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特許7414857分枝脂肪族アルコールとトリエステルとを含むヘアコンディショニング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】分枝脂肪族アルコールとトリエステルとを含むヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240109BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240109BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240109BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q5/12
A61K8/37
A61K8/41
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021576331
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 US2020070253
(87)【国際公開番号】W WO2021007596
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】62/872,840
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムイシアン ソー
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-030706(JP,A)
【文献】特開2005-239624(JP,A)
【文献】特開2006-131585(JP,A)
【文献】特表2018-537442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショニング組成物であって、
0.1重量%~10重量%の、25℃未満の融点を有する分枝脂肪族アルコールと、
0.1重量%~15重量%のトリエステルと、
水性キャリアと、
を含み、
前記組成物が、1.0重量%~10重量%のカチオン性界面活性剤と、2.5重量%~30重量%の、25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物と、を更に含むこと、及び
前記分枝脂肪族アルコールと前記トリエステルとの重量比が、7:1~1:2であり、
前記トリエステルが、非分枝トリエステルと、分枝トリエステルとの組み合わせである、ヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
前記分枝脂肪族アルコールと前記トリエステルとの重量比が、7:1~1:1である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記分枝脂肪族アルコールが、20℃未満の融点を有する、請求項1又は2に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記分枝脂肪族アルコールが、12~24個の炭素原子を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記トリエステルが、20℃以下の融点を有するものである、請求項1~4のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記トリエステルが、3つの炭化水素酸に由来する3つの炭化水素基を有し、前記3つの炭化水素基のそれぞれが、6~12個の炭素原子を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項7】
非分枝トリエステルと分枝トリエステルとの重量比が、1:3~3:1である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記非分枝トリエステルが、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、請求項1又は7に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項9】
前記分枝トリエステルが、グリセリルトリ(2-エチルヘキサノエート)である、請求項1、7~8のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、25℃未満の融点を有する分枝脂肪族アルコールと、トリエステルと、水性キャリアと、を含む、ヘアコンディショニング(毛髪を整える)組成物に関する。組成物は、以下の条件:組成物が、カチオン性界面活性剤と、25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物と、を更に含むこと、及び分枝脂肪族アルコールとトリエステルとの重量比が、約9:1~約1:5であること、のうちの少なくとも1つを満たす。本発明の組成物は、他の利点、特に自由流動性を悪化させることなく、改善された毛髪管理性を提供する。
【背景技術】
【0002】
毛髪のコンディショニングのために、様々な手法が開発されてきた。コンディショニング効果を提供する一般的な方法は、カチオン性界面活性剤及びポリマー、高融点脂肪族化合物、低融点油、シリコーン化合物、並びにこれらの混合物などのコンディショニング剤の使用によるものである。これらのコンディショニング剤のほとんどは、様々なコンディショニング効果を提供することが知られている。
【0003】
L’Orealの国際公開第2012035065号は、例えば、揮発性直鎖アルカン、植物油、脂肪酸エステル(複数可)又はアルコール(複数可)を含む、毛髪処理(ヘアトリートメント)に有用な化粧品組成物を開示しており、エステルは、植物油とは異なる。L’Orealの国際公開第2012035065号には、ヘアケア製品に使用される揮発性溶剤が、油症の感触、艶の欠如、及びごわごわした硬い毛髪の観点から問題を引き起こす場合があり、1つ以上の揮発性直鎖アルカン、1つ以上の脂肪族アルコール(複数可)又はエステル(複数可)、及び1つ以上の植物油の組み合わせにより、上記の欠点を回避することが可能になり、よりしなやかで、及び/又はより滑らかな感触を有し、より艶のある乾いた毛髪を提供することが発見されたことが記載されている。L’Orealの国際公開第2012035065号はまた、例として、7重量%のコールドプレスで得られるスイートアーモンドオイル、15重量%のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(60/40)、7重量%の不安定化された精製カメリナ油(15/22/31/13のオレイン酸/リノール酸/リノレン酸/エイコセン酸トリグリセリド)、15重量%の2-オクチルドデカノール(15)、及び55重量%のウンデカン/トリデカンを含む化粧品組成物を開示する。しかしながら、この例示的な配合物は、カチオン性界面活性剤、脂肪族アルコール、又は水性キャリアを含有しない。
【0004】
BEIERSDORFのドイツ特許出願公開第102005030864号は、蓮の花抽出物を含む、肌に潤いを与え、肌、毛髪、及び爪の弾力性を改善し、セルライトを減らし、敏感肌をケアするための化粧品配合物を開示しており、1.5%の蓮の花抽出物及び100%までの水、1.0%のトリグリセリルジイソステアレート、2.0%の水素化ココグリセリド、0.5%のオクチルドデカノール、2.0%のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを他の成分とともに含有する油中水型エマルジョンを開示している。しかしながら、この例示的な配合物は、カチオン性界面活性剤又は脂肪族アルコールを含有しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2012035065号
【文献】ドイツ特許出願公開第102005030864号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、改善された毛髪管理性、例えば、他の利点、特に乾いた毛髪の自由流動性を悪化させること(すなわち、固い毛髪の減少)なく、乾いた毛髪(特に毛髪の下側)の体積(量感)の減少及び/又は乾いた毛髪の改善された毛髪の整列を提供する必要性が依然としてある。
【0007】
既存の技術のいずれも、本発明の有利点及び効果の全てを提供するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ヘアコンディショニング組成物であって、
約0.1重量%~約10重量%の、25℃未満の融点を有する分枝脂肪族アルコールと、
約0.1重量%~約15重量%のトリエステルと、
水性キャリアと、
を含み、当該組成物は、以下の条件:
組成物が、約1.0重量%~約10重量%のカチオン性界面活性剤と、約2.5重量%~約30重量%の、25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物と、を更に含むこと、及び
分枝脂肪族アルコールとトリエステルとの重量比が、約9:1~約1:5であること、のうちの少なくとも1つを満たす、ヘアコンディショニング組成物に関する。
【0009】
本発明の組成物は、改善された毛髪管理性、例えば、他の利点、特に乾いた毛髪の自由流動性(すなわち、塊状の毛髪の減少)を悪化させることなく、乾いた毛髪(特に毛髪の下側)の体積の減少及び/又は乾いた毛髪の改善された毛髪の整列を提供する。
【0010】
毛髪管理性は、コンディショニング剤をより高い濃度で含有することによって達成され得る。しかしながら、このような組成物は、他の利点、特に乾いた毛髪で特に自由流動性(すなわち、塊状の毛髪の減少)を、多くの場合、損なう。本発明の組成物は、毛髪管理性を提供する際に多くの場合損なわれる、このような相反する必要性を満たし得る。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に特許請求する、「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0012】
本明細書において、「含む」とは、最終結果に影響しない他のステップ及び他の成分も加えられる場合があることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0013】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0014】
本明細書において、「混合物」は、材料の単純な組み合わせと、結果としてこのような組み合わせから生じる場合があるあらゆる化合物と、を含むことを意味する。
【0015】
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記載のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0016】
「QS」は、100%とするために十分な量を意味する。
【0017】
ヘアコンディショニング組成物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、
約0.1重量%~約10重量%の、25℃未満の融点を有する分枝脂肪族アルコールと、
約0.1重量%~約15重量%のトリエステルと、
水性キャリアと、
を含み、当該組成物は、以下の条件:
組成物が、約1.0重量%~約10重量%のカチオン性界面活性剤と、約2.5重量%~約30重量%の、25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物と、を更に含むこと、及び
分枝脂肪族アルコールとトリエステルとの重量比が、約9:1~約1:5であること、のうちの少なくとも1つを満たす、ヘアコンディショニング組成物を含む。
【0018】
本発明では、分枝脂肪族アルコールとトリエステルとの重量比は、好ましくは約7:1~約1:4、より好ましくは約7:1~約1:3、更により好ましくは約7:1~約1:2、なおもより好ましくは約7:1~1:1である。分枝脂肪族アルコールの比が高すぎると、組成物は、増加した毛髪の量感を提供し始めるが、毛髪管理性は低減し得る。トリエステルの比が高すぎると、組成物は、自由流動性の毛髪の低減を開始し得る。
【0019】
分枝脂肪族アルコール
本発明の組成物は、25℃未満(25℃を除く)、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下、更により好ましくは0℃以下の融点を有する分枝脂肪族アルコールを含む。分枝脂肪族アルコールは、約0.1%~約10%、好ましくは約0.3%~約8%、より好ましくは約0.5%~約6%の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれる。分枝脂肪族アルコールの百分率が低すぎる場合、組成物は、毛髪の自由流動を低減させ得る。分枝脂肪族アルコールの百分率が高すぎる場合、組成物は、毛髪管理性を低減させ、及び/又は毛髪の自由流動を低減させ得る。
【0020】
本明細書で有用な分枝脂肪族アルコールは、より長い親鎖及びより短い分枝を有するものであり、両方の鎖は飽和炭化水素である。分枝脂肪族アルコールは、合計で、好ましくは約6~約40個の炭素原子、好ましくは約10~約30個の炭素原子、より好ましくは約12~約24個の炭素原子を有する。より長い親鎖は、約4~約20個の炭素原子、より好ましくは約6~約14個の炭素原子、更により好ましくは約6~約12個の炭素原子を有する飽和炭化水素である。より短い分枝は、約2~約18個の炭素原子、より好ましくは約4~約10個の炭素原子、更により好ましくは約6~約8個の炭素原子を有する飽和炭化水素である。分枝の位置は、親鎖の第2、第3、第4、及び第5の炭素から開始することができ、好ましくは、IUPAC規則に従って、より長い親鎖の第2の炭素から開始する。
【0021】
非常に好ましい分枝脂肪族アルコールは、2-ヘキシル-1-デカノールであり、これは以下の化学構造を有する:
【0022】
【化1】
【0023】
トリエステル/トリグリセリド
本発明の組成物は、トリエステル、好ましくはトリグリセリドを含む。トリエステル/トリグリセリドは、約0.1%~約15%、好ましくは約0.3%~約12%、より好ましくは約0.5%~約10%の濃度でヘアコンディショニング組成物中に含まれる。
【0024】
トリエステルの百分率が低すぎる場合、組成物は、毛髪管理性を低減させ得る。トリエステルの百分率が高すぎる場合、組成物は、毛髪の自由流動を低減させ得る。
【0025】
25℃未満、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下、更により好ましくは0℃以下の融点を有するものが好ましい。
【0026】
トリエステル/トリグリセリドは、それぞれ、好ましくはグリセリンでエステル化された3つの炭化水素酸に由来する3つの炭化水素基を有し、炭化水素基のそれぞれは、好ましくは約6~約40の炭素原子、より好ましくは約6~約35の炭素原子、更により好ましくは約6~約22の炭素原子、なおもより好ましくは6~約18の炭素原子、更にまたより好ましくは約6~約12の炭素原子、なおもより好ましくは約8~約10の炭素原子を有する。3つの炭化水素基は、独立して、分枝又は直鎖、飽和又は不飽和である。
【0027】
このようなトリエステルとしては、例えば、以下の式を有するグリセロールトリエステル、すなわち、トリグリセリドが挙げられる:
【0028】
【化2】
(式中、R41、R42、及びR43は、上記で3つの大きな頭部基として説明されている)。このようなグリセロールトリエステルとしては、例えば、トリオクタノイン(別名グリセロールトリオクタノエート又はカプリル酸トリグリセリド)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、及びグリセリルトリ(2-エチルヘキサノエート)が挙げられる。
【0029】
また、このようなトリエステルとしては、例えば、以下の式を有するトリメチロールトリエステルが挙げられる:
【0030】
【化3】
(式中、R11は、H、CH又はCであり、R12、R13、及びR14は、上記で3つの大きな頭部基として説明されている)。
【0031】
このようなトリエステルとしては更に、例えば、以下の式のクエン酸トリエステルが挙げられる:
【0032】
【化4】
(式中、R22、R23、及びR24は、上記で3つの大きな頭部基として説明されている)。
【0033】
本発明では、トリエステルは、非分枝炭化水素基を有するトリエステルと、分枝炭化水素基を有するトリエステルとの組み合わせであることが好ましい。非分枝トリエステルと分枝トリエステルとの重量比は、好ましくは約1:3~約3:1である。非分枝トリエステルの比が高くなると、組成物は、毛髪の自由流動を低減させ始める場合がある。分枝トリエステルの比が高くなると、組成物は、増加した毛髪の量感を提供し始めるが、毛髪管理性は低減し得る。
【0034】
本明細書で有用な非分枝トリエステルでは、3つ全ての炭化水素基は非分枝であり、非分枝炭化水素基のそれぞれは、飽和、一不飽和、又は多価不飽和、好ましくは飽和であり得る。非分枝炭化水素基のそれぞれは、好ましくは約6~約22の炭素原子、より好ましくは6~約18の炭素原子、更により好ましくは約6~約12の炭素原子、なおもより好ましくは約8~約10の炭素原子を有する。本明細書で非常に好ましい非分枝トリエステルは、非分枝トリグリセリドであり、更に好ましいものは、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである。
【0035】
本明細書で有用な分枝トリエステルでは、3つ全ての炭化水素基は分枝であり、分枝炭化水素基のそれぞれは、飽和、一不飽和、又は多価不飽和、好ましくは飽和であり得る。分枝炭化水素基のそれぞれは、好ましくは約6~約22の炭素原子、より好ましくは6~約18の炭素原子、更により好ましくは約6~約12の炭素原子、なおもより好ましくは約8~約10の炭素原子を有する。
【0036】
本明細書で有用な分枝トリエステルは、より長い親鎖及びより短い分枝を有するものであり、両方の鎖は飽和炭化水素である。より長い親鎖のそれぞれは、好ましくは約4~約20の炭素原子、より好ましくは約6~約12の炭素原子、更により好ましくは約6~約10の炭素原子、なおもより好ましくは約6~約8の炭素原子を有する飽和炭化水素である。より短い分枝は、約1~約10個の炭素原子、より好ましくは約2~約8個の炭素原子、更により好ましくは約2~約4個の炭素原子を有する飽和炭化水素である。分枝の位置は、親鎖の第2、第3、第4、及び第5の炭素から開始することができ、好ましくは、IUPAC規則に従って、より長い親鎖の第2の炭素から開始する。
【0037】
本明細書で非常に好ましい分枝トリエステルは、分枝トリグリセリドであり、更に好ましいものは、以下の構造を有するグリセリルトリ(2-エチルヘキサノエート)である。
【0038】
【化5】
【0039】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、本発明の効果をもたらすという観点から、組成物の約1.0重量%以上、好ましくは約1.5重量%以上、より好ましくは約2.0重量%以上、更により好ましくは約3.0重量%以上、かつ約25重量%以下、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約8.0重量%以下、更により好ましくは約6.0重量%以下の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0040】
好ましくは、本発明では、界面活性剤は非水溶性である。本発明では、「非水溶性界面活性剤」とは、界面活性剤が、25℃の水中で、好ましくは0.5g/水100g未満(0.5g/100gは含まない)、より好ましくは0.3g/水100g以下の溶解度を有することを意味する。
【0041】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤は、1つのカチオン性界面活性剤であっても2つ以上のカチオン性界面活性剤の混合物であってもよい。好ましくは、カチオン性界面活性剤は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;モノ長鎖アルキルアミン;モノ長鎖アルキルアミンとジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;及び、モノ長鎖アルキルアミンとモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせから選択される。
【0042】
モノ長鎖アルキルアミン
本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンは、好ましくは12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、なおより好ましくは18~22個のアルキル基の、1つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンとしてはまた、モノ長鎖アルキルアミドアミンが挙げられる。第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンが有用である。
【0043】
約12~約22個の炭素のアルキル基を有する第三級アミドアミンが特に有用である。例示的な第三級アミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。本発明で有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。
【0044】
これらのアミンは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物、より好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、クエン酸などの酸と、約1:0.3~約1:2、より好ましくは約1:0.4~約1:1のアミン対酸のモル比で組み合わせて使用される。
【0045】
モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくはC18~22アルキル基を有する1つの長いアルキル鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有する、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択される。
【0046】
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、式(I)を有するものである:
【0047】
【化6】
(式中、R75、R76、R77、及びR78のうちの1つは、12~30個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R75、R76、R77、及びR78のうちの残りは、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド)基、アセテート基、シトレート基、ラクテート基、グリコレート基、ホスフェート基、ニトレート基、スルホネート基、サルフェート基、アルキルサルフェート基、及びアルキルスルホネート基から選択されるものである)。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。好ましくは、R75、R76、R77、及びR78のうち1つは、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子、なおもより好ましくは22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R75、R76、R77、及びR78の残りは、CH、C、COH、及びこれらの混合物から独立して選択され、Xは、Cl、Br、CHOSO、COSO、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
こうしたモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0049】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
使用されるとき、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、レオロジー効果及びコンディショニング効果の安定性という観点から、1:1~1:5、より好ましくは1:1.2~1:5、更により好ましくは1:1.5~1:4の重量比で、好ましくは、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩及び/又はモノ長鎖アルキルアミン塩と組み合わされる。
【0050】
本明細書で有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の2つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なこのようなジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(I)を有するものである:
【0051】
【化7】
を有するものであり、式中、R71、R72、R73及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は約30個以下の炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R71、R72、R73、及びR74の残りは、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は、最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、Xは、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである)を有するものである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。好ましくは、R71、R72、R73、及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R71、R72、R73、及びR74の残りは、CH、C、COH、CH、及びこれらの混合物から独立して選択される。
【0052】
このような好ましいジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0053】
高融点脂肪族化合物
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含む。高融点脂肪族化合物は、本発明の効果をもたらすという観点から、組成物の約2.5重量%以上、好ましくは約3.0重量%以上、より好ましくは約4.0重量%以上、更により好ましくは約5.0重量%以上、及び約30重量%以下、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約8.0重量%以下の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0054】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、エマルジョン、特にゲルマトリックスの安定性という観点から、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、なおより好ましくは50℃以上の融点を有する。好ましくは、このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化という観点から、好ましくは最高約90℃、より好ましくは最高約80℃、更により好ましくは最高約70℃、更により好ましくは最高約65℃である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として使用してもよく、少なくとも2つの高融点脂肪族化合物のブレンド若しくは混合物として、使用してもよい。このようなブレンド又は混合物として使用されるとき、上記融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0055】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属し得る(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類され得る)ということが当業者には理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に応じて、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物が、上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する場合があることを理解している。低融点のこのような化合物は、この項に含まれないことが意図される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0056】
様々な高融点脂肪族化合物のうち、好ましくは、脂肪族アルコールが本発明の組成物において使用される。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、好ましくは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖であっても分枝アルコールであってもよい。
【0057】
例えば、好ましい脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58~59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかし、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有しており、その理由はこのような供給される製品は多くの場合、主なアルキル鎖がセチル、ステアリル又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるからである。
【0058】
本発明では、より好ましい脂肪族アルコールは、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物である。
【0059】
概して、混合物において、セチルアルコールのステアリルアルコールに対する重量比は、好ましくは約1:9~9:1、より好ましくは約1:4~約4:1、更により好ましくは約1:2.3~約1.5:1である。
【0060】
カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計のより高い濃度を用いる場合、混合物におけるセチルアルコールのステアリルアルコールに対する重量比は、広がり性に関して粘性になりすぎることを避ける観点から、好ましくは約1:1~約4:1、より好ましくは約1:1~約2:1、更により好ましくは約1.2:1~約2:1である。この重量比はまた、毛髪の傷んだ部分をよりよく調整することができる。
【0061】
水性キャリア
本発明の組成物は水性キャリアを含む。キャリアの濃度及び種類は、他の成分との相溶性及び製品の他の所望の特性に従って選択される。
【0062】
本発明において有用なキャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコールであり、より好ましくは、エタノール及びイソプロパノールである。
【0063】
好ましくは、水性キャリアは、実質的に水である。好ましくは、脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを含む天然供給源からの水もまた、製品の所望の特性に応じて使用することができる。概して、本発明の組成物は、約40%~約99%、好ましくは約50%~約95%、より好ましくは約70%~約90%、より好ましくは約80%~約90%の水性キャリア、好ましくは水を含む。
【0064】
ゲルマトリックス
好ましくは、本発明において、ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアにより形成される。ゲルマトリックスは、濡れている毛髪への適用中の指すべりの良い感触、並びに乾いた毛髪の柔らかさ及びしっとり感などの様々なコンディショニング効果をもたらすのに好適である。また、このゲルマトリックスを上記の環状化合物及び少なくとも3つの大きな頭部基を有する化合物と組み合わせる場合、この組成物は、改善された広がり性を提供し、これは、毛先及び毛根の両方へのヘアコンディショニング剤のよりバランスのとれた沈着を提供し、ひいては更に改善された毛髪管理性を提供すると考えられる。
【0065】
好ましくは、ゲルマトリックスを形成するとき、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された湿潤コンディショニング効果を提供するという観点から、カチオン性界面活性剤の高融点脂肪族化合物に対する重量比が好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは約1:1.5~約1:7、更により好ましくは約1:2~約1:6の範囲となるような濃度で、含有される。
【0066】
好ましくは、ゲルマトリックスが形成されるとき、本発明の組成物は、ゲルマトリックスの安定性という観点から、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない。本発明では、「アニオン性界面活性剤を実質的に含まない組成物」とは、組成物がアニオン性界面活性剤を含まないこと、又は、組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合、このようなアニオン性界面活性剤の濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、このようなアニオン性界面活性剤の合計濃度は、含まれる場合、好ましくは組成物の1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなアニオン性界面活性剤の合計濃度は、組成物の0重量%である。
【0067】
シリコーン化合物
本発明の組成物は、シリコーン化合物を更に含有してよい。シリコーン化合物は、乾いた毛髪に滑らかさ及び柔らかさをもたらすことができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約10重量%、更により好ましくは約1重量%~約8重量%の濃度で使用され得る。
【0068】
好ましくは、シリコーン化合物は、組成物中、約1マイクロメートル~約50マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0069】
単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド若しくは混合物として、又はなくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド若しくは混合物として、本明細書で有用なシリコーン化合物は、25℃において、好ましくは約1,000~約2,000,000mPa.sの粘度を有する。
【0070】
粘度は、Dow Corning Corporateの試験方法CTM0004(1970年7月20日)に記載されているガラスキャピラリー粘度計により測定することができる。好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0071】
好ましいポリアルキルシロキサンとして、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。
【0072】
上記ポリアルキルシロキサンは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として利用可能である。このような混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。このような混合物は、好ましくは(i)25℃において約100,000mPa・s~約30,000,000mPa・s、好ましくは約100,000mPa・s~約20,000,000mPa・sの粘度を有する第1のシリコーンと、(ii)25℃において約5mPa・s~約10,000mPa・s、好ましくは約5mPa・s~約5,000mPa・sの粘度を有する第2のシリコーンと、を含む。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと、200mPa・sの粘度を有するジメチコンとのブレンド、及びGE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと、シクロペンタシロキサンとのブレンドを挙げられる。
【0073】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、シリコーンゴムが挙げられる。用語「シリコーンゴム」は、本明細書で使用するとき、25℃において1,000,000センチストーク以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンガムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらかの重複を有する場合もあることが認識される。この重複は、これら材料のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンゴム」は、典型的には、約200,000超、概して、約200,000~約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンゴムは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、Shin-Etsuから入手可能なゴム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
【0074】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、アミノ置換材料が挙げられる。好ましいアミノシリコーンとしては、例えば、次の一般式(I)に一致するものが挙げられる:
(R3-a-Si-(-OSiG-(-OSiG(R2-b-O-SiG3-a(R
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC~Cアルキル、好ましくはメチルであり、aは、0、又は1~3の値を有する整数、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2、好ましくは1であり、nは、0~1,999の数であり、mは、0~1,999の整数であり、nとmとの合計は、1~2,000の数であり、a及びmのいずれもが0であることはなく、Rは、一般式CqH2qLに従う一価基であり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、-N(R)CH-CH-N(R、-N(R、-N(R、-N(R)CH-CH-NR、の基から選択され、式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素基、好ましくは約C~約C20のアルキル基であり、A ̄は、ハライドイオンである)。
【0075】
非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)(式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約1500~約1700、より好ましくは約1600であり、Lは、-N(CH又は-NH、より好ましくは-NHである)に対応するものである。別の非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)(式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約400~約600、より好ましくは約500であり、Lは、-N(CH又は-NH、より好ましくは-NHである)に対応するものである。シリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基を末端としているため、このような非常に好ましいアミノシリコーンを、末端アミノシリコーンと呼ぶことができる。
【0076】
上述のアミノシリコーンを組成物中に組み込む場合、より低い粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性直鎖シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃において、約1~約20,000センチストークス、好ましくは約20~約10,000センチストークスの粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、非常に好ましいものは、アミノシリコーンの粘度を低下させること、及び乾いた毛髪上における摩擦が低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果を提供することという観点から、非極性揮発性炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンである。このような混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。
【0077】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物としては、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換を有するものが挙げられる。非常に好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコンとしては、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16-872が挙げられる。
【0078】
シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか、又はエマルジョン重合による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を用いて又は用いないで製造されたエマルジョンの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。
【0079】
第四級基を含有するシリコーンポリマー
本明細書で有用なシリコーン化合物としては、例えば、末端エステル基を含み、最大100,000mPa・sの粘度及びD単位200超のDブロック長さを有する、第四級基を含有するシリコーンポリマーが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、この低粘度シリコーンポリマーは、滑らかな感触、摩擦の低減、及びヘアダメージの防止などの改善されたコンディショニング効果を提供するとともに、シリコーンブレンドの必要性を排除する。
【0080】
構造的に、シリコーンポリマーは、1つ以上の第四級アンモニウム基、200個を超えるシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造単位、及び少なくとも1つの末端エステル基を含むポリオルガノシロキサン化合物である。1つ以上の実施形態では、シリコーンブロックは、300~500個のシロキサン単位を含んでもよい。
【0081】
シリコーンポリマーは、組成物の約0.05重量%~約15重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約0.15重量%~約5重量%、なおもより好ましくは約0.2重量%~約4重量%の量で存在する。
【0082】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)を有する:
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M (Ia)
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(N -A-E-A’-N )-Y-]-M (Ib)
(式中、
mは、0超、好ましくは0.01~100、より好ましくは0.1~100、なおもより好ましくは1~100、具体的には1~50、より具体的には1~20、なおもより具体的には1~10であり、
kは0であるか、又は平均値0超~50、又は好ましくは1~20、又はなおもより好ましくは1~10であり、
Mは、以下から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
-OC(O)-Z
-OS(O)-Z
-OS(O)O-Z
-OP(O)(O-Z)OH、
-OP(O)(O-Z)
式中、Zは、最大40個の炭素原子を有する一価の有機残基から選択され、任意に1つ以上のヘテロ原子を含む)。
【0083】
A及びA’はそれぞれ互いに独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eは、次の一般式のポリアルキレンオキシド基である:
-[CHCHO]-[CHCH(CH)O]-[CHCH(C)O]
(式中、qは0~200であり、rは0~200であり、sは0~200であり、q+r+sは1~600である))。
は、水素又はRから選択され、
Rは、最大22個の炭素原子、及び任意に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子における自由原子価は炭素原子に結合され、
Yは、式の基である:
-K-S-K-及び-A-E-A’-又は-A’-E-A-:
(式中、Sは、
【0084】
【化8】
であり、
R1は、C~C22アルキル、C~C22フルオロアルキル又はアリールであり、nは、200~1000であり、ポリオルガノシロキサン化合物中にいくつかのS基が存在する場合、これらは同一であっても又は異なっていてもよい)。
Kは、二価又は三価の直鎖、環状、及び/又は分枝状のC~C40炭化水素残基であり、これは、任意に、-O-、-NH-、三価のN、-NR-、-C(O)-、-C(S)-によって中断され、かつ-OHで任意に置換され、Rは、上記のとおりに定義され、
Tは、最大20個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択される。
【0085】
残基Kは、互いに同一であっても又は異なっていてもよい。-K-S-K-部分中、残基Kは、C-Si-結合を介して残基Sのケイ素原子に結合される。
【0086】
ポリオルガノシロキサン化合物中は、アミン基(-(NR-A-E-A’-NR)-)が存在することが可能であることに起因し、有機又は無機酸によるこのようなアミン基のプロトン化によりもたらされる、プロトン化アンモニウム基を有する場合がある。このような化合物は、ポリオルガノシロキサン化合物の酸付加塩と称されることもある。
【0087】
好ましい実施形態では、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)とのモル比は、100:20未満、なおもより好ましくは100:30未満、最も好ましくは100:50未満である。この比は、13C-NMRによって求めることができる。
【0088】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン組成物は、
A) a)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基、b)少なくとも1つの第四級アンモニウム基、c)少なくとも1つの末端エステル基、及びd)少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基(上で定義したとおり)を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、
B) 化合物A)とは異なる、少なくとも1つの末端エステル基を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、を含んでもよい。
【0089】
成分A)の定義において、本発明のポリオルガノシロキサン化合物の記載を参照することができる。ポリオルガノシロキサン化合物B)は、ポリオルガノシロキサン化合物A)とは異なり、好ましくは、ポリオルガノシロキサン化合物B)は第四級アンモニウム基を含まない。好ましいポリオルガノシロキサン化合物B)は、一官能性有機酸、特にカルボン酸と、ビスエポキシドを含有するポリオルガノシロキサンとの反応から生じる。
【0090】
ポリオルガノシロキサン組成物において、化合物A)の、化合物B)に対する重量比は好ましくは90:10未満である。すなわち換言すれば、成分B)の含量は少なくとも10重量%である。ポリオルガノシロキサン組成物の更に好ましい実施形態では、化合物A)において、第四級アンモニウム基b)の、末端エステル基c)に対するモル比は100:10未満であり、なおもより好ましくは100:15未満であり、最も好ましくは100:20未満である。
【0091】
シリコーンポリマーは、20℃及び剪断速度0.1s-1(プレート-プレートシステム、プレート直径40mm、間隙幅0.5mm)において、100,000mPa・s(100Pa・s)未満の粘度を有する。更なる実施形態では、未希釈のシリコーンポリマーの粘度は、500~100,000mPa・s、又は好ましくは500~70,000mPa・s、又はより好ましくは500~50,000mPa・s、又はなおもより好ましくは500~20,000mPa・sの範囲であってよい。更なる実施形態では、未希釈ポリマーの粘度は、20℃及び剪断速度0.1s-1で測定したとき、500~10,000mPa・s、又は好ましくは500~5000mPa・sの範囲であってよい。
【0092】
上で列挙したシリコーンポリマーに加え、以下の好ましい組成物が以下に提供される。例えば、次の一般式のポリアルキレンオキシド基では:
-[CHCHO]-[CHCH(CH)O]-[CHCH(C)O]
式中、q、r、及びsは、以下のように定義することができる:
qは0~200、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又はなおもより好ましくは0~20であり、
rは0~200、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又はなおもより好ましくは0~20であり、
sは0~200、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又はなおもより好ましくは0~20であり、
q+r+sは1~600、又は好ましくは1~100、又はより好ましくは1~50、又はなおもより好ましくは1~40である。
【0093】
一般式Sを有するポリオルガノシロキサン構造単位では、
【0094】
【化9】
式中、Rは、C~C22アルキル、C~C22フルオロアルキル又はアリールであり、nは200~1000、又は好ましくは300~500であり、K(-K-S-K-基中)は、好ましくは二価又は三価の直鎖、環状、又は分枝C~C20炭化水素残基であり、任意に、-O-、-NH-、三価のN、-NR-、-C(O)-、-C(S)-により中断され、及び任意に-OHで置換される。
【0095】
具体的な実施形態では、Rは、C~C18アルキル、C~C18フルオロアルキル及びアリールである。更に、Rは、好ましくはC~C18アルキル、C~Cフルオロアルキル、及びアリールである。更に、Rは、より好ましくはC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、なおもより好ましくはC~Cフルオロアルキル、及びフェニルである。最も好ましくは、Rは、メチル、エチル、トリフルオロプロピル、及びフェニルである。
【0096】
本明細書で使用するとき、「C~C22アルキル」という用語は、直鎖又は分枝状であってもよい、1~22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を意味する。メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、ウンデシル、イソプロピル、ネオペンチル、及び1,2,3-トリメチルヘキシル部分が例になる。
【0097】
更に、本明細書で使用するとき、「C~C22フルオロアルキル」という用語は、直鎖又は分枝状であってもよく、少なくとも1つのフッ素原子で置換された、1~22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物を意味する。モノフルオロメチル(Monofluormethyl)、モノフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロエチル(trifluorethyl)、ペルフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロプロピル、1,2,2-トリフルオロブチルが好適な例である。
【0098】
更に、「アリール」という用語は、置換されていない、又はOH、F、Cl、CF、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル若しくはフェニルで1回又は数回フェニル置換されたものを意味する。アリールは、ナフチルも意味する場合がある。
【0099】
ポリオルガノシロキサンの実施形態について、アンモニウム基に由来する正電荷は、クロリド、ブロミド、水素サルフェート、サルフェートなどの無機アニオン、又は、C~C30カルボン酸に由来するカルボキシレート、例えば、アセテート、プロピオネート、オクタノエート、特に、C10~C18カルボン酸に由来するカルボキシレート、例えば、デカノエート、ドデカノエート、テトラデカノエート、ヘキサデカノエート、オクタデカノエート、及びオレエート、アルキルポリエーテルカルボキシレート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルポリエーテルサルフェート、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステル由来のホスフェートのような有機アニオンにより中和される。ポリオルガノシロキサン化合物の特性を、特に使用する酸の選択に基づいて修正することができる。
【0100】
第四級アンモニウム基は、通常、モノカルボン酸及び二官能性ジハロゲンアルキル化合物の存在下で、第三級ジアミンと、特にジエポキシド(ビスエポキシドと称される場合もある)から選択されるアルキル化剤とを反応させることにより生成される。
【0101】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、以下の一般式(Ia)及び(Ib):
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M (Ia)
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(N -A-E-A’-N )-Y-]-M (Ib)
(式中、各基は上で定義したとおりである)のものであり得る。しかしながら、繰返し単位は、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
【0102】
更に好ましい一実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(IIa)又は(IIb):
M-Y-[-N-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M (IIa)
M-Y-[-N-Y-]-[-(N -A-E-A’-N )-Y-]-M (IIb)
(式中、各基は上で定義したとおりである)のものであり得る。また、このような式中、繰り返し単位は通常、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
式中、上で定義したとおり、Mは、
-OC(O)-Z、
-OS(O)-Z、
-OS(O)O-Z、
-OP(O)(O-Z)OH、
-OP(O)(O-Z)であり、
【0103】
Zは、直鎖、環状、又は分枝の飽和若しくは不飽和のC~C20、又は好ましくはC~C18であり、又はなおもより好ましくは、1つ以上の-O-若しくは-C(O)-により中断され、-OHで置換されている場合がある、炭化水素基である。具体的な実施形態では、Mは、ノルマルのカルボン酸から生じる-OC(O)-Zであり、特に、例えば、ドデカン酸のように10個超の炭素原子を有する。
【0104】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン含有繰り返し基-K-S-K-とポリアルキレン繰り返し基-A-E-A’-又は-A’-E-A-とのモル比は100:1~1:100、又は好ましくは20:1~1:20、又はより好ましくは10:1~1:10である。
【0105】
-(N-T-N)-基中、Rは、1つ以上の-O-、-C(O)-により中断されている場合があり、-OHにより置換されている場合がある、一価の直鎖、環状、又は分枝C~C20炭化水素基を表す場合があり、Tは、-O-、-C(O)-により中断されている場合があり、ヒドロキシルにより置換されている場合がある、二価の直鎖、環状、又は分枝C~C20炭化水素基を表すことができる。
【0106】
第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記のポリオルガノシロキサン化合物はまた、1)第四級アンモニウム官能基を含み、エステル官能基を含まない個々の分子、2)第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む分子、並びに3)エステル官能基を含み、第四級アンモニウム官能基を含まない分子、も含み得る。構造に限定されはしないものの、第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む、上記のポリオルガノシロキサン化合物は、両方の部分についてある特定の平均量及び比を含む、分子の混合物として理解される。
【0107】
エステルを得るために様々な一官能性有機酸を使用することができる。例示的な実施形態としては、C~C30カルボン酸、例えば、C、C、C酸、C10~C18カルボン酸、例えば、C12、C14、C16酸、飽和、不飽和、及びヒドロキシル官能化C18酸、アルキルポリエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステルが挙げられる。
【0108】
追加成分
本発明の組成物は、他の追加成分を含んでもよく、それは最終製品の所望の特性によって当業者により選択されてもよく、また組成物をより美容的若しくは審美的に許容可能なものにするために、又は付加的な使用による効果を組成物にもたらすために好適なものである。このような他の追加成分は、概して、組成物の約0.001重量%~約10重量%、好ましくは約5重量%以下の濃度で個々に用いられる。
【0109】
多種多様な他の追加成分を本発明の組成物に配合することができる。これには、他のコンディショニング剤(例えば、Hormelから入手可能な商品名「Peptein 2000」の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商品名「Emix-d」のビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパントテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素)、pH調節剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムな)、着色剤(例えば、FD&C又はD&C顔料の任意のもの)、香料;紫外線・赤外線遮断吸収剤(例えばベンゾフェノン)、及び抗ふけ剤(例えばジンクピリチオン)、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween20として供給されるモノ-9-オクタデカノエートポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)など)、及び緩衝剤(例えばアミノメチルプロパノール)が挙げられる。
【0110】
製品形態
本発明の組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であってもよく、クリーム、ジェル、エマルジョン、ムース、及びスプレーなどであるがこれらに制限されない、多種多様な製品形態で配合されてもよい。本発明の組成物は、ヘアコンディショナー、特にリーブオン、リーブイン、及び/又はノーリンスヘアコンディショナーに特に好適である。リーブオン及びリーブインヘアコンディショナーは、概して、コンディショナーを洗い流すことなく、乾いた髪、半分濡れた毛髪、及び/又は濡れた毛髪に使用される。ノーリンスヘアコンディショナーにより、本明細書で意味するものは、コンディショナーを洗い流さずに、好ましくは浴室内で、シャンプー後に半分濡れた毛髪から濡れた毛髪に使用されるヘアコンディショナーである。
【実施例
【0111】
以下の実施例により、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
成分の定義
1 シリコーン化合物-1:Momentiveから入手可能であり、以下の式を有する:
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(N -A-E-A’-N )-Y-]-M
[式中、
【0115】
【表3】
2 シリコーン化合物-2 Momentiveから入手可能、10,000mPa・sの粘度を有し、以下の式(I)を有する:
(R3-a-Si-(-OSiG-(-OSiG(R2-b)m-O-SiG3-a(R (I)
(式中、Gは、メチルであり、aは、整数の1であり、bは、0、1、又は2、好ましくは1であり、nは、400~約600の数であり、mは、整数の0であり、Rは、一般式C2qLに適合する一価の基であり、式中、qは整数の3であり、Lは-NHである)。
3 シリコーン化合物-3:25℃で18,000,000mm・s-1の粘度を有するジメチコンと、200mm・s-1の粘度を有するジメチコンとの15%/85%混合物
4 シリコーン化合物-4:XIAMETER(商標)PMX-1503流体、低粘度のジメチコン液に超高粘度のジメチコノールをブレンドしたもので、粘度は1500cStである
5 シリコーン化合物-5:10,000cStの粘度を有するジメチコン
【0116】
調製方法
本発明の「実施例1」~「実施例8」、及び比較例としての「比較例i」~「比較例iii」の毛髪ケア組成物は、当該技術分野において周知の任意の従来法によって調製することができる。
【0117】
特性及びコンディショニング効果
上記組成物のいくつかに関しては、以下の方法で特性及びコンディショニング効果を評価する。評価の結果をまた、上の表に示す。
【0118】
「実施例1」~「実施例8」によって開示及び表される実施形態は、コンディショニング組成物を洗い流すことなく、シャンプー後の半分濡れた毛髪から濡れた毛髪に使用するのに特に有用な本発明のヘアコンディショニング組成物である。このような実施形態は多くの利点を有する。例えば、毛髪の体積を減らすなど、毛髪管理性が向上する。このような利点は、本発明の実施例「実施例1」~「実施例8」と比較例「比較例i及び比較例iii」との比較によって理解することができる。
【0119】
毛髪の体積
(i)ヘアピースの準備
体積の測定には、長さ10インチの、15グラムのヘアピースを使用する。ヘアピースは以下のステップにより準備する。
(1)ヘアピースを脱色し、同じ方向に櫛ですく。次に、非コンディショニングシャンプーをヘアピースごとに1.5cc適用し、泡立たせ、ヘアピースをすすぎ、乾かす;
(2)非コンディショニングシャンプーをヘアピースごとに1.5ccの濃度で適用し、ヘアピースを泡立たせ、ヘアピースをすすぐ;
(3)コンディショナーをヘアピースごとに1.5ccの濃度で適用し、ヘアピースを処理する;
(4)ヘアピースをリンスしない(「NR」と記載)、又はヘアピースをリンスする(「R」と記載);そして、
(5)次にヘアピースを50℃及び低湿度(30%)環境で1.5時間乾かす;
(6)次にヘアピースを28℃の高湿度(75%)環境に1時間置く。ここで、ヘアピースは膨張して体積を増大させる傾向がある。
【0120】
ヘアピースは体積測定を行う準備が整う。
【0121】
(ii)体積の測定
体積は、カナダ特許出願公開第2567712(A1)号に記載されている方法により測定される。より詳細には、体積(mm3)は、レーザースキャン装置による3D読み取りを実施することにより測定される。
【0122】
(iii)評価
上記ステップ(ii)の測定は、1つのコンディショナーにつき、ステップ(i)で準備された少なくとも3つの異なるヘアピースに対して実施され、次に体積の平均を計算する。平均の毛髪の体積は以下のように評価される。
SS:対照と比較して、55%超(55%を除く)の体積の減少。
S:対照と比較して、30%超(30%を除く)~55%の体積の減少。
A:対照と比較して、15%超(15%を除く)~30%の体積の減少。
B:対照と比較して、5%超(5%を除く)~15%の体積の減少。
C+:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の体積の減少。
C:対照。
C-:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の体積の増加。
D:対照と比較して、5%超(5%を除く)~15%の体積の増加。
E:対照と比較して、15%超(15%を除く)の体積の増加。
【0123】
自由流動-振子
(i)ヘアピースの準備
振子測定には、長さ10インチのヘアピース20グラムを使用する。ヘアピースは以下のステップにより準備する。
(1)ヘアピースを脱色し、同じ方向に櫛ですく。次に、非コンディショニングシャンプーをヘアピース1つ当たり1.0cc適用し、泡立たせ、ヘアピースをすすぎ、乾かす;
(2)非コンディショニングシャンプーをヘアピース1つ当たり1.0ccの濃度で適用し、ヘアピースを泡立たせ、ヘアピースをすすぐ:
(3)トリートメントについてはヘアピース1つ当たり2.0ccの濃度で、コンディショナーについてはヘアピース1つ当たり4.0ccの濃度で、コンディショナー(又はトリートメント?)を適用し、ヘアピースを処理する:そして、
(4)ヘアピースをリンスしない(「NR」と記載)、又はヘアピースをリンスする(「R」と記載);そして、
(5)次いで、ヘアピースを23℃及び低湿度(45%)環境で一晩乾かす;
ヘアピースは振子測定の準備が整う。
【0124】
(ii)振子測定
自由流動は、毛髪の揺動度(degree of swinging)を検出する振子測定によって測定される。より多くの揺動は、より自由流動性であることを意味する。処理された毛髪を配置し、揺動度を測定するためのセンサも配置する。処理された毛髪が揺動を開始するように、処理された毛髪に同じ程度の開始力を与える。揺動度は揺動中に測定される。
【0125】
(iii)評価
コンディショナー1つ当たりステップ(i)によって調製した少なくとも3つの異なるヘアピースに対して、ステップ(ii)における上記測定を実施し、次いで、平均を計算する。平均の自由流動性は以下のように評価される。
SS:対照と比較して、45%超(45%を除く)の自由流動の増加。
S:対照と比較して、30%超(30%を除く)~45%の自由流動の増加。
A:対照と比較して、15%超(15%を除く)~30%の自由流動の増加。
B:対照と比較して、5%超(5%を除く)~15%の自由流動の増加。
C+:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の自由流動の増加。
C:対照。
C-:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の自由流動の低減。
D:対照と比較して、5%超(5%を除く)~15%の自由流動の低減。
E:対照と比較して、15%超(15%を除く)の自由流動の低減。
【0126】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0127】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0128】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に網羅されることが意図される。