(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】無人補給品配達航空機
(51)【国際特許分類】
B64C 39/02 20060101AFI20240109BHJP
B64C 3/56 20060101ALI20240109BHJP
B64D 5/00 20060101ALI20240109BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20240109BHJP
B64U 30/291 20230101ALI20240109BHJP
B64U 80/50 20230101ALI20240109BHJP
B64U 80/70 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
B64C39/02
B64C3/56
B64D5/00
B64U10/13
B64U30/291
B64U80/50
B64U80/70
(21)【出願番号】P 2020559499
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(86)【国際出願番号】 US2019029946
(87)【国際公開番号】W WO2019213102
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-11
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520409095
【氏名又は名称】ダブリュ・モリソン・コンサルティング・グループ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】W. MORRISON CONSULTING GROUP, INC.
【住所又は居所原語表記】26895 Aliso Creek Road, Suite B37, Aliso Viejo, CA 92656, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ、ウィリアム・ダブリュ
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0338200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0001724(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0086454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0218260(US,A1)
【文献】国際公開第2005/023642(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64C 3/56
B64D 5/00
B64U 10/13
B64U 30/291
B64U 80/50
B64U 80/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
前記胴体に係合することが可能な蓋と、
前記蓋に接続された第1枢動翼システムと、
前記蓋に接続された第2枢動翼システムと
を含む無人配達航空機であって、
前記第1及び第2枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を下にした向きにおいて前記胴体に係合されると、前記胴体の内部に適合し、
前記第1及び第2枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を上にした向きにおいて前記胴体に係合されると、格納位置から前記胴体の外側の展開位置に回転するように構成される、無人配達航空機。
【請求項2】
前記第1及び第2枢動翼システムは、格納位置と展開位置との間で回転するように構成された2つの翼をそれぞれ含む、請求項1に記載の無人配達航空機。
【請求項3】
前記格納位置と前記展開位置との間の回転角は、90度である、請求項2に記載の無人配達航空機。
【請求項4】
前記第1枢動翼システムの前記2つの翼は、前記第2枢動翼システムの前記2つの翼に対して異なる高さで垂直に離間される、請求項2又は3に記載の無人配達航空機。
【請求項5】
前記第1及び第2枢動翼システムは、少なくとも1つの翼を格納及び/又は展開位置において保持するように構成されている、
ばね仕掛けのプランジャ、
ラッチ、
ピン
の少なくとも1つを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の無人配達航空機。
【請求項6】
貨物を受けるための開く側を有する胴体と、
前記胴体の前記開く側に係合する蓋と、
前記蓋に接続された前方枢動翼システムと、
前記蓋に接続された後方枢動翼システムと
を含む無人配達航空機であって、
前記前方及び後方枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を下にした向きにおいて前記胴体に取り付けられると、前記胴体の内部に適合し、
前記前方及び後方枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を上にした向きにおいて前記胴体に取り付けられると、格納位置から展開位置に回転するように構成される、無人配達航空機。
【請求項7】
前記胴体は、長方形である、請求項
6に記載の無人配達航空機。
【請求項8】
ノーズコーン及びテイルコーンをさらに含む、請求項
6又は
7に記載の無人配達航空機。
【請求項9】
前記ノーズコーン及びテイルコーンの少なくとも一方は、オペレータにより、前記胴体の内部に配置された部品から組み立てられる、請求項
8に記載の無人配達航空機。
【請求項10】
自律飛行制御が可能な機内搭載自動操縦装置をさらに含む、請求項
6~
9のいずれか一項に記載の無人配達航空機。
【請求項11】
前記自動操縦装置は、前記胴体に取り付けられたノーズコーンに配置される、請求項
10に記載の無人配達航空機。
【請求項12】
前記自動操縦装置は、1つ又は複数の翼に配置された1つ又は複数の操縦翼面に接続された1つ又は複数のアクチュエータを制御する、請求項
11に記載の無人配達航空機。
【請求項13】
前記翼は、1つ又は複数の解放機構を動作させる1つ又は複数の静止線により、格納位置から展開位置に回転するように始動される、請求項
6~
12のいずれか一項に記載の無人配達航空機。
【請求項14】
減速用パラシュートをさらに含む、請求項
6~
13のいずれか一項に記載の無人配達航空機。
【請求項15】
前記前方及び後方枢動翼システムの各々は、2つの翼を含む、請求項
6~
14のいずれか一項に記載の無人配達航空機。
【請求項16】
胴体と、
前記胴体に係合することが可能な蓋と、
前記蓋に接続され、且つ2つの枢動翼を含む第1枢動翼システムと、
前記蓋に接続され、且つ2つの枢動翼を含む第2枢動翼システムと
を含む無人配達航空機であって、
前記第1及び第2枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を下にした向きにおいて前記胴体に係合されると、前記胴体の内部に適合し、
前記第1及び第2枢動翼システムの各々は、前記蓋が、翼を上にした向きにおいて前記胴体に係合されると、格納位置から前記胴体の外側の展開位置に回転するように構成される、無人配達航空機。
【請求項17】
前記第1枢動翼システムは、前記蓋の前方部分に接続され、及び前記第2枢動翼システムは、前記蓋の後方部分に接続される、請求項
16に記載の配達航空機。
【請求項18】
前記第1及び第2枢動翼システムは、第1枢動翼及び第2枢動翼をそれぞれ含み、前記第1及び第2枢動翼システムの前記枢動翼は、交互に配設され、
第1翼システムの前記第1翼が全ての他の枢動翼より垂直に下にある位置に配置され、
前記第2枢動翼システムの前記第1枢動翼は、前記第1枢動翼システムの前記第1枢動翼の位置より高い位置に配置され、
前記第1枢動翼システムの前記第2枢動翼は、前記第2枢動翼システムの前記第1枢動翼の前記位置より高い位置に配置され、及び
前記第2枢動翼システムの前記第2枢動翼は、前記第1枢動翼システムの前記第2枢動翼の前記位置より高い位置に配置される、請求項
16又は
17に記載の配達航空機。
【請求項19】
前記第1枢動翼システムの前記第1枢動翼は、第1の斜めに配置された引張ばねにより、前記第2枢動翼システムの前記第1枢動翼に接続され、及び
前記第1枢動翼システムの前記第2枢動翼は、第2の斜めに配置された引張ばねにより、前記第2枢動翼システムの前記第2枢動翼に接続される、請求項
18に記載の配達航空機。
【請求項20】
各翼の解放機構に接続された静止線をさらに含む、請求項
16~
19のいずれか一項に記載の配達航空機。
【請求項21】
機内搭載自律誘導システムをさらに含む、請求項
16~
20のいずれか一項に記載の配達航空機。
【請求項22】
各枢動翼は、前記機内搭載自律誘導システムによって決定された通りの動きの範囲で操縦翼面を動かすように構成された電動アクチュエータを含む、請求項
21に記載の配達航空機。
【請求項23】
前記自律誘導システムによって採用された差動補助翼アルゴリズムをさらに含む、請求項
21又は
22に記載の配達航空機。
【請求項24】
前記自律誘導システムは、GPSを含む、請求項
21~
23のいずれか一項に記載の配達航空機。
【請求項25】
前記自律誘導システムは、LIDAR、カメラ、ソナー、赤外線センサ及びレーダからなる群から選択される少なくとも1つのセンサを含む、請求項
21~
24のいずれか一項に記載の配達航空機。
【請求項26】
前記少なくとも1つのセンサは、着陸ルーチンを開始するために前記自律誘導システムによって使用される、請求項
25に記載の配達航空機。
【請求項27】
前記着陸ルーチンは、ピッチアップ、フルストール着陸を含む、請求項
26に記載の配達航空機。
【請求項28】
前記自律誘導システムは、ミッションプランニングソフトウェアを含む、請求項
21~
27のいずれか一項に記載の配達航空機。
【請求項29】
請求項1~
28のいずれか一項に記載の航空機を、ケーブルを使用してヘリコプタの下に固定するステップと、
前記航空機を望ましい位置及び高度に運ぶステップと、
前記航空機を機外放出するステップと
を含む、配達の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年4月30日に出願された米国特許出願公開第15/967、197号明細書に対する優先権を主張する。この出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2015年7月1日に出願された米国仮特許出願第62/187、778号明細書の利益を主張する、2016年6月30日に出願された米国特許出願公開第15/198、946号明細書の出願に関連する。これらの出願の両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、空輸により配達する無人航空機システムに関する。
【背景技術】
【0004】
遠隔地において補給品を提供する能力は、常に問題となっている。現在の供給方法は、典型的には、護送及び空輸による補給方法を含む。しかしながら、補給品の正確な配達を提供することは、極めて困難且つ費用がかかる可能性がある。
【0005】
配達の最も正確な方法は、常に陸上輸送によるものであった。この方法は、目的地が遠隔地又は潜在的危険な地域にあるときにいくつかの課題に直面する。配達費用及びかかる時間はさておき、陸上輸送は、道中で襲撃、奇襲又は即席の爆破装置への曝露の対象にもなり得る。
【0006】
空輸は、陸上輸送に関連する上記の課題のいくつかを解決し得る。しかしながら、空輸は、依然として極めて費用がかかり、配達が行われる場所によっては非実用的であることが多い。例えば、この方法は、植物が密生しており、運河及び川の多い場所において非実用的であり得る。地形により、航空機が着陸することが難しくなるか又はさらにときに不可能になり得る。空中投下には、場合により非実用的となり得る低空飛行航空機が求められる。同様に、空中投下を介した補給品の提供の精度が望ましいものではなく、一貫性に欠けることも多くなる可能性がある。統合精度空中投下システム「JPADS」は、C-5、C-17、C-130などの貨物航空機又はV-22及びCH-53などの重量物運搬ヘリコプタからの重い空中投下物の案内を試みるために、GPSによって操縦可能なパラシュートを採用する米軍の現在のプログラムである。JPADSは、一投下当たりおよそ$30,000の費用がかかることで知られている。様々な気象系を通して様々な投下高度からパラシュートを操縦することの限界により、部隊に再補給することを意図された多くのペイロードが失われるか、損傷を受けるか、又は近接不能となっている。多くの軍人が、そのような操縦可能なパラシュートの投下を介して配達された物品を探して回収する過程で負傷又は死亡してきた。したがって、米国政府は、そのような配達のコストを10分の1程度まで下げると同時に、そのような部隊再補給能力の精度を高めることに興味を示している。多くの民間組織も、国内での災害時など、着陸地帯、空港、地上輸送の必要性のない空挺配達プラットフォームから再補給材料の重いペイロードを正確に配達できること、又は別の国の国境に侵入することなどを回避できると同時に、安全な空中の距離及び高度から救援物資をそのような国に配達することが依然として可能であることに関心を示している。山に取り残されたハイカー、機能停止した船、ボート又は帆船などの他の救援任務も物流上の救助の難しさを呈している。この場合、即座の緊急救援物資、機器、食料、水、医療用具、例えば薬、酸素、除細動器など、又はビルジポンプ、救命ゴムボート及び船舶が沈むことを防ぐか又は被災した船舶上の人々の命を救うための他の機器を正確に提供する能力を有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題を念頭において、上で述べられた問題の1つ又は複数を回避する、補給品を提供するより効率的で費用効率的な方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、関連技術の限界及び欠点を原因とする問題の1つ又は複数を実質的に取り除く空中投下無人航空機システムを対象とする。
【0009】
本発明の利点は、費用効率的であり、安全であり、且つ正確な補給品配達システムを提供する点である。
【0010】
別の利点は、折り畳まれた翼を含み、且つ戦術的再補給又は災害救助のために迅速且つ容易に展開され得る貨物コンテナを提供する点である。
【0011】
本発明のなお別の利点は、様々な高度において多様な貨物回転翼機及び固定翼航空機から展開され得る、容易に展開可能な補給品配達航空機を提供する点である。
【0012】
本発明の追加的な特徴及び利点は、以下の説明において示され、部分的にその説明から明らかとなるか又は本発明を実施することによって学ばれ得る。本発明の目的及び他の利点は、特に本明細書及びその特許請求の範囲並びに添付図面において指摘された構造によって実現及び達成されることになる。
【0013】
これらの及び他の利点を達成するために且つ本発明の目的によると、具体化され且つ大まかに説明される通り、胴体貨物コンテナを含む無人配達航空機である。胴体貨物コンテナは、蓋及び胴体部分、蓋に接続された前方枢動翼システム、蓋に接続された後方枢動翼システム、誘導制御システム並びに誘導制御システムによって動作可能な1つ又は複数の飛行制御装置を有する。前方及び後方枢動翼組立体の各々は、格納位置から展開位置に枢動し得る。前方及び後方枢動翼システムは、2つの枢動翼をそれぞれ含み得る。蓋は、胴体部分に取り外し可能に接続され得る。少なくとも1つのラッチは、蓋を胴体部分に固定することができる。胴体部分は、1つ又は複数のハンドルを含み得る。胴体貨物コンテナは、気密であり得る。各枢動翼システムは、可動操縦翼面も含み得る。各翼システム上の少なくとも1つのアクチュエータは、その翼システムのために操縦翼面を動かすように使用され得る。1つ又は複数のねじりばねは、前方及び後方翼システムの少なくとも一方の枢動ポイントに位置し得る。引張ばねは、ばね力が、接続された翼を反対の方向に引いて開くように、前方翼システムからの1つの独立した翼を後方翼システムからの1つの独立した翼に接続し得る。誘導制御システムは、自律モード又は手動モードで動作され得る。1つ又は複数の静止線は、前方及び後方翼システムに、それらの展開を引き起こすために取り付けられ得る。ノーズコーンは、胴体貨物コンテナに取り外し可能に接続され得る。誘導制御システムの全て又は一部は、ノーズコーンの内部に位置し得る。第1及び第2枢動翼システムは、それぞれ格納及び展開位置間で90度枢動する全部で4つの翼からなり得る。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、胴体を有する無人配達航空機である。胴体は、胴体に取り外し可能に接続された蓋を含み得る。航空機は、蓋の対向する端部に枢動可能に接続された少なくとも2つの翼、各端部の少なくとも2つの翼の枢動ポイントに位置する少なくとも1つのねじりばね及び誘導制御システムをさらに含み得る。
【0015】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、補給品を保管可能な胴体、蓋に接続された少なくとも4つの枢動翼を有する無人補給品配達航空機であり、蓋は、胴体に取り外し可能に接続され、翼は、格納位置及び展開位置をそれぞれ有する。航空機はまた、誘導制御システムと、誘導制御システムによって動作可能な1つ又は複数の飛行制御装置とを有し得る。少なくとも4つの翼は、母船から機外放出された後、格納位置から展開位置に枢動し得る。誘導制御システムは、飛行中、少なくとも1つの飛行制御装置を動作させる。胴体は、着陸後に容易に動かせる設備を有する可動性保管ケースであり得る。可動性保管ケースは、提げ手、車輪及びフォークリフトのスキッドを収容するためのチャネルの少なくとも1つを有し得る。航空機の4つの枢動翼の2つは、前方翼であり得る。枢動翼の2つは、後方翼であり得る。枢動翼は、格納位置において拘束され得、且つ展開位置に向かってばねによって荷重をかけられ得る。誘導制御システムは、自律的であり得る。地上検知デバイス、例えばレーザー高度計は、航空機に着陸前に閃光で合図するように信号を送り得る。
【0016】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、補給品を保管可能な胴体、1つ又は複数の翼が格納位置から展開位置に動き得る可動翼システム、誘導制御システム及び飛行制御装置を含む無人航空機である。前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、例示のためのものであり、説明のためのものであり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図されたものであることを理解されたい。
【0017】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、少なくとも、胴体、胴体に係合することが可能な蓋、蓋に接続された第1枢動翼システム及び蓋に接続された第2枢動翼システムを含む無人配達航空機である。第1及び第2枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を下にした向きにおいて胴体に係合されると、胴体の内部に適合し得る。第1及び第2枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を上にした向きにおいて胴体に係合されると、格納位置から胴体の外側の展開位置に回転するように構成され得る。
【0018】
第1及び第2枢動翼システムは、格納位置と展開位置との間で回転するように構成された2つの翼をそれぞれ含み得る。格納位置と展開位置との間の回転角は、90度であり得る。第1枢動翼システムの2つの翼は、第2枢動翼システムの2つの翼に対して異なる高さで垂直に離間され得る。第1及び第2枢動翼システムは、少なくとも1つの翼を格納及び/又は展開位置において保持するように構成されている、ばね仕掛けのプランジャ、ラッチ、ピン又はその組合せを含み得る。
【0019】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、少なくとも、胴体と、蓋と、蓋の第1端部に取り付けられた第1枢動翼と、蓋の第2端部に取り付けられた第2枢動翼と、第1枢動翼を第2枢動翼に接続するばねと、第1及び第2枢動翼を格納位置において拘束し、且つばねの位置エネルギーに抵抗する解放機構とを含む無人配達航空機である。解放機構の始動は、ばねの位置エネルギーが第1及び第2枢動翼を格納位置から展開位置に動かすことを引き起こし得る。
【0020】
格納及び展開位置は、ロックプレートの形状によって決定され得る。ばねは、引張ばねであり得、且つ引張ばねの位置エネルギーにより、翼を格納位置から展開位置に枢動させるための機械的なてこの作用を提供するように構成された各翼上の枢動アームを通して、第1及び第2枢動翼に接続する。
【0021】
2つの枢動翼は、蓋の第1端部に取り付けられ得、及び2つの枢動翼は、蓋の第2端部に取り付けられ得る。枢動翼は、前方及び後方翼が交互になっている垂直の翼の積み重なりを形成し得る。
【0022】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、少なくとも、貨物を受けるための開く側を有する胴体と、胴体の開く側に係合する蓋と、蓋に接続された前方枢動翼システムと、蓋に接続された後方枢動翼システムとを含む無人配達航空機である。前方及び後方枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を下にした向きにおいて胴体に取り付けられると、胴体の内部に適合し得る。前方及び後方枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を上にした向きにおいて胴体に取り付けられると、格納位置から展開位置に回転するように構成され得る。
【0023】
胴体は、長方形であり得る。配達航空機は、ノーズコーン及びテイルコーンも含み得る。ノーズコーン及びテイルコーンは、オペレータにより、胴体の内部に配置された部品から組み立てられ得る。配達航空機は、自律飛行制御が可能な機内搭載自動操縦装置を含み得る。自動操縦装置は、胴体に取り付けられたノーズコーンに配置され得る。自動操縦装置は、1つ又は複数の翼に配置された1つ又は複数の操縦翼面に接続された1つ又は複数のアクチュエータを制御し得る。翼は、1つ又は複数の解放機構で動作し得る1つ又は複数の静止線により、格納位置から展開位置に回転するよう始動される。配達航空機は、減速用パラシュートを含み得る。前方及び後方枢動翼システムの各々は、2つの翼を含み得る。
【0024】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、少なくとも、胴体と、胴体に係合することが可能な蓋と、蓋に接続され、且つ2つの枢動翼を含む第1枢動翼システムと、蓋に接続され、且つ2つの枢動翼を含む第2枢動翼システムとを含む無人配達航空機である。第1及び第2枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を下にした向きにおいて胴体に係合されると、胴体の内部に適合し得る。第1及び第2枢動翼システムの各々は、蓋が、翼を上にした向きにおいて胴体に係合されると、格納位置から胴体の外側の展開位置に回転するように構成され得る。
【0025】
第1枢動翼システムは、蓋の前方部分に接続され得、及び第2枢動翼システムは、蓋の後方部分に接続される。第1及び第2枢動翼システムは、第1枢動翼及び第2枢動翼をそれぞれ含み得、第1及び第2枢動翼システムの枢動翼は、交互に配設され、第1翼システムの第1翼が全ての他の枢動翼より垂直に下に配置された位置に配置され、第2枢動翼システムの第1枢動翼は、第1枢動翼システムの第1枢動翼の位置より高い位置に配置され、第1枢動翼システムの第2枢動翼は、第2枢動翼システムの第1枢動翼の位置より高い位置に配置され、及び第2枢動翼システムの第2枢動翼は、第1枢動翼システムの第2枢動翼の位置より高い位置に配置される。
【0026】
第1枢動翼システムの第1枢動翼は、第1の斜めに配置された引張ばねにより、第2枢動翼システムの第1枢動翼に接続され得、及び第1枢動翼システムの第2枢動翼は、第2の斜めに配置された引張ばねにより、第2枢動翼システムの第2枢動翼に接続され得る。
【0027】
配達航空機は、各翼の解放機構に接続された静止線を含み得る。
【0028】
各枢動翼は、機内搭載自律誘導システムによって決定された通りの動きの範囲で操縦翼面を動かすように構成された電動アクチュエータを含み得る。
【0029】
配達航空機は、機内搭載自律誘導システムを含み得る。自律誘導システムは、GPSを含み得る。自律誘導システムは、LIDAR、カメラ、ソナー、赤外線センサ及びレーダから選択される1つ又は複数のセンサを含み得る。1つ又は複数のセンサは、着陸ルーチンを開始するために自律誘導システムによって使用され得る。着陸ルーチンは、ピッチアップ、フルストール着陸を含み得る。自律誘導システムは、ミッションプランニングソフトウェアを含み得る。配達航空機は、自律誘導システムによって採用された差動補助翼アルゴリズムを含み得る。
【0030】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、少なくとも、胴体と、蓋と、蓋の第1端部に取り付けられた第1枢動翼と、蓋の第2端部に取り付けられた第2枢動翼と、蓋の第1端部に取り付けられた第3枢動翼と、蓋の第2端部に取り付けられた第4枢動翼と、第1枢動翼を第2枢動翼に接続する第1伸張ばねと、第3枢動翼を第4枢動翼に接続する第2伸張ばねと、第1、第2、第3及び第4枢動翼を格納位置において拘束し、且つ第1及び第2ばねの位置エネルギーに抵抗する解放機構とを含む無人配達航空機である。解放機構の始動は、第1及び第2ばねの位置エネルギーが第1、第2、第3及び第4枢動翼を格納位置から展開位置に動かすことを引き起こし得る。
【0031】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、上述の通りの航空機を、ケーブルを使用してヘリコプタの下に固定するステップと、航空機を望ましい位置及び高度に運ぶステップと、航空機を機外放出するステップとを含む、配達の方法である。
【0032】
本発明の別の実施形態によると、大まかに説明される通り、格納位置から展開位置に回転するように構成された少なくとも1つの航空機翼と、ばね搭載部を有するシャフトと、航空機翼に接続され、且つシャフトに回転可能に組み付けられた枢動アームと、1つ又は複数のばね仕掛けのプランジャを介して枢動アームに係合するロックプレートと、航空機翼の回転を遅くするか又は止めるための圧縮ばねとを含む枢動翼機構である。圧縮ばねは、ゴム材料から作られ得る。枢動翼は、翼桁、縦通材ロッド、内部発泡体コア及び翼外板の1つ又は複数も含み得る。
【0033】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に含まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明のUAVの例示的実施形態の翼展開図である。
【
図2】枢動翼が輸送のための格納位置において蓋の下側に取り付けられている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図3】ハンドルが蓋に挿入され、ラッチが開位置において蓋を胴体に保持している、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図4】蓋が胴体から持ち上がり、格納位置にある4つの枢動翼がむき出しになっている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図5】蓋が取り除かれており、貨物隔壁及びノーズコーンコンポーネントが組み立てのために胴体から除去されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図6】貨物隔壁が胴体において設置され、胴体が戦術的再補給又は災害救助のために貨物を受ける用意ができている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図7】ノーズコーンコンポーネントが胴体上の適所に設置されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図8】蓋が胴体上に再設置されているが、翼が上に配置されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図9】ノーズコーンの詳細を備えた本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図10】静止線の詳細を備えた本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図11】例示的翼展開機構の切欠図を備えた本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図12】静止線が示され、且つ貨物固定翼航空機又は回転翼機からの展開のための用意ができている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図13】前方及び後方翼が部分的展開位置において示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図14】前方及び後方翼が部分的にさらに展開した位置において示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図15】前方及び後方翼が展開位置において示されており、航空機が飛行の向きにある、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図16A】翼を積み重ねる順序が交互になっている、本発明のUAVの例示的実施形態を示す。
【
図16B】翼を積み重ねる順序が交互になっている、本発明のUAVの例示的実施形態を示す。
【
図17】代替的翼展開機構を備えた本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図18A】斜めの引張ばねの展開実施形態を示すために、1つの前方翼及び1つの後方翼が互いに対向して示されている、本発明のUAVの例示的実施形態を示す。
【
図18B】斜めの引張ばねの展開実施形態を示すために、1つの前方翼及び1つの後方翼が互いに対向して示されている、本発明のUAVの例示的実施形態を示す。
【
図19】斜めの引張ばねの展開実施形態を示すために、1つの前方翼及び1つの後方翼が、蓋上でのそれらのそれぞれの格納位置において設置されたときに起こり得る互いに部分的に重複している状態で示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図20】斜めの引張ばねの展開実施形態を示すために、1つの前方翼及び1つの後方翼が部分的に展開された状態で示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図21】斜めの引張ばねの展開実施形態を示すために、1つの前方翼及び1つの後方翼が蓋上でのそれらのそれぞれの位置において完全に展開した状態で示されており、胴体及びノーズコーンが背景を提供するために含まれている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図22】飛行状態における航空機の上面図を示すために、2つの前方翼及び2つの後方翼が蓋上でのそれらのそれぞれの位置において完全に展開した状態で示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【
図23A】代替的なテール処理を有するUAVの側面図である。
【
図23B】代替的なテール処理を有するUAVの側面図である。
【
図23C】代替的なテール処理を有するUAVの側面図である。
【
図24】飛行制御アクチュエータに接続された操縦翼面を示すためのUAVの1つの翼の上面図である。
【
図25】UAVのための自動操縦装置として使用される例示的制御システムである。
【
図26】円筒形胴体及びノーズコーンを備えた代替的実施形態であり、UAVのノーズコーンにおける制御システム及びバッテリの例示的配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、その例が添付図面に示されている本発明の実施形態を詳細に参照する。
【0036】
本発明のUAVの例示的実施形態の翼展開図が
図1に示されている。例示的実施形態は、無人航空機(UAV)100を含むことができる。この無人航空機(UAV)は、胴体101、蓋102、前方シャフト104を有する翼103を含む前方枢動翼システム203、後方シャフト106を有し、且つライザー107に組み付けられた翼105を含む後方枢動翼システム205、ノーズコーン108、任意選択的なキャスター車輪109、ハンドル110及び蓋102を胴体101に固定するための1つ又は複数のラッチ111を含み得る。図lにおいて、蓋102は、翼を上にした向きにおいて胴体101に取り付けられるか又は胴体101と係合する。
【0037】
図2は、枢動翼を含む枢動翼システムを備えた本発明のUAVの図である。枢動翼は、UAVが必要とされている作戦区域への輸送のために格納位置において蓋102の下側に取り付けられ、且つ胴体101の内部において隠されていて見えない。
図2では、蓋102は、翼を下にした向きにおいて胴体101に取り付けられている。したがって、翼は、胴体101の内部に含まれ且つ隠されていて見えない。
【0038】
前方及び後方枢動翼システム203及び205の各々は、単一の枢動翼をそれぞれ含み得る。代替的実施形態において、前方及び後方枢動翼システム203及び205は、2つの枢動翼をそれぞれ含み得る。さらなる代替的実施形態において、各枢動翼システムは、3つ以上の翼、例えば3つ又は4つの枢動翼を含み得る。例を示す目的のみのために、この説明は、枢動翼システム203及び205の両方が2つの枢動翼103及び105をそれぞれ有する実施形態に言及している。しかしながら、これは、図示のためのものにすぎず、本発明の範囲に対する限定とみなされるべきではない。
【0039】
図1に示される通り、枢動翼システムの各枢動翼は、蓋に取り付けられる。前方枢動翼システム203の1つ又は複数の枢動翼103は、蓋の第1端部に取り付けられる。後方枢動翼システム205の1つ又は複数の枢動翼105は、蓋の第2端部に取り付けられ、第1及び第2端は、反対側の端部にある。図示の通り、「端部」という用語は、1つ又は複数の枢動翼の位置に関して蓋に言及する際、翼が蓋の端に配置されることを必要としない。「端部」という用語は、蓋の一端の縁から、蓋の反対側の縁までの最大で半分までにわたる領域を示すために使用される。
【0040】
図3は、蓋構造の端部に挿入された4つの蓋ハンドル112の例示的なセットを示す。これらの蓋ハンドル112は、蓋を胴体に対して保持している1つ又は複数のラッチ111を解放することにより、蓋構造の内部のそれらの格納位置から解放され得る。蓋ハンドル112は、このとき、2人以上のオペレータにより、蓋102を持ち上げて胴体101から離すために使用され得る。
【0041】
図4は、蓋ハンドル112によって胴体101から持ち上がった蓋102の図である。この図は、輸送中に胴体101を密封することと、前方翼103及び後方翼105のための取付構造及び枢動機構を提供することとの両方のために蓋組立体113を使用することの新規性を示す。蓋組立体113が、翼を下にした向きにおいて設置されると、蓋102は、貨物箱の蓋の役割を果たし、且つ好都合には作戦区域への輸送中、胴体101の貨物保管領域の内部に逆転した位置で翼を収納することが本発明の実施者によって容易に認められ得る。反対に、蓋102が、翼を上にした向きにおいて胴体上に設置されると、胴体の貨物領域は、空にされ、且つ貨物及び補給品の積み込みの準備ができる。翼は、胴体101の外側にあり、展開及び後続の飛行のための準備ができている。
【0042】
図5は、蓋組立体113が、翼を上にした向きにおいて脇に置かれ、1つ又は複数の任意選択的な貨物隔壁114及びノーズコーンコンポーネント、例えば下ノーズコーン115及び上ノーズコーン116が胴体101の貨物領域の内部から除去されていることを明らかにする図である。胴体101の貨物領域の内部は、1つ又は複数の任意選択的な貨物隔壁114及びノーズコーンコンポーネントが、最も低い位置に吊り下げられている翼と貨物保管領域の床との間の空間を占めていた場所であり、オペレータが胴体101内に組み込み且つ胴体101上で組み立てるために利用可能である。
【0043】
図6は、胴体101に設置された貨物隔壁114の図である。この構成において、胴体101は、本発明の目的に従って戦術的再補給又は災害救助のために貨物を受ける用意ができている。図示の通り、胴体101は、貨物を受けるための開く側を含む。蓋102は、開く側で胴体101に係合し得る。気密及び/又は水密シールを作り出すように蓋102と係合するために、任意選択的なシール117は、胴体101のシーリング面の周りに設置され得る。これは、本発明の実施者が、UAVを水中又は水の周りに着陸させて、着陸後、機内の再補給品又は貨物の受取人によるUAVの回収が実施され得る時間にわたって浮かせることを望む場合に必要である。胴体101は、アルミニウム押出加工119から構築され得るなど、外周フレームの内部に組み付け可能な状態で配置された木材及びフォームサンドイッチパネル118などの様々な材料から構築され得る。
【0044】
図7は、下ノーズコーン115が胴体101上の適所に設置されている図である。ヒンジピン120は、対応するヒンジピンソケット121に結合係合するために使用され得る。下ノーズコーン115の側部は、胴体101の前端への組み付けのための位置に容易に折り込むことを可能にするためにヒンジ123を用い得る。任意選択的な下窓122は、飛行及び着陸ルーチン中、検出及び回避、データ取得目的で地面又は他の障害物を「見る」ため、カメラ又はセンサ、例えば赤外線、レーダ又はLiDARの使用を可能にするために下ノーズコーン115に提供され得る。
【0045】
図8は、蓋組立体113が、翼を上にした位置で胴体上に再設置されている胴体101の図である。ヒンジピン120及びヒンジピンソケット121と同様又は同一である上リテーナ124は、胴体101に対して取り付けられた構成において、ノーズコーン108の側部を保持するために使用され得る。
【0046】
図9は、ノーズコーン108のより大きい詳細図である。
図9は、任意選択的な上窓125を備えた上ノーズコーン116を示す。任意選択的な上窓125は、本発明の実施者が、ノーズコーン108の内部に配置された任意のナビゲーション若しくはGPS電子機器のステータスライトを見ることができるように、且つ/又は信号を送受信するGPS受信器若しくは他の電子機器のために空が明確に見えるようにするために用いられ得る。上窓125は、リテーナ124により、胴体101に取り付けられ得る。リテーナ124は、上ノーズコーン116がオペレータによって枢動可能に開閉されることを可能にするためのヒンジとして構成され得る。
【0047】
図10は、UAVの前端の図であり、展開中に翼をばねによって開くようにさせるために使用され得る1つ又は複数の静止線126を示す。静止線126は、任意選択的な案内部127と併せて使用され得る。その理由は、翼を開くシーケンス中に絡み合うことを避けるため又はその静止線126を特定の端部に案内するようにその静止線126のルートを決定するためである。UAVの特定の端部は、1つ又は複数の静止線126が組み合わされて、展開中にUAVを機外放出するために使用されることになる貨物航空機に取り付けられ得る場所である。
【0048】
図11は、翼システム203及び205の例示的翼展開機構の切欠図である。ねじりばね128は、翼を展開して開くためのばね力を提供するように使用され得る。ばね仕掛けのプランジャ129は、1つ又は複数の翼を格納及び展開位置にロックするために使用され得る。一実施形態において、格納及び展開位置は、90度回転して互いから離れ得る。ばね仕掛けのプランジャ129は、格納穴130に係合する。この格納穴130は、例えば、展開機構の向きに依存して、ばね仕掛けのプランジャ129又は任意選択的なロッカーアーム132に直接作用する静止線126によって展開が始動されるまで、ねじりばね128の回転力に対抗することにより、少なくとも1つの翼を格納位置に保持する。始動されると、ねじりばね128は、少なくとも1つの翼を、ロックプレート131に配置された展開穴133に向かって回転させる。翼が回転している間、ばね仕掛けのプランジャ129は、その孔に押し込まれ、ロックプレート131に沿ってプランジャのばね力がロックプレート131における展開穴133に係合し、且つ少なくとも1つの翼を望ましい位置に止める展開穴133に到達するまで移動する。
図11は、1つ又は複数の翼構造の、翼外板134を含む部分も示す。この部分は、繊維ガラス、プラスチック、熱収縮プラスチック又は本発明の実施者が使用を望む他の任意の材料であり得る。各翼の形状は、構造的及び立地的目的のために1つ又は複数の縦通材ロッド136を有し得る内部発泡体コア135の形状によって画定され得る。翼桁137は、翼の長さに沿って強度を提供する。ばね仕掛けのプランジャ129の使用は、限定的であることを意図されるものではない。代替的機構には、ラッチ、ピン並びに本発明の趣旨から逸脱せずに格納及び展開位置間で翼を解放し、次いでロックするための他のそのような機構が含まれ得る。
【0049】
図12は、静止線126が示され、且つ貨物を運ぶ固定翼航空機又は回転翼機からの展開の準備ができている図である。
【0050】
図13~15に示される通り、前方及び後方枢動翼システム203及び205の翼103及び105は、格納位置と展開位置との間で回転するように構成される。
【0051】
図13は、前方翼103及び後方翼105が展開シーケンス中にばね力によって回転されていると同時に、部分的展開位置にある状態で示されている、本発明のUAVの図である。
【0052】
図14は、前方翼103及び後方翼105が展開シーケンス中にばね力によって回転されていると同時に、完全に開かれている状態により近い部分的展開位置にある状態で示されている、本発明のUAVの図である。
【0053】
図15は、前方翼103及び後方翼105が完全な展開位置において示されており、航空機が飛行の向きで示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。
【0054】
図16A及び16Bは、翼を積み重ねる順序が交互になっている、本発明のUAVの例示的実施形態を示す。一実施形態において、翼は、前方及び後方翼間で交互に積み重ねられ得る。例示的実施形態において、第1枢動翼システム203の2つの翼103は、第2枢動翼システム205の2つの翼105に対して、異なる高さで垂直に離間される。例えば、この図において、最も低い位置にある翼は、前方翼103であり得る。その場合、次の翼は、後方翼105であり、前方翼103が続き、最後に後方翼105が最も高い位置にある翼である。このように交互に積み重ねる利点は、最も低い位置にある前方翼103が後方翼105に隣接し、これにより、極めて効率的且つ高い力で翼を開く配置構成のために斜めに配置された引張ばねが2つの翼を結び合わせることが可能になる点である。したがって、上の2つの翼は、
図18~21においてより具体的に示された通り、その両方をそれらのそれぞれの開位置に向かって同時に引くように作用する第2引張ばねによって同様に接続される。
【0055】
図17は、代替的翼展開機構を備えた本発明のUAVの例示的実施形態である。ばね搭載部139を備えた枢動アーム138は、前方シャフト104及び同様に後方シャフト106に回転可能に組み付けられる。枢動アームは、そのそれぞれの翼に接続し、且つ機械的なてこの作用と、展開中にそのような翼を開くために、且つそのような翼を展開動作の状態に依存して格納及び展開位置の両方に維持するために必要とされる機構とを提供する。枢動アーム138は、ロックプレート131に回転可能に係合する。このロックプレート131は、次に、前方シャフト104及び同様に後方シャフト106に例えば溶接、ピン又はボルトによって動かないように組み付けられる。枢動アーム138は、1つ又は複数のばね仕掛けのプランジャ129(ここでは、翼格納位置において示されている)を特徴とする。このばね仕掛けのプランジャ129は、翼展開シーケンス中に展開穴133に向かって軌道140に沿って移動する。展開穴133は、ばね仕掛けのプランジャ129を受け、且つ翼を、一実施形態において格納位置から90度のところにある展開位置においてロックする。翼を開くために必要とされる大きいばね力及び翼展開矢印142の方向に沿った動きにおける翼の対応する回転の慣性を原因として、任意選択的な圧縮ばね141は、翼が開く動きを制御された方式で遅くするか又は止めるために使用され得る。圧縮ばね141は、ダンパー、スナバ(snubber)、ゴム製デバイス、バンパー又は鋼ばねであり得る。圧縮ばねが、翼が開くエネルギーを吸収するために圧縮されて、次いでばね仕掛けのプランジャ129をそれらの理想的なロックされた位置に戻す際、ばねプランジャがそれらの理想的展開位置を超えて回転することを可能にするために、展開穴133は、円よりもむしろ楕円として成形され得る。ばね仕掛けのプランジャ129の使用は、限定的であることを意味するものではない。機械工学の当業者は、ラッチ、ピン並びに本発明の趣旨から逸脱することなく、翼を格納及び展開位置間で解放し、且つ次いでロックするための他のそのような機構を代替的に使用し得る。
【0056】
図18A~18Bは、斜めの引張ばねの展開実施形態を図示するために1つの前方翼103及び1つの後方翼105が互いに対向して示されている、本発明のUAVを示す。2つの例示的翼の各々の翼桁137は、例を示す目的で見られ得る。
【0057】
図19は、1つの前方翼103及び1つの後方翼105の図である。1つの前方翼103及び1つの後方翼105は、斜めの引張ばねの展開実施形態を図示するために、蓋102(図示せず)上のそれらのそれぞれの格納位置において設置された場合にとり得る、互いに部分的に重複した状態で示されている。隠線は、各翼の枢動アーム138のばね搭載部139穴に接続される、斜めに設置された引張ばね143を表す。この図から、完全に拡張された引張ばね143は、両方の翼の枢動アーム138上の位置エネルギーの等しい力を引き出していることが認められ得る。両方の翼の枢動アーム138は、それらの両方の翼のそれぞれのシャフトの周りに枢動させることによって、両方の翼を引いて開かせる方向に付勢される。
【0058】
図20は、斜めの引張ばねの展開実施形態を図示するために、1つの前方翼103及び1つの後方翼105が部分的に展開した状態で示されている、本発明のUAVの上面図である。枢動アーム138は、格納位置から展開位置に回転され、且つこの
図20において例を示す目的でそのような格納位置と展開位置との途中にある状態で示されている一方、ロックプレート131は、それぞれのシャフトに固定されたままとなることが分かり得る。引張ばね143の位置エネルギーは、各翼の枢動アーム138のばね搭載部139を引き寄せることにより、その引張ばね143の完全に拡張された状態から、その弛緩したばね状態に収縮する際に両方の翼を同時に開くために、ばね力方向矢印144の方向に作用しているように示されている。翼展開矢印142は、前方翼103が前方シャフト104の周りを枢動し、後方翼105が後方シャフト106の周りを枢動する際の、この固有の引張ばね機構及び配置構成に基づく等しい反対側の翼展開を示す。
【0059】
図21は、斜めの引張ばね143展開実施形態を図示するために、1つの前方翼103及び1つの後方翼105が蓋102(図示せず)上でのそれらのそれぞれの位置において完全に展開した状態で示されている、本発明のUAVの例示的実施形態である。胴体101及びノーズコーン108は、方向に関する背景を提供するためにこの図に含まれている。引張ばね143の位置エネルギーのほとんどは、展開シーケンス中に両方の翼を同時に開くために使用されている。しかし、翼を適所に保持し、且つそのような位置においてロック機構を支援する一定のばね力を提供するために僅かな量の位置エネルギーが残るように、引張ばね143を設置することが望ましい場合もある。
【0060】
図22は、飛行状態における航空機の上面図を示すために2つの前方翼103及び2つの後方翼105が蓋102(図示せず)上でのそれらのそれぞれの位置において完全に展開した状態で示されている、本発明のUAVの上面図である。胴体101及びノーズコーン108は、方向に関する背景を提供するためにこの図に含まれている。
【0061】
図23A~23Cは、胴体101、蓋102、ノーズコーン108及び1つ又は複数のキャノピーライン146によって胴体101に接続され得る任意選択的な従動パラシュート145を示す、UAVの一連の3つの側面図である。パラシュートは、減速用パラシュートであり得る。この減速用パラシュートは、UAVの飛行中に引っ張られ、且つコントローラによる飛行からの逸脱を防ぐためにUAVを十分な長手方向制御下におくために必要な最小限の牽引力を作り出すように本発明の実施者によって大きさが決められる。一実施形態において、パラシュート145は、直径が9インチであり得る。パラシュート145の使用のいくつかの主な利点には、垂直尾翼及び方向舵のコスト、複雑さ、大きさ、重量並びに費用の削減が含まれる。パラシュート145の1つの欠点は、有害抗力の増加である。これは、UAVの滑空比を減少させる。任意選択的なテイルコーン147は、航空機の後方における有害抗力を減少させるために使用され得る。テイルコーンは、現場での保管及び組立を単純にするために一連の三角形の平らなパネルから構築され得る。代替的に、テイルコーン147は、空気力学的効率のために、丸い形状であるか、又は複数の部分から構成される曲線及び形状であり得る。テイルコーンは、蝶番で連結され得、
図5、7、8及び9において説明及び示された本発明のノーズコーンのように一連のピンによって組み立てられ得る。テイルコーンは、垂直尾翼148のための取付設備を含み得る。又は、簡素化するために及び部品を減らす目的で、垂直尾翼は、テイルコーンと一体的であり得る。テイルコーン148は、長手方向の安定性を促進し、且つ空気力学的効率及び滑空比を最大化することを望む本発明の実施者により、パラシュート145の代わりに使用され得る。
【0062】
図24は、前方翼103など、UAVの1つの翼の上面図である。翼桁137は、例を示す目的で示されている。1つ又は複数の操縦翼面149は、翼103と一体化されるか又は翼103に取り付けられ得、補助翼、エレベータ、フラップ、スポイエロン又は航空機の制御の当業者に既知の操縦翼面の組合せとして構成され得る。制御面149は、1つ又は複数の枢軸又は補助翼ヒンジ150によって翼103に枢動可能に接続され得る。飛行制御アクチュエータ151は、操縦翼面149に直接的に接続されるか又はリンク機構を介して接続され得る。飛行制御アクチュエータ151は、翼小骨152に組み付けられ得る。
【0063】
図25は、UAVのための自動操縦装置として使用される例示的な制御システム153である。制御システム153は、コントローラであり得る。実施形態において、制御システム153は、誘導システムである。制御システム153は、ピトー静圧管154、例えば遠隔飛行制御又は遠隔測定法のための1つ又は複数のアンテナ155、例えば制御システム153を1つ又は複数の飛行制御アクチュエータ151(図示せず)に接続するための電気コネクタ156のような特徴部を含み得る。追加的に、モード選択ボタン157、オン/オフスイッチ158、ステータスライト159及び通信ポート160が制御システム153の一部として含まれ得る。
【0064】
図26は、円筒形の胴体101及びノーズコーン108を備えた代替的実施形態であり、UAVのノーズコーンに配置された制御システム153及び1つ又は複数のバッテリ161の例示的配置を示す。代替的に、制御システム153及びバッテリ161は、蓋102(図示せず)又はUAVの1つ又は複数の翼に配置され得る。これらの制御システム153及びバッテリ161は、UAVの胴体又はテイルコーンに配置することもできる。
【0065】
胴体101は、貨物又は補給品のペイロードを運ぶために使用され得る。胴体は、実質的に長方形の断面として図示されている。しかしながら、胴体の形状は、限定されず、例えば円筒形又は他の形状であり得る。代替的実施形態において、胴体は、不規則な形状の断面を有し得る。さらなる代替的実施形態において、胴体は、四角形の断面を有し得る。胴体は、任意の数の補給品を運ぶように設計され得る。胴体は、食料又は薬剤を運ぶように設計され得る。胴体は、工具又は弾薬を運ぶように設計され得る。胴体は、様々な機械及び/又は電子機器を運ぶようにも設計され得る。電子機器のタイプは、限定されず、例には、センサ、カメラ、ラジオ、バッテリ又は携帯用電子機器が含まれ得る。胴体は、流体を運ぶように設計され得る。例えば、胴体は、水又は燃料を運ぶように設計され得る。例示的実施形態において、胴体は、化学物質又は危険物を運ぶように設計され得る。
【0066】
胴体は、任意の耐久性がある材料で形成され得る。例示的実施形態において、胴体は、金属又は金属合金、木材及び発泡体から作られる。例示的実施形態において、胴体は、アルミニウム(Al)から作られ得る。代替的実施形態において、胴体は、プラスチックから作られ得る。さらなる代替的実施形態において、胴体は、繊維ガラスから作られ得る。胴体は、代替的に、木材から作られ得る。例示的実施形態において、胴体は、上で特定された材料の任意の組合せを使用しても形成され得る。好ましい実施形態において、胴体は、軽量材から作られる。例えば、好ましい実施形態は、アルミニウム構造内に組み付けられた合板及びフォームサンドイッチパネルから作られた胴体を含み得る。
【0067】
胴体は、補給品の安全な保管のための任意の必要な機器を備え得る。例えば、胴体は、衝撃発泡体又は他の詰め物を備え得る。代替的実施形態において、胴体は、ペイロードを設定温度で維持することができる温度制御されたシステムを備え得る。胴体は、絶縁体を備え得る。胴体の内部は、ペイロードを把持し、且つそれを望ましい方法で確実に固定する1つ又は複数のブレースを備え得る。例示的実施形態において、胴体の内部は、例えば、貨物隔壁パネルでも区画に分けられ得る。
【0068】
例示的実施形態において、UAVは、胴体において最大で700lbの補給品積荷を運び得る。一実施形態において、補給品積荷は、2フィート×2フィート×8フィートの胴体の内部に含まれ得る。補給品積荷は、胴体の内部に配置された高衝撃発泡体において保護され得、且つ吊り下げられ得る。
【0069】
例示的実施形態において、胴体は、UAVから分離するように作られ得、且つ携帯用保管デバイスとして使用され得る。胴体は、その輸送を容易にするような特徴部を備え得る。胴体は、1つ又は複数のハンドルを備え得る。胴体は、車輪も備え得る。車輪は、UAVの着陸中の損傷を防止するために伸縮自在であり得る。車輪はまた、固定され得る。代替的に、胴体は、保管箱として別の目的で使用されるように設計され得る。着陸後、胴体は、UAVの他のいずれの部分も運ぶ必要なしに補給品の輸送を容易にするために、蓋及び翼及びノーズコーンから容易に分離され得る。
【0070】
枢動翼システムは、任意の好適な翼長を有し得る。例示的実施形態において、翼103を有する前方翼システムの翼長は、14フィートであり得、翼105を有する後方翼システムの翼長は、同様に14フィートであり得、2’×2’×8’の胴体101フォームファクタの最大滑空性能のために28フィートの有効な翼長をもたらす。代替的実施形態において、いずれの枢動翼システムの翼長も、別々に1インチ~50フィートのいずれかであり得る。例えば、翼長は、1in、6in、1ft、5ft、10ft、15ft、20ft、25ft、30ft、35ft、40ft、45ft又は50ftであり得る。これらは、単に例示的な大きさである。翼長の大きさは、要因の中でもとりわけ、UAVの全体の大きさ、そのUAVが運ばなければならないペイロード及び望ましい滑空比に依存する。例示的実施形態において、翼システムの1つ又は複数の翼は、エアフォイル設計を含み得る。好ましい実施形態において、エアフォイル設計は、3ftの翼弦を備えたアメリカ航空諮問委員会(「NACA」)4309である。しかしながら、NACA又はNASAエアフォイルとして一般に既知の設計を含む他の設計も使用され得る。前方及び後方翼システム203及び205の一部である1つ又は複数の翼も1つ又は複数の飛行制御アクチュエータを含み得る。
【0071】
前方及び後方翼システムの1つ又は複数の翼は、(飛行翼設計におけるように)偏揺れにおいて航空機を制御するように構成された翼制御面149を含み得る。例えば、1つ又は複数の飛行制御アクチュエータは、翼システムの1つ又は複数の翼の一部であり得る操縦翼面、例えばフラップ、スポイラ及び/又は補助翼を制御するために使用され得る。飛行アクチュエータは、電動アクチュエータであり得る。代替的に、飛行アクチュエータは、空気圧式であり得る。ある空気圧式アクチュエータの実施形態において、胴体は、気密となるように設計され得る。ペイロードが胴体の内部に置かれた後、胴体は、圧縮空気又は他のガスで加圧され得る。これは、次いで、飛行において、飛行制御のために空気圧式アクチュエータに圧力を提供するために使用され得る。この独特な制御戦略は、本発明において実行可能である。その理由は、ある高度での機外放出時点から地面への着陸フェーズまでの極めて短い飛行時間である。例示的な場合、飛行機の総飛行時間は、およそ10~20分となる。代替的実施形態において、アクチュエータは、油圧式アクチュエータであり得る。アクチュエータは、機内搭載自動飛行誘導システムによって制御され得る。代替的に、アクチュエータは、遠隔オペレータからの命令を受信するように設計され得る。アクチュエータと機内搭載飛行誘導システムとの間の接続は、無線であり得るか、又はケーブル、例えばUSB、イーサネット、光ファイバーなどの使用よるものであり得るかのいずれかである。無線接続は、ラジオ、wi-fi又は同様の方法であり得る。遠隔制御信号は、電波信号を含む任意の好適な無線通信によっても伝送され得る。
【0072】
補助翼の使用は、偏揺れを制御するための垂直スタビライザ又は方向舵の必要性を回避し得る。例示的実施形態において、翼システム203及び205は、少なくとも2つの翼を含む。各翼は、
図24に示される通り、独立して動作可能な飛行制御装置を有し得る。例えば、各翼は、独立して動作可能な補助翼を有し得る。各翼は、独立して動作可能なスポイエロン又はフラップも有し得る。飛行制御アクチュエータ及びしたがって補助翼、スポイエロン又はフラップの制御は、遠隔制御によって実施され得るか、UAV上に配置されたコントローラ153及び制御アクチュエータ151を介して達成され得るかのいずれかである。例示的実施形態において、コントローラは、例えば、全地球測位システム(GPS)、高度、望ましい目的地、気象条件、他の飛行条件などの情報に基づいて飛行制御アクチュエータの動作を決定し得る。制御装置のより詳細な説明は、本明細書の後段で提供される。
図23Cに示される通り、飛行中のUAVの後方に沿って従動している小さい減速用パラシュート145の使用は、航空機の向きを維持するために十分な長手方向抗力を作り出すことにより、垂直尾翼又は方向舵の必要性を取り除くためにも使用され得る。
【0073】
UAV上にある飛行制御アクチュエータ及び制御装置は、電源によって電力供給される。電源は、1つ又は複数のバッテリ161であり得る。1つ又は複数のバッテリは、UAV上のいずれの場所にも保管され得る。例示的実施形態において、バッテリは、翼システムの1つ又は複数の翼の内部にも配置される。各翼は、冗長なアクチュエータ動作のためのそれ自体のバッテリ供給を有し得る。代替的実施形態において、1つ又は複数のバッテリは、胴体において保管され得る。代替形態において、1つ又は複数のバッテリ161は、
図26に示される通り、ノーズコーンに配置され得る。バッテリに対する代替的電源は、キャパシタであり得る。キャパシタは、バッテリのための上述の同様の位置において保管され得る。他の同様の蓄電デバイスも用いられ得る。この蓄電デバイスは、バッテリであれ、キャパシタであれ、他の構造であれ、充電式であり得る。
【0074】
翼システムの翼は、任意の好適な材料から作られ得る。例示的実施形態において、翼は、金属から作られる。例えば、翼は、アルミニウムから作られ得る。代替的実施形態において、翼は、プラスチックから作られ得る。さらなる代替的実施形態において、翼は、繊維ガラスから作られ得る。例示的実施形態において、翼は、木材からも作られ得る。好ましい実施形態において、翼は、胴体と同じ材料から作られる。しかしながら、これは、必須ではない。例示的実施形態において、翼は、胴体に使用されているものと異なる材料から作られ得る。同様に、例示的実施形態において、翼は、上で特定された材料の組合せから作られ得る。好ましい実施形態において、翼は、発泡体コア、金属構造及び熱収縮プラスチック翼外板から作られ得る。他の実施形態において、翼桁及び小骨構造は、射出成形又は鋳造され得、次いで板金、繊維ガラス、炭素繊維、バルサ木材又は繊維によって覆われ得る。翼構造は、強いのみならず、生物分解性であることが知られている樹脂含浸木材であり得る。
【0075】
翼は、任意の好適な形状であり得る。例示的実施形態において、翼システムの翼は、長方形の形状を有する。代替的実施形態において、翼システムの翼は、先細の形状を有する。
【0076】
翼は、せん断破壊ポイントも含み得る。例示的実施形態において、翼は、さらに衝撃を吸収するために着陸中に折れてとれ得る。代替的実施形態において、翼は、UAVをより運びやすくするために、着陸中又はさらに着陸後に折れてとれるようにされ得る。
【0077】
胴体の前端には、ノーズコーン108がある。ノーズコーン108は、四角錐の形状で示されている。しかし、この形状は、限定されない。本明細書で使用する命名法にもかかわらず、ノーズコーンは、錐体以外の形状であり得る。例示的実施形態において、ノーズコーンは、凸状の、丸い形状の前端を備えた略円形断面を有する。代替的に、ノーズコーンは、平らな前端を有し得る。例示的実施形態は、凹形の前端を備えたノーズコーンを含み得る。同様に、ノーズコーンは、非円形の断面を有し得る。例えば、ノーズコーンは、四角形、長方形又は不規則な形状の断面を有し得る。好ましい実施形態は、空気力学的形状を有するノーズコーンを含む。例示的実施形態において、ノーズコーンの断面形状は、胴体の断面形状を模倣する。代替的実施形態において、ノーズコーンは、胴体の断面形状と異なる断面形状を有する。
図23A~23Bに示される通り、テイルコーン147は、ノーズコーンが胴体の前方に取り付けられるのと同じ方法で抗力を減少させるために胴体の後方に嵌合し得る。テイルコーン147は、頂面から突出する垂直尾翼を有し得る。テイルコーンは、剛性又は膨張式であり得る。空気取入口が、飛行中にテイルコーンを膨張した状態に保つために空気をテイルコーンに詰め込み得る。一連のばね鋼ワイヤは、その意図された形状まで可撓性テイルコーンを開いたままとし得る。
【0078】
ノーズコーンは、胴体と一体的であるか又は取り外し可能であり得る。ノーズコーンが胴体と一体的である例示的実施形態において、ノーズコーンは、胴体の前端を構成し、且つ胴体のように連続する材料のいずれかで形成されるか、又は別個に製造され得るが、胴体に永続的に取り付けられ得る。代替的実施形態において、ノーズコーンは、胴体から取り外せるように設計され得る。ノーズコーンは、胴体を形成するために使用された任意の材料から作られ得る。例えば、ノーズコーンは、金属、木材、繊維ガラス又はプラスチックであり得る。例示的実施形態において、ノーズコーンは、アルミニウム又は木材から作られる。ノーズコーンは、胴体の材料と合致するように作られ得る。代替的実施形態において、ノーズコーンは、胴体のものと異なる材料から作られる。同様に、取り外し可能なノーズコーンは、手動で又は自動若しくは遠隔制御によってのいずれかで貨物倉から胴体が分離され得る前述の方法のいずれかにおいて、胴体から同様に分離され得る。
【0079】
ノーズコーンは、追加的な保管容量を提供し得る。例示的実施形態において、ノーズコーンは、胴体の保管スペースとは別の保管スペースを提供し得る。代替的実施形態において、ノーズコーンは、胴体の保管スペースと連続する保管スペースを提供し得る。ノーズコーンはまた、胴体の内部に配置された保管箱へのアクセスを提供するために、アクセスドアを備え得るか又は胴体から取り外し可能であり得る。この方法により、保管箱は、UAVの前方から胴体から容易に除去され得る。ノーズコーンは、UAVに対する電子機器コンポーネント、例えばGPS、コントローラ、1つ又は複数のトランスミッタ、メモリ、バッテリのような電源などを保管するためにも使用され得る。例示的実施形態において、
図26に示される通り、ノーズコーンは、制御システム並びにGPS、1つ又は複数のトランスミッタ、メモリ及びUAVのための1つ又は複数の電源を含む他のコントローラを運ぶために使用される。例示的実施形態において、ノーズコーンは、胴体又はUAVの残りの部分の他の箇所に保管されている補給品を保護するのに十分な詰め物又は圧搾発泡体を含むことにより、着陸の衝撃を支えるように設計され得る。
【0080】
UAVは、誘導システム153を含み得る。例示的実施形態において、誘導システムは、機内搭載自律システムであり得る。代替的に、誘導システムは、遠隔制御を介して制御され得る。例えば、UAVは、無線制御される誘導システムを含み得る。例示的実施形態において、UAVは、例えば、
図25において示される通り、遠隔制御及び自律誘導システム153の組合せを含み得る。一実施形態において、UAVは、ユーザが無線制御を介して無効にし得る機内搭載自律誘導システムを含み得る。そのような自律誘導システム又は自律制御システムは、典型的には、ハードウェア及びソフトウェア要素を含む。そのようなシステムのハードウェアは、例えば、California、San Diegoの3D Roboticsによって製造されたUAV誘導の技術分野において知られつつある。自律制御ソフトウェアは、UAV誘導の技術分野において知られつつあり、且つ様々なハードウェアプラットフォームでファームウエアとして実装され得る。自律UAVファームウエアの一例は、APM、すなわち3Dロボット工学によって提供された飛行機である。APMは、オープンソースであり、したがって異なる無人航空機構成及びミッションのために容易にカスタマイズされ得る。ミッションプランニングソフトウェアツールは、自律自動操縦装置に特定のミッションのための座標及び高度を予めプログラムするために使用され得る。そのようなミッションプランニングソフトウェアの一例は、3D Roboticsによって提供されたミッションプランナグラウンドコントロールステーションである。
【0081】
機内搭載自律誘導システムは、自動操縦飛行制御装置を含み得る。機内搭載自律誘導システムは、機外放出又は展開位置、UAVが機外放出される高度及び意図された着陸位置に関する情報を受信し得る。位置に加えて、この情報は、着陸位置の高度も含み得る。着陸高度は、しかしながら、厳密には必要とされない。その理由は、着陸高度が、地形データベースから決定されることも、機内搭載地上近接検知システム、例えば標的にレーザーを照射し、且つ反射された光を解析することにより、距離を測定するリモートセンシング技術によって決定されることもできるからである。例えば、光検出及び測距システム(LIDAR)、レーザー高度計、レンジファインダー、ソナーセンサ、赤外線センサ又は地上に最初に接触して始動信号を伝送するように構成されたワイヤの末端部のセンサを備える、飛行中にUAVの胴体の下に垂れ下がるある長さのワイヤである。
【0082】
情報は、UAVを機外放出する前にアップロードされ得る。例示的実施形態において、情報は、無線遠隔測定法、USBケーブル、イーサネットケーブル、光ファイバーケーブル、無線伝送、wi-fi接続により、又はメモリデバイスのUAV内若しくはUAVへの物理的接続若しくは挿入によりアップロードされ得る。代替的に、情報は、UAVの展開中、すなわちUAVを機外放出した後に提供又は更新され得る。任意の好適な無線通信は、UAVを能動的に制御するためであれ、機内搭載自律誘導制御システムに情報を伝えるためであれ、データをUAV誘導システムに伝送するために使用され得る。代替的実施形態において、機内搭載自律誘導システムは、UAVの位置及び高度を自律的に決定するように設計され得る。そのような例示的実施形態において、機内搭載自律誘導システムに提供すべき唯一の情報は、着陸位置である。着陸位置に加えて、情報は、着陸位置の高度も含み得る。しかし、着陸位置の高度は、上述の他の手段、例えば地上近接検知システム又は地形データベースを通しても決定され得る。この情報は、UAVが機外放出される前又は後のいずれかに提供され得る。機内搭載自律誘導システムに提供された情報は、オペレータ又はメインフレーム若しくは個別のコントローラユニットのいずれかによって提供され得る。例えば、風速及び風向を含む気象条件についての情報は、およその上層風の方向及び速度を表す、速度計測値における差の関数を有する、GPSなどの第2の速度センサと比較して、対気速度センサなどの機内搭載センサによってリアルタイムでも提供又は検知され得る。
【0083】
例示的なUAVの誘導制御システム153は、全地球測位システム(GPS)ウェイポイント航法を含み得る。制御システム153は、機首方位、ピッチ、偏揺れ及びロールを含む航空機の姿勢情報を提供する慣性計測装置を含み得る。例示的実施形態は、機械的ジャイロ飛行計器を含む。好ましい実施形態は、姿勢方位基準装置(AHRS)を含む。AHRSは、ソリッドステート、すなわち微小電気機械システム(MEMS)ジャイロスコープ、加速度計及び磁力計を全ての3つの軸上に含み得る。例示的実施形態において、誘導制御システム153は、6自由度(DOF)AHRSを含み得る。誘導制御システム153は、航空機の対気速度、マッハ数、高度及び高度傾向を決定するために使用され得るピトー静圧系統も含み得る。誘導制御システムは、磁気コンパスも含み得る。制御システムは、気圧高度計を含み得る。先に説明された通り、制御システムは、LIDARレーザー高度計を含み得る。制御システムは、カスタマイズ可能な自動着陸ルーチンも含み得る。制御システムは、自動失速防止コードも含み得る。制御システムは、差動補助翼アルゴリズムをさらに含み得る。制御システムは、フェイルセーフモードを含み得る。制御システムは、ユーザが設定可能なファームウエアも含み得る。制御システムは、ミッションプランニングソフトウェアをさらに備え得る。
【0084】
UAVは、定置ベース又は動いている飛行機のいずれかから機外放出又は展開され得る。例示的実施形態において、UAVは、動いている航空機(母船)から機外放出又は展開され得る。母船は、UAVを運び、且つUAVを機外放出することができる任意の航空機であり得る。母船は、有人航空機であり得る。代替的に、母船は、それ自体無人航空機であり得る。無人航空機として、母船は、それ自体の自動操縦装置又は自律飛行制御システムのいずれかを有し得る。又は、母船は、遠隔的に制御され得る。例示的実施形態において、母船は、有人及び無人タイプの航空機並びに自律的及び遠隔的に制御される航空機の組合せであり得る。例示的実施形態において、母船は、C-130航空機であり得る。しかし、他の同様の航空機も使用され得る。例えば、CH-53若しくはMV-22又は任意の同様の航空機である。UAVは、母船の内部において、例えば貨物室において運ばれ得る。代替的実施形態において、UAVは、母船の外側、例えばヘリコプタなどの母船下のスリングロード構成において運ばれ得る。母船のオペレータは、スリングロードに、機外放出が望ましい位置及び高度でUAVを解放させることができる。スリングロードは、UAVを保持するためのケーブル又はネットを含み得る。ケーブルは、UAVを機外放出するために解放され得る。貨物ネットの場合、このネットは、所定の位置でUAVを分離させ、且つ母船から外して落とすために母船から部分的に解放されるか又は完全に解放され得る。代替的実施形態において、UAVは、翼システムの翼を折り畳まれた状態に保つように機能する母船の内部又は外部の、チューブの内部に配置され得る。機外放出位置でチューブから放出されると、翼システムの翼は、展開チューブがなくなると翼システムの翼をロック位置に回転させるばね仕掛けの展開特徴部を有し得る。
【0085】
例示的実施形態において、本明細書で説明されたUAVは、使い捨てのUAV(EUAV)である。EUAVは、単回の展開のために設計され得、且つ極めて費用効率的に製造され得る。
【0086】
例示的実施形態において、EUAVには、最大で700lbsの補給品を積むことができる。EUAVは、2ft×2ft×6ftの胴体に含まれたペイロードを含み得る。全備重量において、滑空比は、10:1となり得、且つ12、000及び25、000フィートの高度で機外放出されると、それぞれ23~49マイルのスタンドオフ距離を提供する。
【0087】
胴体は、落下地帯への確実な空挺輸送を提供するために、フォークリフトスキッド並びに数多くの吊上げ用アイボルト及び貨物リングのための設備もその底部に含み得る。例示的実施形態において、機体の重さは、胴体及び翼について300であり得る。これは、700lbの補給品積荷と合わせて最大総重量1、000lbsという結果になる。
【0088】
自律飛行は、修正COTS固定翼自動操縦装置によって達成され得る。着陸ルーチンは、機内搭載LIDARセンサがおよそ150ft AGLの土地近接を検出し、且つEUAV飛行機の速度を低下させ始めると開始され得、最終的に、全ての補助翼に対し、スポイラ/フラップとして機能するためにそれらがフルダウン位置をとるように命令する。その後、意図された落下地帯の100ft以内でのピッチアップ、フルストール着陸が続く。EUAVは、接地の地点で0fpmの垂直降下率を達成し得る。
【0089】
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明の様々な修正形態及び変形形態がなされ得ることが当業者に明らかである。したがって、本発明は、本発明の修正形態及び変更形態を、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に該当するという条件で包含することを意図されている。