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特許7414824健康モニタリング装置を備えるエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】健康モニタリング装置を備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/06 20060101AFI20240109BHJP
   A24F 40/95 20200101ALI20240109BHJP
【FI】
A61M15/06 C
A24F40/95
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021532937
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2019086905
(87)【国際公開番号】W WO2020141128
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】18215954.1
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】フルーリー シモン
(72)【発明者】
【氏名】タイヒェルト アクセル
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-536388(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218293(JP,U)
【文献】特表2006-516413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/06
A24F 40/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
健康モニタリング装置であって、
ユーザーから健康データを収集するための少なくとも一つのセンサーと、
前記少なくとも一つのセンサーによって収集された前記健康データを受信するように配設されたコントローラであって、前記健康データに基づいて健康パラメータを判定するように構成されている、コントローラと、
前記コントローラおよび前記少なくとも一つのセンサーのうちの少なくとも一つに電力を供給するように配設された健康モニタリング装置電源と、を備える健康モニタリング装置であって、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器ではない、健康モニタリング装置と、
エアロゾル発生装置であって、
たばこのプラグを受容するように配設された空洞と、
前記たばこのプラグからエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器と、
前記エアロゾル発生器に電力を供給するように配設されたエアロゾル発生装置電源と、を備えるエアロゾル発生装置と、
充電ユニットであって、
前記健康モニタリング装置および前記エアロゾル発生装置を受容するための少なくとも一つの空洞と、
充電ユニット電源と、を備える充電ユニットと、を備え
前記健康モニタリング装置が前記少なくとも一つの空洞内に受容されている時、前記充電ユニット電源が、前記充電ユニット電源から前記健康モニタリング装置電源に電力を転送するように配設されていて、
前記エアロゾル発生装置が前記少なくとも一つの空洞内に受容されている時、前記充電ユニット電源が、前記充電ユニット電源から前記エアロゾル発生装置電源に電力を転送するように配設されていて、前記少なくとも一つの空洞が、前記健康モニタリング装置および前記エアロゾル発生装置の各々を受容するように配設された単一の空洞であり、前記健康モニタリング装置が前記単一空洞内に受容されている時、前記充電ユニット電源が、前記充電ユニット電源から前記健康モニタリング装置電源に電力を転送するように配設されていて、かつ前記エアロゾル発生装置が前記単一空洞内に受容されている時、前記充電ユニット電源が、前記充電ユニット電源から前記エアロゾル発生装置電源に電力を転送するように配設されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのセンサーが、気流センサー、気圧センサー、音声センサー、および電気化学ガスセンサーのうちの少なくとも一つを備える、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのセンサーが電気化学ガスセンサーを備え、かつ前記コントローラが、前記電気化学ガスセンサーによって収集された前記健康データに基づいて、呼吸一酸化炭素濃度および呼吸二酸化窒素濃度のうちの少なくとも一つを判定するように構成されている、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記電気化学ガスセンサーが半導体ガスセンサーを含む、請求項2または請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのセンサーが、気流センサー、気圧センサー、および音声センサーのうちの少なくとも一つを備え、かつ前記コントローラが、前記収集された健康データに基づいて肺活量測定パラメータを判定するように構成されている、請求項2、請求項3、または請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのセンサーが、電極、光学センサー、および圧力センサーのうちの少なくとも一つを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つのセンサーが光学センサーを備え、かつ前記コントローラが、前記光学センサーによって収集された前記健康データに基づいて、心拍数、心拍変動、酸素飽和度、一酸化炭素飽和度、および酸化ストレス度のうちの少なくとも一つを判定するように構成されている、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記光学センサーが、多重空間分解反射分光センサーを備え、かつ前記コントローラが、前記多重空間分解反射分光センサーによって収集された前記健康データに基づいて酸化ストレス度を判定するように構成されている、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記光学センサーが、少なくとも一つの発光ダイオードおよび少なくとも一つのフォトダイオードを備え、前記コントローラが、前記少なくとも一つのフォトダイオードによって生成された前記健康データに基づいて、心拍数、心拍変動、酸素飽和度、および一酸化炭素飽和度のうちの少なくとも一つを判定するように構成されている、請求項7または請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記少なくとも一つのセンサーが、光学センサーおよび圧力センサーを備え、かつ前記コントローラが、前記光学センサーおよび前記圧力センサーによって生成された前記健康データに基づいて、血圧を判定するように構成されている、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記健康モニタリング装置が、モーションセンサーをさらに備え、前記コントローラが、前記モーションセンサーによって生成されたモーションセンサーデータを受信するように配設されていて、かつ前記コントローラが、前記モーションセンサーデータに基づいてモーションパラメータを判定するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記一つの空洞は、前記健康モニタリング装置及びエアロゾル発生装置を同時に受容するように形成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記充電ユニットは、前記健康モニタリング装置及び前記エアロゾル発生装置それぞれが前記一つの空洞内に受容されたとき、前記充電ユニット電源から前記健康モニタリング装置電源及び前記エアロゾル発生装置電源のそれぞれに電力の転送を制御するように配置された充電ユニットコントローラを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康モニタリング装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこプラグなどのエアロゾル形成基体を加熱するために電気発熱体を有するエアロゾル発生装置が使用される数多くの電気的に作動するエアロゾル発生システムが、当技術分野において提唱されてきた。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置中のチャンバーまたは空洞の中に挿入されるエアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。一部の周知のシステムにおいて、エアロゾルを形成することができる揮発性成分をエアロゾル形成基体が放出できる温度にエアロゾル形成基体を加熱するために、物品がエアロゾル発生装置の中に受容されている時、発熱体はエアロゾル形成基体の中に、またはその周りに挿入される。
【0003】
その他の周知の電気的に作動するエアロゾル発生システムは、ニコチン含有液体などの液体エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。こうしたシステムは典型的に、液体エアロゾル形成基体を貯蔵部分から搬送するように配設された芯と、芯の一部分の周りにコイル状にされた発熱体とを備える。
【0004】
こうした電気的に作動するエアロゾル発生システムの一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの周知の有害な、または有害である可能性がある煙成分を減少させることである。
【0005】
電気的に作動するエアロゾル発生システムのユーザーが、従来の紙巻たばこの使用から電気的に作動するエアロゾル発生システムの使用に移行している時に特に、一つ以上の健康パラメータまたはフィットネスパラメータの変化を観察するために、こうしたパラメータをモニターすることが望ましい場合があることを本発明者らは認識してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一つ以上の健康パラメータまたはフィットネスパラメータをモニターする好都合なやり方をユーザーに提供するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様によると、健康モニタリング装置と、エアロゾル発生装置と、充電ユニットとを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。健康モニタリング装置は、ユーザーから健康データを収集するための少なくとも一つのセンサーと、少なくとも一つのセンサーによって収集された健康データを受信するように配置されたコントローラとを備える。コントローラは、健康データに基づいて健康パラメータを判定するように構成されている。健康モニタリング装置はまた、コントローラおよび少なくとも一つのセンサーのうちの少なくとも一つに電力を供給するように配設された健康モニタリング装置電源を備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器と、エアロゾル発生器に電力を供給するように配設されたエアロゾル発生装置電源とを備える。充電ユニットは、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置を受容するための少なくとも一つの空洞を備える。充電ユニットはまた、充電ユニット電源を備える。充電ユニット電源は、健康モニタリング装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時、充電ユニット電源から健康モニタリング装置電源に電力を転送するように配設されている。充電ユニット電源は、エアロゾル発生装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時、充電ユニット電源からエアロゾル発生装置電源に電力を転送するように配設されている。健康モニタリング装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器ではなくてもよい。
【0008】
有利なことに、健康モニタリング装置は、一つ以上の健康パラメータまたはフィットネスパラメータをモニターする好都合なやり方をエアロゾル発生システムのユーザーに提供する。
【0009】
有利なことに、健康モニタリング装置とエアロゾル発生装置の両方に電力を転送するように構成された充電ユニットをエアロゾル発生システムに提供することは、健康モニタリング装置とエアロゾル発生装置の両方を充電する好都合なやり方をエアロゾル発生システムのユーザーに提供する。
【0010】
有利なことに、充電ユニットは、比較的に小さい健康モニタリング装置電源の使用を容易にする場合がある。有利なことに、小さい健康モニタリング装置電源は、望ましいサイズおよび望ましい形状のうちの少なくとも一つを有する健康モニタリング装置を提供することを容易にする場合がある。
【0011】
有利なことに、充電ユニットは、少なくとも一つのセンサーを使用して健康データを収集するために健康モニタリング装置を使用していない時に、健康モニタリング装置を損傷から保護してもよい。
【0012】
充電ユニット電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、充電ユニット電源は電池である。例えば、充電ユニット電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、充電ユニット電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。充電ユニット電源は再充電可能であってもよい。
【0013】
健康モニタリング装置は、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点を備え、また充電ユニットは、少なくとも一つの充電ユニット電気接点を備えることが好ましい。少なくとも一つの充電ユニット電気接点は、健康モニタリング装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時に、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点に接触するように配設されていることが好ましい。充電ユニットは、少なくとも一つの充電ユニット電気接点および少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点を経由して、充電ユニット電源から健康モニタリング装置電源に電力を転送するように配設されていることが好ましい。少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点は、第一の磁性材料を備えてもよく、また少なくとも一つの充電ユニット電気接点は、第二の磁性材料を備えてもよく、これによって、健康モニタリング装置を充電している時、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点と少なくとも一つの充電ユニット電気接点との間の磁気的接続は、健康モニタリング装置を充電ユニット中に保持するように作用する。
【0014】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点を備え、また充電ユニットは、少なくとも一つの充電ユニット電気接点を備えることが好ましい。少なくとも一つの充電ユニット電気接点は、エアロゾル発生装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時に、少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点に接触するように配設されていることが好ましい。充電ユニットは、少なくとも一つの充電ユニット電気接点および少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点を経由して、充電ユニット電源からエアロゾル発生装置電源に電力を転送するように配設されていることが好ましい。少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点は、第一の磁性材料を備えてもよく、また少なくとも一つの充電ユニット電気接点は、第二の磁性材料を備えてもよく、これによって、エアロゾル発生装置を充電している時、少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点と少なくとも一つの充電ユニット電気接点との間の磁気的接続は、エアロゾル発生装置を充電ユニット中に保持するように作用する。
【0015】
エアロゾル発生装置は、たばこのプラグを受容するように配設された装置空洞を備えてもよい。
【0016】
充電ユニットは、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置がそれぞれ少なくとも一つの空洞内に受容されている時に、充電ユニット電源から健康モニタリング装置電源およびエアロゾル発生装置電源の各々への電力の転送を制御するように配設された、充電ユニットコントローラを備えることが好ましい。
【0017】
少なくとも一つの空洞は、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置を同時に、または別々に受容するように配設されてもよい。
【0018】
充電ユニットの少なくとも一つの空洞は、単一の空洞であってもよい。単一の空洞は、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置の各々を受容するように配設されてもよい。単一の空洞は、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置を同時に受容するようにサイズ設定されてもよい。単一の空洞は、一度に健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置のうちの一つのみを受容するようにサイズ設定されてもよい。言い換えれば、単一の空洞は、健康モニタリング装置およびエアロゾル発生装置の各々を別々に受容するようにサイズ設定されてもよい。
【0019】
少なくとも一つの空洞は、健康モニタリング装置を受容するように配設された第一の空洞と、エアロゾル発生装置を受容するように配設された第二の空洞とを備えてもよい。充電ユニットが少なくとも一つの充電ユニット電気接点を備える実施形態において、少なくとも一つの充電ユニット電気接点は、健康モニタリング装置が第一の空洞内に受容されている時に、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点と接触するように配設された少なくとも一つの第一の充電ユニット電気接点と、エアロゾル発生装置が第二の空洞内に受容されている時に、少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点と接触するように配設された少なくとも一つの第二の充電ユニット電気接点とを備えることが好ましい。
【0020】
健康モニタリング装置は、フィードバック装置を備えることが好ましい。有利なことに、フィードバック装置は、健康モニタリング装置を使用する時に特定の動作を取るようにユーザーに促してもよい。有利なことに、フィードバック装置は、特定の動作が完了した時にユーザーに示してもよい。少なくとも一つのセンサーは、複数のセンサーを備えてもよく、またフィードバック装置は、どのセンサーが起動しているかを示してもよい。フィードバック装置は、センサーによって生成されたデータの表示をユーザーに与えてもよく、言い換えれば、フィードバック装置は、センサーによる検知測定の結果の表示をユーザーに与えてもよい。フィードバック装置の例示的な使用が本明細書に記載される。フィードバック装置は、音声装置、視覚装置、および触覚装置のうちの少なくとも一つを備えてもよい。音声装置は、スピーカーを備えてもよい。視覚装置は、少なくとも一つの発光ダイオードを備えてもよい。視覚装置は、視覚表示装置、例えば液晶ディスプレイを備えてもよい。触覚装置は、振動モーターを備えてもよい。
【0021】
フィードバック装置は、ユーザー入力手段を備えてもよく、これによってユーザーは健康モニタリング装置に情報を提供してもよく、または健康モニタリング装置を制御してもよい。ユーザー入力手段は、ボタン、スイッチ、タッチセンサー、またはダイヤルのうちの少なくとも一つを備えてもよい。ユーザー入力手段は、ユーザーが健康モニタリング装置を起動または機能停止することを可能にしてもよい。少なくとも一つのセンサーは、複数のセンサーを備えてもよく、またユーザー入力手段は、どのセンサーを起動するかをユーザーが選択することを可能にしてもよい。これは、複数のセンサーのうちの二つ以上を一度に起動することが不可能である場合に有利である。ユーザー入力手段は、健康モニタリング装置電源の充電状態をユーザーが判定することを可能にしてもよい。
【0022】
健康モニタリング装置の少なくとも一つのセンサーは、気流センサー、気圧センサー、音声センサー、および電気化学ガスセンサーのうちの少なくとも一つを備えてもよい。コントローラは、少なくとも一つのセンサーからコントローラによって受信されたセンサーデータに基づいて呼吸パラメータを判定するように構成されてもよい。
【0023】
呼吸パラメータは、肺活量測定パラメータおよび呼吸ガス濃度のうちの少なくとも一つを含んでもよい。呼吸パラメータは、ユーザーの呼吸能力を含んでもよい。
【0024】
有利なことに、肺活量測定パラメータは、肺機能の変化の判定またはモニタリングを容易にする場合がある。肺機能の変化の判定またはモニタリングは、従来の紙巻たばこの使用から移行するユーザーにとって特に有利である場合がある。
【0025】
有利なことに、一つ以上のガスの呼吸ガス濃度を判定することは、従来の紙巻たばこを含む異なるエアロゾル発生装置または物品を使用した後の呼吸ガス濃度をユーザーが比較することを可能にする場合がある。
【0026】
肺活量測定パラメータは、総体積、体積流量、流速、およびピーク流量のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0027】
コントローラがセンサーデータに基づいて肺活量測定パラメータを判定するように構成されている実施形態において、少なくとも一つのセンサーは、気流センサー、気圧センサー、および音声センサーのうちの少なくとも一つを備えることが好ましい。少なくとも一つのセンサーは、気流センサー、気圧センサー、および音声センサーのうちの少なくとも二つを備えてもよい。少なくとも一つのセンサーは、気流センサー、気圧センサー、および音声センサーのうちの少なくとも二つとして機能する組み合わされた空気センサーを備えてもよい。
【0028】
気流センサーは、回転センサー、熱線センサー、冷線センサー、超音波センサー、音響共鳴センサー、および微小電気機械システムセンサー(例えば、熱膜センサー)のうちの少なくとも一つを備えてもよい。
【0029】
気圧センサーは、熱線センサー、冷線センサー、ピエゾ抵抗センサー、静電容量センサー、ホール効果センサー、および圧電センサーのうちの少なくとも一つを備えてもよい。
【0030】
音声センサーは、圧電変換器および微小電気機械システムマイクロフォンのうちの少なくとも一つを備えてもよい。コントローラは、音声センサーからデータを受信するように、かつユーザーが咳をしたかどうかを判定するように配設されてもよい。コントローラは、ユーザーが所与の期間内に行う咳の数を数えてもよい。
【0031】
健康モニタリング装置がフィードバック装置を備える実施形態において、フィードバック装置は、肺活量測定パラメータの判定中にユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ健康モニタリング装置の中への吐出を始めるべきかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ健康モニタリング装置の中への吐出をやめてもよいかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。
【0032】
呼吸ガス濃度は、呼吸一酸化炭素濃度および呼吸二酸化窒素濃度のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0033】
コントローラが、センサーデータに基づいて呼吸ガス濃度を判定するように構成されている実施形態において、少なくとも一つのセンサーは電気化学ガスセンサーを備えることが好ましい。電気化学ガスセンサーは、半導体ガスセンサーを備えてもよい。半導体ガスセンサーは、金属酸化物ガスセンサーであってもよい。半導体ガスセンサーは、酸化スズガスセンサーなどのN型半導体ガスセンサーであってもよい。N型半導体センサーは、一酸化炭素またはアンモニアなどの還元性ガスの存在下で電気抵抗を減少し、酸素、一酸化窒素、または二酸化窒素などの酸化性ガスの存在下で電気抵抗を増大する。半導体ガスセンサーは、P型半導体ガスセンサーであってもよい。P型半導体ガスセンサーは反対向きの様態で挙動し、そのため還元性ガスの存在下で電気抵抗を増大し、酸化性ガスの存在下で電気抵抗を低減する。
【0034】
少なくとも一つのセンサーは、複数の電気化学ガスセンサーを備えてもよい。好ましくは、電気化学ガスセンサーのうちの少なくとも二つは、異なるガスに対して感受性であるように構成されてもよい。一つの電気化学ガスセンサーは還元性ガスを検出するように構成されてもよく、別のセンサーは酸化性ガスを検出するように構成されてもよい。両方の電気化学ガスセンサーは還元性ガスに対して感受性であってもよいが、異なるガスに対して特に感受性であるように、(例えば、ガス検知層の組成、製作、またはドーピングを変えることによって)異なるように調整されてもよい。例えば、複数の電気化学ガスセンサーは、一酸化炭素を検知するよう調整された第一の電気化学ガスセンサーと、二酸化窒素を検知するよう調整された第二の電気化学ガスセンサーとを備えてもよい。
【0035】
健康モニタリング装置がフィードバック装置を備える実施形態において、フィードバック装置は、呼吸ガス濃度の判定中にユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ健康モニタリング装置の中への吐出を始めるべきかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ健康モニタリング装置の中への吐出をやめてもよいかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。
【0036】
健康モニタリング装置の少なくとも一つのセンサーは、電極、光学センサー、および圧力センサーのうちの少なくとも一つを備えてもよい。コントローラは、少なくとも一つのセンサーからコントローラによって受信されたセンサーデータに基づいて心肺パラメータを判定するように構成されてもよい。
【0037】
少なくとも一つのセンサーは、光学センサーを備えてもよい。コントローラは、光学センサーによって生成されたセンサーデータに基づいて、心拍数、心拍変動、酸素飽和度、一酸化炭素飽和度、および酸化ストレス度のうちの少なくとも一つを判定するように構成されてもよい。
【0038】
光学センサーは、多重空間分解反射分光センサーを備えてもよい。コントローラは、多重空間分解反射分光センサーによって生成されたセンサーデータに基づいて酸化ストレス度を判定するように構成されてもよい。多重空間分解反射分光センサーは、多重空間分解反射分光センサーをユーザーの手の掌に対して押し付けた時に、酸化ストレス度を判定するのに適している場合がある。適切な多重空間分解反射分光センサーは、Biozoom Services GmbHによって生産されている。
【0039】
健康モニタリング装置がフィードバック装置を備える実施形態において、フィードバック装置は、酸化ストレス度の判定中にユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ多重空間分解反射分光センサーを自身の手の掌に対して押し付けるべきかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。フィードバック装置は、ユーザーがいつ多重空間分解反射分光センサーを自身の手の掌に対して押し付けるのをやめてもよいかを示すために、ユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。
【0040】
光学センサーは、少なくとも一つの発光ダイオードおよび少なくとも一つのフォトダイオードを備えてもよく、コントローラは、少なくとも一つのフォトダイオードによって生成されたセンサーデータに基づいて、心拍数、心拍変動、酸素飽和度、および一酸化炭素飽和度のうちの少なくとも一つを判定するように構成されている。少なくとも一つの発光ダイオードおよび少なくとも一つのフォトダイオードは、パルスオキシメーターとして一緒に機能してもよい。
【0041】
少なくとも一つのセンサーは、光学センサーおよび圧力センサーを備えてもよく、コントローラは、光学センサーおよび圧力センサーによって生成されたセンサーデータに基づいて血圧を判定するように構成されている。光学センサーおよび圧力センサーからのデータに基づいて血圧を判定するための適切な配設は、国際特許公開公報第2016/096919-A1号に記載されている。光学センサーは、光電脈波センサーであってもよい。光学センサーおよび圧力センサーは、光学センサーおよび圧力センサーがユーザーの指先に対して押し付けられた時、血圧を判定するのに特に適している場合がある。
【0042】
光学センサーおよび圧力センサーからのデータに基づいて血圧の判定を容易にするには、ユーザーが光学センサーおよび圧力センサーに対して指先を一定かつ所定の圧力で押し付けることが必要である場合がある。健康モニタリング装置がフィードバック装置を備える実施形態において、フィードバック装置は、ユーザーがいつ光学センサーおよび圧力センサーに対して所定の圧力で指先を押し付けているかを示すために、血圧の判定中にユーザーフィードバックを提供するように配設されてもよい。
【0043】
健康モニタリング装置は、ハウジング内部に位置付けられたモーションセンサーを備えてもよく、コントローラは、モーションセンサーによって生成されたモーションセンサーデータを受信するように配設されていて、かつコントローラは、モーションセンサーデータに基づいてモーションパラメータを判定するように構成されている。モーションパラメータは、健康モニタリング装置を保持または携行するユーザーによる動きに関するデータを含むことが好ましい。モーションパラメータは、ユーザーによってなされる歩行歩数であってもよい。モーションパラメータは、ユーザーによってなされる走行歩数であってもよい。
【0044】
モーションセンサーは、健康モニタリング装置が充電ユニットの少なくとも一つの空洞内に受容されていない時に、モーションセンサーデータを生成するように構成されてもよい。モーションセンサーは、健康モニタリング装置が充電ユニットの少なくとも一つの空洞内に受容されている時に、モーションセンサーデータを生成するように構成されてもよい。モーションセンサーは、健康モニタリング装置が充電ユニットの少なくとも一つの空洞内に受容されているかどうかにかかわらず、モーションセンサーデータを生成するように構成されてもよい。
【0045】
モーションセンサーは、加速度計およびジャイロスコープのうちの少なくとも一つを備えることが好ましい。モーションセンサーは、少なくとも一つの加速度計および少なくとも一つのジャイロスコープを備える慣性測定ユニットであることが好ましい。有利なことに、慣性測定ユニットは、線形加速度と回転加速度の両方の測定を容易にする。慣性測定ユニットは、三つの直交する軸に沿った線形加速度を検知するように配設された少なくとも三つの加速度計を備えることが好ましい。慣性測定ユニットは、三つの直交する軸周りの回転加速度を検知するように配設された少なくとも三つのジャイロスコープを備えることが好ましい。
【0046】
健康モニタリング装置は、少なくとも一つのセンサーによって生成されたセンサーデータと、コントローラによって判定された一つ以上のパラメータとのうちの少なくとも一つを保存するように配設されたメモリーユニットを備えることが好ましい。健康モニタリング装置がモーションセンサーを備える実施形態において、メモリーユニットはモーションセンサーデータを保存するように配設されてもよい。
【0047】
健康モニタリング装置は、通信ユニットを備えることが好ましい。通信ユニットは、少なくとも一つの外部装置からデータを受信するように配設されてもよい。通信ユニットは、少なくとも一つの外部装置にデータを送信するように配設されてもよい。外部装置には、充電ユニット、エアロゾル発生装置、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、およびラップトップのうちの少なくとも一つが含まれてもよい。
【0048】
有利なことに、健康管理システムから外部装置にデータを送信することは、健康管理システムのユーザーによるデータの使用を容易にする場合がある。例えば、健康管理システムのコントローラによって判定された一つ以上のパラメータをスマートフォンまたはパーソナルコンピュータに送信することは、一つ以上のパラメータのグラフィカル表示を容易にする場合がある。有利なことに、コントローラによって判定された一つ以上のパラメータをグラフィカルに表示することは、一定期間にわたる一つ以上のパラメータの変化の観察を容易にする場合がある。
【0049】
健康モニタリング装置がメモリーユニットを備える実施形態において、コントローラは、メモリーユニットから通信ユニットを経由してデータを送信するように配設されてもよい。
【0050】
通信ユニットは、有線通信ユニットを備えてもよい。言い換えれば、通信ユニットは、外部装置と直接インターフェースすることによって、外部装置と通信するように配設されてもよい。有線通信ユニットは、外部装置上の少なくとも一つの電気接点に接触するように配設された少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点を備えてもよい。有線接続は、USB-A、USB-B、USB-C、mini-USB、およびマイクロUSBを含む、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格に準拠したプラグまたはソケットを備えてもよい。
【0051】
通信ユニットは、無線通信ユニットを備えてもよい。言い換えれば、通信ユニットは、外部装置と無線で通信するように配設されてもよい。有利なことに、無線通信は、有線通信よりも好都合である場合がある。無線通信ユニットは、少なくとも一つのワイヤレスプロトコルを使用して通信するように配設されてもよい。適切なワイヤレスプロトコルとしては、Wi-Fi、Bluetooth、超広帯域、近距離通信、およびZigbeeが挙げられる。
【0052】
存在する場合、健康モニタリング装置電源は、モーションセンサー、メモリーユニット、および通信ユニットのうちの少なくとも一つに電力を供給するように配設されてもよい。
【0053】
健康モニタリング装置電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、健康モニタリング装置電源は電池である。例えば、健康モニタリング装置電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、健康モニタリング装置電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。健康モニタリング装置電源は、再充電可能であってもよい。健康モニタリング装置電源は、約50ミリアンペア時間~約200ミリアンペア時間、より好ましくは約50ミリアンペア時間~約150ミリアンペア時間、より好ましくは約50ミリアンペア時間~約100ミリアンペア時間の容量を有することが好ましい。健康モニタリング装置電源は、約50ミリアンペア時間~約60ミリアンペア時間の容量を有してもよい。
【0054】
健康モニタリング装置は、ハウジングを備えてもよい。
【0055】
少なくとも一つのセンサーが、気流センサーと、気圧センサーと、音声センサーと、呼吸パラメータを判定するための電気化学ガスセンサーとのうちの少なくとも一つを備える実施形態において、ハウジングは空洞を画定してもよく、一つ以上のセンサーは空洞と流体連通してもよい。一つ以上のセンサーは、空洞内に位置付けられてもよい。ハウジングは、空洞と流体連通する空気吸込み口と、空洞と流体連通する空気出口とを画定することが好ましい。有利なことに、ユーザーは、空気吸込み口の中に息を吐出して、ユーザーの口および肺から、空気吸込み口および空気出口を経由して、空洞を通して空気を強制的に送る。有利なことに、一つ以上のセンサーは、空洞を通って流れる空気と流体連通している。有利なことに、空気吸込み口、空洞、および空気出口は、ハウジングの製造中に所定の寸法で形成されることができる。有利なことに、空気吸込み口、空洞、および空気出口の所定の寸法は、一つ以上のセンサーを較正するために使用されてもよい。言い換えれば、コントローラは、センサーデータと、空気吸込み口、空洞、および空気出口の所定の寸法とに基づいて呼吸パラメータを判定するように構成されてもよい。
【0056】
ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0057】
健康モニタリング装置はマウスピースを備えることが好ましい。空気吸込み口は、マウスピースの一部を形成してもよい。マウスピースは、ハウジングによって画定された空気吸込み口と流体連通するマウスピース空気吸込み口を画定してもよい。
【0058】
マウスピースはハウジングと一体的に形成されてもよい。
【0059】
マウスピースは、ハウジングとは別個に形成されてもよい。マウスピースは、ハウジングに取り付けられてもよい。マウスピースは、ハウジングに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。取り外し可能なマウスピースの提供は、健康モニタリング装置の使用の衛生および清浄度を有利に改善する場合がある。マウスピースは使い捨てであってもよい。マウスピースが使い捨てである場合、マウスピースが使用されるたびに交換されるように設計されてもよい。マウスピースが使い捨てである場合、規則的な時間間隔で、または規則的な使用間隔でマウスピースが交換されるように設計されてもよい。例えば、使い捨てマウスピースは、マウスピースの毎月または10回の使用毎に交換されるように設計されてもよい。マウスピースは、ユーザーの呼吸から粒子を保持するための濾過構成要素を備えてもよい。これは有利なことに、こうした粒子が少なくとも一つのセンサーと接触することを防止する場合があり、またそれによって、少なくとも一つのセンサーを、または健康モニタリング装置の他の部分を掃除する必要性を低減する場合がある。
【0060】
健康モニタリング装置は、携帯型であることが好ましい。健康モニタリング装置は、細長い形状を有してもよい。健康モニタリング装置は、エアロゾル発生装置、または従来の葉巻たばこもしくは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。健康モニタリング装置は、エアロゾル発生装置、または従来の葉巻たばこもしくは紙巻たばこに匹敵する形状を有してもよい。健康モニタリング装置は、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有してもよい。健康モニタリング装置は、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0061】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、貯蔵部分と、貯蔵部分内に位置付けられたエアロゾル形成基体とを備えてもよい。エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、水およびエアロゾル形成体のうちの少なくとも一つを含んでもよい。適切なエアロゾル形成体としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。エアロゾル発生器は発熱体を備えてもよい。発熱体は抵抗発熱体を備えてもよい。発熱体はインダクタを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵部分から発熱体に移動するように配設された移動要素を備えてもよい。移動要素は毛細管芯を備えてもよい。
【0062】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を受容するように配設されてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含む物品を、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジを受容するように配設された装置空洞を備えてもよい。エアロゾル発生器は発熱体を備えてもよい。発熱体は抵抗発熱体を備えてもよい。発熱体はインダクタを備えてもよい。発熱体は固体エアロゾル形成基体を加熱するように配設されてもよい。固体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを含んでもよい。発熱体は、固体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置内に受容されている時、固体エアロゾル形成基体の中への挿入のために配設されてもよい。
【0063】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様による健康モニタリング装置が提供されている。
【0064】
電気的に作動するエアロゾル発生システムのユーザーが、従来の紙巻たばこの使用から電気的に作動するエアロゾル発生システムの使用に移行している時に特に、一つ以上の健康パラメータまたはフィットネスパラメータの変化を観察するために、こうしたパラメータをモニターすることが望ましい場合があることを本発明者らは認識してきた。しかしながら、周知のフィットネストラッカーは典型的に、心拍数、歩数など、限られた範囲のパラメータの測定を可能にする。従って、周知のフィットネストラッカーは、従来の紙巻たばこの使用から移行するユーザーにおける健康またはフィットネスの変化のモニタリングでの使用に限定される。
【0065】
周知のフィットネストラッカーと比較して、改善された、または増大した機能を提供する、健康パラメータまたはフィットネスパラメータをモニタリングするための装置を提供することが望ましいことになる。
【0066】
本発明の第三の態様によると、第一のセンサー、第二のセンサー、およびコントローラを備える健康モニタリング装置が提供されている。第一のセンサーは、気流センサー、気圧センサー、音声センサー、および電気化学ガスセンサーのうちの少なくとも一つを備える。第二のセンサーは、電極、光学センサー、および圧力センサーのうちの少なくとも一つを備える。コントローラは、第一のセンサーによって生成された第一のセンサーデータ、および第二のセンサーによって生成された第二のセンサーデータを受信するように配設されている。コントローラは、第一のセンサーデータに基づいて呼吸パラメータを判定するように構成されている。コントローラは、第二のセンサーデータに基づいて心肺パラメータを判定するように構成されている。
【0067】
有利なことに、本発明の第三の態様による健康モニタリング装置は、呼吸パラメータおよび心肺パラメータのモニタリングを容易にする。有利なことに、本発明の第三の態様による健康モニタリング装置は、心肺パラメータのみのモニタリングを可能にする周知のフィットネストラッカーと比較して、改善された機能性を提供する。有利なことに、本発明の第三の態様による健康モニタリング装置の改善された機能性は、従来の紙巻たばこの使用から移行するユーザーにとって特に有用である場合がある。
【0068】
健康モニタリング装置は、第一のセンサー、第二のセンサー、およびコントローラのうちの少なくとも一つに電力を供給するように配設された健康モニタリング装置電源を備えることが好ましい。
【0069】
本発明の第三の態様による健康モニタリング装置は、本発明の第一の態様に関して本明細書に記載の好ましい特徴または随意の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0070】
本発明の第四の態様によると、健康モニタリング装置が健康モニタリング装置電源を備える、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本発明の第三の態様による充電ユニットおよび健康モニタリング装置を備える健康モニタリングシステムが提供されている。充電ユニットは、健康モニタリング装置および充電ユニット電源を受容するための少なくとも一つの空洞を備える。充電ユニット電源は、健康モニタリング装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時、充電ユニット電源から健康モニタリング装置電源に電力を転送するように配設されている。
【0071】
充電ユニットは、本発明の第一の態様に関連して本明細書に記載の好ましい特徴または随意の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0072】
本発明の第五の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第四の態様によるエアロゾル発生装置とエアロゾル発生システムとを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器と、エアロゾル発生器に電力を供給するように配設されたエアロゾル発生装置電源とを備える。充電ユニットの少なくとも一つの空洞は、エアロゾル発生装置を受容するように配設されている。充電ユニット電源は、エアロゾル発生装置が少なくとも一つの空洞内に受容されている時、充電ユニット電源からエアロゾル発生装置電源に電力を転送するように配設されている。
【0073】
エアロゾル発生装置は、本発明の第一の態様に関して本明細書に記載の好ましい特徴または随意の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0074】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1図1は、本発明の実施形態による健康モニタリング装置の断面図を示す。
図2図2は、図1の充電ユニットおよび健康モニタリング装置の断面図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生物品と組み合わせたエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図4図4は、図1の健康モニタリング装置と、図2の充電ユニットと、図3のエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1は、本発明の実施形態による健康モニタリング装置10の断面図を示す。健康モニタリング装置10は、ハウジング12と、ハウジング12内部に位置付けられた複数の第一のセンサー14と、ハウジング12の外面18上に位置付けられた複数の第二のセンサー16とを備える。ハウジング12は、複数の第一のセンサー14が中に位置付けられている空洞20と、空洞20の下流端と流体連通する複数の空気出口22とを画定する。マウスピース24は、ハウジング12の上流端に取り外し可能に取り付けられていて、かつ空洞20の上流端と流体連通する空気吸込み口26を画定する。
【0077】
再充電可能電池と制御電子回路基板30とを備える健康モニタリング装置電源28が、ハウジング12の下流端内に位置付けられている。コントローラ32、メモリーユニット34、無線通信ユニット36、およびモーションセンサー38が、制御電子回路基板30上に位置付けられている。無線通信ユニット36は、Bluetoothプロトコルを使用する無線通信のために構成されている。モーションセンサー38は、複数の加速度計およびジャイロスコープを備える慣性測定ユニットである。コントローラ32は、モーションセンサー38からのセンサーデータに基づいて、少なくとも一つのモーションパラメータを判定するように構成されている。コントローラ32は、判定されたモーションパラメータをメモリーユニット34上に保存するように構成されている。コントローラ32は、無線通信ユニット36を使用して、判定されたモーションパラメータを一つ以上の外部装置に送信するように構成されている。
【0078】
健康モニタリング装置10はまた、押しボタンと統合された少なくとも一つの発光ダイオードを備えるフィードバック装置39を備える。コントローラ32は、フィードバック装置39の少なくとも一つの発光ダイオードを使用して、視覚的な信号の形態でユーザーにフィードバックを提供することができる。押しボタンは、ユーザーが健康モニタリング装置10と相互作用することを可能にする。例えば、押しボタンを押すことは、第一のセンサー14、第二のセンサー16、およびモーションセンサー38のうちの少なくとも一つからのセンサーデータの受信を開始するための信号を、コントローラ32に提供してもよい。
【0079】
複数の第一のセンサー14は、電気化学ガスセンサー40、組み合わせられた気圧および気流センサー42、ならびに音声センサー44を備える。コントローラ32は、ユーザーが空気吸込み口26を通して空洞20の中に息を吐出する時に、複数の第一のセンサー14からの第一のセンサーデータに基づいて、複数の呼吸パラメータを判定するように構成されている。コントローラ32は、音声センサー44ならびに組み合わせられた気圧および気流センサー42のうちの少なくとも一つからのセンサーデータに基づいて、肺活量測定パラメータを判定するように構成されている。コントローラ32は、電気化学ガスセンサー40からのセンサーデータに基づいて、一酸化炭素呼吸ガス濃度を判定するように構成されている。コントローラ32は、判定された呼吸パラメータをメモリーユニット34上に保存するように構成されている。コントローラ32は、無線通信ユニット36を使用して、判定された呼吸パラメータを一つ以上の外部装置に送信するように構成されている。
【0080】
複数の第二のセンサー16は、第一の光学センサー46と、第二の光学センサー48および圧力センサー50を備える組み合わせセンサーとを備える。第一の光学センサー46は多重空間分解反射分光センサーであり、第二の光学センサー48はパルスオキシメーターである。コントローラ32は、ユーザーが第二のセンサー16のうちの少なくとも一つに対して自身の皮膚を押し付ける時、複数の第二のセンサー16からの第二のセンサーデータに基づいて、複数の心肺パラメータを判定するように構成されている。
【0081】
コントローラ32は、ユーザーが第一の光学センサー46に対して自身の手の掌を保持する時、第一の光学センサー46からのセンサーデータに基づいて、酸化ストレス度を判定するように構成されている。
【0082】
コントローラ32は、ユーザーが第二の光学センサー48に対して指先を保持する時、第二の光学センサー48からのセンサーデータに基づいて、心拍数および酸素飽和度を判定するように構成されている。圧力センサー50からのセンサーデータに基づいて、コントローラ32は、ユーザーの指先によって圧力センサー50および第二の光学センサー48に印加された圧力を判定するように構成されている。ユーザーによって印加された圧力が所定の範囲内にある時、コントローラ32は、フィードバック装置39を介してユーザーに視覚的表示を提供してもよい。ユーザーが圧力センサー50および第二の光学センサー48に対して所定の範囲内の圧力で指先を押している時、コントローラ32は、第二の光学センサー48からのセンサーデータに基づいて血圧を判定するように構成されている。
【0083】
コントローラ32は、無線通信ユニット36を使用して、判定された心肺パラメータを一つ以上の外部装置に送信するように構成されている。
【0084】
健康モニタリング装置10はまた、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を備える。健康モニタリング装置10は、健康モニタリング装置電源28を再充電するために、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を経由して外部装置から電力を受電するように配設されている。
【0085】
図2は、本発明の第一の実施形態による、および図1の健康モニタリング装置10を備える、健康モニタリングシステム100の断面図を示す。健康モニタリングシステム100はまた、健康モニタリング装置10を受容するための空洞106を画定する、充電ユニットハウジング104を備える、充電ユニット102を備える。ハウジング104は、空洞106の中への健康モニタリング装置10の挿入、および空洞106からの健康モニタリング装置10の取り外しを可能にするように開放されうるヒンジ留め部分108を備える。ヒンジ留め部分108は、健康モニタリング装置10を空洞106内に包含するように閉鎖されてもよい。
【0086】
充電ユニット電源110および充電ユニットコントローラ112がハウジング104内に位置付けられている。充電ユニット電源110は再充電可能電池を備える。充電ユニット102はまた、充電ユニット電源110を再充電するために外部電源に接続するためのマイクロUSBコネクター114を備える。
【0087】
充電ユニット102はまた、空洞106内に位置付けられた少なくとも一つの充電ユニット電気接点116を備え、健康モニタリング装置10が空洞106内に受容されている時、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を係合する。充電ユニットコントローラ112は、少なくとも一つの充電ユニット電気接点116および少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を経由して、充電ユニット電源110から健康モニタリング装置電源28に電力を供給し、健康モニタリング装置電源28を再充電するように構成されている。
【0088】
図3は、エアロゾル発生物品201と組み合わせたエアロゾル発生装置200の断面図を示す。エアロゾル発生装置200は、図3に示す通り、エアロゾル発生物品201を受容するための空洞203を画定するハウジング202を備える。ハウジング202はまた、空洞203の上流端と流体連通する複数の空気吸込み口204も画定する。電気ヒーター206は空洞203内に位置付けられていて、かつエアロゾル発生物品201が空洞203内に受容されている時、エアロゾル発生物品201の中への挿入のために配設されている。エアロゾル発生装置200はまた、エアロゾル発生装置電源208、エアロゾル発生装置コントローラ210、および少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点212を備える。エアロゾル発生装置コントローラ210は使用中、エアロゾル発生物品201を加熱するための、エアロゾル発生装置電源208から電気ヒーター206への電力の供給を制御する。
【0089】
エアロゾル発生装置電源208は再充電可能電池を備える。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生装置電源208を再充電するために、外部装置から少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点212を経由して電力を受電するように配設されている。エアロゾル発生装置200は、図2の健康モニタリングシステム100と組み合わされてエアロゾル発生システムを形成してもよく、このエアロゾル発生システムの中でエアロゾル発生装置200は、健康モニタリング装置10が空洞106から取り外されている時、充電ユニット102の空洞106内に受容されてもよい。充電ユニットコントローラ112は、少なくとも一つの充電ユニット電気接点116および少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点212を経由して、充電ユニット電源110からエアロゾル発生装置電源208に電力を供給し、エアロゾル発生装置電源208を再充電するように構成されている。
【0090】
別の方法として、図4に示す本発明の第二の実施形態によると、エアロゾル発生システムは、健康モニタリング装置10およびエアロゾル発生装置200を同時に受容するように構成された充電ユニット300を備えてもよい。充電ユニット300は、健康モニタリング装置10を受容するための第一の空洞306と、エアロゾル発生装置200を受容するための第二の空洞307とを画定する充電ユニットハウジング304を備える。
【0091】
ハウジング304は、第一の空洞306の中への健康モニタリング装置10の挿入と、第一の空洞306からの健康モニタリング装置10の取り外しとを可能にするように開放されうる第一のヒンジ留め部分308を備える。第一のヒンジ留め部分308は、第一の空洞306内に健康モニタリング装置10を包含するために閉鎖されてもよい。
【0092】
ハウジング304は、第二の空洞307の中へのエアロゾル発生装置200の挿入と、第二の空洞307からのエアロゾル発生装置200の取り外しとを可能にするように開放されうる第二のヒンジ留め部分309を備える。第二のヒンジ留め部分309は、第二の空洞307内にエアロゾル発生装置200を包含するために閉鎖されてもよい。
【0093】
充電ユニット電源310および充電ユニットコントローラ312がハウジング304内に位置付けられている。充電ユニット電源310は再充電可能電池を備える。充電ユニット300はまた、充電ユニット電源310を再充電するために外部電源に接続するためのマイクロUSBコネクター314を備える。
【0094】
充電ユニット300はまた、第一の空洞306内に位置付けられた少なくとも一つの第一の充電ユニット電気接点316を備え、健康モニタリング装置10が第一の空洞306内に受容されている時、少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を係合する。充電ユニットコントローラ312は、少なくとも一つの第一の充電ユニット電気接点316および少なくとも一つの健康モニタリング装置電気接点52を経由して、充電ユニット電源310から健康モニタリング装置電源28に電力を供給し、健康モニタリング装置電源28を再充電するように構成されている。
【0095】
充電ユニット300はまた、第二の空洞307内に位置付けられた少なくとも一つの第二の充電ユニット電気接点317を備え、エアロゾル発生装置200が第二の空洞307内に受容されている時、少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点212を係合する。充電ユニットコントローラ312は、少なくとも一つの第二の充電ユニット電気接点317および少なくとも一つのエアロゾル発生装置電気接点212を経由して、充電ユニット電源310からエアロゾル発生装置電源208に電力を供給し、エアロゾル発生装置電源208を再充電するように構成されている。
図1
図2
図3
図4