(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】半導体素子および半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240109BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240109BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240109BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20240109BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/04 Z
H01L27/06 102A
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2020550423
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038533
(87)【国際公開番号】W WO2020071320
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2018189230
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】冨田 知大
(72)【発明者】
【氏名】平井 友洋
(72)【発明者】
【氏名】岡本 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】江田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敬
(72)【発明者】
【氏名】山口 一樹
(72)【発明者】
【氏名】笠原 則一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-294039(JP,A)
【文献】特開2013-21077(JP,A)
【文献】特開2010-93641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0200642(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0067674(US,A1)
【文献】特開2009-88241(JP,A)
【文献】特開2010-50374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0161792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/04
H01L 21/822
H01L 21/8234
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜に隣接して配置されて前記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、
前記半導体基板において前記第1の半導体領域に
前記半導体基板の板厚方向について全体にわたる範囲で隣接して
前記第1の半導体領域を挟持するように配置されるとともに前記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に前記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域と
を具備する半導体素子。
【請求項2】
前記第1の半導体領域は、複数の前記凹部を備える請求項1記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第1の半導体領域は、
平面視略矩形形状の開口部に構成される前記凹部を備える請求項1
または請求項2記載の半導体素子。
【請求項4】
前記第1の半導体領域は、前記第2の半導体領域との境界の近傍に前記矩形の短辺が配置される請求項3記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第1の半導体領域は、前記ゲート電極の厚さの略2倍より小さい幅の短辺に構成される前記凹部を備える請求項3記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第1の半導体領域は、10
18/cm
3より高い不純物濃度に構成される請求項1記載の半導体素子。
【請求項7】
半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜に隣接して配置されて前記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、
前記半導体基板において前記第1の半導体領域に
前記半導体基板の板厚方向について全体にわたる範囲で隣接して
前記第1の半導体領域を挟持するように配置されるとともに前記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に前記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域と、
前記ゲート電極および前記第2の半導体領域を介して前記MOSキャパシタの充放電の電流を供給する電子回路と
を具備する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体素子および半導体装置に関する。詳しくは、MOSキャパシタを備える半導体素子および当該半導体素子を使用する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャパシタとして半導体基板に形成されたMOSキャパシタを使用する半導体素子が使用されている。例えば、p型に構成されたウェル領域の表層部に下部電極となるp+(または、n+)型半導体領域が形成され、当該半導体領域の上に容量絶縁膜を介して上部電極が形成された構造のMOSキャパシタが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上述のMOSキャパシタは、撮像素子の画素に配置されて光電変換に基づいて生成された電荷を保持する電荷蓄積部として使用される。具体的には、上述のMOSキャパシタは、被写体からの光を光電変換することにより生成された電荷を一時的に保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、上部電極および下部電極が平板状に構成されるプレーナ型のMOSキャパシタが使用されるため、MOSキャパシタの大容量化が困難になるという問題がある。すなわち、MOSキャパシタの大容量化に伴って専有面積が増大することとなり、単位面積当たりの容量を増加させることが困難になるという問題がある。
【0006】
本開示は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、MOSキャパシタを大容量化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の態様は、半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、上記絶縁膜に隣接して配置されて上記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、上記半導体基板において上記第1の半導体領域に隣接して配置されるとともに上記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に上記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域とを具備する半導体素子である。
【0008】
また、この第1の態様において、上記第1の半導体領域は、複数の上記凹部を備えてもよい。
【0009】
また、この第1の態様において、上記第1の半導体領域は、略矩形形状の開口部に構成される上記凹部を備えてもよい。
【0010】
また、この第1の態様において、上記第1の半導体領域は、上記第2の半導体領域との境界の近傍に上記矩形の短辺が配置されてもよい。
【0011】
また、この第1の態様において、上記第1の半導体領域は、上記ゲート電極の厚さの略2倍より小さい幅の短辺に構成される上記凹部を備えてもよい。
【0012】
また、この第1の態様において、上記第1の半導体領域は、1018/cm3より高い不純物濃度に構成されてもよい。
【0013】
また、本開示の第2の態様は、半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、上記絶縁膜に隣接して配置されて上記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、上記半導体基板において上記第1の半導体領域に隣接して配置されるとともに上記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に上記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域と、上記ゲート電極および上記第2の半導体領域を介して上記MOSキャパシタの充放電の電流を供給する電子回路とを具備する半導体装置である。
【0014】
このような態様を採ることにより、凹部が形成される領域において第1の半導体領域、絶縁膜およびゲート電極が積層されるという作用をもたらす。凹部による第1の半導体領域およびゲート電極と絶縁膜との界面の拡張が想定される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係る半導体素子の構成例を示す図である。
【
図2】本開示の第1の実施の形態に係る半導体素子の構成例を示す断面図である。
【
図3】本開示の第1の実施の形態に係る凹部の構成例を示す断面図である。
【
図4】本開示の第1の実施の形態に係る凹部の構成例を示す断面図である。
【
図5】本開示の第1の実施の形態に係るMOSキャパシタの特性の一例を示す図である。
【
図6】本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す図である。
【
図8】本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す図である。
【
図9】本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の他の例を示す図である。
【
図10】本開示が適用され得る半導体装置の一例である撮像素子の構成例を示すブロック図である。
【
図11】本開示が適用され得る撮像素子のカラム信号処理部の構成例を示すブロック図である。
【
図12】本開示が適用され得る撮像素子の比較部の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)を説明する。以下の図面において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は、模式的なものであり、各部の寸法の比率等は現実のものとは必ずしも一致しない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることは勿論である。また、以下の順序で実施の形態の説明を行う。
1.第1の実施の形態(半導体素子の構成)
2.第2の実施の形態(半導体素子の製造方法)
3.撮像素子への応用例
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[半導体素子の構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る半導体素子の構成例を示す図である。同図は、MOSキャパシタ100の構成例を表す平面図である。MOSキャパシタ100を例に挙げて本開示の半導体素子について説明する。なお、MOSキャパシタ100は、請求の範囲に記載の半導体素子の一例である。
【0018】
同図のMOSキャパシタ100は、半導体基板101(不図示)に形成され、ゲート電極110を備える。このゲート電極110は、絶縁膜を介して半導体基板101に形成された半導体領域(後述する第1の半導体領域140)と隣接して配置され、キャパシタを構成する。また、MOSキャパシタ100には、MOSトランジスタと同様に、ソースおよびドレインにそれぞれ対応する第2の半導体領域103および104が形成される。この第2の半導体領域103および104は、キャパシタの配線(引出線)として使用することができる。MOSキャパシタ100の周囲には、分離領域102が配置される。なお、同図の点線の矩形は、第1の半導体領域140に配置される凹部120を表す。同図の凹部120は、矩形の溝形状に構成され、複数配置される例を表したものである。
【0019】
[MOSキャパシタの断面の構成]
図2は、本開示の第1の実施の形態に係る半導体素子の構成例を示す断面図である。同図はMOSキャパシタ100の構成例を表す断面図であり、
図1におけるA-A’線に沿った断面図である。同図のMOSキャパシタ100は、半導体基板101と、分離領域102と、第1の半導体領域140と、絶縁膜130と、ゲート電極110と、第2の半導体領域103および104とを備える。また、同図には、MOSキャパシタ100とともに半導体装置1を構成する電子回路200を記載した。
【0020】
半導体基板101は、MOSキャパシタ100の半導体領域が形成される半導体の基板である。この半導体基板101は、例えば、シリコン(Si)により構成することができる。半導体基板101に形成されたウェル領域に第1の半導体領域140や第2の半導体領域103および104等が形成される。便宜上、同図の半導体基板101は、p型のウェル領域に構成されるものと想定する。同図の半導体基板101は、接地することができる。具体的には、半導体基板101の表面からウェル領域に接続するためのウェルコンタクトを介して接地線に接続することができる。
【0021】
分離領域102は、半導体基板101においてMOSキャパシタ100の領域を分離するものである。この分離領域102を配置することにより、半導体基板101に形成された他の半導体素子とMOSキャパシタ100とを電気的に分離することができる。同図の分離領域102は、STI(Shallow Trench Isolation)により構成される分離領域102を想定する。すなわち、分離領域102は、半導体基板101に形成されたトレンチに埋め込まれた酸化シリコン(SiO2)により構成することができる。なお、分離領域102は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)により構成することもできる。
【0022】
第1の半導体領域140は、半導体基板101に配置されてMOSキャパシタ100の電極を構成するものである。同図の第1の半導体領域140は、例えば、n型の半導体領域に構成される。また、同図の第1の半導体領域140には、
図1において説明した凹部120が配置される。この凹部120には、第1の半導体領域140に形成される略矩形形状の開口部を有する溝(トレンチ)を使用することができる。また、この凹部120は、第1の半導体領域140に1つまたは複数配置することができる。また、同図は、略矩形の断面に構成される凹部120の例を表したものである。
【0023】
絶縁膜130は、MOSキャパシタ100の誘電体層を構成する絶縁物の膜である。この絶縁膜130は、第1の半導体領域140に隣接して配置される。絶縁膜130は、例えば、SiO2等の酸化物や窒化シリコン(SiN)等の窒化物により構成することができる。
【0024】
ゲート電極110は、絶縁膜130に隣接して配置される電極である。このゲート電極110は、絶縁膜130を介して第1の半導体領域140と対向して配置され、MOSキャパシタを構成する。また、同図に表したように、ゲート電極110は、絶縁膜130の表面に残存する凹部120を埋める形状に構成される。ゲート電極110は、例えば、ドナー(P、As等)やアクセプタ(B等)がドープされた多結晶シリコンにより構成することができる。
【0025】
同図に表したように、絶縁膜130は、第1の半導体領域140の凹部120の幅の1/2より小さな厚さに構成される。これにより、絶縁膜130が第1の半導体領域140の凹部120の表面を覆って配置された後においても、絶縁膜130の表面に凹部が残存する形状にすることができる。また、凹部120は、ゲート電極110の厚さを基準として形状を規定することができる。具体的には、凹部120は、ゲート電極110の厚さの略2倍より小さい幅に構成することができる。ゲート電極110の表面をより平坦化するためである。なお、前述のように、凹部120を矩形形状の開口部に構成した場合には、凹部120の短辺をゲート電極110の厚さの略2倍より小さい幅に構成することができる。
【0026】
このように、第1の半導体領域140に凹部120を形成し、この凹部120に絶縁膜130を埋設することにより、第1の半導体領域140およびゲート電極110によるキャパシタの表面積を大きくすることができる。これにより、MOSキャパシタ100の静電容量を増加させることができる。MOSキャパシタ100の単位面積当たりの容量を増大させることができる。
【0027】
なお、凹部120の形状はこの例に限定されない。例えば、楕円形状の開口部に構成される凹部120を使用することもできる。また、面取りされた角部や丸みを帯びた角部を有する矩形形状の凹部120を使用することもできる。凹部120を形成する際に矩形形状の角部等が変形した場合であっても、本開示における凹部120に該当することは勿論である。
【0028】
第2の半導体領域103および104は、第1の半導体領域140に隣接して配置される半導体基板101の拡散領域である。この第2の半導体領域103および104は、MOSキャパシタ100の充放電の際に第1の半導体領域140にキャリアを供給する。すなわち第1の半導体領域140に接続される配線とみなすことができる。また、第2の半導体領域103および104は、第1の半導体領域140と同じ導電型に構成することができる。これにより、第1の半導体領域140との接続部における抵抗を低減することができる。同図のMOSキャパシタ100においては、第1の半導体領域140と同じn型に構成される。また、第2の半導体領域103および104により第1の半導体領域140を挟持する形状にすることにより、第1の半導体領域140の電流を分流させることができ、低抵抗化することができる。また、半導体基板101に形成されるMOSトランジスタと同じ構成にすることができるため、共通の製造工程によりMOSキャパシタ100を形成することができる。
【0029】
なお、MOSキャパシタ100の構成は、この例に限定されない。例えば、p型に構成された第1の半導体領域140ならびに第2の半導体領域103および104を使用することもできる。また、上述の第1の半導体領域140ならびに第2の半導体領域103および104と同じ導電型となるn型のウェル領域の半導体基板101を適用することもできる。
【0030】
電子回路200は、MOSキャパシタ100をキャパシタとして使用する回路である。同図においては、電子回路200の一端が接地され、他端がゲート電極110に接続される。第2の半導体領域103および104も同様に接地され、MOSキャパシタ100および電子回路200が直列に接続された回路が形成される。電子回路200には、任意の回路を使用することができる。
【0031】
[凹部の構成]
図3および4は、本開示の第1の実施の形態に係る凹部の構成例を示す断面図である。
図3および4は、それぞれ
図1におけるB-B’線およびC-C’線に沿った断面図である。また、
図4は、凹部120の長辺方向の構成例を表した図である。
図1乃至4に表したように、矩形形状の開口部に構成される凹部120は、短辺側を第1の半導体領域140と第2の半導体領域103および104との境界の近傍に配置することができる。すなわち、第2の半導体領域103から第2の半導体領域104に向かう方向に沿って凹部120を配置することができる。
【0032】
前述のように、MOSキャパシタ100の充放電の際には、第2の半導体領域103および104から第1の半導体領域140にキャリアが供給される。この際、供給されたキャリアは、第1の半導体領域140を同図の横方向に移動しながら充電または放電される。キャリアが凹部120の長辺に沿って移動することとなり、円滑なキャリアの移動が可能となる。凹部120の短辺を第2の半導体領域103から第2の半導体領域104に向かう方向に配置する場合と比較して、凹部120を配置したことによる実効的な配線長の増加を低減することができる。配線抵抗および寄生インダクタンスの低減が可能となり、MOSキャパシタ100の高周波特性を向上させることができる。多数の凹部120を配置した場合には、より顕著な効果を奏する。
【0033】
なお、MOSキャパシタ100の構成は、この例に限定されない。例えば、ゲート電極110に隣接してサイドウォールを配置することができ、第2の半導体領域103および104に低濃度不純物ドレイン(LDD:Lightly Doped Drain)を形成することもできる。また、第2の半導体領域103および104のうちの何れか1つを配置する構成にすることもできる。また、第2の半導体領域103および104として他のMOSトランジスタのチャネル領域を適用することもできる。
【0034】
また、例えば、凹部120を円柱形状に構成することもできる。また、テーパ形状(V字形状)の断面の凹部120を使用することもできる。
【0035】
[MOSキャパシタの特性]
図5は、本開示の第1の実施の形態に係るMOSキャパシタの特性の一例を示す図である。同図は、MOSキャパシタ100の印加電圧(ゲート電圧)およびキャパシタンスの関係を表す図である。同図の横軸はゲート電圧を表し、縦軸はキャパシタンスを表す。なお、ゲート電圧は、接地された第1の半導体領域140の電圧を基準とする電圧である。第1の半導体領域140に対して負極性のゲート電圧を印加した場合には、絶縁膜130の膜厚や第1の半導体領域140等との間の界面の面積等の形状と誘電率とに基づく値のキャパシタンスが得られる。当該領域は、蓄積領域と称される。同図のMOSキャパシタ100はp型のウェル領域(半導体基板101)に形成されるため、比較的高い負極性のゲート電圧を印加すると正孔が蓄積される。
【0036】
これに対し、ゲートの印加電圧を上昇させた場合には、ゲート電圧に依存するキャパシタンス特性を呈する。具体的には、ゲート電圧が0V近傍の電圧に変化すると、キャパシタンスが低下する特性となる。絶縁膜130との界面の近傍の第1の半導体領域140に空乏層が形成されて、実効的な絶縁膜130の膜厚が増加するためである。その後、ゲート電圧をさらに上昇させると、低下したキャパシタンスが上昇する。これは、絶縁膜130との界面の近傍の第1の半導体領域140に電子濃度が上昇した表面反転層が形成されるためである。ゲート電圧の上昇とともに表面反転層が拡大し、蓄積領域におけるキャパシタンスと略同じ値のキャパシタンスが得られる。当該領域は、反転領域と称される。
【0037】
通常のキャパシタの用途にMOSキャパシタ100を使用する際には、同図の蓄積領域および反転領域に対応する印加電圧において使用すると好適である。キャパシタンスの変化による回路特性の変化を低減することができるためである。使用電圧が0V近傍の電圧となる場合、例えば、使用電圧範囲が-3.3乃至3.3Vと低く、キャパシタンスが印加電圧に依存する領域において使用することとなる場合には、MOSキャパシタ100の特性を調整する。具体的には、蓄積領域または反転領域と使用電圧範囲とが重なるようにMOSキャパシタ100の特性を調整する。
【0038】
その際には、第1の半導体領域140をより高い不純物濃度構成すると好適である。具体的には、1018/cm3より高い不純物濃度に構成する。同図の実線は第1の半導体領域140の不純物濃度が低い場合の特性を表し、点線は第1の半導体領域140の不純物濃度が高い場合の特性を表す。第1の半導体領域140の不純物濃度を高くすることにより、使用電圧範囲において電圧依存性を軽減することができる。
【0039】
以上説明したように、本開示の第1の実施の形態のMOSキャパシタ100は、第1の半導体領域140に凹部120を配置することにより、電極として機能する第1の半導体領域140およびゲート電極110と絶縁膜130との界面を拡張する。これにより、MOSキャパシタ100を大容量化することができる。
【0040】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態のMOSキャパシタ100は、第1の半導体領域140に凹部120が形成されていた。本開示の第2の実施の形態においては、このような構成のMOSキャパシタ100の製造方法について説明する。
【0041】
[半導体素子の製造方法]
図6乃至8は、本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す図である。
図6乃至8は、MOSキャパシタ100の製造工程の一例を表した図である。
図6乃至8を用い、主にゲート電極110の近傍における凹部120等の製造工程を説明する。
【0042】
まず、半導体基板101にウェル領域を形成し、分離領域102を形成する。分離領域102は、半導体基板101にトレンチを形成し、このトレンチにSiO
2等の絶縁物を配置することにより形成することができる(
図6におけるA)。
【0043】
次に、半導体基板101の表面にレジスト401を形成する。このレジスト401には、凹部120を形成する位置に開口部402が配置される。レジスト401の形成は、フォトリソグラフィにより行うことができる(
図6におけるB)。次にレジスト401をマスクとして半導体基板101をエッチングする。このエッチングは、例えば、ドライエッチングにより行うことができる。これにより、凹部120を形成することができる(
図6におけるC)。次に、レジスト401およびエッチングの際の残渣等を除去する。これは、例えば、ウェットエッチングにより行うことができる(
図7におけるD)。
【0044】
次に半導体基板101の表面にイオン注入を行い、第1の半導体領域140を形成する。この際、第2の半導体領域103および104(不図示)も同様にイオン注入により形成される。このイオン注入の前に、イオンの透過を制御する犠牲酸化膜を形成することもできる(
図7におけるE)。なお、犠牲酸化膜は、イオン注入の後に除去される。
【0045】
次に、第1の半導体領域140の表面に絶縁膜130を形成する。これは、例えば、熱酸化により行うことができる(
図7におけるF)。
【0046】
次に、絶縁膜130の表面にゲート電極110を形成する。これは、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成することができる(
図8におけるG)。
【0047】
以上の工程により、MOSキャパシタ100を製造することができる。なお、上述のように第1の半導体領域140をイオン注入により形成する場合には、凹部120の深さを200nm未満にすると好適である。均一な不純物濃度の第1の半導体領域140を形成するためである。
【0048】
[半導体素子の他の製造方法]
図9は、本開示の第2の実施の形態に係る半導体素子の製造方法の他の例を示す図である。同図は、
図6におけるAから
図7におけるEに該当する製造工程を表した図である。
【0049】
分離領域102が形成された半導体基板101の表面にイオン注入を行い、第1の半導体領域140を形成する(
図9におけるA)。次に、第1の半導体領域140の表面にレジスト401を形成する(
図9におけるB)。次に、エッチングを行い、凹部120を形成する(
図9におけるC)。その後、レジスト401を除去する。これ以降の製造工程は
図7におけるFおよび
図8と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
なお、MOSキャパシタ100の製造工程は、この例に限定されない。例えば、イオン注入に代えて熱拡散により第1の半導体領域140を形成することもできる。
【0051】
以上説明したように、本開示の第2の実施の形態において、凹部120が形成された第1の半導体領域140を有するMOSキャパシタ100を製造することができる。
【0052】
<3.撮像素子への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品に応用することができる。例えば、本技術は、撮像素子等の半導体装置に搭載される半導体素子として実現されてもよい。
【0053】
[撮像素子の構成]
図10は、本開示が適用され得る半導体装置の一例である撮像素子の構成例を示すブロック図である。同図の撮像素子1は、画素アレイ部10と、垂直駆動部20と、カラム信号処理部300と、制御部40とを備える。
【0054】
画素アレイ部10は、画素11が2次元格子状に配置されて構成されたものである。ここで、画素11は、照射された光に応じた画像信号を生成するものである。この画素11は、照射された光に応じた電荷を生成する光電変換部を有する。また画素11は、画素回路をさらに有する。この画素回路は、光電変換部により生成された電荷に基づく画像信号を生成する。画像信号の生成は、後述する垂直駆動部20により生成された制御信号により制御される。画素アレイ部10には、信号線51および52がXYマトリクス状に配置される。信号線51は、画素11における画素回路の制御信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部10の行毎に配置され、各行に配置される画素11に対して共通に配線される。信号線52は、画素11の画素回路により生成された画像信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部10の列毎に配置され、各列に配置される画素11に対して共通に配線される。これら光電変換部および画素回路は、半導体基板に形成される。例えば、前述の半導体基板101に形成することができる。
【0055】
垂直駆動部20は、画素11の画素回路の制御信号を生成するものである。この垂直駆動部20は、生成した制御信号を同図の信号線51を介して画素11に伝達する。カラム信号処理部300は、画素11により生成された画像信号を処理するものである。このカラム信号処理部300は、同図の信号線52を介して画素11から伝達された画像信号の処理を行う。カラム信号処理部300における処理には、例えば、画素11において生成されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するアナログデジタル変換が該当する。カラム信号処理部300により処理された画像信号は、撮像素子1の画像信号として出力される。制御部40は、撮像素子1の全体を制御するものである。この制御部40は、垂直駆動部20およびカラム信号処理部300を制御する制御信号を生成して出力することにより、撮像素子1の制御を行う。制御部40により生成された制御信号は、信号線53および54により垂直駆動部20およびカラム信号処理部300に対してそれぞれ伝達される。
【0056】
[カラム信号処理部の構成]
図11は、本開示が適用され得る撮像素子のカラム信号処理部の構成例を示すブロック図である。同図のカラム信号処理部300は、参照信号生成部311と、タイミング制御部312と、水平転送部313と、アナログデジタル変換(ADC)部314とを備える。
【0057】
参照信号生成部311は、参照信号を生成するものである。ここで、参照信号とは、後述するアナログデジタル変換部314におけるアナログデジタル変換の際の基準となる信号である。参照信号には、例えば、電圧がランプ関数状に低下する信号を使用することができる。参照信号生成部311は、制御部40の制御に従って参照信号を生成し、信号線301を介してアナログデジタル変換部314に供給する。
【0058】
タイミング制御部312は、カラム信号処理部300における各部の動作タイミングを制御するものである。このタイミング制御部312は、制御部40の制御に従ってカラム信号処理部300の各部の制御信号を生成し、信号線302乃至304を介して出力する。
【0059】
アナログデジタル変換部314は、画素11により生成されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するものである。このアナログデジタル変換部314は、信号線52毎に配置される。これら複数のアナログデジタル変換部314により、画素アレイ部10の1行分の画素11における画像信号のアナログデジタル変換が同時に行われる。アナログデジタル変換部314により変換されたデジタルの画像信号は、信号線307を介して水平転送部313に出力される。
【0060】
水平転送部313は、デジタルの画像信号を転送するものである。この水平転送部313は、複数のアナログデジタル変換部314により生成されたデジタルの画像信号を順次転送して信号線55から出力する。
【0061】
同図のアナログデジタル変換部314は、比較部315と、カウント部316と、保持部317とを備える。
【0062】
比較部315は、画素11により生成されたアナログの画像信号と参照信号との比較を行い、比較の結果をカウント部316に対して出力するものである。例えば、比較の結果として、参照信号がアナログの画像信号より高い電圧の場合に値「0」を出力し、参照信号がアナログの画像信号より低い電圧に移行した場合に値「1」を出力することができる。これにより、参照信号がアナログの画像信号と略同じ値になったタイミングを検出することができる。
【0063】
カウント部316は、比較部315における比較の開始から参照信号とアナログの画像信号とが略同じ値になるまでの時間を計時するものである。具体的には、参照信号生成部311における参照信号の出力の開始から比較部315の出力が値「1」に遷移するまでの時間を計時する。上述のように、参照信号は、ランプ関数状に値が変化する信号である。このため、参照信号がアナログの画像信号と略同じ値になるまでの時間とアナログの画像信号の電圧とは1対1に対応する。このため、参照信号がアナログの画像信号と略同じ値になる際の経過時間に対応するデジタルの信号を生成して出力することにより、アナログデジタル変換を行うことができる。具体的には、カウント部316は、参照信号の出力開始から比較部315の出力が値「1」に遷移するまでの期間にクロック信号のカウントを行い、カウント値をアナログデジタル変換の結果として出力することができる。なお、クロック信号は、タイミング制御部312から信号線302を介して入力される。
【0064】
保持部317は、カウント部316のカウント値を保持するものである。複数の保持部317に保持されたそれぞれのカウント値は、タイミング制御部312の制御に基づいて、デジタルの画像信号として順次水平転送部313に対して出力される。
【0065】
[比較部の構成]
図12は、本開示が適用され得る撮像素子の比較部の構成例を示す回路図である。同図の比較部315は、キャパシタ341乃至344と、MOSトランジスタ351乃至355と、MOSトランジスタ361乃至365とを備える。MOSトランジスタ351乃至355には、pチャネルMOSトランジスタを使用することができる。また、MOSトランジスタ361乃至365には、nチャネルMOSトランジスタを使用することができる。また、同図の比較部315には、電源を供給する電源線Vdd、バイアス電圧を供給する信号線BIAS、選択信号を供給する信号線NSELおよび信号線PSELが配線される。
【0066】
キャパシタ341は、信号線301およびMOSトランジスタ361のゲートの間に接続される。MOSトランジスタ361のゲートにはMOSトランジスタ353のドレインがさらに接続される。MOSトランジスタ361のドレインは、MOSトランジスタ353のソース、MOSトランジスタ351のドレインおよびゲートならびにMOSトランジスタ352のゲートに接続される。MOSトランジスタ351のソースおよびMOSトランジスタ352のソースは、電源線Vddに共通に接続される。MOSトランジスタ361のソースは、MOSトランジスタ362のソースおよびMOSトランジスタ363のドレインに接続される。MOSトランジスタ363のゲートは信号線BIASに接続され、ソースは接地される。
【0067】
キャパシタ342は、信号線52およびMOSトランジスタ362のゲートの間に接続される。MOSトランジスタ362のゲートにはMOSトランジスタ354のドレインがさらに接続される。MOSトランジスタ362のドレインは、MOSトランジスタ354のソース、MOSトランジスタ352のドレイン、MOSトランジスタ355のゲートおよびキャパシタ344の一端に接続される。キャパシタ344の他の一端は、電源線Vddに接続される。MOSトランジスタ353のゲートおよびMOSトランジスタ354のゲートは、信号線PSELに共通に接続される。MOSトランジスタ355のソースは電源線Vddに接続され、ドレインはMOSトランジスタ364のドレイン、MOSトランジスタ365のドレインおよび信号線305に接続される。
【0068】
MOSトランジスタ364のゲートは信号線NSELに接続され、ソースはMOSトランジスタ365のゲートおよびキャパシタ343の一端に接続される。キャパシタ343の他の一端およびMOSトランジスタ365のソースは、接地される。
【0069】
キャパシタ341および342は、結合キャパシタを構成する。また、キャパシタ341および342は、それぞれ参照信号およびアナログの画像信号を保持する。MOSトランジスタ361および362は、差動増幅器を構成し、キャパシタ341および342を介して入力された参照信号およびアナログの画像信号の差分を増幅する。MOSトランジスタ363は、MOSトランジスタ361および362のソースに共通に接続される定電流回路を構成する。このMOSトランジスタ363には、信号線BIASのバイアス電圧に応じたソース電流が流れる。MOSトランジスタ351および352は、カレントミラー回路を構成し、それぞれMOSトランジスタ361および362のドレインに接続される負荷を構成する。このカレントミラー回路によりMOSトランジスタ361および362による差動増幅器の利得を向上させることができる。
【0070】
高い利得の差動増幅器を使用して参照信号およびアナログの画像信号の差分を増幅することにより、参照信号およびアナログの画像信号の比較を行うことができる。なお、MOSトランジスタ353および354は、MOSトランジスタ361および362による増幅(比較)を制御するスイッチである。このMOSトランジスタ353および354は、信号線PSELの選択信号に基づいて制御を行う。
【0071】
差動増幅器の出力は、MOSトランジスタ362のドレインから取り出され、MOSトランジスタ355のゲートに入力される。このMOSトランジスタ355により、差動増幅器の出力がさらに増幅されるとともに信号の極性が反転されて信号線305に対して出力される。MOSトランジスタ365は、MOSトランジスタ355の出力を保持するトランジスタである。MOSトランジスタ355の出力は、MOSトランジスタ364を介してキャパシタ343に保持される。MOSトランジスタ365のゲートはキャパシタ343に接続されるため、MOSトランジスタ365は、キャパシタ343の電圧に応じたドレイン電圧を出力する。MOSトランジスタ364は、MOSトランジスタ355の出力のキャパシタ343への保持を制御するスイッチであり、信号線NSELの選択信号により制御される。
【0072】
また、MOSトランジスタ355のゲートと電源線Vddとの間には、キャパシタ344が接続される。このキャパシタ344は、MOSトランジスタ361および362による差動増幅器の出力ノイズを低減するための帯域制限容量である。上述のように、MOSトランジスタ361および362による差動増幅器において参照信号およびアナログの画像信号の比較が行われる。しかし、差動増幅器の高域の利得が高過ぎる場合には、アナログの画像信号等のノイズ成分も増幅されることとなり、アナログデジタル変換部314の誤動作の原因となる。上述の帯域制限容量であるキャパシタ344を接続することにより、MOSトランジスタ361および362による差動増幅器の帯域を狭くして高域の利得を低下させることができ、出力されるノイズを低減することができる。
【0073】
本開示のMOSキャパシタ100は、同図の比較部315のキャパシタ341乃至344に適用することができる。例えば、キャパシタ344にMOSキャパシタ100を適用し、MOSトランジスタ361および362による差動増幅器によりMOSキャパシタ100の充放電を行うことができる。キャパシタ341乃至344に大容量化が可能な本開示のMOSキャパシタ100を適用することにより、キャパシタ341乃至344の専有面積を縮小することができる。アナログデジタル変換部314や撮像素子1の小型化が可能になる。なお、MOSトランジスタ361および362による差動増幅器は、請求の範囲に記載の電子回路の一例である。アナログデジタル変換部314および撮像素子1は、請求の範囲に記載の半導体装置の一例である。
【0074】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本開示の一例であり、本開示は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0075】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜に隣接して配置されて前記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、
前記半導体基板において前記第1の半導体領域に隣接して配置されるとともに前記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に前記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域と
を具備する半導体素子。
(2)前記第1の半導体領域は、複数の前記凹部を備える前記(1)に記載の半導体素子。
(3)前記第1の半導体領域は、略矩形形状の開口部に構成される前記凹部を備える前記(1)または(2)に記載の半導体素子。
(4)前記第1の半導体領域は、前記第2の半導体領域との境界の近傍に前記矩形の短辺が配置される前記(3)に記載の半導体素子。
(5)前記第1の半導体領域は、前記ゲート電極の厚さの略2倍より小さい幅の短辺に構成される前記凹部を備える前記(3)に記載の半導体素子。
(6)前記第1の半導体領域は、1018/cm3より高い不純物濃度に構成される前記(1)から(5)の何れかに記載の半導体素子。
(7)半導体基板に配置されて表面に凹部を備える第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の表面に隣接して配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜に隣接して配置されて前記第1の半導体領域との間においてMOSキャパシタを構成するゲート電極と、
前記半導体基板において前記第1の半導体領域に隣接して配置されるとともに前記第1の半導体領域と同じ導電型に構成されてMOSキャパシタの充放電の際に前記第1の半導体領域にキャリアを供給する第2の半導体領域と、
前記ゲート電極および前記第2の半導体領域を介して前記MOSキャパシタの充放電の電流を供給する電子回路と
を具備する半導体装置。
【符号の説明】
【0076】
1 撮像素子
100 MOSキャパシタ
101 半導体基板
102 分離領域
103、104 第2の半導体領域
110 ゲート電極
120 凹部
130 絶縁膜
140 第1の半導体領域
200 電子回路
300 カラム信号処理部
314 アナログデジタル変換部
315 比較部
341~344 キャパシタ
351~355、361~365 MOSトランジスタ