読取装置103を有する。原稿101は、原稿台ガラス102の上に置かれる。そして、原稿101の画像情報に応じた光像を原稿読取装置103の複数のミラーMとレンズLnにより、像担持体としての円筒状の感光体である感光ドラム104上に結像させることにより静電潜像を形成する。この静電潜像は乾式の現像器(一成分現像器)201により現像剤(乾式粉体)としてのトナーを用いて可視化される。なお、本実施形態では、現像剤収容容器1(トナーカートリッジなどと呼ばれる)から補給すべき現像剤として一成分非磁性トナーを用いた例について説明するが、このような例だけではなく、後述するような構成としても構わない。
【0010】
具体的には、一成分非磁性トナーを用いて現像を行う一成分現像器を用いる場合、現像剤として一成分非磁性トナーを補給することになる。また、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤を用いて現像を行う二成分現像器を用いる場合、現像剤として非磁性トナーを補給することになる。なお、この場合、現像剤として非磁性トナーとともに磁性キャリアも併せて補給する構成としても構わない。
【0011】
図1に示す現像器201は、上述したように、原稿101の画像情報に基づいて感光ドラム104上に形成された静電潜像を、現像剤としてトナーを用いて現像するものである。また、現像器201には、現像剤補給システム200が接続されており、現像剤補給システム200は、現像剤収容容器1と、現像剤収容容器1が着脱可能な現像剤受け入れ装置8とを有する。
【0012】
現像器201は、現像剤ホッパ部201aの他に、現像ローラ201fが設けられている。この現像剤ホッパ部201aには、現像剤収容容器1から補給された現像剤を撹拌するための撹拌部材201cが設けられている。そして、この撹拌部材201cにより撹拌された現像剤は、搬送部材201dにより搬送部材201e側へと送られる。そして、搬送部材201e、201bにより順に搬送されてきた現像剤は、現像ローラ201fに担持され、最終的に感光ドラム104と対向する現像部へと供給される。本実施形態では、1成分現像剤を用いているため、現像剤収容容器1から現像剤としてのトナーを、現像器201へ補給する構成としているが、二成分現像剤を用いる場合、現像剤収容容器から現像剤としてのトナー及びキャリアを補給する構成としても構わない。
【0013】
カセット105~108は、それぞれシートなどの記録材Sを収容する。画像形成時には、これらカセット105~108のうち、画像形成装置の操作部100dから操作者(ユーザやサービスマン)が入力した情報もしくは原稿101のサイズを基に最適な記録材Sを収容したカセットが選択される。ここで記録材Sとしては用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜使用、選択できる。そして、給送分離装置105A~108Aにより搬送された1枚の記録材Sを、搬送部109を経由してレジストレーションローラ110まで搬送し、感光ドラム104の回転と、原稿読取装置103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。
【0014】
レジストレーションローラ110の記録材搬送方向下流側で、感光ドラム104と対向する位置には、転写帯電器111及び分離帯電器112が設けられている。レジストレーションローラ110により搬送された記録材Sは、転写帯電器111によって、感光ドラム104上に形成された現像剤による画像(トナー画像)が転写される。そして、トナー画像が転写された記録材Sは、分離帯電器112によって感光ドラム104から分離される。この後、搬送部113により搬送された記録材Sは、定着部114において熱と圧力が加えられ、記録材上にトナー像が定着される。その後、トナー像を定着した記録材Sは、片面コピーの場合には、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117へ排出される。
【0015】
他方、両面コピーの場合には、記録材Sは、排出反転部115を通り、一度、排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、記録材Sの終端が切換部材118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングで切換部材118の位置を切り換えると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、記録材Sは、再度、装置内へ搬送される。さらに、この後、記録材Sは、再給送搬送部119、120を経由してレジストレーションローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
【0016】
上記構成の画像形成装置100において、感光ドラム104の周りには現像器201、クリーナ部202、一次帯電器203等の画像形成プロセス機器が設置されている。なお、現像器201は、原稿読取装置103により読み取った原稿101の画像情報などに基づき感光ドラム104に形成された静電潜像に現像剤を付着させることにより、静電潜像を現像するものである。また、一次帯電器203は、感光ドラム104上に所望の静電潜像を形成するために感光ドラム表面を一様に帯電するためのものである。また、クリーナ部202は感光ドラム104に残留している現像剤を除去するためのものである。
【0017】
図2に示すように、画像形成装置100の装置本体100aの外装カバーの一部である交換用カバー40を操作者が開けると、後述する現像剤受け入れ装置8の一部が現れる。そして、この現像剤受け入れ装置8に現像剤収容容器1を挿入することで、現像剤収容容器1は、現像剤受け入れ装置8へ現像剤を排出可能な状態で現像剤受け入れ装置8に保持される。他方、操作者が現像剤収容容器1を交換する際は、装着動作とは逆の動作を行って現像剤受け入れ装置8から現像剤収容容器1を離脱した後に、新たな現像剤収容容器1を装着する。なお、交換用カバー40は、現像剤収容容器1を着脱(交換)するための専用カバーであって、現像剤収容容器1を着脱するためだけに開閉される。他方、画像形成装置100のメンテナンスは、前面カバー100cを開閉することにより行われる。ここで、交換用カバー40と前面カバー100cは一体であってもよく、その場合、現像剤収容容器1の交換や、画像形成装置100のメンテナンスは一体化されたカバー(不図示)を開閉することにより行われる。
【0018】
[現像剤受け入れ装置]
次に、現像剤受け入れ装置8について、図3(a)及び図3(b)を用いて説明する。図3(a)に示すように、現像剤受け入れ装置8には、現像剤収容容器1(後述の図4参照)が着脱自在に装着される装着部(装着スペース)8fが設けられている。装着部8fには、現像剤収容容器1を着脱方向に案内するための挿入ガイド8eが設けられている。本実施形態の場合、挿入ガイド8eは、現像剤収容容器1の装着方向が矢印A方向となるように、また現像剤収容容器1の離脱方向が装着方向と逆方向(矢印B方向)となるように構成されている。また、現像剤受け入れ装置8は、装着された現像剤収容容器1から排出された現像剤を受け入れる現像剤受け入れ部21を有している。
【0019】
現像剤受け入れ部21の底部には、現像剤収容容器1から受け入れた現像剤を排出するための現像剤排出口21aが形成されている。本実施形態の場合、現像剤排出口21aから排出される現像剤が現像器201(図1参照)に補給されるように、現像剤受け入れ装置8と現像器201とが接続パイプ15によって連結されている。即ち、接続パイプ15は、一端が現像剤受け入れ装置8に接続され、他端が現像器201に接続されて、現像剤受け入れ装置8から現像器201に向けて延びる現像剤の搬送路を形成する。接続パイプ15は、現像剤受け入れ部21に相対的にスライド移動可能に設けられている。例えば、接続パイプ15は、現像剤受け入れ部21に対し現像剤収容容器1の装着方向に交差する方向(矢印C方向、取り付け方向)から水平にスライド移動されることで、現像剤受け入れ部21に接続される。ここでは、図示を省略したが、現像剤受け入れ部21には接続パイプ15を係合するために、例えばレール状の係合部が設けられているのが好ましい。
【0020】
そして、接続パイプ15と現像剤受け入れ装置8(詳しくは現像剤受け入れ部21)との接続部には、図3(b)に示すように、接続部から現像剤が漏れないようにするために、可撓性を有するシール部材212が配設されている。本実施形態のシール部材212については、後述する。なお、以下では、接続パイプ15の取り付け方向を現像剤収容容器1の装着方向に交差する方向(矢印C方向)とした場合を例に説明するが、これに限らない。接続パイプ15の取り付け方向は、例えば現像剤収容容器1の装着方向(矢印A方向)と同じであってもよいし、あるいは現像剤収容容器1の離脱方向(矢印B方向)と同じであってもよい。
【0021】
また、現像剤受け入れ装置8には、現像剤収容容器1を確実に装着位置まで挿入させるために、引き込み部材12が設けられている。引き込み部材12は、現像剤受け入れ部21を挟んで装着部8fと反対側の装着方向下流側に、回動軸12aを中心にして回動可能に設けられている。引き込み部材12は、装着動作に伴い現像剤収容容器1を引っ掛けて回動することにより、現像剤収容容器1を装着位置に引き込むことができる。
【0022】
図3(b)に示すように、引き込み部材12は現像剤収容容器1を引っ掛けるために先端部12cが鉤爪状に形成され、また現像剤収容容器1を装着方向側に引き込む力を得るためにトグルバネ(不図示)により反時計回り方向(矢印E方向)に付勢されている。引き込み部材12は現像剤収容容器1によって装着方向に押され、引き込み部材12を回動させないためのロック(不図示)が解除された場合に、トグルバネの付勢力によって鉤爪状の先端部12cを上昇させるように回動し得る。この先端部12cに現像剤収容容器1が係合されることで、現像剤収容容器1は装着位置に引き込まれる。
【0023】
そして、現像剤受け入れ装置8は、図3(a)に示すように、現像剤収容容器1を駆動する駆動機構として機能する駆動ギア9を有している。この駆動ギア9は、駆動モータ500から不図示の駆動ギア列を介して回転駆動力が伝達され、装着部8fに装着された状態にある現像剤収容容器1に対し回転駆動力を付与する機能を有している。駆動モータ500は、制御部600によりその動作を制御される構成となっている。制御部600は、駆動モータ500の制御の他、画像形成装置100全体の制御を行う。このような制御部600は、図示を省略したが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
【0024】
[現像剤収容容器]
次に、現像剤収容容器1について、図3(a)を参照しながら図4乃至図5を用いて説明する。現像剤収容容器1は、図4に示すように、中空円筒状に形成されて内部に現像剤を収容する内部空間を備えた現像剤収容部2を有している。現像剤収容部2は、長手方向(回転軸線方向)の一端部が開口しており、回転することによって内部に収容されている現像剤が開口した一端部側に向けて搬送されるようになっている。また、現像剤収容容器1は、現像剤収容部2の一端部側が挿入され、現像剤受け入れ装置8(図3(a))に非回転に装着されるフランジ部4を有している。現像剤収容部2(詳しくは円筒部2k)は、このフランジ部4に対して相対回転可能に一端部が挿入されている。
【0025】
図5に示すように、フランジ部4には、円筒部2kから搬送されてきた現像剤を一時的に収容するための中空の現像剤排出室4cが設けられている。円筒部2kの内面には螺旋状に突出した搬送突起2cが設けられ、収容された現像剤を自らの回転に伴い現像剤排出室4cに向けて搬送できるようにしている。また、フランジ部4には、円筒部2kから搬送突起2cにより搬送されてきた現像剤を、現像剤排出室4cへと受け渡すための板状の搬送部材6が設けられている。この搬送部材6は、円筒部2kとともに一体的に回転する構成となっている。搬送部材6には、その両面に複数の傾斜リブ6aが設けられている。この構成により、搬送突起2cにより搬送されてきた現像剤は、円筒部2kの回転に連動して搬送部材6により鉛直方向下方から上方へと掻き上げられる。その後、円筒部2kの回転が進むに連れて、重力によって搬送部材6の表面上を滑り落ち、やがて傾斜リブ6aによって現像剤排出室4c側へと受け渡される。
【0026】
現像剤排出室4cの底部には、現像剤排出室4cから現像剤の排出を許容する排出口4aが形成されている。さらに、フランジ部4の底部には、排出口4aを開閉するためのシャッタ10が設けられている。シャッタ10は、現像剤収容容器1が現像剤受け入れ装置8に未装着状態で排出口4aを閉じ、現像剤収容容器1が現像剤受け入れ装置8に装着状態で排出口4aを開くようになっている。即ち、シャッタ10は、現像剤収容容器1の現像剤受け入れ装置8への挿抜動作に伴い排出口4aを開閉し得る。シャッタ10には、現像剤収容容器1の装着動作に伴い排出口4aと連通し、現像剤受け入れ装置8へ現像剤を補給するためのシャッタ排出口10aが形成されている。なお、現像剤収容容器1は現像剤受け入れ装置8への装着時、フランジ部4側を先頭に装着部8f(図3(a)参照)に挿入される。
【0027】
本実施形態では、フランジ部4の排出口4aから現像剤を安定的に排出させるために、現像剤収容容器1がポンプ部5を有している。ポンプ部5は、非回転にフランジ部4に取り付けられている。ポンプ部5は、現像剤収容部2の回転に伴い往復動作して、現像剤収容部2の内圧が大気圧よりも低い伸長状態と、現像剤収容部2の内圧が大気圧よりも高い圧縮状態とに交互に繰り返し切り替わるように、その容積が可変する樹脂製のポンプである。具体的には、伸縮部材によって「山折り」部と「谷折り」部とが周期的に交互に複数形成されている蛇腹状の容積可変型ポンプを採用している。
【0028】
このポンプ部5の伸縮動作により現像剤収容容器1内の圧力を変化させ、その圧力を利用して現像剤の排出を行っている。即ち、ポンプ部5を縮める際には現像剤収容容器1内が加圧状態となり、その圧力に押し出される形で現像剤が排出口4aから排出される。他方、ポンプ部5を伸ばす際には現像剤収容容器1内が減圧状態になり、外部から排出口4aを介してエアが取り込まれる。この取り込まれたエアにより排出口4a付近の現像剤が解れ、次の排出がスムーズに行われるようになっている。以上のような伸縮動作をポンプ部5が繰り返し行うことで現像剤の排出が行われる。
【0029】
そして、現像剤収容容器1には、図4に示すように、現像剤受け入れ装置8の駆動ギア9(図3(a)参照)と駆動連結可能なギア部2dが設けられている。このギア部2dは、円筒部2kと一体的に回転可能な構成となっている。駆動ギア9からギア部2dに入力された回転駆動力は、ポンプ部5を往復動作させる往復動部材(不図示)を介してポンプ部5へ伝達される。
【0030】
次に、接続パイプ15と現像剤受け入れ装置8(詳しくは現像剤受け入れ部21)との接続部に配設されるシール部材212の概要について、図6を用いて説明する。本実施形態の場合、シール部材212は現像剤受け入れ部21に予め接着されている。そして、シール部材212は現像剤受け入れ部21に接続パイプ15が取り付けられた状態で、現像剤受け入れ部21と接続パイプ15とにより圧縮力を受け、弾性的に圧縮された状態で配置される。シール部材212には、現像剤受け入れ部21の現像剤排出口21aと接続パイプ15の開口部15aとを連通する貫通孔212bが形成されている。ここでは、シール部材212は、貫通孔212bの内径が現像剤受け入れ部21の現像剤排出口21aの内径と等しくなるように形成され、且つ、貫通孔212bの面積が接続パイプ15の開口部15aの面積より小さくなるように、円状に形成されている。このように、シール部材212は、現像剤受け入れ装置8(詳しくは現像剤受け入れ部21)と接続パイプ15との接続部に配設され、現像剤排出口21a及び開口部15aの周囲を封止することで、接続部から現像剤が漏れるのを防止し得る。
【0031】
[従来のシール部材について]
ところで、従来のシール部材では、現像剤受け入れ装置8と接続パイプ15との接続部から現像剤が漏れることがあった。この点について、従来例を示す図11(a)乃至図11(c)を用いて説明する。図11(a)は接続パイプ15を現像剤受け入れ部21に取り付ける前、図11(b)は接続パイプ15の取り付け途中、図11(c)は接続パイプ15の取り付け完了後を示す。
【0032】
上述のように、現像剤受け入れ部21には予めシール部材212Aが接着されている。このシール部材212Aには、上記した貫通孔212bが形成されている。図11(a)に示すように、接続パイプ15を現像剤受け入れ部21に取り付けられる場合、接続パイプ15は矢印C方向に向けてスライド移動される。その時、シール部材212Aは接続パイプ15と現像剤受け入れ部21との間に挟まれて圧縮力を受けると共に、接続パイプ15の移動に伴ってせん断力を受ける。接続パイプ15の移動が進み、接続パイプ15とシール部材212との接触部が、図11(b)に示すように、貫通孔212bに差し掛かると、シール部材212Aにせん断力の影響が及び、シール部材212Aは一部が矢印C方向に引っ張られるように変形する。これにより、円状であった貫通孔212bが楕円状にゆがむ。
【0033】
そして、図11(c)に示すように、接続パイプ15の取り付けが完了しても、貫通孔212bは楕円状に変形した状態に維持される。貫通孔212bが楕円状に変形していると、現像剤受け入れ部21とシール部材212Aとの間に隙間が生じて(封止不良部212d)、現像剤の漏れが起こり得る。また、変形したシール部材212Aの一部は、現像剤受け入れ部21の現像剤排出口21aと接続パイプ15の開口部15aとの連通面積を狭くし(閉塞部212c)、現像剤の連通性を低下させる。このように、従来のシール部材212Aを用いた場合には、貫通孔212bが楕円状に変形した状態のまま現像剤受け入れ部21に接続パイプ15が取り付けられることから、シール部材212Aによる封止性が低く、現像剤が飛散する虞があった。また、変形したシール部材212Aにより連通性が低減され、現像剤を適切な量で補給することができなくなる虞があった。
【0034】
そこで、本実施形態では上記点に鑑み、シール部材212に上記の貫通孔212bの他に、接続パイプ15の移動に伴うシール部材212の変形を調整するためのスリットを形成している。以下、そうしたシール部材212について、図7(a)乃至図7(c)を用いて説明する。図7(a)は接続パイプ15を現像剤受け入れ部21に取り付ける前、図7(b)は接続パイプ15の取り付け途中、図7(c)は接続パイプ15の取り付け完了後を示す。
【0035】
図7(a)に示すように、本実施形態のシール部材212には、貫通孔212bとスリット212aとが設けられる。スリット212aは、貫通孔212bよりも接続パイプ15の取り付け方向(矢印C方向)の下流側に、貫通孔212bの円周の一部に沿って円弧状に形成されている。このスリット212aは、接続パイプ15の取り付け方向から見て、貫通孔212bと重なり合うように形成されている。円弧状に形成されたスリット212aの場合、その中心角βは適宜に設定される。円弧状のスリット212aの中心角βが大きいほど、スリット212aによる後述のシール部材212の変形調整に高い効果を得られやすい。ただし、スリット212aの中心角βが大きすぎると、シール部材212の強度が低下してしまい、接続パイプ15の取り付け時に、シール部材212を断裂させる虞がある。
【0036】
ここで、接続パイプ15が貫通孔212bに及ぼす引っ張りの力を回避可能な、スリット212aの長さは、接続パイプ15の取り付け方向(矢印C方向)に交差する幅方向において、貫通孔212bの中心Oを起点とする180度までの範囲である。それ故、貫通孔212bの中心Oを起点とする180度を上限に、スリット212aの幅方向の長さは設定されてよいが、シール部材212の強度を考慮すると、スリット212aの中心角βは180°よりも小さく設定される。また、中心角βの下限は、スリット212aと貫通孔212bとの間隔を考慮して設定される。即ち、スリット212aと貫通孔212bとの間隔に応じて、スリット212aが、例えば接続パイプ15の取り付け方向(矢印C方向)に延び、貫通孔212bの外周に接する2つの接線と少なくとも交わる長さに形成されるように、中心角βの下限は決まる。本実施形態の場合、貫通孔212bの大きさ(直径)に合わせて、スリット212aと貫通孔212bとの間隔及びスリット212aの長さが決められ、それに応じた中心角βが決められ、その中心角βは70°より大きく160°より小さい。なお、スリット212aはシール部材212を貫通させるように形成してもよいし、シール部材212を貫通させない溝状に形成してもよい。
【0037】
本実施形態のシール部材212を用いた場合でも、図7(a)に示すように、接続パイプ15を矢印C方向に向けて移動させると、シール部材212は現像剤受け入れ部21と接続パイプ15とによって、圧縮力とせん断力を受ける。接続パイプ15の移動が進み、接続パイプ15とシール部材212の接触部が、図7(b)に示すように、貫通孔212bに差し掛かると、シール部材212Aにせん断力の影響が及び、シール部材212Aは一部が矢印C方向に引っ張られるようにして変形する。そうなれば、上述のように、円状であった貫通孔212bが楕円状に変形し、現像剤受け入れ部21とシール部材212Aとの間に隙間が生じるし(封止不良部212d)、また現像剤排出口21aと開口部15aとの連通面積を狭くする(閉塞部212c)。
【0038】
ただし、本実施形態のシール部材212を用いた場合、図7(c)に示すように、接続パイプ15の取り付けが完了すると、貫通孔212bは楕円状に変形した状態から、変形前の円状に復元される。即ち、接続パイプ15の移動が更に進み、図7(c)に示す状態に至ると、スリット212aによってシール部材212の変形が緩和される。これは、スリット212aよりも取り付け方向上流側では、シール部材212にせん断力の影響が及ばなくなるからである。シール部材212にせん断力の影響が及ばなくなれば、シール部材212は自身の弾性力によって元の形状に戻る。他方、スリット212aの取り付け方向下流側では、シール部材212にせん断力の影響が及んだままであることから、スリット212aが取り付け方向上流側に拡がるようにして、シール部材212は一部が変形する。本実施形態の場合、接続パイプ15の取り付けが完了した状態で、スリット212aは接続パイプ15の開口部15aの内側に位置する。そのため、シール部材212のスリット212aより搬送方向上流側の部分では、接続パイプ15からの圧縮力とせん断力を受けない。
【0039】
以上のように、本実施形態では、現像剤受け入れ装置8と接続パイプ15との接続部に配設されるシール部材212に、現像剤受け入れ装置8から排出される現像剤を通過させる貫通孔212bの他に、スリット212aが形成されている。スリット212aは、接続パイプ15の取り付け方向に関し貫通孔212bの下流側に形成される。スリット212aを形成することで、接続パイプ15をスライド移動して現像剤受け入れ装置8に取り付ける際に貫通孔212bが変形されても、接続パイプ15の取り付け完了に伴い、変形された貫通孔212bを変形前の状態に復元する。これにより、貫通孔212bの形状が保たれて、シール部材212は現像剤受け入れ装置8と接続パイプ15との間に弾性的に圧縮された状態で適切に配設される。このように、本実施形態では、シール部材212の変形に伴う現像剤の排出不良や接続部からの現像剤漏れなどを、容易且つ安価に軽減できるようになる。
【0040】
<第二実施形態>
最近では、現像剤受け入れ装置8において、現像剤を受け入れる現像剤受け入れ部が変位自在に設けられた可動式のものが提案されている。そうした可動式の現像剤受け入れ部を有する現像剤受け入れ装置8について、図4及び図5を参照しながら図8(a)乃至図11(b)を用いて説明する。なお、第二実施形態の現像剤受け入れ装置8において上述した第一実施形態と同一の構成については同じ符号を付して、説明を簡略化又は省略する。
【0041】
図8(a)に示すように、現像剤受け入れ装置8の装着部8fには、現像剤収容容器1(図4参照)から排出された現像剤を受け入れるための可動式の現像剤受け入れ部11が設けられている。現像剤受け入れ部11は、現像剤収容容器1の装着動作時に現像剤収容容器1の排出口4a(図5参照)と接続され、排出口4aから排出される現像剤を受け入れる現像剤受入口11aを有する。現像剤受け入れ部11は、現像剤受入口11aが排出口4aに対して遠近動する方向に、本実施形態では現像剤受け入れ装置8に対して鉛直方向に移動可能に取り付けられている。そして、現像剤受け入れ部11は、現像剤受入口11aから受け入れた現像剤を排出する現像剤排出口11cを有している。
【0042】
図8(b)に示すように、現像剤受け入れ部11には、側面に中央側に向け突出した被係合部11bが設けられている。本実施形態の場合、この被係合部11bは、現像剤収容容器1に設けられた係合部30(図9(a)参照)と直接係合し、ガイドされることで、現像剤受け入れ部11が現像剤収容容器1へ向けて鉛直方向上方へ持ち上げられる。
【0043】
フランジ部3は、図9(a)乃至図9(c)に示すように、現像剤受け入れ部11の被係合部11b(図8(b)参照)と係合可能な係合部30を有している。係合部30は、現像剤収容容器1から現像剤受け入れ部11への現像剤補給が可能な互いが接続した状態となるように、現像剤収容容器1の装着動作に伴い、現像剤受け入れ部11を現像剤収容容器1に向けて移動させる。また、係合部30は、現像剤収容容器1の離脱動作に伴い、現像剤収容容器1と現像剤受け入れ部11との接続状態が断たれるように、現像剤受け入れ部11が現像剤収容容器1から離間する方向へ移動するようにガイドする。
【0044】
係合部30は、図9(a)乃至図10(a)に示すように、傾斜部3bと、平行部3cとを有する。傾斜部3bは、現像剤収容容器1の装着動作に伴い、現像剤受け入れ部11が現像剤収容容器1の排出口4aと接続した状態となるように、現像剤受け入れ部11を現像剤収容容器1に向けて移動させる。傾斜部3bは、現像剤収容容器1の装着動作に伴って、現像剤受け入れ部11の現像剤受入口11aが排出口4aと連通する方向に、係合した現像剤受け入れ部11の被係合部11bを案内するように傾斜した傾斜面を有する。
【0045】
平行部(係合面)3cは、傾斜部3bの装着方向上流端部と滑らかに連続し、装着方向(矢印A方向)と略平行に形成されている。このような平行部3cは、現像剤収容容器1の装着動作に伴い、排出口4aが現像剤受け入れ部11の現像剤受入口11aと連通した状態となるように、現像剤受け入れ部11の位置を維持させる。
【0046】
現像剤収容容器1の現像剤受け入れ装置8への装着動作時には、まず、図9(a)から図9(b)に示すように、係合部30の傾斜部3bの装着方向下流端部に、現像剤受け入れ部11の被係合部11bが接触する。そして、図8(c)に示すように、現像剤収容容器1の装着方向(矢印A方向)の移動に伴って、被係合部11bが傾斜部3bの形状に沿ってガイドされる。これにより、現像剤受け入れ部11は、鉛直方向上方、即ち現像剤収容容器1に近づく方向に移動する。さらに、現像剤収容容器1が挿入されると、図10(a)に示すように、被係合部11bが平行部3cに乗り上げて移動し、図10(b)に示すように、現像剤受入口11aが排出口4aと連通した状態となる。
【0047】
なお、第二実施形態の現像剤受け入れ装置8においても、現像剤収容容器1を確実に装着位置まで挿入させるために、引き込み部材12が設けられている。引き込み部材12は、装着動作に伴い現像剤収容容器1を引っ掛けて回動することにより、現像剤収容容器1を装着位置に引き込む。それに応じて、現像剤受け入れ部11が係合部30に従って現像剤収容容器1に向けて移動される。
【0048】
上記した可動式の現像剤受け入れ部11には、接続パイプ15が着脱自在に設けられる。上述した第一実施形態と同様に、第二実施形態の現像剤受け入れ装置8においても、接続パイプ15は、例えば現像剤受け入れ部11に対し現像剤収容容器1の装着方向に交差する方向から水平にスライド移動されることで、現像剤受け入れ部11に連結される。そして、接続パイプ15と現像剤受け入れ部11との接続部には、接続部から現像剤が漏れないようにするために、上述したシール部材212が配設されている。即ち、貫通孔212bとスリット212aとが設けられた本実施形態のシール部材212は(図7(a)参照)、上記した可動式の現像剤受け入れ部11を備えた現像剤受け入れ装置8にも適用できる。
【0049】
<他の実施形態>
なお、シール部材212は現像剤受け入れ部21に接着等により予め設けられている場合に限らず、接続パイプ15に接着等により予め設けられていてもよい。ただし、その場合には、現像剤受け入れ装置8の取り付け方向(接続パイプ15の取り付け方向と反対方向)に関し貫通孔212bの下流側に上記のスリット212aが形成されたシール部材212が用いられる。本実施形態では、スリット212aが現像剤受け入れ装置8と接続パイプ15のうち当該シール部材212が設けられていない一方の、当該シール部材212が設けられている他方に対する相対的な取り付け方向に関し、貫通孔212bの下流側に形成される。
【0050】
なお、上述の実施形態では、現像器201が現像剤収容容器1から補給された現像剤を一時的に溜めておくホッパを有する場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、現像器とは別にホッパを設けておき、ホッパから接続パイプ15を介し現像器へ現像剤を補給する構成であってもよい。あるいは、そうしたホッパを省き、現像剤受け入れ装置8から接続パイプ15を介し現像器へ直接的に現像剤を補給する構成としてもよい。なお、ホッパを省いた構成は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤を用いて現像を行う二成分現像器を用いる場合に採用されることが多い。
【符号の説明】
【0051】
1…収容容器、8…受け入れ装置(現像剤受け入れ装置)、8f…装着部、21…現像剤受け入れ部、15…接続パイプ、100…画像形成装置、104…像担持体(感光ドラム)、201…現像器、212…シール部材、212a…スリット、212b…貫通孔
図1
図2
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図11