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特許7414766料金収受システム、料金収受システムが行う制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】料金収受システム、料金収受システムが行う制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240109BHJP
【FI】
G07B15/00 510
G07B15/00 M
G07B15/00 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021061012
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022157017
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、
前記走行路を監視するための撮影装置と、
前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、
を備える料金収受システムであって、
前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれは、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有し、
前記監視装置は、
前記料金収受装置および前記撮影装置に、前記オン信号を同時に送信する動作制御部を有する、
料金収受システム。
【請求項2】
前記動作制御部は、
前記撮影装置において結露が発生した場合に、前記料金収受装置および前記撮影装置に、前記オン信号を同時に送信する、
請求項1に記載の料金収受システム。
【請求項3】
前記結露が発生したか否かを判定する判定部、
を備える請求項2に記載の料金収受システム。
【請求項4】
前記判定部は、
教師データを用いた教師あり学習によってパラメータが決定された学習済みモデルを用いて、前記結露が発生したか否かを判定する、
請求項3に記載の料金収受システム。
【請求項5】
前記料金収受装置の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上となった場合に、動作停止状態にさせるオフ信号を前記料金収受装置が備える前記デフロスタに送信する停止制御部、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の料金収受システム。
【請求項6】
車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、
前記走行路を監視するための撮影装置と、
前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、
を備える料金収受システムが行う制御方法であって、
前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれは、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有し、
前記監視装置は、
前記料金収受装置および前記撮影装置に、前記オン信号を同時に送信する、
料金収受システムが行う制御方法。
【請求項7】
車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、
前記走行路を監視するための撮影装置と、
前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、
を備える料金収受システムのコンピュータに、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有する前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれに、前記監視装置から前記オン信号を同時に送信すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、料金収受システム、料金収受システムが行う制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路では料金収受装置により会計処理が行われる。料金収受装置では、結露が発生することがある。
特許文献1には、関連する技術として、結露の防止に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-032892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、料金の収受を行う料金収受装置では、結露の発生により料金や利用券などの読み取り精度が低下する場合がある。そのため、料金収受装置では、結露の発生を容易な構成で検出することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、料金収受装置における結露の発生を容易な構成で判定することのできる料金収受システム、料金収受システムが行う制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る料金収受システムは、車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、前記走行路を監視するための撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、を備える料金収受システムであって、前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれは、受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有し、前記監視装置は、前記料金収受装置および前記撮影装置に、前記オン信号を同時に送信する動作制御部を有する。
【0007】
本開示に係る料金収受システムが行う制御方法は、車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、前記走行路を監視するための撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、を備える料金収受システムが行う制御方法であって、前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれは、受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有し、前記監視装置は、前記料金収受装置および前記撮影装置に、前記オン信号を同時に送信する。
【0008】
本開示に係るプログラムは、車両が走行する走行路の路側に設置された料金収受装置と、前記走行路を監視するための撮影装置と、前記撮影装置が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置および前記撮影装置を遠隔操作可能な監視装置と、を備える料金収受システムのコンピュータに、受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有する前記料金収受装置および前記撮影装置のそれぞれに、前記監視装置から前記オン信号を同時に送信すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る料金収受システム、料金収受システムが行う制御方法及びプログラムによれば、料金収受装置における結露の発生を容易な構成で判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態による料金収受システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態による撮影装置の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の第1実施形態における結露の発生を説明するための図である。
図4】本開示の第1実施形態による監視装置の構成の一例を示す図である。
図5】本開示の第1実施形態による料金収受装置の構成の一例を示す図である。
図6】本開示の第1実施形態による料金収受システムの処理フローの一例を示す図である。
図7】本開示の第2実施形態における学習済みモデルを説明するための第1の図である。
図8】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の第1実施形態による料金収受システムについて説明する。
(料金収受システムの構成)
図1は、本開示の第1実施形態による料金収受システム1の構成を示す図である。料金収受システム1は、図1に示すように、撮影装置10、監視装置20、および料金収受装置30を備える。料金収受システム1は、受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有する料金収受装置30および撮影装置10のそれぞれに、監視装置20からオン信号を同時に送信するシステムである。なお、図1には、車両40、事務所50、および走行路60が示されている。
【0012】
撮影装置10は、走行路60を監視するための装置である。撮影装置10は、図2に示すように、撮影部101、およびデフロスタ102を備える。
【0013】
撮影部101は、例えば、カメラである。撮影部101は、例えば、料金収受装置30が設置されている付近の車両40が走行する走行路60を撮影する。
【0014】
デフロスタ102は、受信するオン信号に応じて動作状態になる。つまり、デフロスタ102は、オン信号を受信した場合、発熱する。この発熱によって、撮影装置10の表面に発生した結露は解消される(なくなる)。
【0015】
撮影装置10では、結露が発生する可能性がある。結露は、温度Xの空気が冷やされて温度Yの空気になった場合に、温度Xの飽和水蒸気量の範囲内で空気が抱え込んでいた水蒸気が、温度Yの状態の飽和水蒸気量の範囲内で抱え込むことができなくなった分の水蒸気が水に変化することによって発生する。したがって、例えば、図3に示すように、夕方から夜間に掛けて気温が低下する環境に置かれた撮影装置10の表面温度(例えば、レンズ表面の温度)が低下し、撮影装置10の表面に表面温度よりも温かい風が吹いた場合、風がその表面に当たり温度が低下して撮影装置10の表面に結露が発生する可能性がある。つまり、撮影装置10によって撮影された画像がレンズが曇った場合の画像であるか否かを判定することによって、撮影装置10に結露が発生したか否かを判定することができる。
【0016】
なお、料金収受システム1が備える料金収受装置30が、例えば、高速道路などの有料道路の路側に設置された料金収受装置である場合、料金収受システム1は、その料金収受装置30の付近に撮影装置10を備えている。つまり、撮影装置10は、料金収受システム1に予め備えられている可能性が高く、撮影装置10を新たに追加する可能性は低い。この場合の撮影部101は、例えば、ITV(Industrial TeleVision)カメラ(監視カメラ)である。なお、本開示の実施形態では、有料道路には、有料駐車場が含まれる。
【0017】
監視装置20は、図4に示すように、表示装置201、遠隔操作部202(動作制御部の一例、停止制御部の一例)、判定部203、ボタン204、およびボタン205を備える。監視装置20は、例えば、図1に示す事務所50に設置される。監視装置20は、例えば、監視盤である。監視盤は、料金所に関する状態を監視員に対して表示し、状況に応じて監視員が操作し料金所の機器に対する操作を受け付け実行する。
【0018】
表示装置201は、撮影装置10が撮影した画像を表示可能である。事務所50では、収受員が表示装置201を介して撮影装置10が撮影した画像を確認しながら料金が適切に支払われているかを監視している。また、収受員は、撮影装置10が撮影した画像が結露を示す画像であるか否かを監視している。例えば、収受員は、画像が水滴や曇っていることを示す場合に結露を示す画像であると判定する。
【0019】
遠隔操作部202は、料金収受装置30および撮影装置10を遠隔操作可能である。例えば、遠隔操作部202は、撮影装置10において結露が発生した場合に、料金収受装置30および撮影装置10に、オン信号を同時に送信する。また、例えば、遠隔操作部202は、料金収受装置30の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上となった場合に、動作停止状態にさせるオフ信号を料金収受装置30が備える後述するデフロスタ303に送信する。読み取り成功率(パーセント)は、(1-(読み取り失敗数/(読み取り成功数+読み取り失敗数)))×100で表される。また、例えば、遠隔操作部202は、撮影装置10における結露が解消された場合、オフ信号を撮影装置10が備えるデフロスタ102に送信する。
【0020】
判定部203は、撮影装置10において結露が発生したか否かを判定する。例えば、収受員が表示装置201を介して撮影装置10が撮影した画像が曇っているか否かを判定する。そして、撮影装置10が撮影した画像が曇っていると収受員が判定した場合、収受員は、例えば監視装置20におけるボタン204を押下する。この場合、結露が発生したことを示す結露発生信号が判定部203に送信される。また、撮影装置10が撮影した画像が曇っていないと収受員が判定した場合、収受員は、例えば、監視装置20におけるそのボタン204を押下しない。この場合、結露発生信号は、判定部203に送信されない。つまり、判定部203は、結露発生信号を受信した場合、結露が発生したと判定する。また、判定部203は、結露発生信号を受信しない場合、結露が発生していないと判定する。ボタン204は、押下された場合、結露発生信号を判定部203に送信する。
【0021】
また、判定部203は、撮影装置10において結露が解消されたか否かを判定する。例えば、収受員が表示装置201を介して撮影装置10が撮影した画像が曇っている状態から曇っていない状態へと変化したと判定した場合、収受員は、例えば、監視装置20におけるボタン205を押下する。この場合、停止信号が判定部203に送信される。停止信号については、収受員による操作のほか、タイマーにより所定の時間作動した後停止することとしてよく、また、所定の時間は監視装置と料金収受装置それぞれ別の長さとして所定の時間を設定してもよい。また、収受員が表示装置201を介して撮影装置10が撮影した画像が曇っている状態から変化しないと判定した場合、収受員は、ボタン205を押下しない。この場合、停止信号は、判定部203に送信されない。つまり、判定部203は、停止信号を受信した場合、結露が解消されたと判定する。また、判定部203は、停止信号を受信しない場合、結露が解消されていないと判定する。ボタン205は、押下された場合、停止信号を判定部203に送信する。
【0022】
料金収受装置30は、有料道路を利用した車両40についての料金を収受する。料金収受装置30は、車両40が走行する走行路の路側に設置される。料金収受装置30は、図5に示すように、受付部301、会計処理部302、およびデフロスタ303を備える。
【0023】
受付部301は、有料道路を利用した車両40についての料金、および、車両40が有料道路を利用した場合の利用券の少なくとも一方を受け付ける。料金収受装置30では、撮影装置10と同様に、結露が発生する可能性がある。よって、受付部301は、例えば、夕方から夜間に掛けて気温が低下する環境に置かれた料金収受装置30の表面温度(例えば、受付部301表面の読み取り部の温度)が低下し、料金収受装置30の表面に表面温度よりも温かい風が吹いた場合、風がその表面に当たり温度が低下して料金収受装置30の表面に結露が発生する可能性がある。なお、受付部301が料金および利用券の両方を受け付ける場合、受付部301は、料金用と利用券用の2つの受付部から成るものであってもよい。
【0024】
会計処理部302は、受付部301が受け付けた料金および利用券の少なくとも一方に基づいて、有料道路を利用した車両40についての料金の処理を行う。例えば、会計処理部302は、料金を示す領収書を発行する。
【0025】
デフロスタ303は、受信するオン信号に応じて動作状態になる。つまり、デフロスタ102は、オン信号を受信した場合、発熱する。この発熱によって、料金収受装置30の表面に発生した結露は解消される(なくなる)。
【0026】
(料金収受システム1が行う処理)
次に、料金収受システム1における監視装置20による料金収受装置30および撮影装置10の制御について説明する。ここでは、図6を参照して、監視装置20によるデフロスタ102およびデフロスタ303の動作について説明する。なお、上述したように、撮影装置10は、料金収受装置30を撮影可能な程度の距離の範囲内に存在するため、本開示の実施形態では、撮影装置10が結露する条件を料金収受装置30が結露する条件とみなしている。つまり、本開示の実施形態では、撮影装置10に結露が発生したと判定された場合、料金収受装置30でも結露が発生したものとしている。
【0027】
撮影装置10に結露が発生していない状態から、例えば、撮影装置10の表面よりも温かい空気がその表面に当たり、冷却されることによって、撮影装置10の表面に結露が発生する。この場合、撮影装置10が撮影する画像が曇る。表示装置201は、撮影装置10が撮影した曇った画像を表示する。収受員は、表示装置201が表示する曇った画像を見て、結露が発生したと判定する。収受員は、結露が発生したと判定した場合、ボタン204を押下する。ボタン204は、押下された場合、結露発生信号を判定部203に送信する。判定部203は、撮影装置10において結露が発生したか否かを判定している(ステップS1)。判定部203は、結露発生信号を受信した場合、結露が発生したと判定する。また、判定部203は、結露発生信号を受信しない場合、結露が発生していないと判定する。
【0028】
判定部203は、結露が発生していないと判定した場合(ステップS1においてNO)、ステップS1の処理に戻す。また、結露が発生していると判定部203が判定した場合(ステップS1においてYES)、遠隔操作部202は、料金収受装置30および撮影装置10に、オン信号を同時に送信する(ステップS2)。
【0029】
料金収受装置30のデフロスタ303は、遠隔操作部202からのオン信号に応じて、動作する(ステップS3)。具体的には、デフロスタ303は、受付部301を含む料金収受装置30を温める。これにより、受付部301における結露が改善される。
【0030】
また、撮影装置10のデフロスタ102は、遠隔操作部202からのオン信号に応じて、動作する(ステップS4)。具体的には、デフロスタ102は、撮影部101を含む撮影装置10を温める。これにより、撮影部101における結露が改善される。
【0031】
撮影部101における結露が解消されると、表示装置201は、撮影装置10が撮影した曇っていない画像を表示する。判定部203は、撮影装置10において結露が解消されたか否かを判定している(ステップS5)。判定部203は、停止信号を受信した場合、結露が解消されたと判定する。また、判定部203は、停止信号を受信しない場合、結露が解消されていないと判定する。収受員は、表示装置201が表示する曇った画像が曇っていない画像に変化した場合、結露が解消されたと判定する。収受員は、結露が解消されたと判定した場合、ボタン205を押下する。ボタン205は、押下された場合、停止信号を判定部203に送信する。
【0032】
判定部203は、結露が解消されていないと判定した場合(ステップS5においてNO)、ステップS5の処理に戻す。また、結露が解消されていると判定部203が判定した場合(ステップS5においてYES)、遠隔操作部202は、撮影装置10に、オフ信号を送信する(ステップS6)。デフロスタ102は、オフ信号に応じて動作を停止する(ステップS7)。
【0033】
また、遠隔操作部202は、料金収受装置30の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上になったか否かを判定する(ステップS8)。遠隔操作部202は、料金収受装置30の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上になっていないと判定した場合(ステップS8においてNO)、ステップS8の処理に戻す。また、遠隔操作部202は、料金収受装置30の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上になったと判定した場合(ステップS8においてYES)、オフ信号を料金収受装置30が備えるデフロスタ303に送信する(ステップS9)。デフロスタ303は、オフ信号に応じて動作を停止する(ステップS10)。
【0034】
(作用効果)
以上、本開示の第1実施形態による料金収受システム1について説明した。料金収受システム1は、車両40が走行する走行路60の路側に設置された料金収受装置30と、走行路60を監視するための撮影装置10と、撮影装置10が撮影した画像を表示可能とし、かつ、料金収受装置30および撮影装置10を遠隔操作可能な監視装置20と、を備える。料金収受装置30および撮影装置10のそれぞれは、受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタを有する。監視装置20は、料金収受装置30および撮影装置10に、オン信号を同時に送信する動作制御部を有する。
【0035】
これにより、本開示の第1実施形態による料金収受システム1は、料金収受装置30における結露の発生を容易な構成で判定することができる。すなわち、多くの場合、料金収受システム1が備えている撮影装置10における結露の発生を料金収受装置30の結露の発生とみなすことにより、料金収受システム1は、料金収受装置30の結露を判定することができる。
【0036】
<第2実施形態>
本開示の第1実施形態では、撮影装置10において結露が発生したか否かを収受員が判定し、判定部203は、収受員が判定した判定結果に基づいて、撮影装置10において結露が発生したか否かを判定するものとして説明した。しかしながら、本開示の第2実施形態では、判定部203は、教師データを用いた教師あり学習によってパラメータが決定された学習済みモデルを用いて、撮影装置10において結露が発生したか否かを判定するものであってもよい。
判定部203は、例えば、機械学習の1つである教師あり学習によってパラメータを決定した学習済みモデル(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)を用いることにより、撮影装置10において結露が発生したか否かを判定する。ここで、判定部203が判定に用いる学習済みモデルについて説明する。
【0037】
(学習済みモデル)
学習済みモデルについて説明する。この場合、例えば、収受員が撮影装置10において結露が発生したか否かの判定を行った場合に用いた、撮影装置10が撮影した過去の画像データが入力データの1つとなる。過去の画像データは、結露が発生した場合の画像、または、結露が発生しない場合の画像のどちらであるか結果がわかっている画像である。また、各入力データに対する撮影装置10において結露が発生したか否かを示す収受員による過去の判定結果が出力データとなる。このように、過去の実績から、入力データと各入力データに対応する出力データとを組み合わせた複数のデータから成る教師データを用意することができる。なお、教師データとは、パラメータの値が決定されていない学習モデルにおいて、パラメータの値を決定するために使用されるデータである。
【0038】
図7は、教師データの一例を示す図である。撮影装置10が撮影した画像データに対する出力データ(すなわち、撮影装置10において結露が発生したか否かを示すデータ)とが1組のデータとなる。図7に示す例では、教師データは、10000組のデータを含む。
【0039】
例えば、図7に示す10000組のデータから成る教師データを用いて学習モデルにおけるパラメータを決定する場合を考える。この場合、教師データは、例えば、訓練データと、評価データと、テストデータとに分けられる。訓練データと、評価データと、テストデータとの割合の例としては、70%、15%、15%や95%、2.5%、2.5%などが挙げられる。例えば、データ#1~#10000の教師データが、訓練データとしてデータ#1~#7000、評価データとしてデータ#7001~#8500、テストデータ15%としてデータ#8501~#10000に分けられたとする。この場合、訓練データであるデータ#1を学習モデルである畳み込みニューラルネットワークに入力する。畳み込みニューラルネットワークは、結露の発生がないこと、または結露の発生があることのどちらかを出力する。訓練データの入力データが畳み込みニューラルネットワークに入力され、結露の発生がないこと、または結露の発生があることが畳み込みニューラルネットワークから出力される度に(この場合、データ#1~#7000のそれぞれのデータが畳み込みニューラルネットワークに入力される度に)、その出力に応じて例えばバックプロパゲーションを行うことにより、ノード間のデータの結合の重み付けを示すパラメータを変更する(すなわち、畳み込みニューラルネットワークのモデルを変更する)。このように、訓練データをニューラルネットワークに入力してパラメータを調整する。
【0040】
次に、訓練データによってパラメータが変更された畳み込みニューラルネットワークに、評価データの入力データ(データ#7001~#8500)を順に入力する。畳み込みニューラルネットワークは、入力された評価データに応じて、結露の発生がないこと、または結露の発生があることのどちらかを出力する。ここで、畳み込みニューラルネットワークが出力するデータが、図7において入力データに関連付けられている出力データと異なる場合、畳み込みニューラルネットワークの出力が図7において入力データに関連付けられている出力データとなるようにパラメータを変更する。このように、パラメータが決定された畳み込みニューラルネットワーク(すなわち、学習モデル)が、学習済みモデルである。
【0041】
次に、最終確認として、学習済みモデルの畳み込みニューラルネットワークに、テストデータ(データ#8501~#10000)の入力データを順に入力する。学習済みモデルの畳み込みニューラルネットワークは、入力されたテストデータに応じて、結露の発生がないこと、または結露の発生があることのどちらかを出力する。すべてのテストデータに対して、学習済みモデルの畳み込みニューラルネットワークが出力する出力データが、図7において入力データに関連付けられている出力データと一致する場合、学習済みモデルの畳み込みニューラルネットワークが所望のモデルである。また、テストデータのうちの1つでも、学習済みモデルの畳み込みニューラルネットワークが出力する出力データが、図7において入力データに関連付けられている出力データと一致しない場合、新たな教師データを用いて学習モデルのパラメータを決定する。上述の学習モデルのパラメータの決定は、所望のパラメータを有する学習済みモデルが得られるまで繰り返される。所望のパラメータを有する学習済みモデルが得られた場合、その学習済みモデルが記憶部(不図示)に記録される。
【0042】
(作用効果)
こうすることで、第2実施形態による料金収受システム1では、収受員による判定を取り除くことができる。その結果、料金収受システム1は、収受員の労力を低減し、判定処理を早急に行うことができる。
【0043】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0044】
本開示の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0045】
本開示の実施形態について説明したが、上述の料金収受システム1、撮影装置10、監視装置20、料金収受装置30、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の料金収受システム1、撮影装置10、監視装置20、料金収受装置30、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0046】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0047】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0049】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の料金収受システム1、料金収受システムが行う制御方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0050】
(1)第1の態様に係る料金収受システム(1)は、
車両(40)が走行する走行路(60)の路側に設置された料金収受装置(30)と、
前記走行路(60)を監視するための撮影装置(10)と、
前記撮影装置(10)が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)を遠隔操作可能な監視装置(20)と、
を備える料金収受システム(1)であって、
前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)のそれぞれは、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタ(303、102)を有し、
前記監視装置(20)は、
前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)に、前記オン信号を同時に送信する動作制御部(202)を有する。
【0051】
これにより、料金収受システム(1)は、料金収受装置(30)における結露の発生を容易な構成で判定することができる。
【0052】
(2)第2の態様に係る料金収受システム(1)は、(1)の料金収受システム(1)において、
前記動作制御部(202)は、
前記撮影装置(10)において結露が発生した場合に、前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)に、前記オン信号を同時に送信するものであってもよい。
【0053】
これにより、料金収受システム(1)は、デフロスタ(303、102)を動作させることができる。
【0054】
(3)第3の態様に係る料金収受システム(1)は、(2)の料金収受システム(1)であって、
前記結露が発生したか否かを判定する判定部(203)、
を備えるものであってもよい。
【0055】
これにより、料金収受システム(1)は、料金収受装置(30)における結露の発生を容易な構成で判定することができる。
【0056】
(4)第4の態様に係る料金収受システム(1)は、(3)の料金収受システム(1)であって、
前記判定部(203)は、
教師データを用いた教師あり学習によってパラメータが決定された学習済みモデルを用いて、前記結露が発生したか否かを判定するものであってもよい。
【0057】
これにより、料金収受システム(1)では、収受員による判定を取り除くことができる。その結果、料金収受システム(1)は、収受員の労力を低減し、判定処理を早急に行うことができる。
【0058】
(5)第5の態様に係る料金収受システム(1)は、(1)から(4)の何れか1つの料金収受システム(1)であって、
前記料金収受装置(30)の読み取り対象物の読み取り成功率が所定のしきい値以上となった場合に、動作停止状態にさせるオフ信号を前記料金収受装置(30)が備える前記デフロスタ(303)に送信する停止制御部(202)、
を備えるものであってもよい。
【0059】
これにより、料金収受システム(1)は、適切なタイミングで料金収受装置30が備えるデフロスタ303を停止させることができる。
【0060】
(6)第6の態様に係る料金収受システム(1)が行う制御方法は、
車両(40)が走行する走行路(60)の路側に設置された料金収受装置(30)と、
前記走行路(60)を監視するための撮影装置(10)と、
前記撮影装置(10)が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)を遠隔操作可能な監視装置(20)と、
を備える料金収受システム(1)が行う制御方法であって、
前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)のそれぞれは、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタ(303、102)を有し、
前記監視装置(20)は、
前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)に、前記オン信号を同時に送信する。
【0061】
これにより、料金収受システム(1)が行う制御方法は、料金収受装置(30)における結露の発生を容易な構成で判定することができる。
【0062】
(7)第7の態様に係るプログラムは、
車両(40)が走行する走行路(60)の路側に設置された料金収受装置(30)と、
前記走行路(60)を監視するための撮影装置(10)と、
前記撮影装置(10)が撮影した画像を表示可能とし、かつ、前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)を遠隔操作可能な監視装置(20)と、
を備える料金収受システム(1)のコンピュータに、
受信するオン信号に応じて動作状態になるデフロスタ(303、102)を有する前記料金収受装置(30)および前記撮影装置(10)のそれぞれに、前記監視装置(20)から前記オン信号を同時に送信すること、
を実行させる。
【0063】
これにより、プログラムは、料金収受装置(30)における結露の発生を容易な構成で判定することができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・料金収受システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・撮影装置
20・・・監視装置
30・・・料金収受装置
40・・・車両
50・・・事務所
60・・・走行路
101・・・撮影部
102、303・・・デフロスタ
201・・・表示装置
202・・・遠隔操作部
203・・・判定部
301・・・受付部
302・・・会計処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8