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特許7414830マルチモーダル投与装置のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】マルチモーダル投与装置のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20240109BHJP
   A61J 7/02 20060101ALI20240109BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20240109BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20240109BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20240109BHJP
【FI】
A61J7/04 Z
A61J7/02
A61M11/00 Z
A61M15/00 Z
G16H20/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021538747
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 US2019068745
(87)【国際公開番号】W WO2020142376
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】62/787,650
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/726,204
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519234235
【氏名又は名称】ゴーファイア、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ウッドバイン、ジョン ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】キーナン、ジョセフ フランシス
(72)【発明者】
【氏名】カルフィー、ピーター ウィリアム
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0263288(US,A1)
【文献】特表2013-512060(JP,A)
【文献】特表2015-531653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/00
A61J 7/00
A61M 11/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベースは、
前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、
係合した前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、
少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、
前記カートリッジレシーバによって受け入れられた係合した前記カートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、
前記カートリッジリーダからカートリッジ識別情報を受け取り、
投与イベントを検出し、かつ、
前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ識別情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、
を少なくとも部分的に囲むハウジングを備え、
前記複数の異なるカートリッジのそれぞれは、
製品のリザーバと、
所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、
を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、
前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、
前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、
前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された前記少なくとも1つのロックアウト機構であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される前記少なくとも1つのロックアウト機構と、
によって特徴付けられる、マルチモーダル製品投与システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのロックアウト機構の第1のロックアウト機構は、カートリッジロックアウトとして構成および配置され、前記少なくとも1つのロックアウト機構の第2のロックアウト機構は、用量ロックアウトとして構成および配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のロックアウト機構は、前記第1のロックアウト機構から独立して制御される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
複数の異なるカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベースは、
複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバであって、前記複数の異なるカートリッジのうちの少なくとも2つは、そこに含まれる製品のための異なる送達モダリティのために構成および配置される、カートリッジレシーバと、
前記カートリッジレシーバにより係合された前記複数の異なるカートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、
少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、
前記カートリッジレシーバによって受け入れられた前記複数の異なるカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、
前記カートリッジリーダからカートリッジ識別情報を受け取り、
投与イベントを検出し、かつ、
前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ識別情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、
を少なくとも部分的に囲むポータブルハウジングを備え、
前記複数の異なるカートリッジのそれぞれは、
前記製品のリザーバと、
所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、
を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、
前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、
前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、
前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト機構であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウト機構と、
によって特徴付けられる、マルチモーダル製品投与システム。
【請求項5】
前記複数の異なるカートリッジのうち1つの前記ディスペンサは、計量された用量の製品を押し出すために製品の前記リザーバに対してプランジャを作動させるサイクロイド歯車アセンブリをさらに含む、請求項1または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の異なるカートリッジのうち1つは、前記リザーバから計量された用量の製品を受け取るように構成および配置された気化チャンバをさらに含み、前記リザーバは前記気化チャンバから熱的に隔離される、請求項1または4に記載のシステム。
【請求項7】
前記気化チャンバは、中央の立ち上がる円錐構造の周囲の空洞である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスはデータベースを提供し、前記データベースは、
前記データベースに認識されている各ユーザのユーザデータと、
前記データベースに認識されている少なくとも1人のユーザに関連する各制御ベースの制御ベースデータと、
前記データベースに認識されている1以上の固有識別子に関連付けられた製品データであって、前記固有識別子は前記複数の異なるカートリッジのうち1以上にさらに関連付けられた、製品データと、をさらに備え、
前記データベースは、各ユーザによる各製品および各カートリッジによって提供される製品の追跡を可能にするために、前記制御ベースデータおよび前記製品データへの前記ユーザデータの関連付けを可能にし、
前記データベースは、新しいユーザおよび/または製品データを前記データベースに追加するための少なくとも1つの動作をさらに提供する、請求項1または4に記載のシステム。
【請求項9】
前記データベースは、前記制御ベースによって識別された係合した前記カートリッジに関連付けられた前記固有識別子に応答して、ディスペンサの制御用の動作設定をさらに提供する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
複数の異なるカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは、そこに含まれる製品のための異なる送達モダリティを有し、
前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、
係合した前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、
少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、
前記カートリッジレシーバによって受け入れられた前記カートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、
前記カートリッジリーダからカートリッジ識別情報を受け取り、
投与イベントを検出し、かつ、
前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ識別情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、
を少なくとも部分的に囲むポータブルハウジングにより特徴付けられる制御ベースと、
前記リモートコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つにより提供される少なくとも1つのデータベースと、を備え、
前記データベースは、
前記データベースに認識されている各ユーザのユーザデータと、
前記データベースに認識されている少なくとも1人のユーザに関連する各制御ベースの制御ベースデータと、
前記データベースに認識されている1以上の固有識別子に関連付けられた製品データであって、前記固有識別子は前記複数の異なるカートリッジのうち1以上にさらに関連付けられ、前記データベースは、各ユーザによる各製品および各カートリッジによって提供される前記製品の追跡を可能にするために、制御ベースデータおよび製品データへのユーザデータの関連付けを可能にする、製品データと、をさらに備え、
前記データベースは、新しいユーザおよび/または製品データを前記データベースに追加するための少なくとも1つの動作をさらに提供する、マルチモーダル製品投与システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置を制御するようにさらに構成および配置され、前記少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置は、少なくとも係合した前記カートリッジから決定された識別情報に従ってアクティブ化される、請求項1、4、または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置は、前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスから受信された情報に従ってアクティブ化される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の異なるカートリッジのうち1つは、吸入カートリッジ、局所スプレーカートリッジ、局所液体点滴器、ストリップ送達カートリッジ、局所ゲルカートリッジ、錠剤カートリッジ、および、注射カートリッジからなる群から選択される、請求項1、4、または10に記載のシステム。
【請求項14】
複数の異なるカートリッジのうちの1つと結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムのための方法であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、当該方法は、
前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、
係合した前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、
少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、
前記カートリッジレシーバによって受け入れられた前記複数の異なるカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、
前記カートリッジリーダからカートリッジ識別情報を受け取り、
投与イベントを検出し、かつ、
前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ識別情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、
を少なくとも部分的に囲むハウジングにより特徴付けられる制御ベースを提供することと、
前記制御ベースにより、前記複数の異なるカートリッジからの選択されたカートリッジを受け入れることであって、当該選択されたカートリッジは、
製品のリザーバと、
所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、
を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、
前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、
前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、
前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された前記少なくとも1つのロックアウト機構であって、前記選択されたカートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される前記少なくとも1つのロックアウト機構と、
を有する、選択されたカートリッジを受け入れることと、
前記選択されたカートリッジに関連する前記固有識別子を決定することと、
前記固有識別子を前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに送信することであって、前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスは、データレコードに問い合わせて前記選択されたカートリッジおよび前記リザーバに含まれる前記製品を識別する、前記固有識別子を前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに送信することと、
前記ロックアウト非アクティブ化装置をアクティブ化するための少なくとも1つの動作設定を前記コントローラに送信することと、
製品の投与量が投与された確認を前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに送信することと、
を含む、マルチモーダル製品投与システムのための方法。
【請求項15】
前記ディスペンサの制御用の動作設定を前記コントローラに送信することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記選択されたカートリッジは、吸入カートリッジ、局所スプレーカートリッジ、局所液体点滴器、ストリップ送達カートリッジ、局所ゲルカートリッジ、錠剤カートリッジ、および、注射カートリッジからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのロックアウト機構の第1のロックアウト機構は、カートリッジロックアウトとして構成および配置され、前記少なくとも1つのロックアウト機構の第2のロックアウト機構は、用量ロックアウトとして構成および配置される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年1月2日に出願され、「医療投与装置およびシステム」と題された米国仮出願第62/787,650号の35 U.S.C. §119(e)に基づく利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
さらに、以下の特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:「濃縮製品のためのスマート蒸発器およびシステム」と題された米国特許出願シリアル番号62/660,974(以下、「974出願」)、「蒸発器カートリッジシステムおよび使用方法」と題された米国特許出願シリアル番号62/721,699(以下、「699出願」)、「ディフューザを有する蒸発カートリッジシステムのためのシステムと方法」と題された米国特許出願シリアル番号16/541,062(以下、「062出願」)、および、「製品の適切な用量を決定するためのシステムおよび方法」と題された米国特許出願シリアル番号16/559,556(以下、「556出願」)。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、概して、定められた製品の用量をユーザに提供するための様々な異なるモダリティを可能にするように構成および配置された、医薬投与装置のためのシステムおよび方法に関する。製品は、一般に医薬品または医薬化合物であると理解されており、さまざまな異なるモダリティは、これらに限定されないが、吸入、スプレー、丸薬または錠剤、点滴器(dropper)、溶解性ストリップ、注射、ネブライザ、および/または、経皮ゲルまたは軟膏を含む。特に、本発明は、異なる送達モダリティのために構成および配置された複数の異なる複数回投与カートリッジを提供することによって製品を正確に投与するためのシステムおよび方法を提示し、それらカートリッジは、カートリッジ内の製品のタイプを認識するとともに人への製品の投与を制御するように構成された制御ベースに結合されていない限り、安全であり機能しない。
【背景技術】
【0004】
薬用製品は、いくつか例を挙げると、局所スプレー、局所ゲルまたは皮膚から吸収するための軟膏、丸薬または錠剤、溶解性ストリップ、ミスト、および、蒸気など、さまざまな異なる形態で提供され得る。実際、同じ製品がさまざまな異なる形態で入手可能であり、人が最も効果的であると考える送達モダリティを選択することを可能にする場合さえある。さらに、ある人は丸薬を飲み込むことを好むかもしれず、別の人は吸入剤を好むかもしれないが、さらに別の人は局所軟膏を好むかもしれない。
【0005】
異なる送達モダリティは、追加の輸送剤、すなわち、オイル、クリーム、溶解性ワックスなどを含む場合と含まない場合があるため、製品の意図される投与量は、モダリティごとに異なり得る。ツタウルシの発疹などの一部の病気では、投与量の問題はそれほど重要ではないかもしれないが、常にそうであるとは限らない。確かに、植物ベースの医薬品の急増に伴い、適切な投与量は、特定の状態または病気の一貫した信頼性の高い治療のための患者ケアの重要な部分である。実際、場合によっては、同じ製品の異なる投与量が異なる状態または病気に適切である可能性があり、したがって、特定の状態または病気に対する適切な製品投与の重要性をさらに強調する。
【0006】
気化装置などの従来技術の送達装置は、特定の化合物の気化および送達のために、複数回投与カートリッジまたはリザーバシステムで構成されることが多い。これらの装置のいくつかは、非常に複雑であり、かつ、無線通信システムおよび他のコンピューティングシステムとの相互作用を伴い、人が製品の使用を適切に許可されていること、その人が受け取るべき投与量を確認し、彼らの使用状況と使用の有効性に関する彼らのフィードバックさえも追跡する。しかし、そのような装置は、厳密に特定の送達モダリティ用、つまり吸入蒸気用である。
【0007】
確かに、送達のための異なるモダリティは、軟膏用のポンプまたは押し潰し可能なチューブ、気化器、ネブライザ、丸薬ディスペンサなどのモダリティ固有のデバイスを伝統的に必要としてきた。さまざまな異なる病気または状態を有し、したがって異なる送達モダリティを望む可能性がある人にとって、複数の異なるデバイスは、扱いにくく混乱させ得る。さらに、気化器などの一部の装置は、非常に高性能であり、かつ、投与量を追跡および調整しうるが、他のものはそうでないかもしれない。
【0008】
異なるデバイスが異なるエンティティによって提供されるかもしれないため、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの制御方法は大きく異なるかもしれない。さらに、投与量の管理を支援しようとするスマートデバイスの場合、異なる供給者のデバイスは、ユーザが複数のアカウントを持つことを必要とし、1つのアカウントの情報が別のアカウントと共有されないかもしれず、再び不定の投与の機会を可能にする。
【0009】
一部のデバイスは投与量の調整を可能にするかもしれないが、他のデバイスは可能にしないかもしれず、さらに他のデバイスは実際の投与量制御を持たないかもしれず、製品のどれだけが投与されたか測定または評価するために人に依存する。
【0010】
実際、いくつかの送達モダリティに関するいくつかの場合では、投与量の制御がほとんどないかもしれず、一貫性のない投与と意図しない人による使用の可能性の両方につながる。
【0011】
さらに、人は、蒸気、錠剤、スプレー、クリームなど、さまざまな異なる送達形式で同じまたは異なる製品を提供する多くの異なるデバイスを持っている可能性があるが、いくつかのデバイスに残っている残りの投与量、および/または、自分の投与管理を管理するための効果的な方法についてほとんどまたは全く知らないかもしれない。さらに、介護者は、治療の調整または確認のために複数の異なるデバイスにわたる投与履歴を調べる簡単または即時の方法を持っていないかもしれない。
【0012】
したがって、上記で特定された課題の1つまたは複数を克服することができる方法およびシステムが必要である。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、複数の送達モダリティにわたって制御された投与量の送達を提供するための新規のシステムおよび方法を提供することによって、従来技術の課題を解決する。
【0014】
特に、例としてのみ、少なくとも1つの実施形態によれば、複数のカートリッジの1つを制御ベースに一時的に係合させることによって提供される投与装置を含むマルチモーダル製品投与システムが提供され、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベースは、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置(lockout deactivator)と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むハウジングにより特徴付けられ、前記複数のカートリッジのそれぞれは、製品のリザーバと、所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例(instance)を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト(lockout)であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、によって特徴付けられる。
【0015】
さらに別の実施形態では、カートリッジを含むマルチモーダル製品投与システム用の投与リザーバが提供され、前記カートリッジは、製品のリザーバと、所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウトであって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、によって特徴付けられ、前記カートリッジは、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有する、カートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線結合のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むハウジングにより特徴付けられる制御ベースにより一時的に係合される。
【0016】
さらに別の実施形態について、カートリッジを含むマルチモーダル製品投与システム用の投与リザーバが提供され、前記カートリッジは、製品のリザーバと、所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウトであって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、によって特徴付けられる。
【0017】
さらに、別の実施形態について、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むハウジングにより特徴付けられる制御ベースを提供することと、複数のカートリッジを提供することであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、各カートリッジは、製品のリザーバと、所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウトであって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、によって特徴付けられる、複数のカートリッジを提供することと、選択されたカートリッジが一時的に前記制御ベースに係合すると、前記カートリッジに関連する前記固有識別子を決定することと、前記決定された固有識別子に応答して、前記ディスペンサの制御のために動作設定を前記制御ベースに提供することと、を含むマルチモーダル製品投与のための方法が提供される。
【0018】
さらに別の実施形態について、複数のカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベースは、前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線結合のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むハウジングを含み、前記複数のカートリッジのそれぞれは、製品のリザーバと、所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウトであって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、によって特徴付けられる、マルチモーダル製品投与システムが提供される。
【0019】
さらに別の実施形態について、複数のカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベースは、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバであって、少なくとも2つのカートリッジは、そこに含まれる製品のための異なる送達モダリティのために構成および配置される、カートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線結合のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられた前記カートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むポータブルハウジングを含む、マルチモーダル製品投与システムが提供される。
【0020】
さらに別の実施形態について、複数のカートリッジのうちの1つに結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバであって、少なくとも2つのカートリッジは、そこに含まれる製品のための異なる送達モダリティのために構成および配置される、カートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線結合のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられた前記カートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むポータブルハウジングにより特徴付けられる制御ベースと、前記リモートコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つにより提供される少なくとも1つのデータベースと、を含み、前記データベースは、前記データベースに認識されている各ユーザのユーザデータと、前記データベースに認識されている少なくとも1人のユーザに関連する各制御ベースの制御ベースデータと、前記データベースに認識されている1以上の固有識別子に関連付けられた製品データであって、前記固有識別子は1以上のカートリッジにさらに関連付けられ、前記データベースは、各ユーザによる各製品および各カートリッジによって提供される前記製品の追跡を可能にするために、制御ベースデータおよび製品データへのユーザデータの関連付けを可能にする、製品データと、をさらに備え、前記データベースは、新しいユーザおよび/または製品データを前記データベースに追加するための少なくとも1つの動作をさらに提供する、マルチモーダル製品投与システムが提供される。
【0021】
そして、さらに別の実施形態について、複数のカートリッジのうちの1つと結合される制御ベースにより特徴付けられるマルチモーダル製品投与システムのための方法であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、当該方法は、前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有する、カートリッジレシーバと、前記カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダと、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバと、前記カートリッジレシーバによって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置と、前記カートリッジリーダからカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバにより、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラと、を少なくとも部分的に囲むハウジングにより特徴付けられる制御ベースを提供することと、前記制御ベースにより、選択されたカートリッジを受け入れることであって、当該選択されたカートリッジは、製品のリザーバと、所定の送達モダリティによって所定量の製品を投与するように構成および配置されたディスペンサと、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、前記製品の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガと、前記カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップと、前記カートリッジおよび前記製品に関連付けられた固有識別子であって、前記制御ベースによって決定されるように構成および配置された固有識別子と、前記ディスペンサをロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウトであって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベースに係合している間、前記制御ベースによって解放される少なくとも1つのロックアウトと、を有する、選択されたカートリッジを受け入れることと、前記カートリッジに関連する前記固有識別子を決定することと、前記固有識別子を前記リモートコンピューティングデバイスに送信することであって、前記リモートコンピューティングデバイスは、データレコードに問い合わせて前記カートリッジおよび前記リザーバに含まれる前記製品を識別する、前記固有識別子を前記リモートコンピューティングデバイスに送信することと、前記ロックアウト非アクティブ化装置をアクティブ化するための少なくとも1つの動作設定を前記コントローラに送信することと、製品の投与量が投与された確認を前記リモートコンピューティングデバイスに送信することと、を含む、マルチモーダル製品投与システムのための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるマルチモーダル投与のためのシステムのハイレベルの図を示す。
【0023】
図2A】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2B】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2C】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2D】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2E】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2F】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
図2G】結合されたときに本発明による投与装置を提供する制御ベースおよびオプションのカートリッジを示す。
【0024】
図3A】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される吸入器カートリッジを示す。
図3B】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される吸入器カートリッジを示す。
図3C】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される吸入器カートリッジを示す。
【0025】
図4A】本発明によるサイクロイド歯車アセンブリおよび定量供給システムを組み込んだカートリッジを示す。
図4B】本発明によるサイクロイド歯車アセンブリおよび定量供給システムを組み込んだカートリッジを示す。
図4C】本発明によるサイクロイド歯車アセンブリおよび定量供給システムを組み込んだカートリッジを示す。
【0026】
図5A】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合されるポンプカートリッジを示す。
図5B】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合されるポンプカートリッジを示す。
図5C】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合されるポンプカートリッジを示す。
【0027】
図6A】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される丸薬カートリッジを示す。
図6B】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される丸薬カートリッジを示す。
図6C】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される丸薬カートリッジを示す。
【0028】
図7A】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合されるストリップカートリッジを示す。
図7B】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合されるストリップカートリッジを示す。
【0029】
図8】本発明による投与装置を提供するために制御ベースと結合される注射カートリッジを示す。
【0030】
図9】本発明によるマルチモーダル投与の流れ図を示す。
【0031】
図10】少なくとも1つの実施形態によるコンピュータシステムのハイレベルのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明に進む前に、本教示は単なる例であり、限定ではないことを理解されたい。本明細書の概念は、製品のマルチモーダル投与のための特定のシステムまたは方法での使用または適用に限定されない。したがって、本明細書に記載の手段は、例示的な実施形態に関して示され説明される説明の便宜のためであるが、本明細書の原理は、製品のマルチモーダル投与のための他のタイプのシステムおよび方法にも等しく適用され得ることが理解および認識されるであろう。
【0033】
本発明は、図を参照して以下の説明において好ましい実施形態に関して説明され、ここで、同様の番号は、同じまたは類似の要素を表す。さらに、同じまたは類似の要素の番号付けに関して、先行する値は、要素が最初に識別および説明される図を識別し、例えば、要素100が最初に図1に現れることが理解されるであろう。
【0034】
本明細書に提示される様々な実施形態は、マルチモーダル投与のためのシステムおよび方法のための装置、システム、製造業者の物品などを説明するものである。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスのユーザがコンピューティングデバイスの動作を指示することを可能にするインターフェース、アプリケーションブラウザ、ウィンドウなどが提供され得る。
【0035】
さらに、以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットの操作および処理に関して提示されている。このような操作に関連するステップは、物理量の操作を必要とするステップである。一般に、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、保存され、転送され、結合され、比較され、かつ、その他の方法で操作されうる電気信号または磁気信号の形をとる。当業者は、これらの信号が一般にビット、値、要素番号、または、他の明確に識別可能な構成要素と呼ばれることを理解するであろう。
【0036】
もちろん、これらの用語のすべては、適切な物理量に関連付けられており、かつ、これらの物理量に適用される便利なラベルにすぎないことが理解および認識される。さらに、以下の説明全体を通して、「処理」または「評価」または「受信」または「出力」などの用語の使用は、コンピュータシステムのメモリ内の物理(電気)量として表されるデータを操作してコンピュータシステムのメモリ内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは同様の電子コンピューティング装置の動作およびプロセッサを指すことが理解されるであろう。
【0037】
本発明はまた、本明細書に記載の動作を実行するための装置に関する。この装置は、以下でさらに説明するように、必要な目的のために特別に構成されてもよく、または、装置は、電子的命令を記憶するのに適したコンピュータ読み取り可能記憶媒体に基づいてコンピュータに記憶された1以上のコンピュータプログラムによって選択的に適合または再構成される汎用コンピュータであってもよい。
【0038】
以下の説明をさらに助けるために、以下の定義された用語が提供される。
【0039】
「ユーザ」-典型的には、人、または、最低限、投与システムに認識されている人によって使用されるコンピューティングデバイス、または、自分自身を識別するためのデータのしきい値、例えば属性を提供することによって自身がユーザアカウントを作成したという意味で投与システムと通信している管理システム。通常、投与システムまたは関連する管理システムとのユーザの相互作用は、自分自身に関する追加の属性を確立するために役立つことも期待される。
【0040】
「製品」-液体、液体濃縮物、食用媒体(edible medium)、吸入剤、錠剤、半固体、クリーム、または、物理的な人により消費され得る他の形態として提供され得る化合物。一般に、これは植物ベースの薬用化合物であると理解および認識される。しかしながら、様々な実施形態において、1以上の製品はまた、医薬化合物、有機化合物、および/または、合成由来化合物であってもよいことが理解および認識される。さらに別の実施形態では、製品は、植物性化合物、動物性化合物、鉱物化合物、有機化合物、医薬化合物、および、合成化合物からなる群から選択される要素の組み合わせとして提供され得る。
【0041】
「成分」-これらに限定されないが、カンナビノイドおよび/またはテルペンなどの植物ベースの製品の識別可能な要素、および、THC、THC-A、CBN、CBG、CBC、CBD、CBD-A、THCVおよびCBDVから選択されるカンナビノイドを含むがこれらに限定されないその様々な特定の形態、および、α-オシメン(Alpha - Ocimene)、β-オシメン(Beta - Ocimene)、カンフェン(Camphene)、カレン(Careen)、カリオフィレン(Caryophyllene)、酸化カリオフィレン(Carophyllene oxide)、シメン(Cymene)、ユーカリプトール(Eucalyptol)、イソプレゴール(Isopulegol)、リモネン(Limonene)、リナロール(Linalool)、ミルセン(Myrcene)、ピネン(Pinene)、テルピネン(Terpinine)、テルピノレン(Terpinolene)から選択されたテルペン(terpene)。さらに、少なくとも大麻植物製品については、400以上の異なる化合物が存在し、60以上がカンナビノイド化合物として識別されていることが知られている。様々な実施形態において、成分は、これに限定されないがシロシビン(psilocybin)などの非大麻要素であってもよい。
【0042】
「第1のデバイス」-特定のユーザの理由のために製品の投与量を望む人/ユーザによって使用される少なくとも1つのプロセッサを有するコンピューティングデバイス。
【0043】
「投与システム」-製品の用量/投与量を要求するときにユーザが接続する少なくとも1つのプロセッサを備えたコンピューティングシステム。投与システムは、製品のデータベースを維持するか、または、製品のデータベースと少なくとも相互作用する。
【0044】
「投与装置」-制御ベースに結合された複数の異なる送達モダリティカートリッジのうちの選択された1つによって提供される組み合わされ動作可能なアセンブリ、投与装置は、計量された用量の製品をユーザに提供し、かつ、投与量に関する情報を第1のデバイスおよび/または投与システムなどのリモートコンピューティングデバイスに伝達するように動作可能である。
【0045】
「制御ベース」-カートリッジをアクティブ化させて計量された用量をユーザに投与できるようにするために、電力、通信および制御機能を提供する投与装置のベース構成要素。制御ベースは、第1のデバイスおよび/または投与システムと無線で通信して、投与量および投与量の承認などの投与設定を取得および設定する。
【0046】
「カートリッジ」-動作可能な投与装置を提供するために、ユーザによって制御ベースに取り外し可能に結合された複数の異なる製品投与構成要素のうちの1つ。各カートリッジは、製品のリザーバを提供し、かつ、計量された量の製品をリザーバから投与するための特定の送達モダリティのために構成および配置されている。製品の投与は、少なくともカートリッジの制御ベースへの一時的な結合、および/または、制御ベースによるカートリッジの起動(activation)に依存している。
【0047】
「送達モダリティ(Modality of Delivery)」-製品の種類および性質に対応するように選択され、かつ、気化、吸入、食用、舌下、局所(topical)、バッカル(buccal)、坐薬、および、点眼(ophthalmic)からなる群から選択されると一般に理解されている製品の送達方法。
【0048】
「データベース」-製品、ユーザ、カートリッジ、および、制御ベースを互いに関連付けるインデックス付きレコードセット。少なくとも1つの実施形態について、各製品に関し、データベースは、各製品の1以上の構成要素、製品が使用された確立された理由、理由に関連する投与量、および、ユーザ評価フィードバックをさらに互いに関連付ける。様々な実施形態において、ユーザデータは、ユーザアカウント情報(名前、年齢、性別、住所、電子メール、電話など)、ならびに、ユーザに登録された制御ベースおよびカートリッジ、製品の処方箋、医師または供給者の連絡先情報、および、過去と現在の投与量の質と履歴を含んでもよい。様々な実施形態において、カートリッジデータは、各カートリッジの固有の識別、カートリッジに含まれる製品の識別、製品および/またはカートリッジの提供者、カートリッジ内の製品の初期および/または残りの用量などを含む。データベースはまた、カートリッジおよび/またはディスペンサの制御のための動作設定を提供し得る。さらに、データベースは、1つのデータベース、または、複数のユーザのデータベースおよび複数の製品のデータベースなどの異なるデータベースの集合であり得るが、本明細書では、説明および例示を容易にするために単一のデータベースと呼ばれる。データベースは、リレーショナルデータベースとして確立されてもよく、かつ、特定の場所の1以上のコンピューティングシステムにローカライズされてもよく、または、クラウドコンピューティングスペースなどに分散されてもよい。
【0049】
上記の定義された用語に関して、少なくとも1つの実施形態では、各モジュールまたはシステムは、プリント回路基板上のユニットとしてパッケージされた独立した電子回路の集合として、または、回路基板に若しくはコンピュータ内の基本的な機能を提供するためのコンピュータの他の要素に取り付けられたチップとして実装されることが理解および認識される。様々な実施形態において、1以上のモジュールはまた、より大きな全体の一部として特定のタスクまたは基本的な機能を実行するようにコンピュータを適合させるソフトウェアとして実装され得る。さらに、別の実施形態では、1以上のモジュールは、ソフトウェアおよび独立した電子回路の両方の組み合わせによって提供され得る。
【0050】
簡単に要約すると、製品のマルチモーダル投与のためのシステムおよび方法が提供される。このシステムは、主に、ユーザが、投与のための製品を含む取り外し可能なカートリッジを結合する制御ベースで構成されている。制御ベースがカートリッジと結合されている場合、動作可能な投与装置が完全に提供される。以下でさらに説明するように、異なるカートリッジは、製品投与量に関して異なる送達モダリティを提供する。
【0051】
同じ制御ベースが異なる送達モダリティを有する複数の異なるカートリッジとともに使用されるので、制御ベースは、投与量管理、ならびに、記録保持、承認、フィードバック、および、様々な実施形態で望まれ得る他の要素を合理化および簡素化する。
【0052】
投与量管理およびユーザ記録保持を容易にするために、一般に、ユーザはスマートフォンまたは他のポータブルコンピューティングデバイスを持ち、それは、インターネットアクセスを有して構成され、かつ、特定のソフトウェア命令によって適合されて、本発明の少なくとも1つの実施形態による投与装置および/または投与システムの制御ベースと通信するための特定の機能および利点を実行する。より具体的には、少なくとも1つの実施形態では、ユーザは、自分のポータブルコンピューティングデバイスにインストールされたアプリケーションを有し、そのアプリケーションは、そこにユーザがアカウントを作成し、かつ、制御ベースに結合されたカートリッジ内の製品に関する情報、ならびに、ユーザ履歴、製品アイデンティティ、製品履歴、製品製造業者、用量管理設定、製品の構成、ロックアウト制御、および、さまざまな実施形態で望まれ得る他のデータを提供できるリモートコンピューティングシステム、例えば投与システムに、ユーザが接続することを可能にする。
【0053】
この要約は、以下の説明および添付の図に関してより完全に理解され得る。
【0054】
ここで図面、より具体的には図1を参照すると、制御ベース106を複数の別個のカートリッジ108のうちの1つに結合することによって提供される投与装置104を持つユーザ102用の製品のマルチモーダル投与のためのシステム(the System for Multi-modal Dosing of a Product)、例えばSMMDP100の実施形態のハイレベルの図が示されている。
【0055】
SMMDP100は、ある用量の製品を送達するための複数の異なるモダリティを有利に提供するが、少なくとも1つの実施形態では、1つのカートリッジ108のみが任意の時点で制御ベース106と係合され得ることを理解および認識されたい。以下でさらに説明するように、制御ベース106と係合していないカートリッジ108は、それらが機能せず、かつ、任意の意図された方法で製品を投与しないので、本質的に不活性である。
【0056】
さらに、送達のためのモダリティの選択は、異なるカートリッジ108の選択によって決定され、制御ベース106は、カートリッジ108を選択的に操作するための一貫した均一なプラットフォームを提供してユーザ102が望むモダリティによって製品を投与し、かつ、カートリッジ106、ユーザ102、および、投与された用量に関連するデータを追跡する。
【0057】
示されるように、一般に、各ユーザ102はまた、少なくとも1つのプロセッサおよびアプリケーション112を有する第1のコンピューティングデバイス110を有する。少なくとも1つの実施形態では、アプリケーション112は、実質的に、上記の「556出願」に記載されたアプリケーションと同じである。それぞれの第1のデバイス110はまた、無線ネットワーク通信などによるネットワーク通信114に関しても有効にされる。さらに、それぞれの第1のデバイス110はまた、GPSなどの位置決定能力を有する。
【0058】
この例では、それぞれの第1のデバイス110は、ワイヤレススマートフォンとして示されているが、代わりに、WiFi(登録商標)ネットワーク、ワイヤレスネットワークアクセスポイント、セルラーネットワーク、GPS送信、および/または、他のそのような技術を使用するポータブル無線通信が可能なポータブルコンピュータまたはデータアシスタントデバイスから構成されてもよい。さらに、少なくとも1つの実施形態では、それぞれの第1のデバイス110は、アップルコンピュータiPhone(登録商標)またはサムスンアンドロイド(登録商標)デバイスなどのスマートフォンデバイスであるが、これらに限定されない。
【0059】
少なくとも1つの実施形態では、各投与装置104は、独立型の(スタンドアロンの)装置として組み立てられたときに動作可能である。すなわち、投与装置104は、ユーザ102が所有している第1のコンピューティングデバイス110、または、上記の「556出願」に記載されている投与システム120のようなデータベース118を提供するリモートコンピューティングシステム116などの1以上のリモートコンピューティングデバイスと相互作用することなく動作可能である。
【0060】
さらに別の実施形態では、各投与装置104は、第1のコンピューティングデバイス110および/またはリモート投与システム120などの1以上のリモートコンピューティングデバイスと相互作用するとき、強化された動作状態を達成する。
【0061】
さらに、SMMDP100の少なくとも1つの有利な態様は、1以上のカートリッジ108の使用にわたるユーザ投与量の監視および制御に関する。そのような監視および制御は、投与システム120/データベース118に認識されている各ユーザについてのユーザデータ122を有する少なくとも1つのデータベース118を有する投与システム120、各ユーザ102に関連する各制御ベース106に関する制御ベースデータ124、投与システム120に認識されている製品を識別するための1以上の固有識別子に互いに関連するカートリッジデータ126および製品データ128、各カートリッジ108の固有アイデンティティ(少なくとも1つの実施形態について、送達モダリティとカートリッジによって提供される製品を含む)、および、必要に応じてその他の情報の使用によって有利に容易になる。
【0062】
さらに、カートリッジデータ126および制御ベースデータ124は、単に識別値として示されているが、これらのカテゴリおよび実際のすべてのデータカテゴリは、必要に応じて追加の詳細/データを提供するために様々な実施形態に適合され得ることが理解および認識される。
【0063】
図1の説明を容易にするために、ユーザデータ122は、主に製品およびそれに関連する様々なデータ要素に関して示されているデータベース118とは別に示されている。実際、様々な実施形態において、SMMDP100に関連するすべてまたは実質的にすべてのデータを提供する1つの統合データベースがあり得るか、または、示されるように、製品データおよびユーザデータなどのデータ構成要素は、別個のデータベースに分割されてもよく、それは異なる物理的なコンピュータシステムによって同様にさらに提供されてもよい。
【0064】
投与システム120はリモートシステムであり、それが第1のデバイス110とは物理的に異なることを意味することが理解および認識されるべきである。同様に、データベース118は、投与システム120の構成要素であろうと、投与システム120と通信している別のシステムであろうと、第1のデバイス110とは異なり、かつ、別個である。
【0065】
さらに、投与システム120は、投与システム120を提供するためにハードウェアまたはソフトウェアによって適合される少なくとも1つの物理的コンピュータシステム130(少なくとも1つのマイクロプロセッサ、メモリ、I/Oデバイスなどを含む)によって提供される。データベース118が投与システム120 132とは別個のシステムである実施形態では、データベース118はまた、データベース118を提供するためにハードウェアまたはソフトウェアによって適合される少なくとも1つの物理的コンピュータシステム(少なくとも1つのマイクロプロセッサ、メモリ、I/Oデバイスなどを含む)により提供されることが理解および認識される。
【0066】
様々な実施形態では、SMMDP100の1以上の要素は、互いに統合されていない場合、互いに直接接続されてもよいが、ほとんどの場合、共通の通信手段としてのインターネット132の組み込みおよび情報交換が本発明の範囲内であることが理解および認識される。
【0067】
また、SMMDP100の要素は、物理的な有線または無線のリンクであろうと、継続的な通信リンク114を維持する必要がないことも理解および認識されるべきである。言い換えれば、ユーザ102は、ログオンまたはログオフすることができ、したがって、投与システム120へのリンクを確立することができる。同様に、投与システム120、データベース118、および、そのような他のネットワークシステムおよび/またはデバイスは、断続的に接続されてもよく、SMMDP100の意図された動作のために必要なとき必要に応じて接続する。
【0068】
様々な実施形態において、複数のカートリッジ108は、吸入器キャリッジ、スプレーカートリッジ、ストリップ送達カートリッジ、ゲルカートリッジ、ローションカートリッジ、錠剤カートリッジ、または、注射カートリッジから選択され得るが、これらに限定されない。さらに、異なる送達モダリティは、送達の速度、一般的な送達とターゲットを絞った送達、および、送達中のユーザの快適さについて異なる選択肢を提供する。
【0069】
図1に示される本例については、カートリッジ108’は吸入器カートリッジであり、カートリッジ108’’は錠剤カートリッジであり、カートリッジ108’’’はストリップカートリッジであり、カートリッジ108’’’’はスプレーカートリッジである。
【0070】
吸入された蒸気が肺に放散されると、製品は、飲み込まれた錠剤または局所的に塗布されたオイルもしくはローションを介して達成され得るよりも速く血流に入ることができる。あるいは、丸薬、錠剤または皮膚パッチが徐放のために望まれ得る一方で、スプレー、クリームまたは軟膏が位置特定用途のために望まれ得る。丸薬を飲み込むのが困難なユーザにより、経口スプレー、点眼薬、または、溶解性ストリップが望まれ得る。そして、注射は、血液系の分散または硬膜下組織の治療に最も適し得る。
【0071】
吸入器カートリッジ108は、吸入剤の形態で製品の用量を提供することが理解および認識される。そのような吸入器カートリッジは、計量された用量の製品が熱によって気化されてユーザによる吸入に適したミストになる気化カートリッジとして提供され得る。吸入器カートリッジはまた、超音波振動などによって液体製品を吸入可能なガスの形態に噴霧するネブライザとして提供され得る。吸入器カートリッジはまた、ユーザが空気および投与された粉末を吸引する空気流路に典型的に配置される微粉末の形態で、計量された用量の製品を提供し得る。さらに、吸入器カートリッジは、計量されたバーストでユーザに投与される圧縮ガスの形態で製品を提供し得る。吸入器カートリッジは、口および/または鼻によってユーザに計量された投与量を提供し得ることがさらに理解および認識される。
【0072】
送達モダリティのそれぞれの方法について、各カートリッジ108は、計量された投与量の製品、言い換えれば、特に既知の量の製品を提供するように構成および配置されていることが理解および認識されるべきである。少なくとも1つの実施形態では、SMMDP100のいくつかのカートリッジ108は、既知の投与量が、ユーザ102、第1のコンピューティングデバイス110を適合する用途、および/または、投与システム120によって変更され得るように調整され得る。すべての場合において、カートリッジ108によって許可される任意の送達モダリティによる計量された投与量の投与は、カートリッジが制御ベース106に適切に結合されていることに依存している。
【0073】
本実施例では、複数のユーザ102が示され、そのうちのユーザ102A、102Bおよび102Cが典型的である。各ユーザ102A、102B、102Cは、制御ベース106A、106B、106Cおよび少なくとも1つのカートリッジ108A、108B、108Cからなる投与装置104A、104B、104Cを有する。示されるように、各ユーザ102は、複数の異なるカートリッジ108を有し、したがって、異なる送達モダリティまたは各カートリッジ108によって提供される製品を選択する選択肢が与えられる。
【0074】
例示的な投与装置104は、図2A-2Eに関してより完全に理解され得る。さらに、図2Aは、制御ベース106の底部およびカートリッジ108の底部を示す傾斜した斜視図であり、図2Bは、制御ベース106の上部およびカートリッジ108の上部を示す上部斜視図であり、図2Cは、図2Bに示されるように係合された、組み立てられた投与装置104、カートリッジ108および制御ベース106を示す。
【0075】
制御ベース106は、ボタン202および/またはライト204ならびに他のディスプレイ構成要素をさらに提供し得るハウジング200を有する。少なくとも1つの実施形態では、制御ベース106のベース206は、内部電源を再充電するために、および/または、ハウジング200内の電気およびコンピューティング構成要素に新しいファームウェアを提供するために使用され得るポート208を提供する。ベース206の反対側で、ハウジング200は、SMMDP100と互換性のある複数の異なるカートリッジ108のいずれかを受け入れるように構成および配置された開口部210を提供し、異なるカートリッジ108のうちの少なくとも2つは、製品の送達のための異なるモダリティを提供する。
【0076】
カートリッジ108はまた、ハウジング212を提供し、図2Aで理解され得るように、カートリッジ108のベース214は、データチップ216、ロックアウト装置制御のための1以上のポート218、電力接点220、用量カウント通信、および/または、データ交換または物理的制御のための他の要素を提供する。
【0077】
カートリッジ108はまた、クリップなどのリテーナ222を提供でき、これは、制御ベース106のハウジングの内側と少なくとも一時的に結び付き制御ベース106およびカートリッジ108を係合状態に保つ。少なくとも1つの実施形態では、クリップなどのリテーナ222もロックアウトである。さらに、示されるように、リテーナ222は、カートリッジハウジング212から離れて延びるカンチレバーであり得る。そのように展開されたとき、内部要素またはリンケージ(図示せず)は、カートリッジ108の動作をロックアウトする。例えば、リテーナ222の上部は、リテーナ222が展開されるときにディスペンサ256のスロット、溝または他の構造と係合できるが、制御ベース106と結合され、したがって押し込まれるとき、リテーナ222は、カートリッジ108を制御ベース108に一時的に結合するだけでなく、リテーナ222の上部がディスペンサ256のスロット、溝または他の構造から解放される。少なくとも1つの実施形態では、これらのカンチレバーが内側に押されると、そのような動作はまた、制御ベース106から切断されたときにカートリッジが動作するのを妨げる少なくとも1つのロックアウトを解放する。図2Bおよび2Cで理解され得るように、カートリッジ108の上部は、そこから製品がユーザに投与される1以上の開口部224を提供する。図2A-2Cおよび2Gに示される例示的なカートリッジ108の場合、カートリッジは吸入器カートリッジであり、かつ、開口部224は、そこからユーザが蒸気を吸入できる通気口である。
【0078】
図2Dおよび2Eは、制御ベース106の斜視図および切断図を提供し、図2Fおよび2Gは、(例示および説明を容易にするために拡大された)例示的なカートリッジ108の斜視図および切断側面図を提供する。最初に、示される図2Eに関し、少なくとも1つの実施形態では、制御ベースは、カートリッジレシーバ226、カートリッジリーダ228、無線トランシーバ230、ロックアウト非アクティブ化装置232、コントローラ234、および、バッテリなどの電源236を少なくとも部分的に囲むハウジング200によって特徴付けられる。
【0079】
カートリッジレシーバ226は、複数の異なるカートリッジ108のうちの1つを一時的に係合するように構成および配置され、様々な実施形態において、係合されたカートリッジ108を係合および一時的に保持するように構成された1以上のばねクリップ、ソケット、ピン、磁石または他の構造を提供し得る。カートリッジレシーバ226はまた、カートリッジ108の対応する接点と係合する電気接点を提供し、係合したカートリッジ108に電力を供給し、係合したカートリッジ108とデータを交換してもよい。
【0080】
カートリッジリーダ228は、カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されている。識別情報は、これらに限定されないが、EPROM、EEPROMもしくは他のデータチップ216などのスマートチップ、QRコード(登録商標)、バーコード、物理的パターン、または、識別情報を符号化する他の手段などの様々な異なるデバイスによって提供され得る。この識別情報は、カートリッジ108と、これらに限定されないが製品のバッチおよび製造業者などのカートリッジに含まれる製品との両方を一意に識別するために使用され得る。
【0081】
無線トランシーバ230は、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置されている。少なくとも1つの実施形態について、図1に示されるように、最初のリモートコンピューティングデバイスは、ユーザ102の第1のデバイス110であってもよく、これは、制御ベース106が、データベース118を提供する少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスと情報を送受信し得るように、より優れた通信アクセス、例えばインターネットアクセスを提供する。もちろん、いくつかの実施形態では、第1のデバイス110は、制御ベース106の相互作用が一般に第1のデバイス110と行われるように、データベース118の情報のキャッシュを提供し得る。さらに他の実施形態では、無線トランシーバ230は、制御ベース106が、アクセスポイントおよび/またはデータブリッジとして第1のデバイス110を必要とせずに、データベース118を提供するリモートコンピューティングデバイスへのワイヤレスネットワークアクセスを直接達成することを可能にし得る。
【0082】
ロックアウト非アクティブ化装置232は、カートリッジレシーバ226によって受け入れられたカートリッジ108の少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置されている。さらに、少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ108は、無効化またはロックアウト状態にあり、少なくとも1つのロックアウトが解放されるまで使用できない。ロックアウト非アクティブ化装置232は、それが1以上のロックアウト装置と係合するという点でロックアウトアクティブ化装置と替わりに呼ばれ得るが、本明細書では、許可されない限り使用されないSMMDP100の有利な性質を強化するのを助けるためのロックアウト非アクティブ化装置232と呼ばれる。様々な実施形態において、ロックアウト非アクティブ化装置232は、これらに限定されないが、電力を有効もしくは無効にするための電気スイッチ、カートリッジの少なくとも特定の構成要素に圧力を加えるかもしくは取り除くように動作可能なソレノイドもしくはギア機構、または、制御ベース106と係合するカートリッジ108のロックアウトを機械的、電気的もしくは磁気的に有効もしくは無効にする他の動作可能な要素などの電子または電気機械装置であり得る。
【0083】
実際、少なくとも1つの実施形態では、カートリッジロックアウトとしての第1のロックアウト装置および用量制御ロックアウトとしての第2のロックアウト装置などの複数のロックアウト要素が使用され得る。さらに、第1のロックアウトは、制御ベースに結合されていないときにカートリッジの使用を無効にするように構成および配置され得、一方、第2のロックアウトは、カートリッジが制御ベースに結合されたときにアクティブ化(作動)および非アクティブ化(解除)を可能にするように構成および配置され得る。上に示して説明したように、少なくとも1つの実施形態では、リテーナ222、例えば、カートリッジハウジング212のいずれかの側から延びる対向するカンチレバーは、カートリッジロックアウトの外部レバー要素であり、それらがカートリッジ108から離れて展開されると、カートリッジ108は機械的に無効になるが、内側に押されると、それらは、使用中にカートリッジ108を制御ベース106に一時的に結合することに加えて第1のロックアウトを解除する。設計および製造上の理由から、様々な実施形態において、少なくともこれらの第1および第2のロックアウトオプションを異なる要素として提供することが望まれ得る。
【0084】
さらに、カートリッジ108が、それらが制御ベース106に結合されているときにのみ、ある用量の製品を適切に投与できることは、SMMDP100の有利な特徴である。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ108からの製品の用量の投与はまた、これらに限定されないが、ユーザが製品の用量を受け取ることを許可されていること、承認された時間または承認されたウィンドウ内にてユーザが製品の用量を要求していること、ユーザが許可された場所で製品の用量を要求していること、および/または、様々な実施形態における強化された製品投与量管理に適切であると決定され得るような他の要因など、他の要因に依存する。
【0085】
実際、SMMDP100の実施形態は、これらに限定されないが、ユーザがカートリッジ108の所有者または許可されたユーザであること、ユーザがカートリッジ108の使用年齢であること、ユーザがカートリッジ108の使用の処方箋を有すること、ユーザがカートリッジ108からの製品の投与量の現在の要求と組み合わされた場合に潜在的に有害であり得る同じ製品または別の製品の以前の投与量を服用していないことなどの様々な要因を任意に確認してもよい。言い換えれば、カートリッジ108が一時的に制御ベース106と係合していても、少なくとも1つの実施形態では、制御ベース106は、ユーザがカートリッジ106の使用を許可されていることを確認する。
【0086】
コントローラ234は、カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受信し、任意にロックアウト非アクティブ化装置232を制御し、投与イベントを許可または拒否し、投与イベントを検出し、かつ、無線トランシーバ230によってカートリッジ情報およびそれぞれの検出された投与イベントをユーザの第1のデバイス110および/または投与システム120、具体的にはデータベース118を提供するリモートコンピューティングデバイスなどの少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスへ通信するように構成および配置される。
【0087】
コントローラ234はまた、任意に1以上のライトまたはディスプレイパネルおよびボタンに電気的に結合され、ユーザに視覚情報を提供し、かつ、ユーザからコマンドを受信してもよい。
【0088】
少なくとも1つの実施形態では、制御ベース106はまた、一時的に係合したカートリッジ108から各用量が投与されるときにトリガされるマイクロスイッチなどの用量カウンタ238を含み得る。少なくとも1つの代替の実施形態では、用量カウンタはカートリッジ108の構成要素であり、それぞれの投与された用量は、制御ベース106にも報告される。さらに、少なくとも1つの代替の実施形態では、カートリッジ108は、用量カウンタが制御ベース106またはカートリッジ108の構成要素であるかどうかに関係なく、カートリッジの残りの用量の数を報告するディスプレイ(図示せず)を有する。さらに、この残りの用量カウントは、カートリッジ108が制御ベース106に結合されているか否かにかかわらず、ユーザによって観察され得る。
【0089】
電池などの電源236は、制御ベース106に、および、少なくともいくつかの実施形態では受け入れたカートリッジ108に電力を供給する。電源236は、充電式電池であってもよく、ハウジング200は、電源236がハウジング200から取り外されることなく補充され得るように、充電ポート240をさらに提供し得る。
【0090】
上記のように、図2Fおよび2Gは、例示的なカートリッジ108の斜視図および側面図を提供する。図示および説明を容易にするために、例示的なカートリッジ108は吸入器250用であるが、SMMDP100用のすべてのカートリッジ108は実質的に同じ構成要素を共有することが理解および認識されるであろう。
【0091】
より具体的には、各カートリッジ108は、製品254(例えば、薬剤)のリザーバ252およびディスペンサ256を少なくとも部分的に囲むハウジング212によって特徴付けられる。カートリッジ108はまた、少なくとも1つのデータチップ216、固有識別子258(データチップ216に組み込まれ得る)、ロックアウト260、および、カウントトリガ262を提供する。上述のように、製品254は、ユーザが製品254の投与量を望み得る1以上の状態の治療に関係している、または、関係し得る1以上の成分を有する植物ベースの製品であり得る。
【0092】
ハウジング212は、少なくとも一部分が制御ベース106のハウジング内に配置され、かつ、制御ベース106のカートリッジレシーバ226によって受け入れられるように構成および配置されている。すべてのカートリッジ108に共通で、ハウジング内には製品254の少なくとも1つのリザーバ252がある。ディスペンサ256は、カートリッジ108が制御ベース106に結合され、かつ、ロックアウト260が解放されたときに、所定量の製品254を投与するように構成および配置されている。
【0093】
さらに、ロックアウト260は、カートリッジ108が制御ベース106と係合していないときディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置されている。上述のように、少なくとも1つの実施形態では、制御ベース106のコントローラ234は、カートリッジ108が制御ベース106に結合されている間、ロックアウト260を係合および解放する機能的能力を有する。そのような任意の制御は、SMMDP100が投与量管理を強化することを有利に可能にする。
【0094】
実際、少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ108は、少なくとも2つのロックアウト装置、カートリッジ108が制御ベース106に結合されると無効にされる第1のロックアウト構成要素、および、コントローラ234によってアクティブ化される(作動させられる)か、または、非アクティブ化される(解除される)第2のロックアウト構成要素を有する。例えば、第1のロックアウト構成要素は、制御ベース106内の整列した突起によって解放されるカートリッジ108内の1以上のばねピン(spring pins)などの物理的構造であり得る。第2のロックアウトは、スイッチ、スクリュードライブ、または、コントローラ234の指示に従って任意に係合または解放されるソレノイドもしくはギア作動された平面(gear operated level)などの電気的ロックアウトであり得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、第1のロックアウトは、カートリッジ108を制御ベース106に結合するユーザ102の物理的行為によって解放され、投与装置104に所望のモダリティを提供し、第2のロックアウトは、コントローラ234によって制御され、有利には、適切な投与量が承認された/許可されたユーザ102にのみ投与されることを確実にする。そのような承認/許可は、これらに限定されないが、投与システム120に登録されているユーザ、制御ベース104およびカートリッジ108を所有しているユーザ、処方箋または投与システムに登録された他の承認を有するユーザ、製品の使用が許可されている物理的な場所にいるユーザ、投与システム102に認識されている同じまたは異なる製品の過去の投与された投与量との潜在的な矛盾がないときに要求された投与量などの様々な要素に基づくことができる。
【0095】
スマートチップ216、またはデータチップ216は、カートリッジ108が制御ベース106に結合されたときにカートリッジリーダ228に近接するような場所で、ハウジング212上またはその内部に配置される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジリーダ228とスマートチップ216との間に直接の物理的または電気的接続があり得る。
【0096】
各カートリッジ108は、QRコード、バーコード、RFIDタグ、物理的パターンまたは情報を符号化する他の手段などの物理的要素であり得る固有識別子258を有する。固有識別子258は、各カートリッジ108を一意に識別するのに役立つ。さらに、固有識別子は、リザーバ内の製品254、さらにより具体的には製品254のバッチ/製造業者を識別するためにも使用され得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、固有識別子は、少なくとも2つの要素、すなわちカートリッジを一意に識別する第1の部分(例えば904)および製品254を一意に識別する第2の部分(例えば1184)を有し得る。このようにして、固有識別子904-1184を有する第1のカートリッジ108は、固有識別子905-1184を有する第2のカートリッジ108と区別され得るが、両方のカートリッジはまた、同じ製品254を含むことを容易に認識される。
【0097】
固有識別子258は、EEPROMの場合のように、スマートチップ216の確立された構成要素であり得るが、固有識別子は、一般に、カートリッジに対して変更されないままである固定データ要素であると理解され、スマートチップ216は、残りの投与量、最後の投与量、または、カートリッジ108が充填された後の製品の性質もしくは識別などの追加のデータが追加され得るデバイスであることが認識される。もちろん、製造時に確立された固定IDは、特にカートリッジ108が製品で充填される前にカートリッジ108の製造が行われる場合に、カートリッジ内に配置された製品のアイデンティティに後で関連付けられ得る。
【0098】
製品254を識別するために固有識別子258がデータベースを介してインデックス付けされ得ることも理解および認識されるべきである。さらに、固有識別子258は、ユーザ102、および/または、販売または配布のためにカートリッジ108が供給される商人にインデックス付けされ得る。
【0099】
少なくとも1つの実施形態では、固有識別子258は、データチップ216の構成要素であり、したがって、ユーザ102には見えないかもしれない。他の実施形態では、固有識別子258は、データチップ216の構成要素であり得、かつ、人間が読めるしるしによって表され得る。
【0100】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、コントローラ234は、固有識別子258などの少なくともカートリッジ108から決定された情報に従って、ロックアウト非アクティブ化装置232を制御するように構成および配置される。言い換えれば、少なくとも1つの実施形態では、コントローラ234は、カートリッジ108が製品254の投与量を投与するためにアクティブ化され得るかどうかを固有識別子258から決定するように動作可能である。
【0101】
例えば、第1のユーザ102Aは、製品の第1のサブセットで動作するように構成された自身の制御ベース106を有してもよく、一方、第2のユーザ102Bは、そのうちの少なくともいくつかが製品の第1のセットとは異なる製品の第2のサブセットで動作するように構成された自身の制御ベース106を有してもよい。
【0102】
さらに他の実施形態では、コントローラ234は、制御ベース106の製造業者または提供者と同じ製造業者または提供者からのカートリッジ108のみを認識するように、または、デバイスの特定のグレードまたはクラスに関して、すなわち「緑の」制御ベースで「緑の」カートリッジ、「赤い」制御ベース106で「赤い」カートリッジ108、「緑の」および「赤い」カートリッジ108を受け入れる「ゴールドの」制御ベース106などに関して認識するように構成され得る。
【0103】
固有識別子258および/または他のデータが制御ベースによって第1のデバイス110および/または投与システム120に通信されると、様々な実施形態において、ロックアウト非アクティブ化装置232は、第1のデバイス110および/または投与システム120などのリモートコンピューティングデバイスから受信した情報に従って、コントローラ234によってアクティブ化されるか、または、非アクティブ化される。リモートコンピューティングシステムからのこの情報は、これらに限定されないが、カートリッジの所有者であるユーザ、カートリッジによって提供される製品の処方箋を持っているユーザ、承認されたウィンドウ内または承認された場所で投与量を要求するユーザ、および、本明細書に記載されている他の条件またはそれに類似した条件を含み得る。
【0104】
少なくとも1つの実施形態では、コントローラ234は、投与イベントから続く一定期間、ロックアウト非アクティブ化装置232を非アクティブ化し得る。言い換えれば、ユーザが投与装置104から製品の用量を受け取ったばかりである場合、ユーザは、一定期間が経過するまで、現在のカートリッジ108または別のカートリッジ108から製品の追加の用量を入手できない。そのようなロックアウト期間は、過剰投与の可能性を低減するために、および/または、使用される製品の量を漸次低減することにおいてユーザを支援するために有利であり得る。
【0105】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、コントローラ234は、カートリッジ108によって提供される固有識別子258に応答してディスペンサ256を制御するための動作設定を備える。例えば、気化器カートリッジ108の場合、コントローラ234は、カートリッジ108内の識別された製品254の最適な気化のための温度および加熱時間の動作設定を備えてもよい。
【0106】
カウントトリガ262は、製品254の投与の各事例の計数を可能にするように構成および配置されている。様々な実施形態では、カウントトリガ262は、これらに限定されないが、電気的スイッチ、圧力センサ、ホール効果センサ、ソレノイド、ロッド、レバーもしくは歯車機構、または、ある用量の製品254がカートリッジ108から投与されたことを機械的、電気的もしくは磁気的に制御ベース106に示す他の動作可能な要素などの電子または電気機械装置であり得る。
【0107】
上記を要約すると、少なくとも1つの実施形態について、マルチモーダル製品投与システム100であって、複数のカートリッジ108の1つを制御ベース106に一時的に係合させることによって提供される投与装置を含み、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベース106は、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226と、前記カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116との無線通信のために構成および配置された無線トランシーバ230と、前記カートリッジレシーバ226によって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置232と、前記カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバ230により、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116に通信するように構成および配置されたコントローラ210と、を少なくとも部分的に囲むハウジング200により特徴付けられ、前記複数のカートリッジ108のそれぞれは、製品254のリザーバ252と、所定の送達モダリティによって所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212と、前記製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、前記カートリッジ108に関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、前記カートリッジおよび前記製品254に関連付けられた固有識別子258であって、前記制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、前記ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベース106に係合している間、前記制御ベース106によって解放される少なくとも1つのロックアウト260と、によって特徴付けられる、マルチモーダル製品投与システム100が提供される。
【0108】
もちろん、さらに1つの代替の実施形態では、SMMDP100の本発明は、任意の複数の送達モダリティを提供する複数の異なるカートリッジ108のうちの1つと共に使用するために、主に制御ベース106に具体化される。
【0109】
より具体的には、少なくとも1つの実施形態について、複数のカートリッジ108のうちの1つに結合される制御ベース106により特徴付けられるマルチモーダル製品投与システム100であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、前記制御ベース106は、前記複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226と、前記カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116との無線結合のために構成および配置された無線トランシーバ230と、前記カートリッジレシーバ226によって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置232と、前記カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバ230により、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116に通信するように構成および配置されたコントローラ210と、を少なくとも部分的に囲むハウジング200を含み、前記複数のカートリッジ108のそれぞれは、製品254のリザーバ252と、所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212と、前記製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、前記カートリッジ108に関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、前記カートリッジおよび前記製品254に関連付けられた固有識別子258であって、前記制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、前記ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベース106に係合している間、前記制御ベース106によって解放される少なくとも1つのロックアウト260と、によって特徴付けられる、マルチモーダル製品投与システム100が提供される。
【0110】
そして、さらに別の実施形態では、SMMDP100の本発明は、主に、制御ベース106と共に使用するための任意の複数の送達モダリティを提供する複数の異なるカートリッジ108で具体化される。
【0111】
より具体的には、少なくとも1つの実施形態について、マルチモーダル製品投与システム100用の投与リザーバ252であって、製品254のリザーバ252と、所定の送達モダリティによって所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212と、前記製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、前記カートリッジ108に関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、前記カートリッジおよび前記製品254に関連付けられた固有識別子258であって、制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、前記ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260であって、前記カートリッジが一時的に前記制御ベース106に係合している間、前記制御ベース106によって解放される少なくとも1つのロックアウト260と、によって特徴付けられるカートリッジを含み、前記カートリッジは、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有する、カートリッジレシーバ226と、前記カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116との無線結合のために構成および配置された無線トランシーバ230と、前記カートリッジレシーバ226によって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260非アクティブ化装置232と、前記カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、前記無線トランシーバ230により、前記カートリッジ情報および検出された各投与イベントを前記少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116に通信するように構成および配置されたコントローラ210と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212により特徴付けられる制御ベース106により一時的に係合される、マルチモーダル製品投与システム100用の投与リザーバ252が提供される。
【0112】
ここで確立された各カートリッジ108の一般的な構造の上述の概要により、異なる送達モダリティのための特定のカートリッジがより完全に理解され得る。上述のように、図2Fおよび2Gは、吸入器カートリッジ108/250を提示する。図示および説明を容易にするために、例示的な吸入器カートリッジ250は、気化吸入器カートリッジ250である。
【0113】
ディスペンサ256は、管270上に配置された回転する上部268によって提供される。上部268の回転は、管270に回転を与え、それは次に、プランジャ274に縦方向の下向きの動きを与える歯車272を駆動する。プランジャ274のこの下向きの動きは、製品254のリザーバ252を圧縮し、その結果、計量された量の製品が、バルブ278を介して気化チャンバ276に投与される。コントローラ234によってアクティブ化されると、気化チャンバ276は、投与された製品を加熱して、管270を通してユーザによって吸入される蒸気を提供する。
【0114】
様々な実施形態では、リザーバ252およびディスペンサ256は、実質的に、制御ベース106ではなくカートリッジ108の構成要素として加熱要素が組み込まれている上述の「062出願」に記述および記載されている。
【0115】
上部268の回転は、ロックアウト260によって防止され、ロックアウトロッド280によって達成され、それは、デフォルトでばね282によって係合され得、ロックアウトロッド280を上部268のスリーブ284内に駆動する。コントローラ234がロックアウト非アクティブ化装置232をアクティブ化すると、ロックアウトロッド280がスリーブ284から引き込まれ、上部268が回転することが可能になる。図2Gでは、ロックアウトロッド280は、上部268が回転しないようにスリーブ280と係合して示されている。
【0116】
様々な実施形態において、ロックアウト非アクティブ化装置232とロックアウトロッド280との間の係合のための機構は、これらに限定されないが、ねじ込み係合、磁気係合、ボールおよびソケットスナップからなる群から選択される。さらに、適切な係合構造が選択および使用され、制御ベース106およびカートリッジ108が係合されて投与装置104を提供する間、制御ベース106のロックアウト非アクティブ化器232がカートリッジ108のロックアウト260と一時的に係合し、カートリッジのロックアウト260を制御することを可能にする。
【0117】
予め定められた量の製品254の投与のための上部268の回転に関して、様々な実施形態において、これらに限定されないが、90度、180度、292度および360度の増分を可能にする90度などの増分での回転は、含まれる製品254の計量された投与量の1、2、3および4容量に採用され得る。
【0118】
回転の各増分で、ロッド264などのカウントトリガ262は、回転する上部268の底部上の小隆起(nub)または他の突起によって押し下げられて、制御ベース106に、1以上の計量された用量の製品が投与されたことを示し得る。ばね266は、ロッド264を準備位置に戻し、上部268の次の回転中に押し下げを待つ。
【0119】
図2Gに関し、加熱気化に基づく吸入器に関して示され説明されているが、部分拡大部292に示されるように気化チャンバ276の構成を修正することによってネブライザカートリッジ108/290を提供して、押し出された製品254がリザーバ252から堆積される受容面296に近接する圧電振動素子294を提供し得る。加熱された蒸気と同様に、噴霧された製品298は、ユーザによる吸入のために管270を通して提供される。
【0120】
図3A、3Bおよび3Cは、気化する種類の吸入器カートリッジ108/300の代替バージョンを提供する。図3Bは、図3Aに示す側面断面図に沿った断面図であり、図3Cは、加熱および気化領域302の拡大された部分断面である。
【0121】
一貫性および一般的なカートリッジ108の構造との関係のために、気化カートリッジ300は、ハウジング212、製品254を提供するリザーバ252、ディスペンサ256、(固有識別子258を提供する)データチップ216、ロックアウト260およびカウントトリガ262を提供する。
【0122】
より具体的には、気化領域302は、投与された製品254が押し出される空洞306によって提供される気化チャンバ304である。この空洞306は、中央の立ち上がる円錐構造308の周囲にある。空洞306自体は、空洞306、より具体的には中央の円錐構造308が、押し出された製品254の気化を達成するための加熱要素を提供するように、熱伝導性材料から構成される。
【0123】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、空洞306および円錐構造308は、それらの表面全体に押し出された製品254のウィッキング作用(wicking action)を引き起こすように構成および配置され、そうすることで、熱源と押し出された製品254との間の近接を容易にする。さらに、空洞306の狭い形状および中央の円錐構造308は、気化中に押し出された製品を有利に濃縮し、押し出された材料254が非加熱面に放散しないことを保証し、したがって、押し出された製品の全用量が気化されることをさらに有利に保証する。さらに、空洞306が深いので、このスタイルの気化チャンバは、押し出された製品254の異なる計量された用量に有利に適応している。
【0124】
少なくとも1つの実施形態では、空洞306および円錐構造308のいずれかまたは両方は、親油性材料で形成されるか、または、少なくともそれらの表面に親油性材料を組み込んで、油性の製品254がそれらの表面に広がるようにさらに誘導し、したがって熱伝達と気化を改善する。カートリッジ108が水性の製品254を提供する少なくとも1つの代替の実施形態では、空洞306および円錐構造308のいずれかまたは両方が親水性材料で形成されるか、または、少なくともそれらの表面に親水性材料を組み込む。
【0125】
吸入器カートリッジ108/300の例示的な実施形態はまた、以下の図4A、4Bおよび4Cに関してより完全に示され、かつ、説明される代替のプランジャ駆動機構を提示する。
【0126】
少なくとも吸入カートリッジ108、例えば、少なくとも例示的な吸入器カートリッジ108/250、ネブライザカートリッジ108/290、および、吸入器カートリッジ108/300、ならびに、最も具体的には、気化を達成するために熱が加えられるカートリッジ108について、少なくとも1つの実施形態では、気化チャンバ304は、気化を達成するために加えられた熱が、リザーバ252内の残りの製品254を不注意に加熱せず、場合によっては劣化または変更しないように、リザーバ252から熱的に隔離されることが理解および認識される。さらに、噴霧を含む実施形態では、気化チャンバ304(または噴霧チャンバとも呼ばれる)は、噴霧を達成するために使用される振動がリザーバ252内の残りの製品254に不注意に伝達されないように、リザーバから隔離される。
【0127】
吸入カートリッジ108、例えば、少なくとも例示的な吸入器カートリッジ108/250、ネブライザカートリッジ108/290、および、吸入器カートリッジ108/300の実施形態に関して、少なくとも1つの実施形態における製品254の各計量された投与量を準備するための例示的な手段は、回転する上部268の少なくとも部分的な回転を伴う。長手方向中心の周りの回転の長手方向中心に沿った横方向の動きへの変換は、歯車、最も具体的には、プランジャ274の周りのねじ山の角度ピッチ(angular pitch)によって達成され得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、駆動アセンブリは、インボリュート歯車に基づいており、これは、スパー、ヘリカルおよびベベルの設計を含み得る。さらに、さらに他の実施形態は、これに限定されないが、ゼネバ(Geneva)機構/ギアシステムなどの高いギア比を達成するための他の断続的な歯車システムを組み込み得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、図4A-4Cに示されるサイクロイド歯車アセンブリ400を組み込んで代替の機械的構造が開発されている。少なくとも1つの実施形態では、サイクロイド歯車アセンブリ400は、有利に高いギア比(例えば、低摩擦、高トルク、コンパクトサイズおよび優れた摩耗耐性で、回転する上部268と、プランジャ274に横方向運動を与えるためのシャフトの回転との間の回転運動)、すなわち、一貫した定量投与のための製品254の一貫した押し出しを容易にする望ましい特性を提供する。さらに、少なくとも1つの実施形態について、プランジャがカートリッジ108のリザーバ252内の製品254に対して作動される、例示的な吸入器カートリッジ108/250、ネブライザカートリッジ108/290、吸入器カートリッジ108/300、または、液体、ミスト、スプレー、オイル、軟膏もしくは他の非固体製品254を投与する他のカートリッジは、サイクロイド歯車アセンブリ400を組み込み得る。
【0129】
より具体的には、図4Aは、サイクロイド歯車アセンブリ400を組み込んだカートリッジ108の側面図を示し、図4Bは切断図を示す。図4Cは、構成要素の識別を容易にするために取り外されたサイクロイド歯車アセンブリ400の斜視図を示す。
【0130】
当業者は、サイクロイド歯車アセンブリ400が、別の円の外側または内側の周りを転がる円によって生成されるエピサイクロイドおよびハイポサイクロイド曲線に基づく歯車アセンブリの形態であることを理解するであろう。2つの歯車が噛み合うと、それらのそれぞれの歯の間の接触点を介して、どちらかの歯車の中心の周りに仮想の円、すなわちピッチ円が描かれる。ピッチ円の外側の歯の曲線はアデンダムと呼ばれ、ピッチ円の内側の歯の空間の曲線はデンダムと呼ばれる。さらに、一方の歯車のアデンダムは、他方の歯車のデデンダムの内側にある。ホイールの歯のアデンダムは凸状のエピサイクロイド曲線であり、ピニオンのデデンダムは同じ生成円によって生成された凹状のハイポサイクロイド曲線である。これにより、一方の歯車の動きが、局所的に一定の角速度で他方の歯車に確実に伝達される。
【0131】
おそらく図4Cで最も容易に理解されるように、回転する上部268(図2Fおよび2Gまたは3Aおよび3Bに示される)は、シャフト402に結合され、それは、次に転がり軸受404に偏心して取り付けられ、サイクロイド歯車406を円状に動かす。サイクロイド歯車406は、外側リングギヤ410のリングピン408に押し付けられると、軸受404の周りを独立して回転する。示されるように、サイクロイド歯車406は、それぞれが出力シャフト416からローラピン414を受ける複数の開口412を有する(図4Bを参照)。開口部412は、各ローラピン414の直径よりも直径が大きく、外側リングギヤ410のリングピン410の数は、サイクロイド歯車406の歯418の数より多い。出力シャフト416のローラピン414は、開口412内を動き回り、出力シャフト416の安定した回転を達成し、それは、次にプランジャ274に結合される。
【0132】
図4Bに関して、サイクロイド歯車アセンブリ400は、プランジャ274を駆動して、製品254をリザーバ252からポート430および432を介して押し出し、これらは、押し出し開口434に整列して交互になる。少なくとも1つの実施形態では、ポート430および432は実質的に同一であり、投与される製品254の量は、少なくとも部分的に各ポートの体積によって決定される。この例では、図示と説明を簡単にするために、ポート430と432は、実質的に同一であるとして示され、かつ、説明されている。
【0133】
より具体的には、プラッタ436は回転シャフト402に結合されていることが理解および認識されるであろう。したがって、シャフトの180度の回転は、ポート430および432の位置を入れ替えるために十分であり、同時に、ピストン274の正確な下向きの動きのために上述のようにサイクロイド歯車アセンブリ400を駆動する。図4Bおよび4Cから、バルブキャップ426は相対位置に留まり、プラッタ432と共に回転しないことも理解されよう。バルブキャップ438は、ポート430および432のいずれかの中に実質的にはめ込まれるように寸法が決められた下部セクション440で構成および配置されている。プラッタ436が回転すると、バルブキャップ438は1つのポートから上昇し、180度の回転の完了時に第2のポートに嵌まり、製品254をポート(下がったポート430または432)から押し出し開口434を通して押し出し、意図された計量された用量の製品254のみが投与されるようにポート(下がったポート430または432)を効果的に塞ぐ。
【0134】
図5A、5Bおよび5Cは、概念的なポンプカートリッジ108/500の斜視図、側面図および切断図を提供する。さらに、一貫性および一般的なカートリッジ108の構造との関係のために、ポンプカートリッジ500は、ハウジング212、製品254を提供するリザーバ252、ディスペンサ256、(固有識別子258を提供する)データチップ216、ロックアウト260およびカウントトリガ262を提供する。
【0135】
より具体的には、ポンプカートリッジ500について、ディスペンサ256は、少なくとも部分的に、ばね付勢ポンプヘッド(spring biased pump head)502によって提供される。少なくとも1つの実施形態では、ポンプシャフト504の伸張時に、液体の製品254がチャンバ506内に引き込まれ、ポンプシャフトの押し下げ時に、製品254がチャンバ506から排出され、かつ、オリフィス512を通ってユーザに投与されるように、ポンプシャフト504は、内部チャンバ506を上部508および下部510の一方向バルブと結合させる。
【0136】
さらに別の実施形態では、ポンプカートリッジ400は、「062出願」に開示されているものと実質的に同様のエアレスポンプシステムを組み込んでもよい。
【0137】
オリフィスサイズおよび内部流体チャネルの変化により、ポンプカートリッジ500の様々な実施形態が、ゲルまたはローションの押し出しから微細なスプレーまでの範囲の送達モダリティを提供することが可能になることが理解および認識されるであろう。さらに、様々な実施形態の構成において、ポンプカートリッジ108/500は、スプレーカートリッジ、ローション/ローション/ペースト投与カートリッジ、または、点滴器カートリッジ(点眼器カートリッジなど)として構成され得る。
【0138】
図6A、6Bおよび6Cは、概念的な丸薬カートリッジ108/600の側面および切断図を提供する。丸薬、錠剤、ゲルキャップ、カプセルまたは他のユニットとして記載されているかどうかにかかわらず、丸薬カートリッジ108/600は、実質的に固体の予め作製されたユニットを投与するように構成および配置されていることが理解および認識されるべきである。圧縮粉末から形成された錠剤と液体で満たされたカプセルの区別は実質的に重要ではなく、この説明の目的のために、丸薬または錠剤は、カプセル、ゲル体、切断された塊などを含む、そのような製品のすべての単位を包含する互換性のある用語であると理解されている。より簡単に言えば、本明細書で使用される丸薬または錠剤は、偶然に接触して置かれたときに互いに溶解しない実質的に一貫した別個の製品の単位であると理解および認識される。
【0139】
さらに、一貫性および一般的なカートリッジ108の構造との関係のために、丸薬カートリッジ600は、ハウジング212、製品254を提供するリザーバ252、ディスペンサ256、(固有識別子258を提供する)データチップ216、ロックアウト260およびカウントトリガ262を提供する。
【0140】
より具体的には、丸薬カートリッジ600について、ディスペンサ256は、積み重ねられた製品254のリザーバ252上に配置された関節式ヘッド602によって少なくとも部分的に提供される。ロックアウト260が解放されると、ヘッド602が上方に回転し、その結果、投与タブ604は、前方に回転してユーザ102への投与のために最上部の丸薬606に接触し、かつ、それを横方向に移動する。関節式ヘッドが閉じられると、ロッド608の形のカウントトリガ262が押し下げられ、これは制御ベース106によって記録される。
【0141】
ロックアウト260は、同様に、ロックアウト位置に示される作動ロッド610によって提供され、その結果、遠位端612が関節ヘッド602の投与タブ604に当接し、それにより関節運動を防止する。
【0142】
図7Aおよび7Bは、ストリップカートリッジ700の概念的な切断図を提供する。様々な実施形態において、ストリップ702は、舌下の消費のため、または、製品254の経皮的な適用のための皮膚への一時的な付着のためであり得る。さらに、一貫性および一般的なカートリッジ108の構造との関係のために、ストリップカートリッジ700は、ハウジング212、製品254を提供するリザーバ252、ディスペンサ256、(固有識別子258を提供する)データチップ216、ロックアウト260およびカウントトリガ262を提供する。
【0143】
より具体的には、ストリップカートリッジ700について、ディスペンサ256は、回転ディスペンサパッド704によって提供される。回転ディスペンサパッド702がリザーバ252内の最上部のストリップ702と接触するように、粘着性のある外面706を有する。そのような接触時に、粘着性のある表面704は、最上部のストリップ708を一時的に把持し、側面開口710を通してそれをユーザに投与する。
【0144】
ストリップカートリッジ700はまた、ロックアウト260の少なくとも1つの代替案を示すために図示されている。図7Aおよび7Bに示されるように、ロックアウトは回転ロッド712によって達成され、遠位端714はフランジ716を提供する。ロッド712が第1の位置718に回転されると、フランジ710は、ディスペンサパッド702の回転を妨げる。ディスペンサパッド702の回転は、フランジ716がこの第1の位置718にある状態では達成できないので、ロックアウトが達成される。ロックアウト260は、ロッド712を第2の位置720に回転させることによって解放され、それはフランジ716をディスペンシングパッド702から自由に配置し、したがって回転およびストリップ702、例えば上部のストリップ708の投与を可能にする。
【0145】
上部のストリップ708が投与されると、ローラホイール716がカウントトリガ262を作動させ、ばね724が積み重ねられた製品254(ストリップ702)を上向きに押して、次のストリップが投与される準備ができる。
【0146】
図8は、注射カートリッジ800の概念的な切断図を提供する。さらに、一貫性および一般的なカートリッジ108の構造との関係のために、注射カートリッジ800は、ハウジング212、製品254を提供するリザーバ252、ディスペンサ256、(固有識別子258を提供する)データチップ216、ロックアウト260およびカウントトリガ262を提供する。
【0147】
より具体的には、注射カートリッジ800について、ディスペンサ256は、透過および浄化膜806などの針安全機能804を介して作動される注射針802によって少なくとも部分的に提供される。少なくとも1つの実施形態では、注射カートリッジ800は、1回使用カートリッジであり、製品254は、1回投与のために事前に入れられる。さらに、少なくとも1つの実施形態では、リザーバ252は、実質的にすべての製品を1回の滑らかな注入で投与するように加圧される。
【0148】
少なくとも1つの代替の実施形態について、交換針802の内部ベルト(図示せず)もまた、各投与量が新しい針802によって提供されるように組み込まれ得る。注射用の製品254の用量の準備は、プランジャ押し出しもしくはポンプ押し出し、または、加圧ガスに関して上述のように達成され得る。さらに、ロックアウト260は、これらに限定されないが、安全機能804を通して針802を上昇させ、かつ、カウントトリガ262をトリガする内部の機械的リンケージ808を含む様々な任意の方法で達成され得る。
【0149】
図1~8に関して示されるSMMDP100の実施形態を説明したが、ここで、マルチモーダル投与を提供するための少なくとも1つの方法に関する他の実施形態について、図1~8に関連して図9に関して説明する。記載された方法は、本明細書に記載された順序で実行される必要はないが、この説明は、本発明によるマルチモーダル投与の1つの方法の単なる例示であることが理解されよう。
【0150】
図9に示されるように、方法900は、通常、ブロック902で、制御ベース106を提供することで始まる。制御ベース106は、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226と、カートリッジから識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスとの無線通信のために構成および配置された無線トランシーバ230と、カートリッジレシーバ202によって受け入れられたカートリッジ108の少なくとも1つのロックアウト260機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置232と、カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、無線トランシーバ230により、カートリッジ情報および検出された各投与イベントを少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信するように構成および配置されたコントローラ234と、を少なくとも部分的に囲むハウジング200により特徴付けられる。
【0151】
この方法は、ブロック904で、複数の異なるカートリッジ108を提供することによって続けられ、少なくとも2つのカートリッジ108は、各カートリッジ内に含まれる製品に関して異なる送達モダリティを提供する。異なる送達モダリティであっても、各カートリッジ108は、製品254のリザーバ252と、所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジングと、製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、カートリッジに関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、カートリッジ108および製品254に関連付けられた固有識別子236であって、制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置されたロックアウト260であって、カートリッジが一時的に制御ベース106に係合している間、制御ベース106によって解放されるロックアウト260と、によって特徴付けられる。
【0152】
方法400は、ユーザ102がカートリッジを選択して、意図された製品に望まれる送達モダリティを提供することで続く。次に、選択されたカートリッジ108および制御ベース106は、一緒に結合されて投与装置104を提供する。
【0153】
少なくとも1つの代替の実施形態について、ユーザは、自身の第1のコンピューティングデバイス110、より具体的には第1のコンピューティングデバイス110を構成するアプリケーション112を使用して、疾患/状態、すなわちユーザが製品254の用量を要求している理由を指定し得る。データベース118はユーザデータを含むので、これは、ユーザが所有する異なるカートリッジ108の記録を含み得る。上記の「556出願」に記載されているように、ユーザ102が自身の理由に適した製品254を持っていない場合、投与システム120はまた、ユーザが適切な製品254を入手できる場所をユーザ102に通知し得る。さらに、少なくとも1つの実施形態について、SMMDP100の投与システム120は、ユーザが指定した理由に適した製品254の最適な送達モダリティを有利に提案できる。より簡単に言えば、少なくとも1つの実施形態では、SMMDP100は、どのカートリッジ108がユーザが述べた理由に最も適切な送達モダリティを提供するかをユーザに有利に通知する。
【0154】
カートリッジ108が制御ベース106内に受け入れられると、カートリッジ108のデータチップ216が読み取られ、カートリッジの少なくとも固有識別子258が取得される。投与装置104、より具体的には制御ベース106は、カートリッジから受信され、かつ、データベース118と比較された1以上の識別子(すなわち、固有識別子および/または製品に関する追加のデータ)に基づいて、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスと通信し得る。
【0155】
さらに、この方法は、ブロック906で、投与装置104から少なくとも固有識別子258を受け取り、かつ、ブロック908で、データベースに問い合わせてユーザがカートリッジ108を使用することを許可されていることを決定することによって続く。データベースはまた、投与量、加熱特性、または、ユーザが選択したモダリティによる製品の有利に最適化された投与のための制御ベースによって使用される他の情報などの投与データを提供し得る。
【0156】
ユーザ102が許可されている場合、制御ベース106は、ロックアウト非アクティブ化装置232を介してロックアウト260を解放し、ユーザは、カートリッジ108によって提供される送達モダリティで製品254の投与量を受け取ることを許可される。ユーザが許可されていない場合、制御ベースはロックアウト260を解放せず、ユーザは製品254の投与量を受け取ることができない。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ102が許可されていない場合、ユーザ102は、製品254の要求された投与量が拒否された根拠としてこの事実を知らされる。
【0157】
ブロック910で、これらに限定されないが、時間、日付および投与量などの投与された投与量に関する情報は、データベース118に報告され、ユーザデータおよび/またはカートリッジデータに関して記録される。制御ベース106は、すべての意図されたカートリッジ108を備えたSMMDP100で動作可能であるため、異なるカートリッジおよび/または異なる製品の使用は有利に監視および記録される。
【0158】
これらに限定されないが、製品の投与量を要求する特定の理由に関する製品の有効性の評価などのユーザからの実質的にリアルタイムのフィードバックも、取得および記録されてもよく、将来的に提案/処方された製品の精度を高めるため、製品の成分をそのような特定の理由に関連付けるために使用されてもよい。
【0159】
要約すると、提供される少なくとも1つの実施形態について、マルチモーダル製品投与のための方法であって、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226と、カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116との無線通信のために構成および配置された無線トランシーバ230と、カートリッジレシーバ236によって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置232と、カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、無線トランシーバ230により、カートリッジ情報および検出された各投与イベントを少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116に通信するように構成および配置されたコントローラ210と、を少なくとも部分的に囲むハウジング200により特徴付けられる制御ベース106を提供することと、複数のカートリッジ108を提供することであって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、各カートリッジは、製品254のリザーバ252と、所定の送達モダリティによって所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212と、製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、カートリッジ108に関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、カートリッジおよび製品254に関連付けられた固有識別子258であって、制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260であって、カートリッジが一時的に制御ベース106に係合している間、制御ベース106によって解放される少なくとも1つのロックアウト260と、によって特徴付けられる、複数のカートリッジ108を提供することと、選択されたカートリッジが一時的に制御ベース106に係合すると、カートリッジに関連する固有識別子258を決定することと、決定された固有識別子258に応答して、ディスペンサ256の制御のために動作設定を制御ベース106に提供することと、を含むマルチモーダル製品投与のための方法が提供される。
【0160】
さらに別の実施形態では、この方法は、複数のカートリッジ108のうちの1つと結合される制御ベース106により特徴付けられるマルチモーダル製品投与システム100のための方法であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有し、当該方法は、複数の異なるカートリッジのうちの1つと一時的に係合するように構成および配置されたカートリッジレシーバ226であって、少なくとも2つのカートリッジは異なる送達モダリティを有する、カートリッジレシーバ226と、カートリッジ108から識別情報を読み取るように構成および配置されたカートリッジリーダ228と、少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116との無線通信のために構成および配置された無線トランシーバ230と、カートリッジレシーバ226によって受け入れられたカートリッジの少なくとも1つのロックアウト機構を解放するように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト非アクティブ化装置232と、カートリッジリーダ228からカートリッジ情報を受け取り、投与イベントを検出し、かつ、無線トランシーバ230により、カートリッジ情報および検出された各投与イベントを少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス116に通信するように構成および配置されたコントローラ210と、を少なくとも部分的に囲むハウジング200により特徴付けられる制御ベース106を提供することと、制御ベース106により、選択されたカートリッジを受け入れることであって、当該選択されたカートリッジは、製品254のリザーバ252と、所定の送達モダリティによって所定量の製品254を投与するように構成および配置されたディスペンサ256と、を少なくとも部分的に囲むハウジング212と、製品254の投与の各事例を示すように構成および配置されたカウントトリガ262と、カートリッジ108に関するデータを格納するように構成および配置された少なくとも1つのデータチップ216と、カートリッジおよび製品254に関連付けられた固有識別子258であって、制御ベース106によって決定されるように構成および配置された固有識別子258と、ディスペンサ256をロックアウトするように構成および配置された少なくとも1つのロックアウト260であって、カートリッジが一時的に制御ベース106に係合している間、制御ベース106によって解放される少なくとも1つのロックアウト260と、を有する、選択されたカートリッジを受け入れることと、カートリッジ108に関連する固有識別子258を決定することと、固有識別子258をリモートコンピューティングデバイス116に送信することであって、リモートコンピューティングデバイス116は、データレコードに問い合わせてカートリッジおよびリザーバ252に含まれる製品254を識別する、固有識別子258をリモートコンピューティングデバイス116に送信することと、ロックアウト非アクティブ化装置232をアクティブ化するための少なくとも1つの動作設定をコントローラ210に送信することと、製品254の投与量が投与された確認をリモートコンピューティングデバイス116に送信することと、を含む、マルチモーダル製品投与システム100のための方法として要約され得る。
【0161】
少なくとも第1のデバイス110、投与装置104(より具体的には、制御ベース106)、投与システム120、データベース118、および、それらの特定の役割に適合されたコンピュータシステムであるSMMDP100を含む他のシステムの最初の提案を詳しく説明するために、図10は、個別のシステムとして提供されるか、または、1つ以上のコンピュータシステムに統合されるかによらず、第1のデバイス110、投与装置104(より具体的には制御ベース106)、投与システム120、データベース118を含む要素のうちの1以上に提供され得るような例示的なコンピュータシステム1000の高レベルのブロック図である。
【0162】
コンピュータシステム1000は、メインボード1004を囲むケース1002を有する。メインボード1004は、システムバス1006、接続ポート1008、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(図示せず)を備えた中央処理装置(CPU)1010などの処理ユニット、ならびに、メインメモリ1012、ハードドライブ1014およびCD/DVD ROMドライブ1016などのメモリ記憶装置を有する。
【0163】
メモリバス1018は、メインメモリ1012をCPU1010に結合する。システムバス1006は、ハードディスクドライブ1014、CD/DVD ROMドライブ1016、および、接続ポート1008をCPU1010に結合する。例えば、マウス1020およびキーボード1022などの複数の入力装置が提供され得る。例えば、ビデオモニタ1024およびプリンタ(図示せず)などの複数の出力装置も提供され得る。コンピュータシステム1000は、CSE100内の他のコンピュータシステムと相互接続されることを意図しているので、少なくとも1つのネットワークインターフェースカードまたはNIC1026などの組み合わされた入力/出力装置も提供される。
【0164】
コンピュータシステム1000は、IBM、デルコンピュータ、ゲートウェイ、アップル、または、他のコンピュータシステムプロバイダによって提供されるデスクトップワークステーションユニットなどの市販のシステムであってよい。コンピュータシステム1000は、ハードドライブ1014などのメモリストレージコンポーネント、追加のCPU1010、および、プリンタなどの出力装置が、ネットワークに共通に接続された物理的に別個のコンピュータシステムによって提供されるネットワークコンピュータシステムであってもよい。
【0165】
当業者は、構成要素および構成要素の相互接続の物理的構成がコンピュータシステム1000によって構成されることを理解および認識し、CSE100の構成および動作に組み込まれる1以上のコンピュータシステムに適したコンピュータシステム1000を選択するであろう。
【0166】
コンピュータシステム1000が起動されると、好ましくは、オペレーティングシステム1028は、ブートストラップ起動シーケンスの一部としてメインメモリ1012にロードし、コンピュータシステム1000の動作の準備をする。最も単純なレベルで、かつ、最も一般的な意味では、オペレーティングシステムのタスクは、プロセス管理、デバイス管理(アプリケーションとユーザインターフェイスの管理を含む)、および、メモリ管理などの特定のカテゴリに分類される。コンピュータ読み取り可能媒体1030の形態およびプログラム1032の言語は、コンピュータシステム1000に適切であり、かつ、それと機能的に協調することが理解される。
【0167】
さらに、コンピュータシステム1000の変形例は、それぞれの第1のデバイス110、投与装置104(より具体的には制御ベース106)、投与システム120、データベース118、スイッチ、ルータ、および、上述の製品の適切な用量を決定するための方法およびシステムに要求され、かつ、適切であり得るような他の構成要素を含む1以上の構成要素の物理的要素を提供するように適合され得る。
【0168】
本明細書の範囲から逸脱することなく、上記の方法、システムおよび構造に変更を加えてもよい。したがって、上記の説明に含まれる、および/または、添付の図面に示される事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるべきであることに留意されたい。実際、当業者に明らかであるように、他の多くの実施形態が実行でき、かつ、考えられる。以下の請求項は、本明細書で論じられる実施形態によって限定されず、または、その実施に限定されず、それらの語句および均等論によってのみ限定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10