(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】多目的薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240109BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20240109BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/32 530
A61M5/20 550
(21)【出願番号】P 2022535951
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 US2020063405
(87)【国際公開番号】W WO2021118888
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-13
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】アガード,リャン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クレメンテ,マシュー,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】シカレリ,ニコラス,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ダベンポート,ダニエル,スコット
(72)【発明者】
【氏名】デビット,ショーン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】キング,アンドリュー,ネイサン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513463(JP,A)
【文献】特表2013-544153(JP,A)
【文献】特表2014-502887(JP,A)
【文献】特表2014-531961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/32
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
ハウジングと、
薬物流体を収容するように構成された前記ハウジング内の薬物リザーバと、
駆動部材と、
前記ハウジング内の後退位置に配置されている針アセンブリと、
前記薬物リザーバと流体連通するポンプと、
複数のばねと、
前記ハウジングに結合された負荷ボタンであって、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、前記複数のばねに負荷するために手動で作動されるように構成されている、負荷ボタンと、
前記ハウジングに結合された投薬ボタンであって、前記負荷ボタンの作動後に、手動で作動されて、前記負荷されたばねを解放して、
前記駆動部材を動作させて、前記針アセンブリを前記後退位置から注射位置に駆動するように、
前記ポンプを駆動して、前記駆動された針アセンブリを介して、前記薬物リザーバから前記薬物流体をポンプ圧送するように、かつ
前記駆動された針アセンブリを前記注射位置から前記後退位置に後退させるように、構成されている、投薬ボタンと、を備える、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記薬物リザーバ内に収容された前記薬物流体をさらに備える、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記針アセンブリが、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリを含み、前記複数の針アセンブリが、前記ハウジング内の針カートリッジ内に配置されている、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記負荷ボタンの作動が、前記針カートリッジを前進させ、そのため、前記複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、前記駆動部材との動作整合から外れて移動され、前記第1の針アセンブリが、前記駆動部材と動作整合するように移動される、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
ロック解除ボタンであって、前記ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、前記投薬ボタンの作動を防止するように構成されている、ロック解除ボタンをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記複数のばねが、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能な1つ以上の線形ばねを備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記1つ以上の線形ばねを前記軸方向に圧縮された構成に移動させることによって、前記1つ以上の線形ばねに負荷し、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記1つ以上の線形ばねを前記軸方向に拡張された構成に移動させて
前記1つ以上の線形ばねを解放することによって、前記駆動部材を動作させ
る、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記複数のばねが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で移動可能な1つ以上のクロックばねを備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、前記1つ以上のクロックばねを前記巻き付けられた構成に移動することにより、前記1つ以上のクロックばねに負荷し、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記1つ以上のクロックばねを前記巻き戻された構成に動かして
前記1つ以上のクロックばねを解放することによって、前記ポンプを駆動す
る、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記複数のばねが、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねを備え、各々が、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能であり、
前記薬物送達デバイスが、一次スライドおよび二次スライドをさらに備え、
前記一次スライドが、第1の一次スライド位置と第2の一次スライド位置との間で、前記薬物送達デバイスの直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成されており、
前記二次スライドが、第1の二次スライド位置と第2の二次スライド位置との間で、前記直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成されており、
前記一次スライドが、前記第1の線形ばねに結合されており、
前記二次スライドが、前記第1の線形ばねおよび前記第2の線形ばねの両方に結合されており、
前記薬物送達デバイスが、解放されるまで、前記一次スライドが前記第1の一次スライド位置から前記第2の一次スライド位置に移動することを防止するように構成されたブロッカをさらに備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記二次スライドを前記第1の二次スライド位置から前記第2の二次スライド位置に動かし、前記第1の線形ばねおよび前記第2の線形ばねの両方を前記軸方向に圧縮された構成に移動させ、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記ブロッカを解放して、前記第1の線形ばねが前記軸方向に拡張された構成に移動することを可能にし、前記第1の線形ばねの前記軸方向に拡張された構成への移動が、前記一次スライドを前記第1の一次スライド位置から前記第2の一次スライド位置に移動させ、前記一次スライドの前記第2の一次スライド位置への移動が、前記駆動部材を動作させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
解放されるまで、前記負荷ボタンの作動後に、前記二次スライドが、前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置に移動することを防止するように構成されている、ラッチをさらに備え、
前記ラッチが、前記第2の線形ばねが、前記軸方向に拡張された構成に移動することを可能にするように、前記ブロッカが解放された後に、所定の時間、解放されるように構成されており、前記第2の線形ばねの前記軸方向に拡張された構成への移動が、前記二次スライドを前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置へ移動させる、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記一次スライドと前記二次スライドが結合され、前記二次スライドの前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置への移動が、前記一次スライドを前記第2の一次スライド位置から前記第1の一次スライド位置に移動させるようになっており、前記一次スライドの前記第1の一次スライド位置への移動が、前記駆動された針アセンブリを前記注射位置から前記後退位置に後退させる、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記薬物送達デバイスが、再利用可能なデバイスであり、前記一次スライドが前記第1の一次スライド位置に戻り、かつ前記二次スライドが前記第1の二次スライド位置に戻るときに、前記負荷ボタンの第2の作動を可能にし、次いで、前記負荷ボタンの前記第2の作動後に、前記投薬ボタンの第2の作動を可能にし、前記薬物流体の第2の用量を送達するように構成されている、請求項9~10のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で回転可能なクロックばねと、前記クロックばねで回転式にロックされたフェースギアと、前記フェースギアと係合するように構成された爪と、をさらに備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記フェースギアを第1の回転方向に回転することによって前記クロックばねに負荷し、前記第1の回転方向における前記フェースギアの回転が、前記クロックばねを前記巻き付けられた構成に回転し、
前記爪が、前記クロックばねの前記巻き付けられた構成への回転後に前記フェースギアを係合し、前記フェースギアの前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向における回転を防止し、かつ、前記クロックばねの前記巻き戻された構成への回転を防止するように構成されており、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記フェースギアから前記爪を係合解除し、前記フェースギアが前記第2の回転方向で回転することを可能にし、前記フェースギアの前記第2の回転方向における回転が、前記巻き戻された構成に前記クロックばねを回転し、
前記フェースギアの所定の回転角での前記第2の回転方向の回転が、ラッチを解放し、前記第2の線形ばねが前記軸方向に拡張した構成に移動することを可能にし、前記第2の線形ばねの前記軸方向に拡張した構成への移動が、前記二次スライドを前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置へ移動させる、請求項9~11のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記ポンプが回転式プランジャポンプである、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記薬物送達デバイスが、前記負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、前記駆動部材を動作させて、前記ポンプを駆動し、前記駆動された針アセンブリを後退するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
薬物送達デバイス用の針挿入機構であって、
駆動部材と、
前記薬物送達デバイスのハウジング内の後退位置に配置されている針アセンブリと、
第1の線形ばねと、
第2の線形ばねと、
第1の一次スライド位置と第2の一次スライド位置との間で前記薬物送達デバイスの直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成された一次スライドであって、前記第1の線形ばねに結合された一次スライドと、
第1の二次スライド位置と第2の二次スライド位置との間で前記薬物送達デバイスの前記直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成された二次スライドであって、前記第1の線形ばねおよび前記第2の線形ばねに結合された二次スライドと、
解放されるまで、前記一次スライドが前記第1の一次スライド位置から前記第2の一次スライド位置に移動することを防止するように構成されたブロッカと、
前記第1の線形ばねおよび前記第2の線形ばねの両方を圧縮するための負荷ボタンであって、前記負荷ボタンの作動を通じて行われる仕事を用いて、前記第1の二次スライド位置から前記第2の二次スライド位置に前記二次スライドを移動するように手動で作動されるように構成された負荷ボタンと、
前記負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、前記ブロッカを解放し、前記一次スライドが、前記圧縮された第1の線形ばねからの付勢圧力下で前記第1の一次スライド位置から前記第2の一次スライド位置に移動することを可能にするように構成された投薬ボタンであって、前記一次スライドの前記第2の一次スライド位置への動きが、前記駆動部材を動作させて、前記針アセンブリを前記後退位置から注射位置に駆動する、投薬ボタンと、を備える、針挿入機構。
【請求項16】
解放されるまで、前記負荷ボタンの作動後に前記二次スライドが、前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置に移動することを防止するように構成されたラッチをさらに備え、
前記ブロッカの前記解放の後の所定の時間に前記ラッチを解放して、前記圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力下で前記二次スライドが、前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置に移動することを可能にするように構成された、請求項15に記載の針挿入機構。
【請求項17】
前記一次スライドと前記二次スライドが結合され、前記二次スライドの前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置への移動が、前記一次スライドを前記第2の一次スライド位置から前記第1の一次スライド位置に移動させるようになっており、前記一次スライドの前記第1の一次スライド位置への移動が、前記駆動された針アセンブリを前記注射位置から前記後退位置に後退する、請求項16に記載の針挿入機構。
【請求項18】
前記薬物送達デバイスが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で回転可能なクロックばねと、前記クロックばねで回転式にロックされたフェースギアと、前記フェースギアと係合するように構成された爪と、をさらに備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記フェースギアを第1の回転方向に回転することによってクロックばねに負荷し、前記第1の回転方向における前記フェースギアの回転が、前記クロックばねを前記巻き付けられた構成に回転し、
前記爪が、前記クロックばねの前記巻き付けられた構成への回転後に前記フェースギアを係合して、前記フェースギアの前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向における回転を防止し、かつ、前記クロックばねの前記巻き戻された構成への回転を防止するように構成されており、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記フェースギアから前記爪を係合解除し、前記フェースギアが前記第2の回転方向で回転することを可能にし、前記フェースギアの前記第2の回転方向における回転が、前記巻き戻された構成に前記クロックばねを回転し、
前記フェースギアの所定の回転角度での前記第2の回転方向への回転が、前記ラッチを解放して、前記二次スライドが、前記圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力下で前記第2の二次スライド位置から前記第1の二次スライド位置に移動することを可能にするように構成された、請求項16~17のいずれか一項に記載の針挿入機構。
【請求項19】
薬物送達デバイ
スであって、
前記薬物送達デバイスは針挿入機構を備え、
前記針挿入機構は、
ハウジングと、
駆動部材と、
複数の針アセンブリを保持する針カートリッジであって、各針アセンブリが、前記針カートリッジ内の別個の後退位置に配置されている、カートリッジと、
1つ以上のばねと、
前記ハウジングに結合された負荷ボタンであって、手動で作動されて、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、前記1つ以上のばねに負荷するように、かつ前記針カートリッジを前進させるように構成されており、そのため、前記複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、前記駆動部材との動作整合から外れて移動され、前記複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、前記駆動部材との動作整合するように移動される、負荷ボタンと、
前記ハウジングに結合された投薬ボタンであって、前記負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、前記1つ以上の負荷されたばねを解放して、前記駆動部材を動作させて、前記第2の針アセンブリを前記針カートリッジ内のその後退位置から注射位置に駆動するように構成されている、投薬ボタンと、を備える、
薬物送達デバイス。
【請求項20】
前記針挿入機構が、前記駆動部材を動作させて前記第2の針アセンブリを前記注射位置まで駆動した後に、前記1つ以上のばねから解放されたエネルギを使用して前記第2の針アセンブリをその後退位置まで後退するようにさらに構成されている、請求項19に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項21】
前記針カートリッジが、複数のジュネーブホイール部材を備え、
前記薬物送達デバイスが、前記ジュネーブホイール部材と係合するように構成されたジュネーブホイールをさらに備え、
前記ジュネーブホイールが、前記負荷ボタンの作動に応答して回転するように構成されており、前記ジュネーブホイールと前記ジュネーブホイール部材との間の係合が、前記針カートリッジを回転させ、そのため、前記第1の針アセンブリが、前記駆動部材との動作整合から外れて移動され、前記第2の針アセンブリが、前記駆動部材との動作整合するように移動される、請求項19~20のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項22】
前記
薬物送達デバイスが、薬物流体を収容するように構成された薬物リザーバと、前記薬物リザーバと流体連通しているポンプと、をさらに備える、請求項19~21のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項23】
前記針挿入機構が、前記駆動部材を動作させて前記第2の針アセンブリを前記注射位置まで駆動した後に、前記ポンプを駆動して、前記1つ以上のばねから解放されたエネルギを使用して、前記薬物リザーバから前記第2の針アセンブリを通じて前記薬物流体をポンプ圧送するように構成されている、請求項22に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項24】
前記ポンプが回転式プランジャポンプである、請求項22~23のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項25】
ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、前記投薬ボタンの作動を防止するように構成された前記ロック解除ボタンをさらに備える、請求項19~24のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項26】
前記針挿入機構が、前記1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、前記駆動部材を動作させるように構成されている、請求項19~25のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項27】
前記針挿入機構が、前記1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、前記駆動部材を動作させ、前記第2の針アセンブリを後退するように構成されている、請求項20~25のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項28】
前記針挿入機構が、前記1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、前記駆動部材を動作させ、前記ポンプを駆動するように構成されている、請求項23、24、および請求項22を引用する請求項25のいずれか一項に記載の
薬物送達デバイス。
【請求項29】
薬物送達デバイスであって、
ハウジングと、
薬物流体を収容するように構成された前記ハウジング内の薬物リザーバと、
前記薬物リザーバと流体連通するポンプと、
複数の針アセンブリを保持する針カートリッジと、
複数のばねと、
前記ハウジングに結合された負荷ボタンであって、手動で作動されるように構成され、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して前記複数のばねに負荷し、前記針カートリッジを前進させ、そのため、前記複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、前記薬物送達デバイス内の投薬位置から外れて移動され、前記複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、前記投薬位置に移動される、負荷ボタンと、
前記負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、前記負荷されたばねを解放して前記ポンプを駆動し、前記薬物流体を前記薬物リザーバから前記第2の針アセンブリを通じてポンプ圧送するように構成された、前記ハウジングに結合された投薬ボタンと、を備える、薬物送達デバイス。
【請求項30】
駆動部材をさらに備え、前記投薬位置が、前記駆動部材との動作整合にあり、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記負荷されたばねを解放して、前記駆動部材を動作させ、前記第2の針アセンブリを注射位置に駆動する、請求項29に記載の薬物送達デバイス。
【請求項31】
前記薬物送達デバイスが、前記駆動部材を動作させて前記第2の針アセンブリを前記注射位置まで駆動した後に、前記複数のばねから解放されたエネルギを使用して前記第2の針アセンブリを前記投薬位置に後退するようにさらに構成されている、請求項30に記載の薬物送達デバイス。
【請求項32】
前記ポンプが回転式プランジャポンプである、請求項29~31のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項33】
ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、前記投薬ボタンの作動を防止するように構成された前記ロック解除ボタンをさらに備える、請求項29~32のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項34】
前記複数のばねが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で移動可能な1つ以上のクロックばねを備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、前記1つ以上のクロックばねを前記巻き付けられた構成に移動することにより、前記1つ以上のクロックばねに負荷し、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記1つ以上のクロックばねを前記巻き戻された構成に動かして
前記1つ以上のクロックばねを解放することによって、前記ポンプを駆動す
る、請求項29~33のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項35】
前記複数のばねが、それぞれが、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能な1つ以上の線形ばねを備え、
前記負荷ボタンの作動が、前記負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、前記1つ以上の線形ばねを前記軸方向に圧縮された構成に動かし、
前記負荷ボタンの作動後の前記投薬ボタンの作動が、前記1つ以上の線形ばねを前記軸方向に拡張された構成に動かして
前記1つ以上の線形ばねを解放することによって、前記駆動部材を動作させ
る、請求項30、31、および請求項30を引用する請求項32~34のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項36】
前記薬物送達デバイスが、前記負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して前記ポンプを駆動するように構成されている、請求項29~35のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項37】
前記薬物送達デバイスが、前記負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して前記ポンプを駆動し、前記駆動部材を動作させるように構成されている、請求項30、31、35、および請求項30を引用する請求項32~34のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項38】
前記薬物送達デバイスが、前記負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、前記ポンプを駆動し、前記駆動部材を動作させて、前記第2の針アセンブリを後退するように構成されている、請求項30、31、35、および請求項30を引用する請求項32~34のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬物を送達するためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、多目的薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器などのいくつかの薬物送達デバイスは、デバイス作動時に解放される圧縮ばねに位置エネルギを貯蔵する。この貯蔵されたエネルギは、患者への針の挿入および薬物リザーバからの液体の放出など、そのような薬物送達デバイスの様々な機能を駆動するために使用される。しかしながら、圧縮されたばねからの合力が、デバイスの保管期間にわたってデバイス材料の変形を生じることがあることから、ばねの長期的な位置エネルギ貯蔵は問題になることがある。さらに、基本的物理特性および材料特性は、薬物送達デバイスの前述の機能を駆動するために十分な位置エネルギを、デバイスが特定の最小サイズである保存期間にわたって貯蔵する適切なばねを必要とし、このことがデバイスサイズを大きくすることがある。理想的には、ばねは、デバイスの保存期間にわたって応力を受けないか、応力を最小限に維持し、次いで、デバイスの使用中に比較的短時間で負荷され、かつ、解放される必要がある。
【発明の概要】
【0003】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示に記載されている。
【0004】
1.薬物送達デバイスであって、ハウジングと、薬物流体を収容するように構成された前記ハウジング内の薬物リザーバと、駆動部材と、前記ハウジング内の後退位置に配置されている針アセンブリと、前記薬物リザーバと流体連通するポンプと、1つ以上のばねと、ハウジングに結合された負荷ボタンであって、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、1つ以上のばねに負荷するために手動で作動されるように構成されている、負荷ボタンと、ハウジングに結合された投薬ボタンであって、負荷ボタンの作動後に、手動で作動されて、1つ以上の負荷されたばねを解放して、駆動部材を動作させて、針アセンブリを後退位置から注射位置に駆動するように、ポンプを駆動して、駆動された針アセンブリを介して、薬物リザーバから薬物流体をポンプ圧送するように、かつ、駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退させるように、構成されている、投薬ボタンと、を備える、薬物送達デバイス。
【0005】
2.薬物リザーバ内に収容された薬物流体をさらに備える、態様1に記載のデバイス。
【0006】
3.針アセンブリが、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリを含み、複数の針アセンブリが、ハウジング内の針カートリッジ内に配置されている、態様1~2のいずれかに記載のデバイス。
【0007】
4.負荷ボタンの作動が、針カートリッジを前進させ、そのため、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合から外れて移動され、第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移動される、態様3に記載のデバイス。
【0008】
5.ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、投薬ボタンの作動を防止するように構成されたロック解除ボタンをさらに備える、態様1~4のいずれかに記載のデバイス。
【0009】
6.1つ以上のばねが、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能な1つ以上の線形ばねを備え、負荷ボタンの作動が、1つ以上の線形ばねを軸方向に圧縮された構成に移動させすることによって、1つ以上の線形ばねに負荷し、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、1つ以上の線形ばねを軸方向に拡張された構成に移動させて、駆動部材を動作させることによって、1つ以上の線形ばねを解放する、態様1~5のいずれかに記載のデバイス。
【0010】
7.1つ以上のばねが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で移動可能な1つ以上のクロックばねを備え、負荷ボタンの作動が、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、1つ以上のクロックばねを巻き付けられた構成に移動させることにより、1つ以上のクロックばねに負荷し、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、1つ以上のクロックばねを巻き戻された構成に移動させて、ポンプを駆動することにより、1つ以上のクロックばねを解放する、態様1~6のいずれかに記載のデバイス。
【0011】
8.1つ以上のばねが、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねを備え、各々が、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能であり、デバイスが、一次スライドおよび二次スライドをさらに備え、一次スライドが、第1の一次スライド位置と第2の一次スライド位置との間で、デバイスの直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成されており、二次スライドが、第1の二次スライド位置と第2の二次スライド位置との間で、直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成されており、一次スライドが、第1の線形ばねに結合されており、二次スライドが、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねの両方に結合されており、デバイスが、解放されるまで、一次スライドが第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動することを防止するように構成されたブロッカをさらに備え、負荷ボタンの作動が、二次スライドを第1の二次スライド位置から第2の二次スライド位置に動かし、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねの両方を軸方向に圧縮された構成に移動させ、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、ブロッカを解放して、第1の線形ばねが軸方向に拡張された構成に移動することを可能にし、第1の線形ばねの軸方向に拡張された構成への移動が、一次スライドを第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動させ、一次スライドの第2の一次スライド位置への移動が、駆動部材を動作させる、態様1~7のいずれかに記載のデバイス。
【0012】
9.解放されるまで、負荷ボタンの作動後に、二次スライドが、第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを防止するように構成されている、ラッチをさらに備え、ラッチが、第2の線形ばねが、軸方向に拡張された構成に移動することを可能にするように、ブロッカが解放された後に、所定の時間、解放されるように構成されており、第2の線形ばねの軸方向に拡張された構成への移動が、二次スライドを第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置へ移動させる、態様8に記載のデバイス。
【0013】
10.一次スライドと二次スライドが結合され、二次スライドの第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置への移動が、一次スライドを第2の一次スライド位置から第1の一次スライド位置に移動させるようになっており、一次スライドの第1の一次スライド位置への移動が、駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退させる、態様9に記載のデバイス。
【0014】
11.デバイスが、再利用可能なデバイスであり、一次スライドが第1の一次スライド位置に戻り、かつ二次スライドが第1の二次スライド位置に戻るときに、負荷ボタンの第2の作動を可能にし、次いで、負荷ボタンの第2の作動後に、投薬ボタンの第2の作動を可能にし、薬物流体の第2の用量を送達するように構成されている、態様9~10のいずれかに記載のデバイス。
【0015】
12.巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で回転可能なクロックばねと、クロックばねで回転式にロックされたフェースギアと、フェースギアと係合するように構成された爪と、をさらに備え、負荷ボタンの作動が、フェースギアを第1の回転方向において回転させることによってクロックばねに負荷し、第1の回転方向においてフェースギアが回転することが、クロックばねを巻き付けられた構成に回転させ、爪が、クロックばねの巻き付けられた構成への回転後にフェースギアを係合し、フェースギアを第1の回転方向と反対の第2の回転方向において回転させることを防止するように、かつ、クロックばねの巻き戻された構成へ回転させることを防止するように構成されており、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、フェースギアから爪を係合解除し、フェースギアを第2の回転方向において回転させることを可能にし、フェースギアを第2の回転方向において回転させることが、巻き戻された構成にクロックばねを回転させ、フェースギアの所定の回転角での第2の回転方向における回転が、ラッチを解放し、第2の線形ばねが軸方向に拡張した構成に移動することを可能にし、第2の線形ばねの軸方向に拡張した構成への移動が、二次スライドを第2の二次スライド位置から第1の二次スライト位置へ移動させる、態様9~11のいずれかに記載のデバイス。
【0016】
13.ポンプが回転式プランジャポンプである、態様1~12のいずれかに記載のデバイス。
【0017】
14.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、駆動部材を動作させて、ポンプを駆動し、駆動された針アセンブリを後退するように構成されている、態様1~13のいずれかに記載のデバイス。
【0018】
15.薬物送達デバイスを操作するための方法であって、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、デバイスの1つ以上のばねに負荷するために、デバイスの負荷ボタンを作動させることと、負荷ボタンを作動させて1つ以上の負荷されたばねを解放した後に、デバイスの投薬ボタンを作動させることであって、1つ以上の負荷されたばねを解放することが、デバイスの駆動部材を動作させて、デバイス内の針アセンブリを後退位置から注射位置に駆動するように、デバイスのポンプを駆動させて、薬物流体を駆動された針アセンブリを介して薬物リザーバからポンプ圧送するように、駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退するように、作動させることと、を含む、方法。
【0019】
16.薬物リザーバが、デバイス内に配置され、薬物流体を収容する、態様15に記載の方法。
【0020】
17.針アセンブリが、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリであり、複数の針アセンブリが、針カートリッジ内に配置されている、態様15~16のいずれかに記載の方法。
【0021】
18.負荷ボタンのユーザによる作動に応答して、針カートリッジを前進させることをさらに含み、そのため、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合から外れて移動され、第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移動される、態様17に記載の方法。
【0022】
19.作動のために投薬ボタンをロック解除するためにデバイスのロック解除ボタンを作動することをさらに含む、態様15~18のいずれかに記載の方法。
【0023】
20.1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、駆動部材を動作させて、ポンプを駆動して、駆動された針アセンブリを後退する、態様15~19のいずれかに記載の方法。
【0024】
21.薬物送達デバイス用の針挿入機構であって、駆動部材と、薬物送達デバイスのハウジング内の後退位置に配置されている針アセンブリと、一次線形ばねと、二次線形ばねと、第1の一次スライド位置と第2の一次スライド位置との間でデバイスの直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成された一次スライドであって、第1の線形ばねに結合された一次スライドと、第1の二次スライド位置と第2の二次スライド位置との間でデバイスの直線軸に平行にスライド可能に移動するように構成された二次スライドであって、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねに結合された二次スライドと、解放されるまで、一次スライドが第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動することを防止するように構成されたブロッカと、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねの両方を圧縮するための負荷ボタンの作動によって行われた仕事を用いて、第1の二次スライド位置から第2の二次スライド位置に二次スライドを移動するように手動で作動されるように構成された負荷ボタンと、負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、ブロッカを解放し、一次スライドが、圧縮された第1の線形ばねからの付勢圧力下で第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動することを可能にするように構成された投薬ボタンであって、一次スライドの第2の一次スライド位置への動きが、駆動部材を動作させて、針アセンブリを後退位置から注射位置に駆動する、投薬ボタンと、を備える、針挿入機構。
【0025】
22.解放されるまで、負荷ボタンの作動後に二次スライドが、第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを防止するように構成されたラッチをさらに備え、ブロッカの解放の後の所定の時間にラッチを解放して、圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力下で二次スライドが、第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを可能にするように構成された、態様21に記載の機構。
【0026】
23.一次スライドと二次スライドが結合され、二次スライドの第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置への移動が、一次スライドを第2の一次スライド位置から第1の一次スライド位置に移動させるようになっており、一次スライドの第1の一次スライド位置への移動が、駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退する、態様22に記載の機構。
【0027】
24.デバイスが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で回転可能なクロックばねと、クロックばねで回転式にロックされたフェースギアと、フェースギアと係合するように構成された爪と、をさらに備え、負荷ボタンの作動が、フェースギアを第1の回転方向において回転させることによってクロックばねに負荷し、第1の回転方向においてフェースギアが回転することが、クロックばねを巻き付けられた構成に回転させ、爪が、クロックばねの巻き付けられた構成への回転後にフェースギアを係合して、フェースギアを第1の回転方向と反対の第2の回転方向において回転させることを防止し、かつ、クロックばねが巻き戻された構成へ回転することを防止するように構成されており、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、フェースギアから爪を係合解除し、フェースギアが第2の回転方向で回転することを可能にし、フェースギアの第2の回転方向における回転が、巻き戻された構成にクロックばねを回転させて、フェースギアを所定の回転角度で第2の回転方向において回転させることが、ラッチを解放して、二次スライドが、圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力下で第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを可能にするように構成された、態様22~23のいずれかに記載の機構。
【0028】
25.薬物送達デバイス用の針挿入機構を操作するための方法であって、針挿入機構が、第1の線形ばねに結合された一次スライドと、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねに結合された二次スライドと、解放されるまで、一次スライドが、第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動するのを防止するように構成されているブロッカと、を備え、二次スライドを第1の二次スライド位置から第2の二次スライド位置に移動させるためにデバイスの負荷ボタンを作動させることであって、二次スライドの移動が、第1の線形ばねおよび第2の線形ばねの両方を軸方向に圧縮するように、作動させることと、負荷ボタンを作動させた後に、ブロッカを解放して、一次スライドを圧縮された第1の線形ばねからの付勢圧力下で第1の一次スライド位置から第2の一次スライド位置に移動させるために、デバイスの投薬ボタンを作動させることであって、一次スライドの第2の一次スライド位置への移動が、駆動部材を動作させて、デバイス内に配置されている針アセンブリを後退位置から注射位置に駆動するように、作動させることと、を含む、方法。
【0029】
26.デバイスが、解放されるまで、ユーザが負荷ボタンを作動させた後に二次スライドが第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動するのを防止するラッチをさらに備え、ブロッカの解放後の所定の時間にラッチを解放して、二次スライドが、圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力下で、第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを可能にすることをさらに含む、態様25に記載の方法。
【0030】
27.一次スライドと二次スライドが結合され、二次スライドの第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置への移動が、一次スライドを第2の一次スライド位置から第1の一次スライド位置に移動させるようになっており、一次スライドの第1の一次スライド位置への移動が、駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退する、態様26に記載の方法。
【0031】
28.針取り扱い機構が、クロックばねと、クロックばねと結合されたフェースギアと、フェースギアと係合するように構成された爪と、をさらに備え、負荷ボタンの作動中に、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、フェースギアおよびクロックばねを第1の回転方向において回転式に巻き付けることによって、クロックばねに負荷することと、クロックばねに負荷した後に、爪をフェースギアとに係合させて、第1の回転方向とは反対の第2の回転方向において回転させすることによって、クロックばねが巻き戻ることを防止することと、投薬ボタンの作動中に、爪をフェースギアから係合解除させて、第2の回転方向において回転させすることによって、クロックばねが巻き戻ることを可能にすることと、クロックばねが所定の回転角だけ巻き戻るとき、ラッチを解放して、圧縮された第2の線形ばねからの付勢圧力の下で、二次スライドが第2の二次スライド位置から第1の二次スライド位置に移動することを可能にすることと、を含む、態様25~27のいずれかに記載の方法。
【0032】
29.針を保管および取り扱うためのデバイスであって、ハウジングと、駆動部材と、複数の針アセンブリを保持する針カートリッジであって、各針アセンブリが、針カートリッジ内その中の別個の後退位置に各針アセンブリが配置されている、た、針カートリッジと、1つ以上のばねと、ハウジングに結合された負荷ボタンであって、手動で作動されるように構成され、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、1つ以上のばねに負荷するように、かつばねに負荷し、針カートリッジを前進させ、そのため、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合上の整列から外れて移動かされ、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移上の整列に動かされる、負荷ボタンと、ハウジングに結合された投薬ボタンであって、負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、1つ以上の負荷されたばねを解放して、駆動部材を動作させ操作して、第2の針アセンブリを針カートリッジ内のその後退位置から注射位置に駆動するように構成されている、ハウジングに結合された投薬ボタンと、を備える、デバイス。
【0033】
30.デバイスが、駆動部材を動作させて第2の針アセンブリを注射位置まで駆動した後に、1つ以上のばねから解放されたエネルギを使用して第2の針アセンブリをその後退位置まで後退するようにさらに構成されている、態様29に記載のデバイス。
【0034】
31.針カートリッジが、複数のジュネーブホイール部材を含み、デバイスが、ジュネーブホイール部材と係合するように構成されたジュネーブホイールをさらに備え、ジュネーブホイールが、負荷ボタンの作動に応答して回転するように構成されており、ジュネーブホイールとジュネーブホイール部材との間の係合が、針カートリッジを回転させ、そのため、第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合から外れて移動され、第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移動される、態様29~30のいずれかに記載のデバイス。
【0035】
32.デバイスが、薬物流体を収容するように構成された薬物リザーバと、薬物リザーバと流体連通しているポンプと、をさらに備える、態様29~31のいずれかに記載のデバイス。
【0036】
33.デバイスが、駆動部材を動作させて第2の針アセンブリを注射位置まで駆動した後に、ポンプを駆動して、1つ以上のばねから解放されたエネルギを使用して、薬物リザーバから第2の針アセンブリを通じて薬物流体をポンプ圧送するように構成されている、態様32に記載のデバイス。
【0037】
34.ポンプが回転式プランジャポンプである、態様32~33のいずれかに記載のデバイス。
【0038】
35.ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、投薬ボタンの作動を防止するように構成されたロック解除ボタンをさらに備える、態様29~34のいずれかに記載のデバイス。
【0039】
36.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、駆動部材を動作させるように構成されている、態様29~35のいずれかに記載のデバイス。
【0040】
37.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、駆動部材を動作させ、第2の針アセンブリを後退するように構成されている、態様30~35のいずれかに記載のデバイス。
【0041】
38.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、駆動部材を動作させ、ポンプを駆動するように構成されている、態様33~35のいずれかに記載のデバイス。
【0042】
39.1つ以上のばね、負荷ボタン、投薬ボタン、駆動部材、および複数の針アセンブリを保持する針カートリッジを備え、各針アセンブリが、針カートリッジ内の後退位置に配置されている薬物送達デバイスを動作させるための方法であって、デバイスの負荷ボタンを作動することであって、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して針アセンブリを前進させて、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合から外れて移動され、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移動されるように、かつ、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して1つ以上のばねに負荷するように、作動することと、1つ以上の負荷されたばねを解放するために、負荷ボタンの作動後に、デバイスの投薬ボタンを作動することであって、1つ以上の負荷されたばねを解放することで、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギを使用して駆動部材を動作させて、第2の針アセンブリを針カートリッジ内のその後退位置から注射位置へ駆動する、作動することと、を含む、方法。
【0043】
40.1つ以上の負荷されたばねを解放することが、第2の針アセンブリを注射位置に駆動した後に1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギを使用して、第2の針アセンブリをその後退位置に後退する、態様39に記載の方法。
【0044】
41.針カートリッジが、複数のジュネーブホイール部材を備え、デバイスが、ジュネーブホイール部材と係合するように構成されたジュネーブホイールをさらに備え、ジュネーブホイールが、負荷ボタンの作動に応答して回転し、ジュネーブホイールとジュネーブホイール部材との間の係合が、針カートリッジを回転させ、それにより、第1の針アセンブリが、駆動部材との動作整合から外れて移動され、第2の針アセンブリが、駆動部材との動作整合するように移動される、態様39~40のいずれかに記載の方法。
【0045】
42.デバイスが、薬物流体を収容するように構成された薬物リザーバと、薬物リザーバと流体連通しているポンプと、をさらに備える、態様39~41のいずれかに記載の方法。
【0046】
43.1つ以上の負荷されたばねを解放することが、ポンプを駆動して、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギを使用して、第2の針アセンブリを通して薬物リザーバから薬物流体をポンプ圧送する、態様42に記載の方法。
【0047】
44.ポンプが回転式プランジャポンプである、態様42~43のいずれかに記載の方法。
【0048】
45.投薬ボタンをロック解除するためのロック解除ボタンの作動をさらに含む、態様39~44のいずれかに記載の方法。
【0049】
46.駆動部材を動作させるために、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが使用される、態様39~45のいずれかに記載の方法。
【0050】
47.駆動部材を動作させるため、かつ、第2の針アセンブリを後退させるために、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが使用される、態様40~45のいずれかに記載の方法。
【0051】
48.駆動部材を動作させるため、かつ、ポンプを駆動させるために、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが使用される、態様43~45のいずれかに記載の方法。
【0052】
49.薬物送達デバイスであって、ハウジングと、薬物流体を収容するように構成されたハウジング内の薬物リザーバと、薬物リザーバと流体連通するポンプと、複数の針アセンブリを保持する針カートリッジと、1つ以上のばねと、ハウジングに結合された負荷ボタンであって、手動で作動されるように構成され、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して1つ以上のばねに負荷し、針カートリッジを前進させ、そのため、複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、デバイス内の投薬位置から外れて移動され、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、投薬位置に移動される、負荷ボタンと、負荷ボタンの作動後に手動で作動されて、1つ以上の負荷されたばねを解放してポンプを駆動し、薬物流体を薬物リザーバから第2の針アセンブリを通じてポンプ圧送するように構成された、ハウジングに結合された投薬ボタンと、を備える、薬物送達デバイス。
【0053】
50.駆動部材をさらに備え、投薬位置が、駆動部材との動作整合にあり、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、1つ以上の負荷されたばねを解放して、駆動部材を動作させ、第2の針アセンブリを注射位置に駆動する、態様49に記載のデバイス。
【0054】
51.デバイスが、駆動部材を動作させて第2の針アセンブリを注射位置まで駆動した後に、1つ以上のばねから解放されたエネルギを使用して第2の針アセンブリを投薬位置に後退するようにさらに構成されている、態様50に記載のデバイス。
【0055】
52.ポンプが回転式プランジャポンプである、態様49~51のいずれかに記載のデバイス。
【0056】
53.ロック解除ボタンがロック解除構成に移動されるまで、投薬ボタンの作動を防止するように構成されたロック解除ボタンをさらに備える、態様49~52のいずれかに記載のデバイス。
【0057】
54.1つ以上のばねが、巻き戻された構成と巻き付けられた構成との間で移動可能な1つ以上のクロックばねを備え、負荷ボタンの作動が、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、1つ以上のクロックばねを巻き付けられた構成に移動することにより、1つ以上のクロックばねに負荷し、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、1つ以上のクロックばねを巻き戻された構成に動かしてポンプを駆動することにより、1つ以上のクロックばねを解放する、態様49~53のいずれかに記載のデバイス。
【0058】
55.1つ以上のばねが、それぞれが、軸方向に拡張された構成と軸方向に圧縮された構成との間で移動可能な1つ以上の線形ばねを備え、負荷ボタンの作動が、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、1つ以上の線形ばねを軸方向に圧縮された構成に動かし、負荷ボタンの作動後の投薬ボタンの作動が、1つ以上の線形ばねを軸方向に拡張された構成に動かして駆動部材を動作させることによって、1つ以上の線形ばねを解放する、態様50~54のいずれかに記載のデバイス。
【0059】
56.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用してポンプを駆動するように構成されている、態様49~55のいずれかに記載のデバイス。
【0060】
57.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用してポンプを駆動し、駆動部材を動作させるように構成されている、態様50~55のいずれかに記載のデバイス。
【0061】
58.デバイスが、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみを使用して、ポンプを駆動し、駆動部材を動作させて、第2の針アセンブリを後退するように構成されている、態様51~55のいずれかに記載のデバイス。
【0062】
59.薬物送達デバイスを操作するための方法であって、デバイスの負荷ボタンを作動することであって、負荷ボタンの作動を通じた仕事を使用してデバイスの針カートリッジを前進させ、そのため、針カートリッジ内に貯蔵された複数の針アセンブリの第1の針アセンブリが、デバイス内の投薬位置から外れて移動され、複数の針アセンブリの第2の針アセンブリが、投薬位置に移動されるように、かつ、負荷ボタンの作動によって行われた仕事を使用して、デバイス内に1つ以上のばねに負荷するように、作動することと、負荷ボタンの作動後にデバイスの投薬ボタンを作動することであって、1つ以上の負荷されたばねを解放し、1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギを使用してポンプを駆動して、デバイスの薬物リザーバから第2の針アセンブリを通じて薬物流体をポンプ圧送する、作動することと、を含む、方法。
【0063】
60.デバイスが駆動部材をさらに備え、投薬位置が、駆動部材との動作整合にあり、1つ以上の負荷されたばねを解放することが、駆動部材を動作させて、第2の針アセンブリを注射位置まで駆動する、態様59に記載の方法。
【0064】
61.1つ以上の負荷されたばねを解放することが、駆動部材を動作させて第2の針アセンブリを注射位置に駆動した後、第2の針アセンブリを投薬位置に後退する、態様60に記載の方法。
【0065】
62.ポンプが回転式プランジャポンプである、態様59~61のいずれかに記載の方法。
【0066】
63.投薬ボタンをロック解除するためのロック解除ボタンを作動することをさらに含む、態様59~62のいずれかに記載の方法。
【0067】
64.1つ以上のばねが、1つ以上のクロックばねを備え、1つ以上のばねに負荷することが、1つ以上のクロックばねを回転式に巻き付けることを含み、1つ以上の負荷されたばねを解放することが、1つ以上のクロックばねを巻き戻すことを可能にすることと、1つ以上の巻き戻しクロックばねによって解放されるエネルギを使用してポンプを駆動することと、を含む、態様59~63のいずれかに記載の方法。
【0068】
65.1つ以上のばねが、1つ以上の線形ばねを備え、1つ以上のばねに負荷することが、1つ以上の線形ばねを圧縮することを含み、1つ以上のばねを解放することが、1つ以上の線形ばねが拡張することを可能にすることと、1つ以上の拡張する線形ばねによって解放されたエネルギを使用して駆動部材を動作させることと、を含む、態様60~64のいずれかに記載の方法。
【0069】
66.1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが、ポンプを駆動するために使用される、態様59~65のいずれかに記載の方法。
【0070】
67.1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが、ポンプを駆動するため、かつ、駆動部材を動作させるために使用される、態様60~65のいずれかに記載の方法。
【0071】
68.1つ以上の負荷されたばねから解放されたエネルギのみが、ポンプを駆動して、駆動部材を動作させて、第2の針アセンブリを後退させるために使用される、態様61~65のいずれかに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本開示の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またより良好に理解されよう。
【
図1】いくつかの実施形態による、多目的薬物送達デバイスのシステムレベルの概要を提供するブロック図である。
【
図2】例示的な薬物送達デバイスの外観の上面斜視図を提供する。
【
図3】例示的な薬物送達デバイスの外観の底面斜視図を提供する。
【
図4】例示的な薬物送達デバイスの内部構成要素の上面図を提供する。
【
図5】例示的な薬物送達デバイスの内部構成要素の上面斜視図を提供する。
【
図6】例示的な薬物送達デバイスの分解された斜視図を提供する。
【
図7A】例示的な薬物送達デバイスの第1の断面斜視図を提供する。
【
図7B】例示的な薬物送達デバイスの第2の断面斜視図を提供する。
【
図8】例示的な薬物送達デバイスの内部構成要素の第1の上面斜視図を提供し、ここでは、簡素化と明確化のために特定の構成要素が省略されている。
【
図9】例示的な薬物送達デバイスの内部構成要素の第2の上面斜視図を提供し、ここでは、簡素化と明確化のために特定の構成要素が省略されている。
【
図10】例示的な薬物送達デバイスの内部構成要素の底面斜視図を提供する。
【
図11】いくつかの実施形態による、2次スライド構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図12】いくつかの実施形態による、1次スライド構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図13A】いくつかの実施形態による、投薬ボタンロック構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図13B】いくつかの実施形態による、投薬ボタンロック構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図14A】いくつかの実施形態による、ブロッカ構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図14B】いくつかの実施形態による、ブロッカ構成要素の詳細な拡大図を提供する。
【
図15A】ユーザが負荷ボタンを押すときの動作での例示的な薬物送達デバイスの一連の状態を示す。
【
図15B】ユーザが負荷ボタンを押すときの動作での例示的な薬物送達デバイスの一連の状態を示す。
【
図15C】ユーザが負荷ボタンを押すときの動作での例示的な薬物送達デバイスの一連の状態を示す。
【
図15D】ユーザが負荷ボタンを押すときの動作での例示的な薬物送達デバイスの一連の状態を示す。
【
図16A】例示的な薬物送達デバイスの負荷ボタンの押し下げによって起きる二次スライド構成要素の近位方向の動きを示す。
【
図16B】例示的な薬物送達デバイスの負荷ボタンの押し下げによって起きる二次スライド構成要素の近位方向の動きを示す。
【
図17A】例示的な薬物送達デバイス内のフェースギア構成要素の回転を示す。
【
図17B】例示的な薬物送達デバイス内のフェースギア構成要素の回転を示す。
【
図18A】例示的な薬物送達デバイスにおけるピニオンカプラ構成要素からの側方に面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図18B】例示的な薬物送達デバイスにおけるピニオンカプラ構成要素からの側方に面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図18C】例示的な薬物送達デバイスにおけるピニオンカプラ構成要素からの側方に面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図19A】例示的な薬物送達デバイスにおけるギア構成要素からの下向きに面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図19B】例示的な薬物送達デバイスにおけるギア構成要素からの下向きに面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図19C】例示的な薬物送達デバイスにおけるギア構成要素からの下向きに面するスライドラック構成要素の係合解除を示す。
【
図20A】例示的な薬物送達デバイスを患者の身体に押し付けると、どのように投薬ボタン構成要素をロック解除するかを示す。
【
図20B】例示的な薬物送達デバイスを患者の身体に押し付けると、どのように投薬ボタン構成要素をロック解除するかを示す。
【
図21A】投薬ボタン構成要素を押すと、どのように一次スライド構成要素を解放し、例示的な薬物送達デバイス内で近位方向に並進するかを示す。
【
図21B】投薬ボタン構成要素を押すと、どのように一次スライド構成要素を解放し、例示的な薬物送達デバイス内で近位方向に並進するかを示す。
【
図22A】一次スライド構成要素の近位並進が、どのように例示的な薬物送達デバイスへの針の挿入を駆動するかを示す。
【
図22B】一次スライド構成要素の近位並進が、どのように例示的な薬物送達デバイスへの針の挿入を駆動するかを示す。
【
図23A】例示的な薬物送達デバイス内での投薬ボタン構成要素、ブロッカ構成要素、およびラッチアセンブリ構成要素の間の相互作用を示す。
【
図23B】例示的な薬物送達デバイス内での投薬ボタン構成要素、ブロッカ構成要素、およびラッチアセンブリ構成要素の間の相互作用を示す。
【
図23C】例示的な薬物送達デバイス内での投薬ボタン構成要素、ブロッカ構成要素、およびラッチアセンブリ構成要素の間の相互作用を示す。
【
図24A】投薬ボタンの作動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内のフェースギア構成要素の巻き戻しを解放するかを示す。
【
図24B】投薬ボタンの作動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内のフェースギア構成要素の巻き戻しを解放するかを示す。
【
図24C】投薬ボタンの作動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内のフェースギア構成要素の巻き戻しを解放するかを示す。
【
図25A】フェースギア構成要素の巻き戻しが、どのように例示的な薬物送達デバイス内のスライドラッチ構成要素を解放するかを示す。
【
図25B】フェースギア構成要素の巻き戻しが、どのように例示的な薬物送達デバイス内のスライドラッチ構成要素を解放するかを示す。
【
図25C】フェースギア構成要素の巻き戻しが、どのように例示的な薬物送達デバイス内のスライドラッチ構成要素を解放するかを示す。
【
図26A】スライドラッチ構成要素の解放が、どのように例示的な薬物送達デバイスに内の二次スライド構成要素および一次スライド構成要素の遠位移動を解放するかを示す。
【
図26B】スライドラッチ構成要素の解放が、どのように例示的な薬物送達デバイスに内の二次スライド構成要素および一次スライド構成要素の遠位移動を解放するかを示す。
【
図26C】スライドラッチ構成要素の解放が、どのように例示的な薬物送達デバイスに内の二次スライド構成要素および一次スライド構成要素の遠位移動を解放するかを示す。
【
図27A】一次スライド構成要素の遠位移動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内での挿入された針の後退を駆動するかを示す。
【
図27B】一次スライド構成要素の遠位移動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内での挿入された針の後退を駆動するかを示す。
【
図27C】一次スライド構成要素の遠位移動が、どのように例示的な薬物送達デバイス内での挿入された針の後退を駆動するかを示す。
【
図28】薬物ポンプの1つの可能性にある実施形態を示す。
【
図30A】薬物ポンプの実施形態内の回転式プランジャ構成要素の異なるプロファイル図を示す。
【
図30B】薬物ポンプの実施形態内の回転式プランジャ構成要素の異なるプロファイル図を示す。
【
図30C】薬物ポンプの実施形態内の回転式プランジャ構成要素の異なるプロファイル図を示す。
【
図30D】薬物ポンプの実施形態内の回転式プランジャ構成要素の異なるプロファイル図を示す。
【
図31】薬物ポンプの実施形態内の回転式プランジャ構成要素の斜視図を示す。
【
図32】薬物ポンプの実施形態のポンプハウジング構成要素の斜視図を示す。
【
図33】薬物ポンプハウジング構成要素の切断図を示す。
【
図34A】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる切断図を示す。
【
図34B】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる切断図を示す。
【
図34C】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる切断図を示す。
【
図34D】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる切断図を示す。
【
図35A】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる上面切断図を示す。
【
図35B】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる上面切断図を示す。
【
図35C】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる上面切断図を示す。
【
図35D】動作中の薬物ポンプの実施形態の異なる上面切断図を示す。
【0073】
複数の図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の例示的な実施形態を例示し、そのような例示は、いかようにも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本開示は、針カートリッジの割り出し、針の挿入、針の後退、投薬ボタンのロック解除、リザーバから患者への流体経路の形成、およびポンプ圧送などのステップを実行するためにユーザによって行われた仕事の結果としてエネルギを貯蔵する薬物送達デバイスに関する。
【0075】
本開示の一態様によれば、本明細書で開示されるデバイスは、第1の作動ステップ(例えば、ボタンを押すことによる)において、ユーザによって行われる作用を使用して、1つ以上のばねに負荷し、針保持カートリッジの割り出しを行う。ユーザによる第2の作動ステップは、1つ以上のされたばね(例えば、線形圧縮ばね)を解放して、針を患者の皮下/筋肉内組織に打ち込む。このステップはまた、1つ以上の負荷されたばね(例えば、1つ以上のコイル状のクロックばね)を解放してギアトレインを駆動し、その出力トルクがポンプ(例えば、回転式プランジャポンプ)を回転させる。このポンプは、次にリザーバから流体を引き出し、それを患者に送達する。投薬の終了時に、1つ以上の負荷されたばねからのさらなるエネルギが解放されて針を後退し、デバイスをリセットする。身体上の感知ボタンと関連付けられたロック機構は、デバイスを機械的にロックアウトすることによって、ユーザが、第2の作動ステップを誤ってトリガする可能性を低減し、デバイスが患者の身体に押し付けられるまでユーザが第2の作動ステップをトリガすることを防止する。
【0076】
本明細書に開示されるデバイスは、使用時にユーザによって充填され(例えば、デバイスが使用されるときにユーザがデバイスの薬物リザーバを充填する)、使用時に組み立てられ(例えば、ユーザが、デバイスが使用されるときに事前に充填された薬物リザーバを組み立てる)、または事前に充填されて事前に組み立てられる(例えば、事前に充填されて事前に組み立てられてユーザにデバイスが提供される)ように構成され得る。
【0077】
図1は、いくつかの実施形態による、例示的な多目的薬物送達デバイス100のシステムレベルの概要を提供するブロック図である。デバイス100は、負荷ボタン102、投薬ボタン104、および任意選択的な身体上の感知ボタン106を含む。
【0078】
デバイス100はまた、薬物リザーバ150を含む。リザーバ150は、薬物を貯蔵するように構成された剛性またはエラストマの容器であり得る。デバイス100は、リザーバ150内に貯蔵された薬物をさらに含み得る。別の実施形態では、システムは、デバイス100および薬物を含む1つ以上のデバイスを含み得る。「薬物」という用語は、限定するものではないが、デバイスによって送達することが可能な、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、デュラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体、およびデバイス100によって送達することが可能な任意の治療薬を含む1つまたは複数の治療薬を指す。デバイス内で使用される薬物は、1つ以上の賦形剤と共に処方され得る。デバイスは、本明細書に全般的に記載されている方法で患者、介護者、または医療専門家によって操作されて人に薬物を送達する。
【0079】
デバイス100はまた、ポンプ180も含む。ポンプ180は、リザーバ150から流体薬物を引き出し、流体経路を通って患者の体内に前述の流体薬物を送達する任意の好適なポンプを備え得る。好適なポンプ180の一例は、回転式プランジャポンプである。好適なポンプの他の例には、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプ、回転ベーンポンプ、およびスクリューポンプが含まれる。
【0080】
デバイス100はまた、複数の針アセンブリを保持する針カートリッジ300を含む。カートリッジ300内の個々の針アセンブリは、注射針と支持ハブを含み得、支持ハブは、前述の針を保持し、挿入/後退機構によって針アセンブリを個別に取り扱うことを可能にする把持面および/または押し出し面を提供する。各針アセンブリは、1回の注射に使用するように構成され得る。針アセンブリが使用された後、針アセンブリは、針カートリッジ300内に後退され得る。カートリッジ300内のすべての針アセンブリが使用された後、カートリッジ全体が交換および/または廃棄され得る。デバイス100のいくつかの使い捨ての実施形態では、一度カートリッジ300内のすべての針が使用されると、全体的なデバイス100が廃棄され得る。
【0081】
デバイス100はまた、針挿入/後退機構500を備え、これは、ユーザによって作動されると、機構500と動作整合したカートリッジ300内の個々の針アセンブリを後退位置から注射位置に駆動し、次いで、注入が完了した後に前述の個々の針アセンブリを注射位置から後退位置に戻して後退する。機構500は、個々の針アセンブリを駆動と後退の両方を行う単一のハンマーまたはアームを備えることができ、代替的に、機構500は、複数のハンマー/アームを備えることができ、それらのうち1つ/いくつかが、針アセンブリを駆動し、また、それらのうち1つ/いくつかが、針アセンブリを後退する。デバイス100はまた、カートリッジ割り出し機構400を備え、これは、作動されると、カートリッジ300を前進させるか、または割り出しして、消費済みまたは使用済みの針アセンブリを機構500との動作整合から外すように動かし、新たな未使用の針アセンブリを機構500との動作整合に位置付ける。
【0082】
デバイス100は、リザーバ150内に貯蔵された流体薬物を患者の体内に注射するためにユーザによって使用され得る。本明細書で使用される場合、「ユーザ」とは、例えば、デバイス100のボタンを押すことによって、および/または注射のために患者の体に対してデバイスを配置することによって、デバイス100を操作する人物を指すことができる。「患者」とは、注射を受けている人物を指し得る。いくつかの実施形態では、「ユーザ」および「患者」は、例えば、デバイスが患者によって自身を注射するために使用されるとき、同じ人物であり得る。いくつかの実施形態では、「ユーザ」および「患者」は、例えば、デバイスが患者に注射するために介護者によって使用される場合、異なる人物であり得る。
【0083】
デバイス100は、最初に負荷ボタン102を押してデバイスを「負荷」することにより、ユーザによって操作され得る。ユーザが負荷ボタン102を押すとき、ボタン102を押す際にユーザによって行われた仕事は、エネルギ伝達、貯蔵、および解放機構200によって捕捉および/または収集される。機構200は、ギア、ギアトレイン、スライドラック、ピニオンカプラ、ワイヤ、および/または他の機械式リンク機構などの1つ以上の機械式構成要素を含み得、これらは、ユーザによって行われた仕事をデバイス100の他の部分に移す。例えば、ユーザによって行われた仕事は、カートリッジ300を前進または割り出しするカートリッジ割り出し機構400に移され得る。機構200はまた、1つ以上のばね(例えば、リニアばね、トーションばね、クロックばねなど)を備え得、これらはユーザによって行われた仕事をデバイス100の他の部品を駆動するために後の時点で放出され得る位置エネルギとして貯蔵する。
【0084】
負荷ボタン102が押された後、ユーザは、投薬ボタン104を押すことによって、注射を開始するようにデバイスをトリガすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、投薬ボタン104は、ユーザがそれを押し下げることができないように、最初はロックされている。投薬ボタン104は、例えば、ボタンまたは別のロック解除構成要素によって、その後ロック解除することができる。そのような実施形態では、ユーザは、ロック解除ボタン106を作動させることによって、投薬ボタン104をロック解除することができる。例えば、ユーザは、自身の指でロック解除ボタン106を押すことができる。代替的に、ユーザは、注射の準備において、デバイス100を患者の体に押し付けることによって、ロック解除ボタン106(例えば、ロック解除ボタン106は、身体上の感知ボタン106の形態を採る)を作動させることができる。そのような実施形態では、デバイス100が患者の体に押し付けられると、ロック解除ボタン106が押し下げられ、これにより、投薬ボタン104をロック解除する。本開示の残りの部分は、身体上の感知ボタン106に言及しているが、これはデバイス100の一実施形態にすぎないことを理解されたい。ボタン106の主要な機能は、投薬ボタン104のロックを解除することであり、ボタン106は、身体上の感知ボタンの形態を採る必要はない。
【0085】
その後にユーザが投薬ボタン104を押すと、針挿入/後退機構500を駆動して、個々の針アセンブリを注射のために挿入するために、エネルギ伝達、貯蔵、および解放用の機構200によって(例えば、1本以上のばねによって)貯蔵された位置エネルギが解放される。機構200によって貯蔵されたエネルギはまた、ポンプ180を駆動して、液体薬物をリザーバ150から挿入された針アセンブリを通って患者にポンプ圧送するために解放される。他の実施形態では、針アセンブリの駆動に加えて、またはそれとは別に、駆動された針アセンブリが、注射が完了した後にデバイス内に戻して後退することができる。例えば、注射が完了した後、機構200によって貯蔵された追加のエネルギが解放されて、針挿入/後退機構500を駆動して、挿入された針アセンブリをカートリッジ300内に後退する。いくつかの実施形態では、電気エネルギ(例えば、電池、電気モータ)または化学エネルギ(例えば、燃料セル、内燃機関、燃料貯蔵リザーバ、または熱またはガスを生成する化学反応のための反応チャンバ)を変換または貯蔵するための手段は必要とされない。代わりに、カートリッジ300を割り付けること、針を挿入および後退すること、ならびに薬物をポンプ圧送すること、を含む、デバイス100を駆動するために必要とされるすべてのエネルギが、ユーザによって提供される。
【0086】
図2および
図3は、例示的なデバイス100の外観の(それぞれの)上面および底面の斜視図を提供する。説明を簡単にするためだけに、
図2~
図27A、
図27B、および
図27Cは、矢印201によって示されるx、y、z方向の系を使用する。
【数1】
記号はページから出てくる矢印を表し、一方でページから出てくる矢印を表し、
【数2】
記号はページに入る矢印を表する。明細書および特許請求の範囲において、「上」、「上向き」、「上側」、または「上部」方向への言及は、正のz方向を意味するものとし、「下」、「下向きへ」、「下側」、または「下部」方向への言及は、負のz方向を意味するものとし、「近位」方向への言及は、負のx方向を意味するものとし、「遠位」方向への言及は、正のx方向を意味するものとし、「左」方向への言及は、正のy方向を意味するものとし、「右」方向への言及は、負のy方向を意味するものとし、「水平」面への言及は、x-y面を意味するものとし、「垂直」面への言及は、必要に応じて、x-z面またはy-z面を意味するものとする。
【0087】
デバイス100は、デバイスの内部構成要素を収容する上部ハウジング101および下部ハウジング103を備える。負荷ボタン102はデバイスの遠位端から突出し、投薬ボタン104は上部ハウジング101から上方に突出し、一方で身体上の感知ボタン106(例えば、ロック解除ボタン106)は下部ハウジング103から下方に突出する。下部ハウジング103はまた、針開口108(
図3を参照)を画定し、患者に挿入されるときに、それを通って針アセンブリの針が突出することができる。
【0088】
図4、
図5、および
図6は、上部ハウジング101が取り外されたときのデバイス100の内部構成要素を示す。
図4は、デバイス100の上面図を提示し、
図5は、デバイス100の斜視図を提示し、
図6は、デバイス100の分解された斜視図を提示している。
【0089】
図4~
図6に示される実施形態では、カートリッジ300は、概ね平面状の上面301およびほぼ平面状の底面303を有する円形カルーゼルの形態を採ることができる(
図6を参照)。カートリッジ300は、カートリッジの中心の垂直軸を通って上面から下面に延在する中央シャフト310を有する。中央シャフト310は、下部ハウジング103の内面から垂直に上方に延在する中央スピンドル302を収容するように構成され得る(
図6を参照)。中央スピンドル302が中央シャフト310を通って挿入されるとき、カルーゼル300は、中央スピンドル302を中心に回転するように構成される。カルーゼル300は、複数のキャビティ304a、b、cなど(本明細書では、集合的に、または個別に適宜に「キャビティ」または「(複数の)キャビティ」304と称される)を画定する。各キャビティ304は、中央シャフト310からカートリッジの半径方向の周囲に向かって半径方向外向きに延在し、上面301の開口部および底面303の開口部を含む。
【0090】
各キャビティ304は、針アセンブリ306a、b、c(本明細書では、必要に応じて、集合的または個別に「針アセンブリ」または「(複数の)針アセンブリ」306と称される)を収容する。針アセンブリ306の1つの例示的な実施形態が、
図22Aおよび22Bに示されている。この実施形態では、針アセンブリ306は、J字型の針またはカニューレ312を含み、これは、以下に説明するように、薬物中隔182を貫通し、そこから流体薬物を引き出すように構成された第1のレッグセグメント324と、薬物を注射するために患者の体内に打ち込むように構成された第2のレッグセグメント326と、を有している。針312は、針支持ベース316を有する支持ハブ314内に保持される。針312を保持および支持することに加えて、針支持ベース316はまた、棚状突起328を装着する。針支持ベース316はまた、先端にタング322を備える直立アーム部品320を装着する。カートリッジ300、キャビティ304、および/または針アセンブリ306に関する追加の詳細は、2011年11月17日に出願された「NEEDLE CARTRIDGE FOR MEDICATION INJECTION DEVICE」と題する米国特許第9,149,578号にさらに記載されており、その内容全体が、明確に参照として本明細書に組み込まれている。
【0091】
図4~
図6に戻ると、カートリッジ300は、断続的な回転駆動装置を含む。例えば、カートリッジ300は、以下でさらに詳細に説明するように、カートリッジ300を割り出しし、一度に1増分ずつ前進させるためにジュネーブホイール410と相互作用する複数のジュネーブホイール部材308a、b、c(本明細書では、必要に応じて、集合的または個別に「ジュネーブホイール部材」または「(複数の)ジュネーブホイール部材」308と称される)を含む。各ジュネーブホイール部材は、カートリッジ300から水平方向平面内で半径方向外向きに延在する実質的に平面の部材を含む。それぞれのジュネーブホイール部材は、中央シャフト310から離れたそのようなそれぞれのホイール部材の最も遠い範囲に、垂直方向の、凹状の、弧状の壁309(
図5を参照)を備え得る。ジュネーブホイール部材がジュネーブホイール410と整列すると、この垂直の、凹状の壁309は、ジュネーブホイール410の内側ハブ411に嵌合する(
図5を参照)。ジュネーブホイール410は、ジュネーブホイール410の水平方向平面から垂直方向上向きに延在するジュネーブピン412をさらに含む。隣接するジュネーブホイール部材のすべてのペア(例えば、308aおよび308b)は、ジュネーブピン412が嵌合し得る前述のホイール部材間のギャップを画定する。
【0092】
この実施形態ではエラストマ容器の形態を採るリザーバ150(
図6において最もよく見える)は、薬物を収容するように構成される。リザーバ150は、薬物が事前充填されてユーザに提供され得るか、またはユーザによって充填されるように構成され得る。この実施形態でのポンプ180(
図6にも最もよく見られる)は、回転式プランジャポンプの形態を採っている。好適な回転式プランジャポンプの例は、「ROTARY PLUNGER PUMP SUBSYSTEMS」と題される、2019年8月26日に出願された米国特許仮出願第62/891,600号で開示されており、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている。以下でさらに詳細に考察されるように、液体薬物をリザーバ150から薬物中隔182に向けてポンプ圧送するためにポンプ180が駆動され得、そこで、薬物が個々の針内に押し込まれ、そこから患者に押し込まれることができる。
【0093】
図5~
図6に示されたエネルギ伝達、貯蔵、および解放機構200は、二次スライド202、一次スライド210、ラッチ216、投薬ボタンロック224、ブロッカ226、フェースギア230、ギア232、234、235、238、および240を含むギアトレイン、ならびにラッチアセンブリ250を含む。ここで、これらの構成要素の各々について順に考察する。
【0094】
二次スライド202は、1つ以上の中間機械的構成要素(例えば、ギア、ロッド、ワイヤなど)を介して、負荷ボタン102に取り付けられるか、または機械的に結合される。スライド202は、以下でさらに詳細に説明するように、二次スライド遠位位置と二次スライド近位位置との間でデバイス100のx軸に平行にスライド可能に移動するように構成される。
図11は、二次スライド202の一実施形態のより詳細な図を提供する。この実施形態では、二次スライド202は、その長軸がデバイス100のx軸と整列している中空かつ実質的に矩形の形状の部材の形態を採る。スライド202は、第1の左壁201、第2の右壁203、底壁205、遠位壁207、左壁201と右壁203の本体部分の間に画定された上が開いたチャネル209、および左壁201と右203の端部との間でスライドの近位端で画定された開いた近位チャネル211を含む。スライド202はまた、遠位壁207から延在する負荷ボタン支持体213を含み、これは、1つ以上の中間構成要素を介して負荷ボタン102に取り付けられるか、または機械的に結合されるように構成される。二次スライド202はまた、スライド202の左壁201から水平方向外側に延在するロックタブ206と、スライド202の右壁203から水平方向外側に延在する圧縮タブ208と、を含む。二次スライド202は、チャネル209内にばね204(
図4~
図6を参照)を収容する。ばね204の遠位端は、遠位壁207の内面に当接し、ばね204の近位端は、上部ハウジング101の内面から下向きに延在するタブ(図示せず)に当接する。
【0095】
図8は、異なる角度からのデバイス100の斜視図を示している。簡素化と明確化のために、特定の構成要素は、
図8のデバイス100のビューから除外されている。
図8に示されるように、二次スライド202はまた、1つ以上のスライドラック(2つが示されている)である、下向きスライドラック241および横向きスライドラック243を含む。下向きスライドラック241は、二次スライド202の左壁201から水平方向外側に(すなわち、スライド202の+y側に)突出し、ギア232(以下でより詳細に説明する)と相互作用する下向き(すなわち、-z方向)に面する歯を有する。横向きスライドラック243は、二次スライド202(左壁201の近位端部分に結合して示されている)の近位端から近位に突出し、+y方向に面する歯を有する。以下でより詳細に説明するように、横向きスライドラックからの歯は、ピニオンカプラ406の歯408と相互作用する。
【0096】
図4~
図6に戻ると、一次スライド210は、以下でさらに詳細に説明するように、一次スライド遠位位置と一次スライド近位位置との間でデバイス100のx軸と平行にスライド可能に移動するように構成される。
図12は、一次スライド210の一実施形態のより詳細な図を提供する。この実施形態では、一次スライド210は、中空かつ実質的に矩形形状の部材の形態を採り、デバイス100のx軸と整列している長軸を同様に有する。一次スライド210は、第1の左壁215、第2の右壁217、底壁219、遠位壁221、近位壁225、および左壁217と右壁215の本体部分の間に画定された上が開いたチャネル223を備える。一次スライド210はまた、スライド210の右壁217(すなわち、-y側)から水平方向に外側に延在する係止タブ214と、近位壁225から近位に延在する一対のフィン227と、を備える。左壁215と右壁217は、それを通って横方向(y方向)に延在するスロット211を画定し、フィン227は、それを通って横方向(y方向)に延在するチャネル220を画定する。デバイス100が完全に組み立てられると(
図4~
図6を参照)、二次スライド202の圧縮タブ208は、スロット211を通り、また一次スライド210の内部容積を通り延在するように構成される。一次スライド210はまた、そのチャネル223内にばね212も収容する。ばね212の遠位端は、二次スライド202の圧縮タブ208の近位面に当接し、ばね212の近位端は、一次スライド210の近位壁225の内面に当接する。
【0097】
ラッチ216は、軸229を中心に水平平坦面内で回転するように構成され、ラッチタブ218を備える。ラッチ216が(上から見たとき)反時計回り方向に回転するとき、過回転防止機構(ばね222として示される)は、ラッチ216が過回転するのを防ぎ、また、ラッチ216を時計回り方向に中立位置に(すなわち、
図4~
図5に示されるような)戻るように付勢し、そこでは、ラッチ216の長軸はデバイス100のx軸に平行になる。過回転防止機構はまた、上述のように機能するように構成されたばねを備えたピンまたはプレートを含み得る。
【0098】
投薬ボタンロック224は、他の構成要素と相互作用して、身体上の感知ボタン106が押し込まれるまで、ユーザによる投薬ボタン104の押し下げを防止する。投薬ボタンロック224は、
図13Aおよび
図13Bにおいて、より詳細に示されている。この実施形態では、ロック224は、ピンスロット244を画定する垂直パネル232を備える。スロット244は、+x/+z方向に斜めに延在することができる。ロック224はまた、例えば、直交するように、垂直パネル232から延在する水平パネル237を備える。水平パネル237は、+x方向に延在する別のピンスロット247を画定する。水平パネル237はまた、水平パネル237の遠位端から垂直パネル232を越えて延在する、水平平坦面と整列した実質的に平坦なタブの形態を採るブロッカ部材236を備える。部材236はまた、垂直パネル232を越えて-y方向に横方向に延在するように示されている。
【0099】
図7Aは、平面1-1に沿って切断したときのデバイス100の断面斜視図を提供し(
図4~
図5を参照)、デバイス100が完全に組み立てられたときに投薬ボタンロック224が、身体上の感知ボタン106といかに相互作用するかを最もよく示す。明確化のために、下部ハウジング103は透明にレンダリングされている。身体上の感知ボタン106は、下部ハウジング103内に画定されている感知ボタンキャビティ120の中と外に上下に並進することができる。ボタン106はまた、垂直感知ボタンシャフト116を備え、その周りは、感知ボタンばね114によって同軸に囲まれている。ばね114の上端は、キャビティ120の内面に当接し、ばね114の下端は、ボタン106の内部の上面に当接する。ばね114は、ボタン106をキャビティ120の外に下向きに付勢する。ユーザがデバイス100の底側を自身の身体に押し付けると、ユーザの押付力は、ばね114の付勢力に打ち勝ち、ボタン106をキャビティ120内へ上方に並進させる。押付力が除去されると、ばね力は、ボタン106が付勢されて出た位置に戻ることを可能にする。ピン118は、シャフト116の左側から水平方向に延在するように構成される。デバイス100が組み立てられると、ピン118は、投薬ボタンロック224のピンスロット244内に乗るように構成される。以下でさらに詳細に考察されるように、ピン118と投薬ボタンロック224のピンスロット244との相互作用により、ボタン106がキャビティ120内へ上方に押し上げられると、投薬ボタンロック224が近位方向に(すなわち、-x方向に)並進する。
【0100】
図4~
図6に戻ると、ブロッカ226は、投薬ボタンロック224と相互作用して、投薬ボタン104がロック解除されるまで、すなわち、身体上の感知ボタン106が押し下げられるまで、ユーザが投薬ボタン104を押し下げることを防止する。投薬ボタン104がロック解除されて押し下げられると、ブロッカ226はまた、ラッチアセンブリ250(以下でさらに詳細に説明される)と相互作用して、機構200によって貯蔵されたエネルギを解放する。ブロッカ226は、
図14Aおよび
図14Bでさらに詳細に描かれている。この実施形態では、ブロッカ226は、3つの部分、すなわち、ブロックタブ242、ボタン座部239、およびアーム275を備える。ボタン座部239は、デバイス100の水平平面に平行に配向された実質的に平面の表面または部材(この実施形態では、円形の形状を有するが、他の形状も可能である)の形態を採る。ブロックタブ242は、ボタン座部239の左側(すなわち、+y側)に取り付けられ、座部239から離れる+y/+z方向の両方に延在するデバイス100の垂直平面に平行に配向された実質的に平面の表面または部材の形態を採る。アーム275はまた、タブ242から円周方向に間隔を置いてボタン座部239に取り付けられ、概ね+x方向に延在している。アーム275は、その遠位端に配置され、+y方向に延在するフィン232を備える。フィン232は、上面260、底面262、近位面266、および遠位面268を備える。
図14Bにおいて最もよく見られるように、上面260および底面262は、斜めに角度が付けられており、つまり、これらは、-x/+z方向に配向された平面に平行になっている。
【0101】
図7Bは、平面2-2に沿って切断されたときのデバイス100の斜視断面図を提供する(
図4~
図5を参照)。
図7Bおよび
図6の両方は、デバイス100が完全に組み立てられたときに、いかにブロッカ226が投薬ボタン104と相互作用するか、かつ、いかに投薬ボタンロック224と相互作用するかを最もよく描いている。
図6に示されているように、ユーザが身体上の感知ボタン106をまだ押し下げていないとき、投薬ボタンロック224のブロッカ部材236は、ブロッカ226のボタン座部239の下に配置される。ブロッカ226のボタン座部239の下のブロッカ部材236の位置が、ブロッカ226が下向きに並進するのを防ぐ。以下でさらに詳細に考察されるように、ユーザが身体上の感知ボタン106を上向きに押すとき、ピン118と投薬ボタンロック224のピンスロット244との間の相互作用が、投薬ボタンロック224を近位方向(すなわち、-x方向)に並進するようにさせ、ブロッカ部材236が、ボタン座部239を外し、それにより、ブロッカ226のロック解除し、ブロッカ226が下向きに並進できるようにする。
【0102】
投薬ボタン104は、上部ハウジング101内に画定されている投薬ボタンキャビティ121の中へ、またはそこを出るように上下に並進することができる(
図7Bを参照)。投薬ボタン104は、垂直投薬ボタンシャフト112を備え、これはブロッカ226と結合されており、ボタン104とブロッカ226が共に上下に並進するようになっている。
図7Bに示される実施形態では、投薬ボタンシャフト112は、ねじを使用してブロッカ226と結合されているが、任意の好適定的取り付け方法(例えば、熱かしめ、一方向スナップなど)を使用することができる。投薬ボタンばね110は、投薬ボタンシャフト112を同軸に包囲している。ばね110の上端は、ボタン104の底面に当接し、一方で、ばね110の下端は、投薬ボタンキャビティ121の内部の上方に面する表面に当接する。ばね110は、ボタン104(およびボタン104に取り付けられているブロッカ226)を上向きに付勢する。ユーザがボタン104を押し下げると、シャフト112は、ボタン104の下向きの押し下げ力をブロッカ226のボタン座部239に伝達する。前述のようにブロッカ226がロック解除されると、ユーザの下向きの押し下げ力が、ボタン104およびブロッカ226(ボタン座部239を含む)を下向きに並進させる。
【0103】
機構200はまた、フェースギア230と、ギア232、234、235、238、および240を含むギアトレインと、を含み、これらの各々が、
図6で最もよく見える。フェースギア230は、複数の上向きの歯231を含む円形状ギアの形態を採る。フェースギア230は、クロックばね228に結合されている。フェースギア230およびクロックばね228の両方は、水平平面に平行に配置され、中心軸233を中心に回転するように構成される。クロックばね228は、中心軸233を中心としたフェースギア230の回転運動に抵抗する。言い換えると、中心軸233を中心に第1の回転方向にフェースギア230を回転させると、クロックばね228に張力が加えられ、これにより、クロックばね228内に位置エネルギが貯蔵される。フェースギア230は駆動ギア240と相互作用し、次に、ギア232と相互作用し、それを駆動する。ギア232はまた、ギア235と回転式に結合する小さいギア234と相互作用し、それを駆動し、ギア234とギア235が共に回転するようになっている。次に、ギア235は、ポンプ180に回転トルクを提供するギア238と相互作用する。ギアの数、ギアと歯の相対的サイズ、および構成は、ポンプを駆動するために必要な回転速度とトルクを提供するように選択され得る。
【0104】
図9および
図10は、フェースギア230とクロックばね228の追加のより詳細な図、およびそれらがラッチ216といかに相互作用するかを提供する。
図9は、上面斜視図を提供し、ここでは、フェースギア230およびクロックばね228を露出するために、特定の構成要素(例えば、スライド202、210、ブロッカ226、投薬ボタンロック224、およびラッチアセンブリ250)が取り外されており、また、
図10は、底面斜視図を提供し、ここでは、フェースギア230の底側をよりよく見るために、底部ハウジング103が透明にレンダリングされている。
図9で見えるように、フェースギア230の上面は、複数のノッチ270a、b、c、d、e(本明細書では、必要に応じて、集合的または個別に「ノッチ」または「(複数の)ノッチ」270と称される)を規定する。
図9に描かれたフェースギア230の実施形態は、5つのノッチ(ノッチ270cは、
図9のギア240の下に隠されている)を規定する一方で、フェースギア230が、より少ないか、またはより多いノッチを規定する他の実施形態も可能である。ノッチは互いに放射状に間隔を置いて示されており、等半径に間隔を空けられ得る。各ノッチは、
図23Aを参照して以下でさらに詳細に説明されるように、爪256を収容するように形状化されている。
図10において最もよく見えるように、フェースギア230はまた、複数のフィン272a、b、c、d、e(本明細書では、必要に応じて、集合的または個別に「(複数の)フィン」または「フィン」272と称される)を備える。繰り返するが、
図9および
図10に描かれているフェースギア230の実施形態は、5個のフィンを備えるが、フェースギア230がより少ないか、またはより多いフィンを備える他の実施形態も可能である。フィンは互いに半径方向に間隔を置いて示されており、等半径に間隔を空けられ得る。各フィンは、フェースギア230の外周から水平平面内で半径方向外向きに延在し、傾斜した前縁および直線状後縁を備えている。図示されているように、フィンは、ノッチから半径方向にオフセットされ得る。
図10において最もよく見えるように、ラッチ216は、ラッチタブ218の水平平面からフェースギア230の水平平面まで下向きに延在する下向きに延在するアーム274をさらに備える。以下でさらに詳細に考察されるように、各フィン272は、フェースギア230が、そのようなフィン272がアーム274と整列する位置に回転するときに、それらが、アーム274を半径方向外側に押して変位させるように、サイズ設定および配置される。
【0105】
ラッチアセンブリ250は、
図4~
図5のデバイス100の遠位右隅に見え、
図23A~Cにさらに詳細に示されている。ラッチアセンブリは、ラッチアセンブリ250を底部ハウジング103に固定するラッチ支持体254を備える。ラッチ支持体254は、第1の端部255および第2の端部257を有する。支持体254の第1の端部255は、底部ハウジング103の内面に取り付けられ、一方で、支持体254の第2の端部257は、ラッチピン252および爪256を支持する。ラッチピン252および爪256の両方は、軸264を中心に水平平面内で回転することができる。トーションV字型ばね258は、ラッチピン252と爪256との間に配置され、両方の構成要素に結合され、軸264を中心とするラッチピン252の回転も爪256に回転力を与えるように、かつ、その逆になるようになっている。デバイス100が完全に組み立てられると、以下でさらに詳細に説明するように、ラッチピン252は、ブロッカ226のフィン232と相互作用するように構成され、爪256は、フェースギア230と相互作用するように構成される。
【0106】
カートリッジ割り出し機構400は、
図4~
図5に描かれている。機構400は、歯408を有するピニオンカプラ406を含み、歯は、ラック243が直線状に並進されるときに、側面に面するスライドラック243の歯と相互作用し、回転するように駆動される。ピニオンカプラ406は、ジュネーブホイール410と回転結合されており、ピニオンカプラ406の回転が、ジュネーブホイール410の回転を駆動するようになっている。ジュネーブホイール410は、第1の円周を有する実質的に平面ディスクとして、かつ、前述の平面ディスクの上に積み重ねられた第1の円周よりも小さい第2の円周を有する内側ハブ411として形状化され得る。ジュネーブピン412は、平面ディスクの上面から垂直に上向きに延在している。ジュネーブピン412は、
図4において最もよく見られるように、隣接するホイール部材間のギャップ内に嵌合することによって、カートリッジ300のジュネーブホイール部材308と相互作用する。
【0107】
針の挿入/後退機構500が、
図4~
図6、ならびに
図22Aおよび
図22Bに描かれている。機構500は、駆動部材またはハンマー502を備える。以下でさらに詳細に考察されるように、ハンマー502の近位端は、ヘッド503を含み、ヘッドは、動作整合したハンマー502と係合するカートリッジ300内の針アセンブリ306と相互作用する。ハンマー502の遠位端は、ピン504および506を含む(
図22Aおよび
図22Bを参照)。デバイス100が完全に組み立てられると、ハンマー502は、ピン506を中心に回転するように構成され、ピン506は、上部ハウジング101または下部ハウジング103のいずれかに固定される(
図22Aおよび
図22Bには示されていない)。デバイス100が組み立てられると、ハンマー502のピン504はまた、一次スライド210のフィン227内に画定されたチャネル220内に入るように構成される(
図5を参照)。したがって、一次スライド210の近位または遠位への並進は、ハンマー502のピン504に力を加え、したがって、ハンマー502をピン506中心に回転させる。
【0108】
ここで、デバイス100の動作について説明する。
図15A~
図15Dは、いくつかの実施形態による、動作中のデバイス100の一連の状態を描いている。
図15Aは、ユーザが負荷ボタン102を押し下げ始める前の、初期中立状態にあるデバイス100を示している。この中立状態にある間、二次スライド202のばね204は、スライド202を遠位方向に付勢してストップに当たる(例えば、二次スライド202の表面が、上部ハウジング101または下部ハウジング103内のストップに当たるか、または圧縮タブ208の遠位表面が、一次スライド210の遠位壁221に当たるとき)。デバイス100のこの初期中性状態における二次スライド202の位置は、本明細書では二次スライド遠位位置と称される。同様に、この中立状態にある間、一次スライド210のばね212は、スライド210が上部ハウジング101または下部ハウジング103(図示せず)内のストップに当たるまで、スライド210を遠位方向に付勢する。デバイス100のこの初期中立状態における一次スライド210の位置は、本明細書では一次スライド遠位位置と称される。ジュネーブピン412は、最初に、カートリッジ300の2つのジュネーブホイール部材308との間で係合され、
図15Aにおいて308aおよび308bとラベル付けされている。
【0109】
図15Bは、矢印606によって示されるように、ユーザが負荷ボタン102に近位方向に力を加え始めたときに何が起こるかを描いている。負荷ボタン102を近位方向に移動させると、二次スライド202がデバイス100のx軸に平行な近位方向に並進し、これにより、ばね204を、上部ハウジング101の内面から下向きに延在するタブ(図示せず)に対して圧縮する。二次スライド202の圧縮タブ208もまた、一次スライド210内で近位方向に並進し、これにより、一次スライド210の近位壁225の内面に対してばね212を圧縮する。このようにして、近位方向への二次スライド202の動きは、ばね204とばね212の両方を圧縮する。二次スライド202が近位方向に並進すると、ロックタブ206は、最終的にラッチ216のラッチタブ218を押し付ける。ロックタブ206とラッチタブ218の両方は、傾斜面を備え、これらは共に押されると、
図15Cの矢印608によって示されるように、ラッチ216を軸229を中心に(上から見たときに)反時計回りに回転させる。最終的に、二次スライド202が近位方向に並進し続けると、ロックタブ206はラッチタブ218をクリアし、その時点で、
図15Dの矢印610に示すように、ラッチ216は、ばね222の付勢圧力により軸229を中心に時計回りに(上から見た場合)回転する。
図15Dに描かれるように、ラッチタブ218は、ロックタブ206の後方の(すなわち、遠位の)所定の位置にスライドし、これにより、二次スライド202が遠位に並進するのを防止する。
図15Dに示される二次スライド202の位置は、本明細書では、二次スライド近位位置と称される。
【0110】
二次スライド202の近位の動きはまた、
図15B~Dの矢印604によって示されるように、側面に面するスライドラック243を近位方向に並進させる。側面に面したスライドラック243の歯とピニオンカプラ406の歯408との間の係合により、側面に面したスライドラック243の近位の動きは、矢印602で示すようにピニオンカプラ406を(上から見たときに)時計回りに回転させる。ピニオンカプラ406とジュネーブホイール410との間の回転結合により、ジュネーブホイール410も矢印602の方向に回転する。ジュネーブホイール410の回転は、
図15Bに示すように、ジュネーブピン412が、ピン412が最初に係合した2つのジュネーブホイール部材308a、308bの間のギャップから係合解除されるようにする。ジュネーブホイール410が回転し続けると、ピン412は、
図15Dに示すように、カートリッジ300の2つのジュネーブホイール部材(308b、308c)の間に定義された次のギャップと時計回りに再係合する。ジュネーブホイール部材間の次のギャップ内でのピン412のこの解放および再係合により、矢印612で示されるように、カートリッジ300は、反時計回り方向(上から見た場合)に1増分前進または割り付けすることができる。ピン412が再係合状態にあるとき、ピン412は、カートリッジが回転しないようにその位置を維持し、ジュネーブホイール410は、
図18Cに描かれているように、側面に面するラック243が歯408から係合解除されているので、それ以上回転することができない。
【0111】
図15A~Dによって描かれた一連の状態の終わりまでに、負荷ボタン102を押す際にユーザによって行われた仕事は、圧縮されたばね204および212に貯蔵された位置エネルギに変換されている。この位置エネルギは、二次スライド202が遠位方向に並進してばねを解放するのを防止するラッチタブ218によって解放されることが防止される。この位置エネルギはまた、一次スライド210が近位方向に並進するのを防止するブロッカ226によって解放されることが防止される(以下に説明するように)。ユーザによって行われた仕事はまた、カートリッジ300を1つの増分で割り付けするため、または1つの増分で前進させるためにも使用されており、これにより、1つの消費済みまたは使用済みの針アセンブリが、駆動部材またはハンマー502との動作整合から外れ、新規の未使用の針アセンブリをハンマー502との動作整合に配置する。
【0112】
図16Aおよび
図16Bは、デバイス100の+y側からの負荷ボタン102の押し下げによって生じる二次スライド202の近位方向の動きを示している。
図16Aは、負荷ボタン102が押される前の、中立状態にあるデバイス100の状態を示している。
図16Bは、矢印606によって示されるように、ユーザがボタン102を押し下げるときのボタン102の近位方向の動きを示している。ボタン102の近位方向の動きは、二次スライド202が近位方向に並進し、これは、次いで下向きのスライドラック241も(スライドラック241が二次スライド202に装着されているため)近位方向に並進させる。下向きのスライドラック241の下向きの歯とギア232との間の係合により、下向きのスライドラック241の近位方向の動きは、ギア232を矢印614によって示される方向に回転させる。
【0113】
図17Aおよび17Bは、ギア232を矢印614の方向に回転させた結果を示している。明確化のために、特定の構成要素(例えば、一次スライド210および薬物リザーバ150)は、他の構成要素の動きをよりよく示すために描かれていない。ギア232と240との間の係合により、ギア232が矢印614の方向に回転運動することで、ギア240を矢印616の方向に回転させる。ギア240を矢印616の方向に回転すると、次に、フェースギア230が矢印618の方向に回転するように駆動する。フェースギア230が矢印618の方向に回転すると、クロックばね228に張力が加えられる。先で考察されるように、フェースギア230は、その上面に複数のノッチ270を規定する。フェースギア230が矢印618の方向に回転すると、これらのノッチ270のうちの1つが、最終的に、ラッチアセンブリ250の爪256と整列する。この整列が行われると、爪256は、トーションV字型ばね258の付勢圧力の下でノッチ270内にスライドし、これにより、フェースギア230が矢印618によって示される方向に逆行して回転することを防止する。
【0114】
図16A~Bおよび
図17A~Bによって描かれる一連の状態の終了までに、負荷ボタン102を押す際にユーザによって行われる仕事もまた、クロックばね228の回転張力に貯蔵された位置エネルギに変換されている。この位置エネルギは、フェースギア230とクロックばね228が巻き戻されるのを防止するためにフェースギア230のノッチ270のうちの1つと相互作用する爪256によって解放されるのが防止されている。
【0115】
カートリッジ300が、(上述の
図15A~Dで説明したように)1増分前進された後、かつ、フェースギア230が、(上述の
図16A~Bおよび
図17A~Bで説明したように)回転されロックされた後、側面に面するスライドラック243は、ピニオンカプラ406の歯408から係合解除され得、下向きに面するスライドラック241は、ギア232から係合解除され得る。歯408からの側面に面したラック243の係合解除が
図18A~Cに示されており、これらは、デバイス100の上面図を描いている。明確化のために、二次スライド202は、その下にある構成要素を表示するために破線を使用して透明にレンダリングされている。この図から明らかなように、側面に面したスライドラック243および下向きに面したスライドラック241の両方が、共通のスライドラックプラットフォーム249に装着されている。スライドラックプラットフォーム249は、デバイス100の水平平面にあり、次に、二次スライド202の下に装着される実質的に平面構造である。プラットフォーム249は、水平平面において+x/+y方向に対角線上に延在する2つのスライドラックスロット245a、245bを画定する。二次スライド202の底壁205から下向きに延在する2つの下面ピン274a、274bは、それぞれ、スライドラックスロット245a、245bに嵌合する。
【0116】
図18Aは、デバイス100の初期の中立状態を示しており、ここでは、二次スライド202が、その最も遠い遠位範囲(すなわち、
図15Aのような二次スライド遠位位置に)に配置されている。
図18Bでは、二次スライド202は、前述のように、ユーザが負荷ボタン102を押し下げることに応答して、矢印604の方向に近位方向に並進する。二次スライド202が近位方向に並進すると、下側ピン274a、274bは、スライドラックスロット245a、245bの近位縁部に係合し、これにより、プラットフォーム249、下向きのスライドラック241、および側面に面するのスライドラック243も近位方向に並進する。二次スライド202が、その近位並進を完了すると、プラットフォーム249は、近位方向にスライドし続けることができ、下側ピン274a、274bが、
図18Cに示すように、スライドラックスロット245a、245bの遠位端に係合するようになっている。スライドラックスロット245a、245bは、+x/+y方向に斜めに延在することから、プラットフォーム249の-x方向へのこの継続的な近位並進が、プラットフォーム249もまた、矢印607によって示されるように、ピニオンカプラ406から半径方向に離れて-y方向に並進させる。この-y方向における並進は、側面に面するスライドラック243の歯のピニオンカプラ406の歯408からの係合解除を生じさせる。
【0117】
図19A~Cは、異なる角度からのデバイス100の同じ一連の状態を示しており、下向きに面するスライドラック241がギア232からいかに係合解除するかを最もよく示している。
図18Aと同様に、
図19Aは、デバイス100の初期中立状態を示している。
図19Bは、前述のように、ユーザが負荷ボタン102を押し下げることに応答して、下向きに面するスライドラック241がいかに近位方向に(矢印605によって示されるように、-x方向に)並進するかを示す。前述のように、かつ、
図18Cに示されているように、プラットフォーム249が-x/-y方向に並進すると、下向きに面するスライドラック241も、
図19Cの矢印609によって示されるように、-x/-y方向に並進する。これにより、下向きに面するスライドラック241の歯をギア232の歯から係合解除させる。
【0118】
負荷ボタン102を押すことによってデバイス100が負荷され、スライドラック241、243が、ギア232とピニオンカプラ406からそれぞれ係合解除された後、デバイス100は、注射のために患者の身体上に置かれる準備が整う。
図20Aは、デバイス100が負荷された後であるが、患者の身体に押し付けられる前のデバイス100の構成を示している。この構成では、投薬ボタンロック224のブロッカ部材236は、ブロッカ226の下に位置付けられ、これにより、ブロッカ226が下向きに並進するのを防止する。このことが、ユーザが、デバイス100を時期尚早にトリガすることを防止する。
図20Bは、ユーザがデバイス100を患者の身体に押し付けたときに何が起こるかを示している。デバイス100を患者の体に押し付けると、身体上の感知ボタン106に上向きの力が加えられ、これが感知ボタンばね114の下向きの付勢圧力に打ち勝ち、ボタン106を感知ボタンキャビティ120の中に矢印620の方向で上方に並進させる。身体上の感知ボタン106が上方に移動すると、ピン118は、前述のように、投薬ボタンロック224のピンスロット244内に乗る。垂直パネル232のピンスロット244は、+x/+z方向に傾斜して延在することから、ピンスロット244内でピン118を上向きに移動させると、投薬ボタンロック224も矢印622で示されているように近位方向(すなわち、-x方向)に並進する。投薬ボタンロック224が近位方向に並進すると、ブロッカ部材236は、ブロッカ226をクリアし、これにより、ブロッカ226が下向きに(すなわち、矢印624の方向に)並進することを可能にする。このことが、投薬ボタン104をロック解除し、これにより、デバイス100の注射準備が整う。
【0119】
図21Aは、デバイスが患者の身体に押し付けられた後であるが(したがって、投薬ボタン104をロック解除する)、投薬ボタン104が押し下げられる前のデバイス100の構成を示している。この状態では、ブロッカ226のブロックタブ242は、一次スライド210のロックタブ214の前に位置付けられ、これにより、一次スライド210が-x方向で近位方向に並進することを防止する。先で考察されるように、一次スライド210のこの位置は、本明細書では一次スライド遠位位置と称される。
図21Bは、ユーザが投薬ボタン104を押し下げたときに何が起こるかを示している。投薬ボタン104が、矢印624の方向に下向きに押し下げられると、ユーザによってもたらされる下向きの力が、投薬ボタンばね110の上向きの付勢圧力に打ち勝ち、ボタン104が下向きに並進するようにする。ボタン104上での下向きの力は、投薬ボタンシャフト112を介してブロッカ226に伝達される。このことが、ブロッカ226も同様に矢印626の方向で下向きに並進させる。ブロッカ226が下向きに並進すると、ブロックタブ242は、一次スライド210のロックタブ214をクリアし、これにより、一次スライド210が矢印628の方向で(すなわち、-x方向で)近位に並進することを可能にする。ばね212は、(前述のように)二次スライド202の圧縮タブ208の近位移動によって以前に圧縮されているので、ブロックタブ226がロックタブ214をクリアすると、一次スライド210は、荷重されたばね212によって近位に推進される。一次スライド210がその最大近位範囲に並進したときの位置は、本明細書では一次スライド近位位置と称される。
【0120】
図22A~Bは、デバイス100のプロファイル図を提供し、一次スライド210の近位方向の動きが、カートリッジ300内の針アセンブリ306を後退位置から注射位置にいかに駆動するかを示している。
図22Aは、ユーザが投薬ボタン104を押す前のデバイス100の構成を示している。この状態では、針アセンブリ306は、カートリッジ300のキャビティ304内の後退位置に配置されている。一次スライド210がばね212によって前方に推進されると、一次スライド210は、ハンマー502のピン504に矢印630の方向で近位方向の力を加える。この近位方向の力は、ピン506を中心に矢印631の方向でハンマー502を回転させる。ハンマー502が矢印631の方向で回転すると、ハンマーヘッド503は、ハンマー502と動作整合しているカートリッジ300内の針アセンブリ306の棚部328を押し下げ、これにより、
図22Bに示すように、その針アセンブリを注射位置へ矢印632の方向で下向きに駆動する。針アセンブリ306が下向きに並進すると、針312の第1の脚セグメント324は、薬物中隔182を貫通し、針312の第2の脚セグメント326は、下部ハウジング103内の針開口108から下向きに突出し、患者の皮膚、また患者の体内へ穿刺する。このようにして、針アセンブリ306がその注射位置にあるとき、針312は、薬物中隔182から患者の体内への流体経路を確立する。針アセンブリが注射位置に配置されると、ばね212の付勢力が、一次スライド210を近位方向に付勢し、これにより、(以下に説明するように)針アセンブリが後退されるまで、ハンマーヘッド503に棚部328に下向きの圧力を維持させる。これにより、針アセンブリが、患者の体内および薬物中隔182内で適切な深さを維持することを確実にする。
【0121】
一次スライド210をロック解除することに加えて、ブロッカ226の下方への並進はまた、フェースギア230をロック解除するためにラッチアセンブリ250も駆動する。ブロッカ226とラッチアセンブリ250との間の相互作用は、
図23A~Cに最もよく描かれている。
図23Aは、ユーザが投薬ボタン104を押し下げる前の、ラッチアセンブリ250に対するブロッカ226の空間的位置を示している。この初期位置では、ブロッカ226のフィン232は、ラッチアセンブリ250のラッチピン252のすぐ上に位置付けられている。ユーザがボタン104を押し下げるとき、ブロッカ226が下向きに駆動されるので、フィン232の底面262は、ラッチピン252に接触する。底面262は、-x/+z方向に斜めに角度を付けているので、底面262の下向きの動きは、ピン252を、矢印638によって示される方向で軸264を中心に水平に回転させる(
図23Bおよび23Cを参照)。ピン252が矢印638の方向で回転すると、トーションV字型ばね258は、回転トルクを爪256上に矢印640の方向で(再び軸264を中心に)伝達する。
【0122】
図24A~Cは、ブロッカ226とラッチアセンブリ250との間の相互作用を別の角度から示している。
図24Aは、ユーザが負荷ボタン102を押し下げてデバイスを負荷した後であるが、ユーザがボタン104を押し下げる前のデバイス100の状態を示している。この状態では、負荷ボタン102を押し下げる際にユーザによって行われた仕事は、フェースギア230に結合されたコイル状のクロックばね228内に位置エネルギの形態で貯蔵されている。しかしながら、フェースギア230およびクロックばね228は、フェースギア230上に規定されたノッチ270のうちの1つの中に嵌合する爪256によって巻き戻しが防止される。ユーザが投薬ボタン104を押すと、ボタン104は矢印624の方向で下向きに並進する。ボタン104にかかるこの下向きの力は、ブロッカ226も下向きに並進させ、先で考察されるように、ラッチピン252が矢印638の方向で回転し、また爪256が矢印640の方向で回転する。矢印640の方向における爪256の回転は、爪256がノッチ270か係合解除されて、これにより、
図24Bに示されるように、フェースギア230およびクロックばね228が、矢印642の方向で巻き戻すことを可能にする。
【0123】
図23Cに戻って参照すると、ユーザが、負荷ボタン104を下向きに押し続け、かつ、ブロッカ226が、下向きに並進し続けると、ラッチピン252は、最終的にフィン232の底面262との接触から離れ、代わりにフィン232の近位表面266と接触する。この時点で、ラッチピン252は、矢印638の方向における回転を停止する。ブロッカ226が下向きの並進を続けると、フィン232の全体が、ラッチピン252の下に滑り込むので、ラッチピン252は近位表面266をクリアする。ユーザがボタン104を下向きに押さえるのを停止したとき、ボタン104およびブロッカ226は、投薬ボタンばね110の付勢圧力により、再び上向きに上昇する。この時点で、ラッチピン252は、フィン232の上面260に接触する。フィン232の上面260もまた、-x/+z方向に斜めに角度が付けられているので、上面260は、ここでラッチピン252を軸264を中心に反対方向に、すなわち矢印644の方向に回転させる。ピン252が矢印644の方向で回転すると、トーションV字型ばねは、爪256の回転トルクを矢印646の方向で伝達する。
【0124】
図25A~
図25Cは、デバイス100を下から見た図であり、下部ハウジング103は、フェースギア230の巻き戻しがラッチ216をどのようにアンラッチするかをよりよく示すために透明にレンダリングされている。
図25Aは、爪256がフェースギア230のノッチ270のうちの1つから係合解除されて、フェースギア230およびクロックばね228が矢印642の方向に巻き戻し始めた後のデバイス100を描いている。フェースギア230およびクロックギア228が巻き戻されている間、針挿入/後退機構500は、先で考察されるように、かつ
図22A~Bに示されるように、針アセンブリ306を注射位置へと駆動する。また、フェースギア230が巻き戻される間、フェースギアは、ギア240、232、234、235、および238の回転を駆動する(
図6を参照)。次に、ギア238の回転は、ポンプ180への回転入力を提供し、リザーバ150から中隔182および駆動された針312を通って患者内へポンプ180に液体薬物をポンプ圧送させる。
【0125】
図28から
図35A~
図35Dは、ポンプ180の1つの可能性のある実施形態を示している。ポンプ180は、装着フレーム602と、回転駆動シャフト604と、回転プランジャ802と、ポンプハウジング702と、リターンばね624と、を含む。フレーム602の第1の端部は、回転駆動シャフト604を支持し、これは、次に、回転プランジャ802に接続されている。回転駆動シャフト604は、ギア238に接続され得、これはポンプ180への回転入力を提供し、この入力が、
図29に示されるように、回転駆動シャフト604を矢印705の方向(例えば、時計回り方向)で長手方向軸701を中心に回転させる。
【0126】
図30A~
図30Dおよび
図31は、いくつかの実施形態による、回転プランジャ802をより詳細に描いている。
図30A~
図30Dは、4つの別個の側面図からのプランジャ802を描いており、一方で、
図31は、斜視図を提供する。プランジャ802は、湾曲した円筒形の側壁820によって接続された第1の端部812および第2の端部814を有する実質的に円筒形の細長い本体を備える。プランジャピン804は、プランジャ802の側壁820から半径方向外向きに突出し、それに堅固に固定され得る。いくつかの実施形態では、ピン804および側壁820は、1つの一体構造部品から形成され得、他の実施形態では、ピン804は、側壁820の中に接着、接合、挿入、または成形される、別個の部品であり得る。図示されるように、ピン804は、プランジャ802の第1の端部812に隣接して配列され得る。しかしながら、ピンは、プランジャ802の長さに沿った任意の点で配列され得る。
図31において最もよく分かるように、プランジャ802は、第2の端部814に隣接して配置されている切り欠き810によって画定され得る、縮小された断面領域の部分を含み得る。切り欠き810は、側壁820の下に凹み、プランジャ802の円筒形側壁820から内向きに段付きになったリップ818に接続された実質的に平面の長手方向部分816によって画定される。部分816およびリップ818は、横断的関係で交差し得る。一実施形態において、切り欠き810の平面部分816は、第1の半径方向に面し、ピン804は、切り欠き配置の第1の半径方向に垂直である、第2の半径方向に延在する。
【0127】
プランジャ802は、ポンプハウジング702内に受容されている。ハウジング702の1つの例示的な実施形態は、
図32および
図33にさらに詳細に示されており、
図32は、ハウジング702の斜視図を提供し、
図33は、線3-3に沿って切断されたときのハウジング202の断面図を提供する。ハウジング702は、オレフィンプラスチック(例えば、環状オレフィンコポリマおよび/またはポリプロピレン)などの任意の好適な、かつ比較的剛性のある材料から構築され得る。ハウジング702とプランジャ802との間の接合面は、シリコーンオイルなどの適切な医薬品容器潤滑剤で潤滑することができる。
【0128】
ハウジング702は、3つのセクションである、第1のセクション708と、中間セクション710と、第3のセクション712とを備え、それぞれが共通の軸701に沿って配置されている。第1のセクション708は、角度付きピントラック718を画定する、側壁722を備える。ピントラック718は、角度が付いており、トラック718によって画定される平面が長手方向軸718に垂直ではないが、トラック718の第1の端部754が、中間セクション710からトラック718の反対側の第2の端部750よりも遠くなるように角度的にオフセットされるようになっている。第2の端部750は、上向き傾斜部分752および下向き傾斜部分756を介してトラック718の第1の端部754に接続されている。第1のセクション708はまた、プランジャ802を受容して支持する2つのタブ710a、710bを備える。
【0129】
中間セクション710は、側壁724と、側壁724から半径方向外向きに突出する1つ以上の軸方向稜線部714とを備える。1つ以上の稜線部714は、ハウジング702の第3のセクション712に向けて配向された半径方向内向き段付き部716を有する。
図33において最もよく示されるように、側壁724は、開いた第1の端部760および閉鎖した第2の端部762を有する軸701に沿って内部にキャビティ730を画定する。側壁724はまた、半径方向に延在するアームによって画定されるように示される、入口ポート726および出口ポート728を画定する。一実施形態において、ポート726、728は、異なる半径方向に配向されている。一実施形態において、ポート726、728は、長手方向軸701に直交して延在する横軸703に沿って反対方向に(例えば、互いに180度の角度間隔で)延在するように配向されている。入口ポート726および出口ポート728は、側壁724を通過し、キャビティ730と流体連通している。ダクトは、液密シールでアームに配列されて示されている。入口ポート726は、入口ダクト704に流体的に接続され、一方で、出口ポート728は、出口ダクト706に流体的に接続されている。ポンプサブシステムの動作中、流体は、入口ポート726/入口ダクト704を通ってキャビティ730の中に吸い込まれ、出口ポート728/出口ダクト706を通って排出される。
【0130】
図32に戻ると、ハウジング702の第3のセクション712は、第1のセクション708および中間セクション710と比較して、より小さな断面領域を有する実質的に円筒形本体を備える。第3のセクション712はまた、他の形状の形態を採り得る。リターンばね724は、第3のセクション712の周りに巻き付けられ得、ばね624の第1の端部が、1つ以上の稜線部714の内向き段付き部716に当接し、ばね624の第2の端部が、装着フレーム602(
図28を参照)上のレセプタクル内に当接および/または受容されるようになっている。このように装着されたリターンばね624は、ハウジング702に対する付勢圧力を提供する。
【0131】
プランジャ802がハウジング702内に受容されると、プランジャ802は、キャビティ730内で長手方向軸701を中心に回転するように構成される。プランジャ802はまた、キャビティ730内で長手方向軸701に沿って長手方向に並進するように構成される。リターンばね624の付勢圧力は、プランジャ802がキャビティ730内で回転している間に、ピントラック718が、プランジャピン804の下側に常に当接および/または係合するようにする。プランジャ802がキャビティ730内に受容されるとき、切り欠き810を画定する表面(すなわち、表面816、818)およびキャビティ730の内壁(すなわち、側壁724の内面)は、共に作用チャンバ902を画定し(
図34A~
図34Dを参照)、この作用チャンバは、プランジャがキャビティ内で動くと、ポートと流体連通せず、次いで入口ポートと流体連通し、次いでポートと流体連通せず、次いで出口ポートと流体連通し、これが繰り返されて、順次行われる。
【0132】
動作中、ギア238からの回転入力は、駆動シャフト604に回転力を提供する。この回転力は、シャフト604とプランジャ802を長手方向軸701を中心に矢印705の方向に回転させる(
図29、
図34A~
図34Dを参照)。プランジャ802がキャビティ802内で回転すると、プランジャ802およびハウジング702は、
図34A~
図34D、および
図35A~
図35Dに描かれる一連の構成を通って連続的に移動する。
図34A~
図34Dの各々は、線3-3に沿ったポンプサブシステム108の側面断面図を示す。
図35A~35Dの各々は、線4-4に沿ったポンプサブシステム108の上面断面図を示す。明確化のために、プランジャピン804の位置は、
図35A~
図35Dのファントムで輪郭化されている。
【0133】
図34Aおよび
図35Aでは、プランジャ802は、プランジャピン804が
図34Aおよび
図35Aにおいて左を向くように回転される。プランジャピン304がこの方向に向けられると、ばね624は、ピン804をピントラック718の最も低い部分(すなわち、第2の端部750)に係合させ、これにより、プランジャ802を、キャビティ730内でハウジング702に対して最も遠い位置に長手方向に並進させる。プランジャ802がこの最も遠い位置にある間、プランジャ802の遠位端814は、キャビティ730の閉鎖端762と接触する(またはキャビティ730の閉鎖端762の近くに位置する)ようになり得、作用チャンバ902が、
図34A~
図34Dおよび
図35A~
図35Dに描かれた4つの構成のうちのいずれかのうちで最小容積を有するようになっている。また、プランジャ802がこの最も遠い位置にある間、切り欠き810は、
図34Aではページの外に配向されて、
図35Aでは下向きに配向されている。前述のように、切り欠き810およびキャビティ730の内壁(すなわち、側壁724の内面)は、作用チャンバ902を画定する。切り欠き810がそのように配向されると、プランジャ802の湾曲した側壁820は、入口ポート726および出口ポート728をそれぞれ取り囲む側壁724の内面を堅固に押し付け、両方のポートを遮断する流体密封止を確立する。その結果、作用チャンバ902は、この構成にある間、いずれのポートとも流体連通していない。
【0134】
図34Bおよび
図35Bでは、プランジャ802が回転されて、プランジャピン804が、
図34Bではページに中に向けられて、
図35Bでは上向きに向けられるようになっている。プランジャピン804がこの方向に向けられると、ばね624は、ピン804をピントラック718の上方に傾斜する部分752に係合させる。これにより、プランジャ802が回転すると、プランジャ802がハウジング702を出て長手方向に並進し、これにより、作用チャンバ902の容積が増加する。また、この構成では、切り欠き810は、
図34Bおよび
図35Bでは左側に配向されて、これにより、作用チャンバ902と入口ポート726との間の流体連通を開く。開いた流体連通および作用チャンバ902の増加する容積は、ピン804が回転すると、流体が、入口ポート726から作用チャンバ902内に吸引されるようにする(または、流体が薬物リザーバに圧力下で貯蔵される場合、流体が作用チャンバ902に入ることを可能にする)。
【0135】
図34Cと
図35Cでは、プランジャ802は回転されて、
図34Cと
図35Cにおいて、プランジャピン804が右を向くようになる。プランジャピン804がこの方向に向けられるとき、ばね624は、ピン804がピントラック718の最も高い部分(すなわち、第1の部分754)を係合するようにして、これにより、プランジャ802が、キャビティ730を出て、ハウジング702に対して最も遠い位置に長手方向に並進することを可能にする。この構成にあるとき、プランジャ802の遠位端814は、キャビティ730内の最も浅い位置に配置されて、作用チャンバ902が、
図34A~
図34Dおよび
図35A~
図35Dに示される4つの構成のいずれかの最大容積にあるようになっている。また、この構成にあるとき、切り欠き810は、
図34Cではページ内へ、または
図35Cでは上方に配向される。切り欠き802がそのように配向されると、プランジャ802の湾曲した側壁820は、入口ポート726および出口ポート728の両方に対して流体密封止を再び確立することになり、このことは、作用チャンバ902がいずれのポートとも流体連通していないことを意味する。
【0136】
図34Dおよび
図35Dでは、プランジャ802が回転されて、プランジャピン804が、
図34Dではページに外に向けられ、
図35Dでは下向きに向けられるようになっている。プランジャピン804がこの方向に向けられると、ばね624は、ピン804をピントラック718の下向きに傾斜する部分756に対して係合させる。これにより、プランジャ802が回転すると、プランジャ802はハウジング702内に長手方向に並進し、これにより、作用チャンバ902の容積は減少する。また、この構成では、切り欠き910は、
図34Dおよび
図35Dにおいて、右に配向されて、これにより、作用チャンバ902と出口ポート728との間の流体連通を開く。開いた流体連通および作用チャンバ902の減少する容積が、ピン804が回転すると、流体が、作用チャンバ902から出口ポート728を通って放出されるようにする。この構成では、プランジャ802の湾曲した側壁820は、内向きにオフセットされたセグメント732を緊密に押し続け、これにより、入口ポート726をブロックする流体密封止を維持する。
【0137】
完全なポンプサイクルは、
図34A~
図34Dおよび
図35A~
図35Dで上述した4つの構成で構成される。ポンプ180の動作および/または構成に関するさらなる詳細について、または使用され得るポンプ180の代替的な実施形態については、「ROTARY PLUNGER PUMP SUBSYSTEMS」と題される、2019年8月26日に出願されて、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第62/891,600号を参照されたい。
【0138】
ここで、ポンプ180の動作が説明されたので、注目を
図25A~Cに戻すことにする。所定時間の後(薬物が患者にポンプ圧送されている間)、フェースギア230は、最終的に、そのフィン272の1つが、ラッチ216のアーム274と整列する位置へと回転する。フィン272の傾斜した前縁は、アーム274と接触するようになり、これにより、
図25Bに示されるように、ラッチ216を押して、矢印644の方向に回転させる。これにより、以下に説明するように、ラッチ216が二次スライド202をロック解除する。ギア232が回転し続けると、フィン272は、最終的に、ラッチ216のアーム274をクリアし、ラッチ216は、ばね222の付勢圧力の下で、矢印646の方向で、その中立位置に戻って動く。
【0139】
図26A~Cは、デバイス100の状態の
図25A~Cと同じシーケンスを示しており、スライド202と210が、ラッチ216のロック解除に応答していかに動くかを、上からより良く示している。
図26Aは、爪256が係合解除されて、フェースギア230が巻き戻しを開始した後であるが、ラッチ216がロック解除される前のデバイス100を示している。この状態では、ラッチ216のラッチタブ218は、二次スライド202のロックタブ206の遠位に位置付けられ、これにより、二次スライド202が、ばね204の付勢圧力の下で遠位に並進するのを防止している。
図26Bでは、ラッチ216は、矢印644の方向で回転し、これにより、ロックタブ206をクリアする。このことが、二次スライド202が、圧縮されたばね204の付勢圧力のために、矢印648の方向で(すなわち、+x方向で)遠位方向に並進することを可能にする。二次スライド202が遠位方向に並進すると、圧縮タブ208は、一次スライド210の遠位壁221に接触し、一次スライド210もまた、矢印650の方向(すなわち、+x方向)で遠位方向に並進する。最終的に、ラッチ216は、ばね222の付勢圧力の下で、矢印646の方向に回転して中立位置(
図26C)に戻る。しかしながら、ロックタブ206は、ここでは、ラッチタブ218に対して遠位にあるので、その中立位置に戻るラッチ216の回転は、二次スライド202がストップに当たるまで遠位に並進するのを止めない。
図26Cに示されるように、二次スライド202は、最終的にその二次スライド遠位位置に戻るように並進し、一次スライド210は、最終的にその一次スライド遠位位置に戻るように並進する。
【0140】
図27A~Cは、一次スライド210の遠位移動が、どのように針挿入/後退機構500に針312を後退させるかをより良く示すために側面から見た
図25A~Cおよび
図26A~Cと同じ、デバイス100の状態のシーケンスを示している。
図27Aは、爪256が係合解除されて、フェースギア230が巻き戻しを開始した後であるが、ラッチ216がロック解除される前のデバイス100を示している。この状態では、針アセンブリ306はその注射位置にあり、ハンマー502のヘッド503は、針アセンブリ306の棚部328と接触している。
図27Bでは、一次スライド210は、遠位方向に並進し始め、これにより、ハンマー502をピン506を中心に矢印654の方向に回転させる。ハンマー502のこの回転により、ヘッド503は、針アセンブリ306のタング322の下側に接触し、針アセンブリ全体を矢印652の方向に上方に引っ張る。この上向きの動きは、針アセンブリ306をその注射位置からその後退位置に後退させる。特に、針312の第1の脚セグメント324は、薬物中隔182から引き出されて、第2の脚セグメント326は、患者の体から引き出されて、これにより、薬物中隔182と患者の体との間の流体経路を遮断する。一次スライド210が遠位方向に並進し続け、ハンマー502がピン506を中心に矢印654の方向に回転し続けると、
図27Cに示すように、ハンマー502のヘッド503は、最終的に針アセンブリ306のタング322から係合解除される。
【0141】
「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次」、「二次」などの用語は、発明を実施するための形態または特許請求の範囲で使用されるかにかかわらず、類似の要素を区別するために提供され、必ずしも連続的なまたは時系列の順序を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で交換可能であり(特に明確に開示されていない限り)、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載または図示されているもの以外の他のシーケンスおよび/または配置で動作可能であることを理解されたい。
【0142】
本発明は例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本発明は、本開示の範囲内でさらに修正され得る。したがって、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、または適応を包含することが意図される。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知のまたは慣習的な実施内にある、本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
【0143】
例えば、いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、複数の針アセンブリを保持する針カートリッジを含まなくてもよく、代わりに、デバイスは単一の針アセンブリのみを含むことができる。このようなデバイスは、複数回の使用のためではなく、1回のみの使用のために構成することができる。この単一の針アセンブリは、上で考察される挿入/後退機構を使用して挿入および/または後退されるように構成することができる。
【0144】
上述の実施形態の少なくともいくつかでは、ユーザが負荷ボタンを作動すると、薬物送達デバイス内の1つ以上のばねが負荷される。次に、ユーザが投薬ボタンを作動すると、1つ以上の負荷されたばねが解放されて、(i)駆動部材を動作させて、駆動部材と動作整合して針アセンブリを後退位置から注射位置まで駆動するように、(ii)ポンプを駆動して、薬物リザーバから駆動された針アセンブリを通じて薬物流体をポンプ圧送するように、かつ(iii)駆動された針アセンブリを注射位置から後退位置に後退させる。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の負荷されたばねを解放することは、上記の(i)から(iii)のすべての機能を駆動する必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、(投薬ボタンの作動時に)1つ以上の負荷されたばねを解放することは、機能(i)のみを駆動するが、機能(ii)および(iii)を駆動しないことができる。他の実施形態では、投薬ボタンの作動時に1つ以上の負荷されたばねを解放することは、機能(i)と(ii)のみを駆動することができ、(iii)は駆動され得ない。さらに他の実施形態では、投薬ボタンの作動時に1つ以上の負荷されたばねを解放することは、機能(ii)および(iii)を駆動することができるが、機能(i)は駆動することはできない。概して、(投薬ボタンの作動時に)1つ以上のばねを解放することで、上記の機能(i)~(iii)のいずれか1つ以上を達成する実施形態もまた、本開示の範囲内である。
【0145】
さらに、上述の実施形態の少なくともいくつかにおいて、針カートリッジは、ユーザが投薬ボタンを作動させたときに1つ以上の負荷されたばねが解放されるときではなく、ユーザが投薬ボタンを作動するときに割り出される。しかしながら、他の実施形態では、ユーザが投薬ボタンを作動させたときに1つ以上の負荷されたばねが解放されたときに、針カートリッジは割り出しされ得る。