(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】通行制御システム、発券機、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240109BHJP
【FI】
G07B15/00 C
G07B15/00 501
(21)【出願番号】P 2020111708
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長屋 俊輔
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-159795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行者の顔を撮像するカメラを備える第1通行制御装置と、
光学的に情報を読み取る光学系リーダ部と無線通信によって情報を読み取る無線リーダ部とのうち少なくとも一方を備える第2通行制御装置と、
ネットワークを介して前記第1通行制御装置および前記第2通行制御装置のそれぞれと通信するサーバ装置とを備え、
前記サーバ装置は、
登録者に与えられた権限を示す権限情報に、前記登録者あるいは前記権限情報を識別する識別情報と、前記登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データとの両方が対応付けられたレコード情報をデータベースに登録するデータ管理部と、
前記カメラにより撮像され前記第1通行制御装置から受信した撮像画像に基づいて算出された第2特徴量データと、前記第1特徴量データとを比較することで、前記通行者の顔認証を行う顔認証処理部と、
前記顔認証処理部により前記通行者が前記登録者と同一人物であることが認められた場合、顔認証処理の結果を用いて前記データベースを検索し、前記通行者と同一人物であると認められた前記登録者に対応付けられている前記権限情報を検索により得て、前記光学系リーダ部あるいは前記無線リーダ部により読み取られた前記識別情報を前記第2通行制御装置から受信した場合、前記受信した識別情報を用いて前記データベースを検索し、前記受信した識別情報に対応付けられている前記権限情報を検索により得る検索部と、
前記検索部による検索の結果に応じた処理を行う処理部と、を備える、
通行制御システム。
【請求項2】
前記光学系リーダ部は、前記識別情報をコード化したコード画像を撮像した画像に基づいて、前記識別情報を読み取る、
請求項1に記載の通行制御システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記検索により得られた権限情報を、前記第1通行制御装置あるいは前記第2通行制御装置に送信する処理を行い、
前記第1通行制御装置および前記第2通行制御装置は、前記サーバ装置から受信した前記権限情報に基づいて、前記通行者の通行の可否を判定する入出場処理部をさらに備える、
請求項1または2に記載の通行制御システム。
【請求項4】
前記処理部は、前記検索により得られた権限情報に基づいて、前記通行者の通行の可否を判定する処理を行う、
請求項1または2に記載の通行制御システム。
【請求項5】
前記データ管理部は、前記権限の使用状態を示す状態情報を前記レコード情報に含めて前記データベースに登録し、前記通行者の通行が許可された場合、前記状態情報を更新する、
請求項3または4に記載の通行制御システム。
【請求項6】
通行者の顔を撮像するカメラを備える第1通行制御装置と通信するサーバ装置であって、光学的に情報を読み取る光学系リーダ部、および、無線通信によって情報を読み取る無線リーダ部のうち少なくとも一方を備える第2通行制御装置と通信するサーバ装置と、ネットワークを介して通信する通信部と、
登録者に与えられた権限を示す権限情報に、前記登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データと共に対応付けて前記サーバ装置のデータベースに登録されている識別情報であって、前記登録者あるいは前記権限情報を識別する前記識別情報をコード化したコード画像を、前記サーバ装置から受信した情報に基づいて、印刷媒体に印刷する印刷部と、
を備える発券機。
【請求項7】
コンピュータに、
通行者の顔を撮像するカメラを備える第1通行制御装置と通信するサーバ装置であって、光学的に情報を読み取る光学系リーダ部、および、無線通信によって情報を読み取る無線リーダ部のうち少なくとも一方を備える第2通行制御装置と通信するサーバ装置へ、登録者の顔を含む顔画像データ、あるいは、前記顔画像データに基づいて算出された前記登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データを送信させ、
前記登録者に与えられた権限を示す権限情報に、前記第1特徴量データと共に対応付けて前記サーバ装置のデータベースに登録されている識別情報であって、前記登録者あるいは前記権限情報を識別する前記識別情報をコード化したコード画像を含む電子補助券を、前記サーバ装置から受信した情報に基づいて、表示部に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通行制御システム、発券機、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設内に入場しようとする入場者の顔を撮像し、撮像された顔画像に基づいて顔認証処理を行い、顔認証の結果に基づいて通行の可否を判定するものが知られている。しかしながら、このような顔認証処理のための準備が十分に整っていない場合や、何らかの理由で顔認証がエラーとなった場合、正当な権限を有する利用者の通行が妨げられる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-159795号公報
【文献】特開2010-097272号公報
【文献】特開2009-059168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利用者の通行の不便を軽減させることができる通行制御システム、発券機、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の通行制御システムは、第1通行制御装置と、第2通行制御装置と、サーバ装置とを持つ。第1通行制御装置は、通行者の顔を撮像するカメラを備える。第2通行制御装置は、光学的に情報を読み取る光学系リーダ部と無線通信によって情報を読み取る無線リーダ部とのうち少なくとも一方を備える。サーバ装置は、ネットワークを介して前記第1通行制御装置および前記第2通行制御装置のそれぞれと通信し、データ管理部と、顔認証処理部と、検索部と、処理部とを持つ。データ管理部は、登録者に与えられた権限を示す権限情報に、前記登録者あるいは前記権限情報を識別する識別情報と、前記登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データとの両方が対応付けられたレコード情報をデータベースに登録する。顔認証処理部は、前記カメラにより撮像され前記第1通行制御装置から受信した撮像画像に基づいて算出された第2特徴量データと、前記第1特徴量データとを比較することで、前記通行者の顔認証を行う。検索部は、前記顔認証処理部により前記通行者が前記登録者と同一人物であることが認められた場合、顔認証処理の結果を用いて前記データベースを検索し、前記通行者と同一人物であると認められた前記登録者に対応付けられている前記権限情報を検索により得て、前記光学系リーダ部あるいは前記無線リーダ部により読み取られた前記識別情報を前記第2通行制御装置から受信した場合、前記受信した識別情報を用いて前記データベースを検索し、前記受信した識別情報に対応付けられている前記権限情報を検索により得る。処理部は、前記検索部による検索の結果に応じた処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の通行制御システム1の一例を示す図。
【
図2】実施形態の通行制御システム1による発券パターンの一例について説明する図。
【
図3】実施形態の通行制御システム1における処理概要の一例を示す図。
【
図4】実施形態のユーザ端末装置100の一例を示す構成図。
【
図5】実施形態の発券機200の一例を示す構成図。
【
図6】実施形態の顔認証自動改札機300の斜視図。
【
図7】実施形態のカメラユニット330Aの斜視図。
【
図8】実施形態の顔認証自動改札機300を上方から見た図。
【
図9】実施形態の制御部320を中心とした顔認証自動改札機300の構成図。
【
図10】実施形態の乗車券自動改札機400を上方から見た図。
【
図11】実施形態の制御部420を中心とした乗車券自動改札機400の構成図。
【
図12】実施形態の兼用自動改札機500を上方から見た図。
【
図13】実施形態の制御部520を中心とした兼用自動改札機500の構成図。
【
図15】実施形態の乗車券DB651の内容の一例を示す図。
【
図16】実施形態の精算DB652の内容の一例を示す図。
【
図17】実施形態の事前登録時の処理概要の一例を示すシーケンス図。
【
図18】実施形態の顔認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【
図19】実施形態の補助券に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【
図20】実施形態のユーザ端末装置100のよる登録処理の流れを示すフローチャート。
【
図22】実施形態の顔認証に基づく通行判定処理の流れを示すフローチャート。
【
図24】実施形態のDBサーバ装置600による事前登録時の処理の流れを示すフローチャート。
【
図25】実施形態のDBサーバ装置600による入出場時の処理の流れを示すフローチャートで。
【
図26】実施形態の発券機200のよる登録処理の流れを示すフローチャート。
【
図28】第2実施形態の通行制御システム1Xの一例を示す図。
【
図29】第2実施形態の通行制御システム1Xにおける処理概要の一例を示す図。
【
図30】第2実施形態の判定サーバ装置700の構成図。
【
図31】第2実施形態の顔認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【
図32】第2実施形態の補助券に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の通行制御システム、発券機、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、実施形態の通行制御システム1の一例を示す図である。通行制御システム1は、例えば、一以上のユーザ端末装置100と、一以上の発券機200と、一以上の顔認証自動改札機300と、一以上の乗車券自動改札機400と、一以上の兼用自動改札機500と、DBサーバ装置600とを備える。顔認証自動改札機300と、乗車券自動改札機400と、兼用自動改札機500は、例えば、鉄道施設に設置され、利用者の通過を許可または禁止する。顔認証自動改札機300と、乗車券自動改札機400と、兼用自動改札機500は、実施形態の通行制御システムに含まれる通行制御装置の一例である。これに限られず、実施形態の通行制御システムに含まれる通行制御装置は、遊園地や映画館等の施設の入場口に設置され、これら施設への入場の可否を判定する装置であってもよい。
【0009】
一以上のユーザ端末装置100と、一以上の発券機200と、一以上の顔認証自動改札機300と、一以上の乗車券自動改札機400と、一以上の兼用自動改札機500とは、ネットワークNWを介してDBサーバ装置600と接続されている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local1 Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0010】
ユーザ端末装置100は、利用者が所有する通信端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。利用者は、ユーザ端末装置100を用いて、顔認証自動改札機300を利用するために必要な情報をDBサーバ装置600に事前に登録しておく。
【0011】
発券機200は、例えば、鉄道施設に設置され、乗車券を発券する。利用者は、発券機200を用いて、顔認証自動改札機300を利用するために必要な情報をDBサーバ装置600に登録してもよい。
【0012】
例えば、ユーザ端末装置100は、利用者からの各種登録に関する情報(以下、各種登録情報と記す)を取得し、取得した各種登録情報をDBサーバ装置600に送信する。各種登録情報には、例えば、以下に説明する登録顔画像データと、乗車券の購入条件を示す情報とが含まれる。
【0013】
例えば、ユーザ端末装置100は、自身が備えるカメラを用いて利用者の顔を撮像し、撮像された利用者の顔の画像(以下、登録顔画像と記す)のデータを、各種登録情報の一部としてDBサーバ装置600に送信する。なお、登録顔画像は、ユーザ端末装置100のカメラにより撮像された画像に限られず、事前に用意された証明写真用の画像やその他の写真画像等であってもよい。また、ユーザ端末装置100は、自身が備える操作部を用いて、乗車券の購入条件の指定を利用者から受け付ける。乗車券の購入条件には、例えば、購入する乗車券の種別、乗車券の利用区間、乗車券の利用期間、乗車券の購入指示等が含まれる。
【0014】
DBサーバ装置600は、例えば、登録者の顔の特徴量を示す特徴量データ(以下、第1特徴量データと記す)等をデータベースに登録する。例えば、DBサーバ装置600は、ユーザ端末装置100から受信した登録顔画像データに基づいて第1特徴量データを生成し、自身の記憶部に格納する。また、乗車券の購入条件に基づいて乗車券が購入された場合、DBサーバ装置600は、乗車券の購入条件に基づいて、利用者が利用可能な範囲を示す効力情報を生成し、効力情報に第1特徴量データを対応付けたレコード情報をデータベースに登録する。効力情報は、登録者に与えられた権限を示す権限情報の一例である。
【0015】
さらに、DBサーバ装置600は、登録者あるいは権限情報を識別する識別情報(以下、乗車券IDと記す)を割り当て、権限情報に乗車券IDを対応付けたレコード情報をデータベースに登録する。乗車券IDは、例えば、乗車券が購入されたタイミングで、DBサーバ装置600により乗車券ごとに割り当てられる識別情報である。これに限られず、乗車券の購入よりも前に存在する登録者の識別情報であってもよく、例えば、利用者の鉄道系のICカードの識別情報や、クレジットカード番号等であってもよい。
【0016】
なお、上述したレコード情報は、それぞれ別のデータベースに登録されてもよく、同じデータベースに登録されてもよい。
【0017】
ユーザ端末装置100および発券機200は、利用者から要望があった場合、乗車券IDをコード化したコード画像を表示する補助券を発券する。補助券は、電子的な乗車券(以下、電子乗車券と記す)であってもよく、紙媒体に印刷される乗車券(以下、媒体乗車券と記す)であってもよい。電子乗車券は、例えば、ユーザ端末装置100に表示されて利用される。媒体乗車券は、例えば、発券機200により発券される。
【0018】
例えば、DBサーバ装置600は、乗車券IDをコード化したコード画像をディスプレイに表示するための情報(以下、コード画像表示情報)を生成し、ユーザ端末装置100に送信する。本実施形態では、コード画像が二次元コードの画像である例について説明するが、これに限られない。例えば、コード画像は、バーコードなどの一次元コードであってもよい。また、DBサーバ装置600は、乗車券IDをコード化したコード画像を媒体に印刷するための情報(以下、コード画像生成情報)を生成し、ユーザ端末装置100に送信する。
【0019】
図2は、実施形態の通行制御システム1による発券パターンの一例について説明する図である。例えば、ユーザ端末装置100は、自身のカメラで利用者を撮像し、DBサーバ装置600から受信した電子乗車券を自身のディスプレイに表示する。発券機200は、例えば、自身のカメラで利用者を撮像し、自身の印刷部を用いて媒体乗車券を発券する。また、発券機200は、ユーザ端末装置100に電子乗車券を送信し、ユーザ端末装置100は、発券機200から受信した電子乗車券を自身のディスプレイに表示してもよい。
【0020】
図1に戻って、顔認証自動改札機300は、例えば、自身が備えるカメラを用いて、駅の構内に入場する通行者や、駅の構外に出場する通行者の顔を撮像し、撮像した顔画像データに基づいて、顔の特徴を示す特徴量データ(以下、第2特徴量データと記す)を算出する。また、顔認証自動改札機300は、算出した第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する。
【0021】
DBサーバ装置600は、顔認証自動改札機300から受信した第2特徴量データと、記憶部に記憶されている第1特徴量データとを比較することで、通行者の顔認証処理を実行する。顔認証処理により通行者が登録者と同一人物であることが認められた場合、DBサーバ装置600は、顔認証時の顔特徴量をキーとして、通行者と同一人物であると認められた登録者に対応付けられている権限情報を用いてデータベースを検索し、検索により得た効力情報を顔認証自動改札機300に送信する。
【0022】
顔認証自動改札機300は、顔認証に基づく通行判定処理を実行する。例えば、顔認証自動改札機300は、顔認証処理により得られた効力情報をDBサーバ装置600から受信し、受信した効力情報に基づいて通行者の通行の可否を判定し、通行が許可された場合、通行判定結果をDBサーバ装置600に送信する。通行判定結果には、例えば、入場が許可されたことを示す情報および顔認証自動改札機300が設置されている入場駅の識別情報、あるいは、出場が許可されたことを示す情報および顔認証自動改札機300が設置されている出場駅の識別情報などが含まれる。
【0023】
乗車券自動改札機400は、補助券に基づく通行判定処理を実行する。例えば、乗車券自動改札機400は、例えば、自身が備える光学系リーダ部に補助券が翳された場合、光学的に補助券から乗車券IDを読み取り、読み取った乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、乗車券IDに対応付けられた効力情報を検索により得て、乗車券自動改札機400に送信する。乗車券自動改札機400は、受信した効力情報に基づいて通行者の通行の可否を判定する。通行が許可された場合、乗車券自動改札機400は、通行判定結果をDBサーバ装置600に送信する。
【0024】
兼用自動改札機500は、顔認証に基づく通行判定処理と、補助券に基づく通行判定処理の両方を実行可能とするものであり、例えば、顔認証が可能な利用者に対しては顔認証に基づく通行判定処理を実行し、顔認証ができなかった利用者や補助券を翳した利用者に対しては補助券に基づく通行判定処理を実行する。
【0025】
図3は、実施形態の通行制御システム1における処理概要の一例を示す図である。
【0026】
ケース1では、顔認証自動改札機300が通行判定を行う。顔認証自動改札機300は、通行者の顔を撮像して、撮像した画像に基づいて第2特徴量データを算出し、DBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、第2特徴量データに基づく顔認証処理を行い、肯定的な認証が得られた場合、第2特徴量データをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を顔認証自動改札機300に送信する。
【0027】
ケース2では、乗車券自動改札機400が通行判定を行う。乗車券自動改札機400は、例えば、補助券から光学的に乗車券IDを読み取り、読み取った乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、乗車券IDをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を、乗車券自動改札機400に送信する。
【0028】
ケース3では、兼用自動改札機500が通行判定を行う。兼用自動改札機500は、利用者の顔を撮像した場合、第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信し、効力情報を得る。一方、補助券から乗車券IDを読み取った場合、兼用自動改札機500は、読み取った乗車券IDをDBサーバ装置600に送信し、乗車券IDに対応付けられた効力情報を得る。
【0029】
[ユーザ端末装置100]
図4は、ユーザ端末装置100の一例を示す構成図である。ユーザ端末装置100は、例えば、通信部110と、入力部120と、表示部130と、端末カメラ140と、記憶部150と、アプリ実行部170とを備える。
【0030】
通信部110は、セルラー網やWi-Fi網等を用いて、ネットワークNWに接続するためのハードウェアを有する。例えば、通信部110は、アンテナおよび送受信装置などを有する。入力部120は、例えば、表示部130と一体として形成されるタッチパネルTP、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウスなどのうち一部または全部を含む。表示部130は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。端末カメラ140は、対象物の静止画(写真)を撮像し、撮像画像の画像データを記憶部150に記憶させる。
【0031】
記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、レジスタなどによって実現される。記憶部150には、顔登録アプリ151が格納されている。顔登録アプリ151は、例えば、利用者の顔や各種情報を登録するためのインターフェースを表示部130に表示させ、インターフェースを介して入力された情報に基づく処理をユーザ端末装置100に実行させるアプリケーションプログラム(以下、単にアプリと記す)である。また、顔登録アプリ151は、電子補助券を発券するためのインターフェースを表示部130に表示させ、インターフェースを介して入力された情報に基づく処理も、ユーザ端末装置100に実行させる。
【0032】
アプリ実行部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、記憶部150に記憶された顔登録アプリ(プログラム)151を実行することにより実現される。顔登録アプリ151は、例えば、ネットワークNWを介して他装置からダウンロードされてもよいし、予めユーザ端末装置100にプリインストールされていてもよい。
【0033】
例えば、アプリ実行部170は、端末カメラ140により撮像された登録顔画像データを、DBサーバ装置600に送信する。これに限られず、アプリ実行部170は、登録顔画像データに基づいて第1特徴量データを算出し、第1特徴量データをDBサーバ装置600に送信してもよい。
【0034】
[発券機200]
図5は、発券機200の一例を示す構成図である。発券機200は、例えば、通信部210と、発券機カメラ220と、タッチパネル230に含まれる入力部231および表示部232と、印刷部240と、リーダライタ250と、近距離通信部260と、制御部290とを備える。
【0035】
制御部290は、例えば、登録処理部291と、表示制御部292と、印刷制御部293と、リーダライタ制御部294と、近距離通信制御部295とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、自身の記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0036】
通信部210は、ネットワークNWを介してDBサーバ装置600と通信する。発券機カメラ220は、対象物の静止画(写真)を撮像し、撮像画像の画像データを登録処理部291に出力する。登録処理部291は、発券機カメラ220から入力した画像データを、通信部210を用い、ネットワークNWを介してDBサーバ装置600に送信する。登録処理部291は、媒体補助券の発券が入力部231を用いて利用者から指示された場合、DBサーバ装置600に対してコード画像生成情報の送信を要求し、受信したコード画像生成情報を印刷制御部293に出力する。一方、電子補助券の発券が入力部231を用いて利用者から指示された場合、DBサーバ装置600に対してコード画像表示情報の送信を要求し、受信したコード画像表示情報を近距離通信制御部295に出力する。近距離通信制御部295は、近距離通信部260を用いて、受信したコード画像表示情報を近距離通信の通信範囲内に存在するユーザ端末装置100に送信する。
【0037】
入力部231は、例えば、表示部232と一体として形成されるパネル操作部、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウスなどのうち一部または全部を含む。表示部232は、例えば、LCDや有機EL表示装置などである。表示制御部292は、所定の画像を表示部232に表示させる。
【0038】
印刷部240は、紙等の印刷媒体に所定の画像を印刷する機構を備える。印刷制御部293は、登録処理部291からのコード画像生成情報に基づいて印刷画像を生成し、生成した印刷画像を印刷媒体に印刷して排出するよう印刷部240を制御する。
【0039】
リーダライタ250は、非接触ICカード(以下、IC乗車券)と無線通信して情報の読み取り処理や情報の書き込み処理を実行する。リーダライタ制御部294は、入力部231に対して、乗車券IDをIC乗車券に書き込むことが指示された場合、リーダライタ250を制御して、乗車券IDをIC乗車券に書き込ませる。
【0040】
近距離通信部260は、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信等の近距離無線通信により、利用者のスマートフォンやタブレットなどの端末装置と通信する。近距離通信制御部295は、入力部231に対して、コード画像をユーザ端末装置100に表示させることを指示する入力操作がなされた場合、コード画像表示情報を、近距離通信部260を用いてユーザ端末装置100に送信する。
【0041】
[顔認証自動改札機300]
図6は、顔認証自動改札機300の斜視図である。顔認証自動改札機300は、主機310と従機330とを備える。主機310と従機330の上面であって、顔認証自動改札機300の通路方向の両端には、それぞれ、カメラユニット310Aとカメラユニット330Aとが搭載されている。
【0042】
図7は、カメラユニット330Aの斜視図である。以下、カメラユニット330Aについて説明するが、カメラユニット310Aも同様の構成を有する。カメラユニット330Aは、例えば、第1カメラ331と、通路表示部332と、通路スピーカ333とを含む。第1カメラ331は、例えば通路表示部332の表示面と並行な面を備えるカメラカバーCCの内側に設置され、カメラカバーCCの向こう側であって顔認証自動改札機300の通路側を撮像する位置に設置されている。
【0043】
通路表示部332は、例えば、第1カメラ331の下部に設置されている。通路スピーカ333は、例えば、第1カメラ331の近傍であって、第1カメラ331と通路表示部332との間に設置されている。
【0044】
図8は、顔認証自動改札機300を上方から見た図である。主機310と従機330は、1つの通路を形成する筐体である。例えば、主機310と従機330は、対向配置されることで、互いに区画された第1領域と第2領域を接続する通路390を形成する。例えば、第1領域は駅の構外であり、第2領域は駅の構内である。主機310と従機330は、LAN通信や近距離通信等により無線接続されているが、ケーブルを介して接続されてもよい。
【0045】
主機310は、例えば、第2カメラ311と、通路表示部312と、通路スピーカ313と、正面表示部316と、扉部317および318と、通過センサ319-1から319-4と、制御部320とを備える。第2カメラ311、通路表示部312、および通路スピーカ313は、カメラユニット310Aに含まれる構成である。カメラユニット310Aは、主機310の第1領域の端部であって、言い換えると、通路390を第2領域から第1領域へ通過する第2進路bにおける出口側の端部に設置されている。
【0046】
従機330は、例えば、上述した第1カメラ331、通路表示部332、および通路スピーカ333を含むカメラユニット330Aに加え、正面表示部336と、扉部337および338とを備える。カメラユニット330Aは、従機330の第2領域の端部であって、言い換えると、通路390を第1領域から第2領域へ通過する第1進路aにおける出口側の端部に設置されている。
【0047】
さらに、顔認証自動改札機300は、例えば複数の通過センサ319-1から319-4を備える。以下、通過センサ319-1から319-4を、区別しない場合は、ハイフン(-)以下の符号を省略し、単に通過センサ319と表記する。
【0048】
第1カメラ331および第2カメラ311は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を備える。第1カメラ331は、通路390を第1進路aに通行しようとする通行者の顔を撮像し、撮像した撮像画像データを従機330を介して制御部320へ送信する。第2カメラ311は、通路390を第2進路bに通行しようとする通行者の顔を撮像し、撮像により得られた撮像画像データを制御部320に出力する。
【0049】
例えば、第1カメラ331および第2カメラ311は、通路390の通行者の顔の高さに相当する所定範囲(例えば、通路390の地上から140~180[cm]の範囲)を撮像する高さや角度に設置されている。
【0050】
正面表示部316は、第1進路aの方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示し、正面表示部336は、第2進路bの方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部316および336の表示内容または表示の有無は、制御部320によって決定される。
【0051】
制御部320は、第1進路aを進入してくる利用者の通過を許可する第1動作モード(つまり、駅の構内への入場のみを許可するモード)に設定されている場合には、第1カメラ331が撮像した撮像画像を用いた顔認証処理の結果に基づいて、第1進路aを進入してくる利用者の通行の可否を判定する。この第1動作モードに設定されている場合、制御部320は、扉部318および338を開放状態に維持すると共に、通行の判定結果に基づいて、扉部317および337を開放状態または閉止状態に制御する。
【0052】
一方、制御部320は、第2進路bを進入してくる利用者の通過を許可する第2動作モード(つまり、駅の構外への出場のみを許可するモード)に設定されている場合には、第2カメラ311が撮像した撮像画像を用いた顔認証処理の結果に基づいて、第2進路bを進入してくる利用者の通行の可否を判定する。この第2動作モードに設定されている場合、制御部320は、扉部317および337を開放状態に維持すると共に、通行の判定結果に基づいて、扉部318および338を開放状態または閉止状態に制御する。
【0053】
これに限られず、顔認証自動改札機300は、第1進路aの通過と第2進路bの通過の双方を許可する第3動作モードに設定されてもよい。この第3動作モードに設定されている場合、制御部320は、利用者が通過中でなければ、正面表示部316および336の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。この状態で、利用者がいずれかの側から進入し、第1カメラ331と第2カメラ311とのいずれか一方により通行人の顔が認識されると、制御部320は、他方のカメラによる顔認識を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の正面表示部316または正面表示部336に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
【0054】
以下の説明では、第1動作モードか第2動作モードのどちらかが設定されている場合について説明する。第3動作モードに設定された場合について処理は、通過センサ319が第1領域から通路390に進入してくる通行者を検知したならば、第1動作モードに設定されている場合と同様の処理を実行し、通過センサ319が第2領域から通路390に進入してくる通行者を検知したならば、第2動作モードに設定されている場合と同様の処理を実行すると読み替えればよい。
【0055】
通過センサ319は、例えば主機310の通路側の側面に複数個設けられる。通過センサ319は、顔認証自動改札機300により形成された通路390内の利用者を検出する。通過センサ319は、例えば赤外線センサや、光センサなどで実現される。通過センサ319は、対向する従機330に設けられた通過センサと連携して通路内の利用者を検出するものであってもよい。
【0056】
図9は、制御部320を中心とした顔認証自動改札機300の構成図である。制御部320は、上述した構成要素に加え、さらに、通信部340および記憶部350と接続される。なお、主機310と従機330との無線通信による接続については、図示を簡略化している。
【0057】
通信部340は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。通信部340は、制御部320による制御によって、LANなどの通信ネットワークを介し、DBサーバ装置600と通信を行う。記憶部350は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。記憶部350は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、各駅の識別情報などを含む駅情報351や、区間ごとの運賃情報を含む運賃テーブル352等を格納する。
【0058】
制御部320は、例えば、第1画像処理部321と、通信処理部322と、入出場処理部325と、扉制御部326と、出力制御部327とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部350に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0059】
第1画像処理部321は、第1カメラ331あるいは第2カメラ311により撮像された撮像画像に対して、所定の画像処理を実行する。例えば、第1画像処理部321は、第1カメラ331あるいは第2カメラ311により撮像された撮像画像に含まれる顔の特徴を示す第2特徴量データを算出する。
【0060】
例えば、第1画像処理部321は、第1カメラ331あるいは第2カメラ311により撮像された動画から静止画を切り出す切り出し処理と、切り出した静止画から顔の特徴点(目、鼻、口等の位置)を特定することで顔を検出する顔検出処理と、検出された顔の視線が合っている画像(以下、顔認証の対象画像と記す)を検出する対象画像検出処理と、検出された顔の角度や大きさごとに決められた所定条件に基づいてベスト画像を顔認証の対象画像の中から選択するベストショット選択処理と、検出された顔の特徴量を算出して通行者の第2特徴量データを取得する特徴量算出処理と、を実行する。特徴量算出処理では、検出された顔からサングラスやマスクなどの付属品を検出する付属品検出処理等が含まれてよい。
【0061】
通信処理部322は、通信部340を用いて、第1画像処理部321により算出された第2特徴量データを、ネットワークNWを介してDBサーバ装置600に送信する。一方、通信処理部322は、通信部340を用いて、DBサーバ装置600から送信された顔認証処理の結果や効力情報を、ネットワークNWを介して受信して入出場処理部325に出力する。
【0062】
入出場処理部325は、DBサーバ装置600から受信した顔認証処理の結果や効力情報に基づいて、通行の可否を判定する通行判定処理を実行する。例えば、顔認証自動改札機300が第1進路aの通行を許可する動作モードに設定されている場合、入出場処理部325は、入場の可否を判定する入場処理を実行する。一方、顔認証自動改札機300が第2進路bの通行を許可する動作モードに設定されている場合、入出場処理部325は、出場の可否を判定する出場処理を実行する。
【0063】
例えば、入出場処理部325は、第1カメラ331により撮像された撮像画像に基づく通行者の顔認証処理により、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合、登録者に与えられた権限(ここでは、鉄道利用に関する権限)に基づいて入出場の可否を判定する。具体的には、入出場処理部325は、DBサーバ装置600から受信した乗車券効力を示す情報、乗車券状態を示す情報、チャージ残高等に基づいて、入出場の可否を判定する。例えば、入場処理において、入出場処理部325は、乗車券効力に含まれる利用区間に入場駅が含まれ、且つ、乗車券状態が未使用である場合、入場を許可する。例えば、出場処理において、入出場処理部325は、乗車券状態が入場済であって、且つ、入場駅から出場駅までの運賃をチャージ残高で精算可能な場合、出場を許可する。
【0064】
また、入出場処理部325は、通過センサ319-1が他の通過センサよりも先に通行者を検知した場合、第1領域から通路390に進入してくる通行者があると判定する。一方、通過センサ319-4が他の通過センサよりも先に通行者を検知した場合、入出場処理部325は、第2領域から通路390に進入してくる通行者があると判定する。
【0065】
扉制御部326は、通路390の通行を制限する制限機構であって、入出場処理部325から出力された扉制御信号に応じて扉部317,337あるいは扉部318,338を動作させる。
【0066】
出力制御部327は、例えば入出場処理部325により検出された所定のタイミングに合わせて、所定の情報を、音声あるいは画像のうち少なくとも一方を出力する出力部から出力させる。出力部には、例えば、通路表示部312,332、通路スピーカ313,333、および正面表示部316,336が含まれる。
【0067】
[乗車券自動改札機400]
図10は、乗車券自動改札機400を上方から見た図である。通路490を挟んで対向配置される乗車券自動改札機400は、主機410と補機430とを備える。主機410は、例えば、光学系リーダ部411と、無線リーダ部412と、上面表示部413と、正面表示部414と、扉部415と、制御部420とを含む。補機430は、例えば、扉部435を含む。本実施形態において、乗車券自動改札機400は、第1進路aの方向の通行を制御するものであるが、これに限られない。例えば、顔認証自動改札機300のように第2進路bの方向の通行を制御するための構成を備えてもよい。
【0068】
図11は、制御部420を中心とした乗車券自動改札機400の構成図である。制御部420は、上述した構成要素に加え、さらに、通信部440および記憶部450と接続される。記憶部450には、駅情報451と運賃テーブル452とが格納されている。なお、主機410と補機430との無線通信による接続については、図示を簡略化している。また、顔認証自動改札機300が備える構成要素と同一の名称の構成要素は、同様の機能構成を有しており、詳細な説明は省略する。以下、異なる点について説明する。
【0069】
制御部420は、例えば、第2画像処理部421と、通信処理部422と、入出場処理部425と、扉制御部426と、出力制御部427とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部450に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。
【0070】
光学系リーダ部411は、第3カメラ411Aを含む。第3カメラ411Aは、撮像した画像データを第2画像処理部421に出力する。a方向に通行しようとする通行者によって補助券が翳された場合、第3カメラ411Aは、補助券に表示されたコード画像を撮像し、第2画像処理部421は、撮像されたコード画像に対して画像処理することにより乗車券IDを光学的に読み取る。第2画像処理部421は、読み取った乗車券IDを入出場処理部425に出力する。
【0071】
無線リーダ部412は、リーダライタ412Aと、エンコード/デコード部412Bとを含む。リーダライタ412Aは、自身のリーダ面に翳されたICカードと通信する。リーダライタ412Aは、例えば、アンテナを備え、13.56[MHz]等のISM(Industry Science Medical)帯の周波数帯域を利用してICカードと無線通信を行う。
【0072】
エンコード/デコード部412Bは、リーダライタ412AによってICカードから読み取られたエンコードされた情報(例えば、乗車券IDを示す情報)をデコード(復号)して、入出場処理部425に出力する。また、エンコード/デコード部412Bは、入出場処理部425により指示された情報を暗号化してリーダライタ412Aに出力し、リーダライタ412Aは、エンコード/デコード部412Bから入力された情報をICカードに書き込んでもよい。
【0073】
入出場処理部425は、第2画像処理部421から入力された乗車券ID、あるいは、無線リーダ部412から入力された乗車券IDを、通信処理部422に出力して、通信部440を用いてネットワークNWを介し、DBサーバ装置600に送信するよう指示する。
【0074】
入出場処理部425は、乗車券IDをDBサーバ装置600に送信することで、乗車券IDに紐づけられている情報(例えば、乗車券効力を示す情報、乗車券状態を示す情報、チャージ残高等)をDBサーバ装置600から受信し、受信した情報に基づいて入出場の可否を判定する。
【0075】
[兼用自動改札機500]
図12は、兼用自動改札機500を上方から見た図である。通路590を挟んで対向配置される兼用自動改札機500は、主機510と補機530とを備える。主機510は、例えば、光学系リーダ部511と、無線リーダ部512と、上面表示部513と、正面表示部514と、扉部515と、通過センサ519-1~519-4と、制御部520とを含む。補機530は、例えば、カメラユニット530Aと、扉部535とを含む。カメラユニット530Aは、第1カメラ531と、通路表示部532と、通路スピーカ533とを含む。本実施形態において、兼用自動改札機500は、第1進路aの方向の通行を制御するものであるが、これに限られない。例えば、顔認証自動改札機300のように第2進路bの方向の通行を制御するための構成を備えてもよい。
【0076】
図13は、制御部520を中心とした兼用自動改札機500の構成図である。制御部520は、上述した構成要素に加え、さらに、通信部540および記憶部550と接続される。記憶部550には、駅情報551と運賃テーブル552とが格納されている。なお、主機510と補機530との無線通信による接続については、図示を簡略化している。また、顔認証自動改札機300や乗車券自動改札機400が備える構成要素と同一の名称の構成要素は、同様の機能と構成を有しており、詳細な説明は省略する。以下、異なる点について説明する。
【0077】
第1カメラ531は、撮像した画像データを第1画像処理部521に出力する。第1画像処理部521は、第1カメラ531により撮像された撮像画像に含まれる顔の特徴を示す第2特徴量データを算出する。
【0078】
光学系リーダ部511は、第3カメラ511Aを含む。第3カメラ511Aは、撮像した画像データを第2画像処理部523に出力する。a方向に通行しようとする通行者によって補助券が翳された場合、第3カメラ511Aは、補助券に表示されたコード画像を撮像し、第2画像処理部523は、撮像されたコード画像に対して画像処理することにより乗車券IDを光学的に読み取る。第2画像処理部523は、読み取った乗車券IDを入出場処理部525に出力する。
【0079】
無線リーダ部512は、リーダライタ512Aと、エンコード/デコード部512Bとを含む。
【0080】
入出場処理部525は、顔認証に基づく通行判定処理、あるいは、補助券に基づく通行判定処理のうちいずれか一方を実行する。顔認証に基づく通行判定処理は、顔認証自動改札機300により実行される処理であり、補助券に基づく通行判定処理は、乗車券自動改札機400により実行される処理である。例えば、入出場処理部525は、光学系リーダ部511あるいは無線リーダ部512により乗車券IDが読み取られるまでは、第1カメラ531により撮像された顔認証に基づく通行判定処理を実行する。一方、乗車券IDが読み取られた場合、入出場処理部525は、補助券に基づく通行判定処理を実行し、顔認証に基づく通行判定処理を無効化する。
【0081】
[DBサーバ装置600]
図14は、DBサーバ装置600の構成図である。DBサーバ装置600は、例えば、通信部610と、制御部630と、記憶部650とを備える。通信部610は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。通信部610は、制御部630による制御に従い、インターネットなどの通信ネットワークを介して、ユーザ端末装置100、発券機200、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500と通信を行う。記憶部650は、例えば、RAM、ROM、HDDなどによって実現される。記憶部650は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、乗車券DB651や、精算DB652等を格納する。
【0082】
制御部630は、例えば、データ管理部631と、画像処理部632と、顔認証処理部633と、検索部634と、精算処理部635と、結果処理部636とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部650に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0083】
データ管理部631は、通信部610を用いて、ネットワークNWを介してユーザ端末装置100、発券機200、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500から送信された情報を受信する。例えば、データ管理部631は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した各種登録情報、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、あるいは、兼用自動改札機500から受信した通行判定結果を示す情報、画像処理部632による画像処理の結果を示す情報等を、記憶部650の乗車券DB651や精算DB652の一部として格納する。
【0084】
例えば、データ管理部631は、登録者に与えられた権限を示す権限情報に、登録者あるいは権限情報を識別する乗車券IDと、登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データとの両方が対応付けられたレコード情報をデータベースに登録する。
【0085】
図15は、乗車券DB651の内容の一例を示す図である。乗車券DB651は、例えば、ユーザIDに、顔特徴量と、乗車券効力と、乗車券状態と、乗車券IDとを対応付けたレコード情報である。ユーザIDは、各ユーザを識別する識別情報である。ユーザIDは、例えば、DBサーバ装置600により割り当てられる情報であって、利用者を特定するためにユーザ端末装置100から各種情報と共に送信される情報である。顔特徴量は、例えば、ユーザ端末装置100あるいは発券機200からの各種登録情報に含まれる登録顔画像データに基づいて、画像処理部632により生成された第1特徴量データである。
【0086】
乗車券効力は、利用者に与えられた権限を示す情報の一例であって、乗車券の効力を示す情報である。乗車券の効力には、例えば、乗車券の種別(一日乗車券、あるいは定期券であることを示す情報)、鉄道の利用可能区間を示す情報、乗車券が購入された日時(購入日時)、乗車券の有効期限などの情報が含まれる。乗車券の効力は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200からの各種登録情報に含まれる乗車券の購入条件に基づく情報である。
【0087】
乗車券状態は、利用者の乗車券を用いた鉄道の利用状態を示す情報である。乗車券状態には、例えば、乗車券が利用されていない状態(未使用)、駅の構内に入場している状態(入場)、駅の構外に出場している状態(出場)、入場した駅の識別情報、出場した駅の識別情報等が含まれる。乗車券状態は、データ管理部631により更新される情報である。
【0088】
こうすることにより、データ管理部631は、登録者の顔以外だけでなく、乗車券IDで権限情報を管理することができるようになる。従って、登録者の顔認証がエラーとなる場合や、顔認証に基づく通行判定処理を実行できない自動改札機では、補助券を用いて通行判定処理を実行できるようになる。
【0089】
図16は、精算DB652の内容の一例を示す図である。精算DB652は、例えば、ユーザIDに、チャージ残高と、クレジット情報と、個人属性情報とを対応付けたレコード情報である。クレジット情報と個人属性情報は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した各種登録情報の一部である。クレジット情報は、乗車券の精算に用いるクレジットカードに関する情報である。個人属性情報には、例えば、利用者の氏名、性別、年齢等が含まれる。チャージ残高は、チャージされている電子マネーの残高であって、例えば、利用した運賃を精算した後の残高である。チャージ残高は、精算処理部635により更新される情報である。
【0090】
画像処理部632は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した登録顔画像データに対して所定の画像処理を実行し、第1特徴量データを算出する。算出された第1特徴量データは、データ管理部631によって乗車券DB651に登録される。なお、画像処理部632により第1特徴量データを算出する手法と、顔認証自動改札機300により第2特徴量データを算出する手法と、兼用自動改札機500により第2特徴量データを算出する手法とは、同じ手法である。
【0091】
顔認証処理部633は、顔認証自動改札機300あるいは兼用自動改札機500から通行者の顔の特徴量(第2特徴量データ)を受信した場合、記憶部650の乗車券DB651を参照し、通行者が登録者と同一人物であることを証明するための顔認証処理を行う。例えば、顔認証処理部633は、乗車券DB651に登録されている全ての登録者の第1特徴量データと、通行者の第2特徴量データとが類似する程度を示す照合スコアを登録者ごとに算出し、算出された照合スコアに基づいて、通行者と同一人物であると認められる登録者を判定する。これに限られず、顔認証処理部633は、顔認証処理において一般的に用いられるいずれかの手法を用いて、特徴量データを算出してよい。
【0092】
検索部634は、例えば、顔認証処理部633による処理結果に基づいて記憶部650を検索して、顔認証処理により通行者と同一人物であると認められた登録者と関連付けられた情報を、検索結果として得る。そして、検索部634は、検索により得られた登録者と関連付けられた情報を、通信部610を用い、ネットワークNWを介して顔認証自動改札機300に送信する。
【0093】
例えば、顔認証処理により通行人が登録者のうちのいずれか一人と同一人物であると認められた場合、検索部634は、登録者のユーザIDに基づいて、乗車券DB651から、乗車券効力を示す情報と、乗車券状態を示す情報とを読み出し、第2特徴量データを送信してきた顔認証自動改札機300に送信する。一方、顔認証処理により通行人が登録者のうちのいずれか一人と同一人物でないと認められた場合、検索部634は、顔認証により通行人が登録者と同一人物であると認められなかったことを示す情報を、第2特徴量データを送信してきた顔認証自動改札機300に送信する。
【0094】
一方、補助券使用時において、検索部634は、乗車券IDをキーとして、効力情報などを検索してもよい。例えば、検索部634は、ネットワークNWを介して、乗車券自動改札機400あるいは兼用自動改札機500から受信した乗車券IDに基づいて、乗車券DB651から、乗車券IDと対応付けられている乗車券効力を示す情報と乗車券状態を示す情報とを読み出す。結果処理部636は、検索部634により読み出された検索結果を、乗車券IDを送信してきた乗車券自動改札機400あるいは兼用自動改札機500に送信する。
【0095】
精算処理部635は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した乗車券の購入条件を示す情報に基づいて、乗車券購入処理を実行する。乗車券購入処理は、例えば、購入条件に応じた乗車券の料金を精算するための精算処理や、購入した乗車券の効力を示す情報に基づいて乗車券DB651を更新する処理等が含まれる。
【0096】
また、精算処理部635は、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、あるいは兼用自動改札機500から通行判定結果を示す情報を受信した場合、精算DB652を参照し、通行者が利用した運賃を精算するための精算処理を実行してもよい。例えば、出場が許可されたことを示す情報や、出場が許可された駅の識別情報等に基づいて、精算処理部635は、乗車券DB651の乗車券状態を参照し、入場した駅から出場が許可された駅までの運賃を算出し、算出した運賃をチャージ残高から減算する。精算処理部635は、利用者により指定された場合、クレジット情報に基づいて精算処理を実行してもよい。
【0097】
また、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、あるいは兼用自動改札機500から通行判定結果を示す情報を受信した場合、データ管理部631は、通行判定結果に基づいて、乗車券DB651に含まれる乗車券状態を更新する。例えば、入場が許可された場合、データ管理部631は、乗車券状態を、乗車券が利用されていない状態(未使用)から、駅の構内に入場している状態(入場)と入場駅の識別情報とを含む情報に書き換える。また、出場が許可された場合、データ管理部631は、乗車券状態を、駅の構内に入場している状態(入場)から、駅の構外に出場している状態(出場)と出場駅の識別情報とを含む情報に書き換える。
【0098】
[シーケンス]
図17は、事前登録時の処理概要の一例を示すシーケンス図である。ここでは、ユーザ端末装置100を用いて事前登録を行う例について説明するが、発券機200を用いた場合も同様である。
【0099】
まず、利用者が、ユーザ端末装置100に対して、登録に必要な情報の入力、自分の顔を撮影するなどの登録作業を実行する(ステップS1)。この登録作業により、ユーザ端末装置100は、各種登録情報を取得する(ステップS3)。例えば、ユーザ端末装置100は、端末カメラ140で利用者の顔を撮像し、登録顔画像データを取得するとともに、利用者が指定した乗車券の購入条件を示す情報を取得する。次いで、ユーザ端末装置100は、これら取得した情報を含む各種登録情報をDBサーバ装置600に送信する(ステップS5)。
【0100】
DBサーバ装置600は、受信した登録顔画像データに対して所定の画像処理を実行し、利用者ごとに第1特徴量データを算出する(ステップS7)。次いで、DBサーバ装置600は、乗車券の購入条件を示す情報に基づいて、乗車券購入処理を実行し、購入された乗車券に対応する乗車券IDを決定する(ステップS9)。例えば、DBサーバ装置600は、購入された乗車券を識別する乗車券IDを生成する。
【0101】
そして、DBサーバ装置600は、ステップS7で算出した第1特徴量データと、ステップS9で生成した乗車券IDとを、ユーザIDに対応付けて乗車券DB651に登録する(ステップS11)。ここで、DBサーバ装置600は、乗車券の購入条件に基づいて乗車券を購入するための各種処理結果に基づいて、乗車券DB651と精算DB652を更新してもよい。例えば、乗車券の料金を精算して精算DB652を書き換えると共に、購入した乗車券の効力情報を乗車券DB651に書き込む。
【0102】
そして、DBサーバ装置600は、登録結果を示す情報や、補助券の発券に関する情報をユーザ端末装置100に送信する(ステップS13)。登録結果を示す情報には、例えば、利用者の顔で顔認証自動改札機300や兼用自動改札機500を通行可能になったことを示す情報、乗車券の購入が完了したことを示す情報、購入した乗車券の効力を示す情報などが含まれる。補助券の発券に関する情報には、補助券を発券することを指示するボタンや、補助券を発券しないことを指示するボタン等を表示する発券インターフェース画面をユーザ端末装置100に表示させるための情報が含まれる。そして、ユーザ端末装置100は、DBサーバ装置600から受信した登録結果や発券インターフェース画面を自身の表示部130に表示させる(ステップS15)。
【0103】
次いで、利用者が、発券インターフェース画面を介して、ユーザ端末装置100に対して補助券の発券を指示した場合(ステップS17)、ユーザ端末装置100は、その旨とユーザIDとを対応付けた情報を、DBサーバ装置600に送信する(ステップS19)。DBサーバ装置600は、受信したユーザIDと対応付けられている乗車券IDを記憶部650から読み出し(ステップS21)、読み出した乗車券IDをコード化してコード画像表示情報を生成して(ステップS23)、ユーザ端末装置100に送信する(ステップS25)。ユーザ端末装置100は、受信したコード画像表示情報に基づいてコード画像を自身の表示部130に表示する(ステップS27)。ここで、ユーザ端末装置100は、受信したコード画像表示情報を保存しておき、自動改札機を通行する際に読み出して表示するようにしてもよい。
【0104】
図18は、顔認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。例えば通行者が顔認証自動改札機300に進入してくると(ステップS31)、顔認証自動改札機300は、通行者の顔を撮像し(ステップS33)、撮像した顔画像データに対して所定の画像処理を実行して、通行者の第2特徴量データを算出する(ステップS35)。顔認証自動改札機300は、算出した第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する(ステップS37)。
【0105】
DBサーバ装置600は、第2特徴量データに基づく顔認証処理を実行し、通行者と同一人物であると認められる登録者を判定する(ステップS39)。顔認証処理により通行者が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められた場合、DBサーバ装置600は、判定された登録者のユーザIDに基づいて、通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を検索するデータベース検索処理を実行する(ステップS41)。
【0106】
そして、DBサーバ装置600は、顔認証処理の結果や検索結果(効力情報等)を顔認証自動改札機300に送信する(ステップS43)。例えば、顔認証により通行人が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められた場合、DBサーバ装置600は、データベース検索処理により得られた効力情報などを顔認証自動改札機300に送信する。一方、顔認証により通行人が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められない場合、DBサーバ装置600は、その旨(顔認証エラー)を示す情報を顔認証自動改札機300に送信する。
【0107】
次いで、顔認証自動改札機300は、DBサーバ装置600から受信した情報と、ステップS35の画像処理の結果とに基づいて、顔認証処理の結果を示す情報を生成し、生成した情報に基づいて入場を許可するか否かを判定する(ステップS45、S47)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、顔認証自動改札機300は、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、通行判定結果としてDBサーバ装置600に送信し(ステップS49)、扉部317および337あるいは扉部318および338を開放状態に制御する(ステップS51)。そして、DBサーバ装置600は、受信した情報に基づいて、記憶部650の乗車券状態を更新する(ステップS53)。
【0108】
図19は、補助券に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。例えば通行者が乗車券自動改札機400に補助券を翳すと(ステップS61)、乗車券自動改札機400は、補助券から乗車券IDを読み取り(ステップS63)、読み取った乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する(ステップS65)。
【0109】
DBサーバ装置600は、受信した乗車券IDに基づいて、通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を検索するデータベース検索処理を実行し(ステップS67)、検索により通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を得る(ステップS69)。DBサーバ装置600は、検索により得た通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を、乗車券自動改札機400に送信する(ステップS71)。
【0110】
次いで、乗車券自動改札機400は、DBサーバ装置600から受信した情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(ステップS73、S75)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、乗車券自動改札機400は、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、DBサーバ装置600に送信し(ステップS77)、扉部415および435を開放状態に制御する(ステップS79)。DBサーバ装置600は、受信した情報に基づいて、記憶部650の乗車券状態を更新する(ステップS81)。
【0111】
[フローチャート]
図20は、ユーザ端末装置100のよる登録処理の流れを示すフローチャートである。まず、ユーザ端末装置100は、登録と乗車券の購入をするための専用アプリ(例えば、顔登録アプリ)を起動する(ステップS101)。以下の処理は、顔登録アプリが起動することで順次実行される処理である。
【0112】
ユーザ端末装置100は、利用者の属性情報を取得し、DBサーバ装置600に送信する(ステップS103)。利用者の属性情報には、氏名、性別、年齢、クレジットカード番号、IC乗車券の識別情報などが含まれる。次いで、ユーザ端末装置100は、顔認証を行うための情報を登録するか否かを利用者に確認するためのインターフェース画面を表示部130に表示し、顔認証を行うための情報を登録することが利用者から指示された場合(ステップS105)、例えば、端末カメラ140を用いて利用者の顔を撮像する(ステップS107)。そして、ユーザ端末装置100は、撮像した利用者の顔画像のデータ(登録顔画像データ)を、DBサーバ装置600に送信する(ステップS109)。
【0113】
次いで、ユーザ端末装置100は、乗車券を購入するか否かを利用者に確認するためのインターフェース画面を表示部130に表示し、乗車券を購入することが利用者から指示された場合(ステップS111)、例えば、乗車券の種類や利用日等を含む乗車券の購入条件の指定を受け付け、DBサーバ装置600に送信する(ステップS113)。
【0114】
続きを、
図21を参照して説明する。
図21は、
図20の処理の流れの続きを示すフローチャートである。ユーザ端末装置100は、電子補助券を発券するか否かを利用者に確認するための発券インターフェース画面を表示部130に表示し(ステップS115)、電子補助券を発券することが利用者から指示された場合(ステップS117)、電子補助券の発券を要求するリクエストをDBサーバ装置600に送信する(ステップS119)。そして、ユーザ端末装置100は、電子補助券のデータ(例えば、コード画像表示情報)をDBサーバ装置600から受信し(ステップS121)、受信した情報に基づいて電子補助券を表示部130に表示する(ステップS123)。次いで、ユーザ端末装置100は、電子補助券のデータを記憶部150に格納する(ステップS125)。
【0115】
図22は、顔認証に基づく通行判定処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、顔認証自動改札機300が第1進路aを進入してくる利用者の通過を許可する第1動作モードに設定されている場合について説明する。なお、第2進路bを進入してくる利用者の通過を許可する第2動作モードに設定されている場合については、同様の処理を実行しているため、説明は省略する。また、兼用自動改札機500による顔認証に基づく入場処理も同様であるため、説明を省略する。
【0116】
まず、出力制御部327は、第1カメラ331が撮像した動画を、通路表示部332に表示させる(ステップS201)。次いで、第1画像処理部321は、第1カメラ331が撮像した動画に基づいて所定の画像処理を実行し(ステップS203)、画像に含まれる人間の顔が検出されたか否かを判定する(ステップS205)。人間の顔が検出されない場合、ステップS203の処理に戻る。
【0117】
一方、ステップS205において人間の顔が検出された場合、第1画像処理部321は、人間の顔が検出された撮像画像が顔認証の対象画像となるか否かを判定する(ステップS207)。撮像画像が顔認証の対象画像とならないと判定された場合、出力制御部327は、顔認証のリトライを通知する情報を、通路表示部332や通路スピーカ333から出力させ(ステップS209)、ステップS203に戻る。
【0118】
一方、ステップS207において撮像画像が顔認証の対象画像となると判定された場合、第1画像処理部321は、顔認証の対象画像と判定された撮像画像に基づいて、検出された顔の特徴量を算出して第2特徴量データを取得し、通信処理部322は、第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する(ステップS211)。次いで、顔認証自動改札機300は、顔認証処理の結果や効力情報などを、DBサーバ装置600から受信する(ステップS213)。
【0119】
続きを、
図23を参照して説明する。
図23は、
図22の処理の流れの続きを示すフローチャートである。入出場処理部325は、DBサーバ装置600から受信した顔認証処理の結果が肯定的であったか否かを判定する(ステップS221)。ステップS221において結果が肯定的でなかった場合(つまり、通行者が登録者と同一人物であることが認証されなかった場合)、入出場処理部325は、通行を禁止すると判定する(ステップS223)。次いで、扉制御部326は、扉部317および337を閉止状態に維持し(ステップS225)、出力制御部327は、通行が禁止されたことを示す画像を通路表示部332に表示させる(ステップS227)。
【0120】
一方、ステップS221において結果が肯定的であった場合(つまり、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合)、入出場処理部325は、DBサーバ装置600から受信した乗車券効力と乗車券状態とに基づいて、通行の可否を判定する(ステップS229)。
【0121】
通行を許可する場合(ステップS231-YES)、扉制御部326は、扉部317および337を開放状態に制御し(ステップS233)、通行が許可されたことを示す情報と駅(入場駅や出場駅)の識別情報とを、DBサーバ装置600に送信する(ステップS235)。そして、顔認証自動改札機300は、通過が許可されたことを示す画像を通路表示部332に表示させる(ステップS237)。
【0122】
一方、通行を禁止する場合(ステップS231-NO)、ステップS225に移行する。
【0123】
図24は、DBサーバ装置600による事前登録時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、ユーザ端末装置100を用いた事前登録の処理について説明するが、発券機200を用いた場合も、一部の除いて同様の処理を実行する。
【0124】
まず、DBサーバ装置600は、利用者の属性情報をユーザ端末装置100から受信したか否かを判定する(ステップS301)。利用者の属性情報には、クレジット情報や個人属性情報等が含まれる。DBサーバ装置600は、利用者の属性情報を受信した場合、受信した情報を記憶部650に登録する(ステップS303)。
【0125】
次いで、DBサーバ装置600は、登録顔画像データをユーザ端末装置100から受信したか否かを判定する(ステップS305)。登録顔画像データを受信した場合、DBサーバ装置600は、登録顔画像データに対して所定の画像処理を実行し、第1特徴量データを算出し、ユーザIDに対応付けて記憶部650に登録する(ステップS307)。
【0126】
次いで、DBサーバ装置600は、乗車券の購入条件をユーザ端末装置100から受信したか否かを判定する(ステップS309)。乗車券の購入条件を受信しない場合、処理を終了する。
【0127】
一方、ステップS309において乗車券の購入条件を受信した場合、DBサーバ装置600は、乗車券購入処理を実行する(ステップS311)。そして、DBサーバ装置600は、購入条件に基づいて、利用者が利用可能な範囲を示す効力情報を生成し、ユーザIDに対応付けて記憶部650に登録する(ステップS313)。また、DBサーバ装置600は、乗車券購入処理の結果や、発券インターフェース画面を表示するための情報などをユーザ端末装置100に送信する(ステップS315)。さらに、DBサーバ装置600は、例えば、購入された乗車券を識別する乗車券IDを割り当て、効力情報に対応付けて記憶部650に登録する(ステップS317)。
【0128】
次いで、DBサーバ装置600は、電子補助券の発券を要求するリクエストをユーザ端末装置100から受信した場合(ステップS319)、コード画像表示情報を含む電子補助券のデータを生成し、ユーザ端末装置100に送信する(ステップS321)。なお、発券機200を用いて登録処理が実行された場合、DBサーバ装置600は、ステップS319,S321の処理に換えて、媒体補助券の発券を要求するリクエストを発券機200から受信し、コード画像生成情報を生成し、発券機200に送信する処理を実行する。そして、発券機200は、媒体補助券を印刷する。
【0129】
図25は、DBサーバ装置600による入出場時の処理の流れを示すフローチャートである。まず、DBサーバ装置600は、第2特徴量データを顔認証自動改札機300から受信したか否かを判定する(ステップS401)。第2特徴量データを受信した場合、DBサーバ装置600は、第2特徴量データに基づいて顔認証処理を実行し(ステップS403)、ステップS403における顔認証処理により、通行者と同一人物であると認められる登録者が得られたか否かを判定する(ステップS405)。
【0130】
ステップS405において、通行者と同一人物であると認められる登録者が得られた場合、DBサーバ装置600は、記憶部650を検索し、顔認証処理により通行者と同一人物であると認められた登録者と関連付けられた情報を検索結果として得る(ステップS407)。次いで、DBサーバ装置600は、ステップS403における顔認証処理の結果と、ステップS407における検索結果を、顔認証自動改札機300に送信する(ステップS409)。
【0131】
一方、ステップS405において、通行者と同一人物であると認められる登録者が得られない場合、DBサーバ装置600は、ステップS403における顔認証処理の結果を、顔認証自動改札機300に送信する(ステップS411)。
【0132】
次いで、DBサーバ装置600は、入出場の可否を判定する判定結果を顔認証自動改札機300から受信したか否かを判定する(ステップS413)。判定結果を受信した場合、DBサーバ装置600は、受信した判定結果に基づいて、記憶部650における乗車券状態を更新し(ステップS415)、必要であれば精算処理を実行してよい(ステップS417)。
【0133】
図26は、発券機200のよる登録処理の流れを示すフローチャートである。まず、発券機200は、登録と乗車券の購入をするための画面を表示部232に表示する(ステップS501)。発券機200は、利用者の属性情報を取得し、DBサーバ装置600に送信する(ステップS503)。次いで、発券機200は、顔認証を行うための情報を登録するか否かを利用者に確認するための画面を表示部232に表示し、顔認証を行うための情報を登録することが利用者から指示された場合(ステップS505)、例えば、発券機カメラ220を用いて利用者の顔を撮像する(ステップS507)。そして、発券機200は、撮像した利用者の顔画像のデータ(登録顔画像データ)を、DBサーバ装置600に送信する(ステップS509)。
【0134】
次いで、発券機200は、乗車券を購入するか否かを利用者に確認するための画面を表示部232に表示し、乗車券を購入することが利用者から指示された場合(ステップS511)、例えば、乗車券の種類や利用日等を含む乗車券の購入条件の指定を受け付け、DBサーバ装置600に送信する(ステップS513)。
【0135】
続きを、
図27を参照して説明する。
図27は、
図26の処理の流れの続きを示すフローチャートである。発券機200は、補助券を発券するか否かを利用者に確認し、補助券を発券する場合には電子補助券または媒体補助券のどちらを発券するのかを選択するための発券選択画面を表示部232に表示する(ステップS515)。
【0136】
電子補助券を発券することが利用者から指示された場合(ステップS517)、電子補助券の発券を要求するリクエストをDBサーバ装置600に送信する(ステップS519)。そして、発券機200は、電子補助券のデータ(例えば、コード画像表示情報)をDBサーバ装置600から受信し(ステップS521)、受信した電子補助券のデータを、近距離通信の通信範囲内に存在するユーザ端末装置100に送信する(ステップS523)。
【0137】
一方、ステップS517において電子補助券の発券が指示されず、媒体補助券を発券することが利用者から指示された場合(ステップS525)、媒体補助券の発券を要求するリクエストをDBサーバ装置600に送信する(ステップS527)。そして、発券機200は、媒体補助券のデータ(例えば、コード画像生成情報)をDBサーバ装置600から受信し(ステップS529)、受信した媒体補助券のデータに基づいて、コード画像を印刷媒体に印刷して、媒体補助券を印刷する(ステップS531)。
【0138】
以上説明した実施形態によれば、何らかの理由で顔認証がエラーとなった場合、顔画像の精度不足等の理由で顔認証がエラーとなった場合、各駅に顔認証に基づく通行判定処理を実行可能な自動改札機の設置を進める設置過渡期である場合、設置スペースの問題で顔認証に基づく通行判定処理を実行可能な自動改札機を設置できない駅がある場合などであっても、補助券を使って乗車券自動改札機400や兼用自動改札機500を通行することができる。よって、顔認証ができないことにより正当な権限を有する利用者の通行が妨げられる場合であっても、補助券で通行することが可能となり、正当な権限を有する利用者の不便を軽減させることができる。
【0139】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、通行者の顔を撮像するカメラを備える第1通行制御装置と、光学的に情報を読み取る光学系リーダ部と無線通信によって情報を読み取る無線リーダ部とのうち少なくとも一方を備える第2通行制御装置と、ネットワークを介して前記第1通行制御装置および前記第2通行制御装置のそれぞれと通信するサーバ装置とを備え、前記サーバ装置は、登録者に与えられた権限を示す権限情報に、前記登録者あるいは前記権限情報を識別する識別情報と、前記登録者の顔の特徴を示す第1特徴量データとの両方が対応付けられたレコード情報をデータベースに登録するデータ管理部と、前記カメラにより撮像され前記第1通行制御装置から受信した撮像画像に基づいて算出された第2特徴量データと、前記第1特徴量データとを比較することで、前記通行者の顔認証を行う顔認証処理部と、前記顔認証処理部により前記通行者が前記登録者と同一人物であることが認められた場合、顔認証処理の結果を用いて前記データベースを検索し、前記通行者と同一人物であると認められた前記登録者に対応付けられている前記権限情報を検索により得て、前記光学系リーダ部あるいは前記無線リーダ部により読み取られた前記識別情報を前記第2通行制御装置から受信した場合、前記受信した識別情報を用いて前記データベースを検索し、前記受信した識別情報に対応付けられている前記権限情報を検索により得る検索部と、前記検索部による検索の結果に応じた処理を行う処理部と、を備えることにより、利用者の通行の不便を軽減させることができる。
【0140】
[第2実施形態]
図28は、第2実施形態の通行制御システム1Xの一例を示す図である。通行制御システム1Xは、判定サーバ装置700をさらに備える点で、第1実施形態の通行制御システム1と異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0141】
判定サーバ装置700は、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500に換えて、上述した通行判定処理を実行する。
【0142】
図29は、第2実施形態の通行制御システム1Xにおける処理概要の一例を示す図である。
【0143】
ケース1では、顔認証自動改札機300が、第2特徴量データを判定サーバ装置700に送信し、判定サーバ装置700が、第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、第2特徴量データに基づく顔認証処理を行い、肯定的な認証が得られた場合、第2特徴量データをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を判定サーバ装置700に送信する。判定サーバ装置700は、受信した効力情報に基づいて通行判定処理を実行し、判定結果を顔認証自動改札機300に送信する。
【0144】
ケース2では、乗車券自動改札機400が、乗車券IDを判定サーバ装置700に送信し、判定サーバ装置700が、乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、乗車券IDをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を、判定サーバ装置700に送信する。判定サーバ装置700は、受信した効力情報に基づいて通行判定処理を実行し、判定結果を乗車券自動改札機400に送信する。
【0145】
ケース3では、兼用自動改札機500が、第2特徴量データを判定サーバ装置700に送信し、判定サーバ装置700が、第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、第2特徴量データに基づく顔認証処理を行い、肯定的な認証が得られた場合、第2特徴量データをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を判定サーバ装置700に送信する。判定サーバ装置700は、受信した効力情報に基づいて通行判定処理を実行し、判定結果を兼用自動改札機500に送信する。
【0146】
一方、補助券から乗車券IDを読み取った場合、兼用自動改札機500は、読み取った乗車券IDを判定サーバ装置700に送信し、判定サーバ装置700が、乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する。DBサーバ装置600は、乗車券IDをキーとして効力情報を検索し、検索により得られた効力情報を、判定サーバ装置700に送信する。判定サーバ装置700は、受信した効力情報に基づいて通行判定処理を実行し、判定結果を兼用自動改札機500に送信する。
【0147】
図30は、判定サーバ装置700の構成図である。判定サーバ装置700は、例えば、通信部710と、入出場処理部730と、記憶部750とを備える。通信部710は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。記憶部750は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、駅情報751や、運賃テーブル752等を格納する。
【0148】
入出場処理部730は、通信部710を用いて、DBサーバ装置600から受信した効力情報に基づいて、記憶部750を参照し、通行の可否を判定する。なお、入出場処理部730による判定処理は、上述した入出場処理部325による判定処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0149】
図31は、第2実施形態の顔認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。以下、
図18に説明する第1実施形態の顔認証に基づく入場処理と異なる点について説明する。ステップS37において、顔認証自動改札機300は、DBサーバ装置600に換えて、判定サーバ装置700に第2特徴量データを送信する。判定サーバ装置700は、受信した第2特徴量データをDBサーバ装置600に送信する(ステップS38)。そして、DBサーバ装置600は、顔認証処理の結果と効力情報等を判定サーバ装置700に送信する(ステップS42)。
【0150】
判定サーバ装置700は、DBサーバ装置600から受信した情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(ステップS44、S46)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、判定サーバ装置700は、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、通行判定結果としてDBサーバ装置600に送信し(ステップS48)、通行判定結果(入場許可)を顔認証自動改札機300に送信する(ステップS50)。
【0151】
図32は、第2実施形態の補助券に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。以下、
図19に説明する第1実施形態の補助券に基づく入場処理と異なる点について説明する。ステップS65において、乗車券自動改札機400は、DBサーバ装置600に換えて、判定サーバ装置700に乗車券IDを送信する。判定サーバ装置700は、受信した乗車券IDをDBサーバ装置600に送信する(ステップS66)。そして、DBサーバ装置600は、検索により得た通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を、判定サーバ装置700に送信する(ステップS70)。
【0152】
判定サーバ装置700は、DBサーバ装置600から受信した情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(ステップS72、S74)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、判定サーバ装置700は、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、通行判定結果としてDBサーバ装置600に送信し(ステップS76)、通行判定結果(入場許可)を乗車券自動改札機400に送信する(ステップS78)。
【0153】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有することができる。
【0154】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0155】
例えば、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500による一部の処理を、DBサーバ装置600に搭載させてもよい。同様にして、DBサーバ装置600による一部の処理を、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500に搭載させてもよい。例えば、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500は、DBサーバ装置600の顔認証処理部633、検索部634、乗車券DB651等を備え、第2特徴量データに基づいて顔認証処理やデータベース検索処理を実行してもよい。また、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500は、自身のカメラによって撮像された画像データをそのままDBサーバ装置600に送信し、DBサーバ装置600が第2特徴量データを生成してもよい。また、顔認証自動改札機300、乗車券自動改札機400、および兼用自動改札機500が実行する通行判定処理を、DBサーバ装置600が実行してもよい。
【0156】
また、判定サーバ装置700による一部の処理を、DBサーバ装置600に搭載させてもよい。同様にして、DBサーバ装置600による一部の処理を、判定サーバ装置700に搭載させてもよい。また、DBサーバ装置600と判定サーバ装置700とが同一の装置であってもよい。
【0157】
また、実施形態の通行制御システムは、ユーザ端末装置100で実行される処理の一部または全部を実行する駅務機器を、さらに備えていてもよい。
【0158】
なお、顔認証自動改札機300は、従機330に代えて、扉の開閉を制御する機構だけを備える補機を備えるものであってもよい。この場合、カメラユニット330Aを主機310の上面に設置し、カメラユニット310Aを撤去してもよい。
【符号の説明】
【0159】
1…通行制御システム、100…ユーザ端末装置、200…発券機、300…顔認証自動改札機、310…主機、311…第2カメラ、312…通路表示部、313…通路スピーカ、314…照明装置、316…正面表示部、317…扉部、318…扉部、319…通過センサ、320…制御部、330…従機、331…第1カメラ、332…通路表示部、333…通路スピーカ、400…乗車券自動改札機、500…兼用自動改札機、600…DBサーバ装置、610…通信部、630…制御部、631…データ管理部、632…画像処理部、633…顔認証処理部、634…検索部、635…精算処理部、650…記憶部