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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】システム、サーバー装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/27 20190101AFI20240109BHJP
   G06F 15/00 20060101ALI20240109BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240109BHJP
【FI】
G06F16/27
G06F15/00 470
G06Q50/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020064199
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163209
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和山 弘
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106741(JP,A)
【文献】特開2014-228988(JP,A)
【文献】特開2020-021252(JP,A)
【文献】特開2005-038089(JP,A)
【文献】特開2003-296230(JP,A)
【文献】特開2019-040454(JP,A)
【文献】特開2019-061650(JP,A)
【文献】特開2018-136905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0313307(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
H04L 41/0213
G06F 15/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末と、前記クライアント端末にサービスを提供するサービス提供サーバーとを含むシステムであって、
前記システムは、
クライアント端末とサービス提供サーバーとを管理する中継サーバーと、
前記中継サーバーと前記サービス提供サーバーの間に構成されたデータ格納サーバーと、を含み、
前記中継サーバーは、
前記クライアント端末と、前記サービス提供サーバーが提供するサービスとを対応づける情報を管理する管理手段と、
前記管理手段により管理された前記情報に基づいて、前記クライアント端末から送信されたデータに対して、該クライアント端末に対応するサービスに関する情報を属性情報として付与する付与手段と、
前記付与手段により前記属性情報が付与されたデータを前記データ格納サーバーに送信する第1の送信手段と、を備え、
前記データ格納サーバーは、
前記第1の送信手段により送信された前記データを記憶領域に格納する格納手段、を備え、
前記サービス提供サーバーは、
前記属性情報を指定することで前記記憶領域に記憶されているデータから抽出された、該サービス提供サーバーが提供するサービスに対応するデータを取得する取得手段、を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記システムは、前記サービス提供サーバーとして、第1のサービス提供サーバーと第2のサービス提供サーバーを含み、
前記管理手段により管理される前記情報において、前記クライアント端末と、前記第1のサービス提供サーバーが提供する第1のサービスおよび前記第2のサービス提供サーバーが提供する第2のサービスとが対応づけられる場合、
前記付与手段は、前記クライアント端末から送信される第1のデータおよび第2のデータのそれぞれに対して、前記第1のサービスに関する情報および前記第2のサービスに関する情報を前記属性情報として付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のサービス提供サーバーが前記第2のデータを前記第1のサービスにおいて用いない場合であっても、前記付与手段は、前記第2のデータに対して、前記第1のサービスに関する情報を前記属性情報として付与することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記中継サーバーは、
前記クライアント端末からの要求に応じて、該クライアント端末の情報を登録する第1の登録手段、をさらに備え、
前記管理手段により管理される前記情報における前記クライアント端末は、前記第1の登録手段により該クライアント端末の情報が登録されたクライアント端末である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記中継サーバーは、
前記サービス提供サーバーからの要求に応じて、該サービス提供サーバーが提供するサービスと、該サービスに対応するクライアント端末とを登録する第2の登録手段、をさらに備え、
前記管理手段により管理される前記情報における前記サービス提供サーバーは、前記第2の登録手段により登録されたサービス提供サーバーである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記データ格納サーバーは、
前記第1の送信手段により送信された前記データが前記格納手段により前記記憶領域に格納された場合、該格納された領域に関する情報を前記サービス提供サーバーに送信する第2の送信手段、をさらに備え、
前記サービス提供サーバーは、前記格納された領域に関する情報に基づいて、該サービス提供サーバーが提供するサービスに対応するデータを前記記憶領域から取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記クライアント端末から送信された第1のデータは、前記記憶領域のうちの第1の領域に格納され、前記クライアント端末から送信された第2のデータは、前記記憶領域のうちの第2の領域に格納されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の送信手段は、前記第1の領域および前記第2の領域それぞれに対応づけられた前記サービス提供サーバーに、前記格納された領域に関する情報を送信することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の送信手段は、前記管理手段により管理された前記情報における前記サービス提供サーバーに、前記格納された領域に関する情報を送信することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の送信手段は、前記管理手段により管理された前記情報における複数のサービス提供サーバーすべてに、前記格納された領域に関する情報が送信されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のデータおよび前記第2のデータと異なる第3のデータが前記クライアント端末から送信された場合、追加された第3の記憶領域に格納されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記格納された領域に関する情報は、該領域に割り振られた識別子であり、前記識別子は、前記領域に格納されたデータを識別可能な情報であることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記サービス提供サーバーは、
前記識別子に基づいて、該識別子に対応する領域がデータの取得先であるか否かを判定する第1の判定手段、をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ格納サーバーは、
新規のサービス提供サーバーを検知した場合、前記識別子に基づいて、該識別子に対応する領域が、前記新規のサービス提供サーバーによるデータの取得先であるか否かを判定する第2の判定手段、をさらに備え、
前記第2の送信手段は、前記第2の判定手段により前記新規のサービス提供サーバーによるデータの取得先であると判定された領域の情報を、前記格納された領域に関する情報として、前記新規のサービス提供サーバーに送信する、
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記クライアント端末は、印刷装置であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
クライアント端末と、前記クライアント端末にサービスを提供するサービス提供サーバーと通信可能な中継サーバーであって、
前記クライアント端末と、前記サービス提供サーバーが提供するサービスとを対応づける情報を管理する管理手段と、
前記管理手段により管理された前記情報に基づいて、前記クライアント端末から送信されたデータに対して、該クライアント端末に対応するサービスに関する情報を、前記サービス提供サーバーが前記データを取得するための属性情報として付与する付与手段と、
前記付与手段により前記属性情報が付与されたデータを、前記中継サーバーと前記サービス提供サーバーとの間に構成されたデータ格納サーバーに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする中継サーバー。
【請求項17】
中継サーバーと、クライアント端末にサービスを提供するサービス提供サーバーと通信可能なデータ格納サーバーであって、
前記データ格納サーバーは、前記中継サーバーと前記サービス提供サーバーとの間に構成され、
前記データ格納サーバーは、
前記中継サーバーから、前記サービス提供サーバーによる取得に用いられる属性情報が付与されたデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記データを記憶領域に格納する格納手段と、を備え、
前記属性情報は、前記クライアント端末に対応し前記サービス提供サーバーにより提供されるサービスに関する情報である、
ことを特徴とするデータ格納サーバー。
【請求項18】
クライアント端末と、前記クライアント端末にサービスを提供するサービス提供サーバーとを含むシステムにおいて実行される方法であって、
前記システムは、
クライアント端末とサービス提供サーバーとを管理する中継サーバーと、
前記中継サーバーと前記サービス提供サーバーの間に構成されたデータ格納サーバーと、を含み、
前記中継サーバーにおいて、
前記クライアント端末と、前記サービス提供サーバーが提供するサービスとを対応づける情報を管理する管理工程と、
前記管理工程において管理された前記情報に基づいて、前記クライアント端末から送信されたデータに対して、該クライアント端末に対応するサービスに関する情報を属性情報として付与する付与工程と、
前記付与工程において前記属性情報が付与されたデータを前記データ格納サーバーに送信する第1の送信工程と、
前記データ格納サーバーにおいて、
前記第1の送信工程において送信された前記データを記憶領域に格納する格納工程と、
前記サービス提供サーバーにおいて、
前記属性情報を指定することで前記記憶領域に記憶されているデータから抽出された、該サービス提供サーバーが提供するサービスに対応するデータを取得する取得工程と、
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント端末にサービスを提供可能なサービス提供サーバーを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上に提供されるサービスが増加するに伴い、インターネット上に接続されるクライアント端末もますます増加している。サービスによっては、それらのクライアント端末を管理するために中継サーバーが設置され、中継サーバーを介してサービスが提供される。例えば、クライアント端末がインクジェット記録方式の印刷装置である場合、クラウドサービス上に提供されるサービス提供サーバーから中継サーバーを介してクライアント端末に印刷命令が送信され、印刷を行うサービスが提供される。それによって、ユーザーは、クラウドサービス上に保存された写真などを印刷装置により印刷することができる。このようなサービスをリアルタイムに実現するために、サービスを提供するサービス提供サーバーと、中継サーバーと、クライアント端末とがインターネット上で相互に通信可能に接続される。特許文献1には、中継サーバーとサービス提供サーバーとの間でデータの送受信を行なう構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017ー73167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サービス提供サーバーがクライアント端末のデータを取得する場合において、特許文献1では、中継サーバーの構成の変更を要する場合には、その変更によってシステムへ影響を及ぼしてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、クライアント端末のデータを取得するサービス提供サーバーが新規に追加される際に、中継サーバーの構成の変更によるシステムへの影響を抑えるシステム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るシステムは、クライアント端末と、前記クライアント端末にサービスを提供するサービス提供サーバーとを含むシステムであって、前記システムは、クライアント端末とサービス提供サーバーとを管理する中継サーバーと、前記中継サーバーと前記サービス提供サーバーの間に構成されたデータ格納サーバーと、を含み、前記中継サーバーは、前記クライアント端末と、前記サービス提供サーバーが提供するサービスとを対応づける情報を管理する管理手段と、前記管理手段により管理された前記情報に基づいて、前記クライアント端末から送信されたデータに対して、該クライアント端末に対応するサービスに関する情報を属性情報として付与する付与手段と、前記付与手段により前記属性情報が付与されたデータを前記データ格納サーバーに送信する第1の送信手段と、を備え、前記データ格納サーバーは、前記第1の送信手段により送信された前記データを記憶領域に格納する格納手段、を備え、前記サービス提供サーバーは、前記属性情報を指定することで前記記憶領域に記憶されているデータから抽出された、該サービス提供サーバーが提供するサービスに対応するデータを取得する取得手段、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クライアント端末のデータを取得するサービス提供サーバーが新規に追加される際に、中継サーバーの構成の変更によるシステムへの影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サービス提供システムの構成を示す図である。
図2】中継サーバーへの登録処理を示すシーケンス図である。
図3】中継サーバーのデータベースに格納されたデータを示す図である。
図4】データ格納サーバーへのデータの送信を説明するための図である。
図5】データ格納サーバーへのデータの送信を説明するための図である。
図6】データ格納サーバーへのデータの送信に係る処理のシーケンス図である。
図7】サービス提供サーバーによるデータ取得を説明するための図である。
図8】サービス提供サーバーによるデータ取得を説明するための図である。
図9】データ格納サーバーのデータ格納領域の構成を示す図である。
図10】データ格納領域の追加に係る処理のシーケンス図である。
図11】サービス提供サーバの追加に係る処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態におけるサービス提供システムの構成を示す図である。本実施形態におけるサービス提供システム(以下、システム)は、クライアント端末100、中継サーバー200、サービス提供サーバーA300、サービス提供サーバーB400、データ格納サーバー500を含む。クライアント端末100が中継サーバー200に対して自装置の登録処理を行うことで、クライアント端末100のユーザーは、サービス提供サーバーA300、サービス提供サーバーB400が提供する各サービスを享受可能である。サービス提供サーバーA300、サービス提供サーバーB400は、クライアント端末100に対して各サービスを提供可能にするための、サービスの登録処理を中継サーバー200に対して行う。
【0011】
本実施形態では、データ格納サーバー500が、中継サーバー200と各サービス提供サーバーとの間に構成される。データ格納サーバー500は、中継サーバー200から送信される情報を格納可能な記憶領域として、第1のデータ格納領域508、第2のデータ格納領域509、第3のデータ格納領域510を備える。
【0012】
クライアント端末100は、中継サーバー200に対してクライアント端末100内に保存されているデータを送信する。中継サーバー200は、その送信されたデータに対して、属性情報を付与する。ここで、属性情報とは、クライアント端末100が登録されているサービスに関する情報である。中継サーバー200は、データ格納サーバー500内の第1のデータ格納領域508、第2の格納領域509、第3のデータ格納領域510のいずれか、もしくは複数の領域をデータ格納先として決定し、データ格納サーバー500に送信する。データ格納サーバー500は、その送信されたデータを、該当するデータ格納領域に格納する。その後、サービス提供サーバーA300、サービス提供サーバーB400は、中継サーバー200を介することなく、各サービスに用いるデータを、データ格納サーバー500内のデータ格納領域と属性情報を指定することにより取得する。
【0013】
例えば、データ通信インタフェースの異なる新規のサービス提供サーバーが追加された場合、中継サーバー200のデータ通信インタフェースの構成の変更を要することがあり得る。その場合には、サービス提供サーバーの追加前のシステム構成への影響が大きくなってしまう。本実施形態では、中継サーバー200とは別に、データ格納サーバー500を構成することにより、新規のサービス提供サーバーが追加された場合であっても、サービス提供サーバーの追加前のシステム構成への影響が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0014】
クライアント端末100は、ユーザーが利用する端末を示し、例えば、印刷機能やスキャン機能を有するインクジェット記録装置(印刷装置)である。中継サーバー200は、クライアント端末100と相互に通信可能に接続され、クライアント端末100との間で各種情報の送受信が可能な装置である。サービス提供サーバーA300は、クライアント端末100のユーザーにサービスを提供可能な装置である。例えば、クライアント端末100がインクジェット記録装置であれば、印刷した枚数に応じてポイントが付与されるサービスや、クライアント端末100内のインク残量が枯渇しそうになればその旨を検知して自動的に発注が行われるサービスが提供される。また、例えば、ネットワーク上に保存されているデータを印刷するサービス、クライアント端末100によってスキャンされたデータをネットワークを介してクラウド上に保存するサービス、また、一定金額をサービス提供者に支払うことでインクを一定期間無制限に利用可能となるサービスなどが提供される。サービス提供サーバーB400は、サービス提供サーバーA300とは異なるサービスを提供する装置として示されている。
【0015】
データ格納サーバー500は、中継サーバー200とサービス提供サーバーA300の間、中継サーバー200とサービス提供サーバーB400の間に位置するよう構成される。データ格納サーバー500は、中継サーバー200から送信されたデータを保存し、サービス提供サーバーA300とサービス提供サーバーB400からの要求により、各サービス提供サーバーへデータを提供可能である。
【0016】
図1の各装置の構成について説明する。クライアント端末100は、通信モジュール109、表示装置101、入力装置102、出力装置103、ROM104、RAM106、CPU107、記憶装置108を含む。表示装置101は、ユーザーがクライアント端末100に入力した結果や、ある処理を実行した結果などを表示する。例えば、クライアント端末100を中継サーバー200に登録するためのユーザーインタフェース画面が表示され、その設定内容を受付可能である。入力装置102は、ユーザーからの指示等を受付け、出力装置103は、入力装置102によって入力された指示等に基づいて成果物を出力する。ここで、成果物とは、例えば印刷物である。
【0017】
ROM104には、クライアント端末100が実行すべきプログラムコードが記憶されており、必要に応じて、RAM106にロードされ実行される。例えば、プログラムコードには、通信モジュール109、表示装置101、入力装置102、出力装置103、RAM106を制御する制御プログラム105が含まれる。CPU107は、クライアント端末100を統括的に制御する演算処理装置である。記憶装置108は、データを記憶する装置であり、CPU107によってデータの書込み/読出しが実行される。記憶装置108内には、端末情報格納領域120が構成されており、クライアント端末100に固有の情報が記憶されている。上記の各ブロックは、内部バス110によって相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0018】
本実施形態におけるクライアント端末100の動作は、例えば、CPU107が制御プログラム105をRAM106にロードして実行することにより実現される。例えば、クライアント端末100がインクジェット記録装置であれば、表示装置101は、用紙サイズの設定、カラー印刷/モノクロ印刷の設定を受け付けるためのユーザーインタフェース画面を表示する。そして、入力装置102がユーザーからの印刷設定および印刷指示の入力を受け付けると、出力装置103は、印刷設定に基づいて印刷物を出力する。
【0019】
制御プログラム105には、中継サーバー200に送信するデータを作成するためのプログラムを含んでも良い。例えば、制御プログラム105は、印刷枚数をカウントするプログラムや、インク残量を検知するプログラム、インクが特定のサービス専用に作成されたものであるかを判定するプログラムを含む。また、端末情報格納領域120には、クライアント端末100の固有の情報として、シリアル番号、機種名、これまで印刷された総枚数、インクの消費量、インクの型番、記録ヘッドのクリーニング日時、回数、ネットワーク情報などが記憶されている。
【0020】
中継サーバー200は、通信モジュール207、ROM202、RAM203、CPU204、記憶装置205を含む。CPU204は、中継サーバー200を統括的に制御する。記憶装置205には、制御プログラム206が記憶されている。本実施形態における中継サーバー200の動作は、例えば、CPU204が制御プログラム206をRAM203にロードして実行することにより実現される。また、中継サーバー200は、データベース210を有し、データベース210には、ユーザー情報や、サービス提供に関する情報が記憶されている。中継サーバー200は、サービス提供システムにおいてクライアント端末100と各サービス提供サーバーを管理する。そのため、ユーザー情報やサービス提供に関する情報として、例えば、クライアント端末100の情報や各サービス提供サーバーの情報がデータベース210上で管理される。上記の各ブロックは、内部バス301によって相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0021】
サービス提供サーバーA300は、通信モジュール307、ROM302、RAM303、CPU304、記憶装置305を含む。CPU304は、サービス提供サーバーA300を統括的に制御する。記憶装置305には、制御プログラム306が記憶されている。本実施形態におけるサービス提供サーバーA300の動作は、例えば、CPU304が制御プログラム306をRAM303にロードして実行することにより実現される。上記の各グロックは、内部バス301によって相互にデータ送受信可能に接続されている。サービス提供サーバーB400は、サービス提供サーバーA300と同様に構成され、通信モジュール407、ROM402、RAM403、CPU404、記憶装置405を含む。CPU404は、サービス提供サーバーB400を統括的に制御する。記憶装置405には、制御プログラム406が記憶されている。本実施形態におけるサービス提供サーバーB400の動作は、例えば、CPU404が制御プログラム406をRAM403にロードして実行することにより実現される。上記の各ブロックは、内部バス401によって相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0022】
データ格納サーバー500は、通信モジュール507、ROM502、RAM503、CPU504、記憶装置505を含む。CPU504は、データ格納サーバー500を統括的に制御する。記憶装置505には、制御プログラム506が記憶されている。本実施形態におけるデータ格納サーバー500の動作は、例えば、CPU504が制御プログラム506をRAM503にロードして実行することにより実現される。また、本実施形態では、中継サーバー200から送信されたデータを格納するために、記憶装置505内に、第1のデータ格納領域508、第2のデータ格納領域509、第3のデータ格納領域510が構成されている。
【0023】
図1のネットワーク600は、データ送受信が可能な通信ネットワークである。ネットワーク600は、例えば、インターネット等のLAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ATMやフレームリレー回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等のいずれか、または、これらの組み合わせにより実現される。
【0024】
図1において、クライアント端末100は、複数構成されても良い。また、その複数のクライアント端末100は、同一の構成であっても良いし、異なる構成であっても良い。図1では、中継サーバー200は単独の装置で示されているが、複数の装置で構成されても良い。また、中継サーバー200が複数の装置で構成される場合、中継サーバー200が複数の機能を有するようにしても良い。また、図1では、サービス提供サーバーA300とサービス提供サーバーBの2つが示されているが、サービス提供サーバーは1つでも良いし、3以上であっても良い。また、複数のサービス提供サーバーが構成される場合に、それらが同様のサービスを提供するものでも良いし、それぞれが異なるサービスを提供するものでも良い。また、図1では、データ格納サーバー500は、単独の装置で示されているが、複数の装置で構成されても良い。
【0025】
図2は、クライアント端末100とサービス提供サーバーA300及びサービス提供サーバーB400が、中継サーバー200に登録する処理を示すシーケンス図である。クライアント端末100は、中継サーバー200に対して自装置の登録を行う。また、サービス提供サーバーA300及びサービス提供サーバーB400は、指定されたクライアント端末100に対して提供可能なサービスを中継サーバー200に登録する。図3は、中継サーバー200のデータベース210に格納されたデータの一例を示す図である。以下、図3を参照しながら、図2を説明する。
【0026】
クライアント端末100にインストールされたアプリケーション130は、中継サーバー200に対して登録処理を要求する(S101)。登録処理の要求を受けた中継サーバー200のアプリケーション220は、一意のID(以下、UUID)をキーとして、クライアント端末100を識別するID(以下、端末ID)を属性値に持つレコードを生成する(S102)。その際、図3のクライアント端末登録テーブル213に示すように、属性値には、端末の詳細な情報(端末情報)や登録日時などが含まれても良い。
【0027】
サービス提供サーバーA300内のアプリケーション310は、中継サーバー200に対して、サービスとそのサービスの提供を享受可能な端末IDの登録処理を要求する(S103)。中継サーバー200のデータベース210では、サービスマスターテーブル211において、各サービスごとに一意のUUIDをキーとして、各サービスを識別するID(以下、サービスID)が予め設定されている。サービス提供サーバーA300からの登録処理の要求によって、中継サーバー200のアプリケーション220は、一意のUUIDをキーとして、各サービスのサービスID、端末IDを属性値に持つレコードを生成する(S104)。その際、図3のサービス登録テーブル212に示すように、属性値には、登録日時などが含まれても良い。
【0028】
次に、中継サーバー200のアプリケーション220は、S104で登録された端末IDが、クライアント端末登録テーブル213の端末IDと一致しているレコードを探索する。ここで、同じ端末IDのレコードが発見された場合、アプリケーション220は、端末IDとサービスの紐付けが完了したものとして、新たなUUIDをキーとして、その端末IDとサービスIDを属性値に持つレコードを生成する(S105)。その際、図3のクライアント端末-サービス紐付けテーブル214に示すように、属性値には、登録日時など他の情報が含まれても良い。一方、同じ端末IDのレコードが発見されない場合、再び、S101でのクライアント端末100からの登録処理の要求を待機する。
【0029】
端末IDとサービスの紐付けの登録が完了すると、中継サーバー200のアプリケーション220は、クライアント端末100に対してクライアント端末100がサービス提供サーバーA300のサービスAを受ける準備が完了したことを通知する(S106)。その際、サービス提供サーバーA300のサービスAの利用に必要な情報を合わせて通知しても良い。例えば、サービスにログインするために必要なユーザーIDやパスワードが通知されても良い。クライアント端末100のアプリケーション130は、S106で通知された情報を情報格納領域120に格納する(S107)。
【0030】
サービス提供サーバーB400のサービスBに関しても、S103~S107と同様に行われる。
【0031】
サービス提供サーバーB400内のアプリケーション410は、中継サーバー200に対して、サービスとそのサービスの提供を享受可能な端末IDの登録処理を要求する(S108)。サービス提供サーバーB400からの登録処理の要求によって、中継サーバー200のアプリケーション220は、一意のUUIDをキーとして、各サービスのサービスID、端末IDを属性値に持つレコードを生成する(S109)。その際、図3のサービス登録テーブル212に示すように、属性値には、登録日時などが含まれても良い。
【0032】
次に、中継サーバー200のアプリケーション220は、S109で登録された端末IDが、クライアント端末登録テーブル213の端末IDと一致しているレコードを探索する。ここで、同じ端末IDのレコードが発見された場合、アプリケーション220は、端末IDとサービスの紐付けが完了したものとして、新たなUUIDをキーとして、その端末IDとサービスIDを属性値に持つレコードを生成する(S110)。その際、図3のクライアント端末-サービス紐付けテーブル214に示すように、属性値には、登録日時など他の情報が含まれても良い。一方、同じ端末IDのレコードが発見されない場合、再び、S101でのクライアント端末100からの登録処理の要求を待機する。
【0033】
端末IDとサービスの紐付けの登録が完了すると、中継サーバー200のアプリケーション220は、クライアント端末100に対してクライアント端末100がサービス提供サーバーB400のサービスBを受ける準備が完了したことを通知する(S111)。その際、サービス提供サーバーB400のサービスBの利用に必要な情報を合わせて通知しても良い。例えば、サービスにログインするために必要なユーザーIDやパスワードが通知されても良い。クライアント端末100のアプリケーション130は、S111で通知された情報を情報格納領域120に格納する(S112)。
【0034】
図2では、クライアント端末100が最初に中継サーバー200に対して自装置の登録を行い、その後、各サービス提供サーバーがクライアント端末100に対してサービスを登録するフローを説明した。しかしながら、これらの登録の順番は逆であっても良い。また、クライアント端末100の登録処理、各サービス提供サーバーのサービス登録処理を実現可能であるならば、上述の構成に限られない。例えば、サービス提供サーバーA300が中継サーバー200に登録処理を行うために、不図示の別のサーバーを介して登録処理を行うようにしても良い。
【0035】
上記のように、中継サーバー200内のデータベース210のクライアント端末-サービス紐づけテーブル214には、クライアント端末100が登録されているサービスの一覧が格納される。その結果、クライアント端末100のユーザーは、対応するサービスの享受が可能となる。
【0036】
以下、図4を参照しながら、データ格納サーバー500へのデータ格納処理を説明する。ここで、クライアント100に対応するサービスとしてサービス提供サーバーA300のサービスAがクライアント端末-サービス紐づけテーブル214に登録されているとする。図2に示すサービス提供サーバーA300のサービスAの登録フローが終了した後、クライアント端末100は、中継サーバー200へ複数のデータを送信する。例えば、データA1001とデータB1002が送信データ1000として、中継サーバー200へ送信される。そして、中継サーバー200は、複数のデータそれぞれに対して、属性情報とデータ格納サーバー500内でのデータ格納先(データ格納領域)の情報を付与し、データ格納サーバー500へ送信する。例えば、データA1001に「属性A」と「第1のデータ格納領域」の情報が付与されたデータA1003が中継サーバー200からデータ格納サーバー500へ送信される。また、データB1002に「属性A」と「第3のデータ格納領域」の情報が付与されたデータB1004が中継サーバー200からデータ格納サーバー500へ送信される。「属性A」が付与されるのは、クライアント端末100が登録されているサービスとしてサービス提供サーバーA300のサービスAが登録されているからであり、クライアント端末100から送信されるデータにはすべて「属性A」が付与される。また、データ格納領域の情報は、例えば、データの種類に応じて予め定められた格納先が設定される。データ格納サーバー500は、付与されたデータ格納先の情報に従って、データをデータ格納領域に格納する。例えば、データ格納サーバー500は、データA1003を「第1のデータ格納領域」に従って第1のデータ格納領域508に格納し、データB1004を「第3のデータ格納領域」に従って第3のデータ格納領域510に格納する。その後、サービス提供サーバーA300は、データ格納サーバー500からデータ格納領域の通知を受けるので、例えば、サービスAを表す「属性A」を指定する。この指定を受けて、データ格納サーバー500は、第1のデータ格納領域に含まれているデータから、「属性A」が付与されている情報を抽出する(フィルタリングを行う)。即ち、サービス提供サーバーA300は、属性情報「属性A」を指定することによって、データ格納サーバー500の第1のデータ格納領域からデータA1005を取得することができる。
【0037】
なお、上述の属性情報として、中継サーバー200は種々の属性値を付与することができる。例えば、以下のような情報である。
【0038】
1.クライアント端末(プリンタ等)から取得したデータの種類によって変更される属性値。例えば、印刷枚数とインク残量で異なる属性値が付与される。
【0039】
2.データを送信したプリンタによって変更される属性値。例えばデータを送信したプリンタがプリンタAである場合とプリンタBである場合で異なる属性値が付与される。この場合、中継サーバー200は、クライアント端末登録テーブル213を参照する。
【0040】
3.データを送信したプリンタに対応するサービスによって変更する属性値。例えば、クライアント端末―サービス紐づけテーブル214において、同一端末IDに異なるサービスA、サービスBのサービスIDが紐づけられているとする。この場合、当該プリンタから取得されたインク残量でも、サービスA用のインク残量とサービスB用のインク残量で異なる属性値が付与される。
【0041】
4.上記1.~3.の組み合わせにより変更される属性値。例えば、データを送信するプリンタ、当該データの種類、当該プリンタに紐づいているサービスの種類、の組み合わせにより一意の属性値が付与される。
【0042】
また、サービス提供サーバーは上記1.~4.の属性値を指定することで、所望のデータがデータ格納サーバー500により抽出され、その所望のデータを取得することができる。例えば、上記1.のように属性値がデータの種類によって異なる場合、サービス提供サーバーは、自身が必要なデータの種類に応じた属性値を指定する。また、例えば、上記2.のように属性値がプリンタの種類によって異なる場合、サービス提供サーバーは、自身がサービスを提供するプリンタに応じた属性値を指定する。
【0043】
さらに、例えば、上記3.のように属性値がサービスの種類によって異なる場合、サービス提供サーバーは、自身が提供するサービスに応じた属性値を指定する。この場合、サービスサーバーは、固定的な属性値を指定する。
【0044】
また、例えば上記4.の場合、サービス提供サーバーは、例えば自身が提供するサービスおよび所望のデータ種類に応じた属性値を指定する。
【0045】
図5のデータ1001、データ1002は、クライアント端末100から中継サーバー200へ送信されるデータの一例を示しており、図4のデータA1001、データB1002に対応している。また、図5のデータ1003、データ1004は、中継サーバー200からデータ格納サーバー500へ送信されるデータの一例を示しており、図4のデータA1003、データB1004に対応している。図5では、クライアント端末100がインクジェット記録装置である場合のデータを示している。例えば、データ1001は、クライアント端末100によって所定期間、印刷された印刷枚数に関するデータであり、印刷枚数に応じてポイントを付与するサービスに用いられる。図5に示すように、データ1001は、印刷された用紙のタイプ、用紙サイズ、その際のインクの消費量、インクの個体情報、クリーニング回数、印刷装置の固有の情報などが含まれていても良い。また、例えば、データ1002は、インクの残量情報を示すデータであり、インク残量が枯渇しそうな状況を検知してインクを自動的に発注するサービスに用いられる。図5に示すように、データ1002では、インクの残量が色ごとに、ブラックがLow、マゼンダ、イエロー、シアンがFullとして示されている。データ1001及び1002には、図5に示す以外の情報が含まれていても良い。
【0046】
データ1003に示されるように、データ1001に対して、データ格納領域の情報として「第1のデータ格納領域」、属性情報として「属性A」が付与される。また、他の情報が付与されても良く、例えば、データ受信日の情報が付与されても良い。また、データ1004に示されるように、データ1002に対して、データ格納領域の情報として「第3のデータ格納領域」、属性情報として「属性A」が付与される。また、他の情報が付与されても良く、例えば、データ受信日の情報が付与されても良い。
【0047】
ここで、サービス提供サーバーA300は、印刷枚数に応じてポイントを付与するサービスを提供するサーバーである。従って、図4に示すように、サービス提供サーバーA300は、自サービスに必要なデータを取得するため、サービスAを表す「属性A」を指定することによって、データ格納サーバー500の第1のデータ格納領域からデータA1005を取得する。なお、本実施形態では、上述したように、サービス提供サーバーA300が自サービスには必要のないデータB1002にも、サービス提供サーバーA300のサービスAに対応する「属性A」が付与される。この場合の効果については後述する。
【0048】
図6は、データの送信に係る処理を示すシーケンス図である。以下、図4図6を参照しながら、サービス提供サーバーA300のサービスAが登録された後、サービス提供サーバーA300がデータ格納サーバー500からデータを取得するまでの動作を説明する。
【0049】
図6に示すように、クライアント端末100のアプリケーション130は、送信データ1000(データA1001、データB1002)を中継サーバー200へ送信する(S201)。ここでは、送信データ1000は、データA1001、データB1002を表す。これらのデータを送信するための通信プロトコルは、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)でも良い。また、例えば、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)やXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)でも良い。中継サーバー200の送信先のURL(Uniform Resource Locator)はデータ毎に異なっていても良いし、同じでも良い。
【0050】
中継サーバー200のアプリケーション220は、データA1001、データB1002を受信すると、データベース210へ格納する(S202)。アプリケーション202は、クライアント端末100に対して少なくとも1つのサービスが登録されている場合、受信した全てのデータに対して属性情報を付与し(S203)、データ格納サーバー500に送信する(S204)。アプリケーション202は、複数のデータの中継サーバー200への送信先が異なっていた場合、各送信先に応じて、データ格納サーバー500のどのデータ格納領域にデータを送信するかを決定しても良い。例えば、データA1001の送信先が中継サーバー200のURL_A、データB1002の送信先が中継サーバー200のURL_Bと設定されていた場合、データA1001は、第1のデータ格納領域508へ送信され、データB1002は、第3のデータ格納領域510へ送信されるようにしても良い。その際、URLは、データの種類に応じて予め定められるようにしても良い。
【0051】
本実施形態では、クライアント端末100が登録されているサービスに紐づく全ての属性情報が付与される。例えば、クライアント端末100に登録されているサービスがサービス提供サーバーA300のサービスAの場合、データA1003、データB1004に示すように「属性A」が付与される。既に述べたように、中継サーバー200内のデータベース210のクライアント端末-サービス紐づけテーブル214には、クライアント端末100が登録されているサービス一覧が格納されている。中継サーバー200は、そのテーブルを参照して属性情報を付与する。例えば、サービス提供サーバーA300のサービスAがサービス登録テーブル212に既に登録されている場合、そのサービスIDと端末IDが対とされたレコードがクライアント端末-サービス紐づけテーブル214に格納されている。中継サーバー200は、そのレコードを参照し、クライアント端末100がサービス提供サーバーA300のサービスAに登録されていることを認識する。
【0052】
付与される属性情報として、サービス名やサービスの内容を表す用語が用いられても良い。例えば、サービス提供サーバーA300のサービスAは印刷枚数に応じてポイントを付与するサービスであるので、「属性A」の代わりに「プリントログ」などと設定されるようにしても良い。また、例えば、インク残量が枯渇しそうな状況を検知してインクを自動的に発注するサービスであれば、「自動発注サービス」などのサービス名が設定されても良い。
【0053】
データ格納サーバー500のアプリケーション520は、中継サーバー200からデータ(データA1003、データB1004)を受信すると、指定されたデータ格納領域へデータを格納する(S205)。例えば、アプリケーション520は、データA1003を「第1のデータ格納領域」に従って、第1のデータ格納領域508に格納し、データB1004を「第3のデータ格納領域」に従って、第3のデータ格納領域510に格納する。
【0054】
次に、データ格納サーバー500のアプリケーション520は、データを格納した旨を、格納先のデータ格納領域に応じて、サービス提供サーバーへ通知する(S206)。その際、通知先のサービス提供サーバーは、データ格納領域に対して予め定められたサービス提供サーバーへ通知しても良いし、全てのサービス提供サーバーへ通知しても良い。例えば、第1のデータ格納領域508にデータが格納されると、サービス提供サーバーA300へ通知するように設定されても良い。ここでは、第1のデータ格納領域508にデータが格納されると、サービス提供サーバーA300に通知するように設定されている。
【0055】
データ格納サーバー500から通知を受けたサービス提供サーバーは、属性情報を指定することによってデータ格納サーバー500のデータ格納領域からデータを取得する(S207)。例えば、サービス提供サーバーA300は、第1のデータ格納領域508にデータが格納された旨の通知を受信すると、属性情報、例えば「属性A」を指定することにより、第1のデータ格納領域508からデータを取得する。この属性情報の指定は、各サービス提供サーバーに対応する属性情報のみを指定することにより行われる。また、「属性A」の代わりに「プリントログ」と設定されている場合には、サービス提供サーバーA300は、「プリントログ」を指定することにより、第1のデータ格納領域508からデータを取得する。
【0056】
次に、図7を参照しながら、サービス提供サーバーA300がサービス拡張のため、データB1004を取得するケースを説明する。つまり、サービス提供サーバーA300がサービスAとサービスBを提供可能にサービス拡張したケースを想定する。図7は、サービス提供サーバーA300が第3のデータ格納領域510から、属性情報を指定することによってデータを取得することを示す図である。
【0057】
ここで、データB1004は、データ格納サーバー500の第3のデータ格納領域510に既に格納されている。そこで、サービス提供サーバーA300は、属性情報として「属性A」を指定することにより、データ格納サーバー500の第3のデータ格納領域510からデータを取得する。上述したように、中継サーバー200は、クライアント端末100から受信したすべてのデータ(データA1001、データB1002)に対して、クライアント端末100が登録されているサービスの属性情報を付与している。つまり、サービス提供サーバーA300は、サービスAに用いるため、データA1005をデータ格納サーバー500の第1のデータ格納領域508から取得する。そして、サービス拡張後、サービスBに用いるため、中継サーバー200を介することなく、データB1006をデータ格納サーバー500の第3のデータ格納510から取得する。このような構成により、サービス提供サーバーA300のサービス拡張時においても、サービス提供サーバーA300が提供可能になったサービス用のデータをサービス提供サーバーA300に提供するために、中継サーバー200の構成を変更する必要はない。そのため、中継サーバー200の構成の変更によってシステムへの影響が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0058】
次に、図8を参照しながら、新規サービス提供サーバーB400のサービスBがクライアント端末100について登録され、サービス提供サーバーB400が第3のデータ格納領域510からデータB1004を取得するケースを説明する。図8は、サービス提供サーバーA300が第1のデータ格納領域508から、また、サービス提供サーバーB400が第3のデータ格納領域510から、属性情報を指定することによってデータを取得することを示す図である。
【0059】
既に述べたように、中継サーバー200は、クライアント端末100に対して少なくとも1つのサービスが登録された場合、クライアント端末100から送信される全てのデータをデータ格納サーバー500に送信する。サービス提供サーバーB400のサービスBが登録された状態であれば、中継サーバー200は、データA1001とデータB1002それぞれに対して、サービスA及びサービスBに対応する「属性A」及び「属性B」を属性情報として付与する。つまり、中継サーバー200は、データB1002に対して「属性A」及び「属性B」の属性情報を付与して、第3のデータ格納領域510に送信する。
【0060】
サービス提供サーバーA300が印刷枚数に応じてポイントを付与するサービスを提供するサーバーであり、サービス提供サーバーB400がインク残量が枯渇しそうな状況を検知してインクを自動的に発注するサービスを提供するサーバーであるとする。そして、それら2つのサービスが既に中継サーバー200に登録されている場合、クライアント端末-サービス紐づけテーブル214には、2つのサービスそれぞれのサービスIDと端末IDとがレコードとして登録されている。中継サーバー200は、そのレコードを参照し、属性情報を付与する。ここでは、クライアント端末100には2つのサービスが登録されているので、付与される属性情報は「属性A」と「属性B」である。若しくは、「属性A」の代わりに「プリントログ」、「属性B」の代わりに「自動発注サービス」という属性情報が付与されても良い。
【0061】
サービス提供サーバーB400は、中継サーバー200を介することなく、サービスBと対応する属性情報「属性B」を指定することによって、データ格納サーバー500の第3のデータ格納領域510からデータを取得する。その結果、サービス提供サーバーB400は、クライアント端末100のデータB1002をサービスに用いることができる。
【0062】
このような構成により、新規サービス提供サーバーB400のサービスBがクライアント端末100について登録された場合においても、新規サービス提供サーバーB400にクライアント端末100のデータを提供するために、中継サーバー200の構成を変更する必要はない。そのため、中継サーバー200の構成の変更によってシステムへの影響が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0063】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について第1実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、データ格納サーバー500に新規データ格納領域が追加された場合について図9図10を参照しながら説明する。
【0064】
本実施形態では、データ格納サーバー500のアプリケーション520は、各データ格納領域に一意の識別子(識別情報)を割り振る。図9に示すように、例えば、第1のデータ格納領域508が印刷枚数に関するデータの格納領域である場合、アプリケーション520は、識別子512として「印刷ログ」を割り振る。また、第2のデータ格納領域509が印刷装置のハードウェア情報に関するデータの格納領域である場合、アプリケーション520は、識別子513として「ハードウェア情報」を割り振る。また、第3のデータ格納領域510がインク情報に関するデータの格納領域である場合、アプリケーション520は、識別子514として「インク情報」を割り振る。つまり、識別子には、格納されたデータの種類を識別可能な情報が用いられる。
【0065】
クライアント端末100から新たなデータC(例えば、ネットワーク情報に関するデータ)が中継サーバー200に送信されるようになった場合、データ格納サーバー500では、新規データ格納領域として、第4のデータ格納領域511が追加される。その際、データ格納サーバー500のアプリケーション520は、第4のデータ格納領域511に対して、識別子「ネットワーク情報」を割り振る。
【0066】
図10に示すように、データ格納サーバー500のアプリケーション520は、第4のデータ格納領域511の追加を検知すると(S301)、第4のデータ格納領域511に割り振った識別子515の「ネットワーク情報」とともに、新規データ格納領域が追加された旨を各サービス提供サーバーに通知する(S302、S304)。例えば、アプリケーション520は、新規データ格納領域として第4のデータ格納領域511が追加された旨をサービス提供サーバーA300とサービス提供サーバーB400に通知する。
【0067】
各サービス提供サーバーは、通知された識別子に基づいて、第4のデータ格納領域511が、自サーバーが取得するべきデータの格納領域であるか否かを判定する(S303、S305)。例えば、第4のデータ格納領域511に割り振られた識別子が「ネットワーク情報」であれば、各サービス提供サーバーは、「ネットワーク情報」という識別子に基づいて、第4のデータ格納領域511が取得するべきデータの格納領域であるか否かを判定する。ここで、取得するべきデータの格納領域であると判定された場合、その判定を行ったサービス提供サーバーは、属性情報「ネットワーク情報」を指定することによって、第4のデータ格納領域511からデータを取得する(S306)。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、データ格納サーバー500内に新規データ格納領域が追加された場合、新規データ格納領域と識別子が各サービス提供サーバーに通知される。そのような構成により、新規データ格納領域の情報とともに識別子をサービス提供サーバーに通知することにより、新規データ格納領域が自サービスで用いるデータの取得先となるかについてサービス提供サーバーが判定可能となる。そして、新規データ格納領域がデータの取得先となると判定したサービス提供サーバーは、中継サーバー200を介することなく、新規データ格納領域からデータを取得することができる。そのため、クライアント端末100から新たなデータが中継サーバー200に送信されるようになった場合においても、サービス提供サーバーにそのデータを提供するために、中継サーバー200の構成を変更する必要はない。そのため、中継サーバー200の構成の変更によってシステムへの影響が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0069】
また、本実施形態では、データ格納サーバー500のアプリケーション520が、各データ格納領域に識別子を割り振ると説明した。しかしながら、中継サーバー200が、データ格納サーバー500に送信するデータに対して、識別子を割り振るようにしても良い。その際、中継サーバー200は、識別子に基づいて、データ格納サーバー500にデータを送信するか否かを判定するようにしても良い。そのような構成により、サービス提供サーバーのサービスに用いられないデータをデータ格納サーバー500に送信してしまうことを防ぐことができる。
【0070】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、新規サービス提供サーバー(サービス提供サーバーC700)が追加された場合について、図11を参照しながら説明する。
【0071】
サービス提供サーバーC700のアプリケーションC710は、データ格納サーバー500のアプリケーション520に対して、新規サービスの内容が記述された情報とともに、新規サービスが追加された旨を通知する(S401)。データ格納サーバー500のアプリケーション520は、その通知を受けると、新規サービスの内容が記述された情報に基づいて、新規サービス提供サーバー700がどのデータ格納領域からデータを取得すれば良いかを判定する(S402)。その判定においては、第2実施形態で説明した識別子が用いられても良い。そして、データ格納サーバー500のアプリケーション520は、その結果をサービス提供サーバーC700に通知する(S403)。サービス提供サーバーC700のアプリケーションC710は、その通知を受けると、通知されたデータ格納領域からデータを取得する。例えば、S402で、第1のデータ格納領域508~第3のデータ格納領域510からデータを取得すれば良いと判定された場合、サービス提供サーバーC700のアプリケーションC710は、S404、S405、S406において、各データ格納領域からデータを取得する。
【0072】
例えば、新しく追加されたサービス提供サーバーC700がクラウド上のデータを印刷するサービスの場合、新規サービスの内容は「クラウド印刷サービス」として通知される。データ格納サーバー500のアプリケーション520は、「クラウド印刷サービス」という新規サービスの内容に基づいて、サービス提供サーバーC700がどのデータ格納領域からデータを取得すれば良いかを判定する。
【0073】
例えば、サービス提供サーバーA300が提供する、印刷枚数に応じてポイントを付与するサービスがクライアント端末100に対して、中継サーバー200に登録済みとする。また、サービス提供サーバーB400が提供する、インク残量が枯渇しそうな状況を検知してインクを自動的に発注するサービスがクライアント端末100に対して、中継サーバー200に登録済みとする。さらに、サービス提供サーバーC700が提供する、クラウド上のデータを印刷するサービスが中継サーバー200に登録されると、中継サーバー200のクライアント端末-サービス紐づけテーブル214には、同じ端末IDに対して3つのサービスIDが登録される。例えば、中継サーバー200は、同じ端末IDに対して、「プリントログ」、「自動発注サービス」、「クラウド印刷」といった3つの属性情報を付与する。本実施形態では、さらに、図11の処理により、サービス提供サーバーC700には、データの取得先となるデータ格納領域の情報が通知される。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、新規サービス提供サーバーが追加された場合、データ格納サーバー500は、新規サービス提供サーバーが取得すべきデータが格納されているデータ格納領域を新規サービス提供サーバーに通知する。そのような構成により、新規サービス提供サーバーが追加された場合であっても、中継サーバー200を介することなく、サービスに用いるデータを新規サービス提供サーバーに対して提供することができる。そのため、中継サーバー200の構成の変更によってシステムへの影響が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0075】
また、本実施形態では、データ格納サーバー500が、新規サービス提供サーバーが取得すべきデータが格納されているデータ格納領域を判定するとして説明したが、全てのデータ格納領域を新規サービス提供サーバーに通知するようにしても良い。そして、通知を受けた新規サービス提供サーバーは、全てのデータ格納領域をスキャンし、各データ格納領域に割り振られた識別子に基づいて、自サーバーのサービスに必要なデータであるか否かを判定するようにしても良い。
【0076】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0077】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0078】
100 クライアント端末: 200 中継サーバー: 300、400 サービス提供サーバー: 500 データ中継サーバー: 107、204、304、404、504 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11