(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】媒体のレベルを検出する容量センサ
(51)【国際特許分類】
G01F 23/263 20220101AFI20240109BHJP
【FI】
G01F23/263
(21)【出願番号】P 2021518099
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 IB2019058430
(87)【国際公開番号】W WO2020070689
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】102018000009140
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マウロ・ゾルゼット
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ピッツィ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ロンダノ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジオ・ファニョーラ
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014006695(DE,A1)
【文献】特開2010-256015(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0154534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/14-23/2965
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体
(L)のレベルを検出する容量センサ(1)であって、少なくとも1つの制御回路(33、34)と、支持構造体(2、2’、2’’)とを備え、支持構造体(2、2’、2’’)は長さ方向(X)に延びて、少なくとも1つの支持構造体(2、2’、2’’)上に、近接端部領域(PR)、遠隔端部領域(DR)、及び少なくとも1つの検出構造体(4、4’、4’’)を有し、
少なくとも1つの検出構造体(4、4’、4’’)が、複数の電極(E)を備え、各々の電極(E)が、接続部分(T)及び複数の検出部分(J)を備え、接続部分(T)が実質的に長さ方向(X)に延び、複数の検出部分(J)が接続部分(T)に接続され、長さ方向(X)を横切る方向に延び
、第1の電極(E)の検出部分(J)が、第2の電極(E)の検出部分(J)に対して実質的に互いに噛み合う構成で配置され、
容量センサで(1)は、
少なくとも1つの検出構造体(4、4’、4’’)が、長さ方向(X)に続けて延びた複数の第1の検出セクション(S)を含み、複数の第1の検出セクション(S)が、近接端部領域に最も近い少なくとも1つの上部セクション(S
1)と、1以上の下側セクション(S
2、S
3、S
4)とを含み、その中で、少なくとも1つの低いセクション(S
4)が遠隔端部に最も近くに位置し、各々の第1及び第2の電極(E)の検出部分(J)が、対応する第1の検出セクションにあり、
各々の第1のセクション(S)が、1つの前記第1の電極(E)及び1つの前記第2の電極(E)を含み、各々の第1のセクション(S)の第1及び第2の電極(E)が、互いに電気的に絶縁され、各々の他の第1のセクション(S)の第1及び第2の電極(E)に関連してセットされ、
制御回路(33、34)が、対応する検出セクション(S)の第1及び第2の電極(E)の間に選択的に電位差を生じさせるように事前準備され、第1及び第2の電極(E)の間の電気容量を検出し、電気容量の値に基づいて、媒体のレベルを定め、
各々の第1の検出セクション(S)が、他の第1の検出セクション(S)と独立して、電気容量の検出を行うために用いられる容量センサ。
【請求項2】
第1の検出セクション(S)の各々の第1及び第2の検出セクション(S)の接続部分(T)が、隣接する第1の検出セクション(S)の各々の第1及び第2の電極(E)の検出部分(J)の幅寸法(W)と異なる幅寸法(W)を有する、請求項1に記載の容量センサ。
【請求項3】
各々の検出セクション(S)の各々の第1及び第2の検出セクション(S)の接続部分(T)が、少なくとも1つの支持構造体(2、2’、2’’)上に延びており、近接端部領域(PR)から始まり、少なくとも1つの第1の検出セクション(S)の少なくとも1つの第1及び第2の検出セクション(S)の接続部分(T)の少なくとも1つの有効領域(EP)を有し、第1の検出セクション(S)は、支持構造体(2、2’、2’’)上であって、少なくとも1つの隣接した第1の検出セクション(S)の少なくとも1つの第1及び第2の電極(E)の接続部分(T)の少なくとも1つの有効でない領域(NP)に概ね並んでセットされる位置に延びている、請求項1または2に記載の容量センサ。
【請求項4】
第1の検出セクション(S)の第1及び第2の電極(E)の1つの各々の検出部分(J)、及び他の第1及び第2の電極(E)の対応する接続部分(T)の有効領域(EP)の間の距離(d1)が、有効領域(EP)及び少なくとも1つの前記有効でない領域(NP)の間の距離(d2)より小さい、請求項3に記載の容量センサ。
【請求項5】
支持構造体(2)が、実質的に、弾性性を有する、
または変形可能である
、請求項1から4の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項6】
少なくとも1つの参照電極(J
r)を備える、請求項1から5の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項7】
少なくとも1つの温度センサ要素(TS)を備える、請求項1から6の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項8】
長さ方向(X)において互いに離間した、複数の位置決め及び/または固定要素(B)を備える、請求項1から7の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項9】
少なくとも1つの検出構造体(4、4’、4’’)が、各々の平面上で、概ね互いに角度を有してセットされて延びた、複数の領域(P1、P2、P3、P4)を有
する、請求項1から8の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項10】
少なくとも1つの第1の検出構造体(1’)及び少なくとも1つの第2の検出構造体(1’’)を備える、請求項1から9の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項11】
少なくとも1つの支持構造体(2、2’、2’’)上に電気接続構造体(3)を備える、請求項1から10の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項12】
制御回路(33、34)が、電気容量の値に基づいて、媒体の少なくとも1つの定性的な特徴を定める、請求項1から11の何れか1項に記載の容量センサ。
【請求項13】
請求項1から
12の何れか1項に記載の容量センサ(1)を備え、
容器(10)
の中の溶媒(L)のレベル及び定性的な特徴の少なくとも1つを検出する方法。
【請求項14】
請求項1から
12の何れか1項に記載の容量センサ(1)を備えた
、液体物質の容器またはタンク。
【請求項15】
概ね並んでセットされる状態で、溶媒(10
1、10
2)が蓄積される少なくとも2つの領域で画定され、溶媒(10
1、10
2)を蓄積する各々の領域の少なくとも一部が各々延びて
いる、請求項
14に記載の容器またはタンク。
【請求項16】
少なくとも1つの支持構造体(2、2’、2’’)の位置を固定するための複数の支持要素(R)を有し、支持要素(R)が、長さ方向(X)において互いに離間して
いる、請求項15に記載の容器またはタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な媒体、例えば、液体、流動物質、粉末状物質、バルク状の材料等のレベルを検出する容量センサに関する。本発明は、特に、自動車のタンク、例えば燃料タンクまたは自動車のエンジンの稼働に必要な添加物のタンクに取り付けられ、または一体化されたセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクのような一般的な容器内に存在する残りの液体を検出するため、レベルセンサが様々な状況で使われている。
【0003】
これらのセンサの中には、少なくとも2つの電極を用いて形成され、容量、インピーダンスまたは導電率/抵抗率のような電気的な量の測定に基づくものがある。解決法の中には、電極が直接液体に接触するものがあり、他の解決方では、電極を液体から絶縁するケースが備えられたセンサが提供される。電極が液体に接するセンサでは、劣化や早期の摩耗が生じる。このセンサの稼働には、液体の特徴、例えば、導電率/抵抗率、または誘電率が厳密に関連する。
【0004】
特に、容量タイプの検出に関しては、広い範囲の液体が平面電極に供給される、平面電極は、タンクの中に取り付けられた対応する絶縁サポートの上のレベル検出の方向に配置される。電極は、個々にまたはセットで、回路設備に接続される、回路設備は、電極を直接または振動回路を介して励起する。制御ユニットは、少なくとも2つの電極の間の容量の値を処理することにより、液体と空気の間の遷移領域を特定することができる。遷移領域は、液体のレベルを示すと考えられる。
【0005】
理想的なやり方は、完全にデジタルな容量センサを提供することである。例えば、あらゆる場合において、空気の誘電率と流体の誘電率との間の差を利用して、アレイの各々の電極が、オンオフモードの分離したレベルの領域を測定する。しかし、しばしば、ミリメータのオーダーの正確性を要する、1m以上の領域の深さを測定することが必要なので、103オーダーのような、極めて多数の個々に管理された電極が必要となる。
【0006】
他の容量センサとしては、代わりに、互いに入り込んだ構成の、歯または指の形状の、それぞれの検出部品を有する同一平面上の2つだけの電極を用いて,測定が実施される。この解決法では、2つの電気接続だけで十分であり、入り込んだ検出部品は,非常に多数であろう。これらセンサでは、比較的シンプルで、安価で、小型の構造を用いて、高い分解能で、継続測定のようなアナログ測定を実施できる。しかし、これらのセンサの稼働は、電気的外乱または寄生容量に起因して、起こりえる検出エラーに影響される。
【発明の概要】
【0007】
一般的な記載として、本発明の目的は、高い測定分解能を有するレベルセンサを提供することにあり、シンプルで製造コスト的な利点を有し、使用において高い柔軟性を有することで識別可能であり、電気的外乱及び/または寄生容量に起因する測定の欠陥のような、電気的ノイズに影響されにくいレベルセンサを提供することにある。
【0008】
上記及び他の目的は、下記で明らかになるように、本発明に応じて、添付されたクレームに記載された特徴を有するレベルセンサにより実現できる。クレームは、本発明に関連して、ここに提供される技術的教示の一体部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の可能な実施形態に係るレベルセンサ正面の立面を示す模式図である。
【
図2】
図1のセンサのより大きなスケールの詳細を示す。
【
図3】
図1のセンサのより大きなスケールの詳細を示す。
【
図4】異なる3つの状態における、可能な実施形態に係るレベルセンサの稼働を例示することを目的とする模式図である。
【
図5】異なる3つの状態における、可能な実施形態に係るレベルセンサの稼働を例示することを目的とする模式図である。
【
図6】異なる3つの状態における、可能な実施形態に係るレベルセンサの稼働を例示することを目的とする模式図である。
【
図7】本発明の可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図9】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図10】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図11】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図13】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図14】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図16】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図18】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図20】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図22】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの前後の正面の立面の模式図である。
【
図23】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの前後の正面の立面の模式図である。
【
図24】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの斜視図である。
【
図25】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの正面の立面図である。
【
図26】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサが取り付けられた一般的な容器の部分的に断面を取った模式的な斜視図である。
【
図28】
図23のノレベルセンサの部分の詳細な斜視図である。
【
図29】
図24のノレベルセンサの部分の詳細な斜視図である。
【
図31】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの取り付けの可能な構成を示す部分的な模式的な図である。
【
図32】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの取り付けの可能な構成を示す部分的な模式的な図である。
【
図33】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図34】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図35】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図36】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図37】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図38】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図39】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図40】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図41】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図42】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図43】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図44】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図45】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサに用いることができる位置決め及び/または固定の様々な可能な実施形態を例示することを目的とする、部分的、模式的な斜視図及び断面図である。
【
図46】本発明の更なる可能な実施形態に係るレベルセンサの模式的な斜視図である。
【
図47】一般的な容器の壁に関連する
図45に示すタイプのセンサの領域の模式的な斜視図である。
【
図48】
図45に示すタイプのセンサの領域の部分の上面図である。
【
図49】
図47の詳細XLVIII-XLVIIIによる模式的な断面図である。
【
図51】一般的な容器の壁に関連する、本発明の更なる可能な実施形態に係るセンサの領域の部分的な模式的な斜視図である。
【
図52】
図50のセンサの領域のより大きな領域の詳細な斜視図である。
【
図53】
図51のセンサの領域の部分の模式的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の更なる目的、特徴および利点は、制限されない例として提供される、添付された図面を参照しながら、詳細な記載の結果から明らかになる。
本発明の枠組みにおける”実施形態”または”1つの実施形態”に関することは、実施形態に関連して記載され特定の構成、構造または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図している。従って、本記載の異なるポイントで示されるであろう”実施形態において”または”1つの実施形態において”のような用語等は、必ずしも1つの同一な実施形態を参照するものではない。更に、本発明の枠組みにおいて期待された特定の形態、構造または特徴が、異なるものであろうとも、1以上の実施形態において、適切な方法で組み合わせることができる。参照番号及び”上側の”、”下側の”、”上部”、”底部”のような空間参照用語は、利便性だけのため提供されるものであり、よって、防御のための範囲や実施形態の範囲を画定するものではない。
【0011】
本記載及び添付図面において、”材料”及び”液体”のような包括的な用語は、多くの異なる材料、物質または液体の混合物、組成物または組み合わせを含むと理解される。
【0012】
本記載及び添付図面において、ここで記載された1つの電極の軸方向に延びた領域を参照するとき、用語”有効な”は、それぞれの検出部分から離れ、その他の電極の同族の検出部分と互いに入り込んだ(例えば、交互に)電極の特定に領域を意味することを意図する。逆に、前述の電極の軸方向に延びた領域を参照するとき、用語”有効でない”は、上記の検出流域でない、同じ電極の異なる領域であって、例えば、”有効な領域”及び制御回路と電気的に接続するため設計された上述の電極の端部の間に伸びる領域を意味する。
【0013】
本記載及び添付図面において、”容量の”等の用語は、特に、記載されたセンサまたは検出に関連するとき、並んだ電極の間で生じる容量のセンサまたは測定を含むことを意図し、更に所謂、電界効果タイプのセンサや検出も含むことを意図する。
【0014】
本記載及び添付図面において、用語”媒体”は、レベル検出及び/または定性的な検出を行っている物質を参照するとき、気体とは異なり、容器またはタンクの中に収容される液体、液体の混合物、または他の材料や液体物質を含むことを意図する。
【0015】
本記載及び添付図面において、”質”等の用語は、記載されたセンサまたは検出に関連するとき、組成、及び/またはタイプ、及び/または可能な希釈等に関連する特徴のような、検出中の媒体の化学-物理特徴を含むことを意図する。
【0016】
はじめに
図1を参照すると、一般的なタンクに収容された一般的な媒体のレベルを検出する、可能な実施形態に係るレベルセンサが、1で全体が示されている。上述の媒体としては、例えば、燃料のような液体であり、上述の容器としては、自動車のタンクである。
【0017】
センサ1は、長さXの方向に延びて、近接端部領域PR及び遠隔端部領域DRを有する、少なくとも1つの支持構造体2を備える。センサの取り付けのタイプによって、長さXの方向は、実質的に液体のレベルの測定の方向に対応し、例えば、実質的に垂直方向であることができる。しかしながら、支持構造体2が概ね長さ方向に延びる事実は、必ず、構造体が完全に垂直な方向に延びる、完全に直立して延びることを意味するものではない。同様に、様々な実施形態では、構造体2が、液体の中に傾いて延びていることも、異なる傾きを有する多くの構造体の延長部を備えることもできる。
【0018】
次に、センサ1の稼働状態として、遠隔端部領域DRが、レベルを測定する液体を収容するタンクの底壁に最も近く、近接端部領域PRが、タンクの上部壁に最も近いことが考えられる。
【0019】
様々な好ましい実施形態において、支持構造体2の近接端部領域PRに、電気接続構造体3が備えられる。支持構造体2上には、複数の電極を有する容量検出構造体4が存在する。接続構造体3は、センサ1を外部システム(例えば、自動車の組み込み制御ユニット)に接続するための実質的なインタフェスを提供し、レベルセンサ1の電気的制御回路の一部を形成することができる。検出構造体4は、代わりに、支持構造体2の対応する領域と共に、測定中の液体に少なくとも一部が浸かったセンサ1の一部である。後述で明らかなように、センサ1は、1つの同じ接続構造体3と電気的に接続された多くの検出構造体4をも含むことができる。
【0020】
様々な好ましい実施形態において、支持構造体2は、実質的に、弾性を有する、変形可能であり、どのような場合でも、様々な形に適合可能である。この特徴は、特に、剛体の真っ直ぐなセンサでは取り付けられない、または取り付けに不便な、複雑な幾何学的な形状を有するタンクや容器にセンサ1を取り付けるのを促進するのに有利である。センサ1全体として、構造体2の柔軟性は、最終的な適用のタイプに応じて、取り付けの構成を適応させることができる。
【0021】
様々な好ましい実施形態において、支持構造体は、基本的に、少なくとも2層、または2枚の電気的絶縁材料からなり、その1つは2aで示され、互いに結びつき、好ましくは、液体が入らない態様で、間に上述の電極セットを伴う。2つの層2aは、化学的に、検出を行う液体に対して耐久性を有する樹脂材料からなるのが好ましく、接着またはのり付けすることができる。2つの層2aの好ましい材料としては、例えば、PAベースのHD-PE、LD-PE、PPがある。2つの層2aの厚みとして、0.1mm及び1.5mmの間、好ましくは、0.1mm及び0.5mmの間を示すことができる。支持構造体2のセンサ1の長さとして10cmから200cmの間を示すことができる。
【0022】
検出構造体4は、複数の電極を備える。各々の電極は、接続構造体3から始まって遠隔端部領域まで、実質的に長さXの方向に延びた、細長い接続部分を備える。そして、各々の電極は、複数の検出部を備え、例えば、その他の電極の同族の検出部分と互いに入り込んだ構成の、歯または指の形状を有する。
【0023】
重要な態様として、容量検出構造体4は、続けて長さ方向(X)に延びた、複数(n)の検出領域または検出セクションSを備える。
図1に示す例では、検出構造体4が、S
1、S
2、S
3、S
4で示された4つの検出領域またはセクションに分割されている。しかし、他の実施形態では、これらのセクションの数が多い場合も少ない場合もある。
【0024】
概ね、検出セクションSは、近接端部領域PRに最も近い少なくとも1つの上部セクションS1と、遠隔端部領域DRに最も近い少なくとも1つの下部セクションS4を含む、1以上の下側セクションとを含む。様々な実施形態では、例示したように、上部セクションS1及び下部セクションS4の間にあるのは、S2及びS3で示されるセクションのような1以上の中間セクションである。例として、様々なセクションS1-S4が、異なる高さ(または、長さX方向の長さ)を有するが、それは、主要な特徴を構成するものではない。
【0025】
重要な態様として、各々のセクションS
1-S
4が、2つの測定電極を有する。
図2aでは、各々のセクションの2つの測定電極を、全体としてEで示し、その後に、セクション(1-4)に対応する番号が続き、2つの電極を識別する”a”または”b”の文字が続く(下記の他の要素の識別にも同様の標記が用いられる)。つまり、セクションS
1、S
2、S
3、S
4が、それぞれ、E
1a-E
1b、E
2a-E
2b、E
3a-E
3b、E
4a-E
4bで識別される。
【0026】
既に述べたように、各々の電極Eは、それぞれ細長い接続部分Tを備える。接続部分(T)は、実質的に、それぞれの検出セクションS
1-S
4において、検出構造体及びそれぞれの複数の検出部分Jの長さ方向に延びる。検出部分Jが、対応する接続部分Tに電気的に接続される。よって、複数の検出部分Jは互いに平行に接続され、”有効領域”と呼ばれる。電極の部分Tの有効領域は、
図1で全体として、様々なセクションS
1-S
4の電極Eにおいて、EP
1-EP
4として示される。代わりに、各々の有効領域及び対応する部分Tの電気接続端部の間に延びる部分は、補助的延長領域であり、”有効でない領域”と称され、検出部分Jを有さない。電極の部分Tno有効でない領域は、
図1で全体として、様々なセクションS
1-S
4の電極Eにおいて、NP
1-NP
4として示される。
【0027】
検出部分Jは、各々幅寸法Wを有し、互いに等距離で、対応する有効領域から開始して、長さXの方向を横切る方向に延びる。検出部分Jは、長さ寸法Xに関して、同じ高さを有するのが好ましい。
図2aにおいて、セクションS
1の電極E
1a及びE
1bの接続部分は、それぞれ、T
1a及びT
1bで示され、対応する検出部分は、J
1a、J
ibで示される。
【0028】
同様に、セクションS2において、電極E2a及びE2bの接続部分は、それぞれ、T2a及びT2bで示され、対応する検出部分は、J2a、J2bで示される。
セクションS3において、電極E3a及びE3bの接続部分は、それぞれ、T3a及びT3bで示され、対応する検出部分は、J3a、J3bで示される。
セクションS4において、電極E4a及びE4bの接続部分は、それぞれ、T4a及びT4bで示され、対応する検出部分は、J4a、J4bで示される。
【0029】
図2aでは、各々のセクションS
1-S
4において、1つの電極E
(n)aの検出部分Jは、他の電極E
(n)bの検出部分Jと互いに噛み合う構成で配置される。
【0030】
電極Eは、金属材料や導電性インクのような導電性を有する材料から形成される。材料は、支持構造体2を提供する2つの層またはシート2aの1つに直接コーティングすることができ、そして、他の層またはシート2aを覆うまたはシールすることができる。導電性の材料は、セリグラフ蒸着プロセスを介する場合のように、既知の任意の技術でコーティングできる。電気接続構造体3も、少なくとも一部において、材料の蒸着で得られる。既に述べたように、様々な実施形態において、構造体は、例えば、X方向にペアで互いに接続された2系統の接続パッドP1及びP2を備え、パッドP2は、代わりに、電力供給及び/またはセンサ1の制御回路の一部形成する図示しない制御回路との接続用として設計される。
【0031】
よって、センサ1の製造は、非常にシンプルで安価である。その他の実施形態では、特定の弾性支持体を有する構造体2を提供することができる。弾性支持体上には、電極Eが蒸着され、層またはシート2aの間、または他のタイプの保護ハウジングの中に、液密の状態で囲まれる。
【0032】
既に述べたように、
図1及び2aで例示された場合には、検出構造体4は、4つのセクションSを含み、よって、8つの測定電極Eを含む。しかし、他の実施形態では、1以上のセクションSが、少なくとも1つの更なる電極を含み、特に、後述するように、参照電極を含む。
【0033】
各々の検出セクションSの2つの電極Eは、互いに電気的に絶縁され、センサの制御回路は、検出セクションSが、互いに独立した態様で、容量(または電場)の測定を行うことができるように構成されている。これにより、後述するように、電気的ノイズや寄生容量の削減の有利な点が得られる。
【0034】
特に有利な好ましい特徴として、検出セクションSの電極Eの検出部分Jが、隣接する検出セクションSと異なる巾寸法Wを有する。
【0035】
様々な好ましい実施形態では、幅寸法Wを有し、例えば、上側のセクション(S1)の電極Eの検出部分Jの寸法Wは、下にある各々のセクション(S2、S3、S4)より小さく、同様に、下側のセクション(S4)の電極Eの検出部分Jの寸法Wは、上にある各々のセクション(S3、S2、S1)より大きい。センサ1は、図示されたものと上下が逆の構成で載置されている場合もあり得る。例えば、セクションS1が底部にあり、セクション4が上部にある、その場合には、幅Wの寸法は、図示されたものの逆になる。更に、好ましい特徴として、異なるセクションで異なる幅Wの検出部分Jを有する場合には、電気的ノイズ及び寄生容量の更なる削減に貢献できる。
【0036】
更に
図2aでは、上側セクションS
1における検出部分J
1a、J
1bの幅W
1が、セクション2における検出部分J
2a、J
2bの幅W
2より小さく、このセクションS
2における検出部分J
2a、J
2bの幅W
2が、セクションS
3における検出部分J
3a、J
3bの幅W
3より小さく、同様に、セクションS
3における検出部分J
3a、J
3bの幅W
3が、セクションS
4における検出部分J
4a、J
4bの幅W
4より小さい。
【0037】
既に述べたように、
図2aから認識されるように、様々な電極Eの細長い接続部分Tは、接続構造体3から始まるので、X方向において、異なる長さを有し、上側のセクションS
1で最も短く、下側のセクションS
4で最も長くなる。様々な電極Eの接続部分Tは、支持構造体2の1つの同じ表面上の、ここでは1つの層またはシート2aの表面上において、長さXの方向において、概ね互いに並んだポジションで、支持構造体2に延びている。これにより、様々なセクションS
1-S
4に対応する接続部分Tの有効でない領域NP1-NP
4(
図1)が、異なる長さを有する。セクションS
1の電極Eについては最も短く、セクションS
4の電極Eについては最も長い。
【0038】
よって、各々のセクションの各々の電極Eの接続部分Tは、有効領域EPを有することを示す。有効領域EPは、それぞれの検出部分Jから延びて、概ね、異なる検出セクションに属する少なくとも1つの異なる電極Eの接続部分Tの有効でない領域NPの少なくとも1つのストレッチと並んでセットされる。
【0039】
よって、既に例示した場合に関連して、少なくとも、各々のセクションS
1、S
2及びS
3の電極Eの部分Tの有効領域EPにおいて、概ね、下側のセクションS
2、S
3、S
4に属する電極Eの部分Tの領域NPの少なくとも1つのストレッチに並んでセットされる。特に
図2bを参照すると、セクションS
1において、対応する有効領域EP
1a、EP
1bが、それぞれ、有効でない領域NP
2a、NP
3a、NP
4a及びNP
2b、NP
3b、NP
4bの対応する軸領域と並んで延びている。同様に、セクションS2において、対応する有効領域EP
2a、EP
2bが、それぞれ、有効でない領域NP
3a、NP
4a及びNP
3b、NP
4bの対応する軸領域と並んで延びている。更に同様に、セクションS
3において、対応する有効領域EP
3a、EP
3bが、それぞれ、有効でない領域NP
4a及びNP
4bの対応する軸領域と並んで延びている。
【0040】
図2bに示される好ましい実施形態では、各々のセクションSの測定電極Eにおいて、2つの電極Eのうち1つの電極のそれぞれの検出部分J及び2つの電極の他方の電極の対応する接続部分Tの有効な領域EPの間の距離d1が、上記の有効な領域EP及び異なる検出セクションSの異なる電極Eの接続部と並んでセットされた有効でない領域NPの間の距離d2より小さい。この好ましい特徴は、電気的ノイズや寄生容量の削減に役立つ。
【0041】
図2bにおいて、上記の距離d1及びd2は、各々のセクションS
1、S
2及びS
3の各々の電極E
(n)a、E
(n)bの両方において強調される。図示された特定の例では、1つも同じセクションSの2つの測定電極Eに対応する2つの距離d1が実質的に同じである。しかし、後で明確になるように、これが本質的な特徴を構成するものではない。様々な実施形態において、何れの場合も、各々のセクションSの2つの距離d1の合計が、同じセクションの個々の2つの距離d2の各々より小さいのが好ましい。
【0042】
上記のように、重要な態様によれば、検出構造体3は、複数の異なる領域またはセクションS1-S4に分割され、これにより、互いに独立した態様で、容量の検出を行うことができ、よって、実質的にデジタルタイプのアプローチができる。同時に、各々のセクションSの2つの電極を、互いに絶縁された状態で使用することにより、実質的にアナログタイプの測定ができ、互いに噛み合った検出部分Jを利用して、高い測定分解能を得ることができる。例えば1mmから100mmの電極の高さ(長さ)が得られる。
【0043】
容量タイプのレベルセンサの典型的な制限は、互いに噛み合った検出部分(例えば、2つの櫛歯電極)を有する2つの電極だけで構成される検出構造体、例えば、基本的にアナログタイプのセンサでは、シグナル-ノイズ(S/N)比にで与えられ、特に、例えば、センサの少しの領域だけが浸かったような、液体レベルが低い場合に顕著である。
【0044】
この観点からすると、並んだ電極が一部だけ液体に浸かったとき、空中にある(例えば、液体に浸かっていない)電極の(上側の)ストレッチの電気容量は、電気的ノイズや寄生容量を生じさせて、上記の浸漬されたストレッチに比べて、ある程度、測定精度が低下する。電気的ノイズや寄生容量は、検出する液体のレベルが低いときに、はっきりした効力があり、例えば、液体中に浸かった電極のストレッチの間の効果的に検出された容量Cliquid effは、例えば、液体に浸かっていないような、空中のストレッチにおける容量Cair effより低い。
【0045】
電気的ノイズが、この場合、Cair effで特定することができる。測定値Cdelta=Cliquid eff-Cair eff、つまりCdelta/Cair effで与えられるS/N比は、上記のタイプの既知のセンサでは、事実、容量Cair effの大きさによって、大きく減じられるであろう。
【0046】
センサの検出構造体を複数の”n”のセクションに分割する本発明による解決策により、基本的に”n”の要因によって減じることができる。
【0047】
例えば、
図3を参照すると、参照番号10で、一般的な液体を収容する一般的な容器が示される。例示した場合では、検出セクションS
4に属する測定電極の有効領域のほんの僅かな部分だけが、液体Lに浸される。既に述べたように、レベル検出は、個々のセクションS
1-S
4で、他と個別に行われる。このとき、好ましくは周波数が調整された、電気容量の差が、好ましくは接地された、または間で電位差が生じる測定電極について電気的絶縁された他のセクションSの他の全ての電極とともに、検出セクションSの2つの電極の間に生じる。よって、
図3に例示する場合には、セクションS
4の2つの測定電極の間の電位差を一定に与えるとき、セクションS
1-S
4の他の全ての測定電極は、実質的にC
air effに貢献する上昇を起こさない。代わりに、C
air effの値は、まさに、ここで考慮する検出セクションS
4の測定電極の浸漬されない部分により実質的に定められる。
【0048】
本発明により評価されるように、Cdelta/Cair effで理解されるS/N比は、検出高さにわたって延びた2つの互いに噛み合っただけの電極により形成される検出構造物により、識別される既知の解決方に比べて、明らかに高くなる。
【0049】
図4では、液体Lがセクション4のレベルにあるが、より多く(半分より上)の範囲が液体L内に浸かる対応する電極の有効領域を伴う場合を示す。代わりに、
図5は、上述のように、液体Lがセクション3のレベルにある場合を示し、よって、C
air effの値は、実施的に、セクション3の測定電極の空中にあるストレッチにより定められる。C
air effの値は、セクション4の測定電極(完全に液体に浸かった有効部分)の間の容量、及び液体に浸かったセクション3の電極の有効領域のストレッチの間の容量の合計により得られる。
【0050】
よって、複数の領域に分割された検出構造体を有し、各々が個別の互いに噛み合った測定電極を有する容量センサでは、有利な点として、従来のセンサに比べて、センサがより良好なS/N比を有する。
【0051】
上記のように、好ましい態様では、検出セクションSの電極Eの検出部分Jが、隣接する検出セクションと異なる幅Wの寸法を有する。上記のように、幅Wの寸法の構成として、例えば、既に述べたように、下側のセクションS4から上側のセクションS1にかけて、幅Wが減じる、例えば、W1<W2、W2<W3、W3<W4または、概ねW(n)<W(n)+1となるのが好ましい。
【0052】
この目的によれば、寄生容量も、1つの電極Eの有効領域EP、及び並んでセットされた1以上の異なる電極の有効でない領域NPの間の距離d2(
図2b)による。特に、距離d2が大きくなるにつれて、寄生容量が小さくなり、特に、セクションSの1つの測定電極Eが1つの電位に接続された場合を考慮すると当てはまる。つまり、同じセクションSの他の電極E、及び他のセクションの他の電極Eは、反対の電位に接続される。提案した解決策により、距離d2は十分に大きく、空中の容量に対して大きな寄与をもたらすことなく、よって、S/N比を減少させない。様々な好ましい実施形態において、距離d2は、少なくとも1mmである。
【0053】
例えば、
図2bを参照すれば、電位差がセクション3に与えられ、左側の電極E3b(
図2a)が正の電位に接続され、同じセクションの右側の電極E3a(
図2a)、及び他の全てのセクションS1、S2、S4の測定電極が負の電位に接続される。よって、電極E3bの有効領域EP3bは、対応する有効でない領域NP3bとともに、正の電位を有する。一方、他の全ての電極の有効及び有効でない漁期は、負の電位を有する。セクション3において、正の電位の有効領域EP
3bに並んで、負の電位の有効でない領域NP
4bがあり、セクション2において、負の電位の有効でない領域NP
3bが、共に負の電位の有効な領域EP
2b及び有効でない領域NP
4bの間にセットされる。
【0054】
異なる電位にセットされた電極のこれらのストレッチが、互いに並んでセットされる事実により、上記の電極のストレッチが互いに近すぎる場合には、空中の電気容量に寄与し、S/N比を悪くする。提案する解決策では、検出部分Jの幅Wを、電極Eの有効でない領域NPの通路のためより大きくして、距離d2を増や可能性を有する。
【0055】
抽出された用語として、様々なセクションSの検出部分Jは、全て同じ幅Wを有する。これにより、寄生容量を減少させるのに十分な距離d2が得られる。しかし支持構造体2の表面は、幅方向で増えるであろう。これのことは、全体の寸法、コスト、製造プロセスの観点から具合が良いとはいえない。
【0056】
図6は、
図3から
図5のセンサ1を表した斜視図であり、
図7は、その対応する詳細を示し、それぞれ、文字”b”及び”a”で識別される右側および左側の電極Eを伴う。
【0057】
図8は、本発明に係るセンサ1の更なる例を示し、検出部分Jの異なる形状で識別される。これまで図示された様々な例において検出部分Jは、実質的に、例えば、X方向における高さにおいて相対的に減じられた電極の検出部分Jが、歯または指の形状を有する。一方、
図8の場合には、方向Xにおいて、方向Xにおける高さにおいてより大きな電極の小さなプレートの形状を有する。各々のプレートは、上記の実施形態の個々の歯または指より明らかに大きな表面を有する。更に、この場合、部分Jは、互いに噛み合う構成や、その他の構成をとることができる。このタイプの解決策は、測定の高い解像度を要さないレベルの検出に適用できる。
【0058】
図9は、検出2つの異なる系を含む検出構造体のセンサ1の場合を示す。例えば、セクションS
1-S
4のサクセションまたは系Iに、更なるセクションS
5-S
8の第2のサクセションまたは系IIが続く。図示された特定の例では、個々の系I、IIのセクションが、それぞれの電極の検出部分Jの幅Wが、セクションS
1及びS
5で、各々のセクションの系で、最も小さい幅を有する。図示された限定されない例において、2つの系I及びIIは、1つのまたは同じ支持構造体2に位置し、セクションS
1-S
4は、実質的に、
図1-7を参照して記載されたものに応じて形成され、セクションS
5-S
8は、実質的に、
図8を参照して記載されたものに応じて形成される。
【0059】
図9に示すタイプの実施形態は、例えば、下側の領域の一般的な容器のレベルの測定の解像度が、容器の上側の部分の要求される測定解像度と異なる場合、及び/または系Iの配置や角度が系IIと異なる場合、例えば、系Iが垂直に配置され、系IIが斜めに配置された場合に有効である。
【0060】
図10-11は、検出構造物が、S
1-S
3に3つに分割され、底部、例えば、セクションS
3の下に、特定の参照電極Jrを含むセンサ1の場合を示す。参照電極Jrは、電気伝導性材料Trからなるそれぞれのトラックを介して、接続構造体3に接続される。電極Jr及び対応するトラックTrは,センサ1の他の電極として得られる。例えば、支持構造体2の2つの層またはシート2aの1つの上に電気伝導性材料を蒸着することにより得られる。この例では、電極Jrが、様々な測定電極の検出部分Jよりも明らかに大きな表面積を有する。
【0061】
代わりに、
図12は、検出構造物が、S
1-S
4に4つに分割され、例えば、各々のセクションS1、S2、S3、S4の3の底部に、特定の参照電極J
r1、J
r2、J
r3、J
r4を含むセンサ1の場合を示す。参照電極J
r1、J
r2、J
r3、J
r4は、電気伝導性材料T
r1、T
r2、T
r3、J
r4からなるそれぞれのトラックを介して、接続構造体3のそれぞれのパッドに接続される。参照電極J
r1、J
r2、J
r3、J
r4及び対応するトラックTrは,センサ1の他の電極Eとして得られる。例えば、支持構造体2の2つの層またはシート2aの1つの上に電気伝導性材料を蒸着することにより得られる。この場合は、電極J
r1、J
r2、J
r3、J
r4が、対応する測定電極Eの検出部分Jよりも、それぞれ明らかに大きな表面積を有する。
【0062】
様々な実施形態において、センサ1は、少なくとも1つの温度センサ要素TSを備える。このタイプの好ましい実施形態では、温度センサ要素を、検出構造体の各々の検出セクションの下側部分に備えることができる。
【0063】
このタイプの例を
図13-14に示す。センサ1に関して、検出構図物が、4つのセクションS
1、S
2、S
3、S
4の4つのセクションに分割され、対応する温度センサ要素が、それぞれTS
1、TS
2、TS
3及びTS
4で示される。各々の温度センサ要素TS
1、TS
2、TS
3及びTS
4が、TS
1a-TS
1b、TS
2a-TS
2b、TS
3a-TS
3b、及びTS
4a-TS
4bにより示される、例えば、支持構造体2の2つの層またはシート2aの1つの上に電気伝導性材料を蒸着することにより得られる電気導電性材料からなるそれぞれのトラックの対を介して、接続構造物3のそれぞれのパッドに接続される。可能な実施形態において、共通して、上記の1以上の温度センサ要素TS
1、TS
2、TS
3及びTS
4が、電気的導電性材料からなる接続構造物3のパッドに接続するため、電気的トラックを有する。
【0064】
上記の温度センサ要素は、有利なことには、負の温度係数(NTC)を伴う電気抵抗を有し、支持構造体のシート2aに蒸着される。ただし、上記の温度センサ要素を、コンポーネントとして提供する可能性もあり、例えば、SMD技術を用いて、支持構造体2のシート2aの1つに取り付けることもできる。
【0065】
温度センサ要素TS、または各々の温度センサ要素TS(n)を介して、検出される温度の情報が、対応するセクションSの測定電極Eを介して得られる測定を補償するため、レベルセンサ1の制御回路により用いられる。測定が行われる液体の容器の中の温度勾配の存在により、レベルセンサ1内で反響が生じ、支持構造体2の異なるセクション及び部分における異なる温度を導き、これにより、測定エラーを誘導する。このような傾斜の存在における補償が、様々な方法で実行される。
【0066】
例えば、
図13及び14で例示される場合には、長さXの方向で異なる高さでセットされた様々な温度センサ要素TS
1-TS
4から推測され得る情報に基づいて、温度勾配の検出が行われる。
図13を参照し、液体のレベルがセクションS
3に対応すると仮定すると、このセクションの容量の測定は、概ね、対応する温度センサ要素TS
3により得られた測定を介して補償される。しかし、液体の容器内の温度勾配のあり得る存在(ここでは意図的に誇張してある)が、測定に反映する温度エラーを生成する。上記のように、この勾配は、センサ要素TS
3の更に上側または下側にある温度センサ要素TS
1、TS
2及びTS
4により測定を介して検証される。
【0067】
異なるアプローチによれば、特定の温度センサ要素が存在しない場合でも、他の検出セクションJの電極Eから推測することができる情報を利用することができる。例えば、上記のように、もし、液体のレベルがセクションS3に対応するとき、下側のセクション4の検出部分Jは、液体に浸かり、上側のセクションS1、S2の検出部分Jは空中にある。製造段階で実行される設計及び/またキャリブレーションの間に行われる試験的な測定に基づけば、これは、所与の温度(例えば20℃)における様々なセクションS1-S4の要素Jにおける特定の液体または空中での没入の条件における容量の理論値であり、センサ1の制御電子部が、理論値及び現状測定された値との差に基づいて、測定電極Eが、現状どの温度におかれているか推測できる。
【0068】
すなわち、セクションの電極の現状の温度=(a)-(b)となる。
【0069】
ここで、(a)は、電極自身における理論的な電気容量(浸漬された場合または空中)であり、(b)は、電極自身で現状、有効に測定された電気容量(それぞれ、浸漬された場合または空中)である。セクションSに近接した電極Eのおかげで、制御電子部は、液体が存在し、温度勾配、容量の対応する測定値に関して補償を行い、電極Eの実際の温度における情報を得ることができる。
【0070】
同様に、質及び/または1以上の他の特性、特に、物理化学特性における情報を導き出すため、他のセクションJの電極Eから推測され得る情報を利用することができる。例えば、上記のように、もし、液体のレベルがセクションS3に対応し、下側のセクションS4の検出部分Jが液体に浸されているとき、上側のセクションS1、S2の検出部分Jは空中にある。製造段階で実行される設計及び/またキャリブレーションの間に行われる試験的な測定に基づけば、これは、適用で規定された特定の液体への浸漬の条件における容量の理論値であり、センサ1の制御電子部が、理論値及び現状測定された値との差に基づいて、測定電極Eにおいて現状存在する液体の定積的な特性の可能な変化を補償することができる。
【0071】
すなわち、セクションの電極における液体の質は=(a)-(b)となる。
【0072】
ここで、(a)は、適用により期待される特性を有する液体に浸かった電極自身における理論的な電気容量であり、(b)は、現状の特性を有する液体に浸かった電極自身で現状、有効に測定された電気容量である。セクションSに近接した電極Eのおかげで、制御電子部は、電極Eが浸かった液体n実際の質における情報を得ることができ、この上表の機能として、対応する測定した容量の値を補償することができる。
【0073】
温度勾配を補償するその他の可能な方法は、代わりの、例えば、
図10-11の参照電極Jrのような、検出構造体のための1つの参照電極を用いることに基づく。このタイプの実施形態では、参照電極Jrが、下側のセクション(
図10の例ではセクションS
3)の検出に参照として使われる。差の測定により、共通モードノイズ(温度、液体の特性等)の他の原因となるような、温度の補償を行うことができる。4つの検出セクションS
1-S
4を有する、
図10-11に示されるタイプのセンサの場合を考慮すると、1つの参照電極JrがセクションS
4の下側にあり、例えば、液体のレベルがセクションS
3に対応するとき、セクションS
4は完全に浸漬され、既に補償されたセクションS
4の容量値を、セクションS
3の参照として使うことができる。同様に、液体のレベルがセクションS
2に対応するとき、セクションS
3が完全に浸漬され、対応する同様に浸漬されたセクションS
4とともに、測定された容量値を、セクション
2の参照として用いることができる。液体のレベルがセクションS
1に対応するとき、セクションS
2は完全に浸漬され、他とともに、測定された容量値を、セクションS
1の参照として使うことができる。
【0074】
1つの参照電極Jrを介してなされた容量の測定は、測定される液体の誘電率による。つまり、獲得された容量の測定は、測定を行う液体または溶媒の質、及び/または特性も示す。例えば、もし、測定された液体が希釈されたとき、参照電極における容量の測定は、液体が純液の場合と異なる。このように、もし、液体が期待したものと異なるとき、参照電極Jrで測定された容量は、その液体で期待されたものと異なる。このように、電極Jrによる測定を介して、測定時における液体の質を示すことができる。このタイプの1つの実施形態では、参照電極Jrが、例えば、
図10-11のセクションS
3のような、下側のセクションの検出の参照として使われるとき、測定の差で、液体の質の保証を行うことができる。
【0075】
温度勾配の補償のための更なる方法は、例えば、
図12の参照電極J
1r、J
2r、J
3r、J
4rのように、各々のセクションの参照電極を用いることに基づく。この方法では、上記に比べてより多くの電気接続を要するが、より正確になる。よって、この場合、各々のセクションSの容量の測定は、差異によるタイプの測定を伴う、対応する参照電極を介して得られる容量の1つの検出と相互に関連する。温度は、対応する参照電極J
(n)rにおけるように、1つのセクションSの測定電極Eにける効果を有する。つまり、差異の測定のおかげで、(共通モード効力である)温度の効力をキャンセルすることができる。
【0076】
参照電極J(n)rを使うことにより、液体の様々な特性、つまり質を補償することもできる。概ね、液体の相が分離された場合(例えば、タンクに収容されたディーゼル油の水の割合が、ある閾値を超え、相の分離が生じて、タンク内で、ディーゼル油から分離した水が生じる場合)、より安定したロバストな測定を保証することができる。
【0077】
可能なキャリブレーション及び/または補償方法の詳細な記載において、1以上の参照電極及び/または1以上の温度センサを用いて、勾配が存在する場合であっても、本願の名前でファイルされたWO2017/109765を参照することにより、その内容が参考としてここに組み込まれることが理解される。
【0078】
図1に示すタイプのレベルセンサ1に関して、操作の例が提供される。レベルセンサ1は、4つのセクションS
1-S
4に分割される検出部分を有し、各々のセクションは、検出部分Jのような電極自身を濡らす液体の量による電気容量の測定を提供するように設計された2つの互いに噛み合った電極を有する。よって、各々のセクションSにおいて、測定は、下記の2つの値の間に含まれる。
【0079】
C(n)air eff:完全に空中にあるセクションS(n)の検出部分J、及び
C(n)liquid eff:完全に浸漬されたセクションS(n)の検出部分J。
【0080】
よって、センサ1は、下記で得られるレベルQを測定することができる。
Q=Q1+Q2+Q3+Q4
これは、下記の容量の測定に基づいて計算される。
C=C1+C2+C3+C4
【0081】
次に、C(n)(x)は,C(n) air eff 及びC(n) liquid effの間(,C(n) air effより大きくC(n) liquid effより小さい)に含まれる液体のあるレベル”x”に関連する容量の値である。
【0082】
製造プロセス中、センサ1を物理的に製造した後、キャリブレーション段階が実施される。この段階の目的は、異なる状態でセンサ1を伴う容量の測定を行い、センサ1自身の制御回路の内部にこれらの測定データを保管し、その後、引き続く操作において、この保管した情報を用いて計算を行い、センサにより提供されたレベル情報を最適化する。様々な好ましい実施形態において、キャリブレーションは、下記の2つのステップを含む。
【0083】
i)液体サンプルに浸漬されたセンサの全ての電極Eによる容量の検出で、検出されて保管されるのは、各々のセクションSの電極Eの各々の対における、空中にある容量の値C(n) air。
ii)液体サンプルに浸漬されたセンサの全ての電極Eによる容量の検出で、検出されて保管されるのは、各々のセクションSの電極Eの各々の対における、浸漬された状態の容量の値C(n) liquid。
【0084】
各々の電極Eに対応するレベルQ(n)は、検出セクションSのようなセンサの検出構造体を構成する”n”対の電極で測定された容量C(n)の情報に基づいて算出される。この変換は、下式で示される。
【0085】
【0086】
【0087】
上記記号は、容量C及び液体のレベルQの測定の間に比例を表す。センサ1のグローバスジオメトリによって定まる係数を用いながら、この変換は、ファラド(F)で示される容量の測定値をミリメータ(mm)で示されるレベルの測定値にする。
【0088】
ここで、
図1及び
図2a-2bに示されたタイプのセンサ1が4リットル容器内に取り付けられ、説明を簡単にするため、センサの各々のセクションS
1-S
4が、1リットルの液体の高さを測定するように設計されている場合を考える。下記にリストした場合が可能である。
【0089】
1)下側のセクションS4に対応する液体のレベル(x)
センサ1の制御電子部が、セクションS4の電極Eの間の容量を測定する。レベル(x)を表す検出した容量C4(x)が保管した値C4 airと異なる場合、制御電子部は、液体が存在すると認識し、例えば、下式のように、以前に取得した測定値からレベルの値を算出する。
【0090】
【0091】
2)中間のセクションS3に対応する液体のレベル(x)
センサ1の制御電子部が、セクションS3の電極Eの間の容量を測定する。つまり、レベル(x)を表す容量C3(x)を取得する。この場合、取得した容量C3(x)が、保管した値C3 air及びC3 liquidと異なる場合(特に、これらの値の間に含まれる場合)、制御電子部は、液体が存在すると認識し、例えば、以前考察したセクションS4のように、液体のレベルが位置し、完全に浸漬されたものに最も近いセクションSの容量を測定する。
【0092】
よって、取得されたセクションS4の容量の有効値は、C4 liquid effに等しい。このときのC4 liquid effの値は、温度、及び、例えば、液体の質のような、液体の物理化学的特性(電気伝導度、誘電率等)に影響される。よって、計測値C3(x)からレベルQ3を算出するとき、C4 liquid effを温度及び液体の特性の効力を除くために使うことができる。よって、電子部は、下式を適用して、差を用いた相対的な測定を得る。
【0093】
【0094】
よって、レベル3の測定は、温度及び液体の特性と独立している。
【0095】
3)中間のセクションS2に対応する液体のレベル(x)
上記の場合のように、制御電子部が、セクションS2の電極Eの間の容量を測定する。つまり、保管した値C2 airと異なる、レベル(x)を表す容量C2(x)を取得する。そして、電子部は、例えば、セクションS3のような、完全に浸漬された容量の値を測定する。そして、温度、及び液体の物理化学的特性に影響されるであろう、対応する有効な容量C3 liquid effの値を取得する。電子部は、下式を適用して、差を用いた相対的な測定を得る。
【0096】
【0097】
4)上側のセクションS1に対応する液体のレベル(x)
既に理解されたように、この場合も、上記の2)及び3)に記載されたのと類似した論理が続けられる。電子部は、下式を適用して、差を用いた相対的な測定を得る。
【0098】
【0099】
よって、レベル1の測定は、温度及び液体の特性と独立している。
【0100】
以上をまとめると、任意の測定サイクルにおいて、制御電子部は、各々のセクションSの容量の計測を順次行い、液体のレベルが位置するセクションを識別する(容量C(n)(x)がC(n)air及びC(n)liquidの間に含まれ、他のセクションがC(n)airまたはC(n)liquidと等しい、または非常に近い容量の値の場合、ただ1つのセクションが該当する)。
【0101】
もし、レベル(x)が1つのセクションに識別できないとき、下記の2つの場合が存在する。
【0102】
a)容器が完全に空である(例えば、センサの全てのセクションSが完全に空中にある)場合である。この場合には、各々のセクションSの電極の対は、C(n)airに等しい、または非常に近い容量の値を示し、センサの出力信号は、ゼロにセットされる。
【0103】
b)液体のレベルが、ちょうど2つのセクションの間に位置する場合である。この場合には、センサの出力信号は、最後の完全に浸漬されたセクションのレベルQ(n)の値(ポイント2で説明したような、下側のセクションにおける有効な検出値を介して、参照及び正規化した値)に対応する
【0104】
一度、液体のレベルが位置するセクションSが識別されると、電子部は、例えば、セクションS(n+1)のような、完全に浸漬されたものに最も近いセクションSを識別する(下方のセクションSの場合には可能でない)。そして、電子部は、セクションS(n+1)を測定して、値C(n+1)liquid effを取得し、そして、下式を用いて、差を出し及び相対的に、レベルQ(n)を算出する。
【0105】
【0106】
全ての電極の読み込みの最後に、様々なセクションSの全ての値Q(n)の合計から算出される。
【0107】
記載された方法は、検出構造体を形成する全ての電極に適用される。しかし、上記のように、レベルが最も下のセクション(例えば、セクションS
4)の場合には、この方法は適用できない。例の中では、事実、セクションS
4は、上記の式を適用して、差を用いた相対的な計測が得られる。このことは、このセクションのレベルの計測が、他のセクションの計測よりも正確性に欠けることを意味する。この欠点を克服する解決策は、セクション
4に、
図10-11の参照電極Jr,または
図12の電極J
4rのような参照電極を備えることであり、これにより、上記の式の適用が可能になる。この場合、参照電極で占められる領域は、計測領域の外側にある。
【0108】
この方法の利点は、上記のように、差を用いた相対的なレベルの測定を得ることである。適用状況において、センサ1の通常の稼働の間に、大変利用価値があることが証明される。タンク内の液体が相で分離した場合例えば、上記のように、ディーゼル油と水の分離が生じた場合)に、より利用価値が高い。
【0109】
既に示した下記の式が、差を用いた相対的なレベルの測定を得る最も正確な計算方法を示す。
【0110】
【0111】
目的が、制御回路のプロセッサの計算容量を抑える、または計算時間を削減する場合には、下記の2つの式に示すような、広げられた概算を示すより単純な式を用いることができる。
【0112】
【0113】
【0114】
上述した実施形態において、様々なセクションSの電極Eの検出部分Jが、支持構造体2に関して、中心の位置にある。しかし、これは、主要な特徴を構成するものではない。この考えによれば、様々なセクションSの幅Wを定めた好ましい配置を維持するとしても、対応する電極Eが、2つの辺の1つの辺に並ぶこともあり得る。
【0115】
図15-16は、この意味における例を強調しており、既に述べたように、様々な電極の検出部分Jが、支持構造体2の左側の辺に沿って並んでいる。一方、様々なセクションSの電極の対の検出部分Jの寸法を定めた好ましい実施形態を維持している。どのような場合も、右側の辺に沿って並ぶこともできる。距離d2で接続部分Tを配置して十分なスペースを得て、
図2bに関連して上述したように、寄生容量を削除する、またはどの場合でも減少させることができる。
【0116】
図16の詳細から、例えば、セクションS
1において、構造体2の右側において、接続部分T
2aの有効でない領域NP
2aは、どの場合でも、接続部分T
1aの有効領域EP
1aから距離d2の位置にある。一方、接続部分T
3a、T
4aの有効でない領域NP
4aは、上記の有効な領域EP
1aから更に離れている。
【0117】
反対に、構造体2の左側では、接続部分T
1bの有効な領域EP
1bが、接続部分T
2bの有効でない領域NP
2bに比較的近く位置し、接続部分T
3b及びT
4bの有効でない領域NP
3b及びNP
4bにも比較的近く位置している。しかし、説明したように、様々な実施形態において、検出セクションにおける容量の検出の目的において、他の検出セクションの他の全ての電極とともに、1つの第1の電極Eが、ある電位でセットされ、第1の電極Eが対向する電位(例えば、接地)でセットされる。よって、
図16の例を参照すれば、例えば、有効な領域EP
1aは、正の電位であり、負の電位の有効でない領域NP
2a、NP3a及びNP4bから十分に離れ(距離d2)、対応する寄生容量を制限する、またはキャンセルすることができる。逆に、反対側では、有効な領域EP1bは、有効でない領域NP
2b、NP
3b及びNP
4bとともに、負の電位にある。これにより、上記の領域の間の相対的な近接により、寄生容量を上昇させるのを防ぐことができる。
【0118】
様々な実施形態において、レベルセンサは、上述したようにして形成された第1の検出セクション、及び少なくとも他の方法で考えられた第2の検出セクションを備える。そのような場合が、下側の検出セクションS
4が、上側のセクションS1-3と異なる構造体を有するセンサ1を示した
図17及び18に例示される。この例では、セクション4の検出部分J
4a及びJ
4bが、センサの長さ方向に長く延びた板の形状を有し、概ね、互いに平行に配置され、噛み合った構成の検出部分を有さない。どの場合も、センサ1を稼働させる目的は、上述の場合と同じであるが、下側の検出セクションS
4における計測解像度が、上側のセクション1-3に比べてかなり低い点で異なる。
【0119】
様々な実施形態において、本発明に係るレベルセンサは、好ましくは、同じ電気接続構造体3と接続された、多くのレベル検出構造体を備える。
【0120】
例えば、様々な実施形態において、レベルセンサ1の支持構造体は、2つの検出構造体を並べて支持しており、構造体は、検出の精度を改善するため、同じ数の検出セクションを有するのが好ましい。
【0121】
このタイプの好ましい実施形態において、1つの構造体の電極の検出部分Jは、並んでセットされた構造体の電極の検出部分Jに関して、長さXの方向にずれることができる。例えば、第1の構造体で検出されるレベルの中間のレベルに位置する第2の構造体で検出することにより、検出の解像度を倍増させることができる。
【0122】
図19ー20は、この考えにおける例を示し、構造体2上であって、2つの層またはシート2aの中に、並んだ2つの検出構造体4が提供され、それぞれが、4つのセクションS
1-S
4に分割されている。
図20で詳細に示されるように、同様の構造体Sの検出部分Jが、長さ方向において、互いにずれて配置されている。よって、これにより、センサ1の全体的な測定の解像度を増すことができる。
【0123】
上述の場合のように、様々な実施形態において、レベルセンサの支持構造体が、対向する表面の2つに2つの検出構造体を支持でき、測定の解像度を改善するため、両方とも、同じ数の検出セクションに分割されるのが好ましい。2つの検出構造物は、1つの同じ柔軟性のある支持体の2つの対向する主要面上で規定される。このタイプの好ましい実施形態では、同じ支持体の対向する面上の検出構図体の電極の検出部分Jに関して、上記の支持体の1つの面の上で規定された検出構造体の電極の検出部分Jを、長さXの方向にずれて配置することができる。
図21-22は、その考えにおける例を示し、各々の構造体4が、4つの検出セクションS
1-S
4に分割された、それぞれの検出構造体4が、1つの同じ柔軟性のある支持体2cの2つの対向する主要面の各々の上に備えられる。柔軟性のある支持体2は、上記において2aで示されたタイプの2つの層またはシートの間、または異なる電気的に絶縁されたハウジングに囲まれることができる。
【0124】
上記のように、
図21及び
図22の比較から理解されるように、同種の構造体S
nの検出部分Jが,有利なことには、センサの長さ方向において互いにずれて配置され、よって、センサ1の全体的な検出の解像度を増大させることができる。
【0125】
様々な実施形態において、本発明に係るレベルセンサ1は、それぞれの支持構造体に支持された多くのレベル検出構造体を備えるが、1つの同じ電気接続構造体と電気的に接続されるのが好ましい。例えば、
図23-24は、第1のレベル検出構造体4’及び第2のレベル検出構造体4’’を備える。これらの構造体は、概ね、長さ方向に並んでセットされ、両方が電気接続構造体に接続される。例示した場合では、2つの構造体4’、4’’が、それぞれ、例えば、上記のタイプのような、対応する柔軟性のある支持構造体2’及び2’’に支持される。
【0126】
2つの検出構造体4’、4’’は、1つ及び同じ数の検出構造体Sを備えることができる。例示した場合、各々の検出構造体4’、4’’は、例えば、
図9に示すタイプの構成を有する、S
1-S
8で識別される8つの検出セクションを含む。2つの検出構造体4’、4’’は、全体としてECで識別される、1つの同じ接続及び制御ユニットに電気的に接続される。2つの検出構造体4’、4’’は、対応する電気伝導性トラックTとともに、支持構造体2の領域RBを介して、または多くのコンダクタを伴う柔軟なフラットケーブル等を介して、接続及び制御ユニットECに接続される。
【0127】
図23-24のセンサは、少なくとも一部で概ね互いに平行な2つの検出構造体4’、4’’を有する概ね実質的にU形の全体形状を有し、好ましくは、少なくとも1つの湾曲した及び/または直交する、または傾いたストレッチRBにより繋がれる。例えば、2つの検出構造体4’、4’’の各々が、実質的に全体としてL字形の構成を有し、例えば、互いに直交するまたは傾いた2つのストレッチ、好ましくは、湾曲したストレッチで繋がれる。
【0128】
例えば、このタイプの構成は、レベルの検出を行う液体の容器またはタンクが、複数の区分された分室、または複数の区分された蓄積領域を含む場合、例えば、所謂サドルタンク、特に、自動車の燃料サドルタンクの場合に有益である。
【0129】
図25は、この目的における、例えば、サドルタイプの自動車のタンクのような、互いに区切られた複数の分室、または蓄積領域を有する容器またはタンク10の場合を示す。タンク10の底部10bは、概ね互いに平行な、10
1及び10
2で識別される2つの区分された蓄積領域を画定するように形成されている(もちろん、各々の領域10
1及び10
2は、それぞれ図示しない液体の出口を有する)。
【0130】
2つの構造体1’及び1’’の各々が、長さ方向に延びて、一部がそれぞれ蓄積領域101及び102に延びている。検出構造体4’及び4’’を介して、2つの蓄積領域101及び102の各々の液体の存在及びレベルを、独立して検出することができる。
【0131】
取り付ける状態によっては、2つの構造体4’、4’’は、容器10内で概ね曲げられる。特に、実質的にセクションS
4及びS
5の間の遷移領域で曲げられ(
図24参照)。よって、P1及びP2で識別される2つの領域で、各々の構造体において、異なるように傾けることができる。
【0132】
この例では、各々の構造体4’、4’’の2つの領域P1、P2が、上述の
図9に示す場合と類似した、異なるタイプの検出セクションを備える。2つの領域P1及びP2は、異なる測定の解像度により識別できる。例えば、検出セクションS1-S4を備えた領域P1は、検出セクションS5-S8を備えた領域P2より、高い解像度を有することで識別される。
【0133】
何れの場合でも、検出セクションJの垂直方向に対する傾きによって定まる。例として、領域P2の電極は、垂直に対して傾きが小さい領域2の電極の解像度と同じ解像度を有するポイントに対して、高いに解像度でセットすることができる。
【0134】
様々な実施形態において、どの場合でも、連続した領域の各々の遷移領域で各々の遷移領域に対応するポイントで、それぞれ曲がったまたは湾曲した、対応する柔軟な支持構造体とともに、レベルセンサの検出構造体または構造体は、互いに角度で概ねそれぞれ水平な方向に延びた複数の連続した領域を有する。
【0135】
図25-26の例では、一体となった、または少なくとも容器またはタンクの1つの壁に固定され、例えば、少なくとも一部で、一体的な、または底部壁10b及び/または側部壁(及び/またはたぶん上部壁)に固定された支持体Rが示される。これらのサポートRは、
図23-24においてBで識別されるレベルセンサ1の位置決め及び/または固定要素に接続される。例示した場合には、底部10bが、互いに角度を有する(例えば、
図26参照)壁領域によって、識別される。しかし、傾いたまたは角度を有するようにセットされた同様な領域が、少なくとも1つの側部壁の一部を形成することができる。この例では、異なる高さの支持体Rのおかげで、レベルセンサ、例えば、検出構造体4’及び4’’の支持構造体2が、タンク10の底部壁10bに固定される。
【0136】
特に、
図26を参照すると、2つの検出構図体の端部領域が、タンク10の底部壁10bに近接している。一方、端部領域は、上部壁10uと近接している。もちろん、検出構造体の異なる角度の領域を提供する解決策を、
図9のような構造体を含むレベルセンサの場合においても使うことができる。
【0137】
図27-28は、上記の接続及び制御ユニットの可能な実施形態を模式的に示し、構造体2のストレッチRBまたはケーブルが接続された、少なくとも2つの部分30、31から構成される。様々な実施形態において、上記のケーシング30-31が、それぞれ電気伝導性トラックTを支持する構造体のストレッチRBを介して、2つの検出構造体1の電極Eに電気的に接続されるプロセス及び/または制御回路を中に収納するような形状を有する。例示された例では、2つのケーシング30-31は、回路支持体33を収納するチャンバ30aを画定するように形成され、回路支持体33の上には、好ましくは、センサを制御するためのプログラムが入った不揮発メモリ手段を有するマイクロコントローラのような、電気的制御ユニット34を含む、レベルセンサ1の制御のための回路部材が載置されている。
【0138】
電気ユニット、またはプロセス及び/または制御回路は、好ましくは、少なくとも発信器の中の1つ、振動信号を生成するように設計された回路、インピーダンス及び/または容量及び/または電気抵抗を検出するように設計された回路、アンプ回路、制御スイッチ、またはマルチプレクサ、またはインプット及び/または電極を切り替えるための回路、または信号サンプル及び/またはサンプル及び保持回路、アナログ-デジタルコンバータ、データプロセス回路、メモリ回路、好ましくは、シリアルフォマットの伝送及び/または受信のための、非常に好ましくは、SENTインタフェス及び/またはプロトコルのデータ伝送回路を備える。
【0139】
この例では、ケーシング本体は、部分31、例えば、少なくとも、センサ1を、例えば自動車に取り付けられた制御回路のような、外部システムとインタフェスする電気接続部32の一部を画定し、蓋を有する。この例では、構造体2のストレッチRB、または上記のケーブルの様々なリードまたは電気トラックの端部が、上記のプロセス及び/または制御回路、特に回路支持体33に接続される。ストレッチRBが、2つの検出構造体4’、4’’の一体的な部分を形成する場合、対応する電気接続構造体3は、直接、上記のプロセス及び/または制御回路、または対応する回路支持体33に接続される。一方、平坦なケーブルが備えられる場合には、対応するコンダクタの1つの端部が、回路支持体に接続され、反対の端部が、2つの検出構造体4’、4’’(
図9参照)の電気接続構造体3に接続される。
【0140】
図29は、支持構造体2’、2’’に一体的に画定された、センサの位置決め及び固定のための要素Bの場合を例示し、例えば、小さなブラケット、または横側に突起した固定タブの形状を有し、タンク10に伴う、または一体化した支持体Rの対応する固定領域R1を受けることができる少なくとも1つの通路または座を備える。
【0141】
好ましくは、本発明に係るセンサの検出構造体の各々の検出セクションSの電極Eは、他のセクションの電極とは異なる固有の特徴を有する。つまり、各々の電極の対は、好ましくは、例えば、与えられた領域、及び/または液体のタンクまたは他の容器の形状または傾きにより必要な測定解像度の機能において、正確な特性を伴う固有の形状を有する。
【0142】
この態様をより良く理解するため、参考として、
図30に断面図を示し、タンク10を模式的に示す。タンク10は、複雑な形状を有し、本発明に係るレベルセンサ1が、連続した複数の領域P1-P4を有し、領域P1-P4は、互いに概ね角度の付いたそれぞれの平面で延びており、各々の領域が、異なる形状のそれぞれの電極の対を有する1以上の検出セクションを含む。
【0143】
例えば、制御回路から最も離れた領域P4は、高い解像度を要するが、垂直に対して大変傾いている。
図8に示すタイプのような例であれば(傾きが大きく、高さ1mmで、幅が多数ミリメータとなる)、比較的大きな検出部分Jを有する電極の対を用いることができる。
【0144】
次の領域P3では、どの場合も高い測定解像度を要するが、垂直方向に対して少ない傾斜を有する。例えば、
図1及び2aに示すような、比較的小さな検出部分の電極を用いれば十分である。隣の領域P2及びP1については、それぞれ、領域P4及びP3で示したと同様な解決策を適用できる。
【0145】
上記のように、計測の解像度は、電極の検出部分Jの表面の寸法だけでなく、検出部分Jの垂直方向に対する傾斜により定まる。この考えが、
図31に図示され、S
4で識別された要素Jは、垂直方向に対して傾斜が少ない領域P2の要素Jの解像度と同じ解像度を有するポイントに対して、大きな傾きで配置されている。
【0146】
上記に基づけば、制御電子部のソフトウエアプログラミングを介して、検出領域P1-P4の特性に応じて、異なるタイプの補償を選択することができる。例えば、(
図10-11のような)1つの参照電極を有する場合、(
図12のような)様々な位置に多くの参照電極を有する場合のように、温度勾配の効力、及び相に分離したり、タンク内の様々な領域における特性や温度の差に関連する変化の効力を最小化する。
【0147】
本発明に係るレベルセンサ1は、少なくとも、上記の支持構造体を容器またはタンクに位置決め及び/または固定するための1以上の要素を備える。上記の位置決め/固定要素が、レベルセンサに一体的に設けられるか、センサの上に載置される。センサ1は、既に載置された上記の要素を備えるか、または、センサとともにキットの形で提供される上記の要素を介して、予め配置させることができる。
【0148】
様々な実施形態において、レベルセンサ1は、センサの長さ方向において互いに離れ、例えば、容器またはタンクの少なくとも1つの壁に関して、少なくとも1つの支持構造体の位置を保持するように構成された複数の位置決め及び/または固定要素を備える。
【0149】
図32-33は、センサ1、例えば支持構造体2を、容器またはタンク10の少なくとも1つの壁に固定するために使用可能な位置決め及び/または固定要素Bの様々な可能な実施形態を例示する。
【0150】
図32-33は、位置決め及び/または固定要素Bの一例を示し、位置決め及び/または固定要素Bは、検出構造体の婉曲を横切る方向に延びるように設計され、間にセットされたそれぞれの電極のストレッチについて、スナップアクションで、閉じることができる2つの領域を含む。上記の本体は、具合のよいことに、例えば、成形により、適切な樹脂材料で作ることができる。よって、この例では、ヒンジ領域42cにより互いに繋がった2つの細長い領域42a及び42bを有し、ヒンジ領域42cと反対側の領域42bの端部で、例えば、弾性歯の形状を有するフック要素42dが備えられ、2つの部材42a及び42b堅く固定する。
【0151】
要素4の下側の領域で、流域42aは、例えば、スナップアクション、またはネジにより、または、例えば底部壁10bのような、液体レベルを検出する液体を含む容器の壁で画定された、対応する支持体Rとのインタフェスを介して固定するための部分42eを備える。
【0152】
図34-36は、要素Bに関連し、本体42は、支持構造体2のストレッチを受けることができるスリットFを有する。スリットFは、2つの端部で、2つの支持体Rを固定するための対応する要素のための図示しない座を画定する。
図34-35の例では、43で識別される上記の固定要素が、スナップアクションまたはインタフェスで係合し、一方、
図36の場合には、ネジ要素、またはリベット43’が備えられる。
【0153】
図37-38は、
図32-33と類似した位置決め要素の変形例に関連する。しかし、2つの本体42a及び42bは、識別された態様で構成される。この場合、2つの領域の1つ、ここでは領域42bは、反対の端部で、それぞれフック42dを有する。例えば、フック42dは、間にセットされる構造体2のそれぞれのストレッチとともに、領域42bが領域42の上にくるのをブロックするように、弾性を有する歯の形状を有する。この場合、領域42aは、例えば、スナップアクション、またはネジにより接続、またはインタフェスにより、対応する市自体Rと固定するための部材42eを備える。
【0154】
図39-42は、支持構造体2により直接画定された、位置決め要素Bの1つの解決策を示す。位置決め要素Bは、隆起した付加物またはブラケットの形状を有し、支持体Rに固定された固定要素43のための貫通孔が備えられる。例えば、固定要素43は、
図39-40のような、干渉係合要素、またはネジ要素、またはリベット、または
図41-42のような、スナップアクションの係合要素43’による。
【0155】
図43-44は、同様な場合を示す、しかし、支持体Rは,要素Bを提供する突起した付加物またはブラケットの孔を通して受けられる、それぞれの上端R1を画定する。端部が加工され、例えば、ホットスタンプにより、Ra’で識別されるような広げられた固定領域を提供できる。
【0156】
もちろん、本発明に係るレベルセンサ1の支持構造体2または構造体2’、2’’の位置決め及び/または固定要素Bが、互いに同じである必要はない。例えば、
図32-44による異なる要素Bを組み合わせて用いることも考えられる。
【0157】
レベルセンサ1の支持構造体(2、2a、2’、2’’)は樹脂からなるか、例えば、HDPEまたは他の材料からなる樹脂基板を備え、材料は、容器またはタンク10の材料と類似したもの、化学的に固定または結びつくものが好ましい。可能な実施形態によれば、支持構造体は、例えば、超音波溶接や加熱した工具による再加熱、及び2つの材料の溶け込みにより得られる溶接スポットを介して、溶接またはタンクと直接溶接することもできる。スポット溶接の代わりに、ビードの形での溶接も可能である。
【0158】
このタイプの例を、
図45-49に示し、センサ1の支持構造体2’及び/または2’’が、溶接スポット51を介して、容器10の壁10bに直接固定されている。上記のように、可能な変化として、支持構造体2、2’または2’’、例えば、シートまたは相2aの1つが、例えば接着で、対応する樹脂基板と結合することができ、そして、例えば、上記のやり方で、基板が容器に溶接される。
【0159】
他の可能な実施形態によれば、本発明に係る支持構造体2,2’または2’’は、2つの横側のストラップの形式で、フレームに溶接される。フレームは、例えばHDPEまたは他の材料からなり、容器の材料と類似するか、または化学的に固定または結びつくように設計されたものが好ましい。上記のフレームは、例えば、容器のリリーフとして意図的に設けられた上記のフレームの孔を介して、容器に固定または溶接される。
【0160】
このような場合が、
図50-54に例示され、樹脂の支持構図体2’が、60で識別される上記のフレームに溶接される。様々な実施形態において、例示したように、フレーム60は、容器10の壁10bに備えられた支持体Rの対応する端部R1と係合う、孔Hを有する2つの平行なストラップを備える。センサの支持構造体2’は、例えば、再加熱、及び構造体2’の材料及びフレーム60の材料のような2つの材料の溶け込みにより得られる溶接スポット51を介して、上記のフレームに溶接できる(好ましくは、特に、より便利なハンドリングのため、少なくとも一部で構造体2’を堅くする)。孔H及び支持体Rの結合のその他の態様として、フレーム60自身が、直接、容器10に溶接されることもあり得る。
【0161】
この場合、様々な実施形態において、構造体2’が、例えば、接着で、樹脂(例えばHDPE)からなる対応する基板に結合され、そして、フレーム60に溶接され、後者は、上記のような容器に固定または溶接されることができる。
【0162】
上記の記載から、本発明の特徴が、優位性とともに明らかになる。
【0163】
後述のクレーム規定された本発明の範囲から逸脱することなく、例で示されたレベルセンサのブランチとして、当業者が多くの変化を認識できる。
【0164】
本発明が、液体溶媒のレベル及び/または他の特性の検出に対する特定に参照により期しあされたが、上記のように、記載されたセンサは、他の物質や材料、例えば、冷凍により、潜在的に固化が進んでいるようなものとの組み合わせで用いることができる。上記の実施形態を参照して期しあされた本発明の特徴は、他の実施形態と組み合わせることができる。