(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】リーダピン着脱機構およびカートリッジ磁気テープ装置
(51)【国際特許分類】
G11B 15/67 20060101AFI20240109BHJP
G11B 23/107 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G11B15/67
G11B23/107
(21)【出願番号】P 2023019824
(22)【出願日】2023-02-13
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 佳樹
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056197(JP,A)
【文献】特開2002-216408(JP,A)
【文献】特開2013-073638(JP,A)
【文献】特開2004-171701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 15/67
G11B 23/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転方向と交わる向きに設けられた第一の側面および第二の側面と、前記第一の側面および前記第二の側面の間に位置する上面とを有する突起を、外周に備えるカムギアと、
一端に接触面およびロッドレバーを有し、直線移動が可能なロッドであり、前記ロッドレバーと前記接触面とが対向し、前記ロッドレバーおよび前記接触面の間に前記突起が位置し、前記接触面と前記第一の側面とが接触可能に設けられ、前記ロッドレバーと前記第二の側面とが接触可能に設けられ、前記ロッドレバーおよび前記カムギアの外周は摺動可能であるロッドと、
前記ロッドの移動方向と交わる向きに設けられ、一端が前記ロッドの他端と連結したローテータレバーと、
前記ローテータレバーの他端と連結したローテータと、
前記ローテータと連結し、磁気テープのリーダピンをピックまたはアンピックするフック部を有するリーダブロックと、
を備え、
前記カムギアが第一の方向に回転すると、前記第一の側面が前記接触面に接触し、前記カムギアの回転方向に沿った向きに前記ロッドが直線移動し、前記ローテータレバーが前記第一の方向に回転し、さらに前記ローテータも前記第一の方向に回転し、ピックされている前記リーダピンを前記リーダブロックがアンピックする、
リーダピン着脱機構。
【請求項2】
前記カムギアが前記第一の方向と反対の第二の方向に回転すると、前記第二の側面が前記ロッドレバーと接触し、前記カムギアの回転方向に沿った向きに前記ロッドが直線移動し、前記ローテータレバーが前記第二の方向に回転し、さらに前記ローテータも前記第二の方向に回転し、前記リーダブロックがリーダピンをピックする、
請求項1に記載のリーダピン着脱機構。
【請求項3】
前記ロッドは、前記接触面と連続して前記ロッドレバーと反対方向に設けられ、前記上面と摺動可能である摺動面をさらに有し、
前記ロッドレバーおよび前記接触面のいずれも前記突起と接触していないとき、前記ロッドが意図しない動きをしようとした場合に、前記ロッドレバー及び前記摺動面の少なくとも一方が、前記カムギアの外周及び前記上面とそれぞれ接する、
請求項2に記載のリーダピン着脱機構。
【請求項4】
前記ロッドは、前記ロッドレバーと接続したバネを有し、
前記バネは、前記カムギアが前記第一の方向へ過剰に回転した場合に、弾性変形する、
請求項1に記載のリーダピン着脱機構。
【請求項5】
前記カムギアは、前記第一の側面と隣り合い、前記上面とは反対側の外周に切り欠きを有する
請求項1に記載のリーダピン着脱機構。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載したリーダピン着脱機構を有する
カートリッジ磁気テープ装置。
【請求項7】
前記リーダブロックを移動させる搬送手段をさらに有する、
請求項6に記載のカートリッジ磁気テープ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カートリッジ磁気テープ装置のリーダピン着脱機構に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープのリーダピンをピックあるいはアンピックするリーダピン着脱機構を有した、カートリッジ磁気テープ装置が知られている。特許文献1には、カートリッジ磁気テープ装置のリーダブロック回転機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートリッジ磁気テープ装置に用いられるリーダピン着脱機構では、安定したローテータの回転ができることが望ましい。そこで、本開示の目的は、安定したローテータの回転が可能なリーダピン着脱機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のリーダピン着脱機構は、回転方向と交わる向きに設けられた第一の側面および第二の側面と、第一の側面および第二の側面の間に位置する上面とを有する突起を、外周に備えるカムギアと、一端に接触面、およびロッドレバーを有し、直線移動が可能なロッドであり、ロッドレバーと接触面とが対向し、ロッドレバーおよび接触面の間に突起が位置し、接触面と第一の側面とが接触可能に設けられ、ロッドレバーと第二の側面とが接触可能に設けられ、ロッドレバーおよびカムギアの外周は摺動可能であるロッドと、ロッドの移動方向と交わる向きに設けられ、一端がロッドの他端と連結したローテータレバーと、ローテータレバーの他端と連結したローテータと、ローテータと連結し、磁気テープのリーダピンをピックまたはアンピックするフック部を有するリーダブロックと、を備え、カムギアが第一の方向に回転すると、第一の側面が接触面に接触し、カムギアの回転方向に沿った向きにロッドが直線移動し、ローテータレバーが第一の方向に回転し、さらにローテータも第一の方向に回転し、ピックされているリーダピンをリーダブロックがアンピックする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、安定したローテータの回転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】カートリッジ磁気テープ装置で利用される磁気テープカートリッジの一部切り欠き断面を示す平面図である。
【
図1B】カートリッジ磁気テープ装置で利用される磁気テープカートリッジの取り出し口を正面に見た図である。
【
図2】カートリッジ磁気テープ装置の一例を示す平面図である。
【
図3】カートリッジ磁気テープ装置のリーダピン着脱機構の一例を示す平面図である。
【
図4】リーダピン着脱機構に用いられるカムギアを示す平面図である。
【
図5】リーダピン着脱機構に用いられるロッドの図である。
【
図6】リーダピン着脱機構に用いられるロッドの一部、ローテータレバー、ローテータ、およびリーダブロックの一部拡大斜視図である。
【
図7】リーダブロックがリーダピンをピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図8】リーダブロックがリーダピンをピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図9】リーダブロックがリーダピンをピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図10】リーダブロックがリーダピンをピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図11】リーダブロックがリーダピンをアンピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図12】リーダブロックがリーダピンをアンピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図13】リーダブロックがリーダピンをアンピックする際の一連の動作を示す図である。
【
図14】リーダブロックがリーダピンをアンピックする際の一連の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
図1は、カートリッジ磁気テープ装置で利用される磁気テープカートリッジの構成の主要部を示した図である。
図1Aはカートリッジの一部切り欠き断面を示す平面図であり、
図1Bはカートリッジを磁気テープの取り出し口を正面に見た図である。カートリッジ1は内部に磁気テープ11を有し、磁気テープ11の先端にはリーダピン12が設けられている。
【0010】
図2は、カートリッジ磁気テープ装置の一例を示す平面図である。
【0011】
本実施形態に係るカートリッジ磁気テープ装置2には、搬送手段3とリーダピン着脱機構4とが設けられている。具体的に、搬送手段3は、少なくとも駆動源31、第一の搬送用カムギア32および第二の搬送用カムギア33を含んで構成されている。リーダピン着脱機構4の詳細については後程説明する。
【0012】
搬送手段3の駆動源31で発生した動力の伝達によって、第一の搬送用カムギア32および第二の搬送用カムギア33が回転駆動する。第二の搬送用カムギア33が回転駆動すると、後述するように磁気テープ11をピックしたリーダブロック10は、
図2に示す、X-X’方向に移動するようになっている。
図2において、搬送手段3の構成は簡易的に表されており、
図2に示す構成に限られない。
【0013】
図3は、
図2に示したカートリッジ磁気テープ装置2におけるリーダピン着脱機構4の一例の詳細な平面図である。リーダピン着脱機構4はカムギア5、突起6、ロッド7、ローテータレバー8、ローテータ9、およびリーダブロック10で構成されている。
図3では、リーダブロック10がリーダピン12をピックした状態を示している。リーダピン着脱機構4の各構成について、
図3~
図6を用いて説明する。
【0014】
図4は、リーダピン着脱機構4に用いられるカムギア5の図である。カムギア5の外周には突起6が設けられている。突起6は、第一の側面61、第二の側面62、および上面63を有する。第一の側面61および第二の側面62は、カムギア5の回転方向と交わる向きに設けられており、上面63は、第一の側面61および第二の側面62の間に位置する。第一の側面61,第二の側面62,および上面63を有していれば、突起6の形状は
図4に示した形状に限られない。また、カムギア5には、突起6と隣り合って切り欠き64が設けられている。切り欠き64は第二の側面62と連続して設けられている。
【0015】
図5は、リーダピン着脱機構4に用いられるロッド7の図である。ロッド7は、一端の構造体にロッドレバー71、接触面72、摺動面73、バネ74を有し、他端にロッド連結部75を有している。ロッドレバー71と接触面72は対向して設けられている。摺動面73は接触面72と連続しており、ロッドレバー71とは反対方向に設けられている。言い換えると、摺動面73は、接触面72からロッドレバー71を見た方向とは反対方向に設けられている。ロッドレバー71はバネ74と接続されている。また、ロッド連結部75は、ローテータレバー8と連結するために用いられる。
【0016】
カムギア5の突起6と、ロッドレバー71、接触面72および摺動面73との位置関係を説明する。接触面72と第一の側面61とは接触可能に設けられている。また、ロッドレバー71と第二の側面62とは接触可能に設けられ、さらに、ロッドレバー71とカムギア5の外周は摺動可能に設けられている。
【0017】
図6は、ロッド7の一部、ローテータレバー8、ローテータ9、およびリーダブロック10を示した一部拡大斜視図である。ローテータレバー8には、一端に第一の長穴81が設けられ、他端に第二の長穴82が設けられている。そして、ローテータ9には、ローテータ連結部91が設けられている。リーダブロック10には、リーダピン12をピック、アンピックするためのフック部101が設けられている。ここで、ピックするとは、リーダピン12をフック部101が掴むことを示し、アンピックとはリーダピン12をフック部101が離すことを示す。
【0018】
図6を参照すると、ロッド7に設けられたロッド連結部75は突起状の形状である。そして、ロッド連結部75は、ローテータレバー8の第一の長穴81に差し込まれることで、連結している。ロッド連結部75は、第一の長穴81の長手方向に移動可能に連結されている。また、ローテータ連結部91は、棒状である。ローテータ連結部91は、第二の長穴82に差し込まれることで連結している。そして、ローテータ連結部91は、第二の長穴82の長手方向に移動可能である。
【0019】
図3に戻ると、カムギア5は図示A-A’方向に回転する。そして、ロッド7は図示B-B’方向に直線移動可能に設けられている。ローテータレバー8は、ロッド7が直線移動する移動方向と交わる向きに設けられている。ロッド7の図示B-B’方向への直線移動によって、ローテータレバー8は、回転軸Rを中心として、図示C-C’方向に回転する。また、ローテータ9もローテータレバー8の回転に伴って回転軸Rを中心として、図示C-C’方向に回転する。ただし、ローテータ9およびローテータレバー8の回転軸は一致していなくてもよい。
【0020】
リーダブロック10は、あらかじめリーダピン12のピックが行える位置に位置決めされ、ローテータ9内において保持されている。この状態で、ローテータ9が回転すると、リーダブロック10はローテータ9とともに回転する。
【0021】
ローテータ9の回転によってリーダブロック10のフック部101がリーダピン12をピックしたあとに、第二の搬送用カムギア33が回転駆動すると、リーダブロック10は
図2中のX方向に移動する。この移動によって、カートリッジ1から磁気テープ11を引き出すことができる。
【0022】
次に、リーダブロック10がリーダピン12をピックする際の一連の動作を、
図7~
図10を参照して説明する。
【0023】
まず、リーダピン着脱機構4がリーダピン12のピックを行う前の状態を初期状態と呼ぶ。初期状態におけるリーダピン着脱機構の各構成の位置を、一例として、
図7に示す。
図7を参照すると、初期状態では、カムギア5の外周がロッドレバー71と接している。リーダピン12をピックする際には、カムギア5が
図7中のA方向に回転する。このとき、カムギア5の外周とロッドレバー71は接した状態で、カムギア5は回転する。ただし、カムギア5の外周とロッドレバー71は常に接した状態ではなくてもよく、接することが可能であればよい。ここで、カムギア5に設けられた切り欠き64は、A方向に回転するときの進行方向側に突起6と隣り合う位置に設けられている。
【0024】
図8に示すように、カムギア5がさらに回転すると、突起6の上面63と摺動面73が接する。カムギア5の外周とロッドレバー71とが接し、さらに上面63と摺動面73とが接した状態で、カムギア5は回転する。ただし、上面63と摺動面73についても常に接した状態ではなくてもよく、接することが可能であればよい。
【0025】
図9に示すように、カムギア5がさらに回転すると、ロッドレバー71とカムギア5の外周が離れる。なぜなら、突起6と隣り合って設けられた切り欠き64の位置にロッドレバー71が到達したからである。一方、上面63と摺動面73は接した状態である。
【0026】
図10に示すように、カムギア5がさらに回転すると、突起6の第二の側面62がロッドレバー71と接触する。この状態でカムギア5が回転すると、カムギア5の回転によってロッドレバー71が押され、ロッド7はB方向に直線移動をする。ロッド7のB方向への移動によって、ローテータレバー8はC方向に回転する。このローテータレバー8の回転によって、ローテータ9とリーダブロック10が、C方向に回転し、リーダブロック10のフック部101がリーダピン12をピックする。
【0027】
リーダブロック10のフック部101でリーダピン12をピックしたあとは、第二の搬送用カムギア33が回転駆動することで、リーダブロック10が移動する。リーダブロック10がX方向に移動することで、カートリッジ1から磁気テープ11が引き出される。
【0028】
上述の構成に加えて、ロッド7にはバネ74が設けられてもよい。バネ74は、ロッドレバー71に接続している。リーダピン12をピックする動作において、確実にロッド7を駆動させ、ピック動作を行うために、カムギア5が過剰に回転する場合が考えられる。過剰に回転するとは、つまり、リーダピン12をピックするのに必要な回転量以上に、カムギア5が回転することである。カムギア5が過剰に回転した場合に、バネ74は弾性変形して屈曲する。つまり、バネ74を用いることで、カムギア5が過剰に回転した場合に、過押圧分を吸収することができる。
【0029】
次に、リーダブロック10がリーダピン12をアンピックする際の一連の動作を、
図11~14を参照して説明する。
【0030】
図11に示すように、リーダピン12のアンピックする際には、カムギア5が
図7中のA’方向に回転する。カムギア5がA’方向に回転すると、ロッドレバー71と第二の側面62は離れる。さらに、突起6の第一の側面61が接触面72と接触する。
【0031】
図12に示すように、第一の側面61が接触面72と接触した状態で、カムギア5が回転すると、カムギア5の回転によって接触面72が押され、ロッド7はB’方向に直線移動する。ロッド7のB’方向への移動によって、ローテータレバー8はC’方向に回転する。ローテータ9とリーダブロック10が一体となって、C’方向に回転し、リーダブロック10のフック部101がリーダピン12をアンピックする。
【0032】
図13には、フック部101がリーダピン12をアンピックしたあと、カムギア5がさらに回転した状態を示した図である。
図13に示すように、摺動面73と上面63が接した状態で、カムギア5は回転する。ただし、上面63と摺動面73についても常に接した状態ではなくてもよく、接することが可能であればよい。
【0033】
図14に示すように、カムギア5がさらに回転すると、カムギア5の外周とロッドレバー71が接する。このとき、摺動面73と上面63は離れている。この状態でカムギア5は回転する。ただし、カムギア5の外周とロッドレバー71は常に接した状態ではなくてもよく、接することが可能であればよい。リーダピン12のアンピックが完了した後、カムギア5の回転は任意のタイミングで停止する。
【0034】
上述した本実施形態におけるリーダピン着脱機構4は、カムギア5が第一の方向に回転すると、第一の側面61が接触面72に接触し、カムギア5の回転方向に沿った向きにロッド7が直線移動し、ローテータレバー8が第一の方向に回転し、さらにローテータ9も第一の方向に回転し、ピックされているリーダピン12をリーダブロック10がアンピックする。上記構成によって安定したローテータ9の回転が可能となる。
【0035】
リーダピン着脱機構の構成の一例として、ロッドの駆動にバネを用いる構成が挙げられる。しかし、例えば、ローテータとローテータレバーとが接する面に生じる摩擦力の負荷によってローテータが安定して回転しない懸念がある。
【0036】
しかし、本実施形態のリーダピン着脱機構4では、カムギア5が第一の方向に回転すると、第一の側面61が接触面72に接触し、カムギア5の回転方向に沿った向きにロッド7が直線移動し、ローテータレバー8が第一の方向に回転し、さらにローテータ9も第一の方向に回転し、ピックされているリーダピン12をリーダブロック10がアンピックする。この構成より、上述した摩擦力などの負荷によるローテータの不安定な回転を防止できる。したがって、安定したローテータ9の回転が可能である。
【0037】
さらに、本実施形態のリーダピン着脱機構4では、ロッドレバー71および接触面72のいずれも突起6と接触していないとき、ロッド7が意図しない動きをしようとした場合に、ロッドレバー71及び摺動面73の少なくとも一方が、カムギア5の外周及び上面63とそれぞれ接する。つまり、カムギア5が回転しているときには、ロッドレバー71及び摺動面73の少なくとも一方が、カムギア5の外周及び上面63とそれぞれ接する必要は必ずしもない。しかし、ロッド7が意図しない動きをしようとした場合に、ロッドレバー71及び摺動面73の少なくとも一方が、カムギア5の外周及び上面63とそれぞれ接する。この構成により、ロッド7の意図しない駆動が抑制できる。また、ロッドレバー71及び摺動面73の少なくとも一方が、カムギア5の外周及び上面63と接しているのみであることから、カムギア5の回転への影響がない。したがって、安定したローテータ9の回転が可能である。
【0038】
本実施形態のリーダピン着脱機構4は、ロッドレバー71と接続したバネ74を有し、バネ74は、カムギア5が第一の方向へ過剰に回転した場合に、弾性変形する。確実にアンピックを行うために、カムギア5を過剰に回転させた場合でも、上記の構成により、カムギア5の回転の超過分を吸収することができる。そのため、安定したローテータ9の回転が可能である。
【0039】
本実施形態のリーダピン着脱機構4は、突起6と隣り合った切り欠き64を備える。この構造を備えることで、第二の側面62とロッドレバー71とが接触する前に、ロッドレバー71が、カムギア5の外周と離れる。つまり、ロッド7の移動による、カムギア5とロッドレバー71の干渉を避けることができる。さらに、前述のカムギア5が過剰に回転する場合において、バネ74が屈曲し、ロッドレバー71は、カムギア5の回転方向とは反対の回転方向に回転する。例えば、
図10の例では、カムギア5が時計回りに過剰に回転する場合において、バネ74の屈曲により、ロッドレバー71は反対の回転方向である反時計回りに回転する。このとき、切り欠き64はロッドレバー71が回転するためのニゲとなる。以上より、切り欠き64を備えることで、安定したローテータ9の回転が可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1 カートリッジ
11 磁気テープ
12 リーダピン
2 カートリッジ磁気テープ装置
3 搬送手段
31 駆動源
32 第一の搬送用カムギア
33 第二の搬送用カムギア
4 リーダピン着脱機構
5 カムギア
6 突起
61 第一の側面
62 第二の側面
63 上面
64 切り欠き
7 ロッド
71 ロッドレバー
72 接触面
73 摺動面
74 バネ
75 ロッド連結部
8 ローテータレバー
81 第一の長穴
82 第二の長穴
9 ローテータ
91 ローテータ連結部
10 リーダブロック
101 フック部
【要約】
【課題】カートリッジ磁気テープ装置におけるリーダピン着脱機構は、安定したローテータの回転ができることが望ましい。
【解決手段】リーダピン着脱機構は、第一の側面および第二の側面と、第一の側面および第二の側面の間に位置する上面とを有する突起を、外周に備えるカムギアと、一端に接触面、摺動面、およびロッドレバーを有するロッドと、ローテータレバーと、ローテータと、磁気テープのリーダピンをピックまたはアンピックするフック部を有するリーダブロックと、を備え、カムギアが第一の方向に回転すると、第一の側面が接触面に接触し、カムギアの回転方向に沿った向きにロッドが直線移動し、ローテータレバーが第一の方向に回転し、さらにローテータも第一の方向に回転し、ピックされているリーダピンをリーダブロックがアンピックする。
【選択図】
図4