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特許7414946取り外し可能部分を持つラッパーを備えた容器
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  • 特許-取り外し可能部分を持つラッパーを備えた容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】取り外し可能部分を持つラッパーを備えた容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B65D85/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022207880
(22)【出願日】2022-12-26
(62)【分割の表示】P 2020214701の分割
【原出願日】2015-08-28
(65)【公開番号】P2023040086
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】14182951.5
(32)【優先日】2014-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】スローフ アリエン ハミルカル
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-073140(JP,A)
【文献】特開平6-191572(JP,A)
【文献】特表2008-521719(JP,A)
【文献】特表2014-504576(JP,A)
【文献】国際公開第2006/043496(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財の容器であって、
ボックスおよび前記ボックスを閉じるリッドを備えるハウジングと、
ラッパーに包まれかつ前記ハウジング内に含まれる1つ以上の消費財であって、前記ラッパーが、前記リッドが開いている時に部分的に露出し、また前記リッドが開いて前記消費財が露出された時に取り外すことができる取り外し可能部分を持つものとを備え、
前記ラッパーの前記取り外し可能部分が、前記リッドが開いている時に見える第一の部分を持ち、前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記第一の部分は前方パネルの第一の部分を含み、前記前方パネルが更に、前記ボックスの前部壁の下にある第二の部分であって前記前方パネルの前記第二の部分は前記リッドが開いている時には見えない第二の部分を持ち、
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記第一の部分にしるしが記載されておらず、
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第二の部分に1つ以上のしるしが記載され、前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第二の部分が、前記リッドが開いている時に露出される前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第一の部分とは視覚的に区別され、
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第二の部分の前記面積が、前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記面積の少なくとも10パーセントである、容器。
【請求項2】
前記リッドが、前記ボックスからヒンジ線に沿って前記ハウジングの後部壁を横切って延び、また前記リッドが、開位置と閉位置の間で移動可能であり、また前記リッドの前部壁および前記ボックスの前部壁がともに前記ハウジングの前記後部壁と反対側にある前記ハウジングの前部壁を画定する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの面積の少なくとも20パーセントが前記ボックスの前部壁の下にある、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記取り外し可能部分の前記前方パネルの高さが前記ハウジングの高さの少なくとも30パーセントに相当する、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記1つ以上の消費財が複数の喫煙物品である、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第二の部分が、少なくとも800平方ミリメートルの表面積を持つ、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記ラッパーの前記取り外し可能部分の前記前方パネルの前記第二の部分の高さが前記ハウジングの高さの少なくとも15パーセントである、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記ラッパーが虚弱線を含み、それに沿って前記ラッパーの前記取り外し可能部分を前記ラッパーの残りの部分から分離することのできる、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記ボックスが、開口部の端を画定する上端を持つボックス前部壁を含み、消費財は前記リッドが前記開位置にある時に、その開口部を通して前記容器から取り外すことができ、また前記ボックス前部壁の前記上端と前記ラッパーの前記取り外し可能部分を画定する前記虚弱線との間の距離が少なくとも10ミリメートルである、請求項1~のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記虚弱線が穿孔線を含む、請求項またはに記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッパーに包まれた1つ以上の消費財を含む消費財の容器に関連する。本発明は、紙巻たばこなどのパック式喫煙物品としての特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
紙巻たばこや葉巻たばこなどの喫煙物品は一般に、ボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線の周りにボックスに結合されたリッドとを持つヒンジ・リッド型容器などの剛直な箱型容器内にパッケージされる。こうしたヒンジ・リッド型容器は通常、一枚の層状の厚紙ブランクから構成される。使用時、リッドはヒンジ線を中心に回転して容器を開き、ボックス内に収容されている喫煙物品の束へのアクセスが得られる。
【0003】
ボックス内に収容されている喫煙物品の束は通常、金属化紙、金属箔またはその他の柔軟なシート材料の内側ライナー内に包まれる。内側ライナーは通常、喫煙物品の束の周りで折り畳まれてから、例えば封筒折りを使用して上部端および底部端で折り畳んで閉じられる長方形の材料シートである。喫煙物品およびその他の消費財の公知である容器の内側ライナーの一部は、消費者への情報を記載するために使用されうる。例えば、一部の内側ライナーはブランド情報がエンボス加工または印刷されることが周知である。
【0004】
内側ライナー内にある喫煙物品の束にアクセスするには、まずヒンジ・リッド容器が開かれることで、消費者は内側ライナーの上部を展開して、喫煙物品を露出させることができる。別の方法として、一部の内側ライナーには、消費者が取り外して捨てることで喫煙物品にアクセスできる、分離可能な上部が提供されている。ところが、こうした内側ライナーの分離可能な部分は通常、比較的サイズが小さく、比較的質素な形状および外観を有する。従って、これらの分離可能なタブ部分は、現時点では、消費者に容器の内容物へのアクセスを許容する機能を超えた有用性はほとんどない。
【0005】
消費者とのコミュニケーションをとるための手段を改善するようにラッパーが適合されている、喫煙物品などの包装された消費財の束のための新しいラッパー配置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、ボックス、およびボックスを閉じるリッド、およびラッパーに包まれかつハウジング内に含まれる1つ以上の消費財を含むハウジングを備える消費財の容器が提供されており、ラッパーは、リッドが開かれた時に部分的に露出され、かつリッドが開かれて消費財が露出した時に取り外すことができる取り外し可能部分を持ち、ラッパーの取り外し可能部分は、リッドが開いている時に見える第一の部分、およびボックスの1つ以上の壁の下にありリッドが開いている時には見えない第二の部分を持ち、ここでラッパーの取り外し可能部分の第二の部分には、リッドが開いている時に露出されるラッパーの部分とは視覚的に区別される1つ以上のしるしが記載される。
【0007】
ラッパーの第二の部分にある1つ以上のしるしは、1つ以上の抽象的または比喩的な絵、色付きパターン、活字体、文字、ロゴ、これらの組み合わせまたはその他の任意のしるしでもよい。
【0008】
ラッパーの第二の部分にある1つ以上のしるしは、リッドが開いている時に露出されるラッパーの部分とは視覚的に区別される。すなわち、ラッパーの第一の部分に1つ以上のしるしが記載される場合には、ラッパーの第二の部分にある1つ以上のしるしはそれらとは視覚的に区別されるもの、すなわち異なるものである。別の方法として、ラッパーの第一の部分にはしるしが記載されなくてもよく、この場合、ラッパーの第二の部分にある1つ以上のしるしは、リッドが開いている時に露出されるラッパーの部分とは視覚的に異なるものとなる。このようにして、消費者が最初にラッパーの取り外し可能部分を取り外した時に、ラッパーの第二の部分に記載されている1つ以上のしるしがまず露出されて消費者に見えるようになるのみである。
【0009】
ラッパーの取り外し可能部分の第一の部分(ハウジングリッドをまず開けると見える部分)の一部もしくはすべて、またはハウジングのリッドを開くと見えるラッパーのその他の部分の一部もしくはすべてにはしるしが記載されてもされなくてもよく、記載される場合、それらのしるしはラッパーの取り外し可能部分の第二の部分にある1つ以上のしるしとは視覚的に区別される。例えば、容器を開けると見えるラッパーの部分には、ブランド情報の繰り返しパターン(ロゴの繰り返しなど)が記載され、一方でラッパーの取り外し可能部分の第二の部分には、例えば風景または動物の絵が記載されてもよく、あるいは第一の部分には絵が記載され、第二の部分には商標素材または異なる絵が記載されてもよい。ラッパーの取り外し可能部分がハウジングから取り外されるまで、絵は見えない。別の例として、ハウジングのリッドを開けると見えるラッパーの1つ以上の部分にしるし全体のうち一部分が記載され、しるし全体のうちの別の部分はラッパーの取り外し可能部分の第二の部分に記載されてもよい。これは、ラッパーの取り外し可能部分がハウジングから取り外された時に、しるし全体が消費者に見えるようになることを意味する。
【0010】
本発明の一部の実施形態では、リッドはボックスからヒンジ線に沿ってハウジングの後部壁を横切って延び、ここでリッドは開位置と閉位置の間で移動可能であり、ここでリッドの前部壁およびボックスの前部壁はともにハウジングの後部壁の反対にあるハウジングの前部壁を画定する。
【0011】
一部の実施形態では、ラッパーの取り外し可能部分の第二の部分の面積は、ラッパーの取り外し可能部分の面積の少なくとも10パーセントが好ましく、ラッパーの取り外し可能部分の面積の少なくとも20パーセントがより好ましく、ラッパーの取り外し可能部分の面積の少なくとも30パーセントがさらに好ましい。このように、リッドが標準的な製造機械類で予想される許容範囲内の開位置内にある時に、ラッパーの第二の部分が確実に容器の見えない部分に位置できる。
【0012】
一部の実施形態では、ラッパーの取り外し可能部分はラッパーの残りの部分と一体であり、取り外しのためにそこから分離される。例えば、ラッパーの取り外し可能部分は、ラッパーにある穿孔線などの虚弱線により画定されてもよい。その他の実施形態で、ラッパーの取り外し可能部分は、ラッパーの残りの部分とは別個のシートである。
【0013】
一部の実施形態では、ラッパーの取り外し可能部分は、前方パネルを含み、ラッパーの取り外し可能部分の前方パネルの面積の少なくとも20パーセントがボックスの前部壁の下にあることが好ましく、ラッパーの取り外し可能部分の前方パネルの面積の少なくとも40パーセントがボックスの前部壁の下にあることがより好ましく、ラッパーの取り外し可能部分の前方パネルの面積の少なくとも60パーセントがボックスの前部壁の下にあることがさらに好ましい。
【0014】
一部の実施形態では、ラッパーの取り外し可能部分は、前方パネルを含み、取り外し可能部分の前方パネルの高さは、ハウジングの高さの少なくとも30パーセントに相当することが好ましく、ハウジングの高さの少なくとも40パーセントに相当することがより好ましく、ハウジングの高さの少なくとも50パーセントに相当することがさらに好ましい。
【0015】
一部の実施形態では、ラッパーの取り外し可能部分は、前方パネルから延びる少なくとも一つの側面パネルを含み、ここで取り外し可能部分のその側面タブパネルまたは各側面タブパネルの少なくとも50パーセントは、ボックス部分のそれぞれの側壁の下にあり、ラッパーの取り外し可能部分の第一の部分の一部を提供する。別の方法としてまたは追加的に、ラッパーの取り外し可能部分は、前方パネルから延びる上部パネルを含んでもよい。
【0016】
一部の実施形態では、1つ以上の消費財は複数の喫煙物品である。
【0017】
使用時、容器のユーザーがリッドを開けてラッパーの取り外し可能部分を取り外すと、容器内の消費財が露出される。ラッパーの取り外し可能部分の第二の部分にある1つ以上のしるし(取り外し可能部分がハウジングから取り外されるまで見えない部分)は、それによって露出され、初めてユーザーに見えるようになる。
【0018】
ラッパーは、金属箔、金属箔および紙のラミネート、金属化紙、金属化高分子フィルム、高分子フィルムおよび紙を含むがそれに限定されない、適切な任意の柔軟な層状材料としうる。
【0019】
しるしは、印刷、エンボス加工、押印もしくはその他の方法により、またはその任意の組み合わせにより、ラッパーに適用されうる。ところが、しるしは印刷によってラッパーに適用されることが好ましい。
【0020】
容器は、カード、厚紙、ボール紙、プラスチック、金属、およびその組み合わせを含むがこれに限定されない、任意の適切な材料から作製しうる。
【0021】
1つ以上の消費財は複数の紙巻たばこ、または複数のその他の喫煙物品でもよい。
【0022】
本明細書において、「前部」、「後部」、「側面」、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上方」および「後方」という用語は、その従来的な直立位置での容器について言及するものであり、紙巻たばこパックの場合には、パック内の紙巻たばこは通常、この位置で直立している。
【0023】
容器は、紙巻たばこまたはその他の喫煙物品用のヒンジ・リッドパックとしうる。ヒンジ・リッド紙巻たばこパックは周知である。ヒンジ・リッドパックは、向かい合った側壁によって相互に接続されて、通常は長方形または概ね長方形の断面のパックを形成する、向かい合った前方および後方壁を持つパック本体を備える。同様に向かい合った側壁によって相互に接続された向かい合った前方壁および後方壁を持つリッドは、パック本体の後方壁から延び、それにヒンジで接続され、また内側フレームはパック本体内に配置される。内側フレームはパック本体の前部壁の後方にあり、前部壁の上端の上方に延び、リッドは内側フレームに対して閉じ、リッドの下側前方端がパック本体の上側前方端と接触する。
【0024】
ヒンジ・リッドパックは通常、金属箔または金属箔および紙のラミネートなどの層状材料のラッパーまたは内側ライナーに包まれた喫煙物品の束の周りで折り畳まれたカードブランクから形成される。ラッパーは、喫煙物品の束の後方、底部および前方の周り、束の側面の周りで折り畳まれ、束の上部で封筒折りによって閉じられる。紙巻たばこの束またはその他の喫煙物品は通常、10個または20個の喫煙物品を含む。喫煙物品は、喫煙物品の合計数に応じて、異なる並べ方で配列しうる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9または10個の1列で配列しうる。別の方法として、喫煙物品は2列以上で配置しうる。一つの列の喫煙物品は、隣接する列にある喫煙物品の間に部分的に位置しうる。2列以上の列は、同一の数の喫煙物品を含みうる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9もしくは10個の2列、5もしくは7個の3列、または4、5もしくは6個の4列で並べられてもよい。別の方法として、2列以上の列は、互いに異なる数の喫煙物品を含む少なくとも2列を含みうる。例えば、喫煙物品は、5個の1列および6個の1列(5-6)、6個の1列および7個の1列(6-7)、7個の1列および8個の1列(7-8)、5個の中央の1列および6個の両外側の2列(6-5-6)、5個の中央の1列および7個の両外側の2列(7-5-7)、6個の中央の1列および5個の両外側の2列(5-6-5)、6個の中央の1列および7個の両外側の2列(7-6-7)、7個の中央の1列および6個の両外側の2列(6-7-6)、9個の中央の1列および8個の両外側の2列(8-9-8)、または6個の中央の1列、5個の一方の外側の1列および7個の一方の外側の1列(5-6-7)で配置しうる。通常、束の外側列は、容器のそれぞれ前方壁および後方壁に隣接している。
【0025】
本発明による喫煙物品の容器は、同一のタイプまたはブランドの、または異なるタイプまたはブランドの喫煙物品を保持しうる。容器内の喫煙物品は、フィルターなし喫煙物品またはフィルターチップ付き喫煙物品、またはその両方としうる。喫煙物品はすべて、同一または異なる長さ(例えば、約40mm~約180mm)および同一または異なる直径(例えば、約4mm~約9mm)としうる。さらに、喫煙物品は、味覚の強度、引き出し抵抗および合計粒子状物質の送達が異なりうる。包まれた束および容器の寸法は、喫煙物品の長さおよび直径、および喫煙物品の並べ方に適応させることが好ましい。容器の外側寸法は通常、容器内に収容されている包まれた喫煙物品の束の寸法よりも約0.5mm~約5mmだけ大きい。
【0026】
本発明による容器の高さは約60mm(ミリメートル)~約150mmであることが好ましく、高さが約70mm~約125mmであることがより好ましいが、高さは容器の底部壁から上部壁までを測定したものである。一部の実施形態では、本発明による容器の幅は約12mm~約150mmであり、幅が約70mm~約125mmであることがより好ましいが、ここで幅は、容器の一方の側壁から他方の側壁までを測定したものである。
【0027】
本発明による容器の奥行きは約6mm~約150mmであることが好ましく、奥行きが約12mm~約25mmであることがさらに好ましいが、ここで奥行きは、容器の前部壁から後部壁までを測定したものである(ボックスとリッドの間のヒンジを含む)。
【0028】
容器の高さ対容器の奥行きの比は、約0.3:1~約10:1であることが好ましく、約2:1~約8:1であることがさらに好ましく、約3:1~5:1であることが最も好ましい。
【0029】
容器の幅対容器の奥行きの比は、約0.3:1~約10:1であることが好ましく、約2:1~約8:1であることがさらに好ましく、約2:1~3:1であることが最も好ましい。
【0030】
リッド後部壁の高さ対ボックス後部壁の高さの比は、約0(リッドが容器の上端にヒンジで固定)~約1:1であることが好ましく、約1:5~約1:10であることがさらに好ましく、約1:6~約1:8であることが最も好ましい。
【0031】
リッド前部壁の高さ対ボックス前部壁の高さの比は、0(リッドが容器の前部壁全体である)~約1:10であることが好ましく、約1:1~約1:5であることがさらに好ましく、約1:2~約1:3であることが最も好ましい。
【0032】
包まれた束が喫煙物品を収容する場合、容器は、さらに廃棄物用区画(例えば、灰または吸い残し用)または例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭消臭剤またはエレクトロニクスなど、その他の消費財を備えうる。その他の消費財は、容器の外側に取り付けるか、容器の包装内に喫煙物品に沿って容器の別の区画内に含めるか、またはその組み合わせとしうる。
【0033】
本発明による容器の外部表面は、製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガンおよびその他の消費者情報およびしるしで、印刷、エンボス加工、押印またはその他の方法で装飾しうる。
【0034】
いったん充填されると、本発明による容器は、例えば、高密度または低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、または従来的な方法でのその組み合わせの透明高分子フィルムで、収縮包装またはそれ以外の方法でオーバーラップされる。本発明による容器がオーバーラップされる場合、オーバーラップは1つ以上のティアテープを含みうる。さらに、オーバーラップは画像、消費者情報またはその他のデータとともに印刷しうる。
【0035】
本発明は、以下の図面を参照しながらさらに例証しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1aおよび1bは、本発明の第一の態様の第一の実施形態による容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1aおよび1bは、リッド14が後部壁に沿ってヒンジ付けされたパック本体12と、パック本体12の内側に配置された内側フレーム16とを備えた、ヒンジ・リッド紙巻たばこパック10の形態の発明の実施形態を示す。内側ライナーまたはラッパー20に包まれた紙巻たばこの束18は、パックの内側にある。内側ライナーは、金属箔、または金属箔および紙のラミネートなどの層状材料からできている。ヒンジ・リッドパック10は、カードブランクから形成されうる。ブランクは、内側ライナー20に包まれた紙巻たばこの束18の周りに折り畳まれる。内側ライナーは、通常は10個または20個の数での紙巻たばこの束の周りで折り畳まれ、上部(図に示す通り)で封筒折りを用いて閉じられる。内側ライナー20は束の側面上に部分的に延びる。
【0038】
内側ライナー20は、図1aに示す通り、パックが開いている時に内側ライナーの取り外し可能部分20が見えるように、パックの前方(図に示す通り)に配置される取り外し可能部分22を含む。
【0039】
図1aは、外側オーバーラップ(図示せず)が取り外された後に初めて開かれた直後のパック10を示す。内側ライナー20全体がパック内の所定位置にある。図に示す実施形態では、パックが初めて開かれた時に見える内側ライナーの部分には、しるしは何も記載されていない。その他の実施形態では、内側ライナーのこの部分には商標素材(ロゴを含む)、または純粋に装飾用素材などのしるしが記載されうる。ライナーの取り外し可能部分22は、内側ライナー20の残りの部分から、穿孔線またはその他の虚弱線(図示せず)によって画定される。パック10が初めて開かれると、紙巻たばこの束の上端にある内側ライナー20の取り外し可能部分22の拘束されていない上端部24が掴まれて引かれるため、内側ライナーの残りの部分から分離されてパックから取り外される。
【0040】
図1bは、パック10が開き、内側ライナーの取り外し可能部分22が取り外された状態を示す。取り外しの前には見えなかった取り外し可能部分22の部分には、しるし26(この実施形態では絵)が記載されているが、しるしは、パックが初めて開かれた時に見える内側ラッパー20の部分に記載される任意のしるしとは視覚的に異なる、商標素材、絵またはその他の任意の視覚的なしるしなど、任意の種類のしるしであってもよい。
【0041】
図1bで分かる通り、この実施形態では、内側ライナー20の取り外し可能部分22の約50パーセントが、内側フレーム16およびパック10の前部壁28の下にある。これにより、内側ライナー20の取り外し可能部分22が、従来的な容器の場合よりも多くの情報またはその他のしるしを記載できるようになる。図1bでもわかる通り、取り外し可能部分(すなわち、拘束されていない上端部24の下方に延びる部分)の前方パネルの高さは、パックの高さの約50パーセントに相当する。
図1