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  • 特許-生体認証システム及び認証位置捕捉方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】生体認証システム及び認証位置捕捉方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20240109BHJP
【FI】
G06F21/32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022036554
(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公開番号】P2023131664
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小佐野 久
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062132(JP,A)
【文献】特開2018-081339(JP,A)
【文献】特開2020-144921(JP,A)
【文献】特開2015-035765(JP,A)
【文献】特開2021-188402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の顔、虹彩の少なくともいずれかの生体情報を認識するマルチモーダル端末に実装されている固定側無線デバイスと、
利用者が保持している携帯端末に実装されかつ該固定側無線デバイスと通信可能な移動側無線デバイスと、
これら固定側無線デバイス及び移動側無線デバイスで得た通信情報に基づき前記利用者の位置捕捉を行い、当該利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末に対して誘導・通知情報を供給する認証処理部と、を有することを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
前記固定側無線デバイス及び移動側無線デバイスは所定規格の短距離無線通信を用いた通信機器であることを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項3】
前記認証処理部は、利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末にバイブレーションによる誘導・通知情報を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の生体認証システム。
【請求項4】
前記認証処理部は、利用者が生体認証利用適正位置から離れた箇所にいる場合に、当該利用者が保持している携帯端末の位置を、該携帯端末が備えるGPS(Global Positioning System)から得られた位置情報により認識することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の生体認証システム。
【請求項5】
前記認証処理部は、利用者が生体認証利用適正位置から離れた箇所にいる場合に、当該利用者が保持している携帯端末の位置を、前記固定側無線デバイスが設置された屋内に備えられた屋内誘導装置から前記携帯端末が短距離無線通信により取得した位置情報により認識することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の生体認証システム。
【請求項6】
利用者の顔、虹彩の少なくともいずれかの生体情報を認識するマルチモーダル端末の制御部が、該マルチモーダル端末に実装されている固定側無線デバイス、及び利用者が保持している携帯端末に実装されかつ該固定側無線デバイスと通信可能な移動側無線デバイスとで得た通信情報に基づき、前記利用者の位置捕捉を行なうとともに、当該利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末に対して誘導・通知情報を供給することを特徴とする認証位置捕捉方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人対応の現金処理装置、マルチメディア端末、店舗端末(POS:Point Of Sale System)及び入退出管理端末等で利用可能な生体認証システム及び認証位置捕捉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチモーダル端末では、顔・虹彩といった特定部位の生体情報を観察して利用者を認証することが行なわれている
例えば、特許文献1に示す認証システムでは、ユーザが認証端末に近づくこと、及び、認証端末を利用した生体認証が成功することの2つを条件として、セキュリティゲートのロックを解除する。
これによりユーザが、ポケット又は鞄にユーザ端末を入れたまま、認証端末に近づいたとする。これにより、ユーザ端末は、通信可能領域の中にユーザが入ったことを検出すると、第1短距離無線通信部を利用して、サーバに対し、ユーザが認証端末に近づいたことを示す通知を送信する。その結果、認証システムのサーバは、ゲートを通過可能なユーザの近接を認識することができる。
【0003】
特許文献2に示す位置特定システムでは、予めシステム内でプロトコルが特定されている所定規格の短距離無線通信が可能な発信機からの信号をスマートフォン端末等の当該規格の短距離無線通信が可能な受信機で受信し、所定の数式により求めた距離を各端末で測定することで、端末ユーザの正確な位置を測定する。
その後、前記受信機では、測定された電波強度結果又はその電波強度から位置特定を行った結果等を、位置特定システムに通知する。これにより、位置特定システムでは、端末ユーザが、顔認証や虹彩認証などの生体認証可能な位置に来たことを認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2020/208746
【文献】国際公開第2020/080314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び2では、特定の通信端末を持った利用者が、生体認証位置に近づいた場合に、その情報をサーバに通知する方式が採用されている。
しかしながら、上記特許文献1,2では、サーバが利用者の接近を検知したとしても、利用者自身がサーバによる利用者検知を知らない状況にあることで、当該利用者が生体認証位置で立ち止まってしまい、次の行動に遅延が生じる恐れがあった。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、利用者自身が、サーバによる利用者の位置検知を正しく認識することで、以降の生体認証作業を遅延なく行わせることができる生体認証システム及び認証位置捕捉方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示す生体認証システムでは、利用者の顔、虹彩等の生体情報を認識するマルチモーダル端末に実装されている固定側無線デバイスと、利用者が保持している携帯端末に実装されかつ該固定側無線デバイスと通信可能な移動側無線デバイスと、これら固定側無線デバイス及び移動側無線デバイスで得た通信情報に基づき前記利用者の位置捕捉を行い、当該利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末に対して誘導・通知情報を供給する認証処理部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に示す認証位置捕捉方法では、利用者の顔、虹彩等の生体情報を認識するマルチモーダル端末に実装されている固定側無線デバイス、及び利用者が保持している携帯端末に実装されかつ該固定側無線デバイスと通信可能な移動側無線デバイスとで得た通信情報に基づき、前記利用者の位置捕捉を行なうとともに、当該利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末に対して誘導・通知情報を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、認証処理部から供給された誘導・通知情報に基づき、利用者自身が、認証処理部による利用者の生体認証利用適正位置への移動検知を正しく認識することができ、以降の生体認証利用適正位置での生体認証作業を遅延なく行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る生体認証システムの最小構成を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る生体認証システムを示す概略構成図である。
図3】GPS、ビーコン、その他の所定の規格の短距離無線通信でカバーされるエリアのイメージを示す説明図である。
図4】マルチモーダル制御部で実行される利用者の認証位置を記録するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る生体認証システム100の最小構成について図1を参照して説明する。
この生体認証システム100は、マルチモーダル端末1に設けられる固定側無線デバイス2、携帯端末Mに設けられる移動側無線デバイス3、及びこれらデバイス2,3を接続する認証処理部4を主な構成要素とする。
【0012】
マルチモーダル端末1は、利用者Uの顔、声、虹彩、指紋・掌紋認証等の生体情報を用いて、通過/入室許可などの個人認証を行う機器である。
固定側無線デバイス2は、マルチモーダル端末1に実装されている予めシステム内でプロトコルが特定されている短距離無線通信技術に基づく規格を利用した位置情報認識機器である。
【0013】
移動側無線デバイス3は、利用者Uが保持している携帯端末Mに実装されかつ該固定側無線デバイス2と通信可能な前記短距離無線通信技術に基づく規格を利用した位置認識デバイスである。
認証処理部4は、これら固定側無線デバイス2及び移動側無線デバイス3を通じて得た通信情報に基づき利用者Uの位置捕捉を行なう。
さらにこの認証処理部4は、上記通信情報に基づき、当該利用者Uが生体認証利用適正位置Pにまで移動したことを検知した場合に、当該利用者Uが保持している携帯端末Mに対して誘導・通知情報を供給する。
【0014】
以上説明した生体認証システム100によれば、認証処理部4において、マルチモーダル端末に実装されている固定側無線デバイス2と、利用者Uが保持している移動側無線デバイス3とで得た通信情報に基づき、利用者Uの位置捕捉を行なう。
さらにこの認証処理部4では、当該利用者Uが生体認証利用適正位置Pにまで移動したことを検知した場合に、当該利用者Uが保持している携帯端末Mに対して誘導・通知情報を供給するようにしている。
これにより、本発明の生体認証システム100では、認証処理部4から供給された誘導・通知情報に基づき、利用者U自身が、生体認証利用適正位置Pへ移動したか否かを正しく認識することができ、以降の生体認証利用適正位置Pでの生体認証作業も遅延なく行わせることができる。
その結果、本発明の生体認証システム100では、利用者Uの誘導事前通知と認証位置の詳細管理により動速度を調整するなどしてウォークスルー認証も実現可能となる。
【0015】
(実施形態)
本発明の一実施形態に係る生体認証システム101について図2図4を参照して説明する。
この生体認証システム101は、図2に示すようにマルチモーダル端末10に設けられる固定側無線デバイスD1、携帯端末M1に設けられる移動側無線デバイスD2、及びこれらデバイスD1,D2を接続して管理するする認証処理部11を主な構成要素としている。
【0016】
マルチモーダル端末10は、利用者の顔、声、虹彩、指紋・掌紋認証等の生体情報を用いて、通過/入室許可などの個人認証を行う機器である。
固定側無線デバイスD1は、マルチモーダル端末10に実装されている、例えばBluetooth(登録商標)のような所定の規格の短距離無線通信を利用した位置情報認識機器であって、位置捕捉を行うディレクションファイティング機能を有している。
なお、この固定側無線デバイスD1はマルチモーダル端末10内のマルチモーダル制御部12(後述する)により制御されている。
【0017】
移動側無線デバイスD2は、利用者が保持している携帯端末M1に実装されかつ該固定側無線デバイスD1と通信可能な前記の規格の短距離無線通信を利用した位置認識デバイスであって、固定側無線デバイスD1との相互通信により利用者の位置を捕捉して認証位置を通知できる。
なお、この移動側無線デバイスD2は携帯端末M1のОS(Operating System)となる通信アプリ20により制御されている。
【0018】
また、この携帯端末M1の通信アプリ20は、内蔵されたGPS(Global Positioning System)や、ビーコンのような屋内誘導装置により携帯端末M1の位置情報を把握する機能も有している。
具体的には、図3に示すように屋外ではGPSで位置管理し(符号C1で示すカバーエリア)、GPS未到達箇所では屋内設置のビーコン等で位置管理し(符号C2で示すカバーエリア)、前記の規格の短距離無線通信が可能なマルチモーダル端末10の近傍エリア(符号C3で示すカバーエリア)では、無線デバイスD1,D2で位置管理する。
【0019】
認証処理部11は、利用者の生体認証に関する各種処理を実行するとともに、固定側無線デバイスD1及び移動側無線デバイスD2を通じて得た通信情報に基づき利用者の位置捕捉を行なう。
さらにこの認証処理部11は、上記通信情報に基づき、当該利用者が生体認証利用適正位置(図示略)にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末M1に対して誘導・通知情報を供給する。
具体的な構成としてこの認証処理部11は、マルチモーダル端末10内にマルチモーダル制御部12、人検出器機13、顔認証機器14、虹彩認証機器15及び表示デバイス16を有している。
【0020】
マルチモーダル制御部12は、人検出器機13、顔認証機器14、虹彩認証機器15、表示デバイス16及び固定側無線デバイスD1などの内蔵機器を制御する専用のОSであって、予め記録されている各種のデータベースに基づき利用者の生体認証を行う機能を有している。
また、このマルチモーダル制御部12は、マルチモーダル端末10側の固定側無線デバイスD1と、利用者側の移動側無線デバイスD2とで得た通信情報に基づき、利用者の位置捕捉を行なうとともに、当該移動側無線デバイスD2の機器番号を確認するなどの処理を実施するが、詳細は図4のフローチャートを参照して後述する。
【0021】
人検出器機13は、マルチモーダル端末10に人が近接したことを感知するモーションセンサである。
顔認証機器14は、人検出器機13により人の近接を検知しかつ固定側無線デバイスD1及び移動側無線デバイスD2を通じて利用者の位置捕捉がなされた場合に、内蔵カメラに写った利用者の顔情報をデータベースと照合して当該利用者を識別する。
なお、この顔認証は、顔認証機器14で認証されるまで繰り返し実施する。また、顔認証機器14で認証された際の被認証者の詳細位置情報は、固定側無線デバイスD1及び移動側無線デバイスD2を通じて携帯端末M1の通信アプリ20に記録される。
【0022】
虹彩認証機器15は、人検出器機13により人の近接を検知しかつ固定側無線デバイスD1及び移動側無線デバイスD2を通じて利用者の位置捕捉がなされた場合に、虹彩カメラに写った利用者の虹彩情報をデータベースと照合して当該利用者を識別する。
なお、この虹彩認証は、虹彩認証機器15で認証されるまで繰り返し実施する。また、虹彩認証機器15で認証された際の被認証者の詳細位置情報は、固定側無線デバイスD1及び移動側無線デバイスD2を通じて携帯端末M1の通信アプリ20に記録される。
【0023】
表示デバイス16は、LCD(Liquid Crystal Display)からなるものであって、利用者を生体認証するための各種ガイダンスを表示する。
【0024】
次に、図4のフローチャートを参照して、マルチモーダル制御部12で実行される利用者の認証位置を記録するためのステップSについて説明する。
なお、図4のフローチャートにおいて、ステップS1~S3は利用者が初めてマルチモーダル端末10を使用する場合の処理、ステップS4~S6は利用者が2回目以降にマルチモーダル端末10を使用する場合の処理をそれぞれ示している。
【0025】
〔ステップS1〕
初回登録時において、モーションセンサである人検出器機13にて利用者を検出した場合に、マルチモーダル端末10側の固定側無線デバイスD1と、携帯端末M1側の移動側無線デバイスD2とを前記の規格の短距離無線通信により互いに接続することで、利用者が保持する携帯端末M1の位置を捕捉する。なお、この位置情報の詳細は、前記の規格の短距離無線通信を利用したディレクションファイティング機能(方向探知)により獲得する。
【0026】
〔ステップS2〕
マルチモーダル端末10の顔認証機器14にて、カメラに写った利用者の顔情報をデータベースと照合して当該利用者を識別する。
これと同時に、マルチモーダル端末10の虹彩認証機器15にて、虹彩カメラに写った利用者の虹彩情報をデータベースと照合して当該利用者を識別する。そして、これらの識別結果に基づき、利用者の通過可否を判定する。
【0027】
〔ステップS3〕
ステップS2での顔・虹彩認証成功時の詳細位置を「事前取得・利用者位置情報」としてマルチモーダル制御部12/携帯端末M1の通信アプリ20に記録する。
【0028】
次に、ステップS3で「事前取得・利用者位置情報」を取得した後、先の利用者がマルチモーダル端末10にて2回目以降の認証を行う際には以下の処理が実行される。
【0029】
〔ステップS4〕
先の利用者がマルチモーダル端末10にて2回目以降の認証を行う場合には、当該利用者が先に記録された「事前取得・利用者位置情報」で示される生体認証利用適正位置に近づいたとき、当該利用者の携帯端末M1に事前通知する。
なお、このときの利用者の接近位置情報は、携帯端末M1のGPSや、ビーコンのような屋内誘導装置により把握する。
また、このときの事前通知は、携帯端末M1での文字表示/画像表示/音声出力/バイブレーション等による手段を利用する。
【0030】
〔ステップS5〕
その後、利用者がマルチモーダル端末10に近づき、該マルチモーダル端末10の人検出器機13で当該利用者を検知した場合には、マルチモーダル端末10側の固定側無線デバイスD1と、携帯端末M1側の移動側無線デバイスD2とを前記の所定規格の短距離無線通信により互いに接続することで、当該利用者が保持する携帯端末M1の位置を捕捉する。
なお、この位置情報の詳細は、ステップS1と同様に、前記の短距離無線通信を利用したディレクションファイティング機能(方向探知)により獲得する。
【0031】
その後、マルチモーダル制御部12が、前記の所定規格の短距離無線通信により「事前取得・利用者位置情報」で示される生体認証利用適正位置に利用者が到達したと判断した場合には、当該利用者の携帯端末M1に再度通知する。
また、このときの事前通知も、携帯端末M1での文字表示/画像表示/音声出力/バイブレーション等による手段を利用する。
【0032】
〔ステップS6〕
通知された「事前取得・利用者位置情報」にて、マルチモーダル端末10の顔認証機器14による顔認証、虹彩認証機器15による虹彩認証により利用者を識別し、その識別結果に基づき、利用者の通過可否を判定する。
【0033】
以上説明した本実施形態に示す生体認証システム101によれば、マルチモーダル制御部12において、マルチモーダル端末10に実装されている固定側無線デバイスD1と、利用者が保持している移動側無線デバイスD2とで得た通信情報に基づき、利用者の位置捕捉を行なうことができる。
さらにこのマルチモーダル制御部12では、当該利用者が生体認証利用適正位置にまで移動したことを検知した場合に、当該利用者が保持している携帯端末M1に対して誘導・通知情報を供給することができる。
これにより、本実施形態の生体認証システム101では、マルチモーダル端末10から供給された誘導・通知情報に基づき、利用者自身が生体認証利用適正位置へ移動したか否かを正しく認識することができ、以降、生体認証利用適正位置での生体認証作業を液体レンズを用いた焦点調整技術を採用する場合と比較して低コストでかつ遅延なく行わせることができる。
その結果、本実施形態の生体認証システム101では、利用者の誘導事前通知と認証位置の詳細管理により動速度を調整するなどしてウォークスルー認証も実現可能となる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、無人対応の現金処理装置、マルチメディア端末、店舗端末及び入退出管理端末等で利用可能な生体認証システム及び認証位置捕捉方法に関する。
【符号の説明】
【0036】
1 マルチモーダル端末
2 固定側無線デバイス
3 移動側無線デバイス
4 認証処理部
11 認証処理部
10 マルチモーダル端末
12 マルチモーダル制御部
13 人検出器機
14 顔認証機器
15 虹彩認証機器
16 表示デバイス
20 通信アプリ
D1 固定側無線デバイス
D2 移動側無線デバイス
M 携帯端末
M1 携帯端末
U 利用者
P 生体認証利用適正位置
100 生体認証システム
101 生体認証システム
図1
図2
図3
図4