IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

<>
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図1
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図2
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図3
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図4
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図5
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図6
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図7
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図8
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図9
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図10
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図11
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図12
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図13
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図14
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図15
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図16
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図17
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図18
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図19
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図20
  • 特許-ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】ユーザ機器、基地局、方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240109BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240109BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20240109BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W88/02 151
H04W36/30
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021504526
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019075920
(87)【国際公開番号】W WO2020088854
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】18203524.6
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タオ ミン-フン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】シャー リキン
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529266(JP,A)
【文献】特表2011-515963(JP,A)
【文献】国際公開第2018/171631(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作中、複数の参照信号を受信する受信機と、
動作中、前記複数の参照信号に対して電力関連測定を実行し、動作中、前記電力関連測定のために前記複数の参照信号の間で前記複数の参照信号の利用可能性を判定し、動作中、実行された前記電力関連測定に基づいて、判定された前記複数の参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する処理回路と、
を備え
前記処理回路は、前記複数の参照信号の利用可能性を判定するとき、測定される前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、測定される前記複数の参照信号が受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間を判別し、
前記処理回路は、前記測定結果を生成するとき、判別された前記チャネル占有時間に基づいて、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定し、
前記処理回路は、前記測定結果を生成するとき、前記測定結果の一部として、決定された該測定正確度パラメータを含める、
ユーザ機器。
【請求項2】
前記処理回路は、前記複数の参照信号の利用可能性を判定するとき、前記電力関連測定を実行している間に利用可能でない参照信号の数であって、測定期間中の参照信号の数を判別し、
前記処理回路は、前記測定結果を生成するとき、前記利用可能でない参照信号の判別された前記数に基づいて、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定し、
前記処理回路は、前記測定結果を生成するとき、前記測定結果の一部として、決定された前記測定正確度パラメータを含め、
オプションとして、前記利用可能でない参照信号は、前記ユーザ機器によって受信されない欠落参照信号と、前記ユーザ機器によって受信されるが電力閾値未満の電力を有する不適格な参照信号と、を含み、
オプションとして、前記測定正確度パラメータは、前記測定期間中の前記利用可能でない参照信号の判別された前記数と前記測定期間に予想される参照信号の総数との比である、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
プションとして、該測定正確度パラメータは、判別された前記チャネル占有時間と該測定期間との比であり、
オプションとして、前記チャネル占有時間を判別することは、
前記ユーザ機器が復号できる信号であって、測定される前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、前記ユーザ機器によって受信される第1の期間を判別することであって、測定される前記複数の参照信号のソース以外のソースは、復号された前記信号に基づいて前記ユーザ機器によって識別可能である、判別することと、
前記ユーザ機器が復号できない信号であって、電力閾値を超える信号が、前記ユーザ機器によって受信される第2の期間を判別することと、
前記第1の期間と前記第2の期間との合計として前記チャネル占有時間を判別することと、
を含む、
請求項1又は2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記処理回路は、前記複数の参照信号の利用可能性を判定するとき、前記電力関連測定を実行している間に利用可能でない参照信号であって、測定期間中の参照信号を判別し、
前記処理回路は、該利用可能でない参照信号にも基づいて、前記測定結果を生成し、
オプションとして、該利用可能でない参照信号は、前記ユーザ機器によって受信されない欠落参照信号であり、
オプションとして、該利用可能でない参照信号は、前記電力関連測定のために、特定の電力で受信されたとみなされ、オプションとして、該利用可能でない参照信号についてみなされる前記特定の電力は、ゼロ電力、正の低電力、及び負の低電力のうちの1つである、
請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記処理回路は、動作中、前記複数の参照信号に対する前記電力関連測定が、前記ユーザ機器が接続されているサービング無線セルのサービング周波数において実行されるか、又は、前記サービング無線セルのサービング周波数とは異なる別の周波数において実行されるかを決定し、
前記処理回路は、前記複数の参照信号に対する前記電力関連測定が、前記サービング周波数において実行されるか、又は、前記別の周波数において実行されるかに応じて、請求項2、3、及び4のうちの1つに従って動作し、
オプションとして、
前記複数の参照信号に対する前記電力関連測定が、前記サービング周波数において実行される場合、前記処理回路は、請求項2、3、又は4に従って動作し、
前記複数の参照信号に対する前記電力関連測定が、前記別の周波数において実行される場合、前記処理回路は、請求項2又は4に従って動作する、
請求項2乃至4のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記処理回路は、動作中、前記電力関連測定に基づいて、前記測定結果を含む測定報告を生成し、
送信機は、動作中、生成された前記測定報告を、前記ユーザ機器が接続されているサービス基地局に送信し、
オプションとして、前記処理回路は、動作中、複数の無線セルについて前記電力関連測定を実行して前記測定結果を生成し、前記測定報告は、前記複数の無線セルについての生成された前記測定結果を含む、
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記処理回路は、動作中、決定された測定正確度パラメータに基づいて、測定が正確であるか否かについての測定正確度決定を決定し、
オプションとして、前記処理回路は、前記測定正確度決定を決定するとき、決定された該測定正確度パラメータを正確度閾値と比較し、オプションとして、前記正確度閾値は、前記ユーザ機器が接続されているサービング基地局によって設定され、
オプションとして、前記処理回路は、動作中、前記電力関連測定に基づいて、前記測定結果及び前記測定正確度決定を含む測定報告を生成し、送信機は、動作中、生成された該測定報告を、前記ユーザ機器が接続されているサービング基地局に送信する、
請求項2乃至6のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記ユーザ機器が接続されているサービング基地局への前記測定結果の報告を制御するために、前記測定結果の報告を開始するためのentering条件と、前記測定結果の報告を停止するためのleaving条件と、前記entering条件又は前記leaving条件が満たされなければならない時間条件と、のうちの少なくとも1つを含む測定報告条件のセットが定義され、
前記測定報告条件の少なくとも一部は、決定された測定正確度パラメータに依存し、
オプションとして、1つの追加のentering条件は、測定の正確度が十分に高いことであり、オプションとして、該測定正確度パラメータが閾値を超える場合、前記1つの追加のentering条件は、別のentering条件に加えて満たされなければならず、
オプションとして、1つの追加のleaving条件は、測定の正確度が低過ぎることであり、オプションとして、該測定正確度パラメータは閾値未満である、
請求項2乃至7のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記ユーザ機器が接続されているサービング無線セルから別の無線セルへのハンドオーバ中の前記ユーザ機器は、無線リンク障害を経験し、
前記無線リンク障害を経験した後、送信機は、動作中、前記ユーザ機器が接続されている基地局に、測定正確度パラメータを含む、前記無線リンク障害に関する情報を送信する、
請求項2乃至8のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記電力関連測定は、アンライセンス無線周波数において実行され、
オプションとして、前記測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含み、オプションとして、前記測定値の各々は、該測定期間中の参照信号の電力の平均である、
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記複数の参照信号は、前記ユーザ機器が接続されているサービング基地局から、又は、該サービング基地局に隣接する隣接基地局から、送信され、
オプションとして、前記複数の参照信号は、3GPP(登録商標)第5世代新無線通信システムに従った、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び/又は同期信号ブロック(SSB)参照信号であり、オプションとして、前記SSB参照信号は、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理報知チャネル(PBCH)を含む、
請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項12】
基地局であって、
動作中、前記基地局によって制御される無線セルにおいて、複数の参照信号を送信する送信機と、
動作中、ユーザ機器から、前記ユーザ機器によって前記複数の参照信号に対して実行された電力関連測定に基づく測定結果を受信する受信機であって、前記測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含み、前記測定結果は、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを含む、受信機と、
動作中、受信された前記測定結果の前記測定値及び前記測定正確度パラメータに基づいて、前記無線セルから別の無線セルに前記ユーザ機器をハンドオーバするかどうかを決定する処理回路と、
を備え
前記測定正確度パラメータは、前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、前記複数の参照信号が前記ユーザ機器によって受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間に基づくものである、
基地局。
【請求項13】
前記送信機は、動作中、電力関連測定を実行するときに前記ユーザ機器によって使用される電力値を含む測定設定情報を、前記ユーザ機器に送信し、前記電力値は、前記ユーザ機器によって、前記測定結果を生成するときに利用可能でない参照信号についてみなされ、前記測定結果を生成することは、前記利用可能でない参照信号にも基づき、前記利用可能でない参照信号は、該電力関連測定を実行している間の前記測定期間中に利用可能でない参照信号であり、
オプションとして、前記利用可能でない参照信号についてみなされる特定の電力は、ゼロ電力、正の低電力、及び負の低電力のうちの1つである、
請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記受信機は、動作中、前記ユーザ機器から、前記ユーザ機器のハンドオーバ中に前記ユーザ機器が経験した無線リンク障害に関する無線リンク障害情報であって、前記測定正確度パラメータを含む無線リンク障害情報を受信し、
オプションとして、前記処理回路は、動作中、受信された前記無線リンク障害情報に基づいて、前記測定結果の報告を開始するためのentering条件と、前記測定結果の報告を停止するためのleaving条件と、前記entering条件又は前記leaving条件が満たされなければならない時間条件と、のうちの少なくとも1つを含む、前記ユーザ機器から前記基地局への前記測定結果の報告を制御するための測定設定情報の適応されたパラメータを決定する、
請求項12又は13に記載の基地局。
【請求項15】
ユーザ機器が、複数の参照信号を受信するステップと、
前記ユーザ機器が、前記複数の参照信号に対して電力関連測定を実行するステップと、
前記ユーザ機器が、前記電力関連測定のために前記複数の参照信号の間で前記複数の参照信号の利用可能性を判定するステップと、
前記ユーザ機器が、実行された前記電力関連測定に基づいて、判定された前記複数の参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成するステップと、
を含み、
前記複数の参照信号の利用可能性を判定するとき、測定される前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、測定される前記複数の参照信号が受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間を判別し、
前記測定結果を生成するとき、判別された前記チャネル占有時間に基づいて、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定し、
前記測定結果を生成するとき、前記測定結果の一部として、決定された該測定正確度パラメータを含める、
方法。
【請求項16】
基地局が、前記基地局によって制御される無線セルにおいて、複数の参照信号を送信するステップと、
前記基地局が、ユーザ機器から、前記ユーザ機器によって前記複数の参照信号に対して実行された電力関連測定に基づく測定結果を受信するステップであって、前記測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含み、前記測定結果は、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを含む、ステップと、
前記基地局が、受信された前記測定結果の前記測定値及び前記測定正確度パラメータに基づいて、前記無線セルから別の無線セルに前記ユーザ機器をハンドオーバするかどうかを決定するステップと、
を含み、
前記測定正確度パラメータは、前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、前記複数の参照信号が前記ユーザ機器によって受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間に基づくものである、
方法。
【請求項17】
ユーザ機器の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、動作中、
複数の参照信号を受信する処理と、
前記複数の参照信号に対して電力関連測定を実行する処理と、
前記電力関連測定のために前記複数の参照信号の間で前記複数の参照信号の利用可能性を判定する処理と、
実行された前記電力関連測定に基づいて、判定された前記複数の参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する処理と、
を含み、
前記複数の参照信号の利用可能性を判定するとき、測定される前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、測定される前記複数の参照信号が受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間を判別し、
前記測定結果を生成するとき、判別された前記チャネル占有時間に基づいて、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定し、
前記測定結果を生成するとき、前記測定結果の一部として、決定された該測定正確度パラメータを含める、
集積回路。
【請求項18】
基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、動作中、
前記基地局によって制御される無線セルにおいて、複数の参照信号を送信する処理と、
ユーザ機器から、前記ユーザ機器によって前記複数の参照信号に対して実行された電力関連測定に基づく測定結果を受信する処理であって、前記測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含み、前記測定結果は、前記電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを含む、処理と、
受信された前記測定結果の前記測定値及び前記測定正確度パラメータに基づいて、前記無線セルから別の無線セルに前記ユーザ機器をハンドオーバするかどうかを決定する処理と、
を含み、
前記測定正確度パラメータは、前記複数の参照信号のソース以外のソースからの信号が、前記複数の参照信号が前記ユーザ機器によって受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間に基づくものである、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP通信システム等の通信システムにおける方法、デバイス、及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G)とも称される次世代セルラー技術についての技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも、高度モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、全ての利用シナリオ、要件、及び配置シナリオに対処する単一の技術的枠組みを提供することである(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTR 38.913 バージョン15.0.0の第6節を参照されたい)。例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、及び高速が含まれ得る。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、診断、及び治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれ得る。mMTCの配置シナリオには、スマートウェアラブルやセンサネットワーク等、遅延の影響が小さいデータ伝送による多数の装置を使用するシナリオが含まれ得る。eMBBサービス及びURLLCサービスは、両方とも非常に広い帯域幅を要求するという点で類似しているが、URLLCサービスが好ましくは超低遅延を必要とし得るという点で異なる。
【0004】
第2の目的は、前方互換性を達成することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A)セルラーシステムに対する後方互換性は必要とされず、これは、完全に新しいシステム設計及び/又は新しい特徴の導入を容易にする。
【発明の概要】
【0005】
非限定的且つ例示的な実施形態は、電力関連測定を実行するための改良された手順を提供することを容易にする。
【0006】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、複数の参照信号を受信する受信機を備えるユーザ機器を特徴とする。ユーザ機器の処理回路は、複数の参照信号に対して電力関連測定を実行する。処理回路は、電力関連測定のために複数の参照信号の間で参照信号の利用可能性を判定する。処理回路は、実行された電力関連測定に基づいて、判定された参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する。
【0007】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、基地局であって、基地局によって制御される無線セルにおいて、複数の参照信号を送信する送信機を備える基地局を特徴とする。基地局の受信機は、ユーザ機器から、ユーザ機器によって複数の参照信号に対して実行された電力関連測定に基づく測定結果を受信する。測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含み、測定結果は、電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを含む。基地局の処理回路は、受信された測定結果の測定値及び測定正確度パラメータに基づいて、無線セルから別の無線セルにユーザ機器をハンドオーバするかどうかを決定する。
【0008】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、ユーザ機器によって実行される次のステップを含む方法を特徴とする。ユーザ機器は、複数の参照信号を受信し、複数の参照信号に対して電力関連測定を実行する。ユーザ機器は、電力関連測定のために複数の参照信号の間で参照信号の利用可能性を判定する。ユーザ機器は、実行された電力関連測定に基づいて、判定された参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する。
【0009】
なお、一般的な実施形態又は特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、又はこれらの任意の選択的な組み合わせとして、実現可能であることに留意されたい。
【0010】
開示されている実施形態及び様々な実施態様の更なる恩恵及び利点は、本明細書及び図面から明らかになるであろう。これらの恩恵及び/又は利点は、本明細書及び図面の様々な実施形態及び特徴によって個別に得ることができる。ただし、このような恩恵及び/又は利点のうちの1つ以上を得るために、これらの特徴全てを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下において、例示的な実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
図1】3GPP NRシステムについての例示的なアーキテクチャを示す図。
図2】LTE eNB、gNB、及びUEについての例示的なユーザ及び制御プレーンアーキテクチャを示す図。
図3】5G NRシステムにおいて使用される測定結果のL1フィルタリング及びL3フィルタリングを含むRRM測定モデルを示す図。
図4】いくつかのライセンスセル及びアンライセンスセルを伴う例示的なLAAシナリオを示す図。
図5】LAA送信についての送信挙動を示す図。
図6】UE測定についての測定期間中の参照信号の有無を示す図。
図7】UE測定についての測定期間中の参照信号の有無を示す図。
図8】UE測定についての測定期間中の参照信号の有無を示す図。
図9】UE及びgNBの例示的な簡略化された構成を示す図。
図10】例示的な実施態様に従ったUEの構成を示す図。
図11】例示的な実施態様に従ったUEの挙動についてのフロー図。
図12】UE測定の測定期間内の参照信号と、第1の測定手順オプションに従った測定結果と、を示す図。
図13】UE測定の測定期間内の参照信号と、第2の測定手順オプションに従った測定結果と、を示す図。
図14】UE測定の測定期間内の参照信号と、第3の測定手順オプションに従った測定結果と、を示す図。
図15】更なる例示的な実施態様に従った、測定報告も含む、UEの挙動についてのフロー図。
図16】例示的な実施態様に従ったgNBの挙動についてのフロー図。
図17】遅過ぎるハンドオーバシナリオを含む、ハンドオーバプロセス中の無線リンク障害シナリオを示す図。
図18】早過ぎるハンドオーバシナリオを含む、ハンドオーバプロセス中の図17とは異なる無線リンク障害シナリオを示す図。
図19】誤ったセルへのハンドオーバシナリオを含む、ハンドオーバプロセス中の図17及び図18とは異なる無線リンク障害シナリオを示す図。
図20】遅過ぎるハンドオーバシナリオに関連する、UE、ソ-スeNB、及びタ-ゲットeNBの間のシグナリング交換を示す図。
図21】更なる例示的な実施態様に従った、測定報告、並びに、UEにおけるハンドオーバ及び無線リンク障害処理も含む、UEの挙動についてのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(5G NRシステムアーキテクチャ及びプロトコルスタック)
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む、単に5Gと称される第5世代セルラー技術についての次のリリースに取り組んでいる。3GPPは、緊急の市場ニーズ及びより長期的な要件の両方を適時に満たすNRシステムを成功裏に標準化するために必要な技術要素を特定して開発しなければならない。これを達成するために、無線インタフェース及び無線ネットワークアーキテクチャの発展が、検討項目「New Radio Access Technology」において考慮されている。結果及び合意事項は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる技術報告書TR38.804 v14.0.0に収集されている。
【0013】
とりわけ、システムアーキテクチャ全体は、gNBを含むNG-RAN(次世代-無線アクセスネットワーク)を想定しており、これは、UEに向かうNG-無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコル終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、次世代(NG)インタフェースによって、NGC(次世代コア)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによって、AMF(アクセス及びモビリティ管理機能)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによって、UPF(ユーザプレーン機能)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、図1に示されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4節を参照されたい)。
【0014】
様々な異なる配置シナリオがサポートされ得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TR38.801 v14.0.0を参照されたい)。例えば、非集中配置シナリオ(例えば、TR38.801の第5.2節を参照されたい;集中配置は第5.4節に示されている)がそこに提示されており、非集中配置シナリオでは、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。図2は、例示的な非集中配置シナリオを示しており(例えば、TR38.801の図5.2.-1を参照されたい)、gNB及びLTE eNBの両方に接続されるユーザ機器(UE)とLTE eNBとを追加的に示している。NR 5Gのための新しいeNBは、gNBと例示的に称されることがある。LTE eNBは、EPC(発展型パケットコア)及びNGC(次世代コア)に対する接続をサポートする、eNBの発展形である。
【0015】
NRについてのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4.4.1節を参照されたい)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル、TS38.300の第6.4節を参照されたい)、RLC(無線リンク制御、TS38.300の第6.3節を参照されたい)及びMAC(媒体アクセス制御、TS38.300の第6.2節を参照されたい)サブレイヤを含み、これらは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。更に、新しいアクセス層(AS)サブレイヤ(SDAP(サービスデータ適応プロトコル))が、PDCPの上位に導入される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 バージョン15.2.0の第6.5節を参照されたい)。制御プレーンプロトコルスタックも、NRについて定義されている(例えば、TS38.300、第4.4.2節を参照されたい)。レイヤ2機能の概要は、TS38.300の第6節において与えられている。PDCP、RLC及びMACサブレイヤの機能は、TS38.300の第6.4節、第6.3節、及び第6.2節においてそれぞれ挙げられている。RRCレイヤの機能は、TS38.300の第7節において挙げられている。TS38.300の上記の節は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
NRについてのユースケース/配置シナリオは、高度モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含むことができ、これらは、データレート、遅延、及びカバレッジに関して多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供されるものの3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)及びユーザ側で実感されるデータレートをサポートすることが期待される。一方、URLLCの場合、超低遅延(ユーザプレーン遅延についてUL及びDLでそれぞれ0.5ms)及び高信頼性(1ms以内で1-10-5)というより厳しい要件が課される。最後に、mMTCは、好ましくは、高接続密度(都市環境では1kmあたり1000000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、及び低コストデバイスのための極めて長寿命(15年)のバッテリを必要とし得る。
【0017】
したがって、1つのユースケースに適したOFDMニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル期間、サイクリックプレフィックス(CP)期間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、別のユースケースではうまく機能しない可能性がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル期間(したがって、大きなサブキャリア間隔)及び/又は少ないスケジューリング間隔あたりのシンボル(TTIとしても知られている)を必要とし得る。更に、大きなチャネル遅延拡散を伴う配置シナリオは、好ましくは、短い遅延拡散を伴うシナリオよりも長いCP期間を必要とし得る。同様のCPオーバーヘッドを保つために、サブキャリア間隔は、それに応じて最適化されるべきである。NRは、サブキャリア間隔の複数の値をサポートすることができる。これに対応して、15kHz、30kHz、60kHz、...というサブキャリア間隔が現在検討されている。シンボル期間Tuとサブキャリア間隔Δfとは、Δf=1/Tuという式を通じて直接的に関連している。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」は、1OFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対して1サブキャリアで構成される最小のリソース単位を表すために使用され得る。
【0018】
新しい無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジー及びキャリアについて、サブキャリアとOFDMシンボルとからなるリソースグリッドが、アップリンク及びダウンリンクに対してそれぞれ定義される。リソースグリッドにおける各エレメントは、リソースエレメントと称され、周波数領域における周波数インデックス及び時間領域におけるシンボル位置に基づいて特定される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.2.0を参照されたい)。
【0019】
(同期信号ブロック測定タイミング設定(SMTC)-PSS/SSS,PBCH)
NRは、いわゆる同期信号ブロック(SSブロック(SSB))を導入しており、SSBは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理報知チャネル(PBCH)を含む。PSS及びSSSは、ネットワークを発見し、ネットワークに同期し、ネットワークを識別するために、UEによって使用され得る。PBCHは、残りのブロードキャストシステム情報が送信される指示を含む最小限のシステム情報を運ぶ。
【0020】
LTEでも、これら3つの信号PSS、SSS、及びPBCHが使用されたが、1つのSSBの一部としてではない。NRでは、SSBのこれら3つの構成要素が常に一緒に送信され、例えば、これらは同じ周期を有する。所与のSSBは、SSバーストセット内で繰り返されてもよく、SSバーストセットは、gNBビームスウィーピング送信に使用できる可能性がある。SSバーストセットは、特定の期間(5msのウィンドウ等)に制限されてもよい。初期セル選択では、UEは、20msという、SSバーストセットのデフォルト周期を想定することができる。
【0021】
5G NRのPSSは、無線フレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、m系列の一種である。5G NRのSSSは、サブフレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、これもまたm系列である(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTS38.211 v15.2.0 第7.4.2節を参照されたい)。
【0022】
(参照信号)
LTEと同様に、いくつかの異なるタイプの参照信号(RS)が、5G NRにおいて使用される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.3.0 第7.4.1節を参照されたい)。5G NRでは、少なくとも以下の参照信号が使用可能である。
・チャネル状態情報取得及びビーム管理に使用可能なCSI-RS(チャネル状態情報参照信号)
・PDSCH復調に使用可能なPDSCH DMRS(復調用参照信号)
・PDCCH復調に使用可能なPDCCH DMRS(復調用参照信号)
・PBCH復調に使用可能なPBCH DMRS(復調用参照信号)
・PDSCHの位相トラッキングに使用可能なPTRS(位相トラッキング用参照信号)
・時間トラッキングに使用可能なトラッキング用参照信号
【0023】
更に、PBCH DMRSは、SSB参照信号の一部であると例示的にみなすことができる(3GPP TS38.215 v15.3.0 第5.1.1節「SS reference signal received power (SS-RSRP)」を参照されたい)。
【0024】
5G NR通信システムにおける参照信号とLTEにおける参照信号との主な違いは、5G NRでは、セル固有参照信号が存在しないこと、時間/位相トラッキングのために新しい参照信号PTRSが導入されていること、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルの両方のためにDMRSが導入されていること、及び、NRでは、参照信号が必要なときにだけ送信されること、である。
【0025】
DLのみの信号として、UEが受信するCSI-RSは、チャネルを推定し、チャネル品質情報をgNBに報告するために使用される。MIMO動作中、NRは、キャリア周波数に基づいて異なるアンテナ手法を用いることができる。低周波数では、システムは、MU-MIMOにそれほど多くない数のアクティブアンテナを使用し、FDD動作を追加する。この場合、UEは、CSI-RSを使用して、CSIを計算し、UL方向においてCSIを報告することができる。CSI-RSは、以下に従って更に特徴付けられ得る。
・これは、DL CSI取得に使用される。
・モビリティ及びビーム管理中のRSRP測定に使用される。
・周波数/時間トラッキング、復調、及びULレシプロシティベースプリコーディングにも使用される。
・CSI-RSは、UEに固有に設定されるが、複数のユーザは、同じリソースを共有することもできる。
・5G NR標準規格は、CSI-RS設定における高レベルのフレキシビリティを可能にし、リソースは、最大32ポートに対して設定できる。
・CSI-RSリソースは、スロットの任意のOFDMシンボルから始まることができ、通常は、設定されたポート数に応じて1/2/4OFDMシンボルを占有する。
・CSI-RSは、周期的であることもあるし、セミパーシステントであることもあるし、又は非周期的であることもある(DCIトリガに起因する)。
・時間/周波数トラッキングの場合、CSI-RSは、周期的又は非周期的のいずれかであり得る。これは、1スロット又は2スロットにわたって広がる2シンボル又は4シンボルのバーストにおいて送信される。
【0026】
(5G NRにおけるUE測定)
NRデバイスは、複数の異なる測定を実行するよう構成されてよく、場合によっては、その後に、これに対応してその結果をネットワークに報告する。
【0027】
簡単に説明すると、測定の基本的な概要を提供するために、UE(NRデバイス)は、参照信号(CSI-RS、SSブロック等)に基づいて測定を実行することができ、そこから測定結果を得る。測定結果は、UEによって内部的に使用されることもあるし、又は、対応する測定報告において一部の又は全ての測定結果を受信した後に、モビリティ制御のために基地局等の他のエンティティによって使用されることもある。
【0028】
例示的な詳細な実施態様が以下において提示される。
測定は、接続モードモビリティのためにUEによって実行されてよく、以下のように、少なくとも3つの測定タイプに分類されてよい。
・同一周波数内(intra-frequency)NR測定
・異周波数間(inter-frequency)NR測定
・E-UTRAについての異RAT間(inter-RAT)測定
【0029】
概して、測定は、例えば、1つ以上の測定対象を定義することによって設定されてよい。測定対象は、例えば、モニタされるキャリア周波数を定義する。そして、各測定対象について、イベントトリガ型報告、周期的報告、及びイベントトリガ型周期的報告等の報告基準を含む、1つ以上の報告設定を定義することができる(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.3.1 第9.1節を参照されたい)。
【0030】
報告設定は、例えば、チャネル状態情報(CSI)と総称される、チャネル品質指標(CQI)、ランク指標(RI)、プリコーダ行列指標(PMI)の様々な組み合わせといった、数量又は数量の集合を示す。更に、報告設定は、より形式的には参照信号受信電力(RSRP)と称される受信信号強度の報告を示すことができる。RSRPは、歴史的には、上位レイヤ無線リソース管理(RRM)の一部として測定及び報告するための重要な数量であり、5G NRでも重要な数量である。NRは、例えば、ビーム管理に対するサポートの一部として、RSRPのレイヤ1報告をサポートし、それによって、ビーム品質を導出する。報告されるものは、より具体的には、L1-RSRPと称されることがあり、これは、報告には上位レイヤRSRP報告に適用されるより長期的な(「レイヤ3」)フィルタリングが含まれないことを反映している。RRCレベルでのL3フィルタリングは、複数のビームからセル品質を導出することができ、したがって、L1フィルタからの現在の入力とともにL3フィルタからの以前の出力も考慮することによって、急な変化を緩和することができる。
【0031】
測定が実行される必要があるダウンリンクリソースのセットも設定される。したがって、例えば、ビーム管理についてのL1-RSRPは、SS(同期信号)ブロックのセット又はCSI-RSのセットのいずれかに関する測定に基づくことができる。
【0032】
また、デバイスが、ネットワークへの対応する報告なしに測定を実行する状況も存在する。1つのそのような例示的な状況は、UEが、受信機側ダウンリンクビームフォーミングのために測定を実行する場合である。UEは、測定結果を内部的に使用して、適切な受信機ビームを選択する。ネットワークは、それに応じて、例えば、測定する参照信号を指定するが、報告が必要でないことを指示することによって、UEを設定することができる。
【0033】
UEは、セルの複数のビーム(少なくとも1つ)を測定することができ、測定結果(例えば、電力値)が、セル品質を導出するために平均化される。そうする際、UEは、検出されたビームのサブセットを考慮するよう構成され得る。フィルタリングは、次の2つの異なるレベルで行われる、すなわち、物理レイヤ(レイヤ1)において、ビーム品質を導出するために行われ、次いで、RRCレイヤ(レイヤ3)において、複数のビームからセル品質を導出するために行われる。ビーム測定からのセル品質は、サービングセル及び非サービングセルについて同様に導出される。例示的な高レベル測定モデルが、図3に示されている(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.3.1 第9.2.4節を参照されたい)。
-A:物理レイヤ内部での測定値(ビーム固有サンプル)
-レイヤ1フィルタリング:ポイントAにおいて測定された入力の内部的レイヤ1フィルタリング。正確なフィルタリングは実装依存である。3GPP標準規格によって制約されない実装(入力A及びレイヤ1フィルタリング)によって、物理レイヤ内で測定が実際にどのように実行されるか。
-A:レイヤ1フィルタリング後にレイヤ1によってレイヤ3に報告される測定値(すなわち、ビーム固有測定値)。
-ビーム統合/選択:ビーム固有測定値を統合してセル品質を導出する。ビーム統合/選択の動作は標準化され、このモジュールの設定はRRCシグナリングによって提供される。Bにおける報告期間は、Aにおける1つの測定期間に等しい。
-B:ビーム統合/選択の後にレイヤ3に報告される、ビーム固有測定値から導出された測定値(すなわち、セル品質)。
-セル品質についてのレイヤ3フィルタリング:ポイントBにおいて提供された測定値に対して実行されるフィルタリング。レイヤ3フィルタの動作は標準化され、レイヤ3フィルタの設定はRRCシグナリングによって提供される。Cにおけるフィルタリング報告期間は、Bにおける1つの測定期間に等しい。
-C:レイヤ3フィルタにおける処理の後の測定値。報告レート(reporting rate)は、ポイントBにおける報告レートと同一である。この測定値は、報告基準の1回以上の評価のための入力として用いられる。
-報告基準の評価:実際の測定報告がポイントDにおいて必要であるかどうかをチェックする。この評価は、例えば、異なる測定間で比較するために、基準ポイントCにおける複数の測定フローに基づくことができる。これが入力C及びCによって示されている。UEは、少なくとも、新たな測定結果がポイントC、Cにおいて報告されるたびに、報告基準を評価する必要がある。報告基準は標準化され、その設定はRRCシグナリングによって提供される(UE測定)。
-D:無線インタフェースで送信される測定報告情報(メッセージ)。
-L3ビームフィルタリング:ポイントAにおいて提供された測定値(すなわち、ビーム固有測定値)に対して実行されるフィルタリング。ビームフィルタの動作は標準化され、ビームフィルタの設定はRRCシグナリングによって提供される。Eにおけるフィルタリング報告期間は、Aにおける1つの測定期間に等しい。
-E:ビームフィルタにおける処理の後の測定値(すなわち、ビーム固有測定値)。報告レートは、ポイントAにおける報告レートと同一である。この測定値は、報告されるX個の測定値を選択するための入力として用いられる。
-ビーム報告のためのビーム選択:ポイントEにおいて提供された測定値からX個の測定値を選択する。ビーム選択の動作は標準化され、このモジュールの設定はRRCシグナリングによって提供される。
-F:無線インタフェースでの(無線インタフェースで送信される)測定報告に含められるビーム測定情報。
【0034】
レイヤ1フィルタリングは、あるレベルの測定平均化をもたらす。UEが要求された測定をいつどのように正確に実行するかは、Bにおける出力が3GPP TS38.133において設定されている性能要件を満たす点に特有の実装である。セル品質及び使用される関連パラメータについてのレイヤ3フィルタリングは、3GPP TS38.331において規定されており、BとCとの間のサンプル利用可能性においていかなる遅延ももたらさない。ポイントC、Cにおける測定値は、イベント評価において用いられる入力である。L3ビームフィルタリング及び使用される関連パラメータは、3GPP TS38.331において規定されており、EとFとの間のサンプル利用可能性においていかなる遅延ももたらさない。
【0035】
測定報告は、以下のうちの1つ以上によって例示的に特徴付けられる。
-測定報告は、報告をトリガした関連する測定設定の測定識別情報を含む。
-測定報告に含められるセル及びビーム測定数量は、ネットワークによって設定される。
-報告される非サービングセルの数は、ネットワークによる設定を通じて制限され得る。
-ネットワークによって設定されたブラックリストに属するセルは、イベント評価及び報告において用いられず、逆に、ホワイトリストがネットワークによって設定されている場合、ホワイトリストに属するセルのみが、イベント評価及び報告において用いられる。
-測定報告に含められるビーム測定値は、ネットワークによって設定される(ビーム識別子のみ、測定結果及びビーム識別子、又は、ビーム報告なし)。
【0036】
同一周波数内隣接(セル)測定及び異周波数間隣接(セル)測定は、以下のように例示的に定義される。
-SSBベースの同一周波数内測定:サービングセルのSSBの中心周波数と隣接セルのSSBの中心周波数とが同じであり、且つ、これら2つのSSBのサブキャリア間隔も同じである場合、測定は、SSBベースの同一周波数内測定として定義される。
-SSBベースの異周波数間測定:サービングセルのSSBの中心周波数と隣接セルのSSBの中心周波数とが異なる、又は、これら2つのSSBのサブキャリア間隔が異なる場合、測定は、SSBベースの異周波数間測定として定義される。
注:SSBベースの測定については、1つの測定対象は1つのSSBに対応し、UEは異なるSSBを異なるセルとみなす。
-CSI-RSベースの同一周波数内測定:測定に対して設定された隣接セルにおけるCSI-RSリソースの帯域幅が、測定に対して設定されたサービングセルにおけるCSI-RSリソースの帯域幅内にあり、且つ、これら2つのCSI-RSリソースのサブキャリア間隔が同じである場合、測定は、CSI-RSベースの同一周波数内測定として定義される。
-CSI-RSベースの異周波数間測定:測定に対して設定された隣接セルにおけるCSI-RSリソースの帯域幅が、測定に対して設定されたサービングセルにおけるCSI-RSリソースの帯域幅内にない、又は、これら2つのCSI-RSリソースのサブキャリア間隔が異なる場合、測定は、CSI-RSベースの異周波数間測定として定義される。
【0037】
測定が非ギャップ支援型であるか又はギャップ支援型であるかは、UEの能力、UEのアクティブなBWP、及び現在の動作周波数に依存する。非ギャップ支援型シナリオでは、UEは、測定ギャップなしでそのような測定を実行することができる。ギャップ支援型シナリオでは、UEは、測定ギャップなしでそのような測定を実行することができると想定することができない。
【0038】
測定報告は、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331 v15.3.0の第5.5.3節において規定されている。ネットワークは、セルごとにRSRP、RSRQ、及びSINRの測定結果を導出するようにUEを設定することができる。異なるトリガイベント(以下の概要を参照されたい)を含む測定報告トリガは、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331 v15.3.0の第5.5.4節において定義されている。測定報告に関する詳細は、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331 v15.3.0の第5.5.5節において提供されている。
【0039】
異なるイベントA1~A6、B1、及びB2が定義され、これらは、それぞれ、Leaving条件及びEntering条件を含み、time-to-trigger条件に関連付けられる。これは、UEが、UE自身で測定し、イベントについて定義されている基準に従って結果を報告することを可能にする。概要が、以下において提供される。
・イベントA1(サービングセルが閾値よりも良くなる)
・Inequality A1-1(Entering条件):Ms-Hys>Thresh
・Inequality A1-2(Leaving条件):Ms+Hys<Thresh
・イベントA2(サービングセルが閾値よりも悪くなる)
・Inequality A2-1(Entering条件):Ms+Hys<Thresh
・Inequality A2-2(Leaving条件):Ms-Hys>Thresh
・イベントA3(隣接セルがSpCellよりも良いオフセットになる)
・Inequality A3-1(Entering条件):Mn+Ofn+Ocn-Hys>Mp+Ofp+Ocp+Off
・Inequality A3-2(Leaving条件):Mn+Ofn+Ocn+Hys<Mp+Ofp+Ocp+Off
・イベントA4(隣接セルが閾値よりも良くなる)
・Inequality A4-1(Entering条件):Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh
・Inequality A4-2(Leaving条件):Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh
・イベントA5(SpCellが閾値1よりも悪くなり、隣接セル/SCellが閾値2よりも良くなる)
・Inequality A5-1(Entering条件1):Mp+Hys<Thresh1
・Inequality A5-2(Entering条件2):Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh2
・Inequality A5-3(Leaving条件1):Mp-Hys>Thresh1
・Inequality A5-4(Leaving条件2):Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh2
・イベントA6(隣接セルがSCellよりも良いオフセットになる)
・Inequality A6-1(Entering条件):Mn+Ocn-Hys>Ms+Ocs+Off
・Inequality A6-2(Leaving条件):Mn+Ocn+Hys<Ms+Ocs+Off
・イベントB1(異RAT間隣接セルが閾値よりも良くなる)
・Inequality B1-1(Entering条件):Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh
・Inequality B1-2(Leaving条件):Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh
・イベントB2(PCellが閾値1よりも悪くなり、異RAT間隣接セルが閾値2よりも良くなる)
・Inequality B2-1(Entering条件1):Mp+Hys<Thresh1
・Inequality B2-2(Entering条件2):Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh2
・Inequality B2-3(Leaving条件1):Mp-Hys>Thresh1
・Inequality B2-4(Leaving条件2):Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh2
【0040】
上記に示されているパラメータは、概して、以下の通りである。
・Msは、いかなるオフセットも考慮しない、サービングセルの測定結果である。
・Mnは、いかなるオフセットも考慮しない、隣接セルの測定結果である。
・Ofnは、隣接セルの参照信号の測定対象固有オフセット(すなわち、隣接セルに対応するmeasObjectNR内で定義されているoffsetMO)である。
・Ocnは、隣接セルのセル固有オフセット(すなわち、隣接セルの周波数に対応するmeasObjectNR内で定義されているcellIndividualOffset)であり、隣接セルに対して設定されていない場合にはゼロに設定される。
・Mpは、いかなるオフセットも考慮しない、SpCellの測定結果である。
・Ofpは、SpCellの測定対象固有オフセット(すなわち、SpCellに対応するmeasObjectNR内で定義されているoffsetMO)である。
・Ocpは、SpCellのセル固有オフセット(すなわち、SpCellに対応するmeasObjectNR内で定義されているcellIndividualOffset)であり、SpCellに対して設定されていない場合にはゼロに設定される。
・Offは、このイベントについてのオフセットパラメータ(すなわち、このイベントについてのreportConfigNR内で定義されているa3-Offset)である。
・Hysは、このイベントについてのヒステリシスパラメータ(すなわち、このイベントについてのreportConfigNR内で定義されているhysteresis)である。
・Threshは、このイベントについての閾値パラメータ(すなわち、このイベントについてのreportConfigNR内で定義されているa1-Threshold)である。
・Thresh1は、このイベントについての閾値パラメータ(すなわち、このイベントについてのreportConfigNR内で定義されているa5-Threshold1)である。
・Thresh2は、このイベントについての閾値パラメータ(すなわち、このイベントについてのreportConfigNR内で定義されているa5-Threshold2)である。
・Mn、Mp、Msは、RSRPの場合にはdBmで表され、RSRQ及びRS-SINRの場合にはdBで表される。
・Ofn、Ocn、Ofp、Ocp、Hys、Offは、dBで表される。
【0041】
少なくとも以下のメカニズムは、UEによって得られた測定結果に基づく。
・(測定報告を介して受信された)測定結果に基づく、gNBによるハンドオーバ決定
・測定報告のトリガ
・無線リンク障害指示
【0042】
(NRアンライセンス)
LTEをアンライセンス帯域に拡張する理由は、ライセンス帯域の量が限られていることに加えて、無線ブロードバンドデータの需要がますます増しているためである。したがって、アンライセンス周波数帯は、セルラーオペレータが自身のサービス提供を拡大するための補助的なツールとみなす傾向が強まっている。Wi-Fi(登録商標)等の他の無線アクセス技術(RAT)に依拠することと比較した、アンライセンス帯域におけるLTEの利点は、アンライセンス周波数帯へのアクセスを伴うLTEプラットフォームを補足することによって、オペレータ及びベンダが、無線・コアネットワークにおけるLTE/EPCハードウェアの既存の投資又は今後の投資を活用できることである。
【0043】
しかしながら、アンライセンス周波数帯へのアクセスは、必然的にアンライセンス周波数帯においてWi-Fi(登録商標)等の他の無線アクセス技術(RAT)と共存することになるため、ライセンス周波数帯へのアクセスの品質には絶対に匹敵し得ないことを考慮しなければならない。したがって、アンライセンス帯域でのLTEの運用は、少なくとも最初は、アンライセンス周波数帯でのスタンドアロン運用としてではなく、ライセンス周波数帯でのLTEの補足とみなされていた。この想定に基づき、3GPPは、少なくとも1つのライセンス帯域と併用してアンライセンス帯域でLTEを運用することに対して、ライセンス補助アクセス(LAA)という用語を確立した。ただし、将来におけるアンライセンス周波数帯でのLTEのスタンドアロン運用(すなわち、ライセンスセルによって補助されない)が排除されるものではなく、現在では、5G NRにおいて、そのようなスタンドアロンアンライセンス運用が予測されている。
【0044】
3GPPにおいて現在意図されている一般的なLAA手法は、すでに策定されているリリース12のキャリアアグリゲーション(CA)のフレームワークを最大限に利用することであり、ここで、CAのフレームワークの構成は、前述したように、いわゆるプライマリセル(PCell)キャリアと1つ以上のセカンダリセル(SCell)キャリアとを含む。CAは、一般的に、セルの自己スケジューリング(スケジューリング情報とユーザデータとが同じコンポーネントキャリアで送信される)、および、セル間のクロスキャリアスケジューリング(PDCCH/EPDCCHに関するスケジューリング情報とPDSCH/PUSCHに関するユーザデータとが異なるコンポーネントキャリアで送信される)の両方をサポートする。
【0045】
アンライセンス帯域の使用も、新しい5G-NR開発における1つの課題になるであろう。ベースラインとしてNRライセンス設計を使用することができ、以下のような展開シナリオを考慮することができる。
・LTE LAAに類似する、NRライセンスセル(例えばPCell)とNRアンライセンスセル(例えばSCell)との間のキャリアアグリゲーション
・(LTE及びNRとの)デュアルコネクティビティ;ENU-DCでは、マスタeNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する;NNU-DCでは、マスタNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する
・スタンドアロン(SA):NR-U SAでは、スタンドアロンNR PCellがアンライセンス周波数帯で動作する
・ダウンリンクがアンライセンス帯域であり、アップリンクがライセンス帯域であるNR無線セル
【0046】
NRでは、アンライセンスキャリアに対してリッスンビフォアトーク(LBT)が実行される。特に、送信側エンティティがLBTを実行し、空きチャネル判定(CCA)に成功した後にのみチャネル占有が許可される。
【0047】
図4は、非常に単純なシナリオを示しており、ライセンスPCellと、ライセンスSCell 1と、様々なアンライセンスSCell 2、3、及び4(スモールセルとして例示的に描かれている)と、が存在する。アンライセンスSCell 2、3、及び4の送信/受信ネットワークノードは、eNBによって管理されるリモート無線ヘッドであってもよいし、又は、ネットワークにアタッチされるがeNBによって管理されないノードであってもよい。簡潔にするため、これらのノードからeNB又はネットワークへの接続は、この図において明示的には示されていない。更に、アンライセンス無線セル5は、アンライセンス周波数帯で動作するNR PCellのスタンドアロンシナリオを示している。
【0048】
最も重要な課題のうちの1つは、これらのアンライセンス帯域で動作するWi-Fi(登録商標)(IEEE802.11)等の他のシステムとの共存である。LTE、5G NR、及び、Wi-Fi(登録商標)等の他の技術との間の公正な共存をサポートするとともに、同じアンライセンス帯域における複数の異なるオペレータ間の公正性を保証する目的で、アンライセンス帯域におけるチャネルアクセスは、地理的領域及び特定の周波数帯域に応じて部分的に異なる可能性がある特定の規制ルールのセットに従わなければならない(例えば、3GPP技術報告書TR36.889、バージョン13.0.0を参照されたい)。
【0049】
装置がチャネルを使用する前に空きチャネル判定(CCA)チェックを適用するためのメカニズムとして、リッスンビフォアトーク(LBT)手順が定義されている。例示的な一実施態様に従うと、CCAは、少なくともエネルギー検出を利用して、アンライセンスチャネルにおける他の信号の有無を判定し、チャネルが占有されているか又は空いているかを判定する。例えば欧州及び日本の規制は、アンライセンス帯域においてLBTを用いることを要求している。LBTを介したこのキャリア検知は、規制要件とは別に、アンライセンス周波数帯を公正に共有するための1つの方法であり、したがって、1つのグローバルな解決策の枠組みの中でのアンライセンス周波数帯における公正且つフレンドリーな運用のために不可欠な機能であると考えられる。
【0050】
アンライセンス周波数帯では、チャネルの利用可能性を常に保証できるわけではない。加えて、欧州及び日本等の特定の領域は、連続的な送信を禁止しており、アンライセンス周波数帯における送信バーストの最大持続時間に対して制限を課している(最大チャネル占有期間)。したがって、送信の最大持続時間が限られた不連続送信は、LAA及び5G NRについての機能である。
【0051】
CCAにおけるエネルギー検出は、チャネル帯域幅全体(例えば、5GHzのアンライセンス帯域において20MHz)にわたり実行されてよく、このことは、そのチャネル内のLTE OFDMシンボルの全てのサブキャリアの受信電力レベルが、CCAを実行した装置における評価されるエネルギーレベルに寄与することを意味する。
【0052】
更に、装置が、所与のキャリアの利用可能性を再評価すること(すなわちLBT/CCA)なく、そのキャリアでの送信を有する合計時間は、チャネル占有時間(COT:Channel Occupancy Time)と定義されている(例えば、ETSI 301 893、第4.8.3.1節を参照されたい)。チャネル占有時間は、1ms~10msの範囲内であり、最大チャネル占有時間は、欧州において現在定義されているように例えば4msとすることができる。更に、アンライセンスセルにおける送信の後にUEに送信が許可されない最小アイドル時間も存在し、最小アイドル時間は、チャネル占有時間の少なくとも5%である。UEは、アイドル期間が終わる前に、例えば新たなCCAを実行することができる。
【0053】
更に、CCAは、共有COTの一部としての、別のエンティティによって信号を受信した後の特定の期間内(例えば、16マイクロ秒内)では、必要とされないことがある。例えば、共有gNB COT内での、DLからULへの切り替え及びULからDLへの切り替えは、LBTを必要としない。
【0054】
この送信挙動が、図5に概略的に示されている(例えば、ETSI EN 301 893を参照されたい)。
【0055】
結果として、アンライセンス無線セルにおける動作は、いなかる送信機も、上述したように、リッスンビフォアトークを実行することを必要とする。したがって、本発明者によって特定されているように、このLBT要件は、様々なメカニズムに適用される必要があり、ビーム/セルレベルモビリティ及びモビリティ関連測定等についての新たな課題をもたらしている。
【0056】
例えば、アンライセンスチャネルにおいてgNBによって順守されるべきLBT要件は、参照信号の送信に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、gNBがアンライセンス無線チャネルを成功裏に取得できない場合、gNBは、いかなる参照信号も送信することができない。結果として、UEは、測定を実行するためにそのような欠落した参照信号を使用することができず、このことは、(参照信号が少ないことに起因して)それほど正確でない測定結果をもたらす可能性がある。更なる結果として、それほど正確でない測定結果は、例えば、UEに、測定報告手順を誤って制御させる、測定報告を不必要に遅延させる、又は、トリガイベントを誤って評価させる可能性がある。更に、正確でない測定結果を含む測定報告は、gNBによる問題のあるハンドオーバ決定をもたらす可能性があり、したがって、悪いユーザ体験をもたらす可能性がある。
【0057】
図6は、UEによって受信された参照信号に対して測定を実行するための測定時間ウィンドウ中にUEによって受信される参照信号を例示的且つ簡略的に示している。図示されているように、これらの参照信号は、異なる電力で受信される。
【0058】
図7も、測定を実行するための測定時間ウィンドウ中にUEによって受信される参照信号を示しているが、この場合、例えば、LBT要件を順守するためにアンライセンス無線チャネルを成功裏に取得していないことに起因してgNBがいくつかの参照信号を送信できなかったために、それらの参照信号がUEによって受信されないと仮定している。UEは、予想される時間-周波数無線リソースにおいて参照信号(以下において、欠落参照信号と例示的に称される)を復号することができない。
【0059】
それでも、基地局が参照信号をまれにしか送信しない低デューティサイクルモードで基地局が動作しているとき等、参照信号がUEによって受信されない理由については、他の理由もあり得ることに留意されたい。更に、他の参照信号がUEによって実際に(ある程度)受信されるが、電力が非常に低いので、従来技術の解決策では、それらの参照信号は、測定において考慮される適格性がないとみなされる(そのような参照信号は、以下において、不適格な参照信号と例示的に称される)。参照信号電力のこの低下は、例えば、チャネルの一時的なブロック又はフェージングによって引き起こされることがある。このことが、図8に例示的に示されている。
【0060】
しかしながら、いずれにせよ、測定ウィンドウ中に予想される全ての参照信号が、測定のためにUEにとって実際に利用可能であるとは限らない。一般的な従来技術の解決策では、欠落参照信号は、測定において無視され、その結果、測定結果は、利用可能な参照信号のみに基づいて計算される。例えば、従来技術の例は、電力閾値(図6図7、及び図8にも示されている)を提供し、電力閾値を超える電力を有する参照信号のみが、測定結果を得るために使用される。別の言い方をすれば、欠落参照信号は、測定結果の動静に対して特定の影響を及ぼさない。
【0061】
しかしながら、測定ウィンドウ中の全ての可能な参照信号に基づいてUEによって得られた測定結果(図6を参照されたい)は、低減された参照信号のセットに基づいてUEによって得られた測定結果(図7及び図8を参照されたい)よりも正確である(また、信頼性が高い)と考えることができる。それほど正確でない測定結果は、それ自体から、何らかの形で問題がある(すなわち、それほど正確でない/信頼性が高くない)ものとして識別可能ではなく、したがって、UE及びgNBによって、測定結果に基づくそれぞれのメカニズムについて同様に使用される。
【0062】
5G NRアンライセンス周波数帯シナリオに限定されるものではないが、5G NRにおいては、LBT要件を理由として、LTE又はLTE-A等の以前の通信システムよりも頻繁に、欠落参照信号に起因するそれほど正確でない測定結果が生じることが予想され得る。
【0063】
本発明者らは、測定がUEによってどのように実行されるかに関連してこれらの問題を認識し、主にアンライセンス周波数キャリアにおいて測定を実行するときに(ただし、このときに限定されるものではない)、改良された測定手順を規定するニーズを認識した。
【0064】
以下において、このようなニーズを満たすUE、基地局、及び手順が、5G移動通信システムについて想定される新しい無線アクセス技術を対象として説明されるが、これらは、LTE移動通信システムにおいて使用されてもよい。様々な実施態様及び変形例も説明される。以下の開示は、上述した説明及び知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づき得る。
【0065】
概して、本開示の基礎をなす原理を明確且つ理解できるように説明することが可能であるように、本明細書において、多くの仮定がなされていることに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、本開示の範囲を限定すべきではない例示の目的のために本明細書でなされている単なる例として理解されるべきである。当業者は、特許請求の範囲に記載されているような以下の開示の原理が、本明細書において明示的には記載されていない異なるシナリオに、本明細書において明示的には記載されていないやり方で適用されてもよいことを認識するであろう。
【0066】
更に、次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて使用される具体的な用語は、まだ完全に決定されていないとしても、以下において使用されている、手順、エンティティ、レイヤ等の用語の一部は、LTE/LTE-Aシステム又は3GPP 5Gの現在の標準化で使用されている用語に密接に関連している。したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更される可能性がある。結果として、当業者は、実施形態及びその保護範囲が、より新しい用語又は最終的に合意される用語を欠くために、本明細書において例示的に使用されている特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能及び原理の基礎をなす機能及び着想に関してより広く理解されるべきであることを認識するであろう。
【0067】
例えば、移動局又は移動ノード又はユーザ端末又はユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードは、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。ノードは、そのノードを、ノードが通信できる通信設備又は媒体に接続する1つ以上のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティを、他の機能エンティティ又は対応するノードと通信できる通信設備又は媒体に接続する論理インタフェースを有することができる。
【0068】
ここで、用語「基地局」又は「無線基地局」は、通信ネットワーク内の物理エンティティを指す。移動局と同様に、基地局は、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。物理エンティティは、スケジューリング及び設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに対するいくつかの制御タスクを実行する。基地局の機能及び通信デバイスの機能は、単一のデバイス内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末は、他の端末のために基地局の機能も実装することができる。LTEにおいて使用されている用語はeNB(又はeNodeB)であるのに対し、5G NRにおいて現在使用されている用語はgNBである。
【0069】
図9は、ユーザ機器(通信デバイスとも称される)と、(ここでは基地局(例えば、eLTE eNB(あるいは、ng-eNBと称される)又は5G NRにおけるgNB)内に位置すると例示的に想定される)スケジューリングデバイスと、の概括的で簡略化された例示的なブロック図を示している。UE及びeNB/gNBは、それぞれの送受信機を使用して、(無線)物理チャネルを介して互いと通信する。
【0070】
通信デバイスは、送受信機及び処理回路を備えることができる。そして、送受信機は、受信機及び/又は送信機を含むことができる、且つ/又は、受信機及び/又は送信機として機能することができる。処理回路は、1つ以上のプロセッサ又は任意のLSI等の1つ以上のハードウェアであってよい。送受信機と処理回路との間には、入力/出力点(又は入力/出力ノード)が存在し、処理回路は、動作中、入力/出力点(又は入力/出力ノード)を介して、送受信機を制御することができる、すなわち、受信機及び/又は送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機は、送信機及び受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器等を含むRF(無線周波数)フロントエンドを含むことができる。処理回路は、処理回路によって提供されるユーザデータ及び制御データを送信するように、且つ/又は、処理回路によって更に処理されるユーザデータ及び制御データを受信するように送受信機を制御すること等の制御タスクを実施することができる。処理回路はまた、判定、判別、決定、計算、測定等といった他のプロセスを実行することを担うことができる。送信機は、送信するプロセス及び送信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。受信機は、チャネルをモニタすること等、受信するプロセス及び受信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。
【0071】
本ケースにおいて、様々な実施形態及びその変形例の以下の開示から明らかになるように、プロセッサは、したがって、様々な参照信号に対して測定を実行するステップと、参照信号の利用可能性を判定するステップと、対応する測定結果を生成するステップと、を少なくとも部分的に実行するよう例示的に構成されてよい。処理回路はまた、異なる方法で、実行された測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定するステップを少なくとも部分的に実行することができる。処理回路が少なくとも部分的に実行できる更に別のタスクは、測定結果、及び、適用可能である場合には測定正確度パラメータ、を含む測定報告を生成することである。
【0072】
送信機は、例えば測定報告として、測定結果を送信するステップを少なくとも部分的に実行するよう構成されてよい。
【0073】
受信機は、参照信号を受信するステップを少なくとも部分的に実行できるよう構成されてよい。
【0074】
以下において提供される解決策は、アンライセンス運用(例えば、スタンドアロン又はデュアルコネクティビティ)についての5G NR標準化に主に関連して説明される。それでも、上記においてすでに示唆されているように、本着想、アイディア、及び改良は、5G NRアンライセンス標準化に限定されるものではなく、5G NRのライセンス運用にも等しく適用可能であり、LTE(-A)通信システムにおけるアンライセンス運用及び/又はライセンス運用にも等しく適用可能である。また、将来の通信システムは、本出願において開示されている着想から恩恵を得ることができるであろう。
【0075】
以下において、単純化されたNRアンライセンスシナリオが例示的に想定されており、その一例が図4に示されている。図4は、それぞれのgNBによってサービングされる様々なNRアンライセンス無線セルを示している。例えば、UE1は、アンライセンス周波数帯を介してアンライセンス無線セルのgNBと通信する。以下において、UE1又はUE2等のUEによって実行され得る改良された測定手順に関して、様々な解決策が提示される。
【0076】
図10は、提示される解決策に従った、簡略化された例示的なUEの構成を示している。この図に示されているUEの様々な構成要素は、例えば、制御データ及びユーザデータ並びに他の信号を交換するために、例えば、対応する入力/出力ノード(図示せず)を用いて、互いとの間で相互接続され得る。例示のために図示されてはいないが、UEは、更なる構成要素を含んでもよい。
【0077】
この図から明らかなように、UEは、以下において説明される、測定を実行するための改良された手順に関与するために、参照信号受信部、電力関連測定回路、参照信号利用可能性判定回路、及び測定結果生成回路を含むことができる。
【0078】
改良された測定手順のための1つの例示的な手順が、図10及び図11を参照して説明される。図11は、この改良された測定手順に従ったUE挙動についてのシーケンス図である。これらの例示的な図から明らかなように、改良された測定手順は、UEが、測定結果を得るために参照信号に対して測定をどのように実行するかを中心にしており、特に、参照信号の利用可能性を判定することを含む。
【0079】
より詳細には、UEの受信機が、複数の参照信号を受信し、受信された参照信号に対して測定を実行するよう構成されていると仮定する。これらの測定は、例えば、電力関連測定であってよく、それによって、受信された参照信号の電力が決定されて評価される。しかしながら、改良された測定手順に従うと、UEは、電力関連測定のために参照信号の利用可能性(例えば、電力関連測定を実行するために参照信号がどの程度利用可能であるか)を判定する。別の言い方をすれば、(従来技術のシステムにおけるように)測定ウィンドウ中に電力関連測定を実行するために、実際には利用可能でない、参照信号のうちの一部を無視する代わりに、UEは、測定結果を生成する際に、参照信号のこの不存在を積極的に考慮する。参照信号のこの不存在は、以下においてより詳細に説明されるように、測定結果を生成するために異なる形で考慮されてよい。
【0080】
この文脈における利用可能性は、UEによって電力関連測定を実行するために、存在して利用可能であると予想される参照信号が実際には利用可能でないという点で、広義に例示的に理解することができる。例えば、ある参照信号は、例えば、対応する基地局がこの参照信号を送出できなかったために、完全に欠落している場合がある(例えば、このような参照信号は、欠落参照信号と称されてもよい)。基地局が参照信号を送出できなかった1つの理由は、アンライセンス周波数帯に関して順守されるべきLBT要件を理由として(例えば、他の信号がアンライセンスキャリアをブロックしたことに起因して、空きチャネル判定が否定的であった)、基地局がアンライセンス無線チャネルを以前に取得できなかった、ということである。更に、参照信号は、完全には欠落していないかもしれないが、その電力が非常に弱いので、電力関連測定に使用されることにおいて考慮されないため、電力関連測定に利用可能でないとみなされる場合がある(例えば、このような参照信号は、不適格な参照信号と称されてもよい)。
【0081】
測定結果を生成する際に参照信号の利用可能性を考慮することによって、測定結果は、参照信号の利用可能性又は非利用可能性をある程度反映する。換言すれば、改良された測定手順によってこのように生成された測定結果は、参照信号に対する電力関連測定の正確な評価を提供する。利用可能でない参照信号を無視する従来技術の測定手順と比較して、改良された測定手順は、参照信号のより信頼できる正確な評価を提供し、したがって、チャネル品質のより信頼できる正確な尺度を提供する。
【0082】
以下において、判定された参照信号の利用可能性に依存する測定結果を生成するために使用することができ、したがって、従来技術を超える上述した利点を容易にする3つの異なる測定手順が提示される。簡潔に言えば、測定結果は、電力関連測定を実行し、対応する測定結果を生成するために使用された利用可能な参照信号及び/又は利用可能でない参照信号の程度を示す尺度である測定正確度パラメータを直接的に含むことができる。測定正確度パラメータは、例えば、利用可能であったはずの参照信号の総数に対する利用可能な参照信号の数に基づくことができる。あるいは、測定正確度パラメータは、測定されるソース以外の他のソースからの参照信号も、未知のソースからのエネルギーも、電力測定の総期間と比較して観測されない間の期間に基づいてもよい。更なる異なる測定手順に従うと、測定正確度を反映する別個のパラメータを提供する代わりに、利用可能な参照信号及び利用可能でない参照信号は、電力関連測定から導出される最終的に決定される測定電力値に異なる影響を及ぼし、その結果、測定電力値は、測定期間にわたる全ての参照信号の状態をより適切に表す。
【0083】
第1の測定オプションが、図12に関連して以下において説明される。UEは、測定期間中の利用可能でない参照信号の数を判別することによって、参照信号の利用可能性を直接的に判定する。図12から明らかなように、例えば、その期間中に、gNBが、LBT要件に従ってアンライセンスチャネルを取得できなかったために(CCAの失敗)、3つの参照信号が、対応するgNBによって送信されないと仮定され得る。したがって、UEは、その期間中に予想される参照信号(図12において「欠落RS」として示されている)を復号することさえできない。更に、UEによって復号可能であるが、1つの参照信号が電力閾値を下回っており、したがって、(従来技術のシステムと同様に)測定のために考慮することに対して適格でないと判別される、ということも仮定される。結果として、測定期間中の合計で12個の予想される参照信号のうち、UEは、測定のために8個の参照信号送信のみを考慮するのに対し、4個の参照信号は、利用可能でないとUEによって判定される(3個は欠落RS、1個は不適格)。
【0084】
例えば、UEが参照信号を復号できないたびに、又は、復号された参照信号のうちの1つの参照信号が閾値未満であるたびに、UEは、利用可能でない参照信号の数を示す、対応するパラメータNnaを1だけ増加させる。UEはまた、UEが予想した全ての参照信号であって、その測定期間中に理想的には使用された可能性がある全ての参照信号(すなわち、基地局によって送信されるはずであった全ての参照信号)を、Nexpとして追跡する。これに基づいて、UEは、適切なパラメータの形で測定の正確度を決定する。例えば、UEは、対応する尺度として、パラメータNnaとパラメータNexpとの比Rinaccを、Nna/Nexpによって計算する。Rinaccは、測定の不正確度を直接的に反映し、間接的には測定の正確度も反映する。追加的に又は代替的に、UEは、パラメータの比Raccを、(Nexp-Nna)/Nexpによって計算してもよく、それによって、利用可能な参照信号(Nexp-Nna)を、測定ウィンドウ中の予想される参照信号の総数と比較することができる。Raccは、測定の正確度を直接的に反映し、間接的には測定の不正確度も反映する。そのため、図12の現在想定されているシナリオでは、測定正確度パラメータは、1/3(Nna/Nexp)又は2/3((Nexp-Nna)/Nexp)であり得る。
【0085】
この第1の測定オプションに従うと、実際の電力関連測定を通常の方法で実行することができ、これによって、例えば、測定期間中の利用可能な参照信号の平均値を得ることができる。正確な測定アルゴリズムは、依然としてUEの実装に委ねられ得る。例示的には、利用可能でない参照信号を無視することができ、その結果、欠落参照信号及び不適格な参照信号は、電力測定に使用されない。これが、図12における測定結果値Aとして示されている。
【0086】
その結果、UEは、測定結果として、実際の電力値を生成するだけでなく、得られた測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータ(この場合には測定結果値A)も生成する。このように、測定正確度パラメータは、例えば、測定結果の一部とみなすことができる。いずれにせよ、UEによって実行される測定は、測定電力値(例えば、測定期間中の参照信号の電力の平均)に加えて、測定電力値に関連付けられる測定正確度パラメータをもたらす。
【0087】
上記において、電力測定は、低電力(すなわち、電力閾値未満)のために、不適格な参照信号を考慮しないと仮定されていた。これは、従来技術の解決策がどのように機能するかについての現在の理解に従っている。しかしながら、第1の測定オプションの変形例は、これらの不適格な参照信号を異なるように扱う。測定のために不適格な低電力参照信号を無視する代わりに、不適格な低電力参照信号は、測定ウィンドウに関連する測定電力値を得る際に使用されてもよい。これに対応して、以前には不適格であった参照信号は、現在では、測定に利用可能な参照信号とみなされ、利用可能でない参照信号の数を増加させない。図12の現在想定されているシナリオでは、パラメータNnaは、3つのみ、すなわち、UEが復号できなかった欠落参照信号の数に等しい。更なる結果として、測定結果に対して生成される測定正確度パラメータは、Rinacc=3/12=1/4である。
【0088】
第2の測定オプションが、図13に関連して以下において説明される。第2の測定オプションは、利用可能でない参照信号を考慮するための測定正確度パラメータを生成することに基づかないという点で、第1の測定オプションとは異なる。代わりに、第2の測定オプションは、参照信号の利用可能性に応じて測定電力値の生成を行うことに基づく。特に、測定期間にわたる測定電力値を決定するために、UEは、不適格な参照信号だけでなく、電力閾値を下回る参照信号及び欠落参照信号も考慮する。したがって、欠落参照信号のみが、実際の測定中に実際には利用可能でない。なぜならば、この点において、電力値を測定することができないからである。一方で、以前には無視されていた低電力参照信号は、現在では、測定結果のために利用可能であるとみなされる。
【0089】
図13の例示的なシナリオでは(すでに提示されている図12及び第1の測定オプションと同様に)、3つの欠落参照信号と電力閾値を下回る電力を有する1つの復号可能な参照信号とが存在する。UEは、電力閾値を超える参照信号及び電力閾値未満の参照信号に対する測定された電力値を使用して、復号可能な各参照信号に対する受信電力値を決定する。UEが予想される時間-周波数無線リソースにおいて復号できない欠落参照信号であって、電力値を測定できない欠落参照信号については、UEは、例えば、ゼロ電力、又は、正又は負の低電力値等の特定の電力値を使用する。次いで、欠落参照信号(図13のこの例における3つの欠落参照信号)についてみなされる特定の電力値が、測定ウィンドウ全体に対する最終的な測定電力値を得るために使用される。結果として、例えば、それによって得られた平均電力値Aは、例えば、(図12に示されている)第1の測定オプションにおいて行われるように、これらの欠落参照信号及び低電力参照信号を無視する場合よりも著しく低い。この差違は、図12及び図13における示されているA平均電力値から明らかである。このように、測定結果は、利用可能でない参照信号に起因する、それ自体の不正確度及び不信頼度を反映し、したがって、参照信号の、したがって、セル品質の、より正確で信頼できる尺度である。
【0090】
要するに、第2の測定オプションに従うと、欠落参照信号及び低電力参照信号(すなわち、上述した第1の測定オプションでは無視される、電力閾値未満の参照信号)は、測定結果に影響を及ぼし、この場合には平均測定電力値出力Aに直接的に影響を及ぼす。そのため、出力Aは、参照信号の利用可能性に依存する。
【0091】
欠落参照信号が最終的な測定電力値に及ぼす影響は、欠落参照信号の各々についてみなされる電力に対して使用される値に依存する。1つの変形例において、そのような欠落参照信号に割当てられる電力は、例えば、対応する設定メッセージ(例えば、RRCプロトコル又はMAC制御エレメントの設定メッセージ、又は、システム情報ブロードキャストを用いる設定メッセージ)を使用することによって、ネットワークによって制御されてよい。これは、例えば、異なる通信サービスの使用に応じて、若しくは、セル品質に応じて、又は、UE能力に応じて、欠落参照信号による影響の程度を変更することができるという利点を有する。測定結果を得る際に、そのような欠落参照信号にどの電力を割当てるかをUEがどのように認識するかの他の代替例は、3GPP仕様のうちの1つにおいて固定電力値を定義することであってよい。
【0092】
すでに述べているように、予め定義された電力値は、例えば、ゼロ電力、又は、正又は負の低電力であってよい。予め定義された電力値が高いほど(ただし、通常の電力値と同様であると仮定される)、測定結果全体に及ぼす影響は小さくなる。一方、電力に対して負の値を使用すると、測定結果全体に及ぼす影響が大きくなる。
【0093】
更に、完全に予め定義する代わりに、そのような欠落参照信号に割当てられる電力は、例示的に、他の電力測定に依存してもよい。例えば、電力は、直前に受信された参照信号の特定のパーセンテージであってもよいし、又は、欠落参照信号の直前に受信された参照信号及び欠落参照信号の直後に受信された参照信号の平均であってもよい。これによって、UEは、まず、復号された参照信号に対して測定を実行し、次いで、欠落参照信号に割当てる電力値を定義することができる。
【0094】
更に、第2の測定オプションは、L3フィルタリングに適用されてもよい。すなわち、L1が、測定結果が正確ではないとみなし、そのような不正確な結果をL3フィルタリングに報告しないことを選択する場合、L3フィルタは、L1フィルタからのそのような欠落した報告を、ゼロ値又は何らかの他の値を有する結果とみなすことができる。
【0095】
第3の測定オプションが、図14に関連して以下において説明される。第1の測定オプションの場合と同様に、第3の測定オプションは、実際の電力測定及び平均化を特に適応させず、別個の測定正確度パラメータを決定することに基づく。結果として、UEは、測定ウィンドウ内で、他の信号がチャネルを占有している期間を判別することによって、参照信号の利用可能性を直接的に判定する。より詳細には、5G NRだけでなく4G通信システムにおけるアンライセンスチャネルの動作に関連して前述したように、アンライセンス周波数は、4G-LTE、5G、Wi-Fi(登録商標)等といった複数の異なる無線アクセス技術によって共有される。同じアンライセンスチャネルが、別のエンティティが他の信号を送出することによってブロックされている場合、それぞれの基地局は、測定に使用される参照信号を送信することができない。UEは、このことを判別することができ、それによって、チャネルが占有されている時間の間に、参照信号が測定手順のために利用可能でないことを導出する。参照信号は、別のエンティティのチャネル占有時間の間は、欠落する。
【0096】
測定の正確度は、別のエンティティのこのチャネル占有時間の期間に基づいて、例えば、測定時間に関連して生じているときに、決定されてよい。例えば、別のエンティティによるチャネル占有時間Toccupyと測定期間Tmeasとの比Rinacc(=Toccupy/Tmeas)を使用して、測定の正確度を示すことができる。この場合、Rinaccは、測定の不正確度を直接的に反映するので、比Rinaccが増加すると正確度は低下する。追加的に又は代替的に、測定正確度パラメータは、チャネルが占有されていない時間と測定期間との比Racc(=(Tmeas-Toccupy)/Tmeas)であってもよく、その結果、比Raccは、測定の正確度を直接的に反映し、この比が増加すると正確度は増加する。
【0097】
第3の測定オプションの他の実施態様において、チャネル占有時間は、他の既知のソースからの信号と他の未知のソースからの信号との間で更に区別されてもよい。より詳細には、UEは、信号を受信して復号し、そこから、復号された信号が、測定される参照信号が生じたソース以外の別のソースからのものであると判別する。例えば、UEは、復号された信号が、SFI-PDCCH又はWi-Fi(登録商標)/NR共通プリアンブルのような、NR固有プリアンブルを含むか又はWi-Fi(登録商標)プリアンブルを含むかをチェックすることによって、これを行うことができる。この特定のチャネル占有時間は、Toccupy_knownと称されることがある。
【0098】
一方、UEは、測定された無線チャネルにおけるエネルギーを決定することができるが、UEは、信号を復号することができず、したがって、エネルギー/信号のソースを識別することができない。例示的な実施態様において、弱いエネルギーを伴うそのような未知のソースが、測定されたソースのLBT結果に影響を及ぼす可能性が低いので、UEは、チャネル占有時間に無関係のエネルギーソースを考慮することを回避するために、更に、この未知のソースからの測定されたエネルギーを、適切な閾値と比較することができる。この特定のチャネル占有時間は、Toccupy_unknownと称されることがある。
【0099】
したがって、(既知又は未知の)他のソースによる総チャネル占有時間Toccupy(上記を参照されたい)は、Toccupy_knownとToccupy_unknownとの両方を合計することによって計算されてよい。チャネル占有時間の時間の単位は、例えば、ms又はOFDMシンボルであってよい。
【0100】
前述したように、この第3の測定オプションにおける測定正確度パラメータは、例えば、Toccupy/Tmeasで表されてよい。追加的に又は代替的に、2つの別個の測定正確度パラメータが、Toccupy_known及びToccupy_unknownに基づいて、具体的には、Toccupy_unknown/Tmeas及びToccupy_known/Tmeasに基づいて、UEによって決定されてもよい。
【0101】
これが図14に示されている。図14において、2つの異なるチャネル占有が、測定ウィンドウの中央及び終わりにおいて仮定されている。
【0102】
この第3の測定オプションに従うと、一実施態様において、実際の電力関連測定を通常の方法で実行することができ、それによって、例えば、測定期間中の利用可能な参照信号の平均値を得ることができる。これは、低電力参照信号、すなわち、電力閾値未満の測定電力を有する参照信号を含んでも含まなくてもよい。正確な測定アルゴリズムは、依然としてUEの実装に委ねられ得る。
【0103】
要するに、UEは、測定結果として、実際の電力値を生成するだけでなく、得られた測定の測定正確度を反映した少なくとも1つの測定正確度パラメータも生成する。したがって、測定正確度パラメータは、例えば、測定結果の一部とみなすことができる。いずれにせよ、UEによって実行される測定は、電力測定値と、測定された電力値に関連付けられる測定正確度パラメータと、をもたらす。
【0104】
例示的な一実施態様において、UEは、アンライセンス無線チャネルにおける他のエンティティの信号電力を決定するために、LTE-LAAシナリオにおいてチャネル占有報告を準備するときにすでに使用されているのと同じ又は類似する手順を用いることができる。特に、これは、LTE-LAA UEが、RRM測定の一部としてチャネル占有を報告するよう構成されてよいことを伴う。具体的には、チャネル占有は、チャネルがビジーであると検知される時間のパーセンテージとして、すなわち、任意のサンプル(既知のソース及び未知のソースの両方からのサンプルを含む)のRSSIが予め定義された閾値を超える時間のパーセンテージとして、LTE-LAAにおいて定義されている。
【0105】
上記の3つの測定オプションが、別個のオプションとして説明された。UEは、上述した測定オプション及びそれぞれの変形例のうちの少なくとも1つを行うことが可能であってよい。1つの例示的な解決策において、UEは、これらの測定オプションのいずれかを実行することができる。これらの測定オプションの各々は、以下において説明されるように特定の利点を促進する。
【0106】
特に、第1の測定オプションは、測定期間中の参照信号をカウントすることのみを伴い、参照信号の予想総数に関する尺度を提供するので、別個の測定正確度パラメータを得る単純な方法を提供する。
【0107】
他方で、第2の測定オプションは、測定電力値が、測定の正確度に依存し、したがって、測定の正確度をある程度反映するので、新しいパラメータを生成する必要がない。これはまた、測定報告と共に追加のパラメータを基地局に報告する必要がないという観点からも有益である(更なる詳細については以下を参照されたい)。更に、この点において、少しの対応する定義が、(例えば、3GPP技術仕様に組み込まれるために、)標準化において合意される必要があるだけである。
【0108】
更に、その測定正確度パラメータを伴う第3の測定オプションは、測定の正確度の尺度を提供するだけでなく、測定期間中のアンライセンスチャネルにおけるLBTアクティビティに関する情報も提供する。更に、実施態様に応じて、オプション3は、特に短い測定期間及びわずかな参照信号に対して、オプション1よりも細かい粒度の正確度パラメータを提供することができる。しかしながら、他の信号に関連するチャネル占有時間に関する情報を得ることは、例えば、第1の測定オプションについて行われるように、利用可能でない参照信号をカウントすることよりも複雑であり得る。
【0109】
これらの異なる測定オプションによってUEをフレキシブルに動作させることができるようにするために、状況に応じて、これらの異なる測定オプションを選択的に使用することが可能である。例えば、どの測定オプションを使用するかは、同一周波数内測定が実行されるか又は異周波数間測定が実行されるかに依存する。同一周波数内測定は、UEが現在接続されているサービング無線セルのサービング周波数において実行されるのに対し、異周波数間測定は、例えば隣接セルによって使用されている、サービング周波数とは異なる周波数において実行される。
【0110】
例示的な一実施態様に従うと、UEが、そのサービング周波数において測定を実行するとき、UEは、利用可能な測定オプション1、2、又は3のいずれかに基づいて(すなわち、同一周波数内測定のために)測定を実行することができる。一方、UEが、そのサービング周波数以外の別の周波数において測定を実行するとき、UEは、測定オプション3に従って測定正確度パラメータを導出するために伴われる複雑さの増大に起因して、測定オプション3に基づいて測定を実行することを回避することができる。むしろ、UEは、サービング周波数以外の別の周波数において(すなわち、異周波数間測定のために)測定を実行するとき、測定オプション1又は2に従うことができる。一般に、UEが別の周波数において測定を行う場合、UEは、測定を開始することができる前に、この別の周波数に切り替える必要がある。結果として、測定オプション3に必要とされるような、細かい測定及び計算のための時間がより少なくなる。
【0111】
次いで、UEは、測定オプションのうちどちらの測定オプションを使用するか、すなわち、異周波数間測定のために測定オプション1又は2のいずれか、を決定することができる。例えば、UEのサービスが遅延に対して非常にセンシティブである場合、オプション1は、関係するセルの利用可能性に関してより詳細な情報を提供するので、UEは、オプション1を使用することを決定することができる。
【0112】
追加的に又は代替的に、UEは、どの測定のためにどの測定オプションを使用するかに関して、ネットワークによって設定されてもよい。例えば、UEが何を測定しなければならないかをすでに定義している測定設定は、どの測定オプションを使用するか、例えば、各測定タイプについてどの測定オプションを使用するか、を追加的に示してもよい。また、例えば、RRCプロトコルの他の設定メッセージが、対応してUEに指示するためにgNB(又は別のネットワークエンティティ)によって使用されてもよい。
【0113】
上記の説明において、電力閾値が、例えば、測定のために破棄されることがある低電力参照信号を識別するために測定中に使用されることについて、繰り返し言及されている。これらの電力閾値は、例えば、ネットワークによって、又は、3GPP技術仕様における定義を使用して、事前に定義されてもよく、それらは、実装固有であってもよく、したがって、UE又はUE内のチップの製造業者に委ねられてもよい。
【0114】
上記において、改良された測定手順が、UEによって実行されるとして説明された。更なる例示的な実施態様において、これらの測定は、UEによって、異なる周波数及び無線セルにおいて繰り返し実行されてもよい。例えば、UEは、UE自身のサービングセル及び他の隣接セルにおいて測定を実行するよう構成される。UEが測定を実行するよう構成されるこれらの無線セルの各々について、UEは、測定オプション1及び/又は3に従って、測定ウィンドウごとの測定結果値及び測定正確度パラメータを決定する。更に、一例として、多数の測定ウィンドウについて得られた測定電力値及び測定正確度パラメータを平均化して、参照信号に基づいてチャネルの長期評価を得ることが可能であり、このことは、RRCレイヤにおいてL3フィルタリングについて行われるものと同様又は同じである。
【0115】
UEがこれらの測定を実行する1つの理由は、現在の無線セルから別のターゲット無線セルにUEをハンドオーバするかどうかを決定すること等、ネットワークベースのモビリティメカニズムを支援するためである。このために、測定結果が、いわゆる測定報告内でネットワーク(例えば、基地局、gNB)に報告される。
【0116】
測定結果が送信されるか否かは、一般に、例えば、UEが、予め定義されたルール(例えば、UEのサービングセル及び/又は他の隣接セルについて得られる測定に基づくトリガイベント)に従うことによって、制御される。測定オプション2は、異なる測定電力値を生成し、その結果、この改良された測定オプション2に基づいて生成された、より正確で信頼できる測定電力値から、現在のトリガイベント及び条件も恩恵を得る。
【0117】
更に、トリガイベント及び条件が適応されるときに、測定オプション1及び3に従って生成された測定正確度パラメータを考慮すると、測定報告手順も改良される。より詳細には、トリガイベント及び対応する条件に応じて、トリガイベント及び条件の基礎をなす測定の正確度及び信頼度も、例えば、それを閾値と比較することによって評価されてよい。例えば、トリガイベント及び条件が、閾値よりも大きい測定電力に依存する場合、このトリガイベントが生じるために満たされるように、すなわち、測定の正確度が十分に大きい必要があるという追加の条件を定義することができる。別の言い方をすれば、測定結果は、十分に正確であるだけでなく、十分に信頼できるものであるべきである。例えば、測定正確度パラメータが、(測定の不正確度ではなく)測定の正確度を直接的に示すと仮定すると、測定正確度パラメータは、そのトリガ条件が満たされるために閾値よりも高くあるべきである。
【0118】
別の逆の例として、別のトリガイベント及び条件が、閾値よりも低い測定電力に依存する場合、このトリガイベントが生じるために代替的に満たされるように、すなわち、測定正確度の正確度が低過ぎるべきではないという追加の条件を定義することができる。別の言い方をすれば、測定結果が十分に信頼できない場合にのみ、トリガ条件はすでに満たされているであろう。例えば、測定正確度パラメータが、(測定の不正確度ではなく)測定の正確度を直接的に示すと仮定すると、測定正確度パラメータは、そのトリガ条件が満たされるために閾値よりも低くあるべきである。
【0119】
これは、多数のトリガイベントA1~A6、B1、及びB2と、それぞれのentering条件、leaving条件、及びtime to trigger(TTT)パラメータと、を定義している既存の5G NRフレームワークにおいて現在定義されている測定報告手順にも適用可能である。
【0120】
例えば、イベントA1(サービングセルが閾値よりも良くなる)についてのentering条件及びleaving条件は、以下のように更に拡張されてもよい。Rinaccは、Msの測定に関連する測定正確度パラメータであると仮定される。
・イベントA1(サービングセルが閾値より良くなる)
・Inequality A1-1(Entering条件):以下の両方の条件が満たされると、UEは、測定報告を送信する。
・Ms-Hys>Thresh
・Rinacc<R
・Inequality A1-2(Leaving条件):以下のleaving条件のうちの一方が満たされると、UEは、測定報告を送信することを停止する。
・Ms+Hys<Thresh
・Rinacc>R
【0121】
同じロジックに基づいて、残りのトリガイベントA2~A6、B1、及びB2の一部又は全てを、追加の測定正確度関連パラメータを用いて拡張することができる。
【0122】
例えば、イベントA3(隣接セルがSpCellよりも良いオフセットになる)についてのentering条件及びleaving条件は、以下のように更に拡張されてもよい。Rinaccは、Mn又はMpの測定に関連する測定正確度パラメータであると仮定される。
・イベントA3(隣接セルがSpCellよりも良いオフセットになる)
・Inequality A3-1(Entering条件):以下の両方の条件が満たされると、UEは、測定報告を送信する。
・Mn+Ofn+Ocn-Hys>Mp+Ofp+Ocp+Off
・Rinacc<R
・Inequality A3-2(Leaving条件):以下のleaving条件のうちの一方が満たされると、UEは、測定報告を送信することを停止する。
・Mn+Ofn+Ocn+Hys<Mp+Ofp+Ocp+Off
・Rinacc>R
【0123】
更なる例として、イベントA5(<PCellが閾値1よりも悪くなり>、且つ、<隣接セルが閾値2よりも良くなる>)についてのentering条件及びleaving条件は、以下のように適応されてもよい。A5において、第1のentry条件「PCellが閾値1よりも悪くなる」は、条件「PCell測定正確度が正確度閾値よりも低い」によって代替的に満たされてもよく、一方で、第2のentry条件「隣接セルが閾値2よりも良くなる」は、条件「隣接セル測定正確度が正確度閾値を超える」と共に満たされなければならない。
【0124】
これまでの上記の説明において、異なる実施態様が可能であるため、電力測定値及び結果として得られる電力値については詳細に説明されていない。例えば、RSRP、RSRQ、RSSI、SINR、又は別の適切なタイプの測定値等の電力関連測定値が、この点において、UEによって使用されてもよい。
【0125】
UEのサービング基地局等の他のエンティティも、上述した3つの測定オプションによって得られる改良された測定結果から恩恵を得ることができるように、それに応じて測定報告を適応させることができる。概して、改良された測定手順によって得られた測定結果は、1つ以上の追加の測定正確度パラメータと共に又は1つ以上の追加の測定正確度パラメータなく、測定報告内で基地局に送信されてよい。
【0126】
例えば、UEは、UE自身のサービング無線セル及び他の隣接無線セル(例えば、異周波数間、同一周波数内、及び異RAT間のうちの1つ以上)を含む複数の無線セルにおける測定を報告するよう構成されてよい。UEは、設定された測定報告に従い、それに応じて測定報告を記録する。測定報告は、これらの設定された無線セルについて得られた測定結果を含むことができる。
【0127】
オプション2に関しては、追加の情報要素(測定正確度パラメータ)は生成されないので、測定報告の拡張は不要である。
【0128】
しかしながら、オプション1及び3に関しては、UEは、対応する測定電力値に関連して、追加の測定正確度パラメータを生成し、これらを測定報告に含めることができる。これは、複数の異なる方法で行われてよい。
【0129】
例示的な一実施態様において、報告される各無線セル(例えば、サービングセル又は非サービングセル)について、測定電力値(RSRP若しくはRSRQ又はSINR等)及び関連付けられた測定正確度パラメータが、測定報告に含められる。
【0130】
この拡張された測定報告を受信したサービング基地局は、次いで、全ての利用可能な情報を使用して、隣接セルにUEをハンドオーバするかどうかを決定することができる。例えば、基地局は、高RSRP値を有するが、測定正確度パラメータが高程度の不正確度又は不信頼度を示す(例えば、Rinaccが閾値よりも高い)隣接セルに、遅延にセンシティブなUEをハンドオーバすることを望まない場合がある。
【0131】
別の実施態様において、測定正確度パラメータ自体を送信せず、代わりに、測定が正確であるか否か(信頼できるか否か)を示す1ビット指示を送信することによって、測定報告において送信される追加ビットの数を低減することができる。この区別は、測定正確度パラメータを適切な閾値(例えば、閾値は0.5、すなわち50%である)と比較することによって、例示的に行われてもよい。この区別のための閾値は、例えば、ネットワーク(例えば、サービング基地局)によって設定されてもよいし、例えば、RRC設定メッセージを使用して設定されてもよいし、又は、3GPP技術仕様のうちの1つによって示されてもよい。正確度決定は、状況(無線セルの負荷、UEの能力等)に応じて適応されて変更されてよいので、閾値を設定する可能性をネットワークに与えることは有益である。このような解決策は、単純であり、それほどの正確度を必要とせず、3GPP標準化プロセスにおける労力をあまり必要としない可能性が高い。
【0132】
改良された測定報告を既存の5G NRフレームワークに組み込む場合、現在定義されている測定結果情報要素MeasResults(参照により本明細書に組み込まれるTS38.311 v15.3.0 第6.3.2節を参照されたい)は、以下の例に従って、正確度パラメータも運ぶように適応されてよい。
【数1】
【0133】
新しい正確度パラメータは、例えば、以下のように定義されてよい。
【数2】
【0134】
サブパラメータratio-absent-RSは、測定オプション1に従って得られた測定正確度パラメータ比Racc又はRinaccを指す。サブパラメータratio-occupy-otherは、測定オプション3に従って得られた測定正確度パラメータ比Racc又はRinaccを指す。
【0135】
測定報告(上記の説明を参照されたい)のトリガ及び実際の報告を含む概括的で例示的なUE挙動が、図15に示されている。図15は、図11に示され上記で説明されたUE挙動の拡張である。この図から明らかなように、UEは、そのサービング基地局に測定結果を報告する必要があるかどうかを判定するステップを繰り返し実行する。これは、上述したトリガイベント及び条件(例えば、5G NRの例示的な実装におけるトリガイベントA1~A6、B1、B2)をチェックすることによって行われてよい。報告がトリガされる場合(図15におけるYes)、UEは、測定報告を生成し、そのサービング基地局に測定報告を送信する。測定報告の内容は、測定のために選択された測定オプションに依存する。例えば、図15において、測定報告は、参照信号の測定された電力値に関連付けられた測定正確度パラメータも含むことが例示的に仮定されている。
【0136】
図16は、上述した解決策の例示的な実施態様に従った、UEのサービング基地局であるgNBの挙動を示している。上述したように、gNBは、UEの観点からすでに上述しているような、UEによって実行される測定を設定することを担うことができ、したがって、例えば、測定される無線セル、報告される数量、使用する測定オプション、測定を実行するときに適用される1つ以上の閾値、測定結果を報告するためのトリガイベント等のうちの1つ以上を含めることができる。UEは、これに対応して、測定を実行し、最終的に、測定報告として結果を報告する。この点に関して、gNBは、その無線セルにおいて、少なくともユーザ機器に参照信号を送信する。gNBは、UEによって生成された測定結果を含む測定報告を受信する。この報告は、例えば、測定オプション1又は3を仮定すると、測定正確度パラメータも含む。gNBは、受信された無線セル測定値に基づいて、UEのモビリティを制御することを担い、したがって、別の無線セルにUEをハンドオーバするかどうか、及び、別の無線セルにUEをいつハンドオーバするかを決定する。UEが別のセルにハンドオーバされる場合(図16におけるYes)、gNBは、UE及び適切なターゲット無線セルに対する通常のハンドオーバ手順を実行することに進むことができる。これは、例えば、ハンドオーバコマンドメッセージがUEに送信されることを含む。
【0137】
上述した実施態様によって得られる改良された測定結果から恩恵を得ることができる別のメカニズムは、無線リンク障害指示メカニズムに関する。無線リンク障害指示メカニズムは、以前に発生した無線リンク障害に関する情報(無線リンク障害情報)をUEに提供することを可能にする。特に、gNBの異なる誤った判定は、UEにおいて無線リンク障害をもたらすハンドオーバ決定につながる可能性がある。図17図18、及び図19は、それぞれ、無線リンク障害の異なるシナリオを示している。図17は、「遅過ぎるハンドオーバ」シナリオを示しており、図18は、「早過ぎるハンドオーバ」シナリオを示しており、図19は、「誤ったセルへのハンドオーバ」シナリオを示している。
【0138】
遅過ぎるハンドオーバシナリオ(図17を参照されたい)では、UEは、その現在のサービング無線セルからターゲットセルにハンドオーバするように指示されるのが遅過ぎる。その結果、UEは、ターゲット無線セルへの新しい接続を確立する前に、そのソース無線セルへの接続をすでに失っている。結果として、UEは、無線リンク障害(すなわち、ソース無線セルに対する無線リンク障害)を経験し、その直後に、ターゲット無線セルへの接続を再確立することが可能になる。
【0139】
早過ぎるハンドオーバシナリオ(図18を参照されたい)では、UEは、その現在のサービング無線セルからターゲットセルにハンドオーバするように指示されるのが早過ぎる。その結果、UEは、ソース無線セルとの接続を切断した後に、ターゲット無線セルとの接続をセットアップすることができない。結果として、UEは、無線リンク障害(すなわち、ターゲット無線セルに対する無線リンク障害)を経験する。UEが、依然としてサービング無線セルの範囲内にあると仮定すると、UEは、例えば、ソース無線セルとの接続を再確立することが可能である。
【0140】
誤ったセルへのハンドオーバシナリオ(図19を参照されたい)では、UEは、例えばセル品質が十分に良好でないために接続確立が可能でない誤ったセル(図19におけるターゲットセル)にハンドオーバするように指示される。したがって、UEは、この誤ったセルとの接続を確立することができない。
【0141】
UE、ターゲット無線セル、及びソース無線セルの間のシグナリング交換が、図20に基づいて、遅過ぎるハンドオーバシナリオについて例示的に説明される。図20に示されているように、無線リンク障害は、ハンドオーバ手順の前にソースセルにおいて経験される。UEは、「RRC接続再確立要求」メッセージ、「RRC接続再確立」メッセージ、及び「RRC接続再確立完了」メッセージの交換を含む、ターゲット基地局とのRRC接続を再確立する。続いて、ターゲット基地局は、例えば無線リンク障害に関する情報を得るために、UE情報要求をUEに送信することができる。UEは、無線リンク障害の原因、測定結果、位置情報、以前のサービングセルのセル識別情報等を含む、無線リンク障害に関する詳細な情報を含むUE情報応答メッセージをもって応答する。次いで、無線リンク障害指示メッセージが、UEが現在接続されているターゲットセルからソース無線セルに送信される。無線リンク障害指示メッセージは、接続に失敗した無線セルのID、その失敗した無線セルに関する測定結果、接続失敗タイプ(既知である場合)等といった、無線リンク障害に関する関連情報を含むメッセージである。
【0142】
したがって、このメッセージ交換は、ソース基地局に情報を提供し、その結果、ソース基地局は、無線リンク障害が将来回避されるように、他のUEについてのハンドオーバを開始することに関連して必要なパラメータを適応させることができる。例えば、ハンドオーバが遅過ぎる場合、ソース基地局は、UEが測定をより早く報告するように、UEの測定報告を設定することができる。逆に、ハンドオーバが早過ぎる場合、ソース基地局は、UEがより遅くに測定を報告できるように、UEの測定報告を設定することができる。例えば、ハンドオーバが早過ぎるケースが、ターゲットセルの高い不正確度によって引き起こされたと、ソースgNBが見出した場合、ソースgNBは、測定報告がそれほど容易にトリガされないように、(例えば、Ofn値を減少させることによって又はTTT値を増加させることによって)トリガイベントA3を設定することができる。あるいは、gNBは、UEがA3イベントを容易にトリガしないように、問題のあるセルに対して非常に小さいOcn値を設定してもよい。
【0143】
更なる例として、ハンドオーバが早過ぎる場合、UE情報応答メッセージは、ソースgNBによって利用され、無線リンク障害(RLF)指示メッセージの送信の必要はない。
【0144】
上述した無線リンク障害シナリオにおいて使用されるUE情報メッセージは、測定された電力値だけでなく、上述した測定オプションのいずれかによって生成された場合には1つ以上の測定正確度パラメータも含むことができる。これに対応して、RLF指示メッセージは、測定正確度パラメータも運ぶように拡張されてもよい。RLF指示メッセージの一例が、以下において定義されている。
【表1】
【0145】
上記から明らかなように、隣接セルについての測定結果は、例えば、オプション1又はオプション3に従った対応する測定正確度パラメータ(オプション1の場合はRabsent、オプション3の場合はRoccupy_other)を含むように拡張されてよい。最後のサービングセルについての測定結果は、測定正確度パラメータを含んでは運ばれないと例示的に仮定されている。この場合、サービングセルは、LBT履歴ログを参照することによって、測定の正確度を大まかに認識することができる。追加的に又は代替的に、最後のサービングセルからの測定結果も、ネットワーク側の動作を支援するために、適切な正確度パラメータを含んでもよい。
【0146】
追加的に又は代替的に、アンライセンス周波数帯が過度に輻輳していることを示す新しい接続障害タイプが定義されてもよい。これは、例えば、測定された無線セルが他の信号によって占有されている期間を判別する測定オプション3に基づいて実現可能である。例えば、他の信号によって占有されている時間と測定期間全体との比が特定の閾値よりも高い場合、アンライセンスチャネルは、過度に輻輳しているとみなされてよく、したがって、失敗した接続確立の障害等として示されてよい。
【0147】
追加的に又は代替的に、LTE-LAAにおいて使用されるチャネル占有報告が、UE情報応答に追加されてもよく、したがって、無線リンク障害指示メッセージを通じて運ばれてもよい。
【0148】
図21は、更なる例示的な実施態様に従った、ハンドオーバ及び無線リンク障害をどのように処理するかを追加的に含むUE挙動を示している。図21は、図15に示され図15に基づいて説明されたUE挙動の拡張である。これは、ハンドオーバコマンドがUEのサービング基地局から受信されたかどうかに関する判定を更に含む。ハンドオーバコマンドメッセージは、サービング無線セルから別のターゲットセルへのハンドオーバを開始するためにサービング基地局によって送信される。UEは、このようなハンドオーバコマンドメッセージを受信すると、別のセルにハンドオーバし続ける。ハンドオーバが失敗した場合、UEは、UEが接続再確立を実行したセルに、正確度パラメータを含む測定結果を送信する。一方、ハンドオーバが成功すると、ハンドオーバは完了する。
【0149】
特定の実施態様において、測定を改良するための上述したメカニズム及び解決策は、既存の5G NRフレームワーク及び将来の5G NRフレームワークに組み込まれてもよい。例えば、改良された測定手順は、特に図3に関連して説明されたL1フィルタリング及びL3フィルタリングとして、5G NR通信システムについて上述したRRM測定モデルに組み込まれてもよい。具体的には、測定電力結果A及びCに加えて、上記の適切なオプション1及び3に従った新しい測定正確度パラメータが生成される。追加的に又は代替的に、L3フィルタリングは、例えば、急な変化を緩和するために、更に行われ、それによって、UEのサービング基地局に送信される測定報告に含められる情報を生成してもよい。例えば、L3フィルタリングは、現在の正確度パラメータとL1フィルタリングによって提供された以前の正確度パラメータとを平均化することによって、新しい測定正確度パラメータに適用されてもよい。
【0150】
追加的に又は代替的に、3つの測定オプション(及びそれらの変形例)は、L3フィルタリングに適用されてもよい。例えば、レイヤ1フィルタリングは、上記のオプションのいずれも実施しないことがあり、したがって、L1フィルタリングがいかなる出力(A)も生成しないことがある。なぜならば、出力が十分に正確であるとみなされないことがあるからである。したがって、L3フィルタリングは、L1フィルタリングからそのような出力がないことを、何らかの有用な情報として解釈することができる。
【0151】
追加的に又は代替的に、そのような例示的な5G NR実装において使用される参照信号は、例えば、CSI-RS又はSSB信号であってもよい。
【0152】
(更なる態様)
第1の態様に従うと、複数の参照信号を受信する受信機を備えるユーザ機器(UE)が提供される。UEの処理回路は、複数の参照信号に対して電力関連測定を実行する。処理回路は、電力関連測定のために複数の参照信号の間で参照信号の利用可能性を判定する。処理回路は、実行された電力関連測定に基づいて、判定された参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する。
【0153】
第1の態様に加えて提供される第2の態様に従うと、処理回路は、参照信号の利用可能性を判定するとき、電力関連測定を実行している間に利用可能でない参照信号の数であって、測定期間中の参照信号の数を判別する。処理回路は、測定結果を生成するとき、利用可能でない参照信号の判別された数に基づいて、電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定する。処理回路は、測定結果を生成するとき、測定結果の一部として、決定された測定正確度パラメータを含める。オプションの実施態様において、利用可能でない参照信号は、UEによって受信されない欠落参照信号と、UEによって受信されるが電力閾値未満の電力を有する不適格な参照信号と、を含む。更なるオプションの実施態様において、測定正確度パラメータは、測定期間中の利用可能でない参照信号の判別された数と測定期間に予想される参照信号の総数との比である。
【0154】
第1の態様又は第2の態様に加えて提供される第3の態様に従うと、処理回路は、参照信号の利用可能性を判定するとき、測定される参照信号のソース以外のソースからの信号が、測定される参照信号が受信される無線チャネルを占有している、測定期間内のチャネル占有時間を判別する。処理回路は、測定結果を生成するとき、判別されたチャネル占有時間に基づいて、電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを決定し、測定結果の一部として、決定された測定正確度パラメータを含める。オプションの実施態様において、測定正確度パラメータは、判別されたチャネル占有時間と測定期間との比である。オプションの実施態様において、チャネル占有時間を判別することは、
UEが復号できる信号であって、測定される参照信号のソース以外のソースからの信号が、UEによって受信される第1の期間を判別することであって、測定される参照信号のソース以外のソースは、復号された信号に基づいてUEによって識別可能である、判別することと、
UEが復号できない信号であって、電力閾値を超える信号が、UEによって受信される第2の期間を判別することと、
第1の期間と第2の期間との合計としてチャネル占有時間を判別することと、
を含む。
【0155】
第1の態様~第3の態様のうちのいずれかに加えて提供される第4の態様に従うと、処理回路は、参照信号の利用可能性を判定するとき、電力関連測定を実行している間に利用可能でない参照信号であって、測定期間中の参照信号を判別する。処理回路は、利用可能でない参照信号にも基づいて、測定結果を生成する。オプションの実施態様において、利用可能でない参照信号は、UEによって受信されない欠落参照信号である。オプションの実施態様において、利用可能でない参照信号は、電力関連測定のために、特定の電力で受信されたとみなされ、オプションとして、利用可能でない参照信号についてみなされる特定の電力は、ゼロ電力、正の低電力、及び負の低電力のうちの1つである。
【0156】
第1の態様~第4の態様のうちのいずれかに加えて提供される第5の態様に従うと、処理回路は、参照信号に対する電力関連測定が、UEが接続されているサービング無線セルのサービング周波数において実行されるか、又は、サービング無線セルのサービング周波数とは異なる別の周波数において実行されるかを決定する。処理回路は、参照信号に対する電力関連測定が、サービング周波数において実行されるか、又は、別の周波数において実行されるかに応じて、上記の第2の態様、第3の態様、又は第4の態様のうちの1つに従って動作する。オプションの実施態様において、参照信号に対する電力関連測定が、サービング周波数において実行される場合、処理回路は、上記の第2の態様、第3の態様、又は第4の態様に従って動作する。参照信号に対する電力関連測定が、別の周波数において実行される場合、処理回路は、上記の第2の態様又は第4の態様に従って動作する。
【0157】
第1の態様~第5の態様のうちのいずれかに加えて提供される第6の態様に従うと、処理回路は、電力関連測定に基づいて、測定結果を含む測定報告を生成する。UEの送信機は、生成された測定報告を、UEが接続されているサービス基地局に送信する。オプションの実施態様において、処理回路は、複数の無線セルについて電力関連測定を実行して測定結果を生成し、測定報告は、複数の無線セルについての生成された測定結果を含む。
【0158】
第2の態様~第6の態様のうちのいずれかに加えて提供される第7の態様に従うと、処理回路は、決定された測定正確度パラメータに基づいて、測定が正確であるか否かについての測定正確度決定を決定する。オプションの実施態様において、処理回路は、測定正確度決定を決定するとき、決定された測定正確度パラメータを正確度閾値と比較し、オプションとして、正確度閾値は、UEが接続されているサービング基地局によって設定される。更なるオプションの実施態様において、処理回路は、電力関連測定に基づいて、測定結果及び測定正確度決定を含む測定報告を生成し、UEの送信機は、生成された測定報告を、UEが接続されているサービング基地局に送信する。
【0159】
第2の態様~第7の態様のうちのいずれかに加えて提供される第8の態様に従うと、UEが接続されているサービング基地局への測定結果の報告を制御するために、測定結果の報告を開始するためのentering条件と、測定結果の報告を停止するためのleaving条件と、entering条件又はleaving条件が満たされなければならない時間条件と、のうちの少なくとも1つを含む測定報告条件のセットが定義されている。測定報告条件の少なくとも一部は、決定された測定正確度パラメータに依存する。オプションの実施態様において、1つの追加のentering条件は、測定の正確度が十分に高いことである。オプションとして、測定正確度パラメータが閾値を超える場合、1つの追加のentering条件は、別のentering条件に加えて満たされなければならない。オプションとして、1つの追加のleaving条件は、測定の正確度が低過ぎることであり、オプションとして、測定正確度パラメータは閾値未満である。
【0160】
第2の態様~第8の態様のうちのいずれかに加えて提供される第9の態様に従うと、UEが接続されているサービング無線セルから別の無線セルへのハンドオーバ中のUEは、無線リンク障害を経験する。無線リンク障害を経験した後、UEの送信機は、UEが接続されている基地局に、測定正確度パラメータを含む、無線リンク障害に関する情報を送信する。
【0161】
第1の態様~第9の態様のうちのいずれかに加えて提供される第10の態様に従うと、電力関連測定は、アンライセンス無線周波数において実行される。オプションの実施態様において、測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含む。オプションとして、測定値の各々は、測定期間中の参照信号の電力の平均である。
【0162】
第1の態様~第10の態様のうちのいずれかに加えて提供される第11の態様に従うと、複数の参照信号は、UEが接続されているサービング基地局から、又は、サービング基地局に隣接する隣接基地局から、送信される。オプションの実施態様において、参照信号は、3GPP第5世代新無線通信システムに従った、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び/又は同期信号ブロック(SSB)参照信号であり、オプションとして、SSB参照信号は、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理報知チャネル(PBCH)を含む。
【0163】
第12の態様に従うと、基地局であって、基地局によって制御される無線セルにおいて、複数の参照信号を送信する送信機を備える基地局が提供される。基地局の受信機は、ユーザ機器(UE)から、UEによって参照信号に対して実行された電力関連測定に基づく測定結果を受信する。測定結果は、測定期間中の参照信号の電力を反映した測定値を含む。測定結果は、電力関連測定の測定正確度を反映した測定正確度パラメータを含む。基地局の処理回路は、受信された測定結果の測定値及び測定正確度パラメータに基づいて、無線セルから別の無線セルにUEをハンドオーバするかどうかを決定する。
【0164】
第12の態様に加えて提供される第13の態様に従うと、送信機は、電力関連測定を実行するときにUEによって使用される電力値を含む測定設定情報を、UEに送信し、電力値は、UEによって、測定結果を生成するときに利用可能でない参照信号についてみなされ、測定結果を生成することは、利用可能でない参照信号にも基づく。利用可能でない参照信号は、電力関連測定を実行している間の測定期間中に利用可能でない参照信号である。オプションとして、利用可能でない参照信号についてみなされる特定の電力は、ゼロ電力、正の低電力、及び負の低電力のうちの1つである。
【0165】
第12の態様又は第13の態様に加えて提供される第14の態様に従うと、受信機は、UEから、UEのハンドオーバ中にUEが経験した無線リンク障害に関する無線リンク障害情報を受信する。無線リンク障害情報は測定正確度パラメータを含む。オプションとして、処理回路は、受信された無線リンク障害情報に基づいて、測定結果の報告を開始するためのentering条件と、測定結果の報告を停止するためのleaving条件と、entering条件又はleaving条件が満たされなければならない時間条件と、のうちの少なくとも1つを含む、UEから基地局への測定結果の報告を制御するための測定設定情報の適応されたパラメータを決定する。
【0166】
第15の態様に従うと、ユーザ機器(UE)によって実行される次のステップを含む方法が提供される。UEは、複数の参照信号を受信する。UEは、複数の参照信号に対して電力関連測定を実行する。UEは、電力関連測定のために複数の参照信号の間で参照信号の利用可能性を判定する。UEは、実行された電力関連測定に基づいて、判定された参照信号の利用可能性に応じて、測定結果を生成する。
【0167】
(本開示のハードウェア及びソフトウェアによる実現)
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0168】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム(通信装置と総称)によって実現可能である。
【0169】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ネットブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0170】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されるものではなく、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター、コントロール・パネル等)、自動販売機、及びその他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(things)」をも含む。
【0171】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0172】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置には、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0173】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、及びその他あらゆる装置、デバイス、又はシステムが含まれる。
【0174】
更に、様々な実施形態は、プロセッサによって実行される又はハードウェアで直接実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることもできる。ソフトウェアモジュールは、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVD等のあらゆる種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。更に、異なる実施形態の個々の特徴は、個別に又は任意の組み合わせで、別の実施形態の主題であり得ることに留意されたい。
【0175】
当業者であれば、具体的な実施形態に示されているような本開示に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21