(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20240109BHJP
H02J 3/01 20060101ALI20240109BHJP
H02J 3/24 20060101ALI20240109BHJP
H02P 9/00 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H02J3/38 160
H02J3/01
H02J3/24
H02P9/00 F
(21)【出願番号】P 2020123578
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田仲 晃基
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 宏行
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-510234(JP,A)
【文献】特開2018-046636(JP,A)
【文献】特開2019-022272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 3/01
H02J 3/24
H02P 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた距離に離間して配置された、風力により電力を発電する複数の風力発電装置と、
複数の前記風力発電装置により発電された電力を変圧し、電力系統に送電する変電設備と、
複数の前記風力発電装置を電気的に接続するとともに、複数の前記風力発電装置を前記変電設備に電気的に接続する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの間、または前記電力ケーブルと複数の前記風力発電装置との間を電気的に開閉する複数の開閉装置と、
複数の前記開閉装置の開閉を制御する保護・制御装置と、を有し、
前記電力系統と前記変電設備の接続点よりも前記風力発電装置側が電気的にループを形成するように構成され、
前記保護・制御装置により複数の前記開閉装置が開閉された場合であっても、前記変電設備および前記電力ケーブルは、電力系統にかかる高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有する、
風力発電システム。
【請求項2】
前記変電設備および前記電力ケーブルは、前記保護・制御装置により複数の前記開閉装置が開閉された場合であっても、電力系統に供給された電力の奇数次高調波による共振が発生しない共振周波数を有するように調整された、インダクタンスおよび静電容量を有する、
請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項3】
前記変電設備および前記電力ケーブルは、前記保護・制御装置により複数の前記開閉装置が開閉された場合であっても、電力系統に供給された電力にかかる基本波と第3次高調波の間、または第3次高調波と第5次高調波との間、または第5次高調波と第7次高調波との間に共振周波数を有するように調整された、インダクタンスおよび静電容量を有する、
請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項4】
前記開閉装置は、ループを形成するように電気的に接続された前記電力ケーブルと前記風力発電装置3との間を開閉する第1の遮断器と、ループを形成する前記電力ケーブルとの間を開閉する第2の遮断器と、を有する、
請求項1または3に記載の風力発電システム。
【請求項5】
前記保護・制御装置は、前記電力ケーブルの一部の区間の遮断を前記開閉装置により行う前に、共振の発生の予測を行い、高調波による共振が発生すると予測される場合、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち複数の前記風力発電装置を接続する単数または複数の区間を遮断し、前記電力ケーブルを前記共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の風力発電システム。
【請求項6】
前記保護・制御装置は、前記電力ケーブルの一部の区間の遮断を前記開閉装置により行った後に、高調波による共振が発生したと判断した場合、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち複数の前記風力発電装置を接続する単数または複数の区間を遮断し、前記電力ケーブルを前記共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の風力発電システム。
【請求項7】
前記保護・制御装置は、通常運転時に、複数の前記開閉装置のうち一つの開閉装置を開路状態として、前記電力ケーブルの通電部分を二つに分割し、
前記電力ケーブルの遮断時に、通常運転時に開路状態とされた前記一つの開閉装置を閉路状態とした後に、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち単数または複数の区間を遮断する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の風力発電システム。
【請求項8】
予め定められた距離に離間して配置された、風力により電力を発電する複数の風力発電装置と、
複数の前記風力発電装置により発電された電力を変圧し、電力系統に送電する変電設備と、
複数の前記風力発電装置を電気的に接続するとともに、複数の前記風力発電装置を前記変電設備に電気的に接続する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの間、または前記電力ケーブルと複数の前記風力発電装置の間を電気的に開閉する複数の開閉装置と、を有し、
前記電力系統と前記変電設備の接続点よりも前記風力発電装置側が電気的にループを形成するように構成された風力発電システムにおいて、
複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルを前記電力系統にかかる高調波による共振の発生を避けるインダクタンスおよび静電容量とする、
風力発電システム用保護・制御装置。
【請求項9】
前記電力ケーブルの一部の区間の遮断を前記開閉装置により行う前に、共振の発生の予測を行い、高調波による共振が発生すると予測される場合、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち、複数の前記風力発電装置を接続する単数または複数の区間を遮断し、前記電力ケーブルを前記共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする、
請求項8に記載の風力発電システム用保護・制御装置。
【請求項10】
前記電力ケーブルの一部の区間の遮断を前記開閉装置により行った後に、高調波による共振が発生したと判断した場合、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち、複数の前記風力発電装置を接続する単数または複数の区間を遮断し、前記電力ケーブルを前記共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする、
請求項8に記載の風力発電システム用保護・制御装置。
【請求項11】
通常運転時に、複数の前記開閉装置のうち一つの開閉装置を開路状態として、前記電力ケーブルの通電部分を二つに分割し、
前記電力ケーブルの遮断時に、通常運転時に開路状態とされた前記一つの開閉装置を閉路状態とした後に、複数の前記開閉装置の開閉を制御し、前記電力ケーブルのうち単数または複数の区間を遮断する、
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の風力発電システム用保護・制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、事故発生時または点検、改修時に、風力発電システムに配置された開閉装置の開閉を制御する風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発生した事故を検出し、風力発電システムに配置された開閉装置の開閉を制御する風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-148002号公報
【文献】特開2019-22272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、自然エネルギーを利用した風力発電装置により発電が行われ、風力発電装置が電力系統に接続される場合が多くなった。効率よく発電を行うために、風力発電装置は、強い風力を得ることができる洋上に設置される場合が多い。このため、風力発電装置は、電力系統から長距離離間した地域に設置され、風力発電装置と電力系統を接続する電力ケーブルは、長距離になる場合が多い。
【0005】
また、風力発電装置は、出力電力を確保するために複数の風力発電装置が一つの地域に設置される。複数の風力発電装置は、効率よく発電を行うために相互に離間して設置されることが望ましい。複数の風力発電装置が近接して配置された場合、他の風力発電装置により通風が妨害され発電の効率が下がってしまう。このため、複数の風力発電装置は、数100メートル以上、相互に離間して設置される。したがって、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルは、数10km~数100kmの長距離となる場合もある。
【0006】
しかしながら、風力発電装置と電力系統を接続する電力ケーブル、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルが長距離になることにより、電力ケーブルの有するインダクタンス成分および静電容量が増大することとなる。電力ケーブルの有するインダクタンス成分および静電容量が増大することにより、電力系統にかかる高調波による共振が発生しやすいとの問題点があった。電力系統にかかる高調波は、残留高調波とも呼ばれ、発生源は、例えば家電製品等である。
【0007】
特に、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルまたは風力発電装置において事故が発生した場合、または点検、改修を行う場合に、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルに配置された開閉装置が開閉され、電力ケーブルの一部が電気的に遮断される。
【0008】
これにより、電力系統と複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブル長が変化し、電力ケーブルにおける共振周波数も変化する。事故が発生しない場合、または点検、改修が行われていない場合において、共振を避ける電力ケーブルの長さ、径、材質が選択されていても、電力系統から各風力発電装置までの電力ケーブル長が変化し、高調波による共振が発生する場合があった。
【0009】
このような高調波による共振により、過電圧、過電流が発生し、電力ケーブルが過熱、損傷するとともに、電力用コンデンサや直列リアクトルが損傷する可能性があり望ましくない。また、高調波による電圧ひずみが配電線を経由して広範囲に伝搬され、家電品が過熱、焼損する可能性もあり望ましくない。電力売買における電圧ひずみ率の上限を超え、電力の売買に支障が出る可能性もある。
【0010】
したがって、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルまたは風力発電装置における事故発生時または点検、改修時に、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルに配置された開閉装置が開閉され、電力ケーブルまたは風力発電装置が遮断された場合であっても、高調波による共振を避けることが望ましい。
【0011】
本実施形態は、複数の風力発電装置間を電気的に接続する電力ケーブルに配置された開閉装置が開閉され、電力系統から電力ケーブルまたは風力発電装置が遮断された場合であっても、電力系統にかかる高調波による共振を避けることができる風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本実施形態の風力発電システムは、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)予め定められた距離に離間して配置された、風力により電力を発電する複数の風力発電装置。
(2)複数の前記風力発電装置により発電された電力を変圧し、電力系統に送電する変電設備。
(3)ループを形成するように複数の前記風力発電装置を電気的に接続するとともに、複数の前記風力発電装置を前記変電設備に電気的に接続する電力ケーブル。
(4)前記電力ケーブルの間、または前記電力ケーブルと複数の前記風力発電装置との間を電気的に開閉する複数の開閉装置。
(5)複数の前記開閉装置の開閉を制御する保護・制御装置。
(6)前記電力系統と前記変電設備の接続点よりも前記風力発電装置側が電気的にループを形成するように構成される。
(7)前記保護・制御装置により複数の前記開閉装置が開閉された場合であっても、前記変電設備および前記電力ケーブルは、電力系統にかかる高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有する。
【0013】
また、上記に対応する風力発電システム用保護・制御装置も本実施形態の一態様である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態にかかる風力発電システムに構成を示す図
【
図2】第1実施形態にかかる風力発電システム用保護・制御装置の構成を示す図
【
図3】第1実施形態にかかる風力発電システムの等価回路を示す図
【
図4】電力ケーブルが遮断されない場合の風力発電システムの接続を説明する図
【
図5】風力発電装置が遮断された場合の風力発電システムの接続を説明する図
【
図6】電力ケーブルが遮断された場合の風力発電システムの接続を説明する図
【
図7】変電設備のインピーダンスと共振周波数の関係を説明する図
【
図8】開閉装置が変電設備内に配置された風力発電システムを示す図
【
図9】ループ状でない電力ケーブルにより構成された風力発電システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1~
図3を参照して本実施形態の一例として、風力発電システム1について説明する。本実施形態において、同一構成の装置や部材が複数ある場合にはそれらについて同一の番号を付して説明を行い、また、同一構成の個々の装置や部材についてそれぞれを説明する場合に、共通する番号にアルファベットの添え字を付けることで区別する。風力発電システム1の等価回路を
図3に示す。
【0016】
(1)システムの全体構成
風力発電システム1は、一例として保護・制御装置2、変電設備6、6つの風力発電装置3、を有する。6つの風力発電装置3は、ループを形成するように電力ケーブル7により電気的に接続される。6つの風力発電装置3を電気的に接続する電力ケーブル7は、変電設備6に接続される。変電設備6は、電力ケーブル8により電力系統9と電気的に接続される。電力ケーブル7が請求項における電力ケーブルに相当する。
【0017】
電力ケーブル7に複数の開閉装置4が配置される。開閉装置4に、電力パラメータの測定を行う測定装置5が配置される。保護・制御装置2は、測定装置5により測定された電力パラメータを受信し、電力ケーブル7または風力発電装置3の事故を検出し、開閉装置4の開閉の制御を行う。変電設備6および電力ケーブル7は、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有する。
【0018】
風力発電装置3は、再生可能エネルギーである風力を受け電力を発電する電源装置である。本実施形態にかかる風力発電システム1は、一例として6つの風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fを有する。風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、電力ケーブル7により電気的に並列に接続される。風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、電力ケーブル7を介し変電設備6に電気的に接続される。
【0019】
風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、数100メートル以上、例えば500m~1000m程度、相互に離間して洋上に設置される。
【0020】
変電設備6は、
図3に示すように電圧を変換する変圧器61、タップ付き直列リアクトル62等により構成される。変電設備6の低圧側は、電力ケーブル7を介し風力発電装置3に接続される。変電設備6の高圧側は、電力ケーブル8を介し電力系統9に接続される。変電設備6は、風力発電装置3により発電された電力を変圧し電力系統9に対し出力する。変電設備6は、インダクタンスLtrを有する。
【0021】
変電設備6のインダクタンスLtrは、風力発電装置3の設置時に調整される。変電設備6のインダクタンスLtrは、後述する電力ケーブル7のインダクタンスLy、静電容量C2に対し、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しない値に、変圧器61、タップ付き直列リアクトル62等により調整される。
【0022】
電力ケーブル7は、銅等の材質により構成された電力ケーブルである。電力ケーブル7は、開閉装置4を介し風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fをループ状に、電気的に接続する。また電力ケーブル7は、開閉装置4を介し風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fを変電設備6に電気的に接続する。電力ケーブル7は、インダクタンスLy、静電容量C2を有する。
【0023】
電力ケーブル7は、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gにより構成される。電力ケーブル7aは、開閉装置4a、4bを介し風力発電装置3aと風力発電装置3bとを電気的に接続する。電力ケーブル7bは、開閉装置4b、4cを介し風力発電装置3bと風力発電装置3cとを電気的に接続する。電力ケーブル7cは、開閉装置4c、4dを介し風力発電装置3cと風力発電装置3dとを電気的に接続する。電力ケーブル7dは、開閉装置4d、4eを介し風力発電装置3dと風力発電装置3eとを電気的に接続する。電力ケーブル7eは、開閉装置4e、4fを介し風力発電装置3eと風力発電装置3fとを電気的に接続する。電力ケーブル7fは、開閉装置4f、4gを介し風力発電装置3fと変電設備6とを電気的に接続する。電力ケーブル7gは、開閉装置4g、4aを介し風力発電装置3aと変電設備6とを電気的に接続する。
【0024】
電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、それぞれ数100メートル以上、例えば500m~1000m程度の長さを有する。電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、風力発電装置3が設置される海洋に配置される。電気的に直列に接続された電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、総合でインダクタンスLy、静電容量C2を有する。
【0025】
開閉装置4は、電流の開閉を行う遮断器、断路器などの開閉機器により構成される。開閉装置4は、電力ケーブル7、または電力ケーブル7と風力発電装置3の間に配置され、電力ケーブル7の間、または電力ケーブル7と風力発電装置3の間を電気的に開閉する。
【0026】
本実施形態にかかる風力発電システム1は、一例として開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gを有する。開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gは、保護・制御装置2により開閉を制御される。
【0027】
開閉装置4aは、風力発電装置3aと電力ケーブル7g、7aとの間に配置される。開閉装置4aは、内部に遮断器4am、遮断器4an、遮断器4aoを有する。遮断器4am、遮断器4an、遮断器4aoの一端は、開閉装置4a内の接続点41aに接続される。遮断器4amの他方の一端は、電力ケーブル7gに接続され、遮断器4amにより接続点41aと電力ケーブル7gとの間が開閉される。遮断器4anの他方の一端は、電力ケーブル7aに接続され、遮断器4anにより接続点41aと電力ケーブル7aとの間が開閉される。また、遮断器4aoの他方の一端は、風力発電装置3aに接続され、遮断器4aoにより接続点41aと風力発電装置3aとの間が開閉される。
【0028】
遮断器4amおよび遮断器4anが閉路状態である時に、遮断器4aoが開路状態とされることにより、電力ケーブル7g、7a間を導通状態としたまま、風力発電装置3aと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4aは、風力発電装置3a内に配置されていてもよい。
【0029】
開閉装置4bは、風力発電装置3bと電力ケーブル7a、7bとの間に配置される。開閉装置4bは、内部に遮断器4bm、遮断器4bn、遮断器4boを有する。遮断器4bm、遮断器4bn、遮断器4boの一端は、開閉装置4b内の接続点41bに接続される。遮断器4bmの他方の一端は、電力ケーブル7aに接続され、遮断器4bmにより接続点41bと電力ケーブル7aとの間が開閉される。遮断器4bnの他方の一端は、電力ケーブル7bに接続され、遮断器4bnにより接続点41bと電力ケーブル7bとの間が開閉される。また、遮断器4boの他方の一端は、風力発電装置3bに接続され、遮断器4boにより接続点41bと風力発電装置3bとの間が開閉される。
【0030】
遮断器4bmおよび遮断器4bnが閉路状態である時に、遮断器4boが開路状態とされることにより、電力ケーブル7a、7b間を導通状態としたまま、風力発電装置3bと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4bは、風力発電装置3b内に配置されていてもよい。
【0031】
開閉装置4cは、風力発電装置3cと電力ケーブル7b、7cとの間に配置される。開閉装置4cは、内部に遮断器4cm、遮断器4cn、遮断器4coを有する。遮断器4cm、遮断器4cn、遮断器4coの一端は、開閉装置4c内の接続点41cに接続される。遮断器4cmの他方の一端は、電力ケーブル7bに接続され、遮断器4cmにより接続点41cと電力ケーブル7bとの間が開閉される。遮断器4cnの他方の一端は、電力ケーブル7cに接続され、遮断器4cnにより接続点41cと電力ケーブル7cとの間が開閉される。また、遮断器4coの他方の一端は、風力発電装置3cに接続され、遮断器4coにより接続点41cと風力発電装置3cとの間が開閉される。
【0032】
遮断器4cmおよび遮断器4cnが閉路状態である時に、遮断器4coが開路状態とされることにより、電力ケーブル7b、7c間を導通状態としたまま、風力発電装置3cと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4cは、風力発電装置3c内に配置されていてもよい。
【0033】
開閉装置4dは、風力発電装置3dと電力ケーブル7c、7dとの間に配置される。開閉装置4dは、内部に遮断器4dm、遮断器4dn、遮断器4doを有する。遮断器4dm、遮断器4dn、遮断器4doの一端は、開閉装置4d内の接続点41dに接続される。遮断器4dmの他方の一端は、電力ケーブル7cに接続され、遮断器4dmにより接続点41dと電力ケーブル7cとの間が開閉される。遮断器4dnの他方の一端は、電力ケーブル7dに接続され、遮断器4dnにより接続点41dと電力ケーブル7dとの間が開閉される。また、遮断器4doの他方の一端は、風力発電装置3dに接続され、遮断器4doにより接続点41dと風力発電装置3dとの間が開閉される。
【0034】
遮断器4dmおよび遮断器4dnが閉路状態である時に、遮断器4doが開路状態とされることにより、電力ケーブル7c、7d間を導通状態としたまま、風力発電装置3dと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4dは、風力発電装置3d内に配置されていてもよい。
【0035】
開閉装置4eは、風力発電装置3eと電力ケーブル7d、7eとの間に配置される。開閉装置4eは、内部に遮断器4em、遮断器4en、遮断器4eoを有する。遮断器4em、遮断器4en、遮断器4eoの一端は、開閉装置4e内の接続点41eに接続される。遮断器4emの他方の一端は、電力ケーブル7dに接続され、遮断器4emにより接続点41eと電力ケーブル7dとの間が開閉される。遮断器4enの他方の一端は、電力ケーブル7eに接続され、遮断器4enにより接続点41eと電力ケーブル7eとの間が開閉される。また、遮断器4eoの他方の一端は、風力発電装置3eに接続され、遮断器4eoにより接続点41eと風力発電装置3eとの間が開閉される。
【0036】
遮断器4emおよび遮断器4enが閉路状態である時に、遮断器4eoが開路状態とされることにより、電力ケーブル7d、7e間を導通状態としたまま、風力発電装置3eと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4eは、風力発電装置3e内に配置されていてもよい。
【0037】
開閉装置4fは、風力発電装置3fと電力ケーブル7e、7fとの間に配置される。開閉装置4fは、内部に遮断器4fm、遮断器4fn、遮断器4foを有する。遮断器4fm、遮断器4fn、遮断器4foの一端は、開閉装置4f内の接続点41fに接続される。遮断器4fmの他方の一端は、電力ケーブル7eに接続され、遮断器4fmにより接続点41fと電力ケーブル7eとの間が開閉される。遮断器4fnの他方の一端は、電力ケーブル7fに接続され、遮断器4fnにより接続点41fと電力ケーブル7fとの間が開閉される。また、遮断器4foの他方の一端は、風力発電装置3fに接続され、遮断器4foにより接続点41fと風力発電装置3fとの間が開閉される。
【0038】
遮断器4fmおよび遮断器4fnが閉路状態である時に、遮断器4foが開路状態とされることにより、電力ケーブル7e、7f間を導通状態としたまま、風力発電装置3fと電力ケーブル7の間を遮断状態とすることができる。開閉装置4fは、風力発電装置3f内に配置されていてもよい。
【0039】
開閉装置4gは、変電設備6と電力ケーブル7f、7gとの間に配置される。開閉装置4gは、内部に遮断器4gm、遮断器4gnを有する。遮断器4gmにより変電設備6と電力ケーブル7fとの間が開閉され、遮断器4gnにより変電設備6と電力ケーブル7gとの間が開閉される。開閉装置4gは、変電設備6内に配置されていてもよい。
図8に示すように遮断器4gm、遮断器4gnの変電設備6側は、一括せずそれぞれ個別に変電設備6に接続し、変電設備6内でループが形成されるようにしてもよい。このように構成することにより、風力発電システム1における遮断器の数量を少なくすることができる。
【0040】
測定装置5は、電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧の検出を行う装置により構成される。測定装置5は、開閉装置4に配置される。測定装置5aが開閉装置4aに、測定装置5bが開閉装置4bに、測定装置5cが開閉装置4cに、測定装置5dが開閉装置4dに、測定装置5eが開閉装置4eに、測定装置5fが開閉装置4fにそれぞれ配置される。測定装置5は、電力ケーブル7により供給される電力にかかる電力パラメータとして、電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧の検出を行う。
【0041】
測定装置5は、電圧検出器50、電流検出器51m、51n、51o、送信部52を有する。電圧検出器50は、計器用変圧器(VT)等により構成される。電流検出器51m、51n、51oは、変流器(CT)等により構成される。送信部52は、送信回路により構成され通信装置を介し保護・制御装置2に接続される。送信部52は、電圧検出器50、電流検出器51m、51n、51oにより検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を光ケーブルによる光通信、電力線搬送、無線電波等により保護・制御装置2に送信する。
【0042】
測定装置5aの電圧検出器50aは、開閉装置4a内部の遮断器4am、遮断器4an、遮断器4aoの接続点41aに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5aの電流検出器51amは、開閉装置4a内部の遮断器4amの電力ケーブル7g側、電流検出器51anは、遮断器4anの電力ケーブル7a側、電流検出器51aoは、遮断器4aoの風力発電装置3a側に配置され、それぞれ遮断器4am、遮断器4an、遮断器4aoに流れる電流を検出する。送信部52aは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0043】
測定装置5bの電圧検出器50bは、開閉装置4b内部の遮断器4bm、遮断器4bn、遮断器4boの接続点41bに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5bの電流検出器51bmは、開閉装置4b内部の遮断器4bmの電力ケーブル7a側、電流検出器51bnは、遮断器4bnの電力ケーブル7b側、電流検出器51boは、遮断器4boの風力発電装置3b側に配置され、それぞれ遮断器4bm、遮断器4bn、遮断器4boに流れる電流を検出する。送信部52bは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0044】
測定装置5cの電圧検出器50cは、開閉装置4c内部の遮断器4cm、遮断器4cn、遮断器4coの接続点41cに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5cの電流検出器51cmは、開閉装置4c内部の遮断器4cmの電力ケーブル7b側、電流検出器51cnは、遮断器4cnの電力ケーブル7c側、電流検出器51coは、遮断器4coの風力発電装置3c側に配置され、それぞれ遮断器4co、遮断器4cn、遮断器4coに流れる電流を検出する。送信部52cは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0045】
測定装置5dの電圧検出器50dは、開閉装置4d内部の遮断器4dm、遮断器4dn、遮断器4doの接続点41dに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5dの電流検出器51dmは、開閉装置4d内部の遮断器4dmの電力ケーブル7c側、電流検出器51dnは、遮断器4dnの電力ケーブル7d側、電流検出器51doは、遮断器4doの風力発電装置3d側に配置され、それぞれ遮断器4dm、遮断器4dn、遮断器4doに流れる電流を検出する。送信部52dは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0046】
測定装置5eの電圧検出器50eは、開閉装置4e内部の遮断器4em、遮断器4en、遮断器4eoの接続点41eに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5eの電流検出器51emは、開閉装置4e内部の遮断器4emの電力ケーブル7d側、電流検出器51enは、遮断器4enの電力ケーブル7e側、電流検出器51eoは、遮断器4eoの風力発電装置3e側に配置され、それぞれ遮断器4em、遮断器4en、遮断器4eoに流れる電流を検出する。送信部52eは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0047】
測定装置5fの電圧検出器50fは、開閉装置4f内部の遮断器4fm、遮断器4fn、遮断器4foの接続点41fに配置され、電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5fの電流検出器51fmは、開閉装置4f内部の遮断器4fmの電力ケーブル7e側、電流検出器51fnは、遮断器4fnの電力ケーブル7f側、電流検出器51foは、遮断器4foの風力発電装置3f側に配置され、それぞれ遮断器4fm、遮断器4fn、遮断器4foに流れる電流を検出する。送信部52fは、検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0048】
電力ケーブル8は、銅等の材質により構成された電力ケーブルである。電力ケーブル8は、変電設備6と電力系統9とを電気的に接続する。電力ケーブル8は、変電設備6から出力された電力を電力系統9に伝達する。電力ケーブル8は、数キロメートル以上、例えば10km~100km程度の長さを有する。電力ケーブル8は、風力発電装置3が設置される海洋に配置される。電力ケーブル8は、インダクタンスLx、静電容量C1を有する。
【0049】
電力系統9は、交流電力を供給する電力供給網である。電力系統9は、水力、火力、原子力等の発電設備(図中不示)により発電された電力を送電する。
【0050】
(保護・制御装置2)
保護・制御装置2は、コンピュータ等により構成された装置である。保護・制御装置2は、電力系統9の監視制御を行う給電指令所、系統制御所、集中制御所などの指令室等に設置される。保護・制御装置2は、電力ケーブル7または風力発電装置3おいて事故が発生した場合、または電力ケーブル7または風力発電装置3の点検、改修を行う場合に、開閉装置4の開閉を制御する。保護・制御装置2は、入力部21、出力部22、記憶部23、演算部24を有する。
【0051】
入力部21は、インターネットやイントラネット等の通信回線との通信インタフェースにより構成される。入力部21は、演算部24に接続される。
【0052】
入力部21は、測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fに接続され、開閉装置4において検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値を受信する。受信した検出値は、演算部24に送信される。
【0053】
記憶部23は、半導体メモリやハードディスクのような記憶媒体にて構成される。記憶部23は、演算部24に接続される。記憶部23は、風力発電システム1における風力発電装置3、電力ケーブル7、開閉装置4の接続、配置を記憶する。記憶部23に対するデータの書き込み、読み出しは、演算部24により制御される。
【0054】
演算部24は、コンピュータに内蔵されたCPU等により構成される。演算部24は、入力部21、記憶部23、出力部22に接続される。
【0055】
演算部24は、入力部21を介して受信した、開閉装置4において検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値、および記憶部23に記憶された風力発電システム1における風力発電装置3、電力ケーブル7、開閉装置4の接続、配置に関する情報に基づき、開閉装置4の開閉を制御する制御信号を作成する。作成された制御信号は、出力部22に送信される。
【0056】
出力部22は、通信インタフェース等により構成される。出力部22は、演算部24に接続される。出力部22は、演算部24により作成された制御信号を、開閉装置4に対し送信する。制御信号は、光ケーブルによる光通信、電力線搬送、無線電波等により開閉装置4に送信される。開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gは、保護・制御装置2から送信された制御信号により開閉を制御される。
【0057】
以上が、風力発電システム1の構成である。
【0058】
[1-2.作用]
次に、
図1~8に基づき本実施形態の風力発電システム1の動作の概要を説明する。
図1~6は、あくまで実施形態における一例を示すものであり、風力発電システム1を構成する風力発電装置3、開閉装置4、測定装置5、電力ケーブル7の数量は任意であってよい。
図3に示すように風力発電システム1を構成する各部は、下記のインダクタンスまたは静電容量を有する。
Ls:電力系統9のインダクタンス
Lx:電力ケーブル8全体のインダクタンス
C1:電力ケーブル8全体の静電容量
Ltr:変電設備6のインダクタンス
Ly:電力ケーブル7全体のインダクタンス
C2:電力ケーブル7全体の静電容量
【0059】
風力発電システム1は、風力により電力を発電する風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fを有し、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gにより電気的に並列に接続される。電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fをループ状に接続する。電力ケーブル7f、7gは変電設備6に電気的に接続される。変電設備6は、電力ケーブル8を介し電力系統9に接続される。
【0060】
電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、それぞれ数100メートル以上、例えば500m~1000m程度の長さを有する。電力ケーブル8は、数キロメートル以上、例えば10km~100km程度の長さを有する。
【0061】
変電設備6は、電圧を変換する変圧器61、タップ付き直列リアクトル62を内蔵する。変電設備6は、風力発電装置3により発電された電力を変圧し電力系統9に対し出力する。変電設備6は、インダクタンスLtrを有する。変電設備6のインダクタンスLtrは、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2に対し、高調波による共振が発生しない値に、変圧器61またはタップ付き直列リアクトル62等により調整される。一般的に、変圧器61のインダクタンスは設計時に、タップ付き直列リアクトル62のインダクタンスは設置時に決定される。
【0062】
測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fは、それぞれ開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4fにおける供給される電力にかかる電力パラメータとして、電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧の検出を行い、検出値を保護・制御装置2に送信する。
【0063】
測定装置5aの電圧検出器50aは、開閉装置4a内部の遮断器4am、遮断器4an、遮断器4aoの接続点41aの電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。測定装置5aの電流検出器51amは、開閉装置4a内部の遮断器4amの電力ケーブル7g側、電流検出器51anは、遮断器4anの電力ケーブル7a側、電流検出器51aoは、遮断器4aoの風力発電装置3a側の電流をそれぞれ検出する。検出された電圧、電流、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値は、測定装置5aから、送信部52aにより保護・制御装置2に送信される。
【0064】
同様に測定装置5bの電圧検出器50b、測定装置5cの電圧検出器50c、測定装置5dの電圧検出器50d、測定装置5eの電圧検出器50e、測定装置5fの電圧検出器50fは、それぞれ開閉装置4b、4c、4d、4e、4fにおける電圧および高調波にかかる高周波電圧を検出する。検出された電圧、高調波にかかる高周波電圧に関する検出値は、測定装置5b、5c、5d、5e、5fから、それぞれ送信部52b、52c、52d、52e、52fにより保護・制御装置2に送信される。
【0065】
また、測定装置5bの電流検出器51bm、51bn、51boは、開閉装置4bにおける各点の電流を、測定装置5cの電流検出器51cm、51cn、51coは、開閉装置4cにおける各点の電流を、測定装置5dの電流検出器51dm、51dn、51doは、開閉装置4dにおける各点の電流を、測定装置5eの電流検出器51em、51en、51eoは、開閉装置4eにおける各点の電流を、測定装置5fの電流検出器51fm、51fn、51foは、開閉装置4fにおける各点の電流を、それぞれ検出する。検出された電流に関する検出値は、測定装置5b、5c、5d、5e、5fから、それぞれ送信部52b、52c、52d、52e、52fにより保護・制御装置2に送信される。
【0066】
保護・制御装置2の入力部21は、測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された検出値を受信する。保護・制御装置2の演算部24は、測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電圧、電流に関する検出値に基づき、電力ケーブル7に発生した事故、または風力発電装置3に発生した事故を検出する。保護・制御装置2の演算部24は、電力ケーブル7または風力発電装置3における事故が発生した箇所を特定する。電力ケーブル7または風力発電装置3における事故が発生した箇所は、例えば測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電流値の差分、または電圧値に基づき、特定される。
【0067】
保護・制御装置2の演算部24は、記憶部23に記憶された、風力発電システム1における風力発電装置3、電力ケーブル7、開閉装置4の接続、配置に関する情報に基づき、開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gの開閉を制御する制御信号を作成する。作成された制御信号は、保護・制御装置2の出力部22から開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gに送信される。
【0068】
開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gは、保護・制御装置2から送信された制御信号により、開閉を制御される。例えば事故発生時または点検、改修時に、開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gは、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、または風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fのうち事故が発生した部分、または点検、改修の対象となる部分を、変電設備6から電気的に遮断する。
【0069】
電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fをループ状に電気的に接続している。したがって、開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gにより、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち事故が発生した部分、または点検、改修の対象となる部分が、変電設備6から電気的に遮断された場合であっても、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、遮断されていない電力ケーブル7を介し、変電設備6に送電される。
【0070】
開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gが全て閉路状態とされた場合において、変電設備6のインダクタンスLtrは、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2に対し、高調波による共振が発生しない値に、変圧器61またはタップ付き直列リアクトル62等により調整される。一般的に、変圧器61のインダクタンスは設計時に、タップ付き直列リアクトル62のインダクタンスは設置時に決定される。
【0071】
事故発生時または点検、改修時に、開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gの一部が開路状態とされた場合、各風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fと変電設備6とを電気的に接続する電力ケーブル7のケーブル長が変化する。これにより、各風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fと変電設備6との間の電力ケーブル7のインダクタンスおよび静電容量が変化する。
【0072】
開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gの一部が開路状態とされた場合であっても、変電設備6のインダクタンスLtrは、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2に対し、高調波による共振が発生しない値に、変圧器61またはタップ付き直列リアクトル62等により調整される。
【0073】
(ケース0:電力ケーブル7が遮断されない場合)
図4に示すように、事故が発生しておらず、または点検、改修が行われず、開閉装置4が全て閉路状態とされた場合における、変電設備6のインダクタンスLtr、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2との関係について説明する。電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは、遮断されず変電設備6と電気的に接続されている。風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、変電設備6と電気的に接続されている。
【0074】
電力系統9にかかる高調波(残留高調波)による、
図3に示す風力発電システム1における共振周波数frは、以下の(式1)により表される。
【数1】
・・・・・・・・(式1)
【0075】
(式1)におけるインダクタンスL1、L2は、下記の(式2)、(式3)により算出される。
L1=Ls+Lx/2 ・・・・・(式2)
L2=Lx/2+Ltr+Ly/2 ・・・・・(式3)
上記(式2)(式3)において、各パラメータは下記の通りである。
Ls:電力系統9のインダクタンス
Lx:電力ケーブル8全体のインダクタンス
C1:電力ケーブル8全体の静電容量
Ltr:変電設備6のインダクタンス
Ly:電力ケーブル7全体のインダクタンス
C2:電力ケーブル7全体の静電容量
【0076】
開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gが全て閉路状態とされた場合、変電設備6のインダクタンスLtrは、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2に対し、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しない値に調整される。
【0077】
変電設備6のインダクタンスLtrは、例えば、共振周波数frが、電力系統9の基本波周波数fw1と第3次高調波の周波数fw3の間の周波数、第3次高調波の周波数fw3と第5次高調波の周波数fw5の間の周波数、または、第5次高調波の周波数fw5と第7次高調波の周波数fw7の間の周波数となるように調整される。
【0078】
変電設備6のインダクタンスLtrは、第3次高調波、第5次高調波、第7次高調波、または他の高次の高調波による共振が発生しない値に調整されるようにしてもよい。
【0079】
電力系統9に供給される電力が60Hz系である場合、第3次高調波は180Hz、第5次高調波は300Hz、第7次高調波は420Hzとなる。
図7に示すように、基本波および各高調波に対し15Hzの周波数変動を考慮し、共振周波数frが75Hz<共振周波数fr<165Hz、195Hz<共振周波数fr<285Hz、315Hz<共振周波数fr<405Hzとなるように、変電設備6のインダクタンスLtrが選択される。本実施形態では、変電設備6を構成する変圧器61のインピーダンスを40~50%に調整し、共振を避ける。
【0080】
(ケース1:開閉装置4aの遮断器4aoが開路状態とされた場合)
次に
図5に示すように、事故発生または点検、改修により、開閉装置4aの遮断器4aoが開路状態とされた場合について説明する。
【0081】
事故発生時に、保護・制御装置2の入力部21は、測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電圧、電流に関する検出値を受信する。保護・制御装置2の演算部24は、受信した電圧、電流に関する検出値に基づき、事故が発生した箇所を特定する。事故が発生した箇所は、例えば測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電流値の差分または電圧に基づき、演算部24により特定される。
【0082】
点検、改修時に、保護・制御装置2は、作業者により電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、または風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fのうち、点検、改修の対象となる部分を指示される。演算部24は、事故が発生した部分、または点検、改修の対象となる部分を特定し、出力部22を介し、開閉装置4aの遮断器4aoを開路状態とする制御を行う。開閉装置4aの遮断器4aoは、保護・制御装置2により制御され開路状態とされる。
【0083】
これにより風力発電装置3aは、電力ケーブル7から電気的に遮断される。一方、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは遮断されず、変電設備6と電気的に接続されている。電力ケーブル7は、風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fをループ状に、電気的に接続する。したがって、風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fは、変電設備6と電気的に接続されている。
【0084】
風力発電装置3aが開閉装置4の遮断器4aoにより、電力ケーブル7から電気的に遮断された場合であっても、風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、変電設備6を介し電力系統9に供給される。
【0085】
また、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gは遮断されず、ループ状に変電設備6と電気的に接続されている。電力ケーブル7は、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g全体としてインダクタンスLy、静電容量C2を有する。インダクタンスLy、静電容量C2は、上記のケース0における、電力ケーブル7が遮断されない場合と同等のインダクタンスLy、および静電容量C2である。
【0086】
インダクタンスLy、および静電容量C2は、変電設備6のインダクタンスLtr、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1に対し、高調波による共振が発生しない値を有す。
【0087】
電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2、変電設備6のインダクタンスLtr、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1は、(式1)にかかる共振周波数frが、例えば電力系統9に供給された電力にかかる基本波周波数fw1と第3次高調波の周波数fw3の間の周波数、第3次高調波の周波数fw3と第5次高調波の周波数fw5の間の周波数、または、第5次高調波の周波数fw5と第7次高調波の周波数fw7の間の周波数となる値を有す。
【0088】
したがって、開閉装置4aの遮断器4aoが開路状態とされ風力発電装置3aが電力ケーブル7から遮断された場合であっても、変電設備6および電力ケーブル7は、高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有する。これにより、電力系統9にかかる高調波による、変電設備6および電力ケーブル7における共振の発生を避ける。
【0089】
図9に示す従来技術にかかる風力発電システム1において、開閉装置4aは遮断器4aoを有しない。したがって、風力発電装置3aに事故が発生した場合、開閉装置4aの遮断器4amが開路状態とされ、風力発電装置3aが変電設備6、電力系統9から電気的に遮断される。これにより、風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fも変電設備6、電力系統9から電気的に遮断される。
【0090】
このため故障していない風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、電力系統9に供給されず、不都合であった。また、開閉装置4aの遮断器4amが開路状態とされることにより、通電された電力ケーブル7の長さが大幅に変化し、電力ケーブル7におけるインダクタンス、静電容量も大幅に変化する。これにより、高調波による共振が発生しやすくなり不都合であった。
【0091】
本実施形態によれば、開閉装置4aは、ループを形成するように電気的に接続された電力ケーブル7と風力発電装置3aとの間を開閉する遮断器4aoを有するので、風力発電装置3の故障が検出された場合、開閉装置4の遮断器4am、4anを閉路状態としたまま遮断器4aoを開路状態とすることで、ループを形成するように電気的に接続された電力ケーブル7の通電を妨げることなく、電力ケーブル7と風力発電装置3を遮断することができる。
【0092】
これにより、電力ケーブル7と風力発電装置3aが遮断された場合であっても、通電された電力ケーブル7の長さは変化しないので、高調波による共振を避けることができる。
【0093】
(ケース2:電力ケーブル7aが遮断された場合)
次に
図6に示すように、事故発生または点検、改修により、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmが開路状態とされた場合について説明する。
【0094】
事故発生時に、保護・制御装置2の入力部21は、測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電圧、電流に関する検出値を受信する。保護・制御装置2の演算部24は、受信した電圧、電流に関する検出値に基づき、事故が発生した箇所を特定する。事故が発生した箇所は、例えば測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fから送信された電流値の差分または電圧に基づき、演算部24により特定される。
【0095】
点検、改修時に、保護・制御装置2は、作業者により電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、または風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fのうち、点検、改修の対象となる部分を指示される。演算部24は、事故が発生した部分、または点検、改修の対象となる部分を特定し、出力部22を介し、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmを開路状態とする制御を行う。開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmは、保護・制御装置2により制御され開路状態とされる。
【0096】
これにより電力ケーブル7aは、変電設備6および電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gから電気的に遮断される。一方、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gは遮断されず、変電設備6と電気的に接続されている。したがって、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fは、変電設備6と電気的に接続されている。
【0097】
電力ケーブル7aが、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmにより、変電設備6および電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gから電気的に遮断された場合であっても、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、変電設備6を介し電力系統9に供給される。
【0098】
また、電力ケーブル7aが遮断されても、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gは遮断されず、変電設備6と電気的に接続されている。変電設備6のインダクタンスLtr、は、
図7に基づき共振を回避するインダクタンスかかるインピーダンスに調整されている。電力ケーブル7は、遮断されない状態で電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g全体としてインダクタンスLy、静電容量C2を有する。一例として、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの長さが、同等である場合、遮断されない電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7g全体のインダクタンスは(6/7)×Ly、静電容量は(6/7)×C2となる。
【0099】
変電設備6のインダクタンスLtrは、電力ケーブル7のインダクタンスLyより十分大きく、変電設備6の静電容量C1は、電力ケーブル7の静電容量C2より十分大きい。したがって上記ケース0の電力ケーブル7aが遮断されない場合における共振周波数frと、電力ケーブル7aが遮断された場合における共振周波数frとの差分は、わずかである。共振周波数frは前述の(式1)により算出される。
【0100】
電力ケーブル7aが遮断された場合であっても、実用上、ケース0において選択された変電設備6のインダクタンスLtr、電力系統9のインダクタンスLs、電力ケーブル8のインダクタンスLxおよび静電容量C1、電力ケーブル7のインダクタンスLyおよび静電容量C2により共振を回避することができる。
【0101】
または、電力ケーブル7全体のインダクタンスがLy、静電容量がC2である場合、および電力ケーブル7のインダクタンスが(6/7)×Ly、静電容量が(6/7)×C2である場合の両者において、変電設備6のインダクタンスLtrが、共振を回避するインダクタンスに調整されるようにしてもよい。(式1)および
図7に基づき、共振を回避する変電設備6のインダクタンスLtrが選択される。これにより電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの一部が遮断された場合であっても、共振を回避することができる。
【0102】
図9に示す従来技術にかかる風力発電システム1において、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7gは、ループを形成するように電気的に接続されていない。したがって、電力ケーブル7aに事故が発生した場合、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmが開路状態とされ、電力ケーブル7aが変電設備6、電力系統9から電気的に遮断される。これにより、電力ケーブル7b、7c、7d、7eも変電設備6、電力系統9から電気的に遮断される。
【0103】
これにより故障していない風力発電装置3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、電力系統9に供給されず、不都合であった。また、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmが開路状態とされることにより、通電された電力ケーブル7の長さが大幅に変化し、電力ケーブル7におけるインダクタンス、静電容量も大幅に変化する。これにより、高調波による共振が発生しやすくなり不都合であった。
【0104】
本実施形態によれば、開閉装置4aは、ループを形成するように電気的に接続された電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gを有するので、故障が検出され電力ケーブル7の一部が遮断された場合であっても、風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3fにより発電された電力は、電力系統9に供給される。
【0105】
また、電力ケーブル7の一部が遮断された場合であっても、通電された電力ケーブル7の長さは大幅に変化せず、高調波による共振を避けることができる。
【0106】
(ケース3:電力ケーブル7の遮断後に共振の発生が予測される場合)
次に、点検、改修時等に電力ケーブル7の一部を遮断したときに、共振の発生が予測される場合について説明する。
【0107】
保護・制御装置2は、電力ケーブル7の一部の区間の遮断を開閉装置4により行う前に、共振の発生の予測を行い、高調波による共振が発生すると予測される場合、開閉装置4の開閉を制御し、電力ケーブル7のうち、風力発電装置3を接続する単数または複数の区間を遮断し、電力ケーブル7を共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする。
【0108】
保護・制御装置2は、例えば点検、改修時等に、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの一つの電力ケーブルを遮断したときに、共振の発生が予測される場合、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの一つまたは複数の電力ケーブルをさらに遮断し共振の発生を回避する。
【0109】
例えば、
図6に示すように、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmが開路状態とされ、電力ケーブル7aが変電設備6および電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gから電気的に遮断された場合に、遮断されない電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gにおいて共振の発生が予測される場合もある。
【0110】
電力ケーブル7aが遮断された場合、変電設備6から風力発電装置3bまでの、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7fにより形成される電路全体の静電容量C2が小さくなる。これにより共振周波数frが変化し、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しやすくなる場合がある。
【0111】
また、メンテナンス等により、風力発電システム1の電力ケーブル7を交換した場合、電力ケーブル7の引き回し、径、材質が変更され、電力ケーブル7のインダクタンスLy、静電容量C2が変わってしまう場合がある。ループ状に配置された電力ケーブル7の一部が遮断された場合、電力系統9から各風力発電装置3までの通電された電力ケーブル7の長さが変化し、電力系統9にかかる高調波による電力ケーブル7における共振が発生しやすくなってしまう場合がある。
【0112】
保護・制御装置2は、共振の発生が予測される場合、点検、改修の対象となる電力ケーブル7の区間である電力ケーブル7aに加え、通電された電力ケーブル7の長さが高調波による共振を回避することができる長さとなるように、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち、一つまたは複数の電力ケーブルをさらに遮断する。保護・制御装置2は、点検、改修の対象となる電力ケーブル7の一部の区間である電力ケーブル7aの遮断を、開閉装置4により行う前に、共振の発生の予測を行う。
【0113】
保護・制御装置2の演算部24は、高調波による共振を回避することができるインダクタンスLy、静電容量C2を、(式1)に基づき算出する。演算部24は、通電された電力ケーブル7の長さが、算出されたインダクタンスLy、静電容量C2となるように、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち、一つまたは複数の電力ケーブルを選択し、遮断する。
【0114】
例えば、保護・制御装置2は、開閉装置4aの遮断器4an、開閉装置4dの遮断器4dmを開路状態とし、電力ケーブル7aに加え、電力ケーブル7b、7cを電力ケーブル7d、7e、7f、7gおよび変電設備6から電気的に遮断する。
【0115】
保護・制御装置2は、点検、改修の対象となる電力ケーブル7の区間に加え、遮断することにより高調波による共振を回避することができると予測される電力ケーブル7の区間を、開閉装置4を制御し、他の電力ケーブル7および変電設備6から電気的に遮断する。
【0116】
これにより、電力ケーブル7の一部が遮断されたときに、通電された電力ケーブル7の長さが変化し、高調波による共振の発生が予測される場合であっても、電力系統9にかかる高調波(残留高調波)による電力ケーブル7における共振の発生を避けることができる。
【0117】
(ケース4:電力ケーブル7の遮断後に共振が発生した場合)
次に、事故発生時に電力ケーブル7の一部を遮断した後に、共振が発生した場合について説明する。
【0118】
保護・制御装置2は、電力ケーブル7の一部の区間の遮断を開閉装置4により行った後に、高調波による共振が発生したと判断した場合、開閉装置4の開閉を制御し、電力ケーブル7のうち、風力発電装置3を接続する単数または複数の区間を遮断し、電力ケーブル7を共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とする。
【0119】
保護・制御装置2は、例えば事故発生時に電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの一つの電力ケーブルの遮断後に、共振が発生した場合、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの一つまたは複数の電力ケーブルをさらに遮断し共振の発生を回避する。
【0120】
例えば、
図6に示すように、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmが開路状態とされ、電力ケーブル7aが変電設備6および電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gから電気的に遮断された後に、遮断されない電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gにおいて共振が発生する場合もある。
【0121】
測定装置5は、電力ケーブル7に発生した高調波にかかる高周波電圧の検出を行う。測定装置5は、送信部52を介し、検出した高周波電圧にかかるパラメータを保護・制御装置2に送信する。保護・制御装置2は、入力部21により高周波電圧にかかるパラメータを受信し、演算部24により共振の発生を判断する。保護・制御装置2は、演算部24により、電力ケーブル7の一部の区間の遮断を開閉装置4により行った後の共振周波数を、(式1)に基づき算出して共振の発生を判断する。
【0122】
電力ケーブル7aが遮断された場合、変電設備6から風力発電装置3bまでの、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7fにより形成される電路全体の静電容量C2が小さくなる。これにより共振周波数frが変化し、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しやすくなる場合がある。
【0123】
また、メンテナンス等により、風力発電システム1の電力ケーブル7を交換した場合、電力ケーブル7の引き回し、径、材質が変更され、電力ケーブル7のインダクタンスLy、静電容量C2が変わってしまう場合がある。ループ状に配置された電力ケーブル7の一部が遮断された場合、電力系統9から各風力発電装置3までの通電された電力ケーブル7の長さが変化し、電力系統9にかかる高調波による電力ケーブル7における共振が発生しやすくなってしまう場合がある。
【0124】
保護・制御装置2は、演算部24により共振が発生していると判断した場合、事故が発生した電力ケーブル7の区間である電力ケーブル7aを遮断した後に、電力ケーブル7aに加え、通電された電力ケーブル7の長さが高調波による共振を回避することができる長さとなるように、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち、一つまたは複数の電力ケーブルをさらに遮断する。電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち、一つまたは複数の電力ケーブルのさらなる遮断は、電力ケーブル7aを遮断した後、数秒以内に行われることが望ましい。
【0125】
保護・制御装置2の演算部24は、高調波による共振を回避することができるインダクタンスLy、静電容量C2を、(式1)に基づき算出する。演算部24は、通電された電力ケーブル7の長さが、算出されたインダクタンスLy、静電容量C2となるように、電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち、一つまたは複数の電力ケーブルを選択し、遮断する。
【0126】
例えば、保護・制御装置2は、開閉装置4dの遮断器4dmを開路状態とし、電力ケーブル7aに加え、電力ケーブル7b、7cを電力ケーブル7d、7e、7f、7gおよび変電設備6から電気的に遮断する。なお、開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmは、既に開路状態とされている。
【0127】
保護・制御装置2は、事故が検出された電力ケーブル7の区間に加え、遮断することにより高調波による共振を回避することができると予測される電力ケーブル7の区間を、開閉装置4を制御し、他の電力ケーブル7および変電設備6から電気的に遮断する。
【0128】
保護・制御装置2は、再度、測定装置5から高周波電圧にかかるパラメータを受信し、演算部24により共振が発生していないことを確認する。
【0129】
これにより、電力ケーブル7の一部が遮断されたときに、通電された電力ケーブル7の長さが変化し、高調波による共振が発生した場合であっても、電力系統9にかかる高調波(残留高調波)による電力ケーブル7における共振の発生を避けることができる。
【0130】
以上が、風力発電システム1の動作である。
【0131】
[1-3.効果]
(1)本実施形態によれば、風力発電システム1は、予め定められた距離に離間して配置された、風力により電力を発電する複数の風力発電装置3と、複数の風力発電装置3により発電された電力を変圧し、電力系統9に送電する変電設備6と、ループを形成するように複数の風力発電装置3を電気的に接続するとともに、複数の風力発電装置3を変電設備6に電気的に接続する電力ケーブル7と、電力ケーブル7の間、または電力ケーブル7と複数の風力発電装置3との間を電気的に開閉する複数の開閉装置4と、複数の開閉装置4の開閉を制御する保護・制御装置2と、を有し、電力系統9と変電設備6の接続点よりも風力発電装置3側が電気的にループを形成するように構成され、保護・制御装置2により複数の開閉装置4が開閉された場合であっても、変電設備6および電力ケーブル7は、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有するので、複数の風力発電装置3間を電気的に接続する電力ケーブル7に配置された開閉装置4が開閉され、電力系統9から電力ケーブル7または風力発電装置3が遮断された場合であっても、電力系統9にかかる高調波による共振を避けることができる風力発電システム1を提供することができる。
【0132】
複数の風力発電装置3の間は、ループを形成するように電力ケーブル7により接続され、変電設備6に接続されているので、電力ケーブル7の一部が遮断された場合であっても、風力発電装置3により発電された電力を、電力系統9に送電することができる。
【0133】
本実施形態によれば、変電設備6および電力ケーブル7は、保護・制御装置2により複数の開閉装置4が開閉された場合であっても、電力系統9にかかる高調波による共振が発生しないインダクタンスおよび静電容量を有するので、複数の風力発電装置3間を、ループ状に電気的に接続する電力ケーブル7に配置された開閉装置4が開閉され、電力ケーブル7の一部が遮断され、電力系統9から各風力発電装置3までの通電される電力ケーブル7の長さが変化した場合であっても、電力系統9にかかる高調波による共振を避けることができる。
【0134】
(2)本実施形態によれば、変電設備6および電力ケーブル7は、保護・制御装置2により複数の開閉装置4が開閉された場合であっても、電力系統9に供給された電力の奇数次高調波による共振が発生しない共振周波数を有するように調整されたインダクタンスおよび静電容量を有するので、電力ケーブル7に配置された開閉装置4が開閉され、電力系統9から各風力発電装置3まで通電される電力ケーブル7の長さが変化した場合であっても、高調波による共振を避けることができる。
【0135】
(3)本実施形態によれば、変電設備6および電力ケーブル7は、保護・制御装置2により複数の開閉装置4が開閉された場合であっても、電力系統9に供給された電力にかかる基本波と第3次高調波の間、第3次高調波と第5次高調波との間、または第5次高調波と第7次高調波との間に共振周波数を有するように調整されたインダクタンスおよび静電容量を有するので、電力ケーブル7に配置された開閉装置4が開閉され、電力系統9から各風力発電装置3まで通電される電力ケーブル7の長さが変化した場合であっても、高調波による共振を避けることができる。
【0136】
電力ケーブル7における高調波による共振を避けることができることができるので、高調波による共振により、過電圧、過電流が発生し、電力ケーブル7が過熱、損傷することを避けることができるとともに、電力用コンデンサや直列リアクトルが損傷する可能性を軽減させることができる。また、高調波による電圧ひずみが配電線を経由して広範囲に伝搬され、家電品が過熱、焼損する可能性を軽減することができる。電力売買における電圧ひずみ率の上限を超え、電力の売買に支障が出る可能性を軽減することができる。
【0137】
(4)本実施形態によれば、開閉装置4は、ループを形成するように電気的に接続された電力ケーブル7と風力発電装置3との間を開閉する第1の遮断器である遮断器4oと、ループを形成する電力ケーブル7との間を開閉する第2の遮断器である遮断器4m、4nと、を有するので、風力発電装置3の故障が検出された場合、開閉装置4の遮断器4m、4nを閉路状態としたまま遮断器4oを開路状態とすることで、ループを形成するように電気的に接続された電力ケーブル7の通電を妨げることなく、電力ケーブル7と風力発電装置3を遮断することができる。
【0138】
これにより、電力ケーブル7と風力発電装置3が遮断された場合であっても、通電された電力ケーブル7の長さは変化しないので、高調波による共振を避けることができる。
【0139】
(5)本実施形態によれば、保護・制御装置2は、電力ケーブル7の一部の区間の遮断を開閉装置4により行う前に、共振の発生の予測を行い、高調波による共振が発生すると予測される場合、開閉装置4の開閉を制御し、電力ケーブル7のうち風力発電装置3を接続する単数または複数の区間を遮断し、電力ケーブル7を共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とするので、電力ケーブル7の一部が遮断され、電力系統9から各風力発電装置3までの通電される電力ケーブル7の長さが変化した場合であっても、より確実に電力系統9にかかる高調波による、電力ケーブル7における共振を避けることができる。
【0140】
(6)本実施形態によれば、保護・制御装置2は、電力ケーブル7の一部の区間の遮断を開閉装置4により行った後に、高調波による共振が発生したと判断した場合、開閉装置4の開閉を制御し、電力ケーブル7のうち、風力発電装置3を接続する単数または複数の区間を遮断し、電力ケーブル7を共振の発生が回避されるインダクタンスおよび静電容量とするので、電力ケーブル7の一部が遮断され、電力系統9から各風力発電装置3までの通電される電力ケーブル7の長さが変化した場合であっても、より確実に電力系統9にかかる高調波による、電力ケーブル7における共振を避けることができる。
【0141】
[2.他の実施形態]
変形例を含めた実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。以下は、その一例である。
【0142】
(1)上記実施形態では、風力発電システム1は、6つの風力発電装置3a、3b、3c、3d、3e、3f、7つの開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、6つの測定装置5a、5b、5c、5d、5e、5fを有するものとしたが、これに限られず風力発電システム1は、任意の数量の風力発電装置3、開閉装置4、測定装置5を有するものであってよい。また、風力発電システム1は、風力発電装置3および変電設備6を電気的に接続する7つの電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gを有するものとしたが、これに限られず風力発電システム1は、風力発電装置3の数量に応じ任意の数量の電力ケーブル7を有するものであってよい。
【0143】
(2)上記実施形態のケース2において、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの長さが、同等である場合について説明したが、これに代替し、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gの各電力ケーブルのインダクタンス、静電容量を予め検出し、このインダクタンス、静電容量に基づき、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gを遮断した場合の共振周波数frを(式1)により算出し、共振を回避する変電設備6のインダクタンスLtr、静電容量C1を選択するようにしてもよい。
【0144】
または、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち最大のインダクタンス、静電容量を予め検出し、このインダクタンス、静電容量に基づき、電力ケーブル7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gのうち最大のインダクタンス、静電容量を有する電力ケーブル7を遮断した場合の共振周波数frを(式1)により算出し、共振を回避する変電設備6のインダクタンスL1、静電容量C1を選択するようにしてもよい。
【0145】
(3)上記実施形態では、風力発電システム1は、事故発生時または点検、改修時等を除く通常運転時に、全ての開閉装置4a、4b、4c、4d、4e、4f、4gが閉路状態とされるものとしたが、風力発電システム1は、以下のように構成されるものであってもよい。
【0146】
保護・制御装置2は、通常運転時に、複数の開閉装置4のうち一つの開閉装置4を開路状態として、ループ状に形成された電力ケーブル7の通電部分を二つに分割し、電力ケーブル7の遮断時に、通常運転時に開路状態とされた一つの開閉装置4を閉路状態とした後に、複数の開閉装置4の開閉を制御し、電力ケーブル7のうち単数または複数の区間を遮断するようにしてもよい。
【0147】
事故発生時または点検、改修時等を除く通常運転時に、保護・制御装置2は、ループ状に接続された電力ケーブル7の一部を開閉装置4により遮断して、電力ケーブル7の通電部分を二つに分割する。
【0148】
例えば、通常運転時に、
図1に示す開閉装置4cの遮断器4cnが開路状態とされ、電力ケーブル7は、電力ケーブル7g、7a、7bと、電力ケーブル7c、7d、7e、7fの二つの通電部分に分割される。
【0149】
通常運転時に開路状態とされる開閉装置4は、電力ケーブル7の二つに分割された電力ケーブル7にかかる電力が、均等となるように選択されることが望ましい。つまり、二つに分割された電力ケーブル7にかかる電力が、複数の風力発電装置3から送電される電力の総和の略1/2にとなることが望ましい。
【0150】
事故発生時または点検、改修時等の電力ケーブル7の遮断時に、保護・制御装置2は、通常運転時に開路状態とされた開閉装置4cの遮断器4cnを閉路状態とした後に、例えば
図5に示すように開閉装置4aの遮断器4anおよび開閉装置4bの遮断器4bmを開路状態とする。これにより電力ケーブル7aは、変電設備6および電力ケーブル7b、7c、7d、7e、7f、7gから電気的に遮断される。
【0151】
このように構成することにより、通常運転時において、二つに分割された電力ケーブル7にかかる電力を略均等にすることができる。
【0152】
仮に、通常運転時に、開閉装置4cの遮断器4cnが開路状態とされず、電力ケーブル7が電力ケーブル7g、7a、7bと、電力ケーブル7c、7d、7e、7fの二つの通電部分に分割されないとき、一つの電力ケーブル7が負担する電力が過大になってしまう場合がある。例えば、電力ケーブル7gにかかる電力が、電力ケーブル7fにかかる電力に比べ、過大となってしまう場合がある。
【0153】
例えば、電力ケーブル7gにかかる電力が、電力ケーブル7fにかかる電力に比べ過大となってしまう場合、電力ケーブル7gは、電力ケーブル7fに比べ大きい定格電流を有するケーブルにより構成されることが望ましい。電力ケーブル7gを大きい定格電流を有するケーブルにより構成することは、不経済であり不都合であった。
【0154】
また、電力ケーブル7が電力ケーブル7g、7a、7bと、電力ケーブル7c、7d、7e、7fの二つの通電部分に分割されていないとき、一部の風力発電装置3による予測発電電力より実発電電力が過大であった場合、例えば電力ケーブル7gにかかる電力と、電力ケーブル7fにかかる電力が不均衡となり、電力ケーブル7gまたは電力ケーブル7fの発熱量が過大となる場合があり、不都合であった。
【0155】
通常運転時に、開閉装置4cの遮断器4cnが開路状態とされ、電力ケーブル7が電力ケーブル7g、7a、7bと、電力ケーブル7c、7d、7e、7fの二つの通電部分に分割されるので、通常運転時において、二つに分割された電力ケーブル7にかかる電力を略均等にすることができ、上記問題点を軽減することができる。
【符号の説明】
【0156】
1・・・風力発電システム
2・・・保護・制御装置
21・・・入力部
22・・・出力部
23・・・記憶部
24・・・演算部
3,3a,3b,3c,3d,3e,3f・・・風力発電装置
4, 4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g・・・開閉装置
4m,4n,4o,4am,4an,4ao,4bm,4bn,4bo,4cm,4cn,4co,4dm,4dn,4do,4em,4en,4eo,4fm,4fn,4fo,4gm,4gn・・・遮断器
5, 5a,5b,5c,5d,5e,5f・・・測定装置
50,50a,50b,50c,50d,50e,50f・・・電圧検出器
51,51m,51am,51bm,51cm,51dm,51em,51fm,51n,51an,51bn,51cn,51dn,51en,51fn,51o,51ao,51bo,51co,51do,51eo,51fo・・・電流検出器
52,52a,52b,52c,52d,52e,52f・・・送信部
6・・・変電設備
61・・・変圧器
62・・・タップ付き直列リアクトル
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g・・・電力ケーブル
8・・・電力ケーブル
9・・・電力系統