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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】広告表示装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20240109BHJP
   B66B 5/00 20060101ALN20240109BHJP
【FI】
B66B3/00 Z
B66B3/00 L
B66B5/00 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022123453
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2021543847の分割
【原出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2022140638
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-08-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502250178
【氏名又は名称】ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】石井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】澤田 聡志
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 和隆
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-514610(JP,A)
【文献】特開2019-119610(JP,A)
【文献】特開2009-146077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00- 3/02
B66B 5/00- 5/28
B66B 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのカゴ内で広告を表示する情報処理端末装置からなる広告表示装置であって、
前記カゴ内に設けられ、前記カゴの外側に設けられた電気回路からの電源の供給を受けて駆動する前記情報処理端末装置は、
表示画面と、
広告情報を無線通信により受信する受信部と、
前記受信部によって受信された広告情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された広告情報に基づいて、当該カゴ内で当該表示画面に広告を表示する表示制御部と、
前記情報処理端末装置における前記表示画面が設けられた面と同じ面に配置されたレンズを備え、前記カゴ内を撮影する撮影部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記表示画面の表示領域を複数の領域に分割し、分割した複数の領域の少なくとも一つに前記広告を表示し、分割した複数の領域のうちの前記広告を表示する領域以外の領域に、前記撮影部によって撮影された前記カゴ内の映像をリアルタイムで表示することを特徴とする広告表示装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記カゴの乗員に通知したい通知情報を無線通信により受信し、
前記記憶部は、前記受信部によって受信された通知情報を記憶し、
前記表示制御部は、分割した複数の領域のうちの前記広告を表示する領域以外の領域であって、前記カゴ内の映像を表示する領域以外の領域に、前記記憶部に記憶した通知情報に基づく情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の広告表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターのカゴ内で広告をおこなう各種の技術があった。具体的には、従来、たとえば、乗りかご内に乗り込む利用者の表面温度が平均値より高いか低いかに応じて、冷モードのコンテンツや暖モードのコンテンツを選定して広告表示することで、環境上での状況に応じたサービス性の高い広告表示をおこなうようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-132553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1を含む従来の技術は、エレベーターを利用している間という制限された状況において広告効果を高める各種の工夫がなされているものの、カゴ内の乗員の状況を考慮したものではなく、たとえば、非常事態になった後も状況にそぐわない不謹慎な広告が表示され続ける状況があるという問題があった。
【0005】
特に、エレベーターの設置後にカゴ内に後付けしたタブレット端末などの汎用的な端末装置によってカゴ内で広告を表示する場合、後付けした端末装置がエレベーターの機能維持にかかる機能を備えておらず、カゴ内の乗員の状況を考慮した、節度をわきまえた広告の表示をおこなうことが難しいという問題があった。
【0006】
この対策として、カゴ内に後付けした端末装置において、カゴ内の乗員の状況が広告の表示に適した状況であるか否かを判断するために、エレベーターの制御基板に当該エレベーターの運行状態を端末装置に伝達する通信機能を追加したり、端末装置にエレベーターの運行状態を判断する機能を追加したりする場合、エレベーターごとに対策が必要になり、煩雑であって、コストがかかり、実現性に劣るという問題がある。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、エレベーターのカゴ内の乗員に広告を含む有意義な情報を提供することができる広告表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、エレベーターの設置後にカゴ内に後付けした汎用的な端末装置を用いて、エレベーターの状況に応じカゴ内の乗員に配慮した、節度をわきまえた広告の表示をおこなうことができる広告表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる広告表示装置は、エレベーターのカゴ内で広告を表示する情報処理端末装置からなる広告表示装置であって、前記カゴの外側に設けられた電気回路からの電源の供給を受けて駆動する前記情報処理端末装置が、表示画面と、広告情報を無線通信により受信する受信部と、前記受信部によって受信された広告情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された広告情報に基づいて、当該カゴ内で当該表示画面に広告を表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部が、前記表示画面の表示領域を複数の領域に分割し、分割した複数の領域の少なくとも一つに前記広告を表示することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記情報処理装置が、前記カゴ内を撮影する撮影部を備え、前記表示制御部は、分割した複数の領域のうちの前記広告を表示する領域以外の領域に、前記撮影部によって撮影された画像を表示することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記受信部が、前記カゴの乗員に通知したい通知情報を無線通信により受信し、前記記憶部が、前記受信部によって受信された通知情報を記憶し、前記表示制御部が、分割した複数の領域のうちの前記広告を表示する領域以外の領域に、前記記憶部に記憶した通知情報に基づく情報を表示することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる広告表示装置は、表示画面を備え、エレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置であって、前記エレベーターの遠隔地に設けられた管理装置から送信される信号を受信する受信部と、前記受信部によって所定の信号が受信された場合に、前記表示画面における広告の表示を中止する表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる広告表示装置は、表示画面を備え、エレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置であって、前記エレベーターの遠隔地に設けられた管理装置から送信される信号を受信する受信部と、前記受信部によって所定の信号が受信された場合に、前記表示画面における広告の表示形態を変更する表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部が、前記受信部によって所定の信号が受信された場合に、前記広告の表示サイズを変更することを特徴とする。
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部が、前記受信部によって所定の信号が受信された場合に、あらかじめ登録されている情報を前記表示画面に表示することを特徴とする。
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記所定の信号が、前記表示画面に表示する情報を含み、前記表示制御部は、前記受信部によって前記所定の信号が受信された場合に、前記所定の信号に含まれる情報を前記表示画面に表示することを特徴とする。
また、この発明にかかる広告表示装置は、上記の発明において、前記受信部が、前記管理装置から送信される信号を、中継装置を介して受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明にかかる広告表示装置によれば、エレベーターのカゴ内の乗員に広告を含む有意義な情報をすることができるという効果を奏する。
【0016】
また、この発明にかかる広告表示装置によれば、エレベーターの設置後にカゴ内に後付けした汎用的な端末装置を用いて、エレベーターの状況に応じカゴ内の乗員に配慮した、節度をわきまえた広告の表示をおこなうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、遠隔監視システムのシステム構成を示す説明図である。
図2図2は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置の設置の一例を示す説明図である。
図3図3は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置の外観の一例を示す説明図である。
図4図4は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システムのハードウエア構成を示す説明図である。
図5図5は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、表示画面における広告の表示態様を示す説明図である。
図7図7は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図8図8は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる広告表示装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
この発明にかかる広告表示装置は、表示画面を備え、エレベーターのカゴ内で広告を表示する。また、広告表示装置は、エレベーターの遠隔地に設置された管理サーバコンピュータから送信される所定の信号を受信した場合に、表示画面における広告の表示を中止する。
【0020】
(遠隔監視システムのシステム構成)
まず、遠隔監視システムのシステム構成について説明する。図1は、遠隔監視システムのシステム構成を示す説明図である。図1に示すように、遠隔監視システム100は、管理サーバコンピュータ(管理装置)110と、エレベーター120と、監視装置(中継装置)130と、によって構成されている。遠隔監視システム100においては、エレベーター120の動作を、管理サーバコンピュータ110を用いて監視する。管理サーバコンピュータ110は、監視装置130を介して、エレベーター120の動作を監視する。
【0021】
管理サーバコンピュータ110は、監視対象となるエレベーター120が設置されている場所とは異なる、当該エレベーター120が設置されている場所から離れた遠隔地に設置されている。具体的に、管理サーバコンピュータ110は、たとえば、エレベーター120の保守管理を担う保守管理会社111などに設置することができる。管理サーバコンピュータ110は、たとえば、汎用的なサーバコンピュータ装置によって実現することができる。
【0022】
管理サーバコンピュータ110には、パーソナルコンピュータなどによって実現される、操作用の端末装置114が接続されている。管理サーバコンピュータ110と操作用の端末装置114とは、同じ場所に設置されていてもよく、異なる場所に設置されていてもよい。操作用の端末装置114には、インターネット回線を介した通話を実現する専用のソフトウェアがインストールされている。
【0023】
エレベーター120は、複数階建てのビル内などに設置され、人や物品を搭載するカゴ(乗りかご)121を備えている。カゴ121は、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路(図示を省略する)内に設けられている。カゴ121は、1つの昇降路に1つずつ設けられている。
【0024】
昇降路には、カゴ121の昇降動作にかかわる駆動機構122が設けられている。駆動機構122は、たとえば、昇降路における上部に設けることができ、巻上機122a、ロープ122b、カウンタウエイト122cなどによって構成されている。また、駆動機構122は、さらに、電磁ブレーキや調速機を備えている(いずれも図示を省略する)。
【0025】
カゴ121には、操作盤123が設けられている。操作盤123は、各種の操作ボタンを含む操作ボタン群や、カゴ121が位置する階床などを表示する表示器などを備えている。また、操作盤123は、マイクおよびスピーカー(いずれも図4を参照)を備えており、インターフォンの機能を実現する。操作盤123は、操作盤123用の制御基板を備えている。また、カゴ121には、表示画面を備えた広告表示装置140が設けられている(図2図3を参照)。
【0026】
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)124には、扉124aが設けられている。乗り場124に設けられた扉124aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。エレベーター120が停止階に到着した状態で、カゴ121に設けられたモーター(図示を省略する)を駆動すると、カゴ121の扉121aの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、扉121aおよび扉124aが連動して開閉する。
【0027】
各乗り場124には、それぞれ、操作盤125が設置されている。操作盤125は、それぞれ、乗り場呼びボタンや、カゴ121が位置する階床などを表示する表示器などを備えている(いずれも図示を省略する)。各乗り場124に設けられた操作盤125は、それぞれ、操作盤125用の制御基板を備えている。
【0028】
エレベーター120は、エレベーター120が備える各部を駆動制御する制御基板126を備えている。制御基板126は、たとえば、巻上機122aを駆動制御し、カゴ121を昇降させる。また、制御基板126は、たとえば、操作盤123用の制御基板や操作盤125用の制御基板と接続されており、操作盤123用の制御基板や操作盤125用の制御基板との間で信号の送受信をおこなう。
【0029】
監視装置130は、通信機能を備えており、無線または有線により制御基板126と接続されている。また、監視装置130は、インターネットなどのネットワーク101を介して、管理サーバコンピュータ110に接続されている。このため、監視装置130は、制御基板126および管理サーバコンピュータ110との間で通信をおこなうことができる。
【0030】
監視装置130は、制御基板126および管理サーバコンピュータ110との間で通信をおこなうことにより、エレベーター120の動作状態に関する情報を管理サーバコンピュータ110に出力する。これにより、エレベーター120の遠隔地の保守管理会社111において、エレベーター120を遠隔監視することができる。
【0031】
また、監視装置130は、制御基板126および管理サーバコンピュータ110との間で通信をおこなうことにより、エレベーター120の状態に応じて管理サーバコンピュータ110から出力された動作指示を、制御基板126に出力する。これにより、エレベーター120の遠隔地の保守管理会社111において、エレベーター120を遠隔制御することができる。
【0032】
広告表示装置140は、ネットワーク101に接続されており、管理サーバコンピュータ110との間で無線または有線による通信をおこなう通信機能を備えている。広告表示装置140は、管理サーバコンピュータ110から送信される所定の信号を受信した場合に、表示画面における表示態様を変化させる。
【0033】
管理サーバコンピュータ110は、たとえば、制御基板126から発報用の信号が出力されたことに応じて監視装置130から出力される信号を受信した場合に、広告表示装置140に対して、エレベーター120の運行異常を検出したことを示す所定の信号を送信する。また、管理サーバコンピュータ110は、たとえば、当該管理サーバコンピュータ110が監視対象とするエレベーター120の設置地域において所定の震度(たとえば震度4)以上の地震が発生したことを検出した場合に、該当する広告表示装置140に対して、所定の信号を送信する。
【0034】
(広告表示装置140の設置例)
図2は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140の設置の一例を示す説明図である。図2においては、エレベーター120のカゴ121内の様子を示している。図2に示すように、操作盤123は、カゴ121の内面であって、カゴ121に対して乗員が出入りする出入り口部分の扉121aと同じ面に設けられている。操作盤123の操作ボタン群123aは、たとえば、行先階ボタン、扉開閉ボタン、非常ボタンなどを含む。表示器123bは、カゴ121が位置する階床などを表示する。
【0035】
広告表示装置140は、表示画面201を備えており、カゴ121の内壁面のうち操作盤123が設けられている面と同じ壁面であって、操作盤123より上側の天井近くに設置されている。これは、カゴ121内の乗員が、扉121a側の壁面を向いて立つことが一般的であることを想定している。
【0036】
すなわち、通常、乗員は、カゴ121内に入った後、扉121a側の壁面を向いて立つことが多く、このような位置に広告表示装置140を設けることによって、カゴ121内の乗員が、表示画面201に表示される広告を容易に見ることができる。これにより、広告表示装置140を介した高い広告効果を発揮させることができる。
【0037】
広告表示装置140は、撮像装置(カメラ)を備えていてもよい(図4を参照)。撮像装置は、たとえば、乗員の表情を撮影する。広告表示装置140を天井近くに設置することにより、撮像装置によって乗員の表情を容易に撮影することができる。また、撮像装置は、カゴ121から降りる際の乗員の表情を撮影することができる。
【0038】
また、広告表示装置140を天井付近に設置することにより、乗員は、通常の状態で手を伸ばしても広告表示装置140に容易に触れることができない。したがって、乗員により、不用意に広告表示装置140に触れられたり、不正操作されたり、壊されたりすることを防止することができる。
【0039】
図示を省略するが、広告表示装置140は、扉121aおよび操作盤123が設けられている壁面に対向する壁面(カゴ121の奥側の壁面)に、それぞれ設けるようにしてもよい。カゴ121の奥側の壁面に設けることによって、乗員は、カゴ121内に入ってくる際に、広告表示装置140を見ることができる。
【0040】
さらに、扉121aおよび操作盤123が設けられている壁面と、その壁面に対向する壁面(カゴ121の奥側の壁面)とに、それぞれ広告表示装置140を設けることにより、乗員は、カゴ121内に入る際、および、カゴ121内から出る際に、広告表示装置140を見ることができる。
【0041】
また、広告表示装置140は、扉121aおよび操作盤123が設けられている壁面と同一の壁面の上側に代わって、側壁面に設けるようにしてもよい。この場合、広告表示装置140は、カゴ121の側壁面において、天井に近い上側の位置に設けることが好ましい。このように、広告表示装置140は、カゴ121内の扉121aの上端よりも上側の位置のどの位置に設置してもよい。
【0042】
広告表示装置140は、エレベーター120の設置後に、後付けすることができる。広告表示装置140は、カゴ121の広さ(定員数)、カゴ121の高さ、カゴ121の形状(床が正方形あるいは長方形など)、エレベーター120の種類(シースルー型、壁面に鏡の有り無し)、外扉の種類(窓の有り無し)などを勘案した最適な位置に設置することができる。また、広告表示装置140は、広告表示装置140の設置後に、自由にその設置位置を変更できるようにしてもよい。
【0043】
広告表示装置140は、たとえば、壁面へのネジ止めにより設置することができる。広告表示装置140を壁面にネジ止めすることにより、落下を確実に防止することができる。ネジ止めは、壁面に限らず、ステーなどを介してカゴ121の天井に施してもよい。広告表示装置140は、ネジ止め以外の方法(たとえばマグネットなどを使用するなど)によって設置してもよい。
【0044】
広告表示装置140を後付けする場合は、広告表示装置140に、図示を省略するコンセントプラグを設けるようにしてもよい。また、カゴ121には、コンセントプラグの挿入を受け付けるプラグソケット202(202a、202b)が設けられている。プラグソケット202は、コンセントプラグが挿入されることによって当該コンセントプラグとともに配線用差込接続器を構成する。具体的には、たとえば、日本において汎用的に用いられているAタイプのプラグソケットを用いることができる。
【0045】
プラグソケットは、Aタイプに限るものではない。具体的には、たとえば、インドやインドネシアなどにおいて広く用いられているB3タイプやCタイプのプラグソケットを用いてもよく、香港などにおいて広く用いられているBFタイプのプラグソケットを用いてもよい。
【0046】
あるいは、韓国などにおいて広く用いられているSEタイプのプラグソケットを用いてもよく、台湾などにおいて広く用いられているOタイプのプラグソケットを用いてもよい。中国など、複数タイプのプラグソケットが普及している国や地域においては、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、B3タイプ、BFタイプ、SEタイプ、Oタイプなど様々なタイプの中から、エレベーター120を設置する地域に応じた任意のタイプのプラグソケットを用いることが好ましい。
【0047】
プラグソケット202は、カゴ121上ボックスが収容する基板の電気回路に電気的に接続されている。これにより、プラグソケット202を介して、当該プラグソケット202に接続された電気機器に給電することができる。プラグソケット202は、カゴ121上ボックスが収容する基板の電気回路の端子に直接結線されているものに限らず、当該端子に接続された電力線に接続されていてもよい。このような電力線にプラグソケット202を接続する場合、当該電力線に分岐用のコネクタを設け、当該コネクタにプラグソケット202を接続することができる。
【0048】
図2に示すように、プラグソケット202がカゴ121内に露出している場合、当該プラグソケット202は、カゴ121内の高い位置に配置することが好ましい。図2において、プラグソケット202aは、カゴ121の側面に設けられており、また、プラグソケット202bは、天井面に設けられている。このように、カゴ121内に露出したプラグソケット202をカゴ121内の高い位置に配置することにより、雨天時に傘や衣服から飛んだ水滴が付着することを防止でき、また、盗電や子供などによる悪戯をしにくくすることができる。
【0049】
プラグソケット202は、1つのカゴ121に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ121に複数個設けられていてもよい。1つのカゴ121に複数のプラグソケット202を設ける場合、当該複数のプラグソケット202を並べて配置してもよく、複数箇所に分散して配置してもよい。プラグソケット202は、たとえば、当該プラグソケット202がカゴ121の内壁面(天井面)と同一面内に位置するように配置するとよい。
【0050】
また、カゴ121には、プラグソケット202に代えて、図示を省略する、接栓座を設けるようにしてもよい。接栓座は、図示を省略するカゴ121上ボックスが収容する電気回路から供給される電源を、当該接栓座に接続された広告表示装置140に対して供給する機能を備える。具体的には、たとえば、電源供給用の配線を備えたレセクタブルを用いることによって、接栓座に接続された電気機器に対して電源を供給することができる。なお、レセクタブルは、電源供給用の配線に加えて、信号伝送用の配線を備えていてもよい。
【0051】
接栓座を実現するレセクタブルは、当該レセクタブルに接続されている広告表示装置140の動作中に抜き差しすることができるホットプラグによって実現することが好ましい。接栓座を実現するレセクタブルは、さらに、図示を省略する制御回路を介して広告表示装置140への給電をおこなうようにしてもよい。
【0052】
また、接栓座は、たとえば、USBコネクタによって実現してもよい。接栓座を実現するレセクタブルとしてのUSBコネクタは、たとえば、USB Type-Aコネクタ、Micro USBコネクタ、Micro USB Type-Bコネクタ、USB Type-Cコネクタなど公知の各種のUSBコネクタのレセクタブルによって実現することができる。
【0053】
また、接栓座を実現するレセクタブルは、USBインタフェースのコネクタ(レセクタブル)に限るものではなく、たとえば、IEEE 1394コネクタ、PS/2コネクタ、D-Subコネクタ、DINコネクタ、同軸コネクタ、その他公知の各種の通信用のコネクタによって実現されるものであってもよい。
【0054】
接栓座を実現するレセクタブルは、1つのカゴ121に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ121に複数設けられていてもよい。1つのカゴ121に複数の接栓座を実現するレセクタブルを設ける場合、通信I/Fのコネクタは1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
【0055】
接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ121の内壁面と同一面内に位置するように配置することができる。また、接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ121の内壁面よりもカゴ121の内側に飛び出していてもよく、カゴ121の内壁面から凹んだ位置に配置してもよい。
【0056】
(広告表示装置140の外観)
つぎに、広告表示装置140の外観について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140の外観の一例を示す説明図である。図3に示すように、広告表示装置140の表示画面201は、横方向に長い長方形をなし、枠体301に囲まれている。
【0057】
表示画面201は、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304、広告表示領域(広告エリア)305などのように複数(この実施の形態においては4つ)の領域から構成されるものであってもよい。このように、4つの領域に区切って表示することによって、各種情報を効率よく乗員に伝えることができる。
【0058】
表示画面201の左下側の長方形の広告表示領域305を囲むように、上側から右側にかけて、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304が逆「L」字状に設けられている。防犯カメラ映像表示領域302は、左側に設けられ、それに続いて、管理情報表示領域303が横長に設けられる。防犯カメラ映像表示領域302には、表示画面201の下側に配置されたレンズ306を備えた撮像装置(カメラ:図4を参照)によって撮影された映像をリアルタイムで表示するようにしてもよい。
【0059】
また、この管理情報表示領域303では、長いメッセージである場合は、右側から左側に流れるようにメッセージが表示される。管理情報表示領域303を表示画面201の上側に設けたのは、表示画面201の上側は、乗員にとっては視認しやすく、それ故に、比較的重要な管理情報を確実に乗員に伝えることができる。
【0060】
また、右側の側面には、縦長に各種情報表示領域304が設けられており、図3に示すような天気予報や、交通情報、ニュースなど、エレベーター120の乗員に通知したい各種情報を表示する。各種情報表示領域304では、多くの情報を表示する場合は、下側から上側へ流れるように表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、各地域の天気予報を表示する場合は、新しい地域の情報は、順次下から表示され、古い地域の情報は上側へ移動してから、消去するようにしてもよい。また、その逆に、上側から、下側へ流れるように表示してもよい。また、左右どちらかへ流れるように表示してもよい。このように、各種情報表示領域304では、表示する情報の内容によって、表示形態を変えることができる。
【0061】
管理情報表示領域303と、各種情報表示領域304とでは、その境に明確な区切りはない。これは、表示する状況に応じて、管理情報表示領域303を右側に長くしてもよく、また、各種情報表示領域304を上側に長くしてもよくできるようにしている。また、表示する情報によっては、管理情報表示領域303と、各種情報表示領域304とを、一続きとして、使用することもできる。
【0062】
このように、表示画面201をレイアウトすることで、広告情報を表示しながら、それ以外の情報も同時に、乗員に伝えることができる。表示画面201は、通常は、このようなレイアウトであるが、状況によっては、このレイアウトが変更される。たとえば、エレベーター120の故障などの緊急事態が生じた場合は、広告エリアを消去して、必要な情報を表示するようにしてもよい。また、広告の表示演出として、表示画面201の全面を広告表示としてもよい。
【0063】
(遠隔監視システム100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100のハードウエア構成について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100のハードウエア構成を示す説明図である。
【0064】
図4に示すように、制御基板126は、巻上機122a、操作盤123(操作盤123用の制御基板)、操作盤125(操作盤125用の制御基板)、各種センサ(図示を省略する)など、エレベーター120を構成する各部と信号線を介して接続されており、当該各部を駆動制御する。制御基板126は、エレベーター120が備える各部に対して制御用の信号(下り信号)を出力するとともに、当該各部から出力された信号(上り信号)に基づいて、エレベーター120の運行動作を制御する。
【0065】
上述した操作盤123用の制御基板は、エレベーター120の利用者などによる操作ボタンに対する入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作に応じた上り信号を生成し、生成した上り信号を制御基板126に出力する。制御基板126は、たとえば、操作盤123の非常ボタンが操作された場合、監視装置130に対して、非常ボタンが操作されたことを発報する発報用の信号を出力する。
【0066】
また、制御基板126は、エレベーター120の運行異常を検出した場合に、運行異常を検出したことを発報する発報用の信号を出力する。制御基板126は、たとえば、地震、カゴ121の異常停止、カゴ121内の照度不足、カゴ121内での異常な音声を検出した場合に、発報用の信号を出力する。
【0067】
具体的に、制御基板126は、たとえば、所定の震度(たとえば震度4)以上の地震を検出した場合に、発報用の信号を出力する。また、具体的に、制御基板126は、たとえば、階床と階床との間のような、カゴ121および乗り場の扉の開閉ができない位置におけるカゴ121の異常停止を検出した場合に、発報用の信号を出力する。
【0068】
また、具体的に、制御基板126は、たとえば、カゴ121内に取り付けたフォトトランジスタやフォトダイオードなどの照度センサを用いてカゴ121内の照度不足を検出し、カゴ121内の照度不足を検出した場合に、発報用の信号を出力してもよい。また、具体的に、制御基板126は、たとえば、操作盤123が備えるマイクを用いて、悲鳴や怒鳴り声などのように、通常の会話の域を超える強さ(大きさ)の異常な音を検出した場合に、発報用の信号を出力してもよい。
【0069】
また、具体的に、制御基板126は、たとえば、扉121a、124aを開閉動作させる制御用の信号を出力したにもかかわらず、扉開閉センサの出力値に基づいて該当する扉121a、124aが動作しないことを検出した場合に、発報用の信号を出力する。また、具体的に、制御基板126は、たとえば、カゴ121内に乗員が閉じ込められる運行異常(故障)を検出した場合に、発報用の信号を出力する。
【0070】
さらに、制御基板126は、たとえば、カゴ121内に入ってから出るまでの間、ほぼ一定の姿勢でいる乗員の画像(通常の画像)に対して、乗員の動きが極端に大きい画像を、異常な画像内容として検出し、このような異常な画像内容を検出した場合に、発報用の信号を出力してもよい。このような異常な画像内容が検出される原因としては、たとえば、カゴ121内で体調を悪くした乗員が倒れたりうずくまったりしている、カゴ121内で乗員が喧嘩あるいは破壊行為をしている、などを想定することができる。
【0071】
操作盤125用の制御基板は、操作盤123用の制御基板と同様に、エレベーター120の利用者などによる乗り場呼びボタンに対する入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作に応じた呼びの上り信号を生成し、生成した呼びの上り信号を制御基板126に出力する。操作盤125用の制御基板から呼びの上り信号が出力された場合、制御基板126は、操作盤123用の制御基板から信号が出力された場合と同様に、操作盤125用の制御基板から出力された呼びの上り信号に基づいて各種の制御用の下り信号を生成し、生成した制御用の下り信号を該当する各部に出力することによってエレベーター120の運行動作を制御する。
【0072】
監視装置130は、中継基板401、監視制御基板402、メモリ403、通信I/F(InterFace)404などを備えている。中継基板401は、制御基板126から出力される各種の信号を解析し、解析結果を監視制御基板402に出力する。制御基板126から出力される各種の信号は、エレベーター120の機種などに応じて異なる。
【0073】
中継基板401は、解析に際して、制御基板126から出力される各種の信号を、監視制御基板402が処理可能なフォーマットに変換する。これにより、エレベーター120の機種の違いにかかわらず、当該エレベーター120の遠隔監視をおこなうことができる。
【0074】
監視制御基板402は、中継基板401から出力された解析結果を、たとえば、メモリ403に記憶する。監視制御基板402は、中継基板401が入力を受け付けた信号を、解析することなく直接メモリ403に記憶してもよい。メモリ403は、電源の供給が絶たれた場合にも記憶した情報を保持する不揮発性の記憶媒体によって実現することができる。
【0075】
具体的には、メモリ403は、たとえば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などによって実現することができる。
【0076】
また、監視制御基板402は、中継基板401から出力された解析結果を、ネットワーク101に接続された通信I/F404を介して、管理サーバコンピュータ110へ送信する。監視制御基板402は、たとえば、中継基板401から出力された解析結果が、制御基板126から出力された発報用の信号であることを示す信号を、管理サーバコンピュータ110へ送信する。
【0077】
具体的に、監視制御基板402は、たとえば、非常ボタンが操作されたことを示す信号(発報用の信号)を、通信I/F404を介して管理サーバコンピュータ110へ送信する。これにより、カゴ121内の乗員は、操作盤123が備えるマイクおよびスピーカーを用いて、保守管理会社111のオペレーター112との間において音声通信(通話)をおこなうことができる。
【0078】
また、監視制御基板402は、非常ボタンが操作された場合のほか、地震、カゴ121の異常停止、カゴ121内の照度不足、異常な音、扉121a、124aが動作しないこと、カゴ121内に乗員が閉じ込められたこと、異常な画像内容が検出されたことなどを示す信号(発報用の信号)を、通信I/F404を介して管理サーバコンピュータ110へ送信する。
【0079】
あるいは、監視制御基板402は、エレベーター120が備える各部から出力された信号(上り信号)や、制御基板126からエレベーター120が備える各部に対して出力された信号(下り信号)を中継基板401を介して取得し、取得した信号に基づいて生成した信号を、通信I/F404を介して管理サーバコンピュータ110へ送信するものであってもよい。
【0080】
具体的には、監視制御基板402は、たとえば、エレベーター120が備えるセンサから制御基板126に対して出力された、扉121a、124aが動作しないことを示す上り信号を中継基板401を介して取得し、取得した信号に基づいて生成した信号を、通信I/F404を介して管理サーバコンピュータ110へ送信する。また、具体的には、監視制御基板402は、たとえば、制御基板126から巻上機122aに対して出力された、非常停止を指示する下り信号を取得し、取得した信号に基づいて生成した信号を、通信I/F404を介して管理サーバコンピュータ110へ送信する。
【0081】
広告表示装置140は、CPU406、メモリ407、表示画面201、マイク408、スピーカー409、撮像装置(カメラ)410、通信I/F411、を備えている。CPU406は、絶縁体の板に固定された集積回路(IC)、抵抗器、コンデンサ、トランジスタなどの電子部品どうしを導線で接続することによって構成される、いわゆるマイコンによって実現することができる。
【0082】
CPU406は、メモリ407に記憶されたプログラムを実行することによって、広告表示装置140の装置全体の制御をつかさどる。メモリ407は、CPU406が実行するプログラムを記憶するとともに、広告情報を含む各種情報を記憶することができる。メモリ407は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。
【0083】
また、メモリ407は、広告表示装置140に対して、広告表示装置140に設けられたカードスロットを介して着脱可能なメモリカードであってもよい。メモリカードは、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどのICカードによってその機能を実現することができる。メモリカードは、外付けハードディスク、USBメモリ、SSDなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【0084】
撮像装置410は、撮像素子を備え、撮像素子がレンズ306を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を取得する。撮像装置410は、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。動画は、静止画を所定時間間隔で撮影したものを連続して再生するものであってもよい。また、動画は、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group))などであってもよい。
【0085】
通信I/F411は、通信回線を通じて広告表示装置140とネットワーク101とを接続するインタフェースであり、ネットワーク101と内部のインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
【0086】
通信I/F411は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)による無線インタフェースである。また、通信I/F411は、携帯電話回線(たとえばLTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System)などの無線通信のインタフェースであってもよく、また、モデムやLANアダプタなどの有線通信のインタフェースを採用することができる。また、エレベーター120が遠隔監視などのために有しているネットワークに接続し、そのネットワークを介して、情報の送受信をおこなうようにしてもよい。
【0087】
表示画面201は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって実現される。スピーカー409は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカー409は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカー409を接続して、音を発生させるようにしてもよい。
【0088】
(広告表示装置140の機能的構成)
図5は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140の機能的構成の一例を示すブロック図である。図5において、広告表示装置140は、制御部500と、広告情報受信部501と、広告情報記憶部502と、広告情報表示制御部503と、信号受信部504と、を含む構成となっている。
【0089】
制御部500は、広告表示装置140の全体を制御する。制御部500は、具体的には、たとえば、図4に示したCPU406が、メモリ407などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
【0090】
広告情報受信部501は、エレベーター120の乗員に対する広告に関する広告情報を受信する。広告情報受信部501は、具体的には、たとえば、図4に示した通信I/F411などによってその機能を実現することができる。広告情報受信部501は、図示を省略する、広告配信サーバあるいは広告主の情報端末装置から、ネットワーク101を介して、広告情報を受信することができる。また、広告情報受信部501は、エレベーター120の乗員が備えるスマートフォンなどの情報端末装置から広告情報を受信するようにしてもよい。また、広告情報受信部501は、たとえば、管理サーバコンピュータ110から、広告情報を受信してもよい。
【0091】
広告情報記憶部502は、広告情報受信部501によって受信された広告情報を記憶する。広告情報記憶部502は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ407などによってその機能を実現することができる。広告情報記憶部502は、広告情報受信部501によって受信された広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、広告情報受信部501によって受信された広告情報について、制御部500によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
【0092】
図4に示した通信I/F411が、USBインタフェースによって実現される場合、広告情報記憶部502は、当該通信I/F411を介して接続されたUSBメモリや外部装置などから取得した広告情報を記憶してもよい。この場合も、広告情報記憶部502は、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報について、制御部500によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
【0093】
広告情報記憶部502は、たとえば、広告表示装置140またはエレベーター120の管理者と、広告主との間に成立した契約に基づいて定められる契約期間の間、広告情報を記憶する。契約期間が経過した広告情報は、広告情報記憶部502から消去する。契約期間が経過した広告情報の消去は、たとえば、管理者の操作を介することなく制御部500が適宜おこなってもよく、管理者の操作に応じておこなってもよい。
【0094】
広告情報表示制御部503は、広告情報受信部501によって受信され、広告情報記憶部502に記憶された広告情報に基づいて、表示画面201に広告を表示する。広告情報表示制御部503は、具体的には、たとえば、図4に示したCPU406が、メモリ407などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。広告情報表示制御部503は、広告情報記憶部502に記憶された広告情報を表示画面201に表示するようにしてもよく、また、広告情報記憶部502に記憶された広告情報について、制御部500によって加工された後に、表示画面201に表示するようにしてもよい。
【0095】
広告情報は、特典に関する特典情報を含んでいてもよい。特典に関する特典情報とは、たとえば、エレベーター120の乗員のみが提供を受けられ、それ以外の人は提供を受けられない利点などである。具体的には、広告主が提供する商品やサービスに対する割引や特別待遇などである。たとえば、特典情報は、商品またはサービスに対する割引クーポンであってもよい。
【0096】
特典情報には、広告を表示したエレベーター120、当該エレベーター120が設置された建物(マンションやオフィスビル)および当該建物が存在する地域(住所による区分あるいは距離による区分によって特定された地域など)の少なくともいずれか1つを特定する情報が含まれていてもよい。
【0097】
ここで、エレベーター120を特定する情報は、具体的には、たとえば、住所や電話番号などであってもよく、また、エレベーター120の管理会社が各エレベーター120を管理する際に各エレベーター120にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。また、エレベーター120が設置された建物を特定する情報は、具体的には、たとえば、当該エレベーター120が設置されている建物名、住所、電話番号などであってもよく、また、エレベーター120の管理会社が各エレベーター120を管理する際に各建物にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。
【0098】
エレベーター120が設置された建物が存在する地域を特定する情報は、具体的には、当該建物の住所の単位(○○町一丁目など)や、当該建物の所在地の緯度経度情報から、その所在地を中心としたエリア(半径○○m以内など)、あるいは、当該建物の所在地から最寄りの交通機関(地下鉄駅など)を中心としたエリアなどであってもよい。
【0099】
制御部500は、広告表示装置140(のメモリ407)が記憶する、広告表示装置140が備える当該エレベーター120に関する情報、エレベーター120が設置された建物を特定する情報、エレベーター120が設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれか1つを取得して、特典情報に含めることができる。
【0100】
特典情報には、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていてもよい。また、特典情報には、当該特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報が含まれていてもよい。制御部500は、この特典の提供を受ける条件に関する情報または広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めるようにしてもよい。制御部500は、広告表示装置140(のCPU406)が備える時計から日時情報を取得して、特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めることができる。
【0101】
特典情報に、当該エレベーター120に関する情報、エレベーター120が設置された建物を特定する情報、エレベーター120が設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれかに関する情報や、日時に関する情報が含まれていることによって、当該特典情報を用いて特典の提供を申し出た乗員がエレベーター120内で広告を見た日時を容易に特定することができ、その後のマーケティング情報として活用することができる。
【0102】
また、特典情報に、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていることによって、利用者(乗員)が受けられる特典の内容を正確に把握でき、より確実に、当該特典を利用することができるようになる。
【0103】
特典情報は、スマートフォンなどの携帯端末装置が取得可能な情報であってもよい。具体的には、たとえば、特典情報は、2次元コードにより表示される情報であってもよい。表示画面201に表示された2次元コードは、たとえば、携帯端末装置のカメラによって撮影され、携帯端末装置が備えるアプリケーションにより、その2次元コードに記録されている情報を取得することができる。
【0104】
信号受信部504は、管理サーバコンピュータ110から送信される信号を受信する。管理サーバコンピュータ110は、たとえば、制御基板126から発報用の信号が出力されたことに応じて監視装置130から出力される信号を受信した場合に、広告表示装置140に対して、エレベーター120の運行異常を検出したことを示す所定の信号を送信する。信号受信部504は、具体的には、たとえば、図4に示した通信I/F411などによってその機能を実現することができる。
【0105】
上記の広告情報表示制御部503は、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、表示画面201における広告の表示を中止する。また、広告情報表示制御部503は、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、表示画面201における広告の表示を中止し、広告に代えて、あらかじめ登録されている情報を表示画面201に表示してもよい。
【0106】
あらかじめ定められた情報は、たとえば、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』や、『ただ今、サービスマンが向かっております。ご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください。』などのように、運行異常の発生にともなって、カゴ121内の乗員に案内される情報であって、運行異常の発生にともなってカゴ121内の乗員に案内されるガイダンスメッセージであってもよく、エレベーター120を管理する管理部門のオペレーター112の画像などであってもよい。
【0107】
オペレーター112の画像は、静止画であっても動画であってもよい。また、オペレーター112の画像は、あらかじめ撮像(録画)されたものであってもよく、リアルタイムで撮像されるものであってもよい。ガイダンスメッセージ(図6(d)における符号602を参照)やオペレーター112の画像は、たとえば、広告表示装置140のメモリ407が記憶する。
【0108】
所定の信号は、操作盤123の非常ボタンが操作されたことに応じて、管理サーバコンピュータ110から送信されることから、カゴ121内において、非常ボタンが操作されるような非常事態が発生した場合に広告の表示を中止することにより、非常事態になった後も状況にそぐわない広告が表示され続けることによって、カゴ121内の乗員を不快にすることを回避できる。
【0109】
また、所定の信号は、地震、カゴ121の異常停止、カゴ121内の照度不足、異常な音、扉121a、124aが動作しないこと、カゴ121内に乗員が閉じ込められたこと、異常な画像内容が検出されたことなどを示す信号(発報用の信号)が制御基板126から出力された場合に、管理サーバコンピュータ110から広告表示装置140に対して送信されることから、カゴ121内の乗員がエレベーター120の利用中に不安を覚えるようなこれらの事態が発生した場合に広告の表示を中止することにより、非常事態になった後も状況にそぐわない広告が表示され続けることによって、カゴ121内の乗員を不快にすることを回避できる。
【0110】
広告情報表示制御部503は、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、広告の表示を中止するのではなく、表示画面201における広告の表示形態を変更するようにしてもよい。広告の表示形態を変更することにより、広告の表示を中止することなく、表示画面201を有効に活用して、非常事態においてカゴ121内の乗員に伝達すべき情報を迅速かつ確実に伝達することができる。
【0111】
具体的には、広告情報表示制御部503は、たとえば、図3に示したように複数の領域に分割した表示画面201における1つの領域において広告を表示し、別の領域において、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』などのガイダンスメッセージを表示する。あるいは、具体的には、広告情報表示制御部503は、たとえば、上記のようなガイダンスメッセージを、広告に重ねて表示することによって、広告の表示形態を変更するようにしてもよい。
【0112】
このように、監視装置130から送信される所定の信号を受信した場合に広告の表示を中止したり、広告の表示形態を変更したりすることにより、エレベーター120の状態を検出するセンサや運行異常を検出するプログラムなどを搭載しておらずエレベーター120の機能維持に特化されていない機器を用いて、カゴ121内で広告を表示するとともに、エレベーター120の非常事態が発生した場合に広告の表示を中止することができる。
【0113】
これにより、汎用的なタブレット端末などを用いて、エレベーター120の状況に応じ広告の表示に適した状況に制限してカゴ121内での広告の表示を実現でき、また、カゴ121内の乗員に配慮した、節度をわきまえた広告の表示をおこなうことができる。
【0114】
また、広告表示装置140は、通信I/F411を介してネットワーク101に接続されており、ネットワーク101を介して受信した所定の信号に基づいて、エレベーターの設置後にカゴ内に後付けした広告表示装置140が備える表示画面201において、広告の表示を中止したり、表示形態を変更したりすることができるので、エレベーターの状況に応じカゴ内の乗員に配慮した、節度をわきまえた広告の表示を容易におこなうことができる。
【0115】
(広告の表示態様)
つぎに、表示画面201における広告の表示態様について説明する。図6は、表示画面201における広告の表示態様を示す説明図である。図6(a)に示すように、エレベーター120が通常運行している場合、表示画面201は、広告601を表示する。具体的に、たとえば、『○○マンション モデルルーム公開 ×月×日10:00より』、『ご来場・ご成約キャンペーン 実施しております』などの文字ガイダンスや、広告601対象のマンションのイメージモデルがにこやかに微笑む画像などを含む広告601を表示する。
【0116】
そして、広告表示装置140において広告601を表示している際に、たとえば、震度4以上の地震が発生した場合、管理サーバコンピュータ110は、図6(b)に示すように、広告表示装置140に対して所定の信号を出力する。広告表示装置140は、発報用の信号を受信すると、図6(c)に示すように、表示画面201における広告の表示を中止する。
【0117】
このように、エレベーター120において運行異常が検出されるような非常事態には広告601の表示を停止することにより、たとえば、震度4以上の地震が発生したような非常事態に、イメージモデルがにこやかに微笑む画像などの、状況にそぐわない広告601が表示され続けることによって、カゴ121内の乗員600を不快にすることを回避できる。
【0118】
さらに、広告表示装置140は、広告601の表示中に管理サーバコンピュータ110から送信された所定の信号を受信した場合、広告601に代えて、図6(d)に示すように、あらかじめ定められた情報を表示してもよい。具体的に、広告601に代えて、たとえば、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』などのガイダンスメッセージ602を表示する。これにより、表示画面201を有効に活用して、カゴ121内の乗員600に有用な情報を迅速に伝達することができる。
【0119】
広告表示装置140は、管理サーバコンピュータ110から送信された所定の信号に含まれる情報に基づいて、ガイダンスメッセージ602を表示してもよい。これにより、カゴ121内での広告の表示中に運行異常が発生するごとに、当該運行異常の内容に適したガイダンスメッセージ602を表示することができる。所定の信号に含まれる情報は、エレベーター120における異常運行ごとに設定されていてもよい。
【0120】
具体的に、ガイダンスメッセージ602は、たとえば、想定される運行異常が地震であれば、上記のように、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』などのガイダンスメッセージによって実現することができる。
【0121】
また、ガイダンスメッセージ602は、たとえば、想定される運行異常が階床と階床との間でのカゴ121の停止であれば、『ただ今、サービスマンが向かっております。ご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください。』などのガイダンスメッセージによって実現することができる。また、たとえば、具体的に想定されない運行異常に対するガイダンスメッセージ602は、乗員600に冷静になるように促す内容であってもよい。
【0122】
また、オペレーターの画像は、広告601に代えて表示してもよく、あるいは、広告601に代えて該当するガイダンスメッセージを表示した後に、当該ガイダンスメッセージに代えて、表示画面201に表示してもよい。また、ガイダンスメッセージ602は、文字によって示されるガイダンスメッセージと、画像によって示されるガイダンスメッセージと、の両方を含むものであってもよい。さらに、ガイダンスメッセージ602は、音声を含むものであってもよい。
【0123】
(広告表示装置140が実行する処理手順)
つぎに、広告表示装置140が実行する処理手順について説明する。図7および図8は、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0124】
図7のフローチャートにおいて、広告表示装置140は、ネットワーク101を介して、広告情報を受信したか否かを判断する(ステップS701)。そして、広告情報を受信するのを待って(ステップS701:No)、受信した場合(ステップS701:Yes)、受信した広告情報を、たとえば広告情報記憶部502に記憶する(ステップS702)。
【0125】
つぎに、広告開始時期になったか否かを判断する(ステップS703)。広告開始時期になったか否かの判断は、受信した広告情報に含まれる開始時期に関する情報に基づいておこなうことができる。また、他の広告情報との優先順位(この優先順位に関する情報も、広告情報に含まれていてもよい)に基づいて判断してもよい。
【0126】
ステップS703において、広告開始時期になるのを待ち(ステップS703:No)、広告開始時期になった場合(ステップS703:Yes)、広告情報記憶部502に記憶されている広告情報に基づいて、表示画面201に広告601を表示して(ステップS704)、一連の処理を終了する。
【0127】
ステップS704においては、あらかじめ設定された広告表示時間(たとえば、30秒)の間、表示画面201に広告601を表示する。広告表示時間は、たとえば、広告表示装置140またはエレベーター120の管理者と、広告主との間の契約に基づいて設定される。同一の時間枠に、複数の広告主との契約が成立している場合、当該時間枠において該当する複数の広告601を順次繰り返して表示する。広告601が動画である場合、広告表示時間は、たとえば、当該動画の再生時間としてもよい。
【0128】
図8のフローチャートに示す処理は、表示画面201に広告601を表示している際におこなう。図8のフローチャートにおいて、広告表示装置140は、管理サーバコンピュータ110から送信された信号を受信したか否かを判断する(ステップS801)。そして、管理サーバコンピュータ110から送信された信号を受信するのを待って(ステップS801:No)、管理サーバコンピュータ110から送信された信号を受信した場合(ステップS801:Yes)、受信した信号が所定の信号であるか否かを判断する(ステップS802)。
【0129】
ステップS802においては、エレベーター120において異常運行が検出されたことを示す所定の信号であるか否かを判断する。ステップS801:Yesにおいて受信した信号が所定の信号でない場合(ステップS802:No)、一連の処理を終了する。一方、受信した信号が所定の信号である場合(ステップS802:Yes)、表示画面201における広告601の表示を停止する(ステップS803)。
【0130】
つぎに、受信した所定の信号から、ガイダンスメッセージ602を抽出する(ステップS804)。ステップS804においては、たとえば、所定の信号にテキストデータあるいはビットマップデータとして含まれるガイダンスメッセージ602を抽出する。ガイダンスメッセージ602は、画像であってもよい。
【0131】
つぎに、表示を停止した広告601に代えて、表示画面201に、ステップS804において抽出したガイダンスメッセージ602を表示する(ステップS805)。そして、解除信号を受信したか否かを判断する(ステップS806)。解除信号は、エレベーター120の運行状態が通常状態に復帰したことを示す信号であって、エレベーター120において検出された異常運行が解除された場合に、管理サーバコンピュータ110から送信される。解除信号を受信した場合(ステップS806:Yes)、一連の処理を終了する。そして、広告601の表示を再開する。
【0132】
一方、解除信号を受信していない場合(ステップS806:No)、ステップS805においてガイダンスメッセージ602を表示してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS807)。所定時間が経過していない場合(ステップS807:No)、ステップS806へ移行し、ガイダンスメッセージ602の表示を継続したまま、解除信号を受信したか否かを判断する。
【0133】
これに対し、解除信号を受信しないまま、ガイダンスメッセージ602を表示してから所定時間が経過した場合(ステップS807:Yes)、ステップS805において表示したガイダンスメッセージ602に代えて、オペレーター112の画像を表示する(ステップS808)。ステップS808においては、たとえば、あらかじめ設定されたオペレーター画像表示時間(たとえば、30秒)の間、表示画面201にオペレーター112の画像を表示する。あるいは、ステップS808においては、たとえば、解除信号を受信するまでの間、オペレーター112の画像を表示してもよい。
【0134】
なお、上述した実施の形態においては、制御基板126から出力された発報用の信号を、監視装置130を介して管理サーバコンピュータ110に送信するようにしたが、これに限るものではない。発報用の信号は、制御基板126から、監視装置130を介することなく管理サーバコンピュータ110に送信されるものであってもよい。
【0135】
また、上述した実施の形態においては、制御基板126から発報用の信号が出力されたことに応じて、管理サーバコンピュータ110から広告表示装置140に対して所定の信号を送信するようにしたが、これに限るものではない。たとえば、巻上機122aに対して非常停止を指示する下り信号が制御基板126から出力されたことに応じて、管理サーバコンピュータ110から広告表示装置140に対して所定の信号を送信するようにしてもよい。
【0136】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、表示画面201を備え、エレベーター120のカゴ121内で広告を表示する広告表示装置140であって、エレベーター120の遠隔地に設けられた管理サーバコンピュータ110から送信される信号を受信する信号受信部504と、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、表示画面201における広告601の表示を中止する広告情報表示制御部503と、を備えたことを特徴としている。
【0137】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、エレベーター120の状態を検出するセンサや運行異常を検出するプログラムなどを搭載しておらず、エレベーター120の機能維持に特化されていないタブレット端末などの汎用的な端末装置を用いて、カゴ121内で広告601を表示することができる。これにより、エレベーター120の設置後に、汎用的な端末装置を設置(後付け)し、カゴ121内で広告601を表示することができる。
【0138】
また、エレベーター120を管理する管理サーバコンピュータ110から送信される所定の信号を受信した場合に表示画面201における広告601の表示を中止することにより、汎用的な端末装置との通信機能を備えていないエレベーター120であっても、エレベーター120の運行状態に応じて、広告601の表示に適した状況に制限してカゴ121内での広告601の表示をおこなうことができる。これにより、強い揺れの地震が発生したなどの非常事態になった後も状況にそぐわない広告601が表示され続けることによって、カゴ121内の乗員600を不快にすることを回避できる。
【0139】
このように、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、汎用的な端末装置を用いて、エレベーター120の状況に応じ広告601の表示に適した状況に制限してカゴ121内での広告601の表示を実現でき、カゴ121内の乗員600に配慮し、節度をわきまえた広告601の表示をおこなうことができる。
【0140】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、エレベーター120の設置後にカゴ121内に後付けした広告表示装置140が備える表示画面201において、エレベーター120の状況に応じカゴ121内の乗員600に配慮した、節度をわきまえた広告601の表示をおこなうことができる。
【0141】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、表示画面201を備え、エレベーター120のカゴ121内で広告601を表示する広告表示装置140であって、エレベーター120の遠隔地に設けられた管理サーバコンピュータ110から送信される信号を受信する信号受信部504と、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、表示画面201における広告601の表示形態を変更する広告情報表示制御部503と、を備えたことを特徴としている。
【0142】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、エレベーター120の状態を検出するセンサや運行異常を検出するプログラムなどを搭載しておらず、エレベーター120の機能維持に特化されていないタブレット端末などの汎用的な端末装置を用いて、カゴ121内で広告601を表示することができる。これにより、エレベーター120の設置後に、汎用的な端末装置を設置(後付け)し、カゴ121内で広告601を表示することができる。
【0143】
また、エレベーター120を管理する管理サーバコンピュータ110から送信される所定の信号を受信した場合に表示画面201における広告の表示形態を変更することにより、汎用的な端末装置との通信機能を備えていないエレベーター120であっても、広告601の表示を中止することなく、表示画面201を有効に活用して、非常事態などに際してカゴ121内の乗員600に伝達すべき情報を迅速かつ確実に伝達することができる。
【0144】
このように、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば汎用的な端末装置を用いて、エレベーター120の状況に応じて表示形態を変更し、表示画面201を有効に活用して、カゴ121内の乗員600に有用な情報を迅速に伝達することができる。
【0145】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、エレベーター120の設置後にカゴ内121に後付けした表示画面において、エレベーター120の状況に応じカゴ121内の乗員に配慮した、節度をわきまえた広告の表示をおこなうことができる。
【0146】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、広告情報表示制御部503が、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、広告601の表示サイズを変更することを特徴としている。
【0147】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、非常事態には広告601の表示サイズを変更することにより、非常事態において状況にそぐわない広告601が平常時と同様に表示され続けることによって、カゴ121内の乗員600を不快にすることを回避できる。具体的には、たとえば、平常時は全画面に表示している広告601の表示サイズを縮小する。これにより、カゴ121の乗員600に配慮した、節度をわきまえた広告601の表示をおこなうことができる。
【0148】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、広告情報表示制御部503が、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、あらかじめ登録されている情報を表示画面201に表示することを特徴としている。
【0149】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、あらかじめ登録されているガイダンスメッセージ602を表示画面201に表示することにより、非常事態においてカゴ121内の乗員600に伝達すべき情報を迅速かつ確実に伝達することができる。
【0150】
具体的には、たとえば、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーター120から降りて、安全な場所に避難してください。』などのガイダンスメッセージ602を表示することにより、表示画面201を有効に活用して、カゴ121内の乗員600に有用な情報を迅速に伝達することができる。
【0151】
また、具体的には、上述した広告601の表示サイズの変更と組み合わせることにより、たとえば、広告601の表示サイズを縮小し、これによって生じた残余の領域において、『ただ今、地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』などのガイダンスメッセージ602を表示することにより、表示画面201を有効に活用して、カゴ121内の乗員600に有用な情報を迅速に伝達することができる。
【0152】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、所定の信号が、表示画面201に表示する情報を含み、広告情報表示制御部503が、信号受信部504によって所定の信号が受信された場合に、所定の信号に含まれる情報を表示画面201に表示することを特徴としている。
【0153】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、管理サーバコンピュータ110から送信された情報を表示画面に表示することにより、カゴ121内の乗員600に対して、状況に応じた最適な情報を伝達することができる。
【0154】
具体的には、たとえば、所定の震度(たとえば震度4)以上の地震を検出した場合に、管理サーバコンピュータ110は、海岸に近い地域のエレベーターに対しては、『ただ今、震度4の地震がありました。周辺地域における津波の心配はありません。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』というガイダンスメッセージを送信し、山際の地域のエレベーターに対しては、『ただ今、震度4の地震がありました。エレベーターは最寄りの階に停止しますので、速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。避難に際しては、がけ崩れや土砂崩れなどの斜面崩壊に十分注意してください。』というガイダンスメッセージを送信する。これにより、表示画面201を介して、運行異常の発生原因に加えて、エレベーター120が設置された地域ごとの、乗員にとって有用な情報などを、乗員に伝えることができる。
【0155】
このように、あらかじめ定められたガイダンスメッセージではなく、地震の発生状況やエレベーターごとの立地条件などに応じて、運行異常が発生する都度、管理サーバコンピュータ110から送信された所定の信号に含まれる情報を表示画面に表示することにより、運行異常が発生した場合にも、エレベーター120ごとに最適な情報を表示することで、乗員を落ち着かせ、安全に避難させることができる。
【0156】
また、この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140は、信号受信部504が、管理サーバコンピュータ110から送信される信号を、中継装置である監視装置130を介して受信することを特徴としている。
【0157】
この発明にかかる実施の形態の広告表示装置140によれば、設置時に管理サーバコンピュータ110との通信機能を備えていないスタンドアローン型のエレベーター120であっても、管理サーバコンピュータ110および広告表示装置140との通信機能を備えた監視装置130を、エレベーター120の設置後に後付けすることで、カゴ121内での広告601の表示を実現するとともに、管理サーバコンピュータ110から送信される所定の信号を受信した場合に広告601の表示を中止したり表示形態を変更したりすることができる。
【0158】
これにより、設置時におけるエレベーター120の設備に関係なく、カゴ121内で広告601を表示することができ、かつ、カゴ121内の乗員600に配慮し、節度をわきまえた広告601の表示をおこなうことができる。
【0159】
なお、この実施の形態で説明した広告表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、USBメモリ、SSDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0160】
以上のように、この発明にかかる広告表示装置は、エレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置に有用であり、特に、広告の表示に適した状況に制限して広告を表示する広告表示装置に適している。
【符号の説明】
【0161】
100 遠隔監視システム
110 管理サーバコンピュータ
120 エレベーター
121 カゴ
123 操作盤
126 制御基板
130 監視装置
140 広告表示装置
201 表示画面
406 CPU
407 メモリ
408 マイク
409 スピーカー
410 撮像装置(カメラ)
411 通信I/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8