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特許7414799特異な組み合わせの拡張スリットシート紙内部パディングを有する封筒等の保護製品及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】特異な組み合わせの拡張スリットシート紙内部パディングを有する封筒等の保護製品及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/03 20060101AFI20240109BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B65D81/03 200Z
B65D65/40 D
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2021503112
(86)(22)【出願日】2019-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019045027
(87)【国際公開番号】W WO2020033275
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】62/806,849
(32)【優先日】2019-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/798,065
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/714,739
(32)【優先日】2018-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519455988
【氏名又は名称】グッドリッチ,デビッド ポール
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ,デビッド ポール
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-165169(JP,A)
【文献】特開平09-272162(JP,A)
【文献】特開2006-290356(JP,A)
【文献】特開2012-086474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/03
B65D 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張状態の少なくとも1枚の拡張可能な拡張スリット紙シートと、
前記拡張スリット紙シートに面し、前記拡張スリット紙シートに対して、少なくとも前記拡張スリット紙シートの拡張方向の長さの一部に沿って固定されたエンボス加工紙シートであって、前記エンボス加工紙シートの剛性を高めるエンボス加工を複数有することにより、前記拡張スリット紙シートに固定された前記エンボス加工紙シートの変形が抑制される前記エンボス加工紙シートと、を備える保護製品であり、
前記保護製品がリサイクル可能な紙製品であり、
前記保護製品は包装体又は封筒である保護製品。
【請求項2】
前記エンボス加工紙シートの前記複数のエンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの面に分散配置されたエンボス加工形状の配列を含む、請求項1に記載の保護製品。
【請求項3】
前記エンボス加工形状の配列が、多角形の配列を含む、請求項2に記載の保護製品。
【請求項4】
前記複数のエンボス加工が、前記エンボス加工されたシートの面のかなりの部分に亘って延びる複数のリブを含む、請求項1に記載の保護製品。
【請求項5】
前記エンボス加工が、前記拡張スリット紙シートに向かって内向きに張り出す凹み及び/又は前記拡張スリット紙シートから離れる外向きに張り出す膨らみを含む、請求項1に記載の保護製品。
【請求項6】
前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの平面から0.1インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出す、請求項5に記載の保護製品。
【請求項7】
前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの平面から0.075インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出す、請求項5に記載の保護製品。
【請求項8】
前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの平面から0.05インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出す、請求項5に記載の保護製品。
【請求項9】
前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの平面から0.03インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出す、請求項5に記載の保護製品。
【請求項10】
前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの平面から約0.02~0.03インチの間の距離で内向き又は外向きに張り出す、請求項5に記載の保護製品。
【請求項11】
前記拡張された拡張スリット紙シートが提供するクッション性が、前記保護製品の袋部の壁部が提供するクッション性の80%以上を占める、請求項1に記載の保護製品。
【請求項12】
前記エンボス加工紙シートが提供するクッション性が、前記保護製品の袋部の壁部が提供するクッション性の20%未満である、請求項1に記載の保護製品。
【請求項13】
前記少なくとも1枚の拡張スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工紙シートを更に備える、請求項1に記載の保護製品。
【請求項14】
前記エンボス加工紙シートが、前記拡張スリット紙シートに対して前記拡張スリット紙シートの周囲に沿ってのみ固定されている、請求項1に記載の保護製品。
【請求項15】
前記エンボス加工紙シートが、前記拡張スリット紙シートの中央部分内においては、前記拡張スリット紙シートと結合されていない、請求項1に記載の保護製品。
【請求項16】
前記エンボス加工紙シートが、前記エンボス加工紙シートの領域のかなりの部分に亘って、前記拡張スリット紙シートと結合されていない、請求項1に記載の保護製品。
【請求項17】
前記エンボス加工紙シートが、前記エンボス加工紙シートの領域のかなりの部分に亘って前記拡張スリット紙シートに接するが、結合されていない、請求項1に記載の保護製品。
【請求項18】
前記保護製品が、袋部を有する封筒であり、
前記袋部が、前記袋部の前壁部と後壁部を形成するように一緒に折り畳まれた前記エンボス加工紙シートと前記拡張スリット紙シートとを含む、請求項1に記載の保護製品。
【請求項19】
前記少なくとも1枚の拡張状態の拡張スリット紙シートが、互いに積み重ねられた複数の拡張状態の拡張スリット紙シートを含む、請求項1に記載の保護製品。
【請求項20】
複数の前記拡張スリット紙シートが、2枚の前記拡張スリット紙シートを含み、
前記保護製品は、前記2枚の前記拡張スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工紙シートを更に備える、請求項1に記載の保護製品。
【請求項21】
前記エンボス加工紙シートの前記エンボス加工が、前記エンボス加工紙シートの面の少なくともラベル受入領域の内部で、前記少なくとも1枚の拡張スリット紙シートに向かって凹むものである、請求項1に記載の保護製品。
【請求項22】
前記ラベル受入領域に固定された住所ラベルを更に備える、請求項21に記載の保護製品。
【請求項23】
前記保護製品は封筒であり、
前記エンボス加工紙シートの前記エンボス加工が、前記少なくとも1枚の拡張スリット紙シートから外向きに膨らみ、前記封筒の袋部の内部に面することにより、前記エンボス加工が前記袋部内に入れられる物品に加わる摩擦を制限するのに役立つ、請求項1に記載の保護製品。
【請求項24】
前記エンボス加工が六角形である、請求項3に記載の保護製品。
【請求項25】
隣接する前記六角形が辺を共有し、それによって前記六角形が互いに接続される、請求項24に記載の保護製品。
【請求項26】
前記複数のエンボス加工が、前記拡張スリット紙シートの本来の収縮する傾向に抗ってエンボス加工紙のしわを抑制するのに十分である、請求項1に記載の保護製品。
【請求項27】
前記保護製品はクッション材である、請求項1に記載の保護製品。
【請求項28】
前記保護製品は封筒である、請求項1に記載の保護製品。
【請求項29】
前記拡張スリット紙シートと前記エンボス加工紙シートが、前記保護製品の保護壁の一部である、請求項1に記載の保護製品。
【請求項30】
a)請求項1に記載の保護製品を提供することと、
b)前記保護製品の袋部内の物品を保護するためのクッション性を提供する前記拡張スリット紙シートと、前記拡張スリット紙シートに固定された前記エンボス加工紙シートの変形が抑制される前記エンボス加工紙シートとを備える前記保護製品の前記袋部内に前記物品を配置することと、を含む方法。
【請求項31】
a)請求項28に記載の保護製品を提供することと、
b)前記封筒内の物品を保護するためのクッション性を提供する前記拡張スリット紙シートと、前記拡張スリット紙シートに固定された前記エンボス加工紙シートの変形が抑制される前記エンボス加工紙シートとを備える前記封筒の内部に前記物品を配置することと、を含む方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用封筒及び袋部の製造のための拡張スリットシート紙及び凹み付きクラフト紙の使用に関する。
[関連出願の相互参照]
【0002】
本出願は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、(1)12018年8月5日付で出願された「エンボス加工紙の輸送用封筒と組み合わせたスリットシート拡張材料」と題された米国仮出願第62/714739号、(2)2019年1月29日付で出願された「エンボス加工紙の輸送用封筒と組み合わせた拡張スリットシート材料」と題された米国仮出願第62/798065号、及び(3)2019年2月17日付で出願された米国仮出願第62/806849号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
背景技術においては、プラスチック気泡、プラスチック気泡と紙との組み合わせ、クラフト紙、細断新聞紙等を用いて製造されてきた。プラスチック材料は非常に柔軟性があり、最初から適切なクッション性を提供する一方、クラフト紙は柔軟性がやや低くクッション性が低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】PCT/US出願第2014/054615号
【文献】米国特許出願第15/001168号(米国特許公開第2017/0203866号)
【文献】米国特許第5538778号
【文献】米国特許第5667871号
【文献】米国特許第5688578号
【文献】米国特許第5782735号
【文献】米国特許出願第15/001168号(米国特許公開第US2017/0203866)
【文献】米国特許出願第15/428144号(米国特許公開第US2018/0222665)
【文献】米国特許出願第15/820514号(米国特許公開第US2018/0127197)
【文献】米国特許第3908071号
【文献】米国特許出願第14/901977号(米国特許第9945077号)
【文献】国際公開第WO1984-002936号
【文献】米国特許公開第2002/0060034号
【文献】米国特許公開第2007/0240841号(米国特許第7918966号)
【文献】米国特許第3104197号
【文献】米国特許第3104197号
【文献】米国特許第3266972号
【文献】米国特許第3269393号
【文献】米国特許第6024832号
【文献】米国特許第6458447号
【文献】米国特許第6712930号
【文献】米国特許第7918966号
【文献】米国特許第9945077号
【文献】米国特許公開第2018/0370702号
【文献】米国特許第2856323号
【文献】米国非仮出願第14/480319号
【文献】米国非仮出願第15/428144号
【文献】米国非仮出願第15/820514号
【文献】米国仮出願第15/001168号
【文献】米国非仮出願第16/018702号
【発明の概要】
【0005】
好ましい実施形態により、背景技術における上記及び/又はその他の問題が克服される。
【0006】
本発明の幾つかの好ましい実施形態の1つの注目すべき目的は、先行技術の欠点を克服することである。本発明の上位概念の実施形態によれば、拡張スリットシート材料と、外側材料として凹み付きクラフト紙とを使用することにより、プラスチックやより重い代替紙の必要性を排除する、軽量で保護力が非常に高い代替物が提供される。代替紙は、製造コストが高く、プラスチックに比べて重量が大きいためエンドユーザーにとって輸送コストが高くなる。
【0007】
本発明の幾つかの好ましい実施形態の他の注目すべき目的は、特許文献1に記載されているような拡張スリット材料の包みとして使用が適さない場合のクッションパッドを作成するための軽量な拡張複合材料を作成することである。
【0008】
幾つかの実施形態によれば、拡張状態の少なくとも1枚の拡張可能なスリット紙シートと、拡張スリット紙シートに面し、拡張スリット紙シートの拡張方向の長さの少なくとも一部に沿って拡張スリット紙シートに固定されたエンボス加工紙シートとを含む保護製品が提供され、エンボス加工紙シートはエンボス加工紙シートの剛性を高めるエンボス加工を複数有することにより、拡張スリット紙シートに固定されたエンボス加工紙シートの変形が抑制される。
【0009】
幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートの複数のエンボス加工は、エンボス加工紙シート面に分散配置されたエンボス加工形状の配列を含む。幾つかの実施形態では、エンボス加工形状の配列は、多角形の配列を含む。幾つかの実施形態では、複数のエンボス加工は、エンボス加工シートの面のかなりの部分に亘って延びる複数のリブを含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、エンボス加工は、拡張スリットシート紙に向かって内向きに張り出す凹み、及び/又は、拡張スリットシート紙から離れる外向きに張り出す膨らみを含む。幾つかの実施形態では、エンボス加工は、エンボス加工紙シートの平面から0.1インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出している。幾つかの実施形態では、エンボス加工は、エンボス加工紙シートの平面から0.075インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出している。幾つかの実施形態では、エンボス加工は、エンボス加工紙シートの平面から0.05インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出している。幾つかの実施形態では、エンボス加工は、エンボス加工紙シートの平面から0.3インチ未満の距離で内向き又は外向きに張り出している。
【0011】
幾つかの実施形態では、拡張された紙が提供するクッション性は、保護製品の袋部の壁部が提供するクッション性の80%以上を占める。同様に、幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートが提供するクッション性は、保護製品の袋部の壁部が提供するクッション性の20%未満である。
【0012】
幾つかの実施形態では、保護製品は、少なくとも1枚の拡張スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工紙シートを備える。
【0013】
幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートは、拡張スリット紙シートに対して拡張スリット紙シートの周囲に沿ってのみ固定されている。幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートは、拡張スリット紙シートの中央部分において、拡張スリット紙シートと結合されていない。幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートは、エンボス加工紙シートの領域のかなりの部分に亘って、拡張スリット紙シートとは結合されていない。幾つかの実施形態では、エンボス加工紙シートは、エンボス加工紙シートの領域のかなりの部分に亘って、拡張スリット紙シートに接するが、結合はされていない。
【0014】
幾つかの実施形態では、保護製品はリサイクル可能な紙製品である。
【0015】
幾つかの実施形態では、保護製品は袋部を有する封筒であり、袋部は、袋部の前壁部と後壁部を形成するように一緒に折り畳まれたエンボス加工紙シートと拡張スリット紙とを含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1枚の拡張状態の拡張スリット紙シートは、互いに積み重ねられた複数の拡張状態の拡張スリット紙シートを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、複数の拡張スリット紙シートは、2枚の拡張スリット紙シートを含み、2枚の拡張スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工紙シートを更に備える。
【0018】
幾つかの実施形態では、保護製品は封筒であり、エンボス加工紙シートのエンボス加工は、エンボス加工紙シートの面の少なくともラベル受入領域の内部で、少なくとも1枚の拡張スリット紙シートに向かって凹むものである。幾つかの実施形態では、保護製品は、ラベル受入領域において、封筒に固定された住所ラベルを更に備える。
【0019】
幾つかの実施形態では、保護製品は封筒であり、エンボス加工紙シートのエンボス加工は、少なくとも1枚の拡張スリット紙シートから外向きに膨んで封筒の袋部の内部に面し、それによりエンボス加工は袋部内に入れられる物品に加わる摩擦を制限するのに役立つ。
【0020】
幾つかの実施形態では、エンボス加工は六角形である。幾つかの実施形態では、隣接する六角形は辺を共有し、それによって六角形が互いに接続される。
【0021】
幾つかの実施形態では、複数のエンボス加工は、拡張スリット紙本来の収縮する傾向に抗ってエンボス加工紙のしわを抑制するのに十分である。
【0022】
幾つかの実施形態では、保護製品はクッション材である。
【0023】
幾つかの実施形態では、保護製品は包装体又は封筒である。
【0024】
幾つかの実施形態では、拡張スリット紙シート及びエンボス加工紙シートは、保護製品の保護壁の一部である。
【0025】
幾つかのその他の実施形態によれば、
a)拡張状態の少なくとも1枚の拡張可能なスリット紙シートと、拡張スリット紙シートに面し、拡張スリット紙シートに対して少なくとも拡張スリットシート紙の拡張方向の長さの一部に沿って固定されたエンボス加工紙シートであって、エンボス加工紙シートの剛性を高めるエンボス加工を複数有することにより、拡張スリットシート紙に固定されたエンボス加工紙シートの変形が抑制されるエンボス加工紙シートとを備える保護製品を提供することと、
b)袋部内の物品を保護するためのクッション性を提供する拡張スリット紙シートと、拡張スリットシート紙に固定されたエンボス加工紙シートの変形が抑制されるエンボス加工紙とを備える保護製品の袋部内に物品を配置することと、を含む方法が提供される。
【0026】
各種実施形態の上記の及び/又は他の観点、特徴及び/又は利点は、添付の図と併せて以下の説明を考慮してさらに理解されるであろう。各種実施形態は、適用可能な場合、異なる態様、特徴、及び/又は利点を含有する及び/又は除外することができる。更に、各種実施形態は、適用可能な場合、その他の実施形態の1つ以上の観点又は特徴を組み合わせることができる。特定の実施形態の観点、特徴、及び/又は利点の説明はその他の実施形態又は請求項を限定するものとして解釈すべきではない。本願の全てを通して、本願で参照する特許文献及び特許出願の全てを含む参照文献の全ては、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面に関連して、限定ではなく例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、凹み付きクラフトシートに挟まれた拡張スリットシートの複合材料の側面図である。
図2図2は、凹み付きクラフトシートに挟まれた拡張スリットシートの複合材料の斜視図である。
図3図3は、製造プロセスの模式側面図である。
図4図4は、複合材料の上面図である。
図5図5は、折り線と両面接着剤付きの複合材料の上面図である。
図6図6は、開いた状態の封筒状に折り畳まれた複合材料の上面図である。
図7図7は、剥離ライナー付きの開いた状態の複合材料の封筒の斜視図である。
図8図8は、閉じた状態の複合材料の封筒の斜視図である。
図9図9は、凹み付きクラフト紙の外層と平坦クラフト紙の内層とに挟まれた拡張スリットシートの複合材料の側面図である。
図10図10は、下向き凹み付きクラフト紙の外層と両面凹み付き紙の内層とに挟まれた拡張スリットシートの複合材料の側面図である。
図11図11は、下向き凹み付きクラフト紙の外層と両面凹み付き紙の内層とに挟まれた拡張スリットシートの複合材料の側面図である。
図12図12は、凹み付きラベル受入領域を有する封筒の側面図である。
図13図13は、凹み付きラベル受入領域にラベルが貼り付けられた封筒の側面図である。
図14図14は、本発明の幾つかのその他の好ましい実施形態に係る例示的なエンボス加工を示す図である。
図15図15は、本発明の幾つかの更に好ましい実施形態に係る例示的なエンボス加工を示す図である。
図16図16は、説明のための、図7に示す封筒と同様の剥離ライナー付きの開いた状態の複合材料の封筒の斜視図である。
【0029】
上に列挙された図は、本発明の観点における例示的で非限定的な例を一定の縮尺で示した本発明の例示的な実施形態を含む。上に列挙された図は、例示的な例を一定の縮尺で示すが、その他の実施形態を図面に示す縮尺例に限定されずに構築することができる。例えば、幾つかの実施形態では、程度の変動は、10%以上又は20%以上であってもよく、更に他の実施形態ではそれ以上であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[好適な実施形態に関する定義]
本発明の物品を配布、郵送、包装、及び/又は輸送する目的のために、「封筒」という用語は、包装体、又は、包装体内に情報や製品を収容する袋部を意味する。封筒は、輸送のために全ての辺がシールされてもよいし、輸送ボックスなどの容器に入れられてもよい。
【0031】
本発明の目的のために、「袋部」という用語は、その内部に輸送用の物品又は書類が配置される製品を意味する。内容物を入れた袋部は、輸送容器内に置くことができ、輸送ラベルを必要としない。
【0032】
本発明の目的のために、「箱内輸送」という用語は、耐久性のある裂け防止外層の必要性を排除する段ボール箱内において他の物品と共に出荷されるのみの封筒を意味する。
【0033】
本発明の目的において、「郵送用封筒」という用語は、USPS、UPS、又はFedExなどによる輸送用に設計され、輸送中の裂けに対する保護を提供する耐久性のある裂け防止外層を有する封筒を意味する。
【0034】
本発明の目的のために、「均一に開くスリット」という用語は、特許文献1により開示及び特許請求されているシステムを意味する。
【0035】
本発明の目的のために、「不規則に開くスリット」という用語は、特許文献2により開示及び特許請求されているシステムを意味し、当該システムにおいて、隣接する層のランド領域の傾斜の角度が異なっており、隣接する層が連動パターンを有し、拡張された層が収縮及び入れ子状態になり辛くなっている。
【0036】
本発明の目的のために、紙シートに適用される場合の「拡張可能」という用語は、参照によりその開示の全文が詳述されたものとして本明細書に組み込まれる、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献1に開示されているようなスリットパターンを有する紙を意味する。
【0037】
スリットパターンにより、紙は長さを拡張することができ、それに伴い幅が狭くなる。スリットパターンは、係属中の特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献1に教示されているように、エキスパンダで加工されるとスリットパターンによりその長さが増加する紙を生み出す。
【0038】
本発明の目的のために、「スリットシート」という用語は、係属中の特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献1に開示されているようなスリットパターンを有する拡張可能な紙シートを意味する。
【0039】
本発明の目的のために、紙シートに適用される場合の「伸長可能」という用語は、参照によりその開示の全文が詳述されたものとして本明細書に組み込まれる、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、及び特許文献23に教示されるように、紙シートが伸長できるように加工されている紙を意味する。
【0040】
本発明の目的のために、「伸長可能なスリットシート紙」という用語は、参照によりその開示の全文が詳述されたものとして本明細書に組み込まれる、2018年6月26日付けで出願された特許文献24に開示されているように、伸長可能かつ拡張可能である紙を意味する。
【0041】
本発明の目的のために、「下向き」及び「上向き」という用語は、封筒又は袋部の内部に対する方向及び向きを意味する。
【0042】
下向きは、エンボス加工が封筒又は袋部の内部に向かうことを意味し、上向きは、封筒又は袋部の外部に向かうことを意味する。
【0043】
本発明の目的のために、「エンボス加工された」及び「凹みを付けられた(凹む)」という用語は、紙の元の平坦面、つまり、エンボス加工されていない領域の表面より上方に浮き出す、及び/又は、下方となるデザインを意味する。エンボス加工デザインは、図9(101)に見られるように上向きに、図10及び図11において元の平坦面の外部シート1001及び内部シート1003から下向きに、又は、図12に見られるように上向き及び下向きの両方に、膨む又は突出するものとして見ることができる。
【0044】
本発明の目的のために、「沈みエンボス加工」、「沈みレリーフ」、「凹型エンボス加工」という用語は、元の平坦面を超えて浮き出していないデザインを意味する。沈みエンボス加工デザインは、図10(1004)において元の平坦面の表面から下向きに突出するものとして見ることができ、図11においても同様である。
【0045】
本発明の目的のために、「エンボス加工された」及び「凹みを付けられた(凹む)」という用語は、紙の元の平坦面、つまり、エンボス加工されていない領域の表面より上方に浮き出す、及び/又は、下方となるデザインを意味する。エンボス加工デザイン1005は、図10において元の平坦面の表面1001の上方に上向きに膨む又は突出するものとして見ることができる。
【0046】
本発明は多くの異なる形態で実体化することができるが、本明細書で開示する例示的な実施形態は、本開示は本発明の原理の例を提供するものとして見なされるべきであり、そのような例は本明細書に記載及び/又は例示する好ましい実施形態に本発明を限定することを意図していないという理解の上で、記載されるものである。
【0047】
エンボス加工紙の製造を開示する特許文献25、及び、拡張スリットシートの製造及びデザインを開示する特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29号及び特許文献30は、参照によりその開示の全文が詳述されたものとして本明細書に組み込まれる。
【0048】
本発明は、拡張スリットシート材料をエンボス加工紙の外層と組み合わせて採用して、クッション特性を備えたパッド入り封筒を製造する。図1に示すように、第1の好ましい実施形態は4層複合材料を使用する。4層複合材料は、第1のエンボス加工紙の層104から始まり、特許文献26に記載されているような2枚の拡張スリット紙層の交差層が第4のエンボス加工紙の最上層と共に全ての縁部(図4の402及び403参照)上に積層されている。これにより、完全にリサイクル可能で、ほとんどが再生紙で形成されている紙パッドが製造される。封筒を作成するためには、紙パッドの製造に続いて、更に2つの工程が必要である。第1の工程は、図5に示すパッドを折り畳んで、図7に示す折り畳み状態として、更に折り重なった側面703同士を押し潰して接着して袋部領域704を形成する。最後の工程では、図7に示すように、剥離ライナー701付きの両面接着ストリップ502を配置する。図4の上面図に示すように、中央領域401は、拡張スリットシートが配置される場所であり、403の積層領域の下方にも拡張スリットシートは配置される。図2に図示するように、拡張スリットシート102及び103は、エンボス加工紙101及び104の全長の長さを有するが、全幅の幅を有していない。これらの拡張層は、全幅に延びている必要はなく、全長にのみ延びている。図4において、接着領域403は、拡張スリットシートをエンボス層間に挟み込み、拡張スリットシートを拡張したままで保持することにより、拡張スリットシートが提供すべきクッション性と全体の厚みをもたらす。
【0049】
第2の好ましい実施形態では、より低いクッション性しか必要としない用途のために、図11に示すように拡張スリットシートを1層に減らすことを除いて、第1の好ましい実施形態と設計において同等である3層複合材料を用いる。
【0050】
当技術分野の好ましい実施形態の封筒は、単層又は3層以上の拡張スリットシート材料及び/又は特許文献9に開示されたカオスセル構造の拡張スリットシート材料の使用により作製できることが理解される。
【0051】
封筒構造内の袋部は、輸送用の物品を袋部領域704内に配置し、次に、剥離ライナーを剥がして、パッドの上側部を袋部領域上に折り畳み、接着ストリップにより封筒をシールすることで、接着ストリップを用いることにより用いられる。
【0052】
当技術分野で見られるこのエンボス加工紙は、好ましい実施形態では、50ポンドの坪量に等しい3000平方フィートのTAPPI標準紙重量仕様に従う50#クラフト紙で作られており、予期できなかった方法で封筒が機能することを可能にする。図2に示すように、エンボス加工紙のエンボス加工101は、先行技術の特許文献25に記載されているようなエンボス加工用の突き合わせオス-メス金型を使用して作られ、この場合は円形エンボス加工であるが、独自の剛性を生み出しつつも、袋部内に物品を配置するために必要な柔軟性をも提供する。エンボス加工は、複数の形状又は構造を有して形成されていてもよいことに留意されたい。例えば、幾つかの好ましい実施形態では、エンボス加工は、例えば、四角形、五角形、六角形、又はその他の多辺形状等の多角形状の構造を有するが、例えば、円形、楕円形、その他の丸い形状等の丸い形状を有してもよいし、又は、例えば、アルファベット記号や、ロゴ、図形画像などの形状などの不規則形状を有していてもよい。
【0053】
エンボス加工紙が拡張スリット材料との組み合わせにより有する追加的利点は、外側の紙にしわを生み出すことなく拡張スリットシートを伸長したままで保持する能力を提供することである。より重量のある紙を使用することも可能ではあるが、そうすると、重量と剛性が増加し、郵送コストが追加されるだけでなく、袋部内に物品を梱包することがより難しくなる。エンボス加工紙はまたその表面積が減少するため、封筒内に物品を梱包する際の摩擦も少なくなる。梱包される際に物品が受ける摩擦が少なくなるように、エンボス加工を少なくとも内向きとすることが好ましい。郵送料と住所のためのラベルが必要な場合、外層の凹みは好ましくは下向となり、ラベルを貼り付けるための平らな表面を提供する。ラベルを積極的に貼り付けなければならない状況では、有利には、特許文献30に見られるような伸長可能な紙を使用することができる。この場合、外層はエンボス加工されていない平坦なシートであってもよい。
【0054】
封筒の両面において平坦な紙が好まれる場合、拡張スリット材料が収縮しようとするときに生じるしわの影響を克服するための1つの追加的な方法は、特許文献30に見られるような伸長可能な紙を使用することである。伸長可能な技術は、拡張スリットシート材料を伸長するのに必要な強度の3分の2の強度しか必要としない。この場合、封筒を個別の輸送に使用しない用途において、エンボス加工されていない軽量のクラフト紙を外側の紙として使用できる。この場合、封筒は、他の配送すべき物品類を伴う合同輸送や箱内輸送の内部で、又はその一部として使用される。なお、合同輸送の場合には、段ボール箱が必要とされる。この種の輸送は、耐久性のある裂け防止層を必要としない。平坦な裂け防止クラフト紙は、裂けを抑制する60#以上のクラフト紙以上の厚い紙となりうる。個別に輸送されない、伸長可能な紙を使用する封筒の場合、箱内輸送用では30#クラフト紙を使用できる。
【0055】
エンボス加工紙の拡張スリット材料と組み合わせによる追加的利点は、それにより包装による保護の向上がもたらされることである。拡張スリット紙は、包みとして極度の保護力を有するが、クッション性を提供するために、容器内に配置されなければならない。エンボス加工紙の嵩は、好ましい実施形態では、段ボール箱内に見られる内層の正弦波によく似た、わずかな起伏の厚みが紙の厚さの約3倍である非常に軽い負荷用の段ボール箱に似たものである。これにより、滑らかな紙で発生する可能性のある裂けを抑制する初期衝撃保護が提供される。
【0056】
追加の利点は、エンボス加工により封筒と手の間の摩擦が増すことにより、封筒を手でしっかりと保持することが可能となり、滑らかな紙やプラスチックと比較して取り扱いが容易になることである。
【0057】
ラベル領域内において、凹型エンボス加工(沈みレリーフ)は、封筒の表面のその他の領域内と比べて、(ラベルの表面から外れる表面積に関し)より小さくできる一方、浮き出し/レリーフエンボスは、封筒の表面のその他の領域内と比べて、(ラベルに提供される表面積に関し)より大きくすることができる。
【0058】
ラベル領域は、エンボス加工を施さなくてもよいが、好ましくは、ラベル受入エンボス加工領域も、浮き出し及び/又は沈みエンボス加工が施される。ラベルが、上向きエンボス加工の上面又は沈み/下向きエンボス加工の元の平坦面との接触によりエンボス加工紙の外層の表面の少なくとも25%と接触することが有利である。上向きエンボス加工の上面又は沈み/下向きエンボス加工の元の平坦面との接触によりエンボス加工紙の外層の少なくとも50%がラベルの接着剤との接触に提供されることが好ましい。
【0059】
十分なエンボス加工を提供するために、紙の表面の少なくとも約25%が(上向き及び/又は下向きに)エンボス加工されることが有利である。好ましくは、外側の紙及び内側の凹み付き紙の表面の少なくとも50%に、上向き又は下向きのエンボス加工、もしくは、それらの組み合わせのエンボス加工が施される。
【0060】
ラベル受入エンボス加工領域は、封筒のサイズにもよるが、標準の8.5×5.5インチを受け入れるのに十分とする。一般的なラベルサイズは、8.5×5.5インチ、6.78×4.75インチ、3.5×3.75インチで、永久粘着剤付きである。
【0061】
エンボス加工の形状及びサイズは大きく変化する可能性があるが、それでも、しわを抑制し、容易に梱包可能とするために必要な特性と同じ特性を提供することを理解されたい。
【0062】
幾つかの例示的な実施形態では、エンボス加工は、約0.1~1インチ幅の最大直径を有する複数の多角形状又は他の形状の領域を含むことができる。最大直径は、幾つかの好ましい実施形態では約0.15~0.5インチ幅、幾つかの好ましい実施形態では約0.2~0.5インチ幅、及び、幾つかの例示的な実施形態では約0.25インチ幅である。幾つかの実施形態では、エンボス加工の最大高さ又は深さ(つまり、内向けに凹むか、外向けに張り出すかによる)は、0.1インチ未満、より好ましくは0.075インチ未満、より好ましくは0.05インチ未満、より好ましくは約0.02~0.03インチの間であり、幾つかの例示的な例では、約0.026~0.0275インチの高さを含む。
【0063】
幾つかの例示的な実施形態では、エンボス加工は、波状の窪みの配列を含む。
【0064】
好ましい実施形態では、エンボス加工は、そのエンボス加工が施されたシートの平面に概ね平行であるほぼ平坦な中央表面を有する。第一に、これはエンボス加工シートの厚さの削減に役立つ。第二に、幾つかの実施形態において、これはまたラベル付着面の最大化に役立つ。
【0065】
好ましい実施形態では、エンボス加工シートの平面から交差する方向に離れて延びるエンボス加工の側面は、エンボス加工の高さのかなりの部分において、エンボス加工シートの平面に対しほぼ垂直に延びる。幾つかの好ましい実施形態では、側面は正確に垂直に延びるのではなく、わずかに傾斜している。幾つかの好ましい実施形態では、エンボス加工のほぼ平坦な中央表面に接続する側面の尖端部は、例えば、潜在的な引き裂きを抑制するために、丸く形成されているか、面取りされている。同様に、幾つかの好ましい実施形態では、エンボス加工のほぼ平坦な中央表面に接続する側面の基部もまた、例えば、潜在的な引き裂きを抑制するために、丸く形成されているか、面取りされている。
【0066】
添付の図は、本発明の幾つかの好ましい、非限定的な実施形態に関する詳細を示す。
【0067】
図1は、紙パッド100の側面図であり、エンボス加工紙101及び104の間に挟まれた、特許文献26に見られるような拡張スリットシート材料102と103とからなる二重交差層が使用されており、102は前向きに、103は後向きに配置されている。
【0068】
図2は、複合パディング材料100の斜視図であり、101及び104はエンボス加工された外側の紙層であり、拡張スリット交差層102及び103はその内部にある。
【0069】
図3は、クラフト紙300及び303がアイドラーローラー309及び310に供給され、次いでエンボス加工金型対301及び304を通って、外層の結合領域302を形成するアイドラーロール308の周りに供給されるパッド作製プロセスの概略側面図である。未拡張のスリット材料ロール305及び306は、ベルクロロール307に供給され、巻出器を減速して伸長を可能とするブレーキ機構309及び310を使用して伸長され、結合領域302へと続く。
【0070】
図4は、エンボス加工され、拡張された複合スリット材料400の領域の上面図であり、押し潰しホイールにより端部402及び403が積層されている。拡張スリット紙は、最上層のエンボス加工紙の背後にあるため図示されていないが、領域401内にある。
【0071】
図5は、袋部を作製する折り畳み領域のための点線501を示す複合材料400の上面図である。両面接着剤502がパッドの前縁部に配置される。
【0072】
図6は、パッド入り封筒600を作製するパッドの折り畳まれた状態の上面図である。両面接着剤502は、封筒を閉じるための接着剤を提供するため、前縁部の積層領域403に配置される。開放領域601は、図8に示すように、両面テープ502を使用して、押し潰された積層領域403上での封筒に対するクッション作用に必要な追加の長さを提供する折り返し領域である。両面テープ502は、図8に示すように折り畳まれたときに、403をわずかに超えたところで接着する。
【0073】
図7は、剥離ライナー701と組み合わさった両面テープ502を備える図6の封筒600が開位置にある場合の斜視図である。袋部領域602を作製する押し潰し接着による接着領域702及び703が図示されている。
【0074】
図8は、閉じた状態の封筒600の斜視図であり、剥離ライナーが接着のために剥がされた両面テープ502を示す。図8には、封筒が提供する保護のための側面503の厚さ、及び、封筒内に配置された物品のサイズに応じて使用される広い領域を提供する折り返し領域を示すため、図7に示される押し潰された側面は図示していない。
【0075】
図9は、凹み付きクラフト101の外層及び平坦クラフト901の内層に挟まれた拡張スリットシート102及び103の複合材料900の側面図である。
【0076】
図10は、紙パッド1000の側面断面図であり、特許文献26に見られるような拡張スリットシート材料からなる二重交差層が使用されており、スリット紙セル群からなる1つの層は前向きに、第2の層は後向きに配置されている。2つの層102及び103は、下向きのエンボス加工1004と上向きのエンボス加工1005とを有する内側エンボス加工紙1003の間に挟まれている。
【0077】
図11は、単一の拡張層の紙パッド1100の側面断面図であり、下向きの凹み(エンボス加工)を有するエンボス加工紙の外層1001と、上向きと下向きの両方の凹み(エンボス加工)を有するエンボス加工紙の内層1003との間に挟まれた単層の拡張スリットシート1101が使用されている。
【0078】
図12は、ラベル受入領域1508と、ラベル受入領域内の凹み1606とを有する封筒の側面図である。ラベル受入領域1508の外側の領域は、凹み1606と同じ又は異なるデザインの凹み1512を有することができる。
【0079】
図13は、エンボス加工紙1500内に、ラベル受入領域1508と、ラベル受入領域1508内のラベル1506とを有する封筒の側面図である。
【0080】
図14は、本発明の幾つかの実施形態に係るエンボス加工を施すいくつかの例示的な態様を示す概略図である。特に、例えば、図1図13に示す実施形態では、例えば、エンボス加工紙の表面から内向きに凹む、又は、上向きに張り出す多角形(例えば、六角形)などの離散的な形状(例えば、間隔をおいて分離された形状)のエンボス加工を描いていたが、幾つかの実施形態では、エンボス加工は離散的な形状ではなく、例えば、エンボス加工紙の端から端まで延びる線形のリブ若しくはリッジ、又は、線形パターンを含むことができる。例えば、図14の実施形態に示すように、この例示的な実施形態では、エンボス加工は、複数の六角形の形状を含むが、各六角形の形状がエンボス加工される(つまり、紙の表面から凹む又は浮き出る)のではなく、それぞれの六角形の輪郭のみが紙の表面からエンボス加工される(例えば、凹む)。したがって、図14に示される実施形態は、六角形セルの中心がエンボス加工紙の平面に沿っており(すなわち、他の実施形態のように凹んだり、浮き出したりせずに)、六角形セルの周縁がエンボス加工される(例えば、凹む)。したがって、六角形セルの細い壁がエンボス加工されて(例えば、凹んで)、例えば、エンボス加工紙の端から端まで延びるエンボス加工リブのネットワークが形成される。したがって、図14に示すこれらの例示的な実施形態では、エンボス加工は、接続された多角形(例えば、図示する六角形)の配列であって、それら多角形(例えば、六角形)の周縁が下向きにエンボス加工されて二重境界線の多角形(例えば、六角形)の外観を呈する配列を含んでもよい。
【0081】
図14はまた、幾つかの例示的な多角形ポリゴンの差し渡し寸法を示している。例えば、図14の上部に示すように幾つかの実施形態において六角形の直径は約0.93インチであってもよく、図14の中央に示すように幾つかの実施形態において直径は約0.70インチであってもよく、図14の下部に示すように幾つかの実施形態において直径は約0.45インチであってもよい。他の実施形態において直径は、約0.2インチ~2.0インチの範囲内、より好ましくは約0.3~1.5インチの範囲内であってもよい。
【0082】
さらに、上記したように、図面は、一定の縮尺で描かれた例示的な実施形態を示す。したがって、幾つかの例示的な実施形態では、エンボス加工線(例えば、下向きに凹の線)の幅は、およそ、図14に示されるそれぞれの例に示す幅であり得る。幾つかの実施形態では、エンボス加工線の寸法は、本明細書で記載するように変えることができる。
【0083】
図15は、幾つかの他の実施形態におけるエンボス加工を示す。該エンボス加工は、図14に示すものと同様のものであるが、隣接する多角形(例えば、六角形)同士が接続されておらず、その結果、図14に示す実施形態のように多角形(例えば、六角形)の周囲の縁部のみがエンボス加工された領域となっていることを除いて、例えば、図12及び図13に示すものとほぼ同様の態様で、エンボス加工紙の表面上に独立形状のエンボス加工が分散配置されている。このように、エンボス加工は、エンボス加工紙のほぼ端から端まで延びる長いリッジ又は直線的に接続されたリッジを形成しない。図15は多角形状を示すが、例えば、丸い形状及び/又は不規則形状などの他の分散形状で、同様の周縁のエンボス加工(例えば、凹み)を用いることもできることを理解されたい。
【0084】
ここに示した様々な実施形態においては、配列内に複数の同様の形状が分散配置されているものであったが、幾つかの実施形態では、異なるエンボス加工又は形状の組み合わせを採用してもよい。例えば、図12に示す実施形態は、円形と多角形の両方のエンボス加工を含む。他の実施形態においては、本明細書に記載の実施形態のエンボス加工を任意の数で組み合わせることができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、図14の例のうちの1つに示すものと同様のエンボス加工が、(図12に示される封筒の端から端までエンボス加工が分散配置されるのと同様に)封筒の全面又はほぼ全面に亘って分散配置されてもよい。或いは、図15の例に示すものと同様のエンボス加工が、(図12に示す封筒の端から端までエンボス加工が分散配置されるのと同様に)封筒の全面又はほぼ全面に亘って分散配置されてもよい。
【0086】
好ましい実施形態では、エンボス加工紙に形成されたエンボス加工はエンボス加工紙の剛性を高めるために施されており、それにより、エンボス加工紙が拡張紙に結合された時に、拡張紙がエンボス加工紙を歪ませたりしないようになっている。さもなくば、拡張紙の収縮傾向により、紙が歪んでしまう可能性がある。したがって、本発明は、エンボス加工紙を有利に採用して、エンボス加工紙の剛性を高めて歪まないようにしている。したがって、幾つかの好ましい実施形態では、強化された剛性として、拡張紙の収縮力によるエンボス加工紙の歪みを防止するのに十分な剛性が選択され、それにより紙の歪みにつながる収縮に抵抗している。
【0087】
上記したように、エンボス加工の形状及びサイズは大きく変化する可能性があるが、それでも、しわを抑制し、容易に梱包可能とするために必要な特性と同じ特性を提供することを理解されたい。
【0088】
また上記したように、幾つかの例示的な実施形態では、エンボス加工は、約0.1~1インチ幅の最大直径を有する複数の多角形状又は他の形状の領域を含むことができる。最大直径は、幾つかの好ましい実施形態では約0.15~0.5インチ幅、幾つかの好ましい実施形態では約0.2~0.5インチ幅、及び、幾つかの例示的な実施形態では約0.25インチ幅である。幾つかの実施形態では、エンボス加工の最大高さ又は深さ(つまり、内向けに凹むか、外向けに張り出すかによる)は、0.1インチ未満、より好ましくは0.075インチ未満、より好ましくは0.05インチ未満、より好ましくは約0.02~0.03インチの間であり、幾つかの例示的な例では、約0.026~0.0275インチの高さを含む。
【0089】
特に、好ましい実施形態では、エンボス加工は、クッション効果を付与するというよりはむしろ、(上記したように)紙の歪みを回避するように設計されている。これに対し、幾つかの背景技術の製品では、シートは、クッション性を付与するために使用される大きな窪みを備えるように適応されている。その目的に向けて、これらの状況における窪みは、横方向の力を吸収する(例えば、横方向の力を圧縮して吸収する)ように設計されている。その目的に向けて、そのような背景技術の窪みの深さは、(すなわち、紙の平面に対して横方向のクッション性を提供するために)より大きなものとなっている。さらに、背景技術の窪みは、(例えば、枕と同様に)その窪み内に空気を保持することによる恩恵を受け、エアクッション性を提供することによって柔らかさを向上させている。
【0090】
対照的に、本発明では、好ましい実施形態において、エンボス加工紙のクッション性は有効でないか、皆無であり、むしろ、クッション性は拡張紙によって提供される。特に、拡張紙が必要なクッション性を達成するため、拡張紙のおかげで、背景技術におけるクッション性を適用する理由さえない。好ましい実施形態では、拡張紙は、(すなわち、袋部内の内容物を保護するために)封筒が提供するクッション性の70%以上、より好ましくは封筒が提供するクッション性の80%以上、より好ましくは封筒が提供するクッション性の90%以上、又は、より好ましくは封筒が提供するクッション性の95%以上を提供する。同様に、好ましい実施形態では、エンボス加工紙(すなわち、エンボス加工紙におけるエンボス加工)は、(すなわち、袋部内の内容物を保護するために)封筒が提供するクッション性の30%未満、より好ましくは封筒が提供するクッション性の20%未満、より好ましくは封筒が提供するクッション性の10%未満、又は、より好ましくは封筒が提供するクッション性の5%未満を提供する。
【0091】
更に、好ましい実施形態においては、エンボス加工は、エンボス加工紙の厚さの増加を回避するため、その高さが制限される。とりわけ、厚さの増加により嵩が増すと、特定の輸送コンテナ又は包装体のサイズ内に収容できる封筒の数が少なくなるため、輸送及び包装が更に困難になる。とりわけ、輸送コストは重量ではなく体積に基づいているため、厚さが増加すると輸送コストが増加する。エンボス加工の場合、例えば図1に示すような(側面図において)台形形状のエンボス101が、側面図において半球形状のものと比較して優れている。上面図においては、様々な実施形態は、上記したように様々な形状を有することができる。
【0092】
図16を参照すると、幾つかの好ましい実施形態では、エンボス加工パターンは、封筒の端部間のかなりの部分、特に、シールされた端部(例えば、積層端部403又は703)の間の領域に適用される。好ましい実施形態では、幅x・長さy1を有する前部領域全体(図示する袋部の前部)のかなりの部分において、エンボス加工パターンが適用されることが好ましい。同様に、好ましい実施形態では、幅x・長さy2を有する後部領域全体(図示する袋部の後部)のかなりの部分において、エンボス加工パターンが適用されることが好ましい。好ましい実施形態では、前部領域全体の少なくとも75%にエンボス加工パターンが適用され、より好ましくは前部領域全体の少なくとも80%にエンボス加工パターンが適用され、より好ましくは前部領域全体の少なくとも90%にエンボス加工パターンが適用される。同様に、好ましい実施形態では、後部領域全体の少なくとも75%にエンボス加工パターンが適用され、より好ましくは後部領域全体の少なくとも80%にエンボス加工パターンが適用され、より好ましくは後部領域全体の少なくとも90%にエンボス加工パターンが適用される。ここで、エンボス加工パターンが適用されている領域を示す用語は、エンボス加工自体が表面積の特定の割合を占める必要があることを意味することを意図するものではなく、特定された領域内における幾つかの位置にエンボス加工パターンがあることを意味することを意図するものである。例えば、図2及び図12に示すエンボス加工パターンは、図示された領域のかなりの部分にあるものとして示され、例えば、図示された領域の90%以上をカバーするものとして示されている。
【0093】
本発明の例示的な実施
例A(容器内で使用するための封筒):
・層1は凹み付きである。
・層2は拡張スリットシート(均一に開く)である。
・層3は拡張スリットシート(均一に開く)であり、層2に対して交差するパターンである。
・層4は凹み付きである。
例B(容器内で使用するための封筒):
・層1はクラフト紙である。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4はクラフト紙である
例C(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は引き裂き防止クラフト紙である。
・層2は拡張され均一に開くスリットシートである。
・層3は拡張され均一に開くスリットシートであり、層2に対して交差するパターンである。
・層4は凹み付きである。
例D(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は引き裂き防止クラフト紙である。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4は凹み付きである。
例E(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は凹み付きである。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4は凹み付きである。
例F(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は60#クラフト紙である。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4は30#クラフト紙である。
例G(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は凹み付きである。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4は30#クラフト紙である。
例H(例えば、UPS、FedEx、USPSなどを介して郵送するための郵送用封筒)
・層1(外層)は片面に内向きの凹み付きである。
・層2は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層3は拡張され不規則に開くスリットシートである。
・層4は両面に凹み付きである。
【0094】
拡張スリットシートは、凹み付き紙、引き裂き防止クラフト紙、標準クラフト紙又は他の非スリットシート材料の内層及び外層の少なくとも1層にシールされることが好ましいことに留意されたい。シールは、図4の端部領域403で又はその近接で行われてもよく、図4の側部領域402で又はその近接で行われてもよく、又は、側部領域と端部領域の両方で行われてもよい。シールは一方の側部領域と一方の端部領域に対して行われてもよいが、好ましくは、シールは対向する側部領域及び/又は対向する端部領域において行われる。
【0095】
この例は、2層の拡張スリットシートの使用に関するものであるが、拡張スリットシートが内層及び/又は外層にシールされるため、単層とすることもできる。更に、2層を超える拡張スリットシートを使用すると、図7及び図8に示すような封筒の特性が更に向上する。したがって、封筒には、少なくとも1層が使用され、好ましくは、2層、3層、4層、又は5層以上の複数の層を使用することができる。
【0096】
好ましくは、封筒には、2層~4層の拡張スリットシートが使用される。
【0097】
拡張スリットシートの層数は、最内層と最外層との間の層の数を指すことに留意されたい。したがって、図4及び図5に示すような構造が図7及び図8に示すように二重となると、封筒内の拡張スリットシートの層の総数は2倍となる一方、最内層と最外層との間の拡張スリットシート層の層数に変化はない。
【0098】
本発明の封筒は、例えば、新聞、雑誌、及び段ボール容器とともに、消費者によってリサイクルされ得ることに留意されたい。
【0099】
再生紙を作るための原料として使用できる紙には、損紙(ミルブローク:Mill Broke)、消費前廃棄物、消費後廃棄物の3つのカテゴリーがある。損紙は、紙の製造で発生する紙の裁ちくずやその他の紙くずであり、製紙工場内でリサイクルされる。消費前廃棄物は製紙工場から出荷されたが、消費者が使用する準備が整う前に廃棄された材料である。消費後廃棄物は、古い段ボール箱、古い雑誌、古い新聞など、消費者の使用後に廃棄される材料である。リサイクルに適した紙は、スクラップ紙と呼ばれ、しばしば成形パルプ包装を製造するために使用される。
【0100】
対照的に、気泡緩衝シートとタイベック(Tyvek:登録商標)封筒はリサイクル可能であるが、消費者のリサイクル容器に追加されるべきではない。その代わり、気泡緩衝シート、タイベック、ビニール袋は特別な収集場所でリサイクルされなければならない。この指針は、気泡緩衝シートだけでなく、完全にプラスチック製のバブルメーラーやエアピローにも適用される。ただし、外側に紙が付いたエアバブルメーラーは、そのままリサイクルすることはできない。それらを別々の材料部品に分解することが可能である場合、その紙をその他のサイクル可能な紙と一緒にリサイクルし、次に気泡緩衝シートを他のプラスチックフィルムと一緒に収集(ドロップ・オフ)場所に持っていくことができる。プラスチックのリサイクル情報は、http://www.how2recvcle.info/sdo、及び、http://www.dupont.com/products-and-services/packaainq-materials-solutions/industrial-packaqinq/articles/recvcling-information.htmlにて見ることができる。
【0101】
本出願においては、個々の数値の使用は、値の前に「約」、「ほぼ」又は「およそ」という単語が付いているかのように、近似値として記載されている。同様に、本出願で指定された様々な数値の範囲は、特に明記しない限り、指定された範囲の最小値と最大値の両方の前に「約」、「ほぼ」又は「およそ」という単語が付いているかのように、近似値として記載されている。このようにして、指定された範囲からの上下の変動を使用して、当該範囲内の値とほぼ同じ結果を達成することができる。本明細書で使用される場合、数値を指す場合の「約」、「ほぼ」及び「およそ」という用語は、開示された主題が最も密接に関連する技術の当業者又は問題とする範囲や要素に関連する技術の当業者にとって明白かつ通常の意味を有するものとする。厳密な数値境界から拡大できる程度は、様々な要因に左右される。例えば、考えうる要因の幾つかには、要素の重大性及び/又は所与の変動量がクレームの主題の性能に及ぼす影響、そして当業者にとって既知の他の考察が含まれる。本明細書で使用されているように、異なる数値に対して異なる有効桁数を用いることは、「約」、「ほぼ」又は「およそ」という表現の使用によってどのように特定の数値又は範囲が拡大されるかを、限定することを意味するものではない。このように一般事項として、「約」、「ほぼ」又は「およそ」によって数値が拡大される。また、範囲の開示は、最小値と最大値との間の全ての値を含む連続的な範囲に加えて、「約」、「ほぼ」又は「およそ」という表現の使用によって得られる範囲の拡大として意図されている。このように、本明細書における数値の範囲の記載は、特に明記しない限り、単に、範囲内の個々の数値を個別に参照するための簡潔な方法として意図されており、個々の各値は、それらが本明細書に個別に記載されているものとして、本明細書内に組み込まれる。スリットパターンの重大性や拡張前と拡張後の紙幅の差、紙の重量及び種類といった幾つかの要因の所定量の変化の決定、並びに、開示の主題と最も関連する技術の当業者又は問題とする範囲や要素に関連する技術の当業者にとって既知の他の考察がクレームの主題の性能に影響すると判断することが、当業者の能力内ではないと考えられるか、或いは請求項に明記されていない場合、「約」、「ほぼ」及び「およそ」という表現は、数値のプラスマイナス15%を意味することを理解されたい。
【0102】
本明細書に開示される任意のデータから生じる、又は導かれる、任意の範囲、比率及び比率範囲によって本開示の更なる実施形態が示され、それらは、明記されているものとして、本開示の一部に含まれることが理解されよう。これには、有限の上限限界及び/又は下限限界を含む、或いは含まないように形成されうる、範囲が含まれる。従って、特定の範囲、比率及び比率範囲に最も深く関連する技術の当業者には、本明細書に示されるデータから、これらの値を明確に導くことが可能であることが理解されるであろう。
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