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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】基板処理の装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/12 20060101AFI20240109BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B08B3/12 Z
H01L21/304 643B
H01L21/304 643D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022076453
(22)【出願日】2022-05-06
(65)【公開番号】P2023037560
(43)【公開日】2023-03-15
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117867
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オム,スン フン
(72)【発明者】
【氏名】リ,スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チュ ヨン
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-170584(JP,A)
【文献】特表2014-525998(JP,A)
【文献】特開2001-286833(JP,A)
【文献】特開平10-296200(JP,A)
【文献】特開平10-163153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/12
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向の第1側から第2側に向けて移動される基板の一面を洗浄する基板処理装置であって、
洗浄液を貯蔵し、上面に第1開口部が形成された第1バスと、
前記第1バス内に設置され、前記第1開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した第1水幕を形成する第1超音波発振器と、
前記第1バスの前記第2側に位置し、洗浄液を貯蔵し上面に第2開口部が形成された第2バスと、
前記第2バス内に設置され、前記第2開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して、前記洗浄液の表面から突出した第2水幕を形成する第2超音波発振器と、を含み、
前記基板が前記第1バスに浸漬されず、前記基板の一面が前記第1開口部に隣接して配置され前記基板の前記一面が前記第1水幕によって洗浄され、その後、
前記基板が前記第2バスに浸漬されず、前記基板の前記一面が前記第2開口部に隣接して配置され前記基板の前記一面が前記第2水幕によって洗浄され、
前記第1超音波発振器の第1周波数は、20kHzから400kHzの範囲内であり、
前記第2超音波発振器の第2周波数は、700kHzから1.2MHzの範囲内であり、
前記第1バスおよび前記第2バスそれぞれにおいて、前記第1側に位置した第1側壁の第1高さは、前記第2側に位置した第2側壁の第2高さより低く、
前記第1バスおよび前記第2バスそれぞれにおいて、バス内に洗浄液を供給する供給口は、前記第2側壁に設置され、バスから洗浄液が排出される排出口は、前記第1側壁に設置される、基板処理装置。
【請求項2】
所定方向の第1側から第2側に向けて移動される基板の一面を洗浄する基板処理装置であって、
洗浄液を貯蔵し、上面に第1開口部が形成された第1バスと、
前記第1バス内に設置され、前記第1開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した第1水幕を形成する第1超音波発振器と、
前記第1バス内において、前記第1超音波発振器よりも前記第2側に設置され、前記第1開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して、前記洗浄液の表面から突出した第2水幕を形成する第2超音波発振器と、を含み、
前記基板が前記第1バスに浸漬されず、前記基板の一面が前記第1開口部に隣接して配置され前記基板の前記一面が前記第1水幕によって洗浄され、その後、前記一面が前記第2水幕によって洗浄され、
前記第1超音波発振器の第1周波数は、20kHzから400kHzの範囲内であり、
前記第2超音波発振器の第2周波数は、700kHzから1.2MHzの範囲内であり、
前記第1側に位置した前記第1バスの第1側壁の第1高さは、前記第2側に位置した前記第1バスの第2側壁の第2高さより低く、
前記第1バス内に洗浄液を供給する供給口は、前記第2側壁に設置され、
前記第1バスから洗浄液が排出される排出口は、前記第1側壁に設置される、基板処理装置。
【請求項3】
前記第1、第2水幕の高さは、前記第1高さと前記第2高さの間の差より大きい、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板の洗浄が進められる間、前記供給口を介して洗浄液が持続的に供給される、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1バス上に配置された気体供給器をさらに含み、
前記第1バスと前記気体供給器の間に前記基板が配置され、前記基板の他面が前記気体供給器に向き、
前記気体供給器は前記基板の他面に気体を供給して、前記基板の他面の汚染を防止する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記気体供給器は円筒型で配置されたボディと、前記ボディの側面に多数の気体排出口が形成され、各気体排出口は前記ボディの長さ方向に延長される、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1超音波発振器は多数であり、多数の第1超音波発振器は前記所定方向に直交する方向に一列に配置され、および、
前記第2超音波発振器は多数であり、多数の第2超音波発振器は前記所定方向に直交する方向に一列に配置された請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1超音波発振器は多数であり、
前記多数の第1超音波発振器は「<」形状に配置され、前記「<」形状の頂点が第2側に向かうように配置された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1超音波発振器の超音波により形成された前記第1水幕では、キャビテーション現象をおこして、前記基板の前記一面の洗浄を行い、
前記第2超音波発振器の超音波により形成された前記第2水幕では、キャビテーション現象をおこさずに、前記基板の前記一面の洗浄を行う、請求項1または請求項2に記載の基処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理の装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷装備は、弾着精度計測のためにテスト用フィルムにインクを吐出する。使用されたテスト用フィルムは廃棄されるので多くの費用が発生する。したがって、テスト用フィルムを洗浄してテスト用フィルムを繰り返し再使用でき作業性が改善された連続洗浄装置の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許第2001-0057041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、作業性が改善された基板処理装置を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、作業性が改善された基板処理方法を提供することである。
【0006】
本発明の課題は上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、洗浄液を貯蔵し、上面に第1開口部が形成された第1バス、および,前記第1バス内に設置され、前記第1開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した水幕を形成する第1超音波発振器を含み、基板が前記バスに浸漬されず、前記基板の一面が前記第1開口部に隣接して配置され前記基板の一面が前記水幕によって洗浄される。
【0008】
前記の課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、洗浄液を貯蔵し、上面に第1開口部が形成された第1バスと、前記第1バス内に設置され、前記第1開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって第1周波数の超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した第1水幕を形成する第1超音波発振器と、前記第1バスの一側に配置され、洗浄液を貯蔵し、上面に第2開口部が形成された第2バスと、前記第2バス内に設置され、前記第2開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって前記第1周波数より大きい第2周波数の超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した第2水幕を形成する第2超音波発振器を含み、ロール形態に巻かれた基板が巻出しされながら前記第1バスの上側と前記第2バスの上側を順に通過し、前記基板が前記第1バスおよび第2バスに浸漬されず、前記基板の一面が前記第1開口部および第2開口部に隣接して通過しながら、前記基板の一面が前記第1水幕および第2水幕により洗浄され、前記第1バスは前記第2バスに対向しない第1側壁と前記第2バスに対向する第2側壁を含み、前記第2側壁の第2高さが、前記第1側壁の第1高さより高い。
【0009】
前記の課題を達成するための本発明の基板処理方法の他の面は,洗浄液を貯蔵し上面に開口部が形成されたバスと、前記バス内に設置された超音波発振器を含む基板処理装置が提供され、前記超音波発振器は前記開口部により露出した前記洗浄液の表面に向かって超音波を提供して前記洗浄液の表面から突出した水幕を形成し、ロール形態に巻かれた基板が巻出されながら前記基板の一面が前記バスの開口部に隣接して通過し、前記基板は前記バスに浸漬されず、前記基板の一面が前記水幕によって洗浄されることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。
図2図1に示す洗浄部を説明するための図である。
図3図2の洗浄部内での多数の第1超音波発振器の配置を説明するための図である。
図4】本発明の第2実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図5】本発明の第3実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図6】本発明の第4実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図7】本発明の第5実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図8】本発明の第6実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図9】本発明の第7実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
図10】本発明の第8実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための概念図である。
図11】本発明の第9実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための概念図である。
図12図11に示す気体供給器の他の例を説明するための斜視図である。
図13】本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義されるものである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指すものである。
【0012】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子を裏返した場合、他の素子の「下(below)」または、「下(beneath)」と記述された素子は、他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は、下と上の方向を両方含み得る。素子は他の方向に配向されてもよく、このため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0013】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使用されるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションは、これらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを、他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは、本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションでもあり得るのはもちろんである。
【0014】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにおいて、図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これについての重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。図2は、図1に示す洗浄部を説明するための図である。図3は、図2の洗浄部内での多数の第1超音波発振器の配置を説明するための図である。
【0016】
まず図1を参照すると、本発明の第1実施形態による基板処理装置は、基板10、ヘッド50、洗浄部100などを含む。
【0017】
基板10は、多数の駆動ロール20によって一方向に回転することができる。これにより基板10は移動方向DRに沿って移動することができる。図面では、移動方向DRは第1側(図2のR方向)から第2側(図2のL方向)に移動する方向で示した。基板10はフレキシブル基板であって、例えばロール形態に巻かれたフィルムであり得るが、これに限定されない。例えば基板10は、駆動ロール20によって一方向に回転するベルト上に固定/配置された基板(ガラス基板、シリコン基板など)でもあり得る。
【0018】
ヘッド50は、駆動ロール20によって回転する基板10の上側(図2のU方向)に配置され、基板10の一面上にインク51を吐出する。
【0019】
洗浄部100は、駆動ロール20によって回転する基板10の下側(図2のD方向)に配置され、吐出されたインク51によって基板10の一面上に形成された弾着群52を洗浄する。1は、超音波の発振によって生成された水幕を用いて弾着群52を洗浄する。
【0020】
ここで図2を参照すると、洗浄部100は、第1バス110、第1超音波発振器120、洗浄液供給部140、洗浄液排出部150などを含む。
【0021】
第1バス110は洗浄液を貯蔵し、上面には第1開口部110aが形成される。洗浄液は弾着群52を洗浄するための多様な薬液が可能であり、例えば、DIW(De-ionized Water)であり得るが、これに限定されない。
【0022】
第1バス110内には第1超音波発振器120が設置されている。
【0023】
第1超音波発振器120は、第1開口部110aにより露出した洗浄液の表面130に向かって超音波を提供して、洗浄液の表面130から突出した水幕131を形成する。
【0024】
第1超音波発振器120の発振出力を調節することにより、突出した水幕131の高さH0を調節することができる。本発明の第1実施形態による基板処理装置において、突出した水幕131の高さH0は、例えば、洗浄液の表面130から約10mmないし15mmであり得るがこれに限定されない。
【0025】
第1超音波発振器120の発振周波数を調節することにより、洗浄するターゲット物質を変更することができる。
【0026】
例えば、発振周波数はウルトラソニック(ultrasonic)とメガソニック(megasonic)に区分できる。
【0027】
ウルトラソニックは数十ないし数百kHzの範囲、例えば、20kHzないし400kHzの範囲であり得る。ウルトラソニックは、キャビテーション現象を利用した洗浄を可能にする。ウルトラソニックを洗浄液内に印加すると、洗浄液内で気泡が弾けながら被洗浄物の異物を破壊または隔離させることができる。
【0028】
メガソニックは数MHz、例えば、700kHzないし1.2MHzの範囲であり得る。メガソニックを用いると、サブミクロン(sub-micron)サイズの異物を除去することができる。メガソニックはウルトラソニックと違ってキャビテーション現象を起こさず、粒子加速度を増大させて被洗浄物の異物を剥離させる。
【0029】
ウルトラソニックは、相対的に大きい異物(例えば、数μm)を除去し、メガソニックは相対的に小さい異物(例えば、1μm以下)を除去することができる。
【0030】
第1超音波発振器120は、ターゲット物質のサイズを考慮して、適切な範囲の発振周波数を有する超音波を生成する。
【0031】
基板10は、第1バス110内に浸漬されず、基板10の一面が第1開口部110aに隣接して通過する。基板10の一面が第1超音波発振器120により形成された突出した水幕131によって洗浄される。
【0032】
図3は、第1バス110を上から見た平面図である。図示されたように、基板10が移動方向DRに沿って(例えば、第1側Rから第2側Lへ)移動することができる。第1バス110内には多数の第1超音波発振器120が設置されることができ、多数の第1超音波発振器120は、第1バス110内で、前記基板10の幅方向と並んで配置されることができる。図面では、多数の第1超音波発振器120が前方Fから後方B方向に一列に配置されたものとして示しているが、これに限定されない。多数の第1超音波発振器120が基板10の幅方向と並んで配置されることにより、基板10の全面の異物(すなわち、弾着群52を含む)を効率的に洗浄することができる。
【0033】
再び図2を参照すると、第1バス110には洗浄液を供給する供給口141と、洗浄液が排出される排出口151を含む。
【0034】
供給口141は洗浄液供給部140と連結される。具体的に図示していないが、洗浄液供給部140は洗浄液を貯蔵する貯蔵タンク、貯蔵タンクから洗浄液を供給するためのポンプ、および/または供給する洗浄液の量を調節するためのバルブなどを含むことができる。
【0035】
排出口151は洗浄液排出部150と連結される。具体的に図示していないが、洗浄液排出部150は、排出された洗浄液を保管するための貯蔵タンクおよび/または排出された洗浄液をリサイクリングするためのリサイクラーなどを含むことができる。
【0036】
特に、基板10が第1側Rから第2側Lに移動する際、供給口141は、第1バス110の側壁のうち第2側Lに位置する第2側壁110Lに位置する。また、排出口151は、第1バス110の側壁のうち第1側Rに位置する第1側壁110Rに位置する。また、第1バス110において供給口141の高さは、排出口151の高さより低く位置する。また、基板10の洗浄が進められる間、供給口141を介して洗浄液が持続的に供給される。このような供給口141の位置および洗浄液の供給方式によって、第1バス110内で洗浄液は第2側Lから第1側Rに流れるようになる。
【0037】
すなわち、基板10は第1側Rから第2側Lに移動し、洗浄液は第2側Lから第1側Rに流れる。こうすることにより、洗浄された基板10の一面が再汚染することを防止することができる。なぜなら、突出した水幕131によって基板10の一面から離脱した異物が洗浄液の表面130に落ちても、前記異物が再び基板10の一面に着かず第1側Rの排出口151を介して排出されることができる。
【0038】
図4は、本発明の第2実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。説明の便宜上、図1ないし図3を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0039】
図4を参照すると、洗浄部101の第1バス110の上面は傾いている。したがって、上面に設置された第1開口部110aも傾くことができる。
【0040】
具体的には、基板10が第1側Rから第2側Lに移動する際、第1バス110の側壁のうち、第1側Rに位置する第1側壁110Rの第1高さH1は、第2側Lに位置する第2側壁110Lの第2高さH2より低い。
【0041】
基板10の一面は第2側壁110Lと衝突せず(すなわち、接触せず)、第1バス110の第1開口部110aに隣接して通過しなければならない。ここで、水幕131の高さH0は十分に高く、基板10の一面を洗浄できなければならない。このために、水幕131の高さH0は、第1高さH1と第2高さH2間の差より大きくてもよい(すなわち、H0>H2-H1)。
【0042】
第1バス110がこのような構造(すなわち、H2>H1)を有するので、洗浄された基板10の一面が再汚染されることが防止できる。洗浄液供給部140が洗浄液を持続的に十分に供給すると、洗浄液が排出口151だけでなく第1バス110の側壁を越えて流れることがあり得る。しかし、第2側壁110Lの第2高さH2が第1側壁110Rの第1高さH1より高いので、洗浄液は第2側壁110L方向にはあふれず第1側壁110R方向にあふれるようになる。
【0043】
基板10が第1側Rから第2側Lに移動するので、突出した水幕131に接触する前の基板10の部分(すなわち、第1側Rに位置する基板10)は未洗浄状態であり、突出した水幕131に接触した後の基板10の部分(すなわち、第2側Lに位置する基板10)は洗浄された状態である。もし、洗浄液が第2側壁110L方向にあふれることになれば、洗浄された基板10が再汚染される可能性がある。したがって、洗浄液が第1側壁110R方向だけにあふれるように誘導して、洗浄された基板10の再汚染を防止することができる。
【0044】
図5は、本発明の第3実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。説明の便宜上、図1ないし図4を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0045】
図5を参照すると、洗浄部102は第1バス110と、第1バス110を囲む補助バス160を含む。
【0046】
前述したように、第1側Rに位置する第1側壁110Rの第1高さH1は、第2側Lに位置する第2側壁110Lの第2高さH2より低い。ここで、洗浄液供給部140が洗浄液を持続的に十分に供給すると、洗浄液は第2側壁110L方向にはあふれず第1側壁110R方向にあふれることになる。
【0047】
補助バス160は、第1バス110を囲むように形成され、第1バス110からあふれる洗浄液を一時的に貯蔵する。補助バス160の第1側Rには排出口161が設置される。排出口161は洗浄液排出部150と連結される。
【0048】
図6は、本発明の第4実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。説明の便宜上、図1ないし図4を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0049】
図6を参照すると、基板10の移動方向DR1は傾いている。移動方向DR1の傾いた程度と、第1開口部110aの傾いた程度は実質的に同一であり得る。基板10の移動方向DRが平らでなくても、基板10が第2側壁110Lと衝突しない範囲内で、第1バス110を自由に位置変更および設置して使用することができる。
【0050】
図7は、本発明の第5実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
【0051】
図7を参照すると、基板10が移動方向DRに沿って(例えば、第1側Rから第2側Lに)移動する。
【0052】
第1バス110内には多数の第1超音波発振器120が設置されることができ、多数の第1超音波発振器120は「<」形状に配置され、「<」形状の頂点(120aを参照)が第2側Lに向かうように配置されることができる。
【0053】
このように配置され、基板10が第1側Rから第2側Lに移動すると、基板10の中心から基板10の縁へ順に洗浄される。すなわち、「<」形状の頂点に位置した第1超音波発振器120aによって基板10の中心から洗浄され始める。基板10が第2側Lに少し移動すると、第1超音波発振器120bにより基板10が洗浄される。このような方式で、基板10が第2側Lに完全に移動すると、「<」形状の一番終わりに位置した第1超音波発振器120cによって基板10の縁が洗浄される。
【0054】
図8は、本発明の第6実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。図9は、本発明の第7実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための図である。
【0055】
図8および図9を参照すると、第1バス110内には多数の第1超音波発振器120と多数の第2超音波発振器121が設置される。
【0056】
第1超音波発振器120と第2超音波発振器121は、互いに異なるサイズの異物を除去することができる。第1超音波発振器120は相対的に大きいサイズの異物を除去するために、ウルトラソニックを生成することができる。第2超音波発振器121は相対的に小さいサイズの異物を除去するために、メガソニックを生成することができる。
【0057】
図8に示すように、多数の第1超音波発振器120が前方Fから後方B方向に一列に配置される。多数の第2超音波発振器121も前方Fから後方B方向に一列に配置される。第1超音波発振器120による列と、第2超音波発振器121による列は、一定距離G1だけ離隔することができる。
【0058】
図9に示すように、第1バス110内には、多数の第1超音波発振器120と多数の第2超音波発振器121は互いにジグザグに配列されることができる。
【0059】
図10は、本発明の第8実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための概念図である。
【0060】
図10を参照すると、本発明の第8実施形態による基板処理装置は、連続で配置された第1洗浄部101と第2洗浄部201を含む。
【0061】
第1バス110は洗浄液を貯蔵し、上面に第1開口部110aが形成される。基板10が第1側Rから第2側Lに移動する際、第1バス110の側壁のうち、第1側Rに位置する第1側壁110Rの第1高さH1は、第2側Lに位置する第2側壁110Lの第2高さH2より低い。
【0062】
第1超音波発振器120は第1バス110内に設置され、第1開口部110aにより露出した洗浄液の表面に向かって第1周波数の超音波を提供する。第1周波数の超音波によって洗浄液の表面から突出した第1水幕131を形成する。
【0063】
第2バス210は第1バス110の一側に配置される。基板10の移動方向DRを基準として見るとき、第2バス210は第1バス110より後方に配置される。第2バス210は洗浄液を貯蔵し、上面に第2開口部210aが形成される。
【0064】
基板10が第1側Rから第2側Lに移動する際、第2バス210の側壁のうち、第1側Rに位置する第3側壁210Rの第3高さH11は、第2側Lに位置する第4側壁210Lの第4高さH12より低い。
【0065】
第2超音波発振器121は第2バス210内に設置され、第2開口部210aにより露出した洗浄液の表面に向かって第1周波数より大きい第2周波数の超音波を提供する。第2周波数の超音波によって洗浄液の表面から突出した第2水幕231を形成する。
【0066】
ロール形態に巻かれた基板10が巻出されながら第1バス110の上側と第2バス210の上側を順に通過するが、基板10が第1バス110および第2バス210に浸漬されない。基板10の一面が第1開口部110aおよび第2開口部210aに隣接して通過しながら、基板10の一面が突出した第1水幕131および第2水幕231により洗浄される。
【0067】
第1周波数の超音波は、例えばウルトラソニックであり得る。第2周波数の超音波は例えばメガソニックであり得る。したがって、第1周波数の超音波によって相対的に大きい異物(例えば、数μm)を除去し、第2周波数の超音波によって相対的に小さい異物(例えば、1μm以下)を除去する。多様な発振周波数を使用する第1洗浄部101と第2洗浄部201を連続的に配置することにより、多様な大きさの異物を除去することができるため、洗浄効率を高めることができる。
【0068】
基板の洗浄が進められる間、第1バス110の供給口を介して洗浄液が持続的に供給され、第1側壁110Rにあふれるようになる。第2バス210の供給口を介して洗浄液が持続的に供給され、第3側壁210Rにあふれることになる。
【0069】
前述したような第1バス110および第2バス210の構造および洗浄液の供給方法のため、洗浄された基板10の一面が再汚染されることが防止できる。
【0070】
図11は、本発明の第9実施形態による基板処理装置で使用される洗浄部を説明するための概念図である。説明の便宜上、図1ないし図10を用いて説明したことと実質的に同一な内容は省略する。
【0071】
図11を参照すると、本発明の第9実施形態による基板処理装置で、第1バス110上に配置された気体供給器190をさらに含む。第1バス110と気体供給器190の間に基板10が配置され、基板10の他面(すなわち、突出した水幕13により洗浄される一面の反対側の面)が気体供給器190に向く。
【0072】
気体供給器190は、基板10の他面に気体を供給して、基板10の他面の汚染を防止することができる。気体供給器190は、正の圧力を有する気体を供給することができる。
【0073】
気体供給器190の形状は多様であり得る。図示するように、気体供給器190はエアーナイフ(air knife)形態であり得る。
【0074】
図12は、図11に示す気体供給器の他の例を説明するための斜視図である。
【0075】
図12を参照すると、気体供給器191は円筒型で配置されたボディ192と、ボディ192の側面に多数の気体排出口193を含み、各気体排出口193はボディ192の長さ方向に延長される。
【0076】
各気体排出口193は、互いに異なる方向に正の圧力を有する気体を供給することができる(図面符号a1、a2、a3を参照)。したがって、基板の多様な領域に気体を供給することができ、基板の他面に汚染が発生することが防止できる。また、基板はフレキシブル基板(すなわち、ロール形態に巻かれたフィルム)の場合、基板が曲がっている領域上に気体供給器191が形成されることもできる。このような場合にも、気体供給器191は多様な方向に気体を供給することができるため、汚染防止の効率を上げることができる。
【0077】
図13は、本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0078】
図2および図13を参照すると、まず基板処理装置が提供される(S310)。基板処理装置は洗浄液を貯蔵し、上面に開口部110aが形成された第1バス110と、バス110内に設置された第1超音波発振器120を含む。
【0079】
次に、第1超音波発振器120は、開口部110aにより露出した洗浄液の表面に向かって超音波を提供して、洗浄液の表面130から突出した水幕131を形成する。
【0080】
次に、ロール形態に巻かれた基板10が巻出されながら基板10の一面が第1バス110の開口部110aに隣接して通過するが、基板10は第1バス110に浸漬されず、基板10の一面が水幕131により洗浄される。
【0081】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず異なる具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0082】
10 基板
20 駆動ロール
50 ヘッド
100 洗浄部
110 第1バス
120 第1超音波発振器
130 表面
131 水幕
140 洗浄液供給部
150 洗浄液排出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13