(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】摺動部品
(51)【国際特許分類】
F16J 15/34 20060101AFI20240109BHJP
F16C 17/04 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
F16J15/34 G
F16C17/04 Z
(21)【出願番号】P 2022513757
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2020015743
(87)【国際公開番号】W WO2021205555
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓志
(72)【発明者】
【氏名】徳永 雄一郎
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/137521(WO,A1)
【文献】特開2004-204935(JP,A)
【文献】特開2005-180652(JP,A)
【文献】特開2003-343741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/34
F16C 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摺動面にて互いに相対
回転しながら摺動する一対の
環状の摺動部品であって,
少なくとも一方の摺動面は,開口部の形状が直交する長軸及び短軸を有する
複数のディンプルを
,径方向
に並べて
構成される
,ディンプル群を備え,
前記ディンプル群は,
当該ディンプル群に属する前記ディンプルの前記長軸と前記短軸との交点と,前記一方の摺動面の回転中心と,を通る半径方向軸
と,当該ディンプルの前記長軸と
,がなす
0度以上かつ90度以下の角度であるディンプル角度
が,前記径方向
において変化する
,複数の前記ディンプルの集合であり,
前記ディンプル群に属する前記ディンプルのうち,前記一方の摺動面の漏れ側の最端にある前記ディンプルの前記ディンプル角度のほうが,前記一方の摺動面の被密封流体側の最端にある前記ディンプルの前記ディンプル角度よりも大きい,ことを特徴とする摺動部品。
【請求項2】
前記ディンプル角度は,
前記漏れ側の最端から前記被密封流体側の最端にかけて一定の割合で変化することを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
【請求項3】
前記ディンプル角度は,
前記径方向に
おいて不連続に変化することを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
【請求項4】
前記ディンプル角度
の変化割合が
前記径方向に
おいて変化することを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
【請求項5】
前記漏れ側の最端から前記径方向の途中位置までにある複数の前記ディンプルの前記ディンプル角度は,所定の一定値であり,前記途中位置から前記被密封流体側の最端までにある複数の前記ディンプルの前記ディンプル角度は,前記一定値とは異なる値である,ことを特徴とする請求項3に記載の摺動部品。
【請求項6】
前記一方の摺動面は
前記径方向に延びるランド部により区画される複数の領域を備え,
前記ディンプル群は前記領域に配設されることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載の摺動部品。
【請求項7】
前記ディンプルの前記開口部の形状は楕円であることを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載の摺動部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,摺動面にて相対摺動する一対の摺動部品,たとえば,メカニカルシール,すべり軸受,その他,摺動部に適した摺動部品に関する。特に,摺動面に流体を介在させて摩擦を低減させるとともに,摺動面から流体が漏洩するのを防止する必要のある密封環または軸受などの摺動部品に関する。
【背景技術】
【0002】
被密封流体の漏れを防止する密封装置として,摺動面にて相対摺動する一対の摺動部品からなるもの(例えば,メカニカルシール)が知られている。このような密封装置において,摺動面間に被密封流体による流体潤滑膜を形成して摺動トルクを低減しつつ,高い密封性を維持する必要がある。そして,高い密封性と低い摺動トルクを実現するための一つの方法として,摺動面にディンプルを複数配列する技術が知られている。
【0003】
たとえば,摺動面に円形の開口部を有するディンプルを該摺動部品の回転中心を中心とする仮想円周上に並ぶように配置して,高い密封性及び低摺動トルクを実現できることが知られている。(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,細長いトラック状の開口部を有するディンプルを所定のディンプル角度θで配置し,ディンプル中心を通る円上におけるディンプルの円周方向長さL1と同円上における隣接するディンプル間のランド部の円周方向長さL2との比L1/L2を0.001≦L1/L2≦0.1とすることにより,ディンプル全体としての密封性と摺動トルクとを最適に調整することが知られている(例えば,特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-133496号公報
【文献】特許5456772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は,特定の運転条件で高い密封性及び低摺動トルクを達成できても,広い回転数領域において高い密封性及び低摺動トルクを達成できない。
【0007】
また,特許文献2の技術においても,ディンプル角度が固定されてしまうので,特定の運転条件で被密封流体の漏れ,及び,摺動トルクを低減することはできても,広い回転数領域において高い密封性及び低摺動トルクを達成できない。
【0008】
本発明は,摺動面にて相対摺動する一対の摺動部品において,広い回転数範囲で使用されても,高い密封性及び低摺動トルクを実現できる摺動部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために,本発明の摺動部品は,
摺動面にて互いに相対摺動する一対の摺動部品であって,
少なくとも一方の摺動面は,開口部の形状が直交する長軸及び短軸を有するディンプルを径方向及び周方向に配置してなるディンプル群を備え,
前記ディンプルの前記長軸と前記短軸との交点と,前記一方の摺動面の回転中心と,を通る半径方向軸が前記長軸となすディンプル角度は,前記一方の摺動面の径方向又は周方向のうち少なくとも一方向に変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル角度が径方向又は周方向のうち少なくとも一方向に変化することにより,ディンプル群を構成するのディンプルの吸込み効果及び動圧効果を変えることができるので,種々の運転条件に適合したディンプルを配置でき,延いては高い密封性及び低摺動トルクを実現できる。
【0010】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度は,径方向に一定の割合で変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度を径方向に一定の割合で変化させることにより,ディンプルの吸込み効果及び動圧効果を径方向に変えることができる。
【0011】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度は,径方向に不連続に変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル角度は,径方向に不連続に変化させることで,ディンプル群を構成するディンプルの吸込み効果及び動圧効果を径方向に不連続に変化せることができ,特定の範囲に運転条件に適合したディンプル群を配置できる。
【0012】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度の径方向の変化割合が,径方向に変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル角度の径方向の変化割合が,径方向に変化させることで,容易にそれぞれの使用条件に適合したディンプルを径方向に配置できる。
【0013】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度は,前記一方の摺動面の漏れ側で大きく,前記一方の摺動面の被密封流体側で小さいことを特徴としている。
この特徴によれば,漏れ側に配設されるディンプルはディンプル角度が大きいので吸込み効果が優勢になり,ディンプルは漏れ側から流体を吸込んで漏れを極めて小さくできる。また,被密封流体側に配設されるディンプルはディンプル角度が小さいので動圧効果が優勢になるので,ディンプルは圧力の高い流体を吐き出して,摺動トルクを低減できる。
【0014】
前記ディンプル角度は,周方向に一定の割合で変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度を周方向に一定割合で変化せせることにより,ディンプルの流体保持効果,吸込み効果,密封効果を周方向に変化させることができる。
【0015】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度は,周方向に不連続に変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル角度は,周方向に不連続に変化させることで,ディンプル群を構成するディンプルの吸込み効果及び動圧効果を周方向に不連続に変化せることができ,特定の範囲に運転条件に適合したディンプル群を配置できる。
【0016】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプル角度の周方向の変化割合が,周方向に変化することを特徴としている。
この特徴によれば,ディンプル角度の周方向の変化割合を周方向に変化させることで,容易にそれぞれの使用条件に適合したディンプルを周方向に配置できる。
【0017】
本発明の摺動部品は,
前記一方の摺動面は径方向に延びるランド部により区画される複数の領域を備え,
前記ディンプル群は前記領域に配設されることを特徴としている。
この特徴によれば,各領域に,種々の運転条件に適合したディンプルを配置でき,延いては高い密封性及び低摺動トルクを実現できる。
【0018】
本発明の摺動部品は,
前記ディンプルの前記開口部の形状は楕円であることを特徴としている。
この特徴によれば,楕円ディンプルの長軸方向,短軸方向の吸込み効果及び動圧効果の違いを利用して,種々の運転条件に適合したディンプルを配置でき,延いては高い密封性及び低摺動トルクを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る摺動部品をメカニカルシールに適用した一例を示す縦断面図である。
【
図2】
図1のW-W矢視図であり,本発明の実施例1に係る摺動部品の摺動面の一例を示す図である。
【
図3】
図1のW-W矢視図であり,本発明の実施例2に係る摺動部品の摺動面の一例を示す図である。
【
図4】
図1のW-W矢視図であり,本発明の実施例3に係る摺動部品の摺動面の一例を示す図である。
【
図5】
図1のW-W矢視図であり,本発明の実施例4に係る摺動部品の摺動面の一例を示す図である。
【
図6】本発明のディンプルの他の実施例を示す図である。
【
図7】
図7A-
図7Dは,摺動面Sの半径方向におけるディンプル角度θの変化態様の変形例を示す。
【
図8】
図8A-
図8Dは,摺動面Sの周方向におけるディンプル角度θの変化態様の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照して,本発明を実施するための形態を,実施例に基づいて例示的に説明する。ただし,この実施例に記載されている構成部品の寸法,材質,形状,その相対的配置などは,特に明示的な記載がない限り,本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0021】
図1及び
図2を参照して,本発明の実施例1に係る摺動部品について説明する。以下の実施例においては,摺動部品の一例であるメカニカルシールを例にして説明するが,これに限定されることなく,例えば,円筒状摺動面の軸方向一方側に潤滑油を密封しながら回転軸と摺動する軸受の摺動部品として利用することも可能である。なお,メカニカルシールを構成する摺動部品の外周側を被密封流体側(高圧流体側),内周側を漏れ側(低圧流体側,たとえば大気側)として説明する。
【0022】
図1は,メカニカルシール1の一例を示す縦断面図であって,摺動面Sの外周から内周方向に向かって漏れようとする被密封流体を密封する形式のインサイド形式のものであり,回転側カートリッジと固定側カートリッジからなる。回転側カートリッジは,回転軸100に嵌合されたスリーブ2と,一方の摺動部品である円環状の回転側密封環3と,スリーブ2と回転側密封環3との間をシールするパッキン8と,備え,回転側カートリッジは回転軸100とともに回転する。
【0023】
固定側カートリッジは,ケーシング9に取り付けられたハウジング4と,他方の摺動部品である円環状の固定側密封環5と,固定側密封環5とハウジング4とをシールするベローズ7と,固定側密封環5をベローズ7を介して回転側密封環3側へ付勢するコイルドウェーブスプリング6と,を備え,ハウジング4はケーシング9に対し回転方向及び軸方向に固定される。
【0024】
以上の構成を備えたメカニカルシール1は,回転側密封環3の摺動面Sと固定側密封環5の摺動面Sが,互いに摺動して被密封流体が外周側から内周側へ流出するのを防止するものである。なお,
図1では,回転側密封環3の摺動面の幅が固定側密封環5の摺動面の幅より広い場合を示しているが,これに限定されることなく,逆の場合においても本発明を適用出来ることはもちろんである。
【0025】
回転側密封環3及び固定側密封環5の材質は,耐摩耗性に優れた炭化ケイ素(SiC)及び自己潤滑性に優れたカーボンなどから選定されるが,例えば,両者がSiC,あるいは,回転側密封環3がSiCであって固定側密封環5がカーボンの組合せが可能である。
【0026】
図2に示すように,固定側密封環5は,複数のディンプル11が配置される。本発明において,ディンプル11とは,平坦な摺動面Sに囲まれる開口部11a及び摺動面Sよりへこんだ底部を有する窪みのことであり,ディンプル11の開口部11aは,直交する長軸L及び短軸Kを有する形状からなる。また,ディンプル11同士はランド
部を挟んで離間して配置されている。本発明において,長軸Lとは開口部11aの形状の図心Gを通り,かつ,開口部11aの最大幅部分を結ぶ架空の線であり,短軸Kとは開口部11aの図心Gを通り長軸Lに直交する方向で,対向する開口部11aを結ぶ架空の線である。本実施例におけるディンプル11の開口部11aは,直交する長軸L及び短軸Kを有する楕円を例として説明する。しかし,楕円に限らず,直交する長軸及び短軸を有する形状であれば,小判形,ひし形,三角形,長方形,多角形,又は,
図6に示すように任意の閉曲線91,92,93,94からなるものでもよい。
【0027】
つぎに,ディンプル11の機能について説明する。ディンプル11が設けられた固定側密封環5と相対する回転側密封環3とが相対移動すると,摺動面S間の流体及びディンプル11内の流体は,その粘性により回転側密封環3の移動方向に追随して移動する。ディンプル11内に流れ込む流体は流路が急拡大するので,ディンプル11の上流側で負圧となりキャビテーションが発生する。ただし,キャビテーション内の負圧の大きさは流体の蒸気圧の値で制限されるので,大きな負圧となることはない。また,ディンプル11の下流側において,流路が急縮小することによりくさび効果(動圧効果)で流体は正圧に昇圧する。ディンプル11の上流側において発生する負圧により,ディンプル11は周囲の流体を吸込む吸込み効果を発揮する。一方,ディンプル11の下流側において,くさび効果により昇圧した流体が摺動面Sに供給され,摺動面S間は流体潤滑状態が保たれる。
【0028】
ディンプル角度について説明する。
図2に示すように,ディンプル角度θは,摺動面Sの中心C及びディンプル11の長軸Lと短軸Kとの交点(図心G)を通る半径方向軸rと,長軸Lとの間の角度θである。
【0029】
また,ディンプル11はディンプル角度θ大きさによって,その吸込み効果及び動圧効果が異なる。ディンプル角度θ=90°,すなわちディンプル11の長軸Lを周方向に向けて配置した場合には,ディンプル11は流体を保持する機能が高くなる。ディンプル角度θ=約45°の場合にはディンプル11の吸込み効果が高くなる。また,ディンプル角度0°,すなわち,ディンプル11の長軸Lを径方向に向けて配置した場合には動圧効果が高くなる。このように,同じ楕円形状,同じ深さを有するディンプル11であっても,ディンプル角度を変えてディンプル11を配置することによって,吸込み効果を強くしたり,動圧効果を強くしたりすることができる。さらに楕円形状,深さを変えることによりさらに多様な特性を有するディンプルとすることができる。
【0030】
つぎに,ディンプル群60について説明する。
図2に示すように,ディンプル群60は,径方向に一列に整列したサブディンプル群62,63を周方向に所定数(
図2の例では120),等間隔で配列して構成される。摺動面Sの一方の周縁(漏れ側)にはサブディンプル群62が径方向に一列に配設され,摺動面の他方の周縁(被密封流体側)にはサブディンプル群63が径方向に一列に配設される。漏れ側に配設されるサブディンプル群62を構成するディンプル62a,62b,62c,62d,62eはディンプル角度θ=45°で配置して構成される。また,被密封流体側に配置されるサブディンプル群63を構成するディンプル63a,63b,63c,63d,63eは,ディンプル角度θ=0°で配置して構成される。すなわち,サブディンプル群62のディンプル角度θとサブディンプル群63のディンプル角度θは径方向に不連続に変化するように設定されている。
【0031】
ここで,ディンプル62a,62b,62c,62d,62e,ディンプル63a,63b,63c,63d,63eは,開口部の形状及び深さが実質的に同じ楕円に形成される。なお,
図2の実施例において,サブディンプル群62,サブディンプル群63はそれぞれ5個のディンプルから構成されているが,これに限らない。サブディンプル群62とサブディンプル群63を構成するディンプルの個数は,それぞれ5以上であってもよいし,5以下であってもよいし,互いに異なる個数で構成してもよい。また,サブディンプル群62,サブディンプル群63の個数は,摺動面にそれぞれ120個配設されているが,120個より多くしても,少なくしてもよい。さらに,径方向に整列したサブディンプル群62,63を周方向に等間隔で配列したが,周方向に不等配に配列してもよい。
【0032】
サブディンプル群62を構成するディンプル62a,62b,62c,62dはディンプル角度θ=45°で配置されるので,ディンプル62a,62b,62c,62dは動圧効果より吸込み効果が優勢になり,サブディンプル群62全体として高い吸込み効果を発揮する。また,サブディンプル群63を構成するディンプル63a,63b,63c,63dは,ディンプル角度θ=0°で配置されるので,ディンプル63a,63b,63c,63dは吸込み効果より動圧効果が優勢になり,サブディンプル群63全体として高い動圧効果を発揮する。
【0033】
したがって,高い吸込み効果を有するサブディンプル群62を摺動面の漏れ側に配置することにより,サブディンプル群62は漏れ側から流体を吸込むので,漏れを極めて小さくできる。また,高い動圧効果の高いサブディンプル群63を摺動面の被密封流体側に配置することにより,サブディンプル群63は摺動面Sに高い圧力の流体を供給するので,摺動トルクを極めて小さくできる。
【0034】
以上述べたように,実施例1の摺動部品は以下の効果を奏する。
1.ディンプル11の上流側において発生する負圧により,ディンプル11は周囲の流体を吸込む吸込み効果を発揮する。一方,ディンプル11は下流側において,くさび効果により昇圧した流体を摺動面Sに供給するので,摺動面Sの流体潤滑効果を高める。
2.ディンプル11は直交する長軸及び短軸を有する楕円の開口部を有するので,ディンプル角度θ大きさを変えることによって,その吸込み効果及び動圧効果を変えることができる。ディンプル角度θ=90°でディンプル11を配置した場合には,ディンプル11は流体を保持する機能が高くなる。ディンプル角度θ=約45°の場合にはディンプル11の吸込み効果が高くなる。また,ディンプル角度0°には,ディンプル11の動圧効果が高くなる。このように,同じ楕円形状を有するディンプル11であっても,ディンプル角度を変えてディンプル11を配置することによって,吸込み効果を強くしたり,動圧効果を強くしたりすることができる。
3.ディンプル角度θ=約45°でディンプル11を配列したサブディンプル群62は吸込み効果が高くなる。したがって,吸込み効果の高いサブディンプル群62を摺動面の漏れ側に配置することにより,サブディンプル群62は漏れ側から流体を吸込むので,漏れを極めて小さくできる。
4.ディンプル角度θ=約0°でディンプル11を配列したサブディンプル群63は動圧効果が高くなる。したがって,動圧効果の高いサブディンプル群63を摺動面の被密封流体側に配置することにより,サブディンプル群63は摺動面Sに高い圧力の流体を供給するので,摺動トルクを極めて小さくできる。
5.高い吸込み効果を有するサブディンプル群62を摺動面の漏れ側に配置することにより,密封性を向上でき,また,動圧効果の高いサブディンプル群63を摺動面の被密封流体側に配置することにより,摺動トルクを極めて小さくできるので,ディンプル群60全体として高い密封性及び低い摺動トルクを実現できる。これにより,高い密封性及び低い摺動トルクを備えた摺動部品とすることができる。
【実施例2】
【0035】
実施例2に係る摺動部品について説明する。
図3は実施例2に係る摺動部品の摺動面Sを示したものである。実施例2のディンプル群70は,ディンプル角度θが径方向に一定の割合で変化している点で,実施例1と相違する。以下,実施例1と同じ部材,構成については同じ符号を付し,重複する説明は省略する。
【0036】
図3に示すように,ディンプル群70は,径方向に一列に整列したサブディンプル群72を周方向に所定数(図
3の例では120),等間隔で配列して構成される。サブディンプル群72は,ディンプル72a,72b,72c,72d,72e,72f,72g,72h,72i,72jを径方向にランド
部を挟んで配置して構成される。(以下,ディンプル72a,72b,72c,72d,72e,72f,72g,72h,72i,72jを「ディンプル72a-72j」と記す)。
【0037】
サブディンプル群72は,摺動面Sの漏れ側に配置されるディンプル72aはディンプル角度=45°で配置され,摺動面Sの被密封流体側に配置されるディンプル72jはディンプル角度0°で配置されている。そして,サブディンプル群72を構成するディンプル72a-72jのディンプル角度θは,ディンプル72aからディンプル72jに向かって,45°から0°に径方向に一定の割合で変化する。
【0038】
サブディンプル群72を構成するディンプル72a-72jは,それぞれ同じ形状を有する楕円であっても,それぞれディンプル角度θが異なるので,吸込み効果と動圧効果を連続的に変化させることができる。サブディンプル群72を構成するディンプル72a-72jのうち,摺動面の漏れ側周縁5a側に配置されるディンプル72aはディンプル角度45°であり,吸込み効果が一番高くなる。また,被密封流体側に向かうしたがって,ディンプル角度は小さくなるので,吸込み効果が徐々に弱くなり,摺動面の被密封流体側の周縁5b側に配置されるディンプル72jの動圧効果が最も高くなる。
【0039】
ディンプル群70を構成するディンプル72a-72jのディンプル角度は,径方向に一定の割合で連続的に変化するので,吸込み効果と動圧効果を連続的に変化させることができる。これにより,回転数や圧力等の使用条件が変化する場合であっても,それぞれの使用条件に適合したディンプル72a-72jが存在するようになる。これにより,メカニカルシール1は使用条件が変化する場合でも漏れを小さくでき,摺動トルクを小さくすることができる。
【0040】
以上述べたように,実施例2の摺動部品は実施例1の効果に加え以下の効果を奏する。
ディンプル群70を構成するディンプル72a-72jのディンプル角度θは径方向に一定の割合で連続して変化するので,吸込み効果と動圧効果を連続的に変化させることができる。これにより,回転数や圧力等の使用条件が変化する場合であっても,それぞれの使用条件に適合したディンプル72a-72jが存在するようになる。これにより,メカニカルシール1は使用条件が変化する場合でも漏れを小さくでき,摺動トルクを小さくすることができる。
【実施例3】
【0041】
本発明の実施例3に係る摺動部品について説明する。
図4は実施例3に係る摺動部品の摺動面Sを示したもので,ディンプル群10は,摺動面Sの漏れ側にディンプル角度θ=90°のディンプル12aが,被密封流体側にディンプル角度θ=0°のディンプル12jが配置される点で実施例2と相違する。他の構成は実施例2と同じである。以下,実施例2と同じ部材,構成については同じ符号を付し,重複する説明は省略する。
【0042】
図4に示すように,ディンプル群10は,径方向に一列に整列したサブディンプル群12を周方向に所定数(図
4の例では120),等間隔で配列して構成される。サブディンプル群12は,ディンプル12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12i,12jを径方向にランド
部を挟んで配置して構成される(以下,ディンプル12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12i,12jを「ディンプル12a-12j」と記す)。サブディンプル群12を構成するディンプル12a-12jのディンプル角度θは,漏れ側のディンプル12aから被密封流体側のディンプル12jに向かって90°から0°に径方向に一定の割合で変化する。ここで,ディンプル12a-12jは,それぞれ開口部の楕円の形状及び大きさが実質的に同じである。なお,サブディンプル群12を構成するディンプルの個数は,10個より多くしても,少なくしてもよい。また,摺動面Sに配設されるサブディンプル群12も120個より多くしても,少なくしてもよい。
【0043】
サブディンプル群12を構成するディンプル12a-12jは同じ形状を有する楕円であっても,サブディンプル群12を構成するディンプル12a-12jのディンプル角度θは,に径方向に一定の割合で変化するので,吸込み効果と動圧効果を連続的に変化させることができる。具体的には,ディンプル角度θ=90でディンプルを配置した場合には,ディンプルは流体を保持する機能が高くなる。ディンプル角度θ=約45°の場合にはディンプルの吸込み効果が高くなる。また,ディンプル角度0°には,ディンプルの動圧効果が高くなる。
【0044】
これにより,周速の低い漏れ側に配設されたディンプル12a,12b,12cは,ディンプル角度θが大きいので,流体を保持する機能が高くなる。特に,低速回転数で運転される場合や,周速の低い摺動面Sの内径側は貧潤滑状態をなりやすい場合には,摺動面Sの内径側にディンプル角度θ=90°~70°のディンプル12a,12b,12cを配置することにより,ディンプル12a,12b,12c内に保持された流体が摺動面Sに供給され,貧潤滑状態となるのを防ぐことができる。
【0045】
摺動面Sの中央部には,ディンプル角度θ=45°のディンプルは12d,12e,12fが配置されるので,吸込み効果が高くなる。これにより,被密封流体側から流体をディンプル12d,12e,12f内に吸い込むので,漏れ側への流れを抑制するので,密封性を向上できる。
【0046】
また,周速の高い被密封流体側には,ディンプル角度θが小さいディンプルは12g,12h,12i,12jは配置されるので,動圧効果を高めることができる。これにより,周速の高い被密封流体側に配設されるディンプル12g,12h,12i,12jは,動圧効果により高い圧力の流体を摺動面Sに供給するので,摺動面S間は流体潤滑状態を保つことができる。
【0047】
以上述べたように,実施例3の摺動部品は実施例1の効果に加え以下の効果を奏する。
1.ディンプル群10を構成するディンプル12a-12jは同じ形状を有する楕円であっても,ディンプル12a-12jのディンプル角度θが径方向に一定の割合で連続的に変化させることによって,吸込み効果と動圧効果を連続的に変化させることができる。
2.周速の低い漏れ側には,ディンプル角度θ=90°~70°のディンプル12a,12b,12cが配置されるので,流体を保持する機能が高くなる。特に,低速回転数で運転される場合であっても,周速の低い摺動面Sの内径側に流体保持機能の高いディンプル12a,12b,12cを配置することにより,ディンプル12a,12b,12c内に保持された流体が摺動面Sに供給され,貧潤滑状態となるのを防ぐことができる。
3.摺動面Sの中央部には,ディンプル角度θ=45°のディンプル12d,12e,12fが配置されるので,吸込み効果が高くなる。これにより,被密封流体側から流体をディンプル12d,12e,12f内に吸い込むので,漏れ側への流れを抑制するので,密封性を向上できる。
4.周速の高い被密封流体側には,ディンプル角度θが小さいディンプル12g,12h,12i,12jが配置されるので,動圧効果を高めることができる。これにより,周速の高い被密封流体側に配設されるディンプル12g,12h,12i,12jは,動圧効果により高い圧力の流体を摺動面Sに供給するので,摺動面S間は流体潤滑状態を保つことができる。
【実施例4】
【0048】
本発明の実施例4に係る摺動部品について説明する。
図5は実施例4に係る摺動部品の摺動面Sを示したもので,ディンプル群80を構成するディンプルのディンプル角度θが,径方向に一定で,周方向に連続的に変化するように配置される点で実施例1と相違する。他の構成は実施例1と同じである。以下,実施例1と同じ部材,構成については同じ符号を付し,重複する説明は省略する。
【0049】
図5に示すように,固定側密封環5の摺動面Sは被密封流体側から漏れ側に亘って設けられるランド
部によって所定数(図
5の例では4)の領域20に区画されている。各領域にはディンプル群80が配設される。ディンプル群80はサブディンプル群21からサブディンプル群50の30個のサブディンプル群がランド
部を挟んで周方向に等間隔で配置されている。それぞれのサブディンプル群21-50には径方向に一列に9個のディンプルが等間隔で配設される。なお,
図5の実施例において,それぞれのサブディンプル群21-50にはそれぞれ9個のディンプルが配設されているが,これに限らず,9個より多くても,少なくてもよい。また,各領域に配設されるサブディンプル群の個数も30個に限らず,30個より多くても,少なくてもよい。
【0050】
図5に示すように,領域20の一方の端部(回転方向上流側)にはサブディンプル群21が配設され,領域20の他方の端部(回転方向下流側)にはサブディンプル群50が配設される。サブディンプル群21は,摺動面Sの一方の周縁(漏れ側)から他方の周縁(被密封流体側)にランド部を挟んで一列にディンプル21a,21b,21c,21d,21e
,21f,21g,21h,21i(以下,「ディンプル21a-21i」と記す)を配置して構成される。サブディンプル群21を構成するディンプル21a-21iのディンプル角度は径方向に一定,すなわち,それぞれのディンプル21a-21iはディンプル角度=90°を有する。また,サブディンプル群50は摺動面Sの漏れ側から被密封流体側にランド部を挟んで一列にディンプル50a,50b,50c,50d,50e
,50f,50g,50h,50i(以下,「ディンプル50a-50i」と記す)を配置して構成される。ディンプル50a-50iのディンプル角度は径方向に一定,すなわち,ディンプル50a-50iのディンプル角度はそれぞれディンプル角度=0°に配設される。そして,サブディンプル群21からサブディンプル群50へ向かって,ディンプル角度θ=90°から0°になるようにサブディンプル群22-49を構成するディンプルのディンプル角度を周方向に一定に割合で変化するように配置される。
【0051】
領域20の回転方向上流側にはディンプル角度=90°のサブディンプル群21が配設されるので,吸込み効果及び動圧効果よりもディンプル内に流体を保持する保持効果が優勢になる。また,領域20の回転方向下流側にはディンプル角度=0°のサブディンプル群50が配設されるので,吸込み効果よりも動圧効果が優勢になる。さらに,領域20の上流側と下流側の間の中間の流域にはディンプル角度=45°のディンプル群が配設されるので,吸込み効果が優勢になる。すなわち,サブディンプル群21からサブディンプル群50へ向かって,ディンプル角度θ=90°から0°になるようにサブディンプル群22-49のディンプル角を周方向に変化するように配置するので,サブディンプル群21からサブディンプル群50へ特性の異なるディンプル群が万遍なく分布するので,種々の運転条件に適合したディンプル群が配置されるようになり,種々の運転条件で高い密封性及び低摺動トルクを実現できる。
【0052】
以上述べたように,実施例4の摺動部品は以下の効果を奏する。
1.領域20の回転方向上流側にはディンプル角度=90°のサブディンプル群21が配設されるので,吸込み効果及び動圧効果よりもディンプル内に流体を保持する保持効果が優勢になる。また,領域20の回転方向下流側にはディンプル角度=0°のサブディンプル群50が配設されるので,吸込み効果よりも動圧効果が優勢になる。さらに,領域20の上流側と下流側の間の中間の流域にはディンプル角度=45°のディンプル群が配設されるので,吸込み効果が優勢になる。
2.領域20の周方向に配設されるディンプル群のディンプル角度が周方向に変化するので,回転方向上流側から下流側に亘ってディンプルの流体保持効果,吸込み効果,密封効果を周方向に連続して変化させることができる。これにより,サブディンプル群21からサブディンプル群50へ特性の異なるディンプル群が万遍なく分布するので,種々の運転条件に適合したディンプル群が配置されるようになり,種々の運転条件で高い密封性及び低摺動トルクを実現できる。
【0053】
以上,本発明の実施例を図面により説明してきたが,具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく,本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0054】
図7A-
図7Dは,摺動面Sの半径方向におけるディンプル角度θの変化態様の変形例を示す。要求される運転条件に適合するように,ディンプル角度θを径方向に変化させて配置することができる。
【0055】
図7Aは,
図2の実施例に対応するものであり,ディンプル角度が摺動面Sの径方向に不連続に変化する場合である。摺動面Sの漏れ側に配設されるサブディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θと,摺動面Sの被密封流体側に配設されるサブディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θとは,異なる大きさに設定される。
【0056】
図7Bは,
図7Aの変形であり,摺動面の漏れ側におけるディンプル角度の変化割合と,摺動面の被密封流体側におけるディンプル角度の変化割合とが異なる場合である。摺動面Sの漏れ側に配設されるディンプル群を構成するディンプルは,すべて一定のディンプル角度θを有し,ディンプル角度は変化しないが,摺動面Sの被密封流体側に配設されるディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θは半径方向に一定の割合で変化している。
【0057】
図7Cは,
図3,
図4の実施例に対応するものであり,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θは径方向に一定の割合で変化するように設定される。
【0058】
図7Dは,摺動面の漏れ側におけるディンプル角度の変化割合と,摺動面の被密封流体側におけるディンプル角度の変化割合とが異なる場合である。摺動面Sの漏れ側に配設されるディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θは半径方向に一定の割合で変化している。一方,摺動面Sの被密封流体側に配設されるサブディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度θは,すべて一定のディンプル角度θを有し,ディンプル角度は変化しない。
【0059】
図8A-
図8Dは,摺動面Sの周方向におけるディンプル角度θの変化態様の変形例を示す。要求される運転条件に適合するように,ディンプル角度θを周方向に変化させて配置することができる。
【0060】
図8Aは,摺動面の周方向に設けられた領域において,ディンプル角度が一方の側から他方の側へ不連続に変化する場合を示す。
【0061】
図8Bは,領域の一方の側におけるディンプル角度の変化割合と,領域の他方の側におけるディンプル角度の変化割合とが異なる場合を示す。
【0062】
図8Cは,
図5の実施例に対応するものであり,ディンプル角度が,周方向に一定の割合で変化する場合を示す。
【0063】
図8Dは,領域の一方の側におけるディンプル角度の変化割合と,領域の他方の側におけるディンプル角度の変化割合とが異なる場合を示す。
【0064】
実施例1-3は,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度は径方向に変化し,周方向には一定であった。また,実施例4は,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度は周方向に変化し,径方向には一定であった。しかし,これに限らず,要求される運転条件に適合するように,ディンプル群を構成するディンプルのディンプル角度を径方向及び周方向に変化するように設定することができる。
【0065】
上記実施例において,ディンプル群を構成するディンプル11の形状,大きさ,深さを同じにしていたが,隣接するディンプルの形状,大きさ,深さのうち少なくとも一つを異なるようにしてもよい。また,サブディンプル群ごとにディンプルの形状,大きさ,深さを異なるようにしてもよい。ディンプル角度だけでなく,ディンプルの大きさ,形状,大きさ,深さの異なるディンプルを摺動面Sに配設することにより,幅広い運転条件に適合するディンプルを摺動面Sに配設でき,延いては幅広い運転条件に対応した密封性が高く,摺動トルクの小さい摺動部品とすることができる。
【0066】
外周側が被密封流体側,内周側を漏れ側としているが,これに限らず,内周側が被密封流体側,外周側が漏れ側である場合も適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 メカニカルシール
2 スリーブ
3 回転側密封環
4 ハウジング
5 固定側密封環
5a 漏れ側周縁
5b 被密封流体側周縁
6 コイルドウェーブスプリング
7 ベローズ
8 パッキン
9 ケーシング
100 回転軸
10 ディンプル群
11 ディンプル
11a 開口部
12 サブディンプル群
12a ディンプル
12b ディンプル
12c ディンプル
12d ディンプル
12e ディンプル
12f ディンプル
12g ディンプル
12h ディンプル
12i ディンプル
12i ディンプル
12j ディンプル
20 領域
21 サブディンプル群
21a ディンプル
21b ディンプル
21c ディンプル
21d ディンプル
21e ディンプル
21f ディンプル
21g ディンプル
21h ディンプル
21j ディンプル
22 ディンプル群
30 サブディンプル群
40 サブディンプル群
49 サブディンプル群
50 サブディンプル群
50a ディンプル
50b ディンプル
50c ディンプル
50d ディンプル
50e ディンプル
50f ディンプル
50g ディンプル
50h ディンプル
50j ディンプル
60 ディンプル群
62 サブディンプル群
62a ディンプル
62b ディンプル
62c ディンプル
62d ディンプル
62e ディンプル
63 サブディンプル群
63a ディンプル
63b ディンプル
63c ディンプル
63d ディンプル
63e ディンプル
70 ディンプル群
72 サブディンプル群
72a ディンプル
72b ディンプル
72c ディンプル
72d ディンプル
72e ディンプル
72f ディンプル
72g ディンプル
72h ディンプル
72i ディンプル
72j ディンプル
80 ディンプル群
K 短軸
L 長軸
S 摺動面
θ ディンプル角度