(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】基板収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/30 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B65D85/30 500
(21)【出願番号】P 2022523785
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2020019739
(87)【国際公開番号】W WO2021234808
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000140890
【氏名又は名称】ミライアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】久保田 幸二
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/006406(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/145629(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/080454(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/057572(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に容器本体開口部が形成され他端部が閉塞された筒状の壁部を備え、前記壁部の内面によって、複数の基板を収納可能であり前記容器本体開口部に連通する基板収納空間が形成された容器本体と、
前記容器本体開口部に対して着脱可能であり、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、
前記蓋体の部分であって前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記基板収納空間に対向する部分に配置され、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記複数の基板の縁部を支持可能な蓋体側基板支持部と、
前記基板収納空間内において前記蓋体側基板支持部と対をなすように配置され、前記複数の基板の縁部を支持可能であり、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記蓋体側基板支持部と協働して、前記複数の基板の縁部を並列させた状態で、前記複数の基板を支持する奥側基板支持部と、
前記蓋体の部分であって前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記基板収納空間に対向する部分に配置され、前記基板の縁部を挿入可能に前記基板の縁部の厚さよりも広い開口を有する複数の補助溝が形成された基板縁部補助部と、を備え、
前記複数の補助溝は、対向する溝形成面を有し、少なくとも前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記複数の基板の縁部が1つずつ挿入され、また、筒状の壁部の中心軸に対して、前記蓋体側基板支持部よりも前記基板の縁部の周方向の外側又は内側に配置されており、
前記基板の縁部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記基板の縁部と前記溝形成面との間に空間が形成されて前記基板の縁部が前記溝形成面に接触していない非接触の状態で、前記補助溝に挿入される、基板収納容器。
【請求項2】
同じ前記基板に対応する前記蓋体側基板支持部と前記基板縁部補助部とは、連結されている、請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記溝形成面は、略直平面状であり、前記基板の表面又は裏面と前記溝形成面とのなす角度は、30度以下である、請求項1又は請求項2に記載の基板収納容器。
【請求項4】
前記基板収納空間内において対をなすように配置され、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されていないときに、前記複数の基板のうちの隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、前記複数の基板の縁部を支持可能な側方基板支持部を備え、
前記補助溝は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されておらず前記側方基板支持部によって前記複数の基板の縁部が支持されているときには、前記補助溝に前記基板の縁部が挿入されず、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときには、前記補助溝に前記基板の縁部が挿入される深さを有する、請求項1~請求項3のいずれかに記載の基板収納容器。
【請求項5】
前記蓋体側基板支持部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記容器本体の他端部から一端部へと向う方向へ第1の変位量で弾性的に変位可能であり、
前記基板縁部補助部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記容器本体の他端部から一端部へと向う方向へ、前記第1の変位量よりも小さい第2の変位量で弾性的に変位可能である、請求項1~請求項4のいずれかに記載の基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等からなる基板を収納、保管、搬送、輸送等する際に使用される基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハからなる基板を収納して搬送するための基板収納容器としては、容器本体と蓋体とを備える構成のものが、従来より知られている。
【0003】
容器本体は、一端部に容器本体開口部が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部を有する。容器本体内には基板収納空間が形成されている。基板収納空間は、壁部により取り囲まれて形成されており、複数の基板を収納可能である。蓋体は、容器本体開口部に対して着脱可能であり、容器本体開口部を閉塞可能である。
【0004】
蓋体の部分であって容器本体開口部を閉塞しているときに基板収納空間に対向する部分には、フロントリテーナが設けられている。フロントリテーナは、蓋体によって容器本体開口部が閉塞されているときに、複数の基板の縁部を支持可能である。また、フロントリテーナと対をなすようにして、リヤリテーナが壁部に設けられている。リヤリテーナは、複数の基板の縁部を支持可能である。リヤリテーナは、蓋体によって容器本体開口部が閉塞されているときに、フロントリテーナと協働して複数の基板を支持することにより、隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板を保持する。
【0005】
フロントリテーナは、基板収納空間から離間する方向へ窪んだ複数の溝を有している(例えば、特許文献1,2,3参照)。前記公報記載の従来の基板収納容器においては、蓋体によって容器本体開口部が閉塞されて、基板収納空間に収納されている基板が搬送されているときには、基板の端部は、常時、フロントリテーナに当接している。このため、基板収納容器による基板の搬送時に、基板収納容器が衝撃を受けたときに、フロントリテーナにおいて、基板が破損しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4903893号公報
【文献】特許第4412235号公報
【文献】特許第5483351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年では、基板収納容器に作用する衝撃に対する、更なる基板の保護が要求されている。また、基板収納容器に作用する衝撃により、フロントリテーナの所定の位置に支持されている基板が、当該所定の位置から外れて、当該所定の位置に隣接する位置へ移動して挿入されて配置されてしまう、いわゆるクロススロットの発生の抑制についても、高い要求がある。
【0008】
本発明は、フロントリテーナにおいて、基板収納容器に作用する衝撃に対して基板の保護が可能であり、クロススロットの発生を抑えることができる基板収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一端部に容器本体開口部が形成され他端部が閉塞された筒状の壁部を備え、前記壁部の内面によって、複数の基板を収納可能であり前記容器本体開口部に連通する基板収納空間が形成された容器本体と、前記容器本体開口部に対して着脱可能であり、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、前記蓋体の部分であって前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記基板収納空間に対向する部分に配置され、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記複数の基板の縁部を支持可能な蓋体側基板支持部と、前記基板収納空間内において前記蓋体側基板支持部と対をなすように配置され、前記複数の基板の縁部を支持可能であり、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記蓋体側基板支持部と協働して、前記複数の基板の縁部を並列させた状態で、前記複数の基板を支持する奥側基板支持部と、前記蓋体の部分であって前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに前記基板収納空間に対向する部分に配置され、前記基板の縁部を挿入可能に前記基板の縁部の厚さよりも広い開口を有する複数の補助溝が形成された基板縁部補助部と、を備え、前記複数の補助溝は、対向する溝形成面を有し、少なくとも前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記複数の基板の縁部が1つずつ挿入され、また、筒状の壁部の中心軸に対して、前記蓋体側基板支持部よりも前記基板の縁部の周方向の外側又は内側に配置されており、
前記基板の縁部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記基板の縁部と前記溝形成面との間に空間が形成されて前記基板の縁部が前記溝形成面に接触していない非接触の状態で、前記補助溝に挿入される、基板収納容器に関する。
【0010】
また、同じ前記基板に対応する前記蓋体側基板支持部と前記基板縁部補助部とは、連結されていることが好ましい。
【0011】
また、前記溝形成面は、略直平面状であり、前記基板の表面又は裏面と前記溝形成面とのなす角度は、30度以下であることが好ましい。
【0012】
また、前記基板収納空間内において対をなすように配置され、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されていないときに、前記複数の基板のうちの隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、前記複数の基板の縁部を支持可能な側方基板支持部を備え、前記補助溝は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されておらず前記側方基板支持部によって前記複数の基板の縁部が支持されているときには、前記補助溝に前記基板の縁部が挿入されず、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときには、前記補助溝に前記基板の縁部が挿入される深さを有することが好ましい。
【0013】
また、前記蓋体側基板支持部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記容器本体の他端部から一端部へと向う方向へ第1の変位量で弾性的に変位可能であり、前記基板縁部補助部は、前記蓋体によって前記容器本体開口部が閉塞されているときに、前記容器本体の他端部から一端部へと向う方向へ、前記第1の変位量よりも小さい第2の変位量で弾性的に変位可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フロントリテーナにおいて、基板収納容器に作用する衝撃に対して基板の保護が可能であり、クロススロットの発生を抑えることができる基板収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1に複数の基板Wが収納された様子を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の容器本体2を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の蓋体3を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1のフロントリテーナ7を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1のフロントリテーナ7を示す部分正面図である。
【
図8】閉蓋状態における基板収納容器1と基板Wとの位置関係を示す平面断面図である。
【
図11】開蓋状態と閉蓋状態とにおける、蓋体側基板支持部及び基板縁部補助部それぞれの変位量を示す部分拡大図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るフロントリテーナ7Aの断面図(
図6対応図)である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係るフロントリテーナ7Bの断面図(
図6対応図)である。
【
図14】本発明の第4実施形態に係るフロントリテーナ7Cの断面図(
図6対応図)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態による基板収納容器1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1に複数の基板Wが収納された様子を示す分解斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の容器本体2を示す斜視図である。
【0017】
ここで、説明の便宜上、後述の容器本体2から蓋体3へ向かう方向(
図1における右上から左下へ向かう方向)を前方向D11と定義し、その反対の方向を後方向D12と定義し、これらをあわせて前後方向D1と定義する。また、後述の下壁24から上壁23へと向かう方向(
図1における上方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これらをあわせて上下方向D2と定義する。また、後述する第2側壁26から第1側壁25へと向かう方向(
図1における右下から左上へ向かう方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらをあわせて左右方向D3と定義する。主要な図面には、これらの方向を示す矢印を図示している。
【0018】
また、基板収納容器1に収納される基板W(
図1参照)は、円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。本実施形態における基板Wは、直径300mmのシリコンウェーハである。
【0019】
図1及び
図2に示すように、基板収納容器1は、上述のようなシリコンウェーハからなる基板Wを収納して、陸運手段・空運手段・海運手段等の輸送手段により基板Wを輸送するための出荷容器として用いられたりするものであり、容器本体2と、蓋体3とから構成される。容器本体2は、側方基板支持部としての基板支持板状部5と、リアリテーナとも呼ばれる奥側基板支持部6とを備えている。蓋体3は、蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75とを有するフロントリテーナ7(
図3~
図6参照)を備えている。
【0020】
容器本体2は、
図1等に示すように、一端部に容器本体開口部21が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部20を有する。容器本体2内には基板収納空間27が形成されている。基板収納空間27は、壁部20により取り囲まれて形成されている。壁部20の部分であって基板収納空間27を形成している部分には、
図2に示すように、基板支持板状部5が配置されている。基板収納空間27には、
図1に示すように、複数の基板Wを収納可能である。
【0021】
基板支持板状部5は、基板収納空間27内において対をなすように壁部20に設けられている。基板支持板状部5は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されていないときに(開蓋状態のときに)、複数の基板Wの縁部に当接することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。容器本体2の壁部20の奥壁22(後述)には、奥側基板支持部6が設けられている。
【0022】
奥側基板支持部6(
図2等参照)は、基板収納空間27内において後述するフロントリテーナ7(
図8等参照)と対をなすように壁部20に設けられている。奥側基板支持部6は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに(閉蓋状態のときに)、複数の基板Wの縁部に当接することにより、複数の基板Wの縁部の後部を支持可能である。
【0023】
蓋体3は、容器本体開口部21を形成する開口周縁部28(
図1等)に対して着脱可能であり、容器本体開口部21を閉塞可能である。フロントリテーナ7は、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に設けられている。フロントリテーナ7は、基板収納空間27の内部において奥側基板支持部6と対をなすように配置されている。
【0024】
フロントリテーナ7は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部に当接することにより複数の基板Wの縁部の前部を支持可能である。フロントリテーナ7は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、奥側基板支持部6と協働して複数の基板Wを支持することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で保持する。
【0025】
基板収納容器1は、プラスチック材等の樹脂で構成されており、その材料の樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等が挙げられる。これらの成形材料の樹脂には、導電性を付与する場合には、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等の導電性物質が選択的に添加される。また、剛性を上げるためにガラス繊維や炭素繊維等を添加することも可能である。
【0026】
以下、各部について、詳細に説明する。
図1に示すように、容器本体2の壁部20は、奥壁22と上壁23と下壁24と第1側壁25と第2側壁26とを有する。奥壁22、上壁23、下壁24、第1側壁25、及び第2側壁26は、上述した材料により構成されており、一体成形されて構成されている。
【0027】
第1側壁25と第2側壁26とは対向しており、上壁23と下壁24とは対向している。上壁23の後端、下壁24の後端、第1側壁25の後端、及び第2側壁26の後端は、全て奥壁22に接続されている。上壁23の前端、下壁24の前端、第1側壁25の前端、及び第2側壁26の前端は、奥壁22に対向する位置関係を有し、略長方形状をした容器本体開口部21を形成する開口周縁部28を構成する。
【0028】
開口周縁部28は、容器本体2の一端部に設けられており、奥壁22は、容器本体2の他端部に位置している。壁部20の外面により形成される容器本体2の外形は箱状である。壁部20の内面、即ち、奥壁22の内面、上壁23の内面、下壁24の内面、第1側壁25の内面、及び第2側壁26の内面は、これらによって取り囲まれた基板収納空間27を形成している。開口周縁部28に形成された容器本体開口部21は、壁部20により取り囲まれて容器本体2の内部に形成された基板収納空間27に連通している。基板収納空間27には、最大で25枚の基板Wを収納可能である。
【0029】
図1に示すように、上壁23及び下壁24の部分であって、開口周縁部28の近傍の部分には、基板収納空間27の外方へ向かって窪んだラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bが形成されている。ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bは、上壁23及び下壁24の左右両端部近傍に1つずつ、計4つ形成されている。
【0030】
図1に示すように、上壁23の中央部には、トップフランジ236が固定される。トップフランジ236は、AMHS(自動ウェーハ搬送システム)、PGV(ウェーハ基板搬送台車)等において基板収納容器1を吊り下げる際に、基板収納容器1において掛けられて吊り下げられる部分となる部材である。
【0031】
基板支持板状部5は、第1側壁25及び第2側壁26にそれぞれ一体成形されて設けられており、左右方向D3において対をなすようにして配置されている。なお、基板支持板状部5は、第1側壁25及び第2側壁26と別体であってもよい。
【0032】
基板支持板状部5は、板状の略弧形状を有している。基板支持板状部5は、第1側壁25、第2側壁26それぞれに、上下方向D2に25枚ずつ計50枚設けられている。隣接する基板支持板状部5は、上下方向D2において10mm~12mm間隔で互いに離間して平行な位置関係で配置されている。なお、最も上に位置する基板支持板状部5の上方には、もう一枚、基板支持板状部5と平行に板状の部材が配置されている。これは、最も上に位置して基板収納空間27内へ挿入される基板Wに対して、当該挿入の際のガイドの役割をする部材である。
【0033】
また、第1側壁25に設けられた25枚の基板支持板状部5と、第2側壁26に設けられた25枚の基板支持板状部5とは、互いに左右方向D3において対向する位置関係を有している。また、50枚の基板支持板状部5、及び、基板支持板状部5と平行な板状のガイドの役割をする部材は、下壁24の内面に平行な位置関係を有している。
図2等に示すように、基板支持板状部5の上面には、凸部が設けられている。基板支持板状部5に支持された基板Wは、凸部の突出端にのみ接触し、面状には基板支持板状部5に接触しない。
【0034】
基板支持板状部5は、複数の基板Wのうちの隣接する基板W同士を、所定の間隔で離間した状態で且つ互いに平行な位置関係とした状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。
【0035】
奥側基板支持部6は、奥壁22に設けられ、基板収納空間27内に配置された内装部品である。奥側基板支持部6の構成については、簡単に説明する。奥側基板支持部6は、少なくとも、下側傾斜面と、上側傾斜面と、を有している。
【0036】
下側傾斜面は、上方向D21に進むにつれて、基板収納空間27の中心から離間するように傾斜して延びる傾斜面により構成されている。下側傾斜面には、基板Wの裏面の端部が摺動する。上側傾斜面は、上方向D21に進むにつれて、基板収納空間27の中心に接近するように傾斜して延びる傾斜面により構成されている。
【0037】
下側傾斜面及び上側傾斜面は、基板Wの端部が係合可能な基板収納空間27の中心から離間するように窪んだ凹溝であるV字状溝を形成する。蓋体3により容器本体開口部21を閉塞したときに、基板Wが下側傾斜面に対して摺動してせり上がり、基板WがV字状溝の頂点の位置に至ったときに、V字状溝は、基板Wの縁部を支持する。なお、V字状溝は、全体視で略V字状であればよく、追加的に、D1-D3平面に略平行な面や、D2-D3平面に略平行な面などを有していてもよい。奥側基板支持部6は、奥壁22と一体であってもよい。
【0038】
次に、蓋体3及びフロントリテーナ7について詳細に説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の蓋体3を示す斜視図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1のフロントリテーナ7を示す斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1のフロントリテーナ7を示す部分正面図である。
【0039】
蓋体3は、
図1等に示すように、容器本体2の開口周縁部28の形状と略一致する略長方形状を有している。蓋体3は容器本体2の開口周縁部28に対して着脱可能であり、開口周縁部28に蓋体3が装着されることにより、蓋体3は、容器本体開口部21を閉塞可能である。蓋体3の内面(
図1に示す蓋体3の裏側の面)には、環状のシール部材4が取り付けられている。シール部材4は、弾性変形可能なポリエステル系、ポリオレフィン系など各種熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム製、シリコンゴム製等により構成されている。シール部材4は、蓋体3の外周縁部を一周するように配置されている。
【0040】
蓋体3が開口周縁部28に装着されたときに、シール部材4は、開口周縁部28と蓋体3の内面とにより挟まれて弾性変形し、蓋体3は、容器本体開口部21を密閉した状態で閉塞する。開口周縁部28から蓋体3が取り外されることにより、容器本体2内の基板収納空間27に対して、基板Wを出し入れ可能となる。
【0041】
蓋体3は、蓋体3の外形をなす蓋体本体を有しており、蓋体本体には、ラッチ機構が設けられている。ラッチ機構は、蓋体本体の左右両端部近傍に設けられており、
図1に示すように、蓋体本体の上辺から上方向D21へ突出可能な2つの上側ラッチ部32Aと、蓋体本体の下辺から下方向D22へ突出可能な2つの下側ラッチ部32Bと、を備えている。2つの上側ラッチ部32Aは、蓋体本体の上辺の左右両端近傍に配置されており、2つの下側ラッチ部32Bは、蓋体本体の下辺の左右両端近傍に配置されている。
【0042】
蓋体本体の外面側には操作部33が設けられている。操作部33を蓋体本体の前側から操作することにより、上側ラッチ部32A、下側ラッチ部32Bを蓋体本体の上辺、下辺から突出させることができ、又は、上辺、下辺から突出させない状態とすることができる。
上側ラッチ部32Aが蓋体本体の上辺から上方向D21へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部231A、231Bに係合し、且つ、下側ラッチ部32Bが蓋体本体の下辺から下方向D22へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部241A、241Bに係合することにより、蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28に固定される。
【0043】
図3に示すように、蓋体3を構成する蓋体本体の内側においては、基板収納空間27の外方(前方向D11)へ窪んだ凹部34が形成されている。凹部34の内側の蓋体本体の部分には、フロントリテーナ7が固定されて設けられている。
【0044】
図6は、
図5に示すA-A線断面図である。
図7Aは、
図6に示すB-B線断面図である。
図7Bは、
図6に示すC-C線断面図である。
図8は、閉蓋状態における基板収納容器1と基板Wとの位置関係を示す平面断面図である。
図9は、
図8の部分拡大図である(
図6対応図)。
図10Aは、
図9に示すD-D線断面図である。
図10Bは、
図9に示すE-E線断面図である。
図11は、開蓋状態と閉蓋状態とにおける、蓋体側基板支持部及び基板縁部補助部それぞれの変位量を示す部分拡大図である。
【0045】
フロントリテーナ7は、
図4~
図11に示すように、蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75と脚部72と縦枠体71とを有している。同じ基板Wに対応する蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75とは、脚部72を介して連結されている。
【0046】
蓋体側基板支持部73は、左右方向D3に所定の間隔で離間して対をなすようにして2つ配置されている。このように対をなすようにして2つ配置された蓋体側基板支持部73は、上下方向D2に25対並列した状態で設けられており、それぞれ弾性変形可能な脚部72により支持されている。脚部72は、2つずつ配置された蓋体側基板支持部73からそれぞれ互いに離間するように左右方向D3へ延び、それぞれ前方向D11へ折れ曲がる。そして
図4、
図5に示すように、脚部72の端部には、上下方向D2に沿って平行に延びている縦枠体71が、脚部72に一体成形されて設けられている。基板収納空間27内に基板Wが収納され、蓋体3が閉じられることにより、蓋体側基板支持部73は、脚部72の弾性力により、基板Wの縁部の端縁を、基板収納空間27の中心へ付勢した状態で挟持して支持する。
【0047】
蓋体側基板支持部73は、
図7A及び
図10Aに示すように、上側傾斜面731と下側傾斜面732とを有している。
【0048】
上側傾斜面731は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、基板Wの表面(上面)の端縁に当接する。下側傾斜面732は、基板Wの裏面(下面)の端縁に当接する。具体的には、上側傾斜面731は、上方向D21に進むにつれて、前後方向D1において基板収納空間27の中心に接近するように傾斜して延びる傾斜面により構成されている。下側傾斜面732は、上方向D21に進むにつれて、前後方向D1において基板収納空間27の中心から離間するように傾斜して延びる傾斜面により構成されている。上側傾斜面731、下側傾斜面732は、基板収納空間27の中心から離間するように窪んだ凹溝であるV字状溝74を形成する。上側傾斜面731、下側傾斜面732には、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、それぞれ基板Wの表面の端縁、基板Wの裏面の端縁が当接する。
【0049】
基板縁部補助部75は、左右方向D3に所定の間隔で離間して対をなすようにして2つ配置されている。このように対をなすようにして2つ配置された基板縁部補助部75は、上下方向D2に25対並列した状態で設けられており、それぞれ脚部72により支持されている。本実施形態においては、基板縁部補助部75は、左右方向D3において蓋体側基板支持部73と縦枠体71との間に、配置されている。
【0050】
基板縁部補助部75は、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に配置されている。基板縁部補助部75には、基板Wの縁部を挿入可能に基板Wの縁部の厚さよりも広い開口を有する複数の補助溝76が、形成されている。補助溝76を形成している溝形成面は、表面対向面部761と、裏面対向面部762と、底面部763とを有している。
【0051】
基板Wの縁部は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、
図10Bに示すように、基板Wの縁部と補助溝76の溝形成面(表面対向面部761、裏面対向面部762、底面部763)との間に空間が形成されて基板Wの縁部が溝形成面に接触していない非接触の状態で、補助溝76に挿入される。
【0052】
図7B及び
図10Bに示すように、補助溝76は、断面視で、略矩形状を有している。補助溝76は、対向する溝形成面(表面対向面部761、裏面対向面部762)を有している。補助溝76には、少なくとも蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部が1つずつ挿入される。また、
図6に示すように、補助溝76は、筒状の壁部20の中心軸J20に対して、蓋体側基板支持部73よりも基板Wの縁部の周方向DCの外側に配置されている。
【0053】
表面対向面部761は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、基板Wの表面W1に略平行な位置関係を有しており、表面対向面部761の一部は、表面W1と裏面W2とを結ぶ方向である上下方向D2において表面W1に対向する。裏面対向面部762は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、基板Wの裏面W2に略平行な位置関係を有しており、裏面対向面部762の一部は、表面W1と裏面W2とを結ぶ方向である上下方向D2において裏面W2に対向する。底面部763は、補助溝76の底部を形成し、表面対向面部761と裏面対向面部762とにそれぞれ接続されている。
【0054】
表面対向面部761及び裏面対向面部762は、略直平面状である。表面対向面部761と裏面対向面部762とは、補助溝76の底部から補助溝76の開口764に近づくにつれて、開口764が僅かに広がるように、僅かに傾斜する一対の傾斜面を構成する。基板Wの表面W1と表面対向面部761とのなす角度θ1、及び/又は、裏面W2と裏面対向面部762とのなす角度θ2は、例えば30度以下であり、好ましくは15度以下である。
【0055】
補助溝76は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されておらず、側方基板支持部である基板支持板状部5によって複数の基板Wの縁部が支持されているときには、補助溝76に基板Wの縁部が挿入されず(
図7B参照)、一方、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときには、補助溝76に基板Wの縁部が挿入される(
図10B参照)深さH76(
図7B参照)を、有する。
【0056】
図11に示すように、フロントリテーナ7の蓋体側基板支持部73は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、容器本体2の他端部から一端部へと向う方向(前方向D11)へ第1の変位量H73で弾性的に変位可能である。基板縁部補助部75は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、容器本体2の他端部から一端部へと向う方向(前方向D11)へ、第1の変位量H73よりも小さい第2の変位量H75で弾性的に変位可能である。
【0057】
次に、上述した基板収納容器1において、基板Wを基板収納空間27へ収納し、蓋体3によって容器本体開口部21を閉塞する際の動作について説明する。
先ず、
図1に示すように、前後方向D1及び左右方向D3が水平面に平行の位置関係となるように容器本体2を配置させる。次に、複数枚の基板Wを基板支持板状部5及び奥側基板支持部6の下側傾斜面に載置する。このとき、基板Wは、
図6~
図7Bに示すように、蓋体側基板支持部73のV字状溝74及び基板縁部補助部75の補助溝76の中に位置していない(平面視において重なっていない)。
【0058】
次に、蓋体3を容器本体開口部21へ接近させてゆき、
図8~
図10Aに示すように、フロントリテーナ7の下側傾斜面732に、基板Wの裏面(下面)の端縁に当接させると共に、フロントリテーナ7の上側傾斜面731に、基板Wの表面の端縁に当接させる。そして、更に蓋体3を容器本体開口部21へ接近させてゆくと、基板Wは、前部においてフロントリテーナ7の下側傾斜面732及び上側傾斜面731によって後方向D12へ押圧され、また、後部において奥側基板支持部6に当接して前方向D11へ押圧されており、前方向D11と後方向D12とからに挟まれるように保持されている。基板Wは、その奥側(後方向D12の側)の部分については上下方向D2へ移動し、一方、その開口側(前方向D11の側)の部分については上下方向D2へ移動しない。このとき、
図10Bに示すように、基板Wは、基板縁部補助部75の補助溝76の中に位置している(平面視において重なっている)。
【0059】
その後、基板収納容器1は、90°回転させられて、容器本体開口部21が鉛直上方向を向いた状態とされて搬送されるか、又は、90°回転させられずに、容器本体開口部21が水平方向を向いた状態のまま搬送される。
【0060】
基板Wが収納された状態の基板収納容器1の搬送中に、基板収納容器1に基板収納容器1の外部から衝撃が作用すると、蓋体側基板支持部73のV字状溝74に当接していた基板WがV字状溝74から外れそうになることがある。このような場合であっても、基板Wは、基板縁部補助部75の補助溝76に当接していないため、基板縁部補助部75の補助溝76の中から外れにくい。そのため、基板Wが蓋体側基板支持部73から外れること、すなわち、クロススロットの発生は抑制される。
【0061】
上記構成を有する第1実施形態に係る基板収納容器1によれば、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態に係る基板収納容器1は、一端部に容器本体開口部21が形成され他端部が閉塞された筒状の壁部20を備え、壁部20の内面によって、複数の基板Wを収納可能であり容器本体開口部21に連通する基板収納空間27が形成された容器本体2と、容器本体開口部21に対して着脱可能であり、容器本体開口部21を閉塞可能な蓋体3と、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に配置され、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部を支持可能な蓋体側基板支持部73と、基板収納空間27内において蓋体側基板支持部73と対をなすように配置され、複数の基板Wの縁部を支持可能であり、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに蓋体側基板支持部73と協働して、複数の基板Wの縁部を並列させた状態で、複数の基板Wを支持する奥側基板支持部6と、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に配置され、基板Wの縁部を挿入可能に基板Wの縁部の厚さよりも広い開口を有する複数の補助溝76が形成された基板縁部補助部75と、を備える。複数の補助溝76は、対向する溝形成面761,762を有し、少なくとも蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部が1つずつ挿入され、また、筒状の壁部20の中心軸J20に対して、蓋体側基板支持部73よりも基板Wの縁部の周方向DCの外側に配置されている。基板Wの縁部は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、基板Wの縁部と溝形成面761,762との間に空間が形成されて基板Wの縁部が溝形成面761,762に接触していない非接触の状態で、補助溝76に挿入される。
【0062】
上記構成により、基板Wが収納された状態の基板収納容器1の搬送中に、基板収納容器1に基板収納容器1の外部から衝撃が作用し、蓋体側基板支持部73に当接していた基板Wが蓋体側基板支持部73から外れそうになったとしても、基板Wは、基板縁部補助部75の補助溝76に当接していないため、基板縁部補助部75の補助溝76の中から外れにくい。そのため、基板収納容器1に作用する衝撃に対して基板Wの保護が可能であると共に、基板Wが蓋体側基板支持部73から外れること、すなわち、クロススロットの発生を抑えることができる。
【0063】
また、同じ基板Wに対応する蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75とは、連結されている。
【0064】
上記構成により、同じ基板Wに対応する蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75とは、基板Wが蓋体側基板支持部73を押圧して変位させると、連動して基板縁部補助部75も変位される。そのため、蓋体側基板支持部73と基板縁部補助部75とは、連動して、それぞれの主な機能を発揮するのに適当な位置に配置される。
【0065】
また、第1実施形態に係る基板収納容器1は、基板収納空間27内において対をなすように配置され、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されていないときに、複数の基板Wのうちの隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能な側方基板支持部(基板支持板状部5)を備える。補助溝76は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されておらず側方基板支持部(基板支持板状部5)によって複数の基板Wの縁部が支持されているときには、補助溝76に基板Wの縁部が挿入されず、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときには、補助溝76に基板Wの縁部が挿入される深さH76を有する。
【0066】
上記構成により、側方基板支持部(基板支持板状部5)によって複数の基板Wの縁部が支持されているときに、意図しない事象により基板Wが大きく移動したとしても、基板Wの縁部が補助溝76に接触することを抑制される。
【0067】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器について、図面を参照しながら説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係るフロントリテーナ7Aの断面図(
図6対応図)である。
【0068】
図12に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、蓋体側基板支持部73において基板縁部補助部75が左右方向D3の内側(壁部20の中心軸J20寄り)に配置されている。第2実施形態におけるその他の構成については、第1実施形態と同一であるため、同一の部材については、同一の符号で図示し、説明を省略する。
【0069】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る基板収納容器について、図面を参照しながら説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係るフロントリテーナ7Bの断面図(
図6対応図)である。
【0070】
図13に示すように、第3実施形態では、第1実施形態と比べて、蓋体側基板支持部73において基板縁部補助部75の幅(左右方向D3の幅)が広くなっている。第3実施形態におけるその他の構成については、第1実施形態と同一であるため、同一の部材については、同一の符号で図示し、説明を省略する。
【0071】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係る基板収納容器について、図面を参照しながら説明する。
図14は、本発明の第4実施形態に係るフロントリテーナ7Cの断面図(
図6対応図)である。
【0072】
図14に示すように、第4実施形態では、第1実施形態と比べて、蓋体側基板支持部73において基板縁部補助部75が左右方向D3の内側(壁部20の中心軸J20寄り)に配置され、蓋体側基板支持部73が左右方向D3の外側に配置されている。別の見方とすると、基板縁部補助部75の複数の補助溝76は、壁部20の中心軸J20に対して、蓋体側基板支持部73よりも基板Wの縁部の周方向DCの内側に配置されている。第4実施形態におけるその他の構成については、第1実施形態と同一であるため、同一の部材については、同一の符号で図示し、説明を省略する。
【0073】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
【0074】
例えば、容器本体及び蓋体の形状、容器本体に収納可能な基板Wの枚数や寸法は、本実施形態における容器本体2及び蓋体3の形状、容器本体2に収納可能な基板Wの枚数や寸法に限定されない。即ち、側方基板支持部(基板支持板状部5)や、フロントリテーナ7や、奥側基板支持部6の構成は、実施形態の構成に限定されない。また、本実施形態における基板Wは、直径300mmのシリコンウェーハであったが、この値に限定されない。
【符号の説明】
【0075】
1 基板収納容器
2 容器本体
3 蓋体
5 基板支持板状部(側方基板支持部)
6 奥側基板支持部
21 容器本体開口部
27 基板収納空間
28 開口周縁部
73 蓋体側基板支持部
75 基板縁部補助部
76 補助溝
761 表面対向面部(溝形成面)
762 裏面対向面部(溝形成面)
DC 周方向
H73 第1の変位量
H75 第2の変位量
H76 深さ
J20 中心軸
W 基板
θ1 角度
θ2 角度