(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法、デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0896 20220101AFI20240109BHJP
H04L 47/283 20220101ALI20240109BHJP
【FI】
H04L41/0896
H04L47/283
(21)【出願番号】P 2022519201
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2020113461
(87)【国際公開番号】W WO2021057447
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】201910927452.7
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911089128.9
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ジアイー
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,トーントーン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,シンユエン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ミンウエイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,リーハオ
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05432790(US,A)
【文献】特開平10-336244(JP,A)
【文献】特開2007-104677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0896
H04L 47/283
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法であって、当該方法は、
制御デバイスにより、第1の遅延時間を取得するステップであり、前記第1の遅延時間は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスにデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間である、ステップと、
前記制御デバイスにより、第2の遅延時間を取得するステップであり、前記第2の遅延時間は、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、前記転送経路上のリンク伝送遅延時間とを含み、前記転送経路は、前記データストリームが前記第1のネットワークデバイスから前記第2のネットワークデバイスに伝送される経路である、ステップと、
前記制御デバイスにより、前記データストリームのバースト長を取得するステップと、
前記制御デバイスにより、前記第1の遅延時間
、前記第2の遅延時間
及び前記データストリームの前記バースト長に基づいて、前記データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記転送経路上の前記ネットワークデバイス伝送遅延時間は、以下の遅延時間、すなわち、前記転送経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間、出力遅延時間、プリエンプション遅延時間及びスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記必要とされる帯域幅は、以下の条件、すなわち、前記必要とされる帯域幅に基づいて前記転送経路に沿って前記転送経路上の前記ネットワークデバイスにより前記データストリームを伝送する遅延時間が前記第1の遅延時間以下であることを満たす、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御デバイスにより、前記第1の遅延時間及び前記第2の遅延時間に基づいて、前記データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定する前記ステップは、
前記制御デバイスにより、第3の遅延時間を取得するステップであり、前記第3の遅延時間の値は、前記第1の遅延時間の値と前記第2の遅延時間の値との間の差である、ステップと、
前記制御デバイスにより、前記第3の遅延時間に基づいて前記必要とされる帯域幅の値を取得するステップと
を含む、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御デバイスにより、前記第1の遅延時間
、前記第2の遅延時間
及び前記データストリームの前記バースト長に基づいて、前記データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定する前記ステップは、
前記制御デバイスにより、以下の関係、すなわち、
B
d=b/(d
obj-d
fix)
を使用することにより前記必要とされる帯域幅を取得するステップであり、B
dは前記必要とされる帯域幅を示し、bは前記バースト長を示し、d
objは前記第1の遅延時間を示し、d
fixは前記第2の遅延時間を示す、ステップを含む、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御デバイスにより、前記データストリームのバースト長を取得する前記ステップは、
前記制御デバイスにより、前記バースト長を受信するステップ、又は
前記制御デバイスにより、前記データストリームのバーストレート及び前記データストリームのバースト時間を取得し、前記バーストレートと前記バースト時間との積の値を前記バースト長として使用するステップ、又は
前記制御デバイスにより、指定の期間に前記データストリームで送信されたパケットのパケット長及び送信されたパケットの数を取得し、前記パケット長と前記パケットの数との積の値を前記バースト長として使用するステップ
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記転送経路上の前記ネットワークデバイスは、前記データストリームを転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含み、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイス又は前記第2のネットワークデバイスを含まないか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイスを含むか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第2のネットワークデバイスを含むか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイス及び前記第2のネットワークデバイスを含む、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記制御デバイスは、以下のパケット、すなわち、マルチ登録プロトコル(MRP)パケット、リンクローカル登録プロトコル(LRP)パケット、ネットワーク構成プロトコル(NETCONF)パケット、表現状態転送ネットワーク構成プロトコル(RESTCONF)パケット、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)パケット又は管理情報ベース(MIB)パケットのうち1つを使用することにより、前記第1の遅延時間又は前記第2の遅延時間を取得する、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記制御デバイスにより、第2の遅延時間を取得する前記ステップの前に、当該方法は、
前記制御デバイスにより、前記データストリームの前記サービス要求遅延時間に基づいて、前記データストリームを伝送するための前記転送経路を決定するステップを更に含む、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
当該方法は、
前記制御デバイスにより、指示情報を前記経路上の前記ネットワークデバイスに送信するステップであり、前記指示情報は、前記必要とされる帯域幅に基づいて前記データストリームを伝送するように、前記経路上の前記ネットワークデバイスに指示するために使用される、ステップを更に含む、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記制御デバイスにより、指示情報を前記経路上の前記ネットワークデバイスに送信する前記ステップは、
前記制御デバイスにより、集中ユーザ構成デバイスを使用することにより、前記指示情報を前記経路上の前記ネットワークデバイスに送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
制御デバイスであって、当該制御デバイスは、
第1の遅延時間を取得するように構成された取得ユニットであり、前記第1の遅延時間は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスにデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間であり、
当該取得ユニットは、第2の遅延時間を取得するように更に構成され、前記第2の遅延時間は、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、前記転送経路上のリンク伝送遅延時間とを含み、前記転送経路は、前記データストリームが前記第1のネットワークデバイスから前記第2のネットワークデバイスに伝送される経路であ
り、
当該取得ユニットは、前記データストリームのバースト長を取得するように更に構成される、取得ユニットと、
前記第1の遅延時間
、前記第2の遅延時間
及び前記データストリームの前記バースト長に基づいて、前記データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定するように構成された処理ユニットと
を含む制御デバイス。
【請求項13】
前記転送経路上の前記ネットワークデバイス伝送遅延時間は、以下の遅延時間、すなわち、前記転送経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間、出力遅延時間、プリエンプション遅延時間及びスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含む、請求項12に記載の制御デバイス。
【請求項14】
前記必要とされる帯域幅は、以下の条件、すなわち、前記必要とされる帯域幅に基づいて前記転送経路に沿って前記転送経路上の前記ネットワークデバイスにより前記データストリームを伝送する遅延時間が前記第1の遅延時間以下であることを満たす、請求項12又は13に記載の制御デバイス。
【請求項15】
前記処理ユニットは、第3の遅延時間を取得し、前記第3の遅延時間に基づいて前記必要とされる帯域幅の値を取得するように構成され、前記第3の遅延時間の値は、前記第1の遅延時間の値と前記第2の遅延時間の値との間の差である、請求項12乃至14のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項16】
前記処理ユニットは、以下の関係、すなわち、
B
d=b/(d
obj-d
fix)
を使用することにより前記必要とされる帯域幅を取得するように構成され、B
dは前記必要とされる帯域幅を示し、bは前記バースト長を示し、d
objは前記第1の遅延時間を示し、d
fixは前記第2の遅延時間を示す、請求項12乃至15のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項17】
前記取得ユニットが、前記データストリームのバースト長を取得することは、
前記取得ユニットが、前記バースト長を受信すること、又は
前記取得ユニットが、前記データストリームのバーストレートと前記データストリームのバースト時間との積に基づいて、前記バースト長を取得すること、又は
前記取得ユニットが、指定の期間に前記データストリームで送信されたパケットのパケット長と、送信されたパケットの数とに基づいて、前記バースト長を取得すること
を含む、請求項16に記載の制御デバイス。
【請求項18】
前記転送経路上の前記ネットワークデバイスは、前記データストリームを転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含み、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイス又は前記第2のネットワークデバイスを含まないか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイスを含むか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第2のネットワークデバイスを含むか、或いは、
前記1つ以上のネットワークデバイスは、前記第1のネットワークデバイス及び前記第2のネットワークデバイスを含む、請求項12乃至17のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項19】
前記取得ユニットは、以下のパケット、すなわち、マルチ登録プロトコル(MRP)パケット、リンクローカル登録プロトコル(LRP)パケット、ネットワーク構成プロトコル(NETCONF)パケット、表現状態転送ネットワーク構成プロトコル(RESTCONF)パケット又は管理情報ベース(MIB)パケットのうち1つを使用することにより、前記第1の遅延時間又は前記第2の遅延時間を取得する、請求項12乃至18のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項20】
前記処理ユニットは、前記取得ユニットが前記第2の遅延時間を取得する前に、前記データストリームの前記サービス要求遅延時間に基づいて、前記データストリームを伝送するための前記転送経路を決定するように更に構成される、請求項12乃至19のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項21】
当該制御デバイスは、送信ユニットを更に含み、
前記送信ユニットは、指示情報を前記経路上の前記ネットワークデバイスに送信するように構成され、前記指示情報は、前記必要とされる帯域幅に基づいて前記データストリームを伝送するように、前記経路上の前記ネットワークデバイスに指示するために使用される、請求項12乃至19のうちいずれか1項に記載の制御デバイス。
【請求項22】
前記送信ユニットは、前記指示情報を集中ユーザ構成デバイスに送信するように更に構成され、それにより、前記集中ユーザ構成デバイスは、前記指示情報を前記経路上の前記ネットワークデバイスに送信する、請求項21に記載の制御デバイス。
【請求項23】
命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
前記命令がコンピュータ上で実行されたとき、前記コンピュータは、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年9月27日に中国国家知識産権局に出願された「METHOD, DEVICE, AND SYSTEM FOR OBTAINING DELAY BANDWIDTH」という名称の中国特許出願第201910927452.7号、及び2019年11月8日に中国国家知識産権局に出願された「METHOD, DEVICE, AND SYSTEM FOR DETERMINING REQUIRED BANDWIDTH FOR DATA STREAM TRANSMISSION」という名称の中国特許出願第201911089128.9号の優先権を主張し、これらの出願の全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
この出願は、通信分野に関し、特に、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法、デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
帯域幅(bandwidth)は、単位時間当たりにネットワークを通過するトラフィックを記述するために使用される。通常では、ネットワークにおいて、帯域幅は、ネットワークリソース上のネットワークサービスの要求を決定するために使用される。例えば、統計的な多重ネットワークでは、ネットワーク帯域幅は、しばしばトラフィック帯域幅に基づいて配備される。しかし、第5世代(fifth generation, 5G)技術の超高信頼性低遅延通信(Ultra-Reliable Low-Latency Communication, uRLLC)は、サービス要求遅延時間に厳しい要求を課す。一般的なトラフィック帯域幅は、ネットワークリソース配備を導くために使用され、これは、低遅延時間についての5G技術の要求を満たすことができない。例えば、ネットワークリソースは、平均トラフィック帯域幅に基づいて配備される。この解決策は、バッファが十分であるとき、パケットロスがネットワーク上で発生しないことを確保できる。しかし、一時的なバーストトラフィックのためにネットワークが輻輳したとき、伝送遅延時間ジッタが発生し、データストリームのエンドツーエンド遅延時間が増加する。その結果、5GサービスのuRLLC要求が満たされることはできない。
【発明の概要】
【0004】
この出願は、遅延時間要求を有するデータストリームのためのネットワークリソース配備を導き、それにより、エンドツーエンドデータストリーム伝送のための低遅延時間の要求を確保するための、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、この出願の実施形態は、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法を提供する。当該方法は以下を含む。制御デバイスは、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスへのデータストリームのエンドツーエンド伝送のサービス要求遅延時間を取得し、第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスは、それぞれデータストリームを転送するための経路上の2つの端部におけるデバイスである。この出願のこの実施形態では、サービス要求遅延時間は、第1の遅延時間と呼ばれてもよい。制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とを取得し、転送経路は、データストリームが第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスに伝送される経路である。この出願のこの実施形態では、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間とリンク伝送遅延時間との和は、略称で第2の遅延時間と呼ばれてもよい。転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間を含む。例えば、3つのネットワークデバイスが転送経路に含まれる場合、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、3つのネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間の和を含む。転送経路上のリンク伝送遅延時間は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスへのリンク遅延時間であり、また、転送経路上の光ファイバ遅延時間とも呼ばれてもよい。制御デバイスは、第1の遅延時間及び第2の遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定する。
【0006】
当該方法によれば、制御デバイスは、データストリームのエンドツーエンド伝送のための遅延時間要求と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間とに基づいて必要とされる帯域幅を決定する。決定された必要とされる帯域幅は、データストリームの遅延時間要求を満たすことができ、それにより、サービス伝送の高信頼性を確保する。
【0007】
可能な実現方式では、ネットワークデバイス伝送遅延時間は、以下の遅延時間、すなわち、転送経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間、出力遅延時間、プリエンプション遅延時間及びスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含む。当該方法によれば、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間は、要求に基づいて上記の遅延時間から柔軟に決定できる。
【0008】
可能な実現方式では、制御デバイスにより決定された必要とされる帯域幅は、以下の条件、すなわち、決定された必要とされる帯域幅に基づいて転送経路に沿って転送経路上のネットワークデバイスによりデータストリームを伝送する遅延時間が第1の遅延時間以下であることを満たす。当該方法によれば、データストリームのサービス要求遅延時間を満たすために、必要とされる帯域幅がデータストリームを伝送するために使用されることが確保できる。
【0009】
可能な実現方式では、制御デバイスは、第3の遅延時間を取得し、第3の遅延時間の値は、第1の遅延時間の値と第2の遅延時間の値との間の差である。第3の遅延時間は、ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するキュー遅延時間として理解されてもよい。キュー遅延時間は、ネットワークデバイスの帯域幅に密接に関係する。ネットワークデバイスのより大きい帯域幅は、より低いキュー遅延時間を示す。制御デバイスは、第3の遅延時間に基づいて必要とされる帯域幅の値を取得してもよい。例えば、制御デバイスは、所定の期間にデータストリームが送信される時間の長さと、データストリームが送信される平均レートとに基づいて、所定の期間に送信されるデータストリームの数を取得する。制御デバイスは、データストリームの数及び第3の遅延時間に基づいて、データストリームのための必要とされる帯域幅を計算してもよい。
【0010】
可能な実現方式では、制御デバイスは、データストリームのバースト長を取得し、以下の関係、すなわち、
Bd=b/(dobj-dfix)
を使用することにより必要とされる帯域幅を取得する。
【0011】
Bdはデータストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を示す。bはデータストリームのバースト長を示す。dobjはデータストリームのエンドツーエンド伝送のサービス要求遅延時間、すなわち、第1の遅延時間を示す。dfixは転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間とリンク伝送遅延時間との和、すなわち、第2の遅延時間を示す。データストリームのバースト長はまた、データストリームのバースト量とも呼ばれてもよい。
【0012】
上記の方法では、dobjとdfixとの間の差に基づいて取得された値は、転送経路上のネットワークデバイスキュー遅延時間を示す。制御デバイスは、データストリームのバースト長とネットワークデバイスキュー遅延時間との商に基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を取得する。転送経路上のネットワークデバイスは、必要とされる帯域幅を使用することによりデータストリームを伝送し、それにより、バーストトラフィックがスムーズになることができるだけでなく、バーストトラフィックの場合にデータストリームの伝送がエンドツーエンドサービス要求遅延時間の制約を満たすことが確保できる。
【0013】
可能な実現方式では、転送経路上のネットワークデバイスは、データストリームを転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含む。1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス又は第2のネットワークデバイスを含まないか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスを含む。
【0014】
実際のシナリオでは、制御デバイスは、必要とされる帯域幅を解決するための要因として、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を考慮する必要がある。したがって、制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイスの範囲を決定する必要がある。転送経路上のネットワークデバイスの決定される範囲は、実際のシナリオによって変化する。例えば、データストリームを転送するために、2つの端部におけるネットワークデバイスが、それぞれデータストリームの送信元端デバイス及び宛先端デバイスである場合、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスは、データストリームの2つの端部におけるデバイスを含まない。転送経路の2つの端部におけるデバイスがサブネットにおけるエッジ転送デバイスである場合、2つの端部におけるデバイスは、転送経路上の複数のネットワークデバイスに属する。転送経路の2つの端部におけるデバイスのうち1つがエッジ転送デバイスである場合、デバイスは、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスに属する。当該方法によれば、データストリームを転送するための経路上のネットワークデバイスは、制御デバイスが必要とされる帯域幅をより正確に決定するのを助けるために、異なるネットワークシナリオに基づいて選択されて決定されてもよい。
【0015】
可能な実現方式では、制御デバイスがデータストリームのバースト長を取得する方式は、以下の方式のうちいずれか1つを含んでもよい。
【0016】
制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイスからバースト長を取得するか、或いは、制御デバイスは、データストリームのバーストレート及びデータストリームのバースト時間を取得し、バーストレートとバースト時間との積の値をバースト長として使用するか、或いは、制御デバイスは、指定の期間にデータストリームで送信されたパケットの長さ及び送信されたパケットの数を取得し、パケット長とパケットの数との積の値をバースト長として使用する。
【0017】
当該方法によれば、データストリームのバースト長を取得するために使用され得る複数の方式が提供される。
【0018】
可能な実現方式では、制御デバイスは、以下のパケット、例えば、マルチ登録プロトコル(multiple registration protocol, MRP)パケット、リンクローカル登録プロトコル(link-local registration protocol, LRP)パケット、NETCONFパケット、RESTCONFパケット、簡易ネットワーク管理プロトコル(simple network management protocol, SNMP)パケット及び管理情報ベース(Management Information Base, MIB)パケットのうち1つを使用することにより、第1の遅延時間又は第2の遅延時間を取得してもよい。
【0019】
可能な実現方式では、制御デバイスが第2の遅延時間を取得する前に、制御デバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための転送経路を決定する。
【0020】
可能な実現方式では、制御デバイスが必要とされる帯域幅を決定した後に、制御デバイスは、指示情報を転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスに送信し、指示情報は、データストリームのための必要とされる帯域幅の値を搬送する。指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームを伝送するように、転送経路上のネットワークデバイスに指示するために使用されてもよい。
【0021】
可能な実現方式では、制御デバイスが必要とされる帯域幅を決定した後に、制御デバイスは、指示情報を転送経路上のネットワークデバイスに送信し、指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームのための帯域幅を予約するように、経路上のネットワークデバイスに指示するために使用され、予約された帯域幅は、必要とされる帯域幅以上である。
【0022】
可能な実施形態では、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームを伝送するように構成されたネットワークデバイスを選択して決定してもよい。例えば、データストリームのための複数の転送経路が存在するとき、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームを転送するための適切なネットワークデバイス及び経路を選択してもよく、選択されたネットワークデバイスは、データストリームを伝送するために必要とされる帯域幅と等しい帯域幅を提供できるネットワークデバイスである。当該方法によれば、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームを転送するための要求を満たすネットワークデバイスを選択してもよく、それにより、データストリーム伝送のための低遅延時間を確保する。
【0023】
可能な実現方式では、制御デバイスは、集中ユーザ構成デバイスを使用することにより、指示情報を転送経路上のネットワークデバイスに送信し、指示情報は、データストリームのための必要とされる帯域幅を搬送する。
【0024】
可能な実現方式では、必要とされる帯域幅の値は、転送経路上のネットワークデバイスの最大帯域幅以下である。
【0025】
第2の態様によれば、この出願の実施形態は、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法を提供する。当該方法では、制御デバイスは、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスにデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間を取得する。この出願のこの実施形態では、サービス要求遅延時間は、第1の遅延時間と呼ばれてもよい。制御デバイスは、転送経路上の各ネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のデータストリームのリンク伝送遅延時間とを取得する。転送経路は、データストリームが第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスに伝送される経路であり、転送経路上のリンク伝送遅延時間は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスへの経路上のデータストリームのリンク伝送遅延時間を示し、また、データストリームのエンドツーエンドリンク伝送遅延時間とも呼ばれてもよい。この出願のこの実施形態では、転送経路上の単一のネットワークデバイスの伝送遅延時間は、略称で第2の遅延時間と呼ばれてもよい。制御デバイスは、第1の遅延時間、第2の遅延時間及びリンク伝送遅延時間に基づいて、単一のデバイスによりデータストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を取得する。
【0026】
可能な実現方式では、制御デバイスは、第1の遅延時間に基づいて、転送経路上の各ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間を取得する。例えば、制御デバイスは、各ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間を取得するために、第1の遅延時間を転送経路上のネットワークデバイスの数で割る。代替として、制御デバイスは、各ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間を取得するために、要求に基づいて或る割合で第1の遅延時間を転送経路上の各ネットワークデバイスに割り当ててもよい。当該方法によれば、制御デバイスは、要求に基づいて、転送経路上の各転送デバイスによりデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間を柔軟に決定してもよい。
【0027】
可能な実現方式では、単一のネットワークデバイスの伝送遅延時間は、以下の遅延時間、すなわち、単一のネットワークデバイスの処理遅延時間、出力遅延時間、プリエンプション遅延時間及びスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含む。
【0028】
可能な実現方式では、必要とされる帯域幅に基づいて転送経路に沿って転送経路上のネットワークデバイスによりデータストリームを伝送する遅延時間は、第1の遅延時間以下である。
【0029】
可能な実現方式では、制御デバイスは、リンク伝送遅延時間に関係する第1の遅延時間の値と第2の遅延時間の値との間の差に基づいて、必要とされる帯域幅の値を取得する。
【0030】
可能な実現方式では、当該方法は以下を更に含む。制御デバイスは、データストリームのバースト長を取得する。
【0031】
制御デバイスが、第1の遅延時間及び第2の遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定することは以下を具体的に含む。制御デバイスは、以下の関係、すなわち、
Bd=b/(dobj-per-ddevice)
を使用することにより必要とされる帯域幅を取得する。
【0032】
Bdは転送経路上の単一のネットワークデバイスの必要とされる帯域幅を示す。bはデータストリームのバースト長を示す。dobj-perは転送経路上の単一のネットワークデバイスのサービス要求遅延時間を示す。ddeviceは第2の遅延時間、すなわち、転送経路上の単一のネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間を示す。dobj-perの対応する値は、要求に基づいて取得されてもよい。例えば、制御デバイスは、第1の遅延時間とリンク伝送遅延時間との間の差に基づいて第3の遅延時間を取得し、次いで、制御デバイスは、特定の割合で第3の遅延時間を転送経路上の各ネットワークデバイスに割り当て、次いで、単一のネットワークデバイスのサービス要求遅延時間を取得し、すなわち、dobj-perを取得する。
【0033】
上記の方法によれば、制御デバイスは、単一のネットワークデバイスについて、データストリームを伝送するための帯域幅を決定してもよく、それにより、データストリームを伝送するサービス要求遅延時間の制約が満たされるとき、ネットワークデバイスはより柔軟に配備される。
【0034】
可能な実現方式では、転送経路上のネットワークデバイスは、データストリームを転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含む。1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス又は第2のネットワークデバイスを含まないか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスを含む。
【0035】
可能な実現方式では、制御デバイスがデータストリームのバースト長を取得する方式は、以下の方式のうちいずれか1つを含んでもよい。
【0036】
制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイスからバースト長を受信するか、或いは、制御デバイスは、データストリームのバーストレート及びデータストリームのバースト時間を取得し、バーストレートとバースト時間との積の値をバースト長として使用するか、或いは、制御デバイスは、指定の期間にデータストリームで送信されたパケットのパケット長及び送信されたパケットの数を取得し、パケット長とパケットの数との積の値をバースト長として使用する。
【0037】
可能な実現方式では、制御デバイスが第2の遅延時間を取得する前に、制御デバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための経路を決定する。
【0038】
可能な実現方式では、制御デバイスが必要とされる帯域幅を決定した後に、制御デバイスは、指示情報を転送経路上のネットワークデバイスに送信し、指示情報は、データストリームの必要とされる帯域幅を搬送する。指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームを伝送するように、転送経路上のネットワークデバイスに指示するために使用されてもよい。
【0039】
可能な実現方式では、制御デバイスが必要とされる帯域幅を決定した後に、制御デバイスは、指示情報を転送経路上のネットワークデバイスに送信し、指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームのための帯域幅を予約するように、転送経路上のネットワークデバイスに指示するために使用され、予約された帯域幅は、必要とされる帯域幅以上である。ネットワークデバイスは、ネットワークデバイス伝送遅延時間を制御デバイスに送信するネットワークデバイスでもよい。
【0040】
可能な実施形態では、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームを伝送するように構成されたネットワークデバイスを選択して決定してもよい。例えば、データストリームのための複数の転送経路が存在するとき、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、適切なネットワークデバイス、すなわち、データストリームを伝送するために必要とされる帯域幅に等しい帯域幅を提供できるネットワークデバイスを選択してもよい。当該方法によれば、制御デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームを転送するための要求を満たすネットワークデバイスを選択してもよく、それにより、データストリーム伝送のための低遅延時間を確保する。
【0041】
第3の態様によれば、この出願の実施形態は、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法を実行するように構成された制御デバイスを提供する。具体的には、ネットワークデバイスは、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法を実行するように構成されたユニットを含む。
【0042】
第4の態様によれば、この出願の実施形態は、第2の態様又は第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法を実行するように構成された制御デバイスを提供する。具体的には、ネットワークデバイスは、第2の態様又は第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法を実行するように構成されたユニットを含む。
【0043】
第5の態様によれば、この出願の実施形態は、制御デバイスを提供する。制御デバイスは、プロセッサと、通信インタフェースと、メモリとを含む。メモリは、プログラムコードを記憶するように構成されてもよい。プロセッサは、メモリ内のプログラムコードを呼び出し、第1の態様若しくは第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つ、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つを実行するように構成される。詳細については、方法の例における詳細な説明を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0044】
第6の態様によれば、この出願の実施形態は、サービスパケットを送信するためのシステムを提供する。当該システムは、送信デバイスと、転送デバイスと、制御デバイスとを含む。送信デバイスは、データストリームのエンドツーエンドサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信するように構成される。転送デバイスは、転送経路上のエンドツーエンドネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とを制御デバイスに送信するように構成される。制御デバイスは、データストリームのエンドツーエンドサービス要求遅延時間と、転送経路上のエンドツーエンドネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とに基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定するように構成される。
【0045】
第7の態様によれば、この出願の実施形態は、命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。命令がコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは、第1の態様若しくは第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つにおける方法を実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】この出願の実施形態による、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅が決定されるシナリオの概略図である。
【
図2】この出願の実施形態による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法の概略フローチャートである。
【
図3】この出願の実施形態による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法の概略フローチャートである。
【
図4】この出願の実施形態による、ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送する遅延時間の構造の概略図である。
【
図5】この出願の実施形態による、データストリームのサービス曲線及び到達曲線の概略図である。
【
図6】この出願の実施形態による、TLVがデータストリームの特徴情報を搬送するパケットフォーマットの概略図である。
【
図7】この出願の実施形態による、TLVがデータストリームの特徴情報を搬送するパケットフォーマットの概略図である。
【
図8】この出願の実施形態による、TLVがデータストリームの特徴情報を搬送するパケットフォーマットの概略図である。
【
図9】この出願の実施形態による、MRPDUパケットフォーマットの概略図である。
【
図10】この出願の実施形態による、LRPDUパケットフォーマットの概略図である。
【
図11】この出願の実施形態による、TLVで搬送される情報のYANGモデルへの変換の概略図である。
【
図12】この出願の実施形態による、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を搬送するYANGモデルの概略図である。
【
図13】この出願の実施形態による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法の概略フローチャートである。
【
図14】この出願の実施形態による、制御デバイスの構造の概略図である。
【
図15】この出願の実施形態による、制御デバイスの構造の概略図である。
【
図16】この出願の実施形態による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するためのシステムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に、添付の図面を参照して、この出願の実施形態について説明する。
【0048】
インターネットプロトコル(Internet Protocol, IP)ネットワークのデータストリームについて、帯域幅は、データストリームのサイズに関する統計を収集するためにしばしば使用され、帯域幅の値は、データストリームの特徴及び観察期間に関係する。例えば、平均帯域幅は、長期間に安定しているデータストリームを記述するために使用され、比較的長い観察期間が必要である。ピーク帯域幅は、データストリームの一時的な最大値を記述するために使用され、比較的短い観察期間が必要である。データストリームに関する統計を収集するために、ミリ秒レベル又はマイクロ秒レベルの時間単位がデータストリームの特徴に基づいて選択されてもよい。
【0049】
しかし、平均帯域幅又はピーク帯域幅に基づいて配備された上記のネットワークは、低遅延時間のための超高信頼性低遅延通信(Ultra-Reliable Low-Latency Communication, uRLLC)の要求をほとんど満たすことができない。まず、データストリームがバースト特徴を有するとき、平均帯域幅はピーク帯域幅と大きく異なり、ピーク帯域幅もまた、観察期間の異なる値によって大きく異なる。その結果、データストリームの特徴を反映するために単一の帯域幅値を使用することは困難である。さらに、帯域幅は、単位時間当たりのデータストリームに関する統計を示し、帯域幅の値は、ネットワーク伝送遅延時間要求に直接関係しない。
【0050】
これを考慮して、この出願は、データストリーム伝送のための帯域幅を決定するための方法、デバイス及びシステムを提供し、それにより、遅延時間要求が満たされるとき、異なるデータストリームのための帯域幅値がより正確に決定できる。この解決策では、データストリームを伝送するための遅延時間要求、ネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間は、ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定するためのパラメータとして使用される。言い換えると、データストリームの遅延時間要求が満たされるという制約条件の下で、ネットワークデバイスによりデータストリームを伝送するための必要とされる帯域幅が決定され、決定された必要とされる帯域幅は、ネットワークを配備するために、データストリームを伝送するための遅延信頼性帯域幅としてネットワークデバイスに配信される。当該方法は、遅延時間要求を有するデータストリームのためのネットワークリソース配備を導き、データストリームの遅延時間要求に基づいて、データストリームを伝送するための帯域幅を決定し、サービスのための低遅延時間及び高信頼性を実現し、5Gサービスの開発のための技術サポートを提供するために使用されてもよい。
【0051】
この出願の具体的な解決策について説明する前に、以下に、この出願における用語を最初に記載及び説明する。
【0052】
この出願におけるデータストリームのための必要とされる帯域幅は、データストリームの遅延時間要求が満たされるとき、データストリームを伝送するために必要とされる信頼性のある帯域幅を記述するために使用される。データストリームの必要とされる帯域幅はまた、遅延信頼性帯域幅(delay reliable bandwidth, DRB)とも呼ばれてもよい。遅延信頼性帯域幅は、uRLLCサービスのデータストリームのために決定論的で信頼性のある遅延時間保証を提供するように、ネットワークリソース構成を導くために使用されてもよい。例えば、産業オートメーションネットワークアプリケーションにおいて、データストリームのエンドツーエンド伝送のための遅延時間要求が、2ミリ秒(millisecond, ms)の信頼性(データストリームの遅延時間要求内の成功したデータ伝送の確率)要求が100%である場合、遅延信頼性帯域幅を使用することによりネットワークデバイスによりデータストリームを伝送する最大遅延時間は2msを超えることはできない。この出願では、遅延信頼性帯域幅又は必要とされる帯域幅は、Bdにより示されてもよい。
【0053】
この出願におけるデータストリームのサービス要求遅延時間は、データストリームのエンドツーエンド伝送の許容可能な最大遅延時間であり、また、データストリームの有界遅延時間又はデータストリームを伝送するための遅延時間要求とも呼ばれてもよい。例えば、データストリームのエンドツーエンド伝送の許容可能な最大遅延時間の値は2msであり、データストリームの有界遅延時間又はデータストリームの遅延時間要求は2msである。この出願では、データストリームの有界遅延時間又はサービス要求遅延時間は、dobjにより示されてもよい。「エンドツーエンド」という用語は、データストリームを伝送するための経路の2つの端部を記述するために使用される。例えば、データストリームの伝送経路は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスへの経路であり、データストリームのエンドツーエンド伝送は、データストリームが一端、すなわち、第1のネットワークデバイスから、他端、すなわち、第2のネットワークデバイスに伝送されることを意味する。
【0054】
この出願におけるYANGは、構成データ、状態データ、リモートプロシージャコール及びネットワーク管理プロトコル通知をモデル化するために使用されるデータモデリング言語である。YANGの具体的な説明については、リクエストフォーコメント(Requirement For Comments、 RFC)6020及びRFC7950における関係する章を参照する。例えば、ネットワークデバイスは、ネットワーク構成プロトコル(Network Configuration Protocol, NETCONF)YANGモデル及び表現状態転送ネットワーク構成プロトコル(representational state transfer network configuration protocol, RESTCONF)YANGモデルを使用することにより、データを構成して送信してもよい。YANGモデルは、拡張可能マークアップ言語(Extensible Markup Language, XML)フォーマット又はJavaScriptオブジェクト表記(JavaScript Object Notation, JSON)フォーマットでデータを記述できる。例えば、YANGモデルは、ネットワークデバイスの転送遅延時間又は遅延信頼性帯域幅に対応するパラメータを搬送するために使用されてもよい。
【0055】
以下に、
図1を参照して、この出願の可能な適用シナリオについて説明する。
図1におけるネットワーク100は、制御デバイス101と、ネットワークデバイス102~105とを含む。可能な設計では、ネットワークデバイス102~105は、それぞれデータストリームの送信デバイス102、転送デバイス104及び105並びに受信デバイス103でもよい。例えば、送信デバイス102は、データストリームを送信するための送信元端デバイスでもよく、データストリームは、転送デバイス104及び105により転送され、宛先端デバイス103により受信される。制御デバイス101は、ユーザネットワークインタフェース(User Network Interface, UNI)、NETCONF又はRESTCONFを使用することにより、送信デバイス102、転送デバイス104、転送デバイス105又は受信デバイス103のうち1つ以上と情報を交換してもよい。
【0056】
制御デバイス101は、データ処理能力又は計算能力を有する。
図1に示すように、制御デバイス101は独立ネットワークデバイスでもよく、すなわち、ネットワーク100においてネットワークデバイス102~105から物理的に独立してもよく、ネットワークデバイス102~105のうち1つ以上を中央で管理する。代替として、制御デバイス101及び他のネットワークデバイスは、同じネットワークデバイスに統合されてもよい。例えば、制御デバイス101及び送信デバイス102は、同じネットワークデバイスに統合される。代替として、制御デバイス101の機能は、複数のサブ機能ユニットに分割されてもよく、複数のサブ機能ユニットは、ネットワークデバイス102~105に分散されてもよい。制御デバイス101の物理的形式及び配備方式は、この出願におけるネットワークデバイス102~105のうち1つ以上と相互作用する機能が実現できることを条件として、この出願において限定されない。
【0057】
送信デバイス102、受信デバイス103又は転送デバイス104及び105のそれぞれは、独立ネットワークデバイスでもよく、或いは、1つのデバイスに制御デバイス101と共に統合されてもよく、特定のシナリオ要求に基づいて選択されて設計されてもよい。これは、この出願では限定されない。
【0058】
一例では、送信元端デバイスから宛先端デバイスへの伝送プロセスにおいて、データストリームが複数のサブネットを横断する必要がある場合、送信デバイス102は、転送機能を有し且つサブネットのうち1つのエッジに位置するネットワークデバイスでもよい。例えば、データストリームを伝送するための経路がネットワークセグメントに基づいて異なるサブネットに分割されるとき、送信デバイス102は、サブネットのうち1つのエッジ転送デバイスである。代替として、データストリームを伝送するための経路がタイムセンシティブネットワーキング(time sensitive networking, TSN)において複数のサブドメインに分散されるとき、送信デバイス102は、サブドメインのうち1つにおけるエッジ転送デバイスである。転送デバイス104及び105は、スイッチ又はルータのようなデータストリーム転送機能を有するネットワークデバイスでもよい。受信デバイス103は、トラフィックの受信端ネットワークデバイスでもよく、トラフィック受信機能を有する。
【0059】
一例では、ネットワーク100は、集中ユーザ構成(Centralized User Configuration, CUC)デバイスを更に含んでもよい。CUCデバイスは、ネットワークデバイス102~105への接続を別々に確立し、ネットワークデバイス102~105を管理又は構成するように構成されてもよい。CUCデバイスは、ネットワークデバイス102~105が制御デバイス101と情報を交換するためのプロキシとして機能する。
【0060】
図1において提供されるネットワークシナリオは、5G uRLLCサービスシナリオでもよく、これは、具体的には、例えば、スマートグリッド差動保護サービスのために有界遅延時間保証が提供されるシナリオ、産業オートメーションシナリオ、ビークルネットワークシナリオ、又はスマートファクトリーにおいて有線イーサネット若しくは無線ネットワークに基づいてセンサ収集データストリーム、産業制御データストリーム、ビデオ監視トラフィック等のために有界遅延時間が提供されるシナリオである。これらのシナリオでは、異なるデータストリームタイプについて、ネットワークにおいて異なるサービスレベルアグリーメント(Service Level Agreement, SLA)が存在してもよい。したがって、制御デバイスは、データストリームの遅延時間要求に基づいて利用可能なリソース及びサービス要求を適切に調整し、ネットワークリソースを適切に割り当てて予約する必要がある。この出願において提供されるデータストリーム伝送のための帯域幅を決定するための解決策によれば、差別化されたSLA保証を提供するためのネットワークリソースが構成される。
【0061】
図2は、この出願による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するための方法の概略フローチャートである。当該方法は、データストリームのサービス要求遅延時間を取得するステップと、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を取得するステップと、データストリームの
ための必要とされる
帯域幅を決定するステップとを含む。
図2における制御デバイスは、
図1における制御デバイス101でもよく、
図2における転送経路上のネットワークデバイスは、
図1におけるネットワークデバイス101~105のうち1つ以上でもよい。以下に、上記3つのステップについて別々に説明及び記載する。
【0062】
ステップ210:制御デバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間を取得する。
【0063】
一方で、制御デバイスは、制御デバイスからデータストリームのサービス要求遅延時間を取得してもよい。例えば、制御デバイスは、データストリームと、制御デバイスにより記憶されるサービス要求遅延時間との間の対応関係を使用することにより、データストリームに対応するサービス要求遅延時間を取得してもよい。他方で、制御デバイスは、代替として、他のネットワークデバイスにより送信された、データストリームのサービス要求遅延時間を受信してもよい。例えば、制御デバイスは、まず、取得されたネットワークトポロジ情報に基づいて、データストリームを転送するための経路と、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスとを決定してもよい。次いで、制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイスからデータストリームのサービス要求遅延時間を取得する。例えば、
図1を参照すると、送信デバイス101は、データストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに直接送信してもよい。
【0064】
例えば、伝送経路上のネットワークデバイスがデータストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信するとき、制御デバイスは、ユーザネットワークインタフェース(User Network Interface, UNI)を使用することにより、データストリームのサービス要求遅延時間を搬送するパケットを制御デバイスに送信してもよく、例えば、データストリームのサービス要求遅延時間を、マルチ登録プロトコル(multiple registration protocol, MRP)パケット、リンクローカル登録プロトコル(link-local registration protocol, LRP)パケット、NETCONFパケット、RESTCONFパケット又は管理情報ベース(management information base, MIB)パケットに含めてもよい。
【0065】
一例では、伝送経路上のネットワークデバイスは、代替として、集中ユーザ構成(Centralized User Configuration, CUC)デバイスを使用することにより、データストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信してもよい。
【0066】
代替として、ネットワークデバイスは、CUCデバイスを使用することにより、データストリームのサービス要求遅延時間を搬送するパケットを制御デバイスに送信してもよい。
【0067】
データストリームのサービス要求遅延時間は、データストリームのエンドツーエンド伝送に許容される最大遅延時間として理解されてもよい。例えば、エンドツーエンドデバイスがそれぞれ第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスである場合、データストリームのサービス要求遅延時間は、データストリームが第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスに到達するために許容される最大の必要とされる遅延時間である。第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスがそれぞれデータストリームの送信元端デバイス及び宛先端デバイスであるとき、制御デバイスは、第1のネットワークデバイスからデータストリームのサービス要求遅延時間を取得してもよい。例えば、タイムセンシティブネットワーキング(time sensitive networking, TSN)において、伝送端(Talker)は、データストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに直接送信するか、或いは、CUCデバイスを使用することによりデータストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信する。第1のネットワークデバイスがデータストリームを伝送するためのサブネットにおけるエッジ転送デバイスであるとき、データストリームを転送するための経路上のいずれかのネットワークデバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信してもよい。
【0068】
制御デバイスは、1つ以上の異なるデータストリームのサービス要求遅延時間を受信してもよい。異なるデータストリームは、データストリームの4タプル、5タプル又は7タプル情報に基づいて区別されてもよい。例えば、異なるデータストリームは、データストリームの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート及び宛先ポートに基づいて区別されるか、或いは、異なるデータストリームは、データストリームの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロトコル番号、送信元ポート及び宛先ポートに基づいて区別されるか、或いは、異なるデータストリームは、データストリームの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロトコル番号、サービスタイプ、インタフェースインデックス、送信元ポート及び宛先ポートに基づいて区別される。代替として、データストリームは、他の特徴に基づいて区別されてもよい。例えば、データストリームが同じデータストリームであるか否かは、データストリームの伝送経路が同じであるか否かに依存して区別され、同じ伝送経路上のデータストリームは同じデータストリームである。代替として、データストリームは、データストリームが同じサービス品質(quality of service, QoS)パラメータを有するか否かに依存して、例えば、データストリームが同じ遅延時間、ジッタ又はスループットを有するか否かに依存して区別されてもよく、同じQoSパラメータを有するデータストリームは同じデータストリームである。データストリームが同じデータストリームであるか否かを区別するために、上記の区別する特徴が更に組み合わされてもよい。
【0069】
ステップ220:制御デバイスは、データストリームの転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を取得する。
【0070】
以下の説明を容易にするために、データストリームのエンドツーエンド伝送のための転送経路は、第1の経路と呼ばれてもよい。第1の経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、第1の経路上の1つ以上のネットワークデバイスの処理遅延時間、出力遅延時間、プリエンプション遅延時間又はスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含んでもよい。第1の経路上のリンク伝送遅延時間は、第1の経路上のデータストリームのエンドツーエンド伝送の遅延時間であり、また、第1の経路上の光ファイバ遅延時間とも呼ばれてもよい。
【0071】
制御デバイスは、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間の累積値と、転送経路上のリンク伝送遅延時間の累積値との和を取得する。
図1を参照すると、例えば、転送デバイス104及び105は、データストリームを伝送するための転送経路に含まれ、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、転送デバイス104及び転送デバイス105のネットワークデバイス伝送遅延時間の和である。転送経路上のリンク伝送遅延時間は、転送経路上の全てのリンクの伝送遅延時間の和である。
図1において、転送経路上のリンク伝送遅延時間は、転送経路に沿ってデータストリームを伝送するための、送信デバイス102と受信デバイス103との間の全てのリンクの伝送遅延時間の和である。
【0072】
一例では、第1の経路上のネットワークデバイス転送遅延時間は、以下の遅延時間、すなわち、第1の経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間、第1の経路上のネットワークデバイスの出力遅延時間、第1の経路上のネットワークデバイスのプリエンプション遅延時間又は第1の経路上のネットワークデバイスのスケジューリング遅延時間のうち1つ又はそれ以上の組み合わせを含む。例えば、第1の経路上のネットワークデバイス転送遅延時間は、第1の経路上のネットワークデバイスの出力遅延時間と、第1の経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間とを含む。第1の経路上のネットワークデバイス転送遅延時間は、上記の遅延時間パラメータのうちいずれか1つ、又は上記の遅延時間パラメータのいずれかの組み合わせでもよい。組み合わせ方式は、この出願では限定されない。
【0073】
例えば、
図4は、この出願による、ネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間の概略図である。
図4において、ノードA(node A)及びノードB(node B)が含まれており、データストリームの伝送方向はノードAからノードBである。ノードAからノードBへのデータストリームのネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間は、
図4において数字で示される部分を含む。
図4において、数字1はネットワークデバイス出力遅延時間を表し、数字2はリンク伝送遅延時間を表し、数字3はプリエンプション遅延時間を表し、数字4はネットワークデバイス処理遅延時間を表し、数字5はスケジューリング遅延時間を表し、数字6はキュー遅延時間を表す。転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、ノードAの伝送遅延時間と、ノードBの伝送遅延時間と、リンク伝送遅延時間との和を含む。転送経路上の単一のネットワークデバイスの伝送遅延時間は、1、3、4及び5のうちいずれか1つ又はいずれかの組み合わせでもよく、例えば、第1の経路上の単一のネットワークデバイスの伝送遅延時間は、1、3、4及び5の和であるか、或いは、4のみを含んでもよい。転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、単一のネットワークデバイスの決定された伝送遅延時間のN倍であり、Nは、転送経路上のネットワークデバイスの数である。
【0074】
一例では、第1の経路又は転送経路上のネットワークデバイスは、データストリームを転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含む。1つ以上のネットワークデバイスは、転送経路の2つの端部におけるデバイスを含まないか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、転送経路の2つの端部におけるデバイスのいずれかのみを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、転送経路の2つの端部におけるデバイスを含む。制御デバイスは、上記の転送デバイスのうちいずれか1つ以上により送信された転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を受信してもよい。
【0075】
制御デバイスは、必要とされる帯域幅を解決するための要因として、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を考慮する必要がある。したがって、制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイスの範囲を決定する必要がある。転送経路上のネットワークデバイスの決定される範囲は、実際のシナリオによって変化する。例えば、データストリームを転送するために、2つの端部におけるネットワークデバイスが、それぞれデータストリームの送信元端デバイス及び宛先端デバイスである場合、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスは、データストリームの2つの端部におけるデバイスを含まない。転送経路の2つの端部におけるデバイスがサブネットにおけるエッジ転送デバイスである場合、2つの端部におけるデバイスは、転送経路上の複数のネットワークデバイスに属する。転送経路の2つの端部におけるデバイスのうち1つがエッジ転送デバイスである場合、デバイスは、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスに属する。当該方法によれば、データストリームを転送するための経路上のネットワークデバイスは、制御デバイスが必要とされる帯域幅をより正確に決定するのを助けるために、異なるネットワークシナリオに基づいて選択されて決定されてもよい。
【0076】
さらに、制御デバイスは、データストリームを伝送するための経路上の転送デバイスのためのネットワークリソースを構成する必要がある。
図1に示すように、送信デバイス102がデータストリームの送信元端デバイスであり、受信デバイス103がデータストリームの宛先端デバイスである場合、制御デバイスは、データストリームの送信端デバイス及び宛先端デバイスのために帯域幅リソースを構成しなくてもよい。したがって、制御デバイスが帯域幅構成を実行する必要があるネットワークデバイスは、送信デバイス102又は受信デバイス103を含まない。送信デバイス102及び受信デバイス103がサブネットにおけるエッジデバイスであり、データストリームの送信端デバイス及び宛先端デバイスではない場合、制御デバイスは、代替として、送信デバイス102及び受信デバイス103の双方のために必要とされる帯域幅を計算して構成してもよい。
【0077】
制御デバイスは、MRPパケット、LRPパケット、NETCONFパケット、RESTCONFパケット又はMIBパケットを使用することにより、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を受信してもよい。例えば、制御デバイスは、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を搬送するためにYANGモデルを使用し、NETCONFパケット又はRESTCONFパケットを使用することによりYANGモデルを制御デバイスに送信してもよい。
【0078】
ステップ230:制御デバイスは、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定する。
【0079】
制御デバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間とに基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定する。任意選択で、転送経路上のネットワークデバイスが必要とされる帯域幅を使用することによりデータストリーム上でエンドツーエンド伝送を実行する時間の長さは、データストリームのサービス要求遅延時間以下である。
【0080】
一例では、制御デバイスは、到達曲線及びサービス曲線に基づいて、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定してもよい。到達曲線αは、時間t内に送信されたデータストリームの累積
最大数(単位:bit又はbyte)を記述するために使用され、サービス曲線は、時間t内に送信されたデータストリームの累積
サービス数(単位:bit又はbyte)を記述するために使用される。
図5に示すように、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定する概略図が提供される。データストリームは到達曲線α(t)=b+rtに適合し、bはデータストリームのバースト長であり、rはデータストリームの平均レートである。データストリームのバースト長は、データストリームのバーストトラフィックを示す。例えば、データストリームがトークンバケットを使用することにより送信されるとき、バースト長は、コミットされたバーストサイズ(committed burst size, CBS)である。この出願のこの実施形態は、トークンバケットを使用することによりデータストリームを送信する方式に限定されない。データストリームはサービス曲線β(t)=R(t-T)に適合し、Rはデータストリームのために転送経路上のネットワークデバイスにより提供される送信レートであり、Tは転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間
の和であり、サービス曲線は1つの転送デバイス又は複数のカスケード状の転送デバイスを記述するために使用されてもよい。制御デバイスは、以下の式1を使用することにより、帯域幅変数Rの実現可能な解を取得してもよく、pはデータストリームが(パケットロスなしに)ネットワークにおいて確実に伝送され且つデータストリームのサービス要求遅延時間が満たされる確率を記述するために使用され、例えば、特定のサービスは、99.99%の確率で伝送遅延時間が20msを超えないことを要求する。データストリームを伝送するための精度要求pのデフォルト値はp=1でもよく、すなわち、データストリームのサービス要求遅延時間が100%満たされる必要がある。解決方法は、ネットワーク計算法等でもよい。例えば、到達曲線とサービス曲線との間の最大水平距離は、遅延時間の上限、すなわち、データストリームのサービス要求遅延時間として解決される。決定された必要とされる帯域幅Rは、転送経路上のネットワークデバイスの最大帯域幅以下である。
【0081】
h_max(α(b,r,t),β(R,T,t),p)≦dq (式1)
Rmin≦R≦Rmax
【0082】
一例では、データストリームについて、データストリームのための必要とされる帯域幅は、キュー遅延時間に基づいて取得されてもよい。データストリームのキュー遅延時間はdq=dobj-dfixでもよい。dobjはデータストリームのエンドツーエンドサービス要求遅延時間を示す。dfixは転送経路上でデータストリームを転送する全てのネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を示す。例えば、転送経路上に2つのネットワークデバイスが存在する場合、dfixはデータストリームのエンドツーエンド伝送のリンク伝送遅延時間及び2つのネットワークデバイスの伝送遅延時間を含む。
【0083】
一例では、データストリームのための必要とされる帯域幅の値は、関係式Bd=b/(dobj-dfix)に基づいて取得される。Bdは必要とされる帯域幅の値を示す。bはバースト長の値を示す。dobjはデータストリームのサービス要求遅延時間を示す。dfixは転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を示す。dobjとdfixとの間の差は、物理的な意味での転送経路上のバースト長についてのネットワークデバイスキュー遅延時間を示す。転送経路上のネットワークデバイスは、必要とされる帯域幅を使用することによりデータストリームを伝送し、それにより、データストリームのサービス要求遅延時間が満たされることができる。さらに、当該方法は、バーストトラフィックの場合にデータストリームの伝送がサービス要求遅延時間の制約を満たすことを更に確保できる。
【0084】
例えば、バースト長bは、転送経路上のネットワークデバイスにより制御デバイスに送信されてもよい。具体的な送信方式については、ステップ210においてデータストリームのサービス要求遅延時間を送信する方式を参照する。データストリームのバースト長は、代替として、バースト長b=tprpに基づいて取得されてもよい。rpはデータストリームのバーストレートを示し、tpはデータストリームのバースト時間を示す。データストリームのバースト長は、代替として、バースト長b=NLLに基づいて取得されてもよい。NLは指定の期間に送信された最大パケット長Lを有するデータストリームの数を示す。Lはデータストリームの最長パケットを示す。正確な計算のために、データストリームのバースト長は、代替として、バースト長b=2NLLに基づいて取得されてもよく、すなわち、バースト長は、2つの期間における最長パケットの数を使用することにより計算される。
【0085】
制御デバイスがデータストリームの特徴情報を取得する方式については、ステップ210においてデータストリームのサービス要求遅延時間を取得する方式を参照する。例えば、制御デバイスは、ステップ210において列挙されたパケットを使用することにより、データストリームのバースト長b、バーストレートrp若しくはバースト時間tp、データストリームが伝送される平均レートr、指定の期間に送信されたデータストリームの最大パケット長L、指定の期間に送信された最大パケット長Lを有するデータストリームの数、又はデータストリームを伝送するための精度要求pを取得してもよい。精度要求pは、データストリームを伝送するための精度要求であり、また、データストリームを伝送するための信頼性要求とも呼ばれてもよい。制御デバイスによりパラメータを受信するための方法については、ステップ210において制御デバイスによりデータストリームのサービス要求遅延時間を受信するための方法を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。制御デバイスは、データストリームの他の情報に基づいて到達曲線αを取得してもよい。
【0086】
一例では、制御デバイスは、集中ユーザ構成デバイスを使用することにより、指示情報を経路上のネットワークデバイスに送信する。
【0087】
一例では、制御デバイスは、指示情報を転送経路上のネットワークデバイスに送信する。指示情報は、必要とされる帯域幅を搬送する。
図12に示すように、データストリームのための必要とされる帯域幅を搬送するYANGモデルが提供される。指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームを伝送するように、転送経路上のネットワークデバイスに指示するために使用されるか、或いは、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームのための帯域幅を予約するように、転送経路上のネットワークデバイスに指示するために使用される。制御デバイスは、データストリームのための必要とされる帯域幅を、データストリームを送信する次ホップデバイスに送信してもよく、或いは、データストリームのための必要とされる帯域幅を転送経路上の全てのネットワークデバイスに送信してもよい。
【0088】
図3に示すように、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定するための方法の概略フローチャートが提供される。
図3における制御デバイスは、
図1における制御デバイス101でもよく、
図3におけるネットワークデバイスは、
図1におけるネットワークデバイス101~105のうち1つ以上でもよい。
図3におけるデータストリームAは、タイムセンシティブネットワーキング(time sensitive networking, TSN)におけるデータストリームである。送信デバイスから受信デバイスにデータストリームAを伝送するプロセスの特徴は、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers, IEEE)802.1TSNシリーズの標準に定義されている全ての要求又はいくつかの要求の組み合わせを満たす。TS
NにおけるデータストリームAは、データストリームAのための必要とされる帯域幅を決定して配備するための方法を説明及び記載するための例として以下で使用される。
【0089】
ステップ310:データストリームAの送信デバイスは、データストリームAの特徴情報を制御デバイスに送信する。
【0090】
データストリームの特徴情報は、送信デバイスから受信デバイスへのデータストリームAのサービス要求遅延時間を含む。特徴情報は、データストリームのバースト長b、バーストレートrp若しくはバースト時間tp、データストリームが伝送される平均レートr、指定の期間に送信されたデータストリームの最大パケット長L、指定の期間に送信された最大パケット長Lを有するデータストリームの数、又はデータストリームを伝送するための精度要求pを更に含んでもよい。制御デバイスは、特徴情報内のパラメータを使用することにより、データストリームAを伝送するための必要とされる帯域幅を決定してもよい。
【0091】
送信デバイスにより特徴情報を制御デバイスに送信するため方法について以下に説明する。
【0092】
送信デバイスは、UNIを使用することにより定義されるデータモデルトラフィック仕様(traffic specification, TSPEC)のタイプ-長さ-値(type-length-value, TLV)又はユーザ対ネットワーク要求(user to network requirements)TLVを使用することにより、データストリームAの特徴情報を制御デバイスに送信してもよい。代替として、データストリームAの特徴情報は、送信デバイスを管理するユーザ集中制御デバイスにより、TSPEC TLV又はuser to network requirements TLVを使用することにより制御デバイスに送信されてもよい。データストリームAはセットでもよく、例えば、データストリームは、同じ伝送経路上の複数のサブデータストリームを含む。
【0093】
一例では、
図6は、この出願による、TLVがデータストリームの特徴情報を搬送するフォーマットの概略図である。例えば、
図6の間隔(Interval)は、送信デバイスが最大パケット長Lを有するデータストリームを送信する期間T
Lでもよい。Intervalの値を期間として使用することによりデータストリームAに対する統計が収集される場合、MaxFramsPerIntervalの値は、各期間にデータストリームAにおいて送信される最大パケット長Lを有するパケットの数N
Lを示し、各パケットの長さはMaxFramesSizeの値を超えることはできない。データストリームAのバースト長bは、MaxFramsPerIntervalの値とMaxFramesSizeの値との積を使用することにより取得されてもよい。以下の表1は、
図6におけるパケットフォーマットパラメータとデータストリームAの特徴情報との間の対応関係を示す。
【表1】
【0094】
一例では、データストリームAの特徴情報を搬送するために、代替として、新たなTLVがTSPECに追加されてもよい。
図7は、この出願による、データストリームの特徴情報を搬送するために新たなTLVが追加されたフォーマットの他の概略図である。
図7に示す新たに追加されたTLVでは、Max_Committed Information Rate(単位:bit/s)及びMax_Committed Burst Size(単位:bit)が、送信されるデータストリームAがMax_Committed Information Rate及びMax_Committed Burst Sizeの値を超えないことを制限するために使用されてもよい。言い換えると、これは、データストリームAがトークンバケットを
使用することにより送信され、トークンがトークンバケットに注入されるレートがMax_CommittedInformationRateに対応する値であり、トークンバケットに含まれることができるトークンの最大数がMax_CommittedBurstSizeに対応する値であると理解されてもよい。このように、トークンバケット内のトークンは使い尽くされない。さらに、データストリームA内のパケットの長さは、MinFrameSize(単位:bit)に対応する値未満ではなく、MaxFrameSize(単位:bit)に対応する値よりも大きくない。以下の表2は、
図7におけるパケットフォーマットパラメータとデータストリームAの特徴情報との対応関係を示す。
【表2】
【0095】
一例では、
図8は、この出願による、TLVがデータストリームの特徴情報を搬送するパケットフォーマットの他の概略図である。新たなフィールドが
図8に示すUserToNetworkRequirements TLVに追加される。例えば、当該フィールドはLatency_ConfidenceLevelである。当該フィールドの値が999900である場合、これは、99.99%で、伝送遅延時間がMaxLatencyの値未満であることをネットワークが確保できることを、ユーザが受け入れることを意味する。以下の表3は、
図8におけるパケットフォーマットパラメータとデータストリームAの特徴情報との対応関係を示す。
【表3】
【0096】
データストリームAの特徴情報を搬送するTLVは、マルチ登録プロトコル(multiple registration protocol, MRP)、リンクローカル登録プロトコル(link-local registration protocol, LRP)、NETCONF、RESTCONF等を使用することにより、ネットワークデバイスと制御デバイスとの間で情報交換を実現するために使用されてもよい。上記の3つのプロトコルに基づいてデータストリームAの特徴情報を伝送及び搬送するための方法について以下に説明する。
【0097】
(1)MRP
【0098】
送信デバイスは、データストリームの特徴情報を送信デバイスのMRPデータユニット(MRP Data Unit, MRPDU)に登録し、宣言(declaration)を制御デバイスに送信する。宣言を受信した後に、制御デバイスは、データストリームの特徴情報を制御デバイスのデータベースに登録(registration)し、制御デバイスのマルチストリーム登録プロトコル(multiple stream registration protocol, MSRP)における登録方式を通知する。
【0099】
上記の宣言及び登録プロセスにおいて、ネットワークデバイスは、伝送のためにデータストリームの特徴情報を搬送するTLVをMRPDUにカプセル化する。
図9は、この出願による、MRPDUパケットの構造の概略図である。送信デバイスは、TLV内のValue部をFirstValueの位置に配置する。対応して、Type値は特定のプロトコル定義に従って選択され、Length値はFirstValueの長さに依存する。
【0100】
(2)LRP
【0101】
送信デバイスは、リソース割当てプロトコル(resource allocation protocol, RAP)からデータストリームAの特徴情報を取得し、データストリームの特徴情報をLRPデータベースに登録し、宣言(declaration)を送信する。宣言は、データストリームの特徴情報を搬送するTLVを含む。宣言を受信した後に、制御デバイスは、データストリームの特徴情報を制御デバイスのデータベースに登録(registration)し、制御デバイスのRAPに通知する。
【0102】
上記の宣言及び登録プロセスにおいて、送信デバイスは、伝送のためにデータストリームの特徴情報を搬送するTLVをLRPデータベース(data unit, DU)にカプセル化する。
図10は、この出願による、LRPDUフォーマットの概略図である。TLV内のValue部は、Application dataに対応する位置に配置される。対応して、Type値はプロトコル定義に従って選択され、Length値はzero or more recordsの合計長さに依存する。LRPDUの具体的な伝送プロセスにおいて、伝送は、エッジ制御プロトコル(Edge Control Protocol, ECP)又は伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol, TCP)を使用することにより更に実行されてもよい。
【0103】
(3)RESTCONF
【0104】
送信デバイスは、データストリームAの特徴情報をYANGデータモデルに変換してもよく、RESTCONFプロトコルを使用することによりネットワークデバイスと制御デバイスとの間で特徴情報を伝送し、YANGデータモデルは、データストリームAの特徴情報を搬送する。
図11は、この出願による、データストリームAの特徴情報を搬送するYANGモデルの概略図である。
図11において、
図7におけるTLVで搬送されるデータストリームの特徴情報は、YANGモデルに変換され、YANGモデルにおけるuint32は、データストリームAの特徴情報を搬送する。
【0105】
送信デバイスがデータストリームAの特徴情報を送信する機会は、送信デバイスが最初にネットワークにアクセスしたときに送信デバイスがデータストリームAの特徴情報を制御デバイスに直接的若しくは間接的に送信すること、又はデータストリームAの特徴情報が変化したときに送信デバイスがデータストリームAの更新された特徴情報を制御デバイスに直接的若しくは間接的に送信すること、又は送信デバイスが制御デバイスの命令に従ってデータストリームAの特徴情報を制御デバイスに送信すること、又は送信デバイスが指定の期間に基づいてデータストリームAの特徴情報を制御デバイスに直接的若しくは間接的に送信することでもよい。
【0106】
ステップ320:制御デバイスは、データストリームAの特徴情報を受信する。
【0107】
制御デバイスは、ステップ310における具体的な実現方式に基づいて、データストリームAの特徴情報を受信してもよい。
【0108】
一例では、制御デバイスは、TSNの記憶されたトポロジ情報と、データストリームAの特徴情報とに基づいて、データストリームを伝送するための転送経路を決定する。例えば、制御デバイスは、データストリームのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームAを転送するための経路を決定する。
【0109】
一例では、制御デバイスは、TSNの記憶されたトポロジ情報と、データストリームAのSLAとに基づいて、データストリームを伝送するための転送経路を決定する。
【0110】
ステップ330:転送デバイスは、転送デバイスの特徴情報を送信する。
【0111】
転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスは、ステップ320において決定された転送経路に基づいて、1つ以上のネットワークデバイスの特徴情報を制御デバイスに送信する。
図1を参照すると、2つの転送デバイス104及び105がデータストリームAを伝送するための経路に含まれており、すなわち、転送デバイス104及び105は、転送デバイス104及び105のネットワークデバイス特徴情報を制御デバイスに別々に送信する。
【0112】
転送デバイスの特徴情報は、転送経路上の転送デバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とを含む。転送遅延時間は、転送デバイスの状態情報及び転送デバイスの能力情報、例えば、転送デバイスのポートレートrp、転送経路上のリンクの最大利用可能帯域幅R、転送経路上のリンクの最大残り帯域幅、転送経路上のリンクの重み、又は転送経路上のリンクの最大伝送単位(Maximum Transmission Unit, MTU)のうち1つ以上を更に含んでもよい。制御デバイスは、転送デバイスの特徴情報に基づいて、データストリームAを伝送するための必要とされる帯域幅を決定してもよい。
【0113】
転送デバイスの特徴情報は、YANGデータモデルを使用することにより、制御デバイスに直接的又は間接的に送信されてもよい。YANGデータモデル言語について、XMLフォーマット又はJSONフォーマットが情報を記述するために使用されてもよく、制御デバイスは、NETCONFを使用することにより、YANGモデル内のデータストリームの特徴情報を解析してもよい。NETCONFでは、セキュアシェルプロトコル(Secure Shell, SSH)、トランスポートレイヤセキュリティプロトコル(Transport Layer Security, TLS)又は伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol, TCP)が、ネットワークデバイスの特徴情報を搬送するパケットを伝送するために使用されてもよい。さらに、YANGデータ内のデータストリームの特徴情報は、RESTCONFを使用することにより解析されてもよい。
【0114】
ステップ340:制御デバイスは、データストリームAを伝送するネットワークデバイスの特徴情報を受信する。
【0115】
制御デバイスは、ステップ330における可能な実現方式に基づいて、転送デバイスの特徴情報を受信してもよい。
【0116】
ステップ350:制御デバイスは、データストリームAの受信した特徴情報と、転送デバイスの受信した特徴情報とに基づいて、データストリームAのための必要とされる帯域幅を決定する。
【0117】
図1に示すシナリオを参照して、データストリームAのための必要とされる帯域幅が特徴情報に基づいて解決される例が以下に提供される。
【0118】
制御デバイスは、データストリームAの転送経路に基づいて、転送経路上のネットワークデバイスが転送デバイス104及び105を含むこと、すなわち、転送経路上のネットワークデバイスの数N=2を決定する。データストリームの特徴情報に基づいて制御デバイスにより取得されたデータストリームAのエンドツーエンドサービス要求遅延時間は、d
obj=2ミリ秒(millisecond, ms)である。転送経路上の各ネットワークデバイスの伝送遅延時間はT
p=0.075msである。T
pは転送経路上の各ネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間を記述するために使用され、例えば、
図1における転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、2つの転送デバイス、すなわち、転送デバイス104及び転送デバイス105のネットワークデバイス伝送遅延時間を含み、値は2T
p=0.15msである。転送経路上のリンク伝送遅延時間はT
fix=1msであり、T
fixはデータストリームのエンドツーエンドリンク伝送遅延時間を記述するために使用され、例えば、
図1におけるT
fixは、送信デバイス102から受信デバイス103へのデータストリームのリンク伝送遅延時間を記述するために使用される。d
fix=T
fix+NT
pに基づいて取得された転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間とリンク遅延時間との和は1.15msであり、Nは転送経路上の転送デバイスの数であり、Nは
図1を参照して2である。
【0119】
制御デバイスは、送信デバイスから、データストリームAのバースト長b=1000byteを取得してもよく、或いは、送信デバイスによって送信された最大パケット長Lを有するパケットの数と最大パケット長Lとの積に基づいてバースト長bを取得してもよい。
【0120】
上記のパラメータ及び式Bd=b/(dobj-dfix)又は当該式の等価な変形の式に従って、データストリームAを伝送するための必要とされる帯域幅は、Bd=9.4メガビット/秒(megabits per second, Mbps)として解決される。
【0121】
ステップ360:制御デバイスは、データストリームAを伝送するための必要とされる帯域幅を転送デバイスに配信する。
【0122】
制御デバイスは、指示メッセージを、転送経路上の1つ以上のネットワークデバイスに配信し、指示メッセージは、データストリームAを伝送するための必要とされる帯域幅を搬送する。指示メッセージは、データストリームAについて、必要とされる帯域幅と等しい帯域幅を予約するように、転送デバイスに指示するために使用されるか、或いは、指示メッセージは、必要とされる帯域幅を使用することによりデータストリームAを伝送するように、転送デバイスに指示するために使用される。
図1を参照すると、制御デバイスは、データストリームAのための必要とされる帯域幅を転送デバイス104又は転送デバイス105に配信し、それにより、転送デバイス104又は転送デバイス105は、必要とされる帯域幅を使用することによりデータストリームAを転送する。
【0123】
図12は、この出願による、ネットワークデバイスの特徴情報を搬送するYANGの構造の概略図である。802.1におけるTSNで定義されているトラフィックシェーピング(Asynchronous Traffic Shaping, ATS)スケジューリング方法が例として使用される。
図12に示すように、制御デバイスは、YANGモデルパラメータcommitted-information-rateフィールドにおいて必要とされる帯域幅を構成してもよく、当該フィールドは、例えば、読み取り可能且つ書き込み可能であり、例えば、unit64である。他のスケジューリング方法では、転送デバイスの特徴情報は、YANGモデルの他のパラメータ位置に構成されてもよい。
【0124】
YANGデータモデル言語では、XMLフォーマット又はJSONフォーマットが情報を記述するために使用されてもよく、制御デバイスは、NETCONFを使用することにより、YANGモデル内のデータストリームの特徴情報を解析してもよい。NETCONFでは、セキュアシェルプロトコル(Secure Shell, SSH)、トランスポートレイヤセキュリティプロトコル(Transport Layer Security, TLS)又は伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol, TCP)がネットワークデバイスの特徴情報を搬送するパケットを伝送するために使用されてもよい。さらに、YANGデータ内のデータストリームの特徴情報は、RESTCONFを使用することにより解析されてもよい。
【0125】
一例では、重み付き公平キューイング(weighted fair queuing, WFQ)又は動的レート再分割(dynamic rate repartitioning, DRR)スケジューリング方法を使用する転送デバイスについて、制御デバイス又はネットワークデバイスは、データストリームAのための必要とされる帯域幅に基づいてネットワークスライスを計画してもよい。
【0126】
サービス遅延時間制約を満たすために、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅は、サービスが遅延時間制約を満たすことを確保し、ネットワークスライシング及び産業オートメーションネットワークのようなスマートグリッド差動保護のような有界遅延時間サービスシナリオにおけるパラメータ構成を導くために、上記の方法を使用することにより決定される。
【0127】
ステップ370:制御デバイスは、決定された必要とされる帯域幅に基づいて、確認応答又は課金情報を伝送端デバイスに送信する。
【0128】
制御デバイスは、データストリームAのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームAのための決定された必要とされる帯域幅をユーザに送信する。制御デバイスは、データストリームAのサービス要求遅延時間と必要とされる帯域幅とに基づいて、課金情報をユーザに送信する。
【0129】
図13は、この出願による、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定するための他の方法の概略フローチャートである。
図13における制御デバイスは、
図1における制御デバイス101でもよく、
図13におけるネットワークデバイス又は転送デバイスは、
図1におけるネットワークデバイス101~105のうち1つでもよい。
図13におけるデータストリームAは、TSNにおけるデータストリームである。TS
NにおけるデータストリームAが、データストリームAのための必要とされる帯域幅を決定して配備するための方法を説明及び記載するための例として以下で使用される。
【0130】
ステップ1310:データストリームAを送信するネットワークデバイスは、データストリームAのエンドツーエンド伝送のサービス要求遅延時間dobjを制御デバイスに送信する。
【0131】
ネットワークデバイスによりデータストリームAのサービス要求遅延時間を制御デバイスに送信するための方法については、
図3のステップ310における方式を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0132】
ステップ1320:制御デバイスは、データストリームAのサービス要求遅延時間dobjを受信する。
【0133】
ステップ1330:制御デバイスは、データストリームAの転送経路と、転送経路上の転送デバイスとを決定する。
【0134】
制御デバイスは、既知のネットワークトポロジと、データストリームAの特徴とに基づいて、転送経路と、転送経路上の転送デバイスとを決定してもよい。制御デバイスは、代替として、データストリームAのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームAを転送するための転送経路と、転送経路上の転送デバイスとを決定してもよい。例えば、データストリームを転送するための複数の転送経路が存在するとき、制御デバイスは、データストリームAのサービス要求遅延時間に基づいて、複数の経路から適切な経路を選択してもよい。
【0135】
ステップ1340:転送経路上の転送デバイスは、データストリームAのエンドツーエンド伝送のリンク伝送遅延時間Tfixを制御デバイスに送信する。
【0136】
データストリームAを伝送するリンク伝送遅延時間について、データストリームAのリンク伝送遅延時間は、
図4における
図2のステップ220の説明に基づいて決定されてもよく、データストリームAのリンク伝送遅延時間は、T
fixにより記述されてもよい。
【0137】
ステップ1350:転送経路上の各転送デバイスは、転送デバイスの伝送遅延時間ddeviceを制御デバイスに送信する。
【0138】
転送デバイスが転送デバイスの伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を制御デバイスに送信する方式については、ステップ220及びステップ320における方式を参照する。転送デバイスの伝送遅延時間は、
図4における数字4により表される処理遅延時間でもよい。
【0139】
ステップ1360:制御デバイスは、単一の転送デバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間ddevice及びリンク伝送遅延時間Tfixを受信する。
【0140】
制御デバイスは、単一の転送デバイスの転送デバイス伝送遅延時間と、データストリームAのエンドツーエンドリンク伝送遅延時間とを受信する。
【0141】
ステップ1370:制御デバイスは、データストリームAのバースト長を取得する。
【0142】
制御デバイスは、データストリームAのバースト長を直接受信してもよく、或いは、他のパラメータに基づいてデータストリームAのバースト長を計算してもよい。詳細については、ステップ230においてデータストリームのバースト長を計算する関係する説明を参照する。
【0143】
ステップ1380:制御デバイスは、転送経路上の各転送デバイスの必要とされる帯域幅を決定する。
【0144】
制御デバイスは、Bd=b/(dobj-per-ddevice)に基づいて、データストリームAのための必要とされる帯域幅を解決する。Bdは転送経路上の単一のネットワークデバイスの必要とされる帯域幅の値を示す。Bはデータストリームのバースト長の値を示す。dobj-perは転送経路上の単一のネットワークデバイスのサービス要求遅延時間の値を示す。ddeviceは転送経路上の単一のネットワークデバイスのネットワークデバイス伝送遅延時間を示す。
【0145】
一例では、dobj-perの値を取得する複数の方式が存在する。まず、転送経路上の全ての転送デバイスによりデータストリームAを転送する必要とされる遅延時間は、データストリームAのサービス要求遅延時間dobjとデータストリームAのリンク伝送遅延時間Tfixとの間の差に基づいて取得されてもよい。制御デバイスは、各ネットワークデバイスのサービス要求遅延時間を取得するために、すなわち、dobj-perを取得するために、特定の割合でdobjとTfixとの間の差を転送経路上の各ネットワークデバイスに割り当ててもよい。例えば、制御デバイスは、dobjとTfixとの間の差を転送経路上のネットワークデバイスに均等に割り当て、制御デバイスは、単一のネットワークデバイスのサービス要求遅延時間を取得するために、すなわち、dobj-perを取得するために、要求及びアプリケーションシナリオに基づいて、特定の割合でdobjとTfixとの間の差を転送経路上の各ネットワークデバイスに更に割り当ててもよい。
【0146】
ステップ1390:制御デバイスは、各転送デバイスの必要とされる帯域幅を対応する転送デバイスに配信する。
【0147】
制御デバイスは、ステップ1380において決定された転送デバイスの必要とされる帯域幅に基づいて、各転送デバイスの必要とされる帯域幅を対応するデバイスに配信し、それにより、転送デバイスは、必要とされる帯域幅に基づいて、データストリームのための帯域幅リソースを構成する。制御デバイスが必要とされる帯域幅を配信する具体的な方式については、ステップ350における方式を参照する。
【0148】
図14は、上記の実施形態における制御デバイスの構造の可能な概略図である。制御デバイス1400は、
図2、
図3及び
図13に示す実施形態における制御デバイスの機能を実現してもよい。例えば、制御デバイスは、
図2におけるステップ210~230を実行してもよく、或いは、
図3におけるステップ320及びステップ340~350を実行してもよく、或いは、
図13におけるステップ1320及び1330並びにステップ1360~1390を実行してもよい。制御デバイス1400のユニットの機能については、上記の方法のステップにおける説明を参照する。
【0149】
図14を参照する。制御デバイス1400は、取得ユニット1401と、処理ユニット1402とを含む。取得ユニット1401は、第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスにデータストリームを伝送するサービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とを取得するように構成され、転送経路は、データストリームが第1のネットワークデバイスから第2のネットワークデバイスに伝送される経路である。処理ユニット1402は、サービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とに基づいて、データストリームを伝送するために必要とされる帯域幅を決定するように構成される。
【0150】
一例では、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間は、転送経路上のネットワークデバイスの処理遅延時間、転送経路上のネットワークデバイスの出力遅延時間、転送経路上のネットワークデバイスのプリエンプション遅延時間又は転送経路上のネットワークデバイスのスケジューリング遅延時間のうち1つ以上を含む。詳細については、
図2のステップ220における
図4の説明を参照する。
【0151】
一例では、必要とされる帯域幅は、以下の条件、すなわち、必要とされる帯域幅に基づいて転送経路に沿って転送経路上のネットワークデバイスによりデータストリームを伝送する遅延時間がサービス要求遅延時間以下であることを満たす。
【0152】
一例では、処理ユニット1402は、サービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間との間の差に基づいて、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定するように構成される。
【0153】
一例では、取得ユニット1401は、データストリームのバースト長を取得するように更に構成される。処理ユニット1402は、以下の関係、すなわち、
Bd=b/(dobj-dfix)
を使用することにより、データストリームのための必要とされる帯域幅を取得するように構成される。
【0154】
Bdは必要とされる帯域幅の値を示す。bはバースト長の値を示す。dobjはサービス要求遅延時間の値を示す。dfixは転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を示す。
【0155】
一例では、転送経路上のネットワークデバイスは、転送するように構成された1つ以上のネットワークデバイスを含む。1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス又は第2のネットワークデバイスを含まないか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスを含むか、或いは、1つ以上のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスを含む。
【0156】
一例では、制御デバイスは、受信ユニットを含む。取得ユニット1401は、受信ユニットからバースト長を取得するように構成される。代替として、取得ユニット1401は、処理ユニット1402からバースト長を取得する。処理ユニット1402は、データストリームのバーストレートとバースト時間との積の値をバースト長として使用し、バースト長を取得ユニット1401に送信する。データストリームについて、指定の期間にデータストリームで送信されたパケットのパケット長と、送信されたパケットの数との積の値がバースト長として使用され、バースト長が取得ユニット1401に送信される。
【0157】
一例では、取得ユニット1401は、マルチ登録プロトコルMRPパケット、リンクローカル登録プロトコルLRPパケット、ネットワーク構成プロトコルNETCONFパケット、表現状態転送ネットワーク構成プロトコルRESTCONFパケット又は管理情報ベースパケットから、サービス要求遅延時間、又は転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を取得してもよい。
【0158】
一例では、処理ユニット1402は、取得ユニットが、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を取得する前に、データストリームのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための経路を決定するように更に構成される。
【0159】
一例では、制御デバイスは、送信ユニットを更に含む。送信ユニットは、指示情報を経路上のネットワークデバイスに送信するように構成され、指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームを伝送するように、経路上のネットワークデバイスに指示するために使用される。
【0160】
一例では、送信ユニットは、指示情報を集中ユーザ構成デバイスに送信するように更に構成され、それにより、集中ユーザ構成デバイスは、指示情報を経路上のネットワークデバイスに送信する。
【0161】
一例では、必要とされる帯域幅の値は、転送経路上のネットワークデバイスの最大帯域幅以下である。
【0162】
この出願のこの実施形態では、ユニット分割は一例であり、単なる論理的な機能分割である点に留意すべきである。実際の実現方式の中で、他の分割方式が使用されてもよい。この出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニット1402に統合されてもよく、或いは、各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、或いは、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。例えば、上記の実施形態では、受信ユニット及び送信ユニットは、同じユニット又は異なるユニットでもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、或いは、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよい。
【0163】
図15は、この出願の実施形態による、制御デバイスの構造の概略図である。制御デバイス1500は、プロセッサ1502と、通信インタフェース1503と、メモリ1501と、バス1504とを含む。通信インタフェース1503、プロセッサ1502及びメモリ1501は、バス1104を使用することにより互いに接続される。バス1504は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect, PCI)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture, EISA)バス等でもよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等に分類されてもよい。表現を容易にするために、
図15においてバスを表すために1つの太線のみが使用されるが、これは1つのバスのみ又は1つのタイプのバスのみが存在することを意味するものではない。制御デバイス1500は、
図2、
図3及び
図13に示す実施形態における制御デバイスの機能を実現してもよい。プロセッサ1502及び通信インタフェース1503は、上記の方法の例における制御デバイスの対応する機能を実行してもよい。通信インタフェース1503は、
図2におけるステップ210及び220を実行する際、又は
図3におけるステップ320、ステップ340及びステップ360を実行する際、又は
図13におけるステップ1320、ステップ1360及びステップ1390を実行する際、制御デバイス1500をサポートするように構成される。プロセッサ1502は、
図2におけるステップ230を実行する際、又は
図3におけるステップ350を実行する際、又は
図13におけるステップ1330、ステップ1360、ステップ1370及びステップ1380を実行する際、制御デバイス1500をサポートするように構成される。
図13におけるステップ1370は、通信インタフェース1503により実行されてもよく、或いは、プロセッサ1502により実行されてもよい。メモリ1501は、制御デバイス1500のプログラムコード及びデータを記憶するように構成される。
【0164】
以下に、図15を参照して、制御デバイスの各コンポーネントについて具体的に説明する。
【0165】
メモリ1501は、この出願における方法を実現できるプログラムコード、TSNドメインにおけるネットワークデバイスの構成ファイル、又は他のコンテンツを記憶するように構成された揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory, RAM)、又は不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive, HDD)若しくはソリッドステートドライブ(solid-state drive, SSD)、又は上記のタイプのメモリの組み合わせでもよい。
【0166】
プロセッサ1502は、コントローラの制御センタであり、中央処理装置(central processing unit, CPU)でもよく、或いは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、又はこの出願の実施形態を実現するように構成された1つ以上の集積回路、例えば、1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor, DSP)若しくは1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)でもよい。
【0167】
通信インタフェース1503は、ネットワークデバイスと通信するように、例えば、データストリームのエンドツーエンドサービス要求遅延時間と、データストリームの転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とを取得するように構成される。例えば、データストリームのサービス要求遅延時間は、MRPパケット、LRPパケット、NETCONFパケット、RESTCONFパケット又は管理情報ベースパケットを使用することにより取得されてもよい。通信インタフェース1503は、イーサネット(Ethernet)インタフェース、高速イーサネット(Fast Ethernet, FE)インタフェース又はギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet, GE)インタフェースでもよい。
【0168】
一例では、通信インタフェース1503は、データストリームのバースト長を受信するように構成される。
【0169】
一例では、通信インタフェース1503は、指示情報をデータストリームの転送経路上のネットワークデバイスに送信するように構成され、指示情報は、データストリームのための必要とされる帯域幅を搬送する。指示情報は、必要とされる帯域幅に基づいてデータストリームを伝送し、データストリームのための帯域幅リソースを予約するように、経路上のネットワークデバイスに指示するために使用される。
【0170】
可能な実施形態では、
制御デバイスは、
図1における制御デバイス101として構成されてもよい。プロセッサ1502は、以下の機能、すなわち、サービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間と、転送経路上のリンク伝送遅延時間とに基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定することを実行するために、メモリ1501に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを動作又は実行し、メモリ1501に記憶されたデータを呼び出す。
【0171】
可能な実現方式では、プロセッサ1502は、サービス要求遅延時間と、転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間との間の差に基づいて、データストリームのための必要とされる帯域幅を決定するように構成される。
【0172】
可能な実現方式では、プロセッサ1502は、データストリームのバースト長を取得するように更に構成される。プロセッサ1502は、以下の関係、すなわち、
Bd=b/(dobj-dfix)
を使用することにより、データストリームのための必要とされる帯域幅を取得するように構成される。
【0173】
Bdは必要とされる帯域幅の値を示す。bはバースト長の値を示す。dobjはサービス要求遅延時間の値を示す。dfixは転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を示す。
【0174】
可能な実現方式では、プロセッサ1502は、データストリームのバーストレートとバースト時間との積の値をバースト長として使用するか、或いは、指定の期間にデータストリームで送信されたパケットのパケット長と、送信されたパケットの数との積の値をバースト長として使用する。
【0175】
可能な実現方式では、プロセッサ1502は、通信インタフェース1503が転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を取得する前に、データストリームのサービス要求遅延時間に基づいて、データストリームを伝送するための経路を決定するように更に構成される。
【0176】
具体的な実行プロセスについては、
図2、
図3及び
図13に示す実施形態における対応するステップの詳細な説明を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0177】
図16は、この出願による、データストリーム伝送のための必要とされる帯域幅を決定するためのシステム1600を示す。システムは、送信デバイス1601と、制御デバイス1602と、転送デバイス1603とを含む。システム1600は、上記の方法の実施形態におけるデータストリームのための必要とされる帯域幅を決定するための方法を実現するように構成される。制御デバイス1602は、
図2、
図3又は
図13に示す実施形態における制御デバイスの機能を実現してもよい。送信デバイス1601は、
図3又は
図13に示す実施形態における送信デバイスの機能を実現してもよい。転送デバイス1603は、
図3及び
図13に示す実施形態における転送デバイスの機能を実現してもよい。例えば、送信デバイス1601は、データストリームのサービス要求遅延時間又はデータストリームの他の特徴情報を制御デバイスに送信するように構成される。転送デバイス1602は、データストリームの転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間を制御デバイスに送信するように構成される。制御デバイス1603は、データストリームのサービス要求遅延時間と、データストリームの転送経路上のネットワークデバイス伝送遅延時間及びリンク伝送遅延時間とに基づいて、データストリームを伝送するための必要とされる帯域幅を決定するように構成される。具体的な実行プロセスについては、
図2、
図3又は
図13に示す実施形態における対応するステップの詳細な説明を参照する。詳細は、ここでは再び説明しない。
【0178】
上記のいずれかの装置の実施形態は単なる例である点に留意すべきである。分離した部分として記載されるユニットは、物理的に分離されてもよく或いは物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理的なユニットでもよく或いは物理的なユニットでなくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、或いは、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。一部又は全部のモジュールは、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の必要性に従って選択されてもよい。さらに、この出願において提供される第1のネットワークデバイス又は制御デバイスの実施形態の添付の図面において、モジュールの間の接続関係は、モジュールが互いに通信接続を有することを示し、通信接続は、1つ以上の通信バス又は信号線として具体的に実現されてもよい。当業者は、創造的な取り組みなしに実施形態を理解して実現し得る。
【0179】
この出願の実施形態において開示された内容に記載の方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアにより実現されてもよく、或いは、ソフトウェア命令を実行することによりプロセッサにより実現されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含んでもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(erasable programmable ROM, EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electrically EPROM, EEPROM)、ハードディスク、取り外し可能ハードディスク、コンパクトディスク、又は当該技術分野において周知のいずれかの他の形式の記憶媒体に記憶されてもよい。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合され、それにより、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取ることができ、或いは、情報を記憶媒体に書き込むことができる。明らかに、記憶媒体は、プロセッサのコンポーネントでもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに位置してもよい。さらに、ASICは、コアネットワークインタフェースデバイスに位置してもよい。明らかに、プロセッサ及び記憶媒体は、コアネットワークインタフェースデバイスに別個のコンポーネントとして存在してもよい。
【0180】
当業者は、上記の1つ以上の例において、この出願に記載の機能がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせにより実現されてもよいことを認識すべきである。機能がソフトウェアにより実現されるとき、上記の機能は、コンピュータ読み取り可能媒体に記憶されてもよく、或いは、コンピュータ読み取り可能媒体内の1つ以上の命令又はコードとして伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含み、通信媒体は、コンピュータプログラムが或る場所から他の場所に伝送されることを可能にするいずれかの媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータにアクセス可能ないずれかの利用可能な媒体でもよい。
【0181】
この出願の目的、技術的解決策及び有利な効果は、上記の具体的な実現方式において詳細に更に記載されている。上記の説明は、この出願の単なる具体的な実現方式であるが、この出願の保護範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。この出願の技術的解決策に基づいて行われる如何なる修正、等価置換、改良等も、この出願の保護範囲に入るものとする。
【0182】
上記の説明は、単に本発明の具体的な実現方式であるが、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者により容易に理解される如何なる変更又は置換も、本発明の保護範囲に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。