(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】液体食器手洗い用洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/83 20060101AFI20240109BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20240109BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
C11D1/83
C11D1/02
C11D1/66
C11D1/68
C11D1/72
C11D1/29
C11D1/88
C11D1/75
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022105823
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2021117530
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】カルル・ギスラン・ブレクマン
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・マリー・フランソワ・ルネ・ド・レイド・ド・ヴュルピリエール
(72)【発明者】
【氏名】ロッコ・タルチニ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ・ソリエ
(72)【発明者】
【氏名】イリアーニ・デル・カルメン・ロハス・ナヴァ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-154506(JP,A)
【文献】特開平08-053694(JP,A)
【文献】特開平01-318089(JP,A)
【文献】特開2006-182905(JP,A)
【文献】特開2003-105386(JP,A)
【文献】特開2000-336392(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0020467(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 -19/00
A61K 8/00 - 8/99
A61Q 1/00 -90/00
B08B 3/00 - 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食器手洗い用洗浄組成物であって、前記組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、前記界面活性剤系が、
(a)アニオン性界面活性剤と、
(b)前記組成物の
5.0重量%~17.0重量
%の非イオン性界面活性剤と、
(c)補助界面活性剤と、を含み、
前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、前記非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との混合物を含み、前記第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド界面活性剤であり、
前記第2の非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤であり、
前記アニオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、1:1~
3:1であり、前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である、液体食器手洗い用洗浄組成物。
【請求項2】
前記非イオン性界面活性剤の量が、前記組成物
の10.0重量%~17.0重量
%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1.1:1~3:
1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18アルキルポリグルコシドから選択され
、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.
0の数平均重合度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、2:1~1:
2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が
、そのアルキル鎖において平均で9~15
個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5~1
2単位のエチレンオキシドを含む、直鎖又は分枝鎖の一級又は二級のアルキルアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性
剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アニオン性界面活性剤が、5未
満の平均アルコキシル化度を有するアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含
む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、平均で10~14
個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、5未
満の平均エトキシル化度を有するアルキルエトキシサルフェートである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、5%~60
%の平均分枝レベルを有する分枝鎖アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤である、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記補助界面活性剤が、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され
る、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、20℃の脱塩水中の10%水溶液として測定して、7.0~10.0のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、8:1~1:
1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
液体食器手洗い用洗浄組成物であって、
(a)前記組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、前記界面活性剤系が、
(i)アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホネートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
(ii)前記組成物の
5.0重量%~17.0重量
%の非イオン性界面活性剤であって、前記非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤と、を含み、前記第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤であ
り、
前記第2の非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤である、非イオン性界面活性剤と、
(iii)補助界面活性剤と、を含み、
前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、
前記アニオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、1:1~
3:1であり、
前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である、液体食器手洗い用洗浄組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法であって、前記方法が、
i)アルキルポリグルコシド界面活性剤である第1の非イオン性界面活性剤、及びヒドロトロープを混合して、プレミックスを形成することと、
ii)前記プレミックスを使用して前記組成物を形成するこ
とと、を含み、
前記ヒドロトロープが、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにそれらの混合
物から選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食器手洗い用洗浄組成物に関する。特に、経年状態にわたって良好な物理的安定性プロファイルを提示しながら、異なる消費者洗浄習慣下で良好な起泡及び油脂洗浄を送達するために、アニオン性界面活性剤、補助界面活性剤、並びに第1及び第2の非イオン性界面活性剤の混合物を含む界面活性剤系を含む液体食器手洗い用洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器手洗い用洗浄組成物は、洗浄プロセス中に豊かな泡立ち特性を維持しつつ、汚れた食器から油脂を除去するのに非常に効果的であるように配合される。特に、油脂に対する洗浄力を改善するために、食器手洗い用洗浄組成物は、従来、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤などの洗浄効果を提示する成分と配合されてきた。さらに、洗浄力性能の視覚的信号と考えられるフラッシュ起泡は、多くの消費者にとって重要である。この利点を提供するために、液体皿洗い用洗剤組成物は、多くの場合、比較的高度のアルコキシル化、特にエトキシル化を有するアニオン性界面活性剤を含有し、それらをより水溶性にする。しかしながら、これらの高度にアルコキシル化されたアニオン性界面活性剤の欠点は、効率的な油脂又は油除去を犠牲にする。さらに、比較的高濃度の界面活性剤は、特に油脂洗浄の利点を提供するのに役立つが、いくつかの課題のうちの少なくとも1つを提起する場合がある。
【0003】
例えば、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が使用されるが、濃度は最小限に抑えられるべきであり、そうでなければ、アニオン性界面活性剤は、貯蔵安定性の問題を引き起こす可能性がある。追加的に、アニオン性界面活性剤の選択及び濃度は、脂肪汚れの存在下で発泡性及び/又は起泡持続性に悪影響を与え得るとみなされる。追加的に、高濃度で非イオン性界面活性剤を使用すると、起泡持続性並びに油脂洗浄に悪影響を与える課題を提起する。これらの課題を考慮すると、配合者は、典型的には、界面活性剤の制限を有し、次に、貯蔵安定性、油脂洗浄、及び発泡性、例えば、起泡持続性及びフラッシュ起泡の利点のすべてを有する組成物を配合する能力を最小限に抑える。これは、利用可能な利点の広がり、それゆえ、ユーザに対する食器手洗い用洗浄及び洗浄経験を低減させる。
【0004】
上文で説明された利点のうちのいくつかの実証を記載する特許文献としては、特開第2020-196811(A)号及び欧州特許出願公開第0551410(A1)号が挙げられる。特開第2020-196811(A)号は、油脂除去、貯蔵安定性及び発泡性の利点に関する洗浄性を有する洗剤組成物を記載し、組成物は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、アルキルポリグルコシド界面活性剤を含む非イオン性界面活性剤と、プロピレンオキシド単位を含有するポリアルキレンオキシドとの組み合わせを有する。欧州特許出願公開第0551410(A1)号は、改善された洗浄及び起泡性能を有する洗剤組成物を記載しており、組成物は、1つ以上のアニオン性硫酸塩又はスルホネート界面活性剤、1つ以上のポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びマグネシウムを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開第2020-196811(A)号
【文献】欧州特許出願公開第0551410(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、貯蔵安定性、油脂洗浄、並びに発泡性、例えば、起泡持続性及びフラッシュ起泡の利点のすべてを提供する、改善された液体食器手洗い用組成物が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液体食器手洗い用洗浄組成物に関し、組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、界面活性剤系が、
(a)アニオン性界面活性剤と、
(b)組成物の18.4重量%未満の非イオン性界面活性剤と、
(c)補助界面活性剤と、を含み、
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との混合物を含み、第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド界面活性剤であり、
アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比が、1:1~8:1であり、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、貯蔵安定性、フラッシュ起泡、起泡持続性、及び油脂洗浄の利点を提供する、液体食器手洗い用洗浄組成物(以下、「液体洗浄組成物」)に関し、それによって、食器を洗浄するための包括的なオプションをユーザに提供する。具体的には、液体洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を有する界面活性剤系を含み、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比は、1:1~3:1であり、非イオン性界面活性剤は、組成物の18.4重量%以下の量である。非イオン性界面活性剤は、第1の非イオン性界面活性剤及び第2の非イオン性界面活性剤を含む。第1の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド界面活性剤である。第2の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド界面活性剤とは異なる非イオン性界面活性剤である。第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である。界面活性剤系は、補助界面活性剤をさらに含み、アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比は、1:1~8:1である。
【0009】
1:1~3:1の非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比、組成物の18.4重量%以下のレベルの非イオン性界面活性剤、1:1~8:1のアニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比、及び3:1~1:3の第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比を有する液体洗浄組成物の技術的効果は、フラッシュ起泡、起泡持続性、油脂洗浄、低温における安定性の提示、及び室温において相分離がないことを測定可能に改善することができる。本発明による組成物はまた、良好な製品溶解、並びに良好なすすぎ感触特性、例えば、すすぎ溶液の非油性の感触、並びに食器の滑りのない感触を送達することも見出されている。
【0010】
本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。
【0011】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は記述されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0012】
本明細書で使用するとき、「含む」という用語は、特に言及したもの以外の工程及び成分を付加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載されるあらゆる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限事項を含み、これらからなり、あるいは、これらから本質的になることができる。
【0013】
本明細書で使用するとき、「食器」という用語には、非限定的な例として、セラミック、陶磁器、金属、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、及び木材で製造された調理器具及び食卓用食器類が含まれる。
【0014】
本明細書で使用する場合、「油脂」又は「油脂性の」という用語は、物質が、少なくとも部分的に(すなわち、物質中の油脂の少なくとも0.5重量%)、飽和及び不飽和の脂肪及び油、好ましくは、牛肉、豚肉、及び/又は鶏肉などの動物性原料に由来する油及び脂肪を含んでいることを意味する。
【0015】
「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含むこと(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、「粒子状汚れ」という用語は、無機及びとりわけ有機の固体汚れ粒子、とりわけ食物粒子、非限定的な例としては、超微粒子状元素状炭素、焼成された油脂粒子、及び肉粒子を意味する。
【0017】
本明細書で使用する場合、「起泡プロファイル」という用語は、食器洗いプロセスの間の起泡の性質に関する洗浄組成物の特性を指す。洗浄組成物の「起泡プロファイル」という用語は、水性洗浄溶液中の洗浄組成物の溶解及び撹拌、典型的には手動撹拌の際に生成した初期起泡体積、並びに食器洗いプロセス中の起泡の保持を含む。好ましくは、「良好な起泡プロファイル」を有することを特徴とする食器手洗い用洗浄組成物は、特に食器手洗いプロセスのかなりの部分又は全体にわたって、大きな初期起泡体積及び/又は持続性の起泡体積を有する傾向がある。これは、十分な洗浄組成物が投入されたことの指標として消費者が起泡の大きさを使用するので、重要である。さらに、消費者はまた、食器洗いプロセスの終盤に向かっていても、起泡体積が持続していることを、十分な活性洗浄成分(例えば、界面活性剤)が存在していることの指標として使用する。消費者は、通常、起泡が少なくなったときに洗浄溶液を新しくする。したがって、低起泡洗浄組成物は、起泡レベルが低いことから、消費者によって必要以上に頻繁に補給される傾向がある。
【0018】
本明細書で使用される「フラッシュ起泡」は、本出願の試験方法の項で以下に記載されるフラッシュ起泡性能を審査するための試験方法に従って発生した泡の総体積を指す。フラッシュ起泡はまた、食器手洗いのためのスポンジと共に初期の使用時に発生し、消費者に対する製品有効性の速度をシグナリングする初期起泡としても知られる、フラッシュ起泡。
【0019】
本明細書に記載され、特許請求される、出願人らによる発明のパラメータのそれぞれの値を決定するには、本出願の試験方法の項に開示される試験方法が使用されなければならない点は理解されよう。
【0020】
特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、文脈より明らかであるように、すべての割合は、全組成物の重量に基づくものである。特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、すべての比は重量比であり、すべての測定は、特に指定しない限り25℃で行われる。
【0021】
液体洗浄組成物
洗浄組成物は、液体洗浄組成物、好ましくは液体食器手洗い用洗浄組成物であり、したがって液体形態にある。本液体洗浄組成物は、好ましくは、水性洗浄組成物である。したがって、本組成物は、本組成物全体の50重量%~85重量%、好ましくは50重量%~75重量%の水を含むことができる。
【0022】
液体洗浄組成物は、20℃の脱塩水中の10%水溶液として測定して、6.0以上のpH、又は6.0~12.0、6.5~11.0、7.0~10.0のpH、又は上で説明された上限値及び下限値の異なる組み合わせ若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせを有する。
【0023】
本発明の液体洗浄組成物は、ニュートン流体であっても非ニュートン流体であってもよいが、好ましくはニュートン流体である。液体洗浄組成物は、好ましくは、粘度計のRPMが40%~60%のトルクを実現するように調整されたスピンドル18を使用するBrookfield RT粘度計を用いて20℃で測定され、500cps以下、300cps以下、50~300cps、又は上で説明された上限値及び下限値の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせの粘度を含む。
【0024】
界面活性剤系
本発明の液体洗浄組成物は、界面活性剤系の組成物の5重量%~50重量%、8重量%~45重量%、15重量%~40重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせを含み得る。界面活性剤系は、組成物の18.4重量%以下のレベルのアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比は、1:1~3:1である。界面活性剤系は、補助界面活性剤をさらに含み、アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比は、1:1~8:1である。第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である。
【0025】
非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を1:1~3:1の重量比で有し、アルキルポリグルコシド界面活性剤を含む界面活性剤系を含む液体洗浄組成物を提供する効果的な洗浄及び安定性の利点は、例1において明示される。具体的には、例1におけるデータは、組成物の14.2重量%のレベルで非イオン性界面活性剤を有する本発明の組成物1、及び本発明による1:1~3:1の重量比内で1.5:1の非イオン性界面活性剤(アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤及びアルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤とは異なる非イオン性界面活性剤)とアニオン性界面活性剤(アルキルエトキシサルフェートアニオン性界面活性剤)との重量比を有する本発明の組成物1が、すべての評価される利点、すなわち、全体的なフラッシュ起泡優位性(154mLの発生した泡)、低温における安定性の提示、室温での相分離なし、並びに優秀な起泡持続性(スコア121)及び油脂洗浄結果(スコア98)に関して最良の性能結果を明示することを示す。これは、組成物の18.4重量%(組成物の19重量%)以下のレベルで非イオン性界面活性剤を有さない比較組成物A、及び1:1~3:1(1:1.3)の非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比を有さない比較組成物Bに対して、すべての利点における改善である。
【0026】
例示的な例では、本発明はまた、液体食器手洗い用洗浄組成物に関し、
(a)組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、界面活性剤系が、
(i)アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホネートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
(ii)非イオン性界面活性剤であって、非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤と、を含み、第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤である、非イオン性界面活性剤と、
(iii)補助界面活性剤と、を含み、
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、
アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比が、1:1~8:1であり、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である。
【0027】
非イオン性界面活性剤
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤の組成物の少なくとも40重量%、40重量%~65.9重量%、40重量%~65重量%、又は上で説明された上限及び下限値の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせを含む。
【0028】
非イオン性界面活性剤は、組成物の5.0重量%~18.4重量%、10.0重量%~17.0重量%、12.0重量%~16.0重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の値の組み合わせの量であり得る。
【0029】
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比は、1:1~3:1、1.1:1~3:1、1.3:1~2:1、又は上で説明された上限及び下限の比の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の比の組み合わせであり得る。
【0030】
非イオン性界面活性剤は、第1の非イオン性界面活性剤及び第2の非イオン性界面活性剤を含み、第1の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤である。
【0031】
本発明による液体洗浄組成物中で第1及び第2の非イオン性界面活性剤の混合物を提供することと、有効な洗浄及び安定性の利点が、例2に明示される。具体的には、例2のデータは、(アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤の非限定的な例として)C10~C16アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤及び(第2の非イオン性界面活性剤の非限定的な例として)C9~C11アルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を有する本発明の組成物1が、すべての評価される利点、すなわち、全体的なフラッシュ起泡優位性(154mLの発生した泡)、低温における安定性の提示、室温での相分離なし、並びに優秀な起泡持続性(スコア121)及び油脂洗浄結果(スコア98)に関して最良の性能結果を明示する。これは、例2に記載のより低いスコアに基づいて、本発明の組成物1に対して全体的に不十分な起泡持続性、及び不十分な油脂洗浄結果を提示する、2つの異なる非イオン性界面活性剤の混合物及び単一のアルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤(C10~C16アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤)を有していない比較組成物Cに対して、すべての利点における改善である。アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤とは異なる単一の非イオン性界面活性剤、すなわち、アルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を有する比較組成物Dもまた、本発明の組成物1に対して、不十分なフラッシュ起泡の結果を提示する。
【0032】
第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比は、3:1~1:3、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、又は上で説明された上限及び下限の比の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の比の組み合わせであり得る。非イオン性界面活性剤は、第1の非イオン性界面活性剤及び第2の非イオン性界面活性剤からなり得る。
【0033】
第1の非イオン性界面活性剤-アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤
本発明の組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の10重量%~50重量%、好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~30重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含み得る。第1の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤である。
【0034】
アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、組成物の0.5重量%~20重量%、0.75重量%~15重量%、1重量%~12重量%、2重量%~10重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の値の組み合わせのレベルで液体洗浄組成物内に存在し得る。
【0035】
アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、典型的には、アルキルエトキシル化アルコールなどの他の非イオン性界面活性剤よりも起泡性が高い。
【0036】
アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C8~C18アルキルポリグルコシドから選択され得、好ましくは、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C8~C14アルキルポリグルコシド、より好ましくは、C12~C14アルキルポリグルコシドであり、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは、1.0~2.0、より好ましくは、1.2~1.6の数平均重合度を有する。
【0037】
C8~C18アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic Corporation製のSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにBASF Corporation製のGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。Glucopon(登録商標)600CSUPは、好ましい中鎖から長鎖のAPG界面活性剤である。
【0038】
C8~C18アルキルポリグルコシドは、未分画の画分の非イオン性界面活性剤を含み得、一方でC8~C14アルキルポリグルコシドは、C8~C18アルキルポリグルコシド内に分画された画分非イオン性界面活性剤を含み得、C12~C14アルキルポリグルコシドは、さらなる分画された画分非イオン性界面活性剤を含み得る。例えば、C12~C14アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、他のアルキル鎖長が存在する左過剰鎖を含み得る。これは界面活性剤製造プロセスにおいて一般的であり、そのような左過剰鎖の存在は、実質的に影響を与えないか、又はC12~C14アルキルポリグルコシドの特性に違いを引き起こすことが理解されよう。
【0039】
C12~C14アルキルポリグルコシドはまた、10個以下の炭素原子を含むアルキル鎖を有する短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と、10個超の炭素原子を含むアルキル鎖を有する長鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤とのブレンド(二峰性)であり得るが、C12~C14アルキルポリグルコシドの周囲の単峰性の分布が好ましい。
【0040】
例示的な例では、本発明は、標的表面を洗浄するための複数の利点を提供するための、相安定な液体食器手洗い用洗浄組成物中のアルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤を含む、非イオン性界面活性剤の使用を対象とし、好ましくは、標的表面は、食器であり、組成物は、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含む界面活性剤系を含み、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比は、1:1超であり、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、界面活性剤系の10%~50重量%、好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~30重量%の量であり、複数の利点が、油脂洗浄、起泡持続性、及びフラッシュ起泡を含む。
【0041】
第2の非イオン性界面活性剤
本発明の組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の10重量%~50重量%、好ましくは、15重量%~40重量%、より好ましくは、20重量%~30重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせの第2の非イオン性界面活性剤をさらに含み得る。第2の非イオン性界面活性剤は、組成物の0.5重量%~20重量%、0.75重量%~15重量%、1重量%~12重量%、2重量%~10重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の値の組み合わせのレベルで液体洗浄組成物内に存在し得る。
【0042】
第2の非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アルコキシル化アルキルフェノール非イオン性界面活性剤、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化脂肪エステル若しくは油、アルコキシル化アミン若しくは脂肪酸アミド、グリセロール/ソルビトール/スクロースを含むポリヒドロキシ化合物の脂肪酸エステル、又はこれらの混合物、好ましくは、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、最も好ましくは、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤であり得る。
【0043】
アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤
好ましくは、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは、そのアルキル鎖において平均で9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5~12、好ましくは6~10、最も好ましくは7~8単位のエチレンオキシドを含む、直鎖又は分枝鎖の一級又は二級のアルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシル化非イオン性界面活性剤である。
【0044】
アニオン性界面活性剤
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤の界面活性剤系の50重量%未満、好ましくは、10重量%~45重量%、より好ましくは、20重量%~45重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせを含むことができる。このような脂肪酸は起泡の生成を妨げるため、界面活性剤系は、好ましくは脂肪酸又はその塩を含まない。石鹸は、脂肪酸の塩であり、一般式(RCO2
-)nMn+を有し、(式中、Rはアルキルであり、Mはアルカリ金属、土類アルカリ金属、又は任意の多価金属であり、nはカチオンの電荷である)。石鹸の主要な分類は、Mn+の同一性によって決定される。例えば、MがNa(ナトリウム)又はK(カリウム)であるとき、石鹸は、手洗い用に使用されるトイレ石鹸と呼ばれる。最も好ましくは、Mは石鹸中のナトリウムである。
【0045】
好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホネートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0046】
アニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0047】
改善された油脂除去と向上された洗浄速度との組み合わせを提供するために、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均アルキル鎖長は、8~18個、好ましくは10~14個、より好ましくは12~14個、最も好ましくは12~13個の炭素原子であり得る。
【0048】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル鎖のC12及びC13鎖のモル分率は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%を有し得る。アルキル鎖のC13/C12モル比が少なくとも57/43、好ましくは60/40~90/10、より好ましくは60/40~80/20、最も好ましくは60/40~70/30であるとき、特に油脂汚れの存在下において、起泡持続性が特に改善されると同時に、粒子状汚れの存在における起泡持続性が損なわれることはない。
【0049】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のC13及びC12アルキル鎖の相対モル量は、アニオン性界面活性剤の炭素鎖長分布から導き出すことができる。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル鎖の炭素鎖長分布は、界面活性剤又はそれを構成するアルキルアルコールの供給元の技術データシートから入手することができる。代替的に、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を作製するために使用される脂肪族アルコールの鎖長分布及び平均分子量は、当該技術分野において既知の方法によって決定することもできる。このような方法としては、溶媒としてヘキサンを使用する、中極性キャピラリカラムにおける炎イオン化検出を伴うキャピラリガスクロマトグラフィが挙げられる。鎖長分布は、出発アルコール及びアルコキシル化アルコールに基づく。したがって、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、例えば塩酸を使用して、分析する前に加水分解して対応するアルキルアルコール及びアルキルアルコキシル化アルコールに戻さなければならない。
【0050】
アルキルサルフェート界面活性剤は、アルコキシル化又はアルコキシル化を含まなくてもよい。アルコキシル化された場合、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、本発明の組成物の、低温下での物理的安定性を改善し、起泡持続性を改善するために、3.5未満、好ましくは0.3~2.0、より好ましくは0.5~0.9の平均アルコキシル化度を有することができる。アルコキシル化された場合、エトキシル化が好ましい。
【0051】
平均アルコキシル化度は、すべてのアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルコキシル化度のモル平均(すなわち、モル平均アルコキシル化度)である。したがって、モル平均アルコキシル化度を計算するとき、非アルコキシル化サルフェートアニオン性界面活性剤のモルが含まれる。
モル平均アルコキシル化度=(x1*界面活性剤1のアルコキシル化度+x2*界面活性剤2のアルコキシル化度+....)/(x1+x2+....)
(式中、x1、x2、...は、混合物の各アルキル(又はアルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤のモル数であり、アルコキシル化度は、各アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のアルコキシ基の数である)。
【0052】
好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。
【0053】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、約5%~約60%、好ましくは、15%~60%、より好ましくは、20%~60%の重量平均分枝度を有することができる。
【0054】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも25重量%のC2位における分枝を含み得る(非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のサルフェート基から炭素原子をカウントし、アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のサルフェート基から最も遠いアルコキシ基からカウントして測定したとき)。より好ましくは、分枝鎖アルキル全量の75重量%超、さらにより好ましくは90重量%超が、C1~C5アルキル部分、好ましくはC1~C2アルキル部分からなる。前述の分枝度を有するアルキルサルフェート界面活性剤を使用して本発明の組成物を配合した結果、低温安定性が改善されることが判明している。このような組成物は、低温における良好な物理的安定性を達成するために必要な溶媒がより少ない。したがって、組成物は、依然として改善された低温安定性を有しながら、液体洗浄組成物の重量に基づいて、5.0重量%未満という、低濃度の有機溶媒を含み得る。界面活性剤の分枝がより多いことによっても、初期起泡生成がより速くなるが、典型的には、起泡持続性が低くなる。本明細書に記載される重量平均分枝は、改善された低温安定性、初期泡生成、及び起泡寿命を提供することが判明している。
【0055】
アニオン性界面活性剤混合物の重量平均分枝度は、以下の式を使用して計算することができる:
重量平均分枝度(%)=[(x1*アルコール1中の分枝鎖アルコール1の重量%+x2*アルコール2中の分枝鎖アルコール2の重量%+....)/(x1+x2+....)]*100
(式中、x1、x2、...は、アルキル(アルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤を生成するために(アルコキシル化及び)硫酸化の前に出発物質として用いたアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールの重量(グラム)である)。重量平均分枝度の計算では、分枝していないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を形成するために使用されたアルキルアルコールの重量が含まれる。
【0056】
重量平均分枝度及び分枝分布は、通常、界面活性剤又はそれを構成するアルキルアルコールの技術データシートから得ることができる。代替的に、分枝は、溶媒としてヘキサンを使用する、中極性キャピラリカラムにおける炎イオン化検出を伴うキャピラリガスクロマトグラフィを含む、当該技術分野において既知の分析方法を通して判定することもできる。重量平均分枝度及び分枝分布は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を生成するために使用した出発アルコールに基づく。
【0057】
好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。
【0058】
市販のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによってブランド名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによってブランド名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter & Gamble Chemicals社によって製造された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。供給元からの技術データシートから又は当該技術分野において既知の方法を使用した分析から得られた、出発アルコール内のC13及びC12の相対分率に基づいて、C12及びC13鎖の所望のモル分率及び所望のC13/C12比を実現するためにアルコールをブレンドすることができる。
【0059】
最終製品の油脂洗浄、起泡、低温安定性、及び粘度を含む性能は、アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルコキシル化分布の幅によって影響され得る。アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を作製するときの触媒及びプロセス条件の選択を通して、アルコキシル化分布を、その幅の広さを含めて変化させることができる。
【0060】
理論によって拘束されることを望まないが、エトキシル化アルキルサルフェートが存在する場合、アルコキシル化、とりわけエトキシル化工程及び硫酸化工程の両方の間に、処理条件及び原料物質の組成を厳密に管理することにより、アルコキシル化、とりわけエトキシル化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン副生物の量を低減させることができる。近年の技術進歩に基づいて、1,4-ジオキサン副生物のさらなる低減は、その後のストリッピング、蒸留、溶媒蒸発、遠心分離、マイクロ波照射、分子ふるいがけ、又は接触分解工程若しくは酵素分解酵素工程により実現することができる。アルコキシル化/エトキシル化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン含量を管理するプロセスは、当該技術分野において広く記載されている。代替として、5,6-ジヒドロ-3-(4-モルホリニル)-1-[4-(2-オキソ-1-ピペリジニル)-フェニル]-2-(1-H)-ピリドン、コラン酸の3-アルファ-ヒドロキシ-7-オキソ立体異性体混合物、3-(N-メチルアミノ)-L-アラニン及びこれらの混合物等の1,4-ジオキサン阻害剤を、1,4-ジオキサンを含む配合物に添加することによる、洗剤配合物内の1,4-ジオキサンレベルの管理もまた、当該技術分野において記載されている。
【0061】
本明細書での使用に好適なアニオン性アルキルスルホネート又はスルホン酸界面活性剤としては、酸及び塩形態の、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエステルスルホネート、一級及び二級アルカンスルホネート(パラフィンスルホネートなど)、アルファ又は内部オレフィンスルホネート、アルキルスルホン化(ポリ)カルボン酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適なアニオン性スルホネート又はスルホン酸界面活性剤としては、C5~C20アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC10~C16アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC11~C13アルキルベンゼンスルホネート、C5~C20アルキルエステルスルホネート、特にC5~C20メチルエステルスルホネート、C6~C22一級若しくは二級アルカンスルホネート、C5~C20スルホン化(ポリ)カルボン酸、及びこれらの任意の混合物を含むが、好ましくはC11~C13アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。上記界面活性剤は、その2-フェニル異性体含有率が幅広く異なり得る。アルファオレフィンのスルホン化と比較して、内部オレフィンのスルホン化は、二重結合がランダムに位置付けられるためいずれの位置でも起こることができ、これにより、IOSの親水性スルホネート及びヒドロキシル基の位置がアルキル鎖の中央になることで、様々なツインテイル分枝構造が得られる。アルカンスルホネートとしては、パラフィンスルホネート及び他の二級アルカンスルホネート(ClariantからのHostapur SAS60など)が挙げられる。
【0062】
アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステルは、式MO3SCH(CO2R’)CH2CO2Rを有する有機化合物であり、R及びR’は、H又はアルキル基であり得、Mは、ナトリウム(Na)などの対イオンである。アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤は、アルコキシル化又は非アルコキシル化、好ましくは非アルコキシル化であり得る。この界面活性剤系は、さらなるアニオン性界面活性剤を含み得る。しかしながら、本組成物は、好ましくは、界面活性剤系の30重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満のさらなるアニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、界面活性剤系は、さらなるアニオン性界面活性剤、好ましくはアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤を含まない。
【0063】
補助界面活性剤
希釈後の界面活性剤の充填を改善し、ひいては起泡持続性を改善するために、界面活性剤系は、補助界面活性剤を含み得る。補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0064】
アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比は、1:1~8:1、1:1~5:1、1:1~3:1、1.3:1~2.2:1、又は上で説明された上限及び下限比の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせであり得る。
【0065】
非イオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比は、8:1~1:1、5:1~2:1、4:1~2.5:1、又は上で説明された上限及び下限の比の異なる組み合わせ、若しくは上で列挙された範囲内の任意の値の組み合わせであり得る。
【0066】
組成物は、補助界面活性剤の洗浄組成物の0.1重量%~20重量%、0.5重量%~15重量%、2重量%~10重量%、又は上で説明された上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、若しくは上に列挙された範囲内の任意の値の組み合わせを含み得る。
【0067】
本発明の洗浄組成物の界面活性剤系は、好ましくは、界面活性剤系の最大35重量%、好ましくは、3重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~25重量%の補助界面活性剤を含む。
【0068】
補助界面活性剤は、ベタイン界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物、好ましくは、アミンオキシド界面活性剤からなる群から選択され得る。
【0069】
アミンオキシド界面活性剤は、直鎖であっても分枝鎖であってもよいが、直鎖が好ましい。好適な直鎖アミンオキシドは、典型的には、水溶性であり、式R1-N(R2)(R3)O(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3部分は、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される)を特徴とする。例えば、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピル、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができるが、R2及びR3の一方又は両方がメチルであることが好ましい。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0070】
好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10~16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10~12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12~C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、又はこれらの混合物が挙げられる。C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
【0071】
代替的な好適なアミンオキシド界面活性剤としては、中分枝鎖アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用する場合、「中分枝鎖」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分における1つのアルキル分枝は、n2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分上の窒素からアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分枝は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個の炭素原子であってもよい。1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、好ましくは、1つのアルキル分枝(n2)と炭素原子数が同じか又は類似しており、それによりその1つのアルキル部分とその1つのアルキル分枝とが対称となるようになっている。本明細書で使用する場合、「対称」とは、本明細書で使用される中分枝鎖アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル基、又は平均約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分をさらに含む。好ましくは、それらの2つの部分は、C1~3アルキルから選択され、より好ましくは、いずれもがC1アルキルとして選択される。
【0072】
代替的に、アミンオキシド界面活性剤は、ローカットアミンオキシド及びミッドカットアミンオキシドの混合物を含む、アミンオキシドの混合物であってもよい。それゆえ、本発明の組成物のアミンオキシドは、
a)アミンオキシドの重量に基づいて、約10重量%~約45重量%の式R1R2R3AO(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C1~C4アルキル、又はこれらの混合物から選択され、R3は、C10アルキル及びこれらの混合物から選択される)のローカットアミンオキシドと、
b)アミンオキシドの55重量%~90重量%の式R4R5R6AO(式中、R4及びR5は、独立して、水素、C1~C4のアルキル、又はこれらの混合物から選択され、R6は、C12~C16のアルキル又はこれらの混合物から選択される)であるミッドカットアミンオキシドと、を含むことができる。
【0073】
本明細書での使用に好ましいローカットアミンオキシドでは、R3はn-デシルであり、好ましくはR1及びR2の両方がメチルである。式R4R5R6AOのミッドカットアミンオキシドでは、好ましくはR4及びR5の両方がメチルである。
【0074】
好ましくは、アミンオキシドは、アミンオキシドの重量に基づいて、約5重量%未満、より好ましくは3重量%未満の式R7R8R9AO(式中、R7及びR8は水素、C1~C4のアルキル及びこれらの混合物から選択され、R9はC8のアルキル及びこれらの混合物から選択される)のアミンオキシドを含む。式R7R8R9AOのアミンオキシドの量を制限することにより、物理的安定性及び起泡持続性の両方が改善される。
【0075】
好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤が挙げられる。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインが挙げられ、好ましくは式(I)を満たす。
R1-[CO-X(CH2)n]x-N+(R2)(R3)-(CH2)m-[CH(OH)-CH2]y-Y-
式(I)中、
R1は、飽和又は不飽和のC6~22アルキル残基、好ましくは、C8~18アルキル残基、より好ましくは、飽和C10~16アルキル残基、最も好ましくは、飽和C12~14アルキル残基からなる群から選択され、
Xは、NH、NR4(式中、R4は、C1~4アルキル残基である)、O、及びSからなる群から選択され、
nは、1~10、好ましくは2~5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2及びR3は、独立して、C1~4アルキル残基、ヒドロキシエチルなどの置換されているヒドロキシ、及びこれらの混合からなる群から選択され、好ましくは、R2及びR3の両方がメチルであり、
mは、1~4の整数、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O、又はP(O)(OR5)O(式中、R5は、H又はC1~4アルキル残基である)からなる群から選択される。
【0076】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R1-N+(CH3)2-CH2COO- (Ia)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2COO- (Ib)
R1-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3
- (Ic)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3
- (Id)
式中、R1は、式(I)中と同じ意味を有する。特に好ましいのは、式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン[すなわち、式(I)中、Y=COOである]であり、より好ましいのは、式(Ib)のアルキルアミドベタインである。
【0077】
好適なベタインは、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、セチルベタイン、セチルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、デシルベタイン、デシルアミドプロピルベタイン、水素添加タローベタイン/アミドプロピルベタイン、イソステアルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアドプロピルベタイン、オレイルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ウンデシルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができるか、又は[INCIに従って命名される]。好ましいベタインは、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0078】
さらなる成分
本組成物は、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン、環状ポリアミン、トリブロックコポリマー、ヒドロトロープ、有機溶媒、本明細書に記載されているものなどの他の補助成分、及びこれらの混合物から選択されるものなどのさらなる成分を含むことができる。
【0079】
両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン
本発明の組成物は、組成物全体の0.05重量%~2重量%、好ましくは0.07重量%~1重量%の両親媒性ポリマーをさらに含むことができる。好適な両親媒性ポリマーは、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、その液体組成物を洗浄前に洗浄用具(スポンジなど)に直接添加し、その後、ひどく油脂で汚れた表面と接触するとき、とりわけ、洗浄用具が少量~ゼロの水を含むとき、例えば、予め軽く湿らせたスポンジを使用するときに、洗浄される硬質表面上におけるゲル形成を低減することが判明している。
【0080】
好ましい両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有する:
【0081】
【化1】
(式中、ポリエチレンイミン骨格は、重量平均分子量600を有しており、式(I)のnは平均10であり、式(I)のmは平均7であり、式(I)のRは、水素、C
1~C
4アルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される)。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよい。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは、10,000~15,000Daである。
【0082】
より好ましくは、両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有しているが、ポリエチレンイミン骨格は、重量平均分子量600Daを有しており、式(I)のnは平均24であり、式(I)のmは平均16であり、式(I)のRは、水素、C1~C4アルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよく、好ましくは0%である。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは25,000~30,000、最も好ましくは28,000Daである。
【0083】
両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、国際公開第2007/135645号により詳細に記載されている方法によって作製することができる。
【0084】
代替的に、組成物は、両親媒性ポリマーを含まなくてもよい。
【0085】
環状ポリアミン
本組成物は、洗浄の一助となるアミン官能基を有する環状ポリアミンを含むことができる。本発明の組成物は、好ましくは、当該組成物の0.1重量%~3重量%、より好ましくは0.2重量%~2重量%、とりわけ0.5重量%~1重量%の環状ポリアミンを含む。
【0086】
環状ポリアミンは、少なくとも2つの一級アミン官能基を有する。一級アミンは、環状アミン内の任意の位置に存在してもよいが、油脂洗浄の観点から、一級アミンが1、3位に存在するときにより良好な性能が得られることが分かっている。置換基のうちの1個が-CH3であり、残りがHである環状アミンが、改善された油脂洗浄性能を提供することも判明している。
【0087】
したがって、本発明の洗浄組成物で使用するのに最も好ましい環状ポリアミンは、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ポリアミンである。これら特定の環状ポリアミンは、本発明の組成物の界面活性剤系と共に配合されたとき、食器洗いプロセス全体を通して起泡及び油脂洗浄プロファイルを改善する機能を有する。
【0088】
好適な環状ポリアミンは、Baxxodurという商標名で、BASFにより供給され得、Baxxodur ECX-210が特に好ましい。
【0089】
環状ポリアミン及び硫酸マグネシウムの組み合わせが特に好ましい。したがって、本組成物は、当該組成物の0.001重量%~2.0重量%、好ましくは0.005重量%~1.0重量%、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%のレベルの硫酸マグネシウムをさらに含むことができる。
【0090】
トリブロックコポリマー
本発明の組成物は、トリブロックコポリマーを含むことができる。トリブロックコポリマーは、組成物全体の1重量%~20重量%、好ましくは3重量%~15重量%、より好ましくは5重量%~12重量%のレベルで存在することができる。好適なトリブロックコポリマーは、式(I):(EO)x(PO)y(EO)xによるアルキレンオキシド部分を有するトリブロックコポリマーとして定義される、アルキレンオキシドトリブロックコポリマーを含み、EOは、エチレンオキシドを表し、xはそれぞれ、EOブロック内のEO単位の数を表す。xはそれぞれ、独立して、平均で5~50、好ましくは10~40、より好ましくは10~30とすることができる。好ましくは、xは、両EOブロックについて同じであり、「同じ」とは、2つのEOブロック間でxの差が最大2単位以内、好ましくは最大1単位以内であり、より好ましくは、両xが同じ単位数であることを意味する。POは、プロピレンオキシドを表し、yは、POブロック中のPO単位の数を表す。yはそれぞれ、平均で28~60、好ましくは30~55、より好ましくは30~48とすることができる。
【0091】
好ましくは、トリブロックコポリマーの、yの各xに対する比は、3:1~2:1である。トリブロックコポリマーの、yの2つのEOブロックの平均xに対する比は、好ましくは3:1~2:1である。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの30重量%~50重量%となる全E-Oの平均重量割合を有する。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの50重量%~70重量%となる全POの平均重量割合を有する。トリブロックコポリマーの場合のEO及びPOの平均総重量%は合計100%になることが理解される。トリブロックコポリマーは、2060~7880、好ましくは2620~6710、より好ましくは2620~5430、最も好ましくは2800~4700の平均分子量を有することができる。平均分子量は、1H NMR分光法(Thermo scientific application note No.AN52907を参照)を用いて求められる。
【0092】
トリブロックコポリマーは、基本構造ABAを有し、A及びBは異なるホモポリマー及び/又はモノマーの単位である。この場合、Aはエチレンオキシド(EO)であり、Bはプロピレンオキシド(PO)である。当業者は、語句「ブロックコポリマー」が「ブロックポリマー」のこの定義と同義であることを認識するであろう。
【0093】
特定のEO/PO/EO配置及びそれぞれのホモポリマーの長さを有する式(I)によるトリブロックコポリマーは、脂性汚れの存在下における液体食器手洗い用洗剤組成物の起泡持続性能及び/又は洗浄プロセスにおける希釈全体にわたる起泡の稠度を増強することが見出されている。
【0094】
好適なEO-PO-EOトリブロックコポリマーは、例えばPluronic(登録商標)PEシリーズとしてBASFから、また、例えばTergitol(商標)LシリーズとしてDow Chemical Companyから市販されている。BASF製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Pluronic(登録商標)PE6400(MW約2900、約40重量%EO)及びPluronic(登録商標)PE 9400(MW約4600、40重量%EO)で販売されている。Dow Chemical Company製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Tergitol(商標)L64(MW約2700、約40重量%EO)で販売されている。
【0095】
好ましいトリブロックコポリマーは、好気条件下で容易に生分解する。
【0096】
塩、ヒドロトロープ、有機溶媒
本発明の組成物は、i)塩、ii)ヒドロトロープ、iii)有機溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性物質をさらに含み得る。
【0097】
i)塩
本発明の組成物は、組成物全体の約0.05重量%~約2重量%、好ましくは約0.1重量%~約1.5重量%、又はより好ましくは約0.5重量%~約1重量%の塩、好ましくは一価若しくは二価の無機塩、又はこれらの混合物、より好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物から選択される塩を含み得る。塩化ナトリウムが最も好ましい。
【0098】
ii)ヒドロトロープ
本発明の組成物は、組成物全体の約0.1重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約10重量%、又はより好ましくは約1重量%~約10重量%のヒドロトロープ又はその混合物、好ましくはクメンスルホン酸ナトリウムを含み得る。
【0099】
iii)有機溶媒
組成物は、組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約10重量%、又はより好ましくは約1重量%~約10重量%の有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びこれらの混合物、好ましくはアルコール、グリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒が挙げられる。エタノールが好ましいアルコールである。ポリアルキレングリコール、特にポリプロピレングリコールは、好ましいグリコールであり、750Da~1,400Daの重量平均分子量を有するポリプロピレングリコールが特に好ましい。
【0100】
補助成分
本洗浄組成物は、場合により、ビルダー(好ましくはシトレート)、キレート剤、コンディショニングポリマー、他の洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢粒子、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤(例えば、NaCl、並びに他の一価、二価、及び三価の塩などの塩)、並びにpH調整剤及び緩衝手段(例えば、クエン酸などのカルボン酸、HCl、NaOH、KOH、アルカノールアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩などの炭酸塩など)などの多くの他の補助成分を含み得る。
【0101】
洗浄組成物は、クエン酸又はその塩を、好ましくは組成物の0.25重量%~5重量%、0.35重量%~4重量%、又は0.5重量%~2.0重量%の量でさらに含み得、好ましくはクエン酸の塩は、クエン酸のナトリウム、カリウム、アルミニウム、アンモニウム、鉄、マグネシウム、又は亜鉛塩、並びにこれらの混合物、より好ましくは、クエン酸の塩は、クエン酸のナトリウム塩である。理論によって拘束されることを望まないが、クエン酸の塩、好ましくは上記の範囲のクエン酸のナトリウム塩を洗浄組成物中に提供することは、改善された界面活性剤溶解を提供する。
【0102】
パッケージ製品
液体食器手洗い用洗浄組成物は、容器、典型的には、プラスチック容器内に包装することができる。好適な容器は、オリフィスを含む。典型的には、容器は、キャップを備え、オリフィスは、典型的には、キャップ上に備えられる。好ましくは、食器手洗い用洗浄組成物は、分配可能な液体を収容する反転容器に解放可能に固着させるための液体ディスペンサ内に包装され得る(例えば、2019年6月5日に公開された、欧州特許第3492400(A1)号に開示されている液体ディスペンサを参照されたい)。
【0103】
容器は、典型的には、200ml~5,000ml、好ましくは350ml~2000ml、より好ましくは400ml~1,000mlの液体食器手洗い用洗剤組成物を含むことができる。
【0104】
製造方法
本発明の別の実施形態は、組成物を製造する方法を対象とする。本方法は、
i)第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド界面活性剤である第1の非イオン性界面活性剤、及びヒドロトロープを混合して、プレミックスを形成することと、
ii)プレミックスを使用して組成物を形成することであって、好ましくはプレミックスを使用することが、プレミックスを中間洗剤流に添加し、プレミックスをアニオン性界面活性剤、補助界面活性剤、及び第2の非イオン性界面活性剤、並びに中間洗剤流中のさらなる任意の材料と混合して、組成物を形成することと、を含み、
ヒドロトロープが、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにそれらの混合物、好ましくはクメンスルホン酸ナトリウムから選択される。
【0105】
食器類を洗浄/処理するプロセス
本発明の別の実施形態は、本発明の組成物で食器を洗浄するプロセスを対象とする。このプロセスは、典型的には、希釈又は原液形態で組成物を食器表面上に適用する工程、及び食器をすすぐ工程を含む。プロセスは、組成物を原液形態でスポンジ上に適用し、組成物を含有するスポンジを食器表面上に接触させる工程を含み得る。
【0106】
本発明の一実施形態では、本明細書の組成物は、その希釈形態で適用され得る。汚れた食器をこのように希釈した組成物を入れたシンク内に浸漬して、食器の汚れた表面を布、スポンジ又は類似の物品と接触させて洗浄する。布、スポンジ、又は同様の物品は、食器表面と接触する前に、洗剤組成物及び水混合物に浸漬され得る。布、スポンジ、又は類似の物品を食器表面に接触させることは、好ましくは同時に食器表面を擦ることにより達成される。
【0107】
本発明の別の方法は、液体食器洗い用洗剤なしで水浴中に汚れた食器類を浸漬するか、又は流水下に保持することを含む。スポンジなどの液体食器洗い用洗剤を吸収するためのデバイスは、別々の量の未希釈の液体食器洗い用組成物に直接配置される。次いで、吸収デバイス、及び結果として未希釈の液体食器洗い用組成物を、汚れた食器の各々の表面に個別に接触させて、当該汚れを除去する。吸収装置を食器表面に接触させることは、好ましくは同時に擦ることを伴う。
【0108】
代替的に、デバイスは、食器の表面と接触する前に食器手洗い用洗浄組成物と水との混合物に浸漬されてもよく、洗浄デバイスを収容することができる小さい容器内で食器手洗い用洗浄組成物を水で希釈することによって、濃縮溶液を作製する。
【0109】
一実施形態では、本明細書に記載の液体食器洗剤組成物で食器を洗浄する方法であって、当該方法は、組成物を食器上又は食器洗浄洗面器又は食器洗浄器具に適用する工程を含む。別の実施形態では、本明細書に記載の組成物の使用は、標的表面上で複数の利点を実現するために使用され、好ましくは、標的表面は食器であり、複数の利点は、油脂洗浄、起泡持続性、フラッシュ起泡を含む。
[1]液体食器手洗い用洗浄組成物であって、前記組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、前記界面活性剤系が、
(a)アニオン性界面活性剤と、
(b)前記組成物の18.4重量%以下の非イオン性界面活性剤と、
(c)補助界面活性剤と、を含み、
前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、前記非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との混合物を含み、前記第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド界面活性剤であり、
前記アニオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、1:1~8:1であり、前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である、液体食器手洗い用洗浄組成物。
[2]前記非イオン性界面活性剤の量が、前記組成物の5.0重量%~18.0重量%、好ましくは10.0重量%~17.0重量%、より好ましくは12.0重量%~16.0重量%である、[1]に記載の組成物。
[3]前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1.1:1~3:1、好ましくは1.3:1~2:1である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18アルキルポリグルコシドから選択され、好ましくは前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C14アルキルポリグルコシドであり、より好ましくはC12~C14アルキルポリグルコシドであり、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、2:1~1:2、好ましくは1.5:1~1:1.5である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記第2の非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤であり、好ましくは前記アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、好ましくはそのアルキル鎖において平均で9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5~12、好ましくは6~10、最も好ましくは7~8単位のエチレンオキシドを含む、直鎖又は分枝鎖の一級又は二級のアルキルアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]前記アニオン性界面活性剤が、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは0.5~2.0、最も好ましくは0.5~0.9の平均アルコキシル化度を有するアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み、好ましくは前記アルコキシル化が、エトキシル化からなる、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、平均で10~14個、好ましくは12~13個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する、[7]に記載の組成物。
[9]前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは0.5~2.0、最も好ましくは0.5~0.9の平均エトキシル化度を有するアルキルエトキシサルフェートである、[7]又は[8]に記載の組成物。
[10]前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、5%~60%、好ましくは15%~60%、より好ましくは20%~60%の平均分枝レベルを有する分枝鎖アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤である、[7]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]前記補助界面活性剤が、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びそれらの混合物、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤からなる群から選択される、[1]~[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]前記アニオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、1:1~5:1、好ましくは1:1~3:1である、[1]~[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]前記非イオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、8:1~1:1、好ましくは5:1~2:1、より好ましくは4:1~2.5:1である、[1]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]液体食器手洗い用洗浄組成物であって、
(a)前記組成物の15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み、前記界面活性剤系が、
(i)アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホネートアニオン性界面活性剤、アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
(ii)前記組成物の18.4重量%未満の非イオン性界面活性剤であって、前記非イオン性界面活性剤が、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤と、を含み、前記第1の非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤である、非イオン性界面活性剤と、
(iii)補助界面活性剤と、を含み、
前記非イオン性界面活性剤と前記アニオン性界面活性剤との重量比が、1:1~3:1であり、
前記アニオン性界面活性剤と前記補助界面活性剤との重量比が、1:1~8:1であり、
前記第1の非イオン性界面活性剤と前記第2の非イオン性界面活性剤との重量比が、3:1~1:3である、液体食器手洗い用洗浄組成物。
[15][1]~[14]のいずれかに記載の組成物を製造する方法であって、前記方法が、
i)アルキルポリグルコシド界面活性剤である第1の非イオン性界面活性剤、及びヒドロトロープを混合して、プレミックスを形成することと、
ii)前記プレミックスを使用して前記組成物を形成することであって、好ましくは前記プレミックスを使用することが、前記プレミックスを中間洗剤流に添加し、前記プレミックスをアニオン性界面活性剤、補助界面活性剤、及び第2の非イオン性界面活性剤、並びに前記中間洗剤流中のさらなる任意の材料と混合して、前記組成物を形成することと、を含み、
前記ヒドロトロープが、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにそれらの混合物、好ましくはクメンスルホン酸ナトリウムから選択される、方法。
【0110】
以下の実施例は、本発明をより完全に例解することを意図しており、本発明の範囲から逸脱することなく、その変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書におけるすべての部、割合、及び比率は、別途指定されない限り、重量パーセントとして表される。
【実施例】
【0111】
試験方法が、最初に説明され、次いで、試験方法に従って評価される液体食器手洗い用洗浄組成物は、例示的な液体洗浄組成物下に記載されており、最後に結果が考察される。本発明の液体食器手洗い用洗浄組成物が、スポンジに原液で適用されたときに初期起泡を構築する改善された能力を有し、洗浄サイクル全体にわたってその起泡体積を維持し、油脂を効果的に除去し、かつ経年時に相安定性を提示することを明示するデータが提供される。
【0112】
試験方法
(I)低温度(5℃)安定性を審査するための試験方法
この試験方法は、低温5℃での液体食器手洗い用洗浄組成物の安定性を審査することであり、以下の工程に従って実施される。
1.ボトル当たり60gの試験組成物を含む3つの閉鎖PET(100ml)安定性ボトル(=3つの再現)を、5℃の一定温度安定性室内で6つの空の閉鎖PETボトルと共に配置する。
2.24時間後、試料を、物理的不安定性(相分離、曇り、沈殿)の不在について目視検査する。
3.物理的不安定性がない場合、試料を、空のPETボトル内に注ぎ、閉鎖して5回激しく振り、物理的不安定性がないように目視再検査の前にさらに24時間貯蔵する。
4.工程(3)の注ぐ工程を3日繰り返し、物理的不安定性について4日目に最終目視検査が続く。
5.試料は、4日目後に複製試料のいずれにおいても物理的不安定性の兆候が観察されない場合、合格として報告される。
【0113】
(II)RT(室温)で相安定性を審査するための試験方法
室温(例えば、20℃)で閉鎖したガラスバイアル内で作製し、次いで物理的不安定性がないことを目視検査した後、100mlの試料を一晩貯蔵する。(相分離、曇り、沈殿)。
【0114】
(III)油脂洗浄性能を審査するための試験方法
油脂洗浄性能試験方法は、液体食器手洗い用参照製品に対して、異なる製品濃度/水硬度/温度条件(ここでは2dH、35℃、製品濃度0.5%、1%、1.5%、5%、10%)にわたる液体食器手洗い用試験製品の相対的な油脂除去性能を測定するために使用される。
【0115】
この方法は、染色印刷機(FLAMAC、Belgium製カスタムロボットプラットフォーム)を使用して、ポリプロピレン不織布基材(Avgolによって生成された60g/m2スパンボンド-メルトブロー-スパンボンド不織布)上にWarwick Equest Ltd.UKによって供給された、予熱された(50℃のオーブンで2時間)均質化された脂肪汚れ#44069の適用を含み、続いて染みを21℃で24時間乾燥させる。洗浄溶液は、目標の最終製品濃度、水硬度及び温度で調製され、結果として、汚れた基材の上に位置決めされた96チャネルピペッティングヘッド及びウェルプレート(ウェル当たり950uLの洗浄体積)を使用して、染められたポリプロピレン基材と10分間接触させる。
【0116】
洗浄サイクル後にウェル当たり4回のすすぎサイクル(2dHの水硬度の950uLのすすぎ水、35℃)を適用し、続いて、洗浄された基材を30℃で24時間乾燥させる。洗浄及びすすぎ液は、96チャネルピペッティングヘッドを使用する洗浄及びすすぎサイクル後にウェルから除去される。染み強度は、Verivide UK製Digi-Eye Z02791を使用した画像化を通じて処理の前及び後に測定され、「自動HTe画像分析」ツールを使用して分析され、洗浄有効性結果は、結果として、SRI%として表される(染み除去指数-高いほど良好)。試験条件当たり8回の複製のSRI%結果を平均し、結果として、線形SRI%対製品濃度描画で描画する。結果として生じる曲線下面積を計算し、参照製品の曲線下面積に対して指数化する。SRI%指数は、試験組成物試料の曲線下面積対参照製品試料の曲線下面積(例えば、Kaoの市販の食器洗い製品:CCT CL 2020.CDB_211112_002)を比較することによって計算される。計算は、以下のとおりである。
【0117】
【0118】
(IV)起泡持続性に関する試験方法
起泡持続性試験の目的は、周期的な汚れ添加の影響下にある間の、様々な水硬度、溶液温度、及び配合物濃度における試験配合物について生成した起泡体積の経時的発達を比較することである。データを比較し、参照組成物に対する起泡持続性指数として表す(参照組成物は起泡持続性指数100を有する)。方法の工程は、以下のとおりである。
1.100mmの水平長さ及び50mmの垂直高さを有する矩形の金属ブレードを、直径約300mm及び高さ約300mmの寸法を有するシンク内に位置決めし、その結果、ブレードは、4Lの洗浄液をシンクに加えるとき、ブレードの上部が洗浄溶液の表面と同じ高さになる状態で、シンク内の中央に位置決めされる。ブレードを、長さ85mmの垂直軸上に取り付ける。垂直軸の上部を、垂直方向に対して60°の角度で第2の軸に取り付け、第2の軸は、ブレードが垂直位置から30°傾斜した平面内で回転するように、回転デバイスに接続される。
2.一定量(4.8g)の試験組成物を、M24パーレータ(エアレータ)及び4バールの一定の水圧を有するタップから8L/分の流速でシンクを満たしている、水硬度2dH(11.21gpg)及び温度35℃の水流に、直径約300mm及び高さ約300mmの寸法)を有するシンクの底面の上方37cmの高さにおいて、0.67mL/秒の流速でプラスチックピペットを通して分注し、それにより、4Lの結果として生じる洗浄溶液は、洗剤濃度が0.12重量%を有する洗浄槽に送達する。試験組成物の分注は、水流の分注開始の1秒後に開始する。
3.生成した初期起泡体積(シンク表面の泡の平均高さから測定され、泡のcm3(すなわち起泡体積)で表される)を充填の終了直後に記録する。
4.洗浄溶液をブレードを使用して撹拌し、85RPMで連続的に20回転させる。一定量(6mL)の油脂性汚れ又は粒子状汚れ(以下の表1及び表2を参照)をブレードの10回目の回転中にシンクの中央に注入し、汚れを添加した後にブレードを10回転させる。
5.合計起泡体積の別の測定値を、ブレードの回転終了直後に記録する。
6.工程4~5を繰り返し、測定された合計起泡体積が最小レベルの400cm3に達するまで、3分間隔で汚れを添加する。400cm3のレベルに達するのに必要な汚れの添加量を、試験組成物の起泡持続性とみなす。
7.各試験組成物を試験条件(すなわち、水温、組成物濃度、水硬度、汚れのタイプ)毎に4回試験し、4回繰り返した平均として、平均起泡持続性を計算する。
8.参照組成物試料(例えば、Kaoの市販の食器洗い製品:CCT CL 2020.CDB_211112_002)に対して試験組成物試料の平均持続性を比較することによって、起泡持続性指数を計算する。計算は、以下のとおりである。
【0119】
【0120】
表1に記載される成分の標準的な混合によって、汚れ組成物を生成する。
【0121】
【0122】
(V)フラッシュ起泡性能を審査するための試験方法
この試験は、ユニバーサルロボティックアーム及びカスタム設計スポンジ圧縮機を使用して初期(フラッシュ)起泡を技術的に生成して、湿潤スポンジ上に原液で適用し、圧搾するときの液体食器手洗い用洗剤製品の起泡能力を審査することである。
【0123】
試験は、試験製品当たり4つの複製を含み、以下の工程に従って実施される。
1.1mlの予め装填された液体食器洗浄試験製品を、25gの水(2~3gpg水硬度、28℃+/-2℃)を含有する、予め浸漬された新品のスポンジ(1/2サイズのSumitomo 3M 2層スポンジ、日本-寸法:7.5×5.75×3.0cm、タイプ:コードS-21K、材料=スクラバ用にナイロン、スポンジ材料用にウレタン)の中央領域(黄側上向き、緑側下向き)上に直立してシリンジから適用する。
2.製品を3秒間スポンジに吸収させる。
3.次いで、スポンジを反転させ(緑側が上)、ロボットアームグリッパの下に直接配置する。
4.結果として、自動スポンジ圧縮機は、スポンジ上部表面全体を覆う水平プレートを使用して、スポンジを上部から9回圧縮し、12mm/250msの圧縮速度で上部から12mmの残りのスポンジ高さまで、各圧縮を1.5秒維持し、瞬時弛緩後、さらに1.5秒後スポンジの再圧縮が続く。
5.作成された起泡の量は、スパチュラを使用して体積測定コーン内に収集され、生成された泡の総体積(ml)が測定され、複製にわたって平均化される(高いほど良好)。
6.測定された泡の総体積(mL)を使用して、製品によって生成された初期(フラッシュ)起泡を評価し、初期(フラッシュ)起泡は、製品のフラッシュ起泡性能に対応する。
【0124】
例示的な液体洗浄組成物
表1は、スポンジに原液で適用されたときに初期泡を構築し、洗浄サイクル全体を通してそれらの起泡体積を維持し、油脂を効果的に除去するための能力、並びに経年時の相安定性に関して審査される例示的な液体洗浄組成物を記載する。
【0125】
本発明の組成物1(表1において例1として示される)及び比較組成物A、B、C及びD(それぞれ表1において例A、例B、例C、例Dとして示される)は、表1に記載される成分の標準的な混合を通して生成される。本発明の組成物1は、それぞれ、
1)組成物の14.2重量%の量において低レベルの非イオン性界面活性剤、すなわち、比較組成物中Aの非イオン性界面活性剤のレベル未満(19%)
2)比較組成物Bに対して、1.5:1、すなわち、1:1~3:1の重量比の範囲内の非イオン性界面活性剤の総レベルとアニオン性界面活性剤とのより高い重量比、
3)比較組成物C(組成物の14.2重量%の量で単一の非イオン性界面活性剤(アルキルポリグルコシド界面活性剤)を有する)及び比較組成物D(組成物の14.2重量%の量で単一の非イオン性界面活性剤(アルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤)を有する)に対して、第1及び第2の非イオン性界面活性剤の混合物(組成物の14.2重量%の量でアルキルポリグルコシド界面活性剤及びアルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤)、を有することによって、比較組成物A、B、C及びDとは異なる。
【0126】
【表2】
1C9~C11アルコールエトキシレート
2アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、0.7(C1213AE0.7S)のエトキシル化度を有する12~13個の炭素原子を含むアルキルエトキシサルフェートである
3直鎖C12~14ジメチルアミンオキシド
*クメンスルホン酸ナトリウム(上記組成物に反映されるように)をアルキルポリグルコシド界面活性剤に添加して、組成物中の他の界面活性剤及び成分に添加する前にプレミックスを形成し、溶解度を改善し、液体洗浄組成物の加工及び製造における粘度を低減させることができる。詳細な組成:BASF製Glucopon 683(登録商標)、例えば、BASF製Glucopon(登録商標)600の重量で80/30の混合物及び40重量%活性クメンスルホン酸ナトリウム水溶液。BASF製Glucopon 683(登録商標)は、C12~C14アルキルポリグルコシドである。
代替的に、キシレンスルホン酸ナトリウム又はトルエンスルホン酸ナトリウムは、クメンスルホン酸ナトリウムの代替材料として使用され得る。BASF製Glucopon(登録商標)625は、BASF製Glucopon(登録商標)600の代替として使用することができる。
【0127】
例1:非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が1.5:1であり、非イオン性界面活性剤は、組成物の14.2重量%、比較組成物である。
表1の本発明の組成物1及び比較組成物A及びBは、貯蔵安定性、フラッシュ起泡、起泡持続性、及び油脂洗浄の利点のための試験方法に従って評価される。本発明の組成物1並びに比較組成物A及びBに関する結果を、以下の表2に例解する。
【0128】
【0129】
表2における上記の結果から、本発明の組成物1は、すべての評価された利点、すなわち、全体的なフラッシュ起泡優位性(スコア154)、低温における安定性の提示、室温において相分離なし、優れた泡効果(スコア121)及び油脂洗浄結果(スコア98)を有する。本発明の組成物1は、比較組成物A、Bに対して最も高いフラッシュ起泡スコアを有する。加えて、比較組成物A、Bは、以下に説明されるように、すべての評価された利点について混合された結果を示した。
【0130】
組成物の19重量%のレベルで非イオン性界面活性剤を有する比較組成物Aは、低温度で安定性を提示し、室温で相分離しないにもかかわらず、より低いスコアに基づいて、本発明の組成物1に対して、全体的に不十分な起泡持続性、油脂洗浄結果、及びフラッシュ起泡結果を有する。
【0131】
比較組成物Bは、組成物の8.5重量%のレベルで非イオン性界面活性剤を有するが、非イオン性界面活性剤よりも多くのアニオン性界面活性剤、すなわち、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が1:1.3(1:1未満)を有する。非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が1:1未満である比較組成物Bの結果は、発明組成物1と同様の起泡持続性及び油脂洗浄結果を有するにもかかわらず、本発明の組成物1に対して、低温での不十分な安定性を示し、室温における相分離及び不十分なフラッシュ起泡結果がある。
【0132】
要約すると、本発明による1:1~3:1のNI:AN比及び組成物の18.4重量%以下の非イオン性界面活性剤の総レベルを有する本発明の組成物は、ユーザによって所望されたすべての評価される利点に関して優れた性能を明示する。
【0133】
例2:非イオン性界面活性剤と比較組成物との混合物を含む本発明の組成物
表1の本発明の組成物1及び比較組成物C及びDは、貯蔵安定性、フラッシュ起泡、泡持続性、及び油脂洗浄の利点のための試験方法に従って評価される。本発明の組成物1並びに比較組成物C及びDの結果を、以下の表3に例解する。
【0134】
【0135】
表3の上記の結果から、第1及び第2の非イオン性界面活性剤、すなわち、アルキルポリグルコシド界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の混合物を有する本発明の組成物1は、すべての評価された利点、すなわち、全体的なフラッシュ起泡優位性(スコア154)、低温における安定性の提示、室温において相分離なし、優れた起泡持続性(スコア121)及び油脂洗浄結果(スコア98)を実現、に関して最良の性能結果を明示する。一方、比較組成物C、Dは、以下に記載されるように、すべての評価される利点に必要とされる成功基準に合格しなかった。
【0136】
それぞれ単一の非イオン性界面活性剤を有する比較組成物C及びDは、低温で安定性を示し、室温で相分離しない。しかしながら、単一の非イオン性界面活性剤、すなわち、アルキルポリグルコシド界面活性剤を有する比較組成物Cは、低いスコアに基づいて、本発明の組成物1に対して、全体的に不十分な起泡持続性、及び不十分な油脂洗浄結果を提示する。単一の非イオン性界面活性剤、すなわち、アルキルエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を有する比較組成物Dもまた、本発明の組成物1に対して、不十分なフラッシュ起泡の結果を提示する。
【0137】
例3:本発明の組成物2は、1.5:1の非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比を含み、非イオン性界面活性剤は、組成物の14.2重量%であり、比較組成物-例1と同様だが代替的なアニオン性界面活性剤を使用する-は、両性補助界面活性剤化学物質を含む。
表4は、スポンジに原液で適用されたときに初期起泡を構築し、油脂を効果的に除去するための能力、並びに経年時の相安定性に関して審査される例示的な液体洗浄組成物を記載する。組成物は、表1に表示されるものと同様であるが、異なるアニオン性界面活性剤-両性補助界面活性剤化学物質を使用する、より具体的には、AESアニオン性界面活性剤は、5~1重量比で、直鎖ドデシルプロポキシ(1)サルフェートナトリウム(APS)/ジオクチルスルホサクシネートナトリウム(Geropon SDS/AOT)混合アニオン性界面活性剤系を使用して置き換えられ、一方でAOは、ラウリルヒドロキシスルホベタイン界面活性剤を使用して置き換えられる。
【0138】
本発明の組成物2(表4において例2として示される)及び比較組成物E及びF(それぞれ表4において例E、例Fとして示される)は、表4に記載される成分の標準的な混合を通して生成される。本発明の組成物2は、それぞれ、
1)組成物の14.2重量%の量において低レベルの非イオン性界面活性剤、すなわち、比較組成物E中の非イオン性界面活性剤のレベル未満(19%)
2)比較組成物Fに対して、1.5:1、すなわち、1:1超の非イオン性界面活性剤の総レベルとアニオン性界面活性剤とのより高い重量比、を有することによって、比較組成物E及びFとは異なる。
【0139】
【表5】
4C9~C11アルコールエトキシル化
*クメンスルホン酸ナトリウム(上記組成物に反映されるように)をアルキルポリグルコシド界面活性剤に添加して、組成物中の他の界面活性剤及び成分に添加する前にプレミックスを形成し、溶解度を改善し、液体洗浄組成物の加工及び製造における粘度を低減させることができる。詳細な組成:BASF製Glucopon 683(登録商標)、例えば、BASF製Glucopon(登録商標)600の重量で80/30の混合物及び40重量%活性クメンスルホン酸ナトリウム水溶液。BASF製Glucopon 683(登録商標)は、C12~C14アルキルポリグルコシドである。
代替的に、キシレンスルホン酸ナトリウム又はトルエンスルホン酸ナトリウムは、クメンスルホン酸ナトリウムの代替材料として使用され得る。BASF製Glucopon(登録商標)625は、BASF製Glucopon(登録商標)600の代替として使用することができる。
【0140】
表4の本発明の組成物2及び比較組成物E及びFは、貯蔵安定性、フラッシュ起泡、及び油脂洗浄の利点のための試験方法に従って評価される。本発明の組成物2並びに比較組成物E及びFの結果を以下の表5に例解する。
【0141】
【0142】
表5の上記の結果から、本発明の組成物2は、温度にわたって相安定性を提示する一方で、全体的なフラッシュ起泡優位性(スコア113)を提供する。AES及びAOを含む界面活性剤系に対して比較したときに、全体的な利点は少ないが、本発明の組成物2と本発明の範囲外のそれぞれの比較組成物E及びFとの間で同じ顕著なデータ傾向が観察され、観察された利点が、異なるアニオン性及び両性界面活性剤型系にわたって有効であることを示す。本発明の組成物2はまた、比較組成物Eに対して優れた油脂洗浄性能を示し、比較組成物Fに対して優れた相安定性プロファイルを示す。
【0143】
要約すると、本発明による、1:1~3:1のNI:AN比、及び組成物の18.4重量%未満の非イオン性界面活性剤の総レベルを有する本発明の組成物は、異なるアニオン性界面活性剤(AES、APS、AOT)及び両性補助界面活性剤(AO、アルキルスルホベタイン)系に示されるように、ユーザによって所望されるすべての評価される利点について優れた性能を明示する。
【0144】
理論によって拘束されることを望まないが、1:1~1.16:1のNI:AN比、組成物の9.2重量%~11重量%のレベルで非イオン性界面活性剤混合物を有する本発明の組成物3~5はまた、上文で説明されたように優れた性能の利点を明示する。本発明の組成物3~5の詳細を、以下の表6に記載する。
【0145】
【表7】
5C9~C11アルコールエトキシレート
6アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、0.7(C1213AE0.7S)のエトキシル化度を有する12~13個の炭素原子を含むアルキルエトキシサルフェートである
7直鎖C12~14ジメチルアミンオキシド
【0146】
本開示において上文で説明したように、界面活性剤系の組成物の15重量%~40重量%を含む液体食器手洗い用洗浄組成物を提供することであって、界面活性剤系がアニオン性界面活性剤、補助界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤を有し、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比が1:1~3:1であり、アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比が1:1~8:1であり、非イオン性界面活性剤が組成物の18.4重量%未満の量であり、第1の非イオン性界面活性剤と第2の非イオン性界面活性剤との重量比が3:1~1:3である、提供することは、貯蔵安定性、フラッシュ起泡、起泡持続性、及び油脂洗浄の利点において全体的な改善をもたらし、それによって、ユーザに包括的な液体食器手洗い用洗浄製品を提供する。
【0147】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0148】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。さらに、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。