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特許7414875複合シートの重量を同時に決定するための装置
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  • 特許-複合シートの重量を同時に決定するための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】複合シートの重量を同時に決定するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 9/24 20060101AFI20240109BHJP
   G01G 9/00 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G01N9/24 F
G01G9/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022049239
(22)【出願日】2022-03-25
(62)【分割の表示】P 2020101506の分割
【原出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2022091880
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】16/443,543
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ネベル
(72)【発明者】
【氏名】ヘルトヤン・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・コン・ヨウ・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】セバスティン・ティッカー
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-050964(JP,A)
【文献】特表2017-536677(JP,A)
【文献】特開昭57-131042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0145286(US,A1)
【文献】米国特許第04845730(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/00-9/36
G01G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置(100)であって、
セラミックである高z材料を含むコーティング(180b)をその上に含むポリマーからなるシート材料(180a)からなるセパレータ膜を含むリチウムイオン電池(LiB)のために構成された複合シート(180)、又は前記シート材料に埋め込まれた前記高z材料を含む粒子(180c)を有する前記シート材料から第1のセンサ応答信号を生成するためのβゲージ(110)であって、前記複合シートの総重量を測定するよう較正された、βゲージ(110)と、
前記複合シートから第2のセンサ応答信号を提供するためのX線センサを備える第2のセンサ(120)であって、前記X線センサは前記高z材料の重量に対して較正され、前記シート材料の重量に対するよりも前記高z材料を含む前記コーティングの重量に対して高感度の測定値を提供するよう構成される、第2のセンサと、
前記第1のセンサ応答信号及び前記第2のセンサ応答信号を受信するように結合され、前記第1のセンサ応答信号及び前記第2のセンサ応答信号を使用して、(i)前記高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)前記シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)前記複合シートの単位面積当たりの総重量から選択される2つ又はそれ以上の重量測定値を同時に計算するためのアルゴリズムを実装するための関連するメモリ(152)を有するプロセッサ(151)を含む計算装置(150)と、
を備え、前記βゲージの受信機(110b)と、前記第2のセンサの受信機(120b)は、前記複合シートの同一の側に配置されている測定装置(100)。
【請求項2】
前記βゲージおよび前記第2のセンサは、前記複合シートの上を走査するように構成された同じ走査ヘッド(160)内にある、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
方法であって、
セラミックである高z材料からなるコーティング(180b)をその上に含むポリマーからなるシート材料(180a)からなるセパレータ膜を含むリチウムイオンバッテリ(LiB)用に構成された複合シート(180)から、又は前記シート材料に埋め込まれた前記高z材料を含む粒子(180c)を有する前記シート材料から、βゲージ(110)を使用して第1のセンサ応答信号を決定することであって、前記βゲージは前記複合シートの総重量を測定するために較正されている、第1のセンサ応答信号を決定することと、
X線センサを含む第2のセンサ(120)を使用して、前記複合シートから第2のセンサ応答信号を決定することであって、前記X線センサは、前記高z材料の重量用に較正されており、前記シート材料の重量よりも前記高z材料を含む前記コーティングの重量に対して高感度の測定値を提供するよう構成される、決定することと、
前記第1のセンサ応答信号及び前記第2のセンサ応答信号から、(i)前記高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)前記シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)前記複合シートの単位面積当たりの総重量から選択される2つ又はそれ以上の重量測定値を同時に計算することと、を含み、前記βゲージの受信機(110b)と、前記第2のセンサの受信機(120b)は、前記複合シートの同一の側に配置されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、コーティングされたシート材料の重量を測定するための装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック被覆ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)セパレータ膜は、
リチウムイオン電池(LiB)の性能にとって重要な構成要素である。セパレータ膜は、
カソードとアノードとの間にイオン透過性バリアを提供する。これらの膜は多孔質であり
、コーティングされていない場合、概ね120℃の温度で分解し始め、LiBを短絡させ
、したがって破損する。膜上に塗布されたセラミックコーティング(例えばAl
は、セパレータの温度安定性を約200℃まで改善するのに役立つことが知られている。
高温では、コーティングされたセパレータは不透過性になり、このことはセパレータの動
作を妨げるが、熱暴走事象を防ぎもする。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、提供される図面を含む以下の「発明を実施するための形態」で更に詳述
される、選定された概念を単純な形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請
求される主題の範囲を限定することを意図するものではない。
【0004】
開示される実施形態は、LiB産業などの産業が、高z材料重量及びセパレータ膜の
重量を同時に決定し、これらのパラメータを独立して制御することができるように、費用
効率の高い解決策を必要とすることを認識している。開示される態様は、(i)シート材
料上のコーティングの形態、及び/又はシート材料に埋め込まれた高z粒子の形態であり
得る高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及
び(iii)複合シートの単位面積当たりの総重量を含む、2つ又はそれ以上の重量測定
値を同時に決定するための測定装置を含む。1つの特定の構造は、高zコーティングをそ
の上に有するLiBセパレータ膜である。
【0005】
開示される態様は、高z材料を含むコーティングをその上に有するシート材料を含む
複合シートから第1のセンサ応答信号を生成するためのβゲージを含む測定装置を含み、
或いはシート材料は、シート材料に埋め込まれた高z材料を含む粒子を有する。X線セン
サ又は赤外線(IR)センサを含む第2のセンサは、複合シート材料から第2のセンサ応
答信号を提供するためのものである。計算装置は、第1及び第2のセンサ応答信号を受信
するように結合され、第1のセンサ応答信号及び第2のセンサ応答信号を使用して2つ又
はそれ以上の重量測定値を同時に計算するためのアルゴリズムを実装するための関連メモ
リを有するプロセッサを含む。重量測定値は、(i)高z材料の単位面積当たりの重量、
(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)複合シートの単位面積当た
りの総重量から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(i)高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)複合シートの単位面積当たりの総重量を含む、2つ又はそれ以上の重量測定を同時に決定するための例示的な測定装置の描写である。
【0007】
図2】(i)高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)複合シートの単位面積当たりの総重量を含む、2つ又はそれ以上の重量測定を同時に決定するための、別の例示的な測定装置の描写である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示された実施形態は、添付の図面を参照して説明され、同様の参照番号は、類似又
は同等の要素を示すために図面全体にわたって使用される。図面は、縮尺どおりに描かれ
ておらず、それらは、特定の開示される態様を単に説明するために提供される。いくつか
の開示された態様は、例示のための例示的な用途を参照して以下に記載される。開示され
る実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、及び方法が記載
されることを理解されたい。
【0009】
開示された測定装置は、βゲージと、透過X線又は2つ又はそれ以上の重量測定を同
時に測定するために使用される透過又は反射ベースのIRセンサを含む第2のセンサと、
を含む2つのセンサを備えている。重量測定値は、(i)高z材料の単位面積当たりの重
量、(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)複合シートの単位面積
当たりの総重量から選択される。図1は、シート材料180a上に高z材料を含むコーテ
ィング180bを含む、180として示される複合シートが示されている例示的な測定装
置100の描写であり、高z材料はまた、シート材料180a内に埋め込まれた粒子18
0cとして示される。シート材料180aは、シート材料の総体積で割った空隙空間の割
合であって、少なくとも5%である間隙率で規定される多孔性シート材料を含むことがで
き、シート材料の間隙率は通常40%~70%である。
【0010】
測定装置100は、複合シート180の複数の重量を同時に測定するように構成されている。上述のように、これらの重量は、(i)高z材料の単位面積当たりの重量、(ii)シート材料の単位面積当たりの重量、及び(iii)複合シート180の単位面積当たりの総重量である。走査ヘッド160は、2つのセンサをその中に有する上部走査ヘッド160a及び下部走査ヘッド160bを備えており、これらのセンサのうちの1つは、βゲージ110、及びX線センサ又はIRセンサを備える第2のセンサ120である。走査ヘッド160は、シート材料180aにコーティング180bが塗布された後に、複合シート180上をセンサ110、120で走査するために使用される。βゲージ110は、一般に平坦(平面)シートである複合シート180の総重量に対してほぼ組成に依存しない測定を提供する。
【0011】
当該技術分野において既知のβゲージは、特定の放射性物質の放射性減衰によって放
出される急速移動電子であるベータ線の吸収に基づいて、材料の厚さ又は重量を測定する
ための装置である。βゲージは、Kr-85、Sr-90、Pm-147などのベータ放
射線源を含み、透過型センサであることは、ベータ線源の反対側に配置された放射線検出
器(又は受光器)を有し、プラスチック、紙、並びに金属及び関連する複合材料などの様
々な材料の厚さ又は重量を測定することができる。
【0012】
第2のセンサ120は、シート材料中のコーティング180b及び/又は埋め込まれ
た粒子180cの重量を決定するために使用される情報を抽出する。第2のセンサ120
がX線センサを含む場合、X線センサは、透過X線を測定するためのものであり、X線吸
収は原子番号(Z)に比例し、したがって、高z材料に対して最も敏感である。この第2
のセンサ120の測定は、セラミックスコーティングであり得るコーティング180bの
重量に対して最も敏感な測定値を提供する。具体的には、X線センサの場合、X線測定は
、一般に、LiB用のプラスチック膜であるシート材料180aの重量に対してよりも、
コーティング180bの重量に対して約10倍高感度である。
【0013】
上述したように、第2のセンサ120はまた、図1に示す透過型センサ又は図2に示
す反射系を含むことができるIRセンサであってもよい。IRセンサ内部のスペクトルフ
ィルタは、シート材料180aの吸収帯域をカバーするように選択することができる。こ
のようにして、IRセンサは、シート材料180aの重量(基層重量としても知られる)
に最も敏感である。
【0014】
上述したようにX線センサ又はIRセンサであり得る第2のセンサ120は、どちら
も透過センサとして示されており、したがって、送信機(Tx)120a及び受信機(R
x)120bとしてそれぞれ示されている上半体及び下半体を有する。IRセンサは、代
替的に図2に示されるような反射センサであってもよいが、X線センサは常に概して透過
センサである。
【0015】
複合シート180は、平坦なポリマーシート上に高z材料コーティング180bを含
むことができ、高z材料はまた、シート材料180a内に埋め込まれた粒子180cとし
て提供され得る。高z材料粒子は、Al、SiO、又はZrOなどのセラミッ
クであり得る。コーティングの構成要素が再び多孔質であり得る場合、高z材料粒子を含
むコーティングである、高z材料-(セラミック粒子自体は多孔質ではないが)を有する
コーティングは、本明細書では、イオンがコーティングの厚さ及び下層の基材(例えば膜
)を通って流れることができるように、コーティングの総体積で除した、開口気孔構造を
有する少なくとも5%の空隙空間の割合を有するものとして定義される。
【0016】
シート材料180aは、ポリマー又はポリマー層(例えば、ポリエチレン(PE)、
ポリプロピレン(PP))を含み得る。コーティング180bは、概して、高zセラミッ
ク粒子から構成されるだけではなく、概してバインダ材料を含む。これらのバインダ材料
は、二次センサ測定技術に対する交差感度を有し得る(すなわち、IRセンサについては
、それらは、例えば、いくつかの重複するIRシグネチャを有し得る)。これらの交差感
度の影響は、概して、単位面積当たりのそれぞれの重量を計算する際に考慮されるべきで
ある。現在のところ、セラミック粒子(バインダ中に埋め込まれている)は、片面コーテ
ィング又は両面コーティングのいずれかとして適用されるが、上述したように、この開示
はまた、シート材料180a自体内に埋め込まれた粒子180cとしてセラミック粒子を
含むコーティングされたシート材料についての重量測定も含む。
【0017】
βゲージは、概して、複合シート180の総重量を測定するために較正される。シー
ト材料180aに対する感度に起因して、X線ゲージは概して、コーティング180bを
独立して測定するために較正されない。同様に、結合剤に対する感度及びコーティング1
80bの存在に対する感度に起因して、IRゲージは概して、シート材料180aを独立
して測定するために較正されない。X線ゲージ信号は、概して、コーティング180bの
正確な測定値を提供するために、多次元アルゴリズムを使用してβゲージ信号と組み合わ
される。同様に、IRゲージ信号は、シート材料重量180aの正確な測定値を提供する
ために、βゲージ信号と組み合わされる。
【0018】
異なるシート材料180a重量及び高zコーティング材料重量180bの組み合わせ
のサンプルを使用して、入力された実験室重量及び出力されたセンサ信号のデータセット
を記録することができる。次いで、統計的又は機械学習アルゴリズムを利用して、2つの
出力への複数の入力を用いて較正関数を適合させることができる。このアルゴリズムは、
部分最小二乗回帰、多変量線形回帰、主成分分析(PCA)、又は他の適切な技術、及び
それらの関連する導出技術を含むことができる。したがって、開示された重量測定の全体
は、既知の構成要素重量を有する顧客サンプルのセットに対して、2つの予測因子(核及
びX線又はIR)部分最小二乗回帰(又は同様の統計的方法)を実施することによって較
正され得る。
【0019】
いくつかの状況では、センサ110、120の較正は、独立して行われ得る。例えば
、第2のセンサ120がX線センサである場合、X線センサは、高z材料重量用に較正さ
れてもよく、又は第2のセンサ120がIRセンサを含む場合、IRセンサは、シート材
料(例えば、PE)の重量用に較正され得る。βゲージ110は、複合シート180の総
重量用に較正され得る。
【0020】
IR測定は、IR信号にスペクトルフィルタを適用することによって、プラスチック
セパレータ膜に特徴的な特定のスペクトル領域を調べるために、既存の技術(約7マイク
ロメートルの波長まで)を使用することができる。1つ又はそれ以上のスペクトルフィル
タ(PEに対して約3.4及び/又は6.7マイクロメートルで)は、通常、非常に異な
るプラスチック吸収ピークをカバーする。1つ又はそれ以上のスペクトルフィルタは、吸
収ピーク付近の基準領域をカバーする。これらから、バックグラウンドフリー吸収信号が
計算され得る。このIR信号は、βゲージ信号と組み合わせて使用されて、シート材料1
80a(例えば、プラスチックシート)の単位面積当たりの重量を決定することができる
。測定装置100は、βゲージ110と、X線センサ又はIRセンサを含む第2のセンサ
120とを搭載するための上部走査ヘッド160a及び下部走査ヘッド160bを含む、
図1に示す走査ヘッド160を備えている。走査ヘッド160の位置の制御は周知である
。走査ヘッド160は、複合シート180の幅の一部又は全幅を走査することができる。
【0021】
走査ヘッド160a、160bの内部では、それぞれのセンサ110、120は、機
械方向(MD)又は横断方向(CD)に平行であり得る線に沿って取り付けられる。走査
ヘッド160a、160bは、走査ヘッド160a、160b間で移動する複合シート1
80の画像を現像するために、ウェブ全体を走査することができる。当該技術分野におい
て既知のRX110b、120bからの信号は、フィルタ、アナログデジタル変換器(A
DC)、及び増幅器を含む電子機器(図示せず)によって処理され、その後、図1に示す
関連メモリ152を有するプロセッサ151を含む計算装置150に伝達される。また図
示されていないが、概してプロセッサ151とTX110a、120aとの間には、少な
くともデジタルアナログ変換器(DAC)を概して備える電子機器がある。
【0022】
プロセッサ151は、受信した測定値を取得し、アルゴリズム又はデジタル論理を使
用して高zコーティング重量を計算する。この処理の一部は、センサ自体内で行われ得る
ことに留意されたい。走査ヘッド160a、160bのヘッド位置又は機械方向位置など
、プロセッサ151への他の入力が存在し得る。
【0023】
X線センサ(例えば、4kV~5kV)は、より高い密度及びより高い原子番号のた
めに、概してプラスチック膜であるLiBの場合、シート材料180aの重量に対するよ
りもコーティング材料の重量に対して約10倍高感度の測定値を提供する。或いは、第2
のセンサがIRセンサを含む場合、IRセンサは、シート材料180a重量(例えばPE
を含む)に対して主に敏感であり、コーティング材料の重量に対して概ね非感受性である
測定値を提供する。開示されたβゲージとX線又はIR測定との組み合わせにより、単一
の測定装置100上で、コーティング材料180bの重量、シート材料180aの重量、
及び複合シート180の総重量を一緒に決定することが可能になる。
【0024】
当業者であれば、開示された面積重量測定値は、材料濃度、又は少なくとも複合材料
の相対濃度を測定若しくは想定する限り、厚さ測定値に変換され得ることが分かり、理解
するであろう。シート又は層の厚さを想定又は測定する場合、材料濃度も導き出すことが
できる。
【0025】
図2は、例示的な実施形態による、コーティング又は埋め込まれた粒子の重量及びシ
ート材料自体の重量を同時に決定するための別の例示的な測定装置200の描写であり、
βゲージ110と、反射系センサとして構成されたIRセンサ220とを含む。この構成
では、IRセンサ220は、いずれも上部走査ヘッド160a内に位置する送信機220
aと受信機220bとを含む。
【0026】
X線又はIRセンサを含む別のセンサとβゲージなどのβゲージ110の組み合わせ
は、単一のスキャナによる解決策を可能にする。顧客にとっては、開示された構成は概し
て、LiB製造中の重量測定のためなど、費用効率が高いであろう。本開示はまた、セラ
ミック含有コーティングを含む平坦なシート材料(低原子番号)及び/又は他の高z添加
剤(例えば、金属酸化物コーティング及び金属添加剤)を製造する他の産業にも適用され
る。
【0027】
開示される実施形態は、概して、シート材料上のあらゆるコーティング材料、例えば
、ポリマー基材中又はポリマー基材上のセラミックスコーティングの重量を決定するため
に適用され得る。上述したように、コーティング材料及びシート材料の両方は、多孔質で
あってもよい。シート材料は、異なるポリマーの複数の層、例えば、PE/PP/PE、
PP/PE/PP、PE/PP/PE/PP/PEを含むことができる。細孔を有するシ
ート材料に適用されると、上述のように、シート材料の細孔に部分的又は完全に高z材料
を埋め込むことができる。例えば、高z材料は、シート材料の細孔に含まれる高z材料の
一部、及びシート材料の上にコーティングとして提供された高z材料の一部と共に、多孔
質シート材料フィルムの細孔内の含有物として埋め込まれ得る。或いは、高z材料(例え
ば、セラミック材料)の全てがシート材料の細孔内にあってもよく、したがってコーティ
ングは存在しなくてもよい。
【0028】
様々な開示された実施形態について上述したが、それらは単なる例として提示されて
おり、限定するものではないことを理解されたい。本開示に開示される主題に対する多く
の変更は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本開示に従ってなされ得る。加
えて、特定の特徴はいくつかの実施例のうちの1つのみに関して開示されている場合があ
るが、かかる特徴は、任意の所定の又は特定の用途にとって望ましく、有利であり得るた
め、他の実施例のうちの1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
図1
図2